園児三女「はじめてのおつかいなのです」
小学生次女「妹の監視が任務だよ!」
大学生長女「お姉ちゃんがかわいいかわいい二人を見守るよ……!」
園児三女「えーと、なになに。おさとう、おしょうゆ、おとうふ。……きょうはすきやきなのです」
小学生次女「ぷぷぷ、ちゃんと買えるかなー?」
大学生長女「二人共、ファイトだよっ……!」
園児三女「おさとうはすーぱーでいいのです。おしょうゆとおとうふはおとうふやさんでかうのです」
園児三女「まずは……すーぱーからですね。おとうふはもちかえるのがたいへんなのです」
園児三女「では、しゅっぱつ! なのです」
小学生次女「おっ、三女ちゃんが動き出したぞ! サッ! サササッ!」
大学生長女「あわわ……次女ちゃん、それじゃ不審者だよ……!」コソコソ
園児三女「かわいいかわいいなのです……」
小学生次女「おおっと! 三女ちゃん、ここで脱落か!?」
園児三女「はっ! いけない……わたしにはおしごとがあったのです」
園児三女「わんわんばいばい!」
大学生長女「ああっ! かわいすぎて涙がっ!」
園児三女「すーぱーはもうもくぜんなのです」タッタッタッ
小学生次女「ふふ、わんこー、よーしよしよしよし……あれっ? 三女ちゃん?」
小学生次女「しまったぁ……。急いで追いかけないと! ばいばいわんこ!」ダッ
大学生長女「ああっ! かわいすぎて鼻血がっ!」
園児三女「たくさんしゅるいがあるのです……」
園児三女「しろいの、しろいの、くろいの、ちゃいろいの。……わからないのです」
小学生次女「ああ~、あるよねー。種類がたくさんあってどれ買えばいいかわからないパターン」
大学生長女「どれでもいいのよ! 何を買ってもお姉ちゃんがおいしく調理してみせるから! 」
園児三女「わからないときはおとなのひとにきくのです。 すいませーん、ていいんさーん」
店員「すき焼きですか。それならご家庭によっても違うんですが、この三温糖か、こちらのざらめ糖がオススメですよ」
園児三女「ざらめとう……これもおさとうなのでしょうか……」
園児三女「ここは、ぶなんに……こっちのちゃいろい、さんおんとう? にするのです」
店員「わかりました。レジまでお持ちしますね」
園児三女「ありがとうなのです。あっ、りゅっくにいれるので、ふくろはけっこーです」
大学生長女「はぁ……優秀すぎて将来が怖い……」
大学生長女「ん~、でもおさとうだけなのね?」
大学生長女「なぜか次女ちゃんまでお買い物してる! しかもお菓子! でもかわいいからよし」
大学生長女「そうだった、私もお買い物しなくちゃ……! 牛肉と……長ネギと……」
園児三女「うぅ……おもってたよりもおもたいのです……」
園児三女「りゅっくをもってきてせいかいなのです」トテトテ
園児三女「おとうふやさんはすこしとおいのです。とちゅうのこうえんでひとやすみするのです」
小学生次女「大丈夫かな。ちょっとフラついてるような……」
小学生次女「でも三女ちゃん頑張ってるし……まだ様子を見よう」
園児三女「うえねーにもたせてもらったすいとうのでばんなのです!」
園児三女「ごくっ……ごくっ……。ぷぁ、いきかえったのです!」
小学生次女「私も飲も。ごく、ごく。ぷはっ」
大学生長女「あはは、持たせてよかった! ……私も。ぐびっ、ぐびっ。ぷはぁっ!」
園児三女「うにゅ……ねむくなってきたのです……ん……わたしには、おつかい、が……」スヤァ
小学生次女「ありゃりゃ、寝ちゃったかぁ……どうしよっかな」
大学生長女「こんなところで終わらせてなるものか! 持たせてよかったお子様スマホ!」ピポパ
園児三女「!」ビクッ
園児三女「も、もしもし? うえねーですか? は、はい、だいじょうぶなのです。ちょっときゅうけいしてただけなのです」
小学生次女「姉ちゃんナイス! まるで見てるかのようなタイミング!」グッ
小学生次女「って、やばっ!? こっち来た!」
小学生次女「どうしようどうしよう……! とりあえず茂みに!」ガサガサ
大学生長女「次女ちゃん……! 大丈夫かな……切ったり擦り剥いたりしてないかな……」
小学生次女「……よし、気付かれなかったみたい。 っててー、慌ててたからちょっと膝すりむいちゃったよ……」
小学生次女「でも血も出てないし、そんなに痛みもない。大丈夫大丈夫! あとで姉ちゃんにペロペロしてもらお!」
大学生長女「ああああ……やっぱり怪我してる! ……頑張ってるから止めはしないけど」
大学生長女「あとで消毒して、い~っぱいよしよししてあげないと!」
小学生次女「三女ちゃんは……っと。いた!」
園児三女「おおどおりなのです」
大学生長女「来た……! 最大の関門、大通り! 帰りは歩道橋のある違う道を通るはずだから大丈夫なんだけど……」
小学生次女「ここ、車通りも多くて信号もなかなか青にならないんだよねー」
大学生長女「あ、危ないしさすがにもう少し近くに……」ソロソロ
園児三女「しんごう、あおにならないのです……」
大学生長女「ここは押しボタン式信号機なのよ……! 思い出して! 昨日教えてあげたことを!」
園児三女「のんびりまつのです」
大学生長女「ダメか~……。 あっそこの人、すいませーん! これこれこういうわけで、信号のボタンをですね……」コソコソ
園児三女「むむむ……あっ! あおになったのです!」
大学生長女「ほっ……」
園児三女「すみませーん!」
豆腐屋「はいはい、あら! お嬢ちゃんお買い物かしら?」
小学生次女「小さいお店だから外から見てないとバレちゃう……」
小学生次女「うーん……中の様子が……」
園児三女「おとうふください!」
豆腐屋「ええ。種類はどうしようかしら」
園児三女「ま、またしゅるいなのです……」
豆腐屋「えーっと、何に使うお豆腐か、わかる?」
園児三女「すきやきなのです!」
豆腐屋「あら、いいわねぇ! それなら……」
豆腐屋「この木綿豆腐か、こっちの絹ごし豆腐かしら。一応うちでは焼き豆腐も置いてるんだけど」
豆腐屋「今までお家ですき焼き食べたことあるかな?」
園児三女「あるのです。とってもおいしいのです!」
豆腐屋「うふふ、お豆腐の食感……食べた時の感じなんだけど」
園児三女「ふむふむ」
豆腐屋「これこれこう、って感じで、堅めでしっかりしてるのが木綿豆腐。お箸で掴むのも簡単ね。」
豆腐屋「で、柔らかめで口に入れるとフワーッととろけるのが絹ごし豆腐よ」
園児三女「ほぉ~」
豆腐屋「ま、この二つは好み次第だから間違えちゃっても問題はないと思うわよ」
大学生長女「絹ごし……絹ごし……いつもは絹ごし……! でもどっちを買ってもお姉ちゃんがおいしく調理するから大丈夫よ!」
豆腐屋「はいはい絹ごし豆腐ね! 今包んじゃうから待っててねー」
園児三女「あっ! あとおしょうゆもかうのです!」
豆腐屋「……えっと、うちで売ってるのでいいのかな?」
園児三女「……? ここのをかってるのをみたことがあるのです。だいじょうぶなのです」
豆腐屋「わかったわ。それじゃあお代は、と」
園児三女「あと、おしょうゆはりゅっくにいれるのでふくろはけっこーです。でもおとうふは、てでもってかえるのです」
豆腐屋「少し重いわよ? 大丈夫?」
園児三女「うぐぐ……あとはかえるだけなので。しんぱいむようなのです」
大学生長女「ああっ……! 三女ちゃん! それはきっと、だし醤油っ……! お豆腐用の調味醤油なのっ!」
大学生長女「でも大丈夫、お姉ちゃんがおいしく調理するから! 悲しい顔はさせないよ!」
園児三女「んしょ……んしょ……」
小学生次女「うわぁ……見て分かるほど重たそう……」
小学生次女「おつかいは無事済んだ訳だし、もうちょっとしたら偶然会った風にしよっかな」
園児三女「あとは……かえるだけ……さいごまで、がんばるのです! 」
小学生次女「……泣き言言うまでは見守ろ」
大学生長女「二人とも……! ああ、お姉ちゃん感動で前が、へぶっ!」
大学生長女「あいたたた……電柱にぶつかるとは……」
小学生次女「はらはら……」
園児三女「よっこらせ! どっこいしょ! はぁ、はぁ、のぼりきったのです」
園児三女「……わぁ!」
園児三女「たかいのです! ゆうやけがきれいなのです!」
園児三女「ふぁぁ……」
園児三女「……せかいをみおろすのは、なんだかいいきぶんなのです」
大学生長女「悪い顔になってる……。ダメ、あなたは綺麗なままでいて!」
園児三女「さて、くだるのです」
小学生次女「頑張れ……頑張れっ……! もうすぐそこだよ!」
園児三女「えへへ……うえねー、よろこんでくれるかな……? したねー、ほめてくれるかな……?」
園児三女「あっ! おうちがみえたのです!」ダッ
大学生長女「そ、そんなフラフラなまま走ったら……!」
園児三女「あうっ!」ステーン
小学生次女「あっ!?」
園児三女「んっ……ぐすっ……。だいじょうぶなのです……。わたしはなかないのです……」ヨロヨロ
園児三女「おつかいをまかされたのです……。うえねーも、したねーも、わたしをしんじておくりだしたのです……」ゴシゴシ
園児三女「こんなところで、まけたりしないのです!」
小学生次女「お、おかえり! その、大丈夫だった?」グスッ
園児三女「もんだいないのです。ほら、このとおり……」
小学生次女「あっ……お豆腐が……」
園児三女「えっ……? あっ……さっき……ころんだときに……」ジワ
園児三女「ぅぅぅ……。ふ、ふぇぇぇぇん! えぇぇぇぇん!」
大学生長女「大丈夫よ、三女ちゃん」
小学生次女「そ、そうだよ……!」ウルウル
園児三女「ふぇ……でも、でも、ぐしゃぐしゃに……」
大学生長女「絹ごし豆腐はね、崩して食べてもおいしいんだから!」
大学生長女「本当だよ~? 崩し豆腐っていってね? すき焼きにはあんまり使わないんだけど……」
大学生長女「お姉ちゃんの料理のおいしさ、知ってるでしょ? だから、ね? お姉ちゃんを信じて、もっと胸を張って!」
園児三女「ぐすっ、わかったのです……」
園児三女「でも……すこしだけ、あまえさせてほしいのです……」
小学生次女「……おうっ! どんどん甘えなさい! かわいがってやるぞ~なでまわすぞ~! あっ、お菓子もあったんだ。一緒に食べよー」
大学生長女「その前に、さっ! 二人とも!」
小学生次女「な、なんだよぅ!」
園児三女「ききせまる、なのです」
大学生長女「傷、見せてごらん。ちゃんと消毒しないと」
園児三女「おもいだしたらいたくなってきたのです……ふぇ……」
小学生次女「私は大したことないしー? ……だから三女ちゃんから、ねっ」
大学生長女「よしよしいい子いい子。じゃあ、ペロペロするよ~?」
園児三女「すぅ……すぅ……」
小学生次女「ぐぅ……むにゃ……」
大学生長女「あはは、寝ちゃってるや」
大学生長女「二人とも、ほんっとうによく頑張ったもんね……えらいえらい……。あっ、写真撮っとこ」パシャー
大学生「二人とも、起きて~。 ご飯できたよ~」
園児三女「んぅ……いいにおいなのです……」
小学生次女「はっ! すき焼き!」ガバッ
園児三女「わぁぁ……! おいしそうなのです!」
大学生長女「三女ちゃんがおつかいに行ってくれたからだよ~?」
小学生次女「三女ちゃんに感謝だねー!」
園児三女「えへへ……うれしいのです……!」
大学生長女「それじゃあ、いただきます」
園児三女「いただきます!」
小学生次女「いっただっきまーす!」
「「「おいしー!」」」
happy end
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (10)
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- 2018年04月02日 21:19
- 園児三女が電、小学生次女が雷、大学生長女が阿武隈で脳内再生された。
-
- 2018年04月02日 21:19
- やらしい……間違えた、やさしい世界
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- 2018年04月02日 21:38
- 姉がさりげなくペロペロしてない?
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- 2018年04月02日 21:55
- ハッピーエンドでよかった!
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- 2018年04月02日 23:51
- よし、幸せな気分になった
-
- 2018年04月03日 00:31
- 原作が売れてるのに受け入れられない
お前みたいなのは、嫉妬に狂う狂犬だな。
哀れなもんだ。
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- 2018年04月03日 07:38
- イメージとしては三月のライオンの川本家姉妹
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- 2018年04月03日 23:56
- みつどもえSSかと
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- 2020年04月06日 17:14
- スーパーコピーブランドを取り扱う販売専門店,
ロレックス、オメガ、パネライ、カルティエ、
ウブロなど世界中のスーパーコピー時計
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- 2020年04月09日 20:25
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