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【はねバド!】倉石「石澤! パターンB! クマさんだ!」/「肉まん」/綾乃「お父さん、モテ期だって」

倉石「石澤! パターンB! クマさんだ!」

34:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:08:28.45 ID:RXNMxkAFo

石澤「っ……!」


倉石「そうだ、良いぞ! その調子だ!」

倉石「拾え! もっと掬い上げるように、そうだ!」

倉石「シャケ! シャケ! シャケ! シャケ!」

倉石「チャンスだ! 両手を広げて大きく! おぉ――きくっ!」


石澤「がおー!」


…パシッ!


「げ、ゲーム! マッチワンバイ、石澤!」

「21ー3、21ー4、21ー1!」


倉石「よぉーしよしよし! 良いクマさんだった、石澤!」


石澤「……」



35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:12:02.63 ID:RXNMxkAFo

  ・  ・  ・

石澤「……」


『――惜しかったね』

『やっぱ強いよ、石澤は』


石澤「っ……!?」


『まあ、逗子総合だし……当然か』

『でもアイツ、言われた通りクマさんしてるだけじゃあ……』


石澤「……」



36:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:14:25.47 ID:RXNMxkAFo

石澤「……」


『ラリー中、指示通りクマさん出来るだけでも、凄いと思うよ』

『そうかもしんないけど……』


石澤「……」


『あんなうるさく言われてクマさんやったって、全然楽しくないよね』

『……』


石澤「……」



37:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:19:26.84 ID:RXNMxkAFo

   ・  ・  ・

石澤「っ……!」


倉石「石澤、ゴーゴーゴー! ゴォ――ゥ!」

倉石「どっしりと! そうだ、どっしりとだ!」

倉石「からのぉ、ダッシュ! ダーッシュ! ハリハリハリー!」

倉石「ゴー! クマさんゴー! 行け、石澤! クマさん!」


石澤「がおー!」


「9ー1」


倉石「オウケェェイ! もう一本! もう一本ハチミツ!」


石澤「……はぁ……はぁ」



38:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:24:50.21 ID:RXNMxkAFo

石澤「っ……!」


倉石「そうだ、良いぞ! 走らせろ! 走らせろ!」

倉石「浮いたぞ! チャンスだ、石澤!」

倉石「でんぐり返し! からのぉ、首かしげ!」

倉石「モタモタするな、立て! 早く立て、石澤!」

倉石「ゴー! 石澤、振り抜け! 行け行け行け――ッ!」


石澤「がおー!」


…パシッ!


「て、10-1」


倉石「その調子だ! 良いぞ、石澤! ナァーイス、クマさん!」


石澤「……はぁ……はぁ」



39:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:32:35.59 ID:RXNMxkAFo

石澤「っ……!」


倉石「石澤! 浮いたぞ、チャンスだ! ゴーゴーゴォ――ゥ!」

倉石「でんぐり返し! からのぉ――」

倉石「にゃん!?」

倉石「ノーノーノー! ノーだ、石澤!」

倉石「可愛いだろうが、石澤! 石澤ぁ――っ!」


石澤「にゃーん!///」


…パシイィッ!!


「いっ……11-1、インターバル!///」


倉石「……」


石澤「ハァ……ハァ……///」



40:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:36:16.67 ID:RXNMxkAFo

倉石「……」

石澤「ハァ……ハァ……///」

倉石「何故、ネコちゃんをやった?」

石澤「ハァ……ハァ……///」

倉石「指示通り、クマさんをやれないのか?」

石澤「ハァ……ハァ……///」


倉石「お前は、クマさん以外は可愛すぎる」


石澤「っ!///」ビクッ!

石澤「ハァ……ハァッ……!///」



41:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 21:44:59.31 ID:RXNMxkAFo

倉石「良いな、可愛いネコちゃんはやるな」

倉石「パターンB、クマさんだ、良いな?」

石澤「ハァ……ハァ……///」

倉石「反応がないと何の動物さんかわから……ない」

石澤「ハァ……ハァ……///」

倉石「……」


倉石「返事!!!」


石澤「はっ……///」ブルッ…

石澤「……///」ジワワ


倉石「石澤、返事」


石澤「……わ」

石澤「わんっ♡」



おわり






「肉まん」

44:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 22:08:48.51 ID:RXNMxkAFo


 才能。


 努力ではどうしようも無い事を人はこう呼ぶ。
 彼女達の事を語る上で、この言葉は避けて通れない。
 人が、彼女達を見る時は、才能に恵まれていると思うのだろう。


 バドミントンの才能。


 身体能力や、反射神経、その他諸々の、バドミントンに関する様々な要素。
 生まれながらにそれに秀でているのは、とても素晴らしい事なのかもしれない。
 才能を活かし、能力を伸ばし、自分の思い描くように、伸び伸びとプレーをするためには。


 ……けれど、それによって失われつつあるものも、ある。


 それは、彼女達の――母娘の、‘普通の’、当たり前の関係。
 家に帰って「ただいま」を言うと、「おかえり」と返ってくる。
 そんな、あえて触れるまでもない、
日常的なやりとりが失われたのは、バドミントンの才能があったから。
 ……いや、違う、そうじゃないな。


 彼女に、あの娘の‘普通の’母親でいる才能が無かったのだ。


 あまりにも大きすぎるバドミントンの才能に、母親としての才能がついてこられなかった。
 簡単に言ってしまえば、そういう事になるのだろう……残念ながら。


 だけど、彼女は娘を愛している。


 だから、彼女は出て行った。



45:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 22:42:22.74 ID:RXNMxkAFo


 試合で破れた時、いつでも甘えることが出来る存在は不要。


 これが、彼女が出ていった理由だ。
 母親に甘えたい時期の娘に対して、あまりに酷な話だろう。


 彼女が出ていった後の娘は、ひどい有様だった。
 だが、それも当然だろう。
 母親が、急に居なくなってしまったのだから。
 しかし、娘は、母親ではなく……自分を責めた。


 バドミントンで――試合で負けたから。


 ……と。
 母娘の関係よりも、バドミントンの存在が上に位置している。
 彼女と娘は、とても仲が良く、二人が笑っている姿は、理想的なものに見えた。
 だが、繋いだその手の反対には、常にラケットが握られていたのだ。


 バドミントンさえ無ければ。


 こう、何度思ったことだろうか。
 バドミントンさえ無ければ、今でも、普通の家族としてやっていたのかも知れない。
 そして、それは有り得ないと、すぐに首を振る。


 バドミントンなくして、彼女は彼女足り得ない。
 母親が存在しないのに、娘が存在出来るわけがない。


 勿論、娘にバドミントンをやらせないという道もあった。
 彼女の手にはラケットと、反対の手に、娘の手が。
 そして、娘の反対の手には、情けない父親の手が握られていたのかも知れない。
 でも、そうはならなかったし、誰だってそうしようとは思わないだろう。


 娘の球が、ネットを越えて彼女の元へ返った時の、あの二人の顔を見たら。



46:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/27(月) 23:29:57.24 ID:RXNMxkAFo


 彼女が出ていってから、娘はバドミントンにのめり込んでいった。
 シャトルのように飛ぶのではなく、ただ、深く……深く、沈み込むように。
 彼女が居た頃とは別人のように、淡々と、黙々と。
 娘は、そうする事で母親が帰ってくると信じていたのだ。


 その姿は、とても痛々しいものだった。


 だから、止めようとした。
 バドミントンは、もう辞めなさいと言おうとした。
 言おうとしたんだ……言おうとしたんだよ!
 そんなの、当たり前だろう!?


 ……でも、言えなかった。


 娘のためを思って家を出た、彼女の思い。
 母親を思って強くなろうとする、娘の思い。
 噛み合っていないようで、バドミントンを介してきっちりと噛み合っている。
 彼女達は、こういう形でしか、母娘としていられないとわかっていたから。


 子は、親に似る。


 娘は娘で、彼女の‘普通の’娘でいる才能が無かったのだ。


 どうして、こういう所ばかり似てしまったんだろう。
 背が低いとか、そういう所ばかり……。
 いや、それは今考えても、仕方のない事だ。
 だって、もうそろそろ――


「ゲーム! マッチワンバイ、神藤!」


 ――娘が、ここへ来るから。
 おめでとうは、笑って言ってやりたいじゃないか。



48:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 11:14:57.59 ID:KCt0T8Luo

  ・  ・  ・

「おめでとう、綾乃。凄いじゃないか」


 僕は、バドミントンにはあまり詳しくない。
 けれど、周囲の人間は綾乃はとても強いと評価しているし、
この子自身もまた、有千夏がそうであれと思った通り、強くあろうとしている。
 現に、綾乃は圧倒的な点差をつけて、決勝戦まで勝ち上がってきた。


「うん」


 だと言うのに、この子の顔には以前のような笑顔はない。
 勝利すると言う作業をこなしているだけに、僕には見える。
 機械的に体を動かし、無機物のように感情を見せることも無い。
 以前のこの子とは、まるで別人のようだ。


「決勝戦の相手の子は、とても強いらしいよ」


 僕は、バドミントンにはあまり詳しくない。
 そりゃ、見ていてわからないという程では無いけどもね。
 それでも、彼女達に比べれば、知っていると言うのすらおこがましい。


「どうせ勝つから」


 だけど、それで良かった。


「そうかぁ……」


 そうじゃなかったら、



「じゃあ、帰ろうか」



 こんな事、言えやしないだろうからね。



49:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 12:05:59.32 ID:KCt0T8Luo

  ・  ・  ・

「……」


 決勝戦は辞退させる。
 居なくなった有千夏に代わり、綾乃のコーチをしている人に、そう告げてきた。
 あと一勝すれば、なんて色々と言われたけど、それでも強引に。
 競技者として、バドミントン選手として、その先の結果はとても価値があるものなのかも知れない。


「……」


 有千夏と綾乃の間には、僕が割って入る隙間も無い、
バドミントンでの、深い繋がりが存在している。
 入っていけない愛情の形が、この母娘の間にあるんだ。
 それを寂しいと思ったことは、まあ、当然あるよ。


「……」


 だけどさ、そんなの、当たり前の事だと思うんだ。
 男親が、母と娘の繋がりに入れない所があるなんて、どの家庭だって同じじゃないかな。


 有千夏と綾乃の関係は、‘普通の’ものじゃない。


 でも、それで良いと思うんだ。


 当たり前の事が、当たり前に出来なくたって良い。
 それを受け入れて、それから、どうするか一緒に考えていけば良い。
 どんな才能が有るとか無いとか、そんなものは、一切関係無い。


 だって、家族なんだから。


「コンビニ、寄って帰ろうか」


 気の抜けた表情で隣を歩く綾乃に言う。
 ただ、頷きだけが返ってきた。



50:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 12:56:56.99 ID:KCt0T8Luo

  ・  ・  ・

「冷めないうちに、食べようか」


 コンビニを出て、袋を漁りながら言う。
 すぐ食べるから袋は大丈夫、って言おうとしたけど間に合わなかったんだよね。


「……なんで?」


 綾乃が、小さな、消え入りそうな声で言った。
 質問の意図は、わかる。
 この子は、どうして「帰ろう」と言ったのかを聞いているんだろう。
 理由は色々とあるけど……一言で言うなら、僕が父親だからだ。


 父親だったら、母親の教育方針に口出しする権利はある。


 親としてのキャリアは、僕も彼女も全く同じなんだ。
 だから、僕がああ言ったことも、
綾乃がそれに従ったのも、有千夏は怒ったりはしないと思うよ。
 ……なんでわかるかって?


 だって、彼女は僕の奥さんだもの。


 勿論、本当は、三人一緒が良かったんだけどね。
 僕が、君達二人の、バドミントンの才能に及ばなかった結果が、この現状だ。


 でもね、諦めるつもりは無いよ。


「う~ん……熱ちちっ!」


 家族全員で、笑ってる未来を。


 さっきの質問の答えだけど、食べ終わってからにしようか。
 それからでも、遅くはないだろうから。



おわり






綾乃「お父さん、モテ期だって」

52:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:20:39.89 ID:KCt0T8Luo

有千夏「……ん?」

綾乃『それじゃあね』

有千夏「待って、綾乃」

有千夏「待っ――……」

有千夏「……」


フレ女一同「……?」

コニー「ママ……?」


有千夏「おうち帰る」


一同「!?」



53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:23:57.40 ID:KCt0T8Luo

コニー「ママ!? 急に何言い出すの!?」

有千夏「おうち帰る」

唯華「一体、何が……?」


有千夏「心太朗さん、モテ期」

有千夏「私、おうち帰る」


コニー・唯華「……はあ?」


有千夏「帰るううう! おうち帰るううう!」


一同「っ!?」



54:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:31:05.78 ID:KCt0T8Luo

コニー「どうしてそうなるの!?」

有千夏「心太朗さんがモテ期だからよ!」

唯華「旦那さん、モテ期なんですか?」

有千夏「そうよ! だから、今すぐ帰らないと!」


有千夏「モテ期って、モテモテって事でしょう!?」

有千夏「心太朗さん、取られちゃう!」

有千夏「だから、私、おうち帰る!」


唯華「もう遅いかも知れませんけどね」


有千夏「ふぬぐあああああ!?」


コニー「ちょっと唯華! ママで遊ばないで!」

唯華「ごめん、つい」



55:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:37:30.47 ID:KCt0T8Luo

コニー「だっ、大丈夫よママ!」

有千夏「本当に!? 本当に、そう思う!?」オロオロ!

コニー「勿論よ! だって、ママのダーリンでしょ!」

有千夏「そう……そうね! そうよね!」


有千夏「心太朗さん、私のダーリンだもんね!」

有千夏「浮気なんか、するはずない!」

有千夏「モテ期だからって、平気よね!」


唯華「でも、強引に言い寄られたら?」


有千夏「心太朗さあああああん!?」


コニー「唯華! 唯華――ッ!」

唯華「ごめんごめん」



56:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:44:45.59 ID:KCt0T8Luo

コニー「とにかく落ち着いて、ママ!」

有千夏「無理! 無理よ、そんなの! 帰る!」

コニー「帰ってどうするの!?」

有千夏「そんなの、決まってるでしょ!」


有千夏「まず、言い寄る女の前に立ちはだかるわ!」

有千夏「心太朗さんは、私が守る!」

有千夏「ネット際の攻防になっても、絶対勝つ!」


唯華「既に、ベッド際の攻防かも知れませんよね」


有千夏「ひぎいいやああああ!?」


コニー「ママ!? 唯華、もうやめてあげて!」

唯華「ごめん、楽しくなってきちゃった」



57:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:53:45.66 ID:KCt0T8Luo

コニー「そうだ! 電話! 電話するのよ、ママ!」

有千夏「携帯、今持って無い!」

コニー「私の貸すから! 番号わかる!?」

有千夏「わかる! コニー、頼れる娘だわアンタ!」


有千夏「心太朗さん……心太朗さん……!」

有千夏「嘘と言って、心太朗さん……!」

有千夏「なんで……なんで出てくれないの……!?」


唯華「あー、これは」


有千夏「おおおいいしょおおおおい!」

ガツァンッ!


コニー「私の携帯――っ! 唯華――っ!?」

唯華「ごめんごめん、ね?」



58:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 13:59:04.73 ID:KCt0T8Luo

コニー「モテ期っていうのも、冗談かも知れないじゃない!」

有千夏「えっ!?」

コニー「綾乃が、ちょっと意地悪しただけかも!」

有千夏「あっ、綾乃が!? なっ、なるほど!?」


有千夏「そっ……そうよね!?」

有千夏「この歳になってモテ期って……無いわよね!?」

有千夏「もっ、もう! 綾乃ったら!」


唯華「だと良いですね」


有千夏「やなのおおおお! 心太朗さあああああん!」


コニー「唯華! いい加減、ママで遊ばないで!」

唯華「……はいはい、わかったわよ」



59:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:03:12.94 ID:KCt0T8Luo

唯華「旦那さんって、どんな人なんですか?」

有千夏「素敵!」

唯華「具体的には?」

有千夏「具体的に!?」


有千夏「私と結婚したのよ!? 私と!」

有千夏「その意味が、わかるでしょう!?」

有千夏「わかれ! 小娘!」


唯華「じゃあ、モテても不思議じゃないですね」


有千夏「はあっ、あっ、あああああ!?」ガタガタ!


コニー「唯華!? なんで追い打ちをかけたの!?」

唯華「ごめんね、小娘って言われてイラッとして」



60:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:09:57.56 ID:KCt0T8Luo

唯華「でも、旦那さんは貴女を選んだんですよね」

有千夏「っ! そう! そうなの!」

唯華「プロポーズの時とか、どんな感じだったんですか?」

有千夏「ぷっ、プロポーズの時?」


有千夏「え、っと……ちょっと、もう!///」

有千夏「うっふふっ、えー?///」モジモジ

有千夏「知りたい?/// 聞きたい?///」ウズウズッ


唯華「その思い出があれば、耐えられますね」


有千夏「何に耐えろって言うのよおおおお!?」


コニー「聞いてあげてよ! 何なの!?」

唯華「ごめんね、もう本当にイラッとして」



61:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:15:28.13 ID:KCt0T8Luo

唯華「旦那さんって、格好良いんですか?」

有千夏「世界一格好良いわよ!」

唯華「写真とか、持ってたりします?」


有千夏「当たり前でしょう! ほら、帽子の裏に!」

カポッ!


一同「……」


有千夏「ほら、格好良い!」

有千夏「今までモテ期が来なかったのが、不思議なくらい!」


一同「……」


有千夏「何、この空気」



62:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:22:55.45 ID:KCt0T8Luo

コニー「……ママ、怒らないで聞いて」

有千夏「何よ、コニー。急に改まって」

唯華「冴えないおじさんですね」

有千夏「コニ――ッ!! こっここ、コニィャァ――ッ!!」カーッ!

コニー「私じゃない! 私が言ったんじゃないって、ママ!」

唯華「でも、優しそうですね」

有千夏「そう! そうなの! 誰にでも優しいの!」

有千夏「誰にでも……」


有千夏「誰にでもおおおおお! 心太朗さあああああん!」


コニー「んんんん!」

唯華「ごめん、ちょっと誘導した」



63:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:36:08.05 ID:KCt0T8Luo

有千夏「帰る! おうち帰る!」

コニー「落ち着いてママ! どうして靴紐結び直してるの!?」

有千夏「……コニー、アンタには見せたことなかったね」

コニー「えっ?」

有千夏「私の、本気の走りをさ」

コニー「走って帰るつもりだったの!?」

唯華「無理しない方が良いですよ、若くないんですから」

唯華「それに、もう遅いですし」


有千夏「遅くない! 遅くないもん間に合うもん!」


コニー「ママ! さすがに語尾に『もん』は!」

唯華「コニーのママ、楽しい人だね」



64:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:45:48.06 ID:KCt0T8Luo

唯華「もう一回、電話してみたら良いんじゃないですか」

有千夏「それで、何かが変わるとは思えない」

コニー「いや、電話が通じたら変わるよ!?」

有千夏「どいて、コニー」

…グッ

コニー「ママ!? くっ……クラウチングスタート!?」

有千夏「吹き飛ばされたくなかったら、そこをどきなさい」


唯華「あ、旦那さんに電話通じましたよ」


有千夏「!?」


唯華「私の携帯、壊さないでくださいね」

コニー「唯華! ナイス!」



65:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:52:15.49 ID:KCt0T8Luo

コニー「でも、どうして番号がわかったの?」

唯華「コニーの電話を使う時、指の動きを見てたから」

コニー「何その特技!?」

唯華「ほら、だって私、主将だから」

コニー「……!?」


有千夏「し……心太朗さん?」

有千夏「えっ!? え、ええと……そのね?」

有千夏「きゅ、急に声が聞きたくなっちゃって……かな」

有千夏「やっ……やだもうっ!/// も~うっ!///」クネクネッ!


コニー「あんなママ……見たこと無い……」

唯華「見たいものでも無いと思うけど」



66:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 14:59:26.72 ID:KCt0T8Luo

有千夏「ええっ!?/// で、でもぉ~……」チラチラッ


フレ女一同「……」


有千夏「うぅん、もう!/// 心太朗さんったら!///」

有千夏「あ・い・し・て・る///」

有千夏「うん……うん……それじゃあね///」

有千夏「はーい、おやすみなさい///」


フレ女一同「……」


有千夏「……何?」



67:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 15:04:32.18 ID:KCt0T8Luo

有千夏「コニー」

コニー「なっ、何!?」ビクッ!

有千夏「綾乃が、アンタに宜しくって」

コニー「やっぱり綾乃、怒って……」


コニー「――って、ねえ、待ってママ」


有千夏「ふふっ……笑っちゃうよ……」

有千夏「あの子、本気で私と戦いたいんだと」ンーッ!


コニー「何、しれっと幕間感出してるの!?」



68:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 15:13:24.15 ID:KCt0T8Luo

有千夏「心配ないよ――っ!」パタパタ!

有千夏「これは私も望んだことだから――っ!」パタパタ!

コニー「ママ!? リボンがパタパタしてるよ!?」

有千夏「あの子が立派に成長しているんだと……うふふっ!」パタパタ!

有千夏「受け取っておくよっ」パタパタ!


唯華「喜んでる所、すみません」

唯華「モテ期の話、何も解決してませんけど」


有千夏「……」パタ…パタ…

有千夏「嫌な子だね」…ピタッ

有千夏「人の心を覗くのはコートの中だけにしときな」


唯華「見ればわかりますから」



69:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/28(火) 15:21:46.98 ID:KCt0T8Luo

唯華「とにかく、あまり騒ぎは起こさないでくださいね」

有千夏「ふうん? もし、起こしたら?」


唯華「旦那さんに言いつけます」


有千夏「……」

有千夏「!? 心太朗さんに!?」

有千夏「どうやっ……あっ、番号!」


唯華「……」ニコリ!


有千夏「っ……!?」

有千夏「……」


有千夏「おうち帰りたい」



おわり



元スレ
倉石「石澤! SからE! そしてXだ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535023266/
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         コメント一覧 (9)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 19:32
          • 志波姫さんで草
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 19:49
          • はねバド!SSはこの人だけで支えていると言っても過言ではないかもしれない
            肉まんだけおかしくないのがおかしくない?
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 21:00
          • 倉石と石澤ちゃんは純愛という風潮
            いいかもしれない
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 21:01
          • 倉石コーチと石澤は純愛

            異論は無いね?
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 21:23
          • アニメの空気と雲泥の差で草
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月28日 22:20
          • 倉石コーチと石澤ちゃん本当好き
            薄い本出てほしい
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年08月29日 16:48
          • 肉まんからの心太朗モテ期の落差に草
            老舗和菓子店の大旦那だからモテても不思議じゃないよね!
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年09月05日 12:27
          • 母親じゃなければ完璧だった人
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年09月09日 20:29
          • くまさん大好き

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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        • 友「お前の彼女ってサバサバ系なんだって?」男(ていうかサバなんだけどね……)
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