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少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」【前半】

娘「エルフは私のパパ」
少年エルフ「マンドラゴラ栽培キット?」
オババ「あんたがパパになりなさい」 少年エルフ「えぇ!?」
少年エルフ「娘は林間学校に行ってるよ」
少年エルフ「誘拐されちゃった」 前編
少年エルフ「誘拐されちゃった」 後編
少年エルフ「僕をパパにしてくれてありがとう」
娘「エルフと一秒でも長く居たい」
少年エルフ「異種族交流会?」
少年エルフ「下水道にドラゴン?」
少年エルフ「ゾンビカフェ!?」
少年エルフ「進路相談?」
1: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 08:51:27.70 ID:e0leZHUn0

これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の旅の話

前スレ
少年エルフ「進路相談?」



2: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 08:56:09.96 ID:e0leZHUn0

#1【イントロダクション】

○王都新聞より抜粋

そして探求の旅がはじまった

300年前の魔王復活か!? 近年増加してきた動物の凶暴化 怪事件 そして魔物の出現を異常気象で片付ける事が難しくなった兄王は先日の学校ゾンビ襲撃事件を機に末妹の第七王女が提案していた魔王調査隊をついに正式に承認
行動派で知られる王女は自ら調査隊を率いて魔王ゆかりの地へ馬車を走らせた



3: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 08:57:20.66 ID:e0leZHUn0

○山間の道を行く馬車の中

ガラガラガラ

女騎士「うーん 一面ではなかったですね」

バサッ

女騎士さんが読んでる新聞を王女がひったくる

第七王女「なんじゃと!? うぬぬ この新聞は事の重要性を分かっておらんのか」

彼女は第七王女 15歳 300年前の勇者を始祖とする王国の正真正銘のお姫様 歴史に詳しく勇者にあこがれる『勇者かぶれ』 今回も2代目勇者を襲名してのご出立とあいなった 年が近いのと身分とか気にしない性格なのでアタシ達と友達になれた

女騎士「仕方ないですよ 勇者や魔王なんてほとんどの人間は信じていませんから おとぎ話ですよ」

第七王女「おぬしまでそんなことをいう~」

女騎士「まぁ 魔王かどうかは置いておいて 何かいるのは間違いないのではないでしょうね?」

女騎士さん 36歳 第七王女付きの近衛兵でたびたび城から脱走する王女を連れ戻すのが主な仕事の苦労人 独身 今回の調査でも護衛として参加 剣の腕は確かで頼もしい 元同僚の男さんと色々噂があるみたいだけどどうなのかしらね



4: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 08:58:54.19 ID:e0leZHUn0


第七王女「ぬうう こうなったら男子! 新聞社に抗議するのじゃ」

男子「え!? いや……あの……」

男子君 同い年の16歳 元王国騎士の男さんの一人息子で騎士科の優等生 先日の第七王女杯で準優勝したから『準騎士』になってる この調査には王女からの要望(わがまま?)で参加 いや~イケメンだし背高いし筋肉もりもりだし たまらんわ~ って困ってる

娘友「王女そういうことならアタシが何とかするわ」

第七王女「まことか 友には父君の商人殿からも馬車や旅の支度まで世話になっておるのに すまないのう」

娘友「アタシも半分は商売修行に来てるようなものだし気にしないで」

第七王女「うむ わかった 友はホントに気持ち良いものじゃ」カッカッカ

男子「……ん すまない 助かった」

娘友「いいのよん」

っしゃ! ポイントゲットぉ!! 男子君は娘が好きだったみたいだけどハッキリフラれたからアタシにもワンチャンスあるわよね しゃーんなろー!



5: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:00:37.96 ID:e0leZHUn0


娘「友……さっきから変な顔してちょこちょこ何書いてるの」

娘友「え? これは~まぁ旅の記録みたいなものよ 気にしないで」

娘「ふーん」

娘 同い年16歳 アタシと同じ普通科なんだけどアタシと違って剣も魔法もトップレベル 第七王女杯でも優勝したし とある村の生き残りで王女は『賢者』の末裔なんじゃないかと考えてるみたい 美人で人気もあるんだけど 実はファザコン

少年エルフ「うぅ……まだ着かないの?」

娘「パパ大丈夫? まだ気持ちわるい? お薬のむ?」

少年エルフ「何回ものんでも効かないよ」



6: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:02:12.18 ID:e0leZHUn0


ファザコンっていうのかなコレ?

少年エルフさん 61歳 ハーフエルフで見た目は10歳くらいでカワイイ 弟にしたいわ~ 魔法や薬に詳しくて喫茶店のマスター 人間の娘の育ての親で一応パパさんなんだけど なかなかそうは思えないわよね~ 人より耳がよかったり魔力的に鋭敏で調査にはうってつけなんだけど 今回の調査にはどうも娘の参加条件として一緒にいくことになったみたい そういえば『パパ一人にしておけない』って娘は調査隊に加わるのずいぶん断っていたわね

娘「王女 まだ着かないの? パパがかわいそうよ」

第七王女「安心せい 見えてきたのじゃ」

ガラガラガラ

看板『ようこそ 魔王温泉へ』



7: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:40:13.99 ID:e0leZHUn0

○谷の国 魔王山温泉郷

\ラッシャセーラッシャセー/

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ガヤガヤガヤガヤ

男子「えっと これは?」

女騎士「谷の国 山間の小国で温泉が有名 魔王山温泉郷として国を挙げての観光事業を行っている」

女騎士はガイドブックを読み上げた

娘友「モグモグ……なるほど それでこの活気なのね……モグモグ」

娘「ちょっといきなり何食べてるの貴方」

娘友「魔王まんじゅう けっこういけるわよ」

娘「もう 遊びに来たわけじゃないでしょ ねぇ王女……王女?」



8: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:41:30.36 ID:e0leZHUn0


第七王女「おおおおおお こんな所で『勇者千本桜』を演っておる!? 観逃しておったのじゃ よし いくぞ男子」

男子「えぇ?」

女騎士「コラ王女 それは調査と関係ないでしょう」

第七王女「むぅ わかったのじゃ 後にするわ」

娘「それにしても『魔王』だらけね……温泉 饅頭 煎餅 どこから調べたらいいの?」

少年エルフ「あ あそこに『魔王城』があるよ」

第七王女「なんじゃと!?」」



9: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:43:26.88 ID:e0leZHUn0


看板『ファッションホテル 魔王城』 ※ラブホ


娘「パパ あれは違うから」

少年エルフ「え? だって……」

娘友「あれは城は城でも愛の城よ エルフさん」

少年エルフ「あいのしろ?」

娘「変なことをパパに教えないでくれる 友」ゴゴゴゴゴ

娘友「え~ 変なことてナンですか~ 何がヘンか教えていただけますか~」へらへら

スッ

娘のアイアンクロー! 娘友の頭を締め上げる

ギリギリギリギリギリギリ

\ギャアア ギブギブ ゴメンゴメン/



10: ◆VEKixXsFvlSQ 2015/12/26(土) 09:45:08.74 ID:e0leZHUn0


少年エルフ「え ちょっと 娘!?」

女騎士「とにかくアレは違いますから ただの客寄せで魔王城っていってるだけですから」

少年エルフ「そうなんだ」

第七王女「まったくあんなピンク色の魔王城があってたまるか ケシカラン」

男子「しかし本当になんでこんなに魔王だらけなんだ?」

第七王女「さての とにかくまずこの国の王と姉上に会いにいくのじゃ」

娘「お姉さんがいるの?」

女騎士「えぇ この国には第二王女が嫁いでいます」

娘友「それってつまり この国の王妃になってるってこと?」

第七王女「そうじゃ 姉上がこの国の王妃なのじゃ」



13: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:42:09.47 ID:4WThAtg60

#2【ようこそ魔王温泉へ ~ドキッ!リア充爆発危機一髪編~】

○谷の国 国営旅館

女将(第二王女)「あらあら王妃だなんて…… ただの女将でいいのよ」

\姉上ー/ \七ちゃん久しぶりね/

大旦那(国王)「まったくじゃ ここは山ばかりの小国だからの胡座をかいてする仕事は少なくてな それで旅館をやっておる ワシのことも大旦那と呼んでおくれ」

女騎士「有り難く存じます 大旦那様」

大旦那「そんなかしこまらなくてよい 女将の妹なればなおのこと」

第七王女「いやはや 大旦那殿は心が広いのう うちの兄上とは大違いじゃ」

大旦那「いやいや王ならばあれくらいしっかりしとる方がよかろう ワシなんか女将にしょっちゅう小言をを言われておってな」

女将「あら 旦那様 私がいつそのようなことを?」

大旦那「ふぉ!? とにかく長旅で疲れておろう部屋に案内しよう」



14: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:44:01.54 ID:4WThAtg60


第七王女「いえそれにはまだ及ばぬ 今回ここに来たのは調査のためなのじゃ」

大旦那「なんの調査だね」

第七王女「うむ 魔王についてじゃ」

大旦那「ほほう 魔王とな たしかにここは魔王温泉だからの」

第七王女「何故にそのような名前なんじゃ?」

大旦那「魔王山から温泉が湧いておるからの 自然とそう呼ぶようになったの」

第七王女「魔王山?」

大旦那「ここからでも見えるあの火山でな 勇者と魔王があの山で戦ったそうだ その時に勇者が魔王をあの火山に封印したということじゃ」

第七王女「それは奇妙じゃ わらわの調べたところでは勇者と魔王の決戦は魔法国の平原だったはずじゃが」

女将「伝承ですもの 色々あるわよ たしか山の麓の観光センターに歴史の展示があったわよ そこに行ってみる?」



15: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:46:16.98 ID:4WThAtg60


第七王女「うむ 行きたいのじゃ」

大旦那「ならば 若旦那を案内につけよう おーい若はおるか」

二十歳ぐらいの青年があらわれた

若旦那「へい ご用ですか」

大旦那「ふむ 女将の妹御が観光センターに行きたいそうだ 案内しておくれ」

若旦那「かしこまりました ではこちらに」

女将「夕方までには帰るのよ じゃあ若ちゃん頼みましたよ」

若旦那「……へい」



16: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:47:57.64 ID:4WThAtg60

○魔王山行き観光列車

ガタゴトゴトン ガタゴトゴトン

第七王女「こんな山奥に列車が走ってるとはのう スゴイのう」

女騎士「危ないですよ 座ってください」

若旦那「この列車は王国からの技術協力によって出来ました 開通して今年で五周年ですね」

男子「わりと最近だな」

娘友「ねぇねぇ 若旦那さんと大旦那さんは親子ですよね」

若旦那「そうですよ」

娘友「だったらこの国の王子なんですよね」

若旦那「一応そうですね ただ親父の方針で王族でも『働かざるもの食うべからず』ですから 板前と観光大臣をやってます」

娘友「スゴイですねその若さで……(玉の輿も悪くないわよねぇ)」ニヤリ

娘「友……悪い顔になってるわよ」

娘友「あら 出てた?」 娘「出てる出てる」

第七王女「うむ どこぞの口先ばかりのバカ王子よりよっぽど立派じゃ 姉上も幸せそうじゃし良い国じゃの」



17: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:52:15.51 ID:4WThAtg60

若旦那「ありがとうございます 女将もこの国に馴染んで毎日楽しそうです」

少年エルフ「そういえば王女のお姉さんってどうしてこの国で女将さんやってるの?」

第七王女「ん エルフ 言わなかったかの? この国の王に嫁いできたのじゃ」

少年エルフ「え とつぐって」

女騎士「大旦那殿と結婚されたんだ」

少年エルフ「えー!? だってずいぶん歳が離れてない」

娘友「ハッキリ言うわね」

若旦那「ははは エルフ君 色々あってね 大人になったらわかるよ」

少年エルフ「大人って 僕はこれでも61です」

若旦那「ははは そうかそうか」

少年エルフ「むー 信じてない」

娘「もうパパ むくれないの」

若旦那「ははは…… 『大人になったら』かぁ」ボソ



18: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:54:26.55 ID:4WThAtg60

○魔王山の麓

少年エルフ「うわーすごーい」

第七王女「見事な眺めじゃのう」

火山から噴煙が立ち上っている

女騎士「ほら 二人ともこっちですよ」

○魔王山観光センター

スタスタ

若旦那「ここが歴史・民話の展示ですね」

第七王女「ふむ 『魔王退治』の伝説か」



19: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:55:58.85 ID:4WThAtg60


展示パネルに伝承が描かれている

パネル「およそ300年前魔王が火山に城を築いて谷の国を支配し北方と南側の王国へと侵略を開始しました」

少年エルフ「へー」スタスタ

パネル「王国の軍が討伐に来ましたが空飛ぶ魔物に襲われ 魔王城にはたどりつけませんでした」

女騎士「まぁ谷間で空からでは勝てないな」スタスタ

パネル「そこに王国から来た勇者があらわれ 精霊の力をかりて魔王城へもぐりこみ 魔王に戦いを挑みました」

男子「なんかここ雑だな」スタスタ

パネル「激戦の末に勇者は魔王を火口においつめて倒し 魔王を火山に封印しました」

第七王女「ふむ あっぱれじゃな」

パネル「この説話をもとにつくられたのが銘菓『魔王山まんじゅう』 八個入り1080G 売店で発売中」

娘友「って宣伝かい! うまいことやるわね」

若旦那「ははは まぁここは饅頭屋のコーナーですしね」

娘「でもこれだけじゃ 大した事ないわね どうする王女?」

第七王女「うーむ」



20: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:57:55.09 ID:4WThAtg60



ドタドタドタ

山男達が若旦那に詰め寄る

山男「若旦那― また出ました 俺たちゃもうガイドなんてやってらんねぇっす」

若旦那「またお前達そんなことを……」

山男「今朝山に行った奴らが戻って来ないんで探しにいったら またバケモノが」

若旦那「そんなモノはいない 不明者がでたなら捜索隊を組ませるから とにかく騒ぐな」


第七王女「もし…… なにやらトラブルかの?」

若旦那「いえ……しかし急用が入ってしまったので ご案内はここまでてよろしいでしょうか?」

女騎士「はい ありがとうございました」

若旦那「夕方には旅館に戻ってくださいね ではここで失礼します」

若旦那は山男たちと行ってしまった。



21: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 12:59:38.84 ID:4WThAtg60



娘「山で何かあったみたいね」

少年エルフ「なんかバケモノが出たとか言ってたね」

第七王女「ふっふっふ 見つけたのじゃ 敵は魔王山にアリじゃ よし山にいくのじゃ」

女騎士「王女 そんな火山ですよ簡単に行けるわけが……」

娘友「あ あっちの窓口で登山ガイドの紹介してるみたいね」


○登山窓口

受付「いまは山には入れませんよ」

第七王女「なぜじゃ?」

受付「えっとね化け……じゃなくて ね ちょっとね事故があったから 入山禁止だよ」

第七王女「むぅ」

女騎士「ほら王女 今は無理ですって お茶でも飲んで旅館に戻りましょう」



22: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/02(土) 13:02:10.00 ID:4WThAtg60

○喫茶コーナー

第七王女「山で何か起こっておる 間違いないのじゃ」

女騎士「でも山に入れないんじゃ仕方ないじゃないですか」

娘友「ほーんと 単純に火口みてみたかったなー」

少年エルフ「あ 僕も 火山って初めてだし」

娘「あ そうだったの……なんとかならないかしら」


???「おやおや山に行きたいのですか?」

怪しいオトコがあらわれた

女騎士「あなたは? 地元の方にはみえませんが」

神官「ワタシは旅の神官です この山には修行でよくのぼっていたのでご案内はできますよ」

第七王女「まことか それは助かる」

神官「そのかわり…… 少々『お布施』をいただけますか?」



25: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 14:55:05.75 ID:1fvtYOcy0

#3【魔王山とダメ神官 ~お越しの際は魔物にご注意下さい~】

○登山道 裏道

神官「いやー助かりました なにせ路銀が付きかけて困っておりましたので」

第七王女「困っておったのはこちらもじゃ 旅は道連れ世は情じゃ」カッカッカ

女騎士「……それにしても神官殿 貴殿はどちらの宗派ですか?」

神官「それは…………ナイショです」

娘友「ちょっ おい」

神官「いえね 大きな声では言えませんがワタシ 実は破門の身でして それを解いてもらうための旅の途中なんです」

女騎士「それでこのような所に」

神官「はい それに伴って宗派を教えたりすることを禁止されてますので それについてはご容赦ください」

第七王女「あい わかった 不躾な事を訊いたの」

神官「いえいえ とんでもありません」



26: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 14:57:02.47 ID:1fvtYOcy0



娘友「はぁ 山登りかぁ先が思いやられるわ」

娘「そういえば以前もバテてたわよね」

娘友「まぁ いざとなったら男子君に……グフフ」

娘「友 顔ヤバいわよ…… まったく ところでどう思う? あのオカッパ」

娘友「神官さん? ん~ 顔はまぁまぁね 破門されてなければアリだったかな」

娘「そうじゃなくて なんか怪しい感じがするのよ」

娘友「んー たしかにそうかもでも僧侶とか神官ってどことなく胡散臭くない?」

娘「そうかもしれないけど」


神官「しかし女騎士さん こんなキレイな方とご一緒できるのは光栄です どうです下山したら一杯いかがですか? おごりますよ」

女騎士「おごるって……それはさっきのお布施ではないですか」

神官「あ そうだった スイマセンついつい」ハッハッハ


娘友「うーん 普通に破門されるタイプね」

娘「そうね 気にしすぎかな」



27: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 14:59:58.15 ID:1fvtYOcy0

○小一時間後 登山道・山頂付近

神官「あ~ もう歩けない」ドタッ

娘友「あんたがバテるんかい」

神官「いや~ 最近運動不足だったかな」

娘「男子 背負ってやって」

男子「いやそう言ったって」

第七王女「背中は満席じゃ」

男子は王女をおぶさっている

少年エルフ「あ じゃあ 僕はもう大丈夫だから」

抱きかかえられていた少年エルフが男子から降りる



28: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:02:23.58 ID:1fvtYOcy0


神官「いえいえ お心はありがたいですか男性に抱かれる趣味はありませんので」

女騎士「ならば 少し休憩をとるか?」

神官「それにはおよびません もうすぐそこが火口ですので 先に行ってください 後から追いつきますから」

第七王女「本当か よし行くのじゃ 男子走れ」

男子「こんな所で走れませんよ」

のしのし

娘友「あ 王女 男子君」

タッタッタ

女騎士「仕方ないな 先に行くが本当に大丈夫か?」

少年エルフ「疲労には効かないけど治癒魔法しようか?」

神官「ありがとうエルフ君 しかしコレを飲んだら大丈夫ですから」

神官は懐から瓶を取り出す 中には赤色の液体で満たされている

少年エルフ「なにそれ? ポーション?」

神官「はい ワインという天が与えたポーションです」

少年エルフ「……えっと?」

女騎士「……」ハァ

娘「パパ行きましょ 大丈夫みたいだから」

\え ちょっと/

スタスタ

神官「ふふふ」

きゅぽん

神官「いつになってもアルコールなら飲めますからね……」

グビグビ

神官「ふぅ…… さてどうなりますかね」



29: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:06:52.85 ID:1fvtYOcy0

○魔王山 火口展望台

第七王女「よーし 一番のりじゃ」スタッ

王女は男子から飛び降りた

男子「やれやれ やっと着いた」

辺りは水蒸気がもうもうと立ち込めている

娘友「うわ~ スゴイ匂いと煙ね コレどこが火口なの?」

女騎士「下手に動かないでください 転げ落ちますよ」

娘「でもこれじゃ どこに何があるのか分からないわね 誰も居ないみたいだし」

少年エルフ「え? あっちに誰か居るみたいだよ」

女騎士「どっちです?」

少年エルフ「こっちこっち」



30: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:09:17.46 ID:1fvtYOcy0


少年エルフが歩く先に人影が揺らめいている

???「……」ゆらっ

少年エルフ「えっと(水蒸気でよく見えないけど) こんにちわ!」

少年エルフは元気に挨拶をした

???「ボッ?」クルッ

人影が振り返り姿があらわになる

少年エルフ「え」

炎人「ボ」

人型の炎が驚きとまどっている

王女「なんじゃあれは!?」

女騎士「炎のモンスターか!?」

娘「パパっ! 下がって」

炎人「ボボッ ニンゲンダーーッ!!」

炎人が襲いかかってきた!!



31: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:12:16.67 ID:1fvtYOcy0


少年エルフ「ふ”風弾”」ビュオオ

炎人「ボワーーー!?」

炎人は吹き飛ばされた

少年エルフ「あぁ びっくりした」

娘「よかった なんともなくて」

第七王女「いやはや あんな魔物がおるんじゃのう」

女騎士「おや 煙が……」

魔法の影響で水蒸気が晴れていく

男子「な!?」

娘「こんなに居るなんて」

炎人たちに囲まれてしまった



32: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:14:15.32 ID:1fvtYOcy0



炎人A「ニンゲンダ」

炎人B「オンナダ」

炎人C「オトコダ」

女騎士「これが山に出たバケモノってことか」

娘「そうみたいね 男子は王女と友を守って」

男子「ん…… わかった 気を付けろよ」 

炎人D「オノレリア充」

炎人E「リア充爆発シロ! リア充爆発シロ!」

少年エルフ「な 何言ってるの?」

娘「……ワカラナイわ」



33: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:19:57.34 ID:1fvtYOcy0

\大火球/ \大火球/ \大火球/

炎人たちは魔法を唱えた

ボボボォン

男子「うおっ!? この」

男子は火球を受け流す

バシュバシュ ボボォン

受け流しきれなかった大火球が男子に直撃する

男子「あっつ!」

娘友「大丈夫? 男子君」

第七王女「なんで男子ばかりを狙うんじゃ! このバケモノめが!」

第七王女と娘友が後ろから男子を気遣う



34: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:21:50.60 ID:1fvtYOcy0


炎人A「ウォオオオオ! 両手ハナァアアア」

炎人B「嫉妬の炎がメラメラトォオオオ!」

炎人C「嫉妬ファイアアアアアアアアア!!」

炎人たちの火力が上がった

女騎士「なんだコレ」

娘友「メンドクサイタイプね~」

娘「もういいわ 一気にいくわ”雷撃”」

ドンガラガッシャーン

炎人たち「ボワアアアアーー!!」

娘「よかった雷は効くのね」



35: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:23:15.26 ID:1fvtYOcy0


炎人F「ヒィイイ」スタコラ

炎人Fは逃げだした

少年エルフ「あ そっちは」

神官「ふう よっこらせっと」

神官が登ってきた

神官「あ」

炎人F「ボ!」

神官「おっと ”氷牙咬”」ヒュキン

魔法の氷が炎人をかみ砕く

炎人F「ボワッワアアア」

炎人たちを倒した



36: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:25:15.28 ID:1fvtYOcy0



第七王女「ほう 見事じゃ」

神官「やれやれ 危ないところでした」

少年エルフ「よかった 誰もケガない?」

娘友「男子君が火傷をあちこち」

男子「大丈夫だ大したことない 痛ぅ」

娘「つばでもつけてなさい」

少年エルフ「ダメだよ ちゃんと処置しないと ”治癒”」パアア

娘友「それにしてもなんであんな魔物が」

第七王女「そうじゃの 何か手がかりなないかの?」うろうろ



37: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:27:15.21 ID:1fvtYOcy0


女騎士「あまり時間はありませんよ 日も傾いてきましたし」

神官「そうですね 正規ルートを下りれば早く下りれますよ ……怒られるかもしれませんが」

娘「大丈夫なんじゃない? 魔物も退治したし」

第七王女「うーむ そうじゃな下りて若旦那どのにあの魔物について聞いてみるかの」

娘友「じゃ 帰りましょ」

神官「では 下山しますか こちらです」

ゾロゾロ



38: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:34:03.70 ID:1fvtYOcy0

○夕方 観光センター付近

女騎士「若旦那殿は歓楽街の監査にいっているそうだ 受付が言うには遅くなるから旅館で待つのが良いとか」

第七王女「ほう 歓楽街とな 見たいのう」

神官「おや だったらご案内しましょうか そこも詳しいので」

女騎士「ダメです 第二王女が夕方には戻るように言っていたじゃないですか」

第七王女「むむぅ」 神官「おやおや」

娘友「まぁまぁ どうせ駅前なんだし 帰り際に少し寄り道してもいいじゃない」

第七王女「さすが友は話が分かるのう 少し見たいだけじゃ」

女騎士「うぅん見るだけねぇ…… 見るだけですよ」

第七王女「やった じゃあさっさと行くのじゃ時間はないぞ」

一行は歓楽街へ向かって歩きはじめる



39: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/09(土) 15:39:29.56 ID:1fvtYOcy0



テクテク

少年エルフ「ねぇ 神官さん カンラクガイってどんな所?」

神官「おや そうですね それは……」フフフ

娘「……」ギロリ

娘は神官を睨み付ける 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

神官「ええっとね 飲み屋さんがたくさん集まってるところですよ」

少年エルフ「そうなんだ」

娘「パパはお酒ダメでしょ だからそういう所は無理でしょ」

少年エルフ「うん そうだね」

娘「そうでしょ……」ホッ

ガヤガヤ

男子「人が増えてきたな」

神官「そうですねここから向こうの通りが歓楽街ですから」

歓楽街の入り口にさしかかった




42: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:15:28.74 ID:P03ebnYj0

#4【歓楽街といい湯かな? ~命の洗濯で魂の汚れは落とせるか~】

○歓楽街 入口付近

ガヤガヤ

第七王女「ほう 派手じゃのう」

娘友「結構な人混みね」


客引「お兄さんたち これからどうです? 2時間5千円ぽっきりですよ」」

男子と神官が客引きに絡まれた

神官「そうですね~どうします男子クン」

男子「え? いや……その」



43: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:16:59.92 ID:P03ebnYj0


女騎士「神官どの 男子君は未成年ですよ」ゴゴゴゴゴ

娘「男子~! 勝手に離れるんじゃないわよ」ゴゴゴゴゴ

客引「おツレさんが居ましたか これは失礼しました~」ソソクサ

客引きは別の客に声をかけにいった

女騎士「何やってんですか 貴殿は聖職者でしょうが」

神官「いやぁ~まぁ その 今は破門もされてるしいいかなって」アハハ

娘友「ダメな大人……」ボソ

スカウト「君 スタイルいいし美人だね~ どうウチの店で働いてみ」 娘「ハァア!?」ギロリ

\シツレイシマシタ~/

少年エルフ「こ 怖いよ娘」

第七王女「見事な瞬殺」

娘「ホントにもう ほらパパ はぐれちゃダメよ」ギュ

娘は少年エルフの手を握った

少年エルフ「う うん」

ガヤガヤ



44: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:18:20.09 ID:P03ebnYj0



娘「ふぅ やっと人混みを抜けたわね」

第七王女「全員おるか?」

神官「いますよ~」

女騎士「まだ居たんですか どうぞ独りでどことなりと行っていただいて結構ですよ」

神官「そんなツレないこと言わないでくださいよ~」

女騎士「日も暮れたし早く旅館に戻りますよ」


少年エルフ「あ まって」

娘「どうしたの?」

少年エルフ「あのお店なんだろ? すごく怪しい気配がするよ」

第七王女「どれじゃ?」



45: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:20:11.86 ID:P03ebnYj0


少年エルフ「ほら あの角の所の……」

歓楽街へ入る角に館のような建物があり看板がかかっている


看板『魔王温泉 湯元秘宝館』

女騎士「えっと……」

娘「あれはね……」

少年エルフ「秘宝があるの?」

神官「そうですね~あそこはオトナの秘宝が展示されてるんですよ~」」

男子「オトナの秘宝?」

女騎士「神官殿!」



46: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:22:01.12 ID:P03ebnYj0


娘友「そうね 秘宝というかむしろ珍宝ね」

少年エルフ「珍宝? 珍しいの?」

第七王女「ふーむ たしかに怪しいのう」

娘友「でしょう」むふふ

娘「友~」ゴゴゴゴ

\余計なことを言うなって言ってるでしょ/ \タンマタンマ ソレは一日一回まで/

少年エルフ「あ ほら ヨロイの人が入っていくよ」

ガシャンガシャン

全身ヨロイを着た人が館に入っていった

娘「……オトコってのは まったく ああまでして」



47: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:22:53.48 ID:P03ebnYj0


女騎士「いいですか あれは怪しさで商売してるような店ですから 怪しくて当然です」

第七王女「そうなのか」

男子「そうなんだ」

女騎士「分かったら帰りますよ ほら列車が来ましたから」

娘「ほら パパも行くわよ」

少年エルフ「うん……(あの人も変な気配だったような?)」

娘「はやく」

少年エルフ「わかった行くよ」



48: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:24:15.66 ID:P03ebnYj0

○数時間後 国営旅館

女将「あらお帰りなさい 遅かったわね」

第七王女「姉上 疲れたのじゃ」

女将「はいはい 夕食は用意してあるから 食べたらお風呂に入ってらっしゃい閉めた後だから貸し切りよ」

女騎士「ありがとうございます こんな遅くに」

神官「女将さ~ん ワタシもいいですか?」

女将「あら 神官さんも遅かったのね いいですよ一緒にどうぞ」

娘友「知り合いですか?」

女将「えぇここ数日ウチに逗留してるわ」

娘「ほらパパ起きて」

少年エルフ「ぅん? ゴメン寝てた?」

娘「いいの ご飯食べたらお風呂よ」

少年エルフ「おふろ?」

女将「えぇ 自慢の露店風呂よ」



49: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:25:54.74 ID:P03ebnYj0

○露店風呂 男湯 

少年エルフ「うわ~これ全部お風呂? 広いし星が見えるよ スゴイ」

男子「露店風呂ですからね まずかけ湯ですよ エルフさん」ザパー

少年エルフ「うん」ザパー

男子と少年エルフは温泉に入る

男子「あー~ いい湯ですね」

少年エルフ「う……うん(ちょっと熱い)」

ドタバタドタバタ

大旦那「よし行くぞ」

神官「来ました来ました」

大旦那と神官が駆け込んできた



50: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:27:00.47 ID:P03ebnYj0


ザパ―ン ザブザブ

大旦那「よし ここだ」

神官「まったく旦那も好きですねぇ」

大旦那と神官が仕切り板に顔を張り付ける

男子「どうしたんですか? 大旦那さんまで」

少年エルフ「何してるの?」

神官「しッ! 静かに」

\すごーい 広ーい/ \一番じゃー/ \まず体を洗ってください王女/



51: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:28:26.15 ID:P03ebnYj0

○女湯

第七王女「だったら姉上に洗ってもらうのじゃ」

女将「あらあら まだ洗ってほしいの?」

第七王女「久々によいじゃろう 姉上ー」

女将「ふふ しょうがないわね 洗い場はこっちよ」

ペタペタペタ

娘「……いいわね ああいうの」

娘友「ホント 女将さん何食べたらあんなボインになるのかしら」

娘「そっち!?」

娘友「ちがった? でも王女がアレでお姉さんの女将さんがアレなら……希望をもっていいよね これからよねアタシも王女も」

娘「そうねー」テキトウ



52: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:30:44.52 ID:P03ebnYj0


娘友「で? 何がいいの?」

娘「え? うん……最近パパを洗ってあげてないなぁって」

娘友「」ゴフ

娘「もう一年近くパパと一緒にお風呂入ってないわ」

娘友「マテマテマテ…… 去年まで一緒に入ってたの!?」

娘「そうよ パパを洗うのわね こう……楽しいのよ お肌スベスベだし 髪を洗うのもいいし すごく耳は嫌がるんだけどね耳を洗うとね」フフフ

娘友「言うな……それ以上はいけない それじゃあエルフさんも逃げ出すわよ」

娘「何よ 私のせいだっていうの?」

娘友「……どっちもどっちかな そろそろアタシも体洗お」

娘「あ よかったら洗ってあげるわよ どう?」

娘友「遠慮します 勘弁して ゴメンナサイ」

娘「なによもう じゃあ私も……」

\……ォ/ \……シャ!/

娘「!……まって友 こっち来て」ボソ

娘友「なに?」



53: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:34:36.74 ID:P03ebnYj0

○男湯

大旦那「よっしゃピチピチギャルキター!」

神官「この角度じゃ洗い場しか見えないんですよねぇ あぁもう女将はまだまな板を洗っているんですか肝心なトコが見えない」

大旦那「ふっふっふ まだまだ青いのう 大きければよいのか?」

神官「そりゃそうでしょ 大きい事は良い事です 何事も」

大旦那「だから青いというのじゃ 大きさよりも形じゃ 美しさじゃ 程よいふくらみとハリ そう美乳こそ至高じゃ」

神官「ぬぬぬ 貴方は揉めるからそんなこと言えるんでしょうけど 揉めないワタクシどもは眼で見て 楽しむのがメインなのですよ そのためには巨乳がベストでマストです」

少年エルフ「ちょっと二人とも何してるの 覗いてるの!?」

大旦那「左様」 神官「それ以外何をしろと」

少年エルフ「そんなのダメでしょ もー」

神官「分かりましたわかりました 後で交代しますから」



54: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:35:49.29 ID:P03ebnYj0


少年エルフ「ちーがーう そうじゃなくて 大旦那さんも女将さんが居るのにどうしてそういうことするの」

大旦那「……エルフ君よ これは浪漫じゃ そう男の浪漫なのじゃ 嫁が居る居ないは関係ないんじゃ」

少年エルフ「もー 信じられない もー」

神官「でもエルフさんだって~ 娘の成長を確認してみたくはないですか?」ボソボソ

少年エルフ「な! 娘のって……もう 知らない 髪洗ってくる」ザバザバ

神官「フフフ オトシゴロですね」

男子「いい加減やめた方がいいですよ 娘にバレたら何されるか」

神官「またまた そんなコトいいながらどうしてココから動かないのです?」フフフ

男子「いや……その……」カアアア

大旦那「分かっておる しばしまっておれ さて……もう洗い場にいったかの」

神官「おぉ やっと王女が洗い終える もう少し……」



55: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:37:23.36 ID:P03ebnYj0



ピシューー

大旦那「ぐあああああああああああああああ」

神官「めがあああああああああああああああ」

ザパーン

二人は覗き穴から眼にシャンプーを穿たれ湯船にひっくりかえった

男子「な!? どうしたんだ」

娘「男子……」ゴゴゴ

仕切り板の向こうから声が響いてきた

男子「む 娘ぇ!?」

娘「アンタ何してるの」ゴゴゴゴゴ

男子「いや違う 俺はしてない 断じて!」

娘「へぇ でも覗いてるオッサン二人を黙認はしてたのね?」

男子「いや…その……」



56: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:39:05.02 ID:P03ebnYj0

○ちょっと前 洗い場

少年エルフが目を瞑って髪を洗っている

少年エルフ「……まったく僕はパパなんだよ 娘の成長なんて……」ごしごし

少年エルフ「……あぅ」ドキドキドキ

少年エルフ「僕はパパ僕はパパ僕はパパ……」ぶつぶつ

\ギャアアアアア/ \メガアアアアアアア/

少年エルフ「なに!? あ!! 痛ったーーーー!」

目を見開いてしまいシャンプーが眼に沁みる



57: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:40:32.04 ID:P03ebnYj0



\イッターー/

男子「ん? エルフさんどうかし」 娘「”爆裂”」

ドカァン

爆風と共に分厚い仕切り板が男子達を襲う!

バギッ!

男子「ぐはっ!」

ザブン ブクブクブク

男子は気絶して湯船に突っ伏した

娘「パパっ! どうしたの」タタッ

娘が女湯から飛び出し少年エルフの元にかけよる



58: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:41:39.41 ID:P03ebnYj0


少年エルフ「いたた…… って え? 娘!?」

娘「そうよ どうしたの? シャンプーが目に入ったの?」

少年エルフ「ちょっと いや 大した事ないから 戻って戻って」アセアセ

娘「本当? ちょっと眼を開けてみて」

少年エルフ「……無理無理無理 今は開けれないから!」

娘「そんなにひどいの!? いいから見せて」ギュウ

ムギュウ プニプニ

少年エルフ「娘!? ダメ 放して あぁ」ドキドキ

娘は少年エルフを抱きかかえ目を開けさせようと顔を覗きこんでいる

娘「パパ ほら力抜いて ゆっくり……」

少年エルフ「あうあう……(近い!熱い!柔らかい!息があぁ!!??)」ドキドキドキ



59: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:42:45.98 ID:P03ebnYj0


娘「ほら 少しお湯かけるわよ ね」ザプ

少年エルフ「はうはう……はわ?(あれ意識が……)」クラッ

娘「ちょっと パパ? パパ!!」

少年エルフ「……」くたー

少年エルフはのぼせてしまった



娘友「あーあ やっちゃった ……死屍累々ね」

男子「」ブクブク

神官「」ブクブク

大旦那「……ぬぅ この子(男子)が盾になったのか 助かった」ザバー

大旦那が気が付いた



60: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:43:51.39 ID:P03ebnYj0


女将「……あら 大旦那さま」

大旦那「」ギク!!

女将「どうして露店風呂に入ってらっしゃるのですか?」

大旦那「その……わしは神官殿に誘われてだな」

女将「また女湯をお覗きに? 以前も女魔法使いさんから大火球を受けましたのに?」

大旦那「まてこれには訳があ」 女将「ありませんよね?」

娘友「……(女将さんって絶対怒らせちゃいけないタイプだ)」ゴクリ

女将「大旦那さまは露店風呂出入り禁止でしたわよね」ゴゴゴ

大旦那「いや……しかしだな」

女将「ちょっとこちらへ……女騎士あとを頼みますね」



61: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:44:54.78 ID:P03ebnYj0


女騎士「えっと はい」

\ヒィイ 助け/

バタン

女将は大旦那とサウナ室へ入っていった

第七王女「……姉上の説教は朝までかかるぞよ」

娘友「でもコレどうするの? ってヤバくない」

男子「」シーン

神官「」シーン

女騎士「とりあえず湯から出さねば」

女騎士は神官と男子を露店風呂から引き揚げた



62: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:46:19.19 ID:P03ebnYj0


娘友「……(うわ~男子君スゴイ)」カアア

第七王女「まったく男子は世話が焼けるのう 大丈夫か男子」ぺチペチ

男子「」

第七王女「息をしとらんぞ」 娘友「ほんと やっだどうしよう」

女騎士「こっちも 何してるんですか心臓マッサージですよ 急いで」

女騎士は神官を心臓マッサージを行う

ドゴッドゴッドゴッドゴッドゴッドゴッ

神官「ごっふおぉ!? 死ぬ死ぬ!!」

神官が気が付いた

女騎士「……もしかして……起きてました?」

神官「いえいえいえ 何をおっしゃるやだなぁ」アハハ



63: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:48:26.64 ID:P03ebnYj0


第七王女「女騎士! 男子が」

娘友「ちょっとこれって」

男子「」チーン

男子は死んでしまった

女騎士「そんな!?」

神官「あーらら 間に合うかな 離れてください”蘇生”」ドッカン

男子「」ビクン

女騎士「蘇生魔法!?」

娘友「本当に僧侶だったんだ」

神官「一応そうですよ もう一度”蘇生”」ドッカン



64: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:49:26.12 ID:P03ebnYj0


男子「……ぐはっ」

男子は息を吹き返した

第七王女「男子!」

娘友「よかった 本当に死んじゃったかと」

女騎士「すまない助かった なんとお礼を言えばいいのか」

神官「お礼ならもう戴いてますよ」

女騎士「え?」

神官「いや~~眼福眼福」ニヤニヤ

女騎士「!」

娘友「!」

第七王女「?」



65: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:50:09.55 ID:P03ebnYj0


女騎士「貴様!!」

ドゴン

神官「はぅ」ガク

神官はみぞおちに一撃を食らい気絶した

女騎士「(しまったつい)……えっと これはおつりだな」

男子「……あれ 王女?」

第七王女「男子 大丈夫かの? わかるか?」

男子「……エルフさんは?」

娘友「そういえば」

娘友は少年エルフと娘を探す

\……うわぁ娘!?/ \あ 気が付いた/

娘友「あ いた」

\ちょっと放して/ \あ~よかった/

娘友「いつも通りね」



66: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:51:27.53 ID:P03ebnYj0

○深夜・歓楽街

若旦那「やれやれ 遅くなったな」

テクテク

若旦那「……(終電を逃したか まぁ帰ったところでなぁ)」ふぅ

テクテク

若旦那「……(観光センターで寝るか 連絡しないと女将が心配するなぁ)」

テクテク

若旦那「はぁ……女将……」ボソ

???「ハーイ ちょっとアナタ」

若旦那「!?」ビクッ

ヨロイ男「お兄さん どしたのさえない顔して?」ガシャン

全身ヨロイの男があらわれた



67: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/16(土) 15:53:05.82 ID:P03ebnYj0


若旦那「……誰だお前? その恰好は?」

ヨロイ男「いえいえこれは特に意味ないです それよりウチの店 きませんか?」

若旦那「店? 客引きか?」

ヨロイ男「そーですよ どうですちょっと寄ってきませんか そこですから」

ヨロイ男は怪しい館を指し示す

若旦那「湯元秘宝館だと……廃業したはず 営業しているのか?」

ヨロイ男「そうですよ 今ならお客さんにぴったり スッキリするよ~」

若旦那「……(届け出は受けてない 無許可営業か? どうせ終電はないんだ調べるか)」

ヨロイ男「他にも色々な新規エンターテイメントが……」

若旦那「よしどんなものか見て見ようじゃないか」

ヨロイ男「ハーイ こちらへどーぞ おひとりさまごあんなーい」ガシャガシャ

若旦那とヨロイ男は秘宝館へ入っていった



71: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:48:31.32 ID:BZhXFexS0

#5【王女とエルフと肉のろう人形 ~秘宝館潜入~】



72: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:49:18.11 ID:BZhXFexS0

○朝・国営旅館

第七王女「若旦那殿が戻っていない?」

女将「えぇ そうなの観光センターにも確認したんだけど昨日の夜にお店をでた後行方がわからないの」

女騎士「どこかに泊まっているのでは?」

女将「あのコ 外泊するときは必ず連絡くれたから……あちこち確認してるんだけど泊めたっていうところもないのよ……心配だわ」

第七王女「ならばわらわが探してくるのじゃ 会う用事もあるからの」

女将「ホント? 助かるわ」

第七王女「皆もそれでよいか?」

娘友「全然OK」

男子「というか」

娘「他に目的もないでしょ?」

少年エルフ「そっか あのモンスターの事を聞かないといけないんだね」

女将「そうね……モンスターなんて知らなかったし 大旦那さまも知らないしね」



73: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:50:45.06 ID:BZhXFexS0



女騎士「では行ってまいります」

女将「うん……やっぱりワタシも行くわ 心配でしょうがないわ」

女騎士「しかし旅館の事は」

女将「あら それなら大旦那さまが全部やってくれるわ 今日はね」

\なんじゃとー/

皿洗いをしている大旦那が奥から叫ぶ

女将「あら 今日はいち従業員として働くって決まりましたわよね大旦那さま?」ゴゴゴゴゴ

\まさか ホントに丸一日か!?/

女将「あらあらご冗談を それともまだ『説明』が必要ですか」ゴゴゴゴ

\……イッテラッシャイマセ/

女将「ではみなさん参りましょう」

○洗い場

大旦那「はぁ 嫁に来たときは良い姫が来たと思ったが……ワシには良すぎたの」



74: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:51:57.87 ID:BZhXFexS0

○観光列車

ガタンゴトンガタンゴトン

女騎士「で? なぜ貴方も居るのですか?」

神官「やだなぁ 旅は道連れ世は情けっていうじゃありませんか ワタシも手伝いますよ」

女将「あら 助かるわ」

娘「助かるかもしれないけど 貴方他にすることはないの?」

神官「ないですね 今のところは」

女騎士「大丈夫かな……」はぁ

女将「いいじゃない 人数は多い方が早く見つかるわ」

娘友「女将さん 聞いてもいいですか?」

女将「なに?」



75: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:53:53.23 ID:BZhXFexS0


娘友「年齢からみて若旦那さんって女将さんとは血縁はないですよね?」

女将「そうよ 大旦那さまの以前の奥様の息子ですから」

少年エルフ「以前の奥さんってどうしたの?」

女将「若ちゃんが小さい頃に亡くされたの 大旦那さまもそのことで随分苦労されてて それでわたしが大旦那さまに嫁ぐことになったのよ」

第七王女「それで姉上は良かったのか? わらわは姉上が居なくなって寂しかったのじゃぞ 姉上は寂しくなかったのか?」

男子「王女……」

女将「もちろん寂しかったわ 知らない国ですしね アナタ達と離れるのはとても辛かったわ……でも 父上が決めたことですから仕方なかったのよ」

第七王女「姉上」

男子「……(政略結婚か)」

女将「でも全然悪い事ばかりじゃなかったわ 若ちゃんが色々よくしてくれたから」

娘友「その頃って若旦那さんは何歳ぐらいでした?」



76: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:55:17.99 ID:BZhXFexS0


女将「そうね三ちゃんと同じぐらいだったから10歳ぐらいね ……だからかしら姉弟といるようで寂しくなかったしこの国にも馴染むことができたわ ホント若ちゃんが居て助かったわ」 

女騎士「そうだったんですね だったら早く若旦那さんを見つけないと」

少年エルフ「そうだね 無事だといいけど」

第七王女「大丈夫じゃ 三兄ぃみたいにそのへんからひょっこり帰ってくるかもしれんしの」

女将「そうね やだわ心配し過ぎよねわたし」ウフフ

娘「……」

娘友「どうしたの?」

娘「ん? いやね……若旦那さんも複雑なのかもしれないなぁって」

娘友「あ~そうね 娘もフクザツですもんねエルフさんと」ニヤニヤ

娘「もう 私は整理できてるの今は違うわ」



77: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:56:53.87 ID:BZhXFexS0


娘友「あら~そうなの? でも昨日は惜しかったんじゃない? 絶好の既成事実をつくるチャ」

シュ

娘のアイアンクロー! 娘友の頭を締め付ける

\あさイチデスカー ギャアアア/

少年エルフ「ちょっと娘!?」

娘「パパ気にしないで 男子……ちょっと」クイクイ

娘は男子に合図を送る

男子「……エルフさんちょっと神官さんの所にいきましょうか」

少年エルフ「え?」

娘「ちょっと女子同士の話があるから ちょっと席を外してね」

少年エルフ「うん わかった」



78: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 11:58:47.02 ID:BZhXFexS0



娘友「つぅー 無言かつ速攻でやらないでよ 心の準備が出来ないじゃない」

娘「余計なこと言うからよ まったく」

娘友「でも湯上りでツルツルモチモチのエルフさんは可愛かったわよね 食べちゃいたいくらいに」

娘「友……まさかアナタ」ゴゴゴゴゴゴ

娘友「!? まって今のは言葉のアヤで 違うって」



少年エルフ「娘はホント 友ちゃんと仲がいいんだね」

男子「……そうですね」

神官「いやまったく 若い女子がじゃれ合う光景もまたいいものですね」フフフ

男子「じゃれ合うってレベルなのか?」

\おぉお 荒ぶる娘よ鎮まりたまえ/ \誰が荒ぶってるっていうの/

少年エルフ「そういえば友ちゃんが言ってたキセージジツって何?」

男子「いやそれは……」

神官「あぁーそれはですねー」ニコニコ



79: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:00:22.74 ID:BZhXFexS0


ズドン!!

神官の持つ杖に電撃が走り杖の頭部が消し飛んだ

シュー

娘「そういえば……もう一人居たのよね 忘れてたわ」ゴゴゴゴゴ

神官「……えーと」

男子「……(怖ぇ)」

少年エルフ「……娘 さっきからどうしたの?」

\終点 観光センター前 観光センター前/

娘「あら もう着くわ降りる準備はいい?」

神官「そうですね 降りましょう ね」

少年エルフ「え? ちょっと」

男子「降りましょうエルフさん」

少年エルフ「あ……うん」

ガヤガヤガヤ



80: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:01:42.72 ID:BZhXFexS0

○駅前

聞き込みを終えた一行は第七王女の元に集まった

娘友「観光センターの人も監査に出たっきり見てないって」

女将「やっぱりこのお店を最後に監査したそうよ」

女騎士「駅の方に確認したが終電にはのっていなかったそうだ」

第七王女「うーむ 姉上最後の店を出てどっちに行ったかはわかるかのう?」

女将「お店の人が見送った時は駅に向かっていたそうよ」

神官「だったらあのお店から駅までの間で何かあったのですかね」

娘「じゃあ」

グラグラグラッ!!

\ワアアアアーー/ \キャア――/

地震だ!



81: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:02:36.24 ID:BZhXFexS0



第七王女「おぉ 地震か驚いたのう」

女騎士「け けがはないですか おおおうじょ」ガクガクプルプル

神官「大丈夫ですか? 女騎士さん ……まさか地震が怖いとか」ウププ

女騎士「貴様 何をバカなことを……」プルプル

第七王女「無理するでない」

娘友「いやーん 怖かったわ~男子くーん」ベッタリ

男子「……あ はい」

女将「ふぅ この辺りは地震が多いのよ お山が近いですからね」

娘「そうなのね 驚いたわ」

少年エルフ「くるしいよ 放して」ギュウウウウ

娘は少年エルフを抱き込んでいる

娘「あ ゴメンパパ」



82: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:03:49.47 ID:BZhXFexS0



\ギャアア/ \イヤアア/ \バケモノーーー/

娘友「バケモノ!?」

第七王女「モンスターか? よしいくぞ皆の衆」ダっ

女騎士「お待ちください」ガッ

走りかけた第七王女を女騎士が引き止めた

第七王女「なんじゃ!?」

女騎士「出たのが例の炎のモンスターでは王女では太刀打ちできません それよりも若旦那さんを見つけるのが先決でしょう?」

第七王女「しかし」

女騎士「女将さん達は若旦那を探しててください」

女将「わかったわ」



83: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:05:05.79 ID:BZhXFexS0


女騎士「男子君 王女を頼む」

男子「分かりました」

男子は第七王女を軽々と抱き上げる

第七王女「こら男子 放すのじゃ」

女騎士「娘君もいいか?」

娘「いいわ ささっと片付けましょ」

女騎士「よし行くぞ」

神官「いってらっしゃーい」

女騎士「貴方も来なさい 戦えるでしょうが!」

神官「ええ~~」

女騎士は神官を引きずっていった



84: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:05:45.56 ID:BZhXFexS0


娘「パパ気をつけてね 男子 王女とパパに何かあったら許さないわよ」

男子「わかってる」

少年エルフ「え? ちょっと」

娘友「アタシの心配は?」

娘「する必要ある?」

娘友「ひどぉい」

娘「じゃ後で」

タタタ

娘と女騎士と神官はモンスターを倒しに向かった



85: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:06:52.97 ID:BZhXFexS0



女将「それじゃあどうしましょう」

男子「もう一度観光センターから歩いてみます?」

女将「そうね」

第七王女「ならばわらわ達は駅から歩いてみるのじゃ」

女将「そうね じゃあ七ちゃんは駅からお願いね」

第七王女「うむ よし男子は姉上について行くがよい わらわはエルフと行くのじゃ」

男子「いえ俺は王女と行きますよ 頼まれてますから」

第七王女「むぅ しかし姉上を1人にするのものぉ」

少年エルフ「じゃあ僕が」

第七王女「ダメじゃエルフはわらわと居るのじゃ」



86: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:08:05.19 ID:BZhXFexS0


少年エルフ「そうなの?」

女将「あら? 別にわたしは大丈夫よ みんなはのんびり探していて」テクテク

第七王女「姉上」

娘友「わかったわ王女 アタシが女将さんについてくから」

第七王女「うむ いつもスマンの友よ」

娘友「あとで話してよ~」タタタ

娘友は女将と一緒に観光センターに向かった

少年エルフ「話?」

男子「どういうことだ?」

第七王女「女子同士の話じゃ 首を突っ込むのは野暮じゃぞ」

男子「はぁ……」



87: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:08:51.71 ID:BZhXFexS0


第七王女「それより 喉が渇いたのじゃ 男子 なんぞ飲み物を買ってくるのじゃ」

男子「えぇ だったらどこか喫茶店にでも」

第七王女「もう歩きたくないのじゃ だから買ってくるのじゃ 気がきかんのう」

男子「わかりましたよ」

男子は飲み物を買いにいった



88: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:11:21.55 ID:BZhXFexS0



第七王女「ふぅ ちょっと座るのじゃエルフ」

少年エルフ「うん」

第七王女と少年エルフは近くのベンチに腰掛けた

第七王女「ふぅー」

少年エルフ「……王女 どうしたの?」

第七王女「のぅ エルフ 最近男子が女騎士に似てきたのじゃ」

少年エルフ「んーと そうかな?」

第七王女「わらわの弟分なのにちっともそんな気がしないのじゃ なんでかのう」

少年エルフ「あぁ (そういえばそんな事言ってたね)……でも仕方ないんじゃない男子君は王女より年上だし」

第七王女「まぁ そうなんじゃろうけど……どれエルフ 弟成分を補給させるのじゃ」ぎゅう

少年エルフ「……(僕も40歳以上年上なんだけどなぁ)」トオイメ



89: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:12:43.52 ID:BZhXFexS0


第七王女「うむ エルフをぎゅうっとするのは心地よいの やっぱりわらわの弟にならんか?」ぎゅうぎゅう

少年エルフ「無理です」トオイメ

第七王女「もう 皆いけずじゃのう」ぎゅうぎゅう

少年エルフ「……(なんだか僕は弟扱いされすぎじゃない? ……もしかして 最近娘も僕を弟扱いしてるような?)」トオイメ

少年エルフ「僕はパパなんだけどなぁ」ボソ



90: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:15:16.04 ID:BZhXFexS0

○登山道入り口

女騎士「こいつらどこからこんなにも」

炎人達「ウオオオオ」

カップル観光客「キャアア 何コイツ!」「こっち来るな 熱っつ!」

炎人「ウオオオオ リア充爆発しろリア充爆発しろ!」

モンスターたちは観光客に火球を投げつけている

神官「あらーてんやわんやですね」

娘「もー これじゃあ魔法で一掃できないわ」

女騎士「ほら神官殿 避難誘導を 早く」

神官「はいはいはい 人使いがあらいなぁ」

炎人「ウオオオオ 燃えろ爆ぜろここから居なくなれー!」



91: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:17:27.51 ID:BZhXFexS0


娘「いい加減にしなさい”雷斬り”」ズバァ

炎人「ボワアアア」

炎人を倒した

\すごーい/ \カッコイー/

パチパチパチパチ

観光客から拍手喝采があがる

神官「鮮やかですねー コレで稼げますよ」

娘「ちょっと貴方」

ゴン

神官「ぎゃふ!」

手甲がぶっ飛んできて神官の顔面にクリーンヒットした

女騎士「何見物してるんですか 誘導 早く!」

神官「はいはいはい 痛いなぁ もう」



92: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:20:26.26 ID:BZhXFexS0

○駅前

第七王女「だからのう 一度でよいからわらわを『お姉ちゃん』と呼んでくれぬか」

少年エルフ「イヤです」トオイメ

第七王女「もーエルフはわらわが一度でよいから『お姉ちゃん』扱いされたいこの気持ちが分からんのか?」

少年エルフ「ハッ!!……(スッゴイ分かる 僕も『お兄ちゃん』って……でも)」

……ッ ……シロッ

少年エルフ「あれ?」

第七王女「どうしたのじゃ?」

少年エルフ「なんだろ変な気配と おと……ううん 声がする」

第七王女「昨日も似たようなことを言ってなかったの?」

少年エルフ「そういえばあの時は……」



93: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:22:27.13 ID:BZhXFexS0


少年エルフ「そういえばあの時は……」

少年エルフは視線を巡らせて気づく

少年エルフ「あれ? あそこって昨日は開いてたよね?」

第七王女「そうじゃな? 今日は休みかの?」

二人は歓楽街の角 閉店している秘宝館に目をつけた

第七王女「怪しいのう」

少年エルフ「うん」



94: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:24:17.29 ID:BZhXFexS0

○秘宝館

少年エルフ「やっぱり閉まってるね」

ガチャッ

第七王女「エルフ こっちじゃ」

少年エルフ「こっち?」

第七王女と少年エルフは細い路地を通り抜けて館の裏側へ出た

少年エルフ「裏口?」

第七王女「左様 ここから入るのじゃ」

ガチャッ

少年エルフ「でも鍵が……」

第七王女「おやエルフ 忘れたかの……」

第七王女は胸元からピッキングツールを取り出すと

カチャカチャカチャ……ガチャン

裏口を開錠した



95: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:25:22.62 ID:BZhXFexS0


第七王女「わらわにはこの程度 かかってないのと同じじゃ 不用心よのう」ニヤリ

少年エルフ「そういえば王女 そういうの得意だったね」

第七王女「うむ 王族の嗜みじゃ」

少年エルフ「そうだったっけ?」

第七王女「とにかく怪しい館に潜入捜査じゃ」ワクワク

少年エルフ「……(王女楽しそう)」

第七王女と少年エルフは秘宝館へ入っていった



96: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:29:20.09 ID:BZhXFexS0

○駅前

男子「王女 甘酒かお汁粉しかなかったですよ どれにしま……」

しかし駅前には誰もいない

男子「あれ 王女ー エルフさーん ……いない」

――女騎士「王女は脱走癖がありますからね 絶対に目を離しちゃダメですよ」

男子「どうしよう 女騎士さんになんて言えば……いやそれよりも」

――娘「男子 王女とパパに何かあったら許さないわよ」

男子「ヤヤヤバイ 娘に殺される いや死んだ方がマシな目にあわされる」ガクガクガク

男子「とにかく見つけないと 王女―! エルフさーん!」ドタドタドタ



97: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:30:35.84 ID:BZhXFexS0

○秘宝館・従業員用通路

テクテク

少年エルフ「暗いねぇ」

第七王女「うむ ここは従業員の通路かの エルフ怪しい気配とやらはどっちじゃ?」

少年エルフ「うん……あっちかな 誰かが何か言ってるみたい」

第七王女「うむ 行くのじゃ」

テクテク

第七王女「こうしてると初めて会った時を思い出すのう」

少年エルフ「そうだね 誘拐された時もこんな風に歩いたね」

第七王女「懐かしいの……と ここから入れそうじゃ」

ギィイ

第七王女は展示場へのドアを開けた



98: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:32:06.03 ID:BZhXFexS0

○秘宝館・展示場

???「」

第七王女「ぬ 誰じゃ」

少年エルフ「うわっ」

返事はないただのろう人形のようだ

ろう人形「」

第七王女「なんじゃ ただの人形か」

少年エルフ「そうなの? 人間みたいだね」

第七王女「ふむ ろう人形じゃな よく出来ておる 動き出しそうじゃ」

少年エルフ「ちょっと怖い事言わないでよ」プルプル

第七王女「おぉ スマンスマン エルフは怖がりじゃったな」

少年エルフ「違うよ怖くないよ ちょっと不気味だなぁって」プルプル

第七王女「うむうむ(強がるエルフもまた可愛いモノじゃな)」

少年エルフ「ほら こっち早くいこ」

テクテク



99: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:46:01.29 ID:BZhXFexS0



第七王女「こう暗いと何があるのかわからんの」

少年エルフ「そ そう」ビクビク

夜目の効く少年エルフはあまり人形を見ないようにして第七王女を先導する

少年エルフ「な 何これ?」ビクビク

第七王女「なんじゃコレは」

棒状のミイラのようなものが置かれており 説明書が展示されている

説明書『久志羅の珍宝』

少年エルフ「……の珍宝 なんだろ読めない」

第七王女「わらわもじゃ どこぞ遠方の国名かの」

少年エルフ「どこかの国の宝なの? 何だか不気味な宝だね」

第七王女「そうじゃな だからこそ珍宝なのかもしれぬな」

少年エルフ「そうだね」



100: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:47:25.81 ID:BZhXFexS0



第七王女「雰囲気が変わったの」

少年エルフ「うん また人形があるね」ビクビク

順路にそっていくつもの小部屋が再現されておりそのなかで人形が絡み合っている

少年エルフ「何してるのこれ?」

第七王女「むッ!!」

第七王女は何かに気付く

少年エルフ「王女?」

第七王女「ううむ わかったのじゃこれはな……遠方の国の殺人技じゃ」

少年エルフ「ええ!?」



101: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:48:05.50 ID:BZhXFexS0


第七王女「聞いたことがある その国では裸で戦う習わしがあってな その殺人技を四十八手というそうじゃ ほれ書いてあるじゃろう」

説明書『四十八手 宝船』

少年エルフ「あ ほんとだ」

第七王女「ここはその技を再現してあるということじゃな」

少年エルフ「こんなにたくさん コワイ国があるんだね」ブルブル

第七王女「まったくじゃな 先をいそごうぞ」

少年エルフ「うん」

スタスタ



102: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:48:59.31 ID:BZhXFexS0



少年エルフ「ここは? たくさん人形があるね」

第七王女「なんと!?」フハッ

大部屋が再現され中ではたくさんの人形が絡み合っている

少年エルフ「えっと 説明があるよ 乱……」

第七王女「まてエルフ みてはならん」

第七王女は少年エルフの目を塞いで引っ張っていく

少年エルフ「なになに?」

第七王女「えーとそうじゃな……これは遠方の呪術の儀式じゃ」

少年エルフ「え? そうなの」ビクビク



103: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/23(土) 12:49:52.70 ID:BZhXFexS0


第七王女「そうじゃ こんなものを人形とはいえ再現なぞしたら呪いがかかるぞよ」

少年エルフ「ホント!? コワイ」ブルブル

第七王女「まったくじゃ 皆が入るのを止めたのも無理もない」

スタスタスタ

少年エルフ「あ 王女 あっちに誰かいるよ」

目を塞がれながら少年エルフは指さす

看板『特別展示室』

第七王女「……仕方ない わらわが先にはいるから良いというまで待っておるのじゃ」

少年エルフ「うん わかった」




107: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:39:11.30 ID:l0E3ITyp0

#6【王女とエルフと肉のろう人形2~嫉妬に用心 火の用心~】



108: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:41:04.44 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館・待合室

ギィイ

第七王女「よし 入るのじゃ」

少年エルフ「うん」

第七王女「ここは待合室のようじゃな」

少年エルフ「そうだね あコレって若旦那さんのものじゃない?」

少年エルフは床からねじり鉢巻きを拾いあげる

第七王女「む まさしく相違ない ではこの先に若旦那が……」

少年エルフ「そうみたい だって声がするよあっちから……」

バッ

第七王女は慌てて少年エルフの耳を塞いだ。



109: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:42:07.77 ID:l0E3ITyp0


少年エルフ「王女?」

第七王女「まだ聞こえるか?」

少年エルフ「ううん こうされたら近くしか聞こえないよ」

第七王女「そうかよかった…… とにかくわらわが先に確認するから エルフはこうして待っておるのじゃ」

少年エルフ「でも」

第七王女「すばしっこさではわらわの方が上じゃろ」

少年エルフ「そりゃそうだけど」

第七王女「おとなしく このまま待っておるのじゃ よいな」

バタン

第七王女は展示室へ入っていった

少年エルフ「なんなのさ もう」



110: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:43:20.00 ID:l0E3ITyp0

○観光通り

\王女ー エルフさーん/

女将「あら 男子くんどうしたの?」

男子「う……友 女将さん実は……その」

男子は事情を説明した。

女将「あらあら 七ちゃんは奔放なところがありますからね 仕方ないわ」

娘友「大丈夫よ エルフさんが一緒でしょ」

男子「そうだとしても娘にバレたら」ダラダラ

娘友「しょーがないなぁ あたしも手伝うから女将さんと駅前をもう一度さがして」

女将「そうね 戻ってるかもしれないしね」

男子「あぁ すまない」



111: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:46:34.09 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館・特別展示室

第七王女は音もなく部屋に忍び込んだ。

ボォン ボォン

部屋は大きなガラスで仕切られた浴槽があり、その中で小さな爆発が繰り返し起こっている。

第七王女「……(これはまた……風呂場を改装してあるのか?)」

???「……爆発シロッ! 爆発シロッ!」ブツブツ

ボゥン ボゥン

ガラスの手前に台がありその前に誰かがスイッチを操作しているようだ。

第七王女「……(何をしておる)」

???「リア充……爆発シロッ!!」

ボゥン

ボタンを押すたびにガラスの向こうで爆発が起こり、その人物の顔が照らされる。



112: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:47:55.93 ID:l0E3ITyp0


第七王女は回り込みその人物の顔を確認する。

第七王女「む なんじゃ若旦那ではないか!? どうしてここに居るんじゃ」

若旦那?「……」ピタ

若旦那らしき人物は動きを止めた。

バタン

少年エルフ「え? 若旦那さん居た? よかったー女将さんが心配してるよ~」

待合室から少年エルフが出てきた。

若旦那「……ダレだ」

第七王女「なんじゃ忘れたのか? わらわの姉上は女将の……」

少年エルフ「まって王女! なんだかヘンだよ モンスターみたいな気配がするよ」

第七王女「なに!?」

若旦那「オンナノコ……とオトコノコ……」ボゥ

少年エルフ「……今 口から火がでたような」ボソボソ

第七王女「……わらわもそう見えた」ボソ



113: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:48:49.53 ID:l0E3ITyp0


若旦那「オノレ……リア充……リア充……爆発するべし……」ボゥボボゥ

若旦那の口が動くたびに炎が吐き出される。

少年エルフ「こ これ」ガクガク

第七王女「まさか……お主」

若旦那「リア充! 爆発シロッ!!」

ボボォン

若旦那は炎が噴きあげて少年エルフ達に襲いかかる!

少年エルフ「うわぁ!」

第七王女「逃げるんじゃ!!」

第七王女は少年エルフを引っ張って逃げ出した!



114: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:49:47.35 ID:l0E3ITyp0

○若旦那の回想 昨晩の秘宝館

若旦那は秘宝館の展示を全身ヨロイ男に案内されている。

若旦那「……(なんだ昔のままではないか)」

ヨロイ男「ささ ここから新展示ですよ」

看板『老王と3姉妹』

若旦那「……大丈夫か 隣国からの客もいるんだぞ」

ヨロイ男「大丈夫ですよ ぎりぎり似せてませんから」

若旦那「……」

看板『老主人と乙女の混浴』

若旦那「……おい」ギリッ

ヨロイ男「あ~ 流石にちょっと狙いすぎデスカネー そのうち手直ししますよ」

若旦那「そうしてくれ」イライラ

ヨロイ男「ここで特別展示ですよ ささっ どうぞ」

ガチャ



115: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:50:41.06 ID:l0E3ITyp0

○特別展示室

若旦那「ここは?」

ヨロイ男「ちょっと今までと違いますよ お客さんならぴったりよ」

部屋にはガラス張りの浴槽があり中は暗くてよく見えない

若旦那「……(何かあるようだが)」

ヨロイ男「始まりますよ」

ピカッ

ガラスの向こうでライトが点き展示が浮かび上がり、仲睦まじい2体のろう人形が照らされた。

若旦那「これが特別か?」

ヨロイ男「ここからですよ 手元のボタンを押してください」

若旦那「これか」カチッ



116: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:53:23.17 ID:l0E3ITyp0

ドォン

ろう人形が吹き飛んだ!

若旦那「うおっ!」

ヨロイ男「次ですよ」

ピカッ

別のろう人形が浮かび上がる。

ヨロイ男「どうです『リア充爆破ゲーム』 けっこう好評なんです」

カチ

ドォン

再びろう人形が粉微塵に吹き飛ぶ。

若旦那「よく出来たカラクリだな……なかなか爽快だ」

ヨロイ男「えぇ これはおひとり様向けですから よかったらどんどんどうぞ」



117: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:54:39.34 ID:l0E3ITyp0


若旦那「皮肉か? ……まったく悪趣味だな」ハハ

次々と浮かび上がるろう人形を若旦那は爆破していく。

ドォン ドォン ドォン

ヨロイ男「それ 爆発シロッ! 爆発シロッ!」

若旦那「……」カチッカチッカチッ!

ヨロイ男「リア充爆発シロッ!」

先ほどの展示の老主人と乙女のろう人形が出てきた。

若旦那「……爆発しろッ!」カチ

ドドォン

ろう人形は炎を上げて吹き飛んだ。



118: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:56:34.24 ID:l0E3ITyp0


なんと、若旦那の口から炎が噴き出した。

ヨロイ男「爆発シロ! 爆発シロ!」

若旦那「ボボァ!? ボボボファァアアアア!!」

ヨロイ男のかけ声とともに噴き出す炎が勢いを増す。

ヨロイ男「リア充!」

若旦那「ボボファア!?」

大炎人「爆発シロッ!!」

若旦那の吐き出す炎が人型になり、炎人が生み出された。

ヨロイ男「ボファファファファ 素晴らしい! これほど大きな炎人ならすぐにでも計画が実行に移せる」

若旦那「な……なにボファア!?」

若旦那から吹き上がる炎が再び勢いをます。

ヨロイ男「もっとだ もっと嫉妬の炎を上げるがよい!」

若旦那「やめ……ぐ……ボボボボファアアアアアアアアアアアア!?」

若旦那は嫉妬の炎にのまれてしまった。



119: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:57:26.82 ID:l0E3ITyp0

○現在 秘宝館・大部屋の展示室

バタン バタン

ドタドタドタドタ

第七王女と少年エルフは大部屋の展示の入り口までもどり様子を伺った。

少年エルフ「はぁはぁ……あれ炎の魔物と同じ魔力だよ」

第七王女「いったい若旦那はどうしたのいうのじゃ 乗っ取られておるのか?」

少年エルフ「わからない……あ 来た」

特別展示室の扉が開き炎が辺りを包む。

若旦那(炎)「……ココニモ リア充爆発シロ!!」

ボボォン

大部屋の展示に向けて若旦那は炎を放つ。

若旦那(炎)「爆発シロッ 爆発シロッ!!」

ボボォンボボォン

燃やされたろう人形が溶け落ち焦げていく



120: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 12:59:46.34 ID:l0E3ITyp0


少年エルフ「あれ何してるの?」

第七王女「正気ではないの 人形と人の区別が出来ておらんのじゃ しばらく時間は稼げるの」

少年エルフ「どうしよう 若旦那さん元に戻せないのかな?」

第七王女「ふむ……若旦那には悪いがちょっと寝てもらうことにするかの」

少年エルフ「どうやって? 僕 睡眠魔法は出来ないよ」

第七王女「案ずるな この靴下を脱ぐじゃろ」ヌギヌギ

少年エルフ「うん?」

第七王女「これを重ねて強度を確保して中にコインを詰める」ジャラジャラ

少年エルフ「いっぱい入れるね」

第七王女「これを縛ったら即席の殴打武器『ブラックジャック』の完成じゃ これで後頭部を殴打すれば気絶させれるじゃろう」ブルンブルン

少年エルフ「……そんなのどこで覚えたの?」

第七王女「……王族の嗜みじゃ」

少年エルフ「そうなの? でも本当に使えるのそれ?」

第七王女「もちろんじゃ……これで城の兵士を気絶させてよく脱走したものじゃ」エッヘン

少年エルフ「……(兵士も大変なんだなぁ)」トオイメ



121: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:01:17.34 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館・『四十八手』の展示室

第七王女「よしここに隠れるから囮はそこの人形がよいの」

少年エルフ「これ? ……えっと”二の口”」シュイン

少年エルフは倒れている人形に発音魔法をかける。

第七王女「よし 配置につくのじゃ」

タタタ

少年エルフは離れた場所に身を隠した。

少年エルフ「”王女 聞こえる?”」

人形の影から王女が合図を送る、聞こえているようだ。

少年エルフ「……(うまくいくといいけど)」




122: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:02:38.12 ID:l0E3ITyp0


ドォオン ボォオン

若旦那(炎)「……」ヒュボボボボ

大部屋の展示を燃やし尽くした若旦那が部屋に入ってきた。

若旦那(炎)「ココニモ……爆発シロッ!!」

ボボォン

若旦那は目についた展示を次々と燃やしていく。

少年エルフ「……(うわぁ早くなんとかしないと ホントの火事になっちゃうよ)」

ボボォン

第七王女「……(もう少し…… 熱いのう)」

ボボォン

人形(少年エルフ)「若旦那さーん!!」



123: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:03:23.79 ID:l0E3ITyp0


若旦那(炎)「むぅ!? 誰だ」

若旦那は倒れた人形を覗き込む。

第七王女「今じゃ!」ダッ

第七王女が飛び上がり若旦那の後頭部を殴りつける!

バシン!!

若旦那(炎)「グッ!?」ドシン

若旦那は倒れた。

第七王女「うむ 決まったのじゃ 我ながら会心の振りじゃ」ニヤリ

人形(少年エルフ)「ダメ! 王女危ない!」



124: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:04:14.66 ID:l0E3ITyp0


第七王女「な!?」

若旦那(炎)「オノレ……」ぐぐぐ

若旦那は再び炎をまとって起き上りはじめてた。

第七王女「むんッ!」

第七王女は腰を捻り振り向きざまに若旦那の頭を狙って殴りつける。

ジュッ……チャリンチャリン

熱で劣化したブラックジャックが焼け落ちてコインがこぼれ落ちた。

若旦那(炎)「……オンナ」

第七王女「……マズイのう」




125: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:06:17.51 ID:l0E3ITyp0


タタタ

少年エルフと第七王女は逃げ出した。

第七王女「仕方ない一旦逃げて皆を呼んでくるのじゃ」

少年エルフ「そうだね 外に出ようよ」

第七王女「よし裏口へ……」

グラグラグラ

地震だ!

少年エルフ「うわぁ!」

ガラガラガラ

荷物が崩れ通路が塞がってしまった

第七王女「しまった」



126: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:07:52.77 ID:l0E3ITyp0


少年エルフ「王女後ろ 来てる来てる」

若旦那(炎)「リア充……」メラメラメラ

少年エルフ「うわわ 若旦那さんゴメン ”風弾”」ゴオッ

魔法の突風が若旦那を吹き飛ばす

ドォン ガラガラ

若旦那は吹き飛ばされその衝突でぞんざいに積んであった荷物が崩れた

第七王女「やったのか?」

若旦那(炎)「ぐ……」ボボボ

若旦那は崩れ落ちた荷物に埋もれて動けない。

少年エルフ「今のうちに表から」

第七王女「そうじゃな」

少年エルフと第七王女は倒れた若旦那の横を通り抜けて再び室内へ戻った。



127: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:10:43.17 ID:l0E3ITyp0

○駅前

娘友「で聞いてまわったけどあっちには来てなかった」

男子「そんな馬鹿な」

娘友「よく考えてよ王女とエルフさんが一緒に歩いてたら絶対目につくわよ なのに目撃者が居ないのはこっちに来てないからよ」

男子「だとしたらいったいどこに?」

女将「そこのお店の人にきいたらさっき子供たちがあの辺にいたって」

男子「あの辺って」

女将は秘宝館を指さす



128: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:13:03.46 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館・エントランス

第七王女が玄関口の扉を開錠している。

カチャカチャガチャン

第七王女「よし 開いた」

ガッ

少年エルフ「どうしたの?」

第七王女「開かぬ……さっきの地震のせいか」グイグイ

扉は地震でゆがんでいて開かない。

少年エルフ「そんな」

若旦那(炎)「……イタ」ボボボ

少年エルフ「うわーーー きたーー」

第七王女「うぬ! 開け開けというのに!!」

ドンドンドン

二人で扉を押すもビクともしない。



129: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:14:01.04 ID:l0E3ITyp0

○外・秘宝館玄関口

男子「閉まってるな」

娘友「あ 残念だった?」

男子「そそ そんなことないぞ」

娘友「冗談冗談 本気にしないでよ~」

女将「なんだか 焦げ臭くなぁい?」

男子「え?」

娘友「そういえば」

\うわーきたー/ \うぬ 開け開けというのに/

娘友「王女!」

男子「エルフさん!? 王女ー!!」



130: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:14:38.83 ID:l0E3ITyp0


\友ちゃん 男子くん/ \おお そこにおるのか男子/

男子「よかった 無事ですか」

\それが若旦那を見つけたのじゃが困ったことになっておって/

\王女危ない/

\爆発シロッ/

ドォン ボボォン

男子「王女? 王女!!」

\あついー/ \逃げるのじゃー/

タタタタ

扉の向こうで二人が走り去り静かになった



131: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:15:07.43 ID:l0E3ITyp0


娘友「中で何が」

女将「今の若ちゃんの声よね」

男子「……入りますよ」



132: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:17:06.03 ID:l0E3ITyp0

○魔王山・登山道入口

娘達は炎人たちを倒した後、ケガ人の救護に当たっている。

娘「さっきの地震……パパ大丈夫かな」

女騎士「おおお落ち着け 大した事はない」ガクガク

神官「そうですか」フフフ

山男A「最近おおいな」

山男B「んだな」

娘「地震増えてるの?」

山男A「そだな 最近は特に増えてる」

\うわーまた来るぞー/

炎人達が山から下りてくるのが見えた



133: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:20:14.02 ID:l0E3ITyp0


山男B「今までここまで来ることなかったのに」

娘「そうなの ……ふぅん」

女騎士「またか! 応戦するぞ」

娘「違うわね 突破よ」

女騎士「え?」

娘「山からイヤな予感がするわ 山頂に大元がいるのよ きっと」

神官「あの ちょっと」

娘は山道を駆け上がり、炎人達の前に立ちふさがった。

\フォオオオオ/ \ヒャッハーー/

娘「”電撃”」バリバリバリ

\ブホオオオオオオァワアアアア/

炎人たちを一掃した。

娘「やっぱり魔法が使えると楽ね」



134: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:21:16.83 ID:l0E3ITyp0


娘は炎人を魔法で蹴散らしながら登っていく

女騎士「わかった 私も行こう」

神官「じゃあ ワタシはここで戻……」コソコソ

山男A「オナゴだけに戦わしてばかりじゃいけねぇ! だよな皆の衆」

\オオ―/

ドヤドヤドヤ

神官「あ ちょっと 下ります 通してください……」わたわた

娘達と山男達は魔王山へ登っていった。

\下してー/



135: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:22:32.37 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館エントランス

ドカァン

男子は扉を体当たりで壊して秘宝館に入った

ボォオオ

男子「うわっ あっつ」

女将「あらあら ずいぶん燃えてるわね」

娘友「王女― どこー?」

\うわー!/ \爆発シロ!/

奥から声が聞こえる。

男子「エルフさん!」 女将「若ちゃん!」

男子と女将は燃え盛る館内へ入っていった

娘友「ちょっとウソ……もうオンナは度胸よ! おりゃー」

娘友も後を追った。



136: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:24:14.28 ID:l0E3ITyp0

○秘宝館・大部屋の展示室

メラメラメラメラ

室内ではろう人形が燃えながら溶けており凄惨な光景になっている。

少年エルフ「ゲホゲホ……こっちに来ちゃったけどどうしよう」

第七王女「エルフは他になにか魔法が出来ぬのか?」

少年エルフ「水の魔法ができるけど……」

第七王女「まことか! よしそれで若旦那の頭を冷やすのじゃ」

少年エルフ「でも……」

若旦那が部屋に入ってきて少年エルフ達を探し始める

少年エルフ「えい”水流”」

しかし何も起こらなかった。

少年エルフ「わぁ やっぱり」

若旦那(炎)「ソコカ」

ボオオオオ

少年エルフ「ひぃ」

第七王女「逃げるのじゃ」



137: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:27:29.47 ID:l0E3ITyp0


ダダダ

第七王女「どうしたのじゃ 魔力が尽きたのかえ?」

少年エルフ「あれは水を操る魔法なんだ だから水源がないと……」

第七王女「そうか……よし 心当たりがある」


○秘宝館・特別展示室

少年エルフ「助かった ここはそんなに燃えてないや」

第七王女「よしエルフはここで待つのじゃ」

第七王女はさらに奥へ何かを探しに行く。

少年エルフ「え? 王女」

第七王女「水を探すからそれまで隠れるているのじゃ」ガサゴソ

少年エルフ「隠れるっていったって……」




138: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:29:39.78 ID:l0E3ITyp0


バァン

炎を共にドアが吹き飛び燃え盛る若旦那が入ってきた。

少年エルフ「きた……」ドキドキ

少年エルフは浴槽に身を潜めている

若旦那(炎)「……」ボボボボ

少年エルフ「……」ドキドキドキ

ドンガラガッシャン

若旦那(炎)「!」

奥から物音がして若旦那が音の方へ向かう

少年エルフ「……(あっちは王女が居る方だ)」

少年エルフ「……」

少年エルフ「うぅ……(コワイ……けど)」



139: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:31:14.91 ID:l0E3ITyp0


バッ

少年エルフ「こっちだよ!」

少年エルフは姿を現した。

若旦那(炎)「ソッチカ……」

若旦那は少年エルフに火球を投げつける

少年エルフ「うわぁあ!?」

バァアン パリンパリン

ガラスが砕けちった。

若旦那(炎)「爆発シロッ!」

少年エルフ「ふ”風防波”」ビュルルル

ブワァン ボォン

風の障壁が火炎を防ぐ



140: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:32:32.94 ID:l0E3ITyp0


若旦那(炎)「爆発シロッ!爆発シロッ!爆発シロッ!爆発シロッ!」

若旦那は障壁に向かってなんども火炎を吹き付ける

ブワァブワァン ボボボォン

少年エルフ「ぐうぅ……(熱い……意識が……)」フラフラ

ドタドタドタ

女将「若ちゃん!!」

男子「女将さん危ない」

入口から男子たちがあらわれた。

若旦那(炎)「ぐ……グワアアアアアアアア」ボボボオオオオオオオ

若旦那はわけもわからず女将に火炎を吹き付けた



141: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:34:10.99 ID:l0E3ITyp0


男子は女将さんをかばった

男子「あちゃちゃちゃ!」

女将「キャア」

娘友「男子君」

若旦那(炎)「オノレ 貴様ぁ! 姉さンにィ」

少年エルフ「男子君にげて!」

ガラガラガッシャーン ザアアアアアアアア

\エルフ! 水じゃ/

奥から水が流れてきた。

少年エルフ「あ……ッ! ”水流”」ギュルル

バシャアアアアンン

少年エルフは水流を若旦那に頭から浴びせかけた



142: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:35:47.00 ID:l0E3ITyp0


若旦那「ぐわあああああああああああああ」

若旦那は炎が消えて身悶えている。

女将「若ちゃん」ダっ

ひしっ

若旦那「あ……お……」フラフラ

女将「大丈夫……大丈夫よ……若ちゃんは大丈夫よ」ポンポン

女将は若旦那を優しく抱きしめる。

若旦那「俺は……姉さんを……女将さんを……うぅ」

女将「もう大丈夫だから でしょ?」ニッコリ

若旦那「ぐ……うぅぅぅぅ」ボロボロ

若旦那は正気を取り戻した。



143: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:37:25.80 ID:l0E3ITyp0



第七王女「うまくいったようじゃな」

奥から第七王女が戻ってきた。

男子「王女!」

少年エルフ「さっきの水はどこから? 火事も消さなきゃ」

第七王女「あれはボイラーの残り湯じゃったから あれで全部じゃ」

少年エルフ「そんな……」

娘友「だったら早くここから出ないと入口が……」

ガラガラガラ

入口が焼け落ちてしまった。

男子「なくなったな……」

少年エルフ「どうしよう……」



144: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:38:43.47 ID:l0E3ITyp0


若旦那「地下だ……地下道がある」フラフラ

少年エルフ「若旦那さん……回復を”治癒”」パアア

娘友「それより地下道って」

若旦那「あの化物たちが入っていった そこの隠し戸のむこうだ」

第七王女「ここか」

ガパッ

秘密の地下道を見つけた。

娘友「やった助かった」

第七王女「急ぐのじゃ」

ダダダダ

全員地下道へなだれ込んだ



145: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:49:37.61 ID:l0E3ITyp0

○地下道

地下道には線路が敷かれており、トロッコが2台用意されていた。

男子「これどこに通じているんだ」

若旦那「わからん……奴らが向かった先だしな」

女将「あらまぁ じゃあ敵さんの本拠地なの」

娘友「えぇ~そんなぁ」

第七王女「ふむ ここにおっても仕方ない 乗り込むのじゃ!」

少年エルフたちはトロッコに乗り込み走りだした。




146: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/01/30(土) 13:50:41.27 ID:l0E3ITyp0


ガーーーーッ!

第七王女「わっはっは! これは良いの」

少年エルフ「うわわ すごいスピード」

男子「どうやって動いてるんだ?これ」

ガーーーーッ!!

若旦那「レールから魔力が供給されてる 観光列車と同じしくみだ」

女将「意外と面白いわね 新しいアトラクションにどうかしら」キャッキャッ

若旦那「女将……(呑気な……だが可愛い)」

娘友「さーて 次から魔王温泉編も終盤よ じゃそういうことで」

ガーーッ




150: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:17:04.13 ID:8aSzEEAK0

#7 魔王山の戦い ~始動 リア充爆発作戦~



151: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:18:24.48 ID:8aSzEEAK0

○魔王山・山道

娘達はモンスターと戦っている。

娘「せいっ!」ズバァ

炎人A「グボファー」

女騎士「フンッ!」ドシュッ

炎人B「ケンプファー」

山男たちが突撃する。

\\おりゃあーー//

ボコボコボコ

炎人達「「ボワーー」」

炎人達を倒した。



152: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:19:44.55 ID:8aSzEEAK0


女騎士「ハァハァ 地元の人の協力があるとはいえ魔物が多すぎる」

娘「ふぅー そうね 山男さん達にもケガ人が出てるみたいだし……」

山男たちのケガを治療した神官がやってきた。

神官「やれやれ……ここでお知らせです」

娘「なによ」

神官「ワタクシ 魔力が切れました……帰っていいですか? いいですよね」

女騎士「嬉しそうにいうな……まったく どうする一旦出直すか?」

娘「……さっきからイヤな予感が強くなっているのよ 私が様子だけでも確認してくるわ」

女騎士「そうか……わかった私も行こう 神官殿は皆さんとここに残っててくれ」

神官「えぇー帰っちゃだめですか? 魔力ゼロなんですよ」



153: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:20:43.23 ID:8aSzEEAK0


女騎士「これを飲め?」シュ

女騎士は魔力水を投げ渡した。

神官「あらー こういうの持ってましたか」

女騎士「それで文句はないな……娘君 君もだ」

女騎士は魔力水を娘に渡した。

娘「私は大丈夫……」

女騎士「さっきから戦い続けだろう 遠慮するな」

娘「ありがとう 助かったわ」

キュポン ゴクゴク

娘の魔力が回復した。



154: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:24:00.50 ID:8aSzEEAK0


女騎士「よし しゅっぱ……」

グラグラグラグラ

地震だ……さっきより強い。

\うわー/ \キャー―――/

女騎士「キャーーッ!! あ…… ゴホンゴホン……またか強かったな」カアア

神官「まるで少女のような悲鳴でしたね」

ドゴンッ

女騎士の肘が神官の鳩尾にめりこむ。

神官「ギャフ」

女騎士「おっとすまないバランスが崩れた!」(棒)

娘「上見て」

女騎士「なに?」

ゴオオオ

山頂から大量の噴煙と炎もちらちらと上がっている。

女騎士「活発化しているのか? 一体何が……」

娘「急ぎましょう」

娘と女騎士は山頂へ向かった。



155: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:25:34.69 ID:8aSzEEAK0

○火口付近・リア充爆発作戦会場

炎人たちが集会をしており、演壇の上から全身鎧の人物が話している。

ヨロイ男「ついにこの時がきた 爆発の時だ!」

\爆発/ \爆発/ \爆発シロ/

ヨロイ男「色気づいたオンナ 下心で鼻の下ののびきったオトコ そんな奴らのカップル! そうリア充どもを一掃するときが!」

\オノレリア充/ \リア充爆発シロ/ \末永く爆発シロ/

ヨロイ男「そんなリア充どもの巣窟であるあの忌々しい温泉街を滅ぼす手筈が整った」

\\ウオオオオオオ//

○岩陰

娘「なにアレ……バカ過ぎて 頭イタイ」

女騎士「あいつが化物の親玉のようだな」



156: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:27:24.97 ID:8aSzEEAK0

○リア充爆発作戦会場

ヨロイ男「思い返せば俺はあのリア充どもの巣窟で肩身の狭い奴らからひとりひとり嫉妬の炎を絞り出してやった そうお前達だ」

\ファイアー/ \ファイアー/ \嫉妬ファイアー/

ヨロイ男「そうして この火山に少しづつくべて火山をひそかに活性化させていた……実に手間と時間のかかる作業だった 本当に長かった……くぅ」

\うおー/ \将軍/ \……うぅ/

ヨロイ男「しかし俺はやり続けた リア充どもを倒すその日まであきらめることはないと そして幸運が訪れた いでよ大炎人」

ドドォン ドドォン

演台の後ろには洞窟があり、そこからひときわ大きな炎人が2体あらわれた。

大炎人1号「リア充はいねがー」

大炎人2号「バカップルはいねがー」

\\オオオオオ//



157: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:28:49.05 ID:8aSzEEAK0


ヨロイ男「昨日のオトコからこんなにも巨大な嫉妬の炎が得られたのだ! こいつらが居ればすぐにでも火山を爆発させれるだろう 今すぐにでもだ!」

\イエェーイ/ \爆発爆発/ \リア充爆発/

ヨロイ男「爆発で吹き上がった溶岩はたちまち麓のリア充の巣窟を焼き払ってくれるだろう そして主の封印も解かれ 我々は新たなステージへと到達するのだぁ!!」

\\ウオオオオオオオオオ//

ヨロイ男「さぁ行け 大炎人1号火口へ飛び込むのだ!」

大炎人1号「ボッ……? 火口? 無理無理この高さじゃ死にますよ」ブンブン

ヨロイ男「なッ 最近の若い奴は! 聞いてなかったのかお前が飛べばあのクソ爺にも一泡吹かせられるんだぞ」

大炎人1号「オヤジ……あんの…… おらー行ったらぁー! くたばれエ口オヤジ!!」

バッ

大炎人1号が火口へ飛び込んだ。

\\ワアアアア//



158: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:30:25.31 ID:8aSzEEAK0


ドボーン

大炎人1号「どわあああ!あっちゃああ!!あつつ死ぬ―」ゴボゴボ

大炎人1号は溶岩に沈んでいく。

ドドォーン グラグラグラ

地震だ、さらに火柱が吹き上がり溶岩が火口の高さまで上昇してきた。

\オオ―/ \オオ―/

○岩陰

娘「あんなことで火山を噴火させようなんて……むちゃくちゃだわ」

女騎士「いいい行くぞ とめなければばば」ガクガク

娘「そろそろ地震ぐらい慣れて」



159: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:31:51.70 ID:8aSzEEAK0

○リア充爆発作戦会場

ヨロイ男「ボファファッファファッファ さぁ仕上げだ2号よ飛び込め!!」

\ウオオオオオオオオ/ \爆発爆発/ \リア充爆発/

大炎人2号「……いや パスで」

ヨロイ男「ぅオイッ!」ガク

大炎人2号「だってさっきの1号どうなったの? 死んでんじゃん 無理無理無理 オラぁ死にたくね」

ドスドスドス

大炎人2号は逃げ出した。

ヨロイ男「かぁー 本当に最近の若い奴はぁっ!! モノども捕まえて奴を火口へ放り込め!」

炎人達「「シャーーー」」

大炎人2号「やめろ―! ボワーー」



160: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:32:52.03 ID:8aSzEEAK0


\えっさほいさ/

大炎人2号は全身を炎人に掴まれ火口へ運ばれていく。

女騎士「まてぇ そうはさせん」

女騎士と娘が岩陰から飛び出した。

娘「”雷撃”」バリバリバリ

魔法の電撃が炎人たちに襲い掛かる、と思われたが雷は進路を変えてヨロイ男に吸い込まれた。

バシャ―ン バリバリ

ヨロイ男「うおっ!? びっくりした」

娘「なに!?」

女騎士「吸収された!?」



161: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:34:30.86 ID:8aSzEEAK0



ヨロイ男「ボファファ これは『吸魔の鎧』だ魔法は効かんぞ」

娘「まさかそんな物……」

女騎士「貴様が頭領のようだが 何者だ!」

ヨロイ男「我は……」

娘「”重雷撃”」

ドンガラガッシャーン ドドォン

ヨロイ男「どわーーー」

女騎士「おいおい娘君よ」

ヨロイ男「お前……名乗りの途中だぞ 普通攻撃するか!?」

娘「……全然興味なかったから」

ヨロイ男「ちくしょう これだから最近の若い奴は ちくしょう」



162: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:35:57.85 ID:8aSzEEAK0


娘「それにしても本当に魔法は効かないのね」

女騎士「この数を魔法無しではきついな」

ヨロイ男「ぐぬぬ お前たちーとっととデカブツを放り込めー爆発させたらこいつらも一毛打尽だ」

\しゃーー/

娘「あーあ 時間もないわね」

女騎士「よし 私がコイツを倒すから娘君はあっちの奴らを引き止めてくれ」

娘「わかったわ」

ダダッ

ヨロイ男「俺を倒すだと? バカを言うな”大火球”」

ボォオン



163: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:38:35.52 ID:8aSzEEAK0


巨大な火球が女騎士を襲う。

女騎士「フンッ」ズガガガッ

女騎士は足元の岩石を弾き飛ばして火球を相殺する。

ボッボボォン

ガキィン

ヨロイ男「ぐわッ」

弾き飛ばした岩石の一つがヨロイ男の兜を弾き飛ばした。

女騎士「バカを言うのはどちらかな? っとやはり人ではなかったか」

ヨロイ男の顔は燃え盛る骸骨だった。

ヨロイ男「なんつー攻撃だ それがオンナの剣術か!?」

女騎士「……うるさいっ とにかく王国騎士団第七王女付近衛兵 女騎士参る!」バッ

ヨロイ男「俺は嫉妬団団長 炎魔将軍だ! 嫉妬ファイアアア」ゴォオオオ

炎魔将軍は女騎士にまとわりつく炎を吹き付けた。

女騎士「うわぁ なんだ!? ドロッとまとわりつく」バッバッ

女騎士はマントを振り払い炎を振り払う。

炎魔将軍「フフフ 妬み嫉み……嫉妬こそが我が炎我が力 嫉妬パワーを食らうがいいっ!」

女騎士「はぁ……どうして私には面倒な奴ばかり寄ってくるんだ」



164: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:39:31.64 ID:8aSzEEAK0

○火口近辺

娘「ハァ!」

娘のつるぎのまい! 炎人たちを斬りつけながら大炎人へ迫る。

炎人「”大火球”」ボボォン

娘「”魔防へ”……(ダメ魔力を温存しないと) ぐぅ」バッ

ドドォン

回避が遅れ娘は火球を避けきれなかった。

炎人たち「「おとせーー」」

大炎人「ボワアア オタスケー」

炎人達が大炎人を火口へ放り込む。

娘「ああ!!」



165: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:40:06.04 ID:8aSzEEAK0



ガシッ

大炎人2号「いやだ死にたくなーい」

大炎人2号は火口の壁面にしがみついた。

炎人「おとせおとせー手を狙え」

炎人たちが容赦なく大炎人2号を落とそうと攻撃する。

娘「やめなさい!」ズバァズバァ

\ボギャア/ \ブワァ/

娘「もう 魔法が使えれば」



166: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:41:10.73 ID:8aSzEEAK0

○洞窟前

洞窟の前で女騎士と炎魔将軍が戦っている。

女騎士「マズイ 急がねば(……こうなれば)」カチャカチャ

炎魔将軍「そこだ”豪火球”」ゴゴォン

ズドドォン

猛火が炸裂する。

炎魔将軍「他愛のない」

シュッ

女騎士の剣が煙の向こうから飛んできた。

炎魔将軍「うおっと」ガキン

しかし鎧に弾かれてしまった。



167: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:42:24.26 ID:8aSzEEAK0


炎魔将軍「まったく手癖の悪いオンナだ」

ヒュッ

女騎士「悪かったな」

炎魔将軍「な!?」

女騎士「ィヤアーッ!!」

女騎士の爆裂拳! 無数の剛拳が炎魔将軍を打ち付ける。

ドドドドドドッ!

バキバキ

炎魔将軍「うおおお ヤバい!? 嫉妬バースト!」

ドバァン

女騎士「うわぁ!?」

炎魔将軍は全身から炎を噴き上げて女騎士を弾きとばした。

炎魔将軍「空身で突撃とはな……大した奴だな」

女騎士「実は私は武道の出身なんでね」

炎魔将軍「だがもう終わりだ同じ手は食わんぞ」

女騎士「くっ……(鎧を砕ききれなかったか)」

\おちる―シニタクナーイ/

\オチロー/

\女騎士はやく!! もうもたない/

炎魔将軍「ボファファ チェックメイトだ」



168: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:43:12.22 ID:8aSzEEAK0

○洞窟内・走るトロッコ

ガーッ

第七王女「明かりじゃ 終点じゃぞ」

男子「どうやって止めるんだこれ?」

少年エルフ「えっとこうかな?」ビョォン

少年エルフはトロッコに魔力を送りこむ。

ドギュン!!

トロッコは加速した!!

少年エルフ「うわぁ 違った」

男子「うわぁ脱線するぞ」

第七王女「かまわん突撃じゃー」

ガッ



169: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:44:01.65 ID:8aSzEEAK0

○洞窟前

\うわぁあ/

炎魔将軍「なんだ?」

洞窟からトロッコが飛び出してきた!

第七王女「外じゃー! あ」

炎魔将軍「あ」

ドゴォン

第七王女たちの乗ったトロッコが炎魔将軍とぶつかる。

炎魔将軍「おごォわ」ガキィン

\うわあああ/



170: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:44:53.93 ID:8aSzEEAK0



男子「ぐわ」ドタッ

男子は地面にたたきつけられた。

少年エルフ「うぐぅ」ポテ

少年エルフは男子の上に落ちた。

第七王女「よっと」スタッ

第七王女は軽やかに着地した。

第七王女「なんじゃ今のは?」

女騎士「王女 どうやってここに!?」

炎魔将軍「オノレ……貴様どこから」

第七王女「それよりお主…… そこをどいた方がよいぞ」



171: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:45:42.07 ID:8aSzEEAK0



ガッ

\きゃーー/

洞窟から女将たちの乗ったトロッコが飛び出してきた。

若旦那「うわっ危ない」

ドゴォン

若旦那たちの乗ったトロッコが炎魔将軍にぶつかった。

炎魔将軍「ゴディバッ」バキィン

\うわああ/



172: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:46:38.53 ID:8aSzEEAK0



少年エルフ「ゴメン 男子君大丈夫?」スタッ

少年エルフは男子から降りた。

男子「いたた 大丈……」

若旦那「おうっ」ドサッ

若旦那は男子の上に落ちてきた。

男子「ゴフッ」 少年エルフ「あ」

女将「あらあら」ドサ

女将は若旦那の上に落ちてきた。

若旦那「ぐっ」 男子「ガフっ」 少年エルフ「あ」

娘友「おっととと」ボイン

娘友は女将の上に落ちてきた。

女将「あら」 若旦那「おわ」 男子「ッ……」 少年エルフ「あ」



173: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:48:02.15 ID:8aSzEEAK0



娘友「おおぅ さすが女将さん 見事な柔軟性 ふへへ」ボインボイン

女将「あらあら いつの間にお山の上に」

若旦那「女将 ケガは無いですか?」

男子「……」チーン

少年エルフ「もーみんな早く降りて男子君が」わたわた

第七王女「皆 無事のようじゃな」

女騎士「女将さんたちまで一体どうやって」

第七王女「それはのぅ……」



174: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:48:52.38 ID:8aSzEEAK0



炎魔将軍「ぐぐぐ 貴様らーーッ」

ガシャーン

炎魔将軍がトロッコの残骸を跳ね飛ばして起き上った。

パキン カラカラカラン

吸魔の鎧が壊れた。

炎魔将軍「あ」

第七王女「あ」

女騎士「あ ……今だ撃てーーー!!」



175: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:49:56.49 ID:8aSzEEAK0

○火口近辺

大炎人2号「もうだめだぁおしまいだぁ しぬーーー」

ヒュウウ

大炎人2号は火口へ落下していく。

娘「そんな」

\今だ撃てーーー!!/

娘「ぎりぎりよ! ”重雷撃”」バリバリバリ

ガラガラ ドドーン

大炎人2号「ギャボババババーー」

ボボォン

大炎人2号が爆発四散して跡形もなくなった。

娘「間に合った」

大炎人たちを倒した。



176: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:51:03.72 ID:8aSzEEAK0



女騎士「これで終わりだ」

娘「さて 後はアンタだけよ」

第七王女「さぁ観念するのじゃ」

娘友「……(王女の速攻で状況に合わす所 嫌いじゃないわ)」

炎魔将軍「ぐぐぐ」

炎魔将軍「お前らのようなリア充に俺は絶対に負けん! 負けられん!!」

ダダダダ バッ

炎魔将軍が飛び上がった。

女騎士「なっ!?」

女騎士たちの頭上を飛び越しそのまま火口へ飛び込む。



177: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:52:04.26 ID:8aSzEEAK0


炎魔将軍「ぐわははははは さらばだーー」ブワァ

娘「まさか 自分で噴火させるつもり!?」

ひゅるるるる ドボン

\アチャ アチャチャホアター/

第七王女「……うわー熱そうじゃのう」

男子「熱いで済みませんって」

\アッタ ガバゴボ ミツケタゾ/

娘友「なにか持ってるわね 何アレ」

若旦那「まさか 溶岩の中でか?」

炎魔将軍は黒焦げの異形の腕を掲げて沈んでいく。

\デンデンデデンデン……/



178: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:53:15.42 ID:8aSzEEAK0


女将「あら なんだか楽しそうね」

娘「腹立つ顔ね……」イラッ

少年エルフ「……でもあの禍々しい感じ 学校の時の」

娘「……そうね」

グツグツグツ

第七王女「なにも起こらんのう」

女騎士「よかった」

ゴゴゴゴゴゴ

女騎士「わわわ また地震!?」

若旦那「デカいぞ」

少年エルフ「……皆逃げて 下から何か来る!」

ズモモモモ

溶岩が盛り上がり巨大な何かがせりあがってくる。

娘友「逃げるっていってもどこに」

女将「こっちよ さっきの洞窟に」



179: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:55:29.02 ID:8aSzEEAK0



ズドドド

火口から火柱があがり噴石が飛び出してくる

ドカドカドカ

女騎士「早く洞窟へ」

男子「王女危ない! ぐぁ!!」

男子は噴石から第七王女をかばった。

第七王女「男子!」 娘友「男子君」

男子「ぐぅう」

娘「バカっ かっこばっかつけて……若旦那さん手伝って」

若旦那「ああ」

娘と若旦那で男子を運ぶ。

女騎士「王女たちも早く」



180: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:56:36.77 ID:8aSzEEAK0


ドドドドド

第七王女「なんじゃあれは……」

第七王女は頭上を見上げる。

女騎士「な!?」

少年エルフ「そんな……」

○魔王山・山道

山男A「なんだありゃー」

山男B「化物だ― 逃げろー」

ドヤドヤドヤ

神官「おやおや こんなことになるなんて」

○国営旅館

大旦那「……山から煙? 違う……あれは……手か!?」

\山が―/ \キャーー/



181: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 13:58:31.78 ID:8aSzEEAK0

○魔王山・火口付近

???「ぐわっはっはっはっは あの方の力が俺に」

火口から巨大な溶岩の腕と顔が覗いている。

少年エルフ「そんな……こんなの」

第七王女「なんということじゃ」

娘「そんな デタラメだわ」

溶岩巨人があらわれた。

女将「あらーおっきいわねー」

若旦那「女将 避難を! それに街の者たちにもしらせなければ」

溶岩巨人「ここから出てリア充どもを焼き尽くしてやるわ」

ドドン ドドン



182: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 14:00:02.24 ID:8aSzEEAK0

○洞窟内

男子「ぐぅ……」

第七王女「男子は? 治るか?」

少年エルフ「ダメ 石が体にめり込んでる 下手に動かせないよ」

娘友「男子君……」

ドドドン ドドドン

溶岩巨人は巨大な腕を振って火口から出ようともがき、その腕から無数の噴石が飛び出している。

第七王女「まるで岩の雨じゃ 外には出れぬ」

ドドドド

女騎士「あぁ 洞窟が」

洞窟の奥が崩れてしまった。



183: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/06(土) 14:01:29.73 ID:8aSzEEAK0

第七王女「八方ふさがりじゃな……」

少年エルフ「……このまま みんな死んじゃうの」

第七王女「ぬぬぬ」

女騎士「……」

女将「……困ったわ」

若旦那「……くそ」

娘友「……」

男子「……」

娘「……パパ」

スッ

娘は出口に歩いていく、外は岩と溶岩が飛び交い灼熱地獄になっている。

少年エルフ「娘?」

娘「大丈夫よパパ ちょっと片付けてくるから」ニッコリ

娘は外へ飛び出した。

少年エルフ「娘!」




189: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:13:34.87 ID:Okn0idj20

#8【魔王山の決戦 ~エルフと一緒なら~】



190: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:14:39.26 ID:Okn0idj20

○火口付近

溶岩巨人からの噴石が辺りに降り注ぐなかを娘は走り抜ける。

ドドドド

ガン

娘「つぅ・・・・・・あと少し」タタタ

溶岩巨人「グオオ」ドタンドタン

溶岩巨人はもがいている。

娘「大人しくしなさい”重雷撃”」ドンガラガッシャーン

ズドドォン

溶岩巨人「オオォ」

モモモ……

雷撃が溶岩巨人の腕を吹き飛ばしたが、見る見るうちに再生していく。

溶岩巨人「ガァ」ボボボボ

溶岩巨人は灼熱の炎を吐き出した

娘「きゃあああ」



191: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:15:55.87 ID:Okn0idj20



娘「……(一体どうすれば) あれは?」

娘は溶岩巨人の額から異形の腕が生えているのに気づいた。

娘「あれね! ”重雷撃”」

しかし魔力が足りない。

娘「もう魔力が…… だったら直接!」シャキン

ズダダダタ

娘は剣を構えて溶岩巨人に向かっていく。



192: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:17:00.27 ID:Okn0idj20

○洞窟

娘友「娘、大丈夫かな?」

女騎士「あんな巨大な魔物は娘君の雷魔法でしか対抗できない…… 信じよう」

\きゃああ/

少年エルフ「娘!」

少年エルフは飛び出そうとしたが若旦那に止められてしまった。

若旦那「出るな危ない!」

少年エルフ「だって娘の声がっ……」

若旦那「だとしても無茶だ とてもたどり着けない」

少年エルフ「それでも僕は」

バッ

少年エルフは若旦那の腕を振り払った。

少年エルフ「娘のパパだから」

少年エルフは外に飛び出した。

第七王女「エルフ!」



193: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:18:47.61 ID:Okn0idj20

○溶岩巨人の上

ジュウ ボボォン ジュジュ

娘「ぐぅ」ダダダ

娘は溶岩巨人の上を走っている、全身に火傷をおいながら額を目指す。

溶岩巨人「降りろこの」

ドドンドドン

娘「ぐあっ! ああぁ」

振り落とされないようにしがみつくが、ついた指先から火傷をおう。

娘「まだ……まだぁ!」

娘は渾身の力をこめて異形の腕をめがけて剣を振るう。

バキィン

娘の剣が折れてしまった。

娘「そんな!?」

溶岩巨人「グハハ どけい」

ドドォン

娘「っぁ……」

娘は巨大な腕に薙ぎ払われた。



194: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:26:34.65 ID:Okn0idj20



吹き飛ばされた娘は怪我と疲労で動けない。

娘「……(ごめん……エルフ)」

\娘ー/

娘「……(声が……幻聴?)」

少年エルフ「娘ー!」

娘「エルフ!?」

少年エルフが娘の元にかけよった。

少年エルフ「よかった間に合った? もう大丈夫だよ ”大治癒”」シュイイイン

娘の傷が治っていく。

娘「パパ……もう 危ないのに」



195: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:28:31.89 ID:Okn0idj20


少年エルフ「だからって一人で無茶しないで 僕もいるんだから」プンプン

娘「……ごめんなさい」

少年エルフ「ほら僕の魔力をあげるから ”渡魔”」キュイン

娘の魔力が全回復した。

少年エルフ「娘ならあいつを倒せるよね?」

娘「もちろんよ パパと一緒なら なんだって!」ガバッ

娘は立ち上がった。

少年エルフ「うん」ニコ

娘「フフッ……(ありがとうエルフ)」ポゥ

娘の体が白光に包まれる。



196: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:29:43.07 ID:Okn0idj20

ポポポ

娘「これは?(あの時と同じ光)」

少年エルフ「うわぁ キレイ」

娘は魔力と異なる力が沸きあがるのを感じる。

娘「……これなら行けるわ ”重雷撃”」

ドンガラガッシャーン キュポポポ

溶岩巨人「なんだ!? 体か」

白光を纏った雷が溶岩巨人の体にやすやすと突き刺さる。

キュポポポポ……ポワワワ

少年エルフ「いつもの雷と違う!?」

溶岩巨人「馬鹿なこの光は!? グワアアア」



197: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:31:17.27 ID:Okn0idj20


ドドドォン

溶岩巨人が内側から光になって蒸発していく。

娘「これでおしまいよ!!」キュポポポ

溶岩巨人「オノレ 我を倒しても第二第三の嫉妬の炎が……」

娘「そういうの興味ないからはやく消えて」キュババババ

娘の光が増して溶岩巨人を覆いつくす。

溶岩巨人「ちょっ最後くらい…… ちくしょうちくしょ」

バシュン

光は溶岩巨人と異形の腕を光の彼方に消し去った。



198: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:32:35.94 ID:Okn0idj20


少年エルフ「すごい……消しちゃった」

娘「やったわパパ…… もう大丈夫……」

フラッ

少年エルフ「娘!」ぎゅっ

倒れた娘を少年エルフは抱き締めた。

娘「すーすー」

少年エルフ「頑張ったね娘……」ぎゅう

溶岩巨人を倒した。



199: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:34:41.87 ID:Okn0idj20

○何処かの暗闇

???「む」

死霊使い「どうしました我が主」

???「どうやら腕が一本消えたようだ」

死霊使い「まさか御身を滅ぼせるなんて そんな者が」

???「あの一族が生き延びていたようだな 面白い」

死霊使い「あやつめエルフ族共々滅ぼしたと言っておったのに……私めに『消せ』とご命令ください そうすればすぐにでも……」

???「捨て置け」

死霊使い「しかし」

???「どうせ人間には我を倒す事は出来ん ちょうどよい余興だ」クックック

死霊使い「仰せのままに」



200: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:38:29.71 ID:Okn0idj20

○三日後・国営旅館

娘は旅館のベットで目を覚ました。

娘「ここは? ……パパ」

少年エルフ「すやすや」

少年エルフは娘にもたれて寝てしまっている。

娘「……(看ててくれたのね)」ふふっ

少年エルフ「すやすや」ピコピコ

少年エルフの寝息と共に長い耳が揺れている。

娘「……耳」ゴクリ



201: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:40:00.04 ID:Okn0idj20



ガラッ

娘友「エルフさん 娘の具合はどう? ……って」

娘「!」

少年エルフ「うぅん……すやすや」

襖を開くと娘が少年エルフの耳を咥えてた。

娘友「えっと……見なかったことにするわ」

ガラッ

娘友は襖を閉じた。

娘友「まったくあのコは……」

\ペロペロ/

\あぁん うぅん/

娘友「コラコラコラ」

ガラッ



202: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:55:09.68 ID:Okn0idj20



娘「いやぁ……気が利くなぁって思ったのに」

娘友「そうじゃなくて 見てないウチに止めてってこと もう……なんで耳なのよ」

娘「小さい時からのクセよ……目の前にあると ついね……」

娘友「いやいやいや あの舐め方はクセってレベルじゃないからアタシだからよかったのよ まったく」

娘「そうね 助かったわ ところでパパがどうしてここで寝てるの?」

娘友「娘 アナタ三日も寝てたのよ それでエルフさんが心配して看てたの」

娘「そんなに……あれから何があったの?」

娘友「そうね あの後神官と山男さんたちが来たからそれで男子君や娘を運んで降りてきたの」

娘「男子は?」



203: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:56:50.23 ID:Okn0idj20

娘「男子は?」

娘友「隣の部屋よ エルフさんが治癒魔法で傷を塞いだけど石が入ったままだから王国で手術しないといけなくなったわ」

娘「じゃあ一度王国に戻るのね」

娘友「そうね どっちみちこの時期はこれ以上北へ行くのは無理だし」

娘「他には何かあった?」

娘友「若旦那さんが武者修行に出たわ」

娘「若旦那さんが!? どうして?」

娘友「今回の事には自分にも責任があるって……秘宝館の事を気にしてるのね」

娘「そんな……」

娘友「まぁ それだけでもないでしょうけど ねぇ娘」

娘「……そうね」



204: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:57:49.69 ID:Okn0idj20

バァン

第七王女「おぉ 娘やっと目が覚めたのかよかったのじゃ~」

第七王女が入ってくるなり抱き付いた。

女騎士「ちょっと王女 起きたばかりですよ」

女騎士も入ってきた。

娘「大丈夫よ 王女」

女将「よかったわね 本当に」

大旦那「思ったより元気そうでなによりじゃ」

大旦那と女将も入ってきた。



205: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 13:59:11.24 ID:Okn0idj20


女将「今回のことでみんな貴方たちには感謝してるわ この国の恩人よ」

娘「そんな……」

第七王女「そうじゃ わらわ達は二代目勇者として当たり前のことをしたまでじゃ」

大旦那「ほほう勇者とな なんとも勇ましいことじゃ」

女騎士「あぁもう 言っちゃうそれ」

娘友「ま 王女だしね」

娘「仕方ないわ」

第七王女「かっかっかっかっ」



206: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:05:38.08 ID:Okn0idj20

○翌日・馬車停留所

女騎士「では王都へ向かいますよ」

第七王女「よーし出発じゃ」

女将「気を付けてねー」

大旦那「またいつでも来い」

\王女バンザーイ/ \勇者バンザーイ/

大勢の人が盛大に見送る。

パカパカ

少年エルフ「うわースゴイことになってるね 男子君見える?」

男子「いえ 見えません」

男子は寝たまま体を固定されている。

娘「絶対安静よ ガマンしなさい」



207: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:06:38.51 ID:Okn0idj20


男子「ああ……そういえば神官さんは?」

少年エルフ「神官さんも昨日旅立ったよ」

女騎士「そうだったのか せいせいするな」

娘友「ま もう会わないでしょうね」

少年エルフ「……そうなるのかな」



208: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:09:09.66 ID:Okn0idj20

○少年エルフの回想

少年エルフ「行っちゃうの?」

神官「ええ 今朝電報が届きまして ボスからお呼びです 直ぐに発たねば」

少年エルフ「そうなんだ……あのこんなこと聞くのは失礼かもしれないけど」

神官「なんです?」

少年エルフ「あの……耳を見せてくれませんか?」

神官「耳? ははぁ……どうぞ」

神官は髪をかき上げて耳を見せた。

少年エルフ「あ……(普通だ) あのありがとうございます ヘンな事きいて」

神官「ふふふ ワタシがエルフ族とでも思いました?」

少年エルフ「え!? はい……もしかしたらって」

神官「どうしてそう思ったのですか?」



209: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:10:32.55 ID:Okn0idj20


少年エルフ「その……神官さんの魔力って他の人と違う感じがしたから……ごめんなさい」

神官「いいんですよ 確かにワタシはちょっと特殊ですので」

少年エルフ「そうなんだ どうして?」

神官「それは……」

少年エルフ「それは?」

神官「ナイショです」

少年エルフ「ナイショなの?」

神官「ふふっ そんな残念そうにしないでください 次にお会いしたら教えますから」

少年エルフ「次っていっても」

神官「大丈夫 また会えますからその時までのお楽しみです 約束しますよ」

少年エルフ「……うんわかった 約束だよ」

神官「では 馬車の時間ですのでお先に」

少年エルフ「うん ありがとう」




210: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:19:16.59 ID:Okn0idj20


少年エルフ「不思議な人だったなぁ」

女騎士「そうか? どうしようもない奴だったぞ」

娘友「そうね 今頃別のところで遊んでるんじゃない?」

娘「二度と会いたくないわね」

少年エルフ「……(ヒドイ言われよう)」

第七王女「とにかく王都に凱旋じゃ 兄上も驚くじゃろう」ふっふっふ

少年エルフ「また山道かぁ 仕方ないよね」

娘「大丈夫よ私が居るわ」ぎゅう

少年エルフ「うん……そうだね」

ガラガラガラ



211: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/02/13(土) 14:19:50.92 ID:Okn0idj20

【ようこそ魔王温泉へ ~ドキッ!リア充爆発危機一髪編~】 終了



218: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:39:40.30 ID:ME9Bqf3T0

#9【少年エルフの『P』についての冒険】



219: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:43:00.62 ID:ME9Bqf3T0

○王都の宿屋・娘友の部屋

娘友「だったらパンツね」

少年エルフ「パンツ!?」

娘友「うわっと そんなに意外?」

少年エルフと娘友が話をしている。

少年エルフ「だって誕生日プレゼントだよ? それにパンツなんて」

娘友「エルフさんは今時の流行りをわかってないのね~」フフフ

少年エルフ「流行りって……ウソでしょ?」

娘友「ホントよ 娘を驚かせたいんでしょ? 普通のプレゼントじゃダメじゃない」

少年エルフ「そうだけど……」



220: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:44:35.86 ID:ME9Bqf3T0


娘友「じゃあ無難にアクセサリー?」

少年エルフ「それは去年あげた」

娘友「バッグは?」

少年エルフ「一昨年あげた」

娘友「じゃあ時計は?」

少年エルフ「入学祝いにあげたよ」

娘友「花束は?」

少年エルフ「そんなの毎年一緒に贈ってるよ」

娘友「ほら~ だったらもうパンツしかないでしょ あげたこと無いのは」

少年エルフ「そうだけど そんな……パンツってプレゼントするものなの?」

娘友「もちろん! 意外と贈られると嬉しいのよ それに家族じゃないとプレゼント出来ないものなんだから」ニヤニヤ



221: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:46:21.64 ID:ME9Bqf3T0


少年エルフ「そう言われたらそうなんだろうけど……」

娘友「じゃ決まりね 娘のプレゼントはパンツに決定ということで」ニヤニヤ

少年エルフ「でもそんなのどうやって買えば……ねぇ 友ちゃん一緒に……」

娘友「あっらー いけないこんな時間」ガタン

少年エルフ「え?」

娘友「ごめんだけど 新春祭の準備と打ち合わせと搬入と仕入れやら色々立て込んでるから 行かなきゃ」

ドタバタバタ バタン

少年エルフ「え」

ガチャ

娘友「そうそう いい年なんだからオトナっぽいの選ばないとダメよ 子供じゃないだから」

少年エルフ「ええ!?」

娘友「じゃ あとはガンバってね」

バタン

少年エルフ「ええ~~」



222: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:49:35.63 ID:ME9Bqf3T0

○廊下

娘友「というわけでアタシは行くけど エルフさんの活動を後で報告してね バレずに」ボソボソ

召使「かしこまりました ……見ているだけでよいのですか?」

娘友「そーねー ギリギリまでフォローしないでね」フヒヒヒ

召使「心得ました ではいってらっしゃいませお嬢様」

娘友「ふふふ(エルフさんピュアだわ~あんなに信じちゃって 報告が楽しみ)って時間ヤバッ」

バタバタバタ



223: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 22:50:15.29 ID:ME9Bqf3T0

○数時間後 王都大通り

少年エルフが一人で歩いている。

少年エルフ「……(娘は朝からお城に行ってるから 今日買うしかないけど)」

テクテク

少年エルフ「……(でもパンツを買うなんて……あのお店だよね)」

テクテク



224: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:01:09.80 ID:ME9Bqf3T0

○ランジェリーショップ前

少年エルフ「……」ドキドキ

スタスタ

少年エルフは店前を通り過ぎてしまった。

少年エルフ「しまった つい……(今度こそ)」

スタスタスタタタ

少年エルフは店前を足早に通り過ぎてしまった。

少年エルフ「あぅ もう!(何をしているんだ僕は 娘のプレゼントを買いにきたの! 僕は! よし勢いで行こう勢いで)」ドキドキドキ

タタタタタタタタタ

少年エルフは店前を駆け抜けた。

少年エルフ「あぁダメだぁ……っ!(やっぱり無理ぃ あんなトコロ一人じゃ無理だよ)」ぜーはーぜーはー

少年エルフ「うう ちょっと頭を冷やそう」



225: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:02:30.82 ID:ME9Bqf3T0

○近くのカフェテラス

少年エルフは注文を終えて席で思案に暮れる。

少年エルフ「うーん(よーしまずイメージトレーニングだ イメージ大事)」

――少年エルフのイメージ

店員「いらっしゃいませ」

紳士「やぁ すまないムスメの誕生日祝いにひとつ贈りたいのだがいくつか見繕ってくれないかね? なにぶんこういう店は初めてなので」

店員「それでしたらこちらはいかがでしょう きっと喜ばれますよ」

紳士「よし それを包んでくれたまえ」

店員「ありがとうございます」

――少年エルフのイメージ終了

少年エルフ「よしっ……(大丈夫 娘のプレゼントを買うだけ ヘンじゃないヘンじゃない)」

店員「ミックスジュースのお客さま~」

少年エルフ「あ 僕です」



226: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:03:37.68 ID:ME9Bqf3T0


店員「はい ボク気をつけて飲んでね」

少年エルフ「あ はい……(ボク……)」

店員はジュースを少年エルフの前に置いていく。

――少年エルフのイメージ

少年エルフ「あの ムスメにプレゼントしたいのですが」

店員「え? ムスメ?」

少年エルフ「いえっそのっ 姉です お姉さんにです」

店員「あらー お姉さんにプレゼントするのボク? オマセさんね~」

少年エルフ「あの それでおススメがあったら」カアア

店員「おススメ? お姉さんはどんなのが好きなの?」

少年エルフ「わ わかりません」カアア

店員「じゃあ キミはどんなのが好きなのかな~ こんなの? それともコレ?」フフフ

少年エルフ「あのっあのっ」カアアアアアア

――少年エルフのイメージ終了

少年エルフ「……」プシュ―

少年エルフ「うー もっと身長があったらいいのに」うぐうぐ

少年エルフ「……どうしようプレゼント」



227: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:05:04.71 ID:ME9Bqf3T0

○王城 酒倉

娘は酒倉の扉を開ける。

ギィイ

娘「白竜はいるわよー」

ドタドタドタドタ

\オタスケー/

王城の兵士が中から飛び出してきた。

白竜「あーあ 逃げられちゃったわ」

娘「ちょっと貴方 何やってるのよ」

白竜「何ってお酒をとりにきた兵士の中に中々のイケメンがいたからつい……パクッて」

娘「貴方ねぇ……シャレにならないわよ」

白竜「やーね 甘噛みよ甘噛み たまにはイケメン成分を補給しないと死んじゃうのよ」



228: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:08:19.22 ID:ME9Bqf3T0


娘「よく言うわ それにパパから貴方は雄って聞いてるけど」

白竜「あらやだ でもドラゴンの性別なんて飾りみたいなものよ」

娘「本当かしら?」

白竜「まぁまぁ それで今日は何の用? ただ雑談に来てくれただけでも嬉しいけど 女子トークする? ぶっちゃけちゃう?」

娘「じゃあぶっちゃけてもらおうかしら コレについてね」パアア

娘が集中すると手が光に包まれる。

白竜「あら……キレイねー 何? 新しい魔法?」

娘「……白々しいわね コレは魔法じゃないの」

白竜「……へぇ そうなの 初めて見たわ」

娘「”雷撃”」



229: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:12:08.67 ID:ME9Bqf3T0


バリバリバリ

白竜「いったぁ ちょっとぉ シミになったらどうするのよ!」

娘「嘘をつくからよ 私には『わかる』のよ……それも知ってたんじゃない?」

白竜「……さあ」

娘「白竜 貴方この力について何か知ってるでしょ?」

白竜「んー知ってるような知らないような」

娘「”重雷……”」 白竜「タンマタンマ! 本当に言えないんだって」

娘「言えない…… 知ってるけど言えないのね」

白竜「だって その……色々と制約があるのよドラゴンにも」

娘「300年も寝てたくせに制約とか関係あるの?」

白竜「あら 人間は一晩寝たら昨日の約束は忘れていいの?」

娘「……そう スケールが違うわけね」



230: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:14:21.22 ID:ME9Bqf3T0


白竜「……娘はその力いつから使えるの?」

娘「……(質問はするのね)初めて使ったのは半年ほど前でこないだの戦いでも使えたわ」

白竜「自分の意思で出来るの?」

娘「自分で出来るようになったのは最近よ それにこれが限界」

娘が光に包まれた拳を振ると光の飛沫が酒樽の汚れを落とした。

娘「これじゃ掃除くらいにしか使えないわ……」

白竜「どうやって発動させてるの?」

娘「それは……パパの事を考えると出来るのよ」

白竜「あぁ それで」

娘「でも半年前もこの前ももっとパワーがあったわ」

白竜「ふぅむ」

娘「これをコントロールできないと倒せない魔物がいる…… そうでしょ?」



231: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:19:31.39 ID:ME9Bqf3T0


白竜「……そうね」

娘「だったらこれのコントロール方法を」

白竜「ダメよ! まだダメ」



娘「……『まだ』ね いつになったらいいの? グズグズ出来ないと思うけど」

白竜「そうだけど……」

\娘ー/ 

タタタタタ ドン

娘「うわっと 王女!?」

第七王女が娘に抱き付いてきた。

第七王女「娘~白竜に会いに来たならわらわにも顔を出してくれてもよかろう? なかなか来ないからわらわから出向いたのじゃ」

娘「ごめんなさいね ちょっと話し込んでたから」

第七王女「何を話しておったのじゃ?」

娘「えっとね」



232: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:20:55.59 ID:ME9Bqf3T0


白竜「美白の秘訣についてよ」

第七王女「そうか確かに白竜は白いからのう 参考になるじゃろうの」

娘「まぁ 確かに白いけど……」

白竜「ついでだからコレ塗ってくれない?」

白竜は美容クリームの樽を開けた。

第七王女「うむ まかせるのじゃ」

第七王女はクリームをすくって白竜の背に登る。

娘「ちょっと白竜 王女にそんなことさせてるの!?」

白竜「だって 他の人は怖がってしてくれないもの」

第七王女「一応 白竜はわらわが管理することになっておるからのこれも勤めじゃて」ヌリヌリ

娘「……仕方ないわね 私も手伝うわ」

娘も袖をまくって美容クリームをすくった。

娘「あ……(コレ 友の所の商品だ)」



233: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:25:28.63 ID:ME9Bqf3T0

○大通り カフェテリア

少年エルフ「うーん(本当にパンツとか贈るのが最近の流行りなのかな? 誰かほかにこんなこと相談できるのは……)」

少年エルフの脳裏に妹弟子の事がよぎる。

少年エルフ「……(薬師おきてるかな?)」

少年エルフは公衆電話を探し始めた。

○南の町 女薬師の店

ジリリリリリリン

女薬師「はいはい 何よ二日酔いなのに」

ガチャ

女薬師「本日は臨時休……てエルフ? どしたの?」

少年エルフ「ちょっと相談したいんだけど」

少年エルフは事情を説明した。




234: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:28:31.38 ID:ME9Bqf3T0


女薬師「パンツプレゼント!?」

少年エルフ「やっぱりヘンだよねぇ パンツを贈るなんて」

女薬師「あーでも最近の若いコの流行りかー どうだろ」

少年エルフ「あぁ 薬師は33だったよね わからないか」

女薬師「えぇえぇ どーせ三十路ですよ」ピキピキ

少年エルフ「やっぱり友ちゃんにからかわれたのかなー?」

女薬師「あ でもわたしはショーツとかは贈られるのはアリかな いくらあっても困らないし」

少年エルフ「そうなんだ でもどんなのがいいのか分からないよ」

女薬師「Tよ」

少年エルフ「てぃ?」

女薬師「だからTバックよ オンナ勝負下着はTバックに決まってるでしょ セクシーだしドレスにパンティライン出さないためにも必須よ」※個人的な見解です

少年エルフ「そうなの本当に? じゃあ色は? やっぱり白やピンクがいいかな?」



235: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:31:50.53 ID:ME9Bqf3T0


女薬師「はー分かってないわね 白なんて汚れやすいしピンクなんて子供っぽいじゃない」

少年エルフ「そうなの? じゃあ何色だったら」

女薬師「赤ね」

少年エルフ「あ 赤」カアア

女薬師「黒もいいよね」

少年エルフ「黒ってそんな 娘はまだ16だよ」カアア

女薬師「17になるんでしょ……その年頃なら下着だってもう大人よ エルフは娘のショーツとか見ないの?」

少年エルフ「み 見てないよ」カアア

女薬師「そんなこといって~ こっそり見たりしてないの? こっそり」ニシシ

少年エルフ「見ない! 僕はパパだよ! もーっ からかわないで!」

ガチャン ツーツー

女薬師「ふふ エルフもお年頃になったのねぇ……昔はわたしのパンツも平然と洗ってたのに」

女薬師「それはオンナとして……まぁいいや 考えないでおこ」

女薬師は二度寝しにベットに戻った。



236: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:34:55.34 ID:ME9Bqf3T0

○王都 大通り・公衆電話

少年エルフ「もう 薬師は~」カアア

少年エルフ「うーん(他にこういうことに詳しそうなのは……)」

少年エルフの脳裏にナイスミドルの幼馴染が浮かぶ。

少年エルフ「男……まぁ経験は豊富だよねぇ」

ジーコジーコ



少年エルフ「え? こっちに来てるの?」

兵士A「分隊長は朝から城に用事があるって……女兵士も一緒だし今頃その辺にいるんじゃない? バッタリ会うかも」はっはっはっ

少年エルフ「はあ……わかりました失礼します」

ガチャン

少年エルフ「こっちに来てるっていってもバッタリ会えるわけ……」

男「お? エルフか? どうしたこんな所で」

女兵士「ホントだエルフさん久しぶり~」

少年エルフ「会えたー~!?」

少年エルフは男と女兵士とバッタリ会った。



237: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:37:56.83 ID:ME9Bqf3T0

○再びカフェテラス

男「パンツ!? 誕生日にか?」

少年エルフ「やっぱりそんなの贈らないよね」

\スペシャルロイヤルパフェです/ \うわースゴーイ/

男「いやー 無くは無いかな」

少年エルフ「え!? あるの?」

\スプリングベリーソースのパンケーキ5段です/ \わーい美味しそー/

男「まぁ嫁とか……そういや女騎士にもやった事あるぞネタで」

少年エルフ「それ女騎士さん怒ったでしょ」

男「確かに殴られた でも真っ赤になったアイツ面白かったぞ メッチャ動揺してた」クックックッ

少年エルフ「もう女騎士さん真面目なんだからからかっちゃダメだよ」



238: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:40:28.90 ID:ME9Bqf3T0


男「でも一応受け取ってたから満更でもないんじゃないか?」

少年エルフ「知らないよそんなの」

女兵士「モグモグ あたし貰ってないですよ たいちょー パクパク」

男「ちょっ 食うか喋るかどっちかにしろ ってお前どんだけ食ってるんだ!?」

店員「トリプルフルーツサンデーです」ゴトッ

少年エルフ「まだ食べれるの」

女兵士「少したべます? たいちょーのおごりですし」

男「分かってるなら 少しは遠慮しろよ」

女兵士「エルフさんもどうです? 美味しいですよ」

少年エルフ「いえ 見てるだけでお腹いっぱい」

女兵士「それよりたいちょーあたしは貰ってませんよ~パンツ~」

男「えぇ!? お前が欲しいのか?」

少年エルフ「あの……そんなに贈られたいものなの?」

女兵士「そうですよ~ かわいいのって結構高いですし~動いてると直ぐいたんじゃうし~普段頑張ってるあたしにも下さいよ~ たいちょ~」

少年エルフ「そうなんだ(若いコには普通なのかな?)」

\たいちょ~ たいちょ~/

男「は~仕方ないな 行くかエルフ」

少年エルフ「行くって?」



239: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:42:45.18 ID:ME9Bqf3T0

○ランジェリーショップ

\いらっしゃいませー/

男「ここだ」

少年エルフ「だよね 一緒だと助かるよ」カアア

女兵士「わーカワイイのがいっぱい~いくつまでいいですか? たいちょー」ルンルン

男「一着だけだ!」

女兵士「え~? しょうがないな~たいちょーは~」

男「はぁ……どっちがしょうがないんだよマッタク」

少年エルフ「ねぇ 男って女兵士さんと付き合ってるの?」ボソ

男「はぁ? それは無い」



240: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:47:40.96 ID:ME9Bqf3T0


少年エルフ「でも女兵士さんて男にスゴイ甘えてるよね」

男「たかられてるだけだ…… まぁ親父がわりなんだろうな」

少年エルフ「オヤジガワリ?」

男「あいつは親父がいなかったらしいからな それでだろう」

少年エルフ「そういうものなの?」

男「あとは俺が入隊させたからその責任かな」

少年エルフ「そうなんだ」

男「周りはオンナだからって反対したんだがアイツは力もあるし筋もいいんだ……性格がアレだがな」

少年エルフ「そこまでいう程? 元気でいい子じゃない」

ダダダダ

女兵士「たいちょー どうですか? セクシーでしょー」

下着姿の女兵士が現れた。



241: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:49:16.50 ID:ME9Bqf3T0


少年エルフ「ちょっと!?」カアアア

男「そうだないいんじゃないか 馬子にも衣装だな」ボウヨミ

女兵士「わーい マゴニモイショーだって褒められたー」ニコニコ

店員「お客様! 試着したまま動き回らないでください」

女兵士「はーい ごめんなさい」

トコトコ

少年エルフ「……確かになんていうか天然だね」

男「だろう」しみじみ



242: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/19(土) 23:52:55.17 ID:ME9Bqf3T0


少年エルフ「えっと(僕も娘のを買わないと)あ あの!」

店員「はい」

少年エルフ「あの娘の……その姉に パン……ッを買っていきたいのですが……その」カアア

店員「あら(おつかいかしら?)……はいどのような物をお探しですか?」

少年エルフ「えと……普通に可愛いくて喜びそうなのでいいです」カアアア

店員「はい サイズはご存知ですか?」

少年エルフ「え? サイズ」

店員「はいヒップサイズです」

少年エルフ「えっとえっと(どうしよう……知らない)」




245: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:30:26.84 ID:C4bpCJy50

#10【少年エルフの『P』についての冒険2】



246: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:32:39.52 ID:C4bpCJy50

○翌朝 宿屋・少年エルフの部屋

少年エルフ「ふぁ(……昨日はサイズがわからなかったから結局買えなかったな)」

少年エルフ「んー(サイズか……服ならとにかくパンツのサイズなんて直接聞く分けには)」

コンコン

召使「エルフさま御召し物をお届けにきました」

少年エルフ「はーい」

ガチャ

召使「こちらです」

召使は洗濯した着替えを少年エルフに渡す。

少年エルフ「おっとと いつもありがとう」ニコ

召使「いえ お気遣いなく」ニコ



247: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:33:44.99 ID:C4bpCJy50



バタン

少年エルフ「洗濯ぐらい自分でできたらいいんだけど……ここ(王都)じゃ仕方ないよね」

少年エルフは着替えを畳んでいく。

パタパタ

少年エルフ「あれ? これ娘のだ まざっちゃったかな?」

娘の着替えがまざっている。

少年エルフ「……コレ!?」ドキッ

少年エルフは娘のパンツを見つけた。



248: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:34:49.54 ID:C4bpCJy50

○娘の部屋

娘「っと はいった」

娘は着替えている最中。

娘「またキツクなってる……太ったのかな いやねぇ」

娘はブラをつけようとするが。

娘「……やっぱりこっちも届かないなぁ」ウーン

あと少しというところで手で回らずにホックかかけれない。

娘「どうしよう」

トントン

\娘ー 起きてる?/

娘「パパ? 丁度よかった」

ガチャ



249: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:35:49.13 ID:C4bpCJy50


少年エルフ「これ着替えが混じって――うわぁ!? ゴメン」カアア

バタバタ

下着姿の娘を見て慌てて出ようとする少年エルフ。

娘「まってまって ちょっと手伝ってよ」

少年エルフ「てつだう!?」ドキドキ

娘「後ろ留めてくれない? 届かなくて」

娘は踵を返してブラのホックを見せる。

少年エルフ「これ!?」

娘「うん……ちょっとキツクなっちゃってて」

少年エルフ「わ わかった」カアア

少年エルフは娘のブラのホックを留めた。

娘「ありがとパパ」

シャツを着る娘を見ないようにして少年エルフは尋ねる。

少年エルフ「いつも誰かに留めてもらってるの?」ドキドキ

娘「うーん? 最近サイズが合わなくなっちゃって……少し前に買ったばかりなのに」

少年エルフ「そ そう育ちざかりだしね 新しいの買わないとね」ドキドキ

娘「……そうね パパ今日は買い物行こうか 一緒に?」

少年エルフ「え? 一緒に?」



250: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:38:04.19 ID:C4bpCJy50

○ランジェリーショップ

少年エルフ「うぅ……(二日続けてこの店くるなんて)」カアア

店員にサイズを測ってもらった娘は商品を物色している。

娘「あのサイズだとこの辺りか うーん どっちがいいかなパ……エルフ」

少年エルフ「え! 僕に聞くの!? 娘の好きに決めなよ」カアアア

娘「迷ってるから聞いてるのよ どっちがいいかなこの細い方? それとも薄いやつ? ん?」

少年エルフ「こ こんなの着るの!?」アタフタ

娘「フフ ゴメンゴメンこんなの履かないって でもどうしてここまで一緒に来たの? 表で待ってるかとおもったのに」

少年エルフ「それは……その」

娘「誕生日ね プレゼントに何か買ってくれるつもりなんでしょう」

少年エルフ「べつにプレゼントはまだ早いよ 来週なんだし」ドキドキ

娘「あらそう? (パパ分かりやすい)」フフフ



251: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:39:13.44 ID:C4bpCJy50


少年エルフ「もう……それとは別に買ってあげるから今日は好きなの選んだら」

娘「本当? でもこれでいいのよ お店の再建だってあるんだし無駄遣い出来ないでしょ」

少年エルフ「そうだけど……」

娘「とりあえず選んでくるわ」

少年エルフ「うーん(娘の言う通りだし今回の買い物をプレゼントに…… ダメ! やっぱりちゃんとしたプレゼントを誕生日にあげたい けどなぁ……」

娘「コレとコレと……うわぁコレ素敵」

娘は展示されている白いフリルの付いたパンツを見つけた。

少年エルフ「アレがいいの?」

娘「え? ううん素敵だなって思っただけ アレは私には似合わないわ可愛すぎるし高いわ」

少年エルフ「高いっていったって下着でしょ えっと……えぇ!?」

少年エルフは値札を見て驚く。

娘「コレはウェディング用のアンダーよ 買わなくていいの……あとはコレでいいから」

少年エルフ「そう? そっか……うん」



252: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:40:35.22 ID:C4bpCJy50

○大通り

少年エルフは悩みながら歩く。

少年エルフ「……(娘は絶対アレを欲しがってた けど高すぎるなぁ でも娘が欲しがるのってめったにないし かといって無理に買っても娘は喜ばないなぁ……今の状況だと……」

娘「……(もう いらないって言ったのにアレのこと気にしてるわね 気分を返させて忘れさせないと)」

テクテク

娘「ねぇ そういえば男子の入院してるトコ ここから近いよねお見舞いにいこっか」

少年エルフ「うん? 男子くん? そうだね行こうか」



253: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:42:07.89 ID:C4bpCJy50

○王都中央教会付属病院 男子の個室

ガチャ

娘「具合はどう男子?」

少年エルフ「お見舞いにきたよー」

男子「娘 エルフさんも来てくれたんだ」

男子は体を曲げれないように固定されている。

少年エルフ「動けないと退屈でしょう? 大丈夫?」

男子「確かに退屈です 手は動かせるんですけど」

少年エルフ「そう 元気そうでよかった 今度本か何かもってくるよ」

男子「ありがとうございます」

娘「で 具合はどうなの? 手術は終わってるでしょ」

男子「ああ 終わった けどエルフさんが言った通りに肋骨もいくつか折れてたみたいで 治るのに時間がかかるって」

少年エルフ「内臓までやられなくてよかったよ 本当に運がよかったんだよ」



254: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:42:48.40 ID:C4bpCJy50


男子「心配させてスイマセン エルフさん」

娘「王女や友も心配してたけど 見舞いには来た?」

男子「いや まだ来てないけど……王女は無理だろう城を抜け出てこないと行けないし」

バーン

第七王女「それがどうしたのじゃ」

第七王女が現れた。

男子「王女!? どうやってここに?」

娘友「男子君げんきー?」

少年エルフ「友ちゃんも」

娘「友が案内したのね? いいの? 女騎士さんが困ってるわよ」

第七王女「心配ない 女騎士もそのうちに……」



255: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:43:45.81 ID:C4bpCJy50


ダダダダ

女騎士「ぜーぜー 王女~また勝手に~」

第七王女「ほら来たのじゃ」



女騎士「お見舞いなら私から兄王様に相談して許可をとれますのに勝手に抜け出て……」ガミガミ

第七王女「それが面倒なのじゃ まぁもう来てしまったのじゃから女騎士も見舞いをするのじゃ」

女騎士「まぁ そうですね」

男子「その…… なんかスミマセン」

???「誰だ? 病院でダッシュしてたのは」

女騎士「な゛!?」

男子「父上」

男があらわれた。



256: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:44:52.77 ID:C4bpCJy50



男「さて男子 具合はどうだ?」

男子「手術は終わりました 肋骨が折れてるのでしばらくかかります」

男「そうか……まぁ よくやったな 王女をかばったんだろう」

男子「はい」

男「そうかそうか……うん」



娘友「ぎこちないわねぇ」ボソボソ

娘「昔からこうよ」ボソボソ

少年エルフ「男は近衛兵やってた頃は家に居なかったから」ボソボソ

第七王女「わらわのせいかのう」シュン

女騎士「そんなことはありませんよ王女」



257: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:46:52.06 ID:C4bpCJy50



第七王女「そうじゃ忘れておった お見舞いを持ってきたのじゃ」

第七王女は怪しい瓶を取り出した。

娘友「何それ?」

第七王女「王宮魔術師の連中が隠してた秘薬じゃ コレを飲めば元気一発じゃ」

女騎士「いつの間にそんなものを」

ポン

第七王女がふたを開けるとえもしれぬ臭いが漂う。

少年エルフ「うわ臭い」

娘「ちょっとそれ大丈夫?」

第七王女「もちろんじゃ ホレ」

男「……(この臭いは)」

娘友「……(たまに親父が飲んでるわね)」

男子「はい(こ……これを飲むのか)」



258: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:48:39.89 ID:C4bpCJy50


グイ

男子「ぐ……ッホ ウググ」ゴクンゴクン

娘「うっわ」

少年エルフ「……(きつそう)」

女騎士「……(すまない男子君)」

男子「ケホケホ かっらいですよこれ」

第七王女「良薬は口に苦しじゃ 耐えるのじゃ」

男子「はい……すいません水を下さい……」

娘友「はいコレを……うわっと」

娘友は何かにつまづいてしまい水差しが宙を舞う。

第七王女「あ」

ゴン

男子「あが!?」

バシャアア

水差しが男子の頭に落下して辺りを水浸しにした。



259: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:49:18.16 ID:C4bpCJy50

○廊下

看護師「見舞いに来て怪我を増やさないでください もう!」

バタン

男「着替えとシーツの交換かしばらくかかるな」

娘友「ねぇ売店でもいこっか」

第七王女「ほうなんぞあるかの」

娘「私もいくわ パパ何かいる?」

少年エルフ「ううん いらないよ」

娘「はーい」

娘達は売店に向かった。



260: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:50:43.19 ID:C4bpCJy50



女騎士「しかしこのままだと男子君は次の旅は無理そうだな」

男「まぁ そうだな」

少年エルフ「ねぇ女騎士さん オンナの人ってどんなものプレゼントされると嬉しい?」

女騎士「プレゼントか? 私か?」

男「勘違いするなって 娘が来週誕生日なんだよ」

女騎士「勘違いなんてするか! まぁそうだな……心のこもった手作りの品とかかな」

男「ふっるいし重いよそれは……今時そんなの」

女騎士「うるさいなぁ! お前だって……」

ガチャ

看護師「お静かに! どこだと思ってるんですか」

バタン

女騎士「すいません……」



261: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:52:58.54 ID:C4bpCJy50


男「……あーあ しかられたー」

女騎士「貴様はぁ……」

少年エルフ「落ち着いて今言われたばかりだよ……もう男もそんな言い方しないの」

男「へーい」

女騎士「何度もすまない それにしても娘君は新春祭が誕生日か」

少年エルフ「うん 本当はわからないけどオババが決めたの おめでたい日にしようって」

男「そういえばそうだったな」

ガチャ

看護師「終わりましたよ くれぐれもお静かにお願いします」

男「娘達はまだか」

少年エルフ「先に入っていようよ」



262: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:55:33.45 ID:C4bpCJy50

○男子の個室

ガチャ

少年エルフ「男子君大丈夫?」

男子「はい……あのエルフさん お願いがあります」

少年エルフ「何?」

男子「あの娘の誕生日なんですが今回はこの有様なので行けません すいません」

少年エルフ「そんなの気にしなくてもいいよ」

男子「代わりにプレゼントを渡して貰えませんか そこの引き出しに引換券があります」

女騎士「……(だいぶ前から用意してたのか真面目な子だ)」

男「……(このマメさは誰に似たんだろうな)」

少年エルフ「これだね……ぬいぐるみかな? もうお店には届いてるの?」

男子「はい 店で受け取って当日に渡してください…… かさばるものでお手数ですが」

少年エルフ「これぐらいいいよ いつもありがとうね」



263: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:56:05.94 ID:C4bpCJy50


ガヤガヤ

男「娘たちが戻ってきたぞ」

男子「エルフさん 頼みますね」

少年エルフ「うん」

ガチャ

娘友「あ 終わってる」

第七王女「ただいまなのじゃ ここの売店はすごいのう色々あったのじゃ」

娘「はいパパお土産 男子も」



264: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:57:48.14 ID:C4bpCJy50

○数十分後

娘達はすっかりおしゃべりに夢中になっている。

男「よくもまぁ 長々と喋ることがあるもんだな」

少年エルフ「本当だね」

男子「あのエルフさん すいません」ボソボソ

少年エルフ「どうしたの?」

男子「その…… もよおして来たので看護師を それと娘達を……」

少年エルフ「ああ そうだね 丁度いいしそろそろ帰るよ」

娘「どうしたのパパ?」

少年エルフ「そろそろ戻ろうか 男子くんも疲れたようだし」

娘「あらそう」

娘友「そうね あんまり長居してもアレだし」

女騎士「王女も戻りますよ」

第七王女「仕方ないの 早く良くなるのじゃぞ」

男子「はい」

男「その……明日までは王都にいるし ちょいちょい来るから そのなんだ……必要な物があれば言えよ」

男子「はい 父上」



265: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 20:59:21.18 ID:C4bpCJy50

○廊下

少年エルフ「あ 娘は男と先にいってて看護師さんに挨拶しておくから」

男「わかった頼む」

娘友「エルフさんは気が利くわね」

娘「そりゃパパですもの」

男「なんだそれ」



少年エルフ「あ 看護師さん」

看護師「はい どうしました」

少年エルフ「あの男子くんが その……もよおして来たって」

看護師「わかりました直ぐ行きます」

タタタ バタン

看護師はシビンをもって部屋に入っていった。

少年エルフ「……(あの年頃でシビンは恥ずかしいだろうな)」

\はい下げますよ/ \すいません/

少年エルフ「……(さて戻ろ)」

\なに大きくしてるんですか/ \す すいません何か急に/

少年エルフ「……(えっと)」

\まったく入れずらいでしょうが/ \ちょっと!? そんな無理やり/

少年エルフ「……」

バリ―ン

\あ/ \ギャアアアア/

少年エルフは耳を塞いで足早に立ち去った。



266: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:03:39.46 ID:C4bpCJy50

○更に翌日

少年エルフ「……(ようし 今日こそ)」

娘「パパ どこ行くの?」

少年エルフ「え!? ちょっとそこまでね」

娘「私も行くわ」

少年エルフ「ダメ 娘は待ってて 勉強もあるでしょ」

娘「ふーん」

少年エルフ「……(諦めてくれるかな)」ドキドキ

娘「プレゼント……」ボソ

少年エルフ「!?」ドキッ

娘「そっか……」

少年エルフ「うー(バレてるし~)」カアア



267: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:12:31.91 ID:C4bpCJy50


娘「パパ…… 私は昨日買ってもらった分でいいのよ 本当に」

少年エルフ「そうだけど……その…… 男子くんに頼まれた分を取りにいくんだよ」

娘「あら……(ウソじゃ……ないわね) だったらいいけど」

少年エルフ「じゃあ行ってくるね 見に来ちゃダメだよ」

娘「はーい」

バタン

○大通り

テクテク

少年エルフ「……(確かにパンツは買ってあげたけど あれでいいのかな)」

テクテク

少年エルフ「……(でもやっぱりちゃんとプレゼントしたいなぁ でも一人であのお店は)」

テクテク

少年エルフ「……(とりあえず男子くんのプレゼントを受け取りにいかないと)」



268: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:14:10.06 ID:C4bpCJy50

○ファンシーショップ

店員「こちらですどうぞ」

少年エルフ「ありがとう」

少年エルフは大きな包みを受け取る。

店員「こちらで以上ですか?」

少年エルフ「えっと……(この際 何かプレゼントになるような物ないかな)」

少年エルフは棚にあるソレを見つけた。

少年エルフ「あ」

――パンツよ

――これ素敵ね

――手作りの品とか

少年エルフ「コレ! これ下さい」



269: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:15:59.53 ID:C4bpCJy50

○新春祭当日 王都の宿屋

娘の誕生日会が行われている。

娘友「おめでとう はいコレ」

娘友がプレゼントを渡す。

娘「ありがと こんなに盛大にされたわなんだか恥ずかしいわ」フフフ

娘友「ま 新春祭も兼ねてるからパーッとね」

第七王女「わらわからもおめでとうなのじゃ」

娘「ありがとう これはネコかしら?」

娘は渡された片手を上げた猫の置物を眺める。

第七王女「東洋のラッキーアイテムなのじゃ ご利益があるぞよ」

娘「そうなんだ でも当たり前のように来てるけど…… いいの? お城は?」

第七王女「どうせ三日はやってるんじゃ 今日ぐらい大丈夫じゃ」

娘「そういうものなの?」



270: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:17:32.04 ID:C4bpCJy50


女騎士「ダメですよ プレゼントを渡しにきただけでしょ 王女」

第七王女「もー 女騎士も今日ぐらいハメを外したらどうじゃ」

女騎士「この後の行事くらい真面目にやってくださいよ 王女」

第七王女「むぅ~」

娘「いいのよ 来てくれただけで嬉しいわ」

第七王女「そうか ならよかったのじゃ」にぱー

娘「ふふ」

女騎士「いつもすまないな…… あと私からも 官製品ですまないが」

女騎士は王宮騎士の剣を渡した。

娘「これが王宮の…… ありがとう 使いやすそうね」

男「やれやれ年頃のコにそんなの贈るなよ」



271: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:18:19.50 ID:C4bpCJy50


女騎士「男! 貴様また来てたのか」

男「まぁな 男子の事もあるからな ほら娘」

男は小奇麗な小箱を渡した。

娘「ありがと でもコレ……髪留め?」

男「あぁ 娘はロングにしても似合うと思うぞ」

娘「それは男の好みでしょ まったく 一応もらっておくわ」

男「あと男子からもあるんだ だよなエルフ」

少年エルフ「うん はいコレ男子くんから」

少年エルフは大きな包みを渡した。

娘「まったくあのバカは律儀なんだから それに何よコレ」

プレゼントはウサギのぬいぐるみだった。

娘「もう17だってのに ホント……センスないわねいつも」フフフ

少年エルフ「僕からも はい」

少年エルフもラッピングした紙袋を渡す。



272: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:21:55.77 ID:C4bpCJy50


娘「パパ……今年はいいって言ったのに ありがとう」

少年エルフ「えへへ でも気に入ってくれるかな 自分で作ったから……」

ガサガサ

娘「あら これは手作りの……マフラー? じゃないわね」

娘は少年エルフのプレゼントを広げた。

男「うお マジか」

女騎士「エルフ君が編んだのか!?」

娘友「あらー そうなっちゃった」

娘「これって……」

第七王女「ほう キレイな毛糸のパンツじゃのう」

娘は純白の毛糸のパンツを手に入れた。



273: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:23:34.82 ID:C4bpCJy50


少年エルフ「や やっぱりヘンだったかな」

娘「そんなこと無いわ ありがとうパパ」フフフ

少年エルフ「ホント!? よかった」ニコニコ

娘友「でもこれすごいわね フリルみたいなのもついてる…… それに結構エ口イ」

少年エルフ「え エ口イってそれはその お店のを真似てつくったから その」アタフタ

娘「わかってるわパパ 友もヘンな言い方しないの」

第七王女「いいのう わしもそういうの欲しいのう エルフわらわには無いのか?」

女騎士「王女 そんなワガママいってもエルフ君が困るだけで……」

少年エルフ「ああ それなら練習につくったのがあるけど欲しい? ちょっとサイズが小さくなっちゃったんだ」

娘「え!?」

娘友「ちょっと!」



274: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:30:14.74 ID:C4bpCJy50


少年エルフは一回り小さい毛糸のパンツを渡すと第七王女は服の上からそれを履いてみせた。

スパーン

第七王女「うむ ぴったりじゃ ありがとうエルフ 娘もこれでお揃いじゃな」ニコニコ

娘「……」

男「うわちゃー」

女騎士「その…… なんだ…… 本当にすまない」

少年エルフ「ん? そうだ余った糸でみんなにもマフラー作ったからよかったら……」

娘「もうっ パパのバカっ!!」

少年エルフ「ええー!?」

男「わかってないなエルフは……」

娘友「ちゃんちゃん」



275: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/03/26(土) 21:31:36.23 ID:C4bpCJy50

○後日

少年エルフ「うぅ……やっぱりパンツがいけなかったかな」ぐすぐす

男「……いやお前 それ以前の問題だぞ」



娘友「あーらら でもそれどうするの履くの?」

娘「当たり前じゃない パパがくれたのよ」

娘友「でも毛パンになるなんてアタシも想像してなかったわ~」

娘「あらだったら何になる予定だったの?」

娘友「そりゃあエ口エ口のウッヒッヒなパンツにって…… ちょっとまって 何その手は」

娘「そりゃあ 誰かがパパに何か言わないとこうはならなでしょう? でしょ友?」

娘友「えーと そりゃ相談には乗ったけど決めたのはエルフさんだし」

娘「召使さんか誰かに尾行させてたでしょ」

娘友「えっとその……はい 痛くしないでね」

ガッ

娘のアイアンクローが娘友の頭を締め上げる。

\ギャアアアア/




278: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:20:37.92 ID:RNa4UsCX0

#11 甦るキンパラ伝説 ~砂漠の遊球~



279: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:22:37.99 ID:RNa4UsCX0

○砂漠の遺跡

砂嵐が吹きすさぶ砂漠の遺跡で調査員達が発掘を行っている。

ザッザッ ガチン!

調査員A「むっ…… これは? まさかこれが」

ピロリ―ン ピロピロピロ

調査員A「こいつ動くぞ!?」

謎の音と光の明滅が放たれる。

調査員B「なんの音ですかコレ!? ヤバいんじゃ……」

ジャラララ……

\うわーオタスケー/

調査員Bは逃げ出した。

調査員A「まったくあいつは それよりもこれが都を滅ぼした幻の」

ジャラララ ジャラララ

\なんだ!? うわああああ/



280: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:25:01.19 ID:RNa4UsCX0

○王都新聞

『第七王女一行 温泉地で火山見物』 魔王調査隊こと第七王女とその愉快な仲間たちは温泉で有名な谷の国を遊行してきたもよう。 ちょうど数百年に一度の大噴火を見れたためか第七王女は実に満足した様子で先日凱旋された。

○王城・第七王女の部屋

バサッ

女騎士「また小さくなってますね」

第七王女「なんじゃとお! わらわ達があの火山爆発の危機を救ったのいうのになんじゃこの扱いわ!?」

第七王女は悔しさのあまり地団駄を踏む。

娘友「かなり詳細に書いたんだけどねー 信じてもらえなかったかな? 溶岩のバケモノなんて」

娘「そうね そんなの聞いたことないしにわかには信じてもらえないでしょうね」

第七王女「ぬうう……ぬ? なんじゃこの記事は?」

女騎士「こっちですか? えっと『幻の都の調査隊が行方不明。 一人戻ってきた調査員によると行方不明になる直前に謎の石版を発掘していたとのこと。 ヒドイ興奮状態のため真偽のほどは不明。 この調査隊には高名な学者が参加しており……』

第七王女「それじゃ!」



281: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:27:20.53 ID:RNa4UsCX0


女騎士「え?」

第七王女「幻の都の謎を解くのじゃ」

娘「でもそれ魔王と関係あるの?」

第七王女「ある!」

少年エルフ「なんでわかるの?」

第七王女「カンじゃ!」

女騎士「あぁ もう またそういう思いつきで」

第七王女「しかし現に行方不明者がおるではないか おそらく魔物の仕業じゃ」

娘友「まー ないとは言い切れなわね」

第七王女「じゃろう? それに幻の都ならわらわも文献を読んだことはある 300年程まえに砂漠で滅びたという都じゃ……300年前なら魔王のいた時代じゃなんらかの関係があるのやもしれぬ」

女騎士「さすがにそれはこじつけでは…… 第一にどうやって砂漠までいくつもりですか?」

第七王女「それは……」



282: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:29:57.07 ID:RNa4UsCX0

○王城・酒倉 ホワイトドラゴンの部屋

第七王女「と いうわけで調査員が消息をたった砂漠の遺跡に行きたいのじゃが乗せてっておくれ」

白竜「いーやーよ! 砂漠なんて紫外線だらけじゃない 絶対行かない」

娘「いうと思った」

少年エルフ「普通に行けないの?」

娘友「普通にいくとなったら大森林に山脈越えでしょ? 迂回してたら1ヵ月はかかるわね」

女騎士「そんな長期間の調査は兄王でも流石に許して貰えないな」

第七王女「お願いじゃー山を越えるところまででもいいからー」

第七王女がホワイトドラゴンの顔面にしがみついて頼み込む。

白竜「だーめ いくら王女の頼みでも砂漠は無理よ 最近は乾燥にも気を使ってるの 行くメリットが私にはないわ」

\たーのーむー/ \だーめーよー/



283: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:32:43.97 ID:RNa4UsCX0


娘「無理そうね プランの練り直しが必要なんじゃない?」

娘友「フッ 仕方ないわね アタシにいい考えがあるわ」

少年エルフ「どうするの?」

娘友「乾燥にお悩みのようね それなら最近売り出したコレ知ってる?」

娘友は小さなカップを取り出す。

白竜「あら それは?」

娘友「最新の美容泥パックよ 使ってみる?」

白竜「本当? ちょっとつけてよ」

娘友「肌ケアと美白が出来て保湿成分もたっぷり お肌に必要な栄養も入ってるわ」ぬりぬり

娘友は説明しながら白竜の指先に泥パックを塗り広げる。



284: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:34:40.83 ID:RNa4UsCX0


白竜「すごいじゃない これもケアメニューに入れなきゃ」

娘友「でもねーこれは原料がとっ……ても少なくて大量生産できないのよ」

白竜「そんな!?」

娘友「そうよねー でもその原料の泥っていうのは…… オアシスの泥なのよ」

白竜「オアシス…… 砂漠の?」

娘友「そうよ そろそろいいかな」ぺリぺリっ

娘友は泥パックをはがした。

白竜「……」

ホワイトドラゴンは指先で肌の感触を確かめる。

つやつやしっとり

白竜「……(いい)」

娘友「そこまでいったら泥パックし放題なんだけど まぁ白竜は砂漠とか行かないからムリよね~」



285: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:36:40.75 ID:RNa4UsCX0

○夜間・大森林上空

びゅごおおおお

白竜「ま 夜明けまでに着けば問題はないわよね~」

一行を乗せた馬車を掴んだホワイトドラゴンが飛んでいる。 背中にも数名が乗っている。

○白竜の背中

第七王女「しかしこう暗くては景色が見えんのう」

男「残念だな」

女騎士「見えん方がいいわい」ガタガタ

男「お前 高いところダメなクセになんでここに居るんだ?」

女騎士「それは私は王女の近衛兵だからって どうして今回はお前が一緒なんだ!?」



286: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:38:30.68 ID:RNa4UsCX0


男「まぁ 男子は養生中だしなその代わりだ こないだ呼ばれたのはそのこともあったんだぞ」

第七王女「そうじゃったか しかし男といっしょは久しぶりじゃのう」

男「そうだな 昔はよくこうして馬に乗せてたな…… それが今じゃドラゴンに乗ってるなんてな はっはっは」

第七王女「はっはっは そうじゃろうそうじゃろう」

女騎士「ぬぬぬ」

びゅおおお

グラッ

第七王女「ひゃっほー」

女騎士「きゃああああああああああ」

グギギギ

女騎士は男の首に抱き付くが強すぎて男の首が絞まる。

男「ちょっ お前 首が」

白竜「ごっめーん ちょっとゆれたわ」

第七王女「かまわぬ それよりただ飛ぶのはツマランのじゃ 一回転とかできんのか?」

白竜「出来るわよ~ 挑戦する? 5連続とかバレルロールも出来るわよ」

女騎士「待て待て待て! やめろムリだお願いだからー!!」

ギュウウウ

男「」ぱくぱく



287: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:40:13.52 ID:RNa4UsCX0

○白竜が掴んでいる馬車の中

娘「上が騒がしいわねー」

少年エルフ「王女がまたワガママ言ったみたいだよ」

娘友「むしろ女騎士さんの叫びが聞こえたんだけど」

娘「もうすぐ夜明けね……」

地平線から太陽が昇ってくる。

少年エルフ「うわっ すごいキレイ」

娘友「ホント すごいわー」

白竜「もう日の出!? ちょっと飛ばすわよー」

少年エルフ「え ちょっと」

娘「つかまって!」

娘友「うほおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

白竜は急激に速度を上げて降下しはじめた。

\きゃあああああああああああああああああああああああああああ/



288: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:41:37.54 ID:RNa4UsCX0

○オアシス

ざぶーん

ホワイトドラゴンはオアシスの泉に飛び込む。

白竜「じゃ この中にしばらくいるから 帰る時は言ってね」

白竜はオアシスの泉に潜っていった。

第七王女「最後はオモシロかったのう」

娘「そう言ってるのは王女くらいよ」

娘友「娘もしっかりしてるじゃない…… まったく」

少年エルフ「帰りは安全第一にしようよ」ガクガク

女騎士「まったくだ しぬかと思った」ガクガク

男「それはこっちのセリフだ 絞め殺されるところだったぞ どこぞのゴリラに」

女騎士「貴様ァッ! 誰がゴリラだ!! くっ 腰が……ぬけた」ガクガクブルブル



289: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:42:57.58 ID:RNa4UsCX0


男「……すまん 生まれたてのゴリラだったか ぶふっ」

女騎士「このっ!」

ブオン!

女騎士は手近にあった樽を投げつけた。

男「ぐげっ」

ドボーン

女騎士が投げつけた樽は油断した男を泉にぶち込んだ。

男「ぶわあああああ がばっ お前俺が ごぼごぼ 泳げな ゲボゲボ 知って ブクブク」

女騎士「しばらくそうしていろ」

第七王女「まぁ ぬけた腰が戻るまでじゃな」

女騎士「王女!」カアア

第七王女「かっかっか」



290: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:44:19.18 ID:RNa4UsCX0


少年エルフ「もう 男はいつまでたっても子供なんだから」

「……」

妙な沈黙が流れる。

少年エルフ「なに? ヘンなこといった?」

第七王女「なんでもないのじゃ 気にするでない」

少年エルフ「なに? なんなの?」

娘「それでここからどうするの? 馬車で来たけど馬はいないわよ?」

娘友「馬車はここに置いておくわ ここからはキャラバンよ」

少年エルフ「キャラバン?」

娘友「砂漠の隊商よ 紹介状があるから同行させてもらえるはずよ」

第七王女「こんな異国までに知り合いがいるのか? 友は本当に顔が広いのう」

娘友「ま 親父のツテだけどね 『立ってる物は親でも使え』っていうのよ」



291: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:45:26.98 ID:RNa4UsCX0

○砂漠の遺跡

第七王女「あっついし 何もないのう」

娘友「ほんとー 砂ばっかりだし どこに何があるのよ」

男「うーむ 調査員って単純に遭難しただけなんじゃないか?」

女騎士「……ありうるな」

娘「パパは何か感じる?」

少年エルフ「うん……なんだろ? このへんかな?」

少年エルフはそう言いつつ辺りの砂を掘る。

サッサッ

第七王女「何かあるのか?」

少年エルフ「なんていうのか…… 何かあったような感じはあるっていうのか 何だろコレ?」



292: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:46:51.67 ID:RNa4UsCX0

少年エルフは砂の中から小さな銀玉を見つけた。

娘友「なにこれ? 真珠じゃなさそうね」

少年エルフ「ただの金属の玉みたいなんだけど 微かに魔力を感じるよ」

娘「……本当ね 何かの部品かしら?」

女騎士「これだけでは何があったのかはわからないな」

男「仕方ないな 暗くなって来たしそろそろ宿営の準備をするか」

少年エルフ「どうして? あっちに町があるでしょ?」

男「おいおいエルフ こんな砂漠の真ん中に町なんてあるわけないだろ」

少年エルフ「だって音がするし ほら明かりも」

少年エルフが指さす方には夕闇の向こうにいくつもの明かりが見えた。

第七王女「なんじゃ? どういうことじゃ」

娘友「うーん もしかしたら……」



293: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:47:57.16 ID:RNa4UsCX0

○砂漠の市場

娘「ここは」

娘友「砂漠の市場ねバザールでござーる」

少年エルフ「すごーい店がいっぱいある」

第七王女「おおお 色々珍しいものもあるのう なんじゃこれは」

女騎士「ちょっと! 勝手にウロウロしないでくださいよ」

男「こんな所で市場があるとはラッキーだなしばらくはここに滞在できるぞ」

娘友「そうね アタシが手続きしてくるわ」

女騎士「私も行こう 王女を頼むぞ」

男「まかせろ」

娘友と女騎士は市場の関係者を探しにいった。



294: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:50:17.63 ID:RNa4UsCX0

少年エルフ「人もいっぱいだね ここなら何か情報があるかも」

娘「そうね でもパパ気をつけてよ ここは抜け目ない商売人ばかりなんだからエルフ族ってばれないようにしてね」

少年エルフ「もう わかってるよ」

男「そうだな バレたら耳をちょん切られるぞ エルフ族の耳は高値で売れるらしいじゃないか」

少年エルフ「ちょっとコワイ事言わないでよ」プルプル

男「エルフ族は貴重だからな耳どころが人さらいにさらわれてもの好きに売ら」

娘「男いい加減にして ”帯電”」

バリバリバリ

男「はばぁ!?」

娘の電撃魔法で男は感電した。

娘「パパを怖がらせないでよ」

男「ったー スマンスマン でも実際そんなことがあってもおかしくないから気をつけろよ」

少年エルフ「わかった」ぎゅ

少年エルフは帽子を深くかぶり直して耳を隠す。



295: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/09(土) 16:51:39.40 ID:RNa4UsCX0


第七王女「のう あの大きなテントはなんじゃ?」

男「あれは? サーカスか何かかな?」

少年エルフ「サーカス! すごい見たい」

第七王女「わらわもじゃ!」

娘友「残念だけどあれはサーカスがじゃないわ」

娘友たちが手続きを終えて戻ってきた。

少年エルフ「え~」

娘「じゃあ何なの?」

女騎士「あれは移動カジノだそうだ」

第七王女「カジノ!!」

男「本当か!!」




298: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:18:34.16 ID:gCXOCJVJ0

#12 旧知との遭遇



299: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:27:40.12 ID:gCXOCJVJ0

○カジノ

第七王女「カジノじゃー」

女騎士「走らないでください」

少年エルフ「ここがカジノ?」

娘「その割には……」

娘友「全然人がいないわね」

店内は客もまばらで活気がない。

男「なぁ 兄ちゃんどうなってるんだ?」

店員「今はあちらのコーナーが流行りです こっちはさっぱりでさ」

男「みんなあっちに行ってるのか?」

店員「はい 古代遺跡から発掘されたという伝説のゲームだそうで」

少年エルフ「発掘されたゲーム?」

男「まさか そういう売り文句なんだろう」

店員「まぁ 本当かどうかわかりませんが今の技術では作れないマシンだそうです 古代人かドワーフが作ったとかなんとか」

娘友「ホントかしら?」

娘「見ればわかるわ」

男「行ってみるか」



300: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:44:10.42 ID:gCXOCJVJ0



ジャラララ ピーン ピロピロピロピロ

男「はー」

少年エルフ「っー ナニコレ凄いうるさい」

少年エルフは耳を抑えて顔をしかめている。

娘友「これがスロット? ピンボールとスロットが合体してるじゃない!? なんて斬新な」

第七王女「これが発掘されたゲームなんじゃな」

男「王女もきたのか」

第七王女「人がおらんとツマランのじゃ」

男「だよな」

女騎士「しかしこれがカジノか?」

ピロピロピロピロ ジャジャーン オオアタリ― ヤッタネ

\よっしゃあああ/ \43番台のお客様スタートです/ \あーちくしょう/

ずらりと並んだ古代マシンと人の列の中は大音量の機械音と歓声や罵倒を絶えず流し続けている。

娘「こんな所いられないわ 出ましょうよ」

娘は少年エルフの耳を抑えながら言う。

???「おやおや 慣れれば大丈夫ですし面白いのは補償しますよ」

女騎士「あなたは?」

支配人「わたしはこの古代スロットの支配人です」



301: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:47:01.31 ID:gCXOCJVJ0



支配人「この古代スロットはパチンコスロットというマシンでして私が遺跡から掘り出しました。 言葉どおりの掘り出し物でしたよ ほっほっほ」

女騎士「掘り出した? 貴方が?」

支配人「ええ 私は以前学者でしてね これを見つけたときにこの仕事に転職しました」

女騎士「では行方不明の発掘員というのは貴方では?」

支配人「おや? そんなことになってますか? 後で連絡をしないといけませんかね」

男「なぜ急にカジノの仕事を?」

支配人「そりゃあこのマシンを有効利用するためですよ」

男「このゲームはどうやって遊ぶんだ?」

支配人「お教えしますよ こちらにゴールドを入れると玉を借りられますのでこれを弾いて途中のゲートに入れて下さい」

第七王女「こうじゃな」ピロリ―ン



302: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:50:52.00 ID:gCXOCJVJ0


女騎士「ちょっと王女」

第七王女「少しくらいいいじゃろ? のう男」

男「仕方ないな 大目にみてやれよ」

女騎士「少しだけですよ」

第七王女はパチスロをプレイしはじめた。

ピーン ジャラララ ポポーン

第七王女「おお スロットがまわったのじゃ」

支配人「はい 真ん中のゲートに玉が入るとスロットの抽選が始まりますあとは普通のスロットと大体同じですが奇数になると確変といって連続で当たりがでますよ」

娘友「そんなんじゃPB率高くならないの?」

支配人「それはどうでしょうね 台によって確立は違いますし釘…… この盤面の突起ですがこれの角度もそれぞれ違いますので」

娘「ふーん でもこれって楽しいの?」

支配人「そりゃあ当たった時の爽快感が魅力ですよ ぜひ体験してみてください」

第七王女「よーし あててやるのじゃ…… ありゃ玉が無くなったのじゃ」

女騎士「はい おしまいですよ」



303: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 22:55:56.74 ID:gCXOCJVJ0


第七王女「女騎士― 当てるまでじゃー」

女騎士「そんないつまでかかるかわかりません ダメです」

第七王女「男ー」

男「んー じゃあこれを使い切ったら終わりにするんだぞ」

男は第七王女にいくらか渡した。

女騎士「こら 貴様がそうやって王女を甘やかすからわがままになったんじゃないか?」

男「だからといって何もかもダメにしていいってもんなじゃないだろう 加減ってものが……」

\アーダコーダ/

娘友「あらーなんだが夫婦ケンカみたいねぇ」

女騎士「ふ!? ふぅうふ!!」カアアア

男「おいおい 勘弁してくれどうしてこんな前世がゴリラみたいなや」

女騎士「貴様ぁ!!」

ドゴォン



304: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:03:36.56 ID:gCXOCJVJ0


男「ウボァッ!」

女騎士の右ストレートが男の顔面をとらえた。

女騎士「不愉快だ! しばらく王女を任せたぞ」スタスタスタ

女騎士は歩いていってしまった。

娘友「あちゃー 男さん大丈夫?」

男「あたた 効いたなぁ エルフ回復魔法をって エルフはどこいった?」

娘友「娘とどっかいったわ」

男「そうか 仕方ない耐えるか」

\アッタリ― ヤッタァ/

第七王女「おおおおおおおおお やったのじゃ 大当りじゃ!」

ジャラジャラ

娘友「当たったの? スゴイじゃない!」



305: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:06:42.34 ID:gCXOCJVJ0

○別の列 娘と少年エルフ

娘「エルフ大丈夫?」

少年エルフ「うん だいぶ慣れてきたよ」

娘「この辺りは空いてるわね」

娘と少年エルフは空いている席に座る。

少年エルフ「ふーんこれが古代スロットかぁ」

少年エルフはパチスロをしげしげと眺める。

娘「これが発掘品なら 今回はただの観光になりそうね」

少年エルフ「うーん でもこれ機械と魔力の半々で動いてるね こんな複雑な構成初めてみるよ」

娘「そうなんだ ヘンな感じはしないの?」 

少年エルフ「……あるようなないような ヘンな音はしてるけど」

娘「音? イヤな感じはしない?」

少年エルフ「……ないと思う」

娘「じゃあ本当にただのゲームなのかしら」



306: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:07:49.31 ID:gCXOCJVJ0


少年エルフ「そういえば拾った玉ってここの玉だよねぇ」

少年エルフは拾った銀玉を取り出した。

娘「やってみる? ここに入れるみたいよ」

少年エルフ「こうかな えい」ピーン

ピロン ピロピロピロ

少年エルフ「あ はいった」

娘「そうね」

ピコーン ジャジャジャジャーン

\オオアタリー ヤッタネ/

少年エルフ「え?」

娘「あら当たったみたいね」

ジャラジャラジャラ

少年エルフ「うわわわ」

店員「おめでとうございます 95番台のお客様スタートです」

少年エルフ「え?え?」



307: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:08:51.04 ID:gCXOCJVJ0


オッサン「すげーな ボーズ」

オバチャン「やるじゃない」

ガヤガヤガヤ

周りに人垣ができる。

娘「ちょっと 何よ?」

少年エルフ「え?え? あの……どうぞ」

少年エルフは逃げ出した。

オッサン「いいのか!? おおおお」

オバチャン「ちょっとアタシにかわったのよおおお」

ドヤドヤ

当たり台の取り合いがはじまった。

少年エルフ「うわー悪い事したかな?」

娘「いいんじゃない そろそろ王女たちの所へ戻りましょ」

少年エルフ「そうだね」



308: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:16:07.74 ID:gCXOCJVJ0

○第七王女たちが遊んでいる列

第七王女「なんで出ないのじゃー」ドンドン

\台をたたかないでください/

男「ほら 機械にも怒られてるぞやめるぞ王女」

ピロピロピロ……ピロン

娘友「ああ~~外れた~ くっそー」

娘「友までやってるの?」

娘と少年エルフが戻ってきた。

娘友「娘 いいところにちょっと貸」娘「ダメ」

娘友「ここまでやって負けらんないのよ~」

少年エルフ「もう二人とも止めておいたら?」

男「あれ 女騎士は一緒じゃないのか?」

娘「あら 居ないの?」

男「そうだが…… エルフ少しいいか?」

少年エルフ「いいよ ちゃんと謝っておいで」

男「うーむ できたらな」



309: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:19:58.91 ID:gCXOCJVJ0

○数分前 別の列

女騎士「まったく……男はいつもいつも」ブツブツ

女騎士は王女たちとは別の台の通路を歩いている。

女騎士「王女も第二王女や第三王子と居た時は素直だったのにアイツのせいで……」ブツブツ

ピーンピロピロピロン

第三王子「……あぁ またダメか」

女騎士「せめて旅に出た第三王子が戻って下されば……って 第三王子!?!?」

第三王子「……あれ女騎士かい? どうしたのこんな所で」

女騎士「どうしたもなにも 第三王子こそ何してるんですかこんな所で!?」

女騎士は放浪の第三王子を見つけた。

第三王子「うーんなんていうか なんだろうねぇ」

女騎士「でも見つかってよかった王国に帰りましょう 第七王女と一緒に」

第三王子「ナナちゃんも来てるのかい? そうかー 困ったなぁ」

男「どうした知り合いか?」

男がやってきた。



310: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:22:41.71 ID:gCXOCJVJ0


男「第三王子!?」

第三王子「男もきてたんだ」

男「久しぶりじゃないか 王国には戻らないのか?」

第三王子「うーん そろそろ顔をだしたいとは思うんだけどねぇ」

男「どうした? 何か問題か?」

第三王子「そうだね~ お金貸してくれない?」




311: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/16(土) 23:26:05.53 ID:gCXOCJVJ0


女騎士「借金!?」

男「500万もか?」

第三王子「うーんそういうことになってるみたい」

女騎士「そんな金額いったいどうやって?」

男「酒を飲みながらカジノで遊んだんじゃないか?」

第三王子「なんで分かったの? 男はすごいね」

男「マジか…… 困ったな」

第三王子「でしょう」

女騎士「それなら王国に連絡して……」

男「やめろ 兄王が本気で第三と縁をきっちまうぞ」

女騎士「う……」

第三王子「だよねぇ…… それでここで働いてるんだけど金額が金額だからね」

男「それでスロットで当てて返そうってか」

第三王子「そう! だけどそれが上手くいかないんだコレが」

男「だろうな……しかしそんな大金本当にどうしたら」

女騎士「……わかりました 私にお任せください」

第三王子「ホント? 助けてくれるの」

男「おい どうするつもりだ?」




314: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:02:27.92 ID:DErFfb7H0

#13 貯金よさらば



315: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:05:06.46 ID:DErFfb7H0

○翌日・娘達のテント

女騎士「済まない…… 支度金を使いこんでしまった」

女騎士が真っ青になって報告をした。

娘友「ええ! 女騎士さんも!?」

男「『も』ってお前達まさか……」

第七王女「わらわもじゃ」

男「オイオイオイ じゃあ今いくらあるんだ」

娘友「ハーイ アタシもスッカンピンですー」

娘「明るくいわないでよ 私とパパは使ってないわ」

男「俺もいくらかあるが…… 女騎士の支度金が大半だったよな 厳しいよな」

女騎士「うぅ すまない……」



316: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:07:49.28 ID:DErFfb7H0


少年エルフ「終わったことだし仕方ないよ それより女騎士さん鎧はどうしたの?」

女騎士「はう」

第七王女「そういえば剣もないのう どうしたのじゃ?」

女騎士「ぎゃふ」

男「……質に入れたんだ 表ざたになるとマズイから他に言うなよ」

娘「現役の近衛兵がカジノで使い込みの上に装備を担保にしていたなんて……」

娘友「バレたら大問題ね」

女騎士「」ぱくぱく

男「おいおいそんなにいじめるな 無駄に真面目だからな 大丈夫か女騎士?」

女騎士「ぉ……ぉぅ」



317: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:10:09.39 ID:DErFfb7H0


娘「で どうして女騎士さんがそこまで負けこんだの? 訳があるでしょ」

男「……言わないでおこうとも思ったが仕方ない おーい王子」

第三王子「やっぱ言わなきゃだめか~」

第三王子があらわれた。

第七王女「三兄ぃ! 三兄ぃなのじゃ!」

ダダダ ガシッ!

第七王女は第三王子に飛びつく。

第三王子「あっはっは 七ちゃん久しぶり~大きくなったねぇ」

少年エルフ「王子って王女のお兄さんなの?」

娘友「第三王子ってあの第三王子!?」

男「そうだな 各国を遊学中の第三王子だ」

第三王子「はっはっは 遊学だなんて 兄貴とケンカしてそのまま出てきただけだよ」

少年エルフ「そうなの?」

男「とにかく王家で一番フリーダムな方だ」

第三王子「そんなに褒めないでよ 照れる」

女騎士「褒めてません」



318: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:13:34.31 ID:DErFfb7H0



男と第三王子はいきさつを説明した。

男「というわけで王子には借金がある」

第三王子「それを返し終わらないと市場から離れられないんだよね~」

第七王女「よーし みんな三兄ぃを救い出すのじゃ」

娘「とはいっても」

娘友「お金絡みだし いつものように魔法でドーンとはいかないわよねぇ」

男「だよなぁ」

少年エルフ「具体的にどうするの? お城にバレずに500万なんて大金どうやって」

「「「うーん」」」

娘友「お困りのようね皆さん」

娘「友?」

男「何か方法があるのか?」

娘友「こういう格言を知ってる『目には目を歯には歯を』」



319: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:15:32.46 ID:DErFfb7H0


少年エルフ「えっと?」

娘友「やられたら同じモノでやりかえすってことよ」ボソ

少年エルフ「そうなんだ」

女騎士「しかし今回の事ではそれは……」

娘友「そうよギャンブルにはギャンブルで……あのパチスロを完全攻略してやろうじゃない!」

第七王女「おお! そうじゃ攻略してやるのじゃ 負けっぱなしでは気がスマンのじゃ!」

女騎士「そうか! よーしやるぞ!! 剣を取り返すぞ!」

「「おおー」」

第三王子「うわー 頼もしなぁ」

少年エルフ「……これでいいの?」

娘「攻略って簡単にいうけど そんなの出来るものなの?」

男「……ワカラン」



320: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:16:53.74 ID:DErFfb7H0

○三日後

娘友「今日は5万勝ったわよー」

第七王女「やったのじゃー」

男「少し勝率があがったな」

女騎士「友君が常連から打ち方を教わったらしい」

少年エルフ「へー やり方があるんだ」

――貯金15万G



321: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:18:48.64 ID:DErFfb7H0

○一週間後

男「9万近く負けたぁ!?」

女騎士「うう 面目ない……」

少年エルフ「えー 攻略法を見つけたんじゃなかったの?」

娘友「……ただ効率よく打つだけじゃダメね 台の見極めが出来ないと」

第七王女「まだまだ修練が必要ということじゃな」

男「しかしこの分だと稼がないとやっていけないぞ」

少年エルフ「うーん 明日からどこかのお店で働こうか?」

第三王子「だったらウチの店なら紹介できるよ 僕も働いてるし」

娘「仕方ないわね 私とパパで働くわ」

男「俺も何か出来る仕事を探すわ」

第七王女「ぬう スマンのう……必ずや攻略法を見つけるからの」

――貯金2万G



322: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:20:32.31 ID:DErFfb7H0

○10日後

女騎士「やったー大勝利よー」

第七王女「安売りしてるから買い物にいこうぞ」

第三王子「行こう行こう!」

男「コラコラコラ 勝ってるからって無駄使いするんじゃない」

女騎士「いいじゃないかたまには息抜きも必要だ」

男「どうした女騎士まで!? 最近おかしくないか?」

女騎士「フフフ そうか? まぁ私も新境地に達したということだ」

男「どんな境地だよ まったくまだまだ400万近く必要なんだぞ」

第三王子「いいじゃん 明日また勝てばいいんだから 順調順調」

娘友「そうよ だから今日は買い物よー」

第七王女「おおー」

女騎士たちは買い物へ出かけていった。

少年エルフ「あーあ いいの?」

男「一体どうしたんだアイツら」

娘「王女や友はとにかく 女騎士さんは異常ね…… やっぱり何かあるわね」

少年エルフ「そうだとしたらどうするの?」

男「しかしなぁ 貯蓄は順調だし…… まだ様子をみるか」

娘「男がそういうなら」

――貯金89万G



323: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:22:13.90 ID:DErFfb7H0

○2週間後

女騎士「うああーよこせー! 今日こそ勝つんだー!」

男「バカ野郎 これは晩飯代だろうが」

女騎士が男にすがりついている。

娘友「うわーヒドイことになったわね」

第七王女「負けこんだからのう」

第三王子「いやー 困ったねぇ」

娘「アナタ達ねぇ…… まったく」

少年エルフ「それにしても女騎士さんがやっぱりヘンだよね」

娘友「依存? マジメな人ほどなるんだっけ?」

男「とにかく落ち着け! 娘なんとかしてくれー」

娘「仕方ない…… ”睡眠”」

ポワン

女騎士「次は勝て……りゅ……」スピースピー

女騎士は眠ってしまった。

男「まったく」

――貯金160G



324: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:23:28.78 ID:DErFfb7H0



男「すまん助かった」

女騎士を寝床に寝かした男が戻ってきた。

少年エルフ「あの真面目な女騎士さんが……ギャンブルってコワイね」

娘「それでどうするの? このまま続けるの?」

男「うーむ 考え直した方がいいな」

第七王女「考え直すとしてもどうやってじゃ? 兄上に頼るのか?」

第三王子「え~」

娘友「それにもうすぐ市場の移動が始まるわよ カジノもそれに合わせて最後のイベントやるらしいし」

少年エルフ「イベントって?」

娘友「パチスロ王決定戦よ」

少年エルフ「パチスロ王?」

第三王子「制限時間内で出玉勝負をするんだよ」



325: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:24:32.48 ID:DErFfb7H0


第七王女「優勝賞金として100万Gあるのじゃ」

男「それでも500万には足らないぞ」

第七王女「だったら400万分打ち勝てばいいんじゃ」

男「そんな都合よく勝てる見込みがないのはこないだ負けたのでわかってるだろ」

第七王女「むうう」

男「第一に参加するにも元手がないじゃないかどうするんだ」

娘友「じゃあさ この無駄に買ったアイテムの数々を売っぱらいましょ」

娘「やっと片付ける気になったのねソレ」

娘友「よく考えたらいらないし てへぺろ」

男「元手はそれでいいとして…… バックアップが必要だな」

少年エルフ「負けたら王子さんも連れてかれちゃうしね」



326: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/23(土) 23:26:35.96 ID:DErFfb7H0



娘「ねぇパパ 私たちも今から行ってみない?」

少年エルフ「僕が?」

男「娘も挑戦するのか?」

娘「いえ…… それより確認したいことがあるの パパとね」

男「そうかお前達なら大丈夫だろうし…… エルフも何か異変に気付くかも知れないな 頼んだ」

娘友「じゃあアタシは売ってくるついでに何か情報ないか調べるわ」

男「おう」

第三王子「僕らはどうしよっか」

第七王女「三兄ぃわらわ達も調べに行かぬか わらわなりの方法で」

第三王子「そうだねぇ 怪しいかなーと思ってたところもあるし 行ってみようか」

男「王子何するつもりだ? 無茶はしないよな」

第三王子「しないよ~ 七ちゃんとちょ~っと見て回ってくるだけだよ」

男「……わかった じゃあ俺は」

少年エルフ「女騎士さんを見ててね」

男「……そうかそうなるか」

娘「そうよ じゃ準備が出来たら行きましょ」




329: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:40:18.57 ID:1f0vPP/w0

#14 そして無一文へ



330: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:41:27.36 ID:1f0vPP/w0

○夜・カジノ

ジャラジャラジャラ

少年エルフ「こんな時間なのに人が結構いるね……」

\ううー あうー/

店内の客は生気なく銀玉を弾いている。

娘「女騎士も最近はこんな感じよね」

少年エルフ「そうなの?」

娘「少し前に迎えに行った時にこんな感じでやってたわ」

少年エルフ「そうなんだ……なんていうか楽しいのかな あれで?」

娘「そうは見えないわね」

ピロピロピロピロ―ン

ジャラジャラジャラ

客「ぐふっぐふふふ」

少年エルフ達は当たり台の客の前まできた



331: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:42:39.71 ID:1f0vPP/w0


娘「ここは当たってるわね」

少年エルフ「……なんだか怖いんだけど」

娘「ねぇエルフ……ボソボソ」

少年エルフ「え? まぁやって見るけど……」

少年エルフは当たり台に近づく。

娘友「何かあった? 娘」

娘友がやってきた。

娘「友 もう売って来たの? 早かったわね」

娘友「まぁ若干買いたたかれたけどね…… それで情報を仕入れてきたけどやっぱりここ変だわ」ボソボソ

娘「というと?」

娘友「ここ数日ほとんどの客が負けっぱなしなのよ それなのに客足は増えてるの」

娘「それはギャンブル依存なんじゃないの?」

娘友「それともう一つはアレよ」



332: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:43:54.33 ID:1f0vPP/w0

娘友が指さすホールの中央にはクリスタル制の透明な箱が設置され、警備兵が四方を固めている。 箱の中には金貨が大量に積みあがっているのが見えた。

娘「なにあれ 金庫?」

娘友「このパチスロの売り上げは全部あそこに転送される仕組みだって 数日前からあんな風に設置されてるとか」

娘「趣味わるいわね」

娘友「まぁ派手だし客の射幸心を煽ってるらしいわ」

娘「それにしてもスゴイ量ね」

娘友「それよ なんでも他のカジノがどんどん店を畳んでるんだって」

娘「他のカジノが?」

娘友「ここに客を全部取られてるから……とも考えられるけど 他のカジノの従業員までこのパチスロをプレイしにくるんだって」

娘「……異常なまでの人気なのね」

娘友「人気だけならいいけど 破産する人も出てきたし市場のほとんどの人が働かずにここに通ってるって」

娘「まってまって それじゃあこのカジノに市場の人やお金が集まっての?」

娘友「そ あの金庫にね」

娘「それであんなに……」



333: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:44:53.00 ID:1f0vPP/w0

少年エルフ「友ちゃんも来たの?」

少年エルフが戻ってきた。

娘友「ええ ところで娘もエルフさんもやらないの?」

少年エルフ「うーん どうしよ」

娘「友やるの?」

娘友「まぁちょっとだけね」

娘「ちょっとねぇ……(友も若干依存なのかしら)」

娘友「じゃあこの台で……」

娘「まって友」

娘友「ん? 何?」

娘「エルフ どう?」ボソボソ

少年エルフ「んー あれかな」ボソボソ

娘友「なになに?」

娘「ねえ友」



334: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:45:48.03 ID:1f0vPP/w0



ピロピロピロ―ン

娘友「よっしゃー確変きたああああ」

娘「まったく……元気ねぇ」

少年エルフ「そろそろ戻らないと」

支配人「おやおや アナタ達はやらないのですか?」

少年エルフ「ヒャ!?」ビクッ

支配人があらわれた。

娘「あら支配人さん 私達はオババ……保護者から賭け事はするなって厳しく言われていたので」

支配人「そうですか ですがたまにはいいものですよ」

娘「でもそろそろ閉店なんじゃないですか?」



335: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:46:31.12 ID:1f0vPP/w0

支配人「そうなんです…… なのでお客さま 確変のところ申し訳ありませんが……」

娘友「ええ!? まだこれからなのよ! 最後までいいじゃない」

支配人「しかし規則ですのでこれ以上は……ねぇ」

支配人は手を娘友にかざした。

ホワワワ

娘「!?……ッ (今なにか妙な気配が)」

少年エルフ「!!」ブルブル

娘友「うぁ~ そうね仕方ないわね」

娘友は手を止めて玉箱をもってカウンターへ歩いていく、どことなくうつろである。

娘「……(友があんなにすんなりと……妙ね)」

支配人「それでは本日はこれまでですので」



336: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:47:03.65 ID:1f0vPP/w0


娘「そうね 帰りましょエルフ……? エルフ?」

少年エルフは真っ青になっている。

少年エルフ「え!? あぁうん帰ろっか」

少年エルフは娘をひっぱって走りだす。

娘「ちょっと?」

タタタ



337: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:48:02.80 ID:1f0vPP/w0

○少年エルフ達のテント

男「支配人が魔物!?」

少年エルフ「最初あった時には感じなかったんだけど…… 魔物みたいな魔力を感じたんだ」

男「魔物がなりすましているのか魔物に憑りつかれているのかどっちかか」

少年エルフ「たぶん憑りついてるかな? 体は人間みたいだったし」

娘「友はさっきなにかされてたけど大丈夫なの?」

娘友「さっき? ん~よくわからないわ」

娘「大丈夫みたいだけど もう友はアレをやらない方がいいかもしれないわね」

娘友「えーそんな」

男「そうだな それにしても支配人が憑りつかれているとなると王子達は大丈夫かな?」

少年エルフ「王女たちまだ戻ってないの? 何処に行ってるの?」

男「お前達と同じくカジノさ」

少年エルフ「でもいなかったよ?」

男「まぁいうなればカジノの裏だな」

少年エルフ「それって……」



338: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:49:05.92 ID:1f0vPP/w0

○閉店後のカジノ

支配人「では保管庫に戻しておきなさい 私は少し出ます」

警護兵「了解です」

ガラガラガラ

支配人と警備兵が金庫を動かして出て行った。

ゴトッ

第七王女「よーしいったの」

第三王子「暗いから気をつけるんだよ」

シュタ

天井裏から第三王子と第七王女が降り立った。

第七王女「潜入成功じゃな」



339: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:49:42.56 ID:1f0vPP/w0


第三王子「ふふっ 昔もこんな風だったねぇ」

第七王女「そうじゃのう三兄ぃ よく一緒に城を抜け出したのう」

第三王子「七ちゃんがここまで出来るようになるなんて思ってなかったけど」

第七王女「それは三兄ぃの教え方がよかったのじゃよ」

第三王子「教えていたわけじゃないけど…… まあいいか」

第七王女「にしてもあの金庫は移動式じゃったんじゃな」

第三王子「そうだね どこに行ったのか見に行こうか」



340: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:50:13.44 ID:1f0vPP/w0

○カジノ裏 保管庫テント

カジノから出た別のテントに金庫の保管庫が設置されており見張りが立っている。

第七王女「ひいふうみい……四人も見張りがおるのう」

第三王子「見張りが多いのは単純だけど効果的な措置だね あれじゃあ近寄れないや」

第七王女「ふーむ ならば次は支配人を調べるのじゃ」



341: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:50:59.33 ID:1f0vPP/w0

○支配人の部屋

第三王子「誰も居ないね どこ行ったんだろ」

第七王女「むしろチャンスじゃ 悪事の証拠を探すのじゃ」

第三王子「別に悪事をしてるって決まったわけじゃ」

第七王女「あんなに金をため込んでおるのは悪事をしておるに決まっておる 時代劇ではだいたいそうじゃ」

第三王子「時代劇って…… 今は現代だよ七ちゃん」

第七王女「時代は続いておるのじゃ…… とこれは帳簿ではないな日記かの?」

第三王子「んー日記というより調査記録だね」

第七王女達は古代遺跡の調査記録を手に入れた。



342: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:52:02.84 ID:1f0vPP/w0

○古代遺跡の調査記録

XX月X日
 ついに現地に到着した。 すぐに調査をして発掘箇所を選定せねば、幻の都の痕跡がこの砂の下にあると思うと興奮して疲れなど気にしていられない。

XX月△日
 発掘をすすめる、遺物がぞくぞくと出てくるが目当ての物が出てこない……都を堕落させて滅亡に追い込んだという遊戯板だ。 遊戯で町が滅ぶなど突飛な話に聞こえるだろうが数々の文献が残っている。 実物を発見して証明したい。

XX月□日
 とうとう発見した古代の遊戯板だ、なんと30枚も見つけたがまだまだ埋まっている。
 なぜか助手がいなくなってしまったので作業には時間がかかる。 そういえば今朝の記憶があいまいだが何をしていたのだろう? そんなことより早くこの遊戯板を全部掘り出さねば。

○○月XX日
 おかしい最近の記憶が途切れている。 私はいつカジノに来たんだ? ここで何を? あの音は一体なんだ? 動いているのか?

■■■■

う■さい■■んだこの音は これはわた■■(これ以上は判別できない)



343: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:53:16.21 ID:1f0vPP/w0

○少年エルフ達のテント

第七王女「ということらしいのじゃ」

娘「これは支配人さんの最後の記録ね」

男「この日付だと俺たちが初めて会った時にはもう憑りつかれていたようだな」

第三王子「へー あのオジサン魔物だったの? なんだか急にカジノに来たと思ったらアレヨアレヨと支配人になってたけど」

男「王子 支配人がカジノに来た時を知ってるのか?」

第三王子「知ってるよその頃にはすでに借金あったから」

男「まったく…… それでどんな様子だった?」

第三王子「スゴクお金が必要だってことであの古代スロットを売り込みにきて自分も雇ってくれって来たんだ。 オーナー達はためしに遊んだらすぐにのめりこんでたよ」

娘友「それであの地位に上り詰めたのね この短期間に」

第七王女「そんなにも人を虜にするとは 魔性のゲームじゃのう」



344: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:54:03.18 ID:1f0vPP/w0

娘「魔物に魔性のゲーム それにしても目的は何かしら? 人をギャンブル中毒にすること?」

男「ギャンブル中毒に? それで何の得があるんだ?」

娘友「お金を巻き上げてはいるみたいだけど」

娘「お金稼ぎする魔物…… 魔物がねぇ?」

男「うーむ」

少年エルフ「……ねぇ友ちゃんはさっきさ途中で止められちゃったけど それはどうして?」

娘友「さっき? それは……閉店だったし」

娘「でも普段ならあんな簡単に諦めないわよね? 大当りの最中だったのに」

娘友「そうね あんなチャンスだったのに…… なんだか急にやる気がなくなったというか」

少年エルフ「”欲しくなくなった”んじゃない?」

娘友「そうね……そうかも でもなんで」

少年エルフ「『欲』だよ 『欲』を取られたんだよ」



345: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:55:11.96 ID:1f0vPP/w0



男「支配人に憑いてる魔物は『欲』を吸い取るのか」

少年エルフ「たぶん スロットゲームはその媒体なんだよ」

娘「欲を引き出した上で吸い取ってるわけね」

娘友「それで客に生気がなかったのかな みんな目がウツロだったしね」

第三王子「たしかにのめりこんでる人ほど楽しくなさそうだったね」

第七王女「そうじゃな女騎士も最後はなにかに追われるかのようだったしの」

男「しかし正体が見えてきたとしても どうするんだ? 借金があるのは事実だしな」

第七王女「なにをいっとる 女騎士や他のものがこんな状態になっておるではないか あのカジノは危険じゃ なんとかするのじゃ!」



346: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:58:15.16 ID:1f0vPP/w0

男「なんとかするといってもな 追い詰められてるのはこっちだぞ 金がないしな」

第七王女「むうぅ」

娘友「お金がない…… そうよ! それよ」

第七王女「何か思いついたのかの?」

娘友「無一文になったら困るのよね」

男「そりゃ誰だってそうだろ」

娘友「だったら…… みんな無一文になればいい」ニヤリ




349: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:37:06.28 ID:d/Y516WV0

#15 古代カジノをぶっつぶせ



350: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:37:43.83 ID:d/Y516WV0

○最終日・カジノ

支配人「それではこれよりパチスロキング決定戦を行います これが今季のラストゲームですので存分にお楽しみください」

\ウオオオオ/

客がなだれ込み座席がどんどん埋まっていく。

男「始まったな のんびりしてていいのか?」

娘「大丈夫よ パパも居るし」

男「王女と王子は?」

娘友「二人ともクタクタで休んでるわ」

男「そうか後は娘が優勝するだけだが……」

娘「そうね そろそろ行くわ」

女騎士「ああうー 私もやるんだーああ」

女騎士は興奮している。

男「こらお前は 止めておけ」



351: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:38:11.43 ID:d/Y516WV0


娘「最後だしいいんじゃない? 何かあったら男が止めたらいいし」

女騎士「そうだよな いいよな? ほら放せ」

男「……これが終わったら戻ってくれるんだろうな? ほら」

男が女騎士を離すと手近の台で遊びはじめた。

女騎士「うふふ うふふ」

男「……本当に頼むぞ 娘」



娘「さてどれにしようかな」

娘はゆっくりと歩く。

少年エルフ「やーめた あっちのが良さそう」

少年エルフが遊んでた台を切り上げて移動する。

娘「じゃあここでやるわ あまりものには福があるのよ……えーとこうかしら?」

隣の客「なんだい姉ちゃん初めてかい? 最終日なのに」

娘「そうね ビギナーズラックって奴をとっておいたのよ」

隣の客「はっはっは そんなの当てにするのかい」




352: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:38:43.42 ID:d/Y516WV0


ピロピロピロ―ンジャジャジャーン

店員「17番台のお客様スタートしました」

ジャラジャラジャラ

娘「あら箱を交換するのも大変ね よいしょ」

支配人「おめでとうございます こちらに積んでおきますね こちらのお客様の対応を」

店員が玉箱を交換して積んでいく、すでに10箱は積まれていた。

隣の客「すげぇな ホントに当てやがった」

支配人「……(ビギナーズラックか まぁ長くは続くまい)」

第七王女「娘ー どうじゃ?」

少年エルフ「うわー すごいことになってるね」

第七王女と王女がやってきた。

娘「まぁ見てのとおりよ エルフは移動するの?」

少年エルフ「そうだねここの王様目指してがんばるよ」

娘「あらそう……私も移動しようかしら」



353: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:39:12.83 ID:d/Y516WV0



娘「やっぱり角はよく出るわねー」

ジャラジャラジャラジャラ

角の台に移動した娘は再び確変を当てていた。

支配人「おめでとうございます あちらに置きますので――(こ こいつは出し過ぎだなんとかしないと)」

娘友「いいながめねー 玉箱のピラミッドよ」

娘の玉箱は20箱以上になっていた。

○数時間後

支配人「お おめでとうございます(なぜだ!? 何が起こっている!?)」

ジャラジャラジャラジャラピロピロピロ―ン

娘「ふわぁ また当たったわね」

「すげぇ どこまで出すんだ?」「クイーンだパチスロクイーンじゃ」「あれはいくらになるんだ?数百万にはなるんじゃないか?」

娘の周りには人だかりができて成り行きを見守っている。

娘「みんな疲れてきてるだろうし これでコーヒーをお願い 全員にね」

店員「かしこまりました」

娘は玉箱をひとつ渡して全員分のコーヒーを注文した。

支配人「(おかしい絶対なにかしている?) あのお客様すこしこちらへ」

娘「あら? まあいいわ少し休憩がてらに」



354: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:39:44.06 ID:d/Y516WV0



女性店員「特に怪しいところはありませんでした」

支配人「なに!? 本当か?」

娘「じゃあ 問題ないわね じゃあ続けるわ…… そうそうお金ちゃんと用意しておいてね そこそこの額になると思うから」

支配人「ぬううううう」

ジャラジャラジャラジャラジャラ

店員「15番のお客さまスタートでーす」

引きつりながらも娘の確変を知らせる店員の声が響く。

支配人「バカな」



店員「そこまで 時間終了となりますー」

娘「あら 終わり? 仕方ないわね」

確変中の台を後にして娘が宣言する。

娘「どう見ても 私の優勝ね? 賞金と換金をお願いできるかしら?」

支配人「ぬううう そ それではこちらへ」

脂汗を流しながらも営業スマイルを浮かべて金庫へ向かう支配人。



355: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:40:10.97 ID:d/Y516WV0


支配人「いくらだ?」

店員「計上中ですが300万以上はあります」

支配人「その程度ならば……少ない額ではないが」ぐぬぬ

ガチャ

支配人が金庫を開ける。

少年エルフ「やったね あれ全部もらえるの?」

娘「そうじゃないわ……下ごしらえは出来てるのよね?」

第七王女「もちろんじゃ 見ものじゃぞ」



支配人「よし 運びだせ」

ボゥ

支配人「ん?」

ボオオオオオオオオオオオォン

支配人「か 金があああああああ」



356: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:41:11.70 ID:d/Y516WV0


なんと金庫の中の金貨が燃えだした。

\うわあああああ/

支配人「金 俺の金が!!」

あっというまに火は消えカードが一枚残された。

カード『悪徳にまみれた金を頂戴したのじゃ byセブンガール』

支配人「な!? バカな…… ふざけやがって」

空になった金庫の中支配人は怒りに震える。

娘「それで 換金と賞金はどうなるのかしら?」

支配人「そ それは」

娘「お金なくなっちゃったみたいね~ だったらこのカジノを商品にもらおうかしら」

支配人「何!? カジノを」

娘友「それとここのカジノが持ってる債権もね」

支配人「なんだと!? そんな」

第七王女「さあ観念するのじゃ」

支配人「ぐぬぬぬぬ」



357: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:41:55.65 ID:d/Y516WV0



店員「支配人」

女性店員「支配人どうしますか?」

支配人「……やらん」

店員「え?」

支配人「やらんやらんやらんやらんぞおおおおおおおおおぼぼああぁぁ!!」

支配人が叫ぶと口から銀色の煙が、いや銀玉が吐き出された。

\キャアア/

男「なんだ!?」

娘「正体を現したわね」

銀玉の塊「ここはワシのカジノだワシの金だワシがゲームだああ」

娘友「きゃああ!」

少年エルフ「危ない 伏せて」

パチスロ台が飛び交い銀玉デーモンに吸い寄せらせていく。



358: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:42:47.17 ID:d/Y516WV0


ガコンガコンガコンガコン

なんとパチスロ台が合体してその巨体がテントを突き破った。

 \うわああああ/

男「みんな逃げろ 崩れるぞ」

ドドドドド



\グオオオオオ/

パチスロゴーレムが現れた。



361: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:07:47.77 ID:fFF01Ozk0

#16 誰がために金はふる



362: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:08:57.39 ID:fFF01Ozk0

正体をあらわした欲望の銀玉デーモンはパチスロゴーレムを操り娘たちに襲い掛かった!

パチスロゴーレム「ヤッタネ オオアタリィイ!!」

ジャラジャラジャラ

一抱えもある大型の銀玉が辺りに降り注ぐ。

ドドドドドン

\うわあああ/ \キャアアア/

少年エルフ「うわあああ」

娘「パパあぶない」

ガキン

女騎士「大丈夫かエルフ君」

男「女騎士」

少年エルフ「ありがと もう大丈夫なの?」

女騎士「ああ憑き物が落ちたようだ 迷惑をかけて済まなかった」

男「ホント迷惑だったぜ 泣き叫んでねだるお前は……」

ドゴン



363: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:10:31.38 ID:fFF01Ozk0


女騎士「いや 本当にすまなかったな うん」

男「ごふっ…… ま゛ぁ終っだごどだ それよりあの親玉をどうするかだ」

女騎士「さっきのはとんでもない攻撃だが あんな大技連続では出せまい 今がチャンスだ」

男「おい むやみに突っ込むな」

女騎士はパチスロゴーレムに向かって駆け出す。

女騎士「醜態をさらされた恨み晴らさせてもらうぞ」

ダダダ

ジャラララ

女騎士「い?」

吐き出された銀玉がパチスロゴーレムに戻っていく。

女騎士「うおお? なんだなんだ」

大量の銀玉に流されて女騎士はパチスロゴーレムに吸い込まれてしまった。

\うわあああ/

男「あーあ」

娘「大丈夫かしら」

再びパチスロゴーレムが激しい光と音と共に銀玉を吐き出す。

パチスロゴーレム「フィイバアアアアア!!」



364: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:11:15.80 ID:fFF01Ozk0

ジャラジャラジャラ

女騎士「――いやああああああああああ」

女騎士も銀玉と一緒に吐き出され空高く舞い上がった。

第七王女「すごい高いのう」

娘友「ホントねー」

娘「のんきなこと言ってる場合!?」

キンキン

男「やばいな」

ガキンガキン

娘と男が銀玉を防ぎながら言う。

少年エルフ「あのままじゃ落ちちゃうよ」

男「本当に世話のやける」

ダダダダダ

男が落下地点へ駆け出す。



365: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:13:52.51 ID:fFF01Ozk0

女騎士「ひゃああ しぬうううううう」

男「うおおお」

ドドォン ゴロゴロゴロゴロ

男は女騎士を受け止め転がり衝撃を相殺した。

ガバっ

女騎士「わわ 生きてる助かった」

男「当たり前だ はやくどいてくれ重いぞお前 筋肉ばっかりつけてるから余計におも――」

ドゴン

女騎士「ババカヤロー 誰のせいでこうなったと 誰のせいでっ」カアアアア

ドゴンドゴン

マウントポジションで拳を振るう女騎士。




366: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:14:52.36 ID:fFF01Ozk0

少年エルフ「助かったみたいだね」

娘友「男さんやるわね~」

第七王女「女騎士には怒られてばっかりじゃがのう」

娘「そうでもないんじゃない」

少年エルフ「そうなの? あ 戻ってきた」

女騎士と男が戻ってきた。

女騎士「重ね重ね迷惑をかけた」しょんぼり

少年エルフ「怪我しなくてよかったよ」

男「あたたた しかしあれでは近づけないぞ」

娘「だったら魔法ね ”重雷撃”」

カッ ドンガラガッシャーン!!

パチスロゴーレム「ビビビビビビ!!」

第七王女「やったのかえ?」

パチスロゴーレム「ダイヲユラサナイデクダサーイ」

ジャラジャラジャラ



367: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:15:50.56 ID:fFF01Ozk0

少年エルフ「うわぁ!」

娘友「きゃあ!」

男「これくらい跳ね返して」

ガキン

バチバチバチ

男「あばばばばばばっ!」

男は感電してしまった。

娘「あちゃー」

少年エルフ「帯電しちゃってるね」




368: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:16:36.74 ID:fFF01Ozk0

パチスロゴーレム「フィイイバアアアアア!!」

ジャラジャラジャラジャラ

確変モードになったパチスロゴーレムから激しく銀玉が飛び出す。

女騎士「くっ」

ガキンガキン

男「おらおらおら」

ガキンガキン

娘「ちょっと コレ」

ガキンガキン

降り注ぐ銀玉を防ぐので手一杯である。

娘「いつまで続くのよコレ」

第七王女「なにか打開策はないかのう」

少年エルフ「市場にも被害がでてるよ」

\わーーー/ \ぬわーー/

ガシャン どこーん パリーん

あちこちで悲鳴と破壊音が響く。

娘友「ああ~ もったいない」



369: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:17:56.45 ID:fFF01Ozk0

ガシャン ドカァン

女騎士「王女たちは下がっててください」

第七王女「この程度に当たるわらわでないわ」ひょいひょい

軽々と回避する第七王女。

娘友「きゃあ!」コケ

易々と転倒する娘友。

第七王女「友!」ビュビュッ

カカン

投げナイフを放って銀玉をそらした。

娘友「ありがと王女」

第七王女「うむ 早く立つのじゃ」

娘友「って 危ない!」

第七王女の後ろから銀玉が飛んできた。



370: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:19:08.34 ID:fFF01Ozk0


娘友「えいっ!」

娘友はとっさに金貨袋を投げつけた。

ガシャァン バラバラ

第七王女「む!?」

銀玉「マネマネマネ……」

しゅしゅしゅ

娘友「消えた……?」

第七王女「ふむ? いや元の銀玉に戻ったようじゃ」

第七王女は砂の中から元の大きさになった銀玉を拾いあげた。

第七王女「物欲が満たされると元に戻るのかもしれんの」

娘友「そう……だったら」



371: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:20:17.50 ID:fFF01Ozk0



少年エルフ「”風防波”」ギュルル

バシュ バシュシュン

男「エルフ後ろ!」

少年エルフの背後から銀玉が飛んでくる。

少年エルフ「うわぁ」

娘「”炸裂”」

ドドォン

銀玉「キェァー」

銀玉は魔法に弾かれてどこかへ飛んで行った。

少年エルフ「ありがと助かったよ」

娘「危ないから離れないでよ パパ」ぎゅう

少年エルフ「ちょっとちょっとくっつき過ぎ はなれて」カアア

男「しかしキリがないな どうする?」

娘「わたしの雷魔法で……」

少年エルフ「でも効いてないかも……」

娘「そうなのよね」



372: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:21:18.11 ID:fFF01Ozk0

第七王女「ここで真打じゃ」

男「王女?」

娘友「よーし 皆さんいいですかー」

交易商たち「「おおー」」

第七王女と娘友が商人たちを引き連れてきた。

少年エルフ「何するの?」

女騎士「あの銀玉の弱点を見つけたそうだ」

ガラガラガラ

第七王女と娘友が交易商たちを指示して大砲を持ってきた。

少年エルフ「うわぁ 大砲だ」

男「しかしそれなら娘の魔法の方が……」

娘友「まぁ見ててよ 用意はいい?」

\よっしゃー/

第七王女「よーし うてぇー!!」

ドドーン



373: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:24:18.68 ID:fFF01Ozk0

○パチスロゴーレム・コックピット

ヒュ―ン ドドン

銀玉デーモン「む 大砲か? そんなもので」

バラバラバラ ガシャンガシャン

着弾したあたりからパチスロゴーレムが崩れている。

銀玉デーモン「なんだ!? なぜパチスロ台が? あの弾は……カネか!?」

○砂漠

第七王女「よーし効果は抜群じゃー どんどん撃つのじゃー」

ドドォン ドドォン

交易商たちが次々と金貨袋を大砲に詰めては撃ち出していく。

男「これはすごいな」

少年エルフ「うわー キラキラだー」

娘友「ゴールドシャワーよー」

娘「派手ねー」

キラキラキラ

パチスロゴーレム「ウオオオオオン」

ガラガラガラ

動力源の銀玉が次々と魔力を失い、体を構成するパチンコ台が崩れ落ちる。



374: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:26:32.01 ID:fFF01Ozk0

○パチスロゴーレム・コックピット

\物欲パワー低下 物欲パワー低下/

警報が鳴り響くなかで銀玉デーモンは悪態をつく。

銀玉デーモン「くそ! こんな」

ガラガラガラガラ

\物欲パワー低下 両腕崩壊シマシタ/

銀玉デーモン「ああ ちくしょう」

\飛翔体接近 飛翔体接近/

銀玉デーモン「なんだ!? うお!!」

ガラガラガラ

モニターを覗き込もうとしたとたんにモニターが崩壊してコックピットが露出、娘が飛んで来るのが見えた。

銀玉デーモン「おのれえええ」

娘「これで店仕舞いよ ”重雷撃斬”」

ガガガ ジャシャアアアン バリバリバリバリ

銀玉デーモン「ぐああああ カネが 俺のカネェエエエエエエ!!」

真っ二つにされた銀玉デーモンにさらに金貨が降り注いでいく。

半壊したパチスロゴーレムがよろめき砂漠に倒れていく。

ズドドドォオオン

銀玉デーモンとパチスロゴーレムを倒した。



375: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:27:25.40 ID:fFF01Ozk0



少年エルフ「娘ー」

タタタ

娘「パパ」

ひゅるるる

落下する娘を少年エルフが受け止めようと駆け付ける。

少年エルフ「えーい ”旋風”」シュルル

バホォン

風をクッションにして娘を受け止める少年エルフ。

少年エルフ「うわぷぷっ砂かんじゃった」

娘「ふふふ パパの魔法効いてるから着地できたのに」

少年エルフ「あ…… そうだったね」カアア

娘「でもありがと パーパ」ギュウウ

少年エルフ「ちょっとはなれて あーつーいー」カアアアアア



376: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:28:14.54 ID:fFF01Ozk0



男「よーし 娘も無事のようだな」

第七王女「うむ これで一件落着じゃな かっかっかっか」

第三王子「ふわぁあ 終わった?」

あくびしながら第三王子がやってきた。

女騎士「王子!? 何処にいたんですか?」

第三王子「んー? 寝てた」

女騎士「あの騒ぎの中で……」

男「まぁ第三王子だしな」

第七王女「さすが三兄ぃじゃ」

娘友「誉めてるのそれ?」

第三王子「ちょっと見ない間にすごいことになったねー 金貨だらけだ」

砂漠に金貨が散らばっており交易商たちが総出で拾い集めている。



377: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:29:32.16 ID:fFF01Ozk0

男「商売人はたくましいな……あんなの気が遠くなるぜ」

女騎士「そういえばこの金貨の出どころは何処なんですか? まさかまた借金が……」

第七王女「それは大丈夫じゃよ のう三兄ぃ」

第三王子「そうだね それよりお腹すかない? ご飯にしようよ」

男「そうだな 動きっぱなしで腹ペコだ」

娘友「娘たち読んでくるわ」

タッタッタ

女騎士「ちょっと!? なんか話をそらしてない?」

男「そんなに怒るな余計に腹が減るだろう? それともあれか? まさかお前あのh」

ドゴォン

女騎士の正拳突きが男を吹っとばした。

女騎士「違うわ! バカ」




381: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:19:04.86 ID:nAPh1dIk0

#17 グランド・アビエーション



382: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:22:55.98 ID:nAPh1dIk0

○夜・少年エルフ達のテント

食事をしながら女騎士が事の顛末を聞いた。

女騎士「当たり台がわかってたぁ!?」

娘「まー そういうことね」

女騎士「どうやって?」

少年エルフ「んとね 音がね聞こえてて」

女騎士「音ぉ?」

男「つまり当たり設定の台の音がエルフには聞こえたんだと」

女騎士「えぇ!?」

娘友「わかったのは少し前なんだけどね もっと早くに解っていれば……」ニタリ

娘「友 顔があくどいわよ」

娘友「ホント? てへぺろ」

娘「かわいくないから」

娘友「ぎゃふ」



383: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:26:52.75 ID:nAPh1dIk0

女騎士「でも実際に勝ってたのは娘君じゃないか それはどうして?」

娘「私はパパから当たり台を教えてもらってたのよ」

少年エルフ「そう いろいろ雑談みたいにしてね」

娘「だから台移動した後に当たってたでしょう 私自身には何もないからカジノ側も見抜けなかったのよ」

女騎士「ううむ言われてみれば…… それで娘君が勝てたのは分かるとして 最後にあの大砲の金貨? どこからあんな大金が」

第三王子「そりゃあ あるところから借りたんだよ」

女騎士「あるところって…… そういえば金庫のお金が無くなりましたがまさか盗んで――」

第七王女「違う違う 盗んでなどおらん 隠して偽物と『すり替えた』だけじゃ」

女騎士「それは盗んだっていうんですよ! なんですか二人とも王族としてのっ……」

第三王子「いやいや 本当に盗んではいないよ 保管庫にずっとあったんだもの」

女騎士「はぁ!?」



384: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:30:49.38 ID:nAPh1dIk0


 第三王子は説明する。
 金庫は昼間はカジノに夜は保管庫に警備と共に移動しており近寄れなかったが、警備のいない昼の保管庫に侵入してテントの下に穴を掘って偽金と共に待機。 金庫が戻ってきたら金貨を偽物と入れ替えて朝をまって脱出したという、金貨はそのまま床下に隠したままに。

女騎士「じゃあ金貨が燃えだしたのはなんなんです?」

第七王女「あれはフラッシュペーパーで出来ておったんじゃ パッと燃上がって煙もほとんどでない優れものじゃ。 ああしておけばまるで盗まれたように見えるじゃろう」

女騎士「そんな都合のいいモノがどこで」

娘友「ここは天下のバザールよ たいていの物は手に入るわ」

女騎士「じゃあ最後に撃ち出した金貨は」

第七王女「そうじゃ 娘が優勝して本来得るはずの金貨を保管庫から引っ張りだしたのじゃ だから問題はないのじゃ」

第三王子「セーフだよセーフ」

女騎士「ううむ……それなら いや……なんだろう納得が」

男「まぁ ゆっくり考えろ。 お前は長い事憑りつかれていたわけだし」

女騎士「うっ 言うな……」



385: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:35:50.31 ID:nAPh1dIk0



第七王女「それにしても今回は 魔王の手がかりもなかったのう」

娘友「そうねー 結果としては掘り返した魔物に憑りつかれたってことだしね」

少年エルフ「いいんじゃない? ボク達がなにかしなかったらもっと被害があったかもしれないし」

娘「そうね パパのおかげで化けの皮をはがせたわけだし」

第七王女「まっことそのとおりじゃな 事が大きくなる前に食い止めれたのじゃ それも勇者に勤めじゃて」

第三王子「ゆうしゃ? 最近そういうの流行ってるの?」

男「流行ってるって……」

第七王子「それははどういうことじゃ? わらわが二代目勇者を襲名したのはまだ先月じゃぞ」

第三王子「ふーん たしかねー東の町で勇者を募集してるって……」

女騎士「王子! それ以上はいけな」 第七王子「なんじゃとそれはなんとしても行かねば!!」

男「遅かったな……」



386: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:51:41.38 ID:nAPh1dIk0

女騎士「ぬぅ…… ダメですよ王女 今回は既に調査期間がありませ」 第七王女「イヤじゃ!!」

第三王子「お はじまったねぇ」

第七王女「行くのじゃ! 行かねば二代目勇者の名がすたるのじゃ!」

女騎士「あーもー すたってくださいそんなモノ! わざわざ王女が自ら行く必要があるんですか」

第七王女「あるに決まっておろうわらわは勇者じゃぞ 助けを必要としてるならば行くのが義務じゃ! のう 男 言ってもいいじゃろう」

女騎士「あ! コラ 男に甘えないでください」

男「んー 王女 流石に今回はこれ以上はムリだろ 一旦王都に戻ってから出直さないとな」

第七王女「むー 男までーー 三兄ぃー」

第三王子「えー? うーん 女騎士もそんなに言わなくても少しくらい寄り道したって」

女騎士「王子は何年寄り道してるんですか! 今回は絶対に王都に連れ帰りますよ」

第三王子「あ ハイ」



387: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:53:06.98 ID:nAPh1dIk0


第七王女「うー なんじゃなんじゃ女騎士も男も反対しよって」

娘友「王女 一旦王都にもどってもドラゴンにまた乗せてもらえばいいじゃない どこでもひとっ飛びだし」

娘「そうね」」

第七王女「しかしのう勇者募集じゃぞ わらわはすぐ行きたいのじゃ す・ぐ・に・じゃ!」

少年エルフ「そんなに焦らなくてもきっと募集はまだ終わってないよ…… 多分」

第七王女「そうかのう……エルフはどう思うのじゃ? 困った者を救いに行くのが勇者じゃと思わぬか? の? の?」

少年エルフ「えぇ? そりゃ困ってたら助けなきゃいけないと思うけど……その」

女騎士「エルフ君 王女のわがままに付き合わなくていいんだぞ ほら王女 無理を言わないでください」

第七王女「うぬぬぅ~~ わかったのじゃ わらわはもう寝るのじゃ!!」

ドスドス

第七王女は寝室へ行ってしまった。



388: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:55:42.83 ID:nAPh1dIk0

女騎士「……まったく いつまでたってもわががまなんだから」

男「あーあ 知らねーぞ あれはしばらく尾をひくぞ」

女騎士「だいたい お前が王女付の時の教育がだな……」ガミガミ

男「うお 俺にくるのか? 俺なのか!?」

第三王子「うーん 皆あっちに行こう 長くなるから」

娘友「そうね そうしましょ」

男に説教を続ける女騎士を残して第三王子たちは席を外した。

男「まて 俺を一人にしないでくれー」

女騎士「何が一人にだ私だってお前のせいでなぁ」

男「なんだ 俺のせいでどうしたってんだ!?」

女騎士「お前のせいで……その…… うっさいなだいたい騎士見習いの頃からお前は……」

男「見習いって どこまで遡るんだお前!?」

\ガミガミグチグチ/

\タスケテ/



389: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:57:17.06 ID:nAPh1dIk0



娘友「ご愁傷さまね」

第三王子「いやまったく」

娘「私 王女の様子をみてくるわ」

娘友「そうね アタシも」

娘達は第七王女の様子を見に行った。

第三王子「いやー しかし今回は助かったよ ずいぶんとここのカジノで足止めされたからね 飽き飽きしてたんだ」

少年エルフ「そうなんだ 他にもあちこち旅をしてきたのですか?」

第三王子「そうだね 北方や帝国に行って来て 飽きたからこっちに戻って東の町からここまで来たんだ」

少年エルフ「さっきも言ってましたけど 東の町ってどんなところなんです?」

第三王子「知らないかい?」



390: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:59:45.48 ID:nAPh1dIk0


少年エルフ「ええ 僕は南の町からほとんど出たことないので……」

第三王子「そうかい 東の町は港町だよ 湾の中にあるんだ」

少年エルフ「湾…… 海沿いなんですね 海ってどんな感じですか」

第三王子「ん……(本当に出たことないのか) そうだね海はね……」

少年エルフ「はい……はい……」わくわく

少年エルフは第三王子の旅の話を聞いた。



娘「あら 盛り上がってるわね」

娘達が戻ってきた。

少年エルフ「あ おかえり どうだった?」

娘友「王女 ホントに寝ちゃってたわ」

第三王子「そっか なら大丈夫だよ 本当に機嫌がわるかったら寝ないから」

娘「そうなのね 私達ももう寝ましょ 今日は疲れたわ」

少年エルフ「そうだねー」

そういう事になった。



391: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:03:02.17 ID:nAPh1dIk0

○深夜・娘達のテント

カキカキ

娘友「今回はコレがあるからイケるわ ふふふ」

娘友は書き物をしている。

娘友「さて そろそろ寝ようかな…………(その前にお手洗いに)」

娘友はテントを出て手洗いに行こうとした。

バッサバッサ バリバリバリ バサァーッ

突風と大きな影と共にテントが倒壊した。

娘友「きゃああ!? 何?」

女騎士「なんだこれはー」

倒壊したテントから女騎士が叫んだ。

男「何事だ!」

男性用のテントからも叫びが上がった。 見れば男たちのテントも倒壊している。



392: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:09:29.48 ID:nAPh1dIk0


娘友「うわー 何今の? 女騎士さん大丈夫? 娘ー 王女ー? アレ?」

女騎士「……いない 娘君も……」

男「女騎士…… 空から手紙が降ってきたぞ」

女騎士「まさか……」

手紙『ちょっと東の町まで行ってくるのじゃ ちょっと様子を見るだけじゃから女騎士たちはそのまま王都へ帰るのじゃ by 二代目勇者 第七王女』

○上空

バッサバッサ

少年エルフ「うん?」

少年エルフは目を覚ました。

少年エルフ「うわぁあ!? 何? どうなってるの!?」

娘「パパァッ 大丈夫!? これは一体どういうこと!!」

娘と少年エルフはホワイトドラゴンに掴まれて夜空を飛んでいる。

白竜「コワイ顔しないでよ えっとねー」

第七王女「わらわが頼んだのじゃ」



393: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:19:25.27 ID:nAPh1dIk0



娘と少年エルフは第七王女と共にホワイトドラゴンの背に乗っている。

第七王女「ちょっと東の町まで行くのじゃ 白竜ならひとっ飛びじゃからな」

少年エルフ「そうだけど 後で女騎士さんに怒られない?」

第七王女「それは覚悟の上じゃ それに特に問題が無ければすぐ戻ればいいのじゃ」

娘「まぁ そうね どうするかは東の町を見てからでもいいんじゃない」

第七王女「ホントは友も連れて行きたかったんじゃがの」

白竜「あのコは寝床に居なかったから掴み損ねたわ」

第七王女「仕方ないの このまま東の町まで直行じゃ」



394: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:20:25.39 ID:nAPh1dIk0

○砂漠・テント

男「あーあお前がかたくなに反対するから」

女騎士「お前だって渋ったじゃないか」

男「うっ 頭がいたい記憶喪失だ」

女騎士「だったらコレでどうだ ショック療法だ!」

バゴン

男「ぶはっ」

娘友「エルフさんと娘は連れてかれたのね…… さてどうしますかね」

第三王子「んー 何かあった?」

あくびをしながら第三王子が起きてきた。

男「王子……(毎度のことながらホントよく寝てたな) 実は王女がドラゴンに乗って東の町に行ってしまったんだ」

女騎士「ああ!? すっかり王女の荷物も無くなってる フテ寝してると思ったのにいつの間に!?」

第三王子「さすがナナちゃんだね さて僕達はどうするの?」

男「そうだな いくらなんでもほっとくわけにはいかないしな」



395: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:21:59.32 ID:nAPh1dIk0

娘友「東の町なら ここから向かうキャラバンがあったはずよ 交渉したら同行させてもらえるわ」

女騎士「そうか それは助かる」

男「じゃあ俺が馬を借りて王都まで行ってくる 馬なら大森林を突っ切れる」

女騎士「わかった任せた あと王子も連れてってくれないか」

第三王子「ええー!? やっぱり戻らなきゃダメ? 別に王都にもどるのはもう少し……」

女騎士「ダメです 実は兄王がひそかに捜索されてるのをご存知ですか? 心配されてるんですよ」

第三王子「ううーん でもなぁ」

男「俺も一緒にいくから な?」

第三王子「うーん わかった王都に戻るよ 頼むよ男」

男「任せろ」

娘友「あ 実はアタシも王都に届けて欲しい物があるんだけど いい?」

男「おう すぐ用意できるか? 準備が出来たら出発するからな」

娘友「ええすぐに…… これとコレでハイ 王都のアタシんちまでお願いします」

娘友は書類の束を渡した。

男「よし分かった」

女騎士「我々もキャラバンに相談に行かねば…… 友君交渉に付き合ってもらえるか」

娘友「ええ もちろん 忙しくなってきたわね~」



396: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:23:55.24 ID:nAPh1dIk0

○上空・ホワイトドラゴンの背中

娘「なんてことになってるわよ多分」

第七王女「そうか 友はそのうちに来るかの」

娘「多分ね あのコなんだかんだで結局楽しんでるから」

少年エルフ「そう? 僕も楽しいよ初めて見るものいっぱいだから」

第七王女「そうか それはよかったのじゃ」

白竜「そろそろ海が見えるわ」

少年エルフ「うわぁ あれがそう!? 本当に水だらけだ 娘見える?」

娘「フフフ こう暗いと私にはまだ見えないわ」

少年エルフ「あ そっか」

第七王女「見よ もうすぐ日の出じゃ」

娘「ホント 明るくなってきたわね」

少年エルフ「え!? それじゃあ」 白竜「マジでぇ!? 下りるわ掴まって」

ギュウウウウウウウウン

少年エルフ「わああああああああああ」

娘「ちょとおおおおおおおおおおお」

第七王女「やっほおおおおおおおおお」

ホワイトドラゴンと娘達は急降下していった。




400: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:01:30.83 ID:N1jdlEHA0

#18 大漁豊漁勇者祭! ~不気味な岬の物語~



401: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:03:23.36 ID:N1jdlEHA0

○東の町・港

カーンカーンカーン

警鐘が打ち鳴らされている。

見張り番「カニだ―ッ! カニだ―ッ!」

巨大カニ「ブクブクブク」ガチーンガチーン

海から巨大なカニが上がってきて暴れている。

若人A「っしゃー! 一番モリいくぞー」

若人B・C「「うおおー」」

実況者「おっと! 真っ先に向かっていくのは地元の若い衆で結成された漁師チーム 大物ゲットとなるか!?」

若人達の攻撃。

カキンカキン

若人A「かってぇー!?」

若人B「眼をねらえー!」

若人C「届かねぇよ!?」



402: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:04:36.19 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ブブ?」ブオンブオン

若人達「「グワーっ!!」」

\ワ―ワー/

人々は遠巻きにこの戦いを見物している、露店も開かれお祭りムードだ。

実況者「残念! 巨大なハサミでなぎ払われてしまいました! 続いて突撃していくのは……」

次々とチームが巨大なカニを攻撃するが分厚い殻のために攻撃が効かない。

実況者「このままではここも危なくなります どうしますか町長」

町長「ううむ しかた無い王国兵の皆さんお願いします」

兵士長「よーし いくぞ突撃」

○物陰

???「いいんですか? 倒されちゃいますよ」

???「なあにアレでは武器では倒せないさ」

???「だったら坊がさっさと魔法で……」

???「勇者は最後に登場するものさ まあもうすぐだ……」



403: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:05:35.29 ID:N1jdlEHA0

○港

兵士たちが巨大カニを攻撃するもやはり倒せない。

兵士A「隊長! 槍が折れました硬すぎます」

兵士B「やべぇぞ どうすんだコレ」

兵士C「もう帰っていい?」

兵士長「うむむ 仕方ない勇者丸へ伝令! 砲撃準備」

兵士A「こんなところで大砲使うんですか!?」

兵士長「やむをえん」

兵士C「りょうかーい 伝令いきまーす」

ダダダダ

兵士B「はやっ!?」

実況者「なんと大砲で狙うようです 危険ですので見物の方はおさがりください」

町長「おいおい 町に被害がでるじゃないかヤメロ」

兵士長「アレを放っておくほうが被害でるわい 下がって! よーし撃て―!!」

町長「ちょおまっ」



404: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:06:51.04 ID:N1jdlEHA0


ドォオン ひゅるるる

港に停泊していた船から砲弾が飛んできた。

\おおー/

歓声があがり次いで着弾。

ガキィン

巨大カニ「!!」

ドゴン ドボォン

町長「……」

兵士長「……」

実況者「なんと……弾いてしまいました……」

兵士長「だ……第二射!」

ドォオン ひゅるるる



405: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:07:59.41 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ギ」ブン

ガギン

実況者「なんと! カニが砲弾を受け止めた! そして振りかぶり……投げた!!」

ブオン どひゅーん

バコォン バキバキ

\うひゃー/

実況者「おおっと王国が誇る勇者丸が吹っ飛んだ! 燃えます傾きます沈んでいきます!」

兵士長「……えーと」

兵士A「逃げろ――っ!」

\ワアアアアア/

港はパニックに陥った。

○物陰

???「よーしお膳立ては上々だ 出るぞ」

???「え!? こっちに人が」

???「どわあああ」

ドタドタドタドタ



406: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:09:05.96 ID:N1jdlEHA0

○港

実況者「カニ一匹がこの町の歴史を終わらせてしまうのでしょうか なんという悲劇でしょうか」

娘達が港に着いた

娘「やっと着いたけど 一体なによコレ? 祭?」

少年エルフ「いやなんか大きなカニが…… 魔物みたいだよ」

第七王女「よーし わらわの出番じゃ!」

シュタタタタ

第七王女が巨大カニに突進していく。

兵士A「おい! 何処にいく危ないぞ」

娘「あーもう パ……エルフ 王女をお願い」

少年エルフ「わかった」

少年エルフも第七王女を追いかける。



407: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:16:30.03 ID:N1jdlEHA0



巨大カニ「ブクブクブク」

ドカン バキン

第七王女「なんじゃ デカいだけで遅いのじゃ」

ひょいひょい

第七王女は身軽に攻撃を避けている。

実況者「突如あらわれた女の子が果敢にもカニに立むかった! なんという身のこなしでしょう」

第七王女「せいっ」

第七王女の投げナイフ。

カッ

巨大カニ「!? キュイイイ」

実況者「刺さったぁ! スローインダガ―が目玉にシューッ!」



408: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:17:39.82 ID:N1jdlEHA0


眼にナイフが刺さった巨大カニは暴れ出した。

バタンドカンバキン

第七王女「おうおう てをつけられんの」

少年エルフ「王女 危ないからこっちに ”風防波”」シュルル

風の防壁が第七王女と少年エルフを包み込む。

娘「行くわよ ”落雷”」

カッ ドンガラガッシャーン

巨大カニ「ギギィ!!」バリバリバリバリ

落雷が巨大カニを貫く。

シュバババ

風の防壁が雷をそらす。

第七王女「ほっほー いつ見ても大迫力じゃな」

少年エルフ「王女 危ないから一人で攻撃しちゃダメだよ 約束したでしょ?」

第七王女「そうであったな しかし体が先に動いてしまったのじゃ許せ」

少年エルフ「もう」



409: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:18:28.53 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ギギギ」

巨大カニは立ったまま黒焦げになっている。

第七王女「とどめじゃ とうっ」

げしっ

第七王女の飛び蹴りが巨大カニの眼の間に決まり巨大カニは倒れこんでいく。

ドドォン

第七王女「よーし今夜はカニ鍋じゃ!」

娘「もう火は通ってるわよ」

\ワアアアア/

人々は喝采を上げて巨大カニへ殺到する。

実況者「なんと巨大カニを倒したのは飛び入りのお嬢さん達だ!」



410: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:19:25.87 ID:N1jdlEHA0


少年エルフ「うわぁ押さないで んぎゅ」

娘「パパこっちに もう何なのよ」

娘は少年エルフを抱き込んで人混みから守る。

少年エルフ「うぐぐ(やわらかい)」カアアア

第七王女「かっかっかっかっか 一件落着じゃな」

第七王女は焦げた巨大カニの上で快活に笑っている。



411: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:20:39.04 ID:N1jdlEHA0

○物陰

???「あーあ 先を越されちゃいましたよ」

???「おのれ……あのちんちくりんめ それにしてもあの雷魔法の使い手……」

???「ご存じですか?」

???「いや知らん…… しかし実に美しいな」

???「あぁ…… また坊の悪いクセが」

???「クセというよりもうビョーキよビョーキ」

???「うっさいいくぞ」

???「どこへ」

???「着替えだ」

???「はぁ……恰好ばかり気にして……」

???「見た目だけじゃダメですよー」

???「うっさい 早く来い」

???「はーい」




415: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:51:40.93 ID:4IBbcXjc0

#19 その勇者、バカにつき



416: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:53:32.27 ID:4IBbcXjc0

○町長の家

町長「わたしが町長です」

第七王女「わらわは第七王女じゃ」

町長「いやはや まさか第七王女本人がこんなところにお越しとは…… それに魔物まで退治していただけるとは」

第七王女「なに苦しゅうない それにしても先ほどの魔物はなんじゃ?」

町長「そうですなどこから話したものか…… 最初はたしか一月ほどまえに灯台の明かりが消えたことですな」

第七王女「ほう 灯台とな」

町長「この湾の出口はやたら霧の多い場所でしてそのため岬には古くから灯台があり昼でも灯りをともしてましたがそれが消えたのです」

少年エルフ「単に燃料が無くなったとかじゃないの?」

町長「魔力灯ですしそれは無いでしょう 灯台守もいますし」

第七王女「灯台守はどうしたんじゃ?」

町長「それがわかっておりません 様子を見に行った者が戻って来なかったので王国兵が船で調査に向かうところだったのですが……」

娘「船は燃えて沈んだわね」

町長「ええ 修理に時間がかかるのでそれまで調査は延期になるそうで」



417: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:56:09.11 ID:4IBbcXjc0


第七王女「灯台が使えないのでは不便じゃろう」

町長「おっしゃるとおりで 実はこの町は300年程前に勇者が出航したという由緒ある港で漁や旅の安全を祈願する海上の祭『勇者祭』を行っていたのですが出来なくなってしまいました」

第七王女「ほうそれは見たかったのう」

少年エルフ「でもさっきのもお祭りみたいだったよね?」

町長「ええ 魔物は出るわ海に出れないわなのでいっそのこと魔物退治を祭にしたらこれがなかなかの評判で今では10ばかりの勇者チームが参加してます」

娘「でもさっきのカニは危なかったんじゃない? パニックになってたじゃない」

町長「そうですな あのように王国兵にも手を負えない魔物まで出てくると今後をどうするか……」

第七王女「祭はいつまでの予定じゃったんじゃ?」

町長「そうですな 灯台の調査も含めてだったので灯台の灯りを灯したチームを優勝として終えるつもりでした…… それに成功したチームがまだいないので結局今まで続いておりますが」

第七王女「あいわかった それならばわらわも祭に参加して灯台を再び灯すのじゃ」

町長「本当ですか!? 貴方がたのように強い方が参加していただけると助かります」

第七王女「そうじゃろうそうじゃろう」

町長「だったら王女様たちはカニを倒されたので『カニさんチーム』ということで」

第七王女「うむ わかった」



418: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:59:09.30 ID:4IBbcXjc0


娘「まって王女『カニさんチーム』てそれでいいの!?」

第七王女「うん? わらわは好きじゃぞカニ」

娘「そう 王女がいいならそれで……」

少年エルフ「カニ嫌いだった?」

娘「そういうわけじゃないけど……(パパも天然ね)」

町長「では決定ですな この申し込み書に署名を いやぁ期待してますよ」

第七王女「うむ任せるのじゃ」

第七王女は『勇者カニさんチーム』を結成した。



419: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:01:57.72 ID:4IBbcXjc0



???「なるほど王女様ね 魔王を探しに旅立ったと噂を聞いたがまさかアンタ達だったとは」

第七王女「何者じゃ」

魔法勇者があらわれた。

魔法勇者「俺は魔法勇者! いずれ世界を救うものだ」ばーん

町長「ああ『お馬さんチーム』の方ですね 風邪はもうよろしいので」

娘「『お馬さんチーム』」

少年エルフ「風邪ってこの時期に?」

爺僧侶「この町に着くときに坊は馬ごと海に落ちましてな それは盛大に見事な落ちっぷりで……それで『お馬さんチーム』に」

孫僧侶「バカよね~かっこつけようとするから 結局3日間寝込んでいたんですよ ぶふっ」

お伴の老僧侶と孫僧侶があらわれた。

魔法勇者「お前達勝手にでてきて全部言うんじゃねぇ!」

第七王女「それで何の用なんじゃ? 馬勇者よ」

魔法勇者「馬じゃねぇ! とにかく…… お初にお目にかかる美しい姫よ」

魔法勇者はそういってうやうやしく娘の手をとった。



420: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:03:53.88 ID:4IBbcXjc0


娘「私じゃないわよ」

魔法勇者「へ?」

第七王女「わらわが第七王女じゃ」

魔法勇者「え!? このちんちくりんがか ウソだろ!?」

第七王女「誰がちんちくりんじゃ!」

ゲシッ

第七王女の蹴りが魔法勇者のみぞおちに食い込んだ。

魔法勇者「ぐっほお!!」

第七王女「間違えた上にウソだろとはなんじゃ!」

\ぐごご……/

魔法勇者はうずくまっている。

爺僧侶「いやはや坊がご無礼を……」

孫僧侶「ゴメンナサイ 坊っちゃんバカだから」

第七王女「うむ バカならば致し方あるまい」

娘「そうね」

孫僧侶「そうそう」

少年エルフ「そうなの?」



421: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:05:40.25 ID:4IBbcXjc0


魔法勇者「じゃねーよこのヤロ―」ガバっ

第七王女「それでなんの用なんじゃ」

魔法勇者「ああ コホン……そうだな お前たち灯台に行くんだろう危ないから俺が一緒にいってやろう」

第七王女「無用じゃ」

娘「いらないわよ」

少年エルフ「病み上がりだったら無理しないほうが……」

魔法勇者「全員一致かちくしょう!」

孫僧侶「ほら 無理だった」

爺僧侶「まず頼み方がなってませんぞ まったく不甲斐ない」

魔法勇者「お前らもフォローしろよ!」

第七王女「用がそれだけなら失礼するのじゃ」

娘「そうね 明日出発するとして今夜はどうすれば?」

町長「こちらの宿をお使いください今はどこも満室でしょうが これを見せればなんとか部屋を用意してくれるでしょう」

町長の紹介状を手に入れた。



422: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:09:42.34 ID:4IBbcXjc0


第七王女「かたじけない」

娘「じゃ 行きましょ」

娘達は町長の家から出ようとする。

魔法勇者「まて せめて姫……じゃなくて君の名は?」

魔法勇者は娘に問いかける。

娘「……(教えたくないなぁ)娘よ」

魔法勇者「そうか娘君 よかったら今夜食事にでもどうだ」ぐいぐい

娘「ちょっと」イラ

魔法勇者「宿もどうせ同じだろう いいじゃないか ひと晩語り明かそうじゃないか なぁなぁ」

少年エルフ「ん……しょ」ぐい

少年エルフは娘と魔法勇者の間に割って入る。

少年エルフ「だーめ 明日は早いんだから」

魔法勇者「なんだこのガキ」

ドン



423: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:11:30.29 ID:4IBbcXjc0


少年エルフ「あ」

少年エルフは小突かれて帽子が落ちて耳があらわになった。

魔法勇者「あ! お前エルフぞk……」

シュッ

娘「そこまでよ」

魔法勇者「ふがッ!?」

娘は魔法勇者の口にナイフを突っ込んだ、笑顔だが殺気が出ている。

少年エルフ「娘!? 僕は大丈夫だから ちょっと」アセアセ

娘「……エルフは早く帽子をかぶって」

少年エルフ「う うん」

娘「さてと貴方はこの子がエルフ族と思ったかもしれないけど そう見えただけで違うから…… そうよね? ただの耳が長めの男の子よね?」

魔法勇者「ふがっしかっ」

魔法勇者の舌先をナイフがかすめる、口の端も少し切れた。

娘「わかったら頷いて」



424: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:12:46.90 ID:4IBbcXjc0


魔法勇者「」ぶんぶん

魔法勇者はうなづいた。

娘「わかったら行って」

娘は魔法勇者の口からナイフを引き抜いて言い放つ。

魔法勇者「お おう」バタバタ

爺僧侶「……失礼した まったく不甲斐ない」

孫僧侶「娘さんカッコイー じゃねー」

魔法勇者たちは立ち去った。



町長「王女 エルフ族を飼っているのですか!?」

娘「なんですって!!」

娘は憤慨した。

少年エルフ「娘!」

少年エルフがしがみついて娘を引き止める。



425: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:14:43.62 ID:4IBbcXjc0


第七王女「エルフはわらわの弟分じゃ 何ぞ問題があるかのう」

町長「弟分 まぁそういうことでしたらそういうことで……」

少年エルフ「……(弟分)」トオイメ

娘「……」イライラ

町長「ただ この町は魔法国出自の家も多いのです 町ではエルフ族が居るコトは内密に」

娘「言われなくてもそうするわ」

町長「それはよかった」

娘「っ! 行きましょ王女! エルフ!」

娘は少年エルフを引っ張って歩いていく。

少年エルフ「何!? どうしたの?」

第七王女「……ふむやっかいなことにならぬといいが」



426: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:17:14.36 ID:4IBbcXjc0

○夜・酒場

夕食をとりながら少年エルフは魔法国について第七王女から聞いている。

第七王女「魔法国は昔エルフ族狩りを行ったためエルフ族に滅ぼされた国じゃ」

少年エルフ「エルフ族狩り!?」

第七王女「さよう 古来魔法国はエルフ族から魔法を習って発展したのじゃが いつしかエルフ族の魔力特性を利用しようとしたのじゃ」

少年エルフ「そんな……」

娘「エルフ大丈夫? 無理に知らなくてもいいのよ」

少年エルフ「ううん 知っておきたいんだ 王女つづけて」

第七王女「うむ エルフ族は魔法国との戦争に勝ったのじゃが その後帝国が介入して再び戦争になり負けておる 今では魔法国は帝国の一部じゃ」

少年エルフ「そうなんだエルフ族と人が戦争を」

第七王女「ざっと100年程前のことじゃ その時の魔法国の民は周辺国にちらばり魔法使いの家元となったのじゃ 魔法の普及にもつながっておる」

少年エルフ「100年前なのにエルフ族を嫌う人がいるの?」

第七王女「それは……」

娘「エルフ……」



427: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:21:00.53 ID:4IBbcXjc0


第七王女「戦いにおいてエルフ族は圧倒的な魔法を振るったという それゆえ恐怖の対象として伝承されておるんじゃ」

少年エルフ「そうなんだ…… そうだよねこんなに魔力があるんだし……」

娘「大丈夫よ エルフは攻撃魔法は使わないし嫌いでしょ?」

少年エルフ「そうだけど」

第七王女「それにしてもあのバカ勇者がいいふらなさければいいがのう」

娘「そうね アレと一緒の宿はイヤだし別の宿にしましょうよ」

娘は町長の紹介状を振りながら言う。

第七王女「わらわもそう思うがのう 今は祭ゆえにどこも満室なんじゃそうじゃ」

娘「困ったわね」

少年エルフ「ごめんね僕のせいで……」

娘「そんなことないわ あのバカ勇者が余計なことしたせいよ」

第七王女「そうじゃ あのバカがのう」

少年エルフ「でも本当にどうするの?」

娘「うーん」

第七王女「ここらに詳しい者がおればのう」



428: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:23:34.89 ID:4IBbcXjc0


神官「安心してください この町に詳しい旅の僧侶がここにいますよ」二カッ

少年エルフ「あっ 神官さん」

神官があらわれた。

神官「どーもお久しぶりですエルフさん 娘さんに王女サマも」ニコニコ

第七王女「久しぶりじゃのう 魔王温泉いらいじゃの息災であったか」

神官「はい 王女サマもお元気で何より」

娘「それより貴方なんでここに」

神官「いや~ この先の知り合いに顔をだそうと思いまして まぁ船が出てないので足止めを食らってる次第です」

第七王女「それよりここらに詳しいのか? こっそり泊まれる宿を探しておるのじゃが」

神官「ははあ それなら安心安全秘密厳守のステキなお店がありますよ」ニコニコ

少年エルフ「ホント!? どこ?」



429: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:24:34.96 ID:4IBbcXjc0

○町はずれの酒場?

神官「ここですよー」

ガチャ

姉・妹サキュバス「「いらっしゃいませー」」

たゆんたゆん

扉を開けると双子のサキュバスが豊満な胸を揺らして出迎えてきた。

少年エルフ「あ!」

娘「んな!?」

第七王女「お?」

そこは双子のサキュバスの店だった。




434: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:08:51.44 ID:SbeOzU/y0

#20 シェアハウス・ウィズ・ツインサキュバス



435: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:09:57.64 ID:SbeOzU/y0

○双子サキュバスの店

ガチャ

姉サキュバス・妹サキュバス「「いらっしゃいませー」」

神官「今日もきちゃいましたー」

妹サキュバス「なんだ神官さんか あの話ならお断りよ」

神官「いえいえ今日はステキなお客様も一緒ですよ」

第七王女「なんじゃここは?」

少年エルフ「あの……」

姉サキュバス「きゃーー もしかしてエルフちゃん!?」

少年エルフ「やっぱりお姉さん!?」

神官「おや? お知り合いでしたか」

少年エルフ「ええ ちょっと交流会で……」

姉サキュバス「嬉しいわー わざわざ来てくれたの」



436: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:11:12.05 ID:SbeOzU/y0


シュッ

姉サキュバスは少年エルフにかけよろうとすると前を遮る者があらわれた。

娘「いいえ タダの偶然よグウゼン」ゴゴゴゴゴゴ

姉サキュバス「あら!? アナタ」

少年エルフ「え? 知り合い?」

娘「いーいーえ 知らないわ 初対面よね」ゴゴゴゴ

姉サキュバス「え? ええそうね」

少年エルフ「そうだよね お姉さんは以前交流会で知り合ったの……ご飯食べてそれから……えっと(寝ちゃったんだっけ?)」



437: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:12:29.25 ID:SbeOzU/y0

○???

娘友「……(聞こえますか 今アナタの心へ直接かたりかけています)」

娘友「……(異種族交流会 それはアタシの親父が開催した異種族交流をお題目にした異種族婚活パーティでした)」

娘友「……(そこでエルフさんに目を付けたのがエルフ族を騙った双子サキュバスだったのです)」

娘友「……(あわやエルフさんがその毒牙にかかるその時 乱入した娘は双子サキュバスに鉄拳制裁を加えてエルフさんを救い出しました)」

娘友「……(ちなみにエルフさんはその時の記憶はエナジードレインの影響であやふやになってます)」

娘友「……(それでは続きをお楽しみください)」




438: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:13:32.11 ID:SbeOzU/y0


少年エルフ「えっと?」

娘「あら それはそれはエルフが世話になったわね」ゴゴゴゴ

姉サキュバス「……(コワイ)いえいえこちらも結構なモノを」ドキドキ

第七王女「浅からぬ因縁を感じるのう」

妹サキュバス「とりあえず何しに来たの ホント?」



姉サキュバス「へー それでお姫様と一緒に旅をしてるの」

第七王女「そうじゃ それでこの町に来たのじゃがエルフの耳がばれてしまってのう」

姉サキュバス「そうね 私はエルフちゃんを先に知ってたからそうでもないんだけど…… ヘンな噂話でエルフ族を嫌ってる人はいるわね」

少年エルフ「噂……どんなの?」

姉サキュバス「そうね…… 洪水を起こしたとか竜巻を起こしたとか」

娘「たしかにエルフ族の魔法ならそれくらい出来るわよね」



439: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:15:11.65 ID:SbeOzU/y0


妹サキュバス「巨大化して手が六本で眼から光線をだしたとか」

少年エルフ「ええ!?」

神官「他にも年末に山からおりてきて悪い子供をさらって食べてしまうとか 泳いでる子供の尻からエナジードレインをするとか……」

第七王女「それは違うじゃろ」

神官「まぁ結局はただの噂ですよ 尾ひれがつくのはよくあることです」

少年エルフ「エルフ族ってなんなんだろう」うーん

少年エルフは混乱している。

娘「ただの噂よ 気にしないで」

姉サキュバス「何か飲む? 落ち着くわよ」

姉サキュバスはそういってメニューを渡した。

少年エルフ「ありがとう…… 飲み物いっぱいあるね」

娘「ほとんどお酒よ 私たちが飲めるのはこっちよ」

第七王女「ほうほう……この『ぱふぱふ』とはなんじゃ?」



440: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:16:46.50 ID:SbeOzU/y0


神官「あらら 気づいちゃいましたソレ」

少年エルフ「どんな飲み物なの?」

妹サキュバス「それはね飲み物じゃなくてサービスよ」うふふ

姉サキュバス「試す? 気持ちいいわよ~」うふふ

少年エルフ「えっと?」

姉サキュバス「特別にエルフちゃんは二人でしてあげましょうか」

妹サキュバス「お代は魔力払いでいいから ね?」

少年エルフ「えっとえっと?」

娘「あーら だったら私からして貰おうかしら」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ガシッ

姉サキュバス「え!? ちょっと」

妹サキュバス「まって またアレですか!? ヒィ!!」

娘は双子サキュバスを掴んで隣室へひきづっていく。



441: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:17:41.27 ID:SbeOzU/y0


少年エルフ「娘? えっと……どうしたの」

娘「エルフちょっとまっててね」

バタン

娘は双子サキュバスと共に隣室へいってしまった。


\魔力払いね じゃあコレで/

\まってそれだけはご勘弁を/

\タスケ……/

バリバリバリバリ

\オムネガー!!/

\エリクトリカルパレードー!!/

シュー

ガチャ

娘が隣室から戻ってきた。



442: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:18:16.64 ID:SbeOzU/y0


娘が隣室から戻ってきた。

娘「エルフ 今夜の宿代も払っておいたから」ニッコリ

少年エルフ「……お姉さんたちは?」

娘「もう寝たわ」ニッコリ

少年エルフ「……」

第七王女「わらわ達ももう寝るかの」

神官「そうですね 二階で寝れますよ」




445: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:01:37.67 ID:nJiWXy1h0

#21 シェアハウス・ウィズ・サキュバス2



446: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:04:44.19 ID:nJiWXy1h0

○双子サキュバスの店・二階の部屋

ガチャ

第七王女「ここかの」

少年エルフ「いいのかな勝手に入って」

娘「話はついてるわよ」

神官「ここなら安全ですよ 秘密厳守ですから」

娘「って なんでアナタまで入ってくるのよ」

神官「ええ~ だって部屋はここだけですし」

娘「だからって一緒じゃなくてもいいじゃない」

少年エルフ「娘 そんな言い方しなくても だいたいここを紹介してくれたのは神官さんでしょ?」

娘「うっ」

神官「そうですよね さすがエルフさん 話が分かりますね」

第七王女「それよりシャワーを浴びたいのじゃが?」

娘「そうね…… 潮風でベタベタだしさっぱりしたいわ」

神官「それでしたらあちらに……」



447: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:06:51.30 ID:nJiWXy1h0


神官が指さす方にガラス張りのシャワールームが設置されている。

娘「……」

少年エルフ「なにあれ? あれじゃあ見えちゃうじゃない」

第七王女「ふむ モダンな造りじゃのう」ぬぎぬぎ

第七王女は服を脱ぎ始める。

娘「ちょっと 王女……」

○廊下

ドゲシッ

娘「しばらく待ってなさい!」

神官「ぎゃふ」

神官は廊下に蹴り出された。

神官「やれやれ…… オトコは辛いとろこですね」

少年エルフ「ごめんね なんだか気が立ってるみたいで……」



448: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:08:24.43 ID:nJiWXy1h0


神官「おや エルフさんも追い出されましたか?」

少年エルフ「だって娘もシャワーするんだし出てなきゃ……」

\エルフ? エルフは出なくてもいいのに/

\エルフも一緒に入らぬか/

神官「エルフさんは良かったみたいですよ」

少年エルフ「もう…… 娘も王女さまも子供扱いしないでよ!」

\親子だから別にじゃない/

\子供あつかいなんぞしとらんぞ…… 弟扱いじゃ/

少年エルフ「も~ とにかくダメ 早く済ませて」

\\はーい//

神官「……エルフさんも苦労されてますね」



449: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:10:02.12 ID:nJiWXy1h0



神官と少年エルフが廊下で娘達のシャワーが終わるのをまっている。

少年エルフ「ねぇ 神官さん」

神官「はい 何ですか?」

少年エルフ「その…… 約束覚えてる?」

神官「約束…… 何だったでしょうか?」

少年エルフ「魔王温泉でわかれる時にしたじゃない また会ったら教えてくれるんでしょ?」

神官「あぁ 思い出しました 私の魔力についてでしたよね」

少年エルフ「うん 神官さん普通の人の魔力じゃないよね どうして?」

神官「そうですねー……(どう話したものか) 確かに私は他の方と違います」

少年エルフ「うん……」

神官「そういえば少年エルフさんはサキュバスさん達とお知り合いでしたね?」

少年エルフ「え? うんそうだけど」



450: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:12:54.28 ID:nJiWXy1h0


神官「彼女達の生い立ちは聞いていますか?」

少年エルフ「えっと? この町の出身だったよね」

神官「はい 彼女たちはこの町生まれの普通の人間の姉妹でした」

少年エルフ「普通の人間? でもお姉さんたちって……」

神官「はいサキュバスです 彼女達は成長途中で魔族の血が発現したのです」

少年エルフ「魔族の血?」

神官「はい たまに居るのです混血児の末裔が……その古い血が発現した者がこの数十年で増えています」

少年エルフ「そうなんだ……知らなかった」

神官「無理もありません大抵は人目を避けますから 彼女たちのように町中で暮らしているのは珍しいです」

少年エルフ「そうなんだ でもそれが神官さんとどう関係するの?」

神官「私も彼女たちと一緒ということです」

少年エルフ「え゛っ!? 神官さんもサキュバスなの」

少年エルフは思わず後ずさった。

神官「いやいや違います 私はシャドウ族です」



451: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:15:22.69 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「シャドウ族?」

神官「実体が希薄な影の魔族ですよ 魔力に秀でていたそうで私もその性質が強く現れました」

少年エルフ「そうなんだ」

神官「おかげで聖職者が魔族の末裔なんて! ってことで破門されちゃいましたけど」

少年エルフ「え そうなの!?」

神官「それで途方にくれていたところをある方に拾われまして 同じような魔族の末裔を探してお互いに助け合おうと組合を作ろうとしている最中なのです」

少年エルフ「組合って そんなに沢山いるの?」

神官「いや~ なかなかいませんしサキュバスさん達みたいになかなか賛同してくれない方もいますので」

少年エルフ「そうだったんだ」

神官「どうです? よろしければエルフさんも組合に入りますか?」

少年エルフ「僕が?」

神官「ええ エルフさんは魔族の末裔というわけではありませんが少数派なのは変わりませんし」

少年エルフ「少数派…… それはそうだけど」

神官「どうですかお困り事などありませんか~? 力になりますよ~」



452: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:17:11.22 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「困り事……」

ギィイ

娘「あーら 一体何の勧誘でしょうかね」ゴゴゴゴゴ

神官「ふはっ」

娘が扉を開けて現れた。

娘「エルフ ダメよこんな怪しい奴の話を信じちゃ」

神官「怪しいだなんてそんな これでもレッキとした僧侶ですよ~ やだな~」ハハハ

娘「……まあいいわ 私と王女は済ませたからエルフも済ませてきて 待ってるから」

少年エルフ「うん わかった」

少年エルフは娘たちと入れ替わり部屋にはいる。

神官「エルフさん考えておいてくださいね 急がなくていいので」

少年エルフ「え? うんわかった」



453: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:19:23.75 ID:nJiWXy1h0


○部屋

第七王女「さて寝るのじゃ 岬は歩いては結構かかるそうじゃからの早くに発たねば」

少年エルフ「でも……大きいベットが一つだけだよ どうしよう」

娘「……このサイズなら一緒でも問題はないわね」

神官「そうですね 今夜はみんな仲良く一緒に寝ましょう」ニコニコ

○廊下

ドゲシッ

神官「ぎゃひん」

娘「アンタはそこ!」

バタンッ!

布団でスマキにされた神官が廊下に蹴り出された。

○部屋

娘「まったく……遠慮ってものを知らないのかしら」

少年エルフ「えっと……じゃあ僕も向こうで寝るから」

第七王女「ダメじゃ エルフはここでわらわと寝るのじゃ」ぽんぽん

少年エルフ「イヤです」トオイメ



454: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:25:30.09 ID:nJiWXy1h0


第七王女「むぅ 娘よエルフが反抗期なのじゃ」

少年エルフ「いやそうじゃなくって……」

娘「そうね…… パパ?」

少年エルフ「なに?」

娘「”睡眠”」ポワワーン

少年エルフ「ぅあ……」カクン

第七王女「おっと」

眠ってしまった少年エルフを第七王女が受け止めた。

娘「王女 パパと一緒にそっちで寝てくれる?」

第七王女「うむ わかったのじゃ…… それにしても簡単に魔法にかかったのう」

娘「パパは感受性が高いから…… それじゃあ私はこっちで寝るね」

第七王女「うむ おやすみなのじゃ」

娘はベットの扉側で横になり扉を見つめる。

娘「おやすみ……(パパは私が守る)」



455: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:27:42.47 ID:nJiWXy1h0

○深夜・階段

ミシミシ……

姉サキュバス「この時間ならみんな寝てるわよね」

妹サキュバス「姉さん あれだけやられてるのにまだ狙うの?」

姉サキュバス「もちろんよエルフちゃんのエナジーは極上なんだから 妹ちゃんにも味わさせてあげたいわ」

妹サキュバス「そうなの? まぁ姉さんがいうなら」

○二階廊下

姉サキュバス「あら神官さんが寝てるわ」

神官「スピースピー」

スマキになった神官が廊下で寝ている。

妹サキュバス「メンドクサイからほっときましょ」

姉サキュバス「そうね」



456: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:29:51.11 ID:nJiWXy1h0

○部屋前

双子サキュバスはエルフ達が寝ている部屋の前に来た。

姉サキュバス「よーしここね エルフちゃんの濃厚でありながら若々しさを感じる新鮮なノド越し そして悶える姿~ フフフ あの味をもう一度」じゅるり

妹サキュバス「姉さん大丈夫?」

姉サキュバス「大丈夫よ 二人で吸ってもお腹いっぱいまで吸えるわよ~ 桁外れの魔力なんだから」

妹サキュバス「そうじゃなくて……まあいいわ でもバレたら今度こそ黒焦げにされるわよあの電撃ムスメに その点わかってる?」

姉サキュバス「大丈夫よ いくら狂暴でも人間だもの こんな時間に起きてるわけないわ」

ガチャ……ギィ

姉サキュバス「さて極上エルフちゃんはどこかしら?」

姉サキュバスは扉を細くあけて室内を伺う。 室内で横になっている3人が見える

第七王女「むにゃむにゃ……」

少年エルフ「すーすー」

娘「……」キラン

姉サキュバス「ヒィ!」

バタン

妹サキュバス「姉さん?」



457: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:40:28.38 ID:nJiWXy1h0


姉サキュバス「今 娘さんと目が! 目が合ったわ逃げましょう」アタフタ

妹サキュバス「寝てるっていったのは姉さんでしょ?」

ガチャ

妹サキュバス「半眼あけて寝てるとかじゃ……」

娘「……」ジー

妹サキュバスが覗くと扉越しに娘が凝視している!!

姉・妹サキュバス「「ヒィ!?」」

娘「誰が電撃ムスメですって?」ゴゴゴゴゴゴ

妹サキュバス「あああ そんな滅相も……」ガクガクブルブル

姉サキュバス「そうですす す……”睡眠”」ポワワーン

しかし娘には効かなかった。

妹サキュバス「ウソぉ!? ”誘惑”」ミョミョーン

しかし娘には効かなかった。

娘「……私にその手の魔法は効かないわよ 知ってるでしょ」ゴゴゴゴ



458: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:42:24.34 ID:nJiWXy1h0


姉サキュバス「そんな!? ”幻惑”」シュワワワ

しかし娘には効かなかった。

妹サキュバス「お願い! ”魔封じ”」シュピン

娘は魔法が封じられた!

娘「あ」

妹サキュバス「やったわ!」

姉サキュバス「すごいわ妹ちゃん 魔法が無ければアナタなんて怖く……」

ガッ! ガッ!

娘のアイアンクロー! 娘が双子サキュバスの頭を締め上げる。

ギリギリギリギリッ

姉・妹サキュバス「「ヒイイイイイイイイ」」

娘「静かに…… 下に行きましょうパパが起きちゃうから」ゴゴゴゴ



459: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:46:51.99 ID:nJiWXy1h0



\ヒィ……ゴメンナサイ……/

バタバタズルズル

神官「……んん? おや娘さんこんな時間にどちらへ」

スマキの神官は双子サキュバスを引きずって歩いていく娘に気付いた。

娘「あら? 起きたの」

\タスケ……/

娘「ウルサイっていってるでしょ」

\ハゥ……/

神官は悲壮な双子のサキュバスを見て悟る。

神官「ははあ お姉さんたちが何かやらかしましたか しかし娘さんもそんな事をしてるなんてエルフさんが知ったらどう思うでしょうかね?」

娘「……」

\ヤッタキイテル……/

\イイワモットイッテヤッテ/



460: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:48:22.76 ID:nJiWXy1h0


神官「エルフさん優しい方ですから貴方の行いを知ったらきっと悲しむのでは……」

娘「……大丈夫よ 知られなけばいいから」

神官「え? それはどういう……まって まってください」

娘はスマキの神官をふんずけた。

神官「ぐげぇっ」

神官は気絶した。

○階段

娘「さ 行きましょうか(後で記憶消しておかないと)」

姉サキュバス「あの 下で何を……」ガクガク

娘「そうね 魔法が使えないから…… オババ直伝の”交渉”よ」ニタリ

妹サキュバス「ヒイイ」ガクガク

姉サキュバス「許して……」ブルブル

娘「……それか”しつけ”かな 下で決めるわ」

トントン

姉サキュバス「誰か……」

妹サキュバス「助けて……」

ズルズルズル

双子サキュバスが階段にしがみついて抵抗するが無慈悲に引きずりおろされる。

娘「……自業自得でしょ まったく」

娘はオババの言葉を思い出す。

――オババ『素早く そして徹底的に』



461: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:50:44.45 ID:nJiWXy1h0

○朝・双子エルフの店 一階

少年エルフと台七王女が二階から降りてくる。

第七王女「ふわー よく寝れたのじゃ」

少年エルフ「娘ー? 起きてるの?」

娘「パパ おはよう 先にいただいてるわ」

娘は朝食を食べている。

第七王女「早いのう わらわもいただくのじゃ」

第七王女も席に着く。

少年エルフ「こんな朝ごはんまでありがとうね お姉さん」

姉サキュバス「はひぃっ! エルフちゃんと娘サマのタメでしたらぁ」ビクビク

少年エルフ「え!? どうしたの? 何かあった?」

妹サキュバス「いいえ 何もアリマセン大丈夫です」ビクビク

第七王女「何をそんなに怯えておるんじゃ?」

姉サキュバス「いえ そんな」



462: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:55:58.78 ID:nJiWXy1h0


娘「……そうよ いつも通りよね?」

妹サキュバス「ハイイィ 娘サマの仰る通りです」

少年エルフ「……娘……サマ?」

娘「ほら 早く食べないと 灯台まで結構かかるって話よね」

第七王女「うむ そうじゃったな早く発つ手はずじゃな」

少年エルフ「うん そうだね……?」

モグモグ

少年エルフ「……お姉さんたちは食べないの?」

妹サキュバス「いえ 私達はそんな……」ビクビク

娘「後で食べるって だから早く」

少年エルフ「う うん」

姉サキュバス「そうです早くっ…… うぅダメ戻しそうだわ」ガク

妹サキュバス「姉さんしっかり! 娘サマの前で粗相なんてしたら」ガクガクガクガク



463: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:57:03.00 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「あの……お姉さん大丈夫?」

姉サキュバス「えぇ大丈夫よ(あぁなんて天使なのかしら)」

娘「……」ギロリ

姉サキュバス「はぅ!! ぅぐ……」

バタバタバタ

姉サキュバスは逃げ出した。

妹サキュバス「まって一人にしないで」

バタバタバタ

妹サキュバスは逃げ出した。

少年エルフ「娘 夜中になにしてたのホントに?」

娘「そんな別に……ちょっと”お話し”てただけよ ほらもう時間よ先に支度するわ」

バタバタ

娘も逃げるように二階へ上がっていった。

少年エルフ「……」

第七王女「とりあえず食事を済ませるのじゃ」

少年エルフ「……うん」



464: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 21:00:26.85 ID:nJiWXy1h0



第七王女「よーし皆の者準備できたの?」

少年エルフ「結構時間かかったねぇ」

娘「誰かさんが遅かったから」

神官「あの? 結局ほどいてくれたのエルフさんでしたよね? ですよね?」

娘「なんで貴方まで来るのよ」

神官「灯台までは道が細いし霧も出ますよ案内が無いと迷いますよ それに灯台守が私の友人でして……」

第七王女「ふむ 知り合いなのか?」

神官「どうせ船で寄るつもりでしたし 貴方たちが歩いて行くならご一緒した方が早いと思いまして」

少年エルフ「そうだったんだ 無事でいるかな? 心配だね」

神官「……そうですね 心配です」

第七王女「ならば急ぐのじゃ しゅぱっーつ」

第七王女たちは岬の灯台へ向かう。




468: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:39:08.65 ID:Pnjt5fO/0

#22 霧の中



469: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:41:49.45 ID:Pnjt5fO/0

○朝・広場

爺僧侶「やはりもうこの町を発ったようですぞ」

魔法勇者「そうか 宿にもいなかったしな……どこに泊まったんだ?」

タッタッタ

孫僧侶「買い出し戻りましたよー」

魔法勇者「ご苦労 よし食事をすませたらもう一度宿屋を一回りするぞ」

爺僧侶「そうですな」

ガサガサ

孫僧侶の買ってきた軽食を食べつつ相談する。

孫僧侶「なんです? また宿屋で聞き込みですか?」モグモグ

魔法勇者「そうだ やっと見つけた手がかりだからな……しかしなんであんなチンチクリンなんかと一緒に」モグモグ

爺僧侶「坊 どのようであれ一国の姫にそのような言いぐさは……」モグモグ

孫僧侶「姫ちゃんやんちゃで可愛いじゃない さっきも朝から元気な挨拶してくれたよ」モグモグ

魔法勇者「やんちゃって……やんちゃにもほどがあるぞ オトコのまたぐら蹴り上げるような奴は……」

爺僧侶「あれは坊も悪いですぞ 従者と姫を間違うなどと……」

モグモグ

魔法勇者「……まて お前いま挨拶したって どこで?」

孫僧侶「え? 屋台で姫ちゃんたちもお弁当買ってたよ『これから灯台にいくのじゃ』って」

魔法勇者・爺僧侶「「ゴホッ!!」」

孫僧侶「うわ きたな」

魔法勇者「バカお前! アイツがいたらあのちびエルフも一緒だろうが 行くぞ! 追いつくぞ」

孫僧侶「まってまって お爺ちゃんが喉つまらせた」

爺僧侶「ゴフッゴホッ」

魔法勇者「ああもう これ飲め 早くしろ!」



470: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:44:13.77 ID:Pnjt5fO/0

○崖っぷちの道

少年エルフ「うわー 霧がスゴイねぇ」

第七王女「潮の香もすごいのじゃ 海の中を歩いておるようじゃな」

娘「ふたりとも足元に気をつけてよ 海におっこちないでね」

少年エルフ「落ちないよ もう」

第七王女「落ちるよりはやく着地するから大丈夫じゃ」

娘「なによそれ」

神官「おや? 道が」

少年エルフ「神官さんどうしたの?」

神官「道が塞がってますね」

道は巨大な岩のようなもので塞がっている。

娘「落石? 困ったわね」

第七王女「これくらい登って……なんじゃ? やけにツルツルした岩じゃのう」

ゴゴッ

少年エルフ「まって! この岩動いてる」

第七王女「なんじゃと?」

ズボォン



471: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:46:08.23 ID:Pnjt5fO/0


少年エルフ「うわああ」

娘「きゃあ」

第七王女「ほおおおお!?」

岩だと思ったのは巨大な巻貝だった! 下から巨大なハサミが伸びてくる。

シャキンシャキン 

神官「またカニですか?」

第七王女「いやこれは ヤドカリじゃ! 巨大ヤドカリじゃ」

巨大ヤドカリが襲い掛かってきた。

カサカサカサ シャキンシャキン

娘「カニだかエビだかしらないけど……もうたくさんよ”雷斬り”」

ズバァン ビリビリ

娘「くっ 硬いわね……」

シャキンシャキン

第七王女「うーむ こんなところで暴れられてものう」ヒョイヒョイ

少年エルフ「ねぇ この崖の下って海でしょ?」

神官「そうですよ」

少年エルフ「だったら……”風弾”」ビュオオオン

巨大ヤドカリ「!?」グラッ

ひゅーん ドボーン

巨大ヤドカリは風で体勢を崩して海に落ちて行った。



472: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:47:39.29 ID:Pnjt5fO/0


娘「凄いわパパ 流石だわ」

神官「ただの風弾であんな巨体を……たいした魔力ですね」

少年エルフ「え? その……僕はあれしか出来ないから」エヘヘ

第七王女「よーし進むのじゃ」

神官「おや足元に気をつけてください…… ウニがいますよ」

第七王女「なに?」



第七王女「海の中みたいじゃといったが……」

少年エルフ「ホントに海の中歩いてるんじゃないよね?」

灯台への崖の道は巨大なイソギンチャクやヒトデ ウニといった磯辺の生き物にあふれていた。 巨大化して。

巨大ウミウシ「……」ヌロン

巨大ウミウシがあらわれた。



473: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:52:53.33 ID:Pnjt5fO/0


少年エルフ「……」

第七王女「……」

のそのそ

娘「……」

神官「……のろいですねぇ」

のそのそ

巨大ウミウシは道を横切っている。

少年エルフ「歩いてるだけだし 待とうよ」

第七王女「そうじゃな」

娘「でもこの巨大海産物は一体なんなの? ここらの特産なの?」

神官「いえいえ こんな巨大なの初めてみますよ異常ですよ」

少年エルフ「これってやっぱり灯台の異変と関係あるのかな?」

神官「どうでしょうね ……でもこんなものが歩き回ってたら普通の人は外に出れないですね」

第七王女「そうじゃな 灯台守も困っておるのかもしれんの」



474: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:54:06.63 ID:Pnjt5fO/0



神官「もう少しですかね」

第七王女「やっとか結構かかったのう」

\キャーー/

第七王女「悲鳴じゃ! 誰かが襲われておる」

ダダダ

第七王女は道を引き返して悲鳴の元へ向かう。

娘「でも後ろからって?」

神官「他にもお客さんがいたんですかね」



孫僧侶「きゃーヘビー!!」

爺僧侶「似てるが違う これはウツボじゃ!!」

魔法勇者「なんだここは? ハァハァ……さっきから無茶苦茶じゃないか……ぜぇぜぇ」

巨大ウツボ「シュルル」

魔法勇者たちが巨大ウツボに襲われている。

孫僧侶「来るな”風刃”」シュバッ

巨大ウツボ「ギュオ」

巨大ウツボに風の刃が当たるが大したダメージにはならない。

爺僧侶「坊 はやく魔法を」ブンブン

爺僧侶はメイスを振り回してけん制をしている。

魔法勇者「まて……走りっぱなしで息が……」

巨大ウツボ「ギュオオオ」

爺僧侶「うおおお」



475: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:55:45.66 ID:Pnjt5fO/0


娘「”電撃”」

バリバリバリッ

巨大ウツボ「ぎゅわあああ」

巨大ウツボは電撃に怯んで逃げ出した。

爺僧侶「おう……助かりました」

第七王女「なんじゃ おぬしらか」

魔法勇者「ふん なんだその……偶然だな」

娘「偶然ってウソでしょ」

孫僧侶「あ 王女ちゃん今朝ぶりー 走って追いかけてきたよ」

爺僧侶「霧の中を走ったせいで何度が大変な目に遭いましたがの」

魔法勇者「だからお前ら全部勝手に言うんじゃねぇ!」

第七王女「ほーう 追いかけてのう なんぞ用があったのかの?」

魔法勇者「別に…… 俺は勇者としての責務を果たしに灯台に行く途中だ」

第七王女「勇者のう…… まぁ勇者を名乗るのは誰でもできるからのう」

魔法勇者「なっ お前だって勝手に二代目とか名乗ってるんじゃねーよ」

第七王女「なんじゃと!」



476: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:57:39.60 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「お やるか? 言っておくが俺は熱量操作は上位系統まで習得済みだぞ」

第七王女「な~にが上位系統じゃ そんなものこうじゃ」シュッ

第七王女は投げナイフを投げつけた!

少年エルフ「ちょっと王女!?」

魔法勇者「んな!?」

ザシュ

???「キュエエ」

霧の中から魔法勇者を狙っていた何かが引っ込んだ。

第七王女「なんじゃ今のは? またウツボかの」

魔法勇者「やってくれるじゃねえか ”氷牙”」シュキン

魔法勇者は氷の刃を打ち出した。

爺僧侶「な!? 坊!」

第七王女「よっと」ヒョイ

シャキン パキパキ

???「キュエエ」

第七王女「な!?」



477: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:58:42.42 ID:Pnjt5fO/0


第七王女が立っていた場所に氷漬けになった触手が落ちている」

魔法勇者「なんだこれは? タコか?」

孫僧侶「ちょっと……今の何?」

娘「気をつけて 霧の中に何かいるわ」

ニュルニュルニュル

バシンバシン

少年エルフ「うわぁ」

霧の中から触手が襲い掛かってきた。

神官「いやはや困りましたね」



478: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:00:10.74 ID:Pnjt5fO/0



孫僧侶「きゃーー」

孫僧侶が触手に捕まり霧の中へ吸い込まれた。

魔法勇者「お前! どこ行った!?」

第七王女「おのれ 姿を現さずに卑怯な!」

娘「王女危ない!」

バシン

少年エルフ「娘!」

娘「痛ぅ ドジったわ……きゃっ」

娘も触手に捕まってしまい霧の中へ消えてしまった。

少年エルフ「娘! こんな霧……”旋風”」ゴオオ

旋風が巻き起こりあたりの霧を散らした。

???「」ニュルニュル

孫僧侶「きゃあああ ナニコレ!?」

魔法勇者「イカぁあ!?」

巨大イカが娘たちを捕まえている。



479: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:02:29.03 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「魚介類のくせに陸で戦うとは不届きな 食らえ”豪火球”」

ボオォン

巨大イカ「!!」

娘「熱っつ ちょっとお!」

孫僧侶「アタシたちも居るんですよ バカ坊!」

魔法勇者「ぐぬう だったら双高閃熱で……」

神官「豪火球より範囲が広いじゃないですか」

少年エルフ「もっとピンポイントの魔法はできないの?」

魔法勇者「俺はチマチマした魔法は好かん!」

第七王女「だったらわらわが直に切り落としてくれるわ」シュッ

少年エルフ「王女」



巨大イカ「」ウニュルウニュル

巨大イカは魔法に怯んで海に逃げようとしている。

孫僧侶「このっこのっ はなせ」ぺしぺし

娘「……(剣は落としたしあの子がいたんじゃ電撃も……何か手は)」

タタタ

第七王女「いま助けるのじゃ」

孫僧侶「わーたすけてーこっちですー」ジタバタ

第七王女「とーう」

娘「あ 王女ダメ!」

第七王女は高く舞い上がり跳びかかった。



480: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:03:43.93 ID:Pnjt5fO/0


巨大イカ「」シュル

パシ

第七王女「あ」

第七王女は空中で巨大イカに捕まえられてしまった。

娘「遅かった……」

第七王女「ぬかったわ……」

孫僧侶「空中じゃ避けれないですよね」

娘「っていってる場合じゃないわ 落ちるわよ!」

巨大イカは崖から海へ飛び込む。

孫僧侶「きゃああああ」

第七王女「おおおおお」

ザッパーン



少年エルフ「うそ 娘ー!?」

爺僧侶「なんてこと……孫よ」

神官「あ 浮いて来ましたよ」

海面に巨大イカと娘たちが浮かび上がった。

少年エルフ「娘ー! 王女ー!」

神官「……今の衝撃で気を失ってるようですね」



481: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:04:50.95 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「くそ アイツらが捕まっていなければ俺の魔法で」

爺僧侶「あやつあんな所へ……」

巨大イカ「」ニュルニュルニュル

巨大イカは大きな岩の割れ目にその巨体を滑り込ませていく。

爺僧侶「信じられん あんな巨体が」

魔法勇者「くそ 逃げられるぞ」

みるみるうちに巨大イカはその体の大半を岩の向こうへ滑り込ませた。

少年エルフ「娘ー!」

娘「う…… エルフ……?」

ニュルン

最後に見えていた、捕まえられた娘が闇に消えた。



少年エルフ「そ そんな娘……」

魔法勇者「くそまだ間に合う いくぞ!」

爺僧侶「おやめください 海に飛び込むつもりですか!?」

少年エルフ「あんな所どうやって下りれば……」

神官「あそこは確か……灯台の魔力の間ですよ」

爺僧侶「灯台の? どうしてこんな所にそんなものが」

神官「おや? だってもう灯台ですから」

少年エルフ「え?」

霧の向こうにうっすらと塔らしき物が一瞬見えた。

神官「霧が濃いですからね 気づきませんでしたか」

少年エルフ「じゃあ灯台の地下があの岩の向こうに……」

神官「そのはずですよ」

魔法勇者「よし 行くぞ」



482: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:06:04.82 ID:Pnjt5fO/0

○灯台・入口

魔法勇者「ここが入口だな」

神官「焦るのはわかりますが あまり軽率に動いては……」

爺僧侶「たしかに中に何が居てもおかしくはありませんな」

少年エルフ「でも早くしないと娘達が」

魔法勇者「ええい もう何が出ようと怯まぬドーンと来い」

バァン

魔法勇者は扉を開け放った。

イカ男A「!」
イカ男B「!」
イカ男C「!」
イカ男D「!」
イカ男E「!」
イカ男F「!」

少年エルフ「ひ……頭が……」

爺僧侶「またイカか!?」

神官「これはまた『イカ人間』ですかね」

イカ男たち「ッ!ッ!!」ニュルニュル

イカ男たちが襲い掛かってきた!

少年エルフ「うわあああ」

魔法勇者「このゲソ野郎!」




485: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:34:33.18 ID:tc6U6LHs0

#23 博士の特殊な愛情



486: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:37:57.55 ID:tc6U6LHs0

○???

ニュルニュルニュル

???「戻ったか今度は何を捕まえた」

巨大イカが使えた娘達を差し出す。

娘「……」

孫僧侶「……」

第七王女「……」

娘達は気絶している。

???「これは素晴らしい! 最高の素材だ」

巨大イカ「」ニュルニュル

???「よくやった 船に運んでおけ 丁重にな」

???『やめろっ こんな子供まで巻きこむな!』

???「貴様…… まだそんなことを」

???『もう計画は終わりだ 皆をもとに……もど……』

???「……うむ よし消えたな……研究は既に私のものだ」

\ドーン ボゴォン/

???「まだ騒がしいのが残っておるな」



487: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:42:38.95 ID:tc6U6LHs0

○灯台一階

ドタドタドタッ

魔法勇者が魔法を連発しながらイカ男を蹴散らしていく。

魔法勇者「どけどけーい”爆裂”」

ドドォン

イカ男「ッッ!!」

イカの焼ける匂いをかきわけ少年エルフ達は駆け抜ける。

少年エルフ「こっちでいいの?」

神官「そうですね 管理室があるはずです」

管理室への扉が見えた。

魔法勇者「ここか?」

ガチャ

少年エルフ「あかないっ!?」

魔法勇者「これしき ”炸裂”」

ボォン

魔法勇者は魔法で扉をふっとばした。



488: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:45:44.60 ID:tc6U6LHs0

○管理室

灯台守「ひゃあああっ お助けー」

神官「おや? 無事でしたか」

魔法勇者「灯台守か」

灯台守「おぬし! それに貴方たちは?」

魔法勇者「俺は魔法勇者だ助けにきたぞ」

灯台守「それはなんとありがたい……急に生物が大きくなってしまって」

少年エルフ「ごめんなさい 詳しく話してる場合じゃないの地下にはどこから行けるの?」

灯台守「地下…… 魔力の間ですかな? あの扉の向こうに階段が」

少年エルフ「ありがとう いこうっ」

灯台守「しかしその先はどうなっているやら…… どうなっても知りませんぞ」

魔法勇者「そうか しかし行かねばならん乙女のピンチなんだ」

爺僧侶「しかしこのご老人を独りにするのも…… 扉をふっとばしてしもうたし」

魔法勇者「う……」

神官「だったら私が残ります 皆さんは先に行ってください」

少年エルフ「わかった ありがとう神官さん」

魔法勇者「よし いくぞ!」

ダダダダッ



489: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:49:22.18 ID:tc6U6LHs0

○地下階段・魔力の間前

魔法勇者「よしここだ 入るぞ」

少年エルフ「うん」

爺僧侶「いつでもいいですぞ」

ガチャッ

○魔力の間

バタン

サクサク

少年エルフ「砂だ…… この部屋海とつながってるんだ」

爺僧侶「こちらには潮だまりが…… 海から魔力を引き出すようですな」

魔法勇者「おかしい…… イカはどこだ?」

爺僧侶「そういえばいませんな まさか孫を連れて海に」

少年エルフ「まって何か聞こえる……」

ポコッポコポコ

魔法勇者「なんだ!? 貝?」

砂の中から一抱えもあるシジミが現れた。



490: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:53:35.34 ID:tc6U6LHs0


少年エルフ「うわぁ おっきい」

爺僧侶「これ一つで鍋になりますな」

魔法勇者「言ってる場合か? どんどん出てきたぞ」

ボコボコ

無数の巨大シジミが現れて口を開いた。

巨大シジミ「」パカ―

開いた口から不思議な匂いが漂う。

少年エルフ「……っあ これ吸っちゃ」スースー

少年エルフは眠ってしまった。

魔法勇者「おいチビ助」

爺僧侶「まずいですぞ坊 息を止めてください」

無数の巨大シジミから不思議な匂いが立ちのぼる。

魔法勇者「罠か 逃げるぞ」

魔法勇者は少年エルフを抱えて扉へ向かう。

ガチャン ガチャガチャ

爺僧侶「なぜじゃ!? 開かん!! ぐぅ――」

爺僧侶は眠ってしまった。

魔法勇者「クッ……(ハメられた くそっ)」フラッ

ドサっ

魔法勇者は眠ってしまった。



491: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:06:06.20 ID:tc6U6LHs0



ガコン ギィイ

扉が開き灯台守とイカ男達が入ってきた。

灯台守「どうなっても知らんと……警告はしたぞ? よし外にでも放り出しておけ」

神官「まさか あれが貴方の研究成果だったとは」

イカ男たちが少年エルフ達を担ぎ上げる。

灯台守「あんなものは実験作にして失敗作だ」

イカ男達は少年エルフたちを担いで壁の裂け目から外へ出ていく。

神官「あれで失敗ですか? ちゃんと合体生物として機能しているようですが 外の巨大生物もお見事でした」

灯台守「それをお主がいうか」

神官「謙遜しないでください 進化合体の秘法を一部でも解明したのはお手柄ですよ」

灯台守「進化合体か フン……そんなものは手段にすぎん」

神官「おや それなら最強生物とか戦闘生物とかを造るとかがお望みで?」

灯台守「そんなものただの巨大進化させたイカで十分だ ……私の望みは美の境地」フフフ



492: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:09:13.71 ID:tc6U6LHs0


神官「美の境地? 人魚でも造るおつもりで?」

灯台守「なんで半魚人なんぞを合成しなきゃならん そんなものより優美で可憐 そして妖艶……それを体現できるのは触手と少女の合体生物”スキュラっ子”に他ならない!」ドーン

神官「す……スキュラっこ?」

灯台守「わからんか? 可憐なる少女にして優美な流線型の触手を下半身に持つ妖艶なる存在…… 少女と触手が合わさり最高に見える! そうは思わんかね?」

神官「えーっと そうかもしれませんね」

灯台守「なんだ? 貴様も私を蔑むのか」

神官「いえそんな…… ただあの子たちを実験台にするのはやめたほうが」

灯台守「なにをいう! あれこそ奇跡だ! 理想だ! あのボディを私は待ってたのだ!!」

神官「しかし……」

灯台守「お主には恩があるが実験を邪魔するというのなら……」わさわさわさ

灯台守の髪が膨れ上がり揺れ動く……灯台守の頭は大きなタコになった。

タコ博士(灯台守)「お主も貝にしてやろうか」ニュルニュル

神官「……いえいえ 滅相もありませんよ博士」



493: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:11:37.42 ID:tc6U6LHs0


タコ博士「ならば良い 私はさっそく実験の準備にかかる 邪魔しないなら見学を許そう」

神官「そうですか それなら是非」

タコ博士「では船に向かう これを口に含め」

神官「海藻ですか?」

タコ博士「進化合体させた海藻だ 酸素を大量に発生させるから海中でも息ができるぞ」

神官「便利ですね~ って船まで泳ぐのですか!?」

タコ博士「そうだ さっさとしろ! 実験が遅れるだろうが」ニュル

神官「うわっちょっと」

ザッパーン

神官はタコ博士に引っ張られて潮だまりに引きずり込まれた。


○砂浜

魔力の間から放り出された少年エルフ達は砂の上で意識を失っている。

魔法勇者「……ぐ」

爺僧侶「ぬぅ……」

少年エルフ「……うぅん」

さくさく

???「……(この人たちならば)」

ひょい……ズルズルズル

少年エルフは背負われ、魔法勇者と爺僧侶は引きずられていった。




少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」【後半】
元スレ
少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451087487/
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