モバP「ナナ先生とシンデレラ」
2作目 モバP「なっちゃんという担当アイドル」
3作目 モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」
4作目 モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」
5作目 モバP「なっちゃんと後輩アイドル」
6作目 モバP「なっちゃん達のガールズトーク」
7作目 モバP「なっちゃんと俺」
8作目 モバP「なっちゃんとその後」
9作目 モバP「なっちゃんと年越し」 鷹富士茄子「思い出話、追加注文です♪」
10作目 モバP「なっちゃんと春休み」
11作目 モバP「なっちゃんと梅雨」
12作目 モバP「なっちゃんと夏の事務所」
13作目 モバP「なっちゃんと秋の風物詩」
14作目 モバP「なっちゃんと年末年始」
15作目 モバP「なっちゃんとメイド」
16作目 モバP「なっちゃんと水着と夏祭り」
17作目 モバP「なっちゃんとクリスマス」
18作目 モバP「なっちゃんとバレンタインとカコネイター」
19作目 モバP「なっちゃんとナスビ」
の続きというか、だいたい過去編です
ある日魔法使いが現れて、素敵なドレスに包まれて。かぼちゃの馬車に乗って舞踏会に行って、王子様に見初められて。魔法が解けても愛は解けずに、最後は結ばれハッピーエンド。
何度も何度も読み返す中で、私が一番心惹かれたのは、舞踏会で踊るシンデレラの姿。
――自分も、あのキラキラした舞台で輝きたい。
ちょうどその頃、お父さんがよく見ていた音楽番組で、綺麗な女の子達が歌いながら踊っている姿を目にして。
私にはその子達が、とても輝いているように見えて。
『あれはなに?』
『アイドルっていうんだよ』
『アイドル……』
ぼんやりとしていたシンデレラへの憧れに、はっきりとした形が加わって。
幼い子供の憧憬は、いつしか将来の夢へと変わっていきました。
学生時代に何度かアイドルのオーディションを受けたりもしたけど、結果は全敗。
両親に迷惑はかけられない以上、卒業後の進路はきちんと決める必要があり、気づけば大人になっていた私は――
菜々「はぁ……今頃は王子様と幸せな家庭を築いていたはずなのに……」
P「ナナせんせーい、ここの式教えてー」
菜々「どうして私はマンツーマンで生徒の補習に付き合っているんでしょう……」
P「ならこの補習終わりにしよう。俺は先生の意思を尊重するよ」
菜々「いいこと言ってる風にしてますけど、Pくんの期末試験の成績が悪いからこうなってるんですからね。担任教師として、教え子にはきちんと進級してほしいので」
今年から高校2年生のクラスを受け持つことになった私の悩みの種。そのひとつが、お世辞にも成績がいいとは言えないこの少年でした。
授業態度もテストの点数も悪く、特に重症なのが数学B。授業中に寝ていたり窓の外を眺めている時間のほうが明らかに長いし、答案は図形に補助線を引きすぎて元の絵がなんだったのかわからなくなってしまう始末。
なぜそんなに詳しいのかといえば、私がその数学Bの担当だからなんですけど。
ともかく、早めに対策したほうがいいと考えて、夏休みに入る前に彼の勉強を見ることにしたのでした。
菜々「そう思うならPくんも真面目にやってください。早くやれば早く終わりますよ」
P「わかった、頑張るよ。それで、ここの式なんだけど」
菜々「はいはい、ここは――」
P「……おー、なるほど! 先生教えるの上手だな」
菜々「ちなみに今の説明は今日の授業で一言一句同じことを言ってます」
P「………ははっ」
菜々「笑ってごまかせるのはイケメンだけですよ」
P「ひっどい! でも今ので覚えたから、先生サンキュー!」
菜々「はい、どういたしまして」
菜々(……まあ、こうやって子供たちの面倒見るのは嫌いじゃないし。これはこれでありなのかな?)
菜々「ふむふむ、なかなか理解度がありますね……と言いたいところですが甘いぞPくん!」
P「なんだとっ!?」
菜々「ここ、最後の最後で計算ミスしてます。こういうもったいないミスはしないように」
P「………」
P「フッ、それはどうかな!」
菜々「!?」
P「一見間違っているように見えるこの答え。しかしもう一度よーく計算してみると!」
P「………」
P「やっぱ間違ってるわ」
菜々「だから最初からそう言ってるじゃないですか」
P「でもここで正解だったら面白いじゃん」
菜々「面白い面白くないで勉強は進みませんよ」
P「ちぇー……でも、計算ミスだけってことはもう少しで完璧だったってことだよな」
菜々「その通りです。少しずつできるようになってますよ、Pくん」
P「この調子なら高校数学制覇も近いな」
菜々「たぶん今のペースだと2年くらいかかりますかね」
P「俺もう2年生なんだけど卒業に間に合ってなくない?」
菜々「大丈夫です。学力が身につけば、だんだん覚えるペースも上がっていきますから」
P「そっか、なら大丈夫かな」
菜々「そうですっ」
P「じゃあ安心したから帰る」
菜々「Pくん? 先生の声ひとつで、あなたの宿題だけ倍にすることができるんですよ~?」
P「真面目にやるから勘弁してください……」
菜々「まったく……少しは帰りたい気持ちを抑えてください」
P「いや、そうなんだけどさ……さっきから廊下で待ってるヤツがいるっぽくて」チラ
菜々「廊下?」チラ
菜々「私が見た瞬間死角に隠れましたけど、あれは……鷹富士さん、ですよね?」
P「ちゃんと今日は補習で遅くなるって伝えたんだけどな」
菜々「何か急用があるのかもしれませんね。ちょっと聞いてきます」
P「だったら俺が」
菜々「Pくんは今やってる問題を続けてください」
P「あ、はい」
鷹富士茄子さん。私のもうひとつの悩みの種。
彼女については、成績は文句なし。全科目まんべんなく点数が取れるし、授業も一応は真面目に聞いてくれています。
ただ、それ以外の面が少し心配で……なんだかいつもつまらなさそうな顔をしていて、誰ともあまり話さないんです。
誰かが話しかけても、冷ややかな目線で委縮させてしまうようで……生徒達の間では『氷の女王』なんて大げさなあだ名がついてしまっているらしく。
私も先生として何度か声をかけてみたんですけど、当たり障りなく、けれど確実にこちらを拒否するような態度をとられるばかりで。
だから、なんとかしなければと、『少し前までは』かなり頭を悩ませていたのですが。
茄子「あ……すみません。お邪魔してしまって」
菜々「いえ、別に。何か用事でも?」
茄子「……用事は、ないです。ただ……」チラ
菜々「……Pくんと一緒に帰りたい、とか?」
茄子「…………………いえ、別に」
菜々(この子嘘つくの下手ですね……)
茄子「深い意味はないです。たまたまこの時間まで図書館で本を読んでいて、たまたまここを通りがかっただけです」
茄子「なので、深い意味はないのですが。P君の補習は、あとどのくらいかかりそうでしょうか」
菜々「そうですね……帰らせてあげたいところですけど。最初に決めたところまではやっておきたいので、まだ結構かかると思います」
茄子「なるほど。バカですもんね、P君」
菜々「あ、あはは……はっきり言いますね、鷹富士さん」
茄子「私、彼の後ろの席なので。授業態度を見ていれば想像がつきます」
菜々「でしょうね~。よかったらでいいので、鷹富士さんからもあの子に勉強教えてあげてくださいね」
茄子「………」
菜々「無言で嫌そうな顔をされると、先生困っちゃいますよ?」
茄子「……では、私は帰ります」
菜々「ごめんなさい。Pくんには、ちゃんと埋め合わせしておくように言っておくので」
茄子「埋め合わせとか、必要ないので。もともと一緒に帰る約束をしていたわけでもないですし」
菜々「そうですか?」
茄子「はい。でも」
菜々「でも?」
茄子「あんまりバカだと、私の幸運でもフォローしきれませんよって伝えておいてください」ニコ
菜々「鷹富士さん……」
茄子「帰ります。さようなら、安部先生」
菜々「はい。気をつけて帰るんですよー」
茄子「………」ペコリ
菜々「Pくんはバカですねって言ってました」
P「それだけ!? それだけ言うために待ってたの!?」
菜々「かわいいですね、鷹富士さん」
P「いや今の言葉だけ聞いても全然かわいく思えないんだけど」
菜々「あと、今日はもう帰りますって」
P「そっちだけ聞ければ十分だよ……いつまでも待たせるわけにはいかないし、とりあえず安心した」
菜々「……鷹富士さん、変わりましたね。なんだか明るくなった気がします」
P「そうか? 相変わらず不愛想だけど」
菜々「でも、ちょっと前まではいつもつまらなさそうな顔をしていましたから。Pくんに文句を言う時だけでも楽しそうなら、大きな一歩です」
P「俺が犠牲になってるんだけど……ていうか、なっちゃん他にも楽しそうにしてる時あるだろ」
菜々「そうなんですか? たとえば?」
P「たとえばって……急に言われても具体例は出ないけど、なんか全体的に」
菜々「全体的に、ですか……まあ、とにかく。先生はうれしいです。Pくんと別な方面で、鷹富士さんのことは心配していましたから」
P「なっちゃん、俺と同レベルだったのか……明日教えたらすげえ顔しそう」
菜々「Pくんは現在進行形で心配中です。ほら、雑談終わりです! 問題解いてくださいっ」
P「はーい。こうなったらいつか先生のことぎゃふんと言わせてやるからな!」
菜々「その意気です」ニコニコ
菜々(たとえば、授業中)
P「………」ウトウト
菜々(昨日の今日だから、なんとか授業を聞こうというやる気は伝わってきましたけど……そろそろPくんはおねむの時間ですかね)
菜々(このあたりでそろそろ名指しでびっくりさせて……ん?)
茄子「………」ツンツン
P「うひゃんっ!?」
茄子「ふふっ」
菜々(私が注意する前に、鷹富士さんがシャーペンで背中突いて起こしてくれましたね……)
P「なっちゃんさぁ……」
茄子「なんですか」
P「いや、今突っついたのなっちゃんだろ」
茄子「知りません」
P「位置的にお前しかありえないんだけど」
茄子「なんのことでしょう」
P「……まあいいや。起こしてくれてサンキュ」クルッ
茄子「………」クス
菜々(Pくんが黒板のほうを向いた瞬間笑みをこぼす鷹富士さんかわいい……)
P「そろそろなっちゃんの称号をグレードアップさせるべきだと思うんだ」
茄子「称号? あぁ、『氷の女王』ってやつですか」
P「そうそう。もっと強そうなのに変えようぜ」
茄子「女王の時点で割と強そうですけど、何にしたいんですか」
P「氷の皇帝」
茄子「あぁん?」
P「それは氷帝」
茄子「バカなことを言っていないで、授業中に居眠りしない方法でも考えたらどうですか。私がつつかなかったら危なかったじゃないですか」
P「昨日ナナ先生にいろいろ教えてもらったばかりだから、頑張ろうと思ったんだけどな……さっぱりわからない範囲に入ると、ついうとうとしちゃって」
茄子「まあ、1日でどうこうなるものではないでしょうからね」
P「次は、頑張る」
茄子「………頑張るつもりがあるのなら」
P「?」
茄子「そういうことなら、手伝ってあげてもいいです」
P「手伝うって……寝そうになったら突っついてくれるってこと?」
茄子「違います。まあ、お望みならそっちもやってあげますけど」
茄子「勉強、見てあげるって言っているんです」
P「マジ?」
茄子「マジです。さすがにこのままだと安部先生がかわいそうなので」
P「はっきり言うなぁ……まあ事実だし、教えてくれるのはありがたいけど」
茄子「それに……あなたに留年されると、私も困るので」
P「え?」
茄子「楽しいこと、見つけてくれるんでしょう?」
茄子「だったら、私と同じ学年で、近くにいてくれないと困ります」
P「なっちゃん……そこまで俺のことを愛してくれているなんて……」
茄子「バカじゃないですか?」
P「冗談だよ」ハハ
茄子「すぐ調子に乗るんだから……」フフ
菜々「………」
菜々「おふたり、付き合ってるんですか?」
P「いきなりどうしたの先生」
菜々「いつの間にか鷹富士さんとすっごく仲良くなっているように見えたので」
P「仲はいいと思うけど、なっちゃんとはそんなんじゃないよ。友達だって向こうも言ってるし」
菜々「本当ですか~?」
P「本当。まあ映画館でカップル割は使うけど」
菜々「ちゃっかりしてますね……」
P「智将と呼んでくれ」
菜々「はい、今日は問題集の157ページからですよ」
P「先生? ナナ先生?」
菜々「補習は真面目にやりましょう」
P「……はい」
菜々「それと、今後も鷹富士さんと仲良くしてあげてくださいね」
P「はい!」
P「解けた」
菜々「どれどれ……むっ、これは!」
P「どこか違ってる?」
菜々「文句なしの正解です!」
P「ホント! よっしゃ正答率上がってきた!」
菜々「よくできました!」ナデナデ
P「ちょ、先生? まさかのなでなで?」
菜々「はっ!? す、すみませんつい手が出てしまいました」
P「いや、俺としては美人女教師に撫でてもらうという小学生の頃からの夢が叶って万々歳なんだけどさ」
菜々「小学生の頃から邪な夢を持たないでください! というか、美人ってなんですか美人って」
P「美人は美人でしょ。ナナ先生、顔もスタイルもいいし」
菜々「な、なんですかいきなり。褒めても宿題は減りませんよ」
P「そういうんじゃなくて、本音を言ってるだけだよ。なんならアイドルとかやれるんじゃないの?」
菜々「アイドル……」
P「先生? どうかした?」
菜々「いえ……別に」
P「もしアイドルになったら、ただでライブに招待してよ」
菜々「今日だけでPくんが金に汚いことがよくわかりました」
P「ひっどい!」
菜々「ふふっ」
P「でも本当、アイドル目指すなら俺も応援するからさ」
菜々「お気持ちだけ受け取っておきますね~」
P「大人の社交辞令じゃんそれ」
菜々「ふふっ、バレちゃいました?」
P「先生そりゃないよ~」
菜々「はいはい、ごめんなさい。気を取り直して、続き、解いてください」
P「はーい」
菜々「………」
菜々「………ありがとうございます」ボソ
P「なにが?」
菜々「小声で言ってるんだから聞こえないふりしてくださいよ!」
P「目の前にいるのにそれは無理あるでしょ!」
……
…
今となっては懐かしい、夏の思い出の一ページ。
別に、彼の言葉がきっかけで夢を再び追い始めたわけじゃない。彼の笑顔で、アイドルへの情熱を思い出したわけでもない。
ただ……思い返すと、奇妙な縁だな、なんて思ってしまいます。
菜々「あの時の『アイドルやれるんじゃないの?』って言葉、結果的に自分が叶えたことになるのに」
ガチャリ
P「ただいまー……あれ、菜々さんまだ帰ってなかったんだ」
菜々「おかえりなさい、Pくん。ちょっとゆっくりしていただけですよ」
P「そっか。あ、そうそう。詳しいことは明日伝えるけど、次のライブの予定が決まったぞ」
菜々「本当ですか!?」
P「本当本当。菜々さんもようやく知名度が上がってきて、ライブの規模も大きくできるようになってきたし」
菜々「楽しみですねぇ。最近ファンの方からの反応もいい感じですし、次も成功させたいなぁ」
P「………俺の言う通りになっただろ?」
菜々「えっ」
P「ほら。高校の頃、先生の補習受けてた時に言ったじゃん」
菜々「まさかPくん、あの時のことを覚えて」
P「『俺が先生をアイドルにして、輝くステージへ連れてってやる』って約束」
菜々「なにバッチリ改竄してるんですか! そんなかっこいいこと言ってませんよ!」
P「あれ、そうだったっけ?」
菜々「都合のいい脳みそを持っているんですね、Pくんは」
P「ははは、まあそれは置いといて。少しは、恩返しになったのかな」
菜々「恩返し?」
P「ナナ先生にはいろいろ世話になったから。面倒見てもらったぶん、ちゃんとプロデュースできてればいいなと」
菜々「Pくん………」
P「こんなこと、面と向かって聞くのもなんだけど。俺、いいプロデューサーでいられてるかな?」
菜々「ナナが子どもの頃に憧れていた光景に、少しずつですけど、近づけていると思います。それは紛れもなく、あなたのおかげです」
菜々「おとぎ話のシンデレラに夢を見て、テレビに映るアイドルになりたくて。けれど、絵本のように魔法をかけてくれる人は現れなくて」
菜々「シンデレラの魔法にかからないまま、0時の鐘で時間切れ。一度は、諦めてしまいましたけど」
菜々「先生として、青春とか夢とかいっぱいの子供達と触れ合っていくうちに、やっぱりもう一度追いかけたくなっちゃって」
菜々「その決断は、間違っていなかったと思います。今までの道のりは、全部意味があったことだって言えますから」
菜々「だから……ありがとうございます、Pくん」
P「ナナ先生……」
菜々「本当に……ぐすっ」
P「先生、泣かないで」
菜々「本当、Pくんが居眠りせずにナナの長話を聞いてくれるなんて……うぅっ」シクシク
P「そこに感動してたの!? うっかりもらい泣きするところだったわ!」
P「しっかし、面白いめぐりあわせだよなぁ。高校時代の問題児ふたりとその担任の先生が同じ事務所で働いているなんて」
菜々「Pくん、ナナが初めてここに来た時ゲラゲラ笑ってましたよね」ジトー
P「はは、ごめんごめん。ナナ先生がいきなりキャハッとか言ってくるからつい」
菜々「ぷくー」
P「先生かわいいよ」
菜々「とってつけたようなお世辞はノゥ!ですよ」
菜々「というかさっきは流しましたけど、先生呼びはNGです」
P「はいはい、菜々さん」
菜々「……よくよく考えると、その『菜々さん』というのも引っかかります。年下の女の子にさん付けってどうなんでしょう」
P「俺が礼儀正しいからだろ」
菜々「は~~~~??」
P「なんかすんません……」
P「というか、それを言うなら菜々さんだって年上(設定上)の男に向かってくん付けしてるじゃん」
菜々「うっ、痛いところを突かれました……」
P「ま、お互い様ってやつで」
菜々「そうしましょう。ふふっ」
菜々「優越感って……」
P「宿題はちゃんとやるんだぞー?」
菜々「自分はよく忘れてたくせに……そもそも、宿題を出すのは主にトレーナーさんでは?」
P「細かいことはいいんだよ。てことで、早速俺からの宿題をひとつ」
菜々「はいはい。なんですか?」
P「時間かけてもいいから、必ずトップアイドルになること!」
菜々「………!」
P「なーんてな」
菜々「……もう、なにカッコつけてるんですか。Pくんらしくないですよ」
P「でも菜々さん、うれしそうな顔してるぞ?」
菜々「気のせいですよ、気のせい」
P「なっちゃんといい菜々さんといい、俺にだけ素直じゃないのはなんでだろうなぁ」
菜々「日頃の行いじゃないですか」
P「グレるぞ?」
菜々「恋人が泣いちゃいますよ?」
P「ぐぬぬ」
菜々「ふふっ、Pくんはいい子ですね」
P「あー負けた負けた! 帰るぞとっとと!」スタスタ
菜々「あっ、待ってくださいよ~」
早足で歩いていく彼の後ろ姿を追いかけながら、ふと思った。
――なんだか少しだけ、背中が大きく見えるようになったかも。
おしまい
翌日
菜々「いっそ呼び捨てにしてみてはどうでしょうか」
P「いきなりなんの話?」
菜々「Pくんのナナへの呼び方のお話です。さんとかちゃんとか考えるのが面倒なら、何もつけなければいいのではと」
P「うーん、呼び捨てねぇ。結構違和感あるんだけど」
菜々「物は試しです! どうぞ!」
P「菜々」
菜々「ミンッ!?」キュン
P「えっなにその反応乙女かよ」
菜々「男の人に呼び捨てにされるのって、結構ときめくんですね……」
茄子「P君P君♪ 私も! 私も呼び捨てでお願いします!」
P「ナス」
茄子「はっ倒しますよ?」
P「冗談冗談。じゃあ……茄子」
茄子「カコッ!?」キュンッ
P「いやその鳴き声は無理あるだろ……」
光「P! アタシもアタシも!」
P「光はもともと呼び捨てだぞ?」
光「あっホントだ」
凛「なんていうか、今日も平和だね」
おまけおわり
菜々さんのシンデレラガール、茄子さんと光ボイス確定おめでとうございます
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コメント一覧 (7)
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- 登場キャラ4人のうち1人はCG、2人は新規ボイスってすごいな
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- 2018年05月22日 06:25
- 事務所面子的に来るかと思ってました。
しかし、菜々さん担当は現代文だったような・・・まぁいいか。
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- 2018年05月22日 07:13
- イロモノ枠キャラがシンデレラガールはアカンでしょ
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- 2018年05月22日 08:05
- ※2
現代文担当だけど担任だから見てあげてたんだよ、きっと…
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- 2018年05月22日 08:35
- ※3
正統派なんてわた渋谷さんしか居ないけど…?
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- 2018年05月22日 08:53
- 4人全員ボイスかつ2人シンデレラガールか
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- 2018年05月23日 02:57
- 2人シンデレラガールだよな