【たぬき】千川ちひろ「社食が回転寿司に魔改造された?」
小日向美穂が化け狸だったというシリーズ「こひなたぬき」のSSです。
独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。
―― 事務所 正午
ちひろ「っん~~~……午前の業務はこんなところですかねぇ」ノビー
P「ふぅー、さてメシだメシだっと」
ちひろ「それじゃ私ちょっと食べてきますね」
P「あ、俺も行きます」
ちひろ「はぁ?」
P「『はぁ?』て」
ちひろ「だってあなた、慕ってくれる美少女アイドル四人から日替わりでお弁当貰う超絶いいご身分なんでしょ?」
P「ぐぅッ、言葉の棘が全身に突き刺さりやがるぜ……!!?」
ちひろ「あら? そういえば今日は机にお弁当箱の包みが無い……。まさか飽きたなんてことないだろうし……」
ちひろ「…………あ! ついに四股かけて愛想尽かされたとか!?」
P「違ぇよ!! 冒頭からなんてこと言うの!?」
P「いや、そりゃ四人とも都合のつかない日くらいありますよ。響子は早朝から魚河岸のロケだったし」
ちひろ「ああ、道理で今朝二人ともやたら早かったんですね」
P「美嘉は莉嘉が風邪引いちゃったから看病してて」
ちひろ「最近冷えますからねぇ」
P「まゆは自分が風邪引いちゃって」
ちひろ「かよわい」
P「美穂はめっちゃ寝坊したそうです」
ちひろ「あ~……お布団の誘惑が強まる季節……」
P「というわけで、そりゃあ仕方が無いわと」
ちひろ「ははーん。それでこの美少女事務員とランチを一緒にしようと……まったくつくづく役得な人なんですから」
P「あーはいはい腹減ったから早く行きましょうや」
ちひろ「ちひろチョップ!」プニッ
P「グワーッ!」
〇
【看板娘帰省につき、本日休業】チーン
ちひろ「えぇ~、カフェお休みですか!?」ガビーン
P「あるんですねそんなこと……ていうか帰省するんだ」
ちひろ「ウサミン・ランチが食べられないなんて……私あれ好きなのに」
P「うーん、しかし今から外に出るにも時間が無い……」
ちひろ「となれば…………」
P・ちひろ「「…………社食」」
P・ちひろ「「いやいやいやいやまさかまさかまさか」」ワハハハ
P「あそこ入社したばっかの頃入ったけどぶっちゃけマズかったし」
ちひろ「カツのお肉がティッシュみたいに薄っぺらいし」
P「味噌汁に得体の知れないモン入ってるし」
ちひろ「……うちって結構大手な筈なんですけどね。なんであそこだけああなんでしょう?」
P「ランチ需要はカフェで間に合っちゃってたからじゃないですかね?」
グゥゥ~…
P・ちひろ「「…………」」
P「背に腹は代えられない……か」
ちひろ「このままだとお腹と背中がくっついちゃいますし……ね」
P「ということで、本社地下一階の社食に向かう俺達だった(説明口調)」
ちひろ「……」
P「……」
【〇×△プロ社員食堂 改め 社員回転寿司】ジャジャーン
P「ぜ、全面改装してる!?」
ちひろ「いつの間にこんなことに……!?」
ウィーン
晶葉「む? 君は桃華と志希の担当プロデューサー氏ではないか」
P「あ! いつかのマッドサイエンティスト!」
晶葉「ワハハ! 褒め言葉だ! そこに天才を付けるとより正確になるな!」
晶葉「まあそれはともかく、昼食に来たんだろう? なら丁度良かった、今新装開店したところなのだ!」
ライラ「ライラさんもお手伝いしましたですよー」ヒョイ
ちひろ「ライラちゃんまで!?」
P「しかし……そうなると、この社食の全面改装は……?」
晶葉「うむ、私が担当した。一フロアをまるまる改造するというのはなかなかエキサイティングだったな!」フンス
P「駅前に立ち食いソバありましたよね?」
ちひろ「ダッシュで行けば間に合いますかねぇ」
晶葉「まあまあ待て待て待つんだ」ウィーンガシッ
P「伸びるロボットアーム!?」グエーッ
晶葉「腹が減っては戦は出来ぬというだろう。それに社員価格+開店記念で割引らしいぞ」
P「だって絶対ろくなことにならねーじゃん! メカPが板前とかやってんじゃねぇの!?」
晶葉「安心したまえ。自分の研究ならともかく、受けた依頼ではそこまで無茶をせん」
ライラ「大丈夫でございますよー。テーマパークのように楽しいお店となっておりますです」
P「不安要素しかない」
ちひろ「まあでも、ライラちゃんがそう言うなら……」
晶葉「彼女は優秀な助手だな! 私の作業に文句ひとつ言わず付き合ってくれたぞ!」フンスフンス
ライラ「わたくしも楽しかったでございますよー。ですがー……」
グゥ~ キュルルル…
ライラ「……ちょっぴり、おなかがすいてしまったでございますねー」
P「……しょうがない。ついでだし、ライラにも昼飯おごっちゃろう」
ちひろ「時間ありませんしね」
ライラ「おおー。わたくしお寿司を食べるの初めてでございますー」ワクワクルンルン
P「流石にロボがやってるってことはなさそうだが、しかし……」
ちひろ「案外、普通の回転寿司かもしれないじゃないですか」
P「うーん……まあそうですね。流石に板前さんは普通の……」
ウイーン
ナターリア「ヘイラッシェー!」
P「あからさまにアイドルなのだ!!!」アイエエエーッ
ナターリア「初めてのお客サンだナ! ささ、座っテ座っテ!」ウキウキ
P「うーむ、店内がやたらサイバー……まるで悪の秘密研究所のようだ」
P「ていうか、やたら立体的な寿司レーンだなおい。ミニ四駆のコースかなんかか」
ちひろ「奥の方にベルトコンベアみたいなのありますよ。何乗せるんですかねあれ」
ウサ ウサ ウサ ウサ
P「ウサちゃんロボがお茶とおしぼり持ってきた……!」
ウササー シュゴゴー
ちひろ「飛んだ……」
P「というか、確かナターリアさんだよね?」
ナターリア「ウン! ナターリア、スシ大好きだからお手伝いに来たんダ!」
ナターリア「あ、でも……お店、開いたばっかりだかラ、まだおスシ流れてないんダ」
ナターリア「言ってくれたら握るゾ! 何がいい?」ニコニコ
P「うーん。じゃあ、マグ……いや、タマゴ……いやマグロで」
ちひろ「えーとそれじゃコハダを……ライラちゃんは?」
ライラ「まだよくわかりませんですねー。何がおいしいのでございましょう?」
ナターリア「うちはなんでもおいしいゾ!」
ライラ「それではこの、オートロ? をお願いしますですよー」
P「最初から攻めっ攻めだな!」
ナターリア「わかった! マグロコハダオートロイッチョー!」
アイヨー!>
P「奥に誰かいんの?」
P「あれ? それじゃナターリアさんは何すんの?」
ナターリア「踊ろうカ?」
P「逆に落ち着かないよ!」
ライラ「あ、ここで手を洗えばいいのでございますか?」
ちひろ「待って待ってライラちゃん火傷しちゃう」
シュゴオオオーーーーーッ!!
P「レーンに乗ってイニDのようなスピードで寿司が!?」
P「えーとそれじゃ、来たことだし……」
三人「「「いただきまーす」」」
P「ではこのマグロを……むッ!?」パクッ
P「こ、これは……! すごく新鮮なマグロだ! まるでついさっきまで泳いでいたかのような……!」
P「この赤身には確かな旨味と共に、躍動する潮流の力強さをも感じる……!」
P「更に握られる段階でいい感じに空気を含んだシャリが、口に入るなりふうわりとほどけて……」
P「旨い! なんという旨い寿司なんだ!」パァン!
ちひろ「なんで柏手打ったんですか今」
P「え、なんか、なんとなく……」
ちひろ「あ、ほんと。おいしいですねこのお寿司!」
ライラ「(なにやら感極まったらしい流暢なアラビア語)!!!」モグムシャー
P「待って何言ってるかわからない日本語で頼む」
ナターリア「ハムハム! ほんとダ! すっごくおいしいナ!」ペカー
P「あ、君は一緒に食べる担当なのね」
?「ふっふっふ……そうね、そげぇおいしかね……」
P「はっ、この声は……!?」
P「わずか13歳にして魚捌きを習得し、アイドル料理界にこの子ありと謳われる――首藤葵さん!?」
葵「いかにもっ! 魚料理といえばあたし、すなわちお寿司といえばあたしっちゃ!」ババーン
ライラ「アキハさんとナターリアさんとアオイさんとはお手伝い中に仲良くなったのですよー。みなさんとてもいい人でございますです」
P「しかし、副業ってことになるのか? 社内とはいえいいのかな」
葵「これも修業っちゃけん、よかって偉か人も言うとったよ」
ちひろ「まあ上じゃ17歳がカフェの看板娘してるそうだから問題ないんじゃありません?」
P「妙なところでおおらかな事務所だな……」
ナターリア「すごいゾ! アオイはなんでもスシにできるんダ!」
葵「そう……一言にお寿司と言うても、この時代じゃあきい。ひとっくくりにお魚だけのものにもでけん」
葵「せっちいけど、お魚が苦手って人もおるっちゃ」
P「ああ、うちにも一人いるわ」
ナターリア「おいしいんだけどナー」
葵「だからこそ! お魚だけでないお寿司の可能性も模索するべきと! あたしはそう思うっちゃ!!」ババーン
ウサー! ウササー!
パパーパパラパー
ちひろ「ウサちゃんのゴージャスなファンファーレが!?」
葵「で、お客様第一号の三人には、お魚じゃない変わり種のお寿司を試してもらいたかっちゃけど……」
葵「あ、もちろんお代はいいとよ! 試食ってことになるけえ!」
P「タダ? マジ? じゃあ断る理由が無いな」
ちひろ「大丈夫ですかね。タダより高いものはありませんよ?」
P「ははは、いつもタダ石と各種ガチャの飴と鞭でしばき倒してくる人が言うと違うな」
ちひろ「ちひろポン・パンチ!」ポムン
P「グワーッ!!」
ちひろ「まあいいです。私も気になるし、お願いしてもいいかしら?」
葵「うん、ありがとう! しんけん握るけん待っとってね!」
葵「小手調べに、シャコから握ってみるっちゃ」
P「お、最近あんまり見なくなった奴だ」
ちひろ「エビより歯ごたえがあっておいしいですねぇ」
葵「続いてみょうが!」
P「みょうが? 刻んでそうめんのつゆとかに入れる奴? ん……うまい!」
ライラ「しゃくしゃくでお口さわやかですねー。ライラさん、これ好きでございますよー」
葵「鳥刺し!」
ちひろ「鶏肉のお刺身って、確か九州のお料理だったような……あらおいしい」
P「噛めば噛むほど旨味の染みる鶏肉に、おろししょうがの味がピリッと効いて……」
葵「お茄子の漬物!」
ちひろ「へぇ、茄子のぬか漬けがシャリに……。瑞々しい歯ごたえがニクいですねぇ♪」
ライラ「おふー。カラシさんが染みるでございますよー」
P「茄子さん引けない」ギギギ…
カコデスヨー♪>
葵「アボカド!」
ちひろ「すっかり市民権を得ましたよね。まあトロにたとえられるくらいですし」
P「猫にアボカド食わすと最悪死んじゃうらしいですけどね」
みく「へぷちっ! ……な、なんか謎の悪寒が走ったにゃあ……」
葵「鯨!」
P「おお、ほとんど肉の味」
葵「松茸!」
ちひろ「輝子ちゃんが好きそうですねぇ」
葵「テレスコ!」
P「テレス……なんて?」
葵「ステレンキョウ!」
ライラ「よくわかりませんですけど、おいしいでございますよー」
葵「そして本日のオススメ、とれたてピチピチのズンドコベロンチョ!」
P「ねえ結局ズンドコベロンチョって何なの?」
ちひろ「え、ズンドコベロンチョ知らないんですか? おっくれってるぅー!」
P「ふぅー……なんだかんだ結構食ったなぁ」
ちひろ「お茶とガリが染みますねぇ~……」
ライラ「ライラさん、おなかいっぱいでございますよー♪」
P「次から次に来るから、流れてくるのを待つ暇もありませんね。回転寿司とは」
ちひろ「でもお寿司はおいしいし、話が広がれば繁盛するんじゃありません?」
ライラ「おー……注文とは、このボタンでするんでございますですか?」
P「そうそう。注文とお会計、っていうか店員呼び出しと、あと……」
【注文】
【お会計】
【世界】
P「世界」
ちひろ「…………押します?」
P「いや…………まあ、やめときますか」
ライラ「おー」ポチー
P「ライラーッ!?」
カッ!!
ヘレン「ミュージックスタート!!」
P「うわああああヘレンさんだああああああ!!?」
♪~ (情熱的なフラメンコ)
ヘレン「ッハァ!」
ヘレン「ヘェイッ!!」
ヘレン「オーレ!!!」
ヘレン「フンハァッ!!!!」
ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー…………
P「お、踊りながらベルトコンベアを流れていった……」
ちひろ「この出番の為だけに今回登場したんですかあの人……」
ナターリア「ヘレンのダンスはすごいナ……! ナターリア、リスペクトしちゃうゾ!」キラキラ
葵「さて、そろそろ締めのお吸い物を出しちゃるけん」
P「お、ありがたい。いやーどれもおいしかったよ(終盤何食わされてたかわからなかったけど)」
ちひろ「ほんとに。ちょっと変わったお店だけど、味が広まればきっと流行ると思いますよ♪」
葵「へへ……そげえ褒めたってなんも出んよぉ♪」テレテレ
葵「待っとってね。珍しかもんが取れたけえ、おいしい汁物が作れるっちゃ!」
P「珍しいもの?」
葵「うん! あたしも料理するのは初めてなんよ! でも、きっとおいしくするけえね!」
P「そっか。楽しみだなぁ」
ナターリア「持ってきたゾ!」
葵「よっし! 今捌いちゃるけん!」ギラッ
美穂(たぬき)「ぽ、ぽこーっ!! ぽこぽーーーーんっ!!!」ジタバタジタバタ
P「美穂ぉーーーーーーっ!!?」ガビガビーーン
ナターリア「ミ?」
葵「ほ?」
P「あ、ああ、いや……みほ、にほ、にほんの料理文化はまったく尊いものだなぁ~と……」
ちひろ「ふふふふ二人は、どどどどこで、その、たたたたぬきさんを、つつ捕まえたんですか?」
葵「ああ、事務所の中庭の茂みにおったとを捕まえたんよ」
ナターリア「まるまるふかふかで、すっごくおいしそうだナ!」
P(み、美穂……! そんなところで何をしていたんだ……!!)
ちひろ(もしかしてお寝坊さんですか……!!?)
ライラ「あー……」
ライラ「お二人ともー。実はそのたぬきさんは、わたくし達の大切なお友達なのでございますよー」
葵「えっ!?」
P(ナイスライラ!!)
ライラ「事務所からはぐれてしまい、困っていましたです。申し訳ありませんですが、離してはもらえませんでございますか?」
美穂「ぽこ、ぽこっ」モゴモゴジタバタ
ナターリア「そ、そうだったのカ……!」
葵「いけんいけん、危なかとこだったっちゃ!」パッ
美穂「ぽこぉ~~っ!!」ヒシッ
P「ああよしよし、お前一体何してたんだ……!」
葵「あいたー……危うく友達を捌いてしまうとこだったっちゃ。ごめんなさい!」
ナターリア「ご、ごめんナ! 知らなかったんダ!」
P「いやギリギリセーフだから良かったよ。でも、今後事務所で動物を見つけても捕獲したりしないでな?」
P「ひょっとしてひょっとしたらだけど、たぬきだけじゃなくて、うさぎとか狐も見つかるかもだし……」
ナターリア「キツネとウサギもいるのカ!?」
ちひろ「ええまあ、なんというか一応……」
P「あとトナカイ(?)とかも……」
美穂「ぽ、ぽこぉ~~~……」フシュシュシュ
ライラ「おや? たぬきさんから、なにやら白い煙のようなものがー……」
ナターリア「ン?」
葵「え?」
ちひろ「あら?」
P「お、おぉ……!?」
P(まさか、安心感のあまり気が抜けて……!?)
美穂「ぽこ……ぽこぉん……」シュルルルル
P「ま……待て! そのままでいい! そのままでいいから!」
ポンッ!!
美穂「ふぇぇ……プロデューサーさぁん……」ムギュー
P「」
ちひろ「」
葵「」
ナターリア「!」
ライラ「おー……」
美穂「きゅぅぅぅ……」ギュー
P「」
P「な」
P「なんでもないです」
晶葉「なんでもないわけがあるかぁっ!!!」ババーン
P「うおああああーーーっ!?」
晶葉「見たか!? 見たな! 見たぞ!! たぬきが人に化ける瞬間を!!」
晶葉「財団から報告は聞いていたが、やはり実際に見るとインパクトが違うな!」
ナターリア「スゴイスゴイスゴイ! 今、タヌキが人になったよナ!? どうやったんダ!?」
葵「きょ、曲芸ね!? すごかねぇ! そげなこともできると!?」
ちひろ「わわわわ……」
P「いや、これには色々となんというか、アレがアレでですね……」
美穂「ふぃぃ……」グテー
ギャーギャー ワーワー ヘーイ!
―― しばらくして
P「……えらい目に遭った」
ちひろ「とんだランチでしたねぇ……」
美穂「うぅ、ご、ごめんなさいぃ……」
ライラ「お寿司、とってもおいしかったでございますねー」ホクホク
P「まあひと悶着あったけど、なんとか丸く収まったし――」
葵『わ、わかった! 色々あるっちゃね! あたし誰にも言わんけえ!』
ナターリア『また来てネ! ナターリアもアオイも待ってるゾ!』
ちひろ「いい子達でしたねぇ」
P「アイドルとしても評判いいですからね。きっとあそこも繁盛するでしょう」
美穂「はぅぅ。私、今回いいとこ無い……」ションボリ
ライラ「よしよしですよー」ナデナデ
P「まあ、ギリギリ昼休みが終わる時間には間に合ったわけだし、戻りますか」
ちひろ「そうですねぇ……ところで」チラッ
晶葉(ぎくっ)
美穂「だ、誰かに尾行されてるような……」
ライラ「アキハさんでございますかー?」
晶葉「ふーーむ……バレていたか。私のカムフラージュ技術もまだまだだな」ガササッ
P「そりゃオフィスビルの中で異様に精巧なギリースーツ着てちゃな」
晶葉「以前から動向は把握していたのだが、君達の事務所は実に興味深い。琴歌が楽しそうに話していただけはある」
P「……ん?」
晶葉「このところロボと一緒に研究所に籠もってばかりだったからな。やはり実地調査は必要かもしれん……」ブツブツ
晶葉「志希のやつもラボを出たことだし……」モゴモゴ
晶葉「というかその……私も、そろそろ助手の一人くらいは……」モニョモニョ
ちひろ(プロデューサーさん)
美穂(これって、つまり……)
P(フムン)
P「あの」
晶葉「!」ザッ
P「えっ距離感……。いやほら、もし良ければなんだけど」
P「君もアイドルをやってみないか?」つ名刺
晶葉「……!」ザザッ
晶葉「ふ~~~~~む。アイドル。アイドルか」
晶葉「なるほど。私の才能を世に知らしめるには、確かに最短とも言える近道かもしれないな……!」
P「そうそう。それに君、可愛いし」
晶葉「かわっ」ザザザッ
P「えっ遠っ!? ナンデ!?」
晶葉「…………なるほど、未知のアプローチを仕掛けてくるわけだな?」
晶葉「だが、まだ時期尚早だ! 私はまだ諸君の輪郭を掴んではいない!」
P「輪郭とは」
晶葉「傾向と対策を練ることはいかなる問題においても重要なのだ!」
P「いや、だから、あんま難しいこと考えんでも君すごく可愛いんだから」
晶葉「そういうことではなく!!!」
晶葉「今回の件は貴重なデータとして今後に活かすとしよう! 次に会う時を楽しみにしているがいい!!」
ウサ ウサー ウササー
ちひろ「ジェットパックを装備したウサちゃんの群れが!?」
晶葉「引き続き、君達の起こす奇妙な事件を楽しみに待っているぞ! ワハハ!! ワーハハハ!!!」
ドドドドドドドド…………
美穂「…………行っちゃった」
ライラ「お顔が赤かったでございますねー」
P「こ、断られた……」ガックシ
―― その後 事務所
周子「んお、お疲れさーん。どっかでご飯食べてたん?」
蘭子「煩わしい太陽ね!」テテーン
志希「ありゃ。なつかしー感じの匂いがするね~」クンカクンカ
P「……なんか昼飯食うってだけでどっと疲れましたね」
ちひろ「ええまあ……」
まゆ「げほっ、ごほっ、ぷっぷろでゅ、ん゙ほっ、ごめんなざっ、まゆっ、おべんとうっ」ゲホゴホ
美玲「あーもう、だから寝てろって言っただろ! 無理すんなよなッ!」ワタワタ
みく「なにやらさっき嫌な予感がしたのにゃ……。Pチャンなんか知らない?」
幸子「なんですかなんですか、景気が悪いですねぇ! ボクのカワイさを補給して元気を取り戻したらどうですか!?」フフーン
ワイワイ……
P「……あ、そうだ。みんな寿司好き?」
~オワリ~
周子「あ、そだそだ。プロデューサーさん……」ヒソヒソ
P「ん? なんだ改まって」
周子「いやいや、大したこっちゃないんだけど。ちょっと相談があってさ……」
~つづく~
奈緒のお話を書くつもりでしたが、ちょっと作業量の問題で順番が前後します。すみません。
次回からは京都舞台の大長編こひなたぬきが始まると思います。
引き続きこちらでお世話になります。
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「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (35)
-
- 2018年10月13日 02:25
- うーんこの
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- 2018年10月13日 02:40
- なんで美穂、気が抜けたら人になるの?元々がたぬきなんだから安心して人になるっておかしくない?
-
- 2018年10月13日 02:51
- 取り敢えず前川に寿司食わせようとしない時点で評価はマイナスだな。
-
- 2018年10月13日 02:55
- ナターリアと寿司ってなんか関係あったっけ?
刹那で忘れちゃった
まぁいいかこんな一発屋
-
- 2018年10月13日 03:00
- シリーズ続き過ぎてダレてきたな
-
- 2018年10月13日 03:25
- 新鮮なマグロはぜんぜん旨味がないぞ
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- 2018年10月13日 04:25
- なにげにこひなたぬき二度目の命の危機だったな(一度目は熊本)
京都編に向けての箸休めみたいな回かな?
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- 2018年10月13日 04:58
- 定期的にまとめられてる内はともかく、人外事務所ネタは被りまくりだからちょっと経っちゃうとどこがどこだかわかんなくなるわ
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- 2018年10月13日 05:32
- こひなたぬきは相変わらず文章が安定してて読みやすいね
いつもは湧かない批評が急に湧くと勘繰っちゃうなー(笑)
-
- 2018年10月13日 06:59
- おっ、たぬきだ
-
- 2018年10月13日 08:41
- ※2
美穂の[化ける]は「妖怪時のみ(消費CP-30%)」がかかっていたような気がする。
(ほかにもいろいろ制限があるが、少なくとも【人間変身】したままでは化けられない感じ)
-
- 2018年10月13日 08:41
- ※4
おい、誰が一発屋だよ?飼育して延々と犯したい可愛い娘だろうが!
-
- 2018年10月13日 09:42
- お寿司好きかい?
-
- 2018年10月13日 10:12
- ※13
うん大好きさ☆
-
- 2018年10月13日 11:00
- ※13
お許しください!
-
- 2018年10月13日 13:49
- P「旨い! なんという旨い寿司なんだ!」パァン!
ちひろ「なんで柏手打ったんですか今」
ついこないだ今更ながら将太の寿司読破した俺にタイムリーなネタw寿司だけに
まだ随所しか読んでないけどクラリスさんが開眼したりしない?
-
- 2018年10月13日 13:50
- ↑訂正
随所じゃなくて最初
-
- 2018年10月13日 13:52
- ※16
えびす丸の胃液まみれのきゅうり喰ってるカキハチが頭に浮かんだ俺はもう30代……。
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- 2018年10月13日 13:53
- カッパのキハチって書いたら何でか削られたし
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- 2018年10月13日 15:21
- ※18
これはアレだね、ちょっと酸っぱいから酢漬けかな?
僕はヤエちゃんのパンティのが欲しい
-
- 2018年10月13日 16:16
- 俺も茄子さん引けない・・・ところで、寿限無マダー?
-
- 2018年10月13日 16:20
- 今回あんまり人外の香りがしなかったのが新鮮かも。将太の寿司ネタは笑いました。
-
- 2018年10月13日 19:29
- シリーズとしては「たぬき」と書いてあるから迷うことはない。だれるのは期間が空いてたからもあるんだろうけど、やっぱり長期化したせいなんだろうな。
-
- 2018年10月13日 19:58
- アボカドは猫にではなく、基本ヒト以外には有毒だゾ。ヒトはなぜかアボカ毒に耐性があるだけだゾ。
-
- 2018年10月17日 17:27
- >>24でくそワロタ
-
- 2018年10月13日 20:06
- 何気にウサミンとニアミスしてる…
-
- 2018年10月13日 20:07
- ※18
けずってあげようか?
おれはけずるの好きなんだ。君達けずられたいんだろ?
ンサイ、ンサイ、ンサイドムー、こそよう、こそよう、 こそよう。
-
- 2018年10月14日 00:01
- かなり前から思ってたんだけど文体から受ける印象がパイセンPの人っぽい
だからなんだって話なんだけど
-
- 2018年10月14日 04:46
- 美玲がまゆの世話焼いてるw
お前、アッちゅう間に牙抜かれてるやないかいwww
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- 2018年10月14日 07:53
- 人外事務所といえば、寺生まれP事務所、どうなってるのかなぁ。探しに行く程じゃないけど。
混ざるのは同意だが、忘れかけ同士でもなければ問題ないし、読めば思い出すから気にしない。
-
- 2018年10月14日 13:32
- 今回は日常パートであれやったけど、次は京都編とか胸熱
-
- 2018年10月14日 17:50
- 急な熱情の律動は腹筋に悪いw
-
- 2018年10月19日 04:09
- ライラ「(なにやら感極まったらしい流暢なアラビア語)!!!」モグムシャー
はい可愛い
-
- 2018年10月29日 09:50
- 次のやつ読んできたけどまた凄いことになってるなぁ、まだ未完だけど
今のところシリーズ中で一番好きかも
-
- 2018年11月06日 12:51
- 試しにテレスコとステレンキョウ検索してみたら落語の演目が出てきた