【ゲート】×【異世界食堂】洋食のねこや 彼の地にて、斯く営業せり
伊丹「よし、弾込め!安全装置!いつものように営門を出たら戦闘地域ということを
忘れずに注意と警戒を怠らないように。乗車!」
桑原「各員、乗車!」
伊丹「おい、どうした?」
倉田「いや、道の脇になんかドアみたいなのが…」
伊丹「本当だ、各車、停止!」
倉田「なんなんでしょうね?」
栗林「銀座事件のときの遺物でしょうか」
伊丹「だとしてもドアだけこんなところに立ってるっておかしいだろ?」
富田「何かのトラップでは…」
桑原「隊長、気をつけてくださいよ」
伊丹「うわぁっ!」
桑原「隊長!どうしました!?」
栗林「隊長!」
倉田「隊長!」
桑原「どういうことです?」
伊丹「わからん、『門』が開いた時に銀座にあった店の中だけここに繋がったとか…」
倉田「そんなことってあるんですか?」
黒川「まあなにがあっても不思議じゃありませんからねえ」
伊丹「とにかく調べてみよう、要救助者や拉致被害者がいるかもしれん。笹川、工作機材の中にファイバースコープ
あったろう、頼む」
伊丹「よし、倉田、栗林、黒川、富田、古田、俺に続け。東、勝本、仁科はドアの周辺の警戒。残りは
警戒しつつ車輌で待機。おやっさん、あと頼みます」
桑原「了解です」
伊丹「よし、突入用意!着け剣!」
アレッタ「なんでしょうね?」
チリリン♪
アレッタ「あ、いらっしゃいませ…ひいいいっ!」
店主「わああっ!なんだなんだ!?」
栗林「突入ー!」
栗林「ちょっと、なにこれ…」
アレッタ「あ…あの…」
店主「あの…皆さん、自衛隊の人ですか?」
伊丹「はあ、そうですけど…」
伊丹「おーい、みんな、大丈夫みたいだ。こっちに来てくれ」
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桑原「それで、こちらのご主人のお祖父さんが毎週土曜日に異世界でこのお店の営業を始めたと…」
黒川「にわかには信じ難い話ですね」
富田「隊長、どうしますか?」
伊丹「よし、とりあえずメシにしよう」
桑原「えっ」
富田「えっ」
黒川「えっ」
栗林「えっ」
栗林「いや、確かにお腹減ったなとは思ってましたが…」
伊丹「すみません、12人ですけどいいっすか?」
店主「え…ええ、お好きな席へどうぞ」
伊丹「心配すんなって。給料も出たしおごるよ。こう見えても尉官だぜ、陸士や陸曹とは支給額が違うんだから」
黒川「い…いや、そうじゃなくて…」
店主「勘弁してくださいよ…」
アレッタ「あの、マスター、この人たちって一体…」
店主「ああ、この人たちは自衛隊っていってな、俺の国の軍人さんだよ」
黒川「自衛隊は軍隊ではありません」
伊丹「いや、こっちの人に憲法9条とか言ってもわかんないから」
こっちの世界にもつながるとはねえ」
桑原「隊長、上にはどう報告しましょう?」
伊丹「いや、やめとこう。こちらにご迷惑が掛かるかもしれないし、何より信じてもらえないと思う」
栗林「ですよねえ…」
富田「いいのかなあ…」
伊丹「ええ、お願いします」
クロ(いらっしゃい、何にする?)
伊丹「わあっ!なんだ!?」
倉田「あのウェイトレスさん、頭の中に直接話しかけてきましたよ!?」
栗林「なに?テレパシーってやつ?」
富田「さすがは異世界だなあ…」
店主「まあ、どちらでもいいんですが…」
伊丹「じゃあ俺はお好み焼きセットをシーフードで!お前らは?」
倉田「隊長、ここまで来てお好み焼きですか?」
伊丹「いや、メニューにあったし普通の料理なら宿営地でも食えるから」
倉田「じゃあ俺はハンバーグ定食!」
古田「自分は日替わり定食を」
アレッタ「はーい、今日の日替わり定食はポークソテーですよ」
黒川「みんな順応早いですね…」
桑原「そうだな…」
伊丹「お前ねえ…」
栗林「もうやだこいつ…」
クロ(お待たせした)
伊丹「おっ、来た来た」
富田「じゃあすみません、ご馳走になります」
伊丹「じゃ、いただきまーす」
倉田「本当だ、これもうまいですよ」
伊丹「うーん、隠れた名店を発見したな」
富田「隠れた名店っていうか、隠れ過ぎでは…」
古田「…」
伊丹「古田、どうした?なんか気に入らないことでもあるのか?」
古田「いえ、そうじゃないんですが…」
古田「あ、やっぱりわかります?」
店主「ええ、長らくこの仕事やってると、同業者の人はすぐわかるんですよ」
古田「自分、以前は和食の料理人やってて、今度、現地の人たちに料理を振る舞う任務があるんですが、
こっちの洋食をうまく現地の人向けにアレンジしてるなあって感心してしまって…」
店主「いろいろとコツがありましてね」
桑原「職人の道は職人が知るってことかなあ」
伊丹「うーん、それにしてもお好み焼きうまいなあ、ビール頼んだらまずいよな?」
栗林「ダメに決まってるでしょう」
アレッタ「はーい」
伊丹「あ、しまった、金おろすの忘れてた。えーっと、カードで」
アレッタ「えっ」
店主「ああ、いいよ。俺がやるから。うーん、こっちで営業するようになってから、
カード払いのお客さんが来たの初めてだなあ」
伊丹「でしょうねえ」
店主「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
富田「こりゃあますます信じてもらえないでしょうねえ…」
伊丹「よーし、大休止終了!出発!」
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アレッタ「マスター、変わったお客さんでしたね」
店主「ああ、俺も少々のことでは驚かない自信があったが、あれはちょっとびっくりしたな」
クロ(何事もなくてよかった)
店主「今日はもう例の最後のお客さん以外は来ないだろうなあ、ビーフシチューの支度をしたら
店じまいの用意だな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヤオ(まさかこんな処で迷ってしまうとは…、人里からどんどん離れていっている気がする…)
ヤオ(これでは路銀があってもなんの意味もないな、腹が減った…、『緑の人』たちに逢う前に
野垂れ死にすることになろうとは…)
ヤオ(なんだあの扉は…、異質な魔法の気配を感じる…、頼む、我への救いであってくれ…!)
終
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コメント一覧 (17)
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- 2018年01月21日 03:58
- 伊丹と店主、同じ声じゃね
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- 2018年01月21日 04:06
- ゲートって知らなかったけどなるほど、どっちも現代日本とファンタジー世界の異世界交流(?)モノなのね
自衛隊が異世界を挟んで洋食屋に行くとかいう実に回りくどいネタなわけだな
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- 2018年01月21日 04:15
- 続きみたい!
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- 2018年01月21日 07:13
- これは面白い
まぁ、世界観の誤差はあるけど、無視できるレベル
しかし、伊丹と店主、アニメでは同じ声優だからな、誰もツッコミいれないな・・・
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- 2018年01月21日 09:23
- オバロとのコラボもあったけど同じ作者かな?
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- 2018年01月21日 10:12
- タイミングがヤオ参戦前か。
個人的にはゲート側の異世界組の反応も見てみたかった気が
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- 2018年01月21日 12:23
- ここまで来たら、異世界居酒屋とクロスしてしまえ
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- 2018年01月21日 12:46
- 伊丹たちが、異世界の扉から来店して裏口から出ようとした場合、どうなるんだろう。
結界に阻まれるのか、それとも普通に外に出られるのか。
ねこやビルには結界が張ってあり、異世界人はビルから外に出られない。
何を条件に「異世界人」と判定しているのか、かな。
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- 2018年01月21日 13:21
- いや自衛隊側(現代の日本人)が来店したら異世界食堂の持ち味が全くの無駄になってるだろ
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- 2018年01月21日 13:47
- ※10
伊丹たちは異世界側に常駐してるし、駐屯地や異世界の町では出てこない
懐かしい料理を食えるってだけでも十分価値があると思うが。
食糧の調達コストなんかも考えれば、ある程度決まったメニューのローテになりそうだし。
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- 2018年01月21日 13:53
- ※9
「扉」を通じた時点で結界の対象になるんじゃないか?
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- 2018年01月21日 14:24
- けっこう無茶苦茶な状況なのに普通に飯食って普通に出発するだけの話になってるぞw
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- 2018年01月21日 19:11
- 一方通行で緊急用の裏口として利用される
やがて揉め事を持ち込んで出入り禁止になる
特に困らないが日本からも入店できなくなる
いや月曜~金曜ならワンチャンあるか
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- 2018年01月23日 16:12
- 食堂はホントクロスオーバーss向きだわ
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- 2018年01月29日 21:10
- 異世界食堂面白かったなぁ
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- 2018年06月13日 10:42
- 異世界食堂の主役は食いものなんだなということがよくわかった
どっちも好きだからこういうコラボは嬉しいわ