全てが面倒になって遺書も用意せず山に行く途中で強引に絡まれてる自殺志願者ちゃん「……なんですか?」
自殺志願者ちゃん「……あの、急いでいるので」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……ちょっと」
自殺志願者ちゃん「何なんですか、あなた……」
自殺志願者ちゃん「……私、急いでいるので」
自殺志願者ちゃん「……あの」
自殺志願者ちゃん「……腕、離してください」
自殺志願者ちゃん「……危ない? ああ、そうですか。そうですね」
自殺志願者ちゃん「そういうの、どうでもいいので、もう行かせてくれませんか?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……あの、離して」
自殺志願者ちゃん「え? なんですか……ボディガード? ははっ……なんですかそれ」
自殺志願者ちゃん「あの、手、離して、離して、ください」
自殺志願者ちゃん「離して」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……だから、急いでいるって、言ってるじゃないですか……」
自殺志願者ちゃん「どこにって……?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……あなたに関係ないでしょう?」
自殺志願者ちゃん「……っく、くくく、あはは、はははは……」
自殺志願者ちゃん「ふ、ふふふ……」
自殺志願者ちゃん「一緒に、来てくれるって? あはは、あははは!」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……いいですよ」
自殺志願者ちゃん「じゃあ、来てくださいよ。私の行こうとしているところに」
自殺志願者ちゃん「く、くくく……」
自殺志願者ちゃん「って、あ、ひ、引っ張らないで……」
自殺志願者ちゃん「だから、私の行こうとしてるところは、っておい」
自殺志願者ちゃん「ちょっと、私の行くところ、聞かないで、どこに行く気なんですか……」
自殺志願者ちゃん「……車?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……ああ、そうですか……わかりましたよ……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……目的地?」
自殺志願者ちゃん「……山なら」
自殺志願者ちゃん「山なら、どこでもいいです」
自殺志願者ちゃん「……ええ」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……いや」
自殺志願者ちゃん「……喋っていないで、運転に集中されたら、どうですか……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……ちょっと、ハンドルから、手を放さないでください」
自殺志願者ちゃん「……あの、ちょっと」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……え、何飲んでるんですか?」
自殺志願者ちゃん「……それ、お酒、ですよね……?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……え? もしかしてあなた酔っぱらっているんですか?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……いや」
自殺志願者ちゃん「……まあ、いいか。どうでも……」
自殺志願者ちゃん「……どうだっていい」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……道」
自殺志願者ちゃん「……違うと思うんですけど」
自殺志願者ちゃん「……これ、山に行く道じゃ」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……ああ、そういうこと」
自殺志願者ちゃん「…………」
自殺志願者ちゃん「………………」
自殺志願者ちゃん「……別に、いいや。面倒くさい」
自殺志願者ちゃん「どうだっていい」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……それで、随分と人気のない場所に来ましたね」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……とてもしんとしてて、大きな声を上げたら辺りに凄く響きそう」
自殺志願者ちゃん「でも、私が泣き叫んだとしても、きっと誰にも気づかれることはないでしょうね」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……何をぼうっとしているんですか? そのつもりで連れて来たんでしょう?」
自殺志願者ちゃん「どうぞお好きに、私に何でもすればいいじゃないですか」
自殺志願者ちゃん「抵抗する気力もありません」
自殺志願者ちゃん「どうだっていいんですよ。あなたが私に何をしようとどうしようと」
自殺志願者ちゃん「きっと何も感じないでしょうし、どうとも思わないでしょう」
自殺志願者ちゃん「だって私は死にたいんですから。もうどうだって、いいんですよ」
自殺志願者ちゃん「ただし、やるならさっさと済ませてくださいよ。私は早く死にたいんですから……」
自殺志願者ちゃん「どうぞ、どうぞ、ご勝手に。どうぞ。さっさとどうぞ」
自殺志願者ちゃん「……っ」
自殺志願者ちゃん「……助手席でするんですか? 動きにくいだろうに」
自殺志願者ちゃん「ああ、酒臭い息ですね。間近で吹き付けられると吐きそう」
自殺志願者ちゃん「……何をじっとしているんですか? キスでもなんでもしたければど」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……え、なんでえずいて」
自殺志願者ちゃん「や、やめ、やめ待って」
自殺志願者ちゃん「顔にゲロが、おえ、ぐ、ぺっ、ぺっ」
自殺志願者ちゃん「ちょ、どいてください、顔、拭きたいんですけど……あれば、水も欲しいんですけ、ど……」
自殺志願者ちゃん「……なんで泣いてるんですか?」
自殺志願者ちゃん「泣きたいのは、うう、こっちなんですけど……え?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……道に迷った?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……そこ、左です」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……いや、前向いてください。そこに左に行く道あるでしょう、そこ曲がって、いや、泣くな、泣いてないで前見ろ」
自殺志願者ちゃん「酒を飲むな!! 何で運転中で息をするように酒を飲むんですか!! 信じられない!」
自殺志願者ちゃん「さっきあれだけ盛大にゲロ吐いといてまだ飲む気あるんですか!? もういい加減にしてくださいよ!!」
自殺志願者ちゃん「ああ、ていうか、左、左曲がって! 早く! だから泣いてんじゃねえよ!! 前見ろ!!」
自殺志願者ちゃん「ま、え、を、見、ろ!!」
自殺志願者ちゃん「そうそう……いい子ですね……はい、上手にできましたー……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……やっと着いた」
自殺志願者ちゃん「……もう酒飲んでいいですよ……もう好きなだけどうぞ……」
自殺志願者ちゃん「あなたは何をそんなに泣いてるんですか……泣きたいのはこっちだって散々言ってるじゃないですか……」
自殺志願者ちゃん「はあー……」
自殺志願者ちゃん「あなた……」
自殺志願者ちゃん「……本当に私を連れてきただけですね」
自殺志願者ちゃん「……いや、どうでも、いいんですけど」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……ふぅー」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……いや、ついてこないでください」
自殺志願者ちゃん「いやいや、それは、確かに、一緒に来ていいとは、いいましたが……」
自殺志願者ちゃん「……あ、ちょ、ちょっと……足元気を付けてくださいよ……ああもう盛大に転んじゃって……大丈夫ですか……?」
自殺志願者ちゃん「……だから泣かないでくださいよ」
自殺志願者ちゃん「返事は元気ですね……はいはい、偉いですね……」
自殺志願者ちゃん「大事なものが入っているので、注意して運んでください……まあ多少衝撃加わっても大丈夫でしょうけど」
自殺志願者ちゃん「……ゆっくり、私の後をちゃんとついてきてくださいよ」
自殺志願者ちゃん「私が懐中電灯を使って道を照らすので……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「立派な樹……ここの枝なら、きっと折れないでしょう……」
自殺志願者ちゃん「……あの、すみません、荷物ください……はい、ありがとうございます。よくできましたね」
自殺志願者ちゃん「……はぁー」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「いけない。気分を入れ替えないと」
自殺志願者ちゃん「……ふぅー」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……事情、知りたいですか」
自殺志願者ちゃん「私が自殺しようとする理由、知りたくないですか……?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……まあ普通に、借金とか、人間関係とかいろいろなんですけど」
自殺志願者ちゃん「そりゃあ、そんなのは頑張ればどうにかなる問題です。皆大小あってもどうにかしてます」
自殺志願者ちゃん「でも、私は空っぽだから……」
自殺志願者ちゃん「私には、家族もいない。大事な人もいない。そういう存在ができたことなんてなかった」
自殺志願者ちゃん「ずっと、一人で生きてきた……だから、頑張れなくて……」
自殺志願者ちゃん「……これが、寂しいという気持ちなんでしょうか? ずっと感じてきたことだから、もうわからないんです」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……よし」
自殺志願者ちゃん「手伝ってくれるんですか……? できるんですか?」
自殺志願者ちゃん「……じゃあ、脚立を準備してください」
自殺志願者ちゃん「私は、台の場所を見極めます」
自殺志願者ちゃん「……よし、ここがいいですね。そちらも準備できましたか。偉い偉い」
自殺志願者ちゃん「では、次に、縄を枝に固く縛ってください」
自殺志願者ちゃん「固くですよ。成人女性の体重に耐えきれるくらいに固くぎゅっと縛ってください」
自殺志願者ちゃん「私は輪っかの方を作ります」
自殺志願者ちゃん「……うわっ! 何をやってるんですか……登れないなら登れないといってください。大丈夫ですか? 頭ぶってないですか?」
自殺志願者ちゃん「……じゃあこっちの輪っか作ってください。私がそちらをやるので……」
自殺志願者ちゃん「だから泣くなって言ってるじゃないですか……」
自殺志願者ちゃん「そっちもできましたか? ちょうどいい高さに輪っかが作れていますか?」
自殺志願者ちゃん「……うんうん、よさそうですね。やればできるじゃないですか。偉い偉い」
自殺志願者ちゃん「……いや実際に首くくろうとしなくていいですよ。テストしようとしなくていい、ちょ、ちょちょちょ」
自殺志願者ちゃん「止めろって、止めろ、止め、どうした! 急にどうした!?」
自殺志願者ちゃん「死なせてくれぇ!? 何言ってんですか、何言ってんですか!」
自殺志願者ちゃん「誰だみちこって!! やめろぉ!!」
自殺志願者ちゃん「だから誰だよみちこって!! 落ち着け!!」
自殺志願者ちゃん「止めろ! 止め、止め、止め」
自殺志願者ちゃん「自殺なんか止めろー!!!!!」
自殺志願者ちゃん「おらー!!!!」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……どうして泣いてるんですか」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……話すだけ、話してくださいよ」
自殺志願者ちゃん「話せば、楽になることもありますよ……」
自殺志願者ちゃん「……多分」
自殺志願者ちゃん「……それで徘徊してたんですか」
自殺志願者ちゃん「……えっと」
自殺志願者ちゃん「いやまあ、そんなに泣けるほど思い出があるならいいじゃないですか。楽しかったんでしょう?」
自殺志願者ちゃん「うんうん……私なんか、ずっとボッチで誰とも遊んだことも無いんですよ。泣けるほどの思い出もないんですよ。そっちの方が泣けるじゃあありませんか」
自殺志願者ちゃん「……楽しかったことだけ、思い出して生きればいいじゃないですか」
自殺志願者ちゃん「……うわあ、そんな大声上げて泣かないでくださいよ、子供みたいじゃないですか」
自殺志願者ちゃん「……ああ、おう」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……そんなに好きだったんですねえ」
自殺志願者ちゃん「……それほど、人を好きになれるものなんですねえ」
自殺志願者ちゃん「……私にはわからないなあ」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……でも、そうですね、わかりました」
自殺志願者ちゃん「泣いていいです。今だけ、思いっきり泣けばいいんです」
自殺志願者ちゃん「そうやって、明日は元気に生きていきましょう」
自殺志願者ちゃん「ね?」
自殺志願者ちゃん「そうやって私の胸に飛びついてきてもいいんですけどね? 地面に頭打って痛いですけど」
自殺志願者ちゃん「はいはい、よしよし……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……あれ? 寝てません?」
自殺志願者ちゃん「ちょ、あれ、外れない……あの! もしもーし!」
自殺志願者ちゃん「動けないんですけどー……」
自殺志願者ちゃん「……酒臭い。息が、首筋に」
自殺志願者ちゃん「……体温が、生温かい。移ってくる」
自殺志願者ちゃん「それに、力が強い。体が、壊される……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……まだ、泣いてる」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……しょうが、ないなあ」
自殺志願者ちゃん「……って、なんか、腰をカクカク、振って、きてるし」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……一晩中、これ、かあ」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「今が暖かい季節でよかったですね。季節が季節なら凍え死んでいたかもしれませんよ」
自殺志願者ちゃん「……どうしたんですか?」
自殺志願者ちゃん「ここはどこ? きみはだれ?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……はぁー、だからみちこさんに捨てられるんですよ」
自殺志願者ちゃん「ここがどこかなんて見ればわかるじゃないですか。山ですよ、山、山、山の中」
自殺志願者ちゃん「……どうしてここにって?」
自殺志願者ちゃん「……どうしてでしょうねえ。なんだか馬鹿馬鹿しくて」
自殺志願者ちゃん「どうせ道もわかんないでしょうから、私が道案内してあげますよ」
自殺志願者ちゃん「私は免許を持っていないので、あなたが運転してください」
自殺志願者ちゃん「はい立って立って、体調はしっかりしてますか?」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「大した内容はありませんが、積もる話も、車の中で……」
自殺志願者ちゃん「……」
自殺志願者ちゃん「……まずは、お互いの自己紹介から、始めましょうか」
電脳コイル見た後だからかみちこさんが名前として浮かんだ
電脳コイルは名作
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全てが面倒になって遺書も用意せず山に行く途中で強引に絡まれてる自殺志願者ちゃん「……なんですか?」
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全てが面倒になって遺書も用意せず山に行く途中で強引に絡まれてる自殺志願者ちゃん「……なんですか?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1544960399/
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コメント一覧 (10)
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- 2018年12月21日 18:28
- すき
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- 2018年12月21日 18:44
- 最早タイトルが意味わからん
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- 2018年12月21日 19:43
- どんな精神状態ならこんなスレを立てれるんだろうか
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- 2018年12月21日 20:26
- げんふうけい亜種やな
面白かった
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- 2018年12月21日 20:55
- そういうことも、ないこともないかもしれぬ
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- 2018年12月21日 20:58
- ええやん
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- 2018年12月22日 01:45
- 絶望センチメンタル思い出した
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- 2018年12月22日 02:49
- 吐きまくって泣きまくる主人公?のキャラがめっちゃ好き
こういう大人しい系のヒロインが振り回されまくるのいいよね
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- 2018年12月23日 09:11
- 良い
…通りすがりのコメ1だ覚えておけ!変身!!