【モバマス】未央「目の数なら28つ」凛「怖いね」
──事務所
凛「……」ペラッ
未央「あ、それ美味しそう」
凛「わかる」
未央「……」
凛「……」ペラッ
未央「……この前、あーちゃんがさ」
凛「ん?」
未央「ついに一眼レフ買ったんですー、って」
凛「へー……」
未央「いくらしたと思う?」
凛「……5万円くらい?」
未央「私もね?それくらいだと思ったの」
未央「そしたらさ、14万円だって」
未央「……やばくない?」
凛「……やばい」
未央「もう、ビックリしちゃって」
未央「だって、いっぱしの高校生がだよ?」
未央「アイドルやってるとはいえ、カメラに14万円」
凛「すごい」
未央「めっちゃ聞いたもん、え、14万円?って」
凛「わかる」
未央「レシート見せてもらってさ」
未央「……え、現金で?とか、聞いちゃって」
凛「うん」
未央「現金ですよー、って」
凛「……まあ、そうだよね」
未央「……私なんてもう、さ」
未央「ゲームソフト買うときの、6000円とか」
未央「デ○ズニー行ったときの、7~8000円のチケットですら緊張するのに」
凛「うーん……」
凛「私も、1万円超えたらちょっとためらうかな」
未央「それがさ、14万円だよ?」
凛「……持ち歩くのすら大変そう」
未央「絶対、変な感じになるって思って」
未央「ためしにね?」
未央「銀行でね、14万円おろしてみたの」
未央「……すぐ戻したけど」
凛「……どうだった?」
未央「もう、ダメ」
未央「14人、14人もいたの」
未央「あの福沢諭吉が、目の数なら28つ」
未央「もうね、プレッシャーが半端じゃない」
凛「そんなに?」
未央「なんか、悪いことしてるみたいだった」
凛「……それは怖いね」
未央「うん、もう二度としない」
凛「悪いことを?」
未央「そっちじゃないよ!」
凛「……あ、でも前に」
未央「うん?」
凛「半年前くらいだったかな、奈緒がさ」
凛「すっごい、ハマったアニメがあったんだって」
未央「うん」
凛「で、ブルーレイボックスとか、グッズとかを一気買いして」
凛「そしたら……いくらって言ってたかな」
凛「……たしか、8万円とかだった気がする」
未央「……へー」
凛「大丈夫?って聞いたら」
凛「『ぜんっぜん!アタシはむしろ、制作会社の方が心配だからな!これは投資だ!』」
凛「……って」
未央「……すごいね」
凛「ちょっと感心した」
未央「……買って、全部見るのかな?」
凛「それは……」
凛「まあ、見るんじゃない?」
未央「なんか、レンタルとかならわかるんだけどさ……」
凛「うーん……」
凛「まあ、奈緒はほら、コレクター気質だから」
未央「あー……」
未央「……でもさ、いくつも買ってくとさ?」
凛「うん」
未央「だんだん溜まってくわけじゃん、場所も取るし」
凛「あー……ブルーレイボックスとか、幅取りそうだよね」
未央「……うちの弟がさ、すっごいマンガ好きで」
未央「もうめっちゃ買うの、小遣い全部使ってるの?ってくらい」
凛「そうなんだ」
未央「で、うちの親もマンガ好きだから、めっちゃ買うの」
凛「うん」
未央「……で、うちマンションだからさ、そんなに広くないわけ」
未央「もう、いっぱいになっちゃって」
未央「そしたら、ね」
凛「うん」
未央「『もっと広い家に引っ越す!』って、親が言い始めて」
凛「……すごいね」
未央「いやいやいや!ってなって」
未央「……結局、レンタルルーム借りてる」
凛「……まあ、そうなんじゃない?」
未央「二部屋」
凛「二部屋なんだ」
未央「おかげで、家はすっきりしたんだけどさ」
凛「ふーん……」
未央「しぶりんもさ、『部屋せまいなー』とか、ないの?」
凛「うーん……」
凛「うちはまあ、3人家族だし」
未央「あー」
凛「1階はお店だけど、2階建てだし……」
凛「……ハナコがね、ちょっと窮屈そうだけど」
未央「あー……たしかに、犬にとってはねぇ」
凛「うん」
凛「普段は、リビングから出られないようにしてるんだよね」
未央「え、勝手に一人で散歩いっちゃったりとかするの?」
凛「そこまではしないけど……」
凛「……前に、お店に出てきちゃったことがあって」
未央「いいじゃん」
凛「それくらいならね、いいんだけど」
凛「お客さんが連れてた犬とケンカになっちゃって」
未央「あらら」
凛「そのお客さんは笑って『元気があっていいわねー』って言ってたんだけど」
未央「のんきなもんだ」
凛「まあ、何もなかったから良かったんだけど……あの時は結構、焦った」
未央「怖いね」
凛「一時期は『うちもハナコに集客させるかー』なんて話があったんだけど」
凛「完全にストップしてる、今は」
未央「……なんか、もったいないね」
凛「犬にとって危険な植物とかも多いからさ、案外」
未央「へー、そうなんだ」
凛「うん、アサガオとか、ユリとか」
未央「……メジャーどころだね」
凛「うん」
未央「うーん……」
凛「……どうしたの?」
未央「話、ぜんぜん変わるんだけどさ」
未央「私がなんかお店やるとしたら、何かなー……って」
凛「うーん……未央は、なんでもいいよ」
未央「うん……ん?」
凛「未央なら、明るいし、何やっても繁盛すると思う」
未央「……いやー、照れますなぁ」
凛「……うちの手伝い、する?」
未央「えっ、いいの?」
凛「うん、未央ならできると思う」
凛「私もサポートするし……」
凛「……前に、卯月にもやってもらったことがあるんだけど」
凛「評判、良かったから」
未央「しまむーかぁ」
未央「たしかに、しまむーは花屋とか似合うけど……」
未央「……いいの?私で」
未央「……あんまり、自信ないけど」
凛「大丈夫だよ、私もいるから」
未央「……うーん……」
未央「じゃあ、お願いしようかなぁ」
凛「うん、こちらこそ」
未央「ありがと」
未央「あ、せっかくだから、しまむーも誘おうよ」
凛「うーん……うちはそんなに、広くないから、ちょっと」
未央「あ、そっかぁ……」
未央「……じゃあ、お客さんとして来てもらおうのは?」
凛「それなら……ふふっ、うん」
未央「……どしたの?」
凛「いや、私達が会う前にさ」
凛「一回、卯月がお店に来たことがあって」
未央「え、すごいね」
凛「うん、ほんと偶然」
凛「その何日か後に、事務所で初めて……初めて?会ったんだけど」
凛「初めて卯月がお店に来たときのこと、思い出しちゃって」
未央「なんかあったの?」
凛「ううん、何もないよ」
凛「何もないんだけど……覚えてる」
未央「へー……」
凛「ほんとに、普通のお客さんと同じだったけど」
凛「自分へのごほうびにー、って言って」
未央「あー、しまむーっぽい」
凛「……卯月ってさ、不思議だよね」
未央「何が?」
凛「なんか、人を惹き付けるというかさ」
未央「うーん……なんかね、しまむーはなんかあるよね」
凛「うん」
未央「んー……やっぱり、笑顔?」
未央「前に握手会やったときに、しまむーのファンの人が言ってたんだけど」
未央「『俺、卯月ちゃんの笑顔でご飯何杯でもいけます!』って」
未央「私、なんとなくわかる」
凛「ふーん……」
凛「食べたの?」
未央「いや、食べてないけど……」
凛「……卯月は何て言ってた?」
未央「『ほんとですか?ありがとうございます!』って」
凛「あー……卯月っぽい」
未央「たぶん、よくわかってなかったと思う」
凛「卯月って、そういう言い方に弱いよね」
未央「あー……なんか、わかる」
凛「こないだレッスンのときも、みくが『足が棒になるー』って言ってて」
凛「卯月が『大丈夫ですか?』って」
凛「よくわからなさそうな顔で聞いてた」
未央「想像つくなぁ」
凛「頭が悪いとかではないんだけどね」
未央「茜ちんと同じタイプだね」
未央「あ、茜ちんと言えばさ」
凛「ん?」
未央「カレーメシやったじゃん」
未央「日清カレーメシー、ってやつ」
凛「あぁ、やってたね」
未央「あれ、気に入ったみたいで」
未央「しばらくLINEの着信音にしてて」
凛「……まあ、たしかに残るよね、あれ」
未央「誰かとね、リアルタイムで話してるとさ、LINEで」
未央「日清、にっし、にっ、日清カレーメシー、ってなるの」
未央「……じわった」
凛「……なんか、そういうイタズラあるよね」
未央「なんかね、小学生のときとかね」
凛「……今は、もう変えたの?」
未央「うん、元に戻ってる」
凛「ふーん……」
凛「……なんか、全然違う話だけど」
凛「私、アラームの曲『GOIN'!!!』なんだよね」
未央「へー」
凛「アニメやってた頃から、ずっと変えてなくて」
凛「すごい、ハマってる」
未央「……あ、でも私も一時期『Shine!!』にしてた」
凛「わかる」
未央「なんだろ、歌から入るからかも、起きやすかった」
凛「んー……」
凛「オープニングだからじゃない?」
未央「あ、それあるかも」
凛「……久しぶりに変えようかな、アラーム」
未央「候補は?」
凛「Stage Bye Stage」
未央「あ、いいね」
凛「それか、Yes! Party Time!!」
未央「……うーん、しぶりんっぽくない」
凛「そう?」
未央「しぶりんはやっぱり、Never say neverだよ」
凛「え、やだよ……恥ずかしいじゃん」
未央「えー、そんなことないって」
凛「痛い人みたいじゃん」
未央「んー……」
未央「……あれ、トライアドプリムス」
未央「じゃない……なんだっけ」
凛「Trancing Pulse?」
未央「それ」
未央「……ごめん、一瞬記憶とんだ」
凛「いいよ、奈緒もたまにやるし」
未央「え、かみやんが?」
凛「ラジオでもやってたよ」
未央「へー」
凛「たしか、トライアドプリムスとTrancing Pulse間違えて」
凛「『Trancing PulseのTrinity Field!』で曲入ったことある」
未央「……さすがかみやん」
凛「……噛み屋ん」
未央「……頑張れ、かみやん」
凛「……頑張ってるよ、奈緒は」
未央「まあねー……」
凛「……」
未央「……あ、もうこんな時間じゃん」
凛「え?ほんとだ」
未央「……そろそろ帰るかー」
凛「ん、そうだね」
未央「結局、しまむー来なかったね」
凛「さっきLINE来てたよ」
未央「え?あ、ほんとだ」
未央「しまむーは偉いなぁ……ちゃんと勉強もしてて」
凛「ダメだよ、未央もやらないと」
未央「えー……」
未央「私はほら、一夜漬けの方が得意だし……」
凛「ふーん……」
未央「……ま、今はいいよ、今はさ」
未央「結局、なんとかなる!」
凛「……」
未央「やりたいことを、やりたいだけやっちゃおう!」
凛「……うーん」
凛「あ」
未央「どしたの?」
凛「……アラーム、輝く世界の魔法にしよう」
未央「あ、じゃあ私も」
凛「……かがーやくー」
未央「せーかーいのまほー……」
凛「……カラオケいく?」
未央「あ、いいね」
読んでいただきありがとうございました。
「シンデレラガールズ」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (25)
-
- 2018年10月19日 00:29
- よきかな
-
- 2018年10月19日 00:42
- 未央は普段から成績もいいガチの文武両道キャラなんだけど
-
- 2018年10月19日 00:56
- 宿題とか真面目にやってないけど成績はいいやつは普通にいるやろ
未央とか効率良さそうだしそっちのパターンの方がしっくりくる
-
- 2018年10月19日 01:33
- この止め処なく話が転がり続ける感じ好き
-
- 2018年10月19日 05:36
- CP14人の話かと思ったら違った
-
- 2018年10月19日 05:57
- 凛と未央はこの他愛も無いけど気の置けない、駄弁りの空気を出せる所がたまらなく好き
-
- 2018年10月19日 06:22
- こういうのを純文学というんだぜ(笑)
大好きです
-
- 2018年10月19日 06:31
- 14万払うから本田を孕ませたい
-
- 2018年10月19日 08:08
- この「合間のお喋り」感がすんごく良い!
-
- 2018年10月19日 11:08
- なんで卯月ハブってんだ?
性格悪いな
-
- 2019年04月22日 05:08
- >>11
ちゃんと読んだ上でそう思ってるならもう少し読解力をつけようね。
難しい文でもないのに恥ずかしいからね。
-
- 2018年10月19日 12:10
- りんみおの悪友感好き
-
- 2018年10月19日 12:39
- あの事務所は普段使いのヤツに10万超えのヘッドホンつけてる17歳もいるからな
-
- 2018年10月19日 13:26
- りんみおだからこその距離感好き
-
- 2018年10月19日 14:05
- 卯月は家がリッチだからあまり共感出来ないと思ったんやない?
-
- 2018年10月19日 14:09
- 一眼レフ14万は極めて妥当
5万位の初級者向けだと、少し上達するとすぐ物足りなくなる。
結果15万クラスの中級機を買う羽目になるんで、写真趣味の人で一眼レフ買うなら中級機が妥当
-
- 2018年10月19日 15:08
- りんみおの男友達感すき
-
- 2018年10月19日 15:46
- 昔2億4千万の瞳って歌があったのを思い出した。
おっくせんまんおっくせんまん
-
- 2018年10月20日 00:43
- 本田さん、渋谷生花へ婿入り濃厚(ゴシップ)
そこはかとなく香しいピロートーク臭、終始気だるそうなアトモスフィアにも納得がいきますわね
-
- 2018年10月20日 02:48
- いいな
シリーズ化してほしい
-
- 2018年10月20日 03:35
- 噛みやんのくだり笑った
いーなー雰囲気
-
- 2018年10月20日 10:31
- 本田未央はエノキだけ
-
- 2018年10月20日 18:17
- こういう距離感の会話したい
-
- 2018年10月21日 13:52
- >> 未央「そしたらさ、14万円だって」
>> 未央「……やばくない?」
椿 「カメラ・レンズ沼へ」 藍子「ようこそ!!」(←廃課金者特有の濁ったドブ川のような目
(このss※欄は28個の瞳によって監視されています。)