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【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その3】

関連記事:【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その2】





【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その3】






684: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:03:23.80 ID:6rFENQYOo

続きを投下します。



685: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:07:07.21 ID:6rFENQYOo


 * 東の沖合 大将の艦隊 *

武蔵「泊地棲姫だと!? どこに潜んでいた!」

清霜「電探の反応も全然なかったのに……もしかして壊れてる!?」バシバシ

妙高「いえ、この場にいる誰もが反応できていませんでしたから、電探のせいではないのでしょう……!」

羽黒「J少将の船をあんなふうにしたのも、泊地棲姫の仕業なんですか……!?」

霧島「泊地棲姫の武装にあの兵器のデータはありません」

霧島「おそらくは私たちの知らない、新種の深海棲艦が潜んでいるはず!」

初風「もしかして、J少将の艦隊はこれを見越して島へ先制攻撃をしたのかしら……」

武蔵「他の部隊も混乱している。霧島、我々は泊地棲姫に打って出ようと思うが、どうだ」

霧島「長距離砲の私と武蔵さんが泊地棲姫の目を引き付け、重巡の二人が迫撃をかけます」

霧島「駆逐艦二人は重巡の露払いを。皆さん、お願いできますか」

清霜「そういうことなら任せて!」

初風「初風、先行するわ!」

武蔵「よし、展開しろ!」

霧島「さあ、砲雷撃戦、開始するわよ!」


矢矧「きゃあああああああああ!!」ピューーーン


武蔵霧島妙高羽黒初風清霜「!?」



686: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:08:14.25 ID:6rFENQYOo


武蔵「……なんだ今のは」

妙高「……矢矧さんですよね?」

武蔵「だよな? 大和じゃないよな?」

霧島「矢矧さんですよね……」

武蔵「だよな……」

 ガキーン

霧島「……って、あら?」

武蔵「どうした?」

 マンリキスピン < ガキーン

霧島「これ、何かし……きゃあ!?」グルンッ

武蔵「うおっ!? 危な!」

霧島「と、止まらな……きゃあああああああ!?」グルグルグルーッ

 マンリキスピン < ギュイイイイーン!

武蔵「き、霧島ぁ!?」

 マンリキスピン < ピタ!

霧島「はうあ!?」ガクーン!

武蔵「き、霧島! 大丈夫か!?」



687: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:09:32.90 ID:6rFENQYOo


霧島「……め」オメメグルグルー

武蔵「め?」

霧島「メガネ、メガネ……うーん」ヨタヨタ ドシャッ

武蔵「外れてないぞ!? かけてるぞ!! 霧島、しっかりしろ!」

妙高(あの高速回転で外れない眼鏡っていったい……)

清霜「武蔵さん大変だよ! さっきまでたくさんいた潜水艦の気配がまた消えてる!」

武蔵「この場を早く離れたほうが良さそうだな……霧島は私が曳航する、離脱して立て直すぞ!」

羽黒「はいっ、わかりま……」

 ガキン

羽黒「きゃああ!?」バタッ

清霜「羽黒さん!?」

武蔵「どうした!?」

羽黒「何かが足に……」

 ハンギングチェーン < キュルキュルキュル…

羽黒「えっ!? い、いやあああ!? み、見ないでぇぇ!」ブラーン



688: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:10:55.50 ID:6rFENQYOo


初風「羽黒さんが逆さ吊りに!?」

清霜「あ、あの鎖、どこに繋がってんの!?」

初風「そんなことより、早く下ろしてあげないと!」

妙高「ええ! 対空砲、用意……!」ザッ

 ベアトラップ < ガキン

妙高「きゃあっ!?」バタッ

清霜「妙高さん!?」

妙高「つっ……これは、羽黒と同じ……?」

初風「今はずします!」

武蔵「気をつけろよ!」

初風「……な、なんなのよこのトラバサミ、滅茶苦茶固くてびくとも……妙高姉さんの足が抜けないわ!」ググググ

武蔵「なんでこんなものが……」

 ギャイイィィン

武蔵「何の音だ?」ミアゲ

 逆さ吊りにされた羽黒の上から迫ってくるサーキュラーソー < ギャイイィィン!

羽黒「……っ!?」



689: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:12:12.85 ID:6rFENQYOo


清霜「なにあの丸ノコ!? なんで空に浮いてるの!?」

武蔵「く……っ、どけ清霜! 砲撃で吹き飛ばす!」

清霜「それじゃ羽黒さんにも当たっちゃうよ!」

武蔵「わかっている! だ、だが……!」

羽黒「ひ、た、助け……」ガタガタガタ

 サーキュラーソー < ギュアァァァァァァアッ!!

羽黒「いやああああああああああああああ!!!」ギャリギャリギャリーッ

清霜「あ、あああ……」ガタガタ

妙高「はぐ、ろ……!?」

 ユラッ

武蔵「おい、今度はなんだ……!?」

 ギロチン < ギラッ

妙高「ひ……っ!?」

 ギロチン < ジャララララララッ!

 ジャガンッ!



690: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:13:47.69 ID:6rFENQYOo


妙高「……」

妙高「……」

妙高「……?」

初風「みょう、こ……ねえ、さん……?」

(初風の背中の艤装をギロチンが深々と切り裂いている)

武蔵「初風!!」

妙高「初風さん!?」

初風「ね、え……私の、くびは……まだ、つながっている、かしら……」

妙高「ええ、大丈夫……大丈夫よ! 初風さん!」ダキッ

初風「そう……良か……っ」ガク

清霜「初風!!」

妙高「大丈夫、気を失っただけ……」ハッ

妙高「武蔵さん! 上!!」

 フォールニードル < ガシャッ

清霜「こ、このお! あんなの、私がぶっ壊せば……」ジャキ

武蔵「よせ清霜! 手を出すな!」ガシ

武蔵(この武蔵の艤装なら、あの天井に耐えられるはず……!)

 フォールニードル < ガラララララッ

清霜「武蔵さぁん!!」



691: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:15:23.57 ID:6rFENQYOo


 フォールニードル < ガキンッ

武蔵「ぐぅっ……!」

 フォールニードル < ピタッ

清霜「……え?」

妙高「止まった……」

武蔵「う、うう……あ、あれ?」

 フォールニードル < スゥ

清霜「む、武蔵さん! さっきの吊り天井、消えたよ!?」

武蔵「……ど、どういうことだ? ちょっと艤装に乗っただけだぞ?」

 ザァァァ

那智「まったくだ。これは一体どういうことなんだ?」

武蔵「お前たちは……この島の艦娘か?」

足柄「そうよ。妙高姉さん、大丈夫? 明石にも来てもらったわ」

妙高「え、ええ、私よりも、初風ちゃんと羽黒が……」グス

ハ級「こやつは羽黒と言うのか。彼女は心配ない」

武蔵「!? いつの間にハ級が!?」

清霜「っていうか、喋った!?」

ハ級の上に立つゼシール「この者ではない。私だ」クルッ スタッ

那智「ゼシール、貴様か」



692: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:17:00.74 ID:6rFENQYOo


ゼシール「引き裂いたのは羽黒の衣服だけだ。私は彼女の肌に傷をつけてはいない」

ミーシャ(ヨ級に騎乗)「も、もしかしたら、私の釣竿の方が痛かったかもしれないです」

羽黒「」キゼツ

足柄「恐怖のあまり引き付け起こして気を失ってるわ。私が医療船に連れて行くから、下ろしてくれる?」

ミーシャ「は、はい。私も一緒に行きます」カチャン

妙高「羽黒が無事なのなら、早く初風ちゃんを診てあげて!」

明石「わかりました! ……って、これはひどい……」

那智「なんとかならなかったのか?」

ルイゼット(ロ級に騎乗)「咄嗟に飛び込まれまして、止められませんでした。申し訳ありません」パッ

清霜「女の人がいきなり出てきた!?」

武蔵「待て、寸止めするつもりだったと?」

ナンシー「そうだよー? もともと、あなたたちを大怪我させる予定はなかったんだから」クルン ストンッ

武蔵「私の背中にも!?」

妙高「那智、この人たちは一体何者なの?」

那智「先日、深海棲艦が攻めてきたときに撃退を手伝ってもらった、罠の化身。メディウムと呼ばれる存在です」

妙高「罠……?」



693: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:18:49.26 ID:6rFENQYOo


那智「詳しい話はあとです。明石、早く初風を連れていこう」

明石「はいっ! 武蔵さん、初風さんをお願いできますか!?」

武蔵「あ、ああ、わかった。そうなると清霜に霧島を頼むことになるが……」

清霜「任せてよ武蔵さん! んぎぎぎぎ……」キリシマセオイ

那智「では、私も彼女を手伝おう」グッ

清霜「あ、ありがとうございます!」

那智「すまない姉さん、ゆっくりでいいから中佐のところへ合流してほしい」ザァァ

妙高「ええ、わかりました」

妙高「……」

オディール(ヘ級に相乗り)「その足、おつらそうですわね?」ポンッ

メリンダ(チ級に相乗り)「私のせいで申し訳ありません。よろしければ、お手をお貸しできますが、いかがでしょうか」ヒュンッ

妙高「! ……それは、深海棲艦の彼女も、それで良いと仰るのですか?」

チ級「」コクコク

メリンダ「はい」

妙高「……それでは、お言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます」ニコ

チ級「」ニッ

妙高「……不思議ですね。深海棲艦に……あなた方にこうして肩を貸していただけるなんて」



694: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 00:20:18.58 ID:6rFENQYOo


妙高「私たちの提督、大将は、こうして人間や艦娘と、深海棲艦が共に歩める世界を望んでいました」

妙高「あなた方の力があれば、そんな未来を夢見ることも許される気がします」

ゼシール「残念だが、それは夢物語のままで終わるだろう」

妙高「!? それは……どうしてですか?」

ルイゼット「我らメディウムと、我らが主たる魔神様がこれまで人間に受けてきた仕打ちの数々を考えれば当然のこと……」

妙高「魔神様……?」

ルイゼット「あなた方の言う提督少尉。人間の身にありながら魔神の力に目覚め、私たちをこの地に召喚してくださったお方です」

オディール「私たちは罠の化身。船の化身たる艦娘や深海棲艦と仲良くなること自体はやぶさかではありませんわ」

メリンダ「ですが、人間とも仲良く、というあなたの考えには、賛同できかねます」

妙高「……」

チ級「……」

ゼシール「我らにとっては、人間は敵だ。そこに容赦など存在しない」

オディール「友人の友人が必ずしも仲良くなれるとは限らないのと一緒ですわ」

妙高「……つかず離れずが望ましいと……」

ゼシール「そうなれば良かろうが、期待はできないな。欲深く傲慢な人間どもは、我らの存在を認めようともしないのだから」

妙高「……」

妙高「……ところで、さっき、大怪我をさせるつもりはなかったと仰いましたが、その意図は?」

ゼシール「我らは艦娘をこの海域から避難させるつもりだった」

妙高「避難?」

ゼシール「ああ。人間を皆殺しにするのに、お前たちがいては邪魔だからだ」

妙高「!!」




698: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:34:37.59 ID:6rFENQYOo


 * 東の沖合 W大佐の艦隊 * 

球磨「多摩! 対潜哨戒まじめにやってるクマ!?」

多摩「やってるにゃ! この辺の潜水艦の反応がおかしいだけにゃ!」

日向「ああ、潜水艦が多すぎる上に反応が出鱈目だ……迂闊に動けないぞ」

鈴谷「いやいや、それはなんとかこっちで相手するしかないっしょ!」

熊野「戦艦のお二人には大物を狙って戴かないといけませんわ」

榛名「! 日向さん、あれを!」

日向「ヲ級とタ級!? くそ、こんなときに厄介な」

榛名「私が敵を牽制します! 引き付けている間に狙ってください!」ガシャッ

日向「……わかった、無理はするな!」ジャキッ

榛名「さあ、こっちです!」ドドン


タ級「……!」ザザァッ

???「あれは榛名か……残念だが、お前の相手をする気はないんだよ!」

タ級「!」ギュアッ


榛名「加速して回避した!?」

日向「タ級め、まっすぐこちらへ向かってくるか!」



699: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:36:36.20 ID:6rFENQYOo


タ級「……」ニヤリ

日向「! なんだあの槍は」

タ級の艤装に乗ったコーネリア「ぼけっとしてんじゃないよ! ほら、そこぉ!」

 ギルティランス < ジャキィィィン

日向「うおっ!?」ガガガッ

榛名「日向さん!」

 深海艦載機 < ババババッ

榛名「っ! 私は先にこちらを相手しないと……」

フローラ(イ級に騎乗)「ごめんなさい、そちらは囮なんですよ~?」

榛名「え?」

 チュウシャキ < プスッ

榛名「な、なんで榛名のおしりに注射器が……?」ガクン

フローラ「少なくとも1時間は安静にしてないと駄目ですよ~?」

榛名「体が重い……足に力が入らない……っ!?」フラッ

球磨「イ級が突然現れたクマ!?」

鈴谷「嘘でしょ!? 全然反応なかったんだけど!?」

多摩「なんでナースが乗ってるにゃあ!?」

熊野「それよりも二人を援護しませんと!!」

 ズォォォォ

鈴谷「あれ? 急に空が暗く……?」



700: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:37:53.09 ID:6rFENQYOo


熊野「上から何か……?」

 クイーンハイヒール<ズゴォォォォ!

鈴谷「い゛っ!?」

熊野「なななな!?」

 クイーンハイヒール<グシャアアアア!

鈴谷「ちょっ、なにこゴボッ!?」ザブーン

熊野「なんなんですガボッ!?」ドブーン

ヴァージニア「ふん……やはり海の上では物足りんな。床がなくては踏みつけ甲斐がない」

 クイーンハイヒール<スッ

鈴谷「ぶはっ!? なに今の!?」ザバッ

熊野「……あ、あなたの仕業ですの!?」ザバッ

鈴谷「ツ級の上に座ってる……深海棲艦の仲間!?」

ヴァージニア「我らはメディウム。深海棲艦に近い存在ではあるが、深海棲艦ではない」

熊野「メディ……?」

ヴァージニア「ふむ、理解できぬようなら、私自ら下々に名乗ってやろうではないか」

ヴァージニア「私の名はヴァージニア。クイーンハイヒールのメディウムだ。下賤なる者どもよ、私の前に跪くがいい」

鈴谷「……はぁ?」



701: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:39:06.80 ID:6rFENQYOo


熊野「随分と時代がかった方がおいでになられましたわね……! これはもしや……!」

鈴谷「っ! 熊野、心当たりあるの!?」

熊野「ええ、ありますわ! これはまさしく!!」

熊野「この!! 熊野の美貌に対する挑戦なのぉ!?」バーン

鈴谷「……チガウトオモウンダケドナー」

熊野「たかが濡れた程度で! 水も滴るいい女を自負する熊野の美しさを脅かせるとお思いかしら!」ババーン

ヴァージニア「……ヒトノハナシヲキイテイタノカ」

多摩「なにやってるにゃ……」

球磨「それより潜水艦が浮上してきてるクマ!」

ヨ級「」ユラッ

多摩「! 飛ぶにゃ!」バッ

 ヨ級の背中から飛び出たデスサイス < シャキィィン!

球磨「危ないクマ!?」バッ

多摩「こいつら、さっきから多摩たちが予想してない武器を装備してるにゃ!」バッ

カ級「」プカッ ジャキ

球磨「もう一隻来たクマ!?」

多摩「今度は何にゃ!?」

 シャークブレード < キシャァァァァン!!

鈴谷「うえっ!? なにあの刃物!?」



702: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:39:56.23 ID:6rFENQYOo


球磨「刃物? 魚雷じゃないなら怖くないクマ!」グッ

球磨「舐めるなクマァァァ!!」

 ガキィィン!

シルヴィア「ええっ!? し、白刃取り!?」

球磨「多摩! 背中支えるクマ!」

多摩「了解にゃ!」ガシッ

球磨「生意気なお魚は……」ググッ

多摩「多摩たちが釣り上げてやるにゃああ!!」グイーッ

 ザバァァァン!

シルヴィア「うそぉ!? つ、釣られてるぅぅ!?」スポーン

多摩「だ、誰にゃ、あの女の人!?」

ヴァージニア「シルヴィアめ……醜態を晒したな」

シルヴィア「」ザパァァン

シエラ(ヨ級に騎乗)「た、大変デス! シルヴィアさんを助けに行くのデス!」ザザァ

多摩「やらせないにゃあ!」ジャキ

球磨「このまま追撃するクマ!」ジャキ

シエラ「ピエエェェエエ!? 狙われてるデスゥゥ!?」



703: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:40:51.27 ID:6rFENQYOo


レイラ(別のヨ級に騎乗)「まあまあ、少しこの中に入って落ち着いてみませんか?」

 マジックバブル < プクーー

多摩「にゃあ!?」ポコン

球磨「クマー!?」ポコン

多摩「な、なんにゃ、この泡の球にゃあ!?」ジタバタ

球磨「多摩、少しおとなしくするクマ!? 狭いクマ!」ジタバタ

レイラ「内側からはなかなか破れませんよ?」ニコー

球磨「多摩、おまえ熱いからひっつくなクマー!」

多摩「姉ちゃんこそ体温高いから離れるにゃあ!」

球磨「離れないと……クマぁ……」

多摩「うにゃあ……」

球磨「ぐー……」

多摩「すぴー……」

シエラ「寝たデスゥゥ!?」ガビーン

レイラ「クマさんは冬眠して、ネコさんは炬燵で丸くなる、ですか?」

球磨「球磨は熊じゃないクマー……」ムニャ

多摩「猫じゃないにゃ……」ムニャ

シルヴィア「ちょっと、寝言で反論してるわよ……」ボロッ

シエラ「加古さんといい、戦場で寝る人がいる問題多すぎデス……」



704: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:41:44.64 ID:6rFENQYOo


レイラ「とりあえずこれでこの二人の動きは封じましたね」

鈴谷「そうはいかないよ! 外から触って割ってやればいいじゃーん!」ダッ

レイラ「あっ」

 ポヨン

鈴谷「あれ? 割れない?」

レイラ「言ってませんでしたけど、外から押すとそのままそちらに動いてしまいますよ」

鈴谷「ちょっ!? それ早く言ってよ!」

 マジックバブル < スイー

鈴谷「あぁぁもぉぉーーー!! 早く起きてってばぁーーー!!」ダッ

シエラ「そのうち割れるから放っておいてもいいんデスが……」

レイラ「言わないでおきましょうか。さて、あと残りは……」



タ級「ソラッ!」ブンブンッシュバッ!

日向「くっ……! まさか槍でのインファイトを仕掛けられるとはな!」ガッ

コーネリア「どうした、もう終わりか! このまま貴様の主砲を全部潰してやろうか!」ブンッ

日向「このままでは……っ!」バッ

コーネリア「逃げるのか? 骨のありそうなやつだと思ったが、見込み違いだったか?」



705: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:43:12.53 ID:6rFENQYOo


日向「……いや、わかった。貴様の望むようにお相手しよう」スッ

コーネリア「なんだ? どうして盾をしまう?」

日向「飛行甲板は盾ではない。それに刀は両手で扱うものだ」スランッ

日向「伊勢型2番艦、航空戦艦、日向。参る」

タ級「!」

コーネリア「ほう……!」

タ級「戦艦タ級、ソシテ……」

コーネリア「あたしはコーネリア・ギルティランスだ! 行くぞヒュウガぁ!!」ゴォッ!

日向「……すぅ……はぁ……」

コーネリア「串刺しにしてやるよッ!!」グワッ

日向「っ!」カッ

 ガガガガギンッ

日向「……」チンッ

タ級「……!」

コーネリア「……馬鹿な!」

 バラバラバラッ

コーネリア「今の一撃であたしの槍だけを全部叩っ切っただと!?」

日向「この刀は御神刀だ。他者を殺めるためのものではないかわり、不吉なもの、不浄なものは容赦なく斬り祓う」

コーネリア「く……!」

日向「砲塔を全部潰されたお返しだ、これで貴様の武器は封じた。今度はこちらの番だ……!」グッ

コーネリア(右足を後ろに振り上げた……何をする気だ!)



706: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/22(水) 23:45:05.43 ID:6rFENQYOo


日向「必殺……!!」

タ級「!」

コーネリア「!」

日向「 雷 獣 シ ュ ー ト !!」

 バリバリバリバリバリーーーーーッッッ!!

タ級(大破)「ウワァァアーーーッ!?」ドガァッ

コーネリア「ちく、しょう……っ!?」

 バシャァン

日向「見様見真似だが……まさかW提督の趣味の『さっかあ』が役に立つとはな」


熊野「ぐぬぬ」

ヴァージニア「ぐぬぬ」

シエラ「いつまでやってるデスか……早く引き上げるデス」

榛名「は、榛名はいつまでこのままなんでしょうか」シビレ

フローラ「もう一本イっておきましょうか~?」ズブッ

榛名「あっはああぁぁぁぁ!? ま、またおしりにぃぃぃ!?」ビクビクビクーーッ


W大佐(伊勢に抱えられ)「……何だこの窮状」

伊勢「さ、さあ……? とにかくどうすんの?」

W大佐「一度退く。反撃はXの船に乗せてもらってからだ」




712: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:47:26.67 ID:2MGGBWBPo


提督「向こうでも始まったか」

ニコ「さ、君たちはもう逃げたほうがいいよ。ここは危ないからね」

雷「ええっ、何言ってるの!? あなたみたいな子こそ、こんな危険なところにいちゃだめよ! すぐに避難して!」

ニコ「……優しいね、艦娘のみんなは」

提督「いいからお前らは下がってろ。そんなざまだ、とっとと中佐の船で治療させてもらえ」

阿武隈「その前に、いくつか教えてもらえませんか」

子日「阿武隈さん!? 起きてて大丈夫なの!?」

阿武隈「うん。それより……提督さん、あなたはこの鎮守府で、吹雪さんたちに何をしたの?」

提督「その前に一つ確認だが……お前、由良の姉妹艦だな?」

阿武隈「え、はい……そうですけど」

提督「この鎮守府の艦娘のだいたい半分。この5人と由良も該当するが、こいつらは轟沈してこの島の砂浜に打ち上げられていた艦娘だ」

白雪「それ……本当ですか」

H大将「それは本当だ。提督少尉が彼女たちを保護したんだが……その話はお前たちは聞いてないのか?」

睦月「聞いてた話と全然違うにゃしい……」

雷「憲兵がいないことをいいことにいかがわしいことをしてる、って聞いてたけど……」

子日「洗脳されてるから、お前たち姉妹艦の力が必要だ、とも言われたよー?」

白雪「急な命令だったから、大雑把な話しか聞けませんでした」

提督「……Zの行動は連中の想定外だったってことか? 嘘をつき通すならもう少し慎重に行動するはずだが」

提督「それかハナから捨て駒のつもりだったか」



713: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:49:02.33 ID:2MGGBWBPo


H大将「お前たちは提督少尉の話を誰から聞いた?」

阿武隈「J少将です」

H大将「……そうか。だとすれば、奴もそういうことか……」

提督「それとお前ら、全員練度はそれほどでもないな? 今日のために編成された部隊か?」

阿武隈「はい……」

提督「ならあれだ。立てこもりの犯人を説得するのに母親呼んだりするあの手口だな」

雷「えっ、母親?」キラッ

ニコ(なんで目を輝かせてるんだろう)

提督「本当に悪い奴らは他人の良心を利用するもんだ。轟沈艦は何をするかわからねえが、姉妹艦なら少しは躊躇うだろう、とかな」

提督「そして、お前らにすぐばれる程度の嘘をついたってことは、お前らの扱いもその程度ってことか」

曙「そういうこと言うの、やめなさいよ……!」

提督「へっ、この程度のことで動揺してんじゃねえよ。こんなのよくある話じゃねえか」

白雪「こんなの滅多にありませんよ……」

提督「そうかい。こっちじゃついこの前もそうだったんだがな」

H大将「中将の件か」

提督「ああ。ったく、どいつもこいつも、なんでこの島でやる必要があんだよ。くそが」

H大将「……この鎮守府はな、貴様が着任する前からいわく付きなのだ」

提督「ああ……そういや中佐からそんな話聞いたな」



714: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:51:00.27 ID:2MGGBWBPo


H大将「この島の鎮守府に着任し、精神を病んだ者、自害した者、不幸な事故にあった者、指折り数えれば両手でも足りん」

H大将「そんな過去があるせいか、この島での不審死は仕方ないとまで言われてきたほどだ」

提督「最悪じゃねえか」

H大将「だが貴様が来てからは違った。だからこそ大佐の不審死に改めて疑問を持ったし、今回の調査にも賛成したんだ」

H大将「なぜそうなったのか、心当たりはないのか?」

提督「そんなの殆ど大佐のせいだろ。初期艦も憲兵も寄越さずに俺一人を鎮守府に放り投げる奴の仕業じゃなきゃ、誰の仕業だってんだ」

H大将「……メディウムという、この連中は」

提督「ここで二年暮らしててこの前初めて遭遇した。俺以外との関わりは薄そうだが?」

ニコ「そうだね、魔神様がいないことにはぼくたちがこの島に来る意味はないよ。ぼくたちに責任転嫁しようとでも?」

H大将「……」

ニコ「ぼくたちを疑ってるみたいだけど、もとをただせば、この島にそういう土壌を作ったのは、紛れもなくお前たち人間だよ」

白雪(た、大将をお前呼ばわりって……)

阿武隈「じ、じゃあ、どうしてあなたたちはこの島に来たの?」

提督「それはおそらく、俺が望んだからだ」

雷「少尉が!?」

提督「きっかけは、大佐が俺と中将の暗殺を企んでる、と知った時だな。こいつらはそのタイミングで俺の執務室に召喚されたんだったか」

ニコ「大勢の人間の無念が残る島で、大勢の艦娘の鬱屈を背負い込んだ人間が、この世界で魔神様として覚醒した、というべきかな」

ニコ「でもね、たとえ魔神様が覚醒しようがしていまいが、この状況を作ったのは人間しかありえないんだ」



715: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:53:50.72 ID:2MGGBWBPo


ニコ「確かに、この島がこんなことになった原因に、お前は直接は関係していないかもしれない」

ニコ「だけど今なおこの島に悪意を持ち込み、犠牲を生み出したのは紛れもなく人間だ。違うのかい?」

H大将「……お前たちの望みはなんだ」

ニコ「魔神様の覚醒と、ぼくたちメディウムが平穏に暮らせる世界。そんなに大層なものは望んではいないよ」

H大将「……」

ニコ「さあ、そろそろ本気で逃げたほうがいいよ。ぼくたちも、この島に近づいた人間を始末しなきゃいけないからね」

ニコ「本当なら、お前もその中に含まれるんだけど……」キッ

ヲボロ「……」スッ

H大将「朧君……!」

ニコ「わかってる。だから自分の足で、早く僕達の目の前から消えて欲しいんだ」

阿武隈「……」

ニコ「君たちは身構えなくていいよ。ぼくたちメディウムは艦娘とは親戚のようなものだからね」

神通「提督!」タタタッ

軽巡棲姫「提督!」タタタッ

提督「なんだ、来たのかお前ら」

H大将「姫級深海棲艦……!?」

軽巡棲姫「テ、提督!! ソ、ソノ姿ハ……!」

提督「ああ、お前は直接あのときの俺の姿を見てなかったな」

軽巡棲姫「イヤ、ワカル……アノトキ私ヲ包ンダ命ノ雰囲気ニ似テイル……!」



716: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:55:02.92 ID:2MGGBWBPo


H大将「提督少尉、もしやこの深海棲艦が……」

軽巡棲姫「オノレ人間……貴様等ノセイデ提督ハ……! 憎ラシヤ、口惜シヤァァ……!!」ジャキ

ヲボロ「!」ジリッ

提督「よせ。ここにいる連中は敵じゃない、ひとまずこらえろ」ギュ

軽巡棲姫「!! ア、アア……提督……!!」ギュウ

提督「神通も、すまないな」グイ ギュ

神通「あっ……い、いえ……」カァ

提督「さて、あまりゆっくりもしていられねえ。もうすぐここは火の海だ」

阿武隈「え? 火……?」

提督「来てもらってすぐで悪いが、神通はこいつらの面倒を見てやってくれ。南の海岸から脱出を頼む」

神通「南、ですか?」

提督「ああ、そこが一番安全だ」

提督「軽巡棲姫は……どうせ言っても聞かねえな。ついてこい」

神通「あ、あの、私も……」

提督「神通」

神通「は、はい!」

提督「悪かったな、あのときのお前の気持ちを理解できなくて。お前がどんな思いだったか、今なら少しだけはわかる気がする」

神通「……!」



717: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:57:08.54 ID:2MGGBWBPo


提督「これ以上、大事な奴を失うのは御免だ。せめてここで生き残っている連中だけでも、何とかしてやってくれ」

神通「……はい」コク

H大将「よし、気絶している大将は俺が連れて行く。神通君は阿武隈君を頼む」

神通「承知しました」

提督「……あんた、そのまま戻って大丈夫なのか?」

H大将「それなら大丈夫だ。この島に着く前から俺のホルスターのICレコーダーがすべて録音している」

提督「なに? ……そりゃ面倒だな」

H大将「貴様は心配しなくていい、貴様とこの島の者たちは私が弁護する。それと……」ポイッ

提督「?」パシ

H大将「その通信機を持っているといい。さっきの士官Zの持ち物だ、中佐の船に戻り次第それに連絡を入れる」

提督「ああ……わかった」

H大将「提督少尉……死ぬなよ」ケイレイ

提督「……善処します」ケイレイ

H大将(大将担ぎ上げ)「よし……行こうか」

士官Z「ま、待って……助げて、くだせえええ」ズリッズリッ

曙「……なんだ、生きてたの? このクソ士官」

雷「あなたのせいでみんなが……!」



718: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:58:29.54 ID:2MGGBWBPo


H大将「ふむ……」スタスタスタ

 ギュム

士官Z「ぐぎゃっ!?」

艦娘たち「「!?」」

H大将「ん? 何か踏んだかな?」グリグリッ

士官Z「……H大将、ア、アンタ……!?」

H大将「なにもないな。よし、皆私に続くといい」ニヤ

雷「……あ! そういうことね!」

艦娘たち「?」

雷「わかったわ司令官、後に続くわね!!」タタタッ ギュムッ

士官Z「んげっ!?」

艦娘たち「!!」

子日「よぉし、子日も続きまぁす!」ゲシッ

白雪「白雪、ご一緒します!」ガスッ

睦月「睦月も、参りま、しょおっ!」ピョン ドゴォ

曙「何か出てきたら私が蹴散らしてやるわ!」ゴシャッ

士官Z「ぐへえっ!?」

神通(阿武隈背負って氷の眼差し)「……」ジトォ

阿武隈(背負われて氷の眼差し)「……」ジトォ

士官Z「ヒィイッ!?」



719: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/02(日) 18:59:54.07 ID:2MGGBWBPo


H大将「神通君、どうかしたかね」

神通「……いえ、すぐ参ります」ガッ グリグリグリッ

阿武隈「あっ、連装砲落としちゃった」ポイッ ガインッ

士官Z「ーーーーっ!?」

神通「フフフ、気を付けてくださいね」ニコー

阿武隈「ありがとうございます神通さん」ニコー

H大将「フ……よし、急ぐぞ、脱出だ」

艦娘たち「「はいっ!!」」



ニコ「行ったね」

提督「ああ」

軽巡棲姫「提督……」

提督「わかってる。これでけりをつけるさ」

提督「ニコ、お前は海でメディウムの指揮を執ってくれ」

ニコ「……せっかく合流できたのに?」ムスッ

提督「そう言わずに頼むよ、『姉さん』」

ニコ「……っ!! しょ、しょうがないなあ。今回だけだからね!!」タッ

軽巡棲姫「……提督ハ悪イ男ネ」

提督「今更さ。初春、朧……ル級とヲ級もか。悪いがもう少しだけ付き合ってくれよ」

ハツハル「」コクン

ヲボロ「」コクン

提督「こっから先、出会う人間は皆殺しだ。行くぞ」




723: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:20:22.77 ID:lGzsQfkLo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

祥鳳「……」

ビスマルク「……どういうこと?」

ローマ「知らないわ、少なくとも私はこんなこと未経験よ」

ヴェールヌイ「まあ、誰もこんな状況に遭遇したことなんてないだろうね」

ローマ「……まさか、深海棲艦が白旗を掲げてくるなんて」

プリンツ「ビスマルクお姉様……!」

ビスマルク「私とローマ、祥鳳が前に出るわ。プリンツとリベッチオ、ヴェールヌイは下がってて」

リベッチオ「みんな、気を付けてね……?」

ローマ「さあ、来るわよ……!」

 ザァァァ (ル級×1、タ級×2、ヲ級×1、ツ級×2)

ル級「ドウヤラ、コチラノ意図ハ通ジタミタイネ?」

ビスマルク「ええ。私たちとしてもここは、初めまして、と言うべきかしら」

ル級「フフ、挨拶シテクレルノ? 嬉シイワ」

ローマ「……」

ル級「意外ソウナ顔ヲシテルワネ? 私タチカラ『嬉シイ』ナンテ言葉ヲ聞イテ、驚イテルッテトコ?」

ローマ「否定はしないわ。でも、嫌な気分ではないことはわかって頂戴」

ル級「フフフ……」



724: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:21:19.21 ID:lGzsQfkLo


祥鳳「……白旗を掲げてきた、あなた方のその意図を聞いても?」

ル級「簡単ナ話ヨ。泊地棲姫ノ邪魔ヲシナイデ欲シイノ」

ビスマルク「……この海域の戦闘に関わるな、ってこと?」

ル級「ソウネ。負傷シタ艦娘ノ救助ニ入ルノハ構ワナイ。タダシ、交戦ハ認メナイ」

ローマ「……意味がわからないわね。この場は深海棲艦の好きにさせろと言うの?」

ル級「ソウ。アナタタチニ手出シハシナイ。特別ニ、コノ船モ、攻撃対象カラハ除外シテアゲル」

長門「すまない、ちょっと通してくれ……ああ、やはりお前は、あのル級じゃないか?」

ル級「アラ、長門ジャナイ。先刻ノ話、聞イテイタノ?」

長門「ああ。どういうことだ」

ル級「コノ話ハ、ニコ、ト言ウ人外ノ娘カラ共闘ヲ持チカケラレタカラヨ」

長門「ニコ!? メディウムたちか!?」

ル級「エエ。彼女タチガ言ウニハ、コノ島ヘ人間ガ攻メテクル。追イ払ウノニ協力シテクレ、ト言ワレタノ」

ル級「ソシテ事実、ソノ通リニナッタワ。コレハドウイウコト?」

ル級「何故、人間ドモハ提督ヲ殺ソウトスルノ? 返答次第デハ、私タチモ行動ヲ保証シカネルワ」

ビスマルク「白旗を掲げておいて、事を荒立てる気? ルール違反じゃない」

ル級「アラ、今ノアナタタチガソレヲ言ウ?」フフン

ビスマルク「……」チッ



725: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:22:25.78 ID:lGzsQfkLo


ローマ「それよりもナガト? あなた、さも見知った風に彼女と話を進めてるけど、知り合いなの?」

長門「ああ」

ル級「一応ネ」

ローマ「……どうしてそういうことを早く私たちに言わないのよ」

長門「提督の判断だ。それに、このル級は人間と関わりたいわけじゃない」

ル級「ソウイウコト。私ハ、ココノ提督ト個人的ニオ友達ニナリタイダケヨ?」

ローマ「そんな勝手なことを……?」

 大型のゴムボート < ザァァァ

長門「あれは……」

祥鳳「中佐!? どうしてこちらに!?」

中佐「向こうの船の上で眺めてるだけじゃ、君たちが何を話しているのかわからなくてね」

祥鳳「危険です! すぐに船へ戻ってください!」

ヴェールヌイ「そうだよ。下がってて」

中佐「それを言ったら、君たちだって危険じゃないか」

中佐「多分大丈夫だよ、以前に提督少尉が話していた争いを望まない深海棲艦……それは君だね?」

ル級「貴様ハ……」

長門「構えるなル級。彼は提督を助けた男だ、敵ではない」

ル級「……艦娘ジャナカッタノ。ナライイワ」

中佐「」シロメ



726: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:24:18.76 ID:lGzsQfkLo


長門(また酒匂に見間違えられたのか……)

祥鳳「ち、中佐! しっかりしてください!」ユサユサ

中佐「はっ……あ、ああ。とにかく、僕たちも話に参加させてもらうよ」

??「なるほど、これは驚いた。彼女らと話せるとは、長生きはしてみるものだ」

長門「あ……あなたは中将!? どうして中将もこちらに!?」

中将「中佐に頼んで船に乗せてもらったのだよ。辞表は出したが、生憎とまだ受理されておらんからな」

長門「足の具合は大丈夫なのですか」

中将「儂のことはいい。今は大事な客人と話をしているのだろう? そちらを優先したまい」

長門「……はっ」

ローマ「話を戻すわ。あなたは、この島の提督とは仲良くしたいけど、私たちとは仲良くしたくない。そういうこと?」

ル級「概ネ、ソノ通リヨ。私ニ理解ヲ示シテクレタ提督ダケハ別ノ存在。彼ト彼ノ部下ノ艦娘以外ト馴レ合ウツモリハ私ニハナイ」

ル級「今、泊地棲姫ニ手ヲ貸シテイルノモ、オ前タチガ提督ヲ殺ソウトシテイルカラ」

中佐「……提督少尉の敵と認識したわけだね」

ル級「エエ。人間ハナゼ彼ヲ狙ウノ? 長門モ理由ヲ知リタイト思ワナイ?」

長門「む……提督は致命的に口が悪いからな。大佐にも反抗的だったし、正直どこで敵を作っているのかわからないところはある」

ル級「アア、ソレハ確カニネ……」ムムム

リベッチオ「ねえねえ、深海の人があんな顔するの、初めて見たんだけど」ヒソヒソ

プリンツ「私も……いつも見るあの冷たい雰囲気が嘘みたい」ヒソヒソ



727: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:25:54.32 ID:lGzsQfkLo


ル級「ソレデドウナノ? アナタタチハ提督ヲ悪者ニシテルミタイダケド」

中佐「まあ、言ってしまえばその通りだ。僕たちは提督少尉が隠し事をしている時点で、彼を怪しんでいる」

中佐「僕たちがこの島に来た目的はふたつ。ひとつは、大佐たちの不審死の原因の再調査」

中佐「もうひとつは、少尉が深海棲艦を束ねる深海提督かどうか。島に入っていったH大将はそう考えていた」

中佐「でも、君の口振りからして後者は違うと見ていいね?」

ル級「ソウネ。私ハ彼ノ部下ニナッタ覚エハナイ」

中佐「H大将は、提督少尉が君たちを指揮して大佐を亡き者にした、と考え危険視していた」

中佐「泊地棲姫を追い帰して中将を救ったという実績も、そのついでで都合の良い隠れ蓑にできるしね」

ル級「フゥン……デモソレハ間違イ。アノトキ泊地棲姫ハ本気デ島ヲ滅ボスツモリダッタカラ」

長門「ああ。あの時は、大佐が我々と泊地棲姫を戦わせて共倒れを狙っていた、というのが真相だった筈だが」

中佐「ル級は提督の協力者ではなかったのか?」

長門「泊地棲姫がこの島のことをル級に聞いてきたことは聞いた。だがそれだけで、あのときはル級は戦闘に参加していない」

中佐「が、その時点でル級との交流はあったわけだ……どうして彼はそのことを教えてくれなかったんだ」

長門「それはル級を人間から守るためだ」

中佐「え?」

長門「彼女の存在が明るみに出れば、彼女を利用しようとする輩が必ず現れる。提督はそれを良しとしなかったんだ」

長門「そもそも提督は人間を信用していない。彼自身が経験してきたこと、この島に流れ着いた艦娘の経緯を知れば当然とも言える」

長門「深海棲艦であるル級も提督にしてみれば同じなんだ。艦娘と同じように傷ついた彼女を保護したに過ぎない」



728: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:27:07.44 ID:lGzsQfkLo


中将「……彼は我々を謀っていたと?」

長門「結果的には報告の不行き届きでしょうが、先程彼女自身が言った通り、ル級は提督以外と仲良くする気はないと言っています」

長門「そういう意味では、提督は彼女の意思を尊重したにすぎません」

中将「彼女がスパイではないという証明はあるのかね」

ル級「ドウヤッテ証明スルノヨ、ソンナコト。ダイタイ証明シヨウトシタトコロデ信ジル気ナイデショ」

中将「む……」

長門「証明自体が難しいでしょうね。それに、仮に証明のためル級を海軍に招いていたらどうなっていたか……」

ル級「絶対行キタクナイワネ。ドウセ捕マッテ研究材料ニサレルノガ関ノ山デショ?」

長門「ビスマルク、お前はどう思う」

ビスマルク「楽観的な見方をすれば、多分、少尉が英雄扱いされるわね。メディアは大騒ぎするんじゃない?」

ローマ「でも、彼女が外交官をやる気がないなら、連れて行ったところでなんになるのよ」

ヴェールヌイ「勝手に期待しておいて、やる気がないとわかれば期待外れだと、勝手なことを言い出しそうだね」

長門「そんな大層な役回りを彼女に押し付ける気は提督にはない。自分も矢面に立つことになるからな」

ル級「ソウナッタラ、アノ男ハコウ言ウデショウネ……」

ル級&長門「「面倒くさい」」

ル級「ッテ……ネ?」

長門「だな。フフ……」

中佐「……少尉、やる気ないんだな……」

中将「……むう」



729: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:29:23.03 ID:lGzsQfkLo


ル級「ソレデ……ソコノ人間。ソウ言ウオ前ハ、私ト仲良クナリタイノ?」

中佐「……そうだ。僕は、和睦が理想だと思っている」

ル級「嘘デショウ? 今マデ自分タチガ占有シテイタ海ニ、イキナリ現レタ厄介者ナンカト? 邪魔デ邪魔デ、仕方ナインジャナイノ?」フフッ

タ級「私タチノヨウナ見タ目ナラマダシモ、イ級ヤ、ツ級ミタイナ子タチト和睦ヲ考エテル? 話ガ通ジルト、本気デ思ッテル?」

中佐「……それは、人間全体の意識が変わらなければ駄目だろうね。大々的に宣伝しなければならないだろう」

ヲ級「全体カ。ナラバ人間ニ恨ミヲ持ツ我々ノ仲間ハドウスル。我々ヲ恨ム人間ドモハドウスル。懐柔スルノカ、始末スルノカ」

ローマ「最初からマイナス要素だけで話をしないでよ。あんたたちこそどうして少尉にそこまで肩入れしてるのよ?」

ル級「彼ガ私タチト同ジダカラヨ」

中佐「同じ……?」

ル級「エエ、長門モ言ッテイタデショウ? 彼ハ人間ガ嫌イナノ」

ル級「彼ハ私タチニ近ヅキツツアル。ソノ証拠ニ、彼ガ私ト握手ヲシテモ、軽巡棲姫ニ抱キ着カレテモ、平然トシテイタモノ」

ル級「オ前モ、私タチト友好ヲ結ビタインデショウ? ホラ、握手クライ、ドウッテコトナイデショウ?」スッ

中佐「!」

祥鳳「中佐! 待ってください!」

中将「そうだ、待ちたまえ中佐。ここに来る前に、深海棲艦との共存に大きな問題があると言ったことを忘れたか」

中佐「し、しかし」

ヴェールヌイ「私からもお願いだ、司令官。思いとどまって欲しい」スッ



730: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:32:30.24 ID:lGzsQfkLo


祥鳳「提督。あなたに万が一のことがあっては……!」

中佐「……」

ヴェールヌイ「司令官。お願いだ……!」

中佐「響……」

長門「中将、問題というのは?」

中将「一般人が深海棲艦に触れて精神を病んだ、という事例が多いことがわかった。でなくば儂の右足のように壊死する可能性もある」

ル級「アラ。ソッチノ人間ハ駄目ダッタノ?」

中将「うむ。数年前に潜水艦に足をつかまれただけでこの有様だ……情けないことにな」

中将「最初は深海のような『圧力』で足を駄目にされたと思っておったが、長く通院していることで新たな事実が分かった」

中将「……君たちの前でこんなことを言うのは失礼だろうが、深海棲艦は我々人間に何らかの遺恨や怨念を持って現れたものだと推察している」

中将「科学的に解明できないが、深海棲艦の放つ瘴気が、人間の精神や肉体に悪影響を及ぼすと考えられるようになったのだ」

長門「どういうことです!? それでは和睦など最初から不可能な話ではありませんか!」

中佐「それでも! 話し合いが出来るとすれば、そこから戦いは少しずつ小さくは出来るはずだ! ……そうあって欲しいんだ」

長門「……」

中将「うむ。当初は和睦を真剣に考えていた。今では隔離と呼んだほうが正しかろうな」

ル級「臭イモノニハ蓋ヲスル。オ前タチハソンナ結論シカ出セナイデショウネ」

中将「その話を聞いて、殲滅するしかないと、徹底抗戦に舵を切ったのがH大将なのだ」

中将「大将にはまだ話せていなかったが、彼は有志を集めて人間を集めて話し合いの場を設けようとしていた」



731: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/15(土) 09:33:30.47 ID:lGzsQfkLo


中将「そんな志ある者二人を一度に失うとは……痛恨の極みだ」

中佐「待ってください、そうすると少尉は……」

 ゴォォン

中佐「!」

ローマ「……さっきからなんなの? この地震は」

長門「……提督は、無事なんだろうか」

ル級「メディウムタチニ任セルシカナイワネ」

長門「……ああ」

リベッチオ「ねえねえ、さっきから聞きたかったんだけど、メディウムってだーれ?」

ル級&長門「「……」」

初雪「もう、隠す必要ないと思う……」スッ

長門「!」

初雪「ほら、あれ」

妙高「これはいったい……」

チ級「……!」

メリンダ「皆様、どうなさいました?」

ル級「アラアラ、艦娘トチ級トメディウムガ、オテテ繋イデ来ルナンテ」

長門「……提督はメディウムたちのことを誤魔化せと言っていたが……もはやすべて話すしかなさそうだな」



735: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:11:37.08 ID:Vb6p4+Oyo


 * J少将の船の残骸近辺 *

J少将「ぶはっ!」ザバァ

J少将「おのれ深海棲艦どもめ……邪魔をしおって!」

部下1「J少将! ご無事でしたか!?」ザザァ

部下2「早くこちらのボートに!」

J少将「お、おお、すまない、助かった! ……状況はどうなっとる?」ヒキアゲラレ

部下2「見る限りですが、深海棲艦勢力に我らの艦隊は翻弄されており、全艦隊が戦闘継続不能に陥っています」

部下3「墓場島の艦娘の協力により、殆どの艦娘はX中佐の医療船へ曳航されております」

部下1「ただ、妙なことに、墓場島の艦娘は深海棲艦の攻撃目標になっていないのです」

部下2「泊地棲姫も、最初に魚雷を放ってからは静観の構えを見せています」

J少将「何を企んでいるのだ、奴らは……?」

部下「ひとまず鎮守府埠頭に接岸している、K大佐が乗っていた高速護衛艦に乗り込み、すぐにこの海域からの離脱を図るのが良いかと」

J少将「う、うむ、そうだな。命あっての物種、この海域のすべての海軍に撤退の意志を伝えろ」

部下たち「「はっ!」」

J少将(執務室で大将二人を始末できなかったのは、まだ想定の範囲内だが……)

J少将(まさか泊地棲姫がこのタイミングで攻め込んでくるとは……!)

J少将(何日もかけて島の周辺海域を調査して、奴らの潜伏海域を調査したというのに……どこに潜んでいた!)



736: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:12:55.89 ID:Vb6p4+Oyo


部下1「ときにJ少将……提督少尉はどうなさるおつもりですか」

J少将「む……ひとまず捨て置くしかあるまい。大将を爆殺した容疑こそあれ、この場で奴を捕まえようとするのは自殺行為だ」

J少将「だが、これで奴が深海棲艦と繋がっている疑いも強まった。追い詰められて、正体を現しつつあるということだ」

部下2「……ではやはり!」

J少将「H大将の見立ての通り、奴は深海提督と見ていいだろう」

J少将「奴の配下の艦娘が深海棲艦から攻撃を受けていないのも、それで合点がいく」

J少将「最悪の事態を考えねばな。奴の配下の艦娘も、正体は深海棲艦かもしれん……!」

部下3「救助を急がせます!」

J少将「む。頼ん……」

 ガギンッ

J少将&部下「「うわああ!?」」ゴロゴロドターッ

部下1「なんだ!? ボートが急停止した!?」

 ブラッディシザー< ミシミシミシッ

部下2「い、いや見ろ! ボートが爪のようなものに持ち上げられているんだ!」

部下3「深海棲艦の仕業か!?」



737: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:14:24.03 ID:Vb6p4+Oyo


J少将「待て、なにか接近してきている! 警戒しろ!」

 ザザザザァァァァ

イ級「」ザバァ!

部下1「! やはりか!」

イ級の背に降り立つノイルース「なにがやはりか、ですか」スタッ

部下1「な、何者だ!?」

ノイルース「教えたところで時間の無駄です」ボワッ

部下2「火の玉!? ま、魔術師か!?」

ノイルース「……なるほど、首謀者は後ろのあなたですね?」ジロリ

J少将「……!」

部下3「お逃げください、J少将!」

ノイルース「逃がすとお思いですか。ディニエイル」

ハ級「」ザバァ ドォン!

 砲弾→コールドアロー< ゴォォォ!

部下1「しまっ……!」

 コールドアロー< バキバキィィン

部下2「な!?」

ハ級の背に降り立つディニエイル「私の魔力を宿した砲弾です。それで頭を冷やすと良いでしょう」スタッ



738: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:15:18.23 ID:Vb6p4+Oyo


部下1「」カチーン

部下2「」カチーン

部下3「う、うわあああ!? ふ、二人が凍り漬けに!?」ガタッ

ロ級「」ザバァ!

ト級「」ザバァ!

ロ級の背に降り立つミリーエル「まだまだ、いきますよ! よぉく狙ってぇ……」ギリッ

ト級の背に現れるブリジット「てー! であります!」ジャコッ

 アローシューター< シュバッ!

 ガトリングアロー< ガガガガガッ!

部下3「ぎゃああああ!」ドスドスドスッ

ニ級「」ザバァ!

ニ級の背に降り立つグローディス「よぉっし! ダメ押しいくよ! 貫けぇえ!」ブンッ

J少将「い、いかん、ここから脱出せねば!」

 ブラッディシザー< ミシミシミシバキーーーーッ!

J少将「ボートが!? うおああ!?」ズルッ ドボーン

 サンダージャベリン<バリバリバリーッ

部下たち「うぎゃああああああ!!」バリバリバリーッ

 ドボボボーン



739: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:16:24.67 ID:Vb6p4+Oyo


ノイルース「おやおや。さすがに海の中では私の炎も届きませんね」

ノイルース「私の代わりにとどめを、お願いできますか?」ニコッ

イ級「!」ジャコン

ロハニト級「」ジャコンジャコン

 魚雷 < バシュバシュバシューッ!

J少将「ひ、ひいいい!!」バシャバシャ

部下たち「う、うわあああああ!!」ドゴォォォン!

J少将「ぎゃあああ!」ザブーン!

ディニエイル「……さすがですね」

ミリーエル「やはり海のことは海に住まう方々に任せるのが安心ですね」ニコッ

ロ級「♪」

グローディス「……よし、予定通り敵の親玉は岸に泳いで行ったな」

ブリジット「ところでオボロ殿はどうしたでありますか?」

イ級後期型の背で佇むオボロ「……」



740: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:17:42.13 ID:Vb6p4+Oyo


ノイルース「どうなさいました」

オボロ「今、岸へ泳いで逃げた男が首魁と聞く」

オボロ「正直に言えば、それがしが仕留めたかった……!」

グローディス「? 任務に忠実なオボロらしくないな、何があった?」

オボロ「……朧殿が……彼奴らの手にかかったのだ」

メディウムたち「「!」」

オボロ「朧殿だけではない。朧殿を含め5人もの艦娘が犠牲になったのだ。御屋形様が怒髪天を衝くのも当然のこと……!」

オボロ「各々方、急ぎ島から離れよ。人間どもの行いが島を治める御屋形様の逆鱗に触れ、島諸共灼き尽くされんとしている……!」

ディニエイル「……魔神様はどうなさるおつもりです」

オボロ「わからぬ。だが、ニコ殿にも避難を促しておられる。何かすることが残っているのであろうが……」

グローディス「とりあえず、そういうことならあたしたちも引き上げよう。魔神様の邪魔はしちゃいけないだろう」

ノイルース「……少し気にかかりますが、その方が良さそうですね」



741: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:18:29.25 ID:Vb6p4+Oyo


 * 島の南部 *

神通「もう少しで海岸です」

H大佐「急げ、追手が来るかもしれん」

 ズゥゥゥン

白雪「また地震……!」

睦月「うう、嫌な予感しかしませんよぉ……!」

 ドゴォォン!

阿武隈「ひゃあ!?」ビクッ

子日「い、今の爆発はなにー!?」

 ガシャーン バリバリー

??「ぎゃああ!」

H大将「誰だ!?」

 ガサガサッ

??「ひ、ひいいい!」ヨタヨタ

雷「誰か茂みから出てきたわ!」

曙「……な、なんか物々しいお面かぶってるんだけど」

??「た、助け……」ヨロヨロ バチバチッ

神通「あれは……アゴニーマスク? カサンドラさんが近くにいる……?」



742: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:21:01.17 ID:Vb6p4+Oyo


 トリックホール< パカッ

??「うわああ!?」スポーン

H大将「今度は落とし穴か……提督少尉の部下は多彩だな」

神通「ということは……タチアナさんですね!? 神通です、どこにいらっしゃいますか!?」

タチアナ「? 神通さんではありませんか」ポンッ

マルヤッタ「およ? どうして神通がここにいるんだじょ?」ポンッ

睦月「およ?」

マルヤッタ「およ?」

睦月「……」

マルヤッタ「……」

睦月「およ?」クビカシゲ

マルヤッタ「およ?」クビカシゲ

タチアナ「なんですかその挨拶は……」

白雪「意思疎通できてるのかしら……」

リンダ「なんやなんや、見いひん顔ばっかりで敵さんか思たら、違ったんやな!」ガサガサ

神通「リンダさん! それじゃさっきの爆発は」

リンダ「うちのローリングボムの音やで。で、吹っ飛ばしてカサンドラにバトンタッチや」



743: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:23:23.96 ID:Vb6p4+Oyo


カサンドラ「そ、そこの人たちは、敵じゃないんですね?」オドオド

オリヴィア「そっちの人間は誰だい?」ヌッ

H大将「む……俺は本営のH大将だ」

オリヴィア「へーえ、じゃああんた、あの人間の親分かい?」

H大将「……まあ、そうだな、そういうことになる。おい、貴様、ここで何をしていた」

リンダ「なんや、部下のことわかっとらんのかいな。おっちゃん、これ見てもらったほうが早いで」ジャキッ

H大将「これは……スナイパーライフルか」

リンダ「これでこの島の艦娘を狙っとったんや。これ、あんたの差し金なん?」

H大将「いいや。だが察しはつく」カチャカチャ

H大将「神通君。これを見てくれ……このライフル弾も、深海棲艦から作られたものだな?」

神通「……そのようですね」

H大将「これでわかった。俺と大将が奴らに狙われたのは、この弾丸の製作に反対したからだ」

H大将「そしてこいつがこれを持っていたということは、J少将が製作推進派だということだな」

狙撃手「! く……!」ジタバタ

オリヴィア「おっと、逃げようってのかい? そうはいかないよ!」グワッ



744: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:26:44.65 ID:Vb6p4+Oyo


オリヴィア「くらいな! クエイクボーム!」ズシィン!

 グラグラグラ!

狙撃手「うわっ!」ズデン

雷「きゃあ!? じ、地震!?」フラッ

白雪「た、立っていられない……!」スワリコミ

マルヤッタ「逃げられないように、押し潰すじょ! すとーん!」

 ヒュウウウウウ

狙撃手「ひ! や、やめ……」

 トゥームストーン< ズシィィィィン!!

白雪「……」アオザメ

阿武隈「……う、わ……」アオザメ

曙「よ、容赦ない、わね……っ」

睦月「可愛い掛け声でも誤魔化しきれませんよぉ……」

マルヤッタ「そんなに褒められると、照れるじょ」テレテレ

全員「褒めてない褒めてない」



745: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/23(日) 20:29:05.76 ID:Vb6p4+Oyo


H大将「むう……証人として連れ帰りたかったが……仕方ないな」

マルヤッタ「良かったら掘り起こすじょ?」

H大将「いや、いい……奴の頭は穴の外だろう?」

白雪「絶対潰れてますよね……見たくありません」ブルッ

タチアナ「それに、マルヤッタ? 私に掘り起こさせるつもりでしょう?」

マルヤッタ「……ばれたじょ」テヘペロー

タチアナ「墓穴を掘るのは私も御免被ります」

子日「それにしても、すごいね……地震まで起こせちゃうんだ」

雷「さっきから起きてる地震もあなたが起こしてるの?」

オリヴィア「ん? それは違うよ。島自体の地震もさっきから数回起きてるんだがねぇ」

タチアナ「私たちもニコさんからこの島からの退去を命じられたのですが……何があったのですか?」

神通「……実は」

 ズズゥン

神通「!」

オリヴィア「おやおや……またかい。嫌な感じだねえ」

雷「この地震についても何か聞いてないの?」

リンダ「あー、生憎時間がない言われてなぁ……」

H大将「ならば島の南端へ急ごう、話は歩きながらだ」

神通「提督……」



748: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:07:07.92 ID:aj92znMuo


 * 島の東部 鎮守府埠頭 *

海兵「J少将を発見! こちらへ泳いできています!」ソウガンキョウカマエ

「ボートを出せ! 回収急げ!」

「どいてくれ! 大佐の治療も早く!」

担架に乗せられたK大佐「」ボロボロッ

「大佐の収容も急げ! 医務室までのドアを開けろ!」

 ワーワー ギャーギャー


 * 島の東 泊地棲姫の艦隊 *

泊地棲姫「愚カナ人間ドモネ。今、自分タチガドンナ状況ニ置カレテイルカ、理解デキテイナイヨウダナ」

ニーナ「わかっていないんでしょうね……彼らが誰に矛を向けたのか」

??「ふふふ……そうよ、旦那様を傷付け悲しませた罪は、死を以て償ってもらわないといけないのに……!」


 * 島の東部 鎮守府埠頭、高速護衛艦 *

「早くK大佐を船内へ!」

 フッ

「ん? なんだ? 急に薄暗く……」

K大佐「ひ……!」ビクッ

「どうしました!」

「お、おい。上……!」

「上?」



749: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:08:32.57 ID:aj92znMuo


 巨大チャペル< カラーン!

「なんだあの鐘は!? で、でかいぞ!?」

「だんだん迫って……」

「落ちてきてるぞ!!」

「逃げろおお!!」

 護衛艦☆巨大チャペル < ズガシャーーーーン!!

「「「ぎゃあああああ!!」」」


ケイティー「うふ、うふふふ、ふふふふふふふ……!!」ウットリ

ケイティー「見て! あの無駄に立派な船が無様に押し潰されて……旦那様に楯突いた人間が泣き叫んでいるわ……!」

ケイティー「ああ……旦那様! 旦那様の邪魔をする者は、この私がすべて、散らしてみせます……!!」ウットリ

泊地棲姫「……」ヒキッ

ニーナ「こんな性格ですから、ニコさんも有事の時以外は眠らせておいてるんですよ」ヒソヒソ

泊地棲姫「ソレハ仕方ナイワネ……」ヒソヒソ

ケイティー「さあ、泊地棲姫様! あなたのその主砲の出番ですわ!」ニコォ

泊地棲姫「……ソウシヨウ……沈メ!」ドゴォォン!


「は、泊地棲姫の砲撃を確認!!」

「逃げろ! 逃げろぉぉ!!」



750: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:09:37.05 ID:aj92znMuo


 砲弾<ヒュゥゥゥウウウウ…

 巨大チャペル☆砲弾 < ゴワシャーーーーン!!

「鐘にあたって音波が……衝撃波がぁぁ!!」

「「「うわあああああ!!」」」ビリビリビリーーッ!

J少将「ぐわ!? い、今ので高波が……ぎゃああガボボッ」ザブーン


 * 島の南端 *

H大将「おい! なんだこの鐘の音は!」

曙「なんかすっごい不安を煽られるんだけど!?」

オリヴィア「あー……あいつだね。ほら、もたもたしてないで早く海に逃げるよ」

H大将「……失礼だが、君たちは泳げるのか?」

オリヴィア「ん? ああ……そういえばアタイは泳いだこと自体なかったねえ」

カサンドラ「わ、私は無理です! 絶対無理!」

睦月「マルヤちゃんも無理そうだにゃあ……背負った墓石が重たそう」

マルヤッタ「それよりも包帯がほどけちゃうじょ!」

白雪「そっち!?」



751: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:11:14.21 ID:aj92znMuo


阿武隈「……ねえ、あれ見て」

 ザザザザァァァ

摩耶「おっ、誰かいるぜ! メディウムの連中だ!」

川内「……それに艦娘が……神通!? なんでここにいるの!?」

神通「姉さん!」

若葉「……神通さん以外、全員、墓場島鎮守府にはいない顔だな。子日姉さんもいるのか」

霧島「こんなにボロボロになるなんて、どうしたんですか?」

神通「それが……」グスッ

H大将「すまない、この島から至急脱出したい。手を貸してくれないか」

霧島「え、ええ、それは構いませんが……その階級章」

摩耶「……てめえ、大将だと?」ギロリ

H大将「ああ。俺はH大将、背負ってるのは大将、中佐の伯父だな」

霧島「生きていらしたんですか。死んだと連絡が入っていましたが」

摩耶「こっちの駆逐艦たちは?」

H大将「俺の部下だ」

霧島「この島の駆逐艦が数名上陸している筈ですが、どこにいるか御存知ありませんか」

H大将「それは……朧君たちのことか」

摩耶「知ってんのか! 今どこにいんだよ、助けに行くぞ!」

H大将「……いや、無理だ。5人とも、提督少尉を庇って倒れた」

摩耶「……あ?」

霧島「なんですって……!」

川内「……冗談でしょ?」



752: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:13:19.26 ID:aj92znMuo


若葉「……神通さん、本当なのか」

神通「……はい」

H大将「5人のうち、朧君と初春君が深海棲艦化し、少尉に同行している。あとの3人は、残念だが……」

霧島「……そんな」ヨロッ

摩耶「うお、霧島さんしっかりしろっ!! ……てめえ、提督がそんな状況なのに、よくものうのうと逃げてきやがったな……!!」

H大将「俺は、朧君に二度も命を助けてもらった。その命を粗末にするわけにはいかん」

H大将「それに今回の件、提督少尉に非がないことを証言しなければ。俺の部下の不始末だ、俺が提督少尉の汚名を雪(そそ)がねばならん」

若葉「……川内さん。とりあえずH大将たちは保護しよう」

川内「あ、ああ、そだね。それで、これからどうするの?」

神通「提督から、島の南から脱出しろと指示を受けました」

オリヴィア「アタイたちもさ。島から離れろ、って言われたんだよ」

川内「私たちが来ることを予測できてたのかな?」

若葉「いや。北は海流が不安定、西は岩場と崖、東は艦隊が深海棲艦と交戦中だ」

若葉「怪我人がこれだけいたら、南から逃げろと言うのは妥当な指示だろう。上陸するにもここが一番適切だ」

川内「そ、それもそっか……」



753: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:15:40.98 ID:aj92znMuo


若葉「ふむ……」チラ

若葉「よし。ここにいるみんなを連れて、一度中佐の船に戻ろう」

若葉「摩耶さん。あなたは霧島さんを支えててくれ」

摩耶「お、おう……!?」

若葉「川内さんと神通さんは大将たちを運んでくれ」

川内「え? あ、ああ、うん」

若葉「阿武隈さんは足をやられてるんだな? ……睦月と白雪、阿武隈さんに肩を貸してくれ」

若葉「雷は曙と子日姉さんを曳航してほしい。無理を言うが、頼めるか」

雷「! え、ええ! 任せて!」キラッ

子日「ねえねえ神通さん? 若葉ってこんなに格好良かったの?」

神通「え、ええ……悪い癖が出なければ、駆逐艦の中でも一番冷静ですよ」

子日「悪い癖?」

オリヴィア「で、アタイたちはどうするんだい?」

若葉「若葉が全員乗せていく」

全員「「え!?」」

若葉「やってやれないことはない。さ、時間がないんだろう、早く乗ってくれ」

オリヴィア「あ、ああ。邪魔するよ」シュッ

若葉「……これなら大したことはない。さ、急いでくれ」



754: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:16:48.76 ID:aj92znMuo


リンダ「せやね。ほな、いくで!」シュンッ

タチアナ「失礼します」ポンッ

曙「艤装に吸い込まれるように消えてくわ……本当に罠なのね」

カサンドラ「お、お邪魔しますっ!」ヒュンッ

若葉「君で最後だな」

マルヤッタ「乗せてもらうじょ!」ポンッ

 ズッシィ

若葉「!!」

マルヤッタ『だ、大丈夫かの!?』

若葉「あ、ああ、悪くない」ニヤリ

若葉「むしろ物足りないくらいだ。もっと載せてもいい」ウットリ

川内「……始まった」

神通「……始まりましたね」

H大将「な、なあ……若葉君は大丈夫なのか?」

神通「ええ……悪い癖の平常運転です」

川内「特訓ジャンキーなのよ、若葉。過負荷が大好きっていうか……ちょっとMなところもあるし」

若葉「フフ……ありだな。こういうのが欲しかったんだよ……ああ! いいぞ!」キュピーン

子日「」シロメ

睦月(眼帯の軽巡さんが混ざってるにゃしい……)



755: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:19:27.27 ID:aj92znMuo


 * 島の東 泊地棲姫の一団 *

泊地棲姫「……ナルホド。砲弾デ鐘ヲ鳴ラセルトハ、面白イ趣向ダナ」

ケイティー「はぁぁぁ……なんて素敵な音色……! 私と旦那様の未来を祝福しているようだわ……!」ウットリ

泊地棲姫「……」ドンビキ

ニーナ「気にしたらダメですよ」ヒソッ

泊地棲姫「……ソウネ」ヒソッ

マリッサ「それじゃあ、いよいよ私の出番ねぇ! 逃がさないわよぉおお!!」


 ゴゴゴゴゴ

海に投げ出された海兵「なんだ、海がうねってるぞ……」

 巨大クラーケン< ザババババーーーッ!!

「な、なんだあれは!?」

「ば、化け物だああ!」

「にげ、にげろっ……ひいい!?」シュル グイッ

「た、助けてくれええ!!」グイッ

マリッサ「あはぁ……! 人間がこんなにちっちゃくなっちゃって……とっても可愛いわぁぁ♪」

マリッサ「どんなふうに弄ってあげちゃおうか・し・ら♪」グリッ

「っ」ゴギッ

マリッサ「あらぁ?」

「」プラーン

マリッサ「あらあらぁ、力が強すぎるのも考え物ねえ……今のうちに力加減を覚えておかないと……」

 グリッ ゴギッ メシャッ グシャグシャグシャッ

マリッサ「……ね?」ニタァ

「「ひいいいい!?」」ガタガタガタ



756: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:22:33.29 ID:aj92znMuo


 * 島の東部 *

海兵「海は駄目だ! 陸だ! 陸地の奥へ避難しろ!」

「おい、あれ……!」

ヲボロ「……」

ハツハル「……」

軽巡棲姫「……テイトク」

提督「……ああ」

「提督少尉……軽巡棲姫まで!?」

「なんだあのツノは……戦艦棲姫と似ていないか?」

「どちらにしろ敵だ! 深海の手先め!!」チャキ

提督「何言ってんだ? ……まあ、どうでもいいか。いまさらお前らが何をしても、もう遅いんだ」

提督「よぉく聞け。お前らの末路は海の藻屑か焼き鳥だ。同胞(はらから)のよしみだ、好きな方を選べ」

「世迷言を……!」

「お前なんかと、同胞になったつもりはない!」

提督「同胞だろうが。俺もお前らもおんなじ『人でなし』だ」

「深海棲艦を率いて人間を滅ぼそうとする人類の敵が、何を言う!」

「おとなしく手を挙げて投降しろ!」チャキッ

「脱出方法があるだろう! 言え!」チャキ



757: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:24:41.35 ID:aj92znMuo


提督「脱出? ねえよ、そんなの。俺も疲れてんだ、お前らの相手なんかしたくねえっつうの」

「手を挙げろ! 死にたいのか!」

提督「……はぁ……もういい。面倒だ」スッ

 ニードルフロア<ガッシャアアアン!

「「ぎゃあああ!?」」ドスドスドスッ

提督「おとなしく選んどきゃあいいものを」

「く、撃て、撃てええ!」チャキ

 メガロック<ドスゥゥウン

 ドンドンドンッ ビシビシビシッ

「落岩が盾になっただと!?」

 スプリングフロア< バインッ!

 メガロック< ゴロゴロゴロッ!

「こ、こっちに来たああ!」

 テツクマデ< ガインッ!
 バナナノカワ< ツルーン!
 スパイダーネット< ヒュパッ

「う、うわあああ!」

「なんだこれはああ!」

 メガバズソー< ガランガランガラン!
 ボールスパイカー< バシンバシンバシン!

「ひいいい!!」
「痛い! 痛いいいい!!」

 ヘルジャッジメント< ズガッシャァァァン!
 ヘルファイアー< ボガァァァァン!
 ブラストボム< ドガーーーーン!

「ぎゃあああああああ!!」



758: ◆EyREdFoqVQ 2017/04/30(日) 21:26:16.09 ID:aj92znMuo


提督「……だから、人の話を聞かない奴は嫌いなんだ」

「あぁ……」ドシャッ

「た、たすけ……」バタッ

「死にたく、ない……」ガクッ

残った海兵たち「「「……」」」ゾッ

提督「で? 次はどいつだ」ギロリ

「に、に、逃げろおおおおお!!!」

提督「……朧。付近にいるヲ級とヌ級に救援要請」

提督「メディウムたちを艦載機に乗せて脱出させて、そいつらに着艦させろ」

ヲボロ「……」コクン

提督「艦載機が足りないときは融通してもらえ。急げ」

 ゴゴゴゴゴゴ…

提督「もうすぐ、全部終わりだ……」

軽巡棲姫(……!)

軽巡棲姫(提督……ドウシテ今、ソンナ寂シゲナ……安心シタヨウナ、笑ミヲ浮カベタノ……?)



763: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:46:50.06 ID:jrVr/S+Fo


 * 島の東 H大将の艦隊 *

ヒサメ「おお、おお。マリッサめ、随分と調子に乗っておるのう」

キュプレ「あんなにたくさん人間を独り占めなんて、欲張りね!」

愛宕(大破)「……あ、あう……」グッタリ

高雄(大破)「……くふうう……」グッタリ

ジュリア「こちらのふたりはどうしますの?」

ジェニー「そーね、そろそろ開放してあげよっか?」

サム「どうやらその頃合いですね」

マリッサ「あらぁ、それなら開放する前にその玩具、私に弄らせて頂戴?」

 巨大クラーケン< シュル

高雄「……え……!?」ゾッ

 巨大クラーケン< ギュワッ!

高雄「い、いやああああ!?」

 ザシュ!

クラーケンに爪を突き刺すオボロ「……」

高雄(失神)「……」カクン

オボロ「……戯れが過ぎるぞ、マリッサ殿」

マリッサ「……ふふ、ふふふ。真面目ねえ、オボロちゃんは」



764: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:48:28.36 ID:jrVr/S+Fo


オボロ「ジェニー殿、サム殿。すぐにも両人を開放せよ。時間がない」

ジェニー「……なによ、いつになく殺気立ってるわね」

 デルタホース< フッ

 ヴォルテックチェア< フッ

愛宕「あ……」パタン ツルー

高雄「」コテン ツルー

サム「これでよろしいので?」

オボロ「ユリア殿。その6人、まとめて船に送り届けられるか?」

ユリア「え? いいけど……」

 カタパルト< ズドバーーーン!!

高雄愛宕「!?」ピューン

金剛比叡「ヒエエエーーー!?」ピューン

長門陸奥「」ピューン

ユリア「そんなに焦らなくてもさ、もうちょっと遊んでて良かったんじゃないの?」

ヒサメ「そうじゃ。当初の計画なら、人間どもを島に閉じ込めて、我らがゆっくりじっくりいたぶりながら始末する算段じゃろう?」



765: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:50:23.43 ID:jrVr/S+Fo


オボロ「……艦娘に犠牲が出た。ゆえに御屋形様はお怒りだ……もはやこの島に留まることも叶わぬ」

クリスティーナ「なんですって!? だ、誰がやられたの!?」

オボロ「如月殿、朧殿、吹雪殿、初春殿、電殿だ……」

ヒサメ「初春じゃと!?」

マリッサ「……いなづまちゃん、ですって?」

オボロ「……」コク

キュプレ「そんな……そんなのって、ひどい……!!」

マリッサ「ふ、ふふふふふ……そう。それじゃあ、ここの人間は、一人残さず、皆殺しにしてあげないとねえ……!」

ヒサメ「マリッサよ。わらわにも少し残しておくが良い……ただただ、すんなりと殺してやるわけにはいかぬ」

マリッサ「大丈夫よぉ、心配しなくても……恐怖と絶望を存分に味わわせてから、殺してあげるわああああ!!!」

 巨大クラーケン< グワアアアアアアアッ



766: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:52:34.63 ID:jrVr/S+Fo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

中佐「……なんだこの尋常じゃない地響きは」

長門「中佐、危険だ! 早く船に避難しろ!」

ル級「モシカシテ……提督ハ!? マサカ、マダ島ニイルンジャナイデショウネ!?」

大和「提督を助けに行かなくては!」

ニコ「待って! 行っちゃだめだよ!」

金剛「Nico !? アナタ、ドコに行ってたんデスカ!?」


 * 島の南岸 *

H大佐「何が起こっているんだ!」

オリヴィア『まずいよこれは……早く島から離れな!』

川内「急ぐよ!!」


 * 島の東部 鎮守府埠頭 *

海兵「し、島が震えてるぞ!」

「この場にいたらまずいんじゃないか!?」

「逃げるんだ! 早く!」

「逃げろって、どこへ!?」

 ドドドドドドドド…




767: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:53:12.82 ID:jrVr/S+Fo


 * 島の北部 洞窟内 *

「洞窟が崩れるぞ! 早く逃げろ!」

「この熱気、もしかして……!」

 バキ! バキバキバキ!

 ガラガラガラ…!

 ドーーーーン!!

「マグマだ! マグマが噴き出してきたぞ!」




 海底火山< ドゴーーーーーーーーーンンン!!

「「「うわあああああああああああああ!!!」」」




768: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:57:31.12 ID:jrVr/S+Fo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

 ズドーーーーーン

中佐「あの火柱は……まさか溶岩か!?」

ル級「火山活動ガ始マッタトイウノ!?」

 ザザァ…

W大佐(伊勢に背負われ)「よし、ここまでくれば……!?」

伊勢「え、えええ!? ちょっと! どうして中佐が深海棲艦と一緒なの!?」ザザザァァ

W大佐「おい、X! どういうことだ!」

中佐「W!? 無事だったのか!」

 ザザザァァ…

神通「長門さん!」

長門「神通!? 背中の男は誰だ!?」

中佐「H大将!? 伯父さんも!?」

H大将「中佐! ここにいて大丈夫なのか!」

中将「二人とも、生きていたのか……!」

H大将「ち、中将殿!?」

長門「な、なにがどうなっているんだ!?」



769: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 21:59:00.01 ID:jrVr/S+Fo


摩耶「鳥海! 霧島さんを頼む!!」

鳥海「な、なにがあったの!?」

摩耶「話はあとだ! 提督とちびたちを迎えに行く!」

霧島「……駄目よ」ガシッ

摩耶「霧島さん!?」

霧島「……摩耶。あなたまで失ってしまったら、私は……私は……!!」ギュゥ

摩耶「だ、大丈夫だって! あたしは必ず帰ってくるから、離してくれ霧島さん! 行かせてくれっ!!」

 PPPP...

長門「無線!? ……はっちゃんか!」

通信『北の洞窟と、さらにその北側の海底から溶岩がすごい勢いで噴き出してるよ!』

通信『このままだと鎮守府も危ないから、絶対に近づかないで!』

長門「……わかった、はっちゃんも急ぎ離脱してくれ。摩耶、お前も待機だ。提督の帰還を待て」

摩耶「長門さん!?」

長門「金剛! 大和! 何人たりとも島に行かせるな!」

金剛「I see !」

大和「了解です!」

摩耶「金剛さん!? あ、あんたそれでいいのかよ!!」



770: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 22:00:03.89 ID:jrVr/S+Fo


金剛「当然デス。今から摩耶が島へ乗り込んだとして、あの広い島内をどうやって提督を探すつもりデスカ?」

金剛「それに行ってから脱出できるかもわかりまセン。考えなしに突っ込むのは、自殺行為も同然デス」

摩耶「く……そりゃ、そうかもしれないけど……でもな!」

大和「仲間をむざむざ死にに行かせるわけにはいきません! 提督のお考えに背きます!」

長門「そうだ、やめろ摩耶! 提督はそんなことを望んでないはずだ! わかっているだろう!」

摩耶「わかってる……わかってんだよそんなこと! そのくせ手前は死にたがりのダブスタ野郎だってことも、お前らわかってんだろ!?」

摩耶「だからあいつを迎えに行かなきゃ駄目なんだよ! 頼むよ! 行かせてくれ!」

 ヒュゥゥゥゥウウウウウ

摩耶「!?」

 バシャバシャバシャーーーン!

摩耶「うわああ!? な、なんだあああ!?」

 ゴポゴポゴポ…

H大将艦隊の金剛「……ぷっは!? こ、こ、ココはドコデース!?」キョロキョロ

H陸奥「……」カチーン

H長門「……」コチーン

H比叡「……ひえええ!? 金剛お姉様、長門さんたちが凍ってますよ!? ひえっひえです!」



771: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 22:01:45.52 ID:jrVr/S+Fo


H金剛「Oh, 比叡!? あなたも二人いマース!?」

比叡「え、私ですか!?」

H比叡「ほんとだ! これがほんとの比叡比叡ですね金剛お姉様!」

H金剛&H比叡「「HAHAHAHA!」」

金剛&比叡「「言ってる場合デスかあああ!」」ドゲシッ

H金剛&H比叡「「ギャース!?」」

榛名「」シロメ

大和(シリアスな空気がぶち壊しだわ……)アタマカカエ

H大将(……うちの金剛と比叡は艦隊のにぎやかし枠だったな、そういえば)アタマカカエ

鳥海「それより摩耶! 姉さんたちが!」

H高雄(失神中)「」プカー

摩耶「げえ!? お、おい、高雄姉! しっかりしろ!」ホッペペチペチ

H愛宕「……ま、や? ちょうかい……!?」ボロッ

鳥海「愛宕姉さん!? そんなにボロボロになるなんて、なにがあったんですか!?」

H愛宕「鳥海……ちょうかーーーーい……!」ダキツキッ

H愛宕「こわかった……こわかったのーーー!!」ウワーン!

鳥海「ちょっ、お、落ち着いて!?」

H愛宕「高雄を、でっかい、触手が……触手がぁー!!」ビエーン

摩耶「ああもう、くそが! メディウムの連中は、姉貴たちになにしてくれやがったんだ!?」



772: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 22:03:15.83 ID:jrVr/S+Fo


 ズドーーーーーン

摩耶「!」

ル級「マタ噴火!? 泊地棲姫ハ何ヲシテイルノ!?」

長門「まずいぞ……島に火の手が上がっている!」

潮「長門さん! 曙ちゃんたちを救護船に乗せて……って、あ、あの赤い光はどうしたんです!?」

龍驤「艦載機飛ばしてみたんやけど、あかんよ! 林に火が燃え移っとる……このままじゃ鎮守府も燃えてしまうで!」

敷波「ちょっと! ニコちゃんなんとかなんないの!?」

ニコ「なんとかもなにも、これは魔神様がやったことだよ!?」

利根「何を言うか! 提督にそんな真似ができるわけがなかろう!」

ニコ「嘘じゃないよ! 駆逐艦のみんなが殺されて、その怒りで魔神様が力を発動させたんだから!」

長門「なんだと!? おい、今なんと言った!!」

朝潮「殺された……って、誰がですか!?」

潮「……まさか……朧ちゃん?」マッサオ

利根「島には誰もいないはずではないのか!?」

摩耶「……あたしが、行かせたんだよ」

鳥海「摩耶!?」

摩耶「嫌な予感がする、って朧が言っててな……危なくなったらすぐ戻れって言ったのによ……!!」



773: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/03(水) 22:06:31.75 ID:jrVr/S+Fo


潮「……そ、それじゃ、朧ちゃんは……」

H大将「朧君は、深海棲艦になった」

潮「!?」

中佐「ど、どういうことです!?」

H大将「俺がこの目で見てきたんだ。深海棲艦から作った弾丸で撃たれた朧君と初春君が、深海棲艦になったのを見た」

中佐「深海棲艦から作った弾丸!?」

中将「……まだ、そんなものを作る馬鹿者が残っていたのか……!!」ギリッ

潮「……朧ちゃんが……」

長門「初春も、だと……!?」

H大将「これが証拠の弾丸だ。……ル級君、あらためてくれるか」スッ

ル級「……アラタメルマデモナイワ。見テイルダケデ、ソノ弾丸カラ無念ガ伝ワッテクルモノ……!」

雲龍「なんとかして、二人を助けられないの?」

H大将「助けたいが、何をしたらいいか見当がつかん……」

利根「の、のう、朧や初春以外は……どうなったんじゃ」

H大将「……提督少尉を庇って倒れた。全滅だ」

利根「……!」

大和「提督は、どうなったんですか」

H大将「……彼の額に角が生えて、魔法のような力を使うようになった。まだ島にいるはずだ」

金剛「……生きて、いるんデスネ?」

H大将「ああ」

中佐「……どうする気なんだ、提督少尉は……」



777: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:04:58.79 ID:p7P6TXhNo


 * 島の東部 鎮守府埠頭 *

J少将「……ぜぇ、ぜぇ……おのれ、何故この私が、こんなに泳ぐ羽目に合うんだ……」

ヨーコ「それはあんたが悪だからだよ! 因果応報、この世に悪が栄えた例なし!」

J少将「!? 何者だ!」

ヨーコ「正義のヒーロー、メディウム戦隊メディピンク!」

ヨーコ「お前を、地獄にぶっとばす者だあああ!」

 メガヨーヨー< ガッシャァァァン!

J少将「ぎゃああ!?」ブットビ

 クレーン< ガッシィン!

J少将「ぐえっ!?」クビツカマレ

アーニャ「よおっし、ナイスキャッチ!」

ティリエ「はやくこっちに投げちゃえ! ご主人様のところへ送ってやるぞ!」

アーニャ「オッケー! そっちにリリースするね!」

 クレーン< ポイッ

 ゴウモンシャリン< ガラガラガラッ!

J少将「ぐぎゃっ!?」ガシャーン

 ゴウモンシャリン< ゴロゴロゴロゴロ… ウワアァァァ!

提督「……来やがったか。よし、クロエ」

クロエ「了解しましたっ! お任せください団長っ!」

 ワンダーバルーン< ペタンッ

J少将「ぬおっ!?」フワァ



778: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:06:37.84 ID:p7P6TXhNo


J少将「な、なんだこの風船はっ!」ジタバタ

提督「……よう、ざまあねえな。あんたがJ少将か」

J少将「お、お前は、提督少尉か……!? 俺に一体なにをした!?」

提督「……そりゃこっちの台詞だよ。お前こそこの島に何しに来たんだ?」

J少将「……っ」

提督「まあ、素直には答えられねえだろうなあ。深海と繋がってる俺を処罰しに来たんだからなあ?」

提督「今、俺を咎めれば、殺されると思ってんだろ? こんな時だけお利口にならなくていいんだ、正直に喋ってくれよ」ニタニタ

J少将「軽口を……!」ギリ

提督「で、俺のついでに大将二人まで始末しようとする魂胆はなんだ? 聞いてやるから喋ってみな」

J少将「ぐ……」

軽巡棲姫「喋ロウトモシナイノ……ソレトモ、デキナイノ……?」

提督「できねえだろうなあ。Zの奴がいたからな……あの弾丸の話をしたら、十中八九お前に殺されるって思ってんだろうさ?」

J少将「……ッッ!」

提督「ほれ、顔色が変わったぜ? 心当たりがあるんじゃねえか?」ニヤリ

J少将「し、知らん! 俺は知らん……ッ!」

軽巡棲姫「……オノレ……オ前ラガ……オ前ラガ私タチヲォォ……!」

提督「まあ、落ち着け。で、どうすんだ? 白状するのかしないのか」

J少将「知らんものは知らん……ッ!」



779: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:08:42.72 ID:p7P6TXhNo


提督「そうか。じゃあ、もう用は済んだな」

J少将「お、おい!?」ビクッ

提督「軽巡棲姫、初春、朧。やっ」

J少将「待て! 待ってくれ!! 言う! 言うから……」

提督「あ? 言わせてやらねえよ。さあ、やっちまえ」

J少将「な!?」

ハツハル「……!」ドガァン

オボロ「……!」ピシュピシュン

J少将「ぎゃああ!?」ゴガガァン

 ワンダーバルーン< パァンッ

J少将「ぐえ!?」ベチャッ

J少将「ぐうう……お、俺の、俺の脚が……脚がああ!!」ゴロゴロッ

軽巡棲姫「……ネェ」ガシッ

J少将「ひぃ!?」アタマツカマレ

軽巡棲姫「……ドウシテ? ドウシテ、コノ島ニ来ルノ? ネェ、ドウシテナノ?」

軽巡棲姫「ドウシテ、オ前タチハ、提督ヲ、危険ナ目ニ合ワセルノ?」ミシッ

J少将「ぐうう……な、なんでだあ……俺は、大将を殺す理由を、言おうとしたのに……」

提督「おいおい、今は軽巡棲姫が質問してるんだぞ? 答えてやれよ」

軽巡棲姫「……」ミシミシッ

J少将「ひぎぃぃ! 言う、言うから……」

軽巡棲姫「……ヤッパリ聞キタクナイワ。ドウセ不愉快ナ答エシカ、得ラレナイデショウカラ」ミシミシミシッ

J少将「ぐああああ!?」



780: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:09:59.07 ID:p7P6TXhNo


J少将「……も、もうやめてくれ……俺は、まだ死にたくないんだ……助けて……」

軽巡棲姫「……ダッタラ……」パッ

J少将「!」ストン

軽巡棲姫「ナンデ、ココヘ来ルノヨォォ……ッ!!」サッカーボールキック

J少将「ぐへぇえ!」バッキャァアア ズダンッ ゴロッ ベシャッ

軽巡棲姫「アア……口惜シヤ……憎ラシヤァァァ!」ギリギリギリ

提督「ほれ、命乞いしろ。助けてくださいと、額を地面にこすりつけて、泣いて詫びを入れてみろ」

提督「早くしないと、お前にとどめを刺しちまうぞ?」

J少将「は、ひ、ひいいい……た、助け、助けて」ガタガタガタ

提督「よし……イブキ」

イブキ「押忍っ!!」

提督「とどめ刺してやれ」

J少将「ま、待っ……約束が違う!」



781: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:12:25.72 ID:p7P6TXhNo


イブキ「吹雪のカタキ、取らせてもらうッス!! うぉおらぁぁああ!!」

 ヒートブレス< ゴワァァァァ!!

J少将「ぐわあああああ!!」ボワァァァ!

J少将「何故だ! 何故だ提督少尉ぃぃぃ!」

提督「何故もなにも、俺はお前を助けるなんて約束なんかしてねえだろ?」

提督「お前が素直になろうがなるまいが、俺たちはお前をぶちのめしたいんだ。わかれよそのくらい」ニヤァ

J少将(気絶)「!! ……き、さ……」ガクッ

提督「……よし。イブキも島から避難しろ。朧、艦載機は残ってるな?」

ヲボロ「……」コクン

イブキ「押忍! ……あの、団長、良かったんスか? まだこいつ、生きてるッスよね?」

提督「ああ。もう一回くらい、無様に泣き喚いてもらおうと思ってな」

提督「人を騙して罠にかけて陥れようとしたんだぜ? 報いは受けてもらうべきだろ?」ニヤリ

イブキ「それもそうッスね!」

軽巡棲姫「……提督。アナタガソレヲ言ウノ……?」ジト

提督「いいじゃねえか。そんなことより、最後の後始末をするか。朧、初春……軽巡棲姫も、手伝ってくれるか」

軽巡棲姫「?」



782: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:14:05.30 ID:p7P6TXhNo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

 ゴォォォ…

陸奥「もう、島が真っ赤……なんてことなの」

龍驤「溶岩で覆われて……煙と水蒸気で見通しも悪いし、艦載機も飛ばせられへんな、これは……」

陸奥「もっと離れた方がいいわ。噴火が続いているし、火山岩が飛んでくるかもしれないわ」

暁「……」

暁「あ……」

雲龍「……暁?」

 ……よくも司令官を……!

暁「あ……!」

 ……I提督の鎮守府が……燃えてる……!!

暁「あああ……!!」ビクッ

雲龍「暁? どうしたの、頭を抑えて……」

龍驤「どないしたん?」

暁「あ、あああ……!!」フルフル

暁「や……やめて、やめ……」ズキズキズキッ

陸奥「暁ちゃん!? どうしたの!?」

暁「いやああああ!!」

暁「あ……」ガクッ

陸奥「ちょっと、暁ちゃん!?」ガシッ



783: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:16:39.96 ID:p7P6TXhNo


龍驤「な、なんや!? なにがどうなってん!」

長門「……今のはもしや、昔の鎮守府の記憶のフラッシュバックか? ……陸奥、すぐに暁を船に乗せてくれ」

陸奥「え、ええ……長門は?」

長門「今、中佐が提督に通信を試みている」

中佐「…………」

中佐「くそっ! 駄目だ! 何回コールしても提督が出てくれない!」

ル級「オ前、本当ニ提督ニ通信機ヲ渡シタンデショウネ?」

H大将「渡したとも! ちゃんとあいつも受け取った!」

金剛「使い方、教えまシタカ?」

H大将「なぬ? い、いや、使い方までは教えて来なかったんだが……!」

大和「それはまずいですよ!? 提督はスマートフォン使ったことがないんですから!」

H大将「い、今時の若い奴にそんな奴がいるわけが……」

金剛「イマドキとは懸け離れた場所に長期間滞在していたんデス! わかるわけないでショー!?」

H大将「ぐ……すまん」

タ級の艤装から現れるカトリーナ「だあああ! ニコちゃんよ! あたしたちは一体いつまで待ちぼうけ食らってりゃあいいんだよぉおお!」ガーッ

ニコ「しょうがないよ! だいいち、カトリーナの足の速さで島を探しに行って見つかると思う!?」

ツ級の艤装から現れるリサーナ「それは無理ね~」ヒョコッ

長門「お、お前たちもメディウムを載せてたのか」



784: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:18:07.80 ID:p7P6TXhNo


ル級「マア、ネ……私モ、チェルシーヲ乗セテルワ」

チェルシー「こう言っちゃ悪いんだけど、あたしたちと深海棲艦って相性がいいみたいなんだ」ヒョコッ

長門「? どういうことだ」

タ級の艤装から現れるエレノア「私たち、罠になると誰にも気付かれなくなる能力があるでしょう?」スッ

エレノア「あなたたち艦娘に乗ったときはそれが発動しなくて、深海棲艦の子たちに乗ったときはその力が働くみたいなの」

ヲ級の艤装から現れるルミナ「まあ、理屈は今のところわかってないがね。奇襲に便利だから、使わせてもらったよ」

W大佐「……なにもないところから深海棲艦が現れたのは、お前たちの力ということか?」

ルミナ「ええ、そういうことになるわねえ」

初雪「……正直、イサラの雰囲気だけはわかった」

ツ級の艤装から現れるイサラ「!? ど、どういうことッスか!?」ビクッ

初雪「あたしだって、本気を出せばわかるし」フンス

筑摩「相性って大事なのね……」

ル級「ソンナコトヨリモ、提督トハマダ連絡ガデキナイノカ?」

中佐「ああ、まだなんだ……早く……早く気付いてくれ、提督少尉……!」

通信機『……これで使えるのか? いまいちわかんねえな』

中佐「提督少尉!?」

全員「!!」



785: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:19:05.49 ID:p7P6TXhNo


通信『……なにやら騒がしいな。全員一カ所にいるのか? 話が早いからいいけどよ』

大和「提督! ご無事だったんですね!」

金剛「提督、早く戻って来てくだサーイ!!」

ル級「ソウヨ! アナタガ戻ッテコナクチャ、泊地棲姫ニ手ヲ貸シタ意味ガナイワ!!」

ニコ「深海のみんなに手を貸してもらったのに、戻ってくるのが遅すぎるよ!」

チェルシー「そうだよ! 船長、いったい何してんのさ!!」

通信『ごちゃごちゃうるせえな。一人ずつ喋れよ、一人ずつ』

中佐「……提督。今きみはどこにいる」

通信『中佐か? 今は……丘の上だな。全員連れて、丘の一番上にいる』

中佐「全員?」

通信『ああ、軽巡棲姫、朧に初春、それと如月と電と吹雪だな』

中佐「みんな生きているのか!?」



786: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:22:33.53 ID:p7P6TXhNo


 * 墓場島の南東部 丘の上 *

提督「……いいや。吹雪と電、如月の3人はもう寝ちまった」

通信『……そうか』

ハツハル「……」カクン…カクン…

ヲボロ「……」フラ…フラ…

提督「もう二人も眠たそうにしてる。寝かしつけてやらなきゃならねえな」

通信『提督! すまねえ! あたしのせいだ!』

提督「……摩耶か?」

通信『ああ。あたしが悪いんだ。あたしが、ちびたちを島に行かせたんだ!』

提督「……」

通信『提督、違います。この霧島が、5人が島に行くことを見逃したんです。私が行かせたんです。摩耶は、何も悪くありません』

通信『何言ってんだよ、霧島さんは黙って……』

提督「はは、お前ららしいな。おい、摩耶、霧島、お前らの責じゃねえよ、安心しろ」

提督「こいつらがここに来てくれなかったら、俺もそっちにいる大将たちも、全員くたばってたかもしれねえんだ」

提督「それに俺がもしそこにいたら、同じことやってたんじゃねえかな。だからお前らのやったことを俺は咎めねえよ」

提督「こいつらがここに来たいって駄々をこねたんだろ? こんなことになるとは予想もできずにな。だったら仕方ねえ」

通信『提督……ですが!』

提督「仕方ねえっつってんだろ。それを言うなら、守るべき部下を守れなかった俺の責だ。これが結論だ、文句あっか」



787: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:23:44.90 ID:p7P6TXhNo


通信『提督! それよりも早く島から出てきてください! 島全域を溶岩が覆い尽くさんばかりの状況です!』

提督「大和か? それなら知ってる。もう遅え」

通信『でしたら何故、早急に脱出をしなかったんですか!』

提督「だってなあ、この噴火は俺の仕業だぞ」

提督「ニコもわかってると思うが、こいつら5人と妖精がやられたとき、俺はこれ以上なくぶち切れてなあ……」

提督「思っちまったんだよ。全部、ぶっ壊したい、ぶっ潰したい、ってな」

提督「それがこの結果だ。自分の庭も、家も、なにもかも燃えてなくなる。俺の八つ当たりの結末がこれなんだ」

通信『そんなのを八つ当たりとは言いまセーン! 提督の怒りは至極尤もデス!!』

提督「そういうもんか?」

通信『提督、今からそちらに向かう。生きているのなら、何をしてでも貴様を助けに行く』

提督「……やめとけ長門。島に近づくのももう無理だろ?」

提督「海岸にも溶岩が流れてきてる。水蒸気で丘の上なんか見えねえだろ」

通信『だが!』

提督「来るな。これは命令だ」

通信『……』

提督「もし来るようなら馘だ。絶対に来んな」

通信『魔神様。それはぼくたちにも言っているつもり?』

提督「ニコは俺の部下になった記憶があるのか?」

通信『ないよ。でも、ぼくはきみのお姉ちゃんなんだ。お姉ちゃんがきみを心配するのは当然だよ』

提督「……」



788: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:25:00.88 ID:p7P6TXhNo


通信『ダーリン! ワタシは、ダーリンと一緒にいたいヨ! プリーズカムバック!』

通信『そうよ坊や。あなたが戻って来ないで、誰が私たちをまとめると思うの』

通信『そうですよ! ご主人様のために働くことを、みんな待ち望んでたんですよ!』

通信『メディウムの皆さんたちだけではありません! 私たち艦娘も、司令官と苦楽をともにすることこそが喜びです!!』

通信『提督よ。おぬしがおらねば吾輩たちは生きる意味を失っていた。おぬしは我々にとって単なる司令官ではないのじゃぞ!』

通信『提督! 戻ってきてください!』

通信『ご主人様!!』

通信『司令!』

通信『マスター!!』

通信『司令官!』

通信『魔神様!』

通信『提督!』

提督「……」

通信『私カラモ、オ願イスルワ』

提督「……ル級か」

通信『アナタトハ、モウ一度、顔ヲ見テ話ガシタイノ』



789: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:26:09.71 ID:p7P6TXhNo


提督「……俺もなあ……お前ら一人一人に声をかけたいところだが、もう時間がないからな」

 ハツハルの右手の艤装<ボロッ…ボロボロボロッ

 ヲボロのヲ級帽子<パキッ…パキパキパキッ

ヲボロ「」フラッ

ハツハル「」クラッ

提督「……」ガシッ

ヲボロ→朧「……」

ハツハル→初春「……」

軽巡棲姫「フ、二人トモ、ドウシタノ!?」

提督「ル級とヲ級の力がなくなったのさ。敵も討てて恨みを晴らせた……成仏した、っていうのが半分。あとは純粋に魔力切れだ」

提督「そもそも朧も初春も駆逐艦だ。空母や戦艦の力を使うには、体が追いつかなかったんだろうよ……無理しやがって」

初春「……ていとく……そこに、おるのかのう」

提督「!」

初春「……おぬしのうでのなかは、あたたかい……よく、眠れそうじゃ……のう、朧よ」

朧「……そう、ね……冷たい、北の海とは……ぜんぜん、ちがう……」

朧「ここ……いいなあ……朧、きらい、じゃない、です……」

初春「……」

朧「……」

提督「……疲れたろ。ゆっくり休んでな」ナデ

軽巡棲姫「……!」

通信『提督! 何があったんだ!?』

提督「静かにしろよ。今、朧と初春が寝付いたんだ……騒がしくすんな」

通信『……』



790: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:27:53.52 ID:p7P6TXhNo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

通信『さてと、名残惜しいが、そろそろお別れだ』

足柄「な、何言ってんのよ! あなた、そんな簡単に死ぬ男じゃないでしょ!?」

エレノア「そうよ、どうせ脱出の方法とか残してるんでしょ!?」

黒潮「あるんやったら、はよ脱出せな!」

チェルシー「そうよキャプテン! どんな手を使ってもいいから、早く!!」

通信『……』

千歳「なんで黙ってるんですか!」

オリヴィア「アミーゴ! 諦めるのは早いよ!」

通信『……もういいんだ。お前らがそう言ってくれるだけで、俺には充分だ』

五十鈴「何を弱気なこと言ってんのよ!」

古鷹「提督らしくありません!!」

通信『そうは言うが、しょうがねえだろ。俺はこの島の鎮守府以外のどこに行けると思ってる?』

通信『余所へ行きゃあ、どうせ余計な真似をしないか監視されて、またそのうちありもしねえ疑いをかけられて騒ぎになるのが目に見えてる』

五月雨「そう言って、司令官も、私を置いていくんですか」

通信『……五月雨か』

五月雨「前の鎮守府の仲間たちも、前の司令官も、私を残して死んでしまったこと……提督は御存知ですよね!」ポロッ

五月雨「提督も、私を……私を置いてどこかに行くんですか!」ポロポロポロ

通信『……悪いな。俺は、俺に好意を寄せてくれた奴を、死なせたいと思わない』

五月雨「……司令官……勝手です! そんなの、あなたの勝手すぎます!!」

五月雨「だったら、私も一緒に死にに行きます! 私もあなたと……」

通信『そういうのは許さねえ、っつったろ。しょうがねえ奴だな』

通信『俺は人間だ。人間は愚かだ。だから、俺は死んでもいい存在なんだ。前からそう言ってるだろうが』



791: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:29:43.74 ID:p7P6TXhNo


 * 墓場島の南東部 溶岩に囲まれた丘の上 *

通信『司令官!』

提督「なあ五月雨よ。こっちにもお前みたいな奴がいるんだ。困ったことになあ」

軽巡棲姫「ソウヨ……モウ、私タチノ帰リ道ハ、ナイノ……私ハ、提督ト運命ヲトモニスルノヨ……!」ギュウ

提督「……どうせ言っても聞かない奴だ。だったら仕方ないと思ってな……」ナデ

軽巡棲姫「アア……提督……!」

 トンッ

軽巡棲姫「!?」

 イビルシュート< ゴォッ!

軽巡棲姫「ッ!?」ドガッ!!

提督「無理矢理にでも、帰ってもらうことにした」

軽巡棲姫「テイ……ーーーーッ!?」ピューーーーン



792: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:31:17.27 ID:p7P6TXhNo


 * 島の南東 X中佐所有の医療船近辺 *

那珂「無理矢理って、提督!? それってどういう意味……」

 ヒュウウウ…ドボーーーーン!

黒潮「!? な、なんや、なんか飛んできたで!?」

軽巡棲姫「プハッ!?」ザバァ

筑摩「け、軽巡棲姫……!?」

軽巡棲姫「……テイ、トク……?」

軽巡棲姫「ドウシテ? ドウシテ、私ヲ……」

軽巡棲姫「ドウシテナノォォォオオオオ!!!!」

ル級「チョッ……落チ着イテ!」

通信『軽巡棲姫はそっちに着いたか?』

加古「ついたかじゃないよ! 軽巡棲姫ってばめっちゃ怒り狂ってるじゃんか!!」

武蔵「ここまで女心を理解していないとは……見損なったぞ!!」

軽巡棲姫「提督! テェトクウウウウウ!!! ドウシテナノォォォ!!」

通信『……軽巡棲姫、お前は駄目なんだ。どうもお前は娘みたいに思えてな……幼い姿を見た所為だろうな。お前を道連れにしてはいけない』

通信『それにお前には、お前を受け入れられる奴らがいる。泊地棲姫たちがいる』

通信『お前を任せて安心できる奴がいる。お前は、俺の分まで生きるべきなんだ』



793: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:33:43.66 ID:p7P6TXhNo


軽巡棲姫「何ヲ……提督コソ、コンナニ大勢ニ求メラレテイルノニ、何故、死ニ急グノヨ……!!」グスッ

軽巡棲姫「アナタコソ、生キルベキ者ナノニ、何故、自ラ命ヲ捨テヨウトスルノヨォォ!!」

通信『俺が面倒ごとを呼んでるからだ。他の人間どもが、俺や俺の周りを利用して争いを仕掛け、結果、俺の身内が傷付くことになる』

通信『それでも俺が生きるべき者だと言えるのか』

軽巡棲姫「言ウ! 私ハ、生キルベキダト、言ウ!!」

大和「……提督。今、軽巡棲姫を、どんな方法を使ったか知りませんが、こちらまで吹き飛ばしましたよね?」

大和「同じことをすれば、提督も助かるのではないのですか!?」

通信『……そりゃあ無理だな。もう魔力も、歩く体力も気力も残ってねえ』

霞「はあ? なによその言い訳! 甘ったれてんじゃないわよ! 這ってでも出てきなさいよこのクズ!!」

大淀「提督。私たちは、あなたの次の指示を待っているんです……はやく、私たちの前で指揮を執ってください!」

通信『はは……無茶を言ってくれるな……』

長門「どうすれば……どうすればあいつを助けられるんだ!?」

潮「め、メディウムのみんなは……」

カトリーナ「こ、ここに居る連中じゃあ……きついよな」

ニコ「仮に魔神様の所へ飛んだとしても、戻って来られないよ……」

ル級「陸ノ上デハ勝手モ違ウシ……」ムムム…



794: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:35:05.24 ID:p7P6TXhNo


比叡「ど、どうしましょう……どうしましょう金剛お姉様!!」

金剛「……ぐぅぅ……」ギリッ

通信『だから諦めろっつってんだよ。丘に埋めてた墓標代わりの艤装が、もう半分以上溶岩に飲み込まれた。ここもそのうち焼失する』

扶桑「そんな……それじゃ、時雨の艤装も……!」クラッ

山城「ふ、扶桑お姉様!? しっかりしてください!!」

通信『そろそろ熱さで俺の頭もぼんやりしてきた。酸素も足りねえな……そろそろ、休ませてもらうか』

由良「提督さん!?」

中佐「……ふざけるなよ提督少尉! いや、提督!!」

古鷹「ちゅ、中佐さん!?」

中佐「貴様の部下は皆、貴様の無事を望んでいるんだぞ! 深海の友人にも! メディウムたちにも!」

中佐「これほど慕われていることをわかっているにも関わらず、その望みを自ら切るなんて不義理もいいところだ!!」

中佐「貴様が人間かどうかは関係ない! 人でなしだろうと外道だろうとこの際知ったことか!!」

中佐「戻って来い! 提督!! 僕は、君の友人として、戻って来いと言っているんだ!!」

神通「……中佐……」



795: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:37:25.11 ID:p7P6TXhNo


通信『……あんたみたいな奴ばかりなら、俺もまともな学生生活を過ごせてたのかもな』

通信『悪いが、本当にもう手はないんだ。俺は死ぬ。ただ、その前に言わせてくれ』

通信『俺に付き合ってくれて、ありがとう。楽しかった』

朝潮「……司令官! どうして……どうして!!」ボロボロボロ

金剛「そんな台詞、聞きたくありまセン!」

通信『聞き分けがねえなあ……ははは』

不知火「……司令」

通信『……なんだ?』

不知火「……不知火は、いつか必ず、司令をお迎えに上がります」

通信『……はは……お前らはどいつもこいつも……』

通信『ゴトンッ』

中佐「提督少尉!? なんだ今の音は!!」

金剛「テートクッ!?」

大和「提督!!」

ニコ「魔神様!」



796: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:39:54.72 ID:p7P6TXhNo


 * 墓場島の南東部 溶岩に囲まれた丘の上 *

地面に落ちた通信機『提督!』

通信機『魔神様ー!』

通信機『司令官!』

提督「……」フラ

提督「なんで、こんなことになっちまったのかねえ」

提督「妖精が見えるってだけで仲間はずれにしやがって……」

提督「俺はただ、普通の人間の生活を送りたかっただけなんだ」

提督「この島で、やっとそれができそうだったのにな……やっぱり人間なんて碌なもんじゃねえや、くそっ」

提督「……お前らも、そう思うだろ?」

朧「」

電「」

初春「」

吹雪「」

如月「」

提督「……ああ、良く寝てるな……はは、この分なら怖い思いをさせずに済むな」



797: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:42:33.56 ID:p7P6TXhNo


提督「悪かったな、守ってやれなくて……」ゼンインヒキヨセ

「……しれいかん……」

提督「!?」

如月「司令官……?」

提督「き、如月!? お前、生きてたのか!?」

如月「ええ……でも、体が思うように動かないの。ここはどこ? とっても、熱くて……」

提督「島の丘の上さ。海底火山が噴火した。もうすぐここは溶岩で覆われる」

如月「……司令官も、死ぬ気なの……?」

提督「ああ。メディウムたちに指示して、たくさん人間を殺したからな。俺ももう人間社会じゃあ生きられねえ」

提督「お前らも守ってやれなかった。何もかも嫌になっちまった。悪いな、甲斐性なしで」

如月「いいえ……ねえ、司令官。この島も、消えるのね」

提督「ああ。全部、消える」

如月「……私たちも……」

提督「……そうだな」



798: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:43:12.64 ID:p7P6TXhNo


 メラメラメラメラ…

如月「……ねえ、司令官? ……最後のお願い、聞いて貰えないかしら……」

提督「……? ……ああ。わかった……」スッ

 ゴォォォォ…

如月「……ふふ。司令官のくちびる、暑さで乾いてるわ……」

提督「悪い、な……」

如月「……でも、嬉しい。あなたから求めてくれたのは、初めてだから……」

提督「……」

如月「……司令官?」

提督「……」

如月「……脱水症状で気を失ったのね……」

如月「ふふ、こんな時に仕方のない人……」

如月「私も疲れちゃった……司令官。如月は、最後まで、ご一緒しますね……」

如月「……おやすみ、なさい……」



799: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/07(日) 16:44:20.80 ID:p7P6TXhNo



 ゴォォォォ…

 メラメラメラメラ…

通信機『提督! 提督少尉! 応答しろ! 提督!』

溶岩「」ドドドドドド…

通信機『提督! 提』ジュボワッ

 メラメラメラメラ…

 ゴワァァァ…

 メラメラメラメラ…




 * * *

 * *

 *



803: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:46:43.57 ID:4JflVuQ6o


 * 数日後の夜 *

 * X中佐鎮守府 整備ドック *

古鷹「……」ウツムキ

明石「……加古さん、古鷹さんはどうしたんですか?」

加古「あー、昔の上司から朝雲と一緒に戻ってこないか、って打診があったんだよ」

明石「昔の……ああ、あの人ですか。いいとこ見せたくて慢心して古鷹さんを島において行っちゃった人」

加古「えぇ!? そんな奴んとこなら戻らなくていいでしょ。何を悩んでんのかねえ」

陸奥「それがそうでもないみたいよ。今は中佐にまで昇進してるみたいだし、戦術も堅実、人柄も謙虚で評判いいみたい」

加古「えぇえ!? それほんとなの?」

明石「あり得ると思います。一度失敗を味わってますし、秘書艦が香取さんでしたから」

加古「あー……練習しちゃったんだねえ」

龍驤「うちらも一緒にどうや、って誘われたんやけど……陸奥、どう思う?」

陸奥「まあ、話自体は悪くないんじゃない? まあ、あの島より居心地がいいかって言われたら疑問だけど?」

利根「吾輩たちはともかく、古鷹は古巣があるのなら戻っても良いと思うがのう?」

加古「……あ、そういうことか」

利根「なんじゃ?」

加古「あたしたちに気を使ってるんだよ。ほら、あたしたち昔の鎮守府みたいな戻れるような場所がないからさ」

利根「むう、確かに吾輩も……筑摩も五十鈴もそうじゃな。雲龍のように墓場島しか知らない者もおろうし」

龍驤「うちは昔の鎮守府、火の海にしたしなあ……千歳んとこの提督は退役してて、金剛んとこは病死やったかな」

陸奥「長門のところや扶桑のところも、今はどうなってるのかしら?」

大淀「みなさんこちらにおられましたか。話し声を少し抑えてくださいね」

明石「どうしたの?」

大淀「中佐が本営からお戻りになりました」



804: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:48:47.67 ID:4JflVuQ6o


 * 執務室 *

 コンコン

中佐「ただいま」ガチャ

祥鳳「ただいま戻りました」

ビスマルク「おかえりなさい、中佐、祥鳳秘書艦」

中佐「ビスマルクも提督代行を引き受けてくれてありがとう。なにかあったかい?」

ビスマルク「そうね……墓場島の子たちが少しだけ静かになったくらいかしら。報告、大変だったでしょ?」

中佐「あの島へ行った護衛艦と巡視船、その乗員と調査員全員……船2隻と数百人の被害」

中佐「そして、あの島の鎮守府そのものと提督少尉、その配下の5名の駆逐艦も犠牲になった」

中佐「生き残ったのが、僕と僕の船の乗員。それとW、伯父さんとH大将、そして艦娘たち……あ、あと非公式だけど中将もか」

中佐「クーデターに天災が混ざったようなものだからね。離島の鎮守府で良かったなんて失言も飛んだくらいだ」ムカムカ

ビスマルク「ひどい話ね、完全に他人事じゃない」

中佐「J少将は、中将の息子さん……大佐たちの深海棲艦製の武器開発を支援していた。本営はそれをさらに推進させる気だ」

中佐「今回の事件の原因はJ少将なのに、開発の成果自体は元帥やほかの大将、中将にも支持され始めているのも腹立たしい」

ビスマルク「反対派はいないの?」

中佐「その反対派の中核が伯父さんとH大将、そしてお辞めになった中将だったんだけどね……」



805: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:50:31.18 ID:4JflVuQ6o


祥鳳「中佐の伯父様……大将は辞職することになりました」

ビスマルク「は? 辞めるの? あの男が? H大将じゃなくて?」

祥鳳「ええ。H大将と大将は、今回の件で降格処分を受けることになったんです」

ビスマルク「あの二人の方が被害者じゃないの? ……まあ、数百人死んでるんだから、処分は仕方ないのかもしれないけど」

祥鳳「H大将は中将への降格処分を受け入れたんですが、大将は納得できないから辞めると言い出したんです」

中佐「本営は本営で、今回の不始末に対する体のいい処分対象ができたと喜んでいるし……がっかりするよ」

中佐「伯父さんの思想に共感してついてきてくれた人たちにも、なんて言えばいいやら。はぁ」

祥鳳「それで、H中将は本営からラバウルに異動だそうです」

中佐「強硬派の一派は、深海棲艦を素材にした武器の製造に注力する気だ。それに苦言を呈するH中将は邪魔なんだろう」

中佐「深海棲艦が人間に恨みを持つからこそ存在しているのなら、そんなものを作るのは逆効果だ」

中佐「ただ、それを諌めようにも対案がない。提督少尉が死んだことで、あの島のル級たちとの交流も望めない」

中佐「仮に提督少尉が生きていれば、深海棲艦を武器の素材にする考え自体、忌避されるものだったろうに……」

中佐「ル級にも、軽巡棲姫にも。そしてあのメディウムって子たちにも、僕たちは嫌われてしまうだろうな……」



806: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:51:58.62 ID:4JflVuQ6o


祥鳳「話は変わりますけど、提督少尉や大将の鎮守府にいた艦娘はあちこちに異動になるそうです」

祥鳳「大将配下の武蔵、霧島、妙高、羽黒、初風、清霜、墓場島の那智、足柄、最上、三隈、千歳、名取、初霜、弥生……」

祥鳳「それから島に上陸していたK大佐配下の水雷戦隊6名もW大佐鎮守府に異動になります」

祥鳳「J少将配下の衣笠、秋月型、阿賀野型、墓場島の青葉、不知火、黒潮、白露、島風はH中将の鎮守府へ異動になりました」

祥鳳「残りの墓場島の艦娘たちは、X中佐配下……私たちの仲間になります。一時的な措置ということですけど」

ビスマルク「……大丈夫なの? ナーバスになってる艦娘ばかりでしょ」

中佐「カウンセラーを呼んで、丁寧に対応するしかないだろうね」

祥鳳「あの……差し出がましいのですが、中佐もお休みになられたほうが良いと思います」

ビスマルク「そうね、私たちが一番心配なのはあなたよ。少し休んだら?」

中佐「……そう、か。わかった。少し休むよ」

 バタバタバタ

リベッチオ「たいへん! 大変なの!」

祥鳳「どうしたの!?」

プリンツ「墓場島のはっちゃんと由良さんがいなくなりました! おそらく墓場島へ向かったのではないかと!」

リベッチオ「しおいちゃんたちが捜索に出て行ってるけど、まだ見つかってないの!」

中佐「祥鳳、捜索隊を編成してくれ。高速の駆逐艦中心の水雷戦隊を……ローマにも、連絡……!」ヨロッ

ビスマルク「提督!? あなた、顔色が……すごい熱よ!?」

祥鳳「ビスマルクは中佐を医務室へ! プリンツも同行して、中佐を医務室へ連れて行くのを手伝って!」

祥鳳「リベッチオは潜水艦隊に調査範囲の報告をするよう連絡を!」



807: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:53:29.17 ID:4JflVuQ6o


 * 中佐鎮守府 ロビー *

那珂「なんか慌ただしいけど、なにかあったの?」

山城「由良とはっちゃんが島へ向かったらしいわ。それと、中佐が倒れたんですって」

那珂「え!?」

山城「無理もないわ、これだけ大きな問題に巻き込まれて振り回されれば、誰だって身が持たないわよ」

那珂「そう……そうだよね……」

山城「……ああ……不幸だわ」

那珂「……うん」

山城「……普段なら、そんなことないよって笑ってくれるあなたが肯定するのね?」

那珂「……」

山城「なにかあったんでしょう? 私でよければ、聞くわ」

那珂「……」コクン


 * 少し前 *

那珂「解体願!?」

川内「だってもう3回目だよ、3回目。3回も提督を見捨てることになるなんて、普通じゃないもの!」

川内「1回目は……しょうがない。深海の連中と戦って、補給が切れて提督がおかしくなって……敗走したんだからどうしようもない」

川内「2回目は夜戦もできない腰抜けだったから見限った。若葉も呆れてて一緒に出奔することにしたんだから自己責任」

川内「でもね、今回はよりにもよって本営の人間だよ!? 国を守護するはずの! 本営の軍人が、提督を殺してるんだよ!?」

川内「いったいこれから、誰を信じればいいのよ……」

那珂「……」



808: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:54:23.57 ID:4JflVuQ6o


神通「……私も、2回目なんです。愛しいと思った人を失ったのは」

那珂「神通ちゃん……!」

神通「提督は……F提督の仇である大佐を、私に討たせてくれました。でも、今回は……」ジワ

川内「討ちたい相手ももういないんだもんね……」ガンッ

神通「ただただ……無念、です……!」

那珂「……」

川内「ねえ。那珂はどうなの?」

那珂「え……?」

川内「那珂だって前の鎮守府で無理させられて一度沈んだんでしょ?」

川内「こんな仕打ちを受けたってのに! これだけ裏切られて、まだ、人のために戦えるの!?」

那珂「……っ」タジッ

神通「姉さん」

川内「ごめん。こんなの、私の感情の押し付けでしかないよね」アタマガリガリ

那珂「……」

川内「頭、冷やしてくるよ。心配しないで、適当に散歩するだけだから」

那珂「……」

神通「私も、出かけてきます」

那珂「神通ちゃん……!」

神通「大丈夫。自分で命を絶つようなことはしませんから……」ニコ

那珂「……」



809: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:55:08.18 ID:4JflVuQ6o


 *

那珂「……って、ことがあって」

山城「……」

那珂「ほら。やっぱりアイドルだったら、そこでみんなを元気付けられるような一言とか……って、思ったんだけど……」

山城「……そうね。那珂ちゃんの気持ちはわかるわ」

那珂「山城ちゃん……」ウルッ

山城「でも、状況が状況だもの。今は、みんな笑うことができない事態だから……あなたのせいじゃないわ」

那珂「……でも……」

扶桑「あら、山城? ここにいたの?」

山城「! 扶桑お姉様……」

扶桑「那珂ちゃんも一緒なのね……仲が良くていいことだわ……」ニコッ

那珂「う、うん……」

扶桑「うふふ……ていとくも、そう思います?」

那珂「……!」

扶桑「まあ……ていとくったら。しぐれも冷やかさないで、うふふ……それじゃ、山城? 私は、少し外に出ているわね?」

山城「はい……お気を付けて」

扶桑「ほら、しぐれ? あまりはしゃぐと転ぶわよ? ねえ、ていとく? うふふ……」

那珂「……」



810: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:55:51.90 ID:4JflVuQ6o


山城「……」

那珂「……や、山城ちゃん」

山城「扶桑お姉様が誰彼構わず甘えるようになった経緯は、那珂ちゃんも知ってるわよね」

山城「あの騒動で時雨のかたきを取って、扶桑お姉様は憎しみから解放されたわ……なのに」

山城「拠り所にしていた提督も、島にあった時雨の形見の艤装も燃えてしまって……」

山城「とうとう扶桑お姉様は、提督と時雨を自分の中に作ってしまったの……」

那珂「……」

山城「……私も、どうしたら、いいか、わからない、の、よ……」

那珂「……っ!」ダキッ

山城「那珂、ちゃん……?」

那珂「泣いても……いいんだからね!?」

山城「那珂ちゃん……」

那珂「那珂ちゃんが胸を貸してあげるから……山城ちゃんは泣いてもいいんだからね!?」グスッ

山城「……」

山城「那珂ちゃん……ありがとう」ニコ

那珂「……っ!」ポロポロ…




811: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:57:14.00 ID:4JflVuQ6o


 * 中庭 *

川内「……! 金剛さん……」

金剛「Oh, 川内、珍しく穏やかな顔をしてマスネー? このところ、ずーっと口をへの字にしてて、テートクみたいだったデース」

川内「……金剛さんこそ、昨日よりはだいぶマシな顔してるね」

金剛「Sure ! 金剛姉妹の長姉として、ずーっと悲劇のヒロインを演じるわけにはいきまセーン!」

金剛「笑う門には福来る、カラ元気も元気のうちと言うネ!」

川内「……そっか。そだね。金剛さんはすごいね、私も長女なのに、那珂に八つ当たりしちゃってさー……」

金剛「那珂チャンは立派デス。励ましてくれる妹がいることに感謝しないといけまセンネー」

川内「……うん」

摩耶「よく言うぜ……金剛さんこそ、励まされないときついんじゃねえの?」

金剛「Oh, 摩耶! 余計な心配は No thank you デスヨ?」

摩耶「ほんっと、よく言うぜ……」

川内「比叡さんたち、まだ立ち直れてないの?」

摩耶「ああ。比叡さんは吹雪たちの遺品抱いて閉じ籠もってる。無理もねえよな、鞄から自分が教えた料理のレシピノートが出てきたんじゃ」

摩耶「それに負い目を感じて霧島さんも塞ぎ込んじまってるし……それを言ったらあたしだって、あいつらが島へ行くのを後押ししたんだぜ?」

摩耶「提督は、最後、ああ言ってくれたけどさ。当の本人が救われた感じしねえしよ……」

金剛「榛名は私とおんなじネ。あの子は、悲しみが後から来てる……だから、今度は私が榛名を助けなきゃいけまセン」

北上「そーだね。大人は、自力で立ち直ってもらわないとねー」

摩耶「北上!」



812: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 20:59:10.32 ID:4JflVuQ6o


北上「はー……もう空気が重苦しくて、だるいわー」

川内「ごめんね、駆逐艦の相手させちゃって」

北上「しょーがないよ、乗りかかった船ってやつ?」

金剛「駆逐艦たちの様子は変わりまセンカ?」

北上「うん。あれから朝潮は自暴自棄だし、霞は一言も喋んない。朝雲も山雲も、霰も満潮も弥生も、本営への不信感でギスギスしてるしさぁ」

北上「潮と敷波は、全然目を覚まさない暁を心配して眠れてないし。まともに話が出来るの、初雪と若葉くらいだよ」

若葉「……全然平気と言うわけでもない。初雪もだいぶ無理をしている」

北上「んあー? 若葉? あんた、どこ行ってたの」

若葉「初霜と話をしてきた。初霜はW大佐の鎮守府へ行くことになったからな」

金剛「若葉は向こうへは行かないんデスカ?」

若葉「辞退させてもらった。できれば、あの島に近いこの鎮守府で……いつか、あの島への上陸を試みたい」

若葉「五月雨にも同じ話をした。やっと彼女も、前を向いてくれそうだ」

摩耶「そっか。そん時ゃ、あたしも同行させてもらいたいもんだな」

若葉「ああ。行こう。だから私たちは、ここへ戻ってきたんだ。焦ることはない」

川内「いいこと言うね、若葉も」

北上「参ったねえ……一番大人なのは若葉じゃないの? これ」

金剛「いつもの悪い癖が出なければ、若葉はとっても頼りになりマース!」

若葉「……そんなに悪い癖だろうか」ムウ…



813: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 21:00:37.62 ID:4JflVuQ6o


 * 鎮守府埠頭 *

那智「ここにいたのか」

隼鷹「よ、お疲れさん。あれ!? 那智、あんたそれ……」

那智「今夜は特別だ。隼鷹、提督のために、一杯付き合え」

隼鷹「……由良たちが行方をくらましてんだよ。そんな悠長でいいのかい?」

那智「どうせ私たちにお呼びはかからんさ。中佐のことだ、一緒に逃げだしたり故意に見逃したりしないかと考えているだろう」

隼鷹「ありえるねえ……志願しても出してもらえなさそうだわ。仕方ない、付き合うかあ」

那智「しょっちゅう飲んでいる貴様が、言うに事欠いて仕方ないだと? 言ってくれるな」

隼鷹「あはは、そんなこと言われてもここ2、3日は仕方ないよ。あたしだって飲む気になれない日はあるんだから」

那智「そうか……すまないな。千歳にも断られて、危うく一人酒になるところだった」

隼鷹「あー、千歳は悪いことがあった日は飲まないからね。酒がまずくなるって言うから」

那智「……寂しいものだな。飲みたいときにこそ飲む相手がいないとは」キュポンッ

隼鷹「足柄はどうしたのさ」

那智「妙高姉さんと羽黒の所に行っている。私は留守番だ」トクトクトク

隼鷹「ふーん……」



814: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 21:01:44.69 ID:4JflVuQ6o


那智「お前たちと酒を酌み交わすのは今日くらいしかないと思っていたんだが」スッ

隼鷹「ああ、妙高型はみんなW大佐んところに行くんだっけか」ス

那智「そうだ。W大佐の鎮守府は鹿屋にあるから、なかなかこちらには来ることができん」

隼鷹「ふーん……悪いけど、あたしもショートランドに行かなきゃならないんでね。次に来ても一緒に飲めるかどうかわかんないよ」

那智「ショートランド……何故だ?」

隼鷹「婚約者が待ってるんだよ、ショートランドにさ」

那智「なんだと……!?」

隼鷹「ケッコンカッコカリの婚約者だけどね。ワケあってぶん殴っちゃったところをお偉いさんに見られてねぇ……」

隼鷹「頭冷やせって話になって、あの島の鎮守府に一時的に異動してたんだよ。で、もうすぐ戻る約束なんだ」

那智「……そうか。おめでたい話じゃないか」

隼鷹「まあね……ただ、今はそんな気分になれないねえ。どうせなら笑って出ていきたかったし」

那智「……そう、だな」

隼鷹「……提督、なんでかんで面倒見良かったよねえ」

那智「ああ」

隼鷹「あれで酒が飲めりゃあ、もっといい男になってたろうにさ」

那智「ああ……そうかもしれんな」



815: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/13(土) 21:03:34.42 ID:4JflVuQ6o


隼鷹「……」

那智「……」

隼鷹「飲もっか」

那智「……ああ。そうだな」

那智「……献杯」クッ

隼鷹「献杯」クイッ







ラジオ『……』ザー ザザーー

ラジオ『気温も氷点下にまで下がる異常気象に見舞われています……』

ラジオ『また、この海域において観測史上初めて降雪が確認され……』

ラジオ『同時に濃霧警報、雷警報が発令され……』

ラジオ『航海には適さない……』

ラジオ『……』ザー ザー…






821: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:03:40.91 ID:vmbnHPM6o


 * 1か月後 X中佐鎮守府 *

不知火「失礼いたします」チャッ

中佐「ようこそ不知火、久しぶりだね。変わりないようで安心したよ」

不知火「はっ。H中将殿に変わらずよくしていただいております」ビシッ

H中将「おう、邪魔するぞ」

大井(H中将秘書艦)「失礼します」

中佐「H中将! H中将もお変わりないようで何よりです。ラバウルでの生活は慣れましたか」

H中将「いや、まだまだだな。勝手が違って、なかなかうまくいかん」

大井「周囲の提督が非協力的なのが悪いんです!」

大井「だいたい、H提督も降格処分だの本営から左遷されただの好き勝手言われてても反論しないのが良くないんですよ!?」

H中将「言うな大井。その辺もひっくるめて俺の求心力のなさが悪い」

大井「H提督……」

中佐「と、ところで、ついに墓場島の調査ができるんですね?」

H中将「ああ。大井、説明してくれ」

大井「はい。島の火山活動も沈静化し、上陸も可能であるという判断から、島の調査を実施することになりました」

大井「島の調査には本営の調査チームが入ります。H中将とX中佐はその護衛を担当致します」

大井「墓場島近海の衛星写真で、深海棲艦の姿を多数確認しています。かつての親少尉派の深海棲艦も島を調べたいのかもしれません」

大井「私たちの任務は、調査チームの護衛、及び島近辺の深海棲艦の邀撃になります」



822: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:05:42.98 ID:vmbnHPM6o


H中将「ただ、調べると言っても、な。島の衛星写真を見てくれ」ペラリ

中佐「……なにも、なくなってしまったんですね」

H中将「ああ。島の大きさは約3倍になったが、もともとあった島の草木も建物も、全部溶岩に飲み込まれて焼けてしまった」

H中将「提督少尉の最後にいた場所……丘の上は多分この辺だと思うが、ここも溶岩で覆われている」

H中将「せめて骨を拾ってやりたかったが……これでは難しいだろうな」

中佐「そう……ですね」

大井「調査は3日後に開始、約1か月を予定しています」

大井「それまで、H中将とその配下の艦娘10名、中佐の鎮守府でお世話になりますので、よろしくお願い致します」ペコリ

中佐「ええ、その話は聞きました。あとで部屋を祥鳳に案内させます」

H中将「……それと、ここへ来る途中、嫌な知らせが入った」

中佐「……なにがあったんです?」

H中将「提督少尉配下の艦娘、行方不明だった由良と伊8が見つかった。半ば深海棲艦化した姿でな」

中佐「!」

H中将「その2人はいま本営の研究所に輸送されている途中だ」

H中将「到着し次第、深海化した原因の調査するとともに、解体処分することも決まった。おそらく、明日か明後日にはそうなる」

中佐「……治療は考えないのですか」

H中将「ああ。それでだ、もと墓場島の艦娘を6人、解体後の検分役として、すぐに本営へ向かわせろとの言ってきた」

中佐「解体した仲間の姿を見せるというのですか……!?」

H中将「そうだ。最古参でもある不知火にも行ってもらう。あと5人、できるだけ理性的な……冷静な奴を選んでくれ」

中佐「……私たちは立ち会えないのですか?」

H中将「俺たちは島に専念しろ、とのことだ……!」

中佐「……」



823: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:09:13.75 ID:vmbnHPM6o


 * 会議室 *

山城「それで呼び出されたのが私たちってこと?」

祥鳳「はい。艦種を分けるように指示されたため、空母、戦艦、重巡、軽巡、駆逐2で、リストアップさせていただきました」

山城「どうして私が……長門の方が適任じゃないの?」

中佐「長門からの推薦だよ。長門や五十鈴には、島の護衛をお願いすることになったんでね」

中佐「扶桑のフォローは金剛やビスマルクにしてもらう。心配だろうが、任されてほしい」

那珂「山城ちゃんが一緒なら那珂ちゃんもオッケーだよ!」

鳥海「重巡枠が私ですか……」

中佐「摩耶は本営に不満があると言って辞退したんだ。筑摩も不安から利根から離れようとしなくてね」

中佐「そうでなくとも、この鎮守府の重巡で適任なのは鳥海だろう」

祥鳳「駆逐艦は不知火さんと、朝潮さんからの立候補がありましたので、その二人に決定です」

朝潮「よろしくお願いします!」ビシッ

不知火「空母は雲龍さんになるのですか?」

中佐「赤城にお願いしようと思っている。提督少尉の鎮守府とは長い付き合いだ。最近は暇を持て余しているようでね……」

鳥海「暇、ですか」

中佐「……彼女も朝潮と同じだよ。提督少尉のことが原因で仕事が手につかないんだ」

中佐「提督少尉のことを人並み以上に慕っていた由良と伊8のことを気にかけていたからね」

中佐「できれば、生きている彼女たちと話をしたかったけど……」

朝潮「今からでも解体の中止をお願いできないんでしょうか」

祥鳳「……あと1時間で研究施設に到着予定です。すぐにでも解体を始められる準備が整っていると、連絡がありました」

朝潮「そう、ですか……!」

中佐「悲しんでいる暇はない。何故彼女たちがそうなったのか、君たちにはその目で確かめてきてほしい」

不知火「承知しました」ビシッ



824: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:12:08.50 ID:vmbnHPM6o


 * 数時間後 本営 研究施設 *

(病院の手術室のような部屋)

(衰弱しきった状態で手術台の上に寝かされる、半ば深海棲艦化した由良の周囲を、白衣の技術者と研究者たちが取り囲む)

(その部屋を上から一望できる部屋から、軍の上役と関係者たちが興味深そうに眺めている)

「……深海化した艦娘とは、珍しいものを入手できたな」

「今までは鹵獲した深海棲艦から兵器を製作していたが、いかんせん非効率的だった」

「もし艦娘が深海化するメカニズムが判明すれば、艦娘を深海棲艦化させて兵器を量産できるというわけか」

「深海棲艦がどこから来ているのかの謎も解き明かせるだろう。このサンプルは貴重だぞ」

「おい、この艦娘はどこの鎮守府のだ?」

「少し前に火山活動で壊滅した島があったろう。墓場島とか呼ばれていた、あの島だ」

「深海と繋がりがあった男の鎮守府か」

「あの一件以来、あの島近海の深海棲艦どもは敵愾心をむき出しにしてきている。面倒でかなわん」

「上司の不始末だ。部下に責任を取ってもらわなければな?」

「……始まるようだぞ」

『お待たせしました。準備できましたので、これから解体を始めま』


 電気<バツン!!


「「「!?」」」ガタガタッ



825: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:13:10.22 ID:vmbnHPM6o


「何があった!」

「停電だと!? 発電機があるだろう! すぐに切り替えろ、なにをしているか!」

「おい、だれか明かりを」

 ガシャァァァン!!

「何の音だ!」

 ズシンッ

 ドガァン

 ガラガラガラ ガシャンッ

「おい! 誰か明かりは」

 ズガシャーン!

「ぎゃあああ!?」

「お、おい! なんだ今の悲鳴は!」

 ガインッ

 ゴロゴロゴロ…

 グシャグシャグシャッ

「ぎゃっ」

「ぐわああああ!」

「なんだ!? なにがおこ……ぐえっ」

 ギュィィィィィ

「た、たすけ……あぎゃあああ!!」

 ガララララ…グシャッ



826: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:15:21.66 ID:vmbnHPM6o


 * 2日後、X中将鎮守府 *

H中将「本営の研究施設が乗っ取られた!?」

大井「はい。しかも元帥が人質に取られたとの情報が、機密情報として入っています」

中佐「研究施設というと、この前、由良と伊8が運び込まれたという、不知火たちが向かっている施設かい?」

大井「そうです。その二人を収容した翌日、その施設から深海棲艦に関する重要な情報を得られたと元帥に連絡が入ったそうです」

大井「その後、元帥との連絡が途絶えました。元帥の個人の通信機は発信機にもなっていて、その発信源が件の施設です」

H中将「由良と伊8が、なにかしたというのか?」

大井「二人に関する情報はありませんが……何とも言えないですね。そもそも運び込まれた時点で瀕死の状態だったと記録されています」

中佐「……新しく着任した本営の大将たちはどうしたんだ」

大井「拠点を京都に移して対策会議を開くそうです」

H中将「京都だと!? 施設は横浜だろう!? 何をしているんだ奴らは!!」

 RRRR... RRRR...

H中将「む、俺か? ……なんだこの番号は……もしもし?」

H中将「……! ええ、私がH中将です。はい……」

H中将「なんと……いえ、願ってもないことです」

中佐「?」

大井「?」




827: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:17:45.56 ID:vmbnHPM6o


 * 太平洋上 日本近海 *

不知火「陸軍が元帥救出の協力を申し出てきた、ですか?」

赤城「ええ。私たちが施設へ向かっていることを本営に聞いて、H中将へ陸軍中将から直接連絡があったそうです」

赤城「H中将は激怒しておられましたよ。陸軍に後れを取る本営の臆病さに」

朝潮「私たちの任務は『陸軍の特殊部隊の人たちと合流し、研究施設に潜入して元帥を救出する』に変更されたということですね」

山城「……はぁ。たまたまとはいえ、なんで私たちがこんなことを。海軍の恥さらしじゃないの……不幸だわ」

那珂「いったい何があったんだろうねー……」

山城「由良とはっちゃんを解体しようとした罰が当たったんじゃないの?」

不知火「……今の話からすると、由良さんたちが生きている可能性もあるわけですね?」

朝潮「できれば、どうして今までどうしていたのか、詳しく話を聞いてみたいですね……!」

赤城「最悪の事態も考えられます。皆さん、気を引き締めてください」

鳥海「あの……」

赤城「? どうしました?」

鳥海「なんだか天気がおかしいと思いませんか? この季節にしては気温が低すぎます」

山城「……やっぱりそう思う? 春だというのに、いくらなんでも寒すぎよね」

鳥海「それに、この海域でここまで深い霧は滅多に発生しません」

山城「これじゃ、特殊部隊との合流も一苦労じゃない……ああ、不幸だわ」



828: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/21(日) 21:21:13.40 ID:vmbnHPM6o


 * 数分後 *

 ビュゴォォォォオオ

山城「なんなのよこの天気は。この季節に雪とか、不幸ってレベルじゃないわ……」ガチガチ

鳥海「こ、この時期、関東地方に降雪があった記録は……」プルプル

那珂「ないよね!? ぜっっっったい、ないよね!?」ガタガタ

不知火「! あの光は雷でしょうか」

赤城「……この天候では艦載機も飛ばせませんね」

朝潮「港までもうすぐです! 急ぎましょう!」

  ザザァァ…





833: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:32:55.84 ID:B62PqIooo


 * X中佐鎮守府 *

中佐「どうしてまた陸軍から依頼が来たんですか?」

H中将「今、東京湾沿岸が異常気象に見舞われている。昨日から濃霧や雷がやまなくなって、今朝には雪まで降ってきたそうだ」

中佐「雪!? 6月にですか!?」

H中将「ああ。その異常気象が発生している地域で、住人が行方不明になる事件が多発しているらしい」

中佐「もしかして……横浜にある研究施設の近辺ですか?」

H中将「そういうことだ。元帥にも連絡が取れない、地域の住人も消えている。これは明らかにおかしい……」

H中将「陸軍もこの状況は見過ごせないと、海軍に協力を要請してきた。平たく言えば、海軍も関係あるから何とかしろ、とな」

H中将「誰が責任を取るかの話はあとでいい。とにかく今は国民の命のほうが大事だ、この件は陸も海も関係ない」

H中将「だが本営はここでも陸軍の言いなりにはなりたくなかったらしい。俺に『丁重に断れ』とキラーパスを出してきやがった」

中佐「断れ!? 何を馬鹿なことを……!」

H中将「陸軍にとっては海軍への貸しにもなるし、事態によっては糾弾できるネタにもなる。それで上は陸軍の介入を嫌がった」

H中将「今の俺の拠点はラバウルだし、主力はこちらに連れてきている。兵を動かせないと思って俺に無茶振りしたんだろうな」

H中将「だが、陸軍に後れを取ることのほうが、海軍にとって不名誉であることを奴らは理解していない」

H中将「だから俺は、今まさに研究施設へ向かっている不知火たちに、陸軍への協力を指示したんだ」

H中将「ここで俺が結果を出せば、せっかく追い出した俺を本営に戻さねばならん。今頃、連中は焦って出撃準備をしているはずだ」

中佐「……なんて無様な……」



834: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:34:26.56 ID:B62PqIooo


H中将「こうでもしないと、立派な椅子が大事な連中は動かんのだよ。いまや綺麗ごとだけで働ける人間は皆無だからな」

中佐「……H中将はそんなことはないと思いますが」

H中将「いいや、俺もそんな器じゃないさ。気に入らん奴を蹴落としたり、保身のために嘘をつくことくらいはしてきている」

H中将「X中佐は納得できないかもしれんが、それならば提督少尉も君にすべてを正直に話していたか? 彼には彼の思惑があったはずだ」

H中将「君は聊か正直が過ぎて危なっかしい。少しは嘘をつくことを覚えたほうがいい、でなくば他人の嘘を見抜けないだろう」

H中将「嫌な話ではあるが、朱に交わって欲しくないと思う反面、連中の面の皮の厚さも半分くらいは欲しいとも思っている」

中佐「……」

H中将「なんにせよ、俺も今の海軍上層部とは水が合わん。この一件が終われば、距離を置かせてもらうさ」

大井「H提督、本営の調査隊が到着しました」

H中将「よし、この話は終わりだ。中佐、今は島の調査に力を注ぐぞ」

中佐「……わかり、ました」





835: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:36:17.79 ID:B62PqIooo


 * 施設から1km離れた特殊部隊のキャンプ *

特殊部隊「こちらが建物の見取り図です」バサッ

朝潮「意外と海に近いんですね。山奥にあるイメージがありましたが」

山城「どうせろくでもない建物よ。陸軍にまで迷惑かけて、ほんとにもう……さっさと元帥を見つけて任務を終わらせましょ」

特殊部隊「少し前まで雪と濃霧で視界が最悪でしたが、小康状態の今が突入の好機です」

特殊部隊「我々は、非常口などから侵入し、元帥の救出を優先します。あなた方の行動も作戦成功の鍵になります」

赤城「いいですか、私たちは囮です。真正面から堂々と、できるだけ敵の目を引き付ける動きを心がけましょう」

那珂「うん、まかせてー!!」

特殊部隊「どなたか、このボールペン型の集音マイクを身に着けてください。我々にはあなた方の会話も重要な情報になりますので」

鳥海「それなら、不知火さんが胸ポケットに差しておくのが一番自然でしょう」

不知火「……はい」コク

特殊部隊「では、作戦を開始します。ご武運を」




836: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:37:40.11 ID:B62PqIooo


 * 施設 正面入り口 *

鳥海「……何の問題もなく、着いてしまいましたね……」

那珂「電探に反応なーし! 人の気配も(特殊部隊の人たち以外)全然感じないねー」

赤城「この辺だけ雪が降っていないんですね。局地的な大雪にしてはやはり不自然です」

山城「お喋りはそのくらいにしましょ。ゲートも開いてるわね……あの監視カメラ、動いているのかしら」

不知火「建物の入り口は……あそこですね」

朝潮「私が開けます!」ダッ

 扉< ギィッ

朝潮「扉がひとりでに開いた……!?」ジャキッ

??「」スッ

赤城「全員構えて!」ザッ

 ギィィッ


エプロンドレスの女性「お疲れ様です! みなさん!」ニコー


全員「「……」」

山城「……はぁ?」

那珂「……め、メイドさん?」パチクリ



837: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:38:49.22 ID:B62PqIooo


鳥海「あ、あの……」

エプロンドレスの女性「お待ちしてたんですよ! 山城さん、鳥海さん、那珂ちゃん!」

エプロンドレスの女性「朝潮ちゃん、不知火ちゃん、赤城さん! さあ、中へどうぞ!」ニコニコー

朝潮「え? 私たちの名前をどうして……」

山城「……あ、あなた……もしかして」

??「……」スッ

不知火「!?」ビクッ

 バキッ!

赤城「!!」

ブラックスーツ+スラックスの女性「……」パラパラ…ッ

不知火(気配も感じさせずに、胸ポケットの集音マイクを……)

赤城(不知火さんから奪って、破壊した……!?)

スーツの女性「後ろからすみません。これ、物騒だったんで壊しました」ニコッ

不知火「……!!」



838: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:40:53.25 ID:B62PqIooo


エプロンドレスの女性「さ、早く! 寒くなりますから、入ってください!」ニコー

朝潮「……」

鳥海「……」

那珂「……」

山城「……」

赤城「……そうですね。お招きにあずかりましょう」

不知火「……はい」

不知火(……あの二人の女性。見覚えがあります……みなさんの反応を見る限り、不知火と同じ感想を持っているのでは)

不知火(メイド服の女性の純朴そうな顔立ちと言い、スーツの女性の頬の絆創膏といい……)

不知火(ですが……どう見ても鳥海さんくらいの年齢……そもそも、あの島からどうやって……?)


(6人を建物に招き入れた後、しばらく外を見つめていたスーツの女性がドアを閉める)

スーツの女性「……」ス

エプロンドレスの女性「!」

スーツの女性「……」コク

エプロンドレスの女性「……」ニヤッ



839: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:42:22.08 ID:B62PqIooo


 * 外で待機中の特殊部隊 *

「……1班、艦娘の侵入を確認しました」

『本部了解。1班、2班、3班は90秒後に突入開始、4班は引き続き監視を継続せよ。どうぞ』

「了解」

「……」

『本部より緊急連絡。艦娘に預けた集音マイクは侵入前に破壊された模様。警戒されたし、どうぞ』

「……了解」

「早いですね」

「艦娘が敵と通じているか、艦娘が相手にならない相手か」

「どちらにしても厄介だな」

「突入まで60秒」

 ビュゴォォォォ

「……!」

(急に気温が……!?)

(なんだこの天気は……!)

 ビュゴォォォォォォォォォォ

(1m先も見えないとは……!)

(くそ、手がかじかむ……)

(我慢しろ。あと30秒、突入準備!)サッ

「「!」」ザッ



840: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:43:33.34 ID:B62PqIooo


 * 特殊部隊キャンプ *

「……艦娘に預けたマイクが壊されました」

「艦娘は無事なのか?」

「わかりません」

「……」

 ザー

『こちら1班、突入します、どうぞ』

『同じく2班、突入開始、どうぞ』

『3班も突入開始。どうぞ』

「本部了解」

『……』

「……4班、応答願う、どうぞ」

 ザザー

『4班……雪で視界1m。建物の監視が困難です、望遠カメラも使用不能』

『赤外線カメラも……使用……ザザ……ガシャ』

「4班。応答せよ、4班!」

 ザー…

『……』

「……4班と通信不能」

「外に待機させている5班に応援を頼む。状況確認し、4班を援護せよ」

「了解しました」



841: ◆EyREdFoqVQ 2017/05/27(土) 00:44:56.16 ID:B62PqIooo


「……これは!? そ、外を見てください……!」

「なんだ? 急に霧が濃くなってきたな」

「周囲の警戒に当たります」

 ドガァン

「!?」

「何事だ!!」

「て、敵襲! 敵襲!!」

 ドガァン ドガァン

「撤退を!! はや」

 ドガァァン

 メラメラメラメラ…

 ゴォォォォ…

 ジャリッ

「作戦成功、ネ……フフフ……!」


 * 施設の外 *

 ビュォォォオオオオ…

遠くを眺める人影1「……あれは……ミス不知火でしたか」

 ドガァン

人影1「! こちらも来ましたか」

人影2「お迎えさ、行ぐがあ」

人影1「ええ」

凍死した特殊部隊員たち「」

 ビュォォォオオオオ…



846: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:22:49.87 ID:KIF2XpZao


 * 施設内 広間 *

エプロンドレスの女性「さ、こちらへどうぞ!」チャッ

赤城「作戦会議室、でしょうか?」

朝潮「……正面にどなたかいらっしゃいます!」

山城「あれは、元帥!?」

車いすに乗せられた元帥「……」

不知火「ご無事だったんですか……!?」

??「無事といえば、無事……かな?」

艦娘たち「「!!」」

鳥海「そ、その声は……ニコさん!!」

ニコ「やあ。久しぶりだね、みんな。あの島以来かな」ニコリ

那珂「うわーい、ひっさしぶりーーー!!」ピョンピョン

ニコ「君は……ナカちゃん、だったかな、元気そうだね。また会えて嬉しいよ」

那珂「それはいいんだけど……ニコちゃんはどうしてこんなところに!?」

山城「……目的はなに? どうして元帥がここにいて、あなたもここにいるの?」

ニコ「目的? 目的は変わってないよ。僕たちが望むのは、魔神様の復活と、僕たちの平穏だよ」

不知火「え……??」

ニコ「さ、奥の部屋に行こう。みんなが会いたいだろう人に、会わせてあげる」

朝潮「まさか……!?」



847: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:23:46.02 ID:KIF2XpZao


 * 廊下 *

那珂「ね、ねえ、ところでさ。元帥さん、全然こっちに見向きもしなかったんだけど、何したの? こ、殺し……ちゃったの?」

ニコ「殺してはいないよ? ただ、魂を奪ったから、抜け殻みたいなものかな? まあ、いざという時のために取っておいてる感じだね」

鳥海「魂を……!?」ゾッ

山城「……あなた以外のメディウムの姿が見えないんだけど」

ニコ「みんなお出迎えで忙しいんだ。わかるでしょ?」ニッ

赤城「これは……観念したほうが良さそうですね」

ニコ「はは、物騒な物言いだね。警戒しないで、ぼくたちは今も君たちと一緒に平穏に過ごしたいと思ってるよ?」


ニコ「吹雪も朧も、そうでしょ?」


全員「「!!」」

エプロンドレスの女性「はいっ!」ニコー

スーツの女性「ふふ……」ニコッ

不知火「……やはり……そうでしたか……!」

山城「道理で面影があると思ったわ……!」

朝潮「生きて、いたんですね……!!」ジワッ



848: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:25:29.02 ID:KIF2XpZao


着物姿の女性「こぉれ、ニコ殿? わらわたちを差し置いて種明かしとは、感心せんのう?」

エプロンドレスの女性2「みんな揃ってから紹介するって言ったのです!」

スーツ+タイトスカートの女性「うふふ、嬉しくて我慢できなかったのよね?」

鳥海「……あなたたちも……!」

朝潮「……あ、ああああ……!!」ポロポロッ

赤城「もしや、初春さん、電さん、如月さん……ですか!?」

着物姿の女性→初春「うむ。わらわが初春じゃ!」

エプロンドレスの女性2→電「電なのです!」

スーツ+タイトスカートの女性→如月「如月よ。ふふっ」

スーツ+スラックスの女性→朧「アタシが朧」

エプロンドレスの女性→吹雪「吹雪です!」ケイレイビシッ

朝潮「……う、うわああああ! みんな、生きて……生きてたんですね!!」ブワッ

山城「ほ、本物なの!? あれから半年も経ってないのに、成長しすぎよ!?」

那珂「うん……みんな鳥海ちゃんくらい背丈も高いし……おっぱいも大きいし?」ジトー

鳥海「な、那珂ちゃんどこ見てるんですか!?」カァァッ



849: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:26:28.78 ID:KIF2XpZao


山城「初春や如月はとにかく、吹雪や電までこんなに成長してるなんて思いもしなかったわ……特に胸が」

吹雪「これで潮ちゃんにも負けませんよ!」ピョンピョン ポヨンポヨン

電「毎日牛乳を飲んで頑張ってたからなのです!」フンス ポヨン

不知火「……」ペタペタ

赤城(不知火さん目が怖い!?)ビクッ

那珂「朧ちゃんもサラシ巻いてるでしょ。ダメだよ、ちゃんとブラジャーつけないと、形が崩れちゃうよ!」

朧「あ、あはは……よくわかりますね」

如月「もう、だから私が選んであげるって言ってるじゃない」

初春「おぬしのチョイスはいささか破廉恥なデザインが多すぎてのう……」

山城「胸が大きいと可愛いデザインの下着が少ないのは確かね。肩もこるし、ろくなことないわ」

ニコ「そろそろ黙ろうか」ハイライトオフ

全員「「「アッハイ」」」

不知火「……ニコさん。この5人が生きていたということは、司令は……」

朝潮「そうです! 司令官は!!」

5人「……」

ニコ「うん。この先だよ。多分、驚くと思う」



850: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:27:07.41 ID:KIF2XpZao




 タタタッ

特殊部隊「……」

特殊部隊「……」サッ

特殊部隊「こちら1班、ターゲットを発見。追跡を開始する、どうぞ」

通信『こちら2班、海軍元帥の身柄を確保』ザザッ

通信『眠らされているようで意識ははっきりしていないが、命の別状はない模様。どうぞ』ザザッ

特殊部隊「1班了解」

特殊部隊「……」

通信『3班応答せよ』ザザッ

特殊部隊「……」

通信『3班!』ザザッ

特殊部隊「……」

通信『2班、これより3班にかわって退路の確保に向かう、どうぞ』ザザッ

特殊部隊「1班了解。これよりターゲットの身柄確保に向かう。どうぞ」

通信『2班了解』ザザッ

特殊部隊「……」

特殊部隊「……」サッ

特殊部隊「……」

 タタタッ…




851: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:28:30.92 ID:KIF2XpZao


 * 研究施設、最奥部の部屋の扉の前 *

 ゴゥンゴゥンゴゥン…

不知火「物々しい扉ですね」

ニコ「……ここだよ」

朝潮「ここに、司令官がいるんですね……!」

ニコ「うん」

初春「……皆の者、心の準備をしておくが良いぞ。ショックを受けるかもしれん」

那珂「え?」

如月「あの姿はショックを受けないわけがないと思うわ?」

朧「みんな、覚悟しておいてね」

鳥海「そ……そんなに、ひどい状態なんですか?」

朝潮「どんな姿であろうと、司令官にお会いできるのでしたら朝潮は大丈夫です!」

山城「そうよ、化け物なんて今まで散々見てきたじゃない。怖気づくことなんてないわ、入りましょ」

ニコ「じゃあ、開けるよ」ピッ

 扉<ゴゴゴゴ…

艦娘全員「……」

鳥海「これは……」



852: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:29:51.84 ID:KIF2XpZao


(扉の正面、部屋の一番奥に鎮座する、ひときわ大きな円柱型のカプセルに緑色の液体が満たされている)

(その両隣には、同じ形の、中央のものより一回り小さな円柱型のカプセルがずらりと並んでいる)

ニコ「この建物にある設備を利用して改装した魔力槽だよ」

ニコ「人間はこの設備を利用して、艦娘や深海棲艦の研究、実験をしていたんだ」

赤城「マリョクソウ? ……以前見せていただいたときは、西洋風のお風呂のかたちではありませんでしたか?」

如月「全身すっぽり入るこのタイプは、大怪我をした時に使うのよ。ほら、あの左端の2本を見て」

朝潮「あれは由良さん!?」

那珂「はっちゃんも!」

由良in魔力槽「」コポッ

伊8in魔力槽「」コポポッ

山城「意識がないみたいだけど……あの緑色の液体、溺れたりしないの?」

ニコ「大丈夫だよ。だいぶ無理をさせてしまったからね、今は眠ってるだけ。もうすぐ目を覚ますと思うけど……」

ニコ「由良とはっちゃんはぼくたちを追ってきてくれてね。向こうの世界にまで一緒に来てくれたんだ、死なせたりしないよ」

朝潮「それで二人とも見つからなかったんですか……」

不知火「半ば深海棲艦化していると聞きましたが」

電「艤装の形が少し変わってしまいましたが、記憶は変わってないのです。安心してください」ニコ



853: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:30:44.16 ID:KIF2XpZao


赤城「真ん中の大きなものにも緑色の液体が満たされていますが……」

ニコ「うん。あの中に、魔神様が入ってるんだ」

不知火「あの中に……!?」

鳥海「え? ……あ、あれが……ですか!?」

赤城「そんな……!」

朝潮「し、司令官……司令官っ……なんてことですか……!!」

那珂「……そんな、そんなのってないよ!!」

山城「……い……」ガタガタガタ

赤城「山城さん……!?」

山城「いや……いやああああ!!」ヘタッ


(肘から先と下半身を失った姿の提督が、目を閉じたまま魔力槽の液体の中に浮かんでいる)


那珂「や、山城ちゃん!? どうしたの、しっかりして!」

山城「あ、ああああ……ああああああああ!」ガクガクガク

鳥海「山城さんがこんなに取り乱すなんて、何があったんですか!?」

山城「し……時雨……しぐれと……おなじ……!!」ブルブルブル

鳥海「時雨さん……?」

不知火「……これはおそらく、二人を追いかけて島に流れ着いた時雨さんのことを思い出したのではないかと」

不知火「あのとき、時雨さんは……下半身を失っていましたから」

鳥海「トラウマを掘り返されたわけですか……」



854: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:33:04.50 ID:KIF2XpZao


朝潮「ニコさん! 司令官はこんな姿でも生きておられるのですか!?」

ニコ「うん。生きてるよ。少しずつだけど、体は再生してる」

那珂「山城ちゃん! 提督、生きてるって! だから安心して!」ギュ

山城「ほん……とう? 本当なの……?」カタカタカタ

不知火「……ニコさん、司令の身に何があったんですか。どうやってあの島から助かったんですか」

ニコ「……魔神様とこの5人が溶岩に飲み込まれる寸前、ベリアナがブラックホールの空間を捻じ曲げて、島の外と丘の上を繋げたんだ」

ニコ「ただ、ベリアナは吸い込んだ相手を近くに吐き出すことはできるけど、出口を遠くにするのは難しくて……」

ニコ「しかも魔力も枯渇状態。その結果……無理矢理捻じ曲げた亜空間を通っているうちに魔神様とみんなの体が融合してしまったんだ」

赤城「融合……!?」

ニコ「如月の腕が魔神様のおなかを貫通していたり、朧の背中に魔神様の右腕が埋まっていたり……魔神様の体に5人がくっついてたんだよ」

ニコ「なんでこんなことが起きたかもわからないし、どうしたらいいかもわからなくて。あのときは本当に途方に暮れたよ」

ニコ「とにかく急いで一番大きい魔力槽にひとかたまりになった6人を入れて、どうにかならないか話し合おうとしたとき……」

ニコ「魔神様の目が開いて、魔力槽の液体がごぼごぼ泡を立てて、急に濁りだして……」

ニコ「泡が晴れて出てきたのが、こうして成長した5人と、頭と胸だけになった魔神様だったんだ」

如月「声が聞こえたの。司令官がね、私たちを助けたい、って。助かるのはお前たちだけでいい、って」

ニコ「多分、自分の生命力と肉体を分け与えて、彼女たちを救ったんだろうね」

ニコ「それから5人を魔力槽から引き上げて、個別に魔力槽に入れてあげて。それでみんな目を覚ましたんだ」

初春「この男はいつもそうじゃ。自分を犠牲にしたがる男じゃった……」

ニコ「魔神様は……それからずっと魔力槽に入ったまま、死んだように眠り続けてる」



855: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:34:26.19 ID:KIF2XpZao


鳥海「音や光に対して、なにか反応を返したりはしないんですか……?」

ニコ「僕は見たことないね。みんなはどう?」

朧「アタシも、目を開けたところは見たことがない、かな」

吹雪「じっと見てると、たまに瞼がぴくぴく動いてるときはあったけど……」

如月「みんな、そのくらいよね」

朝潮「……司令官……」ウルッ

ニコ「でも大丈夫だよ。魔神様は少しずつ、その肉体を復活させてきてるんだ。いつか必ず目を覚ましてくれるよ」

ニコ「そこで、みんなにお願いがあるんだ」


ニコ「ぼくたちと一緒に、人間狩りをしてほしい」


「「……!」」

ニコ「ぼくたちが力を発揮するにも、生活するにも、すべてにおいて必要なのが魔力。その魔力を生み出すのが人間の魂」

ニコ「それも、ぼくたちが苦痛や屈辱を与えて死んでいった人間の魂が、一番魔力を作り出せるんだ」

ニコ「そうして、たくさんの人間の魂を魔力に変えて魔神様に捧げ続けた結果、やっとここまで回復できたんだ」

ニコ「ただね。ぼくたちは自分たちの世界……向こうの世界で人間狩りをしていたんだけど、ちょっと乱獲しすぎちゃってね」

赤城「……乱獲……」



856: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/03(土) 20:37:17.77 ID:KIF2XpZao


ニコ「で、こっちの世界の人間を狩ろうと思ったんだ。けど、こっちはこっちで拠点がなくてね……」

鳥海「それでこの施設を乗っ取ったんですか……!?」

ニコ「うん。由良とはっちゃんの艤装にぼくたちが乗り込んで、敵の真ん中に入り込んだところを不意を衝いて襲撃する」

ニコ「どうせなら殺しても心が痛まない人間を狙おう。そうだ、深海棲艦で実験しているところがいいな……」

ニコ「こういう感じで泊地棲姫にも相談したら彼女たちも協力してくれてね」

ニコ「由良たちに深海棲艦っぽさを出してもらって、目を付けられやすいようにしてくれたんだ。これが見事に成功したってわけ」

鳥海「……ぽさ、ですか」

ニコ「案の定、ぼくたちの邪魔になりそうな人間ばかりだったし、深海棲艦も連れ去りの心配が減ったし、結果的にも万々歳だよ」

不知火「まるでトロイの木馬ですね。なんともメディウムらしい戦術ではありますが」

ニコ「とりあえず、いい場所ができたし、近隣の無防備な人間を片っ端から狩ることにしたんだ」

ニコ「魔神様も、もとはこっちの世界の人間だったからね。糧にするにもこっちの人間のほうが相性がいいかもしれないし」

ニコ「それに、もと艦娘のみんなも人間たちにひどい目に合わされてる。ちょっとした意趣返しさ」

ニコ「だから……」



 バッ ダダダダダッ


特殊部隊「動くな!」ジャキジャキッ


全員「「!!」」



862: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 19:57:51.34 ID:QKxVhI3go


特殊部隊「全員その場を動くな!」

特殊部隊「そこの女! 両手を挙げろ!」

那珂「ニコちゃん!!」

ニコ「……この、僕の服の上の赤い点はなにかな」

鳥海「レーザーサイトです! 銃の照準をあなたに合わせているってことですよ!?」

ニコ「ふぅん、そうなんだ。これは脅しのつもりなんだね?」

 ヘルレーザー< ズバシューーー!

特殊部隊「「ぐああっ!?」」バシュバシュバシュッ

 メガバズソー< ガッシャンッ ガラガラガラ

特殊部隊「「うわあああ!?」」グシャグシャグシャッ

 サンダージャベリン< バシュッ

特殊部隊「「ぎぃい!?」」バリバリバリバリー

赤城「!!」

特殊部隊「なぜ、だ……!? なぜ、こんな罠が……」ガクッ

朧「綺麗に単横陣を敷くからですよ。横一線ならまとめて始末するのは簡単です」

ニコ「それに、残念だけど君たちの行動はお見通し、着いてきていたのも知ってる。無駄なあがきだよ」



863: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 19:58:57.05 ID:QKxVhI3go


特殊部隊「く、くそ……」チャキ

不知火「狙いを司令に……!?」

那珂「それはダメェェェェ!!」

 ジャコンッ

特殊部隊「!?」

山城「……なにを、しているの。誰に、銃口を向けているの」ジロリ

朝潮「司令官に何をしようというんですか」ギロリ

赤城「ふ、ふたりとも!? いけません!!」

ニコ「大丈夫だよ、落ち着いて」

 ヒュッ

朧「……」スッ

特殊部隊「後ろ……!?」

 ゴギッ

首が変な方向に曲がった特殊部隊「」ドシャッ

特殊部隊「「!?」」

電「おいたが過ぎるのです」ビュンビュンッ(←鞭)

初春「無礼者めが」ブンッ(←扇子で衝撃波)

特殊部隊「「ぐわあああ!?」」ドガドガドガッ

如月「お仕置きしてあげる」ブンッ(←平手打ち)

吹雪「やっつけちゃいます!」ゴッ(←正拳突き)

特殊部隊「「!?」」ゴシャッ



864: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 19:59:57.53 ID:QKxVhI3go


那珂「み、みんな、むちゃくちゃ……」ビクビク

鳥海「強く、なってますね……」アゼン

ニコ「魔神様の肉体を分け与えられた、元艦娘のメディウム。強くて当然だよ」

那珂「……初春ちゃんの扇子はいいけど、電ちゃんの鞭はどこから出てきたの……?」

電「マリッサさんを躾けるのに必要なのです」ビシッ

不知火「……」

特殊部隊「くっ……2班! 応答せよ、2班……!」

??「2班?」

 ポイッ ドシャッ

特殊部隊「!?」

泊地棲姫「モシカシテ、コイツラノコトカシラ?」

特殊部隊「な……なんだ、こいつは……!?」

ニコ「やあ、泊地棲姫。来てくれたんだね、ありがとう」

泊地棲姫「エエ、来テアゲタワ。私ノ仲間タチモ一緒ニネ」

(泊地棲姫の後ろにずらりと居並ぶ深海棲艦たち)

ニコ「ディニエイルたちもお疲れ様」

ディニエイル「いえ、簡単な仕事でしたので」

メアリーアン「なんてことねえだよぉ」



865: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:01:21.12 ID:QKxVhI3go


泊地棲姫「ナルホド、コレガ人間ノ研究施設カ……胸糞悪イナ」

ニコ「今度はぼくたちがこれを使って、人間を駆除する番だよ」

泊地棲姫「ソレデ、コノ艦娘ドモハ?」

ニコ「魔神様の元部下だった、あの島の艦娘だよ。仲間にならないか誘っているところなんだ」

泊地棲姫「ヘェ……」

特殊部隊「お、お前たち、裏切るのか……!?」

山城「裏切る? 何を言っているの? 私は最初からこの人の部下よ?」

朝潮「ええ……司令官……私は、司令官の配下の艦娘です……!」

那珂「や、山城ちゃん! 本気で言ってるの!?」

山城「ええ、本気よ?」ニヤリ

不知火(山城さんたちの目から青白い光か……!?)

鳥海「み、皆さん目を覚ましてください! ここで私たちがメディウムに味方をしたら……」

由良「なニか、問題、あるノ……?」ヒタッ

鳥海「由良さん……!?」

伊8「……あなタは、見たんデしょ? 提督ガ、大佐に撃たレルとコろ……」ガシッ

鳥海「そ、それは……!!」

ニコ「大佐にも、少将にも、魔神様は殺されて……今もこうして殺されかけた。きみは、そのままでいいと思うのかい?」

鳥海「う、うう……!!」フルフル



866: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:02:18.50 ID:QKxVhI3go


泊地棲姫「オマエカラモ……私タチト同ジニオイガスルワネ?」

那珂「え……!?」

泊地棲姫「海ノ底ヲ、知ッテイルニオイガスルワ……違ウノ?」

那珂「……っ!」ジリッ

赤城「いけません! 鳥海さん、那珂さん! 彼女たちの口車に乗っては……」

山城「部外者は黙っていなさいよ!!」

赤城「っ!!」ビクッ

山城「ねえ……ニコちゃん。私は、こっちにつくわ……!」

那珂「山城ちゃんっ!?」

朝潮「私も……司令官と……ともに行きます!」

ニコ「そう? それなら歓迎するよ」ニコッ

ニコ「それはそれとして。とりあえず、そこの人間を始末してしまおうか」

山城「ええ……!」ニヤリ

朝潮「わかりました!」キッ

特殊部隊「!!」

 ドゴォン…!

那珂「やま、しろ……ちゃん」

赤城「朝潮さんまで……なんてことを……」ガクッ



867: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:03:41.26 ID:QKxVhI3go


不知火「……司令」

不知火「……司令は、こんな未来を……このような未来を、望んでいたんでしょうか」ウルッ

不知火「どうなんですか、司令……司令!!」ポロポロッ

提督の入った魔力槽「」ゴボッ

全員「!!」

ニコ「魔神様!」

朧「提督が……」

吹雪「目を、あけた……!!」

不知火「司令!!」ダッ

電「不知火さん!?」

ニコ「待って。彼女の好きにさせよう」

如月「ニコちゃん!?」

ニコ「彼女の感情が魔神様の目覚めに必要なのなら、このまま見ていてもいいと思う」

初春「……手出ししたときだけ対処せい、ということじゃな?」

ニコ「うん」



868: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:05:02.20 ID:QKxVhI3go


不知火「司令! 聞こえますか! 不知火です!」

不知火「お約束通り、お迎えに上がりました! 司令!!」

提督「……」ゴポポッ

不知火「……」

提督「……」

不知火「……!」

不知火「司令……そう、ですか……わかりました」

赤城「不知火さん……?」

不知火「ニコさん……不知火は、一度帰ります」

吹雪「え!?」

ニコ「それはどういうこと?」

不知火「仲間にこのことを伝えなければなりません……ここに山城さんたち以外にも来たがる者がいるでしょうから」

ニコ「なるほどね。そういうことなら帰ってもいいよ。他の子たちはどうする?」

由良「鳥海さんは……残ってモらっていいカな?」

伊8「そウだね……モう少し、お話ししタいな」

鳥海「……う、ううゥう……」ガクガク

山城「那珂ちゃんも、いいわよね?」ニヤリ

泊地棲姫「私タチト、ユックリ……語ライマショウ?」ニヤリ

那珂「あ、あああ……」ガタガタガタ

泊地棲姫「コッチヘ、イラッシャァイ……?」



869: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:06:09.12 ID:QKxVhI3go


ニコ「さてと、こっちも後始末をしなくちゃね」スッ

 (ニコが手を掲げると、特殊部隊の隊員たちの死体がキラキラと光の粉に分解されていき)

 (衣服や武器、床や壁に飛び散った血痕さえも、跡形もなく消えてしまう)

ニコ「こうやって殺した人間は、ちゃんと魔力にしないとね」

泊地棲姫「コノ光ガ提督ノ肉体ノモトニナルノネ?」

ニコ「そういうこと。だから、できるだけこの建物におびき寄せて人間を始末してくれると嬉しいな」

泊地棲姫「フフ、ワカッタワ」

不知火「……」

赤城「……電さん」

電「はい?」

赤城「以前あなたは仰いました。私が大佐を殺せば、艦娘そのものの立場が危うくなると」

赤城「提督少尉は、艦娘の社会的地位も案じておられました」

赤城「あなたたちも今、人間に弓を引こうとしています……それでいいのですか」

電「言いたいことはわかりますが、もう遅いのです」

電「ずっと前から、人間たちは司令官さんに殺意を向けてきていたのです。やられる前に、やるしかないのです」

電「それに……私たちは、もう艦娘じゃないですから」ニコ

赤城「……そう、ですか……」



870: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/10(土) 20:07:18.52 ID:QKxVhI3go


不知火「……如月。不知火も、ひとつ思い出しました」

如月「なぁに?」

不知火「あなたがかつて、もしあなたが深海棲艦になったら不知火に沈めてもらう、と言っていたことを」

如月「ええ。それで司令官に迷惑がかかるなら、そのほうがいいって思ってたわ」

如月「でも、司令官は文字通り身を削って私たちを助けようとしてくれた……もう簡単に『死んでもいい』なんて言うわけにはいかないの」

不知火「……」

如月「だから、私は司令官を助けるためなら、なんでもするわ。あなたが私の立場なら、同じことをするはずよね?」

不知火「……そうかも……しれませんね」

赤城「不知火さん……」

不知火「……赤城さん。今日のところは出直しましょう」

赤城「……ええ」

ニコ「戻るんだね、それじゃディニエイル、案内してあげて」

ディニエイル「わかりました。こちらです、ミス不知火、ミス赤城」

赤城「はい……」

不知火「……では、失礼いたします」ケイレイビシッ



ニコ「…………」

ニコ「ねえ、魔神様?」

ニコ「どうしてきみは、不知火に『逃げろ』なんて伝えたの?」



 * * *

 * *

 *



873: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:18:43.71 ID:+mI2pzLpo


 * 2日後 X中佐の鎮守府 *

不知火「その後、泊地棲姫配下の深海棲艦に誘導されて、日本の海域を出ることになりました」

赤城「報告は以上になります」

H中将「なるほど。4人は敵の手に落ちたと……うち2人は確実に離反したわけだな」

赤城「私がいながら、申し訳ありませんでした……」

中佐「いや、仕方ない。墓場島の艦娘たちが抱えていた心の闇が、僕たちの考えていた以上に深かったんだ。責められるのは君じゃない」

中佐「それに、問題なのはこれからどうするかだ。駆逐艦だった彼女たちは、自身のことを元艦娘のメディウム、と言ったんだね?」

不知火「はい」

中佐「……そうか……メディウムか」

H中将「そんなにまずいことなのか?」

中佐「ええ、想像でしかないのですが、その通りだとしたら状況は極めて悪いと言わざるを得ません」

大井「中佐! 米国のICBMによる施設攻撃は失敗です!」

H中将「なんだと!?」

中佐「……大井さん。それ、もしかして雷か暴風が原因かな?」

大井「は、はい! 急に発生した雷雲に入り、高度四千メートルで避雷、爆散したと報告がありました」

H中将「中佐、今の推理の根拠はなんだ?」

中佐「今、関東で起こっている局地的な異常気象。僕はそこから彼女たちの名前を連想してしまうんですよ」

H中将「彼女たち……?」



874: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:20:34.63 ID:+mI2pzLpo


中佐「濃霧は朧。暴風雪は吹雪。雷は電。そして、寒さは1月から2月にかけての気温。初春と如月になるんでしょうね」

H中将「あいつらが意図的に作り出していると言うのか!?」

中佐「メディウムは罠の化身。それになったからには、罠を敷く能力が備わったと見ています」

中佐「天候まで操ることができるのかは疑問ですが、思いつく変化点がそこしかありません」

H中将「……不知火はどう思う」

不知火「落雷や局地地震を発生させるメディウムは存在します。司令……魔神の力を分けてもらったと考えると、否定はできません」

H中将「だとしたら最悪だぞ……降雪と暴風のおかげで首都圏は交通が麻痺している。道路、鉄道、空の便もなにもかもだ」

H中将「物流が止まれば物資不足は加速し、深海棲艦との戦いもままならん。あれが人為的に続くとなると戦闘継続が困難になる」

H中将「それだけじゃない、あの寒さが続けば農業にも漁業にも打撃を与えるし、生態系にも影響する」

H中将「生活圏なら暖房のために電力消費も跳ね上がるし、除雪作業が必要になればそれでまた人手も燃料もいる」

H中将「電力不足で大停電が起こればこれもまたパニックになる……」

大井「あの……意外と、謎の天候不順は長続きしないのではないでしょうか」

H中将「なに?」

大井「彼らが人を殺すことを目的としているのであれば、人の多い地域を狙うことになります」

大井「わざわざ人の住みにくい地域を作り出してしまったら、人を殺して魔神復活の糧にすることが難しくなるのでは?」

中佐「そうだね……メディウムの力の源は魔力だ。天候不順を作り出すのに魔力が必要なら、ずっと冬にしておくことは難しいだろう」



875: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:22:19.62 ID:+mI2pzLpo


中佐「だからと言って放置できないのが深海棲艦の存在だ。奴らの陸上での跳梁を許しておくわけにはいかない」

祥鳳「大変です!」バンッ

祥鳳「先ほどICBMを発射した基地の最寄りの海岸に、深海棲艦が出現しました!」

H中将「……!!」

中佐「報復か……そうくるよな。これで迂闊なことはできなくなった」

H中将「なあ、もしもだぞ。もしも、高波や大潮、荒潮のような名前の奴がメディウムになっていたら……」

中佐「夕立、嵐、野分、神風でも恐ろしいことになりますね。飛龍のような幻獣でもどうなっていたことやら」

H中将「……」

赤城「……世界は、どうなってしまうんでしょうか」ヨロッ

不知火「赤城さん、しっかりしてください」ガシッ

赤城「不知火さん……提督少尉は、あの時あなたに『逃げろ』と言ったのですね?」

不知火「はい……司令の口が、そう動いていました」

不知火「おそらく、司令は私たちを案じていたのだと思います。今の如月は、たとえ相手が不知火でも、容赦しなかったでしょうから」

赤城「だからと言って、どこへ逃げろと言うのです……あの人は、逃げてどうしろと言うのです!」ヘタッ

赤城「あの人は……」

不知火「……また、自分でどうにかしようと、考えているのでしょうか……」



876: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:22:57.90 ID:+mI2pzLpo


 * 医務室 *

暁(昏睡状態)「……」

比叡「……暁ちゃん、私たちと一緒に司令のもとへ行きましょう……電ちゃんや吹雪ちゃんもいるから……!」ダキカカエ

敷波「ちょっ、比叡さん!? 暁をどこへ連れて行くのさ!?」

金剛「比叡、ちょっと待つネ! 榛名も、どうしたんデスカ!?」

榛名「これから皆さんで司令のところへ行くんです!」

金剛「What...!? そんなことをしたら……」

 ブンッ

金剛「ぐ!?」ゴッ

霧島「……申し訳ありません、金剛お姉様」

金剛「な、何を、するんデス、カ……」ヨロッ

敷波「金剛さん!? し、しっかりして!!」

霧島「むこうには魔力槽があります。いつまでも目を覚まさない暁さんも、魔力槽に入れてあげれば助かるかもしれません」

扶桑「それに、みんな提督のところにいるんでしょう?」

敷波「扶桑さんまで……」

比叡「ねえ、早く行こうよ霧島。みんなの手荷物、早く届けてあげないと……」ハイライトオフ

榛名「提督にも会えるんですよね!?」ハイライトオフ

扶桑「山城も向こうにいるのよね?」ハイライトオフ

霧島「……」コクン



877: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:24:22.99 ID:+mI2pzLpo


金剛「No... 行っては、いけマ、セン……」

霧島「……敷波さん。金剛お姉様を、よろしくお願い致します」ペコリ

敷波「そ、そんな、霧島さん!? 駄目だよ!」

川内「……」スッ

敷波「川内さん!? 霧島さんたちを止めてよ!」

川内「ごめん、敷波。あたしたちも、ちょっと行ってくるよ」

神通「那珂ちゃんが待ってると思いますから……」

敷波「神通さんまで……そんな!?」

神通「留守を、よろしくお願いしますね」ニコ…

敷波「な……なんで!? なんでみんな行っちゃうの!? どうして、そんなつらそうな顔して行こうとするの!?」

敷波「どうして!!!」

金剛「ウ……いけま……セ……」ガクッ

敷波「! 金剛さん! 金剛さん!? 誰か! 誰か来てよぉお!!」



878: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:25:30.41 ID:+mI2pzLpo


 * 執務室 *

中佐「予想はできてた。由良たちが姿をくらましたときと同じだな……」

祥鳳「……」

 ドタドタドタ

摩耶「中佐!」バンッ

中佐「……なにかな?」

摩耶「頼む、あたしを例の施設に行かせてくれ!」

中佐「いいよ」

摩耶「お願いだ! どうしても……へ?」

祥鳳「中佐!? よろしいんですか!?」

中佐「よくないさ。でも、今の僕たちにはどうもできないからね」ハァ

中佐「できれば、平和的な解決ができないかを探ってきてほしいな。それができれば、霧島や鳥海が戻ってくる可能性も出てくる」

摩耶「……な、なんか、いつになくテキトーっつーか、やけくそ気味じゃねえか? 中佐らしくもねえ……なにがあったんだよ」

祥鳳「実は本営から連絡がありまして、私たちの艦隊から件の施設への出撃を禁じられました」

摩耶「あぁ!? んだよそれ!?」

中佐「勝手なことはするな、ってことさ。H中将も先程大井を連れて舞鶴に向かった。今回の件の説明を求められたらしい」

中佐「僕としても、どうにかしてメディウムたちを止められないか考えてるんだけど……摩耶、なにか良いアイデアはないかな?」

摩耶「……あ、いや……悪ぃ、あたし、あんまりそういうこと考えてなかったんだ。霧島さんや鳥海が心配ってだけで……」

中佐「そっか。心配なのは僕も同意見だ」



879: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:27:28.44 ID:+mI2pzLpo


中佐「ただ、正直に言えば、僕は君たちを行かせたくない。何の対策もなしに闇雲に突っ込めば、全滅するのが目に見えてる」

摩耶「……」

中佐「それに、僕が摩耶の出撃をサポートすれば本営も黙っていないだろう。僕もなんらかの処分を受けるだろうね」

摩耶「あたしが勝手に出て行ったとしてもか?」

中佐「今の責任者は僕だからね。ここ最近の本営の迷走ぶりからして、どんなお達しが来るかわからない」

中佐「最悪、君たちの処分を言い渡してくるかもしれない。明らかな命令違反だからね」

中佐「それに今出撃すれば、さっき離反した霧島たちを撃てなんて命令が飛んでくるかもしれないし……」

中佐「やれやれ……提督少尉だったら、どうしていたんだろうな……」

摩耶「……」

中佐「……」

摩耶「……悪ぃ、行くの中止しとく。出直しだ」ガチャ

 バタン

中佐「……」

中佐「……ふう、助かった。うまく言いくるめられてくれたみたいだな」

祥鳳「……中佐、本当にこれで良かったんでしょうか。本営の決定を無視してでも、艦隊を出したほうが……」

中佐「やめとこう。本営の連中が手柄を挙げたがっているし、陸軍にも借りを作りたくない気持ちは僕もわからなくもない」

中佐「そんな今、ここで僕たちが出たら何を言われるかわからない。だからここは本営にまかせよう。H中将もそう仰ってたじゃないか」

祥鳳「ですが、このまま何もしないなんて……」

中佐「祥鳳。悪いけど僕は卑怯者になるよ。彼らが僕たちを頼らざるを得ないときまで、僕たちは挙兵しない」

中佐「今のままでは僕たちも背中から打たれる可能性がある。最悪のタイミングで誤射をもらいたくはない」

中佐「彼らの戦闘記録をかき集め、メディウムに勝つ方法を、なんとかして考える。でなければ僕らに未来はない」



880: ◆EyREdFoqVQ 2017/06/25(日) 23:29:02.14 ID:+mI2pzLpo


 * 廊下 *

霞「……どうしてやめたのよ。中佐が渋ってたのはわかるけど、それをはねのけるつもりだったんでしょ」

摩耶「思い出したんだよ。霧島さんと一緒に命令違反したときだって、仲間を守るために必死に考えてから行動したんだぜ?」

摩耶「ただ暴れてすっきりしたいだけじゃあ、誰も助けられないだろ。中佐に後始末押し付けんのも格好悪ぃしさ……」

霞「いいじゃない、それでも……」

摩耶「それに、それでしくじると泣き出す奴がいるんだよな。五月雨とか……」

霞「……」

摩耶「……」

霞「……なによ」

摩耶「なんでもねえよ……ん?」

霞「……あ、長門さん……おかえりなさい」

長門「ああ、ただいま」

摩耶「調査団の護衛、終わったんですか」

長門「ああ。浮かない顔のようだが……やはり金剛たちの件か?」

摩耶「んー、まあ、そんなとこっすね。ところで……そのガラクタは?」

長門「島の護衛をしていた時にル級に預けられてな。これがなんなのか、妖精たちに解析をお願いするところなんだ」

霞「……ごみじゃないの?」

長門「メディウムに関わる貴重なものらしい。異世界で拾ってきたと言っていたな」

摩耶「異世界? メディウムがもともといた世界のことか?」

長門「おそらくな。もし、メディウムたちと事を構えるのなら、これを調べて使えと言ってきたんだ」

霞「こんなので、何ができるっていうのよ……」

長門「妖精たちにも聞いてみよう。これが一体何なのか……」



886: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:16:17.02 ID:tqefDH+go


 * それから10日後 太平洋洋上 関東近海 *

ル級「随分、準備ニ時間ガカカッタワネ?」

長門「本営の上層部が、H中将に出し抜かれたことに腹を立ててな。我々に出撃禁止を命じていたんだ」

ル級「……ハァ?」

敷波「まー、そういう反応になるよね」ハァ

武蔵「民間人への被害も馬鹿に出来ない状況下でそんな判断を下せる本営には、我々も呆れるばかりだ」

利根「とはいえ、吾輩たちもメディウムにどう対抗するか悩んでおった。本営の判断のおかげで考える時間ができたのも皮肉じゃな」

長門「その時間と、ル級のおかげで打開策も見出せた。これ以上奴らの好き勝手にはさせん」

潮「……ところで、ル級さんに聞きたかったんですけど、いいでしょうか?」

ル級「ナァニ?」

潮「ど、どうしてあなたは私たちに協力してくれたんですか?」

霞「そうよ、向こうには泊地棲姫がいるんでしょ。あなたたちもメディウムたちに受け入れられてるんじゃないの?」

ル級「……私ハ、ナントナク距離ヲ置キタクナッタノヨ。軽巡棲姫ガ妙ナコトヲ言ウシネ」

軽巡棲姫「……」

敷波「妙なこと?」

ル級「コノ子、向コウノ世界デ提督ニズット付キッ切リダッタンダケド、思ウトコロガアルミタイデネ」

軽巡棲姫「……提督ハ、死ニタガッテル」

摩耶「……!」



887: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:20:01.90 ID:tqefDH+go


軽巡棲姫「アノ人ハ、生キ延ビテ、ナニカヲシヨウトハシテイナイ……」

軽巡棲姫「ムシロ、自分ノ意志ニ関係ナク、生カサレテイルコトヲ嫌ガッテル……」

長門「……どう思う、不知火」

不知火「有り得ます。先日、大佐を撃退した時に『もうやることがないから死んでもいい』という趣旨のことを話していました」

不知火「また、人間と関わっても碌なことがないから距離を置く、というのが提督の基本スタンスでした」

利根「そうじゃな。嫌いな人間を滅ぼそうとすれば、否応なしに人間に関わらざるを得ん。それは奴の望むところではあるまい」

摩耶「魔神にさせられて性格が変わっちまった、って可能性もあるけど、どうなんだ?」

軽巡棲姫「ソレハナイト思ウ……オソラク、ダケド」

摩耶「そっか。なんだかんだで提督も頑固だからな。その辺、変わってないと嬉しいけど」

武蔵「ただ、提督が望む望まないにかかわらず、今の提督が人類の敵に認定されているのは、どうにもならないのがな」

利根「陸軍と海軍の兵士が百五十に艦娘が二百。民間人には千人規模で行方不明者が出ておる」

長門「人間に手を出せば、その刃が自らに向くことはわかっているだろうに……」

大和「きっとメディウムのみなさんは、そこまでしてでも提督を復活させたいんですよ」

武蔵「大和……」

大和「むしろ、彼女たちは人間の命をどうとも思っていないはず。提督を……魔神を復活させるための餌としか考えていないでしょう」

大和「中でもニコさんは、数百年単位で魔神の復活を待っていました。今更どんな犠牲も厭わないはずです」

長門「そう考えれば、人間との全面戦争は望むところか。深海棲艦が手を貸すのも頷ける」

摩耶「それによ、あんだけ人間を殺してりゃあ、魔力の蓄えも十分なんだろ? かなり手強いと思うぜ」



888: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:20:39.28 ID:tqefDH+go


ル級「ソレデ、ココニイル艦娘ダケデ戦ウ気ナノ?」

長門「それだが……」

 彩雲<ブルーン!

長門「! 来たか」

ル級「今ノハ、アナタタチノ応援?」

長門「ああ。今回の作戦は、第一、第二艦隊と、その支援艦隊を含めた連合艦隊で進軍する」

長門「第一艦隊、旗艦は長門。随伴は大和、金剛、摩耶、利根、ル級」

長門「第二艦隊の旗艦は不知火。随伴は霞、若葉、潮、敷波、軽巡棲姫」

長門「支援艦隊は旗艦が龍驤。雲龍、武蔵、陸奥、加古、五月雨が随伴だ」

ル級「私タチモ、アナタタチノ連合艦隊ニ参加スルノ? 前代未聞ヨ? フフフ」

長門「今回の作戦にお前たちの協力は欠かせない。今回の私たちの目的は深海棲艦の邀撃ではないのだからな」

ル級「ソウ……軽巡棲姫ハ、ソレデイイノ?」

軽巡棲姫「提督ヲ、救エルノナラ……協力スル」

長門「ありがとう……感謝する」ペコリ





889: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:21:39.26 ID:tqefDH+go




不知火(……提督を、救う……その言葉だけなら、ここにいる殆どが同意するとは思いますが……)

不知火(軽巡棲姫の言う『救う』とは、おそらく殺すことと同義でしょう……)

不知火(そうなれば、躊躇したり反発したりする人が現れるはず。もし、そうなったら不知火は……)

不知火(……不知火は……)

利根「心配なのは大和じゃな」ヒソッ

不知火「!」

利根「まあ、成り行きを見守ろうではないか。それよりもこれからが問題じゃからな」

不知火「……はい」



長門「よし、全員揃ったな。進軍する!」

 ザザザァァァ…


 * * *

 * *

 *




890: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:22:38.61 ID:tqefDH+go


 * 研究施設内の一室 *

ニコ「交渉?」

泊地棲姫「エエ。アノ島ノ艦娘タチガ、アナタタチト話ガシタイッテ」

ニコ「ふぅん……」

泊地棲姫「ナニヲ話スツモリナノカシラ」

ニコ「なんだろうね? ぼくたちと一緒に来たいなら、わざわざ艦隊を組んでくることもないだろうし」

泊地棲姫「襲撃……騙シ討チニ来タカ?」

ニコ「どうだろう。単純に、ぼくたちの腹を探りに来たのかもね。あとは魔神様の様子が気になったか、じゃないかな」

泊地棲姫「……提督ハ、イツ復活スル」

ニコ「間もなくだと思うよ。体はほぼ復元できたし、あとは目覚めを待つだけ……」

ニコ「そうなれば、あとは人間を本格的に殲滅するつもり。メディウムや深海棲艦が平和に暮らせる世界を作るんだ」

ニコ「そう考えると、もう少し味方が欲しい気はするね……うん、交渉に応じよう。泊地棲姫も一緒に来ない?」

泊地棲姫「……ソウサセテモラウワネ」




891: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:23:54.39 ID:tqefDH+go


 * 一方その頃 地下研究棟 *

(提督の入った魔力槽を見つめる榛名)

榛名「……提督……」

神通「榛名さん、ここにいたんですか」

榛名「はい。この魔力槽はすごいんですね。上半身しかなかった提督の体を、とうとう全部復元してしまうなんて」

神通「……」

榛名「……ただ、そのために、多くの人間や艦娘が犠牲に……」ウツムキ

神通「……」

榛名「榛名は、提督に生きていてほしいと思っていました。そして助ける術があることも聞いて、歓喜しました」

榛名「ですが、そのためには何の罪もない一般人や、私たちと志を同じくした艦娘を殺さなければいけない……魂を奪わなければならない」

榛名「殺した者たちの魂の力で、提督は確かに元通りになりました」

榛名「でも、犠牲になった人たちにも、同じように大事な人や大事に思ってくれている人がいるはずなんです」

榛名「私たちだけが、望みをかなえることはよくないのではないか、と……思ってしまうんです」

神通「……」

榛名「榛名は、これからどうすればいいんでしょうか……」

神通「……それは……」

扶桑「提督の考えを聞いてみたほうがいいんじゃないかしら?」スッ

榛名「扶桑さん……!」

扶桑「犠牲になった人たちには悪いけれど……今からその失われた命を元通りにするなんて、どうやってもできないもの」

扶桑「その無数の命を背負って甦らされる提督は、どんなお考えをお持ちなのか……私は聞いてみたいわ」

扶桑「もしかしたら、覆水を盆に返すことができるかもしれない……そう考えるのは、あまりに都合が良すぎるかも、だけど」

榛名「……」



892: ◆EyREdFoqVQ 2017/07/30(日) 21:25:21.08 ID:tqefDH+go


 * 別室 *

比叡「……」

霧島「……」

比叡「……ねえ、霧島」

霧島「なんでしょうか、比叡お姉様」

比叡「……暁ちゃんはどうして目を覚まさないんだろうね」

霧島「……」

比叡「魔力槽に入れてもらって数日経つけど、ぴくりとも動かないし……どのくらい待てばいいんだろう」

霧島「……比叡お姉様」

電「待つしかないと思うのです」スッ

比叡「電ちゃん……」

電「昔、比叡さんが暁ちゃんに看病してもらった時も、まともになるまで2週間はかかったのです」

比叡「……」

電「焦らないで、ゆっくり待っててほしいのです」

霧島「……そう、ですね」

比叡「ねえ、電ちゃん」

電「はい?」

比叡「あなたはまだ、沈んだ敵を救いたいと思ってる?」

電「……」

比叡「……」

電「……今なら……成長した今なら、沈んだ敵もきっと救えると思うのです」ニコ

比叡「……そう……」

霧島「……」



895: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:05:32.08 ID:w2dYx4BXo


 * 研究施設内 会議室 *

泊地棲姫「軽巡棲姫!? アナタ、ドコニ行ッテタノ!?」

軽巡棲姫「……」

ル級「外海ヲ見ニ行ッテイタノヨ」

泊地棲姫「ル級……オマエガ唆シタノ!?」ギロリ

ル級「コノ子ノ意志ヨ。ナンデモカンデモ私ノ所為ニシナイデモライタイワネ」

泊地棲姫「何ヲ!」

ニコ「泊地棲姫、落ち着いて。さて、不知火以外はここに来るのは初めてかな?」

不知火「はい。霧島さんたちもこちらへ来ているはずですが」

ニコ「ああ、みんなは別室にいるよ。呼んだほうがいいのかな?」

不知火「いえ。ご無事でしたのなら、それで結構です」

ニコ「……そう。まあいいけど……それで、今回の要件はなにかな?」

長門「まずは通告だ。本営はおまえたちメディウムを『敵』と認定した」

ニコ「ふうん」

長門「……のんきに構えてはいるが、状況はわかっているのだろうな?」

ニコ「ぼくたちはこれまでずっと人間と戦ってきたんだ。今更な話だよ」

ニコ「君たちは、わざわざそれを伝えるためだけにここに来たのかな?」

長門「これは我々からの提案だ。この研究所から引き上げて欲しい」

ニコ「!」

泊地棲姫「引キ上ゲロ、ダト?」



896: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:06:14.21 ID:w2dYx4BXo


長門「この周辺は、かつて我々が軍艦だったころ、我々に乗った人たちが命を賭して守ろうとした国の中枢に当たる」

長門「お前たちが人間を殺せば、それを我々が鎮圧しなければならない。お前たちが引き上げなければ、延々とこの戦いを繰り返すことになる」

ニコ「……」

長門「たとえ提督が魔神として復活したとしても、お前たちは常に危険にさらされることになるだろう」

長門「虫のいい話ではあるが、そうなる前に停戦協定を結び、どこか別の島で暮らしてもらえないか、というのが我々の案だ」

ニコ「それは無理だよ。人間の言うことなんて信じられないもの」

長門「……!」

ニコ「その島へ移り住んだとして、その安全は誰が保証してくれるのかな?」

長門「それは我々が本営へ……」

ニコ「無理を言わないほうがいいよ。君たちの言うことをその本営とやらはどれくらい聞いてくれると思う?」

ニコ「今のぼくたちは泊地棲姫たちと手を取り合ってる。その時点で、ぼくたちが人間の攻撃対象になってることくらい理解してるよ」

長門「しかし……」

ニコ「いくら慎ましやかに生活していたとしても、人間どもはいつも土足で上がりこんできて、ぼくたちの平穏を脅かす」

ニコ「ぼくたちが元いた世界でも、魔神様の力を恐れるもの、利用しようとするもの……」

ニコ「思惑は人それぞれだけど、下らない理由で数多の人間が魔神様に剣を向けていたんだ」

ニコ「長門だってそう思わない? 君たちのいた島に災いを運んできた元凶は人間ばかりだ」

ニコ「そんな奴らに、これ以上寛容になれと言うのは無理な話だよ」

長門「……」

ニコ「むしろ、魔神様が人間だったころから忌み嫌ってきた人間を、これ以上のさばらせておくほうが、ぼくは無益だと思うよ?」

ニコ「この世界の人間は増えすぎてる。間引きするという意味でも、人間は駆除されるべきだよ」



897: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:07:08.69 ID:w2dYx4BXo


金剛「Hey, Nico ! それはあまりに極端デス! 世の中には悪い人ばかりではありまセーン!」

ニコ「その理屈はそっくりそのまま返すよ。ぼくたちのことを理解して、慮ってくれた偉い人間はいるのかい?」

ニコ「仮にいたとして、その人間がぼくたちを直接守ろうとした記録はあった? 何らかの成果はあったのかな?」

金剛「Mmm...」

ニコ「そんなことよりさ。みんな、ぼくたちと一緒に人間を滅ぼそうよ」

全員「……!」

ニコ「きみたちこそ、人間に一度は酷い目にあわされた被害者だ。魔神様と同じく、人間を拒む理由こそあるはずだよ」

ニコ「なのにどうしてきみたちは、人間を守ろうとするの?」

全員「……」

??「それは我らが艦娘だからじゃろうな」

不知火「!」

初春「いや……わらわは、艦娘『だった』と言うべきじゃな」

武蔵「お前は……初春か!」

敷波「本当に背が伸びてる……」

陸奥「いろいろ成長してるわね……」

龍驤「ったく、最近の駆逐艦は随分発育がええな!」イラッ

初春「わらわが言った通りじゃろう、ニコ殿? その問いに、この者たちが素直にはいと答えるとは思えぬと」

初春「艦娘とは、長門の言うとおり軍艦や艦艇の化身。母国のために命を賭した者たちを乗せて沈んだ、誇り高き魂の分霊たちじゃ」

初春「それを裏切れと言うのは、自らのあいでんてーてーを否定することにもなろう」

初春「その証拠に、この場で誰一人即答できなかったではないか」



898: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:08:34.50 ID:w2dYx4BXo


若葉「そうだな。少なくとも、若葉は人の道から外れたことをするつもりはない」

初春「ほう……人の道、のう?」

泊地棲姫「綺麗事ヲ……!」

武蔵「フフ、なかなか格好良いじゃないか。その通りだ、若葉だけではなく我々もそうだ。そして提督も、それは同じだろう?」

利根「一番気になっていたのはそこじゃ。関係のない民間人にまで被害が及んでいるが、それはあの男の意思なのか?」

初春「提督は、人間に殺されたのじゃ。ならばその報いは人間が受けるべきであろう」

若葉「海軍を襲うのはまだわかる。だが関係のない他人に受けさせるのか? それは理不尽だ」

朝潮「……若葉さんは、それが理不尽だと仰いますか」スッ

霞「朝潮……っ!」

朝潮「それならば、司令官への仕打ちこそ理不尽だと思いませんか」

朝潮「これまで私たちを助けてくれた司令官が、同じ海軍の人間に狙われ、殺されようとしたんです」

朝潮「司令官は、助けられるべきだと思いませんか!」

若葉「だからと言って他人を巻き込んでいいと思うのか」

朝潮「司令官に犠牲になれというのですか!」

若葉「提督にも軍人としての覚悟があるだろう」

朝潮「謀殺されたんですよ!? 内輪揉めに覚悟もなにもありません!」

ニコ「みんなはどうなのかな。ねえ、大和、金剛?」

大和「……わ、私は……」

大和「私は……私は提督を助けたい……! でも、そのために、犠牲を生むことは……」

金剛「私も許されないと思うネ。それに、メディウムの善悪はとにかく、これだけは言えマス……!」



899: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:10:35.74 ID:w2dYx4BXo


金剛「独りよがりの愛は、相手だけでなく、すべての人を不幸にしマス!」

金剛「初春も朝潮も目先の目的にとらわれてて、提督が復活した後のことを何も考えていまセン!」

金剛「人類を敵に回して提督を復活させれば、また提督が人類に狙われることになって、結局なにも変わらないデス!」

龍驤「そうなる前に、うちらとしては、あんたたちに止まって欲しいんやけどな」

長門「我々としては、これ以上血を流したくない。どうか、思いとどまってはくれないだろうか」

朝潮「……何故ですか」ポロッ

朝潮「どうして皆さんは、司令官に対するこの仕打ちに、納得できるんですか!!」ポロポロポロ

雲龍「納得はしてないわ。でも、その悲しみを誰かに八つ当たりするのは間違っていると思う」

朝潮「そう仰るなら……正しいことはなんなのですか!? 泣き寝入りするのが正解だと仰いますか!?」

ニコ「……交渉は決裂だね」

朝潮「ぐすっ……うう……!!」

ニコ「ぼくたちには、人間にそこまで肩入れする理由がない」

ニコ「魔神様を守るのに……人間に弓引くのにそこまで躊躇するようなら『交渉』じゃなく『説得』するしかないよね」

初春「ニコ殿、泊地棲姫、ここはわらわと朝潮に任せるがよいぞ」

初春「理屈で納得してもらうには、少々骨が折れるでのぅ……!」ギラリ

ニコ「……わかった。頼んだよ。泊地棲姫、行こう」スッ

泊地棲姫「……朝潮ニ任セルワ。ル級……アトデ覚エテナサイ」スッ

ル級「……」

長門「ま、待て!」



900: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:11:35.78 ID:w2dYx4BXo


若葉「長門さん、行ってくれ」

長門「若葉……!?」

若葉「提督に会いに行くのだろう? ここは若葉に任せて欲しい」

朝潮「行かせません!」ジャキッ

霞「朝潮……あんた!」

 ドォン

武蔵「ちっ!!」バッ

 ドカァン

霞「く……!? む、武蔵さん!? 私を庇って……!」

武蔵「フフ、心配するな。いい一撃だったが、この武蔵には通用しない」

利根「吾輩も加勢しよう! 長門、おぬしたちは行くのじゃ!」

長門「……わ、わかった!」ダッ

軽巡棲姫「ル級……」

ル級「イイワ、行キナサイ」

軽巡棲姫「……!」コクン

朝潮「行かせません……!」

霞「朝潮……!」

朝潮「行かセませン……行カセなイ……!!」メキメキメキッ

武蔵「……!!」



901: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:13:03.04 ID:w2dYx4BXo


朝潮(半深海化)「司令官ハ……私が守リマす……!!」ジャキッ

利根「これは……貴様ら! 朝潮に何をした!?」

ル級「……泊地棲姫ノ仕業ネ」

初春「なに、恐れることはない。おぬしたちも、わらわたちの仲間になればそれで済むこと……!」

初春「ときに若葉よ。おぬしがここに残ってくれたことは、わらわたちにとって幸運じゃ」

若葉「……」

初春「おぬしはなぜか、メディウムたちの気配を感じ取ることができるからのう……」バッ

若葉「……」ジャキ

初春「ゆくぞ!」ブオン!

武蔵「うお!? 衝撃波だと!?」

利根「おのれ、ここは吾輩が……」

若葉「駄目だ利根さん!」ダンッ!

利根「うお!? 何をする若葉!」ズデンッ

 カビン <ヒューン

若葉「おぉっ!?」ズボッ

利根「わ、若葉っ!?」

若葉「む、むう!? ま、真っ暗だぞ!?」ヨタヨタ

初春「ほほほ、自分から罠にかかりに来たか!」

武蔵「いかん、若葉を助けなければ……!」

霞「駄目よ!」ガシッ

 ヴォルテックチェア <ガシャンッ!

 ニードルフロア <ギシャンッ!

武蔵「うおっと!?」



902: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/14(月) 11:15:09.30 ID:w2dYx4BXo


霞「この辺にもいるんでしょ、メディウムが!」

武蔵「くっ、そういうことか……霞!」グイッ

 ブオン!

霞「きゃ!?」

ハナコ「あら~、残念」

霞「……あ、あんた、トイレで殴るとか何考えてんのよ!!」

武蔵「霞、違うぞ。トイレじゃなくて洋式便器だ」

ハナコ「ウォシュレット付きですよ~」

霞「どっちでもいいわよ!」

利根「それより若葉が……!!」

若葉「来るな! なにかいる!」ヨタヨタ

初春「覚悟はできておるか、ならばよい……貴様から始末してくれるわ!」バッ

 デルタホース<ガッシャン!!

若葉「ふぐあああああああああ!!??」ビクビクーッ

利根「若葉あああ!!!」

 ガラガラガラン!

利根「な、なんじゃ!?」

ル級「ウシロヨ!」

 メガバズソー <ガランガランガラン!

利根「なんじゃあれは!? 若葉に向かっていくぞ!!」

武蔵「若葉あああ!」



907: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:38:52.97 ID:fbyM/x1xo


 ガッシャァァァン!!

初春「ふ、まずは一人……む?」

(若葉の艤装から、金色のガントレットを装備した腕が伸びて、転がってきたメガバズソーを止めて掴んでいる)

若葉「……無粋だな。デルタホースの痛みの余韻も感じさせる気がないとは」

リンメイ「な、なんでワタシのコマ止められる!? アナタ何者ヨ!?」

若葉「この花瓶も邪魔だ……ふん!」ガシャン

ツバキ「木馬に頭突きして、うちの花瓶をわったやて!?」

ジェニー「ちょっと! あたしの愛馬になにするの!」

若葉「……何をするとはご挨拶だな」

初春「な、何故じゃ! その甲冑は……ま、まさか!」

若葉「ちょうどいい、こちらも挨拶しておこうか。利根さん!」

利根「うむ、まかせよ!」バッ

 スプリングフロア <ズバーーン!

ツバキ「な、なんやてぇ!?」バカーン

リンメイ「あいやあぁ!?」ズガーン

初春「な!? なぜ罠がメディウムたちを襲うのじゃ!?」

キャロライン「待って、ソニアはここにいないはずヨ!」

初春「だとしたらあれは一体……!?」



908: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:42:00.80 ID:fbyM/x1xo


武蔵「驚いたか? それならもっと驚かせてやろう……!」ググッ

武蔵「行くぞ! クエイクボム!!」ダンッ!

 グラグラグラグラ!!

初春「なんじゃとぉ!?」ヨロッ

サム「ゆっ、揺れてるううう!?」ガタガタガタ

利根「そして吾輩の援護射撃である!」ドンドンドンッ

メディウムたち「「「きゃああああああ!?」」」

朝潮(中破)「う、うああっ!」

若葉「これも……返すぞ!」ブンッ

 メガバズソー <ガラガラガラガラ!

リンメイ「わ、ワタシのコマがこち来たね!?」オロオロ

ジェニー「投げ返されるとか聞いてないわよ……きゃああ!?」ガシャーン

若葉「これでとどめだ……」ジャキッ

 若葉の艤装→ガトリングアロー <ガガガガガッ!

リンメイ「い、イヤアアア! こんなの聞いてないネー!!」ドスドスッ

ツバキ「ゆ、許さへんでええ!」バスバスバスッ

キャロライン「な、なんで、ブリジットと同じ武器を持ってるノ!?」



909: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:42:49.83 ID:fbyM/x1xo


初春「く……若葉、貴様らさては……フォージド兵を!!」

若葉「その通りだ」

(若葉の艤装から、金色の西洋の甲冑をまとった兵士が現れる)

若葉「若葉のフォージド兵はガトリングアローのフォージド兵……ブリジットと同じ性能を持つ、メディウムの模倣体だ」

武蔵「向こうの世界のことをル級に教えてもらったよ。お前たちが魔神討伐を旗印にした複数の勢力と戦っていたことを」

武蔵「そいつらが、魔神への対抗策として作った人造の兵士……それがフォージド兵だな?」

キャロライン「……」グッ

武蔵「お前がそんな怖い顔をするとは……嫌われたものだ」

利根「それだけこのフォージド兵が脅威であったということだな。残るはおぬしたちだけじゃ、観念せい」

キャロライン「……初春、どうするノ?」ジリッ

初春「……まだじゃ。まだ……」ジリッ

若葉「霞! 後ろだ!」

霞「!」

朝潮「うガあああッ!!」グワッ!

ハナコ「ええ~い!」ブオン!



910: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:43:47.93 ID:fbyM/x1xo


霞「やらせないったら!!」バッ

 デルタホース<ガッシャンッ!!

朝潮「ひああああああああ!?」ビクビクッ

ハナコ「いやああああん!?」ビクーンッ

武蔵「おお、うまいこと二人乗りになったな」

霞「もう少しまともな罠だったら良かったんだけど!」ポ

初春「……おのれ、おのれぇええ!」ギリギリギリッ

若葉「もういいだろう。提督は死んだ。初春姉さんもそうだ」

若葉「死んだ者はよみがえらない。静かに、眠っててくれ」

初春「……眠れじゃと? わらわたちは……死んではおらぬ! 提督もそうじゃ!」ブゥン!

 ガキッ!

若葉「そうか……それは悪かった」ググッ

若葉「だが、だからと言って、死にかけた者が今生きている者を殺すことは看過できない」グンッ

初春「ぐうっ!?」ドテッ

キャロライン「ハツハル、大丈夫!?」タタッ

若葉「それがたとえ姉妹艦だとしてもだ。第二十一駆逐隊、旗艦としての務め、果たさせてもらう」ジャキ

初春「……!」

キャロライン「……ノー……!」ギュ



911: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:44:34.33 ID:fbyM/x1xo


ル級「ソノクライニ、シテアゲタラ?」スッ

 マンリキスピン<ガキガキン

キャロライン「ワッツ!?」ガッシリ

初春「なんじゃあ!?」ガッシリ

 マンリキスピン<ギュギュィィィイイイイン!

初春&キャロライン「「アーーーーーーーれーーーーーーーー!?」」ギュオワァァァァ!

利根「ル級もフォージド兵を載せておったのか」

ル級「一応ネ」

 マンリキスピン<ピタッ

キャロライン「ハラヒレホロハレ……」パターン

初春「な、なんの、これしき……」フラフラ

 ゴンッ

初春「きゅう……」バターン

武蔵「当て身」

霞「砲身で殴るのを当て身とは言わないと思うんだけど」

ル級(見覚エガアルワネ、コノヤリトリ)

若葉「よし、これ以上悪さをされないうちに縛っておこう。利根さん、悪いが手伝ってくれ」ドサドサドサッ

武蔵(どこから出したんだあのロープ)



912: ◆EyREdFoqVQ 2017/08/27(日) 01:45:30.63 ID:fbyM/x1xo

今回はここまでです。


ここまできたので、簡単にですが補足を。

>フォージド兵とは
魔神に対抗しうる力として研究されていたのが、メディウムの偽物、フォージド兵士。
実際のゲームでは、単純にフィールドを駆け回ってプレイヤーキャラを追い回すだけなので
彼女たちが罠を使うことはありません。
また、通常の敵は、一度アーマーを壊せば防御力が激減しますが、
フォージド兵は、二回アーマーを壊す必要がある、という程度の差です。
今回の作中では、メディウムの模倣コピー=罠も使える→じゃあ艦娘に載せて、
任意のタイミングで罠を使わせる、という設定にしました。

>>905
DMM影牢は、自分が罠に巻き込まれることはありません。
なので、結構難易度は低めです。初心者を呼び込みやすく、という配慮があったのかと予想できます。
残念ながら1年でサービス終了してしまいましたが、出来ればもう一度復活して欲しいものです。



914: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:10:20.65 ID:e+yJGW1Fo


とりあえずの現状。

広間で戦闘中
 若葉・霞・利根・武蔵・ル級

現在進軍中
 不知火・五月雨・敷波・潮
 摩耶・加古・軽巡棲姫
 大和・長門・陸奥・金剛
 雲龍・龍驤

では、続きです。



915: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:11:02.92 ID:e+yJGW1Fo


 * 研究所内 地下 *

 タッタッタッタッ

不知火「こちらです」

長門「……若葉たちは大丈夫だろうか」

陸奥「信じてあげるしかないわ」

陸奥「それに、私たちだっていつ足元をすくわれるかわかんないのよ?」

長門「そうだな……っ!」

 ズパァン!

長門「噂をすれば、か……!」

不知火「この鞭は……!」

電「そこまでなのです」

敷波「……もしかして、電!?」

電「敷波ちゃん、お久しぶりなのです」ニコ

敷波「な、なんだよ、メイドさんみたいな恰好しちゃってさ。艤装はどうしたの!?」

電「……電には、もう不要になったのです。艦娘ではなくなりましたから」

敷波「な……何言ってんだよ……」

長門「敷波、下がっていろ。彼女はもはや我々の知る電ではない」



916: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:12:04.76 ID:e+yJGW1Fo


敷波「……いや、でもだって……」

 ヒュッ

摩耶「危ねえ!」

 ガキン!

長門「!?」

摩耶「……へっ、いい度胸じゃねえか、朧!」ギギギギッ

朧「……」ギギギギッ

 バッ

朧「……」スタッ

陸奥「……あの黒服が朧なの……!?」

摩耶「そんじゃあ、ここはあたしが持ってやるよ。みんな、先に行ってな」

長門「そうだな。不知火、みんなを連れて先に行け」

摩耶「……あ?」

長門「私もここに残ろう。2対1……いや、3対1では不利が過ぎる」

摩耶「……3人って、誰が……っ!」ゾクッ

??「……う……」

敷波「……あれは……」

鳥海(半深海化)「……うう……うウうぅ……!」ブルブルブル

摩耶「鳥……海……っ!!」



917: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:13:22.98 ID:e+yJGW1Fo


鳥海「うううあああアアアァアァァアアッ!!」ドンドンドンッ

摩耶「鳥海っ!!」

加古「ほら、避けなって!」ガシッ

摩耶「うあ!?」ガッ

 ドカァン

加古「ぼけっとしてんじゃないよ、あたしじゃないんだからさあ」ニヒヒ

摩耶「か、加古? 悪ぃ……けど!」

加古「んー……どう見ても正気を失っちゃってるねえ。なら、ここはあたしが引き受けちゃおうかな」

摩耶「で、できんのか!?」

加古「まあ、どーだかね~。そうでなくても、あたしは昔、鳥海に助けられたからね……今度はあたしが鳥海を助ける番だよ」

潮「私も残ります……朧ちゃんは、私が……!」

敷波「じゃああたしは電ね。目を覚まさせてやるんだから」

長門「……不知火、行け!」

不知火「……わかりました。ご武運を」タッ

朧「……5対3、ですか」

長門「フ、周囲にメディウムを潜ませておいて、よく言う……」

朧「……」

長門「……」



918: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:14:26.63 ID:e+yJGW1Fo


朧「電」

電「はいなのです!」ヒュッ

 ズパァン!

敷波「うわっと!?」バッ

潮「きゃあ!?」バッ

 ズパパパパァン!

加古「あたっ! か、かすったぁ!」ヒリヒリ

摩耶「くそっ、駆逐艦娘が振るう鞭の攻撃じゃねえぞ!?」

潮「……! だ、だめ! 下がっちゃだめです! みんな、前へ走ってください!!」

長門「なに!? くっ!」バッ

 スローターファン<ガシャッ ギュィィイイイン!

敷波「うわあああ!? な、なんだあれ!?」

摩耶「引き寄せられるぞ! 走れぇぇえ!!」ダッ

長門「! いかん!!」

 スイングアンカー<ブォォォンン!

摩耶「!!」

長門「摩耶!!」ドンッ

 スイングアンカー<ガシャアアアン!!



919: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:15:43.12 ID:e+yJGW1Fo


長門「が……ふっ」ゲボッ

摩耶「な……」

潮「長門さあああああん!!」

敷波「長門さんが碇に引っかけられて部屋の奥に!!」

長門「ぐあ……っ!」ドシャッ

 ブラッディシザー<ジャキンッ!

長門「!!」

加古「今度はなにさ!?」

潮「あれは……オボロさん!?」

摩耶「ちくしょう、やらせるか!!」ダッ

 スパークロッド<バチバチバチッ

摩耶「うわっと!?」

電「近づかないほうがいいのです。鳥海さん、援護をお願いします」

鳥海「う、うぐガァあああ!!」ズドドンッ

敷波「うわああ!? ちょ、邪魔しないでよ!?」

加古「ったくもう! 鳥海はちょっとおとなしくしてなよ!」ダッ

潮「加古さん止まって!! 罠です!!」

 トゥームストーン < ヒュウウウウウウ…!

加古「やばっ……!?」



920: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:16:49.37 ID:e+yJGW1Fo


摩耶「やらせねえ!」

 10cm連装高角砲(砲架) < シャッ

 25mm三連装機銃 集中配備 < シャッ

 14号対空電探 < シャッ

摩耶「くっそがぁぁぁぁ!!」

 ドガガガガガン!

朧「……!」

 トゥームストーン < バラバラバラ…

摩耶「へっ、この摩耶様の上を取ろうなんて10年早いんだよ!!」

電「マ、マルヤッタさんの墓石を対空砲火で壊したのですか!?」

マルヤッタ「な、なんてことするじょーー!?」ポンッ

長門「今だ、この隙に……!」ダンッ

オボロ「しまった!?」

朧「! 逃がさない……!」

長門「逃がさない? それはこちらの台詞だ!!」バッ



921: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:18:16.11 ID:e+yJGW1Fo


 ニードルフロア<ズガッシャン!!

オボロ「うわああ!? し、下から!?」ドスドスッ

朧「な……!!?」ザスッ

電「きゃあああ!」ズドドッ

チェルシー「いったあああ!?」ザシュッ

長門「どうだ、一網打尽だ……!」ゲフッ

パメラ「ちょっと! 私たちが罠にかけられるってどういうことよ!?」パッ

イサラ「わ、わけがわかんないっす!」シュンッ

敷波「それは、こういうことだよ! それっ!」バッ

 スマッシュフロア< ズバーン!

パメラ「きゃああ!?」ビョーン

イサラ「も、もう引き籠もりたい……!」ビョーン

加古「よっし、いまのうちに鳥海を取り押さえて……」

??「そうはいきません」

加古「!」

鳥海の艤装から現れてスコップを振り上げるタチアナ「あなたがたは、ここで脱落してもらいます」ブンッ

加古「ああ、ごめんねえ」ニヤッ



922: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:19:35.78 ID:e+yJGW1Fo


 プスッ

タチアナ「!?」ガクン

鳥海「あ……」ヨロッ

加古「ちゃあんと予測済みなんだ」

タチアナ「鳥海さん!? 一体何が……」

鳥海「体が……痺れ……」

 鳥海のお尻に刺さったチュウシャキ< ブラーン

タチアナ「それは……あなたの仕業ですか!!」

加古「ほい、あんたもこっち来てー」ガシッ

マルヤッタ「じょ!?」グイッ

タチアナ「えっ!? あ、あなた何を……!」

加古「仲良く気絶しててもらえっかなー!?」グイッ

マルヤッタ「じょおおおお!?」

 ゴチーン!(タチアナとマルヤッタを頭突きさせあった音)

マルヤッタ「痛いじょ……」グラッ

タチアナ「なんてことを……!」グラッ

加古「で、ここに落とし穴があることもなんとなくわかるわけだ!」トンッ

マルヤッタ「ででで、出られないじょおお……!」ズボッ

タチアナ「この私が、墓穴を掘るなんてぇ……」ズボッ



923: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:20:25.41 ID:e+yJGW1Fo


加古「よーし、鳥海確保したかんな!!」

敷波「やった! じゃあ残りは……」

マリッサ「やらせないわよぉおおおお!!!」

 クラーケン<ギュオオォォオオオオ!!

敷波「うわあああ!?」

マリッサ「うふふふ、まずはあなたからねええええ!!!」グワッ

摩耶「どいてろ敷波! 摩耶様がやってやらあああ!!」グワッ

 ザシュザシュザシュ!!

マリッサ「……え?」

 クラーケン<バラッ バラバラバラッ

マリッサ「な、なによそれえええ!?」

 摩耶の艤装→ブラッディシザー

摩耶「ふっふーん、どぉだ、参ったか? こいつでお前のタコ脚を微塵切りにしてやったぜ!」ニヤリ

朧「……そこまでです」グイッ

朧に羽交い締めにされる潮「お、朧ちゃん……!」

長門「! いつの間に……!」

朧「潮。悪いけど、あたしたちは負けられない。ここから立ち去って」



924: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:21:56.32 ID:e+yJGW1Fo


摩耶「朧、手前……姉妹艦を人質に取るのかよ!」

朧「……立ち去ってください、摩耶さん」グッ

潮「お、朧ちゃん……やめて、苦し、い……!!」ギチギチッ

朧「早くしないと、潮の首を折ります」ギチッ

潮「……かっ……お、おぼ……っ……!!」ギリギリギリッ

摩耶「やめとけ! お前ら、ただじゃ済まないぞ!」

朧「何がただじゃ……え?」

 ズルッ

電「こ、この感触は……」

 ズリュズリュズリュ…

パメラ「いたたた……な、なにこれ」

チェルシー「何かが脚に……ひ、ひええええ!?」

 潮の衣服の隙間から伸びてきたクラーケン<ズリュリュリュリュリュ…

朧「ひ、ひぃい!?」シュルシュルシュルッ

電「や、やだ! 離れてください!!」ガシッ

イサラ「か、勘弁してくださいッス!」グイッ

マリッサ「ああん、私までええ!?」シュルルルッ

摩耶「やべえ! 長門さん回収急げ!!」ダッ

敷波「う、うん!」



925: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:23:38.46 ID:e+yJGW1Fo


加古「鳥海も一緒に避難しようかね~、よいしょっと」ズルズル

鳥海「うう……あ、あれは……」

加古「わかりやすく言うとさ、あたしたちもメディウムの偽物載せてんのよ」

加古「長門さんがニードルフロアで、摩耶がブラッディシザー、あたしはチュウシャキで……」

加古「敷波がスマッシュフロア、そんで潮がクラーケンなのよ」

鳥海「……それで……」

加古「うん。潮の服の隙間から、クラーケンの触腕がたくさん出てきてて、向こう側のみんなの体を這いずり回ってんのよ……」

鳥海「……うわあ」

加古「うん、ありゃー目に毒だわ」

 イヤアアアア! フクノナカニハイッテキタノデス!!
 コ、コンナノキイテナイワーー!
 キャアア! ハ、ハイッテコナイデエエ!!
 ソンナトコ、イジッチャイヤアアア!!

摩耶「……うわあああ」マッカ

長門「敷波には見せられないぞ」メカクシ

敷波「そうなの? その前に、既に聞こえてくる声がすっごいんだけど」ポ

長門「なあ、その……クラーケン、止められないのか?」

摩耶「潮が気を失ってるからなあ。こりゃ潮が目を覚ますまで退避しといたほうがいいな」



926: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:25:23.54 ID:e+yJGW1Fo


 * 一方その頃 若葉のお仕置きタイム *

初春「……で」

(初春とキャロラインが背中合わせでロープで拘束されている)

初春「どうして亀甲縛りで転がされておるんじゃ、わらわたちは!」

キャロライン「ハツハル、動かないデー! ロープがこすれて痛イヨー!」ウワーン

ジェニー「屈辱だわ……!」(←簀巻き)

サム「よもやこのような辱めを受けようとは……!」(←椅子に拘束)

リンメイ「なんでこんな縛り方するかー!」(←大開脚)

若葉「趣味だ」

ツバキ「随分およろしい趣味どすなあ」(←吊され)

若葉「そう思うか!」キラキラッ

ジェニー「皮肉に決まってるでしょ! きらきらしてんじゃないわよ!」ガーッ

サム「……それにしても」チラッ

(お互いを抱きつかせるように向かい合わせに縛られてデルタホースに乗せられているハナコと朝潮)

サム「犯罪的な絵面ですね」

ジェニー「まったくだわ」



927: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:26:27.96 ID:e+yJGW1Fo


霞「朝潮! なんであんたパンツはいてないのよ!」

朝潮「もがぁ……」

霞「若葉! ロープで作った猿轡、外しなさいよ!」

若葉「朝潮が意味不明なことを叫ぶから、黙らせろと言ったのは霞だろう?」

霞「そりゃ言ったけど! そもそも、なんでパンツの代わりが絆創膏なのよ!」

利根「それなら吾輩もそうじゃぞ?」スカートメクリ

霞「なんで利根さんも貼ってるのよ!」

利根「朧の使っていた絆創膏じゃが、具合が良くての。衝撃に強く、はがすとき痛くない!」ドヤッ

霞「いいからあんたたち全員ちゃんとパンツはきなさいよ!」

武蔵「こ、この武蔵もか?」カァァ

霞「ちょっ……当たり前でしょ! なんで顔を赤くすんのよ!」

武蔵「な、なあツバキ、お前もそう思わないか」

ツバキ「なんでうちに振りますのん」

武蔵「だってお前もさらしだろう?」

ツバキ「うちは下帯どす」

霞「どっちでもいいわよ!」ガーッ



928: ◆EyREdFoqVQ 2017/09/11(月) 00:27:56.95 ID:e+yJGW1Fo


ハナコ「どっちでもいいですから、早く降ろしてくださ~い!」ギシギシ

朝潮「んふううう」ビクビクッ

霞「しょ、しょうがないでしょ! この罠のひっこめ方わかんないんだから!」

ハナコ「だいたい、さっき降ろしてくれたのに、縛ってからまた乗せるとかわけわかんないです~!」

若葉「この縛り方は三角木馬に乗らないと絵にならないんだ」キリッ

ハナコ「え~ん、この人、何を言ってるかわかんないです~~!!」

キャロライン「ね、ねえ、ハツハル……」ハァハァ

初春「な、なんじゃ、どうした!?」

キャロライン「な、なんか、だんだん、気持ち良くなってき」ハァハァハァ

初春「気をしっかり持つんじゃあああああああ!!」

ル級(ナニヤッテルノヨ、コノコタチハ)シロメ


 * そのころのモニタールーム *

ルミナ「なんだいこの変態博物館は」ドンビキ

フウリ「はわわわ……」カオマッカ

カサンドラ「は、はれんちです!」ハナヂ

ルミナ「まあ変態でも何でも、ニコ君に相談だ。」



938: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:45:54.34 ID:oCSrV6vmo


 * 太平洋上 研究施設の沿岸 *

赤城「艦載機のみなさん、用意はいい!?」

瑞鶴「第二次攻撃隊、稼働機、全機発艦!!」

蒼龍「……」

加賀「……蒼龍。何を躊躇っているの」

蒼龍「……いえ、こうしている間に、少尉の艦娘たちがメディウムと戦っているんですよね……」

加賀「そうね」

蒼龍「加賀さんは、何も感じないんですか」

加賀「赤城さんが抱えていた苦悩に比べたら、割り切ることが出来ている分だけマシなんじゃないかしら」

蒼龍「……加賀さんは強いんですね」

加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで」

瑞鶴「ちょっと加賀さん!?」

 * *

 ドーン

 ドンドンドン

 ドカァン

ヲ級(中破)「ク……ッ」

タ級「ヲ級ガヤラレタ!」

ヘ級「対空迎撃、急ゲ!」

 艦載機<ギュォォオオオ

 艦載機<バババババッ

チ級(大破)「!」ドォン

リ級「クソ、ナンテ数ダ……!」



939: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:52:51.93 ID:oCSrV6vmo


 * *

祥鳳「敵艦載機、全機撃墜しました!」

ローマ「砲戦、用意! 主砲……撃て!」

ビスマルク「逃がさないわよ!」

プリンツ「Feuer ! Feuer !!」


朝雲「敵潜水艦発見! 山雲、行くわよ!」

山雲「りょーうかーい!」

古鷹「加古は大丈夫かなあ……」

筑摩「姉さんも頑張ってるかなあ……」


那智「どうだ、まだ来るか……!?」

千歳「……敵影はひとまず途切れたみたいね」

足柄「そう? みんなは大丈夫なのかしら……」

島風「今のところは優勢みたいだよ?」

白露「私たちも提督に会いに行きたいけど……今はこっちに集中しなきゃね」


 * 戦闘海域の後方 中佐の巡視船内 *

通信(ヴェールヌイ)『司令官、敵艦隊の前衛を八割方撃退したよ』

中佐「よし。このまま徐々に追いつめるぞ、ただし、深追いはするな。あまり追い詰めて撤退させない程度に押しては退いてを繰り返せ」



940: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:53:51.30 ID:oCSrV6vmo


H中将「中佐。潜入した艦娘たちはどうなったんだ?」

中佐「交渉は決裂したとの連絡を受けました」

H中将「それでは……」

中佐「艦娘たちは、魔神となった提督少尉との直接交渉のため、メディウムとの交戦を開始したとのことです」

中佐「泊地棲姫もまた施設内にいるとの報告があり、交戦は避けられないとの判断……」

中佐「泊地棲姫の部下に泊地棲姫を援護させるわけにもいきませんし、殲滅して泊地棲姫を怒らせるわけにもいきません」

H中将「このまま時間稼ぎするつもりか」

中佐「ええ。彼女たちは提督少尉を止めるため頑張っています。そのためにも、ここは我々が繋ぎ止めてジリ貧に追い込む……」

中佐「そのために知り合いや協力できる艦隊に援護を募って、今こうして戦っています」

通信『X中佐、聞こえるか。こちらW大佐艦隊。外洋からの深海勢力の撃退に成功、引き続き警戒に当たる』

中佐「ありがとう、よろしく頼む」

中佐「艦隊聞こえるか。このまま戦線を徐々に前へ詰める。後顧の憂いはW大佐たちに絶ってもらっている」

中佐「メディウムたちの奇襲に警戒しつつ、前進だ……頼んだぞ」

通信(ヴェールヌイ)『了解』

H中将「こうなると、うまくいってくれることを望むだけだな……!」

中佐「ええ。そのためにも、今は僕たちができることに全力を尽くしましょう……!」




941: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:54:32.32 ID:oCSrV6vmo


 * 施設 地下通路 *

 タッタッタッタッ…

龍驤「なあ、長門を連れてこないで、ほんまに良かったん?」

陸奥「仕方ないでしょ。長門がああ言い出したら止められないもの」

龍驤「まあ……せやけど、長門だって提督に言いたいことたくさんあったんちゃうんか」

雲龍「……ここにいる人たちはもっと切実な人たちだと思う」

五月雨「……」

金剛「……」

大和「……」

不知火「……」

軽巡棲姫「……」

龍驤「……あぁぁもぉぉ、空気が重たいなあ」

金剛「Hey, 龍驤。私はあなたの軽口、嫌いではありませんヨー?」ニコッ

龍驤「……そう? せやったらもう少しお喋り……あ、あかんわ。敵さんおるやん」

金剛「!」

雲龍「正面の扉に敵影1……ね」

不知火「強行突破します」ジャキ



942: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:55:23.26 ID:oCSrV6vmo


 ドンドンッ

 扉<ドカァン

金剛「Oh, 物騒なドアノックですネ!」

大和「本当に物騒なのは、その扉の向こうの相手ですよ……!」

扉の先の人影「……!」

 バシュバシュバシュッ

 深海艦載機<ブゥゥゥン!

不知火「敵艦載機……!」

龍驤「艦載機のみんな!」バッ

雲龍「行って」バッ

 烈風&流星改<ブルーン!

 バババババッ

 ドドドドンッ

龍驤「よぉっし、制空奪ったでぇ!」

不知火「しかし……この程度では動じてくれませんか」

金剛「さすがは泊地棲姫ネ」


泊地棲姫「……来タノカ」ジロリ



943: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:56:16.15 ID:oCSrV6vmo


泊地棲姫「外ガ騒ガシイト思エバ、今度ハコチラカ……忌々シイ艦娘ドモメ……ッ!」

大和「……泊地棲姫。ここは通してもらいます」

五月雨「司令官に……提督に会わせてください!」

泊地棲姫「会ッテドウスル。オマエタチガ会ッタトコロデ、コノ先ノ未来ハ変エラレナイ……!」

人影×2「」タッ

金剛「あれは……!」

大和「来ます! 金剛さん!」

 ガガッ

金剛「……ブッキー……!」ググッ

吹雪「……お久しぶりです、金剛さん!」ググッ

大和「如月さん……背が伸びましたね」ギギッ

如月「成長したのは、背丈だけじゃありませんよ」ギギッ

 バッ

不知火「……3対8……ですか」

陸奥「数で有利と言っても、姫級がいるのよ……って、こっちにもいたわね」

軽巡棲姫「怖ジ気付イタノ?」

雲龍「まさか」



944: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:57:16.87 ID:oCSrV6vmo


龍驤「ま、メディウムもその辺に控えてるんやろからなあ……数はあてにならんよ?」

五月雨「でも、やることに変わりはありません!」

金剛「Yes ! 提督に会わせてもらうネー!」

大和「いきましょう!」

金剛&陸奥「「全砲門!」」バッ

陸奥「開け!」ジャコン

金剛「Fire !!」ジャコン

大和「行きます!」ジャコン

軽巡棲姫「……」ジャコン

如月「っ!」バッ

 ドガガガン

泊地棲姫「……ッ!」ドドォン

不知火「如月たちはうまく避けましたか……」

陸奥「泊地棲姫もさすがに頑丈ね……!」

ディニエイル「あなた方はどうなのでしょうね? ミス陸奥?」ヒュッ

 コールドアロー<シュパッ

不知火「! 陸奥さん!」バッ



945: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 21:58:43.21 ID:oCSrV6vmo


陸奥「不知火!?」

 コールドアロー<パキィン

不知火「くぅ……腕が……!!」ピキパキッ

キュプレ「隙ありぃ! くっつけちゃう!」

 ペッタンアロー<ヒュパッ

龍驤「あ、あかん!」バッ

 ペッタンアロー<ペタッ

龍驤「って、な、なんやこれ!? あかん、うちがあかんでええ!?」グイーン

陸奥「龍驤!」

リンダ「ぺったんこの子にぺったんアローがくっついたんやね。て、どんな洒落やねんな!」パッ

龍驤「!」

リンダ「怖い顔せんで、この辺でリタイアしとき!」ローリングボムカマエ

雲龍「いけない……!」バッ

ノイルース「あなたの得物は式神ですか。陸奥さんともども、よく燃えそうですね」メラッ

雲龍「な……!」

陸奥「やらせないわよ……!」



946: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:00:10.33 ID:oCSrV6vmo


 ピキッ

ノイルース「? この冷気は……」

 ピキパキパキッ

陸奥「全砲門、装備換装!」ジャキン

ノイルース「陸奥さん……まさかあなたが載せているのは」

陸奥「自分で凍らせてしまえば、砲塔の爆発なんて怖くないわ」ニヤッ

 陸奥の艤装→コールドアロー砲台<バシュバシュバシュッ!

ノイルース「な……!!」ピキパキパキッ

泊地棲姫「クウウ!? ナンダ……氷ノ雨カ!?」ピキッ

ディニエイル「部屋中、氷漬けに……!」

吹雪「見境なしですか!?」

イブキ「やばっ、ノイルースが凍っちまう! 今解かすから待ってくれ! うおおおお!」

 ヒートブレス<ゴォォォ!

 ジュウウウウ…

イブキ「ど、どうだノイルース!?」

ノイルース(凍結)「」

イブキ「あ、あれ?」



947: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:01:57.00 ID:oCSrV6vmo


不知火「すみません、助かりました」シュウウ…

イブキ「え、ええええ!? 解かしたいのはあんたじゃねえっての!!」

ディニエイル「ならばもう一度凍らせるまでです!」ギリッ

不知火「同じ攻撃を二度も食らうほど、この不知火も間抜けではありません……!」シュッ

不知火「ましてや、かつて力を借りて戦ったあなたなら、なおのこと……!」ドンッ

 不知火の砲弾→ファイアーボール<ゴォォォ!

ディニエイル「な!?」ボワッ

不知火「自分の氷を解かすために、無駄弾は撃ちたくありませんでしたので」

ディニエイル「あちっ! 熱、あちー!?」メラメラメラ

リンダ「ちょ、イブキもデニやんも、なにしとん!?」

如月「こうなったら……吹雪ちゃん!」バッ

吹雪「はいっ! 各個撃破で行きましょう!」バッ

五月雨「!」

大和「五月雨ちゃんを狙いますか!」バッ

金剛「あなたたちの相手は私たちデース!」バッ

如月「そうやってまとまったところを……」

泊地棲姫「狙イ撃ツ……!!」ジャキン



948: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:03:35.27 ID:oCSrV6vmo


龍驤「……今やぁ!!」

 スリップフロア<パキパキパキーーン!

泊地棲姫「ウオア!?」ズデーーン

如月「きゃあ!?」ズルーン

吹雪「えええ!?」ビダーン

リンダ「んなアホなーー!?」スッテーン

キュプレ「イヤーン!?」ツルーン

イブキ「ギャフン!?」ベターン

不知火「この隙に突破しましょう!」タッ

金剛「龍驤! 早くこっちに来るデース!」

龍驤「ちょい待って! うちも動けへんねん!」ツルツルッ

金剛「それなら私の奥の手を使いマース! これに捕まっててくだサーイ!」

 金剛の艤装→ペッタンアロー<チャキッ

ベリアナ「そうはいかないわ」ズオッ

 ブラックホール<ギュワァァァァ!

金剛「!?」

 ペッタンアロー<バシュ!



949: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:05:02.74 ID:oCSrV6vmo


 ブラックホール<ギュゥゥゥン ペターン

金剛「Oh !? 私の arrow が black hole に吸い込まれまシタ!?」

陸奥「だ、大丈夫なの!?」

金剛「何かにくっついてマス! どなたか引っ張るのを手伝ってくだサーイ!」グイッ

五月雨「えええ!? お、お手伝いします!」グイーッ

 ペッタンアロー<スポーン

金剛「Okey , 五月雨、nice assist デース!」

五月雨「金剛さん、矢の先っぽに何かついてますよ?」

金剛「? なんでしょウ、紐みたいな布きれのような……」

ベリアナ「それ私のビキニよぉぉぉ!!」スッポンポーン

金剛「!?」

五月雨「ベリアナさん!?」

キュプレ「ベ、ベリアナったら何をしてるのぉ!?」

ケイティー「こうなったら、私が……旦那様のもとには誰も近づけさせないわ!!」グワッ

雲龍「……どいて」ビュッ

 フライングケーキ<ビューン

ケイティー「!?」ベチャ



950: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:05:58.22 ID:oCSrV6vmo


ケイティー「……」

雲龍「……」

ケイティー「なんのつも」

雲龍「えい」

 フライングケーキ<ビャッ

ケイティー「り」ベチャ

 フライングケーキ<ビャッビャッビャッ

ケイティー「かし」ベチャベチャベチャ

雲龍「……」

ケイティー「……」ベッチャリ

雲龍「……」ビュシ

ケイティー「ら」ベチャー

雲龍「……」

ケイティー「……」

ケイティー「あな」

雲龍「……」ビュ

ケイティー「た」ベチャ

雲龍「……」



951: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:06:49.36 ID:oCSrV6vmo


ケイティー「……いっ」

雲龍「……」ビャッ

キュプレ「わぷぅ!?」ベチャ

雲龍「あ、ごめんなさい。手元が狂ったわ」ビャッ

ケイティー「たい」ベチャ

雲龍「……」

ケイティー「……何を考えてらっしゃるの……」ベッチャリー

雲龍「……」

ケイティー「……ちょっとあなた……自分がやったことについて、何か一言、言うことはなくて?」ケーキマミレー

雲龍「……自分でやっといて言うのもおかしいけど……あなた、おいしそう」

ケイティー「!?」

雲龍「少しでいいから……食べさせて」ニジリヨリ

ケイティー「な、何を言ってるの!? そういう行為は、だ、旦那様にしか許してないわ!?」ジリッ

雲龍「ひとくちでいいから」ジュルリ

ケイティー「……い、い、いやあああああ!?」ダッ

雲龍「……逃げちゃった。じゃあ、あなたにしようかしら」クルリ

キュプレ「え」ベチャー



952: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:08:26.03 ID:oCSrV6vmo


雲龍「ひとくち、ちょうだい?」ペロ

キュプレ「」

雲龍「うん。甘くて、おいしい」

キュプレ「……ひやああああああああああ!?」カオマッカ

雲龍「?」クビカシゲ

キュプレ「だだだ駄目です! 私は人と人とを結びつけるのがお仕事であって、私が誰かと結びつくわけにはっ!?」ズザザッ

雲龍「あ、逃げないで。もうひとくち」アーン

キュプレ「駄目です! 駄目ったら駄目です! 私はそういうことしちゃ駄目なんですぅぅぅ!!?」ズザザザザッ

雲龍「……逃げられちゃった」ションボリ

泊地棲姫「何ノ茶番ダァァァァ!!」ウガーー!

陸奥(そういえば戦闘中だったわ……)

泊地棲姫「ニーナ! 来イ! 全員コノ場デ切リ裂イテヤル!!」

ニーナ「はいっ!」パッ

泊地棲姫(ペンデュラム装備)「食ラエエエエエ!!」ブォォン!

五月雨「そ、そうは、いきません! えーい!」

 バナナノカワ< ポイッ

泊地棲姫「エ」ギュム



953: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:24:41.19 ID:oCSrV6vmo


泊地棲姫「キャアアアア!?」ズルーーン!

 ズドデェェェェン!

泊地棲姫「キュウ……」ピヨピヨピヨ

ニーナ「もういや……」ピヨピヨピヨ

陸奥「す、すごい音がしたわね」

五月雨「だ、大丈夫なんでしょうか……」オロオロ

不知火「泊地棲姫は陸上型ですから、格別に効果的だったんでしょう……多分」

吹雪「き、如月ちゃん……!」

如月「……」

大和「この辺で諦めてもらえませんか、如月さん」

如月「……っ」

大和「私にはもうわかってますよ。ここに……」

 フォールニードル<ガララララッ

五月雨「きゃあああ!?」

大和「ナンシーさんが潜んでいることも」スッ

 フォールニードル<ガキッ

五月雨「お、落ちてくる天井を傘で受け止めるなんて……」

大和「二回目ですから」スッ

金剛「大和の電探は対空電探デスネー」



954: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:25:47.41 ID:oCSrV6vmo


 大和の艤装→サーキュラーソー<チャキッ

如月「う……」グッ

大和「これ以上、戦う意味はありますか?」

吹雪「如月ちゃん!」ダッ

金剛「ブッキーも動かないでくだサーイ!」バシュッ

吹雪「そんな見え見えのペッタンアローに捕まったりは……」

 バナナノカワ<ギュム

吹雪「あいたーーー!?」ズッテェェン

五月雨「あっ、私の罠をしまってませんでした!」

金剛(吹雪もドジっ子属性持ちデスカ……)

 ペッタンアロー<ペタッ

吹雪「ひゃうっ!?」

金剛「Oh...矢がブッキーのお尻に命中しましたヨ……」

五月雨「え!? ってことは……」

 ペッタンアロー<グイッ スポーン

吹雪「い、いやああああああ!?」



955: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:26:28.42 ID:oCSrV6vmo


ペッタンアローにくっついてきた吹雪のパンツ「やあ」

金剛「……ブッキーが戻ってきました……」

五月雨「……はい……」

金剛「……変わってないみたいで何よりデース……」

五月雨「……はい……」

吹雪「見ないで! 見ないでえええええええええ!?」

如月「……」

如月「……はぁ」

大和「如月さん?」

如月「なんだか、戦うのが馬鹿馬鹿しくなってきちゃったわ」

ナンシー「如月ちゃん?」パッ

如月「だって、そうでしょう? 吹雪ちゃんと金剛さんのやり取り見てたら、あの島で過ごしてた時のことを思い出しちゃって……」

如月「なんだか、戦える気分じゃなくなっちゃった」クスッ

大和「如月さん……」

如月「大和さんたちだって、提督に会いたくてここへ来たんでしょう?」

如月「長門さんだって、最初は和解しようとしてくれた。私たちが受け入れられる話かどうかは別にしても、ね」

大和「……」



956: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:27:26.39 ID:oCSrV6vmo


如月「ね、ナンシーさん。みんなを、司令官に会わせてあげたいんだけど、駄目かしら?」

ナンシー「あ、あたしはいいと思うんだけどぉ……ニコちゃんはなんて言うかなあ?」

ルミナ「私は如月君の意見に賛成だよ」スッ

ナンシー「ルミナ!?」

ルミナ「これ以上の抵抗は、私たちの被害が広がるだけで意味がない。残念ながら私たちの『説得』は失敗だ」

ルミナ「君たちが持ち込んだフォージド兵のおかげで、私たちは総崩れ。ニコ君も渋々だろうが承知してくれるさ」

如月「……」

ルミナ「大和君。私たちは、君たち艦娘に対しては一枚岩じゃない」

ルミナ「ニコ君やケイティー君のように、人間に与する者を徹底的に敵視している者もいれば」

ルミナ「ナンシー君やフウリ君のように、かつて魔神君に仕えていた艦娘である君たちとは仲良くしたいと思っている者もいる」

ルミナ「皆が皆、君たちを排斥したいわけではないよ。とにかくこの場はお互い矛を収めよう」

大和「……わかりました」スッ

軽巡棲姫「……ソンナコトヨリ、早クコノ場ヲ収メタホウガイイワ」ユビサシ

ルミナ「んん?」クルッ




957: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:29:42.52 ID:oCSrV6vmo


龍驤「で、誰がぺったんこやて聞いとん。答えてみいや」エリクビツカミ

リンダ「い、いややわあ姉さん、うちの失言やー認めるから。やから、堪忍。堪忍して」ボロッ

龍驤「悪かったなあ、つるっつるのぺったんこで? どーせみんなに比べたら、うちの胸部装甲は摩擦係数ゼロや。アイスバーンや」

リンダ「そ、そんなことない! ていうか、うちそんなこと言ってへんて!! せやから落ち着いて……」

龍驤「ほーぉ、そんなことないんやったら、うちの胸がどこにあるか当ててみ? ほれ、どこにあるんや」ギヌロ

リンダ「せ、せやから姉さんもうやめてえな! 弄りすぎたんは悪かったって! ほんまに堪忍! 堪忍やーて!」ナミダメ

イブキ「ちょ、ちょっと、誰かあの人止めてくれ!」ボロッ

陸奥「雲龍、早く龍驤を慰めてあげて!」

雲龍「……もっとケーキ食べたかった……」ズーン

陸奥「あとで買ってあげるから! 早く!」

不知火「それよりイブキさんは早くこちらに」

ディニエイル「ノイルースを解凍してあげてください」

ノイルース(凍結中)「」カチーン

イブキ「お、おう」


金剛「ブ、ブッキー、元気を出すデース……」

吹雪「いいんです……私はどうせ全然成長してないお子様下着のもと駆逐艦娘なんです……」タイイクスワリ

五月雨「そ、そんなことないですよ! 胸だって大きくなってるし!」

吹雪「栄養が全部胸に行って頭の中身はそのまんまって、最悪の成長パターンですよね……ええ、わかります」

金剛「Oh, ... こんなに Negative な吹雪は吹雪じゃないデース、元気出してくだサーイ!」

吹雪「ふふふ……元気だけが取り柄の私がこんな風になったら本当に役立たずですよね……ほっといてくださっていいんです……」

五月雨「そんなことより早くぱんつ履いてください! 風邪をひきます!」

吹雪「……ああ、空はあんなに青いのに……」

金剛「現実逃避しないでくだサーイ! ここは地下デース!!」ガーン


ルミナ「……」

軽巡棲姫「……」

如月「……」ズツウ

大和「休戦、しましょうか……」

ナンシー「さーんせーい!」バンザーイ



958: ◆EyREdFoqVQ 2017/11/05(日) 22:32:54.64 ID:oCSrV6vmo

というわけで今回はここまで!

当初ここまで物語を大きくするつもりはありませんでしたが、
1スレでは収まらない文章量になりそうです。
はみ出す分は僅かだとは思いますが、続きを落とせそうになり次第、
2スレ目をたてようと思います。

それではまた。



963: ◆EyREdFoqVQ 2017/12/09(土) 13:45:51.03 ID:ND/lmMdGo


こちらの本編はもう少しお待ちを。

保守のついでに、この鎮守府とは関係ない過去作です。


提督「明石、下着を買いたいんだが」明石「へっ!?」

朧「秋月型の机の上からカニ食べ放題のグルメ雑誌が見つかった」



元スレ
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467129172/
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         コメント一覧 (22)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 19:16
          • E:罠抜けの腕輪

            影牢っていうのは知らんが、これでイージーモード!
            今から鎮守府(SS)に突入します!
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 19:27
          • 終わったブラゲ…
            そういや感染×少女と引っ掛けたらとか考えたことあったっけ
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 19:29
          • 人造人間サイコ・ショッカー「ここからは俺の時代だ!」
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 19:50
          • 元ネタのブラゲって終わったの大分前だよな……と思ったらタイムスタンプゥーー!!!
            何故今更これを?
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 20:01
          • ※3ごめんなさい、罠対策はリブートで間に合ってます
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 22:32
          • 本家の方かと思ったけどトラップガールのほうか
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 22:38
          • あぁ、そんなブラゲー在りましたね

            久しぶりにレグリナの尻でも眺めるかな
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月15日 22:41
          • へんなの→💥の実家が罠だらけかと思ったら
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 00:05
          • おい
            なぜこれだけでまとめた
            エタったのか?
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 00:20
          • ブラゲはやってなかったけどゲームは好きだったな
            自分ではそんなコンボ組めないけど
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 04:14
          • 蒼魔灯の部屋跨ぎコンボ大好き
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 04:27
          • ※1
            罠の発動を防ぐ腕輪といっても事故によってスイッチを踏まなくなるだけだから
            罠を設置した場所の凶器諸々を起動する影牢式の罠相手じゃ罠が視認可能になる程度の恩恵しかないんでイージーモードにはならないっすね
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 11:01
          • これ2スレも立って現在進行形のはずだけどなんでまとめちゃったんだろ?
            管理人さんのフライング?
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月16日 23:12
          • 他にまとめられるネタが無かったんやろなあ
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月19日 03:20
          • 終わっていない……だと……
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月19日 18:46
          • キュプレがペッタンアローで士官Zと提督をラブラブにすれば争いもなくなって提督も死なずに済んだのにね。
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月19日 19:02
          • 影牢と言えばスエゾーやろ!
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月19日 21:39
          • ※17
            最初の隠し罠なんて、誰も覚えてないよ!!
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年01月22日 13:24
          • 5 ※9
            まだ連載中で完結してないのよこれ
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年02月21日 19:03
          • まさかの「つづく」で終わったでござるの巻

            でも無言でケーキぶつける雲龍で笑ったのでひとまず満足
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年04月11日 19:38
          • これの元が結構エグかったよな
            王女だか姫だかが魔物に転生して、説明も酷いものに…
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月19日 14:58
          • H別で草
            変換予測が本当に気になりますね……

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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