菜々「さらに、トップにのぼりつめます」
菜々「ここで……キメっ！」ｼﾞｬｰﾝ
菜々「……っはー、疲れました……！」ﾊﾞﾀﾝ
心「パイセンお疲れさまっす☆ これタオル☆」
菜々「あ、はぁとちゃん、ありがとうございます」
菜々「ウサミン星です」
心「おっと☆ でも、最近マジでがんばりすぎじゃね？ 気づいたら終電逃して、はぁとのところに泊まることも多くなってっし☆」
菜々「うう……ご迷惑をおかけします……」
心「全然無問題だけど☆ ……菜々パイセン、もしかして仕事ある日も毎日レッスンしてる？」
菜々「習慣みたいなものですからねー、やらないと落ち着かないというか……」
心「うーん、ストイック☆ 流石七代目シンデレラガール、はぁともがんばらねーとな☆」
菜々「あ、じゃあよかったら二人の曲の合わせ練習しませんか？ 今から」
心「……マジ？ 今から？」
菜々「一回だけですから、ね？」
心「……っしゃ！ やっか！ パイセン！ 一回だけ☆」
菜々「はい！ 一回だけです！」
菜々心「「せーの！ せーで！」」
心「はー、はー……」
菜々「日、変わっちゃいましたね……」
心「薄々そうなる気はしてたけどな……☆」
菜々「七回、ですかね」
心「残念、八回だぞ☆」
菜々「うう、今夜もお世話になりますね……」
心「うぇるかむ☆ けど、パイセンもほどほどにしとかないとやばいと思うぞ☆ 腰とか☆」
菜々「腰は余計なお世話ですっ。……なんでしょう、レッスンはナナを作り上げたものですから、続けないと不安になっちゃうんですよねー」
心「……かなわねー」ﾎﾞｿｯ
心「なんでもない☆ 菜々パイセンは流石だなって思っただけだぞ☆」
菜々「はあ……」
心「ちなみに、今日は何してたん？」
菜々「えーと、朝から写真撮影、それから雑誌インタビュー、握手会と、Pさんと打ち合わせしてレッスンですね」
心「ハードだなおい☆ 昨日は？」
菜々「サイン会にミニライブにお渡し会にプロモーターのお仕事に、レッスンですね」
心「……明日と明後日」
菜々「明日は写真撮影にCM撮影、ドラマ撮影に握手会サイン会にレッスン、次の日はバラエティ収録にアフレコ収録にミニライブ、レッスン、その次の日は大型ライブのリハーサルにドキュメンタリー収録とグルメレポ、レッスン、その次の日は──」
心「」
心「パイセン次の休みいつ？」
菜々「……いつでしょう」
心「前に休んだのいつ？」
菜々「……さぁ」ﾐﾐﾐﾝ
心「」
P「……」ｾｲｻﾞ
菜々「……」ｾｲｻﾞ
ちひろ「うーん、特に菜々さんはきた仕事を断れる性格してないですから、こうなりそうだなとは思ってましたけど。休みはとってもらわないと」
菜々「はい……お仕事が少なかった時のことを思い出すと、全部やろうって気になっちゃって……」
心「限度☆」
菜々「はい……」
P「そういうことになりますかね……」
心「いつから？」
P「……さぁ」
心「Hey Mayu。Pが最後に休んだのいつ？」
まゆ「122日と12時間16分46秒前ですねぇ」
心「思ったより細かい☆」
P「菜々さんが餌を待つ子犬のような目でお仕事をせがむもので……」
心「限度☆」
P「はい……」
まゆ「まゆもいい加減Pさんにスタドリ禁止令を出そうかと思ってたんですよぉ」
ちひろ「えっそれは困るんですが」
まゆ「ちひろさん？」
ちひろ「ハイ」
ちひろ「私も労基沙汰は怖いですね……」
心「そんなわけだから、二人とも休んで☆ 休め☆」
菜々「はぁ……でも、仕事が……」
まゆ「一日二日ならまゆたちで埋め合わせしますから」
P「しかし、急に休めと言われても何をしたらいいのやら……」
茄子「おはようございますー。さっき福引で温泉ペアチケットをいただいたんですけど、どうしましょう」ｶﾞﾁｬ
菜々「」
P「」
菜々「ですねえ。ずうっと前にお仕事で行ったとき以来でしょうか」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
菜々「あ、どうも……」
「ご夫婦ですか？」
菜々「ふっ……！？」
P「いえ、親子です」
菜々「それはどっちが親のつもりですか？」ｷﾞﾛ
P「邪推しすぎですよ、母ちゃん」
菜々「ナナはPさんの母ちゃんじゃないですっ」
「仲がよろしいんですね、それではご案内しますね、お母様に息子様」
菜々「だから違いますって！」
P「本当に、リフレッシュには最適ですね」
菜々「はい、今日くらいはお仕事のことを忘れて、ゆっくりしてもいいですよね？」
P「まあ、パソコンも書類も取り上げられて、仕事できないようにされてますからね」
菜々「ナナも運動靴とジャージを没収されました……」
P「ま、今日ばかりは彼女らの厚意に甘えて休みましょうか」ﾊﾟｷｯ
菜々「スタドリも禁止ですよ」ﾊﾞｼｯ
菜々「……はい」ｶﾎﾟｰﾝ
P「我々は今温泉に入っているわけですよ」
菜々「……はい」
P「正直、なんとなくそんな気はしていたんですよ、なんてったってあの茄子がとってきたものですから」
菜々「……はい」
P「……混浴でしたね」
菜々「う、後ろ見ないでくださいよっ///」
P「……はい」
P「少なくとも菜々さんに被害は及びませんよ、俺が三日ほど行方不明になるくらいです」
菜々「それなりに一大事なんですが」
P「慣れてますから。あと上がりたくなったら目を閉じてるのでのぼせる前に言ってくださいね」
菜々「……あんまり動揺しないんですね、この状況に」ｼﾞﾄｰ
P「職業柄、精神力は鍛えられてますゆえ」
菜々「あ、川島さん、こんなところで奇遇ですね」
P「なんやて工藤！！」ｶﾞﾊﾞｧ
菜々「嘘ですし後ろを見ない！」ﾄﾞｺﾞｫ
P「」ﾌﾟｶｰ
P「それはよかったです。……少しだけ、お酒も楽しんでいましたし」
菜々「う゛、今日くらいは目をつぶってください……ウサミン星基準ではセーフです」
P「そういうことにしときましょう」
菜々「……お月さま、綺麗ですね。あ゛、変な意味でなくですよっ」
P「わかってますよ」
菜々「そう落ち着いてわかられるのも癪ですけど……」ﾑｰ
P「わがままなシンデレラガールだなぁ」
菜々「……」
P「どうかしました？」
P「……ええ」
菜々「シンデレラガールになって、今までよりもたくさんお仕事できるようになって。その忙しさに甘えて、ナナはそのことを考えないようにしていたのかもしれません」
P「……俺も、菜々さんが、担当がシンデレラガールになったということについて、考えようとしていなかったと、思います」
菜々「ナナにとってアイドルは、もう思い出せないくらいずっと昔の、小さいころからの夢でした」
P「はい」
P「菜々さんは、もう立派なアイドルですよ」
菜々「はい、おかげさまで、こんなところまできちゃいました。上京して、メイドカフェでバイトしたり、地下でアイドルやったり、耐えなきゃいけないこともたくさんありましたけど」
P「知ってます、どんな苦境にもくじけない執念が菜々さんにはありました。その執念に俺はシンデレラガールの夢を賭けたんです」
菜々「ふふ、なら、Pさんには買っていただいたその恩を少しは返せたのかもしれませんね」
P「十分以上ですよ」
P「それは、きっと。菜々さんはもうずっと前から、誰かを笑顔にできるような、そんなアイドルになっていたんだと思います」
菜々「いつか、トップにのぼりつめますって、そんな風に言っていましたけど、そんないつかがきちゃったんですよね……」
P「……」
菜々「ナナはこの先、どこを目指すんでしょうか？ それがわからないから、自分がシンデレラガールになったということを、考えようとしなかったんですよね、きっと」
P「俺も、そうだったんだと思います。ここから先、菜々さんをどこへ連れていけばいいのかわからない、それを自覚したくなかったから、忙しさにかまけてそれを忘れていた」
菜々「……Pさん、ナナは、もう満足しちゃったんでしょうか。アイドルになって、シンデレラガールになって、ナナの夢は、ここで終わりなんですかね……」
P「──違いますよ！」
P「菜々さん、これはほんの少しだけ昔の話です。俺が菜々さんをスカウトしてしばらくした頃、菜々さんが倒れたことがあったんです」
菜々「ええと……ありましたっけ……」
P「原因はライブの後にレッスンまで無理してこなしたことによる過労でした」
菜々「あー、あったような……あはは、やってること今と変わりませんね……」
P「俺は正直それについてたしなめるつもりでした。いかに練習熱心といえど、無理をしては意味がないと」
菜々「昔の自分ながら面目ない……」ｼｭﾝ…
P「菜々さんのアパートまで送り届けて、布団に寝かせてやって、小言の一つでも言ってやろうとしたときに、菜々さんは寝言でこう言ったんです」
菜々『……アイドル楽しい…ヤバい…ヘヘ…』
P「あの時俺は思いました。この人はアイドルをやるべき人だ。絶対に、トップアイドルになれる人だって」
菜々「……アイドル、楽しい……」
P「菜々さんが全力で走り続ける限りは、その横で走り続けることが俺の仕事だと、あの時覚悟を決めることができたんです」
菜々「走り続ける……」
菜々「さらに、トップに……」
P「ええ」
菜々「あはは、トップのさらにトップって、よくわかりませんね」
P「でも、悪くない行き先でしょう？」
菜々「……はいっ、そうですね！ ──やっぱり満足なんてしてません！ できません！ 菜々はずっとアイドルでいたいんです！」
菜々「菜々は、ウサミンは──さらに、トップにのぼりつめます！ キャハッ☆」
P「ええ、いってらっしゃい」
ちひろ「……菜々さん、あれからさらに元気になった気がするんですけど」
P「不安がなくなったってことじゃないですかね」
ちひろ「……温泉で、とても大事なことがあったみたいですね」
P「別に、普通のことですよ、アイドルとプロデューサーとして、普通の」
ちひろ「そうですか、普通ですか。Pさんにとっては、アイドルとの混浴も」
P「」
ちひろ「まあ、調べればすぐわかることですから。……あちらの二人がお待ちですよ」
まゆ「……」ｺﾞｺﾞｺﾞ
茄子「……」ｺﾞｺﾞｺﾞ
P「」
ちひろ「あと三日ほど休めそうで、よかったですね？」
心「かな子ちゃんなに食ってんの？」
かな子「イモグラスティッククッキーです♪」ﾓｯｼｬﾓｯｼｬ
メラド公演お疲れさまでした。
シンデレラガールになった彼女が目指すのは、さらにトップにのぼりつめることなんだと、答えを得ることができた気がします。
「シンデレラガールズ」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (23)
-
- 2018年11月14日 02:48
- ふーん
-
- 2018年11月14日 03:22
- 17歳の母とな
-
- 2018年11月14日 06:05
- 昨夜はお楽しみでしたね
-
- 2018年11月14日 07:34
- 「Mayu」じゃ管理が甘いよ。やっぱり妻になるにはそろなりに心を鬼にしてでも締めるところは締めないと、それが出来ないようじゃ！(By Rin )ｸﾝｶｸﾝｶ
-
- 2018年11月14日 08:09
- 愛海「トップを狙え！」
-
- 2018年11月14日 08:13
- >>5
ステイ
-
- 2018年11月14日 08:10
- (菜々さんの実年齢とデリヘルで働いてた過去をマスコミに暴露する音葉)
-
- 2018年11月14日 10:12
- >>6「なんか隣が大爆発した…」
-
- 2018年11月14日 09:27
- （暴露前に※５にニトロぶちまけて部屋ごとTNTで爆破する音）
-
- 2018年11月14日 09:39
- >>8
盛大な誤爆で草
-
- 2018年11月14日 10:20
- ※8
愛海ーーーーーッ！！
よくも罪のない愛海を…いや罪はあるけど
-
- 2018年11月14日 10:30
- ※11
わかるわ、棟方アッガイ師匠は胸に貴賤はないと言ったお方や～
でも最終目標は雫やけど！
-
- 2018年11月14日 11:05
- Pさん少しのぼせちゃった…お布団に連れて行って(胸元をはだけながら)
-
- 2018年11月14日 11:20
- メルヘンデビュー泣きながらコールしたわ
-
- 2018年11月14日 18:42
- でもこのPは菜々さん＜川島さんなんだよな。
やっぱり若い方がいいんだろうか…。
-
- 2018年11月14日 20:57
- ※15
若い…？
-
- 2018年11月14日 21:29
- ※１５…酸素欠乏症を発症
-
- 2018年11月14日 23:42
- 菜々「私が天に立つ」
-
- 2018年11月15日 12:33
- P「なな…だと」
-
- 2018年11月15日 21:29
- えっていすごい気合いだった
たがまだtrust meが控えてるんだよね
-
- 2018年11月16日 03:19
- メルヘンデビューはやばかったよほんと
まりえってぃが「みんな大好きー！」ってシャウトしたので堰を切ったように涙が出たわ
-
- 2018年11月17日 09:52
- 美人は歳をとらないという名言知らない連中多すぎワロタ（昭和の名言）
-
- 2020年04月08日 04:52
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