山岡「こんなの二郎系とはよべないね。出来損ないだ。」
山岡「盛りのインパクトが弱い上に味が薄い。野菜どーんなんてどこでもやっている。これじゃただの豚のエサだ。ニンニクも野菜の下に埋もれてる。二郎を馬鹿にしてるよ。」
店主「このやろう言わせておけば」
栗田「そ、そうよ山岡さん!野菜山盛りで味付けも死ぬほど濃いわよ?これこそ二郎じゃないの?ニンニクだって」
店主「ぐぅ」
栗田「!?死ぬレベルですって!?それと比べちゃうと確かに食べやすいわね」
山岡「明日またここにきてください。本物の二朗をごちそうしますよ」
部長「どうしたのかね栗田さん」
栗田「いえ、昨日こういう事があって」
部長「ふぅむ。確かに二朗系とよばれる店舗が点在している世の中だが、本物の二朗というのは興味をそそるな」
栗田(私はもうこりごりなんだけどなあ)
明らかに体に悪いのに受けている二郎系をどう描くのかなって興味はある
大原「ワシも来たぞ。うまい二朗食べさせろ」
山岡「なんでご老人まで……二朗は身体に触りますよ」
大原「ぐぬぬこやつまたもワシを馬鹿にしおって」
部長「私もご一緒させてもらうよ」
店主「おいいい加減はやく食わせろよ」
栗田(はぁもうほんと食欲うせるのよねぇ)
山岡「さて、栗田さんも手伝ってくれ」
栗田「え、ああはい!」
山岡「まずは、メニューの確認からだ。今回は豚そば(中)のみだけどな」
山岡「とにかく無愛想に、答えられなければ再度確認してくれ」
栗田「確認って?」
山岡「ニンニク入れますか?とだけ聞いてくれ。素人はふるい落とせる」
大原「ああ、頼むよ」
山岡「もう一度」
栗田「ニンニクいれますか?」
大原「ああ、いれるってしつこいな」
山岡「よしもうシカトしてくれ」
栗田「ニンニクいれますか?」
部長「野菜ニンニク少なめで」
山岡「………」
栗田(シカトだなんて山岡さんどうしちゃったのよ)
山岡「おまち」ドンッッ!
大原「うひょお!これはうまそうじゃ!」
栗田「すごいっ!野菜の盛りの上に油の塊がコレでもかってくらいのってて、ニンニクも野菜の山の隣で小さな山を作っているわ!これが山岡さんがいっていたインパクトなのね!」
大原「ほっほー!食欲のそそる双子山だわい!」
店主「………」
部長「ほほう!こうも見事に野菜が栄えるとはねえ。油がみごとに調和しとても美しく下品だ。本当に食欲をそそる!」
店主「ちっ。見た目なんかどうでもいーだろ。味だろ重要なのは」
山岡「お客さんいってみますか。ニンニクいれますか?」
店主「………」
店主「……野菜ましニンニク油カラメ」
山岡「……ニッコリ」
部長「これはまた見事。早く食べたいね。よっと(天地返し)」
栗田「ええっ!?今のなんですか?」
部長「ふふこれでも昔はジロリアンでね。八王子でロッターとしてならしたもんさ」
栗田「部長かっこいい!」
部長「はははそうかね」
山岡「うん、天地返しだね。二郎はその特性上、時間がたつにつれ麺が伸びつらくなる。それを少しでも遅らせる技で、野菜と麺をひっくり返し麺を避難させるのさ」
栗田「見た目だけでなくちゃんと実用的なのね!」
山岡「はいよ」ドンッッ!
店主「………」
大原「な、なんじゃあ!これは!?」
部長「ふむ流石は増した二郎だ。こうまで暴力的な見た目はそうはないよ」
栗田(でも、どうみても豚のエサよ?一体どうしたの!?山岡さん!!)
大原「!!」
大原「う、うまい。なんだこのスープは!」
大原「明らかに濃すぎなスープを麺がすいとり、ダイレクトに脳みそを痺れさせるようだ!」
部長「なんてうま味なんだ………後半戦は明らかに飽きが来るが、その後悔を帳消しにするほどの一口目………スープがちょうどよく乳化して麻薬のような旨味を実現している……」
店主「………」
大原「化学調味料だとぉ!?」
部長「化学調味料とは……大丈夫なのかい山岡くん」
大原「高血圧なワシを殺す気か!?お前はクビだ!」
大原「なにを!!」
部長「まあまあ社主。話を聞きましょう」
栗田「化学調味料っていったいなんなの?」
山岡「やれやれ。化学調味料といっても、日常普通に生活していれば避けて通ることなんて出来ないんですよ」
山岡「確かに体にいいとは言えない」
山岡「だが、体にいいものだけを食べるというのも健全とはいい難い」
山岡「栄養もくらう。毒もくらう。そのくらいの寛容さが食には必要なのさ」
店主「…………」
大原「………うむ」
大原「言ってることはわかる」
大原「しかし、これは明らかに体にとても悪い。それはどう説明するのだ?」
山岡「……大原社主。コレを一口食べたときどんな感情でしたか?」
部長「私もそれは感じたね」
山岡「その感覚だけで充分なのでは?」
部長「……というと?」
山岡「食べ物を食べて幸せになる。二郎には普通の食べ物では到底たどり着けない幸福感を秘めている。」
山岡「それをノーリスクで食そうとする方が都合がいいのではないでしょうか」
大原「…………」
部長「…………」
山岡「店主さん。あなたは元々ジロリアンなのでは?注文も食べる順序も理にかなっていた」
栗田「食べる順序?」
山岡「ああ、野菜を後回しにして肉、麺を食べる方法さ。肉は後半飽きてきたときにとても入らない。麺は伸びる。だから先に潰すのが定石だ」
栗田「ええ!?そうだったのね!なのになぜあんなゴミみたいなまがい物を!?」
店主「最初は真面目にやってたさ。だが、世は女性をメインターゲットにしないと儲からないんだ。」
店主「気がつけば味は薄く、盛りはインパクトにかけ、乳化もできないレベルに落ち込んでいた。だが一番悪いのは劣化に気がつけなかったこの俺だ。」
店主「うまい二朗をありがとう。また1から出直すよ」
山岡「あなたは元々凄いジロリアンだ。きっと出来ますよ」
大原「おお、あなたの二朗楽しみにしてますよ」
栗田「山岡さーん!まってー!」
山岡「ん?」
栗田「置いていくなんてひどいわ!」
山岡「ああ、すまん」
栗田「………」
山岡「………」
山岡「どこか口直しでもするか?」
栗田「ぜひ。でもニンニクの無いところにしましょ!」
山岡「はははそうだな」
~end~
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コメント一覧 (20)
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- 2018年07月18日 22:27
- 雄山「くだらん! 私に豚のエサを喰わせるな! 見ろ! 血圧が上がってしまったではないか!」つ血圧計
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- 2018年07月18日 22:32
- 割とうまいことまとまってる感
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- 2018年07月18日 22:38
- どっちも豚のエサだわw
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- 2018年07月18日 22:42
- 割と山岡は言いそう
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- 2018年07月18日 22:47
- 勇次郎のセリフ入れたかったんだろうが寛容じゃなくて肝要な
合わせて食らう度量が食には肝要だ
やで
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- 2018年07月18日 22:47
- 食ったが、味の濃さと油っぷりなら新潟県のラーメンの方が上と感じた
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- 2018年07月18日 22:55
- 二朗じゃねえよ二郎だろ
それとも架空の話にするために、わざとなのか?
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- 2018年07月18日 22:58
- 一番化調に過剰反応してるくせに過剰反応しすぎを指摘するとこで大草原
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- 2018年07月18日 22:58
- 麺マッチョが異常だっただけだ。みてみろ新潟二郎ができた途端に潰れたじゃないか
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- 2018年07月18日 23:07
- 化調料を敵視する極北なのにw
買ってはいけないよりも前からカルト垂れ流してた池沼の大家やぞ
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- 2018年07月18日 23:09
- 挿絵欲しいな
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- 2018年07月19日 00:49
- いきなり勇次郎の良いも悪いも食すセリフをぶちこんできたのはわろたわ。
評価したい。
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- 2018年07月19日 01:27
- 正直勇次郎のあの台詞は美味しんぼのどの名台詞・名シーンより上だと思う(異論は認める)
地上最強生物録オーガはよ連載しろ。
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- 2018年07月19日 02:58
- ラーメン三銃士を連れてきたよ
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- 2018年07月19日 03:55
- 全方位に皮肉っていくスタイル、嫌いじゃないよ
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- 2018年07月19日 08:16
- 肝要 物事の一番大切な事。
寛容 心が広い、他人の欠点を責めない。
…合ってない?
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- 2018年07月19日 10:46
- 栗田ぐう畜成分マシマシでわろた
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- 2018年07月19日 10:51
- ジロリアンって店名の二郎パクり店が会社の近所にできた
インスパイアって言い訳すらする気無い
さすがに評判悪くてつぶれたわ
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- 2018年07月20日 20:48
- ※16
合ってるよ。※5が勇次郎のセリフだ!間違ってる!ってオタ特有の脊髄反射しただけ
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- 2018年07月24日 12:37
- 山岡さんが化学調味料に寛容なこと言ってる辺り、原作を痛烈にdisってるようにも感じる。