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勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」

1:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:42:52.099 ID:Bd7INRMo0

勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「>>4

↑のつづき



4:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:45:46.347 ID:Bd7INRMo0

テクテク

メロンパン職人「あの」

勇者「うん?」

メロンパン職人「北の都市って、いま王都でも話題のヤバイところですよね」

勇者「そうだよ」

メロンパン職人「な、何でわざわざそんな所に……」

勇者「王様に頼まれたからな」

メロンパン職人「!」



7:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:47:02.647 ID:Bd7INRMo0

勇者「一回断ったけど、それでもやっぱり行ってくれって言われちゃってさ」

勇者「まあ、行くしかないだろ。俺の立場上」


メロンパン職人「姫の見送りに続いて王様直々のお願い……?そんなビッグな背景があったなんて」

メロンパン職人「ますます何者なんだよ勇者さん」



9:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:47:43.296 ID:Bd7INRMo0

数日後

メロンパン職人「な、なんか寒くないっすか」ガタガタ

勇者「うわぁ。遠くの方見てみろよ、メロンパン職人。雪積もってるぜ、雪。真っ白だ」



10:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:48:37.514 ID:Bd7INRMo0

勇者「やっぱり北の方って寒いんだな。俺、故郷では雪とかあんまり見たことないからちょっと感動してるよ」

メロンパン職人「勇者さんの故郷って? 王都の人じゃないんですか」

勇者「西の方の田舎の村だよ。そこで聖剣と出会ってだな」

メロンパン職人「へぇ……」


メロンパン職人(……聖剣? 何の話だ?)



13:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:50:43.557 ID:Bd7INRMo0

勇者「……」

ピタッ


メロンパン職人「どうしたんですか勇者さん。急に立ち止まって」

勇者「……何か聞こえないか?」

メロンパン職人「え?」



グルルルル…


勇者「!」

メロンパン職人「!!」



14:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:54:41.317 ID:Bd7INRMo0

メロンパン職人「ま、魔物だぁ……!」

勇者「白っぽい……こいつは狼型の魔物か」

勇者「さすが北国。雪っぽい。王都周辺から離れると、駆逐されてない魔物がやっぱりいるもんだ」

メロンパン職人「何をそんなに悠長なことを! あぁ、やっぱり北の方なんて目指すんじゃなかったんだ。魔物の動きが活発だって散々ウワサになってたのに!」

勇者「まあ落ち着けって」

メロンパン職人「落ち着けるわけがないじゃないですか! 俺ら、ただのしがないパン屋ですよ!」

勇者「パン屋なのはお前だけだろう」

メロンパン職人「え?」



15:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:55:33.343 ID:Bd7INRMo0

勇者「俺はこれでも聖剣に選ばれし勇者ってヤツらしい」スラッ

勇者「実は魔物と戦うのは初めてなんだが」

勇者「けど、まあ何とかなるだろうさ」

勇者「女騎士や大臣と比べれば、こんな奴らなんて大したことないだろ!」シュッ!

ズバッ!


魔物「ぎゃいんっ!?」


メロンパン職人「……」



16:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 19:56:24.334 ID:Bd7INRMo0

勇者「ほら、行くぞメロンパン職人。まだ旅は始まったばかりだぜ」

メロンパン職人「……」


メロンパン職人「ついていく人間違えたかな?」



18:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:01:37.425 ID:Bd7INRMo0



メロンパン職人「さささ、寒い……」ガタガタ

勇者「やれやれ。北に行くのにそんな薄着で来るからだぞ」

メロンパン職人「俺に行き先を伝えなかったのはアンタですけどね!!」



20:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:04:06.055 ID:Bd7INRMo0

メロンパン職人「勇者さんはあまり寒くなさそうですね」

勇者「あったかぱんつ履いてるからな。ぬくぬくだ」モッコリ

メロンパン職人「いやそんな胸を張られても」

勇者「……替えのパンツ、いる?」ゴソゴソ

メロンパン職人「遠慮しておきます」



30:>>22の前に1レス分が抜けてた 2018/11/06(火) 20:31:40.704 ID:h6Z6msNTa

メロンパン職人「それにしたってこの寒さは異常ですよ。勇者さんの言う通り、北だとしてもです」

メロンパン職人「季節的にも、あそこまで雪が積もるわけがない」

メロンパン職人「向こうの都市との連絡や通商も今は完全に止まってるらしいし、やっぱり何かがあったんじゃ……」


勇者「あっ」


メロンパン職人「ど、どうしたんですか。また魔物でも出たんですか」

勇者「いや、あそこ。明かりが見える」

メロンパン職人「……本当だ」

勇者「集落があるみたいだな。少し寄って行くか?」

メロンパン職人「そうですね……」



22:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:19:30.016 ID:Bd7INRMo0

メロンパン職人「どどど、どうしたんですか。また魔物でも出たんですか」

勇者「いや、あそこ。明かりが見える」

メロンパン職人「……本当だ」

勇者「集落があるみたいだな。少し寄って行くか?」

メロンパン職人「そうですね……」


聖剣「>>26



25:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:20:21.712 ID:WtfBojbk0

町中にメロンパン配ろう



26:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:20:27.485 ID:E4joN1iF0

パンティを探せ…



28:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:23:43.352 ID:Bd7INRMo0

聖剣「パンティを探せ…」

勇者「パンティ!?」


メロンパン職人「いきなり何叫んでるんですかアンタ」

勇者「いや、なんでもない」

勇者「……少しだけ寄ろうか。野暮用ができた」

メロンパン職人「久しぶりに屋根の下で寝れそうだ……」



32: ◆XoiMTUEsXEGh 2018/11/06(火) 20:36:05.373 ID:Bd7INRMo0



メロンパン職人「うーん。宿っぽいところ無いですね」

勇者「小っちゃい村だからな。観光客とかも来ないんだろう」

勇者「とりあえず大きめの家でも訪ねてみよう。部屋が余ってたら入れてくれるんじゃないだろうか。女の子が居ればパンティもあるかもしれない」

メロンパン職人「今なんて?」

勇者「なんでもない」



36:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:51:02.388 ID:Bd7INRMo0

勇者「たのもーっ!」

村長「はて。こんな時間に誰かな……おや?」ガチャッ


村長「見かけない顔じゃな。まさか旅人さんかな?」

勇者「ええ。俺は勇者。こいつは相棒のメロンパン職人です」

メロンパン職人「どうもメロンパン職人です」

村長「はぁ」



37:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:58:41.911 ID:Bd7INRMo0

村長「まあこんな寒い中、外で立ち話も何だ。上がっていきなさい」

……


村長「こんな所に旅人なんてのも珍しい。お二人はどこから来たのかな?」

勇者「王都です」

村長「はぁ。王都から。それはまた……どうしてこの村に?」

勇者「北の都市に用事があって向かってるんですよ」

村長「!」



38:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 20:59:17.462 ID:Bd7INRMo0

勇者「その途中で明かりが見えたのでこの村に……。この寒さにメロンパン職人が根を上げちまいまして。一晩だけでいいので、なんとか泊めていただけないかなあと思いまして」

村長「ふむ……」

村長「噂は聞いておらんのかな? 北の都市への観光なら、もう少し時期を見てするべきじゃろうて」

村長「それとも、王都にはまだ伝わっておらんのか」

勇者「噂……?」

メロンパン職人(暖炉あったかいなあ)



43:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:22:18.995 ID:Bd7INRMo0

村長「北の都市は、魔物に乗っ取られた。そんな噂が出回っとる」

勇者「魔物に……!?」

メロンパン職人「勇者さん、それってやばくないですか。俺ら、そこでパン屋を開こうとしてるんですよね?」

勇者「お前はいったい何を言っているんだ」

メロンパン職人「えっ」


村長「まあ、あくまでも噂じゃがな」



45:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:23:57.032 ID:Bd7INRMo0

村長「お前さんらもここに来るまでの異常な寒さ、気づいたろうて」

勇者「確かに。王都の方はまだ暖かかったし冬って季節でもないですもんね。ちょっと北に来た程度でここまで寒くなるのもおかしな話だ」

村長「……北の方には古くから伝わる話があってな」

村長「かつて、古の勇者に封印されし氷の魔女が復活したんじゃないかとこの村の年寄りどもは騒いでおる」

勇者「古の勇者に封印されし……」

メロンパン職人「古の勇者の魔王退治の話は確かに王都でも有名ですけど、そんな話ありましたっけ」

村長「さてな。ここらの地域だけの話かもしれん」



勇者(古の勇者って、こいつの元の使い手のことだよな……)チラッ

聖剣「……」



46:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:25:18.645 ID:Bd7INRMo0

村長「ともあれ、信じられるかどうかはわからん。なんせ、行き来が出来なくなっておるからな」

勇者「うーん……」


メロンパン職人「ねぇ勇者さん。今からでも遅くないですから、王都に引き返しましょうよ。何があるかわからないですし絶対危ないですって」

勇者「ばかお前、その何があるのかを調べるのが俺たちの使命だろうが」

メロンパン職人「俺、それ初耳なんですけど」



51:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:33:27.820 ID:Bd7INRMo0

村長「まあ、今日はゆっくりしていきなさい。幸い部屋は空いてるんでの。好きに使ってくれ」

勇者「村長。ありがとうございます」

勇者「……」


勇者「……ところで」キョロキョロ

村長「なんじゃ」

勇者「村長は一人暮らしですか? 奥さんとかいらっしゃらない?」

村長「……妻か」



52:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:34:40.232 ID:Bd7INRMo0

村長「妻なら去年の暮れに、亡くなっちまったよ。まったく、わしを置いて行きおってからに……」

勇者「………………す、すいません……」


勇者「な、なら、お子さんは? 娘さんとか」

村長「娘ならおるよ」

勇者「!!」



53:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:34:58.967 ID:Bd7INRMo0

勇者「ど、どちらに……」

村長「王都に嫁いでいきおったわい。まったく……わしを一人にしおって……」

勇者「……くっ!」


メロンパン職人「さっきから何をソワソワしてるんです?」



57:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:45:14.851 ID:Bd7INRMo0

深夜

メロンパン職人「くかー、くこー、くかー……むにゃむにゃ」

勇者「……」



58:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 21:45:32.077 ID:Bd7INRMo0

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」


勇者「……」パチッ



勇者「パンティ探さなきゃ」



62:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:23:42.507 ID:Bd7INRMo0

ゴソゴソ

勇者「うーん、なかなか見つからないな」

勇者「娘さんが嫁いでったってのもそんなに昔って訳じゃないだろうし、どっかに忘れ物的なパンティ置いてたりすると思うんだがな」

勇者「娘さんもたまに帰省した時、家にパンティがないと困るもんね」

勇者「……ん?」ゴソゴソ


勇者「これは当たりを引いたか」

モゾモゾ…

パッ!



お婆さんの遺品パンツ「……」

勇者「お前はお呼びじゃないんだよなあ……」



63:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:24:36.071 ID:Bd7INRMo0

勇者「あのね、俺はパンティを探してるの。お前みたいなもっさりもこもこの婆さんパンツのことを、俺は決してパンティとは認めないからな」

お婆さんの遺品パンツ「……」


数十分後

勇者「くそ、この屋敷はダメだ。村長の奥さんの遺品しか出てこねえ」

勇者「……外に出るか」



68:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:56:40.106 ID:Bd7INRMo0

村、屋外

勇者「ひゃー、寒いっ!」

勇者「この時間だからってのもあるかもしれないけど、ここまで寒いもんかね」

勇者「俺ら、昨日まで野宿してた筈なんだがな……急に寒くなりすぎだろう……」

勇者「ぱんつを重ね着してなかったら俺も危なかった」

勇者「……とりあえず、若い娘さんが居そうな家に潜入するか」



69:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:57:10.615 ID:Bd7INRMo0

勇者「と言っても、この村に来たのは今日が初めてだし、村人の顔とか知らんのよね」

勇者「どうしたもんかな……」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」ブルルッ


勇者「……ちょっとおしっこ……」



71:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:57:55.539 ID:Bd7INRMo0

ザクッ、ザクッ

勇者「雪積もってるなぁ。この辺だとこのくらい積もるのが当たり前なんだろうか」

勇者「そこの茂みで済ませるかな……」


ザクッ、ザクッ



72:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:58:58.839 ID:Bd7INRMo0

氷塊「……」ゴロン

勇者「うわっ、デカい氷塊があるぞ。なんだこれ」

勇者「北国だとこういうのがゴロゴロ転がってんのか。こんな氷がどうやって自然発生するんだろう」

勇者「……」

勇者「……よし」

勇者「せっかくだしこいつにマーキングしよう。北国の思い出ってやつだな。わはは」



73:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 22:59:46.149 ID:Bd7INRMo0

モゾモゾ

勇者「……ぱんつ重ね着しすぎたか。取り出しづらいな」

モゾモゾ

勇者「……」


ジョロロロロ



76:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:02:08.864 ID:Bd7INRMo0

勇者「はー、生き返る……湯気出てんな、これ。さすが北国」

ジョロロロロ

ズゴゴゴゴ


勇者「……ん?」

ジョロロロロ

ズゴゴゴゴ


勇者「なんか揺れてね?」

ジョロロロロ

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!



氷塊「……」ムクリ

勇者「……」

ジョロ…



77:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:02:56.077 ID:Bd7INRMo0

氷獣「GAAAAAAAAAA!」

勇者「お前、魔物かよぉ!」



79:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:03:33.963 ID:Bd7INRMo0

氷獣「……GAAAAAA!」

勇者「な、なんか怒ってらっしゃる?」


氷獣「GAAAAAAAAAAAA!!!!」

ドコン!

勇者「危ねえ!」バッ


勇者「……くそ、こんな時間に戦闘か! 村の中に魔物が居るとかどうなってやがる!」シャラン



81:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:05:15.958 ID:Bd7INRMo0

ドゴン! ズズゥン……!


村長「……はて、こんな時間に何の音かの」

村長「外か……?」

テクテク

ガチャッ


勇者「おおっ!!」

ズバッ!

氷獣「GAAAAAA!」


村長「ひえっ!」

勇者「村長! 村に魔物が入ってきてる! 外に出てきちゃダメだ!」



84:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:06:24.306 ID:Bd7INRMo0

ドシュッ!

氷獣「GAAAA……」フラッ…


ズズゥン…!


勇者「はぁ、はぁ……」


氷獣B、C「GAAAAAA!」

勇者「……!」


勇者「まだ、居やがるのか……!」


勇者「お前ら、道を開けろ……! 俺はパンティを探さなきゃならないんだ!」

ズバッ!



89:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:27:06.559 ID:Bd7INRMo0

数十分後

氷獣「GAAAA……」フラッ…

ズズゥン…!


勇者「はぁ、はぁ……!」

勇者「こいつで、最後か……?」


ザワザワ…

勇者「!」



90:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:27:51.718 ID:Bd7INRMo0

村人A「こんな時間に魔物だなんて……」

村人B「村の中にまで入ってきたの……?」

村人D「あの人が退治してくれたのか?」

村人C「や、やっぱり噂は本当だったんじゃ!」


勇者「あわわわわわわ戦闘音で村の人たちが起き出してきちゃったよ……これじゃあ潜入ミッションが……!」


村長「勇者殿!」

勇者「!」



93:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:35:08.069 ID:Bd7INRMo0

村長「夜中に家を抜け出して、まさかこんな……」

村長「初めて会ったわしらの村のために戦ってくれたのですか」

勇者「は、はい」

村長「あなたがこの村に来たのも、魔物の気配を感じ取ったからですな」

勇者「うん?」

村長「……いえ。みなまで言わずともよろしい。この量の魔物に襲われては、この村はひとたまりもなかった。本当に、助かりました」

勇者「……」


勇者「いえ、当然のことをしたまでです」



95:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:38:42.813 ID:Bd7INRMo0

村長「なにかわしらに出来ることがあれば良いのですが……何かお礼を……」

勇者「……じゃあ、パンティを」

村長「うん?」

勇者「……やっぱりなんでもないです」



98:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:48:26.979 ID:Bd7INRMo0

村人たち「ざわざわ……」

勇者「……」

勇者(しかしこれ、ある意味チャンスなのでは?)

勇者(今までわからなかった村人たちの顔が見えること見えること)

勇者(年寄りを除いた女の子たちの顔と、どの家に帰るかだけはしっかり目に焼き付けておかなければ……)



勇者「……」キョロキョロ


村娘「………………」ジーーーーーーッ

勇者「ん?」

村娘「っ!」バッ



99:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:48:52.541 ID:Bd7INRMo0

勇者(おいおい。あの子、こっちをジッと見つめてたと思ったら、目を合わせた途端に顔を真っ赤にして目を逸らしたぞ)


勇者(来たかこれ? 俺の勇姿を見てしまって、来てしまったのか? まさかなのか?)

勇者(わたしのパンティ見てください的な展開来ちゃうのか?)



100:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:49:42.808 ID:Bd7INRMo0

勇者「あの、お嬢さん」

村娘「!! は、はい……」

勇者「どうかしたのかな。なんだか、ジッと見られていたみたいだけど」

村娘「!」

勇者「はは……なんだか恥ずかしいな。あんまり見られると、その……」

村娘「あ、あの……」

勇者「! 何かな」



101:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:50:09.823 ID:Bd7INRMo0

村娘「その……言いにくいんですけど……」

勇者「うん」


村娘「チャックが……」

勇者「…………」


勇者(やべ、おしっこしてから締めてなかったわ)



103:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:51:13.784 ID:Bd7INRMo0

その頃

メロンパン職人「くかー、くこー、すぴー」



106:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/06(火) 23:53:37.489 ID:sTeLL4cp0

悲しいなあ



168: ◆XoiMTUEsXEGh 2018/11/07(水) 20:05:38.805 ID:gIdvwMmo0

村長「ささ、勇者殿。今宵はもうお疲れじゃろう。もう魔物もいないことだし帰ってゆっくり休むがよろしい」

勇者「いや、その……」

村長「まだ何か気になることがあるのかな?」

勇者「ほら、まだ魔物が出てくるかもしれないし、俺はもうちょっと残ることにするよ。みんなは先に家に帰っててください」

村長「なんと、そこまで……しかしお気持ちはありがたいが、そう言っておってはあなたが休めんでしょう。ここにはもともと休息のために立ち寄ったんじゃろ?」

勇者「そうですけど、俺は……!」

村長「大丈夫。先ほど、村の者で話し合って、村の若い衆で夜の番しようかと」

勇者「……」


勇者「えっ」



169:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:06:58.607 ID:gIdvwMmo0

村長「今日から村の男手を使って夜間の警備をするんじゃ。これで夜に何かがあってもすぐに知らせられる。勇者殿も安心して眠ってくだされ」

勇者「や、夜間の見回り? いやいやそんな」


男A「任せてくださいよ勇者さん」

男B「今夜は俺らがしっかり村を警備しますからね」

男C「あんたは安心して眠っててくれ」


勇者「……パンティ……」



171:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:08:50.336 ID:gIdvwMmo0

翌朝


メロンパン職人「……ふわぁ……」ムクリ

勇者「……」



172:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:09:13.687 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「あれ、勇者さんもう起きてたんですか。おはようございます」

勇者「……おはよう」

メロンパン職人「いやぁ。久々に屋根の下、お布団で眠ると気持ちいいもんですね」

勇者「……」

メロンパン職人「……勇者さん?」



勇者「……なんだよ」ギョロッ

メロンパン職人「うわっ、隈すごっ! まさか寝てないんですか!?」

勇者「……うるさいな。少し黙れよ」

メロンパン職人「何で俺がキレられてるんですかね」



175:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:27:57.058 ID:gIdvwMmo0

勇者(安価のタイミングについて少し考えてみたけどさ。別にこの村でパンティを探さなきゃいけない指定なんてないんだよな)

勇者(俺が「あの村で何をする?」って安価を求めた訳じゃなく、聖剣が勝手なタイミングで喋りやがっただけだし)

勇者(もちろん今後パンティ奪取の機会があれば積極的に参加するつもりだけど、夜間の警備が入った以上、この村でパンティを探すのは流石に難しい)

勇者(今は一度引いて体制を立て直すべきか……?)


メロンパン職人「なんか急に黙り込んで何か考え始めちゃったよ……まあいいか」


メロンパン職人「さぁて、俺もそろそろ働きますかね」

勇者「?」


メロンパン職人「俺が何者であるか、まさか忘れた訳じゃないでしょ勇者さん。悩み事なんて吹っ飛ばして、すっきり目覚めさせてあげますよ」



176:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:30:31.401 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「よいしょ、よいしょ……」ゴソゴソ


村長「お二人とも、おはよう……おや?」

メロンパン職人「あ、おはようございます。少し台所を借りてますよ」

村長「はぁ……。メロンパン職人殿、何を?」

メロンパン職人「メロンパン作ってるんですよ。泊めてもらったんだし、お礼に朝食くらいはご馳走しようかと思って」

メロンパン職人「道具も材料も持ってるんでね。ここは俺に任せてください」

村長「なんと。お礼などと、昨晩の件だけで十分だと言うのに……」

メロンパン職人「いえいえ、気にしないでください。俺のせめてもの気持ちですから」

村長「では、お言葉に甘えるとしますかな」


メロンパン職人(昨晩って何かあったのかな?)

村長(朝からメロンパンとか、重いのぅ)



177:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:31:57.663 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「さぁ二人とも、召し上がれ!」ドン!

村長「では、いただきますかな」

勇者「いただきます」



181:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:32:44.383 ID:gIdvwMmo0

村長「…………」モグモグ

勇者「…………」モサモサ

メロンパン職人「ふふふ。二人とも、お味はどうですか?」


勇者「……うん。まあ、いいんじゃないか」

村長「……おいしいですぞ」

メロンパン職人「そっかぁ。思えば俺、旅に出てから初めてパンを作ることになるんですよね……へへっ、なんか照れるな」

メロンパン職人「沢山あるんで、遠慮なく食べちゃってくださいね!」



勇者(別に、不味くはないが旨くもないな)

村長(朝食は白米の方が好きなんじゃがのぅ)



183:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:36:01.107 ID:fZYRJp3a0

本音w



180:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:32:44.065 ID:S9AYDesD0

てかどうやって雪国でメロン入手できたんだ?



187:>>180 えるしっているか。メロンパンにメロンは必要ない 2018/11/07(水) 20:48:24.252 ID:gIdvwMmo0



勇者「じゃあ村長、俺たちはそろそろ行くよ。宿、ありがとうな」

村長「もう行くのですかな。昨日はお疲れでしょうし、勇者殿が望むのであればもう少し休んでくださっても構わんのですぞ」

勇者「この村にまで魔物が入り込んで来るようになっているんだ。早いとこその原因を取っ払ってこないと、みんな安心して眠れないだろう?」

村長「勇者殿……」

勇者(夜間警備がある以上、この村に滞在続けてもパンティの入手は難しそうだしな)



188:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:50:32.979 ID:gIdvwMmo0

勇者「さぁ、行こうかメロンパン職人」

メロンパン職人「そうですね。村長、お世話になりました」

村長「では勇者殿。今度は魔物等は抜きに、遊びに来てくだされ」

村人A「頑張ってくれよな」

村人B「応援してるぜ」

子供「勇者さーん、またねー!」


勇者「ああ! 行ってきます!」



189:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:50:54.518 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人(何でこんなに村の人の好感度高いんだろ。俺ら、ただ泊まっただけなのに)

メロンパン職人(まあいいか)


テクテク



190:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 20:54:11.060 ID:ZNb+vlps0

鈍すぎる……



197:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:53:06.467 ID:gIdvwMmo0

少し前
北の都市の調査隊


パキィン……!


??「……」


騎士「う、うぅ……」

冒険者「あが……が……!」


??「はるばる都からこの街へ遊びに来たのであろう?」

??「もう少し楽しませてもらえると思ったのだがな」

??「興醒めだな……」


騎士「おのれ……魔女め……!」

氷の魔女「ふふふ……」



198:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:53:50.451 ID:gIdvwMmo0

氷の魔女「しかし……こちらから出向いて相手をしてやっているというのに、こうもあっさり折れてもらってはな」

氷の魔女「物足りぬ。もっと足掻いてはくれないか」

氷の魔女「……うん?」


ヒュンッ

ザクッ

氷の魔女「……」



傭兵「……外したか」

氷の魔女「ほう。居るではないか。活きのいいのがひとり」

傭兵「バケモノめ」



199:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:54:14.780 ID:gIdvwMmo0

氷の魔女「無駄な抵抗などせずとも、そなたひとりならば逃れられたのではないか?」

氷の魔女「このような虫けらに絆されたか……? 少し、もったいないな」

傭兵「……」



冒険者「……あ、あんちゃん……」

傭兵「!」



200:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:54:43.926 ID:gIdvwMmo0

冒険者「俺らのこたぁ、もういい……どのみち、もう助からねえよ……」

冒険者「こっちのことは気にすんな……せめて、あんただけでも……」

傭兵「勘違いされては困る。別に、私は君たちのためにここに残っているわけではない」

傭兵「臨時の追加依頼とは言え、標的が目の前にいるのだ」

傭兵「この剣がまだ振るえる以上、そう易々と引き下がるつもりはない」

冒険者「……へっ……偏屈な野郎だな……」



201:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:55:17.750 ID:gIdvwMmo0

氷の魔女「あまり余所見をしてくれるな、傭兵」

傭兵「……」

氷の魔女「そなたの狙いは私だろう。わざわざ城から下りて来たのだ。少しくらい楽しませてもらわねば割に合わぬ」

傭兵「……言われずとも」



202:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:56:01.162 ID:gIdvwMmo0

氷の魔女「ほら」

キィーーーーン……!


傭兵「っ!」


騎士「傭兵殿!」バッ!

傭兵「なっ……!?」



パキパキパキ……!

騎士「ぐああ……」



203:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:56:33.661 ID:gIdvwMmo0

氷の魔女「うん? そこの。まだ動けたのか。虫の息と思ったのだがな」


傭兵「……何故庇った」

騎士「はぁ、はぁ……! そこの、冒険者の言った通りだ。君はここから脱出するんだ」

傭兵「……」

騎士「こちらの隊は、ほぼ壊滅した。まともに動けるのは、もう君しかいないのだ」

騎士「……我らでなんとかできると思ったのだがな……奴は、あまりにも規格外だ……」

騎士「せめて、このことを、王に伝えなければ……!」パキパキパキ……!

傭兵「……」



204:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:56:55.914 ID:gIdvwMmo0

傭兵「……私の今の雇い主は貴方だ。雇い主がそう言うのであれば、従おう」

騎士「はは……頼むよ……必ず逃げ切って…………王都に………………」

パキィン…


傭兵「……」



傭兵「……すまない」

タタタタッ



206:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 21:57:48.979 ID:gIdvwMmo0

テクテク…

勇者(どこかにパンティ落ちてたりしないかな)

メロンパン職人「勇者さん。そろそろごはんにしませんか」

勇者「おっ。もうそんな時間か」

メロンパン職人「どうぞ、メロンパンです」

勇者「……また、メロンパンか」

メロンパン職人「あなたの認めるメロンパン職人の作ったメロンパンですよ。好物でしょ?」


勇者(何個作ったんだよ。さすがにそろそろ飽きるわ……)



212:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:22:41.854 ID:gIdvwMmo0

ズバッ!

魔物「ぎゃいんっ!?」


勇者「ふぅ。北に行くに連れて魔物の出る量も増えてきたな」

メロンパン職人「でも勇者さんって結構強いですよね。全然苦戦してないし、今まで全部危なげなく倒してるし」

勇者「鍛えてるからな。まあ剣の腕はまだまだって言われたけど。この聖剣のおかげってのもある」

メロンパン職人「聖剣って……なんか前もそんなこと言ってましたけど、それってどういう……」

勇者「ん……? おい、何か見えてきたぞ」

メロンパン職人「えっ、ま、また魔物ですかっ?」

勇者「違うよ、ほら」

メロンパン職人「……!」



213:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:23:22.806 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「まだ遠めでよく見えないですけど、あれは街ですかね」

勇者「たぶん北の都市で間違いないだろ。いやぁ、長かったなぁ」

勇者「早く行こうぜ、メロンパン職人」

タタタッ


メロンパン職人「ま、待ってくださいよ! 俺、一人にされたら魔物が出たときどうすればいいんですか!」

タタタッ



215:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:39:37.090 ID:gIdvwMmo0

北の都市、外門前


勇者「……」

メロンパン職人「……」

勇者「……」

メロンパン職人「……あの」



216:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:40:07.449 ID:gIdvwMmo0

勇者「なんだよ」

メロンパン職人「俺、北の都市には一度も行ったことはなかったんですけどね」

勇者「うん」

メロンパン職人「ガキのころから噂に聞くぐらいは、結構栄えた街って印象は持ってたんですよ」

勇者「俺もだよ」

メロンパン職人「人口も、そりゃあ王都ほどじゃないにせよ多い方だし、そりゃあまあ、立派な外門だって想像はしてましたよ」

勇者「そうだな」

メロンパン職人「……何で、外門全体がパッキパキに凍りついてるんですかね」

勇者「……何でだろうなぁ」



217:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:40:47.690 ID:gIdvwMmo0

勇者「そういうデザインって線はないか?」

メロンパン職人「あるわけないでしょ。あれでどうやって門を開閉するって言うんですか」

勇者「……それもそうだな」

メロンパン職人「嫌だぁ……あの村で村長から聞いた噂って本当だったんだ……行きたくないよぉ……」

勇者「ばかやろう、行ってみなくちゃわからないだろうが」



218:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:41:23.118 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「と言うかですね。俺だって王都出る前に噂くらいは聞いてるんですよ。北の都市に調査隊出してるんでしょ、王様」

勇者「うん」

メロンパン職人「調査隊って、調査したら帰って来るもんでしょ、王都に」

勇者「一般的にはな」

メロンパン職人「……俺ら、ここに来るまでに誰かとすれ違ったりしてないですよね。調査隊が出たのって結構前なのに」

勇者「そうらしいな」

メロンパン職人「絶対何かがあったじゃないですかぁ……」



219:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:42:40.858 ID:gIdvwMmo0

勇者「まあ、泣き崩れているメロンパン職人のことは一旦置いておくとして」

勇者「参ったな。門が閉まってちゃ俺たちも都市に入れねえよ」

勇者「どうやって入ったもんか……」


聖剣「>>225



224:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:43:56.062 ID:kqyrZuXR0

メロンパンを食べ続ければ炎髪灼眼の討ち手になれるぞ



225:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:44:04.026 ID:0wtHT1j10

メロンパン職人にまかせる



229:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:52:06.237 ID:gIdvwMmo0

聖剣「メロンパン職人にまかせる」

勇者「メロンパン職人に?」

勇者「だけど、こいつは……」


メロンパン職人「はぁーーーー……王都に帰りたい……パンを焼いて細々と生きていればよかった……」


勇者「これはちょっと使い物にならないな」

勇者「何しに来たんだよこいつは」



230:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 22:55:58.889 ID:ZNb+vlps0

お前が連れてきたんだろw



233:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:08:28.660 ID:gIdvwMmo0

勇者「しかし安価は絶対だし……」

勇者「仕方ない。ここは俺がなんとかしてみるか」



235:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:08:46.663 ID:gIdvwMmo0

勇者「なぁ、メロンパン職人」

メロンパン職人「……何ですか」

勇者「俺はさ。これでも聖剣に選ばれし勇者ってやつらしいんだよ」

メロンパン職人「はぁ」

勇者「その聖剣に選ばれし勇者である俺が、唯一選んだ旅の共は、お前なんだよ」

メロンパン職人「……何で俺なんかを選んだんですか。王都にはもっと、こう、荒事に慣れた人とかいるじゃないですか。わざわざ俺なんかを」

勇者「お前しかいなかったからだ」

メロンパン職人「……俺しか、いない……?」

勇者(安価で出た奴が)



236:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:09:24.151 ID:gIdvwMmo0

勇者「お前は、聖剣に選ばれし勇者に選ばれしメロンパン職人なんだ」

勇者「もっと胸を張れ。自信を持て。お前はお前自身を評価していないかもしれないけど、俺はお前のことをちゃんと見ているぞ」

勇者「俺はお前の可能性を、信じている。お前は、やればできる奴なんだってな」

メロンパン職人「勇者さん……」



237:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:10:14.319 ID:gIdvwMmo0

勇者「俺たちにはこの都市で、やるべきことがある。重大な使命だ。それはきっと、俺たちにしかできないことなんだろうな」

メロンパン職人「俺たちにしか、できないこと……」

勇者「だが、このままじゃあ都市に入ることができない。使命を達成することができない。……なぁ、メロンパン職人」

メロンパン職人「は、はい」

勇者「俺はこの一件、お前に任せてみようと思うんだ」

メロンパン職人「お、俺に!? この門を!? そ、そんなの……」

勇者「お前はできないと思っているか? 自分を信じることが、出来ないか?」

メロンパン職人「……」



238:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:10:30.719 ID:gIdvwMmo0

勇者「なら、俺を信じろ、メロンパン職人。俺は、お前ならなんとか出来ると思ってるんだ」

勇者「そして証明してくれ。お前を信じた俺が、間違ってなんかいなかったってことを」

勇者「お前が、やればできる奴なんだ、ってことをさ……!」


メロンパン職人「……!!」



240:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:11:47.788 ID:ZNb+vlps0

お前を信じる俺を信じろってやつですね



244:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:21:08.704 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「勇者さん……俺、やってみるよ」

メロンパン職人「アンタにそこまで言わせたんだ。必ず、どうにかしてみせるよ!」

メロンパン職人「俺を連れてきたアンタを、後悔なんてさせない!」

勇者「ああ! がんばってくれ!」

勇者「俺はちょっと離れたところで見てるから! 見させてもらうよ、お前の出した「答え」ってヤツをさ!」

メロンパン職人「任せてください!」



246:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:24:27.142 ID:gIdvwMmo0

外門前

メロンパン職人「……」

スゥーーーーーー……


メロンパン職人「たのもーーーーーーっ!!」



248:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:24:56.669 ID:gIdvwMmo0

メロンパン職人「誰かいませんかーーーーっ!!」

メロンパン職人「この門を開けてほしいんですけどーーーーっ!!」

メロンパン職人「誰かーーーーっ!!」

メロンパン職人「おーーーーいっ!!」


メロンパン職人「……」



メロンパン職人「メロンパンありますよーーーーっ!!」

メロンパン職人「おいしいメロンパンいかがっすかーーーーっ!!」



249:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:25:26.875 ID:gIdvwMmo0

少し離れた所

勇者「……あいつ、あんなデカイ声出せたんだな」

勇者「店の売り子とかやってたんだろうし結構声張るのは慣れてんのかな」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……ん?」

勇者「門の上から、何かが……!」


バサバサッ

氷鳥「ギィ、ギィ!!」



勇者「あれは……あの時の村にいた魔物と似てる! 鳥なんかもいたのかよ!」



250:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:25:59.807 ID:gIdvwMmo0

勇者「あっ、メロンパン職人のところに降りていくぞ」

勇者「そのままメロンパン職人がつままれて、上空に……」

勇者「この距離じゃ追いつかないな」

勇者「攫われて、門の向こうに……飛んで、行っちゃったぞ……」

勇者「……」


勇者「メ……メロンパン職人ーーーーっ!!」



254:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:31:21.754 ID:gIdvwMmo0

勇者「あわわわわわわ」

勇者「どうしよう、メロンパン職人が攫われちゃったぞ」

勇者「どうする、どうしよう……そうだ、安価!」

勇者「どうしよう!!」


聖剣「>>259



258:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:33:38.501 ID:3s3Up5cC0

どうせまた会う運命



259:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:33:40.665 ID:266oZnvb0

残ったメロンパンを積む



263:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:37:04.512 ID:gIdvwMmo0

聖剣「残ったメロンパン積む」

勇者「残ったメロンパン……! そうだ、今日のメシで出たけど流石に飽きたからこっそり隠しておいたメロンパンがここにある!」

勇者「よいしょ……」

ポテ…


勇者「積むって言っても、一つしかないんだがな」

勇者「地面に置いちまったからもう食えねえな、これ」

勇者「まあ安価は達成したし大丈夫だろ」

勇者「ここはメロンパン職人を信じることにしよう」



264:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:37:46.881 ID:gIdvwMmo0

勇者「頑張れよ、メロンパン職人……!」



265:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/07(水) 23:41:01.434 ID:gIdvwMmo0

氷の城


氷の魔女「……そなたか。わたしの街の前で、なにやら喚いていたとか言う小僧は」

メロンパン職人「……」

メロンパン職人「…………」

メロンパン職人「……………………あの、メロンパンいかがっすか?」



332:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:42:09.666 ID:9AYoJmIN0

勇者「外門を開けるのはメロンパン職人を信じて任せるとして、俺は俺でやることやらなくちゃな」

勇者「ひとまずメロンパンを積むのは成功したから回収しておこう」

勇者「あとは……そうだな、とりあえず都市の外周でも回って見るかな」



333:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:47:13.532 ID:9AYoJmIN0

数時間後

勇者「驚いたな。この都市、東西南北の全部の外門が氷漬けにされてるじゃないか。都市間の連絡が途絶えるわけだよ」

勇者「これじゃあ、いよいよ中に入れないんだが」

勇者「……うぅっ、さぶい……」ブルッ

勇者「おぱんつ沢山履いてるとは言え、こんな所歩き回ってたら風邪引いちゃうよ」

勇者「日が沈んできたしおなか空いてきたし、今日はもう休むことにしようかな……」

勇者「パンティは見つからないしメロンパン職人はどっか行っちゃうし、前途多難だなぁ」



334:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:48:22.488 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「……」

メロンパン職人「……」


氷の魔女「メロンパン?」

メロンパン職人「メ、メロンパンです」

メロンパン職人(く、食いついたっ!)



335:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:49:42.657 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「それは何だ? どのような物だ?」

メロンパン職人「え。もしかして、メロンパン知らないんですか?」

氷の魔女「……ふむ」


氷の魔女「そなた、今わたしを無知だと笑ったか? わたしは馬鹿にされるのが嫌いなのだが」

キィーーーーン……!


メロンパン職人「めめめ、滅相もありません! 美味しいパンです! 食べ物なのですよ!」

氷の魔女「……どれ、見せてみろ」

メロンパン職人「こちらです」スッ

氷の魔女「……ほう」



337:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:51:30.706 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「それは食えるのか」

メロンパン職人「はい、パンですから」

氷の魔女「……ふむ。まあ良いだろう。それで? メロンパンとやらの正体はわかったが、そなたはそれを持って何をしにここへきたのだ」

メロンパン職人「! お、俺は……」

メロンパン職人(ここで答え方を間違えたら殺される気がする)



338:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:55:28.570 ID:9AYoJmIN0

メロンパン職人「……俺は、メロンパン職人です。世界を巡り、俺の作ったメロンパンの味を色んな人に知ってもらうため、旅をしているのです」

氷の魔女「それで、この氷の魔女にもその腕を売り込もうと? そのような理由でわざわざこの地に足を踏み入れたというのか?」

メロンパン職人「そ、そうなんです!」

氷の魔女「……」

メロンパン職人「……」


氷の魔女「……ふふっ」

メロンパン職人「……」



339:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:56:03.193 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「そなたは変わっているな……ふふふふ」

メロンパン職人「……あはは……ははははは……」


氷の魔女「今わたしのことを笑ったか?」

メロンパン職人「笑ってません」



340:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:57:06.897 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「どれ。せっかくはるばるここまでやって来たのだ。食してやろう。そのメロンパンとやらをこちらに寄越せ」

メロンパン職人「は、はい、ただいまっ!」

タタタッ…


ピキィィィン! パキパキパキパキ!!

氷の魔女「こら、気安くわたしに近寄るでない」

メロンパン職人「どうしろと!?」



342:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:58:14.670 ID:9AYoJmIN0

コツ、コツ、

フードの男「魔女よ。こんなところに居ましたか」


メロンパン職人「!!」

氷の魔女「……お前か」


メロンパン職人(だ、誰だ……?)



344:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 21:58:57.757 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「何の用だ? わたしは見ての通り、暇つぶしで忙しい。手短に済ませよ」

フードの男「なに、ちょっとした確認ですよ。この国の王都への侵攻は順調かなと思いまして」

氷の魔女「ふん。まあぼちぼちと言ったところだな。今、氷獣どもに向かわせている。焦らずとも、その内着くであろう」

フードの男「お願いしたのは随分と前のはずなんですがね」

氷の魔女「なんだ、文句があるのか?」

フードの男「いえ。ただ、貴女にしては少し遅すぎるなと思っただけですよ」

氷の魔女「……」



345:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:00:22.760 ID:9AYoJmIN0

フードの男「貴女の力なら、もっと早くに終わると思ったのですがね。それこそ、この都市を制圧したように」

氷の魔女「……命令されるのは、好きではない」

フードの男「これは命令なんかじゃありません。ただのお願いです」

フードの男「ですが、こちらも貴女のお手伝いをしたのです。少しくらいの見返りは期待しても良いでしょう?」

氷の魔女「ふん。よく言ったものだ」



346:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:01:12.639 ID:9AYoJmIN0

氷の魔女「まあ、わたしとて礼は弁えている」

氷の魔女「あの忌々しい封印を取り払ってくれたことだけは認めてやろう。今回の件はあくまでもその見返り。別にお前たちに従うわけではないからな」

フードの男「それで結構。期待していますよ」


フードの男「……ああ。ところで、アレはどうしましたか?」

氷の魔女「殺しても殺しきれんのでな。かと言って赦すつもりもない。この城の下に閉じ込めてやった」

フードの男「……なるほど。貴女らしい」



347:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:01:53.435 ID:9AYoJmIN0

フードの男「それではこの辺で……」

フッ



メロンパン職人「き、消えた……!」

氷の魔女「うん? お前、まだいたのか」



350:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:10:43.618 ID:9AYoJmIN0

翌朝

勇者「……さて」

勇者「いろいろ考えてみたけど、どうも俺一人の頭じゃどうにもならないらしい」

勇者「聖剣よ。この状況を打破する方法はないか?」


聖剣「>>335



354:すまん安価ミスってた 2018/11/08(木) 22:14:39.018 ID:9AYoJmIN0

聖剣「>>360



359:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:17:29.114 ID:+1kSd0Yl0

魔女を襲え



360:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:17:32.109 ID:uAML93n+0

二番煎じもたまには良いものだ



364:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:21:19.360 ID:9AYoJmIN0

聖剣「二番煎じもたまには良いものだ」


勇者「二番煎じ……?」

勇者「……なるほど、そういうことか」

勇者「確かに俺は昨日、良い見本を見たばかりじゃないか」

勇者「メロンパン職人。お前のおかげで光明が見えてきたぜ」



365:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:27:38.431 ID:9AYoJmIN0

外門前

勇者「……」

スゥーーーーーー……


勇者「たのもーーーーーーっ!!」



366:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:28:14.377 ID:9AYoJmIN0

勇者「誰かーーーーっ!!」

勇者「この街に入りたいんですけどーーーーっ!!」

勇者「門を開けてくれーーーーっ!!」

勇者「おーーーーいっ!!」


勇者「はぁ、はぁ」


勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」


バサバサッ

氷鳥「ギィ、ギィ!!」


勇者「……来やがったな!」

勇者「待ってろよ、メロンパン職人!」



367:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:41:56.396 ID:9AYoJmIN0

勇者「さぁ、早く俺を連れていけ!」

氷鳥「ギィ、ギィ!」

ガシッ!

勇者「ん?」

氷鳥「ギィ!!!」バサバサッ

勇者「……あいたたたたた!!」

勇者「運んでくれるのはいいけど、食い込んでる! 爪がすごく食い込んでる!!」



369:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:43:10.196 ID:9AYoJmIN0

バサッ、バサッ

勇者「いたたたたたたっ!」

勇者「思ったより痛い! 思ったより痛いって、この運び方! しかも冷たい! 氷だから仕方ないけど、もうちょっと丁寧に持てよ!」

勇者「てか、高い! 揺れるし! この持ち方で大丈夫? なんか不安になるんですけど!」

勇者「もっとしっかり掴んで! 俺が安心できるようにもっと深く、それでいて爪の先っぽ当たんないように優しく運んで!」

氷鳥「……」バサッ、バサッ…

勇者「聞いてんのか、このトリ野郎!!」



ポロッ

勇者「へ?」



370:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:43:45.837 ID:9AYoJmIN0

氷鳥「……ギィ」バササッ


勇者「……」



勇者「お前、覚えとけよおおおおぉぉぉ……!!」

ヒューーーーーー……



374:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 22:50:30.866 ID:9AYoJmIN0

どちゃっ


勇者「……」

ムクリ

勇者「ぺっぺっ……雪が口に入った……」

勇者「この高さから落とされたら、俺じゃなかったら危なかったぞ」

勇者「メロンパン職人のやつ大丈夫かよ」



377:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/08(木) 23:00:26.078 ID:9AYoJmIN0

勇者「ここは……街中かな。大通りっぽい」

勇者「建物自体は王都にもありそうな物が並んでるけど、建物全体に氷が張ってる」

勇者「……これ、住人はちゃんと生きているのか?」

勇者「まさか全員殺されてる訳じゃないだろうな」

勇者「……ん?」


ズズズズ…

氷像A「……」

氷像B「……」

氷像C「……」


勇者「さっそく魔物かよ。いよいよもって人が住める環境とは思えなくなってきたな」スラッ



421:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:06:09.005 ID:gFPxMhEt0

ズバッ!

氷像A「––––––––!」ズズゥン…!


勇者「おおおっ!」


ズガッ! ドシュッ!

氷像B「––––––––」

氷像C「––––––––」


ガラガラガラ…



氷像D「……」

氷像E「……」

氷像F「……」

氷像G「……」



422:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:07:18.347 ID:gFPxMhEt0

ザシュッ!

勇者「はぁ、はぁ」

勇者「……いま、倒したので何体目だ?」

勇者「いくら何でも数が多すぎだろ。全然減ってる気がしねえっ」


氷像H「……」

氷像I「……」

氷像J「……」



423:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:11:15.983 ID:gFPxMhEt0

勇者「一体一体は大したことないけど、この魔物たち、生き物じゃないな?」

勇者「いくらでも替えの効く量産品ってやつか」

勇者「こんなの全部相手してたらキリがない!」

ズバッ!



424:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:11:45.367 ID:gFPxMhEt0

勇者「はぁ、はぁ……」

勇者「いつまでもこんなこと続けられたら先にこっちが参っちまう」

勇者「……こいつら、あっちの方向からゾロゾロ来てるな。大元がそこにあるのか?」

勇者「大元叩きに行くのもアリか。一旦逃げて立て直すのもいいか」

勇者「どっちにしろ、俺の居場所がバレてる以上こいつらいつまでも湧いて来るぞ」

勇者「聖剣! 何か良い策はあるかっ」


聖剣「>>429



428:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:22:54.001 ID:MpXY8HDJ0

kskst



429:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:22:56.959 ID:R+pX6XE10

全く……手のかかるガキだ



434:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:29:28.670 ID:gFPxMhEt0

聖剣「全く……手のかかるガキだ」

勇者「うるさいな! で、どうするんだよ」

聖剣「……」

勇者「……」

聖剣「…………」

勇者「…………」


勇者「……あれ? それだけ?」



435:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:30:11.105 ID:gFPxMhEt0

勇者「まさか、ただ文句言っただけなのか!?」

勇者「なんかないのか! こう、状況を打破する何かとか!」

聖剣「……」

勇者「……どうして何も喋ってくれないんだ」


氷像「––––––––!」ブンッ!

勇者「……くそっ!」

ガァン!



436:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:39:12.327 ID:gFPxMhEt0

勇者「はぁ、はぁ……」


無数の氷像「……」ゾロゾロ


勇者「やべぇ、モタモタしてたら完全に囲まれちまった」

勇者「なぜ何も答えてくれないんだ聖剣!」

聖剣「……」

勇者「……まさか」



438:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:39:45.545 ID:gFPxMhEt0

勇者「まさか、あれなのか!」

勇者「俺がパンティの安価をなかなか達成しないからって拗ねてるのかお前!」

聖剣「……………………」


勇者「くそっ、そういうことかよ」

勇者「魔物に支配された都市を攻略するとか、それどころじゃないってわけか」

勇者「そうとわかればこんな奴らを相手している暇はない」

勇者「パンティ探しに行かなくちゃ!」



440:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 19:42:25.381 ID:gFPxMhEt0

勇者「そこを––––––––どけぇっ!!!」

ズバッ!!

氷像「––––––––」ズズゥン…!


勇者「パンティ、パンティ……まずはこの都市で生き残りの女の子とかが居そうなところを見つけなきゃな」

勇者「火のないところに煙は立たない」

勇者「女の子のいないところにパンティは無いからな」

タタタッ



445:>>444 保守ありがとうね 2018/11/09(金) 19:59:03.352 ID:gFPxMhEt0

タタタッ


勇者「はぁ、はぁ」

勇者「あの氷像ども、足はあんまり速くないみたいで助かったな……」

勇者「一先ずは撒けたみたいだ」

勇者「えぇと、とりあえず状況を整理するか」



446:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:00:46.734 ID:gFPxMhEt0

勇者「今俺がいるのは……街中の、元は商店街だったっぽいところかね。周りには店らしき建物が並んでる」

勇者「どれもこれも氷が張ってる……こんな中に人が居るもんかね。凍え死んじまうよ」

勇者「ドアなんかも凍りついてるから、人が出入りするのは難しそうだ」

勇者「都市全体があの氷のやつらの親玉に支配されてるっぽいな」

勇者「そして、その親玉ってやつは多分……」

勇者「……」

勇者「ここからでも見える、あのでっかい氷のお城にいるんだろうなぁ。如何にも!ってかんじがするし」

勇者「だが今はそんな奴を相手にしてる場合じゃないよな」



447:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:01:03.310 ID:gFPxMhEt0

勇者「どうする。住人の生き残りを探すにしても、奴らの目の届く範囲に人なんていないと思うが……」

勇者「こんな時に頼りになりそうな安価は……」


聖剣「……」


勇者「……パンティ見つけるまではお預けか」



448:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:10:36.788 ID:gFPxMhEt0

氷鳥「ギィ! ギィ!」バササッ


勇者「!!」


氷鳥「ギギィ! ギィ!」


勇者「あのクソドリめ……お前に落とされたの、絶対忘れないからな」

勇者「この剣が届く距離なら叩き斬ってやるところなんだが……」

勇者「……」

勇者「ところで。なんであいつ、あんな所でじっと止まってるんだ?」


氷鳥「ギギィ! ギギィ! ギギィ!」


勇者「……まさか」


氷像A「––––––––」

氷像B「––––––––」

勇者「俺の居場所を氷像どもに伝えてるのか!」



449:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:15:00.370 ID:gFPxMhEt0

勇者「本当ムカつくなぁ! あのトリ! こんなんじゃ地上のどこにも逃げ場が無いじゃないか!」

勇者「地上のどこにも……」

勇者「!」


氷像「––––––––!」ブンッ!

勇者「っ!」バッ

ズバッ!
ズズゥン…!

勇者「地上に逃げ場が無いのなら、空から見えない所になら生き残りがいるかもしれない……?」



450:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:35:35.655 ID:gFPxMhEt0

某所


子ども「お母さん……おなかすいた……」

母親「ごめんね……でも、今はどうにもならないの」

母親「配給の時間までもうすぐだから、もう少し待ってね……」

子ども「……」



451:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:36:00.406 ID:gFPxMhEt0

市民A「……くそっ、あんな子どもにまでひもじい思いをさせなきゃならないのか」

市民B「仕方がないだろう。食糧にも限りがある。今は我慢の時だ」

市民A「我慢って言ってもよ、ここに閉じこもってから何日だ? 魔物どもに我が物顔で俺らの街を支配されて、こんな所で黙ってていいのかよ!」

市民B「……少し落ち着くんだ。気持ちは俺だって同じだが、今俺たちが上に行ったって、バケモノに殺されるだけだ」

市民A「……くそっ!」



452:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 20:38:38.270 ID:gFPxMhEt0

市民A「王都から救援が派遣されて来たって言うから、ようやくここから出られるかと期待したのによ。あいつら、てんで役に立たたねえし」

市民B「やめろ。……聞こえるだろ」

市民A「聞こえるように行ってるんだよ。偉そうなこと言ったくせに、負けておめおめ帰って来やがって。一人分の食糧だって貴重なんだし、こんなことなら戻って来ない方がマシだったぜ」

市民B「言い過ぎだ! ……なあアンタ、すまない。こいつもちょっと、限界が来ていてな。どうしても何かに理由を付けて当たり散らしたいらしい」

市民B「アンタも俺たちのために戦ってくれたって言うのにな……すまない……」

市民B「けど、いざと言うときに戦える人が一人でも居るのは心強いんだ。気を、悪くしないでくれよ」


傭兵「……」



459:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:10:47.458 ID:gFPxMhEt0

傭兵「構わない。その男の言うことは事実だからな」

傭兵「私への配給は減らしてくれて構わない。その分、そこの子どもに与えてくれ」

市民B「……」


傭兵(外門があのザマでは隊長から請け負った最後の依頼も果たせない)

傭兵(……無様だな)



460:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:11:19.425 ID:gFPxMhEt0

ドォン……ズズゥン……!



市民A「!」

市民B「!」

傭兵「……」



461:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:11:44.178 ID:gFPxMhEt0

市民A「な、なんだ……? 何の音だ? また地上でバケモノが暴れてるって言うのか?」

市民B「こ、この居場所がバレたのかもしれない」

市民C「そんな……ここがダメなら、後はどうすれば」

市民D「もう動けない人だって居るんだぞ……」

ザワザワ…


傭兵「私が様子を見て来よう」

市民「!」



462:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:12:23.576 ID:gFPxMhEt0

市民B「で、でも、地上は危険だぞ……万が一のことがあったなら……」

市民A「いいじゃないか。ここでゴロゴロされてるよりかは役に立つ」

市民B「そんな言い方!」

傭兵「いや、その男の言う通りだ」



464:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:14:40.847 ID:gFPxMhEt0

傭兵「本来ならタダ働きはしない主義だが、私も自分の立場くらいは心得ているつもりだ」

傭兵「敵の首魁を倒すと大言し、手も足も出ず見事に返り討ちにされたのが我々の隊だ」

傭兵「素直に王都へ救援を要請すれば良かったものをな」

傭兵「この状況は我々に責任がある。その生き残りとして、せめてもの尻拭いをさせてもらいたい」

傭兵「……ここで動かねば、私は本当に何をしに来たのかわからなくなる」



471:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:35:57.266 ID:gFPxMhEt0

地上


傭兵「……」

キョロキョロ


傭兵「……鳥は、いないようだな」

傭兵「……」


ズズゥン…!



傭兵「! 騒がしいのはあちらか」

傭兵「どうやらこの場所が見つかった訳では無さそうだが」

傭兵「……行くしかあるまい」


タタタッ



473:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:43:20.880 ID:gFPxMhEt0

勇者「ああもうっ! しつこい!」

勇者「なんかさっき良い案が浮かびそうな良い所だったのに!

ズバッ!

勇者「考える時間もくれないってのかよ!」

ドシュッ!

氷像A「––––––––」

氷像B「––––––––」

ドシャァ、ガラガラ……!



474:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:44:11.990 ID:gFPxMhEt0

氷鳥「ギィ! ギィ!」


勇者「くっそぉ……! あの憎たらしいトリ公め……いい加減にどっか行きやがれ!」


氷鳥「ギィギィ!」


勇者「……お前は必ず叩き斬ってやるからなぁ……!」



475:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:47:36.387 ID:gFPxMhEt0

––––––––ヒュンッ

氷鳥「……ギ?」


ドシュッ!


勇者「……え?」

氷鳥「…………ギィ……」フラッ…


ドサッ


勇者「あれは、剣……?」



476:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 21:48:15.064 ID:gFPxMhEt0

傭兵「……これだけ元気のある人間が、まだこの街に残っていたとはな」

勇者「!」


氷鳥「ギィ……」

傭兵「……」

ズバッ


勇者「あんたは……?」

傭兵「……この鳥も、一度倒したところですぐに新しいものが出てくる」

傭兵「私と話をしたいのなら、まずはこいつらを撒くことに専念しろ」



479:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:07:13.486 ID:gFPxMhEt0

……

……


勇者「はぁ、はぁ」

傭兵「……」

勇者「こ、ここまで来れば暫くは安全だろ……少し、休ませてくれ……」

傭兵「……そうだな。鳥がまた作られるまで、もう少し時間があるだろう」

傭兵「君の息も上がっているようだしな」

勇者「う、うるさいなぁ……こっちは街に着いてからずっと戦いっぱなしなんだ。勘弁してくれ」

傭兵「……!」



480:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:08:55.786 ID:gFPxMhEt0

傭兵「君は、街の外から来たのか」

勇者「そうだよ。王様の命を受けてな」

傭兵「王の……!」

傭兵「つまり君は王都から派遣されて来たわけか」

傭兵「ならば部隊は? どのくらいの人数だ。戦力を知りたい。教えてくれ」

勇者「ん? 俺ひとりだよ」

傭兵「……何だと?」



481:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:09:36.212 ID:gFPxMhEt0

傭兵「君ひとりで来たというのか」

勇者「ああ……。あっ、それと、メロンパン職人も一緒だな」

傭兵「メロンパン」

勇者「うん」

傭兵(……王は何を考えているんだ?)



486:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:36:18.806 ID:gFPxMhEt0

傭兵「……聞きたいことは山のようにあるが、今はそれどころではないな」

勇者「せめてどこか落ち着けるところがあれば良いんだけどさ。あのトリ公め」

傭兵「……」

傭兵「……まあ、嘘をついているようには見えないか」

傭兵「と言うよりも、器用な嘘をつける人間ではないと言ったところか」

勇者「その評価はなんだかフクザツなんだが」

傭兵「ひとまず、君なら大丈夫だろう。案内しよう。この街の生き残りの住人達の、隠れ家のような場所だ。そこならまだヤツの目は届いていないからな」

勇者「……隠れ家……?」


勇者「生き残り!!」



487:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:37:02.616 ID:gFPxMhEt0

勇者「生き残りがいるのか! この街の!」

傭兵「ああ。と言っても、怪我人や女子供……力のない者たちばかりだ。悪いが戦力としては期待はしない方が」

勇者「女子供!!」

傭兵「あ、ああ」


勇者「……良かったぁ……もう、ダメかと思っていたよ……」

勇者「この街に来て、誰も人が居ないからさぁ……もう、女の人とかはいなくなっちゃったかと……」


傭兵「……」



489:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 22:38:12.829 ID:gFPxMhEt0

傭兵「……あまり大きな声を出すな」

勇者「す、すまん」

傭兵「息は整ったか?」

勇者「ああ!」

傭兵「なら、ついてこい。少し走るぞ」

タタタッ


傭兵(この男。力のない者達の安否に、そこまで心を動かされるか)

傭兵(これが底の知れないお人好しと言うやつか)

傭兵(……少しだけ、眩しいな)

勇者(女の子がいるならパンティくらい持ってるよな……)



492:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:17:29.053 ID:gFPxMhEt0

隠れ家

市民A「……で? あいつが王都から送られて来た救援だって言うのかよ。たった一人で?」

市民B「……」

市民C「……」

市民A「はぁーーーー……。あんな小僧ひとりで何ができるって言うんだよ。穀潰しがまた一人穀潰しを増やして来やがった」

市民B「……おい、言い方ってものがあるだろう……」

市民A「綺麗事はよせよ。お前だって同じことを考えてるくせに」

市民B「それは……」



勇者「なんか雰囲気悪いな」

傭兵「長い間ここに閉じ篭っているからな。ずっと日を浴びていない上、食糧も限られている。彼らの精神も限界に近い。大目に見てやってくれ」



493:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:18:10.951 ID:gFPxMhEt0

傭兵「それよりも互いに持ち得る情報を共有しよう。私もこの街の外に閉じ篭って長い。少しでも外の情報が欲しい」

傭兵「君がどうやって封鎖されたこの街に入って来たのかも知りたいしな」

勇者「それもそうだな……––––––––」



494:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:18:51.115 ID:gFPxMhEt0

……

……


勇者「––––––––と言う訳なんだ」

傭兵「……」

勇者「どうしたんだよ、頭抱えて」

傭兵「……命知らずにも程があるだろう。君とその同行者とやらは、馬鹿なのか」

勇者「なんだと」



495:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:21:27.090 ID:gFPxMhEt0

傭兵「……すまない。無駄口を叩いた。今更そこを追求しても詮のないことか」

勇者「なんか引っかかる言い方だな」

傭兵「しかし、参ったな。都市に入る方法さえわかれば出ることも出来ると思ったが……そのような方法は到底マネのできるものではない」

傭兵「あの氷鳥が、わざわざ都市の外に出してくれるとも思えんしな」

勇者「調査隊のみんなはどうやって入って来たんだ?」

傭兵「私達が来た時には外門は封鎖されていなかった。おそらく、邪魔者がこれ以上入り込まないようにと、私達が来た後に張ったのだろう。あの氷は」



496:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:22:08.723 ID:gFPxMhEt0

勇者「それより、そんなに強いのか。その魔女ってヤツは」

傭兵「人ひとりでどうこう出来る相手ではないと言っておこう。市民からこの地方に伝わる話は聞いたが、まさしく伝承通りの力を持っている」

勇者「伝承通りの……力……」

勇者「……」チラッ


聖剣「……」


勇者(お前も、その伝承の中に居るんだよな? 古の勇者の、魔女退治の伝承の……)



497:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:28:00.700 ID:gFPxMhEt0

勇者「それにしても、邪魔者を入れないように氷張ったってのに何で俺たちを街に入れたんだろうか」

傭兵(邪魔者とすら認識されていなかっただけではないだろうか)



499:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:48:59.419 ID:gFPxMhEt0

勇者「……それにしても」

傭兵「?」


勇者「……」

傭兵「……」


勇者「……」

傭兵「……」


勇者「…………」ジーーーーッ

傭兵「…………」



500:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:49:50.475 ID:gFPxMhEt0

傭兵「な、なんだ。人の顔をジロジロと……」プイッ

勇者「いや……俺、アンタの顔、どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ」

傭兵「……私は君の顔に覚えは……」

傭兵「……」

傭兵「…………」

傭兵(……言われてみれば、どこかで見たことあるような)



501:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:50:09.976 ID:gFPxMhEt0

勇者「なあ、もう少しよく見せてくれよ。なんかこう、喉のこの辺まで出かかってる気がするんだが」

傭兵「や、やめろ……」



子供「うええーーーーん」


勇者「!」

傭兵「!」



502:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:51:05.992 ID:gFPxMhEt0

子供「おなかすいたよぉ……外に出たいよぉ……」

母親「ごめんね、ごめんね……もう少しだけ、我慢してね……」


勇者「……子供か」

傭兵「……」


市民A「……」

市民B「……」

市民C「……」

市民D「……」


傭兵(良くないな……このような閉鎖空間で聞く子供の泣き声は、精神を追い詰められた者達にとっては猛毒だ)



503:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:51:42.834 ID:gFPxMhEt0

勇者「……」


勇者「確か、この辺に……」ゴソゴソ

勇者「お。あったあった。回収しといて良かったよ」

テクテク


傭兵「どこへ行く」

勇者「ちょっとな」



504:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:52:10.477 ID:gFPxMhEt0

子供「うええーーーん」

勇者「腹が減ったのか?」

子供「っ!」ビクッ

子供「……おなか、すいたよぉ……」

母親「ごめんなさい……みなさんに迷惑をかけてしまって。空腹なのは皆一緒なのに」

勇者「いやいや、文句を言いに来たわけじゃないんだ」



506:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/09(金) 23:52:40.382 ID:gFPxMhEt0

勇者「これ」スッ

子供「!」

母親「こ、これは……」

勇者「しーーっ。……みんなには内緒だぞ。一個しかないんだ」

子供「メロンパン……」



507:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 00:01:39.954 ID:PZGgHyvX0

子供「……ちょっと潰れてる」

勇者「男の子ならそれくらい我慢しなさい」

勇者(一回地面に落としたけど、ふーふーしたから大丈夫だろ)

子供「……ありがとう」


母親「ありがとうございます……貴重な食べ物を……」

勇者「いや、これくらい良いんです……本当なら、もっと食糧があるはずなんだけどな」

勇者(食糧の管理はメロンパン職人に任せてたんだが)

勇者(あいつ、どこをほっつき歩いてるんだよ。肝心な時に限っていやがらねえ)



510:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 00:07:09.863 ID:PZGgHyvX0

メロンパン職人「ぶえっくしょん!!!」

メロンパン職人「ううぅ……このお城、氷で出来てるからか寒すぎるよ……」


氷の魔女「今、その生地に唾が入らなかったか?」

メロンパン職人「ひゃいっ!!?」

氷の魔女「まさかとは思うが、それをわたしに献上するつもりではあるまいな」

メロンパン職人「ととと、とんでもない! 今すぐ作り直しますっ!」

氷の魔女「早くせよ。暇潰しとは言え飽きが来る」

メロンパン職人(飽きられたらどうなるんだろうか。と言うか、舌に合わなかったらどうしよう)



527:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:31:07.246 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……」

勇者「なぁ傭兵、さっき魔女退治の伝承を市民から聞いたって言ってたよな」

傭兵「……それがどうかしたか」

勇者「詳しく聞かせてくれよ。特に、「魔女を倒した」部分についてさ」

傭兵「!」



528:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:32:21.224 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……君は私の話を聞いていたのか?」

勇者「聞いてたさ。氷の魔女は伝承通りのすごい力を持ってたんだろ?」

傭兵「その通りだ。そして、人ひとりの力でどうにか出来る相手ではない、とも言った筈だな」

傭兵「君と魔物との戦いは一部見させてもらった。確かに剣の腕は悪くはない。荒削りだが、そこそこの魔物とやり合う分には問題ないだろう」

傭兵「だが、それだけだ。それだけで魔女が倒せると言うのなら、この都市はここまで追い込まれてなどいない」

傭兵「勇者と愚者は違う。勇気と無謀を履き違えるな」



530:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:33:07.863 ID:PZGgHyvX0

傭兵「そもそも、魔女退治の話を聞いたところで前提条件が違う。私達は古の勇者ではない。聖剣も、特殊な力もない、ただの––––––––」

勇者「聖剣ならあるよ」



531:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:33:32.509 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……何?」



勇者「聖剣なら、ここにあるんだよ。古の勇者のさ」

シャラン…


傭兵「……!!」



532:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:33:55.274 ID:PZGgHyvX0

勇者「敵は伝承通りの力を持っている」

勇者「なら、伝承通りの聖剣で、倒せない道理は無いんじゃないか?」

傭兵「君は……」



534:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:34:48.984 ID:PZGgHyvX0

……

市民B「なに? ここを出るって言うのか?」

勇者「うん。明日出ようと思う。ちょっと氷の魔女を倒しに行ってくる」

市民B「正気か!? 命を捨てに行くようなものだぞ!」

勇者「大丈夫だって。何とかなるさ」

市民B「あんたは魔女の恐ろしさを知らないからそんなことを言えるんだ」

市民B「……おい傭兵さん、アンタからも何か言ってやってくれ。直接対峙したことのあるアンタならどれだけ無茶な話かわかるだろう」

傭兵「……私も、この男について行くことにする」

市民B「はぁ!?」



535:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:35:39.289 ID:PZGgHyvX0

市民A「はん。行かせてやればいいじゃないか。そいつらがいなくなれば二人分の食糧が浮く。俺たちが少しでも長く生き延びられるじゃないか」

勇者「でも、いつかは食べ物が無くなって死んじゃうだろ。死ぬまでここに引き篭もってていいのかよ」

市民A「…………いいとか、悪いとかの話じゃないだろう。昨日今日ここに来た程度の人間が、偉そうにとやかく言うのはやめろ。虫唾が走る」

勇者「……」



536:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 02:36:36.533 ID:PZGgHyvX0

勇者「気分を悪くさせちまったんなら、ごめんな。俺、そういうの苦手でさ」

勇者「まあ何にせよ、俺たちがここを出て行くことに変わりはないよ」

市民A「……」

勇者「でも、そうだな。俺たちが勝っても負けてもアンタにとっては得なんだろ? なら、どうせなら応援しといてくれよ。俺たち勝つつもりで行って来るから」

市民A「……勝手にしろ」



539:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 03:02:08.810 ID:PZGgHyvX0



周りの市民「くかー、くこー、くかー……」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」ムクリ

キョロキョロ


勇者「よし、みんな寝ているな」



540:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 03:02:35.137 ID:PZGgHyvX0

勇者「明日はいよいよ氷の魔女の城に殴り込みを仕掛ける」

勇者「……明日の決戦には、必ず安価が必要になる筈だ」

勇者「そんなわけで、今の安価が使えない状況は非常にまずいんだよ……」

勇者「今夜中に、安価を使える状態にしておかなければならないんだ」

勇者「だから……これは仕方のないことなんだ」

勇者「俺だって悪気があるわけじゃないんだ」

勇者「仕方ないんだこれは。仕方ない、仕方ない……」



541:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 03:03:04.268 ID:PZGgHyvX0

子ども「zzz……」

勇者「坊や、坊や……起きておくれ……」

子ども「うぅん、だぁれ……?」

勇者「俺だよ。覚えているかい?」

子ども「あ、メロンパンのお兄ちゃん」

勇者「しーーっ。みんな寝ているから静かにしようね」

子ども「うん、わかった!」

勇者「静かにね!」



542:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 03:03:40.632 ID:PZGgHyvX0

勇者「坊や、今お兄ちゃんは困っているんだ」

子ども「どうして?」

勇者「少し探し物をしていてね。坊やなら何か知ってるかと思って聞きたいことがあるんだ。お兄ちゃんを助けてくれないか?」

子ども「うん。ぼくの知ってることならいいよ。何かある?」

勇者「……大人のみんなは、お着替えとかどうしているのかな?」



547:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:04:41.894 ID:PZGgHyvX0

……

……

勇者「坊やの話をまとめると、どうやら市民たちはここに避難するときにちゃんと個人の必要最低限の荷物を持ってきているようだ」

勇者「下着とか、必要だもんな。俺だって避難したり旅行するなら替えのパンツは必ず持ってくる」

勇者「今は重ね着してるくらいだしな」モッコリ

勇者「……そして、ここが荷物置き場か」

勇者「……」


勇者「失礼します」



548:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:05:36.189 ID:PZGgHyvX0

ゴソゴソ

勇者「うーん、あれも違う、これも違う……」

勇者「これは……うわっ、男のパンツじゃねえか」ポイッ

勇者「どれが男でどれが女の子の荷物か一目でわかればいいんだがな」

ゴソゴソ

勇者「……!」


勇者「これは……!!」



549:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:08:13.689 ID:PZGgHyvX0

勇者「ブラジャーじゃないか!!」

勇者「これが女の子の鞄ってヤツか」

勇者「言われてみれば、なんか良い匂いがする気がする」

勇者「と言うことは、この鞄にパンティも……!!」

ゴソゴソゴソゴソ



??「そこで何をしている」


勇者「ッ!?」



550:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:09:16.629 ID:PZGgHyvX0

傭兵「勇者。ここは共同の荷物置き場の筈だが」

勇者「よよよ、傭兵っ? どうしてこんな所に……」

傭兵「君が起き出してどこかに行くのが見えてな。挙動がおかしかったのでついてきた」

勇者「起きてたのか……」

傭兵「いいや、明日に備えて寝ていたさ。だが、君も旅をする者ならば、誰かの動く気配で起きられるように訓練はしておいた方がいい」

勇者「アドバイスありがとね!!」



551:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:10:47.101 ID:PZGgHyvX0

傭兵「それで? 何をしていた」

勇者「……明日の決戦までに、どうしても必要な物がある」

傭兵「どうしても必要な物……?」

勇者「ああ。とても重要な物なんだ。残念ながら、俺はそれを持っていなくてさ。それが無いと、俺たちに明日の勝ち目は無いかもしれない」

傭兵「そんな大事なことを、どうして言わないんだ」

勇者(言えるわけないだろ)



552:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:12:59.053 ID:PZGgHyvX0

傭兵「私も協力しよう」

勇者「えっ」



553:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:13:43.850 ID:PZGgHyvX0

勇者「いやいや、いいって。大丈夫だから」

傭兵「大丈夫なものか。私と君は一蓮托生。運命共同体のようなものなんだぞ」

傭兵「こんな夜中にこっそり他人の荷を漁るくらいだ。よほど切迫しているのだろう」

傭兵「明日の切り札は、君とその聖剣なのだ。少しでも万全な状態で戦って貰わなければ私が困る」

勇者「いや本当、大丈夫なんで。勘弁してください」



554:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:15:51.289 ID:PZGgHyvX0

傭兵「そこまでして断るのか。……何か後ろ暗い物なのか?」

勇者「……」

傭兵「気にするな。多少の暗い仕事なら私にも経験はある。たとえ探している必要な物が、金品やそれに類する物だとしても、協力すると約束しよう」

勇者「……」

傭兵「氷の魔女に勝つためだ。手段を選んでいる暇はないのだろう?」

勇者「……」


勇者「……本当?」



555:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:17:22.001 ID:PZGgHyvX0

勇者「本当に良いの? 聞いた後でドン引きしたりしない?」

傭兵「くどいぞ」

勇者「……」



556:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:20:38.757 ID:PZGgHyvX0

勇者「うーん……」

勇者「やっぱりいいや」

傭兵「……協力は要らないと?」

勇者「ああ。でも、心配は要らないよ。手がかりは見つけた。丁度、もう少しで目当ての物が見つかりそうなところだったんだ」

傭兵「そうなのか」



558:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:21:58.008 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……ならば良いのだが」

勇者「うん。だから傭兵は先に戻って明日に備えて休んでくれれば」

傭兵「ちなみに、手がかりとはどんな物だ?」ズイッ

勇者「いややややややっ、だからいいって……」



傭兵「……それ、私の鞄じゃないか」


勇者「へ?」



559:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:22:52.132 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……うん? 君、よく見ると何かを後ろ手に隠しているな?」

傭兵「何を見つけた? 見せてみろ」

勇者「いや、その、あの」

傭兵「明日の決戦に必要な物なのだろう。私の荷で良ければいくらでも貸してやる。そいつを見せてみろ」

勇者「あっあっあっ……」



560:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:23:21.169 ID:PZGgHyvX0

勇者「赤ちゃんになぁれ!!」ぺかーっ


傭兵「……ばぶぅ」



561:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:23:47.772 ID:PZGgHyvX0

勇者「危なかった」

勇者「と言うかこいつ、女だったのかよ」

傭兵「あうー……」

勇者「……本人の前だけど、失礼して……」

ゴソゴソゴソゴソ…



勇者「あったぁ!! パンティあったよ聖剣!! 白いやつだ!!」



562:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 04:24:18.018 ID:PZGgHyvX0

勇者「これで安価が出せる……!」

勇者「待ってろよ、氷の魔女。明日は必ず倒してやるからな」ギュッ



勇者「……その前にこいつをどうにかしないとな」

傭兵「きゃっきゃっ」



603:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:03:51.949 ID:PZGgHyvX0

翌日

傭兵「昨日の記憶が少し曖昧なのだが」

勇者(なんか気不味くて目を合わせられない)



605:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:06:06.689 ID:PZGgHyvX0

勇者「ごほん。……とりあえず」

勇者「今から魔女の城へ向かうわけだが」

勇者「道中の氷像達の強さは問題ないが、いかんせん数が多すぎる」

勇者「一日経ってるし、あの憎たらしい氷鳥も復活してるんだろうな」

勇者「真正面から乗り込もうにも、全てを相手にしていればそれだけで日が暮れちまうだろうな」

傭兵「ほう。さすがに少しは考えているか。ならば、何か策があるのか?」

勇者「そうだな……」


聖剣「>>610



609:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:08:21.012 ID:uVolDzS+0

住民全員赤ちゃんにして囮にしろ



610:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:09:47.027 ID:ALUCG4Vna

熱源をバラまけ



613:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:14:34.197 ID:PZGgHyvX0

聖剣「熱源をバラまけ」


勇者「!!」

勇者(喋った……)

勇者(良かった、俺の昨日の努力は無駄じゃなかったんだな)

勇者(この調子で安価を出し続けてもらうためにも、このパンティは肌身離さず持っておこう)


傭兵「どうした」

勇者「なんでもない。ありがとうな」

傭兵「?」



616:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:32:27.987 ID:PZGgHyvX0

勇者(それにしても、熱源か……)


勇者「なあ。ここの都市に出る魔物の中で、氷で出来た魔物以外を見たことがあるか?」

傭兵「……無いな。昨日見た氷像の魔物の他にも、氷鳥や氷獣。どれもこれも氷で造られたものばかりだ」

勇者「じゃあ、溶かそう」

傭兵「……」



617:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:33:13.592 ID:PZGgHyvX0

傭兵「一応聞くが、どうやって?」

勇者「熱源をバラまきたい」

傭兵「街中に? だが、一口に熱源と言っても色々ある。そもそも、この避難所に奴らを燃やし尽せるような物資は無いぞ」

勇者「ここに無くても、地上にならあるだろ」

傭兵「地上……」

勇者「上の様子は見ただろ。この街は、全てが氷に覆われているけど、破壊されてる訳じゃない」

傭兵「つまり、どうにかして建物に入り込み、熱源……燃料を手に入れようということか」



618:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:34:01.195 ID:PZGgHyvX0

傭兵「氷に対して火を用いるのは悪くない考えだな」

勇者「だろ? 昨日お前から聞いた魔女退治の話でも、古の勇者は火を使ったらしいじゃないか」

傭兵「古の勇者は聖剣から炎を出していたみたいだが……」チラッ

傭兵「君は炎を出せないのか? それが出来れば、そもそも熱源を探す必要も無いように感じるのだが」

勇者「……」


勇者(試したこともなかったな)



621:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:41:12.768 ID:PZGgHyvX0

勇者(確かに、魔法使いの師匠はこの剣を杖としても一級品と言っていたし、実際に何度か杖としてもお世話になってるけど)

勇者(振って炎が出るようなもんかね)


勇者「やったことないけど、試してみるか」

傭兵「!」

勇者「よし、行くぞ」スラッ

傭兵「ば、馬鹿者っ、こんな所で試しては」


勇者「炎よ!!」



622:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:41:34.836 ID:PZGgHyvX0

シーーーーン……


勇者「……」

傭兵「……」

勇者「……出ないな」

傭兵「馬鹿か君はっ! 試すならばせめて外でやらないか!」

勇者「す、すまん……」



623:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:46:17.358 ID:PZGgHyvX0

傭兵「だが、その聖剣から炎は出ないようだな。まあ、古の勇者の逸話は私も聞いたことがあるくらいに有名だが、聖剣から炎を出すなどと言う話は聞いた事もない」

傭兵「おそらく、この地方だけの伝承なのだろう」

勇者「うーん……そっかぁ」


勇者(こんなことなら魔法使いの師匠の所でもっとちゃんと勉強しておけば良かったな)

勇者(炎の魔法とか初歩中の初歩って教えられた気がするけど、あの時はどうやって赤ちゃん魔法に応用するかしか考えてなかったんだよなぁ)



625:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 16:53:20.495 ID:PZGgHyvX0

市民「……なあ、あんた達」

勇者「ん?」

市民「話がチラホラ聞こえて来たんだが、本気で魔女を倒そうとしているのか?」

勇者「ああ。そうだよ。昨日宣言した通りだ」

市民「それで……燃やせる物を探しているんだったか」

勇者「!」

傭兵「!」



640:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 20:54:20.697 ID:PZGgHyvX0

市民「可燃石という石があってな。簡単に火を起こせる魔石だ」

勇者「魔石……?」

傭兵「……最北の山でよく採れると有名なあの石か」

市民「そうだ。石の中に可燃性の特殊な魔力を持っている石でな。王都に流通しているのも大体うちから出ている物だ。……それを使ってどうにかできると言うなら、使ってくれて構わん」

勇者「良いのかよ。商売道具じゃないのか」

市民「確かにそうだが、こんな状況が続いてちゃあ二度と商売なんてできんからな。この避難所ももう限界に近い。せっかくだからあんたらに賭けさせてくれ」

勇者「おっさん……」

市民「心配しなくても、あんたらに請求はしないよ。王都から少しは貰うつもりだが」



641:>>637 目からウロコ出た 2018/11/10(土) 20:54:53.769 ID:PZGgHyvX0

市民「だが、そうだな。もしもそれがきっかけで魔女を倒せたとしたら、君たちの口からPRをしてくれ。うちの魔石のおかげで勝てた、とな」

勇者「!」

勇者「……ああ。任せてくれよ。これが終わったら、きっとおっさんの店は有名になってるぜ。ここから出たら忙しくなるから、今の内にゆっくり休んでおいてくれ」



642:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 20:56:37.555 ID:PZGgHyvX0



勇者「……」


勇者「鳥は……居ないみたいだな」

傭兵「今の内に行くとしよう。あの商人の言っていた魔石倉庫は、ここからそう遠くはないようだ」

勇者「途中で氷像に見つからなければいいんだけどな」

傭兵「多少の氷像と鉢合わせるのは仕方がないが、極力建物の陰に身を隠して上空の氷鳥に注意しながら進むべきだな。奴に見つかると厄介だ」



643:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 20:58:05.452 ID:PZGgHyvX0

氷像A「…………」

氷像B「…………」



勇者「……」

傭兵「……今だ」

サササッ


勇者「あいつ、結構ノロマだよな」

傭兵「アレを作るのにそれ程のリソースを割いていないのだろう。もっとも、その質量だけで十分な力はあるがね」

勇者「そういうもんか」



644:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:06:28.096 ID:PZGgHyvX0

倉庫前


勇者「なんかあっさり着いたな。少し拍子抜けだ」

傭兵「……昨日の騒動から、もう少し警戒されていると思ったが。君の死体は確認されていないし、私の生存も魔女は知っているはず」

傭兵「単に、見くびられているんだろうな。私達がこの都市に居たところで、大した脅威にはならないと」

勇者「……ちょっと気に食わないけど、今はラッキーと思っといたほうがいいみたいだな」



645:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:11:20.880 ID:PZGgHyvX0

勇者「やっぱり倉庫も完全に氷漬けにされてるよな。まあここだけ凍ってないとか都合良すぎるか」

傭兵「商人から鍵は預かっているが……」

勇者「地道に氷を削ってみようぜ。扉が開けられる分だけなら何とかなるだろ」

傭兵「……このナイフを使え。私はこちら側を削ってみる」

勇者「お。色々持ってるんだな」

傭兵「備えるに越したことはないからな」



646:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:12:41.466 ID:PZGgHyvX0

ガリガリ、ガリガリ……

ガリガリ、ガリガリ……


勇者「……全然削れてる気がしないんだけど」

傭兵「……黙って手を動かせ」



647:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:15:04.328 ID:PZGgHyvX0

数十分後

勇者「これ、無理じゃね」

傭兵「……」



傭兵「この氷、特殊な魔力が通っているようだな。魔力の伴わない物理では削ることすらできないか」

勇者「なんだよそれ。インチキ臭いな」



648:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:17:49.907 ID:PZGgHyvX0

勇者「魔力……魔力の伴うダメージかぁ」

勇者「……」

チラッ


聖剣「……」


勇者「こいつって確かすごい聖属性を持ってるんだっけか」

傭兵「聖属性……そうか」

傭兵「仮にも魔女を退治した聖剣だ。試してみる価値はあるな」



649:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:23:39.897 ID:PZGgHyvX0

ゴリゴリ、ゴリゴリ


勇者「おっ! 削れてる! やるじゃん聖剣」ゴリゴリ

傭兵「そうか」



650:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:24:11.476 ID:PZGgHyvX0

勇者「……」ゴリゴリ、ゴリゴリ

傭兵「……」


勇者「……」ゴリゴリ、ゴリゴリ

傭兵「……」


勇者「……あの」ゴリゴリ、ゴリゴリ

傭兵「どうした」



651:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:24:28.693 ID:PZGgHyvX0

勇者「……手伝ってくれたりしないの?」ゴリゴリ、ゴリゴリ

傭兵「その剣は君にしか使えないのだろう。私が動くだけ無駄と思うが」

勇者「そうだけどさぁ……なんか、こう、あるじゃん」

傭兵「手を休めるな」

勇者「はい」



653:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:34:00.530 ID:PZGgHyvX0

倉庫内

傭兵「ここが魔石倉庫か」

勇者「滅茶苦茶疲れた」



654:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:34:24.507 ID:PZGgHyvX0

傭兵「可燃石は……あれか」

勇者「うわ、でっかいドクロマークと注意書きが掲示されてるぞ」

勇者「なになに……強い衝撃を与えると発火するのか」

傭兵「それだけの危険物と言うことだ。実際、この量の魔石が一度に燃えたら大変なことになるぞ」


傭兵「くれぐれも、扱いには気をつけてくれ」

勇者「ああ!」



656:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 21:43:07.461 ID:PZGgHyvX0

傭兵(しかし、これだけの量の魔石があろうと、持てる数には限りがあるな)

傭兵(運搬方法は……倉庫内にある用具を使わせてもらうとして)

傭兵(それでも二人で持てる量には限界がある)

傭兵(問題は使い方、か……)


勇者「お、可燃石以外にも色んな魔石があるじゃん。すげえ。初めて見た。傭兵も見てみろよ」

傭兵「少し黙っててくれないか」



660:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:24:40.236 ID:PZGgHyvX0

勇者「ノリの悪い奴だな。なんか一人で考え込み始めちゃったぞ」

勇者「傭兵には男のロマンがわからないんだな」

勇者「まあいいか」

テクテク



661:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:25:02.910 ID:PZGgHyvX0

勇者「やっぱり危険物を扱う倉庫だけあって、壁は頑丈そうだな」

勇者「……お。これは風を発生させる魔石か」

勇者「色んな種類の石があるんだなぁ。俺の田舎にはこんなのなかったし、見てるだけでワクワクするぞ」


勇者「……さて」

勇者「安価を達成する方法を考えないとな」



662:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:25:48.819 ID:PZGgHyvX0

……

……

勇者「おい、少し外に出てくるぞ」

傭兵「……構わないが、はしゃぎ過ぎて敵に見つかるんじゃないぞ」

勇者「わかってるって」テクテク

傭兵「どこに行くつもりなんだか」

傭兵「……うん? あいつ、何か背負ってないか?」

傭兵「……」

傭兵「まあ良い。とにかく魔石の運用方を考えなければ」



663:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:26:52.606 ID:PZGgHyvX0



勇者「まずは屋根に登るか」

ヨジヨジ

勇者「聖剣が氷に刺さってくれるから登りやすいな」ザックザック


勇者「着いた。なかなか良い景色じゃないか。一面氷の世界だけど」

勇者「氷の城は……向こうの方向か」

勇者「……」

勇者「さて、倉庫から持ってきたいくつかの可燃石」

ドン!


勇者「まずはこいつで屋根を燃やします」



664:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:27:23.573 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……」

傭兵「……」


パチパチ…


傭兵「……うん?」



665:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:28:04.143 ID:PZGgHyvX0

パチパチ…

傭兵「何の音だ……?」

傭兵「……」

傭兵「……上か?」

傭兵「!!」


傭兵「て、天井が、燃えている……!?」



666:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:28:43.359 ID:PZGgHyvX0

ガチャッ

勇者「よしよし、ちゃんと燃えてるな。魔力の通った炎だから、氷もちゃんと溶けてくれてる」

傭兵「勇者!?」

勇者「あ。悪いな。先に注意しておくべきだったかもだけど、なんか考え事してたみたいだったからつい」

傭兵「この屋根の火事は君の仕業か!」

勇者「そ、そんなに怒鳴るなよ」



667:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:29:19.959 ID:PZGgHyvX0

傭兵「一体どう言うつもりだ!」

勇者「いや、街中に可燃石をバラまかないと」

傭兵「バ、バラまく!?」

勇者「この量の石を持って手分けしてバラまいてたら時間かかるだろ?」

勇者「そこで俺はある魔石を見つけて、いいことを思いついたんだ」

傭兵「ある魔石……? と言うか、バラまくとは」

勇者「まあ見てろって。絶対上手く行くから」



670:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:31:03.262 ID:PZGgHyvX0



傭兵「倉庫の中に居ると危ないからと勇者に追い出されてしまったが」

傭兵「彼は一体何を考えているんだ」

傭兵「……」

傭兵「……」

傭兵「……む。倉庫から勇者がすごい形相で走りながら出てきたぞ」

タタタタッ!

勇者「伏せろおおお!!!」

傭兵「え?」

ガバッ





ドカァァァァァン!!!!!


傭兵「!?」



671:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:31:42.878 ID:PZGgHyvX0

傭兵「……」

傭兵「……」

傭兵「倉庫が爆発した……」



672:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:34:07.967 ID:PZGgHyvX0

勇者「いやぁ、上手く行った」

傭兵「何を考えているんだ!?」

勇者「いやさ。そもそもとして、俺たちって熱源を都市にバラまくってのがまず第一の目的だろ?」

傭兵「そんな話は初耳なんだが!?」

勇者「可燃石の他に風を発生させる魔石もいっぱい見つけたからさ」

勇者「屋根を取っ払って、風の魔石で可燃石をコンテナごと空に打ち上げたんだ」

傭兵「頭おかしいんじゃないのか」



675:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:36:17.857 ID:PZGgHyvX0

傭兵「うん? ……空に?」

傭兵「じゃ、じゃあ……」


バラバラバラ……


傭兵「……」

傭兵「都市に火の雨が降り注ぐ……」

勇者「大成功だな」

傭兵「地獄絵図だが」



681:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 22:46:27.469 ID:PZGgHyvX0

パチパチパチパチ……!


タタタタッ

傭兵「……街が……家が、燃えている。どんどん燃え広がって行く」

勇者「可燃石で氷が溶けるのは実証済みだからな。計算通りだ」

傭兵「街を救うどころか壊滅させているじゃないか!」

勇者「でもそのおかげで、あいつら苦しそうだぜ?」


氷像A「––––––––」ギシギシ…

氷像B「––––––––!」ギシギシ…


ズバッ!

ガラガラ…


勇者「こりゃあいくら出て来ても楽勝だな! このまま魔女の城まで突っ走ろうぜ!」

傭兵(これが終わったら英雄どころかテロリストだな、私達……)



686:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/10(土) 23:03:02.587 ID:PZGgHyvX0

氷の城

傭兵「門の前に何かがいるな」

勇者「ああ」

傭兵「大きいな。二頭の、あれは虎か?」

勇者「そうだな」

傭兵「……苦しそうだな」

勇者「これだけ周りが炎上してればな」


氷虎A「グルルルル……」

氷虎B「…………」


ズバッ! グシャァ…


勇者「おいおいこんなのに門番任せてて良いのかよ、魔女さんよぉ!」

傭兵「もはや何も言うまい」



700: ◆XoiMTUEsXEGh 2018/11/11(日) 00:55:25.451 ID:s7KyAh2+0

氷の魔女「……」

氷の魔女「下が騒がしいな」

コツ、コツ、

氷の魔女「……ほう。やってくれる」

氷の魔女「折角この街をわたし好みの色に染めてやったというのに、それを破壊してくれるか」



701:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 00:57:38.775 ID:s7KyAh2+0

氷の魔女「この街の人間の心はとうに折れたものと思っていたが、ここまで大それた反抗をするとは。何者だ?」

氷の魔女「考えられるのはこの間取り逃がした、あの活きの良い人間か」

氷の魔女「昨日入り込んだ虫が一匹いた気もするが……それはないか」

氷の魔女「しかし。わたしの氷を溶かすためとは言え、街全体を破壊するような行為」

氷の魔女「……この破天荒さは、あの忌々しい男を思い出すな」



702:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:03:08.221 ID:s7KyAh2+0

城内 1F

勇者「おおおっ!!」

ズバッ!

氷獣「––––––––!」グシャァ


勇者「やっぱり城の中にも魔物はいるよな」

傭兵「気を付けろ。城の外とは違い、中は完全に氷の世界だ。熱で弱っていた魔物どもと一緒に考えると痛い目に合うぞ」

勇者「わかってるって!」

ズバッ!



703:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:05:05.856 ID:s7KyAh2+0

タタタッ

勇者「階段か」

傭兵「上に行く階段と、地下に行く階段があるな」

勇者「やっぱり偉そうなヤツなら上の方に居るもんじゃないか?」

傭兵「……その言い方には何か問題を感じるが、概ねその通りだろう。奴の性格ならば尚更な」

勇者「そう言えば傭兵は直接会ったことがあるんだったか」



705:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:08:04.804 ID:s7KyAh2+0

勇者「さて。どうするかな」

勇者「このまま上を目指して氷の魔女のもとへ急ぐべきか」

勇者「それとも城内を散策して、情報を集めるのもアリか」

傭兵「? 何を一人で喋っている?」

勇者「気にするな」


聖剣「>>710



709:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:11:59.409 ID:sUoNdiRD0

踏み台安価下



710:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:12:18.581 ID:GoIgRP8N0

飛べ



714:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:13:28.230 ID:s7KyAh2+0

聖剣「飛べ」

勇者「は?」


聖剣「飛べ」

勇者「……飛べと」

勇者「こいつはまた難儀な……」



716:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:16:31.995 ID:s7KyAh2+0

勇者「跳べではなく、飛べか。空を飛んで向かえってことか?」

勇者「………………」

傭兵「さっきから一体どうしたと言うのだ」

勇者「何でもない」



717:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:25:55.541 ID:s7KyAh2+0

傭兵「……うん?」


勇者「どうしたんだよ」

傭兵「何か匂わないか」

勇者「臭う? えっ、俺?」クンカクンカ

傭兵「……そうではない」

傭兵「そうだな、これは……甘い匂い」

勇者「何だよそれ。俺は全然感じないけど」



718:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:28:54.708 ID:s7KyAh2+0

傭兵「わからないのか? ……私だけか」

勇者「それってどこから匂ってるんだよ」

傭兵「地下の方からだな。しかし意外だな。人の営みからかけ離れた存在と思っていたが、まさか魔女の城でこのような匂いがするとは」

勇者「うーん……」


勇者(とりあえず安価を達成する手がかりもまだ見つからないし)

勇者(魔女の元へは飛んで向かわないといけないから、このまま走って向かうのはまずそうだ)

勇者(ここはその甘い匂いとやらの元へ行ってみるのもアリかもな)


勇者「行ってみようか。地下へ」



719:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:37:46.255 ID:s7KyAh2+0

階段


コツ、コツ、

勇者「……」

傭兵「……」


聖剣「……」


勇者「……ん?」

傭兵「どうした」

勇者「いや……」チラッ


聖剣「……」



720:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:38:18.500 ID:s7KyAh2+0

勇者「今、聖剣が……」

勇者「……」

勇者「……気のせいかな」

傭兵「先に進むぞ」


聖剣「……」


勇者(何なんだ、この感じ)



722:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:46:47.312 ID:s7KyAh2+0

氷獣A「GAAAAAA!!」

勇者「おりゃっ!!」

ズバッ!


傭兵「大分手慣れているな」

勇者「まあな。この街に来るまでの道中とここに来てからを含めて何回も戦ってきてるんだ。嫌でも慣れるさ」

傭兵「頼もしいことだな」シュッ

ドシュッ!

氷獣B「GAAA……!」



723:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 01:53:04.261 ID:s7KyAh2+0

勇者「それにしても、アンタ強いな」

傭兵「こんな時に世辞などいらん」

勇者「お世辞じゃないっての。こんなに強いのにフリーの傭兵なんてやってるんだからさ。勿体無いよな」

傭兵「私がどう生きようと私の勝手だろう」

傭兵「それよりも、私の剣では傷一つ付けられなかった魔女とこの城で戦うのだ」

傭兵「君とその聖剣の役割、わかっているんだろうな」

勇者「……ああ」



724:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:04:15.322 ID:s7KyAh2+0

コツ、コツ、


傭兵「匂いの元は、もうすぐ近くのようだ」

勇者「……ここまで来ると、俺も何となくわかってきた気がする」


勇者(地下へ行くに連れて、なんだか聖剣が反応しているような……)

勇者(もしかして、それと関係が……?)


傭兵「……待て」

勇者「!」



727:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:16:52.908 ID:s7KyAh2+0

傭兵「この扉の先から、何者かの気配がする」

勇者「気配……魔女か!?」

傭兵「わからない。……が、恐らく違うだろうな」

傭兵「奴の気配はもっと冷たく、大きい。奴の性格なら、わざわざ自分のテリトリーで気配を隠すような真似はしないと見る」

勇者「……そうか」ホッ


傭兵(……いくら聖剣に選ばれし勇者と言えど、やはり魔女と聞くと気を張ってしまうものか)

勇者(今飛べてないから魔女と会うわけにはいかないんだよなぁ)



728:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:17:32.180 ID:s7KyAh2+0

傭兵「いいか。私の合図で扉を開けるぞ。三つで行く」

勇者「……わかった」



729:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:18:15.237 ID:s7KyAh2+0

傭兵「一、二の……」

勇者「……」


傭兵「……三!!」

バン!!




メロンパン職人「はぁ……寒いし暗いし、魔女は怖いし……王都に帰りたいよぉ……」コネコネ


勇者「……」

傭兵「……」



730:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:19:03.934 ID:s7KyAh2+0

メロンパン職人「あの人、何回作ってもリテイク出すし」コネコネ

メロンパン職人「本当はメロンパン嫌いなのに、俺に嫌がらせするためだけに作り直しさせてるんじゃないかなぁ……」コネコネ

メロンパン職人「はぁーーーー……おうち帰りたい」


勇者「……」

傭兵「……」



733:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:25:42.544 ID:s7KyAh2+0

勇者「何やってんのお前」


メロンパン職人「えっ? ………………ああーーーーーっ!!」

メロンパン職人「勇者さん!! 勇者さんじゃないですか!!」


勇者「……」

傭兵「……知り合いか?」

勇者「……うん」



734:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:26:29.491 ID:s7KyAh2+0

メロンパン職人「来てくれたんですね、俺を助けに!!」

勇者「……」

メロンパン職人「良かったぁ……ずっと一人ぼっちで、心細かったんですよ……」

勇者「……」

勇者「……ああ! 遅くなってすまないな。お前が無事で良かったぜ!」

勇者(すっかり忘れてたとか言えない)



736:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:41:43.893 ID:s7KyAh2+0

勇者「ところでお前、こんな所で何をしていたんだ?」

メロンパン職人「実はあの後、氷の鳥に攫われて––––––––」



738:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:42:08.156 ID:s7KyAh2+0

メロンパン職人「––––––––と言うわけでメロンパンを作らされてました」

勇者「……それはまた」


勇者(なにやってんだこいつ)



739:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:42:52.102 ID:s7KyAh2+0

メロンパン職人「本当もう、魔女ってば酷いんですよ。俺の作ったメロンパン食べて「不味くもないが旨くもない」とか言ってくるんです」

メロンパン職人「その度に氷漬けにして来ようとするから、必死にお願いして作り直しさせてもらってたんですけど……おかしいですよね?」

メロンパン職人「俺のメロンパンの味は、勇者さんも認めてくれてるって言うのに」


勇者「……そっかぁ」



740:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:52:47.253 ID:s7KyAh2+0

傭兵「そう言えば、あのとき君は同行者がいると言っていたな」

傭兵「……メロンパン職人と言ったか。彼がそうだったのか」

メロンパン職人「えーと。……そちらの方は?」

勇者「この都市で知り合った傭兵だよ。北の調査隊の生き残りだ」

メロンパン職人「調査隊の……!」

勇者「剣の腕も相当立つ。頼りになるおと––––……頼りになる奴だ」

傭兵「宜しく頼む」

メロンパン職人「は、はい」



741:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:53:13.922 ID:s7KyAh2+0

傭兵「ところで君は……何が出来る?」

メロンパン職人「メロンパンを作れます」

傭兵「……」

傭兵(そういう技能は訊いていないのだが)



742:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/11(日) 02:53:49.974 ID:s7KyAh2+0

勇者「俺たち、これから氷の魔女を倒しに行くんだよ」

メロンパン職人「ま、魔女を!?」

勇者「うん」

メロンパン職人「ダメですって! あんなの倒すとか無理! 危険すぎますって!」


傭兵(勇者はどうしてこの都市へ来るのにこの男を連れて来たのだろうか)



元スレ
勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1541500972/
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         コメント一覧 (9)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月11日 18:23
          • すこ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月11日 18:35
          • 5 俺も
            丁度いいss
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月11日 23:36
          • うーん、はよ完結してくれぇぃ
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月12日 01:01
          • 安価裁きが素晴らしく読みごたえがある作品ですな
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月12日 02:26
          • これ面白いけどいつ終わんのかね
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月12日 09:31
          • 赤ちゃん魔法とか急に使いこなしてて笑うわ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月12日 10:46
          • 氷の魔女も赤ちゃん魔法で良いんじゃね?
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月13日 17:40
          • 5 かなり好き
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年12月02日 20:19
          • メロンパン職人きゅんすこ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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