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【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」【後半】

関連記事:【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」【前半】





【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」【前半】






442: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:03:26.91 ID:Gk158+YA0





アンチョビ「あと少しでこっちに来るぞ。みんな、狙うのは先頭のフラッグ車だけだ!砲撃を集中しろっ!!」

カルパッチョ『はいっ!』





エリカ「もうすぐ相手のキルゾーンよっ!!」

沙織「このままじゃ狙い撃ちだよ!?」

エリカ「良いから、速度を落とさないでっ!!」







アンチョビ「よし……今だ撃――――」




443: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:09:25.99 ID:Gk158+YA0

ダァンッ!!  ガァンッ!


アンチョビ「うああっ!?」

ダァンッ!

ガンッ  シュポッ!


アンチョビ「CV33がっ!?誰が――――あれはっ!?」

カルパッチョ『Tipo 89っ!?』






典子「隊長。命令通り相手フラッグ車を見つけましたよ」









444: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:15:24.84 ID:Gk158+YA0

エリカ「信じてたわ典子っ!!このまま前進っ!!キルゾーンを抜けるわよっ!!」

『了解っ!』

華「せめて、追手のCV33だけでも……っ!!」

ダァンッ

ガンッ!!  

シュポッ!

華「当たった……」

沙織「これで振り出しに戻れたっ!?」

エリカ「いえっ!!依然こちらが追われてることにかわりはないわっ!!でも、勝ちの目が見えたっ!!」



445: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:17:22.69 ID:Gk158+YA0





アンチョビ「逃げられたっ……89式はっ!?」

カルパッチョ『そちらも逃げられました……』

アンチョビ「してやられたっ……ええいっ!!回り込むぞっ!!!」



446: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:19:39.28 ID:Gk158+YA0





エリカ「沙織っ!追手はっ!?」

沙織「先頭にCV33が2輌っ!遅れてセモベンテが2輌だよっ!!」

エリカ「よし、各車射線を取られないようにっ!!」

杏『あいよー』

エルヴィン『走り回るのもいい加減飽きてきたな』

エリカ「安心しなさい。そろそろ追いかけっこは終わりにしましょう。梓、準備は良いっ!?」

梓『はいっ!』





ペパロニ「くっそーあいつら中々射線取らせないな……」


ギュィィンンッ!!

ペパロニ「M3っ!?森に隠れてたのか!?」

ダァンッ!  


シュポッ!!



ペパロニ「セモベンテがっ!?」

『姐さんすみませんやられましたっ!!』

ダァンッ!  ダァンッ!

ガァンッ!

シュポッ!

ペパロニ「前からもっ!?まずい、今度はこっちが挟み撃ちだっ!?残った車両は私についてこいっ!一旦逃げるぞっ!!」



447: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:26:13.01 ID:Gk158+YA0





エリカ「……よし」

優花里「なんとかしのげましたね」

沙織「今度こそ振り出しだね」

エリカ「梓、助かったわ。特に相手のセモベンテを落とせたのは大きいわよ」

梓『はいっ!先輩たちこそ無事で何よりですっ!!』

エリカ「おかげさまでね。――――アリクイさんチーム!今どこにいるっ!?」

ねこにゃー『CV33が逃げたから今そっちに向かってるとこだよ』

エリカ「なら、これから言う地点にそのまま向かって」

ねこにゃー『わかった』

エリカ「相手はおそらく戦力を集結させてフラッグ車を強襲してくるわ。

    依然、機動戦は相手に分がある。ならやることは一つ。相手の戦力が整う前にこちらから攻める」

沙織「でも、フラッグ車の場所がわからないよ?」

エリカ「……典子」

典子『はい』

エリカ「相手のフラッグ車の場所、わかる?」

典子『ええ。すでに捉えています』

エリカ「さすがね」

沙織「アヒルさんチーム凄っ!?」

エリカ「これがあの子たちの戦い方よ。――――さぁみんなっ!!今度はこちらから仕掛けるわよっ!!」

『了解っ!!』



448: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:30:57.07 ID:Gk158+YA0





ペパロニ『姐さんすみませんっ!!挟み撃ちを食らってCV33とセモベンテ1輌撃破されましたっ!』

アンチョビ「いや、最初の挟撃を失敗した時点で一度退くべきだった。深追いさせた私が悪い」

ペパロニ『姐さんどうしますかっ!?』

アンチョビ「このままじゃジリ貧だ。戦力を集結させて立て直しを図るぞっ!!全員戻ってこいっ!!」

『Si!』

アンチョビ「私たちも移動するぞ。カルパッチョ付いてこい」

カルパッチョ『はいっ!』




典子「フラッグ車が移動する。このまま追跡するぞっ」

忍「はい」




アンチョビ「…………撃てっ!!」


ダァンッ!

典子「なっ!?」

ガンッ


シュポッ!!


アンチョビ「やっと顔をだしたな。追跡に気がせったか」

カルパッチョ『これでこちらの居場所はもう伝えられませんね』

アンチョビ「いや、現在位置からの予測は立てられるだろう。一刻も早く移動するぞっ!!」



449: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:35:37.58 ID:Gk158+YA0






典子『隊長っすみませんやられましたっ!!』

エリカ「そう。大丈夫よ、敵の現在位置から予測は立てられる。あなた達は良くやってくれたわ」

典子『……っはい!』

エリカ「私たちはこのまま移動するわよっ!!」



450: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:38:14.95 ID:Gk158+YA0






ペパロニ『アンチョビ姐さんっ!!』

アンチョビ「ペパロニよく来たっ!!このまま残りのCVと合流して―――――っ!?」


ダァンッ!!




エリカ「見つけたわよ安斎さんっ!!」

優花里「まだ残りのCVとは合流していないみたいですっ!!」

エリカ「なら、その前にっ!!」




アンチョビ「っ……仕方ない、賭けに出るぞっ!セモベンテはⅢ突とM3の足止めを頼むっ!!」

カルパッチョ『はいっ!』



451: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:41:42.08 ID:Gk158+YA0

優花里「セモベンテ2輌、こっちに向かってきますっ!!」

エリカ「ウサギさんっ!!カバさんっ!!頼んだわっ!!」

カエサル『任されたっ!!』

梓『はいっ!!』




カルパッチョ「あのマーク……たかちゃんッ!!」

カエサル「悪いが先を急がせてもらうぞひなちゃんッ!!」




エリカ「カメさんチームはこのままついてきてっ!一気に仕留めるわよっ!」

杏『あいよー』

桃『絶対に逃がさんぞっ!!』

エリカ「ええっその通りよ桃ちゃんっ!!」



452: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/03(土) 18:44:14.98 ID:Gk158+YA0









エリカ「この先は……なるほどね。いいわ、そのケンカ買ったわよっ!!」










458: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:03:33.50 ID:XlGgpb2d0







アンチョビ「開けた場所に出た……ここで決めるぞっ!!」



エリカ「決着を着けるわよっ!!」





ダァン ダァン

桃「ええいっ!何故あたらんっ!?」

柚子「こっちが聞きたいよー……」

杏「ごめーん逸見ちゃん、まだ河嶋にこの距離は難しいみたい」

エリカ『いいわ、そのまま撃ち続けて相手の注意をそらしてっ!!』

杏「はいよーって、ん?」



459: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:08:40.34 ID:XlGgpb2d0

『姐さんっ!!』

アンチョビ「お前らっ!!」




優花里「敵CV2輌合流っ!!」

エリカ「っ……」

杏『逸見ちゃんあいつら何か仕掛けてくるっぽいよ』



460: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:13:26.87 ID:XlGgpb2d0

アンチョビ「CVが揃ったなら……ペパロニっ!!」

ペパロニ『Si!!お前ら、やるぞっ!!」


ギュィィンンッ!

ガン ガン ガン


エリカ「なっ!?」

優花里「CVで3方を塞がれたっ!?」

沙織「動けないっ!?」







アンチョビ「足止めは一瞬で充分だ―――撃てっ!!」










461: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:19:04.30 ID:XlGgpb2d0

ギュィィンンッ!




桃「逸見いいいいいいいいっ!!」




ダァンッ!


シュポッ!!


優花里「カメさんチームが盾に……」

エリカ「麻子っ!!」

麻子「ああっ」



462: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:22:51.39 ID:XlGgpb2d0

ペパロニ「っ……下がられたっ!!お前ら、もう一度行く―――」

ダァンッ!!

シュポッ!

ペパロニ「なにっ!?」




ねこにゃー「アリクイさん、参上……」


ダァンッ!!  ダァンッ!!

シュポッ!   シュポッ!

ペパロニ「うわぁっ!?」

アンチョビ「Tipo 3、Ⅲ突にM3っ……」



463: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:28:31.29 ID:XlGgpb2d0

カエサル『今度は蚊帳の外にならずにすんだな』

梓『エリカ先輩っ!!護衛は全て排除しましたっ!!』
 
エリカ「ええっ!!―――――華っ!!」

華「はいっ!!」




アンチョビ「っ……撃てっ!!」

エリカ「撃てっ!!」



ダァン! ダァンッ!



シュポッ!






464: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/06(火) 18:29:36.55 ID:XlGgpb2d0






『アンツィオ高校フラッグ車走行不能っ!よって、大洗女子学園の勝利っ!!』







474: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:10:23.03 ID:mjo7sVJM0






エリカ「……ふぅ」

沙織「勝ったーっ!!」

優花里「これでベスト4ですよっ!!」

エリカ「ええ、なんとかなったわね」

杏「逸見ちゃんやったねー」

エリカ「会長。最後は助かったわよ」

杏「お礼なら河嶋に言ってよ」

エリカ「桃ちゃんに?」

柚子「桃ちゃんが『逸見を守るぞっ!!』って」

エリカ「そうだったの……」

桃「フラッグ車がやられたら私たちの負けなんだから当然の事をしたまでだっ!!」

エリカ「……桃ちゃん」

桃「な、なんだ?」

エリカ「ありがとう。あなた、意外と頼りになるのね?」

桃「っ……あ、当たり前だっ!!私は誉ある生徒会の広報なんだぞっ!!あと桃ちゃん言うなっ!!」

エリカ「……ふふっ」



475: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:15:51.53 ID:mjo7sVJM0

アンチョビ「おーい!」

エリカ「安斎さん?」

アンチョビ「いやー負けたよ」

エリカ「いえ、こちらもギリギリでした。特に最初の欺瞞作戦はさすがです。そこからの読みも完璧でした」

アンチョビ「それで勝ったお前たちはもっと凄いさ。……試合前に言ったこと覚えてるか?」

エリカ「え?」

アンチョビ「試合、楽しもうって。逸見、楽しかったぞ」

エリカ「……はい。あなたたちの全力を私たちの全力で迎え撃ちました。本当に……楽しい試合でした」

アンチョビ「……そうか。なら良かった」ギュッ

エリカ「あ、安斎さん?」



476: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:20:35.16 ID:mjo7sVJM0

アンチョビ「決勝まで行けよ?応援するからな」

エリカ「……はい」

アンチョビ「ん。それじゃあ―――お前たちっ!!」

『はーいっ!!』

沙織「なになに?」

優花里「何が始まるんですか?」

アンチョビ「大洗諸君には我々の戦車道を最後まで知ってもらわないとな」

エリカ「……?試合はもう終わって……」

アンチョビ「チッチッチ、試合だけが戦車道じゃない。勝負を終えたら試合に関わった選手スタッフを労う。―――これが、アンツィオの流儀だっ!!」



477: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:26:07.70 ID:mjo7sVJM0






アンチョビ「せーのっ!!」




『いただきまーすっ!!!』





ザワザワ ガヤガヤ



沙織「うわぁ、美味しいっ!!」

華「おかわりいいですか?」

ペパロニ「どんどん食べろっ!!」

麻子「……うまい」モグモグ

優花里「フィールドキッチンをここまで活用する学校はそうそうないですよっ!!」



478: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:32:43.36 ID:mjo7sVJM0

ねこにゃー「良質なたんぱく質……」

ももがー「美味しいももっ!!」

ぴよたん「でも、ちょっとカロリーが……」

典子「大丈夫っ!!」

ぴよたん「キャプテン?」

典子「どんなに食べても、バレーをすれば全消費。つまり、カロリー0だっ!!」

ぴよたん「キャプテンっ!!」

典子「食べろっ!!それがお前たちの明日の肉体を作るんだっ!!」

『はいっ!!』



忍「……いや、カロリー0にはならないでしょ」

妙子「もっとバランスよく食べないと……」

あけび「まぁ、今日ぐらいは……」



479: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:36:47.93 ID:mjo7sVJM0

ワイワイガヤガヤ


カルパッチョ「今日は負けたわ。たかちゃん達、凄く強かった」

カエサル「ううん、こっちもギリギリだったよ」

カルパッチョ「でも、たかちゃんも装填手だったなんて、なんだか運命ね?」

カエサル「な、何がさ」

カルパッチョ「んー?……ふふっ」

カエサル「ひなちゃん?」

カルパッチョ「……いいえ、私はカルパッチョ。偉大なるドゥーチェアンチョビの副官。……強い人、あなたの名は?」

カエサル「……私はっ!栄光ある大洗女子学園の将が一人、カエサルっ!!」

カルパッチョ「……来年は負けないわ」

カエサル「こっちだって」

カルパッチョ「ふふふっ」

カエサル「あはははっ」



480: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:43:16.46 ID:mjo7sVJM0


カルパッチョ!

カエサルサマッ!




左衛門座「……二人の世界」

おりょう「あれは、割り込めないぜよ……」

エルヴィン「いや、二人とも連れてけばいいだろ。ごはん冷めるからさっさと行くぞ」



481: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:49:15.40 ID:mjo7sVJM0


エリカ「……」モグモグ

アンチョビ「どうだ、我が校の戦車道は」

エリカ「……とても素敵です。こんな戦車道、私には思いつきもしなかった」

アンチョビ「我が校は食事のためならどんな労もいとわないからなっ!!……このやる気をもうちょっと試合に活かせるといいんだけど」

エリカ「いえ、きっとこれが、これこそが。あなたたちの強さの秘訣なのかもしれません」

アンチョビ「そう言ってくれるとありがたいよ」

エリカ「……安斎さん」

アンチョビ「なんだ?」

エリカ「戦車道にとって、勝利って何なのでしょうか」

アンチョビ「みんなで騒ぐための口実の一つだ」

エリカ「……は?」

アンチョビ「……冗談だ。まぁ、嘘でもないけどな。……そんな顔して聞くことだ、何かあったんだろ?」

エリカ「……私、サンダースの隊長に言ったんです。私の戦車道は、勝つことだって」

アンチョビ「……」



482: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 18:53:49.02 ID:mjo7sVJM0

エリカ「勝たなきゃ自分の、みんなの努力が無駄になるから。勝利こそが全てだって……思ってたはずでした」

アンチョビ「今は違うのか?」

エリカ「……あなた達との試合、本当に楽しかった。試合中、勝ち負けとかじゃなくて、ただただ全力でぶつかることが。

    ―――――だからこそ、私の戦車道は間違ってるんじゃないかって。沙織……チームの子にも同じことを言われて」

アンチョビ「……負けた私たちが言うのも何だけど、勝つことが全てだってのも間違いじゃないと思うぞ?」

エリカ「え?」

アンチョビ「お前が言ったじゃないか、みんなの努力を無駄にしたくないって。考えた作戦は、積み重ねてきた努力は、勝利のためにあるものだ」

エリカ「……はい」

アンチョビ「私たちだって勝つために練習して、無い予算を絞って新しい戦車を買ったりしてるんだ。

      試合後に宴会をするのだって、負けを引きずらずさっぱりした気持ちで次の試合に臨むため。

      なら、これもまた勝利のための行動だ」

エリカ「……」



483: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 19:04:27.38 ID:mjo7sVJM0

アンチョビ「まぁ、だからって負けたらそれらが全部無駄になるかっていうとそんなことは無いと思うが……んー、あー……

      逸見。なんていうか、お前はもうちょっと適当でいいと思う」

エリカ「適当?」

アンチョビ「お前の戦車道はお前の自由にしていいんだ。悩んでもいいが、凝り固まるな」

エリカ「……だけど」

アンチョビ「戦車道を楽しむ事と勝利を目指すことは矛盾しない。それは、今日の試合でお前たちが証明したことだ」

エリカ「……」

アンチョビ「いいじゃないか、戦車道なんて人それぞれなんだから。『楽しければいい』でも『勝利が全て』でも、あるいは『楽しんで勝つっ!』って戦車道だって良いさ」

エリカ「……私はそんな器用になれるでしょうか」

アンチョビ「器用になろうなんてするな。不器用でも、取りこぼしても、やりたいことをやれ。……ゆっくり見極めればいい、お前の戦車道を」

エリカ「……はいっ!」



484: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/10(土) 19:05:40.46 ID:mjo7sVJM0

アンチョビ「元気出たな?ならっ、よーしっ!!お前たち今日はこのまま夜通しの宴会だっ!!」

エリカ「えっ?」

アンチョビ「安心しろ!食事はまだまだあるっ!!飲んで食べて騒ごうじゃないかっ!!」

エリカ「え、あの」

アンチョビ「よーしどんどん食べろっ!!」

エリカ「い、いや、私食事はもう……」

アンチョビ「ダメだぞ逸見ーお前はちょっと細すぎる。もっと食べて健康的になれっ!!」

エリカ「いや、一応健康管理には気を使ってて……」

アンチョビ「そんなん今気にすることじゃないっ!!明日のお前が何とかしてくれるさっ!!」

エリカ「それは後先考えてないだけじゃ……」

アンチョビ「ほらパスタにピザに肉に魚っ!!野菜も食べろっ!!」

エリカ「あ、あのっ!?ん~~~~っ!?」モゴモゴ



493: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:02:09.11 ID:46PVShV/0








エリカ「……」

沙織「えりりんっ!」

エリカ「沙織?」

沙織「こんなところで何してるの?」

エリカ「別に。……月がきれいだなって」

沙織「……ホントだ。高地だからいつもより大きく見えるね」

エリカ「……ええ。照らすものすべてが煌めいて見える銀色の光」

沙織「えりりん?」



494: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:07:13.80 ID:46PVShV/0








『私、昔は月って好きじゃなかったわ。太陽の、誰かの力を借りないと輝くこともできない弱い存在に思えて』

『今は違うの?』

『……私たちは太陽があるから生きていられる。熱を、光をもらって。だけど、それは時に命を奪うこともあるわ。

 誰も太陽に近づけないし、直接見ることはできない』

『そうだね』

『でもね、月は違う。太陽の見えない夜でも、太陽の光を私たちに届けてくれる。その光は、私たちに熱をくれないけれど、この世のどんな宝石よりも美しい光だと思うわ』

『……』

『それに気づいたから、私は月が好きになった。誰かの力を借りたものだとしても、自分だけの輝きを持ってる。とても、素敵だと思わない?』

『……うん』

『※※。あなたは誰かに阿って自分を変えられるほど器用じゃないわ』

『え?』








495: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:11:36.72 ID:46PVShV/0








『あなた、自分が思っている以上に頑固で不器用なんだから。自信をもってあなたのやりたいようにやりなさい。副隊長さん?』

『……だけど、みんながそれを許してくれるかな』

『なら、やりたいことがあったら私に言いなさい。あなた、説明するのあんまり得意じゃないんだからそういうのは私がやるわよ』

『エリカさんに迷惑だよ……』

『言ったでしょ?私は月が好きって。私ひとりじゃダメでも、誰かと一緒なら私も輝けるのよ』

『なら、エリカさんの太陽って……』

『……内緒よ』

『そんなぁ!?はっきり言ってください!!』

『ダメよ。聞きたかったらあなたが隊長になってみなさい』

『お姉ちゃんがいるからまだまだ先だよ……』

『……どうかしら。案外早くその時はくるかもよ?』








496: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:15:49.83 ID:46PVShV/0

エリカ「……」

沙織「……えりりんって意外とかわいい系の顔してるんだね?」

エリカ「いきなり何?」

沙織「えりりんいつも難しい顔してるからさ、そういう風にしてれば私たちが声かけなくてもきっと誰かが友達になってくれたと思うよ」

エリカ「……あなた達みたいなお節介じゃないと無理でしょうね」

沙織「そう?」

エリカ「……ほら、そろそろ戻るわよ。風邪ひくわ」

沙織「そうだっ、だから呼びに来たんだった」

エリカ「安斎さんたち毛布とか貸してくれるかしら?」

沙織「ゆかりんが寝袋人数分持ってきてたから大丈夫だよ」

エリカ「……いや、あの子なんでそんなの持ってきてるのよ」



497: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:18:32.95 ID:46PVShV/0






チュンチュン

沙織「えりりん、みんなの撤収終わったよ。あとは私とえりりんだけ」

エリカ「そう、わかったわ。アンツィオの皆さん、いろいろお世話になりました」

アンチョビ「気にするな。私たちも楽しかった!大会が終わったらまた交流試合でもしようじゃないか」

エリカ「ええ、是非とも」

ペパロニ「次は負けないからなっ!」

エリカ「ふふっ、こっちもよ」

アンチョビ「……逸見」

エリカ「はい」

アンチョビ「次の試合頑張れよ」

エリカ「……言われなくても」

アンチョビ「……そうか。なら安心だっ!」



498: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:20:17.73 ID:46PVShV/0

エリカ「……それじゃあそろそろ」

アンチョビ「ああ」

ペパロニ「……」ジーッ

エリカ「……?まだ何かあるの」

ペパロニ「……なー大洗の隊長さん。西住みほの事、あんまり悔やむなよ?」

沙織「え?」

ペパロニ「私も詳しい事情は知らないけどさ、事故だったんだろ?なら――――」

アンチョビ「馬鹿っ!?」

ペパロニ「もがっ!?ふぇ、ふぇーふぁん?」

アンチョビ「黙ってろっ!すまない逸見、こいつは本当に何も知らないんだ……」

エリカ「……沙織、帰るわよ」

沙織「え……えりりん?」



499: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:21:21.87 ID:46PVShV/0

アンチョビ「っ……逸見!!」

エリカ「……」

アンチョビ「うちの学校の近くに来ることがあったら寄ってくれ!!予算は無いが美味しい食事ならいくらでもあるんだ!!」

エリカ「……ええ、近くに寄ったら」

アンチョビ「あ、ああっ!!まってるからなっ!!絶対にだぞ!!」

エリカ「……さ、戻りましょう」スタスタ

沙織「……」



500: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/13(火) 17:21:50.74 ID:46PVShV/0









沙織「西住、みほ……」









507: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 17:46:49.88 ID:D5UGscx/0





エリカ「……」ピッ







―AKIYAMA FILM―








508: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 17:48:33.81 ID:D5UGscx/0

~♪





伝統と格式が彩る学びの園 聖グロリアーナ女学院

学業はもちろんのことスポーツ、芸術、ボランティアなど課外活動にも力を入れており世界に羽ばたく淑女の育成に力を入れています

一歩踏み入れればあなたも淑女の仲間入り





『私もこの学校に入ったおかげですっげぇ礼儀正しく優雅になりましたわよっ!』(1年 Rさん)








509: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 17:51:20.21 ID:D5UGscx/0




そんな聖グロリアーナがもっとも力を入れているのが戦車道です

高い実力を誇る戦車道チーム

どんな時でも優雅に美しく戦うその姿は学園中の憧れです

今回は戦車道チームの隊長、3年ダージリンさん(通称)にお話を伺いました





510: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 17:53:57.30 ID:D5UGscx/0

― 戦車道は荒々しいイメージもありますが、優雅にというのはどういうことでしょうか?




ダージリン『戦う事と優雅である事は決して矛盾しません。大事なのは美しくあろうとする気概。心の持ちようですわ』







511: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 17:57:10.73 ID:D5UGscx/0




― 聖グロの戦車道チームでは戦車の中でも紅茶を嗜むそうですが、何故そのような風習を?





ダージリン『単純に好き。というのもありますが、何よりも戦いの最中であっても冷静に、優雅にという気持ちを持ち続けるためです』








512: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:03:16.73 ID:D5UGscx/0



― 同じ3年生であるアッサムさん(通称)にも話を聞いてみましょう




アッサム『え?私は……正直やめてほしいなって思ってます。たまにこぼして火傷しそうになるので』

ダージリン『あら?昔ならいざ知らず、最近はそんな事ないわよ』

アッサム『あのですね……大洗との練習試合の時に盛大にこぼしたの忘れたんですか?あなたがどっか行ってたせいで私が掃除したのですけど』

オレンジペコ『ローズヒップさんも盛大にこぼしていますね。整備の生徒から結構苦情が来てますよ』

ダージリン『……ここ、カットでお願いするわ』




513: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:05:22.03 ID:D5UGscx/0




1年生にして未来の隊長候補と目されるオレンジペコさん(通称)にも話を聞いてみました
 


― 1年生にして隊長の副官ポジションにまでなっているオレンジペコさんですが、やはり聖グロはキャリアに関係なく能力のあるものを取り立てるという事でしょうか?



オレンジペコ『はい、伝統と格式を重んじる我が校ですが、決してそれに凝り固まってるという訳ではありませんから』

ダージリン『これで、OG会をもうちょっと静かにできたらいいんだけどね』

アッサム『ダージリン、声入ってますよ』





514: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:08:33.06 ID:D5UGscx/0




― 最後に、聖グロリアーナ女学院について一言ずつお願いします




オレンジペコ『努力と才能を認めてもらえる。これ以上は無いです』

アッサム『データじゃ学べない経験を教えてくれます』

ダージリン『こんな格言を知ってる?『成功するために大切なのは、どこから始めるのかではなく、どれだけ高く目標を定めるかである。』』

オレンジペコ『ネルソン・マンデラですね』

ダージリン『我が校は優秀な淑女を求めるのではないわ。高い理想に、高い目標に、真摯になれる人を求めているのよ。――――貴女たちと共に学べる日を待っているわ』



― ありがとうございました。





515: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:10:02.59 ID:D5UGscx/0




オレンジペコ『よくよく考えたら、ダージリン様は3年生だから来年入学の子と一緒に学ぶには留年する必要がありますね』

ダージリン『……あ』












~優雅で高貴な淑女の学園~ 聖グロリアーナ女学院








(制作:秋山フィルム    ナレーション:秋山優花里)







516: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:11:41.28 ID:D5UGscx/0




エリカ「……」ピッ!



エリカ「……ねぇ、優花里あなた何しに行ったんだっけ?」

優花里「はっ!プラウダ高校の偵察でありますっ!!」

エリカ「それで、何で聖グロのPV撮ってきてるの?」

優花里「……プラウダは今までの高校と違って警備が厳重でして……途方に暮れてるところを聖グロの皆さんに声をかけられてPVを撮ってきました」

エリカ「……うん。わからないわ」

沙織「はぁ……いいなぁ、聖グロ……」

華「花の香に満ちてそうな素敵な学園ですね……」

麻子「ゆったりできそうだな」

桃「お前ら何言ってるんだっ!我が校だって良いとこ一杯あるだろっ!?」

柚子「お金は無いけどね……」

杏「まーまーよそはよそ、うちはうちって事でさ」



517: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:14:39.31 ID:D5UGscx/0

エリカ「まったく……」

パゾ美「古き良き映画の1シーンのような雰囲気、憧れますね」

エリカ「……誰?」

パゾ美「パゾ美です」

エリカ「……何しに?」

杏「パゾ美じゃーん」

パゾ美「会長、園、後藤、金春いつでも大丈夫です」

杏「おっけー、それじゃあ後で迎えに行くね」

パゾ美「……失礼します」バタンッ

エリカ「やっぱり誰なのよ……」

優花里「あ、お礼にティーセット貰ったんで、この間の紅茶でも飲みましょうか」



518: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:18:02.96 ID:D5UGscx/0






華「さすがダージリンさんが選んだだけあっていい香りですね」

麻子「よくわからん」

沙織「カップもなんだか芸術品みたいだね」

杏「ねーねー逸見ちゃん、秋山ちゃん。これ来客用に生徒会室に置いてもいい?」

エリカ「私は構わないけど……」

優花里「私もいいですよ。役立ててもらえるならそっちのほうがいいですから」

柚子「ありがとー!来客用の茶器ぐらい良いのを揃えようって前々から言ってたの」

エリカ「……それで、本題だけど。次のプラウダ戦どうするかって事よ」

桃「次の試合からは参加車輛が15輌になるな……」

柚子「また戦力差が広がるね……」

エリカ「B1は次から参加できると良いんだけど、それでも7輌……一回戦の参加上限にすら達してないわ」

杏「それでも、やるっきゃないんだよねー」

エリカ「……ええ、そうよ。あとは……相手がどう出るかね」

優花里「すみません私が調べられれば……」

エリカ「気にするような事じゃないわよ。相手の使う戦車に関しては今までのデータを参考に対策を立てましょう」



519: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:20:13.98 ID:D5UGscx/0

コンコン

杏「どうぞー」

ナカジマ「失礼します。……あ、いたいた逸見さん」

エリカ「ナカジマさん?」

ナカジマ「依頼通りⅣ号の長砲身への換装、B1の修理完了したよ」

エリカ「本当ですか?まさかこんなに早くできるだなんて……ありがとうございます」

ナカジマ「いいよいいよ、やりがいがあったし。それと、ちょっと外出てもらえる?」

エリカ「え?」



520: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:25:30.54 ID:D5UGscx/0






ナカジマ「それじゃあみんな、行くよっ!」


ドドドドド キュラキュラキュラ


エリカ「……ポルシェティーガー。レストア完了してたんだ……」

優花里「本物が動いているのを見る日が来るなんてっ!!生きててよかったっ……」

沙織「そんなに?」

優花里「そんなにですっ!この戦車はまともに動かすのも難しいんですよっ!?」

沙織「……それ使えるの?」

優花里「火力と装甲は凄いんですってっ!!」

沙織「でも動かすのが難しいんだよね?」

優花里「いやいやですが――――」


キュラキュラ ボンッ!!

沙織「火事っー!?」

優花里「……ちょっとエンジンが燃えやすくて壊れやすいだけですよ」

エリカ「改めて言われるとほんっとにひどい戦車ね……」

ナカジマ「あちゃー、ホシノー消火器消火器ー!!」



521: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:30:30.82 ID:D5UGscx/0

沙織「……ホントに使えるの?」

エリカ「……私も不安になってきたわ」

ナカジマ「いやー、今日は行けると思ったんだけどねー」

エリカ「あの、あれに本気で乗るつもりですか?」

ナカジマ「うん。いやーあれ良い戦車だねっ!いじり甲斐があって楽しいよっ!」

エリカ「そ、そうですか」

優花里「戦車乗りではなく、技術者ならではの視点ですね」

ナカジマ「というわけで、今日から練習にも参加させてもらうね」

エリカ「ありがとうございます。……自動車部の皆さんにはホントに感謝してます。

    あなた達がいなかったら、準決勝どころか試合をするのすら無理だったと思います」

ナカジマ「いやいや、こっちも大変だったけどやりがいあったからね。それに、逸見さんが頑張ってるの見てたらね」

エリカ「私ですか?」



522: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:34:11.06 ID:D5UGscx/0

ナカジマ「……戦車を整備してるとね、なんとなくわかるんだ。これに乗ってた人がどんな人なのか。

     Ⅳ号はいつだって必死で戦ってる。撃破されたり撃破寸前だったり、切れる寸前な履帯だったり。それを見て思うのは逸見さんは本気なんだなって事だったよ」

エリカ「皆の助けを借りてようやく勝っているんです。必死なだけじゃなんの意味もないですよ」

ナカジマ「でも、隊長が一番頑張ってる姿を見て奮起しないような皆じゃなかったでしょ?」

エリカ「……ええ」

ナカジマ「だから私たちもそれにあてられたんだよ。……さすがに徹夜が続いたのはキツかったけどね」

エリカ「中嶋さん。本当に、ありがとうございます」

ナカジマ「いいよ。これで私たちも大洗戦車道チームの仲間入りだね」

エリカ「……いえ、あなた達はこの学園の戦車道が始まった時からずっと――――私達の仲間ですよ」

ナカジマ「……そっか。ならますます頑張らないと」



523: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:41:30.69 ID:D5UGscx/0





―格納庫―

優花里「Ⅳ号F2型いいですねっ!」

エリカ「ほんと、自動車部には頭が上がらないわ」

華「砲身が長くなったからか、なんだかシュっとして見えますね」

沙織「私もⅣ号みたいに足を長いのにできたらなぁ……」

エリカ「Ⅳ号の強化とB1、ポルシェティーガーの参加。これで少しはマシになるといいんだけど……」

沙織「でも、まだ相手との差は大きいね」

エリカ「……だからこそ、連携が大事になるわ。仲間の戦車の場所を全員が常に理解して常に最善の行動をとり続けないと」

優花里「元々エリカ殿はチームの連携を重視していますしね」

エリカ「……戦車道に一発逆転なんてない。一糸乱れぬ鋼の連帯こそが、勝利への近道よ」

優花里「身に沁みますっ!!」

エリカ「……まぁ、一回戦も二回戦もしっかり連携ができたかっていうと……」

優花里「一回戦は言わずもがな、二回戦も敵の策に嵌っててんやわんやでしたね……」

麻子「常に最善手が打てたことなんてないな」

エリカ「……だからこそっ!次の試合こそ私が学んだ西住流を見せる時っ!」

優花里「頑張りましょうっ!」

沙織「……西住流って?」



524: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:44:31.40 ID:D5UGscx/0

エリカ「そういえば話したこと無かったわね。私は黒森峰にいた時、西住流って戦車道の流派を学んでたのよ」

華「どんな流派だったのですか?」

エリカ「撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心――――それが西住流よ」

沙織「……もっとわかりやすく」

エリカ「……一糸乱れぬ陣形と、圧倒的な火力で敵を打ち砕く。勝利が至上の流派よ」

沙織「んー……横綱相撲?」

エリカ「まぁ、それでいいわよ……」

優花里「西住流と島田流。この二つが日本の戦車道流派の双璧と言われています。ですが、西住流は最古にして最大の流派。

    つまり、日本で一番勢力の強い流派ってことです。そして黒森峰の戦車道チームはその歴史上、西住流の影響を強く受けています

    西住流の師範であり、高校戦車道連盟の理事長でもある西住しほ殿も黒森峰の出身です」

沙織「へぇー、そんなに強いんだ」

エリカ「まぁ、この私がいた学校だもの当然よ」



525: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:49:12.96 ID:D5UGscx/0

沙織「でもえりりんって確か黒森峰追い出されたって言ってたよね?」

エリカ「……そういえばB1bisの搭乗員ってどうなったのかしら?」

沙織「逃げた……」

華「西住流は舌戦には苦手のようですね」

杏「お、いたいた。逸見ちゃーん」

エリカ「会長、なんの用よ」

杏「紹介したい人がいてね。ほら」

そど子「今日から戦車道の授業に参加することになりました。園みどり子です」

ゴモヨ「後藤モヨ子です」

パゾ美「金春希美です」

そど子「よろしくお願いします」

エリカ「あなた達って、確か風紀委員の……ていうか、金春さんって……」

パゾ美「どうも」

麻子「そど子もやるのか」

そど子「そど子って呼ばないでっ!……私たちだってやるつもりは無かったわよ。でも、会長に直接頭下げられたらね……」

杏「いやー交渉に苦労してね」

エリカ「……そう、会長も一応頑張ってるのね」

杏「まぁ、できる限りはね?」



526: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:52:12.40 ID:D5UGscx/0


エリカ「それじゃあ園さんたちはルノーB1bisに乗ってもらうわね」

杏「チーム名はどうしよっか?」

エリカ「……B1ってカモっぽい見た目してるわね」

杏「じゃあカモで」

そど子「カモですかっ!?」

エリカ「それじゃあ動かし方は麻子が教えてあげて」

麻子「私がか」

エリカ「あなたが一番操縦上手いんだもの」

麻子「……仕方がない」

そど子「冷泉さん、頼むわね」

麻子「しっかり学べよそど子」

そど子「だから略さないでってっ!!」



527: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:54:13.92 ID:D5UGscx/0






麻子「やっと帰れる……」

沙織「まさか麻子が放課後の自主練までするとは思わなかった」

麻子「……授業ではそど子達に教えて私はあまり動かさなかったからな」

優花里「冷泉殿がやる気に……っ」

華「いよいよ準決勝ですから、自然と気合が入ってしまいますね」

エリカ「ほら、あまり遅くなっても良くないわ。早く帰りましょう」

優花里「はいっ!」

華「ええ」

麻子「さっさと帰るか」

沙織「……ねぇ、えりりん」

エリカ「何?」

沙織「聞きたいことがあるの――――西住みほさんについて」

エリカ「……」



528: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:58:44.97 ID:D5UGscx/0

華「西住みほ?」

麻子「誰だそれは」

優花里「さ、沙織殿、それは後にしませんかっ!?」

エリカ「優花里、いいわ。……どうしてそんなことが聞きたいの?」

沙織「アンツィオの人が西住みほって名前を出したとき、明らかにえりりんの反応がおかしかったから」

エリカ「……」

沙織「だから、西住みほって子について私なりに調べたの。えりりんがさっき話してた日本の戦車道二大流派の一つ、西住流。

   西住みほさんはその師範の娘で、私たちも知ってる西住まほさんの妹なんだよね?」

華「まほ……あの喫茶店での」

麻子「あいつか……」

エリカ「……いいわ、続けて」

沙織「みほさんは中学時代に戦車道で優秀な成績を収めてる。

   だけど、その子の名前が出てくるのは去年の大会で黒森峰の副隊長をしていたってところまでで……

   当時1年生だったんだから今年もいるはずなのに、2回戦までの黒森峰の出場選手には一回も載ってなかった……」

エリカ「……」

沙織「怪我とか病気での長期離脱っていうのも考えたんだけど、調べてもそういった情報はでてこなくて……」

エリカ「去年の大会以降の情報がない……当然ね。だって―――――」



529: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/15(木) 18:59:25.70 ID:D5UGscx/0










エリカ「西住みほは、もう死んでいるのだから」










540: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:06:49.21 ID:MJksQBve0

華「それは……」

麻子「……」

優花里「っ……」

沙織「……やっぱり。えりりんが前に話してた戦車道での死者って……」

エリカ「西住みほの事よ」

沙織「……一体、何があったの?」

エリカ「……そうね、いい機会だから話しておこうかしら」

優花里「エリカ殿……」

エリカ「去年の決勝戦、黒森峰とプラウダとの試合で事故があった」

沙織「……」



541: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:15:53.58 ID:MJksQBve0

エリカ「私はその時西住みほの傍にいたわ」

沙織「えっ……」

エリカ「……西住みほの乗るフラッグ車と指揮する部隊は敵の裏を取るために川沿いの崖を進んでいた。だけど、その作戦は読まれていたのよ。

    待ち伏せしていた敵からの砲撃を受けた際、突然の豪雨で滑りやすくなっていたせいでフラッグ車を護衛していた先頭車両が川に落ちたの」

沙織「そんな……」

エリカ「西住みほはそれを見て、単身救助に向かった。……自身のフラッグ車を放り出してね」

沙織「……」

エリカ「流されてた戦車には5人の乗員が乗ってた。操縦手、通信手、砲手、装填手、それと――――車長の逸見エリカがね」

沙織「っ!?」

華「エリカさんは、事故に遭われた本人だったのですか……」

エリカ「……そして、5人の命が助かったわ」

沙織「みほさんは、それで……」

優花里「……」



542: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:23:28.51 ID:MJksQBve0

エリカ「身を挺した救出劇。はたから見れば美談になるのかもしれない。だけど、そうはならなかった」

沙織「どういうこと?」

エリカ「戦車道の世界大会、そしてプロリーグの設立が控えている大事な時期に強豪校、それも西住流の師範の娘が事故で亡くなっただなんて世間に知られたら

    大く影響が出る。戦車道という競技そのものの存続が危ぶまれるかもしれない。だから、事故の詳細と、亡くなった生徒の名前が公表されることはなかった。不幸な事故で亡くなったのは名もない1生徒だってね」

沙織「そんな……」

エリカ「……事故が判明した段階でもう動き始めていたんでしょうね。生徒のプライベートが、家族の気持ちを考えて。

    そんな理由で名前は出されず不幸な事故とされ、偉い人が再発防止を誓って終わりよ」

優花里「当時の戦車道関連の雑誌や、ネットニュースは『どういうわけか』ほとんどこの事を報じず、

    一般の人はもちろん、戦車道をしている人でもこの事件について詳しい人はあまりいません」

沙織「ひどい……」

エリカ「仕方ない事よ。日本の戦車道は今、一番大事な時期なのだから」

沙織「でも……」



543: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:28:56.48 ID:MJksQBve0

エリカ「もちろん協会もただ形だけの謝罪をしたわけじゃないわ。戦車そのものの安全性や競技中の事故に関するマニュアルの強化などできる限りの事はしたわ」

沙織「……えりりんはそれで良いの?みほさんが亡くなった事を、それで納得できたの……?」

エリカ「……私がどうこう言うことじゃないわって言いたいところだけど、それじゃ納得しないわよね」

沙織「……うん」

エリカ「私は……これでよかったと思ってる。不幸な事故のせいで、

    戦車道そのものが無くなる可能性があったことを考えれば、連盟の行動は最適解だったと思うわ」

沙織「……」

エリカ「私は、戦車道が好きよ。私の存在意義と言って過言じゃないわ。だから連盟の、大人たちの思惑を経て私たちの今があるならば……これでよかったのよ」

沙織「……そっか」

エリカ「これが私の知ってる全てよ。もういい?」

沙織「……うん。ごめんね、辛い事を思い出させちゃって」

エリカ「気にしないで。さ、もう帰りましょう」

沙織「うんっ」

優花里「……良かった」ボソッ



544: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:35:41.80 ID:MJksQBve0

麻子「話は終わったか」

華「私、お腹が空いちゃいました」

エリカ「なら、どこか寄ってから帰りましょう」

華「すみません……」

エリカ「今さら何言ってるの。友達なんでしょ?」

華「はいっ」

沙織「あ、えりりん。最後にもう一つだけいい?」

エリカ「何よ」



545: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:40:47.61 ID:MJksQBve0

沙織「みほさんってどんな人だったの?」

エリカ「臆病者」

沙織「……え?」

エリカ「家柄と経験だけで何の資質も持ってない子だったわ」

華「……エリカさん?」

エリカ「臆病で、いつも誰かの顔色を伺ってばかり」

麻子「……」

エリカ「そのくせ性根ではいつだって自分が正しいと驕っていた」

優花里「エリカ殿っ!!?」

エリカ「挙句の果てに自分勝手な正義感でフラッグ車を投げ出して黒森峰の偉大な記録を、名声を、地に落とした」

沙織「ちょ、ちょっとまってよ!?えりりんって、去年の決勝で川に落ちた戦車に乗ってたって……!」

エリカ「ええ、そうよ。あれは私にとっても苦い経験ね……」

沙織「そ、それを助けたのがみほさんで、みほさんは……」

エリカ「死んだわよ。ほんと、滑稽ね」

沙織「ッ!?なん、で」

エリカ「何でですって?そんなの決まってるじゃない」



546: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:46:01.19 ID:MJksQBve0

エリカ「何もできないくせに何でもできると驕って」

沙織「……えりりん、やめて」

エリカ「自分を死なせて」

沙織「ねぇ、お願いだから……」

エリカ「優勝旗も守れなかった」

沙織「えりりんッ!!」



547: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:48:49.19 ID:MJksQBve0








エリカ「馬鹿な副隊長よ―――あぁ、『元』だったわね」









548: ◆ARF27jgAcPAd 2018/03/17(土) 18:50:48.58 ID:MJksQBve0



バシィッ!!






エリカ「……っ」

沙織「……なんで、なんで自分のために命を落とした人をそんな風に言えるの……?」

エリカ「……事実だからよ」

沙織「えりりんが……あなたがそんな人だと思わなかったッ!!」

エリカ「……だったら何?」

沙織「私……もうあなたの戦車には乗らないッ、あなたのような人と一緒に戦えないッ!!」ダッ

優花里「あっ!?沙織殿!!?」

エリカ「……4人いればなんとかなるわよ」

華「―――――なら、これで3人ですね」

優花里「華殿……?」

華「エリカさん、私があなたと共に戦おうと思ったのはあなたの中に道を見たからです」

エリカ「……」



549: ◆CiPcK8.1Gc 2018/03/17(土) 18:52:36.45 ID:MJksQBve0

華「ですが、それはどうやら私の見誤りだったようですね。……死者を、それも命の恩人を愚弄するような輩と共に歩く道は、私にはありません」

エリカ「……そう」

華「今までお世話になりました」

優花里「ああそんなっ……華殿まで、ま、待ってください!?」

エリカ「止めなくて良いわよ。やる気のないやつはいるだけで邪魔だから」

優花里「エリカ殿っ!?」

エリカ「……麻子、あなたはどうするの」

麻子「……私は逸見さんに個人的な恩がある。おばぁの一件、今でも感謝している。だから、私は最後まで残る」

エリカ「……そう。あなたは?」

優花里「えっ!?わ、私も最後まで残るつもり、です」

エリカ「それなら、せめてもう一人乗員をみつけないとね……とりあえず、優花里。あなたにはしばらく砲手も兼任してもらうわ。負担が増えるけど代わりが見つかるまでなんとか頑張って」

優花里「そ、それは構いませんが……」

エリカ「なら、今日はここまでね。私は帰らせてもらうわ」

麻子「……ああ、ゆっくり休んだほうが良い」

優花里「ちょっ、エリカ殿!!」



550: ◆CiPcK8.1Gc 2018/03/17(土) 18:53:40.99 ID:MJksQBve0






優花里「待ってくださいっ!エリカ殿!!」

エリカ「……何?」

優花里「あのっ、沙織殿達ともう一度話してもらえませんかっ!?」

エリカ「言ったでしょ?やる気の無いやつにいられても迷惑だって」

優花里「違いますっ!!お二人は決して戦車道が嫌になったとかじゃっ」

エリカ「……わかってるわよ。でも、私の指示に従えないなら同じことよ」

優花里「お二人は、え、エリカ殿の事を誤解してるんです!!あの、本当の事を話せばきっとっ!」

エリカ「っ……黙れっ!!」

優花里「っ!?」ビクッ



551: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:54:46.90 ID:MJksQBve0

エリカ「あなたに……あなたに何が分かるのよっ!?知識だけで、何も知らないあなたにっ!?」

優花里「っ……」

エリカ「あ……ごめんなさい、私……帰るから」スタスタ

優花里「……なんで、なんでですかっ!!?こないだは、アンツィオ戦後はあんなに笑ってたじゃないですかっ!!?

    敵も味方も関係なしに笑って、はしゃいで……エリカ殿だってっ!!なのにっなんでこんな事になっちゃうんですかエリカ殿っ!!?」

エリカ「……それが、偽物だったってだけでしょ」

優花里「っ!?何、言って……」

エリカ「じゃあね、優花里。……また明日」

優花里「……エリカ殿の、エリカ殿の……っ馬鹿あああああああああああああああああっ!!」



552: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:55:23.90 ID:MJksQBve0








エリカ「……ええ。ほんと、救えないわね」








553: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/17(土) 18:56:28.54 ID:MJksQBve0







初めてあなたと一緒の戦車に乗った日

私は長い間、本当に長い間忘れていた気持ちを思い出した

小さなII号戦車に私が車長と砲手であなたが操縦手

私が指示をし時にはあなたが指示をして……あの瞬間、私は一人じゃなかった

ひたすら夢中で戦車を動かして、試合が終わった後になってようやく気付いた

ああ、そうだ。戦車道ってこんなに楽しかったんだって

それを思い出した瞬間涙が流れて、止まらなくて

そんな私を見てあなたはあたふたしながらもそっと、頭をなでてくれた

貴女がいたから、私は私を思い出せた






私は、貴女に――――エリカさんに救われたんだよ









566: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:08:15.55 ID:6ScmyZv60







エーリっカさん♪



――やめて










567: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:10:02.71 ID:6ScmyZv60






エリカさんっ!



――黙れ







568: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:11:29.39 ID:6ScmyZv60






エリカさん



――私は、






569: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:12:51.35 ID:6ScmyZv60








エリカさん。貴女に会えて、良かった







弱いあなたが憎くてたまらない








570: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:16:13.05 ID:6ScmyZv60





エリカ「っ!?」バッ


チュンチュンチュン


エリカ「……っ、最悪の目覚めね」





『私……もうあなたの戦車には乗らないッ、あなたのような人と一緒に戦えないッ!!』

『死者を、それも命の恩人を愚弄するような輩と共に歩く道は、私にはありません』






エリカ「……全部夢だったらいいのに」





571: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:21:46.61 ID:6ScmyZv60







エリカ「……」モグモグ

麻子「逸見さん?」

エリカ「麻子?どうしたのよこんなところで」

麻子「ここは私の昼寝スポットの一つだ。校舎の影で人通りも少なくて涼しいからな」

エリカ「そう」

麻子「逸見さんこそ、こんなところで昼食か」

エリカ「たまには一人でパン食べるのもいいかなって思っただけよ」

麻子「……そうか」

エリカ「……っと、私は食べ終わったから戻るわね。あなたも昼寝は良いけれど授業はちゃんと出なさいよ」

麻子「沙織みたいなことを言うんだな」

エリカ「……じゃあまたね」

麻子「……ああ」



572: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:26:57.78 ID:6ScmyZv60






桃「いよいよ次は準決勝だっ!!相手は前回の優勝校であるプラウダ高校っ!!全員、気を引き締めろっ!!」

杏「……あれ?武部ちゃんと五十鈴ちゃんは?」

優花里「そ、それは……」

エリカ「二人とも今日はお休みよ。体調が悪いんじゃない?」

杏「……そっか」

桃「二人ともたるんでるなっ!」

杏「まーまー、いいじゃないの。そんな時もあるよ」

桃「ですが会長……」

エリカ「とりあえず今日の練習はいつも通りの基礎訓練よ。参加車輛が増えたとはいえ、相手の15輌に比べれば依然心もとない数。

    だからこそ各車、各チームの技量を高める必要があるわ。数の少ない有象無象を少数精鋭にまで押し上げる。そのための基礎よ」

梓「はいっ!」

あゆみ「また基礎かぁ……」

あや「たまにはドンパチした練習がやりたいなぁー」

梓「あゆみ、あやっ!!」

エリカ「気持ちはわかるけれどこれも必要な事よ。それじゃあ早速始めましょう」



573: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:30:32.14 ID:6ScmyZv60






優花里「今日は3人で動かすことになるんですね……」

エリカ「仕方がないでしょ。ほら、さっさと乗って」

麻子「ん」

優花里「はい……」

エリカ「……っと」

麻子「それじゃあ出すぞ」

エリカ「……」

優花里「エリカ殿?」

エリカ「……やっぱり今日はⅣ号は出さないでおきましょう」

優花里「え?」

エリカ「皆、悪いけど練習内容を変更するわ。Ⅳ号を抜いた7輌で4対3の紅白戦をしましょう」

梓『え?』

エルヴィン『こちらは構わないがどういう風の吹き回しだ?』



574: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:32:36.15 ID:6ScmyZv60

エリカ「……基礎はもちろん大事。でも、チームの実力を把握しておくのも連携には必要なことよ。

    その点紅白戦はそれにうってつけって事。初心者のカモさんチームとレオポンさんチームは一緒でお願い」

桃『キリが悪いな……お前たちは参加しないのか?』

エリカ「あら?今さら私たちの実力を図る必要がある?」

ねこにゃー『逸見さん超強気……』

エリカ「……冗談よ。麻子と優花里にはカモさんとレオポンさんチームのサポートをお願いしたいからね」

そど子『私たちはまだ初心者なんだからそのあたり頼むわよっ!!』

ナカジマ『こっちも動かす以外は素人だからお願いねー』

エリカ「って事だから麻子、優花里お願いね」

優花里「は、はい」

麻子「……わかった」



575: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:35:42.45 ID:6ScmyZv60

桃『お前はどうするんだ?』

エリカ「私は監視台から皆の試合を見させてもらうわ。桃ちゃん、最近は0距離なら当てられるようになったけど、もうちょっとなんとかなるようにしなさい」

梓『0距離なら当たるようになったんだ……』

優花里「エリカ殿の必死の指導でなんとかそこまで持ってけるようになりました……」

エルヴィン『ある意味才能だな……』

桃『うるさいうるさいっ!あと桃ちゃん言うなっ!!』

エリカ「桃ちゃんだけじゃないわ、ウサギさんチームは指示を守るために他がおろそかになる時がある。指示を守るのと自分の頭で考えないのは別よ。

    隊長からの指示をただ受けるだけなら車長なんていらないわ。その事をよく考えなさい」

梓『っ……はいっ!!』



576: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:36:52.39 ID:6ScmyZv60

エリカ「カバさんチームはなまじⅢ突に火力があるせいか攻め急ぐ癖があるわ。突撃砲の運用は待ち伏せが基本よ。

    聖グロの時のように瞬時に地形を把握して自身に有利な状況を見つけられるようにしなさい」

エルヴィン『耳が痛いな』

エリカ「アヒルさんチーム、火力も装甲もない八九式で偵察をこなせるようにしたのは良いけれど、それはほかの戦車でもできることよ。

    あなた達がその子を選んだのだから、誰にも負けないっていう自信を持って、もっと技術を高めなさい」

典子『はいっ!!』

エリカ「アリクイさんチームはラッキーパンチを狙いすぎ。桃ちゃんほどじゃないけれど闇雲に撃つ癖があるわ。

    三式は砲撃に車長と砲手の息を合わせる必要がある。もっとタイミングを見極めて確実な瞬間をとらえなさい」

ねこにゃー『りょ、了解』



577: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:39:30.01 ID:6ScmyZv60

エリカ『カモさんチームはまだ戦闘は難しいでしょうけど、B1は装甲が厚いわ

    焦らず、麻子たちの指示を聞いて出来る事からやって』

そど子『はい』

エリカ「レオポンさんチームは操縦に関しては心配してないわ。でも、癖が強い戦車には変わりがない。

    実戦形式で動かす中で、そのあたりを掴んで本番でもしっかり動かせるようにして」

ナカジマ『オッケー』

エリカ「それじゃあ始めましょう」



578: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:43:11.47 ID:6ScmyZv60






桃『アヒルさんチームだ撃て撃てーっ!!』

エルヴィン『うぉおおおおおっ!?なんでっ!?なんでこっち飛んでくるっ!?』

桃『また外れか……』

ねこにゃー『いやあれはもはや空間が曲がってないとおかしい弾道だったような……』

典子『何か知らないけど今のうちに逃げよう』



579: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:45:12.89 ID:6ScmyZv60







ゴモ代『う、うわわっ、冷泉先輩どうすればっ!?』

麻子『こう、レバーをグイっとしてなんかこう、シュッってやった後ウィィィンってやればいい』

ゴモ代『わかりませーんっ!』

そど子『ちょっと冷泉さんっ!ちゃんと教えなさいよっ!!』

麻子『……めんどくさいな』



580: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:47:41.73 ID:6ScmyZv60






ホシノ『ナカジマーエンジンがお熱っぽいぞ』

ナカジマ『仕方ない、ちょっとあやすね』

梓『嘘っ!?走りながらっ!?』

優花里『設備の無いところであのレベルの修理をできるだなんて!信じられないです!!』



581: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:48:48.38 ID:6ScmyZv60






左衛門座『ウサギ狩りだーっ!!』

梓『あんなところにっ!?』

エルヴィン『背の高いお前らはよく見えていたぞ』



582: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:49:41.57 ID:6ScmyZv60





シュポッ シュポッ

エルヴィン『……相打ちか。まさか車高の高さを利用してあんな攻撃をしてくるとはな』

梓『まさか車高の低さをあんな形で利用してくるだなんて……』

エルヴィン・梓『『……ま、実戦じゃ絶対できない動きだけど』』





エリカ「終わったわねー?それじゃあチームを変えてもう一回よ」

『はーい!』

エリカ「……」






エリカ「沙織、華……」ボソッ








583: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:52:26.38 ID:6ScmyZv60







エリカ「……」モグモグ

麻子「……逸見さん」

エリカ「麻子?なんでこんなところに……」

麻子「私の昼寝スポットは学園艦の各地にある。ここもその一つだ」

エリカ「そ、そう」

麻子「逸見さんはまたぼっち飯か」

エリカ「言ってくれるわね……」

麻子「秋山さんはどうした」

エリカ「……正直、今はあの子と話しても傷つけるだけよ」

麻子「……隣、いいか?」

エリカ「いいけど……昼寝はどうしたのよ」

麻子「少し、話をしよう」

エリカ「……」



584: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:57:00.35 ID:6ScmyZv60

麻子「逸見さん。沙織が何であんなに怒ったかわかるか?」

エリカ「……説教ならやめてほしいわ」

麻子「そうじゃない。ただ、沙織が誤解されているのはあまり嬉しくないから」

エリカ「誤解?」

麻子「沙織は、逸見さんが西住さんとやらの死を侮辱したから怒ったんじゃないんだ」

エリカ「……なら、何よ?」

麻子「沙織は逸見さんの『酷い言葉』に怒ったんじゃない。酷い言葉を『逸見さん』が言ったから怒ったんだ」

エリカ「……」



585: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/21(水) 18:59:15.76 ID:6ScmyZv60

麻子「私は沙織が誰かをぶつのも、あからさまに人を避けるのも初めて見た。……沙織は誰とでも仲良くできる。

   もちろん中には反りが合わなかったりする奴がいたかもしれん。それでも沙織は表面上を取り繕って波風をたてないようにする。お互いのためにな」

エリカ「よくやるわね」

麻子「ああ、私もそう思う。だけど逸見さんにはああいう態度をとった。その意味を、その理由を……理解してほしい」

エリカ「……」

麻子「言いたいことはそれだけだ。こないだ言った通り、二人が仲直りしようがしまいが私は最後まで逸見さんについていく。……後は好きにするといい」スクッ 

エリカ「麻子」

麻子「……」

エリカ「私は、沙織を誤解したことなんて一度もないわ」

麻子「……なら、それをちゃんと言ってやれ。話せばわかるのに勝手に決めつけて、それが最後になるだなんてのを私は……もう見たくないんだ」スタスタ

エリカ「……はぁ、私って本当に馬鹿ね」



592: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:10:14.83 ID:bE28mdZg0





キーンコーンカーンコーン


ザワザワ

カエリドッカヨローヨー

ジャア、ワタシ アマイモノタベターイ




エリカ「……」

沙織「……華、帰ろう」

華「……はい」



593: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:13:51.12 ID:bE28mdZg0

エリカ「……っ沙織、華っ!!」ガタッ

沙織「……」

エリカ「あなた達と話がしたいっ!!」

沙織「……私は、逸見さんと話したくない」

エリカ「っ……」

沙織「……華、行こ」スタスタ

華「……沙織さん」


ガシッ

エリカ「お願い、話を聞いてっ……」

沙織「っ……うるさいっ!!」ダッ

エリカ「沙織……」



594: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:16:00.97 ID:bE28mdZg0







優花里「追ってくださいっ!!」






エリカ「優花里……?」

優花里「いいからっ!!早く行ってっ!!ここで諦めたら――――きっと後悔しますよっ!?」

エリカ「――――うんっ!!」ダッ



595: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:21:41.53 ID:bE28mdZg0

優花里「……エリカ殿、頑張ってください」

麻子「まったく、騒がしいやつらだな」

優花里「麻子殿……」

麻子「……秋山さん」

優花里「?」

麻子「……大丈夫だ」

優花里「……はいっ」





華「……私、置いてけぼりですね」

優花里「あ……」



596: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:25:19.89 ID:bE28mdZg0






ダダダダダッ!!

エリカ「沙織っ!!」

沙織「ついてこないでっ!!」

エリカ「嫌よっ!絶対に逃がさないわっ!!」



カエサル「何やってんだあいつら……」

エルヴィン「ラップランドか?」

カエサル「ゲルマン民族大移動だ」

左衛門座「いや、島津の退き口だな」

おりょう「いやいや逃げの小五郎ぜよ」

「「「それだっ!」」」



典子「隊長、ランニングですかっ!?お付き合いしますっ!!」

ねこにゃー「キャプテン、それは違うと思うな……」



597: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:28:53.75 ID:bE28mdZg0





ダダダダダッ!!


沙織「逸見さんとはもうなんでもないんだからっ!!」

エリカ「今さら他人行儀な呼び方しないでっ!!」






梓「エリカ先輩に武部先輩……?」

あや「どうしたんだろ?」

優季「痴話喧嘩かもよぉ?」

あや「男の取り合い……」

梓「変なこと言わないでっ!!」

紗希「……」ボーッ



598: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:32:07.85 ID:bE28mdZg0






ダダダダダッ!!


エリカ「お願いっ話を聞いてっ!!」

沙織「うるさいうるさいっ!!」





杏「逸見ちゃんたち何してんだろ」

柚子「廊下は走っちゃだめだよー……」

桃「武部の奴、体調不良だと言ってたのに元気じゃないかっ!?」



ナカジマ「廊下でレースかな?」

ホシノ「学校での交通ルールは守らないと」



ダダダダッ!

そど子「あなた達廊下を走るとか何考えてるのー!!」

ナカジマ「……参加者が増えたね」



599: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:38:46.59 ID:bE28mdZg0






―屋上―



沙織「はぁっ……はぁっ……」

エリカ「ぜぇ……ぜぇ……もう、逃げ場はないわよ……」

沙織「……もう、なんなのっ!?あなたと私はもう何の関係もないんだからっ!!」

エリカ「……沙織。私は……ここで終わりだなんて嫌」

沙織「っ……」

エリカ「沙織、私が嫌いなら、信頼できないならそれでも良いわ。だけど、私は――――」

沙織「こないでっ!!」

エリカ「……」

沙織「ねぇ、あなたは誰なの……?」

エリカ「っ!?何、言って」

沙織「私、あなたの事何も知らない……みほさんの事も、黒森峰での事も……」

エリカ「……沙織」



600: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:42:10.96 ID:bE28mdZg0

沙織「えり、逸見さんがみほさんをどう思ってるかっていうの、あれ本当なんだよね……?」

エリカ「……ええ。あの言葉は間違いなく――――私の本心よ」

沙織「それがわかったから私は……でも、私はあなたの優しいところもたくさん見てきたっ……」

エリカ「……」

沙織「あなたが戦車道に強い思い入れがあるって知ってる。だけど、あなたはそれを押し付けたりしなかった。

   厳しい時もあったけど、それがあったから皆戦車道を楽しんでる。一年生チームだって、あなたの厳しさがあったから本気になれたって

   アリクイさんチームも、あなたが見つけてきたんだよ……?」

エリカ「勝つために必要だと思ったから。……かもしれないわよ」

沙織「バレー部やアリサさんのために自分を傷つけて」

エリカ「……それが最適解だと思ったから」

沙織「自動車部の皆にだって、ずっと仲間だと思ってたって……」

エリカ「……それも、」

沙織「あなたはそんなに器用な人じゃないよ」

エリカ「……何も知らないだなんてよく言うわね。私の事、よく見てるじゃない」



601: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:47:36.16 ID:bE28mdZg0

沙織「ねぇエリカ。私達、あなたと出会ってまだ半年も経ってないんだよ?なのにエリカと出会ってから今日まで、本当に長かった。あなたとの思い出が沢山できたっ……」

エリカ「……私もよ」

沙織「でもね、だからかな。……あの時のあなたがどうしても許せなかった」

エリカ「それは、あなたが優しいからよ」

沙織「違う、違うのエリカ……私は、私はただ嫌だったのっ!あんな事を言うエリカがっ!」

エリカ「……」

沙織「誰だって嫌いな人や苦手な人はいるよ。私はそれを否定できるような聖人じゃない。なのに……あなたがみほさんの事を悪く言っているのが、どうしても耐えられなかった……

   あなたがあんなにも誰かを蔑んで、憎む顔を、見たくなかったっ……」

沙織「あなたの言葉は間違ってる。だけど、そんなの些細な事なのっ、私は……私はただ……あなたと一緒に笑顔でいたかっただけッ!!」

エリカ「……」

沙織「……エリカ、もう一度言うね。誰かを悪く言うあなたが嫌い」

エリカ「……」

沙織「だけど――――それ以上に、あなたを嫌いになる私が嫌い」

沙織「あなたは厳しくて、だけど優しい人だから。誰かを嫌ったり、憎んだりしないだなんて決めつけて、

   それが違ったから裏切られただなんて思って、こんなエゴにまみれた私に、あなたの友達でいる資格なんて――――」



602: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:53:16.10 ID:bE28mdZg0


   

ギュッ





沙織「エリカ……?」

エリカ「……沙織、あなたには感謝してる」

沙織「……え?」

エリカ「初めて話しかけてくれたこと、今でも感謝してるわ」

エリカ「一緒に戦車道をやると言ってくれたこと、本当はとっても心強かった」

エリカ「今日の訓練、私は見学してたわ。だって3人じゃ戦車動かせないもの……そんな誤魔化しでみんなを、自分を納得させた」

エリカ「3人だって動かすぐらいできるわ、戦闘は無理でもやろうと思えば練習できた。……でも、したくなかった」

沙織「……」

エリカ「初めてよ。あんなに戦車に乗りたくないと思ったのは。あなた達がいない戦車は……あんまりにも寒かったから」

沙織「えり、」

エリカ「私も同じよ沙織。あなた達と出会ってから本当に長かった。たくさんの思い出ができたの」

沙織「……うん」

エリカ「……沙織、あなたは何も間違ってない。間違ってるのは私なの。優しいあなたを無遠慮な言葉で傷つけたのは、私なの」

沙織「……」



603: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 19:57:52.58 ID:bE28mdZg0

エリカ「だけど、それでも私は―――――――あなた達の乗る戦車に乗りたい。あなたを傷つける事になっても、それでも私には……あなたが必要よ」

沙織「……えりりん」

エリカ「……何?」

沙織「私は、みほさんとえりりんがどんな関係だったのか何も知らないよ」

エリカ「……話すつもりはないしね」

沙織「えりりんが私たちに何か隠してるのも知ってる」

エリカ「……そう」

沙織「だから、きっとえりりんにも何か事情があるのかもしれない、理由があるのかもしれない。

   それでも、私はえりりんにあんな言葉を言ってほしくなかった」

エリカ「……ええ。でも、撤回するつもりはないわ」



604: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/24(土) 20:04:26.65 ID:bE28mdZg0

沙織「私は、初めてえりりんの嫌いなところができたよ」

エリカ「……」

沙織「だからもっとえりりんの良いところを私に見せて」

エリカ「私には、戦車道しかできないわ」

沙織「それでいいから、それが見たいから――――いっぱい笑って、いっぱい楽しんで、みんなとの思い出をたくさん作ろうよ。ね?えりりん」

エリカ「……沙織」

沙織「なあに?」

エリカ「……ありがとう」

沙織「ううん、私こそありがとう。それと、ごめんね。ぶったりして……」

エリカ「ええ、痛かったわよ。誰かにぶたれたのなんて久しぶりだったから結構効いたわ」

沙織「ふふっ、私も鍛えられてるのかな?」

エリカ「かもね」

沙織「……えりりん」

エリカ「なあに?」

沙織「あなたと友達になれて良かった」

エリカ「……ええ、私も」












優花里「ううぅ……エリカ殿、沙織殿ぉ……」グスッ

麻子「ほら、あんまり大声出すと見つかるぞ」

優花里「す、すみません……」ズビッ

麻子「……良かったな逸見さん、沙織」



612: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:01:06.98 ID:0ALf6fSk0







エリカ「沙織、私はまだ話さないといけない人がいるの」

沙織「……華、だよね」

エリカ「ええ」

沙織「……話しづらいなら、私から」

エリカ「駄目よ。……わかるでしょ?あなたにそうしたように、華とも向き合って話したいの」

沙織「……うん」



613: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:03:47.82 ID:0ALf6fSk0






キーンコーンカーンコーン



エリカ「華っ!」ガタッ

華「申し訳ありません。私この後お稽古事がありますので」スタスタ

エリカ「あ……」

沙織「完っっっ全に脈無しだね……」

エリカ「……どうしよう」

沙織「……こうなったら」



614: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:07:24.32 ID:0ALf6fSk0






沙織「手紙だよっ!」

優花里「ある種由緒正しいやり方ですね」

沙織「そうっ!メールとは違って手書きの手紙には温もりがあるのっ!」

麻子「私が就活するころにはそんな風潮全て滅んでて欲しいものだな」

優花里「就活するんですか?」

麻子「……別にニート志望というわけではない」

沙織「とにかくっ!想いを伝えるのに手紙を使うのは古今東西の常套手段っ!そこに恋も友情も関係ないよっ!」

エリカ「でも、何を書けばいいの?」

沙織「そこはほら、華に伝えたいことがあるでしょ?」

エリカ「伝えたい事……」カキカキ



615: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:14:13.05 ID:0ALf6fSk0







『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした。

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。     逸見エリカ』








616: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:14:54.65 ID:0ALf6fSk0

沙織「謝罪文っ!!?」

エリカ「え……だって、とりあえず謝るところから始めないと……」

沙織「始まるどころかこれじゃあただ謝ってるだけでしょ!?それも事務的なっ!

   謝るにしてもちゃんとえりりんの気持ちを伝えるようにしないと」

エリカ「そう……」カキカキ



617: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:20:26.57 ID:0ALf6fSk0







『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。

 しかしながら、私の発言自体には華様への侮辱、あるいは不快にさせるような意図が含まれていたわけではなく

 あくまで私個人の西住みほへの感想であったため、発言を撤回することは無く訂正もいたしません。

                          
                                             逸見エリカ』






618: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:21:01.86 ID:0ALf6fSk0

沙織「そうじゃなーーーーーーーーいっ!!」

エリカ「えぇ……?」

沙織「確かに気持ちを伝えろとは言ったけどこれじゃあ開き直ってるだけじゃんっ!?」

エリカ「でも、私は私の考えを変えるつもりはないし、でもそのせいであなた達を傷つけて……私、ほんとに馬鹿みたい」

沙織「その話は終わったからっ!今は前を向いて華への思いを書き連ねてっ!!」

エリカ「私の華への思い……」

沙織「えりりんだって手紙書いたことぐらいあるでしょ?家族に、友達に。変に格式ばった書き方する必要ないんだよ。

   大事なのは何を伝えたいのか。口に出せない思いを文字に込めるのが手紙なんだから」

エリカ「……」



619: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:29:06.37 ID:0ALf6fSk0







『エリカさんお待たせっ!』

『別に待ってなんかいないわよ』

『そう?なら良かった。それじゃあ学校行こ』

『ええ、でも途中ちょっとポストに寄るわよ』

『手紙でも出すの?』

『ええ、陸の家族にね』

『へー。エリカさんちゃんと手紙で家族と連絡とってるんだね』

『別にメールや電話もしてるわよ?でもね、自分でペンをとって日々の事を書いてると、その時思った事、伝えたい気持ちが自然と文章に現れるのよ』

『そういうものなんだぁ』

『あなたもたまには家族に手紙でも書いてみれば?』

『お父さんはともかく、お母さんに下手な手紙書くと赤字で修正入って、お説教されそうだし……』

『あなた自分の母親をなんだと思ってるのよ……じゃあ隊長に出せば?』

『毎日会ってるのに?』








620: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:30:15.04 ID:0ALf6fSk0






『いいじゃない。交換日記みたいなものよ』

『……だったら私はエリ―――』

『二人とも、おはよう』

『隊長っ!?おはようございますっ!』

『エリカは朝から元気だな』

『そうでなくては黒森峰で戦車道なんてできませんよ』

『中々言うじゃないか。なら、今日も期待しているぞ』

『はいっ!』

『……むー』

『どうしたんだ※>>0�』

『お姉ちゃんはずるいよ』

『?』

『※※、なんか言った?』

『なんでもないよっ!ほら、ポスト寄るんでしょ。早く行こっ』

『あ、ちょ、引っ張らないでよ。隊長、それじゃあまた後でっ!』









621: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:38:07.08 ID:0ALf6fSk0

エリカ「……」

沙織「えりりん?」

エリカ「……やっぱり私が今、華に伝えたいのはこの言葉ね」カキカキ



622: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:38:50.85 ID:0ALf6fSk0






『放課後、体育館裏で待つ  逸見エリカ』





沙織「果たし状っ!?」



623: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:45:34.16 ID:0ALf6fSk0






―体育館裏―





エリカ「……」











沙織「……華、来てくれるかな」コソッ

優花里「さすがにあれを無視するような方ではないかと……」コソソッ

麻子「あまり騒ぐなよ。逸見さんは一人で行くと言っていたのだから。それに、心配することは無いと思うぞ」コソソソッ

沙織「……来たっ!?」



624: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:48:52.03 ID:0ALf6fSk0

エリカ「……華」

華「中々古風な誘い文句ですね、つい足が向いてしまいました。それにこの絵、

  判別ができませんでしたが、おそらく私の内臓をぶちまけてやるという意思表示だと解しました」

エリカ「え……あんこう、なんだけど……ちょっと余白があったから何か描こうかって。

    私たちのチームエンブレムだし、いいかなって……」










優花里「ほんとに何なんでしょうあれ……エンブレム見ながら書いてましたよね?」

沙織「だからやめとけって言ったのに……」

麻子「生まれ持ってのセンスはどうしようもなかったな」



625: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:52:48.74 ID:0ALf6fSk0

華「それで?私とのタイマンをお望みでしたら受けて立ちます」スッ

エリカ「なんであなたはそんなに好戦的なのよ……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「……私はもうあなたと共に歩むつもりはありません。果し合いではないというなら私はもう帰らせていただきます」

エリカ「っ……華っ!!」

華「……なんでしょうか」



626: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:53:33.17 ID:0ALf6fSk0






エリカ「ご飯食べに行くわよっ!」







627: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 18:59:34.11 ID:0ALf6fSk0






エリカ「……」モグモグ

華「……」モグモグ







沙織「こっそりついてきたけど……さっきから無言だね」

優花里「ただ黙々と口にものを運んでいるだけです……」

麻子「デザート頼んでいいか?」



628: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:00:10.25 ID:0ALf6fSk0

エリカ「……ここのハンバーグ結構おいしいでしょ」

華「そうですね」

エリカ「遠慮しないでもっと頼んでもいいわよ?ここは私が出すから」

華「遠慮します。あなたにそこまでされるいわれはないので」

エリカ「……」

華「……」







沙織「あぁ……また黙っちゃった……」

優花里「見ているこっちのお腹が痛くなります……」

麻子「フォンダンチョコッシュか……ちょっと気になるな



629: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:01:22.95 ID:0ALf6fSk0

エリカ「……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「同じことを言わせないでください」

エリカ「私にはあなたが必要なの」

華「あなたがそうであっても、私は違います」

エリカ「っ……」








沙織「っ……えりりん」

優花里「頑張ってくださいっ……」

麻子「熱っつ!?なんだこれ中のチョコが熱っつ!?めっちゃこぼれるなこれ」



630: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:08:13.46 ID:0ALf6fSk0

エリカ「……そうね。あなた意外と頑固だものね」

華「わかってくれたようで何よりです」

エリカ「……沙織も、あなたも、優花里も麻子も。自分だけの意志を、信念を……道を持ってる。それは、私には無いものよ」

華「……」

エリカ「私は、道や信念だなんて立派なものを持ってない。戦車道も私にはそれしか無いからやってるだけ」

華「……」

エリカ「……だけど大洗に来て、戦車道を再開して、私……楽しかった。戦車も練度も、何もかも足りなくても……それでも。

    あなた達と、みんなと。全身で全力で勝利を求め続けた今日まで本当に楽しかったわ」

華「……」

エリカ「華、私はあなたに許してもらおうとは思わない。だけど、もう一度チャンスをちょうだい。もう一度だけ、私と共に歩んでほしい」

華「……あなたは、私に弁解しないのですか?自分が死者を愚弄するような輩であることを否定しないのですか?」

エリカ「……しないわ。私にとって西住みほはどうしても許せない存在だから」

華「つまり、私に道を曲げてあなたと共に歩めということですね」



631: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:09:03.37 ID:0ALf6fSk0

エリカ「そうよ。そう、私は……私にはあなた達が必要なの。だから絶対に離さない――――たとえ、あなたの意志を無視しても」

華「……ワガママ、自分勝手。でも……情熱的ですね」

エリカ「……同じ事を最近私も思ったわ」

華「あなたは、私以上に頑固ですね。自分が間違っているとわかって、その上で押し通すと言っているのですから」

エリカ「……かもね」

華「……正直なところ元々私はあなたへの怒りはそれほどもっていません。私が離れたのは西住みほさんの事もありますが、何よりもあなたが沙織さんを悲しませたからです」

エリカ「……」

華「ですから、あなたが沙織さんと和解した時点で私もあなたへのわだかまりはなくなっていました。沙織さんは優しい方です。

  だけど、人を見る目は確かですから。……だからと言って何もなしに元の鞘に収まるつもりはありませんでしたが」

エリカ「……」



632: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:10:29.82 ID:0ALf6fSk0

華「エリカさん」ピッ

エリカ「何、その指?」

華「望み通りチャンスをあげます。……代わりに誓ってください」

エリカ「……何を」

華「もう、沙織さんを悲しませないと。私はあなたの主義思想についてとやかく言うつもりはありません。

  ですが、沙織さんは私にとって大切な友人です。たとえ沙織さんが自分で選んだ道だとしても、私は……沙織さんのあんな顔をもう見たくないのです」

エリカ「……」

華「戦車道を始めたことで私は自身の華道をより深めることができました。優花里さんや、麻子さんだけでなく、たくさんの方々と出会えました。

  戦車道は私にとって大切な物になりました。……あなたには感謝しています。だから……エリカさん、お願いです。私に、この指を折らせないでください」

エリカ「……誓うわ。もう、沙織を悲しませない」

華「……信じます。エリカさんの言葉ですから」










優花里「なんか結婚の許しをもらいに来た恋人と、娘を愛するお父さんの会話みたいですね」

沙織「やだもー!私、ちゃんと素敵な旦那さんと幸せになるからねお父さんっ!!」

麻子「うっわ制服についてしまった……沙織、洗ってくれ」

沙織「えー?もうしょうがないなぁ……」

優花里「亭主関白だ……」



633: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:18:42.40 ID:0ALf6fSk0

華「……あなたの闇は決して小さくない。でも、例えそれで傷つく人がいたとしても歩みを止めないというのであれば……それもまた、道なのでしょう」

エリカ「華……」

華「エリカさん、我がままで、頑なで、歪で、だけどひたむきなあなたの想い。しかと受け止めました」

エリカ「……」

華「そして、忘れないでください。私たちと今日まで歩んできた足跡は間違いなくあなただけの道なのだということを」

エリカ「……」

華「その道に何を見出すのかはまだわかりません。ですが、どんな結果であろうとも私たちはあなたのそばにいます――――友達ですから」

エリカ「……うんっ!」









沙織「えりりんっ……良かった……」

優花里「エリカ殿、やりましたねっ……」

麻子「だから言ったろ。心配することは無いって」



634: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:21:21.38 ID:0ALf6fSk0

エリカ「華……ありがとう」

華「こちらこそ――――ごちそうさまです」ピンポーン

エリカ「……え?」

華「あ、ここからここまで全部お願いします。……ああ、サラダも」

エリカ「ちょ、華?」

華「ここはエリカさんが出してくれるのですよね?」

エリカ「いや、あなた断っ……」

華「それは、エリカさんと仲直りしていなかったからですよ。もとの関係に戻れた以上、遠慮するほうが無粋というものです」

エリカ「いや、それはそう……なの?」

華「ええ。だからこそエリカさんも食事代を持つだなんて言ったんですよね?」

エリカ「……はぁ、わかったわよ。好きにしなさい」

華「はいっ♪じゃあデザートも……このフォンダンチョコッシュというの、美味しそうですね?」

エリカ「……いいわよ。好きにしなさい」

華「はい、遠慮しません♪」










沙織「華のあんな振る舞い初めて見た……えりりん大丈夫かな」

優花里「た、たぶん……ほら、余裕な表情を」

麻子「……いや」



635: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:29:12.01 ID:0ALf6fSk0






エリカ「私の財布、頑張ってっ……負けないでっ……1円でも多ければ大丈夫だからっ……」ブツブツ










沙織「……まずそうだったら私たちも出そう?」

優花里「……ですね」

麻子「逸見さん、まぁあれだ。……頑張れ」



636: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/27(火) 19:30:58.59 ID:0ALf6fSk0

華「エリカさん、ほらアーン」

エリカ「んっ……」モグモグ

華「美味しいですね?」

エリカ「……ええ」

華「今度は……そこにいるみなさんと来ましょう」コソッ

エリカ「……そうね、みんなには心配かけてばっかだから」

華「ふふっ、エリカさん?」

エリカ「何?」

華「試合、頑張りましょう」

エリカ「……言われなくても。華、頼りにしてるわ」

華「任せてください」



660: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:05:49.33 ID:IIBNUqA30




エリカ「今日の訓練はこれで終わり。みんな、よく頑張ったわね。それじゃあ解散っ!!」


ザワザワ 

ツカレター

オフロハイリニイコー



エリカ「……」

杏「逸見ちゃーん」

エリカ「会長?」

杏「今日もお疲れー。最近は特に熱が入ってるねー」

エリカ「何よ急に」

杏「いやー、一時はどうなるかと思ったよ。仲直り出来て何より何より」

エリカ「……やっぱり気づいてたのね」

杏「生徒の事はよく見てるからね」

エリカ「そう。……あなた達にも心配かけたわね」

杏「いいよいいよ、逸見ちゃんには世話になってるからね。……それよりも、後で生徒会室来てくれる?」

エリカ「……?」



661: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:12:32.59 ID:IIBNUqA30






ガチャ

エリカ「来たわよ」

杏「おー逸見ちゃんよく来たね。ままっ、入って入って」

桃「会長お手製のあんこう鍋だ」

柚子「おいしいよー」

エリカ「生徒会室なのにこたつに鍋って……あなた達ほんとに好き勝手やってるわね……」

杏「いいじゃんいいじゃん。北緯50度を超えてもう寒くてしょうがないんだから」

桃「次のステージは雪原か……プラウダのホームみたいなものだな」

杏「向こうについたら管理局で選手と戦車の登録しないとなー」

桃「会長、この寒さですしそれは私が行きます」

杏「いいって」

桃「だったらせめて名簿の作成ぐらい……」

杏「それも大丈夫。私が全部やっておくよ」

桃「しかし、サンダースの時からずっと会長が全部やって……」

杏「いーのいーの、こういうのは一番偉い私がやるもんなの」

エリカ「なんか、随分やる気ね?」

杏「いやいや、河嶋達には準決勝までの時間を有効に使ってほしいからね。このぐらいの雑務は私がやるよ」

桃「会長っ……」ウルッ

エリカ「ちょろいわねぇ……」



662: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:15:48.54 ID:IIBNUqA30

柚子「逸見さん、こっちは雪原での経験がないけど大丈夫?」

エリカ「全車両の雪原塗装や、防寒の準備なんかは進めてるわ。操縦手のみんなにも私から雪上での操縦のコツとか注意事項は話してあるし」

杏「そういや、さっき自動車部が頑張ってたねー」

柚子「会場は雪原なのに戦車まで白いんじゃ見てるこっちも寒くなるよー」

エリカ「仕方ないでしょ。できる策はとっておかないと」

杏「だね」

エリカ「……それで?何の用よ」

杏「慌ただしいなぁ。ごはんまだなんでしょ?ほら、よそってあげるから」

エリカ「そう?ありがとう。ごちそうになるわ」

桃「?今日はやけに素直だな」

エリカ「先日、ちょっと浪費しちゃってね……できるだけ出費は抑えたいのよ……」

桃「お前、学生の内に金遣いが荒いと将来苦労するぞ」

エリカ「桃ちゃんに言われると効くわね……」

桃「どういう意味だっ!?」



663: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:20:13.07 ID:IIBNUqA30

杏「はい、どうぞ」

エリカ「いただきます」

杏「どう?」

エリカ「……確かにおいしいわ。こだわりを感じる味ね」

杏「気に入ってもらえたようでなによりだよ」

エリカ「……」モグモグ

杏「……それにしても、逸見ちゃんがここに来てからずいぶんと慌ただしくなった気がするよ」

エリカ「巻き込んだあなたが言う?」

杏「あーそれもそうだね。でも、悪くなかったでしょ?」

エリカ「……そうね」

桃「もうすぐ準決勝か……」

柚子「ここまで来れるとはね……」

杏「そうだなー……ほんとうに、ここまで来れるとは思ってなかったよ」

エリカ「……」



664: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:22:58.16 ID:IIBNUqA30

杏「逸見ちゃん。今日呼んだのはね、一度逸見ちゃんに話しておきたかったんだよ。この学園の事を」

エリカ「転校して4か月もたてばもうだいぶ知ってるわよ」

杏「そういう事じゃないってわかってるでしょ?」

エリカ「……どういう風の吹き回し?あれだけ黙秘していたのに」

杏「私も話すつもりは無かったよ。でも、私たちがここまでこれたのは逸見ちゃんのおかげだから」

エリカ「……あなた達だって頑張ったじゃない」

杏「あはは、ありがと。……3人で決めたんだ、逸見ちゃんにちゃんと真実を伝えようって」

エリカ「……私は、あなた達の事情に大体の察しはついてるわ」

杏「それでも、言葉にしてちゃんと伝えたいんだよ。お互いが分かっているつもりにならないために」

エリカ「……」



665: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:27:45.05 ID:IIBNUqA30

杏「逸見ちゃん、この学校は、大洗女子学園は……このままだと廃校になる」

エリカ「……そう。やっぱり……学園艦は維持運営費がかさむものね、公立の学園艦は順次統廃合していく。ニュースで聞いたとおり。……まさか自分が当事者になるとは思わなかったけど」

杏「みんなそうだよ。私も、河嶋も、小山も。卒業するまで、卒業してもずっとこの学園艦があると思ってた」

柚子「……遅くとも来年度にはこの学校は学園艦ごとなくなるの」

エリカ「……」

杏「正直、理由は理解できるんだよ。逸見ちゃんの言う通り学園艦は維持費がかかる。国のお金だって無限じゃないんだから。そんで、

  どの学園艦を潰すかってなったら生徒数が減少してて、なんの実績もないうちが選ばれるのもまぁ、仕方ないと思う」

エリカ「……だけど、理解はできても納得はできなかった」

杏「……うん。どれだけ正しい理由であろうと、大洗が廃校になる事でその浮いたお金でもっと正しい事ができるとしても――――ここは私たちの学校なんだよ。

  親元を離れてる子が多い中、それでも寄り添って生きてきたんだ。学園艦は、私たちにとってもう一つの故郷なんだよ」

エリカ「……」

杏「まぁ、向こうの答えは最初から決まってるんだ。それをいくら生徒会長とは言え生徒の言葉で覆すことなんてない」

エリカ「……だけど、あなたは譲歩を引き出した」

杏「向こうがどれだけ本気かわからないけどね。軽い口約束だよ『戦車道の大会で優勝すれば廃校は取り下げる』ってね。

  20年以上前にやってた事で今さら優勝できるだなんて向こうも思ってないよ」

エリカ「そこに私が転校してきた」



666: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:31:51.95 ID:IIBNUqA30

杏「天啓だと思ったね。これは大洗を存続させろって神様が言ってるんじゃないかって」

エリカ「……」

杏「……ごめん。本当はそんなの思ってなかった。ただ、どうせやるなら経験者がいたほうがみんな楽しめるかなって」

エリカ「最初に私に言った事、嘘じゃなかったのね」

杏「私だってそれなりに戦車道を調べたんだよ。たった一人のエースで戦況が覆るほど、戦車道は甘くない」

エリカ「ええ、その通りよ。なのにあなたは大会に出ることを選んだ。無様に負ける可能性のほうが高かったのに」

杏「……」

エリカ「それはたぶん―――――桃ちゃんのためなのよね」

桃「……」

杏「……なんでそう思ったの?」

エリカ「何となくよ。会長も副会長もどこか廃校について達観してるから。……ていうか、今にも泣きそうな桃ちゃん見てたら私も同じ気持ちになるわよ」

桃「な、泣いてないっ!」グスッ

柚子「ほら桃ちゃん、ハンカチ」

桃「だから泣いとらんっ!」



667: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:34:11.83 ID:IIBNUqA30

エリカ「……桃ちゃん、この学校好き?」

桃「大好きだっ!……だから、守りたいんだ……」

エリカ「……」

杏「……逸見ちゃん、次の試合……勝てると思う?」

桃「会長っ!?何を弱気な事をっ!?」

柚子「桃ちゃん」

桃「っ……すみません」

杏「いいよ。……で、どう?」

エリカ「……正直、私が部外者なら棄権したほうが時間の浪費をしなくて済むと思いますね」

桃「っ……」

杏「そっか。だよねぇ……」



668: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:38:49.31 ID:IIBNUqA30

エリカ「戦力差があまりにもありすぎる。準決勝では参加車輛が15輌までになるのに対してこちらが使えるのは8輌。

    おそらくこれが大洗のフルメンバーになるわ。時間も、戦車も、人も。これ以上探してる余裕はないんだから」

桃「でもそれはサンダースの時だってっ!」

エリカ「ええ、そうよ桃ちゃん。サンダースの時も2倍近い戦力差があった。それでも勝てたのは運が味方したからよ」

桃「なら今回だってっ!!」

エリカ「戦車道に限らず戦いは数こそが最大の勝因よ。相手は前年度の優勝校、それに加えて準決勝は雪原ステージ、相手のホーム。

    ……勝てると思う?サンダースでの幸運がまた降ってくると思う?」

桃「でも、それでもっ!!」

杏「河嶋。逸見ちゃんの意見は正しいよ」

桃「っ……だけどっ戦う前に諦めるだなんて事したくないっ!!」

エリカ「……一つだけ策があるわ」

桃「ほんとかっ!?」

エリカ「ええ。……でも、あくまで1割に満たないであろう勝率をわずかに上げる程度のものよ」

桃「それでもっ無いよりましだっ!!」

エリカ「……そしてこの作戦をするにあたって条件がある」

杏「条件?」

エリカ「廃校の件を戦車道の履修者全員に伝える事よ」

杏「……逸見ちゃん、それは」



669: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:41:30.40 ID:IIBNUqA30

エリカ「……あなたがみんなに学園の存続を背負わせたくないのはよくわかるわ。だけどね、この作戦には高い練度となによりも意識の統一が必要になる。

    みんなは現状全力でやってくれているわ。だけど、それはあくまで試合中での事。あの子たちは自分たちがどれだけ追い込まれているのか知らないの」

杏「……それを知ったってプレッシャーになるだけじゃない?」

エリカ「私は、みんながその程度で潰れるような子だとは思ってないわ」

杏「……そっか。……うん、そうだね。わかった」

エリカ「なら、明日早速――――」

杏「私から言うよ」

エリカ「……いいの?」

杏「むしろ私以外に誰が言うのさ?言い出しっぺは私なんだから」

エリカ「……わかったわ」

桃「……」グスッ



670: ◆eltIyP8eDQ 2018/03/31(土) 23:44:29.25 ID:IIBNUqA30

エリカ「……桃ちゃん」

桃「……なんだ」

エリカ「大洗ってどんな学内行事があるの?」

桃「体育祭、合唱祭、学園祭……」

杏「去年は大カレー大会なんてのもやったよ」

柚子「ほかにもハロウィンの仮装祭り、夏の水かけ祭り、泥んこプロレス大会だなんてのもやったんだ」

杏「まぁ、大体は私の思い付きだけどねっ」

エリカ「ふふっ、楽しそうね。……なら、今年も期待しているわ」

杏「逸見ちゃん?」

エリカ「……勝つわよ。絶対に」



679: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:04:50.69 ID:YxKhrdIk0






ザワザワ

杏「逸見ちゃん、全員揃ったよ」

沙織「えりりん、みんなを集めてどうしたの?」

エリカ「みんな、今日は練習前に話しておきたいことがあるわ」

沙織「話しておきたいこと?」

華「なんでしょうか?」

優季「先輩に彼氏ができたとかだったりして~」

沙織「ええーっ!?ちょ、えりりん私聞いてないよっ!?」

エリカ「そりゃそんなの出来てないから言ってないわよ……話ってのは会長からよ。それじゃあ、お願い」



680: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:09:05.53 ID:YxKhrdIk0

杏「ん。――――みんな、この学校は好き?」

沙織「え……何急に……」

あや「学校が好きって……」

優季「愛着はありますよぉ?中学の時からいるしぃ」

梓「先輩に出会えてほんとに良かったですっ!」

優花里「私は、戦車道が始められてほんとに感謝してますっ!」

華「皆さんと出会えたのは、この学校があっての事です」

麻子「……まぁ、色々面倒なことはあったがここまで進級できたのはこの学校だからだと思ってる」

そど子「その面倒に私は含まれてないでしょうねっ!?」

カエサル「勝手知ったる地元。腰を据えて歴史に没頭できるのは他にはない長所だ」

ナカジマ「学園艦グランプリなんて他じゃできないだろうしねー」

ねこにゃー「ぼっちな私に、リアルな友達ができたのはここだからだよ」

典子「たとえ人数が足りなくとも、同じ志を持ったチームメイトに出会えた事が何よりの幸運ですっ!」



681: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:17:15.78 ID:YxKhrdIk0

エリカ「だってさ」

杏「そっか……うん。なら」

桃「っ……」

柚子「……」

杏「みんながこの学校を好きだってわかってほんとに嬉しい。……でも、このままじゃ大洗女子学園は無くなるんだ」


ザワッ……

沙織「ど、どういうことなの?」

杏「……私たちが出てる戦車道の全国大会。これに優勝できないと―――――我が校は廃校になる」



682: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:23:27.99 ID:YxKhrdIk0

優花里「なっ……どういうことですかっ!?」

沙織「廃校になるっていったい……」

杏「大洗女子学園は学園艦の統廃合の対象に選ばれたんだ。そのため、このままだと今年度末には廃校になる」

エルヴィン「随分急な話だな……」

妙子「部の復活どころか学園がなくなっちゃうなんて……」

あや「そんなのないよぉ……」

梓「で、でもっ!優勝すれば廃校にはならないんですよねっ!?」

エリカ「ええ、そうよ」

梓「だったらっ……」

エリカ「でもね、次の相手は前回の優勝校。戦車道を再開してまだ間もない私たちが本当に勝てると思う?」

梓「そんな……エリカ先輩何弱気な事っ……」

エリカ「弱気だとかそういう話じゃない、純然たる事実よ。プラウダの質は人も、戦車も全てにおいて今までの相手より上よ」

梓「っ……でもっ!私たちだって強くなりましたっ!戦車だって、一回戦の頃より増えて……」

エリカ「そう、戦車も増えた。何よりもあなた達が強くなった。それもまた紛れもない事実だわ」

梓「ならっ!!」

エリカ「……それでも、相手のほうが上なのよ」

梓「っ……」



683: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:29:05.70 ID:YxKhrdIk0

杏「……みんながこの学園を好きだってのはわかった。なら、もう一つ聞くよ――――――みんなはどうしたい?」

沙織「それは……」

杏「勝ち目が薄いのは今逸見ちゃんが言った通り。だからこのまま負けても誰も責めない。そもそも、廃校の事を生徒で知ってるのはここにいる人たちだけなんだから」

カエサル「……つまり、こう言いたいのか。悪あがきをせず、潔く負けて残り少ない大洗での生活を楽しめ、と」

杏「そういう選択肢もあるって事だよ。イベントでもなんでもたくさんやって、最後の思い出をみんなで作るってのも悪くないと思うけど?」

麻子「……確かに、一理あるかもしれん」

沙織「麻子っ!?」

麻子「私は戦車道に詳しいわけではないが、逸見さんの言ったことが間違ってるとも思わん」

沙織「だからってっ!!?」

桃「っ……嫌――」



684: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:29:38.37 ID:YxKhrdIk0






梓「嫌だっ!!」







685: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:33:35.83 ID:YxKhrdIk0

桃「澤……?」

あや「梓……?」

桂利奈「梓ちゃん?」

梓「私は……この学校が好きです。みんなと出会えて、先輩たちと出会えて、そして戦車道に出会えてっ!」

エリカ「……」

梓「みんな、諦められるのっ!?ここまで来れたから充分だって、負けても廃校になっても、よく頑張ったからいいってホントに自分に言えるのっ!?」

典子「……そうだな。どんなに追い込まれててもそこで奮起できないようじゃバレー部復活なんて夢のまた夢だ」

あけび「キャプテン……」

梓「エリカ先輩っ!!私は、あきらめませんっ!!相手が優勝校だろうと、数で、人で負けてようともっ!!」

エリカ「根性ってやつ?それで勝てるなら苦労しないわ」

梓「……戦う前に負ける事を考えるやつがありますか?」

エリカ「……言ってくれるじゃない」

梓「だって、他でもないあなたが、エリカ先輩がそうじゃないですか。聖グロとの試合からずっと、いつだって勝ちを目指してここまで来たんじゃないですかっ!!」

エリカ「……」



686: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:35:18.52 ID:YxKhrdIk0

あや「……そうだね、大変だったけど私たちはそれでも全力でやってきたんだもんね」

左衛門座「合戦に向かう以上勝利以外はいらないな」

ツチヤ「まだまだ先輩たちとやりたいことがたくさんあるんですっ!こんなところで終われませんっ!」

ももがー「やれることがあるならなんだってするももっ!」

ゴモ代「先輩が残してくれた伝統を無にしたくないです」

ホシノ「後輩に情けない姿は見せられないな」

ぴよたん「後に続くみんなのためにも、学園を守って見せるぴよっ!」

柚子「みんな……」

桃「そうだ……そうだその意気だっ!!」



687: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:39:52.14 ID:YxKhrdIk0

ねこにゃー「逸見さん、何か考えがあるんでしょ?」

エリカ「……どうしてそう思うの?」

ねこにゃー「だって会長も逸見さんも『勝ち目が薄い』とか『相手のほうが強い』とはいうけど、『勝てない』だなんて一度も言ってないんだもの」

エリカ「……言葉の綾よ」

ねこにゃー「それともう一つ。……この中で一番諦めが悪いのは逸見さんでしょ?」

エリカ「……はぁ。―――――よく知ってるじゃない」ニヤッ

梓「先輩っ……!」

ねこにゃー「逸見さんっ……!」

典子「隊長っ!!」

エリカ「みんな、どんなに絶望的な状況でも勝機を見つけ出す。それは戦車道をする上での最大の作戦であり礼儀よ。

    だけど、そのためには個々人の意志が強くないといけない。……答えなさい。あなた達、このまま終わっても良いのっ!?」



692: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:55:42.80 ID:YxKhrdIk0




梓「私たちはこのまま終わりたくないですっ!!」

ねこにゃー「やっと見つけた居場所を守りたい」

典子「そのために必要なことは努力と根性でやってみせますっ!」

カエサル「座して死を待つ事が美徳だなんて思えんからな」

そど子「学園の風紀を守るためにも、学園を守って見せるわっ!」

ナカジマ「皆の努力を見てきたからね。最後まで付き合うよ」

桃「やっと掴んだ光明なんだっ!ここで、諦めてたまるかっ!!」





688: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:40:48.03 ID:YxKhrdIk0

沙織「みんな……」

優花里「……エリカ殿は信じてたんですね」

華「はい、みなさんが決して諦めるような人たちではないと」

麻子「……逸見さん、話してくれ。何かあるんだろ」

エリカ「……今のあなた達ならできるはず。逸見エリカの得意技<フェイバリット>を」

優花里「それは、いったい」

エリカ「一糸乱れぬ統率で、雷の如く敵の懐に入り込み、フラッグ車を撃破する」

優花里「そうか……」

エルヴィン「……なるほど」

左衛門座「して、その作戦名は」



689: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/03(火) 18:41:15.42 ID:YxKhrdIk0









エリカ「作戦名は――――ゴロゴロ作戦。これで、勝ちに行くわよ」









702: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:13:00.22 ID:aEHKyHBZ0






―プラウダ高校学園艦―

ダージリン「カチューシャ、準決勝進出おめでとう」

カチューシャ「この程度当然よ。それより、あなた達こそ私たちが勝った相手に負けるだなんて」

ダージリン「勝負は時の運。と言いたいところだけれど、正直なところ私は黒森峰に負けたとは思ってないわ」

カチューシャ「……?あなたにしてはずいぶんと陳腐な負け惜しみね」

ダージリン「……私たちは、黒森峰の隊長と副隊長に負けたのよ」

カチューシャ「同じじゃない」

ダージリン「違うわ。……もっとも、それは対峙した人じゃないとわからないでしょうけど」

カチューシャ「どういうこと?」

ダージリン「二人の戦い方は戦車道というにはあまりにも……怒りがこもっていた」

カチューシャ「怒り……」



703: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:19:51.58 ID:aEHKyHBZ0

ダージリン「まだかろうじて西住流の体裁を整えていたのが逆に恐ろしいわ。もしも決勝だったら彼女達はきっと、なりふり構っていなかったでしょうから」

カチューシャ「……」

ダージリン「カチューシャ、あなた達が戦う大洗は」

カチューシャ「あいつがいるんでしょ。とっくに知ってるわよ」

ダージリン「……あなたは彼女との因縁があるものね。……向こうは知らないでしょうけど」

カチューシャ「まさかあんな無名校に転校してるだなんてね」

ダージリン「カチューシャ。あなたは、彼女と戦える?」

カチューシャ「愚問ね。相手が誰であろうと叩き潰すわ」

ダージリン「……そう答えると思ってたわ。……大洗の隊長は、逸見エリカは強いわよ」

カチューシャ「……あら、あいつそんな名前だったの?知らなかったわ」



704: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:24:57.92 ID:aEHKyHBZ0






―西住邸―

まほ「……お母様、明日行われる準決勝で私達の相手が決まります」

しほ「ええ」

まほ「強豪のプラウダに対し、相手は素人集団です。順当に考えてプラウダが勝ち進むでしょう」

しほ「……ええ」

まほ「お母様、かねてよりお願いしていたように大洗が負けた場合、大洗の隊長を西住流より破門して頂きたい」

しほ「……」

まほ「元より、何故あいつが未だに西住流の門下生として名を連ねているのか。私には理解できません」

しほ「……私も大洗の試合には注目していました。1回戦、2回戦、共に少ない戦力を効率よく使うことで勝利を手にしている。

   西住流は勝利こそ至上。ならば、あの子の西住流も決して間違っては――――」

まほ「違うっ!!あんなのは西住流じゃないっ!!見苦しい、偽物だッ!!」

しほ「……」



705: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:30:49.97 ID:aEHKyHBZ0

まほ「……すみません。取り乱しました」

しほ「いえ、かまいません」

まほ「……お母様、私は西住流そのものです。あなたの娘である私こそが、次代の西住流を継いでみせます」

しほ「……ええ、その通りです。西住流の未来はあなたにかかっています」

まほ「ありがとうございます。……ならばもう一つ。破門に加えて、あれが二度と戦車道をできないようにして欲しいです」

しほ「……何故」

まほ「戦車道をさせないために黒森峰から追い出したのに、転校先でまた始めるような事をするのであれば、もう出場自体をできないようにするしかありません」

しほ「まほ、私にそこまでの権限は……」

まほ「無いとは言わせません。あなたは、『西住しほ』なのですから」

しほ「……確かに、あの子にはそちらのほうが幸せなのかもしれません。戦車道は今のあの子にとってあまりにも……重すぎる」

まほ「わかってくれてなによりです。なら、私はもう戻ります。練習があるので」スクッ

しほ「……まほ」

まほ「……」

しほ「……あの子を、許してあげて」

まほ「……お母さんがそんなに弱い人だと思わなかった」スタスタスタ

しほ「…………っ、みほ……」



706: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:33:37.60 ID:aEHKyHBZ0






沙織「うぅ……寒いよー……」

エリカ「ほら、ちゃんとカイロ貼っときなさい。なんなら腹巻でもしておけば?」

沙織「さすがにそれは……」

麻子「あったかくていいぞ」ポンポン

沙織「麻子は凄いね……」

華「この寒さと雪では花もしおれてしまいます……」

優花里「試合が始まればエンジンで少しは暖かくなるといいんですが……」

沙織「うーん、戦車も真っ白で見てるだけで寒くなるよ……」

エリカ「しょうがないでしょ」

沙織「えりりん、後ろ向くと髪のせいで戦車との境目が分からなくなるね……」

エリカ「沙織、あなた意外と余裕あるわね……」



707: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:39:38.20 ID:aEHKyHBZ0

ブロロロロ……




優花里「ん?誰か来ましたよ?」

エリカ「あれは……プラウダの」

カチューシャ「……」

ノンナ「……」

優花里「隊長である『地吹雪のカチューシャ』と副隊長である『ブリザードのノンナ』ですね」

カチューシャ「……ずいぶんと貧相な戦車。それに、戦車の色をこちらに合わせてくるだなんて、あなた随分人真似が上手いのね?」

エリカ「少しでも勝率を上げるためですよ。……初めまして、隊長の逸見エリカです」

カチューシャ「へぇ、あなたが大洗の隊長?よく知ってるわよ。……これなら楽に勝てそうね」

梓「っ……何、あの人」



708: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:42:44.01 ID:aEHKyHBZ0


エリカ「あら?そう思って頂けるなら幸い。この積雪ですもの、浮足立った奴の足を掬うだなんて簡単にできますから」

カチューシャ「……ふんっ、ならせいぜいカチューシャを楽しませてみなさい。去年の決勝みたいにつまらない結果は嫌だから」

エリカ「……ええ、こちらこそ」

カチューシャ「じゃあね、大洗の白雪姫さん。ピロシキ~」

エリカ「え、ちょ……」

ノンナ「ダスビダーニャ」

沙織「なんか、相手の隊長小っちゃいけど態度は大きかったね」

優花里「それだけの実力がある。という事でしょうね」

エリカ「ええ、その通りよ。……それはそれとして、そろそろあのエセ英国人に痛い目を見せる時かしら?」

優花里「……悪気があるわけじゃないかと」

エリカ「なおさらタチが悪いわね。……この試合見に来てないかしら?そのまま雪に埋められるのに」



709: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:45:10.19 ID:aEHKyHBZ0






ダージリン「くしゅんっ」

オレンジペコ「……ダージリン様、やっぱり雪降る中で野点は無理じゃないですか……?」

ダージリン「あら、ペコもまだまだね。こんな言葉を知ってる?『心頭滅却すれば火もまた涼し』」

オレンジペコ「涼しすぎです……」

ダージリン「これも風情よ、楽しみなさい」カタカタ

オレンジペコ「震えてるじゃないですか……」

ダージリン「……紅茶を飲んで温まりましょう」

オレンジペコ「はぁ……ん?あれは……」



710: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:46:54.54 ID:aEHKyHBZ0






まほ「……」

ダージリン「まほさん」

まほ「……ダージリンか。何の用だ」

ダージリン「何の用かだなんて、随分ね。この寒い中ただ見てるのも退屈でしょ?良かった私たちの所に来ない?温かい紅茶も入れて差し上げますわ」

まほ「……断――」

???「いいじゃないですか。せっかくのお誘い、断るなんて失礼ですよ」

まほ「お前……」

ダージリン「あら?あなたも来てたのね」

???「お久しぶりです。ダージリンさん」

ダージリン「ええ、元気そうで何よりよ」

???「はい。決勝もあるのに、体調崩してる暇なんて無いので」

ダージリン「いい心がけね。さすが副隊長さん」

???「あはは……まだそう呼ばれなれてないので普通に呼んでください」

ダージリン「……そう。なら、あなたも一緒に来ない?―――――小梅さん」






小梅「ええ。是非とも」








711: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:49:43.22 ID:aEHKyHBZ0






エリカ「みんな、準備……はできてるわよね」

『はいっ!』

エリカ「なら、覚悟はできてる?」

『はいっ!』

エリカ「いい返事よ。何度も説明した通りゴロゴロ作戦は高度な連携が求められるわ。そのために廃校の件を伝えて意志の統一を図った。

    ……負けた時の事は負けた時に考えなさい。今は、全力で勝ちに行くわよ」

『はいっ!』

エリカ「カモさんチーム」

そど子『なんですか?』

エリカ「初試合がこんな追い込まれた状況なのは同情します。だけど、あなた達も大事な戦力なんです。悪いですけど、期待させてもらいます」

そど子『……はい。私たちだって廃校は嫌ですから』

エリカ「レオポンさんチーム」

ナカジマ『はいはいー』

エリカ「操作技術に関しては心配してません。だけど、それだけじゃないってのはもう十分知ってると思います」

ナカジマ『そりゃあね、ここの戦車全部私たちが診てきたんだから』

エリカ「堅い装甲、強い砲撃。あなた達が今回の攻撃の要になります。頼みますよ」

ナカジマ『……任せて』



712: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:53:40.54 ID:aEHKyHBZ0

エリカ「最後に……アヒルさんチーム」

典子『はいっ!』

エリカ「今回のフラッグ車はあなた達よ。作戦の都合上、移動速度の遅い89式と護衛のB1には離れてついてきてもらうことになるわ。

    視界は良くないけど決して私たちを見失わず、つかず離れずを保って」

典子『了解ですっ!』

エリカ「あなた達をフラッグ車に選んだのは私たちが前線に出るからってだけじゃないわ。

    ……今のあなた達ならたとえプラウダの猛攻を受けても生き残れるって信じてるからよ」

典子『……はいっ!』

エリカ「みんな……勝ちましょう。そのための全てを、私たちは持っているわ」

『はいっ!!』

エリカ「さぁ、そろそろ時間よ。相手が優勝校だろうと関係ない。私たち大洗の力、見せてやりましょうっ!!」

『おーっ!!』



713: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/07(土) 19:54:16.84 ID:aEHKyHBZ0





『試合開始っ!!』







エリカ「パンツァー・フォー!!」









729: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:25:19.51 ID:cL5MO1Xc0





オレンジペコ「どうぞ。温まりますよ」

小梅「ありがとうございます。ほら、隊長も」

まほ「……始まったな」

オレンジペコ「装甲の厚いポルシェティーガーを先頭にして敵陣へ一直線。大洗は早めに決着を着けようとしてるみたいですね」

ダージリン「ペコ、それは正しいけれど正確ではないわ」

オレンジペコ「どういうことですか?」



730: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:29:45.43 ID:cL5MO1Xc0

ダージリン「大洗が、エリカさんがやろうとしているのは――――」

まほ「電撃戦<<ブリッツ・クリーク>>……エリカが、最も得意としていた作戦だ」

オレンジペコ「電撃戦……」

ダージリン「本来なら戦車だけでなく航空部隊と歩兵を合わせてやるものだけど、大洗は車両数の少なさをそのまま少数精鋭という強みに変える事で作戦を可能にしてるわ」

小梅「フラッグ戦ルールにおいて、最短距離でフラッグ撃破を目指す電撃戦は強力で、一見簡単なように見えますけど、その実、高い練度と統率が求められます」

オレンジペコ「……確かに、動かすのすら至難の業のポルシェティーガーを含めて、大洗は車種が全て違うのにあの速度であんな統率の取れた動きを……凄い、本当にまだ初めて半年も経ってないんですか?」

ダージリン「ええ。隊長はもちろん、隊員の練度と意思統一が素晴らしいわ。才能……そんな言葉でまとめたくないほど」

まほ「……やっぱりか」ボソッ

小梅「……」

オレンジペコ「え?」





まほ「どれだけ取り繕っても……偽物は、偽物でしかないということだ」







731: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:35:34.13 ID:cL5MO1Xc0






エリカ「みんなっ!遅れてないっ!?」

優花里「全車両ちゃんとついてきてますっ!!」

エリカ「レオポンさん、そっちはどうっ!?」

ナカジマ『今のところ大丈夫。寒いからエンジンも熱くなりすぎなくて丁度いいくらいだよ』

エリカ「よしっ!このまま一気にフラッグ車を叩くわよっ!!」

優花里「まさしく電撃戦っ!!テンション上がりますっ!!稲光<ブリッツ>の如く、速攻ですっ!!」

沙織「でも、本当に敵がこの先にいるの?」

エリカ「フィールドは広くてもスタート地点は決まってる。その上で予想していたいくつかのルートに相手の編成を加味すれば進行ルートは絞れるわ」

華「なるほど……」

エリカ「加えて、この移動速度。エンジンいじってるとはいえ、種類の違う戦車で隊列を組んだままこの速度でくるだなんて予測できないはずよ」

沙織「だけど失敗したら……」

エリカ「囲まれて全滅でしょうね。だからこその一撃必殺。二の太刀いらずってやつかしら?」

左衛門座『今薩摩隼人の話した?』

エリカ「してないから集中しなさいっ!!」



732: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:37:43.08 ID:cL5MO1Xc0

優花里「エリカ殿、そろそろ」

エリカ「……見えたっ!敵の側面っ!!」

沙織「ほんとにここに来てた……」

優花里「部隊の展開はまだしてないようですっ!」

エリカ「フラッグ車は……いたっ!!全車、フラッグ車に砲撃を集中してっ!!」

『了解っ!!』

優花里「……あれ?」

沙織「ゆかりん、どうしたの?」

優花里「いや……10、11……相手の部隊12輌しかいないです」

沙織「他のは後ろで待ってるとか?私たちだってカモさんとアヒルさんは後ろの方だし」

麻子「もしくは待ち伏せか」

優花里「ですが、そうだとしても3輌で待ち伏せは……相手は私たちがどこから攻めてくるかわからないはずです」

沙織「なら……」

エリカ「……」



733: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:45:42.02 ID:cL5MO1Xc0









『あら?あなたが大洗の隊長なのね、よく知ってるわよ。……これなら楽に勝てそうね』







エリカ「……まさかっ!?」

ダァンッ!!

沙織「きゃぁっ!?」

優花里「砲撃ですっ!?」

エリカ「っ……どこからっ!!」

優花里「えっと………あそこですっ!!あれは……T-34/85が2輌、それにISっ!?木々に隠れてこちらを狙ってますっ!?」

麻子「……おい」

エリカ「っ!?敵部隊の進行方向が変わった、こっちに向かってくるっ……」

沙織「ばれてたっ!?」

優花里「まずいですっ!?」



734: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 21:54:19.89 ID:cL5MO1Xc0

ノンナ『カチューシャ、Ⅳ号射程内です。この距離なら外しません』

カチューシャ「そう、ならさっさとやっちゃって」

ノンナ『……よろしいのですか?』

カチューシャ「いいわよ。この程度の相手に策を取ろうとした私がバカだったわ。頭を潰して、指揮系統が乱れたところを頭を潰して終わり。さっさと帰るわよ」

ノンナ『……わかりました』

カチューシャ「……大洗の隊長さん」






カチューシャ「予想通り、つまらない試合だったわ」










735: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:00:58.21 ID:cL5MO1Xc0


エリカ「麻子ッ急いで下がってっ!!」

麻子「間に合うか……」

優花里「ああ……来ますっ!?」





ダァンッ!!









736: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:10:14.90 ID:cL5MO1Xc0






沙織「っ…………当たってない?」

ナカジマ『あんこうチーム無事ー?』

優花里「レオポンが盾にっ!?」

沙織「え、でもレオポンさんって私たちの前にいたんじゃ……」

エリカ「とにかく今は下がるわよっ!!みんな、急いでっ!!」







ノンナ『申し訳ありませんカチューシャ、Ⅳ号を撃ち漏らしました』

カチューシャ「あら?珍しいわね」

ノンナ『Ⅳ号前方にいたポルシェティーガー明らかにスペックを超えたスピードで後退し、そのままⅣ号の盾になりました』

カチューシャ「へぇ、何したのかしら?まぁいいわ。当初の作戦通りそのまま部隊と合流してフラッグ車以外全部倒しちゃって」

ノンナ『良いのですか?』

カチューシャ「気が変わったわ。私たちの実力を見せつけてやるんだから」

ノンナ『……わかりました』



737: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:13:33.81 ID:cL5MO1Xc0







エリカ「早く下がってっ!!」

典子『隊長、いったい何が……』

エリカ「敵に作戦が見破られてたわっ!!アヒルさんは護衛を付けるからそのまま後退してっ!!」

典子『っ……了解っ!』

エリカ「みんな、とにかくフラッグ車を守りなさいっ!」

『はいっ!』

エリカ「レオポンさんチーム、応答してっ!!」

ナカジマ『はいはいー』

エリカ「動けるっ!?」

ナカジマ『うーん、ごめんちょっと無理っぽい。辛うじて撃破判定出てないだけでちょっとでもエンジンに負荷かけるとボンッしそうだね』

エリカ「っ……」

ナカジマ『砲塔は使えるからこのまま殿を務めるよ。まぁ、私たちはここまでだけど』

エリカ「……ごめんなさい、私のせいで」

ナカジマ『違うよ。逸見さんの作戦が最善だったんだ。それが失敗したなら他の策でも同じことだったよ』

エリカ「……」

ナカジマ『気にしないで。まだ試合は終わってないんだから。……私たちを次もこの子に乗せてね』

エリカ「っ……はい。絶対にっ……」



738: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:20:54.44 ID:cL5MO1Xc0






ホシノ「みんな、逃げられるといいな」

ツチヤ「私、すること無くなっちゃったんですけど……」

スズキ「やっぱ急造品じゃ3秒も持たなかったね」

ナカジマ「うーん、せめて決勝までに5秒はいけるようにしたいなぁ」

ホシノ「なんだ、もう次の試合の事を考えてるのか」

ナカジマ「ん?そりゃそうだよ。逸見さんは次もこの子に乗せてくれるって約束してくれたんだから」

ツチヤ「ははっ、先輩逸見さんの事気に入ってるんですねー」

ナカジマ「まーねー、妬ける?」

ツチヤ「もー何言ってるんですかー」

ホシノ「……来たぞ」

スズキ「……よし、それじゃあもうひと頑張りしますか!」

ナカジマ「うん。……逸見さん、頑張って。さぁ――――かかってこいっ!!」



739: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:28:27.47 ID:cL5MO1Xc0






オレンジペコ「大洗は一気に追いつめられてしまいましたね……」

ダージリン「そうね。カチューシャの読みは完璧だったわ」

まほ「読み……そんな大層なものじゃないな」

オレンジペコ「どういうことですか?」

まほ「ある程度チームの練度があって、その上で戦力差を考えればあいつがとる選択肢なんて一つしかない。……たとえ、他の選択肢があったとしても」

オレンジペコ「……?」

ダージリン「まほさん、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまり良い事とは言えませんわ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……ふん」

ダージリン「ペコ、カチューシャはね誰よりもエリカさんの事を知ってるわ。エリカさんの得意技もね」

まほ「……」

オレンジペコ「なるほど。プラウダがあんな早い段階で待ち伏せをしていたのも、エリカさんが電撃戦を仕掛けてくるとわかってたからですか」

ダージリン「ええ、そうよ。……最も、彼女を知ってる人なら全員同じ読みをすると思うけれど」

オレンジペコ「……?ダージリン様、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまりいい事ではないのですよね?」

ダージリン「あらごめんなさい」

小梅「……」



740: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/14(土) 22:29:05.73 ID:cL5MO1Xc0







まほ「自身の考えにこだわった結果、仲間を危険にさらす。……やはり、お前は救えないな」








751: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 18:44:00.63 ID:k4ZSLE/V0





エリカ「全車固まらないでっ!!KVの榴弾を食らったらひとたまりもないわっ!!距離を取りつつお互いの位置を把握し続けてっ!!」

梓『はいっ……でもっ……』

杏『まずいねー追い込まれてる』

エリカ「っ……障害物のない平原じゃ狙い撃ちされるわっ!射線を取られないようにしつつ障害物のある街を目指しなさいっ!!」

エルヴィン『了解だっ!!』

エリカ「お願いみんなっ……なんとか耐えてっ……」

典子『隊長っ!街が見えましたっ!!』

エリカ「そのまま街に入ってっ!!建物を壁にしつつ迎え撃つわよっ!!」

典子『了解っ!!』



752: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 18:45:10.73 ID:k4ZSLE/V0





ノンナ『カチューシャ、そちらは状況はどうですか』

カチューシャ「ポルシェティーガーにT-34が2輌道連れにされたわ。まったく、あいつらはシベリア送り25ルーブルね。

       手負いの虎にまんまとやられるようじゃまだまだよ」

ノンナ『大洗は雪原を抜け、障害物の多い街を目指しているようです』

カチューシャ「ま、そうするわよね。私たちはこのまま追い立てるわよっ!!」

ノンナ『Да』




753: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 18:51:42.60 ID:k4ZSLE/V0









ダァンッ!!  ダァンッ!!

梓「早くっ!!建物を壁にしてっ!!」

桃『逸見っ!!全員街に入ったぞっ!!』

エリカ「このままフラッグ車を守りつつ迎え撃ちますっ!!まずは―――」

ダァンッ! ダァンッ!!

エリカ「っ!?どこからっ!?」

沙織「えりりん!?あれっ!!」

エリカ「っ!?あんなところにっ!?」

ねこにゃー『逸見さん、こっちも……』

典子『これは……』

桃『囲まれたぁっ!?』

エリカ「そんな……」

ダァンッ! ダァンッ!!

沙織「えりりん、どうするっ!?」

エリカ「とにかく反撃を……でも、このまじゃ……」



754: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 18:54:10.92 ID:k4ZSLE/V0


ダァンッ!! ガァンッ!!


梓『ウサギさんチーム、主砲身吹っ飛びましたぁっ!!?』

エルヴィン『隊長、このままじゃ全滅だ』

ねこにゃ―『じりじりと輪を狭めてきてるよ……』

エリカ「あれは……教会?……とにかく逃げないとっ!!全車、あの教会に入ってっ!!」

『了解っ!!』

ねこにゃー『逸見さん危ないっ!!』

エリカ「っ!?」


ダァンッ!!

ガインッ!!


エリカ「猫田さんっ!?」

ねこにゃー『な、なんとか大丈夫……角度が良かったのかな?とにかく早くっ!!』

エリカ「っ……みんな急いでっ!!」



755: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:00:27.33 ID:k4ZSLE/V0





エリカ「……どうにか全員退避できたみたいね」

沙織「砲撃、止んだね……」



ザッザッザッ


優花里「あれは、プラウダの……」

エリカ「……隊長自らがおいでだなんて随分ね。何の用?」

カチューシャ「降伏しなさい。あなた達に勝ち目はないわ」

エリカ「……舐めた事言ってくれるわね。そんな事するわけ」

カチューシャ「おとなしく降伏すれば大洗の隊長、あなたを我がプラウダ高校に迎え入れてあげるわ」

エリカ「……はぁ?」

沙織「何言ってるのっ!!そんなの、認められるわけないでしょ!?」

桃「ふざけるのも大概にしろっ!!」

カチューシャ「逃げ出したとはいえ黒森峰にいたのなら、少しは役に立つかもしれないからね」

エリカ「……」

カチューシャ「それに、どうせ負けたら廃校になるんでしょ?なら廃品利用も強者の美徳よ」

沙織「っ……廃校の話、知ってるんだ」

麻子「逸見さんはゴミ扱いか」

エリカ「……断る。たとえ帰る場所が無くなろうと、一緒に戦ってくれたみんなに背を向けて、あなた達の元へ行くほど恥知らずじゃないわ」

カチューシャ「……私は寛大よ。3時間あげる。ゆっくり考えなさい」



756: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:04:31.75 ID:k4ZSLE/V0



ザッザッザッ


華「塩でも撒きましょうか」

麻子「持ってきてないな」

沙織「それじゃあ雪でも撒く?白いし」

優花里「すでに辺り一面にまかれてます……」

エリカ「……とにかく、相手の方からわざわざ立て直しの時間をくれたんだから有効に使いましょう。とりあえず修理と点検、あと……」

優花里「偵察です!」

エリカ「そうね、この窮地を脱するためにも敵の配置確認は必須よ。優花里、頼める?」

優花里「お任せをっ!!」

エルヴィン「なら、私も行こう」

エリカ「ありがとう。でも、もう2人くらい欲しいわね」

麻子「なら、私が行こう」

エリカ「え?」

沙織「麻子がぁっ!?」

麻子「そんな驚く事か」



757: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:07:30.50 ID:k4ZSLE/V0

沙織「だって外寒いんだよ?雪降ってるんだよ?なのに麻子が自主的に行きたがるだなんて……」

麻子「……私だって、廃校を撤回させたいのは同じだ。それに私は目がいいからな。2.0だ」

エリカ「……そう。なら、頼んだわ」

麻子「任せろ。あと、そど子も連れて行く」

そど子「私もっ!?」

麻子「お前も確か目が良かったろ」

そど子「なんでそんな事知ってるのよっ!!」

麻子「だって、校門から遥か離れた私を普通に目視してただろ」

そど子「あれは、あんな時間にフラフラ歩いてるのはあなたしかいないからよっ!!」

麻子「じゃあ目、悪いのか」

そど子「2.0よっ!!」

麻子「なら問題ないな」

そど子「だからってあなたと行く理由にはっ……」

麻子「秋山さん、相手の戦車の特徴を教えてくれ。一回聞けば覚える」

優花里「麻子殿……さすがですっ!!」

そど子「聞きなさいよっ!?」



758: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:13:29.82 ID:k4ZSLE/V0





エリカ「……まさかここまで詳細な情報が集められるだなんて」

エルヴィン「グデ―リアンの機転で、敵から直接話を聞くことができたからな」

麻子「私たちはそど子のせいで見つかりかけたが」

そど子「私のせいっ!?」

エリカ「……」

杏「……逸見ちゃん、どう?」

エリカ「……完全に包囲されている。いくらこちらが降伏しないと言っても、その気になればこの建物ごと私たちを倒せるわ」

梓「建物ごと……どこか、穴はないんですか?」

エリカ「……ここだけ守りが薄いわね」

桃「ならそこから突破すればっ!」

エリカ「こちらがそう考えると思ったからこの配置にしたのでしょうね。……つまり罠よ」

桃「っ……」



759: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:16:21.00 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「……」

梓「エリカ先輩……」

エリカ「……そんな不安な顔しないの。大丈夫、必ず手はあるわ」

梓「先輩っ……!」パァッ

エリカ「とはいえ、ちょっと考える必要があるわね」

沙織「えりりんどこ行くの?外は寒いよ?」

エリカ「丁度いいわ。頭冷やしながら考えたいから。10分もしたら戻るわよ」スタスタ

沙織「あ、えりりん……」

麻子「沙織、寒い。温かい飲み物をくれ」

沙織「え?うん、ちょっと待ってて」

桃「……」



760: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:19:56.92 ID:k4ZSLE/V0





エリカ「ふぅ、確かに寒いわね。カイロ、もっと持ってくればよかった……」

エリカ「……どうする。せめてレオポンさんチームがいれば話は変わったのに私の失策のせいで……」

エリカ「……何か、何か手があるはず。こんなところで諦めたら……」



761: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:21:25.62 ID:k4ZSLE/V0






やーってやる やーってやる やーってやーるぜ

いーやなあーいつをボーコボコにー







762: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:45:51.82 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「っ!?」

栗毛の少女『あははっ、嫌なあいつって誰だろうね?』

エリカ「っ……消えろ。あなたの相手をしてる暇はないの」

栗毛の少女『どうせ、何もできないよ。あなたの考えなんて上辺だけなんだもの』

エリカ「……今日はずいぶんと喋るのね」

栗毛の少女『ホントはわかってるんでしょ?』

エリカ「……」

栗毛の少女『調子に乗ってみんなを鼓舞して大失敗♪まるでボコだね』

エリカ「……黙りなさい」

栗毛の少女『ああそうだね、ボコはちゃんと自分の信念があるから。何もないあなたとは似ても似つかないね』

エリカ「うるさいっ……」

栗毛の少女『廃校の危機にかこつけて、自分のしたことから逃げたかったの?』

エリカ「違うっ……私は、私は学校の……みんなのためにっ……」

栗毛の少女『だったら、選択肢なんてないよ?』




763: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:51:47.52 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「……いいえ、あなたには頼らない。私と、みんなならきっとこの状況を打開できるはず」

栗毛の少女『あははははっ!!まだそんな事言えるんだ?そんな事、かけらも思ってないくせに』

エリカ「違うっ!?私は……ちゃんとみんなを信じてっ……」

栗毛の少女『嘘つき』

エリカ「……違う、違うっ!!私は、みんなを……仲間を信じてるっ!!だからきっと、今回だってっ……」

栗毛の少女『信じてなんかいないよ。だって、あなたはまだ何も教えてないもの』

エリカ「……」

栗毛の少女『無理だよ。あなたには』

エリカ「っ……黙れ」

栗毛の少女『あなたにそんな力も勇気もないよ。だってそれがあったなら―――――私はここにいないもの』

エリカ「黙れっつってんでしょっ!!!!」






「ひっ!?」








764: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:55:39.62 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「っ!?誰っ!?」

桃「い、逸見……」

エリカ「桃ちゃん……なんで……」

桃「な、なんかお前の様子がいつもと違う気がして……誰かと話してたのか?」

エリカ「……独り言よ。気にしないで」

桃「そ、その割には随分と荒れてたみたいだが……」

エリカ「そういう時もあるのよ」

桃「そ、そうか……」

エリカ「……」

桃「……なぁ、逸見」

エリカ「何?」



765: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 19:59:11.31 ID:k4ZSLE/V0

桃「その……困ったことがあるなら、言ってくれ」

エリカ「……だから、さっきのはただの独り言だって」

桃「そうじゃない、それだけじゃない。……お前は、会長に似ているから」

エリカ「えぇ……?」

桃「そんな嫌そうな顔をするな……会長は、一人で抱える傾向がある。……お前みたいにな」

エリカ「……」

桃「それは、お前や会長が悪いんじゃない。……頼りない私たちが、私が悪いんだ」

エリカ「……そう?桃ちゃんもずいぶん頑張ってると思うけど」

桃「お世辞はよせ。……少なくとも、廃校の一件に関して、お前と会長にばかり負担をかけてい事ぐらい自覚している」

エリカ「……」

桃「だから、せめて何かお前の力になれる事があるなら言ってくれ。それぐらいしか、私にはできないから……」



766: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 20:15:39.06 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「……桃ちゃん」

桃「な、なんだ?」

エリカ「あなたも、みんなも……私を責めないのね」

桃「……責める理由がどこにある」

エリカ「みんなを煽って、これなら勝てるって希望を持たせて、なのにこのザマよ?……私のせいって言われても仕方ないわ」

桃「……お前が一番戦車道に精通しているんだ。そのお前が立てた作戦でダメだったなら他の奴でも同じことになってた……いや、そもそも試合は終わってただろう」

エリカ「……自動車部のみんなも同じような事言ってたわ」

桃「なら、みんなもそう思っているさ。くよくよするぐらいなら、どうにかしようと足掻くんだ」



767: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/21(土) 20:20:19.51 ID:k4ZSLE/V0

エリカ「……ねぇ」

桃「今度はなんだ?」

エリカ「私ね、桃ちゃんの事好きよ」

桃「はぁっ!?な、何言ってるんだ急にっ!?」

エリカ「そんな動揺しないでよ……人としてよ。変な意味じゃないわ」

桃「そ、そうか」

エリカ「真っ直ぐで一生懸命で……大切なものを守るためにどこまでも全力なあなたは、私にとってまぶしかったわ」

桃「私は生徒会としてやるべき義務があるからなっ!!」

エリカ「それが空回りする時もあるけどね?」

桃「うっ……」

エリカ「……それだけ。そろそろ戻りましょ。吹雪いてきたわ」

桃「あ、ちょっとまてっ!?」



779: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:29:44.92 ID:ExbdD3940






『只今吹雪のため、試合を続行するかどうか協議しています』


オレンジペコ「もしも試合がこのまま終わったら、審判の判定になりますね……」

ダージリン「そうなったら、大洗を追い込んでいるプラウダの勝利になるでしょうね」

まほ「……」スクッ スタスタ

ダージリン「あら?どこへ行くの?」

まほ「これ以上は時間の無駄だ」

ダージリン「……あなた、随分と余裕がないのね?」

まほ「……黙れ」

ダージリン「なら、もう少し私たちのもてなしを受けてもらえる?せっかくここまで来たのだから、最後まで見るのも礼儀よ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……」クルッ スタスタ ドサッ

小梅「うちの隊長がごめんなさい。いつもは冷静なんですけど、あの人の事になると…」コソッ

ダージリン「いいのよ。それよりも、あなたはずいぶんと余裕があるのね」

小梅「私ですか?」



780: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:34:00.73 ID:ExbdD3940

ダージリン「どちらが勝っても問題ないという事かしら?」

小梅「うーん……それは正しいですけど、解答としては不正解ってところですかね?」

ダージリン「あら、それは残念。それじゃあ模範解答を教えてもらえる?」

小梅「私は、大洗が勝つって信じてますから」

ダージリン「……それは、どうして?」

小梅「え?だって、大洗はあの人が隊長をしているんですから。勝ちますよ、きっと」

ダージリン「……小梅さん、あなたは」

まほ「ダージリン、あまり赤星の言葉を真に受けるな」

小梅「えー?ひどいですね」

まほ「相手を過大評価するのはお前の悪い癖だ。いいか、敵の力量を図れず必要以上に警戒する事を『臆病』というんだ」

小梅「……はーい、気を付けますよ。ごめんなさい、ダージリンさん」

ダージリン「……いえ、良いのよ。私も、大洗に肩入れしてる部分があるから」

オレンジペコ「部分も何も、ガッツリ肩入れしてると思いますよ?」



781: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:38:14.80 ID:ExbdD3940






桃「……残り一時間か……」

あや「寒い……」

桂利奈「お腹減ったなー」

ももがー「寒くて筋トレもできないもも……」

ぴよたん「熱が、カロリーが足りない……」

妙子「さすがに、つらいです……」

あけび「雪合戦でもする……?」

忍「そんな余裕、無い……」




沙織「みんな……」

桃「空気が重いな……」

エリカ「寒さと追い込まれた事による焦り……いや、諦めが士気を削いでいる」

桃「……逸見、何かみんなを元気づける事を言えないか?」

エリカ「……廃校の件はもう使えない。カンフル剤になりそうなものは無いわね……」

桃「っ……」

エリカ「それに、解決策のない状態で下手に奮起を促しても反発を招くだけよ」

桃「それは……そうかもだが」

エリカ「……」

沙織「学校、無くなっちゃうのかな……」

エリカ「……大洗が無くなったら、私は……」



782: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:42:47.64 ID:ExbdD3940






梓「……」

ねこにゃー「……」

典子「……」

エリカ「3人そろってどうしたのよ」

梓「先輩……」

ねこにゃー「いや、何かいい案無いかなって」

典子「見つかってませんが……」

エリカ「……あなた達は諦めてないのね」

梓「当たり前じゃないですか」

ねこにゃー「みんなだってただ寒さにやられてるだけで、諦めてなんかないはず……」

典子「根性が足りないな。……私が言えたことじゃないけど」

エリカ「あなた達……」



783: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:45:19.38 ID:ExbdD3940









負けたら、また全部無くなっちゃうよ










784: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:45:55.50 ID:ExbdD3940

エリカ「……」

梓「っ……」グスッ

エリカ「梓……?」

ねこにゃー「どうしたの澤さん、どこか痛いの……?」

梓「違、違います……先輩……私、悔しいですっ……先輩に頼ってばっかで、一番ピンチな今、何もできないのがっ……」

エリカ「……」

梓「私がもっと強ければ……もっと賢ければ……エリカ先輩を助けられたかもしれないのに」

典子「澤……」

ねこにゃー「澤さん……」

エリカ「……」



785: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:47:19.75 ID:ExbdD3940







『私がもっと強ければ。私がもっと賢かったら。違う選択肢を選べて違う未来があったのかもしれない』








786: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:48:26.85 ID:ExbdD3940

エリカ「……このまま終わったら、後輩に同じ轍を踏ませることになるわね」ボソッ

梓「え……?」

エリカ「………………あなた達」

梓「先輩……?」

エリカ「みんなを集めて」

典子「隊長、何かあるんですか?」

エリカ「……賭けに近いけど、手はある」

ねこにゃー「……そっか、ならいつもの事だね」

エリカ「……そうね。それじゃあ、いつものように勝ちに行きましょうか」

梓「先輩っ……!!」

エリカ「ほら、わかったならさっさと行きなさい」

梓「はいっ!!みんなーっ!!」タッタッタ



787: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:50:10.29 ID:ExbdD3940


エリカ「……」チラッ

栗毛の少女『……』








エリカ「……これで、最後よ」










788: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 21:54:30.96 ID:ExbdD3940





沙織「……本当にそれで行けるの?」

エリカ「相手の予想を外す。基本でしょ?」

優花里「それはそうですけど……」

華「このまま萎れるよりはマシです。せめて一華咲かせましょう」

エリカ「だけど、そのためには誰かに相手を引き付けてもらわなきゃいけないんだけど……」

杏「あーそれなら私たちがやるよ」

エリカ「会長?」

杏「たまにはカッコつけさせてよ」

エリカ「……わかったわ。お願い」

杏「おっけー。あ、山郷ちゃん、こっちで装填手してもらえる?」

山郷「え?私がですか?」

杏「どうせそっちの主砲は使えないでしょ?」

あゆみ「う……そうですね……」

杏「それじゃあお願い」

沙織「……えりりん、来たよ」



789: ◆eltIyP8eDQ 2018/04/28(土) 22:01:05.99 ID:ExbdD3940

ザッザッザ


カチューシャ「回答を聞かせてもらいましょうか」

エリカ「……降伏はしない。私たちは最後まで戦うわ」

カチューシャ「……そう。残念よ、大洗の隊長さん。……もっと賢いと思ってた」

エリカ「あいにく、私は愚かで不器用なのよ。だけど、それで取りこぼしたとしてもやりたいようにやる。そう決めたの」

カチューシャ「ふん、随分偉そうに。……いいわ、なら好きにしなさい。せいぜい後悔しない事ね」



ザッザッザ


エリカ「……これで、後戻りはできない。勝って先に進むか、負けて廃校になるか。みんな、覚悟はいい?」

『はいっ!!』

エリカ「それじゃあ、行きましょうっ!!」



796: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:18:54.49 ID:T96Exk7M0





カチューシャ「……私の厚意を無碍にしたんだから、徹底的に叩かせてもらうわよ」

ノンナ『……来ました』

カチューシャ「……チッ、わざわざ分厚いところに突っ込んでくる?舐めるのも大概にしなさいよっ!!」





ダァンッ! ダァンッ!


杏「河嶋、すれ違いざまに撃つぞ!!砲身をもうちょっと左に向けろ!」

桃「はいっ!」

杏「…………撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ! 

桃「っ……すみません」

杏「気にするなっ!正面の4輌このまま引き付けるよっ!!」

エリカ『カメさんチーム、お願いっ!!』

杏「おっけぇっ!!山郷あゆみwithカメさんチーム、行くよっ!!」

あゆみ「わ、私がメインですかっ!?」

柚子「わざわざ来てもらったんだからこのぐらいさせてよー」

杏「そうそう、勝ったら大々的に宣伝するからさ『勝利の立役者は山郷あゆみっ!』ってね」

あゆみ「気の使い方がおかしいですよーっ!?」

桃「山郷っ!!装填急げっ!!」

あゆみ「はいーっ!!」ガションッ



797: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:19:57.13 ID:T96Exk7M0

杏「小山っ!距離詰めろっ!ねちっこくへばりついてっ!!」

ダァンッ!!  ダァンッ!!

桃「っ……また……」

杏「河嶋っ!!落ち着いて撃てっ!38tでも0距離なら何とかなる、お前でも大丈夫だっ!!」

桃「会長……やっぱり砲手は会長がやるべきじゃ……」

杏「今さら何言ってんだ」

桃「ですが……」

杏「逸見ちゃんは私たちが囮を務めることに何も言わなかった。つまり河嶋、お前でいけるって判断したんだ」

桃「……」

杏「見せてやれ、やってやれ河嶋。お前は――――私と逸見ちゃんが見込んだ奴なんだから」

桃「っ……はいっ!!」

杏「逸見ちゃんっ!!構わず展開しちゃってっ!!」

エリカ『分かってるわっ!!』

杏「河嶋っ!!タイミング合わせろっ!!―――――撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ!!

シュポッ!!

桃「よしっ……!」

杏「気ぃ抜くなっ!!次行くぞっ!!」

桃「はいっ!!」

あゆみ「っ!!」ガションッ



798: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:22:14.37 ID:T96Exk7M0

杏「今っ!!」

ダァンッ!! ガンッ

桃「弾かれたっ……」

杏「もう一回行くよっ!!山郷ちゃん装填もっと早くっ!!」

あゆみ「はいっ!!」

ダァンッ! ドンッ!

杏「よし、足をやったぞっ!!河嶋、その調子だっ!!」

桃「はいっ!!」

柚子「桃ちゃん頑張ってっ!!」

桃「わかってるっ!!」

杏「撃てっ!!」

ダァンッ!! 

シュポッ!

杏「よしっ!!ここらで逸見ちゃん達に合流しに―――」

桃「っ!!あいつもっ!!」

杏「いや河嶋お前じゃこの距離は――――」



799: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:25:03.60 ID:T96Exk7M0

ダァンッ  ガンッ ドォンッ!!


シュポッ!!


杏「――――え?」

あゆみ「……どういう事?」

杏「弾がさっき倒したT-34で跳弾して、命中……」

桃「こ、これは……」

杏「…………ぷふっ、あははははははっ!!かーしま、お前やっぱ凄いよっ!!」

桃「え?え?」

あゆみ「河嶋先輩凄い……」

柚子「桃ちゃん、もうここで外すー?だなんて言えないね……」

桃「ふ、ふんっ!!見たか私の実力をっ!!」

杏「……とはいえ」

柚子「あ……」





ノンナ「…………」








800: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:28:14.84 ID:T96Exk7M0


ダァンッ!

シュポッ!!




杏「つつつつ……逸見ちゃん、やられたけど3輌仕留めたよ」

エリカ『嘘っ!?桃ちゃんがっ!?』

桃「なんで意外そうなんだっ!?」

エリカ『いやだって桃ちゃんよっ!?』

桃「私だからなんなんだーっ!?」

杏「あはは、逸見ちゃん河嶋頑張ったよ。ほめてやってよ」

エリカ『ええっ!!桃ちゃんよくやったわっ!!大好きっ!!』

桃「ななっ……!?」

あゆみ「わぁ……」

杏「おぉ、情熱的だね」

エリカ『後は私たちに任せて、風邪ひかないようにしてなさいっ!!』



801: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:30:26.79 ID:T96Exk7M0






オオー!!

ガンバレー!!

オジョーッ!!




オレンジペコ「みんな大洗を応援してますね」

ダージリン「判官贔屓という事かしら」

小梅「そうかもしれませんね。……でも、あの人の実力は本物です」

まほ「……チッ、カチューシャめ余裕を見せた挙句にこれか」

小梅「隊長」

まほ「……ふん」



802: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:34:15.64 ID:T96Exk7M0






エリカ「カモさんっ!追手の中にフラッグ車はいるっ!?」

そど子『いませんっ!!』

エリカ「わかったわっ!カバさん、アリクイさん、次の坂を登ったら敵をやり過ごしてっ!!一緒にフラッグ車を叩きに行くわよっ!!」」

『了解』

エリカ「ウサギさんとカモさんはアヒルさんを守ってっ!!」

『はいっ!!』

エリカ「相手はこの暗さと塗装のせいでこちらを視認しずらいはず。できるだけ撃ち返さず暗さに紛れてっ!!」






カチューシャ「追え追えーっ!!地の果てまで追いなさいっ!!」

ノンナ『カチューシャ、2輌いや3輌ほど見当たりませんが』

カチューシャ「そんなのどうだってっ……いないのって何っ!?」

ノンナ『…………三式、Ⅲ突。それと……Ⅳ号です』

カチューシャ「っ!?戻るわよっ!!2輌私についてきなさいっ!!ノンナたちはそのままフラッグ車を追ってっ!!」

ノンナ『わかりました』

カチューシャ「……まったく、私がこんな単純な陽動に引っかかるだなんてっ……」



803: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:38:45.13 ID:T96Exk7M0






そど子『隊長っ!!敵が3輌そっちに向かいましたっ!!』

エリカ「っ……もうばれたか」

ねこにゃー『逸見さん、ボクたちが食い止めるよ』

エリカ「猫田さん?」

ねこにゃー『どこまでもつかわからないけど、少しは時間が稼げると思う』

エリカ「……わかった、頼むわ」

ねこにゃー『うん、任せて。それと、ボクの事はねこにゃーって呼んでね?』

エリカ「は?」

ねこにゃー『リピートアフタミー、ねこにゃー』

エリカ「…………ねこにゃー」

ねこにゃー『Good!!』

ももがー『ももがーはももがーももっ!!』

ぴよたん『ぴよたんはぴよたんだぴよー!!』

エリカ「ああもうっ!?歴女といいあなた達といい、なんなの?流行ってるのソウルネームで呼び合うの!?」

ねこにゃー『多分、逸見さんの反応が面白いからだと思うよ』

エリカ「……はぁ、時間稼ぎ頼んだわよ、ねこにゃー、ももがー、ぴよたん」

『おっけー!!』

沙織「なんだかえりりん可愛いね」コソッ

華「エリカさんも語尾に何かつけるといいかもしれませんね」コソッ

優花里「何がいいでしょうか?」コソッ

麻子「……『あんこうさんチームの隊長、えりりんだりんっ♪』」ボソッ




「「「それだっ!!」」」




エリカ「遊んでないで集中しなさいっ!!」



804: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:41:14.48 ID:T96Exk7M0







ノンナ『カチューシャ、こちらはもうすぐ敵フラッグが射程に入ります』

カチューシャ「ならさっさと仕留めちゃってっ!!」

ノンナ『わかりました。そちらは?』

カチューシャ「今追っかけてる最中よ。フラッグには見つかったら街の中で逃げ回りなさいって伝えたところっ!!」

ノンナ『……カチューシャ、あまり焦らないように』

カチューシャ「…………わかってるわよっ!!」

ダァンッ!!

ガァンッ!!

カチューシャ「っ!?砲撃っ!?」






ねこにゃー「残念、弾かれたね……」

ぴよたん「距離を取りつつ時間を稼ぐぴよ」

ももがー「ヒット&ウェイっももっ!!」



805: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/05(土) 16:45:52.31 ID:T96Exk7M0

『隊長、相手の三式こちらを通すつもりはないようです』

カチューシャ「……上等よ。あのポンコツ潰してさっさと行くわよっ!!」





ぴよたん「ところで……さっきⅣ号をかばった時に砲塔が……」

ねこにゃー「……うん。回んないね」

ももがー「やっぱり話しといたほうが良かったんじゃ……」

ねこにゃー「どうだろう……応急処置で何とかなるものじゃないし、これ以上逸見さんを落ち込ませたくなかったから……」

ぴよたん「後者が本音?」

ねこにゃー「……まぁね」

ぴよたん「それじゃあしょうがないね」

ももがー「後で一緒に怒られてあげるっちゃ!」

ねこにゃー「……ありがとう。なら、行こっか」

ももがー「砲塔が回らなくても、ももがーのドライビングテクで何とかしてみせるももっ!!」

ぴよたん「その意気だぴよっ!!」

ねこにゃー「逸見さん……頑張って」



814: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:04:12.88 ID:RtJirjaw0





優花里『エリカ殿っ!!敵フラッグ車を見つけましたっ!!』

エリカ「よくやったわ。優花里を偵察に出して正解だったわね。カバさん、行くわよっ!!」

エルヴィン『ああっ!!――――っ!?隊長、あれはっ!?』

エリカ「KV-2!?ここにいたのねっ……あれの榴弾は脅威よっ!!散開してっ!!」

エルヴィン『了解っ!!』

エリカ「……来るっ!!」



815: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:08:01.99 ID:RtJirjaw0



ダァンッ


ドゴオオオンッ!!



沙織「うわぁ……凄い爆発」

エリカ「その分装填に時間がかかるっ!!カバさんと一緒に薄いところを狙ってっ!!」

華「っ!!!」

ダァン!ダァンッ!

シュポッ!!





エリカ「よしっ!!これで敵フラッグは丸裸よっ!!」






816: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:12:17.02 ID:RtJirjaw0







シュポッ!!


ねこにゃー「っ……ここまでか」

ぴよたん「見せ場あったぁ……?」

ももがー「時間は稼げたと思うけど……」







カチューシャ「……まさか、3対1でここまで粘られるなんて」

『隊長、急ぎましょうっ!!』

カチューシャ「わかってるわよっ!!」






817: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:21:27.10 ID:RtJirjaw0








ねこにゃー『逸見さんごめん。やられちゃった……』

エリカ「っ……いえ、ねこにゃーはよくやってくれたわ。待ってて、キッチリ決めるから」

ねこにゃー『……うんっ!』

沙織「だけど、さっきから敵に逃げられてばっかりだよ……」

エリカ「……どうする。相手は同じところを回ってるだけ。ならⅢ突と挟み撃ちにする?いや、Ⅲ突じゃ横の動きに対応しきれない。下手にやってもこっちの数を減らすだけに……」ブツブツ
  
典子『こちらアヒルさんチーム!護衛は全滅っ!』

梓『エリカ先輩、ごめんなさいっ!!』

そど子『隊長、急いでっ!!』

エリカ「っ……まずいわ」

華「……麻子さん、これ以上速度を上げることはできませんか?」

エリカ「華?」



818: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:27:11.51 ID:RtJirjaw0


麻子「……悪いがこれ以上は難しい。カーブでスリップしないギリギリの速度だ」

華「……わかりました。エリカさん、私に考えがあります」

エリカ「何?」

華「……次の長い直線で敵のフラッグ車を撃ち抜きます」

エリカ「……いや、それができれば苦労しな」

華「敵がすぐそこまで迫っているのであれば、これ以上時間をかけるのは得策ではありません」

エリカ「……できるの?」

華「麻子さん、次曲がったら全速力でお願いします」

麻子「言っただろ。今がスリップしないギリギリだと」

華「いいです。そのまま真っ直ぐ走ってください。その分、相手との距離が近づくはずです。相手が角を曲がり、直線に入った後ろを通り過ぎざまに撃ちます」

麻子「……マジか」



819: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:35:01.13 ID:RtJirjaw0



華「下手にブレーキをかけるとブレるので速度を緩めないでください」

エリカ「ちょ、流鏑馬じゃないのよ?それどころか相手は動いてる上に直前まで視認できないのに……」

華「アンツィオ戦で、私は動いているCV33に偶然命中させられました。あの偶然を……必然まで落とし込みます」

エリカ「……」

華「こちらのフラッグ車もギリギリです。これ以上、小細工をしている時間はありません」

エリカ「……そんな曲芸みたいな真似ほんとにできると思う?」

華「当てます。……当てて見せます。私にみなさんの一瞬をください」

エリカ「……わかったわ。華、あなたに賭けさせてもらう」

華「はいっ」

エリカ「麻子、お願い」

麻子「わかった」

沙織「華、頑張ってっ!!」

エリカ「……やってやりましょう」

華「……はい。任せてください」

優花里『相手の速度は変わっていません』

エリカ「了解。華、照準を合わせて」

華「はい。おそらく、この角度なら……」



820: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:43:05.21 ID:RtJirjaw0


エリカ「……まったく、西住流だ連携だなんて偉そうに言ったところで上手く行くものじゃないわね。結局最後は賭けに頼るんだから」

沙織「あはは、そうだね。でも、サンダースの時と同じだよ。自分たちより強い相手を倒すんだから、賭けの一つや二つやって当然だよっ」

麻子「そうだな」

華「廃校がかかってますから。ここはエリカさんの主義や流儀は後回しです」

エリカ「はぁ……なら、しょうがないわね」

華「はいっ」

エリカ「……いろんなもの背負わせて悪いわね」

華「いいんですよ。この重みが、私の震えを取ってくれます」

エリカ「……ありがとう」

華「ええ」

麻子「……行くぞ」



821: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:50:21.94 ID:RtJirjaw0



ギュィィィィンンッ!!



エリカ「沙織。危ないからどこかにつかまってなさい」

沙織「うんっ……」

華「……動も切り取れば静の連なり。自分の呼吸を相手の呼吸に合わせて、瞬間を射貫く……」

麻子「コーナー超えるぞっ!!」

ギュィィンンッ!!

エリカ「―――――華っ!!」

華「っ!!」




822: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:51:04.73 ID:RtJirjaw0




ダァンッ!  







シュポッ









823: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:53:55.65 ID:RtJirjaw0






『プラウダ高校フラッグ車走行不能。大洗女子学園の勝利っ!!』







824: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:54:48.89 ID:RtJirjaw0






『プラウダ高校フラッグ車走行不能。大洗女子学園の勝利っ!!』







優花里「すっご……」





カエサル「うっわぁ……」

左衛門座「マジでか……」

おりょう「やばいぜよ……」

エルヴィン「……シモ・ヘイヘ」

「「「それだよねー……」」」




825: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:57:23.84 ID:RtJirjaw0





ナカジマ「……逸見さん、やったね」

ツチヤ「帰ったらまた修理かー」

ホシノ「ああ、楽しみだな」

ツチヤ「……そうですねっ」

スズキ「EPSももっと改良しないとなー」







826: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 21:59:29.49 ID:RtJirjaw0






桃「やったあああああああああああっ!!」

あゆみ「やりましたねっ!!」

杏「……逸見ちゃん、さすがだね」

柚子「これで決勝進出だね桃ちゃんっ!!」

桃「桃ちゃん言うなっ!!」







827: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 22:03:26.39 ID:RtJirjaw0





ワーワー!!


カチューシャ「……」

ノンナ『カチューシャ……もうしわけありません』

カチューシャ「仕方ないわ。あいつらは大博打に出て、それに勝ったのだから。……残念ね、穏便に済ませたかったのに」

ノンナ『カチューシャ……』

カチューシャ「ノンナ、早く戻ってきなさい」







828: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 22:08:36.62 ID:RtJirjaw0






エリカ「……ふぅ」

華「はぁー……」

沙織「やったやった勝ったよえりりんっ!!」

優花里『さすがです華殿っ!!』

エリカ「華、よく決めたわね」

華「一時はどうなるかと思いましたが、なんとかエリカさんの期待に応えられました」

エリカ「私の期待程度で命中させられるあなたが凄いのよ」

麻子「寒さと眠さに耐えた甲斐があったな」

沙織「ほんとだよー。早くあったかい海域に戻りたいよー」

エリカ「まったく、呑気ねあなたも」



829: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/12(土) 22:10:33.47 ID:RtJirjaw0






栗毛の少女『………………』








エリカ「……勝負を決めたのはあなたの力じゃないわ」ボソッ

沙織「……えりりんどうかしたの?」

エリカ「ん?……なんでもないわよ」

沙織「そう?」

エリカ「ええ。さ、優花里を拾って戻るわよ」




841: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:14:15.99 ID:ZASSsxSB0









「両校、礼っ!!」

『ありがとうございましたっ!!』








842: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:15:44.63 ID:ZASSsxSB0








優花里「いよいよ決勝っ……」

華「ここまできたのです、テッペン取りましょう」

沙織「うんっ!!」

麻子「……ま、私の安寧のためにもな」

梓「私ももっとエリカ先輩の役に立たないと……」

典子「そんなに気負うな澤、お前達がいたから私たちは生き残れたんだから」

ねこにゃー「そうだよ澤さん。澤さんたちがフラッグ車を守ってなかったらこの試合は勝てなかったと思うから」

梓「……はいっ」

典子「よしっ!!良い顔になったなっ!!どうだ?せっかくだからバレー部に入らないか?」

梓「あ、遠慮しときます」

典子「そうか……」ショボン

ねこにゃー「キャプテン、抜け目ないね……」

沙織「ん?……あれって、プラウダの隊長?」



843: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:24:31.31 ID:ZASSsxSB0






エリカ「……これで、決勝進出、か。次勝てば学園を、みんなを守れる」




あなたにそんな力も勇気もないよ。だってそれがあったなら―――――私はここにいないもの




エリカ「……それでも、私は進むしか」

カチューシャ「勝ったのに何情けない顔してるのよ」

エリカ「……生まれつきよ。ほっといて」

カチューシャ「あら?そうだったの意外ね」

エリカ「……何の用よ?」

カチューシャ「別に?私たちに勝った隊長の顔を拝みに来ただけよ」

エリカ「そう、ならもう充分でしょ。さっさと戻りなさい」

カチューシャ「ねぇ、大洗の隊長。あなたいつまでそんなことやってるつもり?」

エリカ「……何がよ」

カチューシャ「大洗の隊長、あなた見てて笑っちゃうわ」

エリカ「っ……敗将が偉そうに。……さっきから大洗の隊長大洗の隊長って、私の名前は逸見エリ――――――」

カチューシャ「違うでしょ?」

エリカ「……」

沙織「……え?何が?」



844: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:32:47.11 ID:ZASSsxSB0

優花里「か、カチューシャ殿それ以上は……」

カチューシャ「あんたは黙ってなさい。私は、私たちに勝った学校の隊長がこんなにも情けないのが見てられないのよ」

エリカ「みんな……」

華「……聞き捨てなりませんね」

麻子「そんなことを言われる筋合いはないぞ」

沙織「そうだよっ!!えりりんは大洗の隊長として立派にやってるもんっ!!」

カチューシャ「……呆れた。メンバーどころか自分のチームにも話してないの?」

エリカ「あなたには関係ないことよ」

カチューシャ「言ったでしょ?情けない姿を見てられないって。いいわ、なら私が教えてあげる」

エリカ「やめなさい」



845: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:38:16.31 ID:ZASSsxSB0







小梅「やっぱり大洗が勝ちましたね」

ダージリン「ええ、肩入れした甲斐があったわ」

まほ「……」

小梅「それじゃあ、私たちは戻りますね。ありがとうございました」

ダージリン「いいのよ。さ、私たちも撤収しましょう」

オレンジペコ「はい。……あれ?」

ダージリン「ペコ、どうかしたの?」

オレンジペコ「いえ、大洗の人たちが何か揉めて……あれってプラウダの」

小梅「え?」

ダージリン「カチューシャ……?何を――――まさかっ!?」ガタッ

まほ「……ああ、そういう事か」

オレンジペコ「え?え?どういう事ですか?」

小梅「……」



846: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:44:55.27 ID:ZASSsxSB0






カチューシャ「ここにいるアンタたちの隊長。偉大なる我らがプラウダ高校に勝った名将、逸見エリカ」

エリカ「ねぇ、やめて」

カチューシャ「でもね、こいつはアンタたちに重大な秘密を隠してる」

桃「秘密……?」

あや「廃校の事はもう聞いたよね?」

エリカ「やめて……黙りなさいっ!!」

カチューシャ「ノンナ」

ノンナ「はい」ガシッ

エリカ「っ!?この、離しなさい!!」

沙織「ちょっ、何してっ……」



847: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:50:16.06 ID:ZASSsxSB0

杏「カチューシャっ!!」

エリカ「会長……」

桃「はぁっ、はぁっ……会長、急に走り出して一体どうしたんですか」

杏「カチューシャ、頼むよ。ここは大人しく帰ってくれない?」

カチューシャ「……あなたは知ってるみたいね。……ああそうか、あなたがこいつを引き込んだってわけ」

杏「……」

カチューシャ「こんな燃えカスに頼ってただなんてよっぽど切羽詰まってたのね」

杏「……うん、そうだよ。私が無理やり引き込んだんだ。だから逸見ちゃんの事情は関係ないんだよ」

桃「会長?」

カチューシャ「……それで私が納得すると思う?」

杏「カチューシャ……お願いだからさ。悪いのは全部私なんだよ。逸見ちゃんはただ、私たちのために頑張ってくれただけなんだ」

カチューシャ「話にならないわね。……全員よく聞きなさいっ!」

杏「待っ―――――」



848: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:55:55.31 ID:ZASSsxSB0







カチューシャ「逸見エリカは、もうこの世にいないわ」








849: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 21:59:00.83 ID:ZASSsxSB0

華「っ!?」

沙織「……え?」

優花里「っ……」

麻子「何を言ってるんだ。逸見さんはそこに……」

梓「ふざけないでっ!!」ガシッ

カチューシャ「……」

梓「エリカ先輩が死んでるだなんて……負けた腹いせにしたって限度があるでしょっ!!?」

カチューシャ「……後輩にずいぶん慕われてるみたいね」

エリカ「梓……」



850: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:03:14.01 ID:ZASSsxSB0

梓「エリカ先輩がいたから私たちはここまでこれたっ!あなた達を倒して、決勝に進めたっ!!それをっ!!」

典子「澤の言う通りだ。……今なら撤回するだけで許してやるぞ」

ねこにゃー「……」ジッ…

カチューシャ「……逸見エリカは死んでいる。これは紛れもない事実だわ」

梓「このっ……!?」

カチューシャ「ならそこにいるのは誰か」

エリカ「……やめて」

カチューシャ「こいつはね、逸見エリカなんかじゃないわ」

エリカ「……離して。離してっ!やめろっ!!やめて、お願いだからっ!!ねぇっ!?やめてっ……やめてくださいッ!!」

カチューシャ「こいつの名前は――――――」



851: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:07:44.37 ID:ZASSsxSB0









カチューシャ「西住みほ。黒森峰の隊長西住まほの妹にして、去年の敗戦の原因を作った元副隊長よ」










852: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:12:43.93 ID:ZASSsxSB0


沙織「……何、言って、西住さんは去年の事故で亡くなったって……」

カチューシャ「あぁ、そういう事にしたかったのね。……でも、そいつの反応をみればわかるでしょ?ねぇ、偽者さん?」

エリカ「……」

華「エリカさん……」

麻子「逸見、さん」

優花里「っ……」

杏「……」

沙織「えりりん……?」

桃「……逸見?」



853: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:18:44.29 ID:ZASSsxSB0



エリカ「……みんな、こいつが言ってるのはただの戯言よ」

カチューシャ「冗談でこんな事言うと思う?」

エリカ「っ……!!」バッ

ノンナ「っ!?カチューシャっ!!」

ガッ

エリカ「取り消せっ……私は、私は逸見エリカよっ!!」ググッ

カチューシャ「……そんなに苦しそうに自分の名前を言うやつ初めて見たわ」

沙織「えりりんっ、落ち着いてっ!!」

カチューシャ「ねぇ、何も知らない人たちに偽りを語るのは楽しかった?」

エリカ「違うっ……」

カチューシャ「亡くなったあの子を騙って第2の人生でも送りたかったの?」

エリカ「違う……違うの、私は……」

カチューシャ「……いい加減、自分を見つめる時なのよ西住みほ。……逸見エリカのためにも」



854: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:22:31.90 ID:ZASSsxSB0




ピシッ





855: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:23:07.27 ID:ZASSsxSB0




エリ※「……嘘よ。そんな事あるはずないでしょ」

沙織「……えりりん?」





856: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:26:06.54 ID:ZASSsxSB0




ピシッ





857: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:27:29.61 ID:ZASSsxSB0




エ※※「だって、だって、私が、逸見エリカだからみんなと、ここまで来られて……」





858: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:28:53.39 ID:ZASSsxSB0




ピシッ





859: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:30:57.96 ID:ZASSsxSB0

※※※「違う……違うッ!!私はッ、逸見エリカでっ、西住みほは死んだのッ!!」

梓「先輩……エリカ先輩ッ!?」

※※※「……そうよ、梓。私は逸見エリカ。西住みほじゃ、あなた達とここまで来られなかった。弱くて、臆病なあいつじゃそんな事できなかった」

梓「っ……」

ねこにゃー「逸見さん、もう戻ろう……?ここは寒いから、暖かいところでゆっくりして……」

※※※「……そう。私はみんなと一緒に学園を守るために……ああでも、私なんかじゃ……」

典子「隊長っ、ほら、深呼吸して……」

※※※「……………………なんで私はここにいるの?」

典子「え?」

※※※「だって、私は……私なんかより、あの人が生きている事のほうが大事で……」

沙織「えりりん、ねぇ落ち着いてっ……」

※※※「ねぇっ!?私は逸見エリカよっ!!みんな知ってるでしょっ!?」

カチューシャ「誰も知らないわよ、あなたの事なんて」



860: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:35:14.72 ID:ZASSsxSB0

※※※「っ……沙織っ!!私は、私はエリカさんだよねっ!?」

沙織「え、えりりん……」

※※※「ねぇ、華っ!!麻子っ!!」

華「……」

麻子「っ……」

※※※「……優花里、みんなに言ってください。私が……逸見エリカだって」

優花里「…………ごめんなさい。もう、私には……」

※※※「―――――なら、私はなんでなんですか?」

杏「ねぇ、逸見ちゃん戻ろう?ほら、次は決勝なんだからさ、ゆっくり休んで英気を……」



861: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:39:12.28 ID:ZASSsxSB0

※※※「だって、西住みほは死んでるのに、あの人がいないなら……私は、私は――――なんで生きてるの?」

桃「逸、見……」

※※※「桃、ちゃん……私は、私はエリカさんだよ?わかってくれるよね……?桃ちゃんならわかってくれるよね?私は―――――」

桃「お前は………………誰、なんだ…………?」

※※※「あ……」



862: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:42:00.20 ID:ZASSsxSB0




パリンッ





863: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:42:39.00 ID:ZASSsxSB0


「……」

桃「……逸見?」

「……私は、」

沙織「えりりん?」

「…………私は逸見エリカ、私は逸見さん、私はエリカさん、私は、私は私は私は―――――――エリカさんになれないの?」

カチューシャ「……なれないわよ。人が、別の誰かになんて」

「……」



864: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:46:32.35 ID:ZASSsxSB0





色が消えていく。目の前に広がる雪原に溶け込むかのように人が、空が、真っ白になっていく

私を見つめる瞳はどんな色をしていたのだろうか

思い出せない。私の記憶に焼き付いているのはあなたの姿だけだから

月光のような銀髪、宝石のような碧眼

記憶に残る貴女の姿は何よりも美しく、輝いていて

だけど、あなたはいってしまった。私をおいて






865: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:50:58.76 ID:ZASSsxSB0





『みほ』




その言葉に感慨を抱いたことは無かった。だけどあなたの声が輝きを与えてくれた

手を取ってくれた、隣に立ってくれた、微笑みをくれた

弱くて、勇気のない私を照らしてくれた

そのあなたがいないのなら、私にはもう何の価値もない

私にとって――――エリカさん、貴女は全てだった






866: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:52:06.74 ID:ZASSsxSB0




何故

何故

何故

ずっと問い続けていた。何故、貴女を失ったのか。

答えは決まっている。私が生きていたからだ

貴女を失うぐらいなら生まれてこなければよかった。

貴女がいてくれるなら何もいらなかった。

そして、私は全てを失った





867: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:52:59.89 ID:ZASSsxSB0




だけど

だけど

だけど

私は生きてしまっている。貴女のとは似ても似つかない真っ白な髪(ニセモノ)を支えに、空っぽの中身を抱えながら

嘘と偽りで形作られた人形。それが、私なんだ





868: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:53:51.49 ID:ZASSsxSB0





沙織「――――!?」

桃「――!?――、――!?」






869: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:54:23.95 ID:ZASSsxSB0




目の前の真っ白な人たちは必死に貴女の名前を呼んでいる

貴女はもう、いないのに

空っぽの偽物がいくら貴女を真似ようと、貴女は帰ってこないのに





870: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:55:48.23 ID:ZASSsxSB0




そうしたのは私で、私は私が許せなくて

なのに死ぬことすらできなくて





871: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:57:14.80 ID:ZASSsxSB0




犯した罪はあまりにも重く

生きていることが今の私にとっての罰なのだろう、




だって






872: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 22:58:03.62 ID:ZASSsxSB0







「私は、あなたを救えなかったから」








873: ◆eltIyP8eDQ 2018/05/19(土) 23:01:57.52 ID:ZASSsxSB0



えー、当初の想定よりも文量が嵩んでしまいこのスレだけでは終わらないので

ここで第一部完といったところでこのスレを終わらせようと思います。

次のスレはまた来週あたりに立てると思うので、またお知らせします。

クソ長いスレですが、もう少しお付き合いください。

読んでくれた方々ありがとうございました。




元スレ
【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514554129/
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         コメント一覧 (58)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 14:33
          • 白雪姫は王子様のキスで目覚めるんやで(希望的観測)
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 15:12
          • やっぱりみほだったか
            実はエリカは生きてる、とかまぁ無理だよなぁ…
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 15:14
          • お前本当にママ爆弾と同じ作者か!?180度空気が違うんだけど
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 15:40
          • これは二回読むべき。
            しかし、桃ちゃんがここまで優秀なSSは初めてかも知れない
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 16:23
          • なげえ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 19:22
          • ママ爆弾と同じ人が書いていたとは...たまげたなぁ(褒め言葉)
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 19:42
          • 別になくてもいいようなシーンや描写がたっぷりあるからやたらと長くなってるな
            でもちょっとおもろかったで
            次も期待や
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 19:56
          • 評価は話が終わってからだ
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 20:06
          • みほが出てきて糖質エリカかと思ったけどおばぁの若白髪扱いとか沙織のかわいい系の顔ってとこで繋がってびっくりした(小並感)
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 20:41
          • ぼぉっと読んでたから見事に騙された
            いやぁ、読み返せば確かにそうだったね
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 21:24
          • 5 同じような話を妄想したことがあるから既視感が凄かった、自分が思いつくことは他の人も考えるよねと。

            エリカの言動で物語を構成する叙述トリックは見事でした。いくつか伏線張られていたけど、仲違いした沙織と華との口説き文句で、あれ?エリカはここまで人たらしだったっけ?と違和感覚えた位で、最後でにああそういうことかと気づかされたのがちょっと悔しかった。

            第二部にを楽しみにしてます。
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 22:52
          • ※11
            唐突な自分語りとクソのような評価だな
            お前が思いついたかどうかなんて知らねーよ
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 02:13
          • ケイがブチギレなかったのは単に本人が仏の心なだけじゃなくて、正体とか崩壊してた心境知ってたからなのね
            ゆかりん以外に隠匿しきった会長マジ敏腕、すっかり他人をトレースしてるみぽりん見て忠犬は何を思ったのか
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 03:33
          • 5 この展開には素直にビックリしたわ。。長くても読んでほしい作品。第二部もお待ちしてます。
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 04:34
          • 面白いっすわー
            もうちょっとバレにくく伏線仕込んでくれたらもっと衝撃があって良かったと思うけど
            それはそれできっと唐突な印象になっちゃうから
            無い物ねだりなんだろうな
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 07:12
          • 杏に理解できないと言われまほには蛇蝎の如く嫌われ
            かといって他からそこまで嫌われてる様子はなくなんだろうと思って
            途中ふっと気づいて読み返してある程度確信持てた時の幸せ感
            後半出てきた小梅の存在も気になる所ですな
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 07:54
          • まだ全然途中だけど、精神が弱った逸見に対してまほが厳しすぎる
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 08:58
          • 小梅は小梅で色々違和感があるんだよなぁ、発言は妙に達観してるし、事故の当事者だと触れられてもいない、そもそも本筋からして何らかのギミックが無い限り登場する意味が薄い。まさかおまえ、いt
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 11:38
          • 俺バカだからまほが何故そこまで何にたいして怒ってるのかわからない
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 13:39
          • ※19
            うまく説明出来ないけどみほがエリカの死をなかったことにしてるのが逃げてるって感じたんじゃない?挙げ句みほが死んだって言ってるわけだし
            ごめんやっぱりうまく説明出来ねぇや
            ただ、俺はまほの気持ちはわからなくもない
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 14:20
          • 黒い森で眠り続ける白雪姫
            寄り添う7つの戦車

            白雪姫は王子様のキスで・・・?
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 15:07
          • 小梅で前に似た話があったな
            このアイデアちゃんと料理すれば良かったのに、って反応が多いやつだったが嫌いじゃなかった
            そしてがっつり料理したらこうなるか
            続きはよ
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 15:10
          • ※22
            それがあったから「これみほなんじゃない?」って早い段階で予想出来た
            後、一瞬※22見て「モバマスでそんな話あったかな」って素で勘違いしたwwごめんよ白…赤星さん
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 15:38
          • とりあえず家元は我が娘を転校とか以前に
            然るべき医療機関にぶち込むべきなんじゃ?
            あきらかに精神に異常きたしてるじゃないか
            まほも何に対してそこまで憎悪しているのかよく分からない
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 17:07
          • 〜が転校したらシリーズが出尽くした今だからこそ効果的な設定だったと思うわ
            桃ちゃんとエリカって役どころ似てるし気に入ってもおかしくなさそうだし
            そんなことより秋山監督続編はよ
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 19:44
          • 予想はつくけどそうじゃないでほしかったぐらいの作品だわ
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 21:54
          • やっぱりみほだったか
            続きもよろしく頼むよ
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 22:07
          • あんこうの絵が下手なのも伏線だよね
            (みほは美術の成績が悪い)
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月21日 23:37
          • 「エリカさん」を認めれば妹は2度と帰ってこない訳だし、まぽりんがそれを許容する訳にはいかないのでは?
            もっとも、そうなるまでに手を打てなかった自分への怒りとかも大いに含まれてそうだけど…
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 04:29
          • まほの怒りは自分への怒りも大分含まれてそうな気がする
            第二部で過去編が出てくれることを願う
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 08:09
          • そりゃ実際に死んだ人間を差し置いて自分を死んだ事にして、死んだ人間に成り済ますなんて理解不能なことで現実逃避してたのに、表舞台に出てきてあれこれ表沙汰になったらお姉ちゃんだって情緒不安定にもなりますわ。
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 09:19
          • ※31 しかも自分の命を捨ててでもみほを守ろうとしたエリカの意思を無視して、エリカを救えなかったみほの自己嫌悪をエリカの憎悪として代弁させてるのがマズいわな。
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 12:30
          • ママ住さん観戦にも来てないしな
            ひょっとして心労でぶっ倒れてる?
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 14:47
          • しおれてるしぽりんprpr
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 17:31
          • MGS4のオセロットか、MGSVを思い出させるな…。
            内容としては、面白かったので続きはよう!
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月22日 23:35
          • 5 めっちゃ騙された、これは良作
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月23日 01:55
          • う~んこれは許されるのか?死んだみほがエリカに憑いてるってことで理解して読んでたから、そのまま進んでもらいたかったな…。
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月23日 10:36
          • 5 第二部楽しみ
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月24日 00:52
          • 逸見大洗転校ifだいすき(これは厳密には違ったけど)
            ここでまとめられてる別の二部になってるクッソ長いssもだいすき
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月24日 01:44
          • ※37
            お前の勘違いを勝手に本筋にするな
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月24日 02:07
          • 名前潰してたのとかでだいたい察してたがしほの言葉でこいつみほだと確信した

            みほ自身がみほのことを否定したんだ、周りから親愛や友愛を向けられやすいだろうみほが、人からみほに向けられてたそれを全て否定してなれるはずのない居なくなった人間になったなら…そのままであることを絶対許すはずがない。
            愛ゆえに憎いんじゃないかね
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月24日 04:50
          • 最終的にみほにエリカのスタンドが付くんだろうな
            「これが私のスタンドッ!「エーリカ・ギュスターヴ」ですッ!!
             この渦に飲み込まれたが最期ッ!一度食らいついた得物は決して離しませんッ!!」
          • 43. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月24日 07:02
          • ※42のせいで面白味がなくなったな
          • 44. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月25日 19:13
          • 妙に桃ちゃんに好意的だなと思ってたがエリカとキャラが似てるからか
          • 45. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月25日 21:59
          • なぜifルートSSでは毎回麻子のおばあ入院イベントはあるのに華の勘当イベントは飛ばされるのか
          • 46. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月25日 23:56
          • おばあのイベントはその前段階として黒森峰イベントが絡められることに加え、おばあというか年寄キャラは年の功だなんだとかの理由で鋭い事を言わせても違和感がないからだ。

            華さん勘当イベは基本的に華さんが中心の話なのと、百合さんと新三郎のキャラが妙に濃いせいであんまり話を崩せないからかと
          • 47. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月26日 08:32
          • 5 文句なしに面白い!
          • 48. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月26日 09:47
          • 5 最後まで気づかなかったからビックリした。
            二度目読んだら結構伏線あってビックリ。
            二部も楽しみだ
          • 49. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月26日 13:48
          • うすうす感づいてはいたけどドキドキした
          • 50. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月26日 15:58
          • ※45 本編からしてみほとは全然関係ない話しになってたからね。家元の娘っていうネタを尺の都合で掘り下げれなかったけど、本来なら華の勘当騒動から発展してみほの勘当やら西住流としてのみほを描写していくつもりだったんじゃないかね。
          • 51. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月29日 12:23
          • 5 単純にガルパンifとしても面白かったし、この話の真相は…
            第二部早く見たいです
          • 52. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月29日 16:52
          • ※42 なんでジョジョカスって節操ないの?
          • 53. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月29日 23:37
          • 面白い
            しかし自動車部強すぎるだろう
            あいつらならそれくらいやりそうだがw
          • 54. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年06月01日 21:13
          • 同じネタのSSがすでにあるのが惜しい
          • 55. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年06月06日 20:22
          • 5 こんな深刻なエリみほだとは思わなかった
          • 56. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年06月10日 08:48
          • エリカが大洗の隊長でも結局みほとやり方殆ど変わってねーじゃん
            って思ってたらなるほどなるほど
            てか去年の決勝で負けたのはみほのせいかもしれんが
            死者が出たのってみほより隊長のまほのせいだよね
          • 57. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年06月12日 23:58
          • 5 改めて読み直すとなるほどって思うシーン多いな
            初見ではエリカのみほディスが激しすぎることくらいしか違和感を持ってなかったよ
            黒森峰戦楽しみです
          • 58. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年06月23日 14:02
          • まじかよ...

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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