最近だらしないけどもっとしっかりすれば恰好いいのになと独り言ちる妹ちゃん「はぁ……お兄ちゃん夏休みの宿題終わってないの?」
妹ちゃん「先に言っとくけど、手伝わないからね」
妹ちゃん「私のことあてにしてたんでしょ? やんないからね」
妹ちゃん「一人で頑張って……ああもう、引っ付かないでよ! 鬱陶しい!」
妹ちゃん「情けない行動をするな! 妹に宿題手伝わせるなんてありえないから!」
妹ちゃん「暑苦しい! 顔を押し付けてくるな! 駄々をこねるな!」
妹ちゃん「今日何日か知ってる? 9月1日なの」
妹ちゃん「厳密にはもう夏休み終わってるんだよ? なんで宿題まだ終わってないの」
妹ちゃん「計画立ててやった方が絶対楽だって何回も言ったよね? お兄ちゃんうるさいって聞かなかったけど」
妹ちゃん「それで結局こうなるって、馬鹿なの? お兄ちゃんはとってもお馬鹿なの?」
妹ちゃん「ちらっと見たけどさ、全然手を付けて無いじゃん。これを後2日で終わらせられると思う?」
妹ちゃん「お兄ちゃんは一回苦労した方がいいよ」
妹ちゃん「ヤダヤダじゃないから。だから顔をぐりぐりしてこないでって」
妹ちゃん「お駄賃とかいりません」
妹ちゃん「……これで昔は何でも言うこと聞いてくれたのにって?」
妹ちゃん「はぁ……私は成長したの。お兄ちゃんも成長してよね」
妹ちゃん「……いい加減離して。暑い。暑苦しいから」
妹ちゃん「もう、情けないなぁ……」
妹ちゃん「すぐ人に頼るんだから……それで、成果はあるの?」
妹ちゃん「ゼロ? 皆もはや諦めてるって? 類が友を呼んでるね」
妹ちゃん「これが世界標準って、馬鹿じゃないの。私の友達はみんな宿題終わらせてるもん」
妹ちゃん「いやもう、いいから、宿題やったら? 時間どんどん無くなるよ?」
妹ちゃん「……言っとくけど、お兄ちゃんまで諦めたら軽蔑するからね」
妹ちゃん「自業自得なんだから、徹夜してでも終わらせなよね」
妹ちゃん「じゃあ私、そこのソファでゲームしてるから、話しかけてこないでよね」
妹ちゃん「お兄ちゃんは一度、ちゃんと頑張った方がいいよ」
妹ちゃん「じゃ、しっかりやってね」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……ん、何?」
妹ちゃん「いや身振りだけされても」
妹ちゃん「もしかして飲み物? 自分で取りに行ってよ」
妹ちゃん「私今バトルが佳境なんだけど、ああ、もうはいはい。わかったわかった」
妹ちゃん「ほんとしょうがないなぁ……」
妹ちゃん「はいはい。じゃあ頑張ってよね」
妹ちゃん「はぁー……よっと……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……んー」
妹ちゃん「……何? 今度は何」
妹ちゃん「私今弾避けてるから目離せないんだけど」
妹ちゃん「そんな足だんだん踏み鳴らされてもわかんないんだけど」
妹ちゃん「わかったわかった。じゃあもう適当にソファの前でうつ伏せになってて。背中踏んだげるから」
妹ちゃん「……だって、私今手離せないって言ってるじゃん」
妹ちゃん「はぁ、よっと」
妹ちゃん「はい。かもんかもん」
妹ちゃん「何その不満そうな地団駄は。愛が無いって? お兄ちゃんにはとっくに愛想尽きてるからね」
妹ちゃん「ほらほら、やるなら早くしてよ」
妹ちゃん「……やんないの? あっそう」
妹ちゃん「……んー」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……今話が良いところなんだけど」
妹ちゃん「……もうドタバタうっさい。静かにしないと一生口きかないから」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……はー、面白かった」
妹ちゃん「……んぅ……、っはぁー……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……それで、さっきのはなんだって?」
妹ちゃん「何、お兄ちゃん。拗ねてんの?」
妹ちゃん「勉強に集中してるだけ? 嘘いいなよ」
妹ちゃん「ちょっと休憩しよっか。お兄ちゃん肩凝ったでしょ? 揉んだげる」
妹ちゃん「もー、拗ねないでよ。いつもより丁寧に揉むからさ」
妹ちゃん「おお、凝ってるねー。はい、気持ちいいでしょ?」
妹ちゃん「うんうん……」
妹ちゃん「……それでさ、あのね」
妹ちゃん「さっきやってたゲーム、すごく面白かったの」
妹ちゃん「ネタバレになるから言わないけど、とにかく、ストーリーと世界観が秀逸だったね!」
妹ちゃん「宿題終わったら、一緒にやろうね?」
妹ちゃん「あ、今からは駄目。せっかく宿題進んだんだから、最後までしようよ」
妹ちゃん「でもほんとに面白かったんだよ……あーあ、お兄ちゃんが宿題済ませてたらなぁ」
妹ちゃん「今日中に終わりそう? まだかかりそう?」
妹ちゃん「よっと、問題集ってこれ? どれどれ……ふーん……」
妹ちゃん「……なんだ、思ったより易しそうだね」
妹ちゃん「……俺には難しい? は? それ本気で言ってる?」
妹ちゃん「私でもわかるレベルの問題だよこれ」
妹ちゃん「お兄ちゃんほんと馬鹿だよね」
妹ちゃん「いた、いたい、ちょっと、小刻みに頭突きしてこないで、いたいってば! いい加減にしないと首絞めるよ!?」
妹ちゃん「私今有利なポジション取ってるんだからね……!?」
妹ちゃん「だから、ここを……シャーペン貸して」
妹ちゃん「……式をこうやってくくって、整理すれば、ほら」
妹ちゃん「ね? 教科書のこの例題でしょ?」
妹ちゃん「ちょっと、耳元で大きな声出さないで……そんなに興奮すること?」
妹ちゃん「え? ……んん、まあね。日頃勉強してるから」
妹ちゃん「だってさ、問題のここの要素がいかにも似てるような気がするじゃない?」
妹ちゃん「例えばちょっとこうやって変形させると、ほーら、ね? 私の言ったとおりでしょ?」
妹ちゃん「へへん。こういうのはね、分かりにくくしようとして、逆に不自然になってるから」
妹ちゃん「私にはわかるの」
妹ちゃん「ふふん。それでね、それで、ここの問題はね、って違う! 私がやったら駄目なの!」
妹ちゃん「お、おだてても駄目だから! 自分でやって!」
妹ちゃん「あーもう……じゃあ私、そろそろご飯作ってくるから」
妹ちゃん「……ちゃんと宿題やっててよね。台所から見てるから。サボってたら分かるから!」
妹ちゃん「全くもう……」
妹ちゃん「お兄ちゃんはすぐ楽しようとするからなぁ……」
妹ちゃん「……もっとしゃんとしてほしいなぁ」
妹ちゃん「そうすれば、友達にだってたくさんお兄ちゃんのこと話せるのに」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「頑張ってる姿はいいのになぁ」
妹ちゃん「笑ってる時も少しは愛嬌あるし」
妹ちゃん「もっとちゃんとすればいいのになぁ……」
妹ちゃん「……今いいところ? それはタイミング悪くてすみませんね」
妹ちゃん「……それなら後で食べればいいんじゃないんですかね。でもそれだと美味しい内に食べられませんね」
妹ちゃん「お兄ちゃんに頑張ってもらいたくて美味しいもの作ったんですけどね」
妹ちゃん「お兄ちゃんは一人で冷めたご飯を食べたいんですかね」
妹ちゃん「……お兄ちゃんの好きな鳥わさ! あとは、なすとししとうの揚げだしと、じゃがいもとわかめのみそ汁とサラダ!」
妹ちゃん「……そうそう。休憩も必要だよお兄ちゃん」
妹ちゃん「大体夕ご飯は二人そろって食べるって決めてるんだから」
妹ちゃん「なんとか? そっか、まあ頑張ってね。どうしてもわからない問題なら、私も手伝ってあげるから」
妹ちゃん「ゲームは、この休日中は無理そうかな?」
妹ちゃん「……あのゲーム、とっても楽しかったなー。これまでのベスト5には入るかも。絵もすごく可愛いし」
妹ちゃん「やめ時がわからなくなるよね。なんていうの? ゲーム性とストーリーが融合して指がすいすいと動く動く」
妹ちゃん「これほどのゲームを前にお預けをしなきゃいけないだなんて、お兄ちゃんは可哀想だなー」
妹ちゃん「……自業自得なんだから」
妹ちゃん「まあ、早く終わらせたらその分早くできるんだから、頑張りなよ」
妹ちゃん「……私もはやくお兄ちゃんとこのゲームで遊びたいしね」
妹ちゃん「……え? お風呂入らないつもりなの?」
妹ちゃん「いやいや、頭さっぱりするから入った方がいいよ」
妹ちゃん「ていうか夏場で一日でもお風呂に入らないでいられる神経がわかんない」
妹ちゃん「……ほら。やっぱりお兄ちゃん汗臭いし。入って。入るまでお兄ちゃんに触らないから」
妹ちゃん「はいはい、行ってらっしゃい」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……どれどれ」
妹ちゃん「……へえ、結構片付いてる。頑張ってるなぁ」
妹ちゃん「……間違いも多いけど、まあ過程は割にしっかりしてるし上出来でしょ」
妹ちゃん「お兄ちゃんは、やればできるんだから」
妹ちゃん「ふんふーん」
妹ちゃん「まだ湿ってるじゃん。ちょっと、こっち来て。ドライヤーかけるから」
妹ちゃん「はいはい。じっとしてて」
妹ちゃん「……よし、これで大丈夫」
妹ちゃん「湿ったままにしてるとハゲるんだからね。ハゲのお兄ちゃんなんて嫌だから」
妹ちゃん「そうやって無頓着な……身だしなみにも気を遣いなよ」
妹ちゃん「……それで、お風呂で頭はすっきりした? 頑張れそう?」
妹ちゃん「おー、お兄ちゃんやる気バッチリだね。うんうん」
妹ちゃん「よし、じゃあもう一踏ん張りだね」
妹ちゃん「……あー、お兄ちゃん今寝そうになってる」
妹ちゃん「今日は徹夜するつもりなんでしょ? ほらほら、頭上げて、背筋をしゃんとする!」
妹ちゃん「私も起きてる間は、お兄ちゃんの後ろから見てるからさ」
妹ちゃん「頑張ってね」
妹ちゃん「ファイト、ファイト~」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……♪」
妹ちゃん「……ぅ」
妹ちゃん「……は、寝てた……」
妹ちゃん「あ、掛け布団がかかってる……いつの間に……」
妹ちゃん「お兄ちゃんがかけてくれたの? ごめんね、ありがとう」
妹ちゃん「……お兄ちゃん?」
妹ちゃん「……寝てる……時間は……まあ普段夜更かししないし、頑張った方だよね」
妹ちゃん「……宿題は、うん、まあこんなもんかな」
妹ちゃん「でもお兄ちゃん寝てるし……このままだとちょっときついかも……」
妹ちゃん「んー……」
妹ちゃん「今回だけだからね……」
妹ちゃん「出来の良い妹がいることに感謝してよね」
妹ちゃん「全部はやらないからね。ちょっと無理のないくらいに片付けてあげるだけだからね」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……」
妹ちゃん「……おやすみなさい。お兄ちゃん」
年下には甘える風潮
元スレ
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最近だらしないけどもっとしっかりすれば恰好いいのになと独り言ちる妹ちゃん「はぁ……お兄ちゃん夏休みの宿題終わってないの?」
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コメント一覧 (12)
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- 2018年09月01日 18:17
- 最近だらしねえな♂
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- 2018年09月01日 21:19
- 姉バージョンはよ
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- 2018年09月01日 22:58
- 姉はもう出たな
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- 2018年09月02日 03:12
- 本文中の名前が短くなってやがる…!?
姉バージョンもあったんですか!?教えてください!!
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- 2018年09月02日 09:20
- いい目してんね、サボってんね?
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- 2018年09月02日 09:20
- ナウい息子♂
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- 2018年09月02日 12:38
- 全てチャンス!
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- 2018年09月02日 23:59
- イケメェ~ン?wイケメェ~ン?ww
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- 2018年09月03日 00:58
- 髪湿ってるとハゲるって嘘つくなよそんなw
嘘だよな?
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- 2018年09月03日 11:52
- ※9
仕方ないね
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- 2018年09月04日 04:28
- ※9
救いはないんですか?
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- 2018年09月04日 04:53
- ※11
救いだとォ?
そんなものはねぇ!
こんな時間まで起きてるからテメェの頭は滅びゆく草原、焼け野原になるんだよォッ!!