傭兵団副長(♀)「……ここへは誰も来ませんよ。みんな、他の仕事に行っていますから…。」
副長「……やだなぁ、そんな怖い顔しないでください。昔はもっと優しくて、思いやりがあって……私のことを大事にしてくれてたのに…。」
副長「この傭兵団が出来てから……あっという間でしたね。信じられないくらいの速さで成長して、今では国外からも依頼が舞い込むほどになりました。」
副長「それはひとえに○○のカリスマ性と人柄のおかげでしょう。私はただ、それを支えていただけ……」
副長「……そう……支えてきたのは私…。ずっと、ずっと○○を支えてきたのはっ、この私なんですっ!あの日出会ってから、ずっと私が○○の側にいたんですっ!!」
副長「……………ごめんなさい、急に大きな声を出したりして…。でも、苦しいんです……○○のことを、考えるだけで…。」
副長「はじめは無口でぶっきらぼうで、ちょっと怖いと思ったけど……行動を共にするうちに、○○は不器用なだけって気づいたんです。」
副長「ふふふ、忘れてませんよ。宿屋さんで入る部屋を間違えて、慌てて謝ってる○○の顔。ほんと、おっちょこちょいなんですから。」
副長「それから○○の生まれのこと、ご家族のこと、傭兵団を作りたがってること……全部知りました。それを聞いて私は、○○の力になりたいって思ったんです。」
副長「……私は……○○の力に、なれていましたか?そして、今でもなれていますか?もしそうなら、○○は嬉しいですか…?」
副長「もしそう思ってるなら……どうして○○は、私のことを見てくれなくなったんですか……?」
副長「でも……○○を慕う仲間がひとり、またひとり増えていくたび……○○のなかの私が、どんどん薄れていっているのが、分かってきてしまいました。」
副長「副長なんて役柄についてはいますけど、私なんかよりも優秀な仲間が今ではたくさんいます。……それを自覚したとき、私は思ったんです。」
副長「私は、もうここには必要ないんじゃないか……○○は、もう私を必要としていないんじゃないか…。……○○は、もう私のことを見てくれていないんじゃないか、って…。」
副長「○○が笑顔を向ける相手は、決まって私ではない誰かです。食事をするときも、会議のときも、○○は私の隣で、私以外を見つめています。」
副長「……辛いん、ですよ…?大切な人に、どうでもいい存在って思われることって…………きっと、殺されるよりもずっと辛くて、苦しいものなんです…。」
副長「私は昔からずっと○○と一緒にいたのに……ずっと、ずっと○○のことを見ていたのに…!もう私は……○○の、隣にいるべきじゃないんじゃないかって……!」
副長「ねえ……私は、もう○○を支えてはいないんですか…?私はもうっ、○○にとって必要ありませんかっ…?だったら、だったらもう…………私にはなんにも……私は……もう……っ…!」
副長「○○は今では、傭兵団の団長ですものね…。あのときからは、環境があまりに変わってしまった。だから……○○が変わったように、私には映ったんです…。」
副長「だからこれは、私が変わるべきだったんです…。いつまでも昔の思い出に縋って……それが壊れるのが怖くて、変化するのを拒んできた報いなんでしょう…。」
副長「……だから私も、変わろうと思います。今の○○をしっかり見据えて、自分が○○の特別な存在になれるように……もう二度と、忘れられない存在になれるように……。」
副長「…………聞こえますか……地面を蹴るたくさんの馬蹄の音が…。みんな、○○に向かってきているんですよ……ここでも人気者ですね、ふふふっ。」
副長「慌てないでください。大丈夫、抵抗しなければ危害は加えないとおっしゃっていますから。……ふふ、ふふふっ…!」
副長「私は……変わるんです…。これで、変わるはずなんです…!また、私が○○にとって、特別な存在になれるように……!!」
副長「改めて確認しますが、私たちは今後危害を加えられる危険性はないのですよね?それと…………はい、結構です。では、連行してください。」
副長「……ふふ…。……こうして二人で馬車に乗っていると、傭兵団を作ってすぐの頃を思い出しますよね…。あのときは、色んな町や村に出向きましたから…。」
副長「もっとも……今では二人とも、罪人のように扱われていますけどね。でも……嬉しいです…。また、あなたと二人きりでお話ができて…。」
副長「……ええ、売りましたよ、傭兵団を。きっと他の団員にも何かしら起きているはずです。命が無事かどうかは……私には分かりませんが…。」
副長「……ああっ……○○に、怒られてしまいました…♪怖いです、謝りたい気持ちでいっぱいです…!でも…………それ以上に、とっっっても嬉しいです……。」
副長「二人の頭を失って、団員も散り散りになって……傭兵団はもう、壊滅同然ですね。ふふ、ご愁傷さまでした…。」
副長「でも、安心してくださいね…。私は他の団員とは違って、ずっと○○の側にいますから…。今までも、これからも……ずーっとお側にいますから…。」
副長「また……二人で頑張りましょう?○○を売った代わりに、○○と私を一緒にいさせるように手配しておきましたから……なにをされるときも、一緒に…。」
副長「これからどんなことをされるのか……どんな扱いを受けるのか……私にも分かりません。もしかしたら、痛いことや苦しいことをされるかもしれません。」
副長「でも……今までもそうだったじゃありませんか。辛いことも、苦しいことも、二人で乗り切ってきたじゃありませんか…。」
副長「だから大丈夫、きっと大丈夫です。また、二人で乗り越えましょう?私と○○は、二人揃えばなんだってできるんですから…。」
元スレ
傭兵団副長(♀)「……ここへは誰も来ませんよ。みんな、他の仕事に行っていますから…。」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1519579850/
傭兵団副長(♀)「……ここへは誰も来ませんよ。みんな、他の仕事に行っていますから…。」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1519579850/
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コメント一覧 (16)
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- 2018年02月26日 13:33
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ユダか
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- 2018年02月26日 13:48
- ついなのよ
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- 2018年02月26日 13:58
- 二人を一緒に居させると言ったな。
ウッソデースwwwwwwww
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- 2018年02月26日 14:10
- 傭兵団売っぱらって自分は◯◯と片田舎で監禁生活とかがよかった
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- 2018年02月26日 14:37
- これは傭兵団の仲間(密かに付き合っている彼女含む)が生き残っていて助けくる展開
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- 2018年02月26日 14:46
- 連れられた先の偉い女に目の前で責められるのめっちゃいいシチュだな
彼氏寝取られとか最高やん
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- 2018年02月26日 18:06
- ワイ傭兵、「ここが私の魂の場所よ!」と言い出した元同僚をとりあえず破壊する
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- 2018年02月26日 18:24
- 入隊したばかりの新米とちょっとだけ先輩の下っぱ♀、新米の兄貴分がどこからか情報つかんで団長を助けに来て、逃げる途中で団長すら勝てないくらい強い追手を相手に兄貴分が命懸けて、辛うじて他の三人を逃がすところまで妄想した。副団長は約束を反故にされて敵兵士たち慰みものになった上に団長が自分をおいて逃げたことを知って精神崩壊エンドを妄想した
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- 2018年02月26日 18:25
- ※8
ぶるーまぐのりあさんは生きているから……たぶんデータ的な存在として主任みたいに
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- 2018年02月26日 18:42
- ※8
あそこマジで「とりあえず」だからな
戦闘しない選択肢がお互いにあった筈なのにその場の雰囲気に流されてやり合う感じ…
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- 2018年02月26日 19:35
- じめじめと梅雨みたいな子ですね
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- 2018年02月26日 20:42
- ※4
ウワアアアアアアアアアアア
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- 2018年02月27日 03:00
- ○○ (cv 大塚明夫)
副長 (cv 杉田智和)
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- 2018年02月27日 04:08
- 傭兵団副長(♀)「なんか静かですねぇ」
傭兵団団長(♂)「火星の戦力は軒並みら向こうに回してんのかもな」
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- 2018年02月27日 07:50
- 止まるんじゃねぇぞ…
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