男「学園物あるあるが一切ない学校生活」
男「やっと午前の授業終わったー……」
友人「昼飯にしようぜー!」
男「おう」
男「あ、そうだ。たまには屋上で食わないか?」
友人「そりゃいいな。青空の下でランチってのも悪くない」
男「そうと決まれば屋上行こうぜ!」
友人「施錠されちゃってるな……」
男「マジかよ~」
友人「仕方ない、教室で食おうぜ……」
【1:屋上は開放されていない】
男「ところで、昨日のお笑いバトル見た?」
友人「見た見た!」
男「芸人が鼻でスパゲティ食うとこマジ笑ったわ~」
友人「鼻毛みたいになってたもんな!」
男「……」
友人「……」
友人「まあ、女子は女子グループで固まってるしな……」
ワイワイ… キャピキャピ…
女子A「えぇ~、ウッソー!」
女子B「やだー! 超カワイイー!」
女子C「これ超いいー!」
【2:休み時間一緒に話す女子なんていない】
男「多分クラスで一番頭いいのは、あいつだよな」
友人「ああ」
メガネ「……」
男「だけど、東大狙えるとかそこまでのレベルじゃない」
友人「逆に一番悪そうなのはあいつか」
チャラ男「昨日もバイトマジきつかった~」アハハ…
男「だけど、ものすごい不良ってわけでもない。停学食らったりしてないし」
友人「よくも悪くも平凡なクラスだよな」
【3:クラスに両極端な天才と不良が共存していない】
イケメン「今度フットサルやらね?」
男子「いいねえ!」
男「そんなあからさまにモテてるわけでもない」
友人「人気はあるけど、歩くたびにキャーキャーいわれるほどじゃないな」
【4:ファンクラブができるような美男美女なんていない】
生徒会長「はいっ!」ザッ
生徒会長「皆さん、おはようございます」
生徒会長「今は季節の変わり目なので、皆さん風邪などひかないよう……」
男「……こいつ誰?」
友人「さっきいってたろ。生徒会長だ」
男「……地味だな」
男「現実の生徒会長は地味だよなぁ。俺、こいつの名前すら知らないもん」
友人「まあ、俺らの前でやることといえば、ちょっと挨拶するくらいだし」
【5:生徒会が絶大な権力を持っていない】
男「うおおおおおおおっ!」タタタタタッ
男「あっ!」ガクッ
ドテンッ
男子A「おい、大丈夫か!?」
男子B「血が出てるぞ……保健室行った方がいいな」
友人「大丈夫か? 俺がついてってやるよ」
男「わ、わりい」
体育教師「一人で大丈夫か?」
男「は、はい……」
男(あ~あ、ついはりきりすぎちまった)
中年女「じゃあ消毒薬をつけてあげるわね」
男「……」
友人「……」
男「美人な保健室の先生なんて、しょせん幻想の中の存在だよな……」
友人「ていうか、なんでマンガだと保健室の先生は色っぽくされがちなんだろ」
【6:若くて美人な保健室の先生なんていない】
ハーイ… ハーイ… ハーイ…
男「そういや学園祭の季節か~」
友人「しょせん高校の学園祭だし、あんま凝ったことはできないだろうけどな」
「やっぱ食い物じゃねーか?」
「だったらメイドカフェとかやってみたーい!」
ワイワイ…
「興味ねーわ……」
「勉強に専念したいのに……」
シラーッ…
男「温度差すごいな……」
友人「参加しない奴はとことん参加しないからな、学園祭って」
【7:学園祭でクラス一丸とならない】
男子A「俺らで組もうぜ」
男子B「おう」
女子A「よろしくね~」
女子B「修学旅行楽しみ~」
女子C「いっぱい名産買おうっと!」
男「あぶれずに済んでよかった……」
友人「ああ……」
男「修学旅行といえば……」
友人「旅行先でなにか事件が起こるのがつきものだよなぁ」
友人「まあ、事件が起こったら先生たちは大変だろうしな」
【8:修学旅行先で事件が起きない】
友人「絶対合格しようぜ!」
男「おう!」
男(マンガだと、大学の合格発表は掲示板まで見に行くもんだけど……)
友人「どうだった?」
男「えーと、358番、358番……」
男「あ、受かった」
友人「感動がねえなぁ」
男「大した大学でもないからな」
【9:大学受かっても掲示板の前で胴上げなんてしない】
生徒「はいっ!」
生徒「私たちは卒業します! こうして目をつぶると、高校三年間の思い出がよみがえって……」
男「いよいよ卒業式か……」
友人「長いような短いような、そんな高校生活だったな……」
シーン…
男「周囲見回しても、泣いてる奴なんて誰もいないな」
友人「散々練習やらされたし、もう泣くようなテンションじゃないだろ」
友人「早く終わって欲しいって気持ちのが強い」
男「だよな……あくびが出てしょうがない」
【10:卒業式でみんな泣いたりしない】
友人「お疲れ~」
男「大してドラマチックでもない高校生活だったけど、こうして終わると寂しいもんだな~」
友人「そうだな」
男「だけど、これはこれで楽しかったぜ」
男「なんたってお前っていう親友がいたんだからな!」
友人「? お前なにいってんだ?」
男「え?」
男「え……」
友人「俺はお前が作り出した人間……ただの幻影なんだ」
友人「大学入ったら、今度こそ俺のような奴を作らないよう、ちゃんと友達作れよ……」スゥゥゥ…
男「……消えた」
男「そうか……そうだった」
男「俺といつもバカ話をしてくれる世話焼きな親友なんていなかった……」
完
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (12)
-
- 2018年12月13日 22:34
- ただの現実やん
-
- 2018年12月13日 22:38
- 卒業式で泣くやつはいたなあ。
クラスの女子とかが。
-
- 2018年12月13日 22:53
- オチだけ好き
-
- 2018年12月13日 22:56
- 念能力者は普通じゃないだろ
-
- 2018年12月13日 23:19
- 確かによくよく見てみたら修学旅行の時点で人数おかしかったな
-
- 2018年12月13日 23:21
- 体育の時間の教師の
一人で大丈夫か?がすでに伏線だったんだな
-
- 2018年12月13日 23:34
- 色々違和感あったけどそういうことか…
-
- 2018年12月13日 23:39
- 全て現実のことだな
-
- 2018年12月13日 23:54
- 俗に言うイマジナリーフレンドか…
-
- 2018年12月14日 01:48
- 途中までつまらなかったけどオチ好き
-
- 2018年12月14日 10:31
- おお、全く気付かなかった
-
- 2018年12月15日 00:30
- 文化祭の劇のセットが本格的すぎるのも加えといて