北条加蓮「夢物語と諦めないで」
拙作で良ければお付き合いを。
P「キミ…ちょっといいかな、時間あるなら…」
加蓮「ナンパなら、どっか行ってよ。そーゆーの、興味ないから」
P「ナンパ?いや違うって、俺は…」
加蓮「……名刺?芸能事務所のスカウト?」
加蓮「プロデューサー……?」
ーーーーーー
加蓮「ふぅん……アタシが、アイドルねー」
P「どうかな、よければ一緒に…」
加蓮「……………アイドル、か」
P「……あの……?」
加蓮「ごめん。やっぱいいや。名刺、返すよ」
P「え……でも」
加蓮「声かけてくれたのは嬉しいんだけどさ、アタシには無理だから。」
P「いや、待ってくれ、せめて見学だけでも……」
加蓮「バイバイ。悪いけど他探して。」スタスタ…
P「待ってくれ……!話を……」
加蓮「……無理だから。ホントに」
P「…あ…」
加蓮「…じゃあね」タタタタ
P「………涙……泣いてた……どうして……?」
加蓮「ハァ…ハァ…っ………ハァ…!」タタタタ…
加蓮「……もう、ついてきてない、よね」
加蓮「……ぷっ」
加蓮「あはははは……アイドル、アイドルだって、アタシが?」
加蓮「今になって、ホント今更……何で……」
加蓮「……神様って…どんだけ適当なのよ……」
加蓮「……ふざけないでよ…!」
加蓮「アタシは…いい加減自分の人生、向き合って生きてかなきゃいけないのに…」
加蓮「いつまでも子供みたいな…夢ばっか見て生きてられないでしょ……だから…」
加蓮「止まってよ……涙……みっともないじゃん………こんなの……」
加蓮「……っく……うぅ……」
「本当は、うれしかったくせに」
加蓮「うるさい」
「本当は、なりたかったくせに」
加蓮「うるさい……アンタに何がわかるのよ……!」
「わかるよ」
「だって私は……」
「アイドルになったあなただから」
加蓮「え……?」
ーーーーーー
ワーワー キャー
加蓮「あれは…ステージ…?」
加蓮「嘘……だって、あの子今そこに……」
「みんなーーー!!盛り上がってるーー!?」
ワァアアアアア
「……どう?凄いでしょ、私のステージ」
加蓮「ホントに…アンタは…アタシ…なの……?」
加蓮「これは…夢…?…アタシがどうかしちゃったのかな…?幻とか……」
「大丈夫、ちゃんと元の世界に返してあげるから」
「けど……その前に、聴いていってよ」
加蓮「聴くって…」
「誰もが憧れるアイドルの、魂を込めた一曲をね」
「……いくよ!」
ドウッ?
「ーーーーー♪」
加蓮「……肌が焼け付くような熱気……唇が乾いて………胸がドキドキして……」
加蓮「何、これ……凄く……」
加蓮「……楽しい……!」
ーーーーーーー
「本当はもっと歌いたいんだけど…でも、きっとまた逢えるって信じてるから、じゃあねなんて言わないよ」
「アイドルの北条加蓮でした!またね♪」
ワアアアア カレエエエン サイコーー ヒューヒュー
加蓮「待って!」
「…もう時間だから、行かなきゃ」
加蓮「待って……アタシ……」
加蓮「アタシも!!……本当に輝ける……?」
「大丈夫、だって…まだあなたは、自分を、夢を捨てきれてないんだもん」
加蓮「……いいのかな……夢、見ても……」
「まだ16歳じゃん、人生諦めるには早すぎでしょ」
「素直にならなくちゃね?自分にも…夢にも、周りの人にもさ」
加蓮「……アタシ……諦めてたよ……勝手に、悟った気になってさ……」
加蓮「でも……いいんだよね、夢見ても……」
加蓮「アイドルの夢、目指してもいいんだ……!」
「あなたに……過去のアタシに追いつかれないように、もっともっと未来で待ってなくちゃ」
加蓮「絶対すぐ追いついてあげる」
加蓮「私………諦めないから」
「うん。……知ってるよ」
「それとね……もし、一人で走るのが苦しくなっても……あなたには………」
P「おーーい!!」
加蓮「あ…さっきの……」
加蓮「ここ……ステージじゃ……ない…?」
P「え、す、ステージ?」
加蓮「ううん、何でもないの」
加蓮「あの……アイドル……」
P「ん?」
P「そうかな…俺は、キミなら……」
加蓮「アタシ、本当に何もないよ?」
加蓮「それとも、アンタがそんなアタシをアイドルにしてくれるの?」
加蓮「できるって、言うの?」
P「…確かに、一人で全部抱えようとしたら、すぐに潰れてしまうかもな」
加蓮「うん…」
P「でも、俺が支えるよ。俺だけじゃない、同じ夢を目指す仲間達だって、きっと力になってくれるさ」
P「それじゃ、ダメかな」
加蓮「……一緒なら、できる?」
P「そのためのプロデューサーだよ」
加蓮「……うん、わかった……じゃなくて」
加蓮「じゃあ……私を……北条加蓮を…アイドルに…」
P「加蓮をトップアイドルにする。約束だ。」
加蓮「うん。やるからには…絶対…!」
加蓮「これから、よろしくね。プロデューサーさん」
「…ん……」パチパチ
P「お、起きたか?」
「私…眠って…?」
P「ぐっすりだったなあ、まぁ春だし、無理もないんだろうけど……ふぁあ…」
P「もうすぐ家につくけど、ご飯、どうする?」
「お母さんには連絡してるし…うん、軽くポテトとか食べて帰りたいな」
P「ポテトはダメ、ちゃんとした晩飯な」
「ぶーぶーっ」
「やった~、そうこなくちゃね♪」
P「ったく、現金な奴…」
P「あ、そういやお前……さっきな」
「んー?」
P「寝ながら何歌ってたんだ?」
「へっ」
「わ、忘れて!って言うか歌ってないから!気のせいだから!!」
P「そうかぁ?なんか色々混ざってたような……気のせいかなあアレ……」
「昔のアタシめ……こんな恥ずかしい事してあげたんだから…さっさと追いつかないと許さないんだから……」
P「加蓮?」
加蓮「なんでもなーい!早くポテトポテトっ!」
加蓮「ポテトー!ふふふっ」
P「全く…勢いでごまかしてないか?」
加蓮「いいから行くの!プロデューサーさんの奢りだからね」
P「おう俺の奢り……えぇ!?」
加蓮「当たり前でしょ~、ほら急いだ急いだっ」
P「トホホ…給料日前なのになぁ…ま、仕方ないか…」
加蓮「これからも私、頑張るからね、プロデューサーさん」
加蓮「私を見つけてくれた…たった一人の人のためにも」
加蓮「アタシを信じてくれた、もう一人の私のためにもね」
加蓮「いくよ。これが私のステージっ!!」
ワアアアアアアアアア…?
出逢ってくれてありがとう。
これからも、一緒に頑張ろうな。
よかったら、彼女の誕生日を、祝ってあげて下さい。
きっと、絶対、喜ぶと思いますので。
では、お目汚し、失礼をば。
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コメント一覧 (8)
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- 2018年09月05日 02:43
- コメント欄に作者が来るなんて珍しい
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- 2018年09月05日 02:45
- たぶんラストの加蓮は足が透けてたんやろうなあ
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- 2018年09月05日 05:01
- くっさ
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- 2018年09月05日 06:43
- 奇跡なんて無いさ 近寄るのは
偽善者の 甘い罠
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- 2018年09月05日 07:09
- 風呂入れよ>4
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- 2018年09月05日 17:59
- 後に夫婦となる男女の最初の出合い、とかで紹介されるストーリーみたい。
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- 2018年09月05日 21:09
- はい第8代シンデレラ当確
ラスト文字化けしてしまっているのですが
ワアアアアアアアアア…?→ワアアアアアアアアア!で脳内補正お願いします。
スレの方でも訂正依頼出しておきます…