弥勒「4人目が出来た」犬夜叉「そりゃめでてーこって」
犬夜叉「ケッ。おれをお前んとこと一緒にすんじゃねえよ」
弥勒「む。とは言え一緒に暮らしているのだ。やることはやっているのだろう?」
犬夜叉「……」
弥勒「まさか……」
犬夜叉「いいから行くぞ、今日はどこの屋敷の妖怪だよ」
大名「あの、お札一枚が米一俵は高くないですか」
弥勒「いえいえ、必要なことですから」ぺたぺた
大名「4枚も……」
弥勒「さてそろそろ」
ドッ
妖怪「ガオー」
弥勒「犬夜叉」
犬夜叉「わかってらぁ」
ザンッ!
妖怪「ウワー」
弥勒「ふむ。これで一件落着ですな。あと再発防止のお札を3枚お渡ししておきましょう」
大名「あひぃ」
弥勒「仕方あるまい。珊瑚に精のつくものを食わせてやらねば」
犬夜叉「ケッ」
弥勒「ところでさっきの話だが」
犬夜叉「ンだよ」
弥勒「まさか、やってないのか」
犬夜叉「……何をだよ」
弥勒「犬夜叉、男のくせにカマトトぶるな。好きあう男女が一つ屋根の下に暮らしておいてやることといえば一つであろう」
犬夜叉「……」
弥勒「まさか犬夜叉お前…」
犬夜叉「どどどど童貞ちゃうわ!」
犬夜叉「かごめで変な想像すんじゃねえ!」ゴチン!
珊瑚「おかえり法師さま、早かったじゃないか。怪我はないかい……たんこぶ?」
弥勒「あぁ珊瑚、これは気にするな。それよりもお前また家事をしているのか」
珊瑚「そんなこと言ったって」
弥勒「今はお前ひとりの体じゃないんだからここは私に任せて休んでいなさい」
珊瑚「法師さま…」
弥勒「珊瑚…」
犬夜叉「勝手に自分たちの世界に入りやがった」
双子「いーぬー」「いーぬー」
犬夜叉「だから耳を触るんじゃねえよ」
末子「キャッキャッ」
犬夜叉「ちっ、米はここに置いて帰るからな」
りん「あっ、犬夜叉さまだ」
犬夜叉「おう。楓ばばあは一緒じゃねえのか」
りん「楓さまは今日はかごめさまと薬草を取りに行ってるよ」
犬夜叉「そういや今朝かごめもそんなこと言ってたな」
りん「そんなことより見てくださいこれ」
犬夜叉「あぁ? なんだまた上等な着物だな。……殺生丸のやろうか」
りん「先日、殺生丸さまからいただいたんです!」
犬夜叉「あいつも丸くなりやがったな」
りん「邪見さまも犬夜叉さまに同じこと言ってましたよ」
犬夜叉「ケッ」
邪見「げっ、犬夜叉」
殺生丸「……」
犬夜叉「ンだと。それよりオメーいま楓ばばあの家の方から来やがったな。また何か置いて来やがったな」
殺生丸「……」
りん「わぁ、本当!? 殺生丸さま!」
邪見「喜べりん! わざわざ殺生丸様がお前の好きそうな髪飾りを取りに」
殺生丸「邪見」
邪見「はい」
殺生丸「ふん」ビュー
邪見「あぁ待って殺生丸さま! 置いてかないでー!!」
犬夜叉「忙しねえやろうだ」
りん「ねえ犬夜叉さま」
犬夜叉「あんだよ」
りん「わたし将来は犬夜叉さまとかごめさまのお二人のように殺生丸さまと一緒になりたいんですけど」
犬夜叉「!?」
りん「どうしたらお二人のようになれますか?」
犬夜叉「何でおれにそんなこと聞くんだよ」
りん「犬夜叉さまとかごめ様を見ているとなんだか羨ましくなるのです」
犬夜叉「そ、そうかよ」
りん「やっぱり犬夜叉さまもかごめさまと夜はあんなことやこんなことを」
犬夜叉「おい」
りん「え?」
りん「弥勒法師さまです」
犬夜叉「そうか」
珊瑚「法師さま?」
弥勒「いやなんだか寒気が」
珊瑚「風邪かい? あんまり無理しないでおくれよ」
弥勒「何をいう珊瑚。お前と我が子がいる限り、私に無理をするなと言う方が無理だ」
珊瑚「法師さま…でも体は大事にね」
弥勒「珊瑚…」
珊瑚「法師さま…」
犬夜叉「…………」
犬夜叉「…………そうだな、今日は……」
犬夜叉「帰ったぞー…って、いねぇんだった…………ぶわっ!?」
七宝「かごめー!! ……なんだ犬夜叉ではないか」
犬夜叉「離れろ」ペイッ
犬夜叉「人の顔見てため息つきやがって。かごめなら今日は楓ばばあと薬草取りに山だ」
七宝「そうか。ならば仕方ないのう。また夜にくるぞ」
犬夜叉「!」
犬夜叉「ま、待て」
七宝「?」
犬夜叉「夜はやめておけ」
七宝「なぜじゃ」
犬夜叉「いいから」
七宝「! さては犬夜叉…」
犬夜叉「……」
犬夜叉「ちがわいっ!」げしっ
七宝「あうっ」
犬夜叉「……」
犬夜叉「……」
犬夜叉「寝るか」
犬夜叉「…………」
犬夜叉「…………」
カラス「カー、カー、」
犬夜叉「遅い」
犬夜叉「……」ソワソワ
犬夜叉「まさか妖怪か!?」
犬夜叉「いや、そもそも今のかごめにどうこうできる妖怪なんざそうそういねえだろ」
七宝「あれから相当修行を積んでおったしな」
犬夜叉「あぁ」
七宝「……」
犬夜叉「……」
犬夜叉「何でいやがる」グリグリ
七宝「わああ! やめろぉ! おらもかごめの手料理食いたいんじゃあ!」
七宝「かごめが心配なんじゃな」
犬夜叉「……」
七宝「あれだけひとりごと言っておいてすぐこれじゃ。困ったやつよ」
犬夜叉「……」グリグリ
七宝「わああ! 無言でやるのはやめろぉ!」
七宝「わぁぁんかごめー! 犬夜叉がー!」
かごめ「ちょっと犬夜叉、あんまり七宝ちゃんをいじめないでね」
犬夜叉「ケッ」
かごめ「ごちそう?」
犬夜叉「そいつが勝手に勘違いしてギャーギャー喚いてるだけだ」
かごめ「何があったか知らないけど、あんまりいじめちゃダメよ?」
かごめ「言うほど、特別なごちそうでもないけどね」
犬夜叉「食ったらさっさと出ていけよ」
かごめ「そういうこと言わないの」
七宝「そうじゃそうじゃ!」
犬夜叉「うるせえ!」
犬夜叉「ンなことはねえよ」
かごめ「本当に?」
犬夜叉「……それより、今日は遅かったじゃねえか」
かごめ「ごめんね、お腹空かせちゃったでしょ」
犬夜叉「そういうことじゃねえ、けど…」
かごめ「心配してくれたんだ」
犬夜叉「……ふんっ」
七宝「なんだか居づらくなってきたのう」
七宝「う、うむ。明日も妖術の授業なのじゃ」
かごめ「妖術、昇級おめでとう。すごく上手になってたじゃない。明日も頑張らないとね」
七宝「うぅ、かごめにそう言われると怠けづらくなるのぅ」
七宝「なんじゃと!」
かごめ「ほら喧嘩しないで」
七宝「……」
犬夜叉「ンだよ、人の顔ジロジロ見やがって」
七宝「……犬夜叉、狼になるんじゃないぞ」
犬夜叉「なっ!?」
かごめ「っ!?」
七宝「わああ! それはやめろと言っとるじゃろうが!」
犬夜叉「いいから吐け」グリグリ
七宝「弥勒じゃ」
犬夜叉「そうか」
かごめ「弥勒さま…」
珊瑚「…法師さま、やっぱり具合悪いんじゃあ」
弥勒「い、いやそんなことはないぞ珊瑚。ただ少し…うん、悪寒がするだけだ。誰か私の噂でもしているのだろうか」
珊瑚「まさかとは思うけど……女?」
弥勒「ち、誓ってそれはない」
珊瑚「…………」
弥勒「……はず」
珊瑚「……法師さま?」ニコッ
かごめ「そ、そうね」
犬夜叉「……」
かごめ「……」
犬夜叉「し、七宝のやろうが妙なこと言ってたが、あれは気にすんな」
かごめ「あれって?」
犬夜叉「あれって……あれだよ、あれ」
犬夜叉「……あー、もういい、寝る」
かごめ「寝るってまだこんな時間じゃない」
犬夜叉「疲れてんだよおれァ」
かごめ「もうっ」
かごめ「zzz…」
犬夜叉「…………」
犬夜叉「…………」
犬夜叉「…………」ガバッ
犬夜叉「……寝れねえ」
犬夜叉「いや、昼間のあいつらのせいだな」
犬夜叉「どいつもこいつも妙な話ばっかしやがって」
犬夜叉「大体おれだって」
かごめ「うぅん」
犬夜叉「!」ビクッ
犬夜叉「驚かせやがって」
かごめ「zzz…」
犬夜叉「かごめ…」
犬夜叉「あれから一年か」
かごめ「…………犬夜叉…」
犬夜叉「……かごめ?」
かごめ「うぅん」
犬夜叉「……なんだ、また寝言か」
犬夜叉「…………」
かごめ「おすわり」
犬夜叉「!!!、!??!??」
犬夜叉(かごめの顔を覗き込んだこの体勢……)
犬夜叉(いまこの体勢でそれはまずい!)ググググッ
かごめ(犬夜叉の匂い……)
かごめ「……うん?」
犬夜叉「……」ハァハァ
かごめ(犬夜叉!?)
かごめ(そんな真剣な顔で……まさか、七宝ちゃんの言ってたこと……)
犬夜叉「か、かごめ……」ググッ
かごめ「……ど、どうしたの」
犬夜叉「い、いいから早く…」
かごめ「早く?」
犬夜叉「こいつを……」
かごめ「こ、こいつを?」ドキドキ
かごめ「……? も、もう一回」ドキドキ
犬夜叉「念珠をどうにか……あああ!!」
かごめ「きゃっ!?」ドサッ
ゴチーン!
かごめ「……痛いんだけど」
犬夜叉「……すまねえ」
かごめ「おすわり」
犬夜叉「どわっ!」ドシーン
かごめ「まったく、人騒がせなんだから」
犬夜叉「寝言で言霊を唱えるヤツがあるか」
かごめ「う。それは、ごめんね」
犬夜叉「ケッ」
かごめ「……でもどうして犬夜叉、あんなところにいたの?」
犬夜叉「ヌッ」
かごめ「それは?」
犬夜叉「…………な、何でもねえよ」
かごめ「嘘。」
犬夜叉「うぐ」
かごめ「何年あんたと付き合ってると思ってるのよ。そんな嘘わかるわよ」
犬夜叉「ぐぬぬ」
かごめ「犬夜叉」
犬夜叉「ぐ……大体なぁ!」ガッ
ドサッ
かごめ「あっ」
犬夜叉「うっ」
犬夜叉「かごめ……」
かごめ「…………」
犬夜叉「…………」
かごめ「あの……」
犬夜叉「あ、あぁ……」
弥勒「大変だ犬夜叉! 昼間の妖怪が!」バン!
かごめ「……」
弥勒「これは失敬」
弥勒「いや、すまん。本当すまん。」
犬夜叉「変な勘違いしてんじゃねえ!」
弥勒「いやな? 私の風穴もこの通りだし。珊瑚も身重だし。琥珀も家が狭いからとなかなか帰ってこなくてな」
弥勒「こういうとき頼れるのはお前とかごめ様くらいしかおらんかったのだ。わかってくれ」
犬夜叉「だからなあ!」
弥勒「いや、わかる。わかっているとも。風穴が無くとも私の法力でなんとかしてみせようとも。だから犬夜叉。お前はかごめ様とほら、続きを」
かごめ「弥勒さま」
弥勒「!」ビクッ
弥勒「あ、あぁ。はい。実は今日の昼間に犬夜叉と退治したはずの妖怪がしぶとく生きていましてな。少し派手に暴れているようでして」
かごめ「そ。……犬夜叉」
犬夜叉「な、なんだよ」
かごめ「行ってきてあげて」
犬夜叉「お、おう」
弥勒「しかしいいのですか。かごめ様、その、」
かごめ「弥勒さま」
弥勒「!」ビクッ
かごめ「いいから」ニコッ
弥勒「は、はい」
妖怪「グアアアアアア」
犬夜叉「戻った」
かごめ「おかえり」
犬夜叉「お、おう…」
かごめ「…………」
犬夜叉「…………」
かごめ「さ、珊瑚ちゃん、身重だって? 4人目なんだ」
犬夜叉「そ、そうだな。弥勒のヤツが昼間に言ってた」
かごめ「ふーん。そっかぁ……」
犬夜叉「…………」
犬夜叉「…………」
かごめ「それで弥勒さまに何か言われたの?」
犬夜叉「う」
かごめ「図星なんだ」
かごめ「いいじゃない。弥勒さまの所は弥勒さまの所で。わたしたちはわたしたちなんだから」
犬夜叉「かごめ……」
かごめ「それとも……」
かごめ「……興味あるの? 犬夜叉も、その、男の子だし」
犬夜叉「……」
かごめ「わたしに興味は……?」
犬夜叉「な、な、な、」
犬夜叉「…………」
かごめ「ねぇ犬夜叉、怒ってる?」
犬夜叉「…………」
かごめ「犬夜叉ってば」
犬夜叉「…………」
かごめ「あっ」
かごめ「顔真っ赤にして気絶してる……どれだけウブなのよ……」
かごめ「今の、わたしだって頑張ったのに」
かごめ「妖怪が風邪を引くかなんてわからないけど、半妖だし」
かごめ「よいしょ、よいしょ」ズリズリ
ばふっ
かごめ「ふぅ。あとは布団を掛けてあげて……」
かごめ「…………」
かごめ「えいっ」
コロンッ
かごめ「このくらい、いいよね…?」
かごめ「おやすみ、犬夜叉」
夜通しモンハンやってたのがキツかった
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (21)
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- 2018年03月17日 12:07
- 確かにあの2人はなかなか進展しなさそうだw
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- 2018年03月17日 12:19
- 桔梗姉様だったら誘い受けぐらい仕掛けてきそうなんだけどね。
そういうとこやぞ、かごめ。
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- 2018年03月17日 12:33
- キキョカス弓しなってんぞ
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- 2018年03月17日 12:43
- 面白かった
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- 2018年03月17日 13:02
- 懐かしい
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- 2018年03月17日 13:24
- すき
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- 2018年03月17日 14:09
- かっこいいロリコン殺生丸
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- 2018年03月17日 14:13
- おのれモンハン
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- 2018年03月17日 14:24
- 結婚しても念珠してんのかよ
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- 2018年03月17日 14:37
- いいな
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- 2018年03月17日 15:27
- 全編通して弥勒の立ち位置が美味しい
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- 2018年03月17日 18:22
- 甘酸っぱいねえ~
月曜ゴールデンの時は弥勒と珊瑚ペアの方が好きだったけど深夜の完結編で主役二人も好きになった
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- 2018年03月17日 19:08
- ???「ろくに手も握らせない男のことで、泣くわ喚くわ、どうなってんの。あんたみたいにめんどくさい女から男取るほど、あたし物好きじゃないわよ。バカ。」
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- 2018年03月17日 19:35
- 犬夜叉に限らず高橋留美子作品の男主人公はあたるも乱馬も一線越えられないイメージあるわ
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- 2018年03月17日 20:01
- とても良い。リンネでもこんな感じなの
誰かお願いします
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- 2018年03月18日 00:19
- そういや現代にも四魂の欠片あったけど何故現代にもあったかっていうのは分からないまま終わったんだっけ?
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- 2018年03月18日 00:43
- 殺生丸との微妙な距離感が好きだっただけに、神楽が死んだのはショックだったわ
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- 2018年03月18日 11:01
- ※14
少年誌だからね。作者も青年誌連載のめぞん一刻では五代が童貞のままはおかしいと感じて、旅先の行きずりの女性と一線超えさせようとしたが編集に止められたとか
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- 2018年03月20日 12:25
- 犬夜叉は無駄に長いのがあれだが割と好きだったわ
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- 2018年03月20日 12:27
- 天下無双の剣とかいう最高の殺りん映画
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- 2018年03月28日 04:08
- ひさびさに実家の全巻見たくなったw