ハルヒ「キョンお兄ちゃん・・・?」
キョン「ハルヒ、10時まであと15分もあるんだが?」
ハルヒ「全員集まってるんだから遅刻は遅刻よ!!」
キョン「バカな事言うな!」
ハルヒ「はあ?団長に向かって口答えするとは、雑用の癖に生意気!グーパン1回!」
キョン「おいっ、ちょ、危な・・・」
ハルヒ「あっ」ツルッ・・・ゴンッ
キョン「お、おい・・・ハルヒ?」
朝比奈「涼宮さぁん・・・大丈夫ですかぁ?」
長門「・・・下がって」
キョン「長門、ハルヒは大丈夫なのか?」
長門「大丈夫、軽い脳震盪程度」
キョン「よかった・・・」
古泉「やれやれ、流石の私も血の気が引きましたよ」
朝比奈「本当に良かったですぅ」
長門「自宅で安静にするべき」
キョン「だな、ハルヒの家知ってる奴いるか?」
古泉「こちらです」
キョン「・・・」
キョン「なんでお前がハルヒの家知ってるんだよ?」
古泉「その方が仕事もやりやすいですから」
キョン「お前な、仮にもハルヒは女子高生だぞ?プライバシーってもんを教えてやる!」
古泉「確かに、ごもっともですが・・・こちらの御二方もご存知です」
キョン「え?」
朝比奈「・・・」
長門「・・・」
キョン「はぁ・・・、いくら重要人物だからってプライベートも管理されるとはな、ハルヒとは言え可愛そうになるぜ」
―――
キョン「家の人はいないみたいだな」
キョン「・・・」
古泉「どうされましたか?」
キョン「ひょっとして、朝比奈さんや長門も知ってたのか?」
朝比奈「知ってましたぁ」
長門「知っていた」
キョン「ハルヒ・・・訴えたら勝てるんじゃないか?」
古泉「ですが、これはあなたの為・・・延いては世界の為でもあるんです」
キョン「ハルヒのプライベートを知る事と、世界を救う事と関係があるとは思えんがな」
古泉「話せば長くなります」
キョン「この際だ、聞かせてもらおうじゃないか」
キョン「そりゃそうだ、ハルヒは・・・」
古泉「涼宮さんは?なんですか?」
キョン「妹!妹みたいなもんだからな!」
古泉「涼宮さんが妹ですか?」
ハルヒ「妹?」
キョン「お、おお!ハルヒ、起きたか?体は大丈夫か?」
ハルヒ「私・・・妹なの?」
キョン「え?あ、あぁ・・・あれは言葉のあやというかだな」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん!」
キョン「ちょ、抱きつくな!」
朝比奈「涼宮さぁん、別人みたいですぅ」
長門「先程の頭部への衝撃が、一時的に別人格を形成した可能性が高い」
キョン「そんな漫画みたいな話あるか!ハルヒ、悪い冗談はよせ!」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん、私の事嫌いなの・・・?」
キョン「・・・っ!!」
古泉「ほほう、これは興味深い」
ハルヒ「・・・?」
キョン「くっ!!なんか可愛いぞ!?」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん、お茶入れるね!」
キョン「えっ?あ、あぁ、すまないな」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん、疲れてるでしょ?マッサージしてあげるね!」
キョン「お、おぉ、ハルヒは気がきくな!」
古泉「何受け入れてるんですか?早くどうにかしないと」
キョン「う、受け入れてない!断じて献身的なハルヒにときめいてなどいない!」
長門「病院へ連れて行く事を推奨」
キョン「あぁ、早く行こう」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん・・・私、邪魔な子?」
キョン「んぐっ!?」
古泉「まずいですね」
長門「このままでは別人格が定着してしまう」
キョン「そういう大事な事は早く言ってくれ!」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん!!」
キョン「ど、どうした?」
ハルヒ「私、いなくなった方がみんな幸せになる?」
キョン「・・・」
ハルヒ「やっぱり、そうなんだね・・・」
キョン「ハルヒ・・・」
キョン「ハルヒ、いいか?よく聞いてくれ」
ハルヒ「なに・・・?」
キョン「お前が消えても、俺は絶対に忘れないさ」
ハルヒ「・・・」
キョン「他の奴らが忘れても、俺は忘れない・・・お前のお兄ちゃんだからな」
ハルヒ「キョンお兄ちゃん・・・」
朝比奈「あのぉ、昔の人は叩けば直るって言ってましたぁ」
キョン「え?朝比奈さん?」
スコーン・・・
ハルヒ「・・・」
古泉「なるほど、その手がありましたか!」
キョン「お前何言ってんだ、荒治療とか民間療法とかのレベルじゃないぞ!?」
長門「でも、これしか手はない、別人格の定着はすなわち、世界の崩壊を意味する」
キョン「だからって・・・まだアイツとお別れもしてないのに!!」
ハルヒ「痛ああぁ!!ちょっとみくるちゃん、何すんのよ!!」
キョン「あ・・・戻ったのか・・・」
古泉「ふぅ・・・なんとか世界は救われたみたいですね」
ハルヒ「・・・? キョン、何で泣いてるのよ?」
キョン「・・・大事な人が1番近くで1番遠い所に行っちまってな」
ハルヒ「・・・何よそれ?ナゾナゾ?」
キョン「長門、もうアイツには会えないのか?」
長門「人格は既に消失している、故に再度衝撃を与えても現れる事は無い」
キョン「・・・そうか」
朝比奈「あのぉ、上手く行ったんですよね?」
古泉「えぇ、さすが朝比奈さんです、上手く行きました・・・が、どうやら彼はそうでは無かったみたいです」
ハルヒ「なんだかよく分からないけど、キョン!」
キョン「・・・なんだ?」
ハルヒ「そ、その・・・」
キョン「?」
ハルヒ「・・・そ、そんな落ち込まないでよ、お・・・お兄ちゃん・・・」
完
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コメント一覧 (5)
-
- 2018年12月17日 13:54
- フハッ!
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- 2018年12月17日 16:10
- ほかのメンバーが家知ってるだけで文句垂れるキョンは気持ち悪い
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- 2018年12月17日 20:10
- 私
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- 2018年12月17日 23:03
- 古泉の一人称が「私」の時点で読む気なくなる
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- 2018年12月18日 08:35
- 一人称くらい確認しろよ