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【ぼく勉】小美浪先輩「この前は本当に悪かった」成幸「はい?」

1:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:23:54 ID:w/7Zs4bc

………………海での一件から数日後 予備校

成幸 「なんです、藪から棒に」

小美浪先輩 「いや、メールでも謝ったけど、これだよ。ほれ」

成幸 (紙袋? 中身は……)

成幸 「あっ……ああ。これ、海で貸したシャツですね」

小美浪先輩 「いや、ほんと悪かったな。返すの忘れて先に帰って」

小美浪先輩 「メールでは大丈夫だったって言ってたけど、本当に大丈夫だったのか?」

成幸 「えっ、あー……」

成幸 (……帰りに乗せてもらった桐須先生の車の運転は、正直全然大丈夫ではなかったけど、)

小美浪先輩 「? 後輩?」

成幸 (それをこの愉快的な先輩に話したら、また桐須先生をからかうネタにしかねないし)

成幸 (わざわざ言うことではないな。よし)

小美浪先輩 「おーい、こうはーい。どうしたー?」

成幸 「……すみません。大丈夫でしたよ。海の家ですぐに新しいシャツを買えましたし」

小美浪先輩 「そ、そうか……」 ホッ



2:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:25:50 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「なんにせよ、それなら良かった。アタシのミスなのは間違いないからな」

小美浪先輩 「本当に悪かった。ごめんなさい」 ペコリ

成幸 「へ……? い、いやいやいや! 顔を上げてくださいよ、先輩。べつに気にしてませんから」

小美浪先輩 「ん。そうか。じゃあアタシも気にしない」 ケロッ

成幸 「切替早っ!? ちょっとしおらしいから変だと思ったけど、やっぱりからかってただけですか!」

小美浪先輩 「ふふん。アタシに頭を下げさせたんだから、それで良しとしろよ、後輩」

成幸 「……べつにいいですけどね」



3:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:26:47 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「とはいえ、後輩に無用な出費をさせてしまったようだからな、」

小美浪先輩 「その海の家で買ったとかいうシャツはいくらだった? 出すよ」

成幸 「へ……?」 フルフル 「い、いやいや、いいですよ。俺の着る服が増えただけですから、べつに」

小美浪先輩 「そういうわけにいくか。後輩だって金が有り余ってるってわけじゃないだろ」

小美浪先輩 「アタシが悪いんだから、アタシが出すよ。当然だろ」

成幸 「いや、でも……」

成幸 (言えない!)

成幸 (桐須先生に眼鏡を弁償してもらう時、世話になったお礼と口止め料を兼ねてシャツも買ってもらったなんて、)

成幸 (絶対に言えない! 言ったら桐須先生に殺されかねない……!)



4:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:28:00 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「後輩? またボーッとして、どうした?」

成幸 「なんでもないです! 何もないです!」

小美浪先輩 「お、おう。そうか」

成幸 「お金は、受け取れません」

成幸 (さすがにシャツの代金の二重取りなんてせこい真似は絶対したくない)

小美浪先輩 「おいおい後輩。さすがにアタシもそれじゃ気が済まないぞ」

成幸 (とはいえ、それで納得する先輩でもない。この人は意外とこういうことを気にする人だ)

成幸 (なら……)

成幸 「その代わり、といってはなんですが」

小美浪先輩 「うん?」

成幸 「明日、ちょっと付き合ってもらってもいいですか?」

小美浪先輩 「……うん?」



5:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:29:27 ID:w/7Zs4bc

………………翌朝 小美浪家 あすみの部屋

小美浪先輩 「………………」

小美浪先輩 「……まったく、欲がないというか、なんというか」


―――― 『ちょっと勉強を手伝ってほしくて』

―――― 『先輩の勉強時間をもらっちゃうのは申し訳ないんですが』

―――― 『明日だけでも助けてくれると嬉しいです。場所はうちでいいですか?』


小美浪先輩 「べつに、改めてあんな言い方しなくても、いつも理科系科目を教えてもらってるわけだし、」

小美浪先輩 「後輩だったら、いつでも勉強くらい教えてやるってのに」

小美浪先輩 「……“後輩だったら、いつでも勉強くらい教えてあげるのになっ”」

小美浪先輩 「これ、今日の別れ際にでも言ってやったらまた顔真っ赤にするだろうな、あいつ」



6:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:30:11 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「ま、やることが勉強ってのが色気もへったくれもないが、」

小美浪先輩 「あいつをからかうためにちょっと気合いを入れてオシャレをしすぎてしまったな……」

小美浪先輩 「見惚れて後輩が勉強に集中できなかったらどうしような」

小美浪先輩 「……あの真面目眼鏡くんは、そんなことに気づくタチじゃねーか」

小美浪先輩 (……よくよく考えたら、親父のバカに付き合わされてカラオケ行ったり海に行ったりしたけど)

小美浪先輩 (後輩の方からアタシを誘うなんて初めてかもな)

クスッ

小美浪先輩 (……べつに、あいつのことをどう、ってわけじゃないけど)

小美浪先輩 (なんか嬉しいな。アタシを頼ってくれてるみたいで)

小美浪先輩 「……なんて、あいつに言ってアタシに惚れられても困るしな」

小美浪先輩 「さてさて、そろそろ行くかぁ」

小美浪先輩 (……っつーか、アタシ)

小美浪先輩 (男の家に行くのって、初めてじゃないか?)

小美浪先輩 (………………) クスッ (……ま、男ってのが、あの後輩じゃなぁ)



7:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:31:17 ID:w/7Zs4bc

………………ドアの隙間

小美浪父 (あすみ……)

小美浪父 (唯我くんのためにオシャレにこんなに時間をかけるなんて……)

小美浪父 (我が娘ながらなんていじらしいんだ……!) ウルウル

小美浪父 (がんばれよ、あすみ! パパは唯我くんとのことなら何でも協力するぞ!)

小美浪先輩 「……おい、邪魔だぞ、親父」

小美浪先輩 「っつーか、なに人の部屋覗いて涙ぐんでんだよ!」



8:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:32:21 ID:w/7Zs4bc

………………唯我家

小美浪先輩 「………………」

成幸 「あっ、先輩。来てくれたんですね。ありがとうございます!」

成幸 「早速で申し訳ないんですが、手伝ってもらってもいいですか!?」

小美浪先輩 (男子の部屋に行くことに、少なからずドキドキしてた自分をぶん殴りたい気分だ)

理珠 「………………」 グデーッ

文乃 「………………」 ズーン

うるか 「………………」 シクシク

葉月 「おねーちゃんたち、元気出してー」 ポンポン

和樹 「にーちゃんの嫁に来ていいからさー」 ポムポム

小美浪先輩 「おい、後輩。なんだ、この死屍累々の光景は」

小美浪先輩 「お前がやったのか?」



9:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:33:11 ID:w/7Zs4bc

成幸 「俺が何をしたってこいつらはこんなにへこみませんよ」

小美浪先輩 (いや、いつもお前のせいで結構一喜一憂してると思うが……)

成幸 「先週の予備校の小テストが散々だったんですよ。範囲が広がったから前より点数が落ちて……」

成幸 「俺ひとりじゃこの負のオーラに太刀打ちできないので、先輩を呼んだんです」

小美浪先輩 「そうかい。やれやれだな」

小美浪先輩 (勉強を手伝ってほしい、って)

小美浪先輩 (後輩の勉強じゃなくてこいつらの勉強かよ……)

小美浪先輩 (……ま、いいけどさ)



10:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:34:00 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「おーい、お前らー」

理珠&文乃&うるか 「「「………………」」」

小美浪先輩 「反応なし、と。じゃあ仕方ねーな。後輩、ちとこっち来い」

成幸 「? いいですけど、なんです?」

小美浪先輩 「こいつら焚きつけるならこれしかねーだろ」

ギュッ

成幸 「!? せ、せせ、先輩!?」

成幸 (だ、抱きつかれた!? 何が起きた!? っていうか良いにおい……)

成幸 (……って違う!)



11:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:35:34 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「お前らー、早く起きて勉強しないと、お前らの“先生”、アタシが盗っちまうぞー?」

理珠 「……? !?」 ハッ 「なっ、ななな、何を!? な、なぜ成幸さんに抱きついているのですか!?」

うるか 「へ……?」 ハッ 「な、成幸!? なんで先輩とくっついてるのさ!」

文乃 「………………」 キリキリキリ 「……葉月ちゃん、和樹くん、ちょっと水もらってもいいかな?」

葉月 「へ? いいけど、」 和樹 「どしたの、おねーちゃん?」

文乃 「ちょっと、胃薬をね……」 キリキリキリ

小美浪先輩 「ほい、全員起きたぞ、後輩」

成幸 「さ、さすがはあしゅみー先輩! 一瞬であいつらを目覚めさせられるとは……!」

小美浪先輩 「よーし、後輩。次それで呼んでみろ? 今度はお前を永遠に眠らせてやるからなー?」



12:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:36:30 ID:w/7Zs4bc

………………

小美浪先輩 「いいか、武元。英語は範囲が広がれば当然覚える文法も単語も増える」

小美浪先輩 「点数なんて乱高下するもんだ。それに一喜一憂してたら勉強なんか続かないぞ?」

うるか 「ん……」 グッ 「そうですね。さすが先輩、いいこと言う!」

小美浪先輩 「おう。ってことで……」 スッ 「ここからここまで、この範囲の単語をとりあえず覚えろ」

うるか 「へ……? こ、ここからここまで? 単語数は……?」

小美浪先輩 「知るか。っていうか、そこ中学生レベルの単語だからな」

小美浪先輩 「受験英語で単語を大量に覚える必要はないが、お前の場合はいくらなんでも少なすぎる」

小美浪先輩 「受験に範囲なんてないんだ。基本の単語くらいは覚えろ。基本以前の基本だ」

うるか 「う、うぅ~」 ウルウル 「小美浪先輩の鬼! 鬼畜! うー!」

小美浪先輩 「なんとでも言え」



13:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:37:56 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 (……にしても) ジーッ

成幸 「……よし。前のテストの復習はこんなもんか」

成幸 「じゃあ、一時間後に同じテストをやってみるから、それまで自習な。わかんなかったらすぐ言えよ」

理珠 「はい」

文乃 「了解だよ」

小美浪先輩 (今は武元の相手をアタシがやってるからいいものの、)

小美浪先輩 (いつもは三人まとめて相手してるのかよ、あいつ。変に器用なやつだな)

小美浪先輩 (色々と不器用なくせにな)

うるか 「……? あ、ねえねえ、先輩」

小美浪先輩 「ん? どうかしたか?」

うるか 「教えてくれるのはありがたいんだけどさ、どうして今日成幸の手伝いをしてるの?」

小美浪先輩 「……あー」 (そりゃまぁ気になるか……)



14:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:39:22 ID:w/7Zs4bc

理珠 「……私も気になります」

文乃 「わたしも、かなー?」

文乃 (……っていうか)

文乃 (返答によっては、成幸くん、叩く) ゴゴゴゴゴゴ……

成幸 (……って顔してんなー。怖い)

成幸 (まぁ、べつにやましいことはないし、話してもいいよな)

成幸 「いや、実はこの前、海に先ぱ――」

文乃 「――何を言おうとしてるか分からないけど言わせるかぁ!! だよ!!」 ガバッ

成幸 「むぐっ!? むぐぐぐぐぐぐぐ!?(何すんだ古橋!?)」

文乃 (だまらっしゃい! なんとなく想像がついたから口をふさいだんだよ!)

文乃 (それを君が口にしたら、絶対にわたしの胃が限界を迎えるってわかったから!)



15:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:40:27 ID:w/7Zs4bc

理珠 「一体どうしたのですか、文乃。急に成幸さんの口をふさいだりして……」

理珠 (というか、成幸さんとの距離が近いですよ、文乃) ジトーッ

うるか 「文乃っちって、時々へんなことするよねー」

うるか (うわー! 文乃っちうらやましいよー! あたしも成幸の吐息を手で感じたいよぅ!)

文乃 「はは……はははは……」 (ただただ胃が痛い)

小美浪先輩 「………………」 ハァ 「……大したことじゃねえよ」

小美浪先輩 「後輩がお前たちのことを心配して、アタシに頭を下げてお願いしてきたってだけだ」

小美浪先輩 「そして優しい優しいアタシは、哀れな後輩に力を貸してやってるってわけだ」

理珠 「成幸さん……」 キュン

うるか 「成幸ぃ……」 キュン

文乃 (ありがたいことだけど胃が痛い)



16:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:42:00 ID:w/7Zs4bc

理珠 「……お二人がそこまでしてくれるなら、私、がんばれます。成幸さん。小美浪先輩」

うるか 「あたしも! 凹んでなんかいられないよね! ふたりのためにもがんばるよ!」

文乃 「そうだね。わたしもがんばるよ。ただ、その前に……」

文乃 「成幸くん。お茶をいれたいから、一緒に来て?」

成幸 「へ? ああ、お茶だったら俺がいれてくるから、古橋は勉強を……」

文乃 「い・い・か・ら、一緒に来て? 成幸くん?」 ゴゴゴゴ……

成幸 「う、うん、文乃姉ちゃん……」



17:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:43:02 ID:w/7Zs4bc

………………台所

文乃 「……で? さっきは一体何を言いかけたんだゴラァ。だよ」

成幸 「怖いので目のハイライトをつけてくれると嬉しいんですが……」

文乃 「あ゛?」

成幸 「すみません何でもないです」

成幸 「いや、実はこの前小美浪先輩とふたりで海に行ってさ――」

文乃 「――ストップ!!」

成幸 「……どうかしたか、古橋?」

文乃 「その不思議そうな顔が不思議で仕方ないよ!? 唯我くん君はひょっとしたらとんでもないおバカなのかな!?」

成幸 「お前のその容赦のない言葉、なんか懐かしい感じがするな……」

文乃 「シャラップ! 感傷に浸ってる場合じゃないんだよ!」

ドスッ!!

成幸 「おぐっ……! 容赦のない手刀!」



18:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:44:13 ID:w/7Zs4bc

文乃 「小美浪先輩とふたりで海に行った!? どうしてそんな恋人みたいな真似をしてるのかな!?」

成幸 「ほら、前に先輩の家で話しただろ? 恋人のフリをしてるって」

文乃 「うん。それは聞いた」

成幸 「それでさ、先輩の親父さんが恋人同士なのに海にも行ってないのはおかしい、って言い出してさ」

文乃 「うんうん」

成幸 「それで、先輩とふたりで海に行った」

文乃 「ふーん。バカだねぇ本当にバカだねぇ成幸くんは」

成幸 「そこまでバカにされるようなこと!? いや、まぁ、恋人のふりがバカっぽいのは分かるけど……」

文乃 「それもそうだけれど! それ以上にそれをりっちゃんとうるかちゃんの前で言おうとするのがバカだって言ってるんだよ!」

成幸 「……? あいつらに言ったらダメなのか?」

文乃 「心底不思議そうな顔に殺意が湧くよ!」

キリキリキリ……

文乃 「……ああ、もういいよ。唯我くんがそういう人だっていうのはわかってたから」

成幸 「なんか、すまん。お前にはいつも苦労をかけてる気がする……」



19:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:44:59 ID:w/7Zs4bc

文乃 「……ふぅ。まぁ、いいよ。わたしは成幸くんのお師匠様だからね」

文乃 「とにかく、小美浪先輩とふたりで海に行ったこと、ふたりには絶対に言っちゃダメだからね」

成幸 「理由が全然わからん……」

文乃 「……今はまだ、わからなくていいよ」

ハァ

文乃 「それも恋の練習問題だよ、成幸くん。特別問題だよ」

成幸 「特別問題! 師匠!」

文乃 (はぁ。まったくもう……)

文乃 (成幸くん。ほんと、手がかかる“弟”だよ。君は)



20:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:45:58 ID:w/7Zs4bc

………………

カリカリカリ…………

成幸 「………………」

ピッ

成幸 「……はい、そこまで。ペンを置いて自己採点」

うるか 「ふはぁ~。頭がパンクしそう……」

理珠 「でも、以前とは比べものにならない手応えです」

文乃 「わたしもだよ。今回は自信あるよ!」

小美浪先輩 (まぁ、そりゃ一回受けたテストをもう一回やってるんだから出来て当然だけどな)

小美浪先輩 (……ま、今日は自信を取り戻させるのが主題だからいいのかね)

成幸 「………………」

小美浪先輩 (……満足げな顔しちまってまぁ。先生ってより、お母さんだな、あれじゃ)

小美浪先輩 (あたしに理科を教えてくれるときも、)

小美浪先輩 (きっとあんな顔してんだろうなぁ)



21:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:52:46 ID:w/7Zs4bc

………………夕方 帰路

うるか 「じゃ、あたしこっちだから。またね」

理珠 「私もこちらですので。今日はこれで失礼します」

文乃 「うん。またね、うるかちゃん、りっちゃん」

小美浪先輩 「また予備校でなー」

文乃 「………………」

小美浪先輩 「………………」

テクテクテク……

文乃 「……あの、先輩」

小美浪先輩 「んー?」

文乃 「成幸くんから聞きました。ふたりで海に行ったって」

小美浪先輩 「ああ。まぁ、アタシとしちゃ隠すつもりはなかったんだけどな」

文乃 「でも、隠してくれてよかったです。あのふたりに知られたくはなかったから」



22:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:53:53 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「……友達想いなんだな、お前は」

文乃 「……先輩は、どうなんですか?」

小美浪先輩 「ん? アタシがどうしたって?」

文乃 「以前、先輩はわたしに言いましたよね」


―――― 『後輩のこと特別に思ってるのはお前じゃねーの?』


小美浪先輩 「ああ、そんなこと言ったな」

文乃 「その言葉、先輩にそっくりお返ししてもいいですか?」

小美浪先輩 「ああ?」

文乃 「先輩は、成幸くんのことをからかって遊んでるふりをして、」

文乃 「――――本当は、成幸くんのこと、好きなんじゃないんですか?」

小美浪先輩 「………………」

クスッ



23:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:55:01 ID:w/7Zs4bc

文乃 「!? な、なんで笑うんですか!」

小美浪先輩 「おいおい、笑うくらい許せよ。そんな見当違いなこと言われりゃ笑いもするさ」

小美浪先輩 「アタシが、後輩を、好き? はっ、そんなわけわかんねーこと言われりゃな」

文乃 「………………」

ジーッ

文乃 「……信じていいんですね?」

小美浪先輩 「信じるも信じないもお前次第だろ」

文乃 「……わかりました。信じます」

小美浪先輩 「そうか。そりゃ何より――」

文乃 「――――先輩、今日はいつもよりオシャレしてて、お化粧も気合い入ってる気がしたけど、」

文乃 「わたしの気のせいだったってことにします」 ニコッ

小美浪先輩 「………………」

小美浪先輩 「……お前ってさ、ホント、時々めっちゃ怖いよな」



24:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:57:18 ID:w/7Zs4bc

小美浪先輩 「……じゃあ、アタシもちょっとお前に聞かせてもらおうかな」

文乃 「……なんですか?」

小美浪先輩 「アタシに細かいことはわからない。後輩の色恋沙汰なんて、これっぽっちも興味はないからな」

小美浪先輩 「でも、お前と後輩の関係は、昔と今じゃ明らかにちがうよな?」

文乃 「……何が言いたいんですか」

小美浪先輩 「……“成幸くん”」

文乃 「あっ……」 カァアア…… 「そ、それは、その、ただの姉弟ごっこ、だから……」

小美浪先輩 「ふーん、そうかい。じゃ、そういうことにしといてやろうかね」

ニヤリ

小美浪先輩 「姉弟ごっこ、ねぇ。楽しそうで大層結構」

小美浪先輩 「いつまでその“姉弟”を続けられるのか、楽しみだな、古橋」



25:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 23:59:04 ID:w/7Zs4bc

………………唯我家

成幸 「はぁ……今日は本当に疲れた。先輩がいなかったらどうなってたことか……」

成幸 「先輩に本当に感謝だな。何かお礼しなきゃ……ん?」

ゴソッ

成幸 「紙袋? 誰かの忘れ物か?」

ピラッ……

成幸 (紙が出てきたけど、これ、手紙?)


『よう。お前が固辞するから、サプライズみたいになっちまったけど、これやるよ。

 アタシからのプレゼントなんて、アタシのファンなら垂涎ものだぜ?  小美浪あすみ』


成幸 「……? あっ、これ、シャツ……」

成幸 「わざわざ買ってきてくれたのか、先輩……」

成幸 「あいつらの勉強も手伝ってもらったのに、なんか申し訳ないな……」

成幸 「なんだかんだ、本当に面倒見が良くて優しい人だよな、あしゅみー先輩って」

成幸 「今度、本当に何かお礼しないとな……」



26:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/11(火) 00:00:10 ID:Wk/a4uWM

………………小美浪家

小美浪先輩 「ただいまー」

小美浪父 「おお、おかえり、あすみ」

ニコニコニコ

小美浪先輩 「……んだよ、キモいな。何をニヤニヤしてんだ」

小美浪父 「いやな、今日は唯我くんとデートだったんだろう?」

小美浪父 「どうだった? 楽しかったか? どこに行ったんだ」

小美浪先輩 「アタシは小学生か」

ハァ……

小美浪先輩 「何もないよ。アイツの家に行って勉強しただけだ」

小美浪父 「!? 家!? 唯我くんの家にか!?」

小美浪先輩 「それがどうかしたかよ……」



27:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/11(火) 00:00:41 ID:Wk/a4uWM

小美浪父 「………………」

スッスッスッ……

小美浪先輩 「おい。なに無言で着替えを始めてんだ。なんで背広なんか引っ張りだしてんだよ!」

小美浪父 「少し早いかもしれないが、挨拶をしておかなければならないと思ってな」

小美浪先輩 「あいさつって……」

小美浪父 「唯我くんのご家族に。娘のことをよろしくお願いしますとな」

小美浪先輩 「は……?」

小美浪父 「なに、心配するな。あの唯我くんのご家族だ。きっと良い方たちに決まってる」

小美浪先輩 「……うん。まぁ、いつかは言わなきゃいけないと思ってたから、今言うけど」

小美浪先輩 「あんま暴走しすぎるようだと、いい加減殴るぞー、親父ー?」



28:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/11(火) 00:01:44 ID:Wk/a4uWM

………………幕間 唯我家

水希 「ただいまー」

水希 「……?」

水希 「この匂いは、緒方さん、古橋さん、武元さん……だけじゃない」

水希 「新しい女の匂いがする……!!」 ギリリッ

おわり




元スレ
【ぼく勉】小美浪先輩「この前は本当に悪かった」成幸「はい?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1536589434/
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          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年09月11日 07:14
          • ぼくss増えろ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年09月11日 10:14
          • あしゅみー先輩ssとはありがたい
            しかし名前表記がずっと小美浪先輩ってのは長いな
            先輩かあしゅみーでいいと思う
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年09月14日 08:40
          • あしゅみー先輩かわいいよね
            そして安定の妹オチ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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