【ぼく勉】成幸 「桐須先生と結婚か…」
- 2018年12月07日 15:10
- SS、ぼくたちは勉強ができない
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和樹「今日は面白かったなー。兄ちゃん」
成幸「こっちは色々大変だったけどな! 先生の下着を返すのにどれだけ苦労したと思ってんだ」
和樹「ごめんなさーい! …でも本当にキレイだったな真冬ちゃん。おっぱいもでかかったし、兄ちゃん頑張ってお嫁さんにしよーぜ」
成幸「(おっぱい…)バカ言うな、相手は先生だぞ。俺なんか相手にされねーって」
葉月「えーでも真冬ちゃんはお嫁に来てくれるって言ってたよ」
成幸「ブッフォ! げほっげほっ。お前らなー。ラムネ吹き出しちまっただろ! ったく…本当に先生が言ってたのか?」
葉月「うん、いつか嫁に来てくれるって」
成幸「そうか(ああ、葉月に気を遣ってくれたんだな)」
葉月「良かったね。兄ちゃん」ニコッ
和樹「そうだな…」ハハ…
てくてくと家路を歩いていく三人。
成幸(葉月の事はともかく、桐須先生と結婚か…絶対有り得ないだろうけど、何となく想像がつくよなあ…)フフッ
成幸「ふわあ~あ…もう朝か。真冬さん、朝ですよ」
真冬「ん…」zzz
成幸「(寝顔まで可愛いんだよなこの人は…)ほら、起きて下さいよ、『桐須先生』」
真冬「ん、『唯我』くん…? じゃなかったわね。成幸くん…もう朝かしら?」
成幸「ええ、そろそろ起きないと」
真冬「了解。でも…」ギュ
成幸「え?」ドキッ
真冬「もう5分だけ…このまま…」ギュ…
成幸「う、わ、わかりました…」カァアア
--結局15分間このままだった。後悔はしていない。
もきゅもきゅ(咀嚼音)
真冬「ど、どうかしら?」ドキドキ
成幸「うん、今日も美味しいですよ。だけど、毎回きっちりレシピ通りに作るのって大変じゃないですか?」
真冬「基本第一。レシピをおろそかにするなと言ったのは君よ、成幸くん」
成幸「でもそろそろ卵焼きくらいなら…」
真冬「駄目、不許可。料理は愛情って言うでしょう。多少手間でも、夫となった君にはちゃんとしたものを食べさせてあげたいもの」
成幸「ジーン ま、真冬さん…ありがとうございます」
成幸「チラッ 今日も嵐のような惨状ですね…ちなみにお皿やコップは?」
真冬「杞憂。聞いて驚きなさい。何と1枚に収まったわ」ドヤァ
成幸「すごい! 新記録じゃないですか。この調子でいきましょう」
真冬「そうね、この調子でいけば明日には--」コツン
ガシャーン(コップが割れる音)
成幸「…また明日頑張りましょうか」ハヘンフマナイデクダサイネ…
真冬「…ええ」ゴメンナサイ…
成幸「(シートベルト締めて、と…)それじゃあ出発します。忘れものは無いですか?」
真冬「問題無いわ。だけど今日は時間が押してるし、何なら私が運転しても」
成幸「キリッ いえ、急ぐので是非とも俺に運転させて下さい。俺の寿命のためにも」
真冬「そ、そう…じゃあお願いするわね」
成幸「…全然動きませんね」
真冬「スマホスマホ… 把握。どうやら事故で渋滞しているみたいね」
成幸「とりあえずUターンしましょうか」チカッチカッ
成幸「何とか引き返せたのはいいですけど…まずいな。このままじゃ遅刻ですよ」
真冬「そこの路肩に止めて貰えるかしら」
成幸「え、ええ…」キキィッ
成幸「止まりました…って何でシートベルト外してるんですか!?」
真冬「交代。運転を変わるわ」
成幸「いや、でも…」アセアセ
成幸「うう…わ、わかりました。くれぐれも安全運転でお願いしますよ」
真冬「当然。法定速度はいつも遵守しているもの。問題無いわ」
成幸(それ以外が問題だらけだから言ってるんですが…)ブワワッ
真冬「(シートベルトをして、と)そういえば…運転席に座るのも久しぶりね」
成幸「そ、そういえばそうでしたね。ブランクもあることだし、ここはゆっくりと」アセアセ
真冬「腕が鳴るわね。久しぶりに…愉悦を感じられる気がするわ」フフッ
成幸(終わったーー!)サァァーッ
真冬「じゃあ行くわよ。舌を噛まないようにしなさい!」ルパンルパーン!
成幸「ギャーーッ! 何とか保ってくれ俺の心臓ーー!」
――その後、僕のいくばくかの寿命と引き替えに、遅刻せず学園に着くことができました。
休み時間、廊下にて
成幸「フラフラ… うう、まだ吐き気が…明日からはもっと早く家を出よう」
中木「(あ、成幸先生だ)おはよーです、成幸先生」
成幸「ああ…おはよう中木。鞄を持ってるってことは移動の最中だな。B組は確か…世界史か」
中木「そうです世界史。あの超怖い真冬先生の。こないだうっかり寝ちゃったら、めちゃくちゃ叱られちゃいました」ズーン
成幸「(さ、流石だなあ…)ま、まあ、中木も今年は受験だからな。きっと心配してくれてるんだと思うぞ」
中木「ふーん」ジロジロ
成幸「な、何だ?」
中木「いえ、やっぱり自分の奥さんのことだから良くわかってるのかなーって」
成幸「そ、それとこれとは話が別だろ?」アセアセ
中木「そうかな? まあ細かいことは置いといて…家の中での真冬先生ってどんな感じなんですか? やっぱり授業中みたいにビシッとしてるとか?」
成幸「そうだな…(ここは正直に話して親近感を持ってもらうべきか!)いや、ああ見えて実は--」
成幸「…すごくビシッとしててな。いやもう料理も掃除も車の運転も完璧なんだ。そうですよね、真冬先生」ダラダラ…
真冬「ええそうね。結婚したからには妻として最善を尽くす必要があるもの」
中木「そ、そうですか…(もしかして今すっごく惚気られてる?)」
真冬「ところで、中木さん」
中木「は、はいっ(お、怒られちゃうの?)」アセアセ
真冬「…受験に向けて頑張っているようだけれど、授業中に寝てしまうのは本末転倒よ。夜は早めに切り上げて、その分朝に勉強してみなさい。その方が脳に入ってくるわ」
中木「え…?」
真冬「返事は?」ジロリ
中木「は、はい! ありがとうございます…………あの、成幸先生」
成幸「ん?」
中木「ボソッ 真冬先生のこと悪く言ってしまってすみません。素敵な奥さんですね」ニコッ
成幸「あ、ああ…ありがとう」
真冬「ハア… 出来れば廊下も走らないでほしかったのだけれど…」
成幸「はは…でも中木の奴、立ち直ったみたいで良かったですよ」
真冬「彼女が良く頑張っているのは知っているもの。『努力を惜しまぬ者に常に最善を考える』…それが、教師の役目でしょう?」
成幸「ええ、そうですね!」
真冬(そして、それを私に教えてくれたのは…)チラッ
成幸「真冬先生?」
真冬「コホン …何でもないわ。ところで成幸『くん』? さっきの中木さんからの質問に、何を言いかけたのか、後で詳しく訊かせてもらいたいのだけど?」ゴゴゴゴ
成幸「ひいいいっ! すみません」
--この後めちゃくちゃ怒られた
放課後、廊下にて
中木「成幸先生、さようならー」タッタッタッ
成幸「おー、気を付けて帰れよー」
真冬「失礼。成幸先生」
成幸「あ、真冬先生。早いですね。今日はもう帰るんですか?」
真冬「ハア… 成幸『くん』、今日が何の日なのか忘れたのかしら?」
成幸「え? あ…そうでしたね」タハハ…
真冬「全く…新米の教師だからって予定を忘れるほど働き詰めでは困るわね。中木さんのことを言えないわよ」
成幸「はは…気を付けます。とりあえずあとは学園長に書類を提出したら帰れそうなので、車で待っていて貰えますか?」
真冬「ええ。では速やかにお願いね」カッカッ
成幸(真冬さん気合入ってたなあ。まあ、お互い忙しくて延期を重ねてたからな…)
成幸「ふう…書類も提出できたし、駐車場まで急がないとな…ん?」
沼畑「…………」キョロキョロ
成幸(あれは2年の沼畑じゃないか。空き教室の前で何やってるんだ?)
沼畑「……」スッ
成幸(入っていったな。様子が変だったし…ちょっと見てくるか)スタスタ
沼畑(………はあ)
成幸「よう沼畑。何やってるんだ?」
沼畑「え? あ…な、成幸先生!?」
成幸「そのプリントの束…もしかして、この前の中間テストの答案か?」
沼畑「あ、そうなんです…でもその…点数が」
成幸「あーまあ確かに…全教科とも平均より大分低いな」
沼畑「頑張って勉強してはいるんスけど、ずっとこのザマなんです。この学園も補欠入学でギリギリ浮かったくらいだし、俺…勉強向いてないのかなって」ハハ…
沼畑「え?(何言ってるんだこの先生)そ、そりゃ勿論、悔しいに決まってるじゃないですか! だからここで集中して復習しようと思ったんスよ」
成幸「そうか…その気持ちがあるなら大丈夫だ。お前ならきっと成績が上がるよ。俺がそうだったように、な」
沼畑「成幸先生が?」
成幸「俺も昔は笑っちまうくらい勉強ができなくてな。何度も何度も悔しい思いをしてきたんだ。けど諦めずに勉強し続けて…今はこうやって先生なんて呼ばれてる」
沼畑「そうなん…ですね。凄いっス。でも俺なんか、高校の2年で未だこんな成績だし…」
成幸「『未だ』じゃないぞ。『まだ』2年だろ?」
沼畑「え?」
沼畑「そ、そんなの無茶っスよ。諦めて他の進路先に変えます」
成幸「まあそれが普通だよな。だけど…あいつらは諦めなかったんだ。最後の最後まで自分を信じて努力し続けて…ついには合格しちまったんだ」
沼畑「……」
成幸「ほんと、凄いよな………そんな瞬間を見てしまったからにはな、『諦めろ』なんて軽々しく言ってやれないんだ。俺は」
沼畑「…先生って結構スパルタだったんですね」
成幸「ははっ『できなくても、努力している奴には最善を尽くす』のが俺の教育方針だからな」
沼畑「…ありがとうございます。俺も腐らずに、もう一度頑張ってみますね。あ、そうだ。せっかくだからついでにここの問題、訊いても良いですか?」
成幸「(やる気になってくれたみたいだな)そうだな。これはまず--」
真冬「遅延…やけに時間がかかっているわね。様子を見てこようかしら」バタン
真冬「…? 疑問。空き教室に電気がついているようだけど、あれは…成幸くんに、沼畑くん?」
真冬「(…沼畑くんは確か成績が芳しくなかったわね)ハア…理解。全く君は…」カッカッ バタム
真冬「相変わらずなんだから」ブロロロロン
成幸「…まあ今日はこんなところか。大体おさらいできたな」
沼畑「ありがとうございます成幸先生。まさか担当教科以外も見てもらえるなんて…しかも、めちゃくちゃわかりやすかったです」マジカッケー
成幸「ははは、まあ、昔とった杵柄って奴でな」
沼畑「けど、すっかり時間が経っちゃいましたね。先生用事とか大丈夫だったんですか?」
成幸「ああ、幸い今日は何もな………あったんだったあああっ!! すまん沼畑! 俺、先帰るから!」ドタドタ
沼畑「は、はい! 先生ありがとうございます。俺も先生みたいになれるよう頑張ります!」
成幸「ああ! 気を付けて帰れよー! (うう…真冬さん怒ってるだろうな…)」
真冬「遅刻。予定時刻をおよそ2時間30分ほど過ぎているのだけど?」ゴゴゴゴゴ
成幸「すすすすすみません…『桐須先生』(うう、この懐かしい威圧感…)」
真冬「ハア… 誤謬。口調が昔のものに戻っているわよ。『唯我』くん」
成幸「は、はあ…(あれ? 怒ってない?)」
真冬「それで、沼畑くんの勉強はどうだったの?」
成幸「ええ、基本の徹底と、いくつか勉強のコツを教えたら理解できたみたいで…って何で知ってるんですか!?」
真冬「窓越しに勉強している姿が見えたわ。妻を放っておいて随分盛り上がっていたようだけど…」ジロリ
成幸「うう、すみません…」ショボーン
真冬「…冗談。君がそういう人間だってことぐらい理解しているわ。お節介で、困っている人がいれば世話を焼かずにはいられない。そんなところが私は…好きだから」プイッ
成幸「ま、真冬さん」
成幸「………」トクン トクン
成幸「か、帰りましょうか」
真冬「ど、同意。それじゃあ」ブロロン
成幸「(ん? そういえば俺、今助手席…)ま、真冬さん! 運転は俺が--」
真冬「安心しなさい成幸くん。夜の愉しみはまだ始まったばかりよ」ニヤリ
成幸「ギャーーーッ」ルパンルパーン!
……今日の教訓 急にスケジュールを変更するのは良くないと、身をもって知りました。 かゆ うま
真冬「到着。着いたわよ、成幸くん」
成幸「い、生きてる。俺はまだ生きてるぞー…」ゾンビィィ
真冬「やけに顔色が悪いようだけど…? 先に入るわね」ギィ…バタン
成幸(結局…今日もこんな時間か)ギイ…バタン
成幸(俺のせいですっかり遅くなってしまったし、また中止だよな…次はいったいいつになるやら)ガチャッ
成幸「…え?」
成幸「ど、どうしたんですかこの料理? それに、ケーキまで…」
真冬「予見。勉強している様子からして時間がかかるだろうと思ったから。先に買い物を済ませておいたわ」
成幸「ま、真冬さん…」ジーン
真冬「…時間がないから出来合いのものばかりになってしまったけれど」
成幸「そ、そんなの気にしないで下さい。本当に…ありがとうございます」
真冬「じゃあ、随分遅れてしまったけど…成幸くんの教師生活一周年を記念して…乾杯」
成幸「乾杯」チンッ
成幸「わ、もうこんな時間か。そろそろ寝ましょうか、真冬さん」
真冬「同意…だけどその前に」ギュッ
成幸「(う…すごく良い匂い…)ま、真冬さん…?」
真冬「限界…もう5日間もご無沙汰よ。身体が疼いて仕方が無いの。お願い成幸くん。私に…して…」ウルウル
成幸「わ、わかりました…」ゴクリ…
成幸「ギッギッ ま、真冬さん。声が大きいですよ」
真冬「ギッギッ む、無理! こんなの…我慢できな……はひゃあん! そ、そこ! そこが…」
成幸「ギッギッ 良いんですね。わかりました、もう少し激しくいきます」ギシッギシッ
真冬「あ、そ、それはダメ! 許して成幸くん、私…もう、もう…! ふ、ふわあああああん!!」クリムゾン! クリムゾン!
成幸「はあ、はあ。ふう…………そ、相当凝ってたんですね。ベッドがきしむくらい、久しぶりに指圧で本気を出しちゃいましたけど、どうでした? 真冬さん」
真冬「グッタリ… はあ、はあ。た、堪能…私、もう成幸くん無しでは生きていけない身体になってしまった気がするわ…」
成幸「(さらっととんでもないこと言ったな、この人は)じ、じゃあそろそろ本当に、寝ましょうか」
成幸「はい…んっ!?」
真冬「………」
成幸「………」
真冬「感謝。お礼…いつもありがとう」カァアア
成幸「いえ、俺の方こそ…こうして『桐須先生』と結婚できて本当に嬉しいです。真冬さんは?」
真冬「…愚問。そんなの訊ねるまでもないわ『唯我』くん」
成幸「あ…(笑っ…て…?)」
真冬「幸せよ…とても」
成幸「痛ててて…」
葉月「兄ちゃん大丈夫ー?」
成幸「あ、ああ…何とかな…」
和樹「ったく…兄ちゃんは頑張り過ぎなんだよ。寝ながら歩いて電柱にぶつかるとか有り得ないって」
成幸「あー、そうだよな。最近は根詰め過ぎてたし…今日は流石に早く寝るわ」
和樹「やったー!俺兄ちゃんの横で寝よーっと」
葉月「私もー」
成幸「ははは…」テクテク…
成幸(…想像してたつもりがいつの間にか寝ちゃってたんだな。それにしてもリアルな夢だった…)テクテク…
成幸(桐須先生と結婚して、俺が教師に。有り得ない話だけど…でも)チラッ
成幸(文化祭の花火のとき…この手をとって引き上げてくれたのは、先生だったんだよな。疲れてたからか、一瞬チャイナ姿で見えてしまったけど)テレッ
成幸(まあ、その後先輩にジンクスのことを突っ込まれて、すぐに離れたんだけど…もし、あのジンクスが本物だったとしたら、俺は--)
和樹「兄ちゃん立ち止まってないで早く帰ろうぜー」
成幸「え? あ、ああ悪い、今行くから」
--まさか、な。
了
本SSに出てきたオリキャラの名前の由来ですが 大森―小林―『中木』 池田―『沼畑』となっています
次作は構想はありますが結構先になるかと思うのでスレ消費も兼ねて他の方も投稿してもらえってもかまいません。ぼく勉SSがもっと流行るといいな。では
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (6)
-
- 2018年12月07日 16:33
- 「」の中に擬音があるって事はギシッギシッとかグッタリって声に出して喋ってるんだよな?
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- 2018年12月07日 21:08
- >>1
そうだよ
何か問題があるのかぁ?
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- 2018年12月07日 21:57
- ギッギッ 所々
ギッギッ 突っ込みたいとこはあるけど
ギッギッ よかったと思う
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- 2018年12月08日 02:54
- 某原作画とまるで違和感ない18禁の同人で新人教師成幸と真冬先生が連れ立ってるシーンがあったから脳内再生余裕だったわ
今週うるかが一抜けしそうな気がしてならんが妹や学生時代、両親の確執等掘り下げる要素あるんだから真冬先生脱落はまだ勘弁してくれよ……
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- 2018年12月08日 22:18
- ※1やめんか!先生ェの擬音は常人には計り知れんのじゃ…
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- 2018年12月13日 00:39
- ほぼ関係ないけどルパンのやつ、あれルパンルパンじゃなくてルパンザサ-ドだゾ