小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○ー! ○○ー?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……あ、○○!!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「なんで勝手にどこかいくの!? びっくりするでしょ!!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「こっちきて!! はやく!!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「手! ほらぁ、手!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……まったくもう、奥さまから離れるなんて、悪いだんな様でしゅね~。ねえ、フランソワ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そうだよ、ひどいよ。○○お父さまのバカ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「おトイレならしょうがないよ。でも、それならそうと言ってほしいよ。だってびっくりするもん」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「だってさ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……お母さまを寂しがらせてはだめよ? ○○お父さま?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そうそう。素直にそう謝るのなら、ゆるしてあげる」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「いいよね? フランソワ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「もちろんだよ! お母さま、お父さま!l
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ふふふ。さあ、行きましょう。まだご飯のとちゅうなんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「はやく戻らないと、みんなのご飯が冷えてしまうわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あ、いた! ○○!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「今日はお外で遊びましょう?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワがね、きれいなお花見つけたんだって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○お父さまにも見せてあげたいんだって、ね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「お父さま! はやくいこうよ!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ん? どうしたの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「え? 図鑑をもっていくの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○は勉強熱心ね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ねー? フランソワ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「お父さまったら! 勉強に夢中で、家族をおろそかにしないでよね!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「仕事にかまけて奥さまをほったらかすなんて、だめなんだからね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……離婚の危機だよ! お父さま!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……わかってるのなら、いいけれど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あ、いた! ○○ー!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○、勉強を教えてほしいの」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……べつに家庭教師から逃げたんじゃないわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そもそも、あの人より○○の方が頭いいもん」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○の方がやさしく教えてくれるもん」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ね? ○○。いいでしょ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○が怒られるのは嫌だけど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……でも」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……だって、あの人、フランソワを私から取り上げようとするんだもの」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワは私のむすめで」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「かたときも離れたらいけないのに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「でも、あの人、子供みたいなことはやめろって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワが、かわいそうよ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○が、フランソワを見ててくれるの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ううん。○○なら安心。○○はフランソワのお父さまだもの」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……でも」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ううん、なんでもない」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「わかった……ちゃんと授業うける……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワとおそろいのリボン?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私が寂しくならないようにって?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……別に、寂しくならないわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……でも、そうね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワが寂しがるものね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ありがとうね。○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ふふふ、似合うでしょ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……あ、○○……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あのね、お、お兄さまが、私に、いじわるしてきて」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワを、庭の池に落としちゃって、ひっく」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「急いで、拾ったんだけど、フランソワ、汚れちゃって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ひっく……うえ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……みっともない真似は、やめろって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私、私……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……? な、なに、してるの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……フランソワ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……よかったね……フランソワ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ありがとう」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○はなんでもできちゃうんだね……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そんなことある! すごいよ、○○……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○は私の自慢の従者だね!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あ、ううん、私の、自慢のだんな様で、フランソワのお父さまだったわね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○お父さま! ありがとうね! 大好き!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……だってさ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……別に、あの人たちのことは嫌いにならないわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……あっちが、どうだかしらないけれど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……でも、○○がそう言うのなら、いいわ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……もっと撫でていて」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私、傷心なんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「こっちこっち! 全くもう、息が詰まっちゃうわ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「社交界だなんて、やってられないわよ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○も、そう思うでしょ? ね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「もう、年寄りとか、高慢ちきとか、ああ、うざったい!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あんなの、権威にしがみつく年寄りのためのパフォーマンスじゃないの!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「この貧乏な国で、そんなことをしている余裕なんて無いのにね……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ね? ○○だって、そう思うでしょ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……いいのよ。もう、傍から見てたらバカなんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○? 確かに、お父さまはあなたの主君だけど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「一番大事にすべき人物が誰か、忘れてないわよね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ふふふ。そう、分かっていればいいのよ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ねえ、○○?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私、ああいう虚飾にはうんざりしてしまうけれど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「装飾品に無関心なわけではないのよ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「今の私に何か、言うことはない?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そういうお決まりの言葉ではなくて」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あなたらしい言葉はないのかしら?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「幼少からずっと私に付き従ってきたあなたの言葉が、それ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私がそれで満足できると思って?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ご、ごめんなさい。困らせるようなことを言ってしまって……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「でも、言ってみるものだわ。堅物のあなたから、そんな言葉を聞き出せるだなんて」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ふふ、ふふふ……ああ、なんていい気分なのかしら」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「フランソワにもあなたの言葉を聞かせてあげないとね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ほら、戻りましょう」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あなたのおかげで、気分が晴れてしまったわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「昔から、いっつもそう。あなたが王子様だったら、良かったのに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……手を」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……せめて、あの場に戻るまでは」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私を、エスコートしていてちょうだい」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「なんであちらも、そんなのを了承してしまったのかしら」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私が美しいからかしらね? ねえ、フランソワ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ふふふ、そうだ。聞いてよ、フランソワ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○がね? 私のことを、可愛いだって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「顔を赤くして言ってたのよ? あの人には、恥ずかしかったのね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「綺麗じゃなくて、可愛い、よ? きっと、本心からの言葉なんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あの朴念仁がそう言ったのだもの。可愛い。可愛いだって。ふふふ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そんなに可愛いんだったら、私を略奪してくれてもいいのにね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ふふふ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私はもうすぐ、見知らぬ国へ一人で嫁ぐのよ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そんな私に、餞別の言葉とか、ないの? ○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○は、あほんだらね」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「子供のころには、将来を誓い合った仲だったはずなのに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私たちの子供まで作っていたのに……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……フランソワはあなたが持っていて」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そうして、フランソワを見るたびに、私を思い出すといいわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……冗談よ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「娘は私が連れていきます」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……あなたは私の従者で、私はこの国の姫だものね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「身分は、わきまえないといけないものね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……何か言いたいこと、ある?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そう」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あなたは私とずっと一緒にいてくれた」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「みんなは、いつも難しいことでギスギスしてて……あなたが私の相手をしてくれた」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私が嫁いで何になるのかしらね?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……この国から出て……それで……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私は、どうすればいいのかしら……?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「子供のころは、わからないなりに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「幸せになれると、思っていたのだけれど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……今はもう、よくわからないわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……思っていたのと、違っているような気がして」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……どうしたの? こんな夜更けに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……外のみんな、どうしたの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……なんだか、騒がしいわ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……逃げる? ○○と?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……どこに?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……一体どうしたっていうの……?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……なんだか、怖いわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……どこに、行くの?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……あなたが、そう言うのなら」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私は、何も言わないけれど」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○、大丈夫?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そう」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……いえ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……フランソワを、置いてきてしまったわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○……? ○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「どうしたの? ○○?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……汗だらけで、それに酷い熱よ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……なに、この傷は」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……血が、血が、流れているわ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「でも、どうやって……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……だ、誰か……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「止血をしないと、いけないわ。ねえ、○○……聞こえてたら……やり方を……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「だ、大丈夫よ……私だって……やれば……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ほ、包帯は、見つけたわ。これを、巻けば……いい、のよね……?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ひとまず、休めそうな場所があったわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ほら、私におぶさって」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「だ、大丈夫よ……私だって……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「うう、く……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……はぁ……はぁ……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○、○○……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「ど、どうしたら……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「血が止まらないわ……それに、○○の体温がどんどん低くなって……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「包帯だって、巻いてるのに……どうしたら、ねえ、○○、○○!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「しっかりして! ねえ、○○!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「お願いだから……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「どうしてこうなったのか、事情が全然わからないの……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……わからないの」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……ねえ、○○? ○○……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……起きてよ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○? 気が付いたの……?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……大丈夫よ。誰も追ってなんていないから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そんなこと、心配しなくたっていいのよ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「大丈夫……大丈夫だから……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……それより、あなたが元気でいなくちゃ、いけないわ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……○○……○○?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「しっかりしてよ……駄目よ……○○……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「駄目……○○は凄いんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「駄目だって……駄目だったら!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○! ○○!」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……どうして?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……どうして」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……私、○○のことが好きなの」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○が、王子様だったらよかったのに」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「そうすれば、○○と結婚できるでしょ?」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「おままごとじゃなくて、本当に」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○と結婚して、子供を作って、暖かい家庭で……」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あなたは、ずっと私と一緒よ」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「……そうでしょ? ○○」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「私、あなたのことが、本当に好きなんだから」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「小さいころから、きっとこれからも」
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「あなたのことが、ずっと好きよ」
バッドエンドは好きじゃないが書く分にはそうでもないという
小さいころからずっと一緒のお姫ちゃん「○○ー! ○○ー?」
お姫ちゃん「……あ、○○!!」
お姫ちゃん「なんで勝手にどこかいくの!? びっくりするでしょ!!」
お姫ちゃん「こっちきて!! はやく!!」
お姫ちゃん「手! ほらぁ、手!」
お姫ちゃん「……まったくもう、奥さまから離れるなんて、悪いだんな様でしゅね~。ねえ、フランソワ?」
お姫ちゃん「そうだよ、ひどいよ。○○お父さまのバカ」
お姫ちゃん「おトイレならしょうがないよ。でも、それならそうと言ってほしいよ。だってびっくりするもん」
お姫ちゃん「だってさ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……お母さまを寂しがらせてはだめよ? ○○お父さま?」
お姫ちゃん「……そうそう。素直にそう謝るのなら、ゆるしてあげる」
お姫ちゃん「いいよね? フランソワ?」
お姫ちゃん「もちろんだよ! お母さま、お父さま!l
お姫ちゃん「……ふふふ。さあ、行きましょう。まだご飯のとちゅうなんだから」
お姫ちゃん「はやく戻らないと、みんなのご飯が冷えてしまうわ」
お姫ちゃん「あ、いた! ○○!」
お姫ちゃん「今日はお外で遊びましょう?」
お姫ちゃん「フランソワがね、きれいなお花見つけたんだって」
お姫ちゃん「○○お父さまにも見せてあげたいんだって、ね?」
お姫ちゃん「お父さま! はやくいこうよ!」
お姫ちゃん「ね?」
お姫ちゃん「……ん? どうしたの?」
お姫ちゃん「え? 図鑑をもっていくの?」
お姫ちゃん「……○○は勉強熱心ね」
お姫ちゃん「……ねー? フランソワ」
お姫ちゃん「お父さまったら! 勉強に夢中で、家族をおろそかにしないでよね!」
お姫ちゃん「仕事にかまけて奥さまをほったらかすなんて、だめなんだからね」
お姫ちゃん「……離婚の危機だよ! お父さま!」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……わかってるのなら、いいけれど」
お姫ちゃん「あ、いた! ○○ー!」
お姫ちゃん「○○、勉強を教えてほしいの」
お姫ちゃん「……べつに家庭教師から逃げたんじゃないわ」
お姫ちゃん「そもそも、あの人より○○の方が頭いいもん」
お姫ちゃん「○○の方がやさしく教えてくれるもん」
お姫ちゃん「ね? ○○。いいでしょ?」
お姫ちゃん「……○○が怒られるのは嫌だけど」
お姫ちゃん「……でも」
お姫ちゃん「……だって、あの人、フランソワを私から取り上げようとするんだもの」
お姫ちゃん「フランソワは私のむすめで」
お姫ちゃん「かたときも離れたらいけないのに」
お姫ちゃん「でも、あの人、子供みたいなことはやめろって」
お姫ちゃん「フランソワが、かわいそうよ……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……○○が、フランソワを見ててくれるの?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「ううん。○○なら安心。○○はフランソワのお父さまだもの」
お姫ちゃん「……でも」
お姫ちゃん「……ううん、なんでもない」
お姫ちゃん「わかった……ちゃんと授業うける……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「フランソワとおそろいのリボン?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……私が寂しくならないようにって?」
お姫ちゃん「……別に、寂しくならないわ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……でも、そうね」
お姫ちゃん「フランソワが寂しがるものね」
お姫ちゃん「ありがとうね。○○」
お姫ちゃん「……ふふふ、似合うでしょ?」
お姫ちゃん「……あ、○○……」
お姫ちゃん「あのね、お、お兄さまが、私に、いじわるしてきて」
お姫ちゃん「フランソワを、庭の池に落としちゃって、ひっく」
お姫ちゃん「急いで、拾ったんだけど、フランソワ、汚れちゃって」
お姫ちゃん「ひっく……うえ……」
お姫ちゃん「……みっともない真似は、やめろって」
お姫ちゃん「私、私……」
お姫ちゃん「……? な、なに、してるの?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……フランソワ」
お姫ちゃん「……よかったね……フランソワ」
お姫ちゃん「……ありがとう」
お姫ちゃん「○○はなんでもできちゃうんだね……」
お姫ちゃん「そんなことある! すごいよ、○○……」
お姫ちゃん「○○は私の自慢の従者だね!」
お姫ちゃん「あ、ううん、私の、自慢のだんな様で、フランソワのお父さまだったわね」
お姫ちゃん「……○○お父さま! ありがとうね! 大好き!」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……だってさ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……別に、あの人たちのことは嫌いにならないわ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……あっちが、どうだかしらないけれど」
お姫ちゃん「……でも、○○がそう言うのなら、いいわ……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……もっと撫でていて」
お姫ちゃん「……私、傷心なんだから」
お姫ちゃん「こっちこっち! 全くもう、息が詰まっちゃうわ……」
お姫ちゃん「社交界だなんて、やってられないわよ……」
お姫ちゃん「○○も、そう思うでしょ? ね?」
お姫ちゃん「もう、年寄りとか、高慢ちきとか、ああ、うざったい!」
お姫ちゃん「あんなの、権威にしがみつく年寄りのためのパフォーマンスじゃないの!」
お姫ちゃん「この貧乏な国で、そんなことをしている余裕なんて無いのにね……」
お姫ちゃん「……ね? ○○だって、そう思うでしょ?」
お姫ちゃん「……いいのよ。もう、傍から見てたらバカなんだから」
お姫ちゃん「……○○? 確かに、お父さまはあなたの主君だけど」
お姫ちゃん「一番大事にすべき人物が誰か、忘れてないわよね?」
お姫ちゃん「……ふふふ。そう、分かっていればいいのよ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……ねえ、○○?」
お姫ちゃん「私、ああいう虚飾にはうんざりしてしまうけれど」
お姫ちゃん「装飾品に無関心なわけではないのよ」
お姫ちゃん「今の私に何か、言うことはない?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……そういうお決まりの言葉ではなくて」
お姫ちゃん「あなたらしい言葉はないのかしら?」
お姫ちゃん「幼少からずっと私に付き従ってきたあなたの言葉が、それ?」
お姫ちゃん「私がそれで満足できると思って?」
お姫ちゃん「ご、ごめんなさい。困らせるようなことを言ってしまって……」
お姫ちゃん「でも、言ってみるものだわ。堅物のあなたから、そんな言葉を聞き出せるだなんて」
お姫ちゃん「ふふ、ふふふ……ああ、なんていい気分なのかしら」
お姫ちゃん「フランソワにもあなたの言葉を聞かせてあげないとね?」
お姫ちゃん「……ほら、戻りましょう」
お姫ちゃん「あなたのおかげで、気分が晴れてしまったわ」
お姫ちゃん「昔から、いっつもそう。あなたが王子様だったら、良かったのに」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……手を」
お姫ちゃん「……せめて、あの場に戻るまでは」
お姫ちゃん「……私を、エスコートしていてちょうだい」
お姫ちゃん「なんであちらも、そんなのを了承してしまったのかしら」
お姫ちゃん「私が美しいからかしらね? ねえ、フランソワ?」
お姫ちゃん「……ふふふ、そうだ。聞いてよ、フランソワ」
お姫ちゃん「……○○がね? 私のことを、可愛いだって」
お姫ちゃん「顔を赤くして言ってたのよ? あの人には、恥ずかしかったのね」
お姫ちゃん「綺麗じゃなくて、可愛い、よ? きっと、本心からの言葉なんだから」
お姫ちゃん「あの朴念仁がそう言ったのだもの。可愛い。可愛いだって。ふふふ……」
お姫ちゃん「そんなに可愛いんだったら、私を略奪してくれてもいいのにね?」
お姫ちゃん「ふふふ……」
お姫ちゃん「私はもうすぐ、見知らぬ国へ一人で嫁ぐのよ」
お姫ちゃん「そんな私に、餞別の言葉とか、ないの? ○○」
お姫ちゃん「……○○は、あほんだらね」
お姫ちゃん「子供のころには、将来を誓い合った仲だったはずなのに」
お姫ちゃん「私たちの子供まで作っていたのに……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……フランソワはあなたが持っていて」
お姫ちゃん「……そうして、フランソワを見るたびに、私を思い出すといいわ」
お姫ちゃん「……冗談よ」
お姫ちゃん「娘は私が連れていきます」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……あなたは私の従者で、私はこの国の姫だものね?」
お姫ちゃん「身分は、わきまえないといけないものね?」
お姫ちゃん「……何か言いたいこと、ある?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……そう」
お姫ちゃん「あなたは私とずっと一緒にいてくれた」
お姫ちゃん「みんなは、いつも難しいことでギスギスしてて……あなたが私の相手をしてくれた」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……私が嫁いで何になるのかしらね?」
お姫ちゃん「……この国から出て……それで……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……私は、どうすればいいのかしら……?」
お姫ちゃん「子供のころは、わからないなりに」
お姫ちゃん「幸せになれると、思っていたのだけれど」
お姫ちゃん「……今はもう、よくわからないわ」
お姫ちゃん「……思っていたのと、違っているような気がして」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……どうしたの? こんな夜更けに」
お姫ちゃん「……外のみんな、どうしたの?」
お姫ちゃん「……なんだか、騒がしいわ……」
お姫ちゃん「……逃げる? ○○と?」
お姫ちゃん「……どこに?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……一体どうしたっていうの……?」
お姫ちゃん「……なんだか、怖いわ」
お姫ちゃん「……どこに、行くの?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……あなたが、そう言うのなら」
お姫ちゃん「……私は、何も言わないけれど」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……○○、大丈夫?」
お姫ちゃん「……そう」
お姫ちゃん「あ……」
お姫ちゃん「……いえ」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……フランソワを、置いてきてしまったわ」
お姫ちゃん「○○……? ○○」
お姫ちゃん「どうしたの? ○○?」
お姫ちゃん「……汗だらけで、それに酷い熱よ……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……なに、この傷は」
お姫ちゃん「……血が、血が、流れているわ……」
お姫ちゃん「でも、どうやって……」
お姫ちゃん「……だ、誰か……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「止血をしないと、いけないわ。ねえ、○○……聞こえてたら……やり方を……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「だ、大丈夫よ……私だって……やれば……」
お姫ちゃん「ほ、包帯は、見つけたわ。これを、巻けば……いい、のよね……?」
お姫ちゃん「……○○」
お姫ちゃん「ひとまず、休めそうな場所があったわ」
お姫ちゃん「……ほら、私におぶさって」
お姫ちゃん「だ、大丈夫よ……私だって……」
お姫ちゃん「うう、く……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……はぁ……はぁ……」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……○○、○○……」
お姫ちゃん「ど、どうしたら……」
お姫ちゃん「血が止まらないわ……それに、○○の体温がどんどん低くなって……」
お姫ちゃん「包帯だって、巻いてるのに……どうしたら、ねえ、○○、○○!」
お姫ちゃん「しっかりして! ねえ、○○!」
お姫ちゃん「お願いだから……」
お姫ちゃん「……○○」
お姫ちゃん「どうしてこうなったのか、事情が全然わからないの……」
お姫ちゃん「……わからないの」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……ねえ、○○? ○○……」
お姫ちゃん「……起きてよ」
お姫ちゃん「……○○? 気が付いたの……?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……大丈夫よ。誰も追ってなんていないから」
お姫ちゃん「……そんなこと、心配しなくたっていいのよ」
お姫ちゃん「大丈夫……大丈夫だから……」
お姫ちゃん「……それより、あなたが元気でいなくちゃ、いけないわ」
お姫ちゃん「……○○……○○?」
お姫ちゃん「しっかりしてよ……駄目よ……○○……」
お姫ちゃん「駄目……○○は凄いんだから」
お姫ちゃん「駄目だって……駄目だったら!」
お姫ちゃん「○○! ○○!」
お姫ちゃん「……どうして?」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……どうして」
お姫ちゃん「……」
お姫ちゃん「……私、○○のことが好きなの」
お姫ちゃん「○○が、王子様だったらよかったのに」
お姫ちゃん「そうすれば、○○と結婚できるでしょ?」
お姫ちゃん「おままごとじゃなくて、本当に」
お姫ちゃん「○○と結婚して、子供を作って、暖かい家庭で……」
お姫ちゃん「あなたは、ずっと私と一緒よ」
お姫ちゃん「……そうでしょ? ○○」
お姫ちゃん「私、あなたのことが、本当に好きなんだから」
お姫ちゃん「小さいころから、きっとこれからも」
お姫ちゃん「あなたのことが、ずっと好きよ」
バッドエンドは好きじゃないが書く分にはそうでもないという
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (9)
-
- 2018年07月16日 16:40
- おとなになるってかなしいことなの……。
をスレタイで思い出したわ
-
- 2018年07月16日 17:20
- ※1
この人だけの特別仕様やで
でもこの人のは全部ハッピーエンドがええなぁ
-
- 2018年07月16日 17:55
- ただでさえ読みにくいのにフランソワとか言う名前が出てきて混乱を招く
史上最低な読みにくさ
-
- 2018年07月16日 18:14
- あとは『小さい頃からずっと一緒のフランソワ』と、『フランソワ』があれば完璧だな。
-
- 2018年07月16日 22:12
- もう固有名称いらないと思うレベル
-
- 2018年07月16日 22:54
- 実際逃避行ENDって背景にある問題をどうにかしない限り幸せになれる未来が見えないよね
-
- 2018年07月16日 23:44
- なんでこんな悲しい話を書いた!言え!お前は今まで通り女の子が可愛いだけの話を書けばいいんだ!分かったな!
-
- 2018年07月25日 00:06
- これがプロローグで、ハッピーエンドは別にあるんですよね?
管理人さんはSSそのままのと名前短縮編集したのを二つ間違えて載せたの?