アシタカ「サン! 何をしてるんだっ!?」サン「マーキングだ」
サン「そうだ。山犬はこうやって木に小便をひっかけて、ナワバリを広げるんだ」シャー
アシタカ「しかし、其方は人間だ!!」
サン「私は山犬だっ!!」ガルル
アシタカ「いいからもうやめろっ!!」
サン「うるさい! アシタカなんてあっちに行け!」
アシタカ「はあ……参ったな」
エボシ「ん? どうしたのだ、浮かぬ顔をして」
アシタカ「エボシ殿……実は、少々サンと揉めてしまいまして……」
エボシ「なんだ、痴話喧嘩か? 其方は女心に疎そうだからな。どれ、私が相談に乗ってやろう」
アシタカ「よろしいのですか……?」
エボシ「これでも女の端くれだ。話してくれるなら、何かしらの助けにはなれよう」
アシタカ「では、遠慮なく。話せば長くなるのですが、実は、かくかくしかじかで……」
アシタカ「な、何がおかしいのです!?」
エボシ「こ、これが……笑わずにいられるか」プークスクス
アシタカ「くっ……話すべきではなかった」
エボシ「まあ、そう拗ねるな。ちゃんと相談には乗ってやろうではないか」
アシタカ「今更何を言う! もう結構だ!!」
エボシ「ほう? では、其方だけであの山犬の姫の機嫌を直せるのか?」ニヤニヤ
エボシ「だいたい、たかが小便のひとつで何をそんなに狼狽える必要がある?」
アシタカ「しかし! 仮にも年頃の娘があんなはしたない真似をするのは見過ごせない!!」
エボシ「其方は頑固だな。あい、わかった。では、私について来なさい」
アシタカ「どちらに向かわれるのですか?」
エボシ「私の庭だ」
アシタカ「エボシ殿、ここでいったい何を……?」
エボシ「なに、ちょっと立ち小便を、な」ニヤリ
アシタカ「な、何を馬鹿な!?」
エボシ「ああ、立ち小便と言っても、足にかかるのは御免だから、しゃがませて貰うよ」
エボシの部下「怖や怖や」
エボシの部下「エボシ殿は小便をなさる気じゃ」
エボシ「こら、大勢に見られると出るものも出ないではないか。仕事をしろ」
エボシの部下「ひひっ怖や怖や」
エボシ「無論、本気だとも」
アシタカ「とても正気の沙汰とは思えない……」
エボシ「アシタカ、其方はかつて、曇りなき眼で見定めると、そう申していたな?」
アシタカ「そ、それが何だと言うのだ!?」
エボシ「ならば、女の小便とは如何なるものか、その曇りなき眼とやらでしかと見定めるがいい」
アシタカ「貴女の中には……夜叉がいる」
エボシ「フハッ! そうだとも! そして、あの山犬の姫の中にもまた、夜叉が潜んでいる! せっかくだ、アシタカよ。ちょっとそこに這いつくばれ」
アシタカ「なっ!? どうするつもりだ!!」
エボシの部下「怖や怖や」
エボシの部下「エボシ殿の石火矢からは逃れられん」
エボシ「こら、無駄口を叩いでないで、早くそいつを拘束せんか!」
エボシの部下「ひひっ怖や怖や」ガシッ
アシタカ「は、離せっ!! 私は自分の足でここに来た! だから、自分の足で出て行くっ!!」ジタバタ
エボシ「其方が踏み入れたのは私の庭。よって、生殺与奪の権利は私にある。観念しろ」
アシタカ「い、嫌だっ! サァーン! サン、どこだぁー!? サァーン! 助けてくれぇーっ!!」
サン「はあ……どうしよう」
モロ「どうかしたのかい?」
サン「アシタカに、マーキングするのをやめろって言われた」
モロ「如何にもあの小僧の言いそうなことだ」
山犬1「俺があいつにマーキングしてやろうか?」
山犬2「マーキングした後、食べていい?」ハッハッハッハッ
サン「食べちゃダメ。マーキングも、ダメ」
サン「わ、私が……?」
サーン! タスケテクレー!!
サン「ッ!? い、今の声!!」
モロ「どうやらあの小僧の声のようだね」
サン「母さん! 私、行かないと!!」
モロ「お行き。お前には、あの小僧にマーキングされる道もあるのだから」
サン「アシタカのおしっこなんて飲みたくない!」
山犬1「乗れ、サン!」
山犬2「おしっこ食べちまえ!」ハッハッハッハッ
サン「絶対嫌っ!! 母さん、行って来ます!」ダダッ
アオォーン!
アシタカ「応えた!」
エボシ「ちっ……これからだと言うのに」
アシタカ「貴女の思い通りにはさせない!!」
エボシ「ふっ……まあいいさ。では、今度こそ上手くやるのだぞ?」
アシタカ「エ、エボシ殿……?」
サン「アシタカ! 大丈夫かっ!?」ザッ
サン「アシタカに何をした!?」
エボシ「まだ何もしていない。ちょっと小便をひっかけようとしたら、騒ぎ出したのだ」
サン「よくもっ!」ガルル
アシタカ「待て、サン!」
サン「止めるな! 八つ裂きにしてやる!!」
エボシ「それは怖い。ならば、私はこの辺で退散することにしよう」
アシタカ「エボシ殿! 気遣い、感謝する!!」
エボシ「さらばだ、アシタカ。そして、山犬の姫よ」
エボシ「構わんさ。タタラ場の平和の為にも、あの2人には仲良くして貰わねば困る」
ゴンザ「エボシ様がそう仰るならば」
エボシ「それで、ゴンザよ」
ゴンザ「はっ! 如何されましたか?」
エボシ「出しかけた小便を何とかしたいのだが」
ゴンザ「謹んで、このゴンザめが飲みましょう!」
アシタカ「エボシ殿は、私とサンが仲直りをするきっかけを作ってくれたんだ」
サン「あの女が……?」
アシタカ「ああ、そうだ。だから、私はこの場で先刻の無礼を謝りたいと思う」
サン「べ、別に、謝る必要なんて……」
アシタカ「私は愚かだった。つい先程、エボシ殿に小便をかけられそうになり、ようやく気づいた。どうせなら、サンの小便の方がいいと」
サン「あ、あの女と比べるなっ!!」
アシタカ「では、言い直そう。私は、サンの小便を、かけて欲しい」
サン「私に……マーキングされたいのか?」
アシタカ「そうだ」
サン「フハッ!」
サン「いや、何でもない。嬉しかっただけだ」
アシタカ「ならば、かけてくれるのか?」
サン「もちろん。お前は、私のモノだからな」
アシタカ「ありがとう、サン」
サン「それで、アシタカ。提案なんだが……」
アシタカ「なんだ?」
サン「ど、どうせなら、お互いにマーキングし合うのも、悪くないと思うんだが……」モジモジ
サン「アシタカが最初でいいぞ」
アシタカ「い、いや、勝手がわからない」
サン「ならば、まずは私が手本を示そう」
アシタカ「よろしく頼む」
サン「アシタカ、そこに跪け」
アシタカ「こ、これでいいか……?」スッ
サン「そしたら、片足を上げて……こう!」シャー
アシタカ「うぶっ!?」
サン「フハッ!」
サン「ほら、次はお前の番だぞ。早くしろ」
アシタカ「ああ、わかった」ボロンッ
サン「……足を上げる必要は、なさそうだな」/////
アシタカ「問題ない。では、いくぞ」
サン「アシタカ」
アシタカ「ん?」
サン「私はお前のモノになれて、嬉しいぞ」
アシタカ「フハッ!」シャー
サン「うぷっ! はあ……はあ……しょっぱい」
サン「ん? どうかしたのか?」
アシタカ「尿に塗れた其方は……美しい」
サン「ッ……!」///////
アシタカ「私も其方のモノになれて、嬉しかったよ」
サン「フハッ! それなら良かった! 愛してるぞ♡」
アシタカ「フハハハハッ! 私も愛している!!」
サン「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
甲六「すげぇ。旦那と山犬の姫は、小便をかけ合って高笑いする仲なんだ」
ジコ坊「ほう……雅な小便だな」
FIN
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コメント一覧 (35)
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- 2018年05月26日 23:54
- かけろ小僧
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- 2018年05月27日 00:01
- ちょいちょい本物のセリフが入るの反則w
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- 2018年05月27日 00:06
- こんなん笑うわ
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- 2018年05月27日 00:11
- えぇ・・・ なにこれぇ・・・
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- 2018年05月27日 00:19
- く さ そ う
-
- 2018年05月27日 00:26
- とんでもねえな
-
- 2018年05月27日 00:33
- もらせそなたは美しい
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- 2018年05月27日 00:36
- 普通に面白いのがムカつく。。。
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- 2018年05月27日 00:38
- 素晴らしい勢
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- 2018年05月27日 00:54
- フハッ(爆笑)
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- 2018年05月27日 01:19
- 色々やべぇ
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- 2018年05月27日 01:20
- つまんねぇよ・・・
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- 2018年05月27日 01:36
- またフハッの方か
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- 2018年05月27日 01:46
- このSS見てたらスラムダンクで
ゴリ「いいからマーキングだ!」が思いついたけど俺、疲れてるのかな…。
-
- 2018年05月27日 01:48
- 絶対くさい
-
- 2018年05月27日 01:49
- アシタカ「よかったら あなたの漏らす所を見せて下さい」
-
- 2018年05月27日 01:50
- ※14
FBI捜査官「いや、君は決して疲れてなんか居ない、これは異星人による認識の操作が行われた証拠なんだよ、そしてやはり手引きしているのは政府なんだよ、そう、これは政府の陰謀なんだ!」
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- 2018年05月27日 01:50
- あのおしっこに触ると死、ぬぞ!
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- 2018年05月27日 01:52
- もののけ姫のセリフを改変するのやめろww
アシタカが変、態っぽく見えてくるから
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- 2018年05月27日 01:52
- このSSで、何故彼らがマーキングという外来語を知っているのか問うのは無粋というもの
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- 2018年05月27日 02:59
- おもひでぼろぼろ
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- 2018年05月27日 03:21
- ギアスのss書いてる人かw
フハッ
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- 2018年05月27日 03:22
- やべえな…深夜テンションでワロタww
真の異生物コミュニケーションやね
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- 2018年05月27日 04:31
- 怖や怖や
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- 2018年05月27日 07:52
- ゴンザ約得で草
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- 2018年05月27日 09:18
- 気が違っている
満点
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- 2018年05月27日 09:22
- モロも生きてるしハッピーエンドだな!(白目)
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- 2018年05月27日 09:37
- きったねw
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- 2018年05月27日 11:13
- メスは...
マーキングは....
しない!!!!
後、足上げるのはオスだけなんだよね
まぁ俺もサンにマーキングされたいけど
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- 2018年05月27日 12:27
- エボシの部下で草
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- 2018年05月27日 13:39
- またお前か
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- 2018年05月27日 15:51
- とても正気の沙汰とは思えない……
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- 2018年05月27日 16:13
- きが
くるっとる
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- 2018年05月27日 17:55
- このようなスレを立てるとは何という狼藉!
おお〜怖や怖や
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- 2018年05月27日 23:49
- ワイ「ひひっ怖や怖や」シコシコ