メイド(♀)「喰うか喰われるかの運命、ですか。」 /メイド(♀)「坊ちゃまには頼れる仲間は……ああ、失礼。軽率でした。」
メイド「……坊ちゃまは喰う側か、喰われる側か、どちらなのでしょうね。」
メイド「まあ坊ちゃまの不甲斐なさからして、喰う側ということはありませんか。世間の悪意に食い尽くされて、栄養にされてしまうだけです。」
メイド「でも……気に入りませんね。坊ちゃまは、私のものでございますから。たとえ坊ちゃまが喰われる際は、私が美味しくいただきます。」
メイド「昔から気に入らないんですよ。友達に貸したものを、勝手にまた別の友達に貸されるあれ。昔から、本当に我慢なりませんでした。」
メイド「一気に頭に血が上って、大変なことを何度かしでかしてしまいました。……几帳面すぎるのでしょうね。あるいは潔癖か。恐らく、どこかおかしくなってるくらいには。」
メイド「……坊ちゃまは、すでに私の所有物と認識しておりますから、坊ちゃまが勝手に傷ついたり、泣かされたりするのは、私には耐えられません。」
メイド「なにかあれば、すぐに私に仰ってくださいね。私が責任を持って、坊ちゃまをいじめる悪者を喰らい尽くしてご覧にいれますから。」
メイド「……喰らい尽くすといえば……ポップコーン、なくなってしまいましたね。………………。」
メイド「あ、やはり私が持ってくるのですか。……まったく、坊ちゃまの方がたくさん食べていたのに……なんで私が……もう…。」
メイド「私は、ときどきあります。坊ちゃまの従者として抑圧されている私を、内から叩き出ようとする何者かの存在が、たしかにここにいます。」
メイド「そしてそれは坊ちゃま、貴方と接しているときに限って扉を叩いてくるのです。……これは、何故なのでしょうか。」
メイド「……坊ちゃまが、本当にときどき……たまらなく、美味しそうに見えるのです。貴方を見ているだけで、唾液が溢れてくるような、そんな感覚が…。」
メイド「試しに、少しばかり齧らせてはいただけませんか?大丈夫、噛みちぎったりはしません。本当に、歯に触れる程度で結構ですから。ねぇ、坊ちゃま。」
メイド「…………馬鹿ですか。なにを、馬鹿なことを。冗談です、本気になさらないでください。アホらしい。言ったこっちが恥ずかしいではありませんか。まったく。」
メイド「……でも、そうして困惑している坊ちゃまは、本当に美味しそうですよ。……なーんて。」
メイド「ああ、ええと。それで結局、坊ちゃまはあるのですか?自分ではないなにか、別の存在を。耐え難い違和感を、抱えておいでですか?」
メイド「……そうですか。坊ちゃまは本当にいい子ですね、面白くもない。所詮は温室育ちですか。」
メイド「しかし……どうだか。無自覚に抑圧されていらっしゃる坊ちゃまは、本当に衝動に駆られたとき……どうなるか分かったものではありません。」
メイド「自分でも恐ろしくなるくらいの……バケモノ、になるやもしれません。どうか、お気をつけて…。」
メイド(♀)「坊ちゃまには頼れる仲間は……ああ、失礼。軽率でした。」
メイド「普通は、たまの休日には気の置けない友人や親しい異性と同じときを過ごし、親睦を深めるものです。」
メイド「こんな、一日中テレビに向かってキャッキャ言ってるのは常軌を逸しております。まったく、あまり私を心配させないでください。」
メイド「あー、はいはい。言い訳は結構です。ともあれ、ご友人がいらっしゃるのなら大切になさった方がよろしいですよ。」
メイド「私には友人と呼べるような存在はいません。出来なかったのです。ですから、若い頃はそれはそれは寂しい思いをしておりました。」
メイド「私にとっては、喧嘩や衝突さえも羨ましかった。実はそういったいざこざというものは、それっきりで疎遠になったりすることってほとんどないのです。」
メイド「どちらかが、あるいは互いが、適当なところで折り合いをつけてそのうち和解するものなのです。」
メイド「そしてそういった経験が後々話のタネになり、思い出になるのです。人間関係とはそれくらい適当なものなのです。得てしてそういうものなのです。」
メイド「ですから坊ちゃまも……あまり深くは考えず、為すがままになさい。どうせ、仲直りなんて簡単にできるんですから。」
メイド「…………当たり前です。何年坊ちゃまのお世話をしてきたと思うのですか。坊ちゃまは本当に分かりやすくて、簡単です。」
メイド「さ、そういうことですので、今度からはせっかくの休みを無駄に過ごさないようになさってください。時間は有意義につかってこそ、ですよ。」
メイド「……はあ?…………私が、ですか。」
メイド「…………。」
メイド「……さあ、どうでしょうね。まあ、たまには付き合って差し上げてもよいかな、と。……本当、たまにですが。」
おやすみ
旦那様←わかる
奥様←わかる
お嬢様←わかる
坊っちゃま←ちゃまって何やバカにしとんのかコラ
メイド「坊さま。(笑)」
それか坊をやめるかだ
ちゃまなんて赤子言葉より誠意あるもの
殿様の子息に対する若様とか良い例
元スレ
メイド(♀)「喰うか喰われるかの運命、ですか。」
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メイド(♀)「坊ちゃまには頼れる仲間は……ああ、失礼。軽率でした。」
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メイド(♀)「喰うか喰われるかの運命、ですか。」
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メイド(♀)「坊ちゃまには頼れる仲間は……ああ、失礼。軽率でした。」
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コメント一覧 (7)
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- 2018年04月01日 13:00
- 若様とか?
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- 2018年04月01日 14:21
- 若様やと極道っぽくてちょっと…
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- 2018年04月01日 18:27
- 坊と書いてぼんとか
関西弁で
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- 2018年04月02日 01:14
- 主とかでもいいぞ
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- 2018年04月02日 10:13
- あるじ様、ぬし様すき
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- 2018年04月02日 21:26
- どうした御主人んん!!
メイドガイさんやぞ!
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- 2018年04月02日 23:23
- 頼れる仲間は…皆目が死んでる~♪