喪黒福造「このブレスレットを使えば、あなたはスーパーヒーローに変身できますよ」 大学生「ハハハハハ!!」

1:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/22(月) 23:50:32.471 ID:rD3S/V+xD

喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    小山内英雄(20) 大学生

    【ヒーロースーツ】

    ホーッホッホッホ……。」



3:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/22(月) 23:52:27.638 ID:rD3S/V+xD

東京、開拓大学。キャンパスへと足を運ぶ学生たち。ここにいる男子大学生もその一人だ。

テロップ「小山内英雄(20) 開拓大学2年」

やる気に満ちた目をしながら、何かを考えている小山内。

小山内(俺は必ずなって見せる……。今とは違う、あるべき姿の自分に……)
     (大いなる力を手に入れ、大切なものを守るために戦い抜く、かっこいい存在……)
     (そういうものに、俺はなりたいんだ……)

キャンパスの入り口を見つめる小山内。

小山内(そう……。スーパーヒーローに、俺はなるんだ!)


教室内で、哲学入門の講義を受ける学生たち。小山内も講義を聞いている。

教授「アリストテレスは、正義は『配分的正義』と『調整的正義』の2つがあると主張しました」

小山内(正義……か。この俺も、正義というものを心から愛している)
     (俺にとっての正義とは……。そうだな。やはり、かっこよく変身して悪を倒すことだよな)



4:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/22(月) 23:54:17.020 ID:rD3S/V+xD

昼。学生食堂。友人の八手と一緒に昼食をとる小山内。

八手「おう、小山内。昨日の『惑星戦隊コスモレンジャー』はすごかったよな」

テロップ「八手芳郎(20) 開拓大学2年」

小山内「ああ。あれは、まさに手に汗を握る展開だった」

八手「そう、そう!!」

小山内「絶体絶命のピンチの中で新しい巨大ロボが出現し、怪人を倒す……。本当にハラハラさせられたよ!」


とある部屋。特撮ヒーローのフィギュアや、戦闘ロボットのおもちゃが棚の中に並んでいる。何かを議論する学生たち。

八手「やはり、俺は戦隊ヒーロー派だな」

島本「いや、俺は仮面ソルジャー派だ」

テロップ「島本章太郎(20) 開拓大学2年」

小山内「おい。メタルヒーローも案外いいぞ」



6:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/22(月) 23:56:13.697 ID:rD3S/V+xD

駅の近くの百貨店。小山内は、上り用のエスカレーターに乗っている。

彼が向かった先は、おもちゃ売り場だ。『宇宙特捜サソリオン』のコーナーにいる小山内。

店内にいる女性店員が、小山内を奇異な目で見つめる。


夕方。とある公園。小山内が、銀色の剣のおもちゃを振っている。

小山内「レーザーソード!!」

公園の中には、小山内の他に例の男――喪黒福造もいる。剣のおもちゃを振り回す小山内を見つける喪黒。

喪黒「これはこれは……。一体、何の真似ですか?」

小山内「お……、俺のこと見ていたんですか?」

喪黒「はい。あなた、何か奇妙な動きをしていたでしょう?だから、気になって……」

小山内「いやぁ、自分の趣味を人に見られるって恥ずかしいですよね」



7:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/22(月) 23:58:13.195 ID:rD3S/V+xD

喪黒「趣味!?あなたが今持っているおもちゃの剣が、そうなんですか?」

小山内「ええ……。これは、俺が今ハマっている特撮ヒーローの武器をモチーフにしたものなんです」

喪黒「もしかすると、あなた特撮ヒーローがお好きなんですか?」

小山内「そうですよ。俺は、昔から特撮ヒーローが好きなんです」

喪黒「なるほど、面白い人ですねぇ。私、あなたに大いに興味を持ちましたよ」

喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。

小山内「ココロのスキマ、お埋めします?」

喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」

小山内「セールスマンの方なんですか。あなた……」

喪黒「どちらかと言うと、ボランティアみたいなものです。いい店を知っていますから、そこでゆっくり話でもしましょうか」



8:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:00:12.797 ID:N0Ey7zpdD

BAR「魔の巣」。喪黒と小山内が席に腰掛けている。

喪黒「ほう……。小山内さんは、開拓大学の学生さんですか。開拓大学は、確かスポーツで有名な学校ですよねぇ」

小山内「まあ、開拓大学は世間一般ではそう見られているでしょうね」

喪黒「小山内さんも、何かスポーツでもやっていたんですか?あなたは、がっちりした身体つきですから……」

小山内「はい。俺は小学校高学年のころから、柔道を習っていて……。中学や高校のころも柔道部に所属していました」

喪黒「で、大学でも柔道部に入ったのですか?」

小山内「一応、柔道部に所属してはいたんですけど……。厳しい練習に音をあげて、1年くらいで退部しましたね」
     「そのおかげもあって……。現在の俺は、大学の特撮同好会に所属しています」

喪黒「ほう……。確か、小山内さんは特撮ヒーローがお好きだそうですねぇ」

小山内「そうですよ。特撮ヒーローは、俺の心のよりどころになっていると言ってもいいくらいですから……」

喪黒「では、ヒーローへの変身願望はおありですか?」

小山内「もちろん、ありますよ。かっこいいスーパーヒーローに変身したいと、今まで何度思ったことか」



10:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:02:13.988 ID:N0Ey7zpdD

喪黒「分かりました。そんなあなたのために、いいものをあげましょう」

喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上に置かれたのは、何かの特殊なブレスレットのようだ。

小山内「何ですか、これ?」

喪黒「特殊な変身ブレスレットです。このブレスレットを使えば、あなたはスーパーヒーローに変身できますよ」

小山内「ハハハハハ!!喪黒さんも、なかなか冗談がうまいですね!!」

喪黒「私は本気ですよ。さあ、小山内さん。このブレスレットを腕にはめて、席を立ってください」

小山内「こ、こうですか……」

変身ブレスレットを腕にはめる小山内。彼は椅子を離れ、席を立つ。

喪黒「ブレスレットのスイッチを押し、『クリムゾンナイト』と叫んでみるのです!」

小山内「クリムゾンナイト!!」

光の粒子が集まり、小山内の身体を包む。全身が輝いた後、小山内は変身を完了する。

深紅のヘルメットとコスチュームが、変身後の彼の姿だ。



11:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:04:15.592 ID:N0Ey7zpdD

小山内「ん?どうやら、俺は何かのヘルメットをかぶっているみたいだ……」

喪黒は変身した小山内に小さな鏡を渡す。鏡を見る小山内。

小山内「!!!」

喪黒「どうです、小山内さん。あなたは、スーパーヒーロー『クリムゾンナイト』に変身できましたよ」

小山内「クリムゾンナイト……。これが、変身後の俺の姿ですか」

喪黒「そうです」

小山内「し、信じられない……。まさか、こんなことが本当に起きるなんて……」

喪黒「小山内さん。スーパーヒーローに変身できてうれしいでしょう?」

小山内「も……、もちろん、うれしいですけど……。ずっとこの姿のままじゃ、日常生活に支障が出ますよ」

喪黒「大丈夫です。ブレスレットのスイッチを押せば、元の姿に戻れますよ」

小山内「えーーと……。このスイッチを押せばいいんですか」

ブレスレットのスイッチを押す小山内。クリムゾンナイトが、小山内英雄の姿へと戻っていく。



12:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:06:13.386 ID:N0Ey7zpdD

喪黒は小山内に再び小さな鏡を渡す。鏡を見る小山内。

小山内「おっ、元に戻った……」

小山内は席に戻る。

小山内「それにしても、こんな特殊なアイテムを持っているとは……。あなた、一体何者なんですか?」

喪黒「いやぁ、私はセールスマンですよ。他のセールスマンとは、一味違っていますがね……」

小山内「は、はあ……」

喪黒「この変身ブレスレットを使い、あなたはこれからクリムゾンナイトとして活躍するのです」

小山内「俺がスーパーヒーローとして活躍できるなんて……。いやぁ、夢のようですよ」

喪黒「ただし、小山内さんには約束していただきたいことがあります」

小山内「約束!?」

喪黒「そうです。スーパーヒーローとしての特殊な力は、正義や社会貢献のためだけに使ってください」
   「自分の私利私欲のために、スーパーヒーローの力を使ってはいけません。いいですね、約束ですよ!?」

小山内「わ、分かりました……。喪黒さん」



13:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:08:15.788 ID:N0Ey7zpdD

あるホテルが炎に包まれ、激しく燃えている。建物の周りに消防車が集まり、消防士たちが必死で消火活動を行う。

火災現場の前に現れるクリムゾンナイトこと小山内。クリムゾンナイトが、燃えるホテルの壁をよじ登る。

炎に包まれている客室の中に入るクリムゾンナイト。彼は、部屋の中で倒れている母子を抱きかかえる。


とある銀行。銀行強盗が拳銃を突きつけ、銀行員や客たちを脅している。

銀行強盗「俺は強盗だ!!さっさと金を出せ!!」

小山内「おっと、そこまで!!」

銀行の中に現れるクリムゾンナイトこと小山内。

銀行強盗「てめぇ、おかしな格好しやがって!!」

クリムゾンナイトに銃を突きつける銀行強盗。しかし、強盗はクリムゾンナイトにあっさり叩きのめされる。

客たち「あっ……。確かあいつは……」「ホテルの火災現場にいた、あいつか……」



14:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:10:11.583 ID:N0Ey7zpdD

夜。とある港。コンテナの近くで、闇社会の関係者たちが何かの商談をしている。

闇社会関係者A「盗難自動車がこんなに集まるとは……。まさに、宝の山だぜ」

闇社会関係者B「ああ。これを海外へ売り飛ばせば、かなりの儲けになるだろうな」

小山内「そんなことは、させないぞ!!」

闇社会関係者C「お前、どこの組のもんだ!!」

小山内「俺は深紅の戦士、クリムゾンナイト!!」

決めポーズをするクリムゾンナイトこと小山内。

闇社会関係者たち「ふ、ふざけやがって!!」「やっちまえ!!」「おうっ!!」

闇社会関係者たちが、クリムゾンナイトに一斉に銃を突きつける。それに対し、飄々とした態度のクリムゾンナイト。

クリムゾンナイトが持つレーザー銃が、闇社会関係者たちが持つ拳銃を次々と弾き飛ばす。

さらに、クリムゾンナイトの拳や蹴りが、闇社会関係者たちに相次いで命中する。うめき声をあげて倒れる闇社会関係者たち。



16:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:12:14.276 ID:N0Ey7zpdD

BAR「魔の巣」。喪黒と小山内が席に腰掛けている。机の上には、新聞の切り抜きがいくつも置かれている。

喪黒「小山内さん。ここ最近、あなたはスーパーヒーローとして活躍を続けているようですねぇ」

小山内「ええ。喪黒さんから貰った変身ブレスレットのおかげですよ」

喪黒「ただし、マスコミは極力クリムゾンナイトに触れないようにしていますねぇ」

とある新聞の切り抜きを指す喪黒。新聞記事の写真に写っているクリムゾンナイトは、モザイク処理がされている。

しかも、どの記事でもクリムゾンナイトは「赤ずくめの男」「謎の男」扱いになっている。

小山内「マスコミによるこの扱いは意外でしたね。もっと、クリムゾンナイトの活躍に触れてもいいのに……」

喪黒「果たして、本当にそうでしょうか?」
   「いったんマスコミで有名になると、支持の声だけでなく批判や敵意の声も出ますから……」
   「マスコミで有名なることは、何かとリスクが多いですよ」

小山内「確かに……」

喪黒「たとえ周囲から認められなくても、正義や良心を貫いてこそ本当のヒーローでしょう」



17:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:14:14.975 ID:N0Ey7zpdD

小山内「それは言えてますよね……」


ある日の昼。とある家。居間で液晶テレビを見つめる主婦。テレビにはワイドショーが映っている。

ワイドショーでは、得体の知れない赤ずくめの男・クリムゾンナイトについて特集が行われている。

コメンテーターA「クリムゾンナイトと称する男は、幼児的な人格の人間です!」
          「この奇抜な衣装は何ですか!彼は、バーチャルな世界と現実の世界の区別がついていません!」

コメンテーターB「ヒーローを気どり、自分に酔っている姿はまさに偽善者そのものですよ!」
          「彼による一連の行動は、全てが歪んだ自己満足を満たすためのものと言えるでしょう!」

コメンテーターC「どうやら彼は、肥大した自意識と承認欲求を持て余しているようですね!」
          「これは愉快犯の行動とも似ていますよ!ある意味、彼は反社会的な存在かもしれません!」

あるワイドショーでの特集をきっかけに、メディアが相次いでクリムゾンナイトへのバッシングを始める。

週刊誌「謎の男『クリムゾンナイト』の迷惑千万な正義の味方ごっこ」

タブロイド紙「いい加減にしろクリムゾンナイト ヒーロー気取りはもう飽きた」



19:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:16:13.880 ID:N0Ey7zpdD

開拓大学。キャンパスに向かう小山内と八手。2人はいつもと違い、気まずい雰囲気だ。

八手「この間……。俺、見てしまったんだよ。お前がクリムゾンナイトに変身するとこ……」

小山内「い、いや……。俺は知らん!!」

八手「クリムゾンナイトは悪い奴だそうだからな……。小山内、俺はお前を見損なったよ」

小山内「クリムゾンナイトは悪い奴だと!?そんなはずはない!!」

八手「偉い評論家たちが口を揃えてそう言ってるんだから、間違いないだろ!!お前とはもう絶交だ!!」

八手は早足で歩き、小山内の元を去っていく。一人のまま、途方に暮れる小山内。

小山内の表情には、次第に怒りと憎しみの表情が浮かんでいく。

小山内(どいつも、こいつも……。俺のことを社会の敵であるかのように扱いやがって……)


とある部屋。小山内を除く特撮同好会のメンバーが集まっている。室内のドアが開く。

八手「お、お前は……!!クリムゾンナイト!!」

部屋の中に入ったクリムゾンナイトが、特撮同好会のメンバーたちをレーザー銃で射殺する。



21:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:19:23.375 ID:N0Ey7zpdD

とある新聞社で、記者たちを襲うクリムゾンナイト。さらに、クリムゾンナイトは有名な大企業を襲撃する。

電車の中で、乗客をレーザー銃で射殺するクリムゾンナイト。その上、彼は浅草で観光客への無差別殺戮を行う。

暴走するクリムゾンナイトに立ち向かう機動隊。しかし、機動隊はクリムゾンナイトに為すすべもなくやられる。


ビル街。車道の真ん中を歩くクリムゾンナイト。脅えきった表情でクリムゾンナイトを眺める群衆。

クリムゾンナイトの行く手に、例の男――喪黒が現れる。

喪黒「小山内英雄さん……。あなた約束を破りましたね」

小山内「も、喪黒……。お前……」

喪黒「私はあなたに言ったはずですよ。スーパーヒーローの力は、正義や社会貢献のためだけに使え……と」

小山内「もちろん、俺は正義を貫いているさ!!いや、特殊な力を持った俺こそが世の中の最大の正義だ!!」

喪黒「それは、あなたのエゴイズムでしょう。だって、その結果が一連の無差別殺戮ですから……」
   「どうやら、あなたは私利私欲のためにスーパーヒーローの力を使ってしまったようですねぇ」

小山内「お前も、俺の悪口を言いやがって……。正義である俺のことを悪く言う連中は、みんなこの世から抹殺してやる!!」



23:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:21:33.049 ID:N0Ey7zpdD

喪黒に対し、殴る蹴るの暴力を振るうクリムゾンナイト。喪黒は倒れたものの、無傷のまま立ち上がる。

喪黒「おぉ~~、痛い……。さすがに、今のは効きましたよ」

小山内「てめぇ!!まだ生きていたのか!!」

喪黒の左胸に向け、レーザー銃を発砲する小山内。しかし、喪黒は相変わらずピンピンしている。

小山内「バ、バカな……。心臓めがけて発砲したのに……」

喪黒「実はですねぇ……。私は胸ポケットの中にプラチナ製の名刺を入れているのですよ」

小山内「うわあ……。ば……、ば……、化け物……」

喪黒はクリムゾンナイトこと小山内に右手の人差し指を向ける。

喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

小山内「ギャアアアアアアアアア!!!」

喪黒のドーンを受けるとともに、クリムゾンナイトの手首の変身ブレスレットが砕け散る。

変身ブレスレットの崩壊により、クリムゾンナイトの姿は小山内英雄の姿へと戻っていく。



25:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/10/23(火) 00:24:46.242 ID:N0Ey7zpdD

小山内「ううう……」

ゆっくりと起き上がり、両手の掌を見つめる小山内。

小山内「ああ……。変身が解けてしまった……」

群衆「お前がクリムゾンナイトか……」「もう逃げられないぞ……。この人殺しめ」

小山内がふと気がつくと……。どうやら彼は、殺気立った群衆に取り囲まれている。

じわり、じわりと小山内に迫りくる群衆。絶望した表情の小山内。


群衆たちから離れ、車道をゆっくりと歩く喪黒。

喪黒「昔から今に至るまで……。人々が営む文明社会においては、正義の実現は最も尊いことの一つとされてきました」
   「しかしながら……。何が正義であるかは時と状況で変化しますし、人間が持つ正義の解釈は皆、異なっています」
   「しかも、正義というものは得てして暴走の恐れがありますし……。暴走した正義が行き着くのは悲劇と破滅です」
   「結局、正義も悪も人間の心の中にあるものですから……。正義と悪は常に表裏一体の存在であるとも言えましょう」
   「だから、混沌とした心を持つ人間の存在そのものが、本当の悪の正体なのかもしれませんねぇ。小山内さんも含めて……」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

群衆が去り、一人で道路に倒れたままの小山内。小山内は全身が血まみれになり、完全に息絶えている。

                   ―完―



元スレ
喪黒福造「このブレスレットを使えば、あなたはスーパーヒーローに変身できますよ」 大学生「ハハハハハ!!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1540219832/
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         コメント一覧 (8)

          • 1. 弁護士
          • 2018年10月23日 11:07
          • 英雄ってのはさ、なろうとした時点で失格なんだよ
            だからおたく、はじめからアウトってわけ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 13:04
          • その後※1の自宅に脱獄した凶悪犯が!!
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 13:04
          • ストロベリーナイツかな?
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 13:24
          • ※1
            北岡頭突きノックされてるぞ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 13:53
          • 男なら誰かのために強くなれ
            ぶつかり合って精一杯やってみろ
            泣いてもいいよ
            また笑えればいい
            ただそれだけできれば
            英雄さ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 18:19
          • ※5
            やっぱネクサスって神だわ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月23日 19:54
          • 喪黒福造シリーズは必ずバッドエンドなのがなあ・・・
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月26日 18:28
          • ウルトラスーパーデラックスマン

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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