恋鐘「霧子が人を殺してまわってる!?そんなわけなか!!」
摩美々「でもー、実際に見たって人もいるよー?」
恋鐘「人違いたい!!!」ギャンギャン
咲耶「やれやれ、聞く耳を持たないみたいだね……」
三峰「じゃあ霧子のカバンを見たらいいよ、人を殺す道具が入ってるからさ」
恋鐘「うるさーーーーーい!!!」
恋鐘「皆がそんな薄情な人なんて知らんかった!仲間の事疑うなんて!!」
恋鐘「そこまで言うなら皆の前でカバンを開けて、霧子の潔白を証明するけん!」
皆「……」
恋鐘「霧子!!」
恋鐘「霧子!悪いけどカバン中見せて!」
霧子「えぇ!カバン!?急にそんなこと言われても……」
三峰「見せられない訳があるんだよね」
恋鐘「またそんなこと言って!!」ガバッ
三峰「やるっての!?」ムキッ
咲耶「まあまあ二人とも!」
霧子「………?」
咲耶「実は霧子にある疑いがかかっていてね」
咲耶「それはカバンの中を見れば証明されるんだけど…………駄目かな?」
霧子「カバンの中…………」サァッ
摩美々「やっぱり~~~」
恋鐘「」ムッ
恋鐘「霧子!ウチは霧子の事信じとるけん!大丈夫よね?」
霧子「カバンの中は……」
霧子「これは人を安楽死させるための機械で……」
霧子「この電極を首に当てるとだんだん意識が遠退いて眠るように死ねるの……」
恋鐘「そんな!!」
三峰「やっぱりね」
霧子「ごめんね恋鐘ちゃん」
恋鐘「人殺しをアイドルには出来ないと皆言っとったけど……ウチには霧子が訳もなく人を殺すようには思えん……」
恋鐘「なにか理由があるはずばい!」
ガシャーーーン
恋鐘「う……うぅ……」
大変だー
人が轢かれたぞー!
救急車!
ーーー
ーー
ー
看護士「ここは病院よ…………月岡恋鐘さん……」
恋鐘「うっ頭が…………あれ?」
看護士「………………」
恋鐘「あれ?手が動かん……足も…体が動かん!!」
看護士「月岡さん、落ち着いて聞いて。あなたは事故にあって首から下が動かなくなったの」
恋鐘「そんな!ウチアイドルなんです!いつ治るんですか!?」
看護士「…………っ」
看護士「ごめんなさい、私の口からは」
恋鐘「そんな………………そんな……」
ーーーーー
ーーー
ーー
三峰「でも治るんでしょ?」
恋鐘「…………一人にして」
摩美々「む~」
咲耶「まあまあ、今は恋鐘も思う所があるだろうし。今日は一旦帰ろうか」
咲耶「またくるよ」
三峰「お大事に~」
摩美々「ばいば~い」
ガラガラコトン
恋鐘(先生の話を盗み聞きしたけど、ウチの体は二度と動かんらしい……)
恋鐘「うっ…………うっ…う…」
咲耶「おはよう、調子はどうだい?」
恋鐘「…………」
ーーーーーーーーー
咲耶「いやー、外は暑くて汗だくだくだよ。」
恋鐘「…………」
ーーーーーーーーー
咲耶「葉っぱが色づき始めたね……この窓からも見れるんじゃないかい?ほら」
恋鐘「…………」
恋鐘(あれからどれくらい経っただろう)
恋鐘(お見舞いには咲耶しか来てくれんくなった)
恋鐘(誰かに来てほしいわけじゃないけど、来てくれないのは寂しい)
恋鐘(それに…………)
恋鐘「そんなにちょくちょく来てくれんでよかよ……」
咲耶「そうはいかないよ、私の恋鐘が心配だからね。皆も頑張ってるし」
恋鐘(優しさが辛い……)
恋鐘(……………………)
恋鐘「……死にたい」
咲耶「恋鐘には私達が付いてる。家族もいるしプロデューサーや社長も心配してる」
恋鐘「ウチのことどれだけ心配しても……ウチの体は治らん!」
咲耶「そんな……っ!誰が言ったんだいそんなこと!」
恋鐘「先生が話してるのを聞いたんよ!もう一生このままだって!」
咲耶「そんなことはないよ!どうにかするから、もう少しだけ待ってよ」
恋鐘「もう少しってなんよ!!!適当な事言わんで!!!!!」
恋鐘「咲耶達にはこの気持ち分からんとよ!!体が動かんやつの気持ちなんて!!!!」
咲耶「恋鐘!!」
恋鐘「帰って!!!聞きたくない!!何も聞きたくない!!!!」
恋鐘「帰って!!!!!」
咲耶「…………」
咲耶「また、来るからね」
ガラガラコトン
恋鐘「うぇ…………ひぐっ……」
恋鐘「ウチ……最低だ…」
恋鐘「うぇーーーーーーーん!!!!」
ドアの外
咲耶「っ…………!!!」プルプル
恋鐘(昨日あんなことがあったから来てくれるわけないか……)
コンコン
恋鐘「!」
霧子「こんにちは」
恋鐘「霧子!!!」
恋鐘「霧子!あれからどうしとったん!?心配しとったとよ!?連絡も取れんし!!」
霧子「ふふっ、良かった……」
恋鐘「?」
霧子「思ったより元気そうで…」
恋鐘「霧子に会えたき元気出たと!!本当なら今すぐ抱きついてキスしたいくらいあるばい!」
恋鐘「体が………動けばやけど……」
霧子「話は聞いたよ」
霧子「アンティーカを辞めてもずっと皆の活躍を応援してたの」
霧子「雑誌の記事を、ローカルの番組を、ライブを」
霧子「でもある時から恋鐘ちゃんがいなくなった…………」
霧子「そしたら噂でこの病院にアイドルがよく来るって聞いて…………」
霧子「……………」
恋鐘「……………」
霧子「………恋鐘ちゃんだった」
恋鐘「えへへ…びっくりした………?」
霧子「手も……足も……動かないって……」
恋鐘「そうだよ」
霧子「うっ…………うっう……」
恋鐘「霧子…………」
恋鐘「うん…………」
霧子「あの機械は、体が動かなくなった人や、病気で一生苦しむ人を苦しみから開放するために使ってたの」
恋鐘「うん…………」
霧子「皆、使ってあげると幸せそうに」
霧子「ありがとう……ありがとう……って」
恋鐘「うん…………」
霧子「良いことをしてると思ってた……苦しみから開放してあげてるって」
霧子「でも、いざ私の大切な人がそうなったら……もし機械を使ってほしいって言ったらどうしようって…………」
恋鐘「うん…………」
霧子「考えると怖くなって、なかなかここに来れなかった」
恋鐘「うん…………」
恋鐘「…………」
霧子「私…勇気を出して来てみたの…………」
霧子「良かった…元気そうで……本当に良かった……」
恋鐘「霧子……」
恋鐘「ウチを「駄目!」」
霧子「恋鐘ちゃんは殺せないよ…………大切な友達だもん……」
恋鐘「ウチは霧子に殺して貰えるなら幸せたい」
恋鐘「このまま皆に嫌われていって……皆の枷になって死ぬよりも」
恋鐘「霧子の……霧子の優しさで楽になりたい……」
霧子「駄目だよ!」
恋鐘「きっと今まで霧子に殺された人達もこんな気持ちやったんやろうね」
恋鐘「だって霧子天使みたいにかわいいんやもん」
霧子「駄目!」
恋鐘「こんなこと霧子にしか頼めんけん」
恋鐘「霧子…………お願い……」
恋鐘「ウチを殺して」
恋鐘「あーあ!もう言っちゃっていっか!」
霧子「…………ぅ?」
恋鐘「ウチ霧子の事好きやったんよ?」
恋鐘「やき霧子が人殺ししてるって聞いても信じられんかった」
恋鐘「カバンの中のこと聞いても、霧子のことやから何か訳があるんだって」
恋鐘「霧子がアンティーカを抜けてから、ず~~~~~~~~~」
恋鐘「っと!霧子の事探しとった!だって急におらんくなるんやもん!連絡も取れんし」
恋鐘「この体になって分かった。やっぱり霧子はウチの天使ばい!」
恋鐘「霧子…………お願い……」
霧子「………………三日後の夜なら」
恋鐘「!」
恋鐘「霧子!」
霧子「ごめんね…………恋鐘ちゃん……ごめんね」
恋鐘「謝らんでよか……感謝しとーとよ……?」
摩美々「も~動けな~い」
咲耶「こらこら二人とも、今日はこの後先生に会うんだろ?」
三峰「そーだった!早く早く~!」
摩美々「待って~」
咲耶(恋鐘が事故にあってから私達は死に物狂いで働いた)
咲耶(アイドルの仕事が終わってもバイトを入れ3人でたくさんお金を貯めた)
咲耶(それも今日のためだ…………)
ーーーーーーーーー
BJ「それで…お友達を治せと言うのかね」
三峰「大切な友達なんです!」
摩美々「お願いしま~す」
咲耶「……私からもお願いします」
三峰「私達が頑張って貯めた三百万円です!」
摩美々「足りないなら~後からも払いますから」
咲耶「どうかお願いします!大切な友達なんです!」
BJ「分かった…手術は三日後の夜だ」
三峰「!」
三人「ありがとうございます!!!」
ガラガラ
恋鐘「霧子?」
霧子「うん」
恋鐘「ありがとう、来てくれたん」
霧子「うん」ガチャガチャ
霧子「この電極を首に当ててスイッチを入れると意識がだんだん遠退いていくよ……」
霧子「眠るように安らかに死ねる……」
霧子「ほんとうにいいの?」
恋鐘「うん」
霧子「ごめんね」カチ
恋鐘「霧子……最後に……」
恋鐘「キスして」
霧子「うん」
チュ
ガラガラ
三峰「霧子!」
咲耶「そういうことだったのか!」
霧子「そういうことだったんだよ」
月岡恋鐘

幽谷霧子

白瀬咲耶

三峰唯華

田中摩美々

BJ

霧子「そんな」
三峰「治るんだよ恋鐘!」
摩美々「やった~」
咲耶「まだだよ二人とも」
恋鐘「霧子………」
霧子「恋鐘ちゃん………」
咲耶「先生お願いします」
BJ「」コトコト
皆「やったー!!」
咲耶「ありがとうございます!」
三峰「本当にありがとうございます!!」
摩美々「どうも~ありがとうございます」
霧子「…………」
BJ「…………」
霧子「あの……」
霧子「ありがとうございます……」
BJ「お前さんはまだ若いんだ…さっさとこの道から足を洗うんだな」
霧子「はい……「それと」」
BJ「手術は成功したがすぐ歩けるわけじゃない」
BJ「誰かリハビリについてやってくれ」
霧子「はい!」
BJ「…………」
おわり
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (8)
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- 2018年10月08日 18:26
- 続きがあったのか…
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- 2018年10月08日 18:40
- 炎の匂いが染み付くほうかと思った
-
- 2018年10月08日 18:55
- 恋鐘タンの動かない四肢なんて引きちぎって達磨セ〇クスしたいナリよ^~
-
- 2018年10月08日 19:49
- 死なないはずがない!
人間ならば!
-
- 2018年10月08日 19:56
- 最後のBJの画像で草生えた
-
- 2018年10月08日 21:46
- さすがだぜBJ
-
- 2018年10月08日 22:58
- 最後治ったからぎりぎり許す
-
- 2018年10月09日 01:47
- ええやん
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