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【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その2】

関連記事:【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その1】





【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その2】






349: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:37:33.00 ID:JWJapmQSo

 * 戦闘海域 第一艦隊 *

 ヒュゥゥゥゥウウウウウウ…

金剛「?」

 バシャアァァアアアン!

泊地棲姫「ナンダ!?」

武蔵「島からなにか飛んできたぞ!?」

 ドカァァァァァン!

榛名「こ、今度はなんですか!?」

霧島「爆弾でも撃ったんでしょうか……」

ル級「アレハ……」ザァッ

比叡「えっ、ちょっと、どこ行くんですか!?」

霧島「! あの水しぶき……!」キッ

大和「まさか」

ル級「面白イモン、見ツケタヨ」グイ

大佐「ひ、ひぃい!?」ザバァ

ル級「オイ、オ前ハドウシテココニイル? 言エ」

大佐「お、おい! 大和! 早く助けてくれ!」

ル級「無視カ、イイ度胸ダ」ジャキ

大佐「ひっ、お、俺は、ば、爆弾を持たされてここまで飛ばされたんだ! 爆弾が手からすっぽ抜けて助かったんだ! 被害者だぞ!」

ル級「被害者? 面白イコトヲ言ウワネ」

泊地棲姫「寄越セ」グイ

大佐「ひぃいぃいい!?」



350: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:39:32.39 ID:JWJapmQSo

泊地棲姫「貴様カ? 私ノ塒ヲ攻撃シタノハ」

大佐「違う! 違う違う、ここここいつらだ! こいつらの提督だ!!」

泊地棲姫「本当カ?」ジロ

大和武蔵金剛比叡榛名霧島「……」ゴゴゴゴゴゴ

泊地棲姫「!?」ビク

大佐「!?」ビクッ

ル級「チョッ、チョットドウシタノ、アナタタチ!?」

武蔵「たった今、最悪の報せが入った」

武蔵「我らの提督が殺された」

ル級「ナンデスッテ……!?」

武蔵「その男に、な」ギロッ

大佐「ひ、ひぃいいいいい!」ビクビクッ

泊地棲姫「!?」ゾクッ

泊地棲姫(ナ、ナンダコノ悪寒ハ! コノ私ガ、恐怖シテイルダト!?)


 * 北東の砂浜 *

千歳「提督!」

フローラ「魔神様!」シュッ

大淀「提督!!」

ニコ「……」



351: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:41:39.67 ID:JWJapmQSo

ソニア「うわぁぁん、千歳お姉ちゃあああん!」ダキツキッ

千歳「ちょ、ちょっと!? ふ、フローラ、大淀、急いで!」

大淀「はいっ!」ダッ

フローラ「魔神様……」

大淀「……」

フローラ「……」フルフル

大淀「……」

千歳「……」

フローラ「……」グスッ

大淀「……」ポロ

千歳「……ちょっと、どうして泣いてるのよ二人とも」

大淀「脈が、とれないと……」ポロ

千歳「……」

大淀「……」ポロポロポロ

ヴィクトリカ「ああ、千歳さんか。丁度いいや、酒、持ってないか?」

千歳「……持ってきてるわけないじゃない、何言ってるのよこんなときに」

ヴィクトリカ「……呑まねえとやってられねえんだ。頼むよ」

千歳「どうせ呑んでもおいしくなんかないでしょ。そういうお酒、私はすすめたくないの」

千歳「それに、まだ敵が残っているのよ。ヤケ酒煽って戦える相手じゃないでしょう」

ヴィクトリカ「……まだ、やる気なのかい?」

千歳「私はこの人の部下の艦娘よ。これ以上あいつらに、提督と一緒に過ごしたこの島を、好きにさせるのは我慢できないわ」

ヴィクトリカ「……ハハ、あんたは強えなあ……しゃあねえ、もうひと暴れしてやるか」

千歳「……?」



352: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:43:20.91 ID:JWJapmQSo

千歳「……ねえ、フローラ?」

フローラ「は、はい!?」

千歳「それ、なにかしら……ほら、提督の胸で光ってるそれ」

フローラ「? これは……」

大淀「……?」グス

ミュゼ「丁度ご主人様が撃たれたところでは……?」

チェルシー「もしかして、弾が光ってる!?」

ニコ「どういうこと……?」

 ゾワ

ニコ「魔力の……奔流!?」

 メキッ

ニコ「魔神様の体から……魔力が!? 何かが、魔神様を包んでる……!?」

ヴィクトリカ「なんだこれ……鎧みたいだぞ?」

大淀「これは……深海棲艦の外装!?」

 メキメキ…パキメキパキパキパキッ

リンメイ「これ、どゆことよ! 師父、生き返るか!?」

ミュゼ「生き返るって感じじゃないですよ!? むしろ深海棲艦に……!?」

ソニア「そんな、魔神様は深海棲艦になっちゃうの!?」

千歳「……いったい、どうなってしまうの」ヘタッ

提督?「……」ムクリ

提督?「…………」キョロ キョロ…

提督?「……」ギロリ



354: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:49:30.04 ID:JWJapmQSo

 * 戦闘海域 第一艦隊 *

古鷹「第三艦隊、ただいま合流しました!」

五十鈴「千歳さんは島に帰還してるけど、第六艦隊4隻も合流。他の艦隊もじきにここへ集まるわ……!」

那智「第七艦隊も合流だ……!」


泊地棲姫「ナンダ……! コノ不穏ナ空気ハナンダ……!」ピリピリッ

泊地棲姫「艦娘ドモカラ……マルデ姫級ヤ、ソレ以上ノ気配ヲ感ジルノハ、ナゼダ……!」


 ザザザザァァァァ……!

泊地棲姫「コ、今度ハナンダ!? ナンノ音ダ!?」

 チリチリチリッ

泊地棲姫「! リ級カラノ通信……!?」

リ級fl『姫様! 多数ノ深海棲艦ガ、艦娘ニ怯エテ逃ゲ出シテイマス!』

泊地棲姫「!?」

リ級fl『艦娘ガ只事デハナイ殺気ヲハナッテイテ……皆浮キ足立ッテイマス!』

リ級fl『……統制ガ取ズ、戦線ヲ保テマセン! 私タチモ撤退シマス! 姫様モ早ク!!』

泊地棲姫「!?!?」

泊地棲姫(トイウコトハ、サッキノ音ハ撤退スル深海棲艦ノ波ノ音、トイウコトカ!?)

泊地棲姫「……撤、退」キョロ

 ジーッ(泊地棲姫と大佐の周りを取り囲み、黒いオーラを放つ艦娘たち40隻)

大佐「」ガタガタガタガタ

泊地棲姫「ヒィィィィ!!?」ビクーーーッ



355: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:50:40.66 ID:JWJapmQSo

武蔵「……なあ、泊地棲姫よ」ニコヤカー

泊地棲姫「ナ、ナンダ!?」ビクッ

大佐「」ビクビクビク

武蔵「実はな? 我々は、その男を貴様の好きにさせるつもりだったのだ」

霧島「その人があなたがたに喧嘩を吹っ掛けた張本人です。なので、彼自身に落とし前をつけてもらうつもりでした」

大和「ですが、私たちも気が変わりました。『それ』を、こちらへお渡しください」

大佐「そ、そうだ大和、お前は提督の下にいるより俺の部下に」


大和「黙れや、くそが」ギロッ


大佐「」チビリ

泊地棲姫「」

摩耶(うは、おっかねえ)

武蔵(大和は相変わらず提督のまねが上手だなあ)

不知火(この艦隊はブチ切れると司令そっくりになる人が多すぎます)



356: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:51:45.07 ID:JWJapmQSo

大和「私は提督の艦娘です。その提督を殺した輩を、私が許すわけがないでしょう?」

大和&パメラ「だから、私たちが、八つ裂きにして差し上げます」

摩耶&クリスティーナ「その前にぶっ飛ばしてやるよ」

最上&エミル「僕もぶっとばしてあげたいね」

金剛&キャロライン「私もブッ刺してあげマース」

如月&ナンシー「サンドイッチにしましょうよ金剛さん」

朝雲&ヴェロニカ「その前に磔刑よ」

伊8&ミーシャ「逆さづりにして」

川内&オボロ「引き裂いて」

榛名&コーネリア「串刺しにして」

隼鷹&ブリジット「蜂の巣にして」

吹雪&イブキ「火あぶりにして」

島風&リサーナ「真っ二つにして」

霧島&ルイゼット「最後は首を切り落としてあげましょう」

不知火&ディニエイル「それとも氷漬けにして粉々に砕いてあげましょうか」

那珂&アカネ「それとも木端微塵にしてあげようか?」

比叡&ミルファ「それともすり潰してミンチにしましょうか」

朧&シルヴィア「そのまま鮫の餌にしてあげてもいいですよ?」

那智「いいなあ、メディウムを載せてもらったメンバーは……」

五月雨「私たちにも、敵をとらせてください……!」

陸奥「当然よ……全員で、やりましょ?」ニコー

大佐「」ガタガタガタ

泊地棲姫「」シロメ



357: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:53:21.41 ID:JWJapmQSo

泊地棲姫「オ、オ、オイ、ル級、ナントカ……ッ!?」

ル級→ル級elite「……」

泊地棲姫(ナンカパワーアップシテルー!?)ビクーッ

泊地棲姫「オ、オイ、ル級、オマエ、アノ提督ヲ、ソンナニ気ニ入ッテイタノカ!?」

ル級el「……ソウ、ネ。アノ提督ハ、敵デアル人間ナノニ、私ノ苦悩ヲ理解シヨウト話ヲ聞イテクレタ」

ル級el「単純ニ、ウレシカッタワ、彼ノ存在ガ」

ル級el「ソウイウ、私ガ信ジヨウトシテイタ人間ヲ、別ノ人間ノツマラナイ理由デ殺サレテ……」ハイライトオフ

ル級el「マア、怒ラナイワケガ、ナイワヨネ?」ゴゴゴゴゴゴ

泊地棲姫「」シロメ

泊地棲姫(ナンナノコノ鎮守府……モウ帰リタイ)グスン

泊地棲姫(私ノ宝物ヲ壊サレタノハ癪ダケド……場ヲ離脱スルシカナイワ)

???「おい、お前ら何やってんだ」

艦娘たち「「「えっ?」」」クルリ

泊地棲姫「ダ、誰ダ!?」

白露「え!? 深海棲艦じゃないの!?」

深海棲艦?「ったく、揃いも揃って死んだ魚みたいな目をしやがって……」

川内「あれ? ……なんだろこの懐かしい感じ」

暁「暁もよく知ってる気が……ね、ねえ、ル級さん知ってる人?」

ル級el「知ラナイワ……確カニ同族ッポイケド、微妙ニ違ウワヨ。ツノノカタチトカ」

金剛「もしや、その声は……テートク……?」

古鷹「……ま、まさか……で、でも、水上に立ってますし」



358: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:55:06.83 ID:JWJapmQSo

深海棲艦?「まあ、見た目がだいぶ変わっちまってるからなあ……魔物だよこれじゃあ」

如月「や、やっぱりその声、提督よ!?」

ナンシー「あ~! もしかして~!」

メディウムたち「「「魔神様!?」」」

深海棲艦?→魔神提督「あ? ああ、これがマジンってのか。ツノやらキバやらついてて変な感じなんだが」

キャロライン「ダーリン、人間から魔神に転職しタノ!?」キャー!

比叡「それ、転職って言いませんよ!? っていうか、人間やめちゃったんですか提督!?」パニック

イブキ「ってえか、これ、深海棲艦も混ざってないか!?」

ニコをおんぶした長門「お前たち、無事か!」ザァァァァァ

ニコ「魔神様! 動いて大丈夫なの!?」

加古「なあなあ、こいつはいったいどういうことなんだ?」

長門「私が聞きたい! 提督が撃たれたと聞いて急いで駆け付けたら、こんな姿になって海の上を滑走して行ったんだぞ!?」

ニコ「とにかく、魔神様は確かに撃たれて一度死んだんだ。でも、それでなぜか魔神様として生き返ったんだよ」

陸奥「魔神って海の上に立っていられるものなの?」

ニーナ「いえ、そういう話は聞いたことがありません……」

ニコ「それがどうも、伝承に伝わる魔神様の姿に深海棲艦の要素も混ざってるみたいなんだ」

ディニエイル「そうですね……羊の角や鋭い犬歯は伝承にあるとおりです」

摩耶「そこに深海棲艦のガワが張り付いたって感じか?」

ル級el「言ワレテミレバ、チ級カヘ級ミタイナ外殻ネ」



359: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:56:31.27 ID:JWJapmQSo

魔神提督「多分、これの影響だな」ウワギヌギヌギ

那珂「きゃっ!」メカクシ

陸奥「ちょっと!?」メカクシ

榛名「きゃあ……っ!」メカクシ チラッ

金剛「Oh……ハッ、キャー!」メカクシ チラッ

島風「金剛さん恥ずかしがるのおっそーい!」

ニコ「ちょっと長門、早く魔神様の正面に回ってよ」

長門「えっ、ち、ちょっと待ってくれ」カオマッカ

ヴェロニカ「朝雲、あなたもよ。早くなさい」

オボロ「せ、川内殿、実はそれがしも少し興味が……」

摩耶「よーしよし、お前らちょっと下がってろ。ここはアタシが前に出るから」ドキドキ

パメラ「こらこら、あなたたちお触り禁止よー?」

ルイゼット「むしろみなさんあとでお説教ですからね」ギロリ

武蔵「ったく、相棒、脱ぐときは脱ぐと言ってくれ、恥ずかしいぞ」カァ

ミルファ「えっ」

カトリーナ「マジで?」

武蔵「なんだその反応は」ムス

リサーナ(もしかしてお子様しかいないのこの鎮守府!?)

暁「お、お子様ゆーな!」

神通(暁ちゃんが心を読んでる!?)

ゼシール(お前も読むなよ……)

泊地棲姫(ナニコノ疎外感)

大佐「俺がこんななのに、何をいちゃついてんだよこいつら……」ヒソッ

全員「「あぁ!?」」ギロリ

大佐「」

泊地棲姫(雉モ鳴カズバ撃タレマイニ……)



360: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 22:57:50.34 ID:JWJapmQSo

ノイルース「それより魔神様、その右胸のそれ……!」

吹雪「銃弾じゃないですか!? 胸にめり込んでますよ!?」

魔神提督「おう、こいつで撃たれて一遍死んだんだ」

ディニエイル「さらっと言うなよ死んだとか……」

魔神提督「まあこうやって外に押し出されてるし、すぐ取れるだろうから心配すんな」

ル級el「! ソノ銃弾、モシカシテ……!」

魔神提督「そこにいる大佐が、深海棲艦の遺骸から作ったらしい」

泊地棲姫「ナンダト……?」ギリッ

ル級elite→ル級flagship「ヘエ……!」ギロリ

大佐「」

利根「またル級がパワーアップしておる……」

那珂「こういう理由でパワーアップしちゃうの、那珂ちゃんは感心しないなー」

魔神提督「まったくだ。深海棲艦の勢力が衰えないのは、大佐みたいな人間が原因じゃねーかと思っちまうわ」

魔神提督「まあとにかく、この弾丸のおかげで深海棲艦の力も借りられたみたいで、海上を航行できた。いい経験だ」

魔神提督「で、泊地棲姫に攻撃を仕掛けたのは俺を殺すためだが、ついでにこの弾丸が艦娘やお前らに通用するか試す気だったんだろうな」

泊地棲姫「貴様ァ……ソンナコトノタメニ、私タチヲ……!」ギリギリギリ

大佐「グェェェェ!」タップタップ

魔神提督「おお、待て待て、気持ちはわかるがそいつにはまだ利用価値がある」スッ

泊地棲姫「!」ビク



361: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 23:01:27.61 ID:JWJapmQSo

魔神提督「泊地棲姫……だったな? 悪いな、こんなくだらねえ茶番に巻き込んじまって」

魔神提督「お前の軍勢はすべて撤退した。俺たちとしちゃあ、これ以上戦う理由はない。こいつは好きにしていいから、お前も引き揚げて欲しい」

魔神提督「成り行き上、お前んとこの艦も結構沈めちまったけど、そっちも艦娘沈めてるし、これはお互い様ってことでお手打ちにしようぜ」

泊地棲姫「」コクコク

魔神提督「そうか、ありがたい。応じてもらえると助かる」ニッ

泊地棲姫「」

魔神提督「さて、大佐? 殺した相手が化け物になって戻ってきたが、気分はどうだい?」ニタァ

大佐「」ビクッ

魔神提督「見な。さっきちぎれたお前の左足だ。こいつをな……神通!」

神通「はい」

魔神提督「号令かけろ」

神通「! ……了解しました。全艦隊整列! 全砲門、撃ち方用意!」

艦娘「」ザザザザッ ジャキジャキジャキッ

魔神提督「よし」ポーイ

神通「……撃て!!」


 ズドドドドドガドガドガドンドンドンバリバリバリバリドカーーン!!


ル級fl(……オーバーキル、ダワ)アゼン

魔神提督「神通、ご苦労」

神通「……はっ」ケイレイ

魔神提督「さて大佐。本来ならお前があの足になってたわけだが……まあ、俺たちの分はあれで勘弁してやるぜ」

大佐「」ガタガタガタ



362: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 23:03:51.95 ID:JWJapmQSo

魔神提督「で、今度は深海棲艦の分。ほれ、口開けろ」グイ

大佐「!?」ガパ

魔神提督「こいつを、飲み込め」ズプ ポイッ

大佐「!?」ゴクン

雲龍「あなたの体に埋まってた深海棲艦の弾丸を飲み込ませて、どうするの?」

魔神提督「さっきの銃弾、まだ生きてるみたいなんだよ。正確には、俺と一緒に蘇った、っつうかな。俺もこいつも無念だったしさ、共鳴したせい……じゃねえかな?」

魔神提督「ただ、弱った俺の体じゃ完全には復活できねえ。そういうわけで、大佐の体を餌にして育ってもらおうって話だ」

魔神提督「そいつは体を内側からちょっとずつ食って成長する。何日、何か月かかるかわからねえが、それまで死んだり発狂したりせずに、きちんと面倒みろよ?」ニタァ

大佐「」チーン

ル級fl「ネエ、ソンナコトシタラ、泊地棲姫ハコイツヲ殺セナインジャナイノ?」

魔神提督「死んだら死んだで死骸を食って再生するだろ、死なせてもいいさ。どうせならいたぶってから殺してほしいもんだが」ニッ

ル級fl「ソレモソウネエ」ニッ

初春「そ、それより提督、弾を抜いた後の傷口から出血が止まっておらぬぞ!?」

魔神提督「ん? ああ……そういえば、さっきまでそいつと命を分け合ってる状態だったんだな」シュウウ ボロボロボロッ

榛名「提督!? 外殻やツノが崩れて粉々になってますよ!?」

魔神提督→提督「時間切れか……まずいな、そのあとのことを、考え、て、なか……」グラッ

大和「危ない!」ガシッ

コーネリア「まずいぞ! 魔神様が人間に戻っちまった!!」

霧島「大和さんは救護室へ急いで! 私は本部に連絡します!」

大和「はいっ!!」ゴォォォォ!!

長門「大和! 浜に明石と大淀がいる! 応急処置の医療鞄もある! まずはそこへ連れていけ!」

ニコ「魔神様、しっかりして!」



363: ◆EyREdFoqVQ 2016/07/31(日) 23:05:09.03 ID:JWJapmQSo

三隈「私たちも行きましょう……あら、モガミン?」

最上「……ねえ、ル級?」

ル級fl「アラ、ナァニ?」

最上「僕たちのこと、心配してくれてたんだね。ありがとう」

ル級fl「私ハ……提督ガ気ニナッタダケヨ」プイ

最上「それで十分だよ」ニコ

三隈「また、一緒にお茶にしましょうね」ニコリ

最上「よし、それじゃ鎮守府に急ごう」ザァッ

三隈「提督、大事ないと良いのですけれど」ザァッ

ル級fl「……フゥ」

ル級fl「……姫?」

泊地棲姫「」ポケー

ル級fl「……オーイ、姫~?」フリフリ

泊地棲姫「」ポケー

ル級fl「……泊地棲姫サ~ン?」ペタペタ

泊地棲姫「」ポケー

ル級fl「……ヨッポド怖カッタノカシラ」タラリ

大佐「グギグゲオゴゲゴゲ」ビキビキビキ

ル級fl「……オマエ、ウルサイ」ゲシッ



367: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/03(水) 01:28:08.38 ID:w5ccGD9yo

 * 島の北東、砂浜の沖合 *

大淀「提督! 大和さん! はやくこっちへ!」

大和「大淀さん!? 山城さんに千歳さんも!?」

千歳「はやく、提督をこちらの船に!」

蒼龍(船の上)「こっち! こっちだよー!」

長門「こ、この船は!?」

大淀「医療船です。最寄りの鎮守府のX中佐が蒼龍さんの要請で派遣してくださったんですよ」

千歳「私も提督についていくわ、あと二人ほど応援が欲しいんだけど」

如月「それなら私が!」

大和「私も行きます!」

山城「駄目よ。不知火、初春! あなたたちが行きなさい!」

如月「ど、どうして!?」

山城「あなたたちが行っても、ただ心配してやきもきするだけでしょ。辛抱強い不知火や初春の方が適任だわ」

大和「そう、ですね……私も、むこうでお役にたてるかと言えば、そんなことはありません、か」シュン

山城「それに、如月。この島の睦月型はあなただけよ。弥生のそばにいてあげて」

如月「! は、はいっ!」

武蔵「よし、決まりだ。不知火と初春に任せよう。いいな?」

不知火「承知しました」

初春「うむ、任せよ!」



368: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/03(水) 01:29:21.59 ID:w5ccGD9yo

千歳「さあ、提督を担架に!」

大淀「加賀さんたちはどうなさいますか?」

加賀「私は残るわ。赤城さんが心配だから……」

瑞鶴「私も。加賀さんも心配だもん」

速吸「わ、私も残ってお手伝いします!」

大鳳「では、私は蒼龍さんと一緒に行ってきます」

ヒサメ「ふむ、それならば……」ポンッ

ディニエイル「この島を出るのでしたら、私たちは降りたほうが良さそうですね」シュンッ

加賀瑞鶴速吸大鳳「!?!?」

大鳳「ぎ、艤装から人が!?」

ヒサメ「では初春よ、しばしの別れじゃ」ポーン

ディニエイル「魔神様をお願いしますよ、ミス不知火」バッ

瑞鶴「わわっ、こっちに跳んできた!?」

ディニエイル「失礼ですが、陸の上まで載せていただきたく」

ヒサメ「ちいと邪魔させてもらおうぞ?」

瑞鶴「キャッ!?」シュインッ

加賀「え……!?」ポフン

瑞鶴「な、なに!? いまのエルフみたいな人、私の艤装にはいっちゃったの!?」

 ピキッパキパキパキッ

速吸「ず、瑞鶴さん! 弓が!」



369: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/03(水) 01:31:07.06 ID:w5ccGD9yo

瑞鶴「弓が氷に覆われてく……なにこれ、綺麗な装飾……!」

ニコ「驚いたな……能力そのものの相性がいいみたい」

ディニエイル「得物が同じ弓ですから、能力の具現がしやすいようですね」シュンッ

瑞鶴「なにこれ、あなたの能力!?」

ディニエイル「はい。一緒に戦う機会を逃したのは残念です」

加賀「……ということは、私も……?」

ヒサメ「……つい」

加賀「?」

ヒサメ(着物が溶けてほぼ全裸)「あああ、あついのじゃああああ!!」ズボザバーーー

速吸「甲板からびしょ濡れの裸の女性が!?」カァァ

加賀「」コオリノトケタミズザバーーー

ヒサメ「熱うて耐えられぬ、溶けてしまいそうじゃあ! 誰ぞ! ほかの船に移らせてたも!!」ピョーン

山城「わ、私!?」ポフンッ

加賀「……」ビッショリ

速吸「か、加賀さん……」

加賀「瑞鶴。これは一体どういうことかしら」ギロリ

瑞鶴「ちょっ、これは私のせいじゃないでしょ!?」

武蔵「加賀は排熱が悪くて体温高めだからな」

ノイルース「私が乗れば良かったんでしょうか」

イブキ「それかあたしか、ウーナかな」

山城「さ、寒っ!? ぎ、艤装に霜が!? ううう、不幸だわ……!」ガタガタガタ

朧「初春は寒いの平気なんだよね」

吹雪「私、イブキちゃんで良かったかも……」



373: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:10:39.36 ID:Dhv4TzARo

 * 数日後、墓場島鎮守府 執務室 *

長門「第二艦隊、旗艦長門、ただ今演習より帰投した。こちらが報告書だ」

赤城「はい、お疲れ様でした。では駆逐艦の子から順に入渠と補給を受けてください」


霞「第三艦隊、遠征から帰還よ!」

潮「資材やバケツはドックに保管してきました」

赤城「はい、ありがとうございます。第二艦隊が戻ってきたばかりですので、一緒に補給を受けてください」ニコ


霧島「赤城さん、明石から今月の資材と食料の使用予測を出してもらいました」

大淀「資材は使いすぎないレベルでの数値にしましたが、何分大所帯になりましたので、食料に関してはご都合いただけると幸いです」

赤城「ええ、ではそちらを考慮して、本営に申請書を提出しておきますね」


タチアナ「失礼いたします。島の地質調査の結果をまとめてまいりました」

ミュゼ「まだまだ未開の地がありますが、極力手を付けない方向で進めてみました!」

マルヤッタ「墓地と農地と花壇の割合も見て欲しいじょ!」

赤城「ありがとうございます。区画整理は明日の打ち合わせで検討しましょう」



374: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:11:39.36 ID:Dhv4TzARo

チェルシー「副キャップテーン!」

アーニャ「見て見てー! 大っきい魚釣れたよー!」

赤城「マグロですか! 上々ね!」キラキラキラッ

ミーシャ「食堂に置いてきます」ニコー

赤城「お昼ご飯、楽しみにしてますね」ニコニコ


ニコ「お邪魔するよ、赤城」

赤城「あら、ニコさんどうしました?」

ニコ「そろそろ魔神様が戻ってくる時間だから、ここで待たせてもらおうと思ったんだ」

赤城「魔神様……提督のことですね。ええ、1030、もうすぐ到着予定です」

ニコ「この部屋の主だっていうのに、他人にまかせてお休みしてるんだもの、お姉ちゃんが叱ってあげないと」

赤城「ええ、たっぷり説教してあげてください」ニコニコ


初雪「失礼しまーす」ガチャリ

武蔵「赤城提督代理、疲れていないか?」

赤城「お気遣いありがとうございます。私は大丈夫ですよ」



375: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:12:24.77 ID:Dhv4TzARo

吹雪「お茶とお団子持ってきました! ニコさんもどうぞ!」

ニコ「ぼくにも? ありがとう、吹雪」

赤城「ありがとうございます! 加賀さん、お茶だそうですよ」

加賀「やりました」ギュウ

吹雪「……加賀さん、いつまで赤城さんの腰にしがみついてるんですか」

加賀「ここは譲れません」スリスリ

吹雪「まるで提督と金剛さんみたいですね」

初雪「どちらかというと多摩さん……」

武蔵「よっぽど赤城に甘えたかったんだな」

ニコ「魔神様もこのくらいぼくに甘えてくれると嬉しいんだけど」ズズ

吹雪「とても想像できませんね」クスッ

初雪「加賀さん次は『さすがに気分が高揚します』って言うと思う」

加賀「さすがに気分が高揚します……ハッ!?」

初雪「」ドドドドドド

加賀「」ゴゴゴゴゴゴ

赤城「はい、加賀さん、ジョジョごっこはその辺にして。お団子ですよ、はい、あーん」

加賀「あーん」パク

赤城「よくできました」ナデナデ

加賀「///」モグモグ



376: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:13:30.20 ID:Dhv4TzARo

初雪「軽くあしらわれた……」ズーン

吹雪「……っていうか、加賀さんってこういう方でしたっけ?」

ニコ(ぼくはああいう風にならないようにしよう)

不知火「なんというか、見てはいけないものを見てしまった気がします」シロメ

武蔵「不知火!? 戻ってきたのか!」

不知火「はっ、戻ってきました。私の意識が!」

赤城「あら、不知火さんおかえりなさい。ということは、少尉も戻ってきたのですね?」

不知火「はい、戻ってきましたが……それよりも加賀さんのそのお姿のほうが不知火には衝撃です」

武蔵「待て、赤城。今、少尉と言ったか?」

赤城「はい。提督はこのたび昇進したはずですよ」

扉 <ガチャバーン!

朝潮「司令官が昇進したと聞きました!」

ブリジット「叙勲でありますか!?」

ヴィクトリカ「野郎ども! ファンファーレをならせぇぇ!」

隼鷹「ヒャッハーーー! 祝い酒だぁぁぁぁ!!」

エレノア「祝杯でもいただけるのかしら!」

赤城「お祭り騒ぎもかまいませんが、提督は忙しくなりますよ?」ニコー

吹雪(赤城さん全然動じない……!)

武蔵(頼もしい限りだ)

ニコ(今までの苦労がしのばれるね)



377: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:15:00.30 ID:Dhv4TzARo

赤城「ところで不知火さん、提督少尉はあなたと一緒ではなかったのですか?」

不知火「いえ、一緒だったのですが先程捕まりまして……」

赤城「は? 捕まった?」

提督「悪い、待たせた」ガチャリ

如月「」ミギウデシガミツキー

大和「」ヒダリウデシガミツキー

金剛「」セナカダキツキー

キャロライン「」カタグルマー

提督「ちょっと身動きがとりづらくてな」ズリズリ

赤城「ああ、そういう意味でしたか。てっきり憲兵さんが来たのかと」

提督「確かにこの格好じゃあ呼ばれても仕方ねえな」

朝潮「これも司令官の人徳の賜物です! 私も抱き着いてよろしいでしょうか! ありがとうございます!」ガシーッ

ブリジット「朝潮殿! まだ司令官の許可を得てないであります!?」

提督「ますます動けねえ」ガッチリ

ニコ「ぼくのポジションがない……」

武蔵「お前たち……」

初雪「六神合体フルアーマー提督……」ボソ

金剛朝潮如月大和「合体!?///」

提督「そこに反応すんな」



378: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:17:01.01 ID:Dhv4TzARo

キャロライン「ダーリン? 合体がどうかしたノ?」キョトン

提督「なんでもねえ」

エレノア「ああ、それはねえ、男と女が」

提督「説明すんな!」

吹雪「フル装備の司令官を見ちゃうと、加賀さんがまだかわいく見えますね」

加賀「そんなに褒めないでください」ポ

不知火「褒めていません」シロメ

???「まったく、すごいね提督の歓迎ぶりは」

赤城「X中佐!?」

X中佐(以下中佐)「や。赤城、火傷はもう大丈夫そうだね」

赤城「中佐、先日は蒼龍がご迷惑をおかけしました」ペコリ

中佐「いやいや、結果的に提督を助けられて良かったよ。万一のことを考えて医療船で来たのも僕にしちゃあナイスアイデアだったしね」

中佐「さて不知火、護衛ご苦労様。初春もそうだけど、みんなからの電話は大変だったろう?」

不知火「いえ。お心遣い感謝いたします」

武蔵「今思えば適任だったな。不知火はよく中将の本営に行っていたし、初春は提督の出張時の補佐をよくしていた」

吹雪「山城さんも意外と人をよく見てますからね」

赤城「ところで、初春さんはどうしたんです?」

不知火「それが……」



379: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:18:46.85 ID:Dhv4TzARo

 * 回想、提督入院中の鎮守府 *

 RRRR... RRRR...

通信(初春)『もしもし……』

白露「初春ちゃん!? 司令官の具合は!? 治った!? 目を覚ました!?」

通信『のう……白露よ。誰かしら一時間おきに電話をかけてくるのは、なんとかならんかのう。おぬしからも言うてもらえんか』

白露「でもみんな心配してるんだよ!」

通信『じゃから、提督が目覚めたら連絡すると最初から言うておろうが……』

白露「このままだと金剛さんが倒れちゃうよ! さびしいからって誰彼かまわず抱き着いてるんだよ!」

白露「この前は赤城さんに抱き着いて加賀さんが嫉妬していじけちゃうし!」

白露「その前は霧島さんに抱き着いて比叡さんが嫉妬していじけちゃうし!」

白露「その前は龍驤さんに抱き着いて雲龍さんが嫉妬していじけちゃうし!」

通信『面倒くさい連中ばっかりじゃのう!』

白露「あと、サムさんに抱き着いて若葉ちゃんが嫉妬していじけちゃってた!」

通信『若葉ああああ!』

白露「利根さんに抱き着こうとしたらバキュームフロアからライジングフロア、とどめのスマッシュフロアでふっとばされてたし」

通信『そういうことにメディウムを巻き込むのはどうかと思うのじゃが?』

白露「潮ちゃんに抱き着こうとしたらタライが降ってきてアゴニーマスクが降ってきて最後に長門さんが降ってきたの」

通信『長門は何をしておるんじゃ!?』



380: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:25:29.10 ID:Dhv4TzARo

白露「ほかにもイーファちゃんとかイサラさんとかエレノアさんとか、抱き着いたらただじゃすまない人にばっかり抱き着くんだよ!?」

通信『……そのまま入渠ドックに放り込んで蓋をしておいてもらえんかのう』

白露「昨日は砂浜でオリヴィアさんに抱き着いちゃったから、オリヴィアさんが勝負と勘違いしちゃって」

白露「カーフブランディングから送り襟締め、続けてアルゼンチンバックブリーカーからのバックフリップにおまけでフロントスープレックスとまでもらっちゃったんだよ!?」

通信『白露、おぬし詳しすぎやせんか』

白露「おかしいよね!? ヒールなのに毒霧とか噛み付き攻撃とか、栓抜きとかの凶器攻撃がないとか!」

通信『そこか!?』

白露「とにかくすごかったんだから! あれを提督に見せてあげられないのは可哀想だよ!」

通信『……あとで再現してやれば良かろうに。なんでそこまで知っておるんじゃ』

白露「青葉さんと一緒に金剛さんを密着取材してたから」

通信『青葉ああああ!』

白露「あと、武蔵さんがプロレスに夢中になっててコーネリアさんが嫉妬していじけちゃってた!」

通信『どいつもこいつも!』

白露「ひどいのは金剛さんだけじゃないの! 大和さんも夜泣きがひどいし!」

通信『赤子か!』

白露「如月ちゃんは司令官のベッドで寝てたし! 司令官の使ってた枕とか毛布とか、みんな取り合いになっちゃってて残ってないの!」

通信『最悪じゃな』



381: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/04(木) 01:26:58.37 ID:Dhv4TzARo

白露「古鷹さんからはベッドにベリアナさんが入ってきていかがわしいことしてくるって苦情も来てるの!」

通信『それはニコ殿に通報せい』

白露「今は今でマリッサさんが奇声を上げながら何かしてるし! 川内さんからうるさいって苦情が来てるよ!」

通信『ふん縛っておけ!』

白露「とにかく、司令官がいないと滅茶苦茶だよ……ねえ、司令官とお話しできない?」

通信『のう、白露や。今、何時かのう』

白露「えーと、0320」

通信『少しは電話する時間を考えんか!!』ウガーッ


 * *

不知火「昼夜問わずの電話番でしたので、先程自室のベッドに轟沈しました」

赤城「……それはご愁傷様です」

中佐「ところで、見慣れない人たちがいるな。彼女たちは何者だい?」

提督「ああ、助っ人です。この島に流れ着いたもんで、しばらく厄介にと」

中佐「ふむ……」

ニコ「……?」

キャロライン「♪」

エレノア「……」ネイルオテイレー

ブリジット「!」ケイレイ

ヴィクトリカ(やっべえ、しょっ引かれねえよなあたし)ドキドキ

中佐「コスプレ会場かな?」

提督「まあ、そうなるな」



388: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 15:50:06.40 ID:z73r3G+No

 * 応接室 *

サム「お茶をお持ちしました。ごゆっくりどうぞ」

中佐「ああ、すまないね。……少尉、よく彼女たちを雇えたね、どうやってスカウトするに至ったんだい?」

提督「なんでも、海賊に襲われたそうですよ。俺を慕ってくれているので、世話になっております」

中佐「……そうか。一応言っとくけど、民間人をみだりに鎮守府に入れちゃいけないよ。ここしかまともな建物がないのは仕方ないにしてもね」


中佐「まずは少尉、先の大佐の暴走の件、よく防げたね」

提督「……ええ」

中佐「内部の不祥事だ、残念ながら表立って君を褒めることはできないけど、問題行動の多かった大佐一味を処分できたことを大本営は陰で歓迎しているようだ」

中佐「……頭にくる部分も多いが」

提督「そうですか?」

中佐「ああ、今まで大佐の働きを称賛しておきながら、今回の件で不始末が露見した途端、あっさり手のひらを返す者ばかりでね……」

提督「それはそんなものでしょう。海軍だって身内の汚点は揉み消したいところかと」

中佐「その通りだが……あれだけ大佐を褒めてた上官が『あの男は最初から信用してなかった』とのたまうのを見れば、幻滅の一つもするよ」ハァ



389: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 15:53:19.35 ID:z73r3G+No

中佐「……愚痴が過ぎた、すまない。君が入院していたときのことを報告しよう。まず、君の昇進について」

中佐「これは大佐たちのクーデターを未然に防ぎ、泊地棲姫の侵攻を防ぎ切ったことが評価された」

中佐「ここが陥落すれば、他の鎮守府にも泊地棲姫が深海棲艦を引き連れて押し寄せてきていただろう」

中佐「なにより、鎮守府を攻められたという事実が一番の脅威だ。それに抗戦して屈しなかった、この影響は大きいと思う」

中佐「君がこの辺境の鎮守府を守護し続け、かつ艦娘の救済を行ってきたことも併せて評価され、君は10日付けで少尉に昇進した」

中佐「これまでの実績からして、僕はもうひとつふたつ上がってもおかしくないと思うがね?」

提督「……」

中佐「興味なし、か。出世には興味がないと聞いていたけど……」

提督「やることも、下っ端であることも、変わりはありませんので」

中佐「なら、これ以上は無駄話か。……じゃあ、次に中将だけど、退役することになった」

提督「……そうですか」

中佐「大佐の謀反の計画書を赤城があちこちからかき集めてきて、それを本営に戻った中将に、大将立会いの下、提出」

中佐「僕も当事者として立ち会ったんだが、赤城は土下座してたよ。両方の意味で大佐を助けられなかったことを、申し訳ないと」

中佐「大佐とその部下が全員戦死……まあ、戦死かな? それで憔悴していたところにあの計画書だ」

中佐「中将は暗殺対象が自分だったことに相当ショックを受けていたよ……」

中佐「重傷を負った君のところにも一度顔を出していたんだが、その時は術後の麻酔がよく効いていたから覚えてないだろう?」

提督「……」

中佐「たぶん、大佐に対する積年の恨みも積もっているだろうけど、今回の件で水に流してもらえるとありがたい」

提督「……ええ。正直なところ、少しはすっきりしました」



390: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 15:56:03.82 ID:z73r3G+No

中佐「ああ。それと、大佐の秘書官だった赤城の処遇は知っての通りだ」

中佐「君が復帰するまでこの鎮守府の提督代理を務めてもらい、その後の処分は追って沙汰する……と」

中佐「そういう話だったけど、すぐにでも大佐のいた鎮守府に戻ってもらうことになりそうだ」

中佐「あの鎮守府は、赤城が築いた信頼で成り立っている。今後の鎮守府運営を考えても、現状維持が望ましいと進言しておいた」

提督「打算的ですね」

中佐「残念ながら、こういう風に言わないと上は首を縦に振ってくれないからね」

中佐「それに、どんな理屈をこねようと、あの鎮守府の艦娘にとってはそれが一番望ましいだろう」

中佐「彼女たちが働きやすい職場を作れるのなら、それに越したことはないと僕は思っている」

提督「……」

中佐「まあ、僕らが何を言おうと、赤城は頼れる。この鎮守府を君に代わって切り盛りしているが、評判はなかなかいいようだぞ?」

中佐「さて。最後に、君の今後についてだが……」

中佐「提督少尉。君には引き続きこの鎮守府の指揮をお願いしたい」

提督「……!」

中佐「意外そうな顔をしているね?」

中佐「今回の事件で6人もの指揮官を失った。君も違う鎮守府に栄転し、更なる戦果を挙げてほしいという話もされただろうが……」

中佐「それでも、君にしかこの鎮守府を任せられない理由がある。それはこの島が、いわくつきの呪われた島だからだ」

提督「それはまた……今更ですね」

中佐「すまない、僕もこの島の過去を調べたのが半年前でね。この島に3年もの間、滞在し続けられたのは君が初めてなんだ」



391: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 15:57:44.52 ID:z73r3G+No

中佐「大破した艦娘が無数に流れ着くこの島で、殆どの人間は何故か正気を保っていられなかった」

中佐「なのに君は、幾多の艦娘を立ち直らせ、鎮守府としての機能を回復させた。それだけでもすごいことだ」

中佐「きっと、この鎮守府を任せられるのは君だけだろう。……頼む、改めてお願いできないだろうか」ペコリ

提督「……」

中佐「……」

提督「わかりました。まさか頭を下げられるとは思いもしませんでしたよ」

中佐「……引き受けて、くれるのか」

提督「はい。……まあ、そんな気がしていたんですよ。俺は人間社会では生きられない社会不適合者ですから、ここにいたほうが良いでしょう」

中佐「そんなふうに言わないでくれ。僕は厄介払いのつもりでお願いする気はないんだ」

中佐「……だが、君がここにいたほうが良い要素も、ないわけじゃない」

提督「……?」

中佐「ここだけの話にしてほしい。君には、ある期待がかけられている」

提督「期待……?」

中佐「深海棲艦との和睦。君ならその交渉役ができるんじゃないか……そう考えている人物がいる」

提督「……」ピク

中佐「言いだしたのは僕でも、中将でもない……海軍大将。……僕の、伯父だ」

提督「……」



392: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 15:59:55.75 ID:z73r3G+No

中佐「ここにいる艦娘の殆どが、大破轟沈を経験したり、むごい仕打ちを受けたりした者たちばかりらしいね」

中佐「ネガティブな感情を持った艦娘は深海棲艦にきわめて近くなると言われている。そんな彼女たちをまとめられる能力に、伯父さんは目を付けたんだろう……」

中佐「もともと君は妖精と意思疎通もできる稀有な人材だ。もしそうなれば、君を利用したがる者が出てくるはずだ。最悪……」

提督「俺を担ぎ上げて騒ぎを起こす者も現れかねない、と」

中佐「そうだ」

提督「俺自身が起こす可能性は」

中佐「僕はないと思っている。艦娘に無理をさせない過保護な人物と艦娘に評される人物が、武力による蜂起を促すとは思えない」

中佐「ただ、君にそういう野心がないとしても、君の力を利用しようとする輩が現れないと思えない」

中佐「大将も君がその気にならないか期待している節がある。となれば、強引に君を持ち上げようとするやつも出てくるはずだ」

中佐「逆に、今の戦争を利用して私腹を肥やす連中にとっては、戦争を終わらせられる君の存在が邪魔になる」

中佐「というわけで、君の身の安全も考えると、ここにいたほうが良さそうなんだよね……ほら、さっきも言ったとおり、この島には近寄りがたい話もあるし」

中佐「ったく、同じ海軍でありながら命を狙い合う……今回の事件といい、馬鹿げてるよなぁ」ハァ

提督「中佐は、大将殿の考えをどう思います」

中佐「和睦には賛成だ。だが、交渉できるあてが君だけではね。もう少し、いろいろな手を用意したい」

中佐「それに、仮に君が失敗したとして、途端に手のひらを反して君に責任を押し付ける無責任な連中の勝手を許したくない」

中佐「最低限、個人的にでも仲良くできる伝手があればいいんだけどね。少尉にはあるかい?」

提督「ありませんね」

中佐「だろう? 和睦って話も、それじゃ絵に描いた餅なんだよね」ハハハ

提督「……」



393: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 16:01:17.47 ID:z73r3G+No

中佐「さて、僕の言いたいことは言わせてもらった。君と話したがっている艦娘も多そうだし、この辺で失礼しよう」

中佐「この鎮守府の艦娘に会いたいっていう部下がいるから、今度連れてくるよ」スクッ

提督「……中佐」

中佐「ん?」

提督「老婆心ながら、具申させていただきたい」

提督「この島はやはり人間が立ち入って良い場所ではないようです。誰かがこの島へ来たいと仰るのなら、やめたほうが良いとお伝えください」

提督「今もこの島には、人間は、私とあなたの二人だけだ……いや、とうの俺とて、もはや人間かどうか疑わしい」

中佐「……提督少尉? それはどういう意味……」

中佐「いや、やめておこう。それよりもいいのか? 僕にそんなことを教えて」

提督「良いことを教えてもらったお礼です。あなたも俺を好意的に見ているようですが、それでもこの島には近づくべきじゃない」

提督「さもなければ、きっと『人ではない何か』になってしまうことでしょう」

提督「信じてもらえないかもしれませんが、俺は一度死にました。『人ではない何か』に近づきつつあるのでは、と思っています」

中佐「……」

提督「……」



394: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/07(日) 16:03:36.24 ID:z73r3G+No

中佐「それが本当なら、この島と、この島に住む者が、君を必要としているんだろう」

中佐「こう言っては失礼かもしれないが、艦娘も妖精も『人間ではない何か』だ」

中佐「君は、その彼女たちを立ち直らせ、そして慕われてきた。僕は、彼女たちとともに君がこの海の守護を担ってくれると、信じているよ」ガチャ

提督「……」

扉 <パタム

提督「……」

オボロ「始末しなくて、よろしかったんですか?」ズッ

提督「仮にも中佐は俺を助けてくれたんだ。義理は通しておかないとな」

提督「これで島に近づかなくなってくれればいいんだが、今の話からすると俺に会いたがる奴は増えそうだ」

ヴェロニカ「それにしても、変わった人ね」シュッ

提督「あの思想で潰されないのは大将の血縁だからかね。まあ、艦隊の司令官としても有能らしい。主力は海外艦と潜水艦だそうだ」

提督「出来れば、敵に回したくはない。が、俺は中佐を『仲間』にする気もない」

ニーナ「そうですね。あの方が『こちら側』に来るのは違和感があります」スタッ

提督「面倒だが……いろいろと手を打たねえといけねえか」



399: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:31:34.91 ID:GCeeU6alo

ニーナ「さて、中佐もお帰りになられましたし、私たちも戻りましょう」

ヴェロニカ「そうね。出番かと思ったんだけど……今の話だと、違う機会で出番ができそうね?」

提督「はぁ、次から次と面倒くせえな。とりあえず執務室に戻るか……」

シルヴィア「あ、いたいた。魔神君ちょっといいかしら?」

伊8「提督にお客様だよ」

提督「客? 中佐じゃなくてか?」

シルヴィア「その中佐と鉢合わせしたらまずいと思ってね。ほら、ル級って子が北の洞窟に来てるわよ」

提督「ん、向こうから話があるたあ珍しいな」

伊8「それと……」

名取「あの、少尉さん、私たちも……ご一緒させてくださいませんか?」

提督「お前たちは?」

名取「部下Bの配下の艦娘の、名取です」

弥生「同じく、弥生です」

提督「ああ、お前らか……話は聞いてる、泊地棲姫の塒に行かされた連中だな。なんだ、かたき討ちでもしたいのか?」

名取「そういう気持ちもありますけど……」

弥生「泊地棲姫のところで別れた、初霜さんのことを聞きたいんです」

名取「初霜ちゃんは、私たちをかばって被弾したんです。助けに行きたいんですが、せめて、今どこなのか、どうなったか聞くことができればと……」

提督「ふぅん。好きにしろ、覚悟はしておけよ。あと、絶対に手を出すな」

名取「は、はいっ!」



400: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:33:19.32 ID:GCeeU6alo

ニコ「ふふ、相変わらず優しいんだ」

提督「なんだ、ニコも来るのか」

ニコ「勿論だよ。本当なら、さっきの中佐のときも一緒にいたかったんだからね?」

ヴェロニカ「私も暇だし、ついていこうかしら」

伊8「大和と如月も来るって。提督と離れてた時間を取り戻すんだーって言ってた」

提督「……ま、いいけどよ。お前は?」

伊8「はっちゃんが連絡受けたの。案内するよ」

提督「ん、そうだったか。じゃあ頼む」



 * 島の北部 洞窟内 *

ル級「ハーイ、元気シテル?」

提督「おう、死にかけたが一応な」

ル級「ンー、元ニ戻ッチャッタワネ、残念。モウ海ノ上ハ走レナイノ?」

提督「生憎とな。ル級は怪我とかしてねえな?」

ル級「傍観者ダッタカラネ。アノ後、イロイロ事後処理ヲ手伝ワサレタケド」

提督「事後処理?」

ル級「エエ、泊地棲姫ノトコロデネ」

提督「なんだ、お前結局あいつのお世話になったのか?」



401: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:34:32.00 ID:GCeeU6alo

ル級「逆ヨ? 私ガアイツノオ世話シチャッテタノ」

提督「どういうことだ」

ル級「ダッテアイツ、アノアトズーット呆ケテテ、泊地ニ戻ッタ後モ上ノ空デサ」

提督「そんなにショックだったのか?」

ル級「エエ、魔神化シタ提督ニ相当ショックヲ受ケテタミタイヨ?」

提督「まじか」

ル級「デネ、チョット頼ミゴトガアルンダケド……」

提督「?」

ル級「実ハ、提督ニ会イタイッテ、ココニ来テルノヨ、泊地棲姫」ユビサシ

提督「は?」

泊地棲姫「……」ヌッ

弥生「!?」

名取「!?」

大和「ちょっ!?」

如月「どうしてここへ!?」

伊8「……」ジャキッ

ヴェロニカ「あらあら……ついてきて正解だったかしら」ジリッ

ニコ「ヴェロニカ、気を付けて」



402: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:42:26.60 ID:GCeeU6alo

泊地棲姫「マ、待テ! 今回ハ、私ハ戦イニ来タツモリハナイワ!」

提督「……だそうだ。で、ル級、泊地棲姫は俺に用があるって?」

ル級「ソウミタイナンダケド……ホラ、姫様早ク用件言イナサイヨ」

泊地棲姫「ア、アア……ソウダナ。ソノ、ナンダ」


泊地棲姫「深海ニ、来ナイカ?」


提督「あ?」

如月「あっ」ハイライトオフ

大和「あっ」ハイライトオフ

伊8「あー」

ニコ「ヘー」ピキッ

ル級「ホボ全員ガ察シタワネ」

ヴェロニカ「坊やったらモテモテね」ハァ

泊地棲姫「モ、勿論、タダデトハ言ワナイワ! オ詫ビノシルシモアル……!」ザバザバッ

提督「お詫び?」

如月「何を取りに行ったんでしょう?」

泊地棲姫「コ、コレダ!」バッ

フリフリヒラヒラのピンクリボンで目隠し+猿轡+後高手菱縄胡座縛りで拘束された初霜(全裸で失神中)「」

名取「初霜ちゃああああん!?」ガビーン

弥生「信じて送り出した初霜さんが……」クラッ ドターン

如月「や、弥生!? 弥生、しっかりして!」



403: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:44:33.68 ID:GCeeU6alo

提督「……これは俺にどうしろと?」

ヴェロニカ「ちょっと縛り方が甘いわね。縛り直してあげたら?」

伊8「提督が縛るの上手だったりしたら、ちょっと引くかも……」

ヴェロニカ「そう? あの子とか自分が縛られるの想像してるみたいなんだけど?」ヤマトユビサシ

大和「ふぇっ!? そそそそんなことありませんっ!!」カァァ

泊地棲姫「ル級……喜バレテナイミタイヨ?」ジトー

ル級「ン? 人間ノ男ッテノハ、コウイウノガ好キナンジャナイノ?」クビカシゲ

マリッサ「私は大好物よぉぉぉお!!」ザバー

名取「クラーケンコワイクラーケンコワイ……」アワブクブク バターン

伊8「名取さん泡吹いて倒れた!?」

朧「泡を吹いたって!?」バッ

提督「どこに潜んでた朧」

朧「気配を感じて今来ました!」

提督「まじか」

ニコ「マリッサもこんなところで何をしてたの……?」

マリッサ「速吸ちゃんと遊んでたのよ~?」

ボールギャグ+亀甲縛りにされた速吸「あふぅ」

伊8「マジなにやってんの」シロメ



404: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:46:00.90 ID:GCeeU6alo

 ザザザザザザ

マリッサ「はっ! この音は!?」

電「浮気は許さないのですぅぅぅぅ!!!」スイングハンマーフリオロシ

マリッサ「イヤーン!?」バコーン

速吸「はぴぃ!?」マキゾエ

カトリーナ「あ、あたしのハンマー返してくれーー!!」

提督(帰りてえ)ハァァ

電「あ、司令官さんお邪魔したのです」ペコリ

電「カトリーナさん、この二人を運ぶのを手伝ってほしいのです」

カトリーナ「お、おう……それよか早くハンマー返してくれよ」

ル級「コノ鎮守府ッテ、コンナニ騒ガシカッタッケ?」クビカシゲ

ニコ「一部はぼくたちのせいだね」アタマカカエ

提督「あー……それはいいからさっさと初霜の拘束解くぞ。おい、大丈夫か、しっかりしろ」シュルシュル

初霜「……ぷはっ、こ、ここは……あ」スッポンポン

提督「マッパはまずいから俺の上着着せるか」ウワギヌギヌギ

初霜「キャアアアアアアア!?」カオマッカ

提督「うるせえ、静かにしろ……洞窟ん中だと反響するんだ」ミミフサギ

初霜「こ、こんな薄暗いところで服を脱いで、私をどうする気ですか!?」アタフタ

初霜「っていうか私、泊地棲姫に撃たれて……まさか助けた私を手籠めに!?」オロオロ

初霜「そんな、いけません! 私のような駆逐艦に手を出すなんて! 鬼! 悪魔! 夜戦重巡カットイン!!」カァァ



405: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:47:24.71 ID:GCeeU6alo

提督「……ヴェロニカ、こいつ黙らせられるか?」メンドクセエ

ヴェロニカ「フローラに鎮静剤うってもらった方が良いんじゃないかしら」メンドクサイワ

初霜「こ、こんなえっちな人と一緒になんかいられません! 私はお部屋に戻らせていただきます!」クルリ

泊地棲姫「……」

ル級「……」

初霜「ピャアアアアアアア!?」カオマッサオ

ル級(酒匂カナ?)ミミフサギ

初霜「ナンデ!? 泊地棲姫ナンデェェェ!?」プルプルプルガタガタガタ

泊地棲姫「……アノ子、深海化シテルノ?」ミミフサギ

ル級「……サア?」クビカシゲ

提督「とにかく、そんな恰好でうろつくな。ほれ、俺の上着羽織ってろ」

初霜「! す、すみません、取り乱してしまって……ありがとうござい……弥生ちゃん!? 名取さん!?」ビクッ

初霜「ふ、ふたりに何をしたんですか!? 白目をむいて倒れるなんて只事じゃありません!」

如月(あなたを見て倒れたんだけどね弥生は……)

初霜「はっ、そうやって油断させておいて、やっぱり私にもひどいことをするんですね! 秋雲ちゃん謹製の薄い本みたいに! 薄い本みたいに!!」ビクビクビクッ

提督「なぜ2回言う」

 ゴンッ

初霜「きゅう……」バターン

伊8「当て身」

ニコ「魚雷で殴るのを当て身とは言わないと思うんだ」



406: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:48:44.10 ID:GCeeU6alo

提督「……まあ、助かった。収拾がつかなかったからな」ハァ

朧「とりあえず初霜さんには絆創膏貼っておきますね」ペタペタ

大和(えええ!? 朧さん、そんなところに絆創膏を貼るの!?)ドキーン

ヴェロニカ(乳首とあそこね。いい趣味してるわ)

伊8(なにこの卑猥な絵)

提督「丁度いいや、朧、応援呼んで初霜と弥生と名取をドックに運んで休ませろ」

朧「はいっ!」シャッ

提督「……おい、今、忍者みたいに消えたぞ。朧に何があった」タラリ

ニコ(……オボロ、彼女に何を教えたんだろう)

泊地棲姫「……ス、スマナイ、マサカコンナ騒ギニナルナンテ」

提督「ああ、どっと疲れたな……まあ、仕方ねえ」

泊地棲姫「ア、アノ……実ハ、モウ一人会ワセタイ者ガイルノ……」

提督「ん? もう一人?」

ル級「ホラ、オイデ、軽巡棲姫」

軽巡棲姫(幼)「……」ヒョコッ

大和「えっ!? なんですかあの小っちゃい子! 可愛い……!」

如月「あんな小さい軽巡棲姫、初めて見ますね」

ル級「アノ子、アノ弾丸ダッタ子ヨ」

大和「ええっ!? もうあんなに大きくなったんですか!?」



407: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/16(火) 14:51:04.40 ID:GCeeU6alo

ル級「ホラ、来テ挨拶ナサイ」

幼女軽巡棲姫「……パパー」ヨチヨチ

大和「!?」

如月「!?」

ル級「!?」

ヴェロニカ「あら、坊やったらいつの間に坊やじゃなくなってたの?」

提督「つまんねー冗談だ」

幼女軽巡棲姫「パパー、ニンチシテー」ヨチヨチ

大和「!?」シロメ

如月「!?」シロメ

ル級「!?」シロメ

ヴェロニカ「この冗談は笑えないわね」ピキ

伊8「うん」ピキ

提督「……おい、そのセリフ誰に教えてもらった?」

幼女軽巡棲姫「ン!」泊地棲姫指さし

提督「おいコラ手前ガキになんてセリフ言わせてやがんだテメェこそ責任取れやオラ」ガッシ メキメキメキッ

泊地棲姫「痛イ痛イ痛イゴメンナサイゴメンナサイイイイ!!!」ギリギリギリギリ

ル級「泊地棲姫ガ人間ニアイアンクロー食ラッテ悶絶スルトカ前代未聞ダワ」

提督「ったく、おいちび、俺はお前の父親なんかじゃねえよ」

幼女軽巡棲姫「……パパ、ジャナイ……?」ションボリ

提督「ま、敢えて言うなら兄妹だな。一緒に生き返ったわけだし。そもそも俺は父親なんて柄じゃねえ」

幼女軽巡棲姫「……オニイチャン……!?」パァァ

提督「おう。っつうか、おじさんで構わねえよ。ま、その辺が妥当じゃねえか?」

ニコ「魔神様のお姉ちゃんはぼくだよ!!」バーン!

ニコ「お姉ちゃんはぼくだよ!!!」ババーン!

提督「だからなぜ2回言う」

伊8「必死すぎ」



412: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:09:44.33 ID:d8EFEm1Vo

 * 朧と神通と川内によって弥生と名取と初霜が曳航されました *

提督「……まあ、泊地棲姫も災難だったよな。大佐に目をつけられなきゃあ、自分の寝床を壊されずに済んだわけだし」

泊地棲姫「……マア、ソウネ……」

ル級「ア、ソレナンダケド、実ハ寝床ヲ壊サレタノガ頭ニ来タワケジャナイワヨ」

提督「? じゃあ何が理由で追っかけてきたんだよ」

泊地棲姫「ヨ、ヨセ、ル級!」

ル級「ナンデモ、オ気ニ入リノ北方棲姫ノヌイグルミヲ壊サレタカラ頭ニ来タッテ言ッウボアー!?」ガインッ

泊地棲姫「ナンデ! ナンデバラシタ、ル級! ウワァァァン!!」ナミダジョバー

如月「今、魚雷で殴ったわね」

大和「爆発したらどうする気だったんでしょうね」

伊8「……」

ヴェロニカ「爆発しないように魚雷に当て身したんじゃないの?」

ニコ「じゃあさっきの初霜には容赦なかったってこと?」

伊8「もうやめて」プルプル



413: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:11:28.84 ID:d8EFEm1Vo

提督「ぬいぐるみ、そんなに大事なもんだったのか」

泊地棲姫「ソ、ソウダ! 寝ルノキハズット一緒ダッタンダゾ! 超ノ付ク程オ気ニ入リダッタンダ!」

伊8(長門さんと気が合いそう)

ヴェロニカ(敵も味方もお子様が多くない?)

提督「んー……もしもだ。俺たちがそいつを弁償するとしたら、どうする?」

泊地棲姫「!?」

如月「司令官!?」

提督「大佐の仕業とはいえ、壊した元凶は艦娘が所属している海軍で、指示出してんのは人間だからな。他人の宝物壊してとんずらとか最低だろ」

ル級「相変ワラズ、イイ男ネェ」

提督「で、悪いが俺は北方棲姫ってどんな奴か知らねえんだ。誰か、写真とかあるか?」

泊地棲姫「私ガ持ッテル」スッ


(泊地棲姫と北方棲姫のツーショット写真)


提督「へえ……可愛い顔してんな」ニヤリ

如月(司令官が褒めた!?)グワッ

大和(滅多に人の外見を褒めない提督が褒めた!?)グワッ

ル級(アア、男ハ所詮口リコン、カ……)ガクーッ

ヴェロニカ(……私もこんなことで嫉妬するなんて思わなかったわ)ムスッ

ニコ(強烈な魔力の高まりを感じる!?)ビクンッ

伊8(みんなわかりやすい……)

提督「無邪気な子供が一緒だと可愛い顔すんだなあ、泊地棲姫も」ニヤニヤ

泊地棲姫(私ダッタ!?)ドキーッ

如月(こんな短時間に評価されて羨ましい!)ゴォッ

大和(幼子をだしにするなんて卑怯です!)ゴォッ

ル級(口リコンジャナカッタ!?)パァァ

伊8(駄目だこのジゴロ、なんとかしないと)

ニコ(すごい!? 邪な感情の魔力がしゅごいのおぉ!?)ビクンビクン

ヴェロニカ(ニコがすごい顔になってるわ……)タラリ



414: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:12:57.30 ID:d8EFEm1Vo

提督「まあとにかくだ。せめてもの弁償ってことでな、その北方棲姫のぬいぐるみを作って……」

泊地棲姫「ソ、ソノ必要ハナイワ!」

提督「!」

泊地棲姫「失ッタモノハ戻ッテハコナイ。イクラ代ワリノ物ヲ貰ッテモ、失ッタトイウ事実ハ覆セナイワ」

泊地棲姫「……ダカラ、オ前ノ気持チダケモラッテオク」

提督「いいのか?」

泊地棲姫「代ワリトイウワケデハナイガ、コノ子モイルシ、ネ」ナデナデ

幼女軽巡棲姫(泊地棲姫の膝の上)「Zzz...」

泊地棲姫「ソレデモ、トイウナラ、改メテオ前ニオ願イシタイコトガアル……」

泊地棲姫「……私タチモコノ島デ暮ラシテモイイダロウカ」

大和「!?」

如月「!?」

ル級「!?」

提督「ああ、いいぞ」

大和「!?」シロメ

如月「!?」シロメ

ル級「!?」シロメ

伊8「あれ? デジャヴ?」

ヴェロニカ「大丈夫よ、私も見たことあるわ」

ニコ「まったくもう、甘いんだから……」



415: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:14:49.47 ID:d8EFEm1Vo

大和「いけません提督! 仮にも数日前まで敵だった相手ですよ!?」

如月「そうです! お休みの間を襲われたらたまったものでは……!」

提督「そういうお前らは何回俺の布団に潜り込んで安眠妨害したか覚えてんのか」

ニコ「みんななにやってるの」ゴゴゴゴ

大和「ごめんなさい」

如月「すみませんでした」

伊8(はっちゃんも忍び込んだけど黙っていようっと)

提督「まあ、暮らす分には構わねえさ。その代わり、俺の部下に手を出すようならわかってるな?」

提督「それに、俺が良いと言ってもここは海軍の鎮守府だ。事情を知らない俺たち以外の海軍からは、攻撃目標になることを忘れんなよ」

提督「そして、お前ら以外の深海棲艦がむやみに近づくようなら、俺たちも交戦体制をとる。お前らを敵としないってだけだからな?」

提督「そういうところを踏まえてル級は島から離れて暮らしてんだ。うちの艦娘を面倒事に巻き込むようなら容赦しねえぞ」

泊地棲姫「ワカッタ、ソレデイイ」

泊地棲姫「ソウイウワケダカラ、ル級ハ早ク新シイ塒ニ案内シナサイ」フンス

ル級→ル級fl「イキナリ偉ソウナ態度取ルノ、ヤメテクレル?」ゴゴゴゴゴゴ

提督「ル級も面白い特技を身に着けたな」

如月「こういうのは特技って言わないわ」



416: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:17:39.26 ID:d8EFEm1Vo

大和「そういえば、大佐はどうなったんです?」

ル級「巣ニナッテルワヨ。駆逐艦用ノ」

ニコ「へぇ……」

大和「……」

ル級「イッソ死ンダホウガ良イッテ状態ダケド、詳シク知リタイ?」

大和「いいえ、それだけ教えて戴ければ大丈夫です」

ニコ「……そう?」

大和「これ以上聞きませんからね。想像したくありませんから」ヒヤアセ

ヴェロニカ「残念ね」

伊8「興味津々って顔してたね……」

如月「とにかく、もう戻ってこないなら安心ね……」

ル級「マア、戻ロウニモ戻レナイオツムニナッテルカラ、安心ナサイ」

提督「さて、じゃあ戻るか。お前らも気を付けて帰れよ」

ル級「アア……少シ、待ッテクレル?」

提督「ん? なんだ?」

ル級「チョット手ヲ貸シテモラッテモイイカシラ」スッ

提督「……握手か?」

ル級「エエ」



417: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/20(土) 00:19:03.49 ID:d8EFEm1Vo

提督「これでいいのか?」スッ ギュ

ル級「……」ギュ

提督(俺の手を見てる……のか?)

ル級「……」

ル級「……アリガトウ」スッ

提督「……?」

ル級「マタ、オ世話ニナルワ。今後トモ、ヨロシクネ」ニコ

提督「? あ、ああ。じゃあな」



ル級(……)

ル級(前代未聞、ネ)

ル級(深海棲艦ニ触レラレテ、発狂シナイ人間ダナンテ)

ル級(私ノ手ヲ握リ続ケテモ平然トシツツ、手ニモ腐食ノ跡ガ残ラナカッタ……)

ル級(並ノ人間ナラ、泊地棲姫ノ顔ヲ掴ンダ時点デ倒レテモオカシクナイノニ)

ル級(軽巡棲姫ノ弾丸デ生キ返ッタトモ聞イテイルシ……)

ル級(彼ハ、人間ナノカシラ……?)



421: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/28(日) 16:58:45.89 ID:iBEg79bWo

 * 鎮守府内 廊下 *

提督「やれやれ、問題は山積みのまま明日へ持越し、か」

山城「あら、提督。戻られてたんですか」

提督「おう……何があった山城。やつれてないか?」

山城「はい、それが……」

扶桑「やーまーしーろー?」

山城「ひっ!?」ビクッ

扶桑「うふふ、見つけたわー、山城ぉ~♪」ダキツキー

山城「扶桑お姉様っ!? て、て、提督の前ですよっ!?」

扶桑「……♪」ホオズリホオズリ

山城「……」

提督「……」

山城「……提督、あの、説明、よろしいでしょうか」カオマッカ

提督「ああ」

 * 説明後 *

提督「なるほど。復讐終わって燃え尽きたってか」

山城「たぶん、虚無感を埋めるために誰彼かまわず甘えるようになったんじゃないかと……不幸だわ、扶桑お姉様が」

扶桑「提督~、提督もぎゅー……♪」スリスリギュウウ

提督「で、主にお前が扶桑の抱き枕になっていると。こりゃ重症だ」ナデナデ

扶桑「はふ~♪」ポワワ

山城「はい。私は一応幸せなんですが身が持たなくて……どうしてこうなったのかしら」トオイメ

提督「扶桑が誰かに甘えるとか抱き着くとか想像もしなかったからな。ちょっと幼児退行も入ってるんじゃねえかこれ」



422: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/28(日) 17:00:10.67 ID:iBEg79bWo

アーニャ「魔神様ー……ってうわぁ!?」

最上「提督も、もう被害にあってたんだ……」

提督「てえことは、お前らも抱き着かれたわけか」

ミーシャ「はい。扶桑お姉さん、すっかり甘えん坊に……」

山城「というか被害とか言わないでください」

三隈「んー、山城さんがちょっぴり羨ましいですわ」

最上「え」

ミーシャ「三隈さんも最上さんに抱き着かれたいんですか?」

三隈「ええ♪」

アーニャ「……ミーシャは羨ましくないのかな?」

ミーシャ「私は……以前、姉さんとは離ればなれだったから、一緒にいられるだけで嬉しいけど……」モジモジ

アーニャ「ミーシャあああ!」ダキツキッ

ミーシャ「きゃっ!? ね、姉さん!?」

アーニャ「そうだね! そうだったよね! あたしもミーシャと一緒で嬉しいからね!」ギュー

ミーシャ「あう……う、うん」カァァ

三隈「あらあら、こちらも羨ましいですわ。モガミン、私にもお願いしますわ、さあ」リョウテヒロゲ

最上「さあ、じゃないよ三隈……」ポ

三隈「行かないのでしたら私から行きますわ。んちゅー」ダキツキチュー

最上「ちょっ!? き、キスは余計だよ!?」カァァ

アーニャ「うわ……」カァァ

ミーシャ「わぁ……」カァァ

山城「……仲がいいわね」カァァ

扶桑「山城? お顔が赤いわよ? お熱でもあるのかしら」オデコピトッ

山城「……鼻血が出そうだわ」カオマッカ



423: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/28(日) 17:02:53.92 ID:iBEg79bWo

アーニャ「ねえねえ魔神様! モガミンさんとクマリンコさんって、結構くっつき過ぎだと思うんだけど」

ミーシャ「なにかあったんですか?」

提督「三隈はもともと最上が好きだからな。扶桑がこんな風になって、あてられたんだろ」

山城「最上も結構不幸よね。前の鎮守府でセクハラされてたって言うし」

ミーシャ「せくはら?」

アーニャ「って、なーに?」

提督「そっからかよ……」

山城「本当に無邪気ね……」

三隈「ねえ二人とも? 男の人にいきなり胸を揉まれたり、お股を触られたりしたらどう思います?」

アーニャ「あ、そういうこと!? ひどいね、そんなことされてたんだ!」プンスカ

提督「最上は自分のことを僕って呼ぶし、アーニャに似て少し男の子っぽいところがあるだろ?」

提督「それでそこの司令官が『男同士だからいいだろ~』みたいなノリで最上に手を出してたらしい」

アーニャ「さいってー!」

ミーシャ「こんなに可愛い人を男の人扱いするんですか!?」

最上「か、かわっ……」カァァ

三隈「モガミンの魅力がわかってもらえて嬉しいですわ~♪」ホッペチューー

ミーシャ「きゃああ!?」カァァ

提督「まあ、この通り三隈は最上が気に入ってる。その最上は、そこの司令官にベタベタ触られてて困ってたんだ」

提督「そいつは最上と二人っきりになると決まってセクハラしてくるから、そうならないように三隈が見張ってたんだが」

最上「そうそう。僕と元司令官が二人になるたびにくまりんこーくまりんこーって警告音みたいに言ってたから、口癖になっちゃったんだよね」

三隈「おかげで今も、困ったときにくまりんこって言ってしまうことがあるんです」

アーニャ「こまりんこになっちゃったんだ」



424: ◆EyREdFoqVQ 2016/08/28(日) 17:05:01.03 ID:iBEg79bWo

提督「その後もそこの司令官は最上へのセクハラをやめなくてな。頭に来た三隈が主砲でそいつを男にじゃなくしちまったんだよ」

アーニャ「?」クビカシゲ

ミーシャ「?」クビカシゲ

提督「あー……お前ら、男の股間になにがついてるかはわかるか?」

アーニャ「……あ!」カァァ

ミーシャ「は、はい!」カァァ

提督「早い話が、三隈はブチ切れてそいつのソレを撃ったんだよ」

アーニャ「ほんと!? すごーい!」

ミーシャ「三隈さんかっこいいです!」

三隈「え、ええ……あ、ありがとう」

最上「引かれるかと思ったのに、予想外の反応が来たね……」

提督「お前ら、こいつらが罠だってこと忘れてるだろ。人間の命なんて糞とも思ってねえぞ?」

三隈「じ、じゃあ、この子たちの善悪の基準って……」

アーニャ「んー、人間は別にどうでもいいかなーって感じかなー?」

ミーシャ「魔神様と、メディウムのみんなと、あと、ここの艦娘さんたちは友達ですから、大事にしたいって思ってますけど」

アーニャ「うん! もし、みんなをいじめにくる人間が来たら、あたしたちが守ってあげるからね!」

最上「……僕たちはすごい子たちを味方につけたんだね……」タラリ


山城「私は提督の鋼の意志の方が驚きですけどね。扶桑お姉様に抱き着かれて平然としてるところとか」

提督「恥ずかしいっちゃあ恥ずかしいんだがな」アタマガリガリ

扶桑「……♪」ホオズリホオズリ

ミーシャ「なんていうか、猫みたいですね……」

山城「扶桑お姉様に抱き着かれるとドキドキして耐えられないけど、他の人に抱き着いてるとイライラして耐えられない自分が嫌になってくるわ……」ズーン

提督「しかしまあ、ずっとこのままってのもアレだな。山城、体が持たねえだろ? 明日から適当に演習に出るか」

山城「ええ、扶桑お姉様も、少しでも昔の感覚が取り戻せればいいかもしれませんね……」



430: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:10:11.25 ID:wbstJ6uAo

 * 幕間 ハグ *

エレノア「で、抱きつかれたまま執務室まで来たってこと?」

扶桑「~~♪」ギュウウ

提督「まあな」

エレノア「まったく、そういうことならわたしに任せればいいのに」ニヤニヤ

山城「駄目です! せめてその腕と胸元のとげを外してからにしてください!!」

エレノア「あら、それでいいの?」カチャカチャ

山城「」

エレノア「ほら、いらっしゃい♪」

扶桑「……」ジッ

エレノア「ん? どうしたの?」

扶桑「……ああ、かたきを取ってくれたメイデンハッグさん、やっと見つけたわ……!」ニコー

山城「あ、そういえばそうだったわ……」

扶桑「うふふふー」ダキツキー

エレノア「えっ、ちょっと、そんな躊躇いなく抱きつかれるとわたしも戸惑うんだけどっ」アセッ

提督「今の扶桑はもう怖いものなしだな」

山城「ちょっとエレノアさん! 扶桑お姉様の玉の肌に傷を付けたらただじゃ済ましませんよ!」

エレノア「わ、わかってるわよ! もう、よしよし……」ギュ

扶桑「うふふふ……」スリスリ

山城「大丈夫なんでしょうか扶桑お姉様……仮にもアイアンメイデンなんて中世の拷問器具だというのに」

提督「まあ、さすがに俺の部下に怪我させるような真似はしねえだろ、ニコの言い分からして」

エレノア「まあ、たまにはいいわよね。もう、ほんと子供みたいになっちゃって」ナデナデ

扶桑「……すんすん」

エレノア「ん?」



431: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:11:29.46 ID:wbstJ6uAo

扶桑「……いいにおいがします……すんすん」

エレノア「え? あ、ああ、普段お酒ばっかりだしね、酒臭いって言われるし……ちょっとノイルースに頼んで香木を炊いてもらったのよ」

扶桑「落ち着きます……すんすん、くんくん」

エレノア「そ、それにだねえ、私アイアンメイデンだし、血のにおいもするから、ちゃんと洗わな……って、ちょっと扶桑?」

扶桑「すんすん」ムネニスリスリ

エレノア「ちょっ、におい嗅ぎすぎだって! そんな犬みたいに鼻を鳴らして」

扶桑「くんくんっ」クビスジスリスリ

エレノア「もう、や、やめなさいってば!」ヒキハガシッ

扶桑「あ」

山城「え」

扶桑「あの、もう少し……」ヒキヨセー

エレノア「だめ! もうだめ! おしまい! 今日は看板よ!」ダダッ

山城「え、逃げた!?」

扶桑「ああっ、待って!」ダッ

山城「扶桑お姉様!? ちょっと待ってください!!」ダッ

提督「……なんだってんだ一体」



432: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:13:28.19 ID:wbstJ6uAo

 * 翌朝 執務室 *

ニコ「あ、寝坊助がやっと起きてきた」

赤城「あら、提督少尉、おはようございます」

提督「ふあ……ああ、おはようさん。枕が変わったせいであまりよく眠れねえな。なんで俺の布団やら何やらが全部新品になってんだ?」

如月「ま、まあまあ、今日も一日、頑張りましょ?」

提督「……? まあ、いいけどよ」

赤城「では、本日の予定ですが……」

大淀「私の役目が……」ポツリ

赤城「あっ! ご、ごめんなさい、いつもの癖で!」

ニコ「つくづく向こうの鎮守府の苦労が伺えるね」

如月「本当ね……」


ニコ「ところで、報告があるんだけど」

提督「ん?」

ニコ「昨晩、島の外から人間がこの鎮守府を監視してるみたいなんだ」

川内「巡視船1に駆逐艦艦娘2、ってとこかな」シャッ

提督「川内も忍者じみてきたな……で、そいつらは物見遊山に来ただけか?」

川内「そうだね、わざわざ北の海域通ってふらふらして行ったし、島の周りの様子見って感じだったね」

ニコ「ただし、奴らは確実にこの鎮守府を見ていたよ、あからさまな警戒態勢を取ってね」

提督「うぜえな……放っておいてくれねえもんかね」

ニコ「深海棲艦を追い払ったからね、良くも悪くも有名になったからかな」



433: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:14:17.80 ID:wbstJ6uAo

川内「それなんだけどさあ、その敵だった昨日泊地棲姫とお話ししてたじゃない? 提督は深海棲艦と友好的に行くつもりなの?」

提督「泊地棲姫が仲良くしたいっつうから仲良くする話ではある。が、深海棲艦全体と仲良くする気はねえぞ?」

提督「深海棲艦なんて一括りにしてるけど、ル級みたいなやつがいる以上は、あいつらだって一枚岩じゃねえだろ」

提督「どうあっても人間が嫌いな奴もいるし、戦わずに放っておいて欲しい連中もいるはずだ」

ニコ「後者は魔神様だね?」

提督「おうよ。そういう意味じゃ人間どもも同じじゃねえの?」

提督「ただ、人間の場合はそこに金やら名誉やらが絡んでくるからな、平気で誇りを質に入れてる連中が多くて困る」

川内「じゃあ、戦争終結のための深海棲艦との和睦とかは考えてないんだ?」

提督「ねえな。つうかどこから出てきたそんな話」

川内「神通からよ。以前神通がいた鎮守府の提督が、深海棲艦とのコンタクトを取る方法を模索してたっていうからねー」

提督「そんな話ができるようになったのか」

川内「提督のおかげだよ?」ニカッ

ニコ「?」

川内「あ、わけわかんないって顔してるね」

提督「神通も大佐に因縁があったってことだよ」

ニコ「……ふぅん。とりあえず、その和睦って言うのは、君たち艦娘も望んでることなの?」

川内「全員か、って言われるとそこはわかんないね。私個人で言うなら、それもありかなって」

川内「でも、肝心の提督はあんまり乗り気じゃないみたいだし、今の気楽なスタンス崩したくないんじゃない?」

提督「ああ。俺は俺の手の届く範囲のことしかしねえ。俺の手に余るようなお役目は御免だ」

川内「だーから昇進できないんだよー。する気もないだろうけどさ」ケラケラ



434: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:15:47.02 ID:wbstJ6uAo

川内「で、そういうニコちゃんはどうなの?」

ニコ「ぼくたちメディウムは、何があろうと魔神様の意に従うつもりだよ。人間もどうなろうと構わないしね」

川内「提督と一蓮托生ってわけね」

提督「……とはいえなあ……」

ニコ「どうしたの魔神様?」

提督「ぶっちゃけやる気が失せた」グデー

川内「は?」

提督「あれだな。扶桑と同じで燃え尽き症候群だ」

ニコ「魔神様!?」

提督「だってなあ、目障りな大佐は潰したろ? メディウムでも深海棲艦でもこの島じゃそこそこ穏やかに暮らせそうだろ?」

提督「この島の艦娘の悩みもだいぶ解決できてるしよぉ。利己的な人間と関わらねえ生活も、今じゃ清々しいくらい快適すぎて幸せでなあ……」

提督「俺としちゃあ今の時点で人生の目的8割がた達成しそうなんだよな。今死んだら間違いなく成仏する自信がある」グデー

川内「提督が溶けてる!?」

ニコ「こら、寝ぼけてる場合じゃないよ? さっきも言ったけど、この島に敵が近づいてきてるんだよ?」

提督「……はぁ、どいつもこいつもなんだって俺みたいなやつにご執心なんだか。俺はもうこのままくたばりたいんだがな」

川内&ニコ「「それはだめ」」

提督「へいへい」


ニコ「……川内、嬉しそうだね?」

川内「えー、そりゃあね? あのいつもつっけんどんな提督が、私たちと一緒にいて幸せって言ってくれたんだもん」ニシシ

川内「ちょっと共依存入ってるなーとは思うけどさ。ほら、私たちも提督も、人に捨てられてここに来たわけだからね」

ニコ「それを……捨てたはずの魔神様を利用しに、人間がまた拾いに来た、ってことだよね。頭にくるなあ……」

川内「それだけならまだいいんだけどね。神通は心配してたよ、提督が狙われたりしないかって」

ニコ「ヴェロニカから聞いた中佐の話に近いね……彼女はどのくらい知ってるの?」

川内「えーっとねえ……」



435: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:17:53.38 ID:wbstJ6uAo

 * 一方その頃 本営 大将の執務室 *

大将「どうだったかね甥っ子君。提督少尉の様子は」

中佐「まるで何事もなかったというくらいに落ち着いていましたよ。彼の艦娘は狂喜乱舞と言った風でしたが」

大将「そうか。鎮守府の士気が上がるのなら、それに越したことはない。ますます働きが期待できるということだ」

大将「それで、少尉はどんな奴だった? 深海棲艦と関係は持っていそうかね?」

中佐「彼の人柄については、昔、大佐に聞いた通りです。愛想は悪く傍若無人、好青年とは言い難い。自分から人を遠ざけようとしている嫌いもありますね」

中佐「ただ、個人的には、嫌味でいけ好かない奴という評価は取り下げて良いと思います。あれは大佐を嫌悪していたせいでしょう」

中佐「また、彼が深海棲艦との接触を図っているような態度は見受けられませんでした。興味すらなさそうな、他人事とも思える態度でしたね」

大将「そうか。やはり噂は噂でしかない、か……」

中佐「あの鎮守府のある島に、近海の深海棲艦が出入りしている、という噂話ですか?」

大将「ああ。それが本当なら、私は彼に期待できると思っていたのだが」

中佐「深海棲艦との和睦の件ですか。僕は聊か急ぎ過ぎではないかと……」

大将「いや、打てる手は打つべきだ。このまま指を咥えて見ているようでは手遅れになってしまうだろう」

大将「それにな、彼が接触を否定したとすれば、今度は逆の場合……深海棲艦に通じている可能性も考えなければならんのだ」

中佐「伯父さん!?」

大将「中佐。大将と呼びたまえ」

中佐「……っ、た、大将殿、それは不自然でしょう? 裏切っていたのなら、なぜあの鎮守府が深海棲艦から攻撃を受けるのです?」



436: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:19:21.67 ID:wbstJ6uAo

大将「今回の襲撃で理解できない点はたくさんあるが……中でも俺が不思議に思うのは、大佐とその部下の遺体が見つかっていないことだ」

大将「二日がかりの大捜索。爆撃の跡や、焼けた脱出用ゴムボートは見つかったが、彼らの痕跡は髪の毛一本残っていない」

大将「大佐は深海棲艦に連れ去られたと言うし、その部下たちも全員死んだことになっているが、誰一人としてどう死んだか証言できないときた」

大将「かといって赤城が持ってきた計画書も疑ってみても、あれはあれで信憑性が高いし、その部下の艦娘の証言も一貫している」

大将「発砲済みの大佐の拳銃も見つかっているし、提督少尉もその拳銃で撃たれたと思われる銃創があった」

大将「……ただ、弾丸が残っていないのと、即死するような場所を撃たれて助かった点はやはり疑問が残る」

大将「私の都合の良いように考えれば、提督が何らかの形で深海棲艦側に協力をこぎつけ、大佐たちを引き渡した、とも思えたんだが」

大将「君の言う通り、深海棲艦との接触を否定するのなら、本当に知らないうちに深海棲艦に助けられたか、後ろめたい何かがあるか……」

中佐「……」

大将「しかもだ。直接関係はないだろうが、捜索中に提督少尉と艦娘以外の人間がいて、そいつらが幽霊のように鎮守府内に現れたり消えたりしているという話まで出てきた」

中佐「ゆ、幽霊ですか?」

大将「下らん冗談かと思いきや、複数の部下が同じようなことを言う」

大将「海賊の姿をしていたり、軍人、スーツ姿と様々だ。中には西部劇のカウガールだのゴルファーだの、世迷言を言う馬鹿もおったが」

大将「そのおかげで、彼らはあの島の幽霊に食われたんじゃないか、という噂で持ち切りだ」

中佐「……食われた……幽霊にですか」

大将「甥っ子君? 顔色が悪いようだが」

中佐「……大将殿、今の私は中佐です」

大将「まじめだな甥っ子君は」



437: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:22:37.50 ID:wbstJ6uAo

中佐「それより……私もひとつ、仮説を立てたのですが」

大将「話してみたまえ」

中佐「まず、中将の暗殺を阻止したのは誰でもない提督少尉です。僕には、大佐こそ深海棲艦に繋がっているように見えます」

大将「ほう?」

中佐「大佐が深海棲艦に島へ攻め込むように内通し、大佐は中将と提督少尉を始末する」

中佐「鎮守府を攻め込ませて証拠を消して、その後自分たちの艦隊を使って、深海棲艦を撃破して口封じと共に、戦果を挙げて昇進を狙う」

大将「……ふむ。一度仲良くして裏切るか。そんなことをしては深海棲艦もただではおかんだろう、大佐がそこまでのリスクを背負うだろうか?」

中佐「もし戦争を続けるのが目的なら、逆にそれは十分なリターンになるのではないかと」

中佐「彼らはかつて、人間の力で艦娘や深海棲艦に対抗できる力を模索するために、艦娘や深海棲艦を使った実験を行っていたでしょう?」

中佐「その技術が確立できたのなら、それを見せつけ、様々な面であらゆる勢力に優位に立ち、戦争を続けようとするでしょう」

大将「一度、その技術の開発中断を命じていてもか?」

中佐「大将殿もよく仰っているではありませんか、『ああいう連中は諦めが悪い』と」

大将「……大佐が深海棲艦を煽った、というのは事実のようだ。艦隊を泊地棲姫の拠点に向かわせ、打撃を与えているのは確かだ」

大将「いや、待てよ? 仮に彼が深海棲艦と繋がっていたとしたら、死んだと見せかけて深海棲艦のもとへ身を寄せている可能性もあるのか!?」

大将「だとしたら最悪だ! やはり、どうやって提督少尉は深海棲艦を追い返したのか、問いただす必要がある!」

中佐「……」

大将「……甥っ子君。やはり顔色が悪いぞ? 何があった」

中佐「いえ……提督少尉からの忠告です。人間は……特に僕は、あの島には近づくな、と言われてきました」

大将「どういう意味だ?」

中佐「……詳しくはわかりません。ただ……」

大将「ただ?」

中佐「……人間が、人間ではなくなる、と」



438: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/04(日) 15:24:01.72 ID:wbstJ6uAo

大将「……」

中佐「……」

 RRRR... RRRR...

大将「ん、私か……なにかね?」チャッ

大将「……ふむ……そうか」

大将「……わかった。いや、まずは部下全員に招集をかけてくれ、可及的速やかにだ」ピッ

中佐「……」

大将「悪いニュースが2つだ。ひとつは、追い返したはずの泊地棲姫が、件の鎮守府近海に潜んでいるらしい」

中佐「な!?」

大将「そしてもう一方は、同じくその鎮守府に所属不明の不審な船が接近しているということだ」

大将「その船の周囲には艦娘の姿もあるらしい。我々と同じく……いや、目的はわからんが、海軍内で彼に接触したい者がいるようだ」

中佐「……味方、でしょうか」

大将「私は命じていない。勇み足を踏む馬鹿者か、それとも戦争を続けたい馬鹿者か。どちらにしろ面倒だな」

中佐「て、提督少尉に連絡を取ります!」

大将「待て。彼の出方を見る」

中佐「大将殿!?」

大将「残念だが私は提督少尉を完全には信用していない。彼の本心を見極めるいいチャンスだと思っている」

大将「中佐。君はここで待機だ。いいな、これは命令だ……ゆっくり休んでいたまえ」

中佐「……はっ」

中佐(……海軍は、どうしてこんなにもバラバラなんだ……こんな戦争を終わらせるのが、海軍じゃないのか……?)

中佐(提督少尉……君はどうするつもりだ? 下手をすれば海軍も敵に回すことになるぞ)



443: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/30(金) 01:33:06.54 ID:g5N4bCY0o

 * 執務室 *

提督「転属願い、ねえ……」

赤城「部下A鎮守府の北上、霰、満潮、B鎮守府の名取、弥生、初霜は、当人の希望によりこちらの鎮守府へ異動させていただくよう申請しました」

提督「……名取とか初霜は大丈夫なのか? 初霜は特にいろんな意味で」

赤城「名取さんと弥生さんがフォローしていますし、初霜さんは姉妹艦の初春さんや若葉さんがいますので、安定はするのではないかと」

提督「だといいがな。初春はともかく、若葉はなあ……こりゃまた初春に苦労を掛けるな」

赤城「それと、提督少尉。私は今週中に元の鎮守府に戻ろうと思います」ペコリ

提督「そうか」

扉 <バンッ!

比叡「やっぱりそうなんですか!?」

セレスティア「そんな、赤城さん帰るんですか!?」タタタッ

スズカ「うちまだ少ししかご馳走しとらんよ!?」タタタッ

赤城「あら、あとでご挨拶に伺おうと思ってたんですが」

セレスティア「それにしたって急ではありませんか」

提督「この鎮守府で働くこと自体が、一時的な措置だからな。大佐のいた鎮守府にいる艦娘たちのことも考えてやれ」

比叡「……そ、そうですね。加賀さんは特に淋しがってるかも」

赤城「ええ。それに、あまり長居してしまうと、この鎮守府に胃袋を置いていく羽目になりそうですから」ニコー

スズカ「うちらは構わんのに……」

セレスティア「残念です……」シュン



444: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/30(金) 01:34:59.76 ID:g5N4bCY0o

提督「お前らいつの間にそんな仲になったんだ」

比叡「食堂で食べ終わった後、毎回110度頭を下げて御膳を返しに来る方は赤城さんだけですから!」

セレスティア「料理人冥利に尽きるというものです」

提督「だがまあ、そーだな……お前らの飯を食べ慣れたら、余所では苦労しそうだよな」

赤城「はい。正直、後ろ髪引かれる思いですが、私にも仕事がありますし加賀さんや蒼龍さんも心配してくれています。それに……」

スズカ「それに?」

扉 <バーンッ!

カトリーナ「お、おい! 速吸どこ行ったか知らないか!?」

提督「いや、見てねえぞ。どうした?」

電「マリッサさんがまたどこかに消えたのです!」

比叡「」

セレスティア「」

スズカ「」

提督「あー、ニコに訊け、ニコに」

電「わかったのです! カトリーナさん、ニコさんを探すのです!」ヒョイッ

カトリーナ「え、ちょっ、ヒョイッて、なんであたしをお姫様だっこすんだよ!?」

電「電の! 本気を! 見るのです!!」

カトリーナ「お、おろしてくれーーー!」ドドドド…

比叡「……」

セレスティア「……」

赤城「早く戻らないと、速吸さんが手遅れになりそうな気がして……」トオイメ

スズカ「もう手遅れなんじゃ……」

提督「言ってやるな」



445: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/30(金) 01:36:21.48 ID:g5N4bCY0o

提督「そういや、今日は蒼龍も来てるんだっけか?」

赤城「はい、来るといつもスパイクボールさんやヘルファイアーさんと一緒に遊んでますね」

ソニア「赤城さん?」ヌッ

赤城「!?」ビクッ

ソニア「駄目だよ~、みんなのことは罠の名前じゃなくて、ちゃんと名前で呼んであげてねー?」

赤城「そ、そうですね、すみません」ドキドキ

ソニア「うん、よろしくねー」タタッ

赤城「……ほっ」

提督「ソニアはどこから現れたんだ」

ニコ「魔神様? さっきソニアが部屋から出てったみたいだけど……あれ? 赤城? ……ってことはもしかして」

赤城「あら、ニコさん。ええ、不覚でした」

提督「なにがあったんだ?」

ニコ「ソニアから、お仕事の時はいいにしても、プライベートの時はちゃんと名前で呼んでほしいって言われてるんだ」

赤城「ですが、どうしても私は想像しやすい罠の方の名前で呼んでしまうもので、しょっちゅう注意を受けてるんです」

提督「注意ねえ」



446: ◆EyREdFoqVQ 2016/09/30(金) 01:40:08.52 ID:g5N4bCY0o

赤城「ツバキさんやオボロさんは日本語の名前で覚えやすいのですが、えーと、サンダージャベリンさん? あたりになると……」

ソニア「 <○><○> 」

提督「」

赤城「ひっ!?」ガシッ

ニコ「ひっ!?」ガシッ

ソニア「ちょっとお、二人ともどうして魔神様に抱き着いてるのー? ずるーい」

提督「お前の現れ方が心臓に悪いだけだ」ナデナデ

ニコ「あっ」テレッ

赤城「て、提督少尉!? どうして私もなでるんですか!?」カオマッカ

提督「ん……悪い。つい手拍子で」

ソニア「 <○><○> 」

赤城「ひいっ!?」ギュウ

ニコ「ひいっ!?」ギュウ

提督「ああ、ソニアもなでてやるからこっちこい」ハァ

ソニア「そ、そういうつもりじゃないってば」カァァ

提督(でも素直に近寄ってくるんだな)ナデナデ

ソニア「え、えへへー」ニヘラ



提督「ところで赤城。お前そんなにソニアが怖いか?」

赤城「……なんとなくなんですが、メディウムの皆さんは、どこかしら深海棲艦と似たような雰囲気がありまして」

赤城「戦闘時ともなれば気を張って敵の雰囲気にのまれないようにと心構えができますが、平時はそうではありませんから」

提督「……深海棲艦と似てる、ねえ」



450: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/03(月) 00:33:39.75 ID:gTxrNErDo

 * 鎮守府内 埠頭付近 *

ディニエイル「……というわけで、ミス赤城からはなかなか名前で呼んでもらえないのですが……」

グローディス「私たちの名前って、そんなに覚えづらいか?」

不知火「残念ながら、発音も語感も日本人には少々馴染みが薄いですので、無理もないかと」

暁「暁はちゃんと覚えたわ!」フンス

グローディス(たまに噛むけどな!)ニコー

朝雲「暁ちゃんたちにはロシア系の姉妹艦がいるからね」

ミリーエル「? ……もしかして、暁さんの姉妹はこの島に全員揃ってないんですか?」

暁「ええ、来てないわ。暁と電の間には、響と雷っていう妹たちがいるんだけど」

朝雲「四人姉妹で全員揃ってるのは金剛型だけよね?」

不知火「川内さんたちは三姉妹ですが、こちらも揃ってはいますね」

ディニエイル「そこへいくと我々は、姉妹を持つ者自体が少ないと……」

ノイルース「私たち以外では、ユリア、クレア、ソニアの三姉妹と、アーニャ、ミーシャの二人だけですか」

不知火「艦娘の殆どは姉妹がいますから、姉妹がいないと言うのは少し寂しく感じますね」

グローディス「私たちは姉妹がいる方が珍しいからな。まあ、仲間もいるし、みなそこまで寂しくは感じてないと思うが……」

ディニエイル「むしろ姉妹が離れ離れで傍にいないことの方がつらいと思います」

暁「でも、暁たちは軍艦だから、妹たちを残して沈むこともあるわけだし……つらくないと言えば嘘になるけど、そういうことは考えないようにしてるわ!」



451: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/03(月) 00:34:46.86 ID:gTxrNErDo

朝雲「あと、できればこの島に来て欲しくないって気持ちもあるのよね……」

ノイルース「……不幸な艦娘を呼び寄せる島ですからね。そういう意味では来てほしくないと」

ミリーエル「そう考えると複雑ね……」

暁「ところで、質問してもいい?」

ミリーエル「なんでしょう?」

暁「4人のなかで誰が一番お姉さんなの?」

ノイルース「それは……おや?」

 ドドドドドドドド

グローディス「な、なんだ!?」

暁「こ、この足音!」

白露「呼んだー!?」キキーッ

不知火「いえ、呼んでいません」

白露「嘘だあ、いっちばーんお姉さんなのは私だよ!」フンス

ディニエイル「あれが聞こえてたんですか」タラリ

暁「あ、暁だってお姉さんなんだから!」フンス

グローディス「……なあ、あたしたちの話じゃなかったのか?」ヒソッ

朝雲「こうなると二人とも止まらなくなるから」ヒソッ



452: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/03(月) 00:36:12.95 ID:gTxrNErDo

雲龍「……あら、賑やかね」

暁「あっ、雲龍さん!」

白露「ちょうどいいわ、あたしと暁ちゃんと、どっちがお姉さんだと思う!?」

雲龍「それは……難しいわね。二人ともお姉さんしてると思うわ」ムー

白露「そういうのじゃなくて、どっちがって話!」

朝雲「あのさ、雲龍さんも妹さんが二人いたわよね」

雲龍「ええ、天城と葛城ね」

朝雲「雲龍さんと妹さんたちとで、差がついてるところってある?」

雲龍「……そうね……」ウーン

ノイルース「……なるほど、差になるところを聞いて判断しようと」ヒソッ

朝雲「第三者の意見なら公正でしょ?」ヒソッ

雲龍「髪の長さと」

白露「!」

暁「!」

雲龍「胸の大きさかしら」タプン

白露「」イヌガミケ

暁「」キリモミフットビ

ミリーエル「し、白露さん!? 今の一瞬でどうやって埋まったんですか! 白露さん!?」

グローディス「暁!? し、しっかりしろ!?」

暁「あ、あかつきは、せいちょうき、なんだ、から……」ガクッ

グローディス「暁ぃぃぃぃ!」



453: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/03(月) 00:37:15.85 ID:gTxrNErDo

不知火「……ダブルKO、ですか」

雲龍「この中だと……僅差で朝雲ちゃんが一番お姉さんかしら」ジーッ

不知火「!?」

朝雲「ふえっ!? ちょ、ちょっとやめてよ雲龍さん!」カァァ

雲龍「……あなたたちだと……みんな互角ね」ジーッ

ディニエイル「!?」バッ ←胸隠し

グローディス「お、おい!? どこ見てるんだ!」バッ

ミリーエル「は、恥ずかしいです!」バッ

ノイルース「うう、顔が火照って……」バッ

雲龍「……4つ子かしら」

不知火(相変わらず掴み所のない方です)


不知火「ちなみにその基準でいくと駆逐艦で一番お姉さんなのは誰ですか」

雲龍「……潮ちゃんかしら」

ディニエイル「何を聞いているんですミス不知火」

不知火「ではメディウムの中では」

雲龍「……タライの子かしら」

ディニエイル(フウリ……恐ろしい子!)シロメ

島風「ねえねえ、どうして白露は埋まってるの?」

ミリーエル「ええと、とりあえずタチアナを呼んで掘り起こしましょう」


 * 執務室 *

赤城「……浜風? 知らない子ですね」キュピーン

筑摩「赤城さんはいきなり何を仰ってるんでしょう」

利根「よくわからんのう……」



457: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/07(金) 00:52:14.59 ID:pELAeIdko

 * 入渠施設の隣、大浴場 *

 カポーン

潮「はふう……」チャプーン

フウリ「はふう……」チャプーン

長門「……」

潮「……ど、どうしたんですか長門さん」

フウリ「わ、私の顔に何かついてます!?」ワタワタ

長門「いや、ふたりは似ているなと思ってな」

フウリ「え、そ、そうですか……?」テレッ

潮「……最初にあった時から、なんとなくそんな雰囲気はあったよ?」ニコ

長門「なあ、そう思わないか、名取?」

名取「えっ? あ、そ、そうですね、似てるんじゃないかと……」アセアセ

長門「カサンドラもそう思わないか」

カサンドラ「ひゃっ!? ひゃいっ!」ワタワタ

長門「……」

フウリ(この二人も似てるかも……)



458: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/07(金) 00:54:56.50 ID:pELAeIdko

名取「そ、それじゃ私はこれで……」ソソクサ

カサンドラ「わ、私も……」ソソクサ

長門「待て待て待て! お前たちさっき入ってきたばかりだろう! カラスの行水にも程がある!」

カサンドラ「だ、だ、だって人前で素顔になるなんて恥ずかしいですよぉぉ!!?」ビクビクビクーッ

潮(裸の方が恥ずかしくないのかな……?)

名取「わ、私も、そんなに、得意じゃない、かなあ……」オドオド

フウリ「で、でも、せっかくのお風呂ですから、もっと、入ってたほうが……」

潮「フウリちゃん、お風呂好きなんだ」

フウリ「はい……大きくて、あしを伸ばせるお風呂っていいですよね」ポワー

名取「わ、私は、誰もいないときに、一人で入りますから……」

カサンドラ「わ、私も……」

長門「一人で? この風呂に一人で入るのは勧めないぞ?」

名取「ど、どうしてですか?」

長門「……ここには出るらしいんだ。コレが」ウラメシヤー

名取「!?」

カサンドラ「!?」

フウリ「あわわわ……」



459: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/07(金) 01:01:12.81 ID:pELAeIdko

潮「川内さんが何度か気配を感じたって言ってた話ですか?」

長門「2、3度会ってるらしいな。この前は背中を流してもらったとか言っていたが……」

名取「そ、そんなお風呂だったらなおさら入っていられないんじゃ!?」ビクビクビクーッ

カサンドラ「フ、フウリちゃん、タライ貸して!? タライにお湯入れて行水するから!」

長門(ほう、タライに入って行水?)

潮「だ、大丈夫ですよ、二人以上で入れば出てこないって言われてますから!」

長門(二人で?)

名取「ほ、本当?」

カサンドラ「ううう、どっちみち誰かに顔を見せないと駄目なんですか……」

潮「そういえばメディウムのみんなが傷を癒す時もお風呂に入るの?」

フウリ「は、はい。けがを治す時や、魔力を回復するときに、魔力槽に……」

長門「……」

潮「? 長門さん?」

長門「……」



460: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/07(金) 01:04:26.96 ID:pELAeIdko


長門(二人でタライの中に入る……潮とフウリが……)モヤモヤーン

長門(当然あの小さなタライでは小柄とはいえ二人ではいるのが精いっぱい……)

長門(狭いタライの中で抱き合うように入れば、お互いの胸を密着しあう形に……)

長門(行水なのだから、当然のように上からシャワーをかけて……)

長門(ああ、楽しそうだ……混ざりたいが……)


長門「……」

潮「な、長門さん?」

フウリ「ど、どうしたんですか?」

長門「駄目だ、もっと大きなタライを準備しないと……!!」

フウリ「!?」

長門「いや、せめてこの私が駆逐艦だったなら……!!」

潮「!?」

カサンドラ「あ、あの、長門さん?」

長門「……いや、少々のぼせてしまったようだ。あがろうか」ザバー

4人「「「「????」」」」



461: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/07(金) 01:06:00.05 ID:pELAeIdko


長門「ところで……あの武蔵にも似た風貌の……あれは誰だ?」

???「ふぅ。……ん? アタイがどうかしたかい?」ホッソリ

フウリ「オリヴィアさんですよ?」

長門「!?」

潮「!?」

名取「?」

フウリ「オリヴィアさんは痩せやすくて羨ましいです……」

オリヴィア「そうかねえ? アタイはまた体作りし直さないといけないんだ、たまったもんじゃないよ」

長門「痩せやすいってレベルじゃないぞ……」

潮(お腹まわりのお肉が全然なくなってる……羨ましいなぁ)

名取「すごい綺麗な人ですね……」

長門「ああ、名取はもともとの姿を知らんのか……」

潮「元に戻ったら驚くでしょうね……どっちが元なのかわかりませんけど」

名取「?」



465: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/12(水) 01:28:07.82 ID:v4ZRzAXTo

 * 練習場 *

那珂「……」

シェリル「ビートが足りないね。もっと心を揺さぶるような激しさが欲しいね」

レイラ「そうかしら? もっと緩やかで穏やかな曲調の方がよろしいかと」

シェリル「あたしは魂揺さぶるメタルがやりたいんだけどな」

レイラ「ゴスペルの方が聞く方の心に響くと思います」

シャルロッテ「やっぱりこうなっちゃったかー」

クロエ「まあ、仕方ありませんねえ!」

那珂「あうー、新曲作りたいって言ったら全然方向性が逆なんだもん」

那珂「那珂ちゃんが歌いたいのはリズムに合わせてダンスできるような明るい曲なんだけどなあ……」

シェリル「それならロック調のがいいだろ?」

レイラ「オペラミュージカルの方がいいでしょう?」

オディール「ダンスでしたらおまかせでしてよ! 目指すはプリマドンナですわ!」

那珂「えっ!? な、なんでそんなことになってるの!?」

クリスティーナ「もっと高くジャンプするの! 更なる高みを目指すのよ!」

那珂「うえ~ん、那珂ちゃんはセンターを目指してるのに~! なんでこうなるの~!?」



466: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/12(水) 01:30:35.76 ID:v4ZRzAXTo

シャルロッテ「あー、駄目ねこの布陣。我が強い人多すぎるわ」

クロエ「船頭多くして船山に上る……これが本当の山頂布陣!」

那珂「それじゃ馬謖さんじゃなーい!」ビシッ

クロエ「おや、意外と博識ですねえ」

那珂「だって提督が頭の弱いアイドルは大嫌いって言うから、勉強したんだよー! でも、これじゃバラエティには呼んでもらえないかもだけど」

シャルロッテ「えー、その方がいいでしょ? バラエティなんて何されるかわかんないじゃん?」

クロエ「バラエティ……ということは娯楽ですか! 娯楽でしたら私クロエがジャグリングでも玉乗りでもご指南いたしましょう!」

那珂「もー! アイドルはそんなことしないんだってばー!」



足柄「意外とそういうことやらさられたりするのよね。深夜番組枠で」

千歳「ありましたね、お笑い芸人とどう違うのかわからない扱いされて。そういうくだらない番組、前の鎮守府で見てましたね」

足柄「そうね……今は何してんのかしら、あの前提督。私たちをこの島へ追い出してから、愚痴こぼす相手がいなくなって鬱で退役したんでしょ?」

千歳「ええ。それからリハビリして一般企業に勤めて、半年で寿退社したそうですよ」

足柄「えっ!? なにそれ、どこ情報!?」

千歳「初春ちゃん情報です」

足柄「ああ、それじゃ確実ね……そっか。やっと奥様になれたのね」



467: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/12(水) 01:31:52.75 ID:v4ZRzAXTo

千歳「懐かしいですね。碌な男がいないって毎晩毎晩酔い潰れて……足柄さんがいい加減にしなさいって喝を入れたらわんわん泣き出して」

足柄「それでお互いブチ切れて出てけー、だもんねー。そうそう、私は千歳がお酒をやめるよう進言したときが一番びっくりしたわ」

千歳「ドクターストップがかかってましたから。結婚願望がある人を潰すようなことはしたくありませんでしたし」

足柄「結局は、誰かに甘えたくって、誰かに必要とされたかったのよね、あの人。私たちのへ八つ当たりもそうでしょ?」

千歳「いろいろありましたけど……ともあれ良かったじゃないですか。寄り添える誰かに出会えたんですから」

足柄「長続きするといいわねえ」

千歳「大丈夫ですよ。あの人、素面だと世話焼きだったじゃないですか」

足柄「それもそうね。ふふふ」



クリスティーナ「で、そもそもアイドルってどういうことをするのかしら」

レイラ「私も疑問に思っていました……どういうご職業なんでしょう?」

那珂「わかんないでいたの!?」

リンダ「うーん、さっきからええツッコミやな、うちと一緒にコンビ組まへん?」

那珂「もー、なんでそうなるの~~!?」



471: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/16(日) 21:35:25.98 ID:BaxcG4xyo

 * 執務室へ向かう通路 *

朝潮「司令官! 資材搬入にお立合いいただき、ありがとうございました!」

提督「いいさ、俺がじかに確認しておきたかっただけだからな。報告書頼むぞ、朝潮」

朝潮「はい、お任せください!」ビシッ

ニコ「そういえば魔神様? 如月から、利根に魔力槽を使わせて欲しいって話が来てたから、ジェニーと一緒に案内してあげたよ」

提督「利根? ……そうか、如月に気を使わせちまったな」

ニコ「一応、魔力槽の管理はぼくがしているから立ち会わせてもらったけど、あの怪我の様子じゃ気を使って当然だと思うよ」

朝潮「ニコさんも利根さんのお怪我を拝見されたのですか?」

ニコ「うん。だから、ぼくたちの使っている特別なお風呂で治療できないか、試してみたんだ。そろそろ治療が終わってるはずだよ」

提督「なら、執務室で待ってる筈だな?」

執務室の扉「」トントン

提督「入るぞ」ガチャ

利根「提督よーーー!!!」ダキツキーーーッ

提督「ぐほあ!?」ドガッシャー

ニコ「魔神様!?」

朝潮「司令官!?」



472: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/16(日) 21:37:01.14 ID:BaxcG4xyo

赤城「ちょっと利根さん!?」

ジェニー「うっわ、リーダー大丈夫なの!?」

筑摩「も、申し訳ありません提督! 抑えるようにと利根姉さんにも言ったのですが……」

利根「むうう!? す、すまぬ提督! 吾輩としたことが喜びのあまり加減を失念しておった!」マウント

提督「……お前な」ボロッ

ニコ(とりあえず魔神様の上から退けるのが先じゃないのかな、利根は)

ジェニー「いいなあ、私もリーダーでロデオしたいなあ」

赤城「!?」カオマッカ

ニコ「ジェニー、声に出てるよ」

朝潮「ろでお? どういう意味でしょうか」

赤城「朝潮さんにはわからなくていいことですよ?」マッカ

朝潮「そうですか?」クビカシゲ

提督「……で? 喜びのあまりとか、なにがあった」

ニコ(乗っかられたまま聞くんだ)ハイライトオフ

利根「よくぞ聞いてくれた提督よ!! 吾輩がかつての鎮守府でどんな仕打ちを受けたか、提督は知っておるな?」

提督「あ、ああ」



473: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/16(日) 21:40:42.78 ID:BaxcG4xyo

利根「吾輩の……その、腹やら胸やら、ひどい有様じゃったのは、知っておるな? どんなふうだったか、覚えておるな?」

提督「まあ、な。ひでえ火傷の痕があったんだよな」

利根「一生癒えぬと言われた傷じゃ。それがの! めでぃうむたちのマリョクソウ? とかいう風呂のおかげで消えたんじゃ!」パァァッ

提督「! 本当か!」

利根「うむ! 見よ!!」バッサーッ

赤城「キャアアアアア!?」マッカ

筑摩「あっ」ハナヂブバーッ

ジェニー「ちょっ、筑摩!?」

ニコ「なんで大量出血してるの!?」

筑摩「だ、だって、今まで利根姉さんは私に裸を見せてくれなかったんですよ」ダラダラ

筑摩「それを、こんな形で見ることができて……こんな綺麗なボディに思わず興奮してしまって、つい!」

ジェニー「ついじゃないわよ! ほら、詰め物して!」

提督「利根もとりあえず隠せ」スッ

利根「いやいや、もっとしっかり見てほしいのじゃ、綺麗になったじゃろう?」バサッ

赤城「ちょ、ちょっと、利根さんっ!?」オロオロ

筑摩「ふひいいい」ハナヂブババーッ

ジェニー「筑摩!? 筑摩しっかりして! 誰か! 誰か目隠しを持ってきてー!」

提督「わかったから隠せって」スッ



474: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/16(日) 21:43:22.56 ID:BaxcG4xyo

ニコ「っていうか、なんでパンツはいてないの!?」マッカ

利根「そんなもの、はなから履いておらんぞ?」

朝潮「ええ!? そ、それはどういうことですか!?」

利根「このほうが楽での。腹を圧迫され続けるのも好きでないし、はかないと陰毛も綺麗に伸びるでな」

提督「つか生えてねえだろお前」

利根「んー、まあそういえばそうじゃのう」スカートマクリ

筑摩「うほあああああ」ハナヂドバーッ

ジェニー「誰か筑摩をドックに連れてってー。隔離よ隔離ー」

提督「だから隠せって、筑摩が死ぬ。綺麗になったのはわかったから」スッ

朝潮「なるほど、健康を鑑みてですか! 私も見習いたいと思います!」ヌギヌギッ

赤城「キャアアアアア!?」マッカ

提督「朝潮、お前は履いてろ。あと誰か霞呼べ」

霞「来たわよ! 何の用!?」バーン!

ジェニー「早っ!?」

提督「霞、朝潮がノーパンで過ごそうとしてるようだ、止めてやれ」

霞「ちょっ、何考えてんの! 止めなさいよこのクズ!?」

提督「俺は止めたし発案者は利根だぞ、利根」

霞「ああ、利根さんかあ」

利根「待て霞、その反応はどういう意味じゃ」



475: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/16(日) 21:45:28.02 ID:BaxcG4xyo

赤城「というか、みなさん提督の前で無防備が過ぎます! 恥じらいはないんですか!」マッカ

利根「だって提督じゃしなあ」

霞「このクズの辞書に性欲の文字なんてあるわけないわよ!」フンッ

ジェニー「なん……ですって……」シロメ

ニコ(ジェニーもショック受けてるってことは、さりげなく狙ってたんだ……)

提督「お前ら俺をなんだと思ってるんだ」

利根「提督こそ吾輩をなんだと思っておるんじゃ」

提督「露出趣味」

利根「言うか朴念仁」ズイッ

提督「お子ちゃま」ズイッ

利根「枯れすすき」ズイッ

提督「なんちゃってババァ」ズイッ

利根「似非ニヒリス……ト……」ズ…

提督「……なんだ。どうかしたか」

利根「……か、顔が近いのじゃ」ポ

提督「おう、そりゃ悪かったな。とりあえず俺の上から退けてくれ」

利根「それはできぬ……!」ガシ

提督「!?」



480: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:44:06.24 ID:0JNMVttro

利根「……この島に流れ着いてからというもの、おぬしにはいろいろ良くしてもらったからの……」ポ

提督「利根……」

利根「この場を借りてお礼をさせてもらえんかの……」ズイッ

ニコ「はい、そこまでだよ。クレーン」

クレーン <ガシーン!

利根「!?」ガシーン!

ニコ「良くしてもらってるのはみんな一緒だよ。抜け駆けは感心できないなあ」

利根「ちょっ、ちょっと待つのじゃ!」ツリアゲラレー

ニコ「待たないよ。今だってどさくさに紛れてキスしようとしてたじゃないか」

ジェニー「ふーん、ニコったらキスくらいで嫉妬してたの?」

赤城(き、キスくらい、ですか……あちらの人は大胆なんですね)ポ

ニコ「べ、別にキスしたいとかそういうのじゃないよ! ほら、魔神様大丈夫?」

ジェニー「もう、そのくらいのこともしてないから卑屈になるのよ。ほーら、さくっとやっちゃいなさい」


 ドンッ


ニコ「え?」ヨロッ

 ドサッ

ニコ「」ヴチュー

提督「……」ヴチュー

全員「……」

全員「………」

全員「…………」



481: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:45:56.73 ID:0JNMVttro

朝潮「……おお……!」

利根「あああ……」

赤城「!?!?////」カァァァァ

霞「ちょっ、アンタ公衆の面前でなにさせてんのよ!?」

ジェニー「……よ、予想以上にがっつり行っちゃったみたいね」

利根「羨ましい! なんと羨ましいのじゃー! アーニャ! 早く下ろすのじゃあああ!」ジタバタ

朝潮「接吻が始まってからすでに20秒ほど経過していますが、これはもう舌も入っていると見て良いでしょうか赤城さんッ!」

赤城「しっ、ししし舌ああああ!?////」プシュウウウウ

霞「赤城さん取り乱し過ぎよ。頭から湯気が出てるわ」

ジェニー「あ、あんたたちこそ冷静すぎよ! ほ、ほら、ニコちゃんもそろそろ離れたら?」グイッ

 チュポンッ

ニコ「////」ポヘー

ジェニー「ちょっとニコちゃん!? ニコちゃんってば! おいニコ!!」ズビシッ

ニコ「痛っ!? ……はぇ!? こ、ここはどこ!? ぼくはニコ!?」ジュル

ジェニー「いいからよだれ拭いて!」

朝潮「あの唾液はニコさんのものなのか司令官のものなのか、気になります!」

霞「そんなのどう考えても混合液でしょ。何を言わせるのよ」

赤城(さささ最近の駆逐艦の子たちは進み過ぎててついていけません!////)ポシュウウウウウウウウ



482: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:49:13.35 ID:0JNMVttro

利根「提督も提督じゃ! 少しは抵抗せんか!!」ムキー

提督「原因はお前の突撃だろうが。痛くて体を動かせねえんだよ、艦娘の力で思いっ切り飛び込んでくるんじゃねえ馬鹿たれ」ヨダレベチャー

ジェニー「で、どうだったの? 30秒間も魔神様とキスしてた感想は?」

ニコ「や、やめてよ! 事故だよ! 事故! と、途中意識が飛びそうだったし、どきどきしてそれどころじゃ……え、えへへ////」テレテレ

如月「ふぅ~ん……どうやらじっくり堪能してたみたいね?」ユラリ

大和「ニコさん? そのお話、詳しく聞かせていただけます?」ヌラリ

金剛「Make love の時間と場所は弁えるべきだと思いマースヨー?」ゾワリ

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ニコ「……」クルリ

如月大和金剛「」ニッコリ

ニコ「」ニッコリ




ニコ「」ダッシュ!

如月「逃げた!?」ダッ

大和「逃がしませんよ!」ダッ

金剛「私は食らいついたら離さないワ!」ダッ

 ドタドタドタドタ…

ジェニー「行っちゃった……」



483: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:50:52.63 ID:0JNMVttro

霞「ったく、何やってんのよあんたたちは!」

朝潮「司令官! 先程からずっと起き上がらないのですが、大丈夫ですか!」ダキオコシ

提督「大丈夫じゃねえよ……真面目にくっそ痛え……」ヨロッ

利根「す、すまぬ提督……」

執務室の扉 <ガチャ

キャロライン「ンー、騒がしいヨ! みんなどうしたノ……ダーリン!? どうしてボロボロになってるノー!?」

提督「ったく……説明すんのも面倒くさくなってきたな」

赤城「と、とにかく提督を医務室に運びましょう! 担架を準備して!」

キャロライン「ダーリン、怪我したノ? それなら、ダーリンも魔力槽に入るといいヨ!」

霞「魔力……って、メディウムの入渠施設に入れるってこと?」

赤城「利根さん、効果は期待できますか?」

利根「む、むう、効能は吾輩も体験済みじゃが……提督にも効き目があるのかの?」

キャロライン「善は急げ、って言うヨ! フローラとルミナにも手伝ってもらうネ!」

赤城「わかりました、その魔力槽へ提督をお連れします」ヒョイ

提督(……お姫様だっこは少し恥ずかしいんだが)

キャロライン「セーンキュー! こっちネー!」タタッ



484: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:52:30.41 ID:0JNMVttro

利根「……のう、ときにジェニーよ。吾輩はいつまでこのままなんじゃ」

ジェニー「あなた、リーダーを怪我させたんだもの、当分このままよ? でもまあ、アーニャも疲れたみたいだし?」

クレーン <ッパ

利根「あたっ!」ドシン

ジェニー「選手交代ね。ミーシャ!」

利根「なぬ?」

ハンギングチェーン <ガキンッ キュラキュラキュラ…

利根「んなっ!? ま、待て! 逆さ吊りは……!」スカートバサーッ

筑摩「あっ」ハナヂドパーーー

朝潮「あっ」

霞「あっ」

ジェニー「あちゃあ……」

筑摩「ああ……尊い……」ガクッ

ジェニー「……忘れてたわ、筑摩のこと」

朝潮「私たちは筑摩さんをドックへ運びましょう! ジェニーさんもご助力お願いします!」

霞「まったくもう! 世話が焼けるんだから!」

利根「ま、待て! もしや吾輩はこのままか!?」ブラーン

ジェニー「魔神様に怪我をさせたおしおきよ。おしおき役があたしやユリアじゃないだけ良かったと思ってね?」

利根「ぐぬぬ……身から出た錆とはいえ、とほほじゃの……」



485: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/21(金) 00:55:13.76 ID:0JNMVttro

 * 幕間 それからどうなった *

霧島「利根さん……なにをしているんですか」ピキピキ

利根「あー……頭に血が上るのじゃー……」ブラーン

鳥海「はわわわわ!」カァァ

古鷹「ぴゃあああ!」カァァ

黒潮「キャラ違うねんでお二人さん」

朧「鎮守府の秩序(モラル)は……朧が、守ります!」スッ っ[絆創膏]

黒潮「朧もそういうのやめときやー」ポン

朧「」フッ

黒潮「!?」

朧「残像です」

黒潮「なん……やて……!?」

古鷹「見て! 利根さんのあそこに絆創膏が貼られてます!」

利根「い、いつの間に!?」

鳥海「馬鹿な……っ! 熟練見張り員を擁するこの私の目の前で、すでに利根さんに絆創膏を貼り終えている、だと……っ!」

古鷹「朧さん……恐ろしい子!」


霰「……なにこれ」ジトメ

霧島「……なんなんでしょうね、この茶番は」アタマカカエ

霰「! 何か落ちてる」

 *霰は『「オシサア」と書かれたぱんつ』を手に入れた

霰「……」ゴゴゴゴゴゴ

霧島(怖っ!?)ビクゥ!



489: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:09:38.68 ID:dTMDNdyqo

 * 執務室 → 封印神殿の一室 *

赤城「……」

キャロライン「どうしたノ?」

赤城「い、いえ、改めてこんな場所に繋がっていることに驚いてまして……」

提督「まあな……どうしてこんなことになったんだか」

キャロライン「アカギー! こっちネ!」

赤城「は、はい! ……こ、これは……!」

洋風のバスルーム <ジャーン

赤城「なんてハイカラな西洋風の陶器のお風呂……素敵! これはさすがに気分が高揚します!」キラキラッ

赤城「これは頭にタオルを巻いて、泡風呂の泡を両手ですくって、ふーって飛ばしたりできるお風呂ですよね! 憧れます!!」ワクワクッ

キャロライン「今日はアカギが入るんじゃないヨ?」キョトン

赤城「……はい、そうですね……」ションボリ

提督「まあ、そのうち入れてもらえ」

赤城「はい……提督少尉、ごゆっくりどうぞ」トボトボ

キャロライン「それじゃ、ダーリン! 私も準備するネ! ハイ! コレ持って!」

提督「これ……って、これはお前の帯じゃないのか」

キャロライン「イエース! 思いっ切り引っ張るネー!」

提督「……まさかな」グイッ

キャロライン「アーーーレーーーーーー!」グルグルグルーー

提督「……」アタマカカエ



490: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:13:01.62 ID:dTMDNdyqo

キャロライン「ダーリン? 『ヨイデハナイカー』って言わないノ?」クビカシゲ

提督「言わねえよ……どこで仕入れたそんな知識」

キャロライン「ヒサメが『これが和装の様式美じゃ』って言ってたヨ?」

提督「嘘っぱち教えられてんじゃねえよ。んなことするから着物が肌蹴て脱げそうじゃねえか」プイ

キャロライン「? 私も一緒に入るから当然ネ! 約束したでショ? 一緒にお風呂に入りたいっテ!」ニパー

提督「……ああ、そういや……」

キャロライン「だからダーリンも脱いで一緒に入るネ!」スルッ

 * * *

提督「いてて……腰をやったみたいだな。悪いなキャロライン、介護させてるみたいで」

キャロライン「ンー、魔力槽に入れば怪我も治るから、全然かまわないヨ!」ニカッ

キャロライン「それに、こうやって裸でハグできるのも、嬉しいヨ……?」ポ

提督(すっげえ恥ずかしいけどな)

キャロライン「ダーリン、足あげて……支えてあげるからゆっくり入るネ!」

 チャプ

提督(……普通の風呂だな……)チャプン

キャロライン「湯加減どうですカ?」

提督「ああ、丁度……?」

 チリッ

提督「つ……?」ピリッ

キャロライン「? ダーリンどうしたノ?」



491: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:14:13.10 ID:dTMDNdyqo

提督「な、なんか電気でも走ったみたいに……!?」ビリッ

キャロライン「エー? ダ、ダーリン!?」

提督「ぐ、がああああ!?」ビリビリビリビリーッ

キャロライン「ナニ!? ど、どうなってルノ!?」

提督「ぎ、ぎゃああああガボッ、ゴボゴボゴボッ!」ザバザバザバッ

キャロライン「ダーリン!? どうして沈んでいくノ!? ダーリン!!」

提督(なんだ!? 感電したようなこの痛みは!)

提督(浅い湯船のはずなのに、体が沈んでいく!)ゴボッ

提督(やばい、意識が……!)


 ゴボゴボッ


 コポッ


 シーン…


キャロライン「……ダーリン?」

キャロライン「……ノゥ……ノーゥ!」フルフルフル

キャロライン「ダーリン……魔力槽に、消えちゃった……!」ヘタッ

キャロライン「ゥ、ウ、ウワーーー!!」ビエーーーン

キャロライン「どうしよ……どーしよォーーー!!」ギャーーーン



492: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:15:34.04 ID:dTMDNdyqo

 ポコッ


 ゴポゴポゴポッ


キャロライン「ふえ?」グズグズ


 ボコボコボコッ!


提督「ぶはぁあ!?」ザッバー

キャロライン「ダーリン!?」

提督「な、なんだ!? いったい何が起こったんだ!?」ゼーゼー

キャロライン「ダーリーーーン!」ダキツキドポーン

提督「おわ!? お、落ち着け! また溺れるぞ!?」

キャロライン「ウゥ、良かった……ダーリン、どこかに行っちゃったと……」グスングスン

提督「あー、俺も何が何だかわかんねえけどな。まあ、勝手にいなくなるつもりはねえから安心しろ」ナデナデ

提督「それより、今の騒ぎで風呂の湯を溢れさせたもんで、周りをびしょ濡れにしちまったぞ」

キャロライン「大丈夫ネ! それより、二人で入るのに丁度良いお湯の量になったネ!」ギュウ スリスリー

提督「……仕方ねえな。そういう約束もしてたし、まあいいか」ハァ

キャロライン「それはソウと、ダーリン、背中の具合は大丈夫?」

提督「あ、ああ、もうなんともねえ。痛みどころか、すり傷も消えてる……し……」ピク

キャロライン「!」ビクッ



493: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:18:30.51 ID:dTMDNdyqo

提督「……」

キャロライン「///」

提督「……動くなよキャロライン」

キャロライン「ア、アノ」モジモジ

提督「……いいから動くな」

キャロライン「だ、ダーリン?」モジモジ

提督「……」

キャロライン「ダーリンのゾーさんが、お尻に当たって///」

提督「言うな」

キャロライン「元気イッパイで、く、苦しそうなんだケド///」モジモジ

提督「言うなっつってんだろ!」

キャロライン「……あ、当ててんのよネ?///」

提督「当ててねえ!!///」

キャロライン「ワ、ワタシは、あ、当ててんのヨ?///」

提督「やめろ、そーゆーの」プイッ

キャロライン「……が、我慢しなくてもいいノニ///」

提督「約束の範囲外だ。つうか俺の人生の想定外だこんなの。今までこんなことなかったんだぞ」カァァ

キャロライン「オゥ……つ、つまり私がダーリンの初めて……///」ポ

提督「意図的に誤解を招こうとする発言は控えろ///」



494: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:20:12.25 ID:dTMDNdyqo

キャロライン「///」

提督「……///」

キャロライン「ね、ねえ、ダーリン……///」

提督「……なんだ」

キャロライン「そ、そろそろ、ノボセそう、ネ……///」グッタリ

提督「それは早く言え!!」ザバーッ

 * * *

キャロライン「///」キュー…

提督「つまり何か? 魔力槽の効果で、怪我を治すついでに持病も治ったってか」パタパタ

ルミナ「そう考えるのが適当だねえ。魔神君のソレは、人間不信が原因の後天的なものでしょ?」

フローラ「人間と接触を絶った生活を続けたことで、ストレスが解消された結果だと思いますよ~」

提督「……確かにまあ、今の環境は願ったりかなったりだが、そこまで影響するもんか」

ルミナ「十分に考えられるね。いいじゃないか、彼女たちは望んで君の胸に飛び込んできてるんだよ?」

フローラ「いままでの揺り返しが来たと思って享受なさるべきですよ~」

提督「簡単に言うなよ。ったく、俺みたいな甲斐性なしに何を求めてやがんだ」



495: ◆EyREdFoqVQ 2016/10/30(日) 23:21:44.00 ID:dTMDNdyqo

ルミナ「理解していないねえ魔神君? 君は君が思っているほど無価値な存在ではないんだよ」

提督「そうかい。霞は容赦なくクズと呼んでくれてるんだが」

ルミナ「彼女は典型的な素直になれない娘じゃないか。この島の艦娘が、この島を離れずに君を慕う理由を考えれば、当然だと私は思うけどね?」

ルミナ「それに……私たちだって例外じゃあないんだよ? キャロラインが良い例じゃないか」ニィ

提督「……会って間もないのにいきなり好きだとか言われてもな」

ルミナ「誰かが誰かを好きになるきっかけなど些細なものさ。でなければ『一目惚れ』なんて言葉も生まれないよ」

提督「……」

フローラ「魔神様? なにか、落ち込んでいらっしゃいます?」

提督「なんでもねえ」

提督「とりあえず怪我は治ったし、俺は執務に戻る。悪いが、キャロラインは湯冷めしないようにみてやってくれ」

フローラ「かしこまりました~」



提督(勃たねえおかげで、女に興味がないふりを続けられてきたが、その化けの皮も剥がされたか)

提督(決めなきゃな。これから先、俺はどうしたらいいか、何になるべきか)



502: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/06(日) 22:48:13.01 ID:cSUFd8TBo

 * 執務室 *

赤城「あら、提督少尉、おかえりなさい。あのお風呂はいかがでしたか?」

提督「溺れかけた。しばらくは控える」

赤城「おぼ……!? そんなに深いのですか?」

提督「得体のしれない連中のものだからな、原理がよくわからねえんだ。それより、今日の分の作業はほぼ終わりだろ? 休んでていいぞ」

赤城「はい。それにしても……この鎮守府の仕事量はあまりに少なすぎますね」

提督「拠点としての重要性がねえし、仕事するように仕向けてもねえからな。あとは、秘書艦が優秀ってのもあるか」

提督「最初からいた如月、不知火が必死にやってくれてたし、吹雪や電も初期艦だからって張り切ってくれたしな。朧や初春も頑張ってくれた」

提督「あいつらがいたおかげで俺の書類仕事も随分捗るようになった……ああ、あんたのおかげも少しあるな」ニッ

赤城「……私こそ、あなたに会うまで笑うことを忘れていましたからね。こうやってあなたに借りを返せるのは私にとっても幸いです」

提督「そうか」

赤城「……? 提督少尉? 少し、雰囲気が変わりましたね。心持ち、穏やかと言うか、壁が取り払われたと言うか」

提督「ああ、ちょっと思うところがあってな」

提督「卑屈になってたんだ。人間が嫌いだから自分が嫌いだった。だから艦娘に好かれないように拒絶してた。それがいいと思っていたんだ」

提督「けど、あいつらは俺がそうでもグイグイくるんだよな。全っ然、懲りやしねえ」

提督「今回の件で死にかけたときもそうだし、深海棲艦やメディウム連中からもアタックがくるようになったしな。わけがわかんねえ」ハハハ

赤城「良いではありませんか。あなたが正当に評価された結果です。あなたもそれに応えてあげればいいんですよ」

提督「……簡単に言うなよ。覚悟が決められなくて戸惑ってんだ。もともと、生涯独身のつもりだったしなあ」

提督「妖精の存在を信じてもらえなくて、誰も信じられなかったガキの頃は、誰かと結婚するとか考えるのが本当に苦痛だったんだぜ?」



503: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/06(日) 22:50:04.66 ID:cSUFd8TBo

提督「社会から孤立してた時期が長かったから一人が楽だってのもある。人間嫌いをこじらせちまったんだな」

提督「だから、存在すら認めてもらえない妖精や、人間と変わらない外見なのに扱いが悪い艦娘に、俺の姿を投影して、助けたくなった……」

提督「結局は自分自身を助けたかったんだ。そんな俺がお前らを幸せにできるか? 不安だと思わねえか?」

赤城「……その悩みを共有し、お互いを支えあうのが夫婦の理想の姿だと、私は思いますよ」

提督「さすがは赤城だ。言うことが違う」

赤城「……またおばあちゃん扱いですか?」

提督「フ、ハハハ、懐かしいな、そのやりとりも」

赤城「ふふっ。珍しいですね、提督少尉からこんな話が聞けるなんて」

提督「あんたじゃなきゃこんな話もできねえしな。助かったよ、少し気が楽になった」

赤城「重畳ね。どういたしまして」

提督「海岸に行ってくる。留守を頼む」

赤城「ええ、行ってらっしゃい」

 ゾワッ

赤城「……!?」

赤城「何かしら、今の妙な感じ……」


 * 幕間 さらにそのあとどうなった *

霰「……」ゴゴゴゴゴゴ(←汚物でも見るような顔)

提督「……さっきから霰が俺をすげえ顔で睨んでんだが、何があった?」

満潮「知らないわよっ」フンッ

 *この後、朝潮と霞から誤解を解いてもらいました



507: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:41:17.79 ID:ta4HFEfco

 * 数日後 *

青葉「ここ最近の司令官、変わったと思いませんか?」

古鷹「ええ、なんだか少し柔和になったっていうか、笑ってくださるようになりましたね」

那智「……そうなんだが、どこか違和感もないか? こう、うまく言えないんだが……」

鳥海「そうでしょうか? 変わったと言えば確かに、以前より私たちに近づいてきてくれている感じはしますけど」


川内「なんだろーね? 胸騒ぎがするっていうか」

由良「胸騒ぎ?」

五十鈴「わかるわ。なんかこう、ぞわぞわするっていうか、ささくれ立つ感じっていうか……落ち着かない感じ?」

那珂「そんなに変な感じしなかったけどなあ……?」


若葉「……不安だ」

吹雪「うーん、何がそこまで不安なのか、わからないんだけど……」

潮「うまく説明できないから、余計に不安なんですよ」

五月雨「司令官、大丈夫でしょうか……」


大和「提督は不快に感じられるとは思いますが、そういう報告が増えていまして……」

提督「大和、お前はどう思う?」

大和「わ、私は、そのようなことは……」

提督「あるんだな?」

大和「……」コク



508: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:42:31.89 ID:ta4HFEfco

提督「渋い顔すんな、お前がそう感じるならしょうがねえだろ。それに個人差があるみたいだな?」

大和「はい。同じ金剛型でも、金剛さんと霧島さんは不安を訴えていますが、比叡さんと榛名さんは特になにも……」

提督「それなんだが……ついさっき、金剛に泣かれた」

大和「泣かれた?」

提督「あいつ、しょっちゅう抱きついてくるだろ。そん時にな……」


 金剛『テートク? ここ最近のテートクは妙な感じがしマース』

 金剛『決してテートクがおかしくなったとか、そういう意味ではありまセン。でも、どこか遠くに行ってしまいそうな……』ギュ

 金剛『こうやってハグしていても、消えてしまいそうな気がしマース……!』グスン


提督「あいつ、この手の嘘は言わねえからな。だが、金剛の抱いている不安を俺が感じ取ることができない以上、解決のしようがない」

大和「メディウムの皆さんはどうなんでしょう?」

ニコ「ぼくたち? 特に何も感じないけど……むしろ近しい感じがしてるよ。魔神様が態度を改めようとしてくれているからかな?」

大和「そうですか……」

提督「……どうしたらいいもんかな」



509: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:43:31.70 ID:ta4HFEfco

< ちょっ、待ちいや!

提督「? 龍驤か?」

 コンコン

雲龍「入るわね。提督、いる?」

提督「雲龍? どうした、いつになく怖い顔をして」

雲龍「……」ジー

大和「どうなさったんです?」

龍驤「堪忍な提督! 雲龍どないしてん!?」タタタッ

雲龍「……提督。あなた、気付いてないの?」

提督「なにがだ?」

雲龍「あなた、人じゃなくなりつつあるわ」

大和「!?」

龍驤「なんやて!?」

ニコ「それは、どういうこと?」

雲龍「とぼけないで」キッ

ニコ「!」

提督「どういうことだ、ニコ」

ニコ「待って、ぼくは何も……」

封印神殿と繋がる扉< ガチャリ

ルミナ「あー、その辺り、私が説明しようか?」

ニコ「ルミナ……?」



510: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:45:39.85 ID:ta4HFEfco

 * * *

ルミナ「まずは仮説だってことを断っておくよ」

雲龍「逃げ道ね」

ルミナ「……まあ、そうなんだけどねー。今回ばかりは自信がないのよ」ハァ

ルミナ「で、単刀直入に言うと、原因は魔力槽だと思う」

大和「魔力槽というと……如月さんや利根さんの体の傷を治したメディウムの入渠施設ですか?」

ルミナ「厳密には、君たちの言う入渠施設の修復材にあたる液体……魔力を満たしたあの液体が原因よ」

ルミナ「いや、原因と断ずるのも早いんだけど……実は、魔神君が入るまで、あの液体に人間を入れたことがないのよ」

龍驤「へ?」

ルミナ「どういうことかわかるよね? 前例がない、イコール、何が起こるかわからない」

大和「そ、そんなのに提督が入ったんですか!?」

ルミナ「そう。そこで検証のために、私たちの世界の人間を一人捕縛して、試しに魔力槽に突っ込んでみたの」

雲龍「無茶するわね」

ルミナ「その結果なんだけど……」



511: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:48:11.29 ID:ta4HFEfco

ルミナ「その人間は骨も残らず溶けてなくなったわ」

ルミナ「喩えるなら、紅茶に角砂糖を入れてかき混ぜた時みたいにね」

龍驤「……」

大和「……」

雲龍「……」

提督「……」

ニコ「……」

雲龍「……待って。どうしてあなたが絶句してるの」

ニコ「ぼ、ぼくだって今の話初めて聞いたんだよ!?」

龍驤「ちょい待ち。提督、きみ、魔力槽には入ったんやろ?」

提督「……ああ」

雲龍「無事だったの?」

提督「見ての通りだが……無事じゃなかったら、今ここにいる俺はなんなんだ?」クビカシゲ

ルミナ「ねえ魔神君、あの時キャロラインが大声でわめいてたと思うんだけど、なんかあったのかい?」

提督「……ああ、あったな。俺が風呂で溺れかけたんだ」

ニコ「溺れかけた!?」

提督「ああ、風呂に入ってからすぐ電流でも流れたみたいに皮膚が痛くなって、風呂の中に体が沈んでいった記憶がある」

提督「で、そのあと気を失って、すぐ目が覚めて慌てて風呂から顔を出したんだ」



512: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:50:40.03 ID:ta4HFEfco

大和「だ、大丈夫だったんですか!?」

提督「結果的にはな。腰の痛みも擦り傷も綺麗に消えたし、だるさも消えて前より元気になっちまった」

ルミナ「EDも治ったしね」

大和「それは本当ですかっっっ!!??」ズイッ!

提督「……余計なこと言うんじゃねえよルミナ」

天井< ガタンッ!

如月「その話、本当ですか!」バッ!

提督「どこから出てきた!」

ナンシー「ちょっと如月ちゃん、髪が埃だらけよ!」ヒョコッ

提督「お前の仕業か!」

床板< バタンッ!

金剛「話は聞かせてもらったネー!」ニョキッ!

キャロライン「イエース! ミートゥー!」ニョキッ!

提督「お前らもか!」

金剛「大和に抜け駆けはさせまセーン! 私だって提督と夜戦したいヨー!」

窓< バーンッ!

川内「なに? 夜戦!?」シュタ!

朧「提督は……朧が守ります!」シュタ!

提督「ドアから入ってこい! あと夜戦じゃねえ!」



513: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:52:20.98 ID:ta4HFEfco

大和「そ、そうですよね、夜になってから……あ、あの、提督、今夜早速お部屋に……」ポ

提督「だからヤらねえっつってんだろうが! 俺は俺の遺伝子残したくねーんだよ」

ルミナ「……遺伝子。遺伝子ね……」

龍驤「なんやその歯ぁに物挟まったよーな口振りは」

ルミナ「いや、魔神君の遺伝子って、今どうなってんだろうなーってさ」

ニコ「どういう意味?」

ルミナ「んー、誤解のないようにはっきり言うとねえ」

ルミナ「魔神君。きみはもう、人間じゃないよ」

龍驤「……」

大和「……」

雲龍「……」

ニコ「……」

如月「……」

ナンシー「……」

金剛「……」

キャロライン「……」

川内「……」

朧「……」

提督「……」

全員「「「は?」」」



514: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:55:17.28 ID:ta4HFEfco

龍驤「ああもう、ちょっち待って! どういうこっちゃ、提督が人間やないて!?」

ルミナ「如月君。きみは魔力槽に入ったことがあるね? 深かったかい?」

如月「え? い、いいえ、そんなことはなかったわ」

ルミナ「では魔神君が溺れたのはなぜか? 多分、魔力槽で肉体が全部溶けて消失したからだと思う」

全員「「「!?」」」

ルミナ「このとき、キャロライン君が魔力槽に何もなくなったことを確認している」

ルミナ「ところがそのあと、魔神君はその魔力槽の中から出てきた……」

ルミナ「ということは、だ。魔力槽が魔神君の肉体を一度溶解分解して、再構築した……としか考えられないんだよね」

全員「「「!!??」」」

ルミナ「魔力槽に満ちた魔力に耐えられるのはもはや人間じゃない。メディウムや艦娘に近い存在に生まれ変わった、としか考えられないのよ」

金剛「Oh, jesus...」マッサオ

キャロライン「ワ、ワタシのセイ……?」オロオロ

ルミナ「結果としてはそうだけど、魔神君が起き上がれないほどの怪我をさせた艦娘の誰かさんにも責はあると思うよ?」

ルミナ「とりあえず魔神君が並の人間みたいに溶けなくて良かったって思うんだけど……?」



515: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:56:25.20 ID:ta4HFEfco

雲龍「外が騒がしいわね?」

 ウソデショー!?

 チョット、オスナッテ!

 ナンテイッタノイマ!

提督「ん?」

 マジンサマー!

 イタイッテバー!

 ヨクキコエナイノデス!

ニコ「あれ?」

執務室の扉< ガチャバーン!

封印神殿への扉< ガチャバーン!

艦娘「「「きゃあああ!?」」」ゴロゴロドターン

メディウム「「「きゃあああ!?」」」バタバタバターン

全員「「「……」」」

大和「だ、大丈夫なの?」

榛名「は、はい! 榛名は大丈夫です!」

ミルファ「ミルファもオッケーです!」

提督「お前ら……」



516: ◆EyREdFoqVQ 2016/11/19(土) 21:57:51.53 ID:ta4HFEfco

吹雪「え、えへへ……し、司令官すみません、聞いちゃいました」

ミュゼ「ご、ご主人様、人間じゃなくなったんですね」

不知火「不知火は、司令が何者であろうとついていきます」

クレア「私たちもそのつもりだからね!」

提督「……ま、いいけどよ」


提督「しかし、なんでまた雲龍は一足早く気付いたんだ?」

龍驤「多分やけど、うちら艦載機をたくさん操るやん? その艦載機が感じ取る気配の機微を、雲龍は把握するのがうまいんちゃうかな」

龍驤「雲龍はこの鎮守府唯一の正規空母やし、召喚方法も精神力がものを言う陰陽師型や。気付いて当然やんか」

提督「よく見てやがるな」

龍驤「きみはもう少し見られてる自覚持ったほうがええで?」




519: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 21:57:44.14 ID:Z76eCzKEo

 * 墓場島鎮守府 執務室の外、連絡通路 *

雲龍「浮かない顔してるわね」

ルミナ「……君がいうのかい」

雲龍「……」

ルミナ「……魔神君が何故復活できたのかの説明ができない」

ルミナ「可能性としてはみっつ」

ルミナ「ひとつめは、元々そういう素質があった。妖精と話の出来る能力が、それらに起因していた」

雲龍「ふたつめは深海棲艦の弾丸ね」

ルミナ「……鋭いね。あの弾丸で一度魔神君は深海棲艦と化した。その要素が本人に残った」

雲龍「みっつめは?」

ルミナ「……んー。ニコ君とキスしたことかな」

雲龍「……ふぅん」

ルミナ「多分、彼女の持つ魔力が口腔、および唾液を通して魔神君の中に浸透したのかも」

雲龍「……たらし、ね」

ルミナ「ニコ君からは不可抗力だって聞いたよ?」



520: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 21:58:44.91 ID:Z76eCzKEo

ルミナ「いずれも可能性のひとつ。そして根拠を示せない以上は仮説と呼ぶしかない」

雲龍「……」

ルミナ「そして、今の魔神君はいったい何者なのか? 説明できないのが歯痒くてね」

雲龍「……」

ルミナ「……」

雲龍「雲行きが怪しくなってきたわね」

ルミナ「それは天候かい? それとも、君たちと僕達の関係かい?」

雲龍「いいえ……島の外……外洋も含めて全部よ」


 * 墓場島鎮守府 西の岬 *

隼鷹「雲龍の言う通りだね……まずいんじゃない? これ」

ヴィクトリカ「なんだ? まずいって……酒がなくなったのか!?」

隼鷹「あはは、そうじゃないって。そっちじゃあなくてねえ……ほら」

ヴィクトリカ「……上?」

(上空から戻ってくる隼鷹の偵察機)

隼鷹「ちょっと飛ばしてみたんだけど、海軍っぽい船とそうでない船がひっきりなしにこの島の周りを回遊してんのさ。艦娘を引き連れて、ね」

ヴィクトリカ「……どういうことだ?」



521: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:00:13.28 ID:Z76eCzKEo

隼鷹「のんびりしていられなくなった、ってことになんのかね~。あたしは結構気に入ってたんだけどね、この島の生活」

那智「まあ、無理もない。曲がりなりにも泊地棲姫の侵攻を食い止めたものの、追い返し方に謎が多すぎる」

那智「派兵された大佐以下6名が全員死体も残らない不審死だ。我々が加害者だと疑われても仕方がない」

ヴィクトリカ「そういうもんなのか?」

那智「ああ、残念ながらそういうものだ。この島にはある特例があるからな」

隼鷹「あー……確かにねえ。根も葉もないけど疑われそうだねえ、深海側の内通者がいるとか」

ヴィクトリカ「ル級のことか?」

那智「それもある。が、この島には『轟沈を経験した艦娘』がいる。それがまずいと踏んでいる」

ヴィクトリカ「なんでだよ? 生き残ったのに問題があんのか?」

那智「それは過去にとある鎮守府で起こった『艦娘深海棲艦化事件』に起因する」

那智「轟沈した艦娘が戻ってきて、何気なく生活していたある日、深海棲艦となって鎮守府を壊滅させた」

那智「それゆえ大本営から、一度轟沈した艦娘はそのまま運用してはならない、と言う判断が下されたんだ」

隼鷹「で、ここにはたくさん、そういう艦娘がいるんだよねぇ……本営は、そういった艦娘が深海棲艦と裏で繋がってる、とか考えてるんじゃない?」

ヴィクトリカ「だ、だとしたら、そのまとめ役のキャプテンも疑われてるかもしれないってことだよな!?」

隼鷹「あー……」

那智「そうかもな……!」



522: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:05:58.69 ID:Z76eCzKEo

 * 墓場島鎮守府 執務室 *

通信『提督少尉、このままでは君の立場が危うくなる一方だ。一度大将に直接話をした方がいい』

提督「こんな連絡を寄越してくるあんたこそ立場がまずいんじゃないのか? 俺のことを心配してる場合じゃねえだろ、今の中佐は」

通信『そうかもしれないが、君の鎮守府が危ないんだ。黙って見ているのは僕の性に合わない』

提督「……あんた、本当に海軍か?」

通信『少尉、君は海軍をなんだと思っている。海軍を犯罪者の温床のように言うのは心外だ』

提督「別に海軍に限ってそう言ってるつもりはない。人間自体、中佐みたいなお人好しのほうが、よっぽどレアだろ?」

通信『君は人間を毛嫌いしすぎだ……』ハァ

通信『それよりも、あの報告は本当かい? 海軍の船舶が国籍不明を装って、島の周囲を見て回っているというのは』

提督「ああ、ご丁寧に民間の船か、難民を装った海賊風のボロ船に偽装してな」

通信『……そしてその船に艦娘が乗っていた、と』

提督「艦娘引き連れてた時点でクロだろ? 日本の海軍以外の連中で艦娘をつれていける連中なんていんのか」

提督「ドイツやイタリアならまだしも、アメリカやイギリス、ロシアだって艦娘の運用に関しちゃまだまだ尻の青い素人」

提督「シーレーンの7割は日本海軍の庇護下。海軍じゃない連中が艦娘を極秘運用できるわけがない」

通信『じゃあ、いったい誰が……』

提督「だから海軍だっつってんだろ。十中八九、大佐とつるんでた連中だ。匂いでわかる」

通信『……君は犬か』




523: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:08:45.61 ID:Z76eCzKEo

 * 墓場島鎮守府 北の洞窟 *

提督「ったく、犬みてえだな」

軽巡棲姫「~♪」スリスリ

大和「すっかりなつかれてしまいましたね」

ル級「親子ミタイネ」

吹雪「……ちょっとうらやましいです」

朧「ところで、最近この洞窟にいる時間のほうが長くありませんか?」

ル級「仕方ナイワヨ。ホラ、ココノトコロ、島外ノ艦娘ガ巡回シテルデショ」

泊地棲姫「ル級ノ塒モ狭クナッタシ、連中ガ見回ッテルセイデ迂闊ニ航行デキナイカラ、ダッタラ最初カラココニイタホウガ安全ダト思ッテ」

由良「……まあ、そうなんだろうけど」

加古「ちょっと増えすぎじゃない?」

ル級「……マア、ソウネ……」

 ヨ級カ級達<ワイワイ

 リ級ネ級達<ガヤガヤ

 イ級ロ級達<イーロー

 タ級ヲ級達<ヲッヲッ

タ級1「断ッテオクガ私タチハ『ヲーヲー』言ッテナイゾ」クルリ

タ級2「誰ニ言ッテンノ」



524: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:11:21.55 ID:Z76eCzKEo

提督「さすが泊地棲姫の軍勢、大所帯だな」

由良「いくらなんでも密集しすぎよね、ね」

大和「非公式とはいえ海軍が故意に見逃している安全地帯ですからね……」

朧「洞窟が完全に深海棲艦の住み家に……」

提督「……深海難民だな。俺たちと戦いたくねえ連中が集まったってことだろ」

吹雪「そう言われると複雑ですね」

加古「けどさあ、これ、電探で見つかったら一網打尽にされちゃわない?」

泊地棲姫「艤装ヲ動カサナケレバ、電探ニ反応ハシナイワ」

提督「そういうもんなのか?」

泊地棲姫「完全ニ消エルワケジャナイケド、反応ハ極メテ微弱ニナルワネ」

ル級「視認デキルクライ近ヅカナイト反応シナインジャナイカシラ」

大和「そこまで抑えられるんですか……」

ル級「キット、ソノヘンノ魚ト同ジクライニハ認識不能ニナルワ」

泊地棲姫「深海棲艦ノ行動原理ハ、人間ニ対スル負ノ感情ガ大部分ヲ占メテイル」

泊地棲姫「ソノ感情ヲ変換シテ艤装ニ伝ワッテ、チカラト為ス……ヒトヘノ憎悪ガ強ケレバ強イホド、チカラハ強クナル」

ル級「逆ニ、ココロノ風ガ穏ヤカナラ、波ガ立タナイ……ッテ、コト」



525: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:12:37.27 ID:Z76eCzKEo

提督「……詩人だな」

大和「こうして話をしていると、彼女たちが深海棲艦だってことを忘れそうになりますね」

吹雪「司令官……私、彼女たちとはあんまり戦いたくなくなってきました」

加古「けどさあ、やっぱりこの提督だから、このくらい親しく話ができるってことっしょ?」

朧「ですね。大佐みたいな人間もいますし、全体で仲良くするのは難しいですよね」

由良「そうね……ただでさえ、私たち艦娘と深海棲艦と問答無用で戦ってるし、理解を得るのは大変よね」


提督(俺たちと仲良くしようとする深海棲艦の異端者たち、人間に疎まれた艦娘たち)

提督(本当に似たような連中ばかり集まってくるな、この島には)


提督「まあ、海軍に見つからないようにちゃんと隠れておけよ。さすがに俺もお前ら匿うのは骨が折れるからな」

深海棲艦たち「「ハーイ」」


ル級「……チョット、イイノ? アンタノ部下ガ素直ニアイツノ指示ニ従ッテルコトニ疑問ハナイノ? 仮ニモ姫様デショ?」

泊地棲姫「別ニイイワヨ。アノ男ヲ私ノ伴侶ニスレバイイダケノ話ダカラ」ウインクー

ル級「……」イラッ








526: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/03(土) 22:13:35.74 ID:Z76eCzKEo


 * * *

ニコ「魔神様たちは行ったみたいだね」

泊地棲姫「オ前ハ……アイツト一緒ニイタ、人外ノ娘カ」

ニコ「君たちにお願いがあるんだ」

メディウムたち「……」ズラッ

泊地棲姫「ホウ……雁首揃エテ、何ノ用ダ?」





ニコ「この島から、出て行ってほしい」






530: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:02:07.76 ID:WNZ/8RZUo

 * 二日後 本営、中佐の部屋 11:00 *

ヴェールヌイ「司令官。墓場島鎮守府に行ってきたというのは本当かい?」

中佐「響!? 待ってくれ、今はその話は駄目だよ、あくまでお忍びなんだから」

ヴェールヌイ「……」

中佐「確かに君も連れて行くと話をしたが、上層部に目を付けられている今はまずいんだ」

ヴェールヌイ「……了解。この分だと当分先になりそうだね」

中佐「すまないね……ん?」

 扉< ゴンゴン

大将「甥っ子君はいるかね。急だが出撃準備をしたまえ。本日1800に艦隊を出すぞ」ガチャ

中佐「おじ……大将殿!? いきなりどうしたんです?」

大将「提督少尉の鎮守府に出撃することになった」

中佐「は!?」

ヴェールヌイ「……退室します」

大将「いや、いい、聞いててくれて構わん。それで別の大将からの報告だ。彼の鎮守府で深海棲艦を匿っていると情報が入った」

中佐「ほ、本当ですか!」

大将「うむ、彼が深海棲艦と友好を結ぶ気でいるのか、それとも人間に反旗を翻す気でいるのか、早急に見極めなければならん時期が来たようだ」

中佐「……前者であってほしいですね」



531: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:04:42.81 ID:WNZ/8RZUo

大将「ただ、別大将からは最悪の状況を想定しておいてくれ、ということだ。なので、君には艦隊と、この前の医療船を出して欲しい」

中佐「負傷者の対応に回れということですね」

大将「ああ。あの鎮守府に一番近いのが君の鎮守府だからな。そうでなくても君の所有する医療船は良い船だ」

中佐「わかりました、すぐに手配します」

大将「さて、提督少尉の艦隊だが、戦艦と重巡が主力で、軽巡と駆逐艦も粒揃い。急接近して至近距離での砲雷撃戦が得意という報告がある」

大将「数少ない空母たちは烈風などの制空戦闘機を数多く載せていて空対空に強い反面、対艦攻撃に秀でた艦載機はあまりないことも一因だ」

大将「もしやりあうとしたら、対空砲を強化し、かつ接近される前に超長距離から砲撃戦を展開するのが有効と見ている」

中佐「……」

大将「提督少尉の艦隊にも大和と武蔵がいるが、こちらは46cm三連装砲を多数用意してある。射程が同じなら数で勝るこちらが有利だ」

大将「この作戦に参加するのは、別大将とその配下の少将と、大佐が2名。大佐のうちの1名はお前の友人、W大佐だ」

中佐「……そう、ですか」

大将「我々からは私と君が参加する。部下たちは大規模作戦の準備中でな、残念ながらこれ以上人員を割くことができなかった」

大将「別大将もあの鎮守府の状況を重く見ているらしい。あの鎮守府の周辺海域を探っていたのは別大将の部下だと明かしてくれたよ」

中佐「そうだったんですか……」

大将「君も戦艦を主体にした艦隊を編成し、出撃準備を行いたまえ」ガチャ

中佐「はっ!」

 扉< バタン!



532: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:05:56.21 ID:WNZ/8RZUo

ヴェールヌイ「司令官……!」

中佐「……ついに、こうなったか」

中佐「何が『見極める』だ。提督少尉が敵であることを前提で話を進めているじゃないか」

中佐「しかもあの別大将、深海勢力の撲滅推進派の急先鋒……伯父さんの理想とは真逆の人だ」

中佐「あの人は最初から提督少尉を粛正するつもりで艦隊を出すに違いない。だとしたら伯父さんを呼んだのはなぜだ?」

 コンコン

祥鳳(中佐の秘書艦)「失礼します。提督……提督?」

中佐「ん? あ、ああ、ごめん祥鳳。緊急で出撃することになった、編成を考えないと……」

祥鳳「はい、先程大将殿に廊下で簡単に伺いました……ですがその前に、お客様がお見えになっています」

中佐「……僕に?」

祥鳳「大変申し訳ありませんが、こちらまで御足労お願いできますでしょうか?」

中佐「……?」






533: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:08:58.79 ID:WNZ/8RZUo

 * 墓場島鎮守府 執務室 *

提督「中佐、だからそういうおせっかいはほどほどにしろと……!」

通信『何故怒るんだ! 思い当るところがあるのか!?』

提督「別にねえよ! それよりこんな連絡寄越すほうがどうかしてるぞ! つまんねー正義感に酔っ払ってんのか!?」

通信『僕は正気だ! そんなことより、僕は忠告したからな! くれぐれも、変な気を起こすんじゃないぞ!』

提督「起こす気ねえっつってんだろ、くそが!」

 ギャアギャア

山城「……どうして私が秘書艦のときに、こう喧嘩腰の連絡がくるのかしら……」

山城「しかも相手がよりによって温厚で知られる中佐だなんて……不幸だわ」

 チン

提督「あー、ったくよー! 面倒臭えったらねえぞくそがぁぁ!」

山城「提督、聞いてましたけど……抜き打ちでの島の調査を行うって話ですか」

提督「ああ。本営がこの島を調査したいと言い出した」

山城「中佐もこんな連絡をしていたら出世に響くでしょうに……不器用な人ですこと」

提督「それは別に構わねえが、調査班とやらがすぐに来るらしいとよ!」



534: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:10:14.42 ID:WNZ/8RZUo

山城「……なんですって」

提督「大将2人に少将1人、大佐2人に中佐も来るとよ。錚々たる顔ぶれだな」

山城「……あああ、なんてこと……」

提督「なんだ?」

山城「なんだもなにも、嫌な予感しかしないじゃない……!」

提督「具体的には?」

山城「この前始末した部下Dやその上司……大佐だったかしら? そいつらの再捜索とかで、きっと無関係の私たちの私室とか漁られたりするのよ!?」

提督「ほう。そりゃ屈辱的だな」

山城「そうじゃなければ、深海棲艦を匿っていないか、それこそ虱潰しに島を荒らしに来る可能性もあるわ」

提督「だろうなあ」

山城「それに、この島には憲兵がいないでしょう? 大勢憲兵が乗り込んであらを探しに来るかも」

提督「ふーん、他には?」

山城「む……メディウムの存在の確認かしら。考えてみれば不思議に思われるわよね」

提督「ほーほー、なるほど」

山城「それか……大佐の敵討ち……かしら? 敵討ちしてもらえるような人望はなさそうだけど」

提督「……ククッ、なるほどな」



535: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:11:43.32 ID:WNZ/8RZUo

山城「あとは、泊地棲姫を追い返した有能な艦娘の引き抜きも考えられるわ……はっ、もしや扶桑お姉様が狙われたりして……!」

山城「扶桑お姉様が誰かに見初められて、私と離れ離れになったりしたら……! ああ、不幸だわあああ!!」

提督「わざわざ引き抜きにくるのに、抜き打ちで夜中に、ってのはなさそうだがな?」

山城「提督! いくらあなたが朴念仁とはいえ扶桑お姉様の美貌を理解していないとは言わせませんよ!」

山城「そう、扶桑お姉様を我がものにしようと、不逞の輩が月夜の晩に部屋に押し入り、扶桑お姉様を無理矢理……ああ、なんてことをおお!」

提督「そんなに心配ならしっかり見張っとけ。昨日の朝なんか、いつの間にか扶桑が俺の布団に入り込んで隣で寝てたからな」

山城「このクソ提督ぅぅぅ!!」

 コンコン

那珂「しっつれいしま~す! お仕事終了しましたぁ!」ガチャ

潮「曙ちゃんが来たのかと思ったんだけど……」

満潮「ったく、何やってんのよ!」

朝雲「司令官、遠征から戻ったわ!」

提督「ん、ご苦労さん。どうだ、見張りは多かったか」

山雲「それはもう~、た~くさん、目が光ってたわ~」

朧「見つけるたびに那珂さ……那珂ちゃんがポーズ決めてたから……」



536: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:14:22.79 ID:WNZ/8RZUo

那珂「遭遇すること14回! 望遠カメラも2台くらいあったね!」

満潮(どうやってカメラの位置とか把握してるのかしら)

山城「満潮。那珂ちゃんはね、前の鎮守府じゃ本当に艦隊のエースで、本当にセンターポジションだったのよ」

満潮「!」

山城「ただ、そこの鎮守府がすごーくブラックで、休みなしどころか休養すらなしぶっ通しで戦ってたって話なのよね……」

那珂「そうそう! 3日超えたあたりからハイになっちゃって、メンバーが1人2人と脱落していって、残ったのが那珂ちゃんと榛名さんで……」

那珂「それで最後は失神して、ここに流れてきたんだよね~♪」

満潮「……ええ……」

那珂「あのときは旗艦(センター)だったし、頑張ろーって思って、どこから見てるかすっごい気を張り詰めてたからねー」

那珂「緊張の糸が切れるっていうか、ヒューズが飛ぶっていうか、そんな感じ?」

山城「旗艦任されたくらいなんだから、すごいのよ那珂ちゃんは。ライブのときはギャラリー一人一人にしっかり視線合わせてウインクするんだもの」

那珂「この鎮守府の人数が少ないから、そのくらいは出来て当然っ!」エヘーン

満潮「えぇ……」



537: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:15:53.47 ID:WNZ/8RZUo

山城「おかげでカメラへの反応も超一流なのよ。……満潮? 不思議そうな顔してるけど、どうかしたの?」

満潮「……な、なんでもないわ!」

山雲「それじゃあ、満潮姉と朝雲姉と一緒に資材を置いてくるわね~」

朝雲「そうね、行こっか?」

満潮「わ、わかったわよ!」

潮「あ、わ、私も行きます」

那珂「あー、潮ちゃんは朧ちゃんと一緒に残ってくれる~?」

潮「え? は、はい……」

朧「なにがあったのかな……」

那珂「満潮ちゃん、不思議がってたところを山城ちゃんに気遣われて嬉しかったんじゃないかな~」コソッ

 * 廊下 *

満潮「……」

朝雲「満潮姉さん、嬉しそうにしてるわね」ヒソヒソ

山雲「ねー」ヒソヒソ

朝雲「さすがは山城さん、よく見てるわよね」ヒソヒソ

山雲「ねー」ヒソヒソ



538: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:16:48.45 ID:WNZ/8RZUo

満潮「……なによ」

朝雲「なんでもないわよー」

山雲「なんでもないのよー」

朝雲山雲「「ねー♪」」

満潮「……うっざい」

朝雲「まあまあそう言わないで」

山雲「満潮姉もご一緒にー」

満潮「い、一緒にって」

山雲「いいからいいからー」

朝雲「はい、せーの」

満潮朝雲山雲「「「ねー♪」」」

満潮「……はっ! つい乗っちゃった!?」カァァ

霞「……なにやってんの」

朝潮「楽しそうでなによりです!」

霰「……うん」ニコー

満潮「ちょっ、見るな! 見るんじゃないのー!!」グワーー



539: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/11(日) 20:17:52.87 ID:WNZ/8RZUo

今回はここまで。



540:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/13(火) 23:26:54.35 ID:GWv1CG/M0

今更だが、「大将」ってそんなに何人もいるもんなんだろうか。



541:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/14(水) 17:19:08.91 ID:QAX6bhc20

>>540
七大将軍なんて言葉がある位なんだしこれくらいならフツーフツー



542:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/14(水) 19:41:58.84 ID:z/Nh5NbjO

その国の組織体系にもよるんじゃね?
銀英伝だと「大量の元帥が生まれた」時期ってのもあるし
そうでなくとも「地位こそ高級士官だがやってることはデスクワークのみ」とかの可能性もある



544: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/21(水) 23:18:05.45 ID:nYXOpF3No

ランキングに元帥がずらっと並んでることもあって、感覚が麻痺してますね……。
ゲームスタート時が少佐だから、艦娘を率いている人間はそれなりの地位がないと
いけない希少な存在なのか……と思いきや、提督が大量生産されてるし。

艦娘や妖精とコミュニケーションを取りことができる人材をスカウトしまくった結果、海軍の総人数が肥大化。
下部組織の人数も増え、それを統率する人数も増えた。
そのため、トップになる元帥は1人として、大将以下は複数人いる、という解釈で進めたいと思います。

それと、いまさらですが同じ艦娘は複数いる設定です。



545: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/21(水) 23:19:44.55 ID:nYXOpF3No

 * 執務室 *

提督「つうわけで、だ。連中はおそらくこの島の全部を調べる気だ。各々、貴重品は持ち歩いておくか、まとめて持ち出せるようにしておけ」

山城「ええ、そのように伝えます」

提督「那珂は巡洋艦、山城は戦艦、朧と潮は駆逐艦と空母の連中に連絡を頼む」

那珂「はーい!」

提督「それと、もうすぐ来る定期便に中佐が紛れ込んでる可能性もあるから注意しろよ」

山城「はぁ?」

提督「2、3日前、俺と話がしたいとか言って来たんだよ。さっきの連絡といい、やたら俺に構ってきやがる。あいつホ○か?」

山城「……そ、そんなことは」メソラシ

潮「……ないと……思います」カァァ

朧「…………多分」ウツムキ

提督「まともに否定してやれよお前ら……」

那珂(……まあ、中学生か酒匂ちゃんか、ってくらいの童顔だもんねえ、中佐って)

 * *

中佐「へっくち!」

祥鳳「!? お、お風邪ですかX提督! 私の上着をどうぞ!」ヌギッ

中佐「祥鳳さんこれ以上脱いじゃだめだって!」ワタワタ

 * *



546: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/21(水) 23:21:06.32 ID:nYXOpF3No

提督「……ところで、昨日からニコやメディウム連中を見てないんだが、どこ行った?」

潮「それが、どこにも……」

朧「あの、それだけじゃなくて、北の洞窟にいた深海棲艦も姿が見えないんですよ」

提督「なに?」

潮「で、でも、海軍本営が来るなら、いないほうが好都合なんじゃ……」

提督「連絡できねえ方が問題だ。大将どもが来たときにあいつらが帰ってきて鉢合わせしたらまずいだろ」

提督「……龍驤と五十鈴、それとはっちゃんに頼むか。島の周囲をぐるっと回って見てもらおう」

 * * *

提督「で、どこにも誰もいない、ってか。連中、どこ行きやがった」

伊8「……新しい塒を探しに行ったのかな」

提督「それならそれで、しばらく戻ってこないといいんだがな……これじゃ迂闊に信号も打てねえ」

五十鈴「そっちはそれで説明がつくけど、メディウムたちもいないのは妙よね?」

提督「そうなんだよな。そこにある神殿の扉にもいつのまにやら鍵がかかってるしよ」

伊8「えー? 本当だ……」ガチャガチャ

龍驤「……あ、ええこと思いついたで」

提督「ん?」



547: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/21(水) 23:22:17.51 ID:nYXOpF3No

龍驤「きみきみ、今日からうちのことお姉ちゃんて呼んでええよ!」ムネポーン

提督「は?」

五十鈴「は?」

伊8「は?」ハイライトオフ

龍驤「えーと、あとなあ、ベ……ブラックホールの子が……えーと……」キョロキョロ

提督「……」

五十鈴「……」

伊8「……」ハイライトオフ

龍驤「……」キョロキョロ

提督「ベリアナがどうかしたか」

龍驤「あー、あかんあかん。やっぱりおらへんようやな」

五十鈴「どういうこと?」

龍驤「ほら、ニコちゃんは提督のお姉ちゃんやーて常々言うとったやんか」

龍驤「うちがそういうこと言って、もしどこかで聞いとったら対抗してくるはずやろ?」

提督「……つうと、ベリアナをブラックホールと言ったのもソニアをおびき寄せるため、か?」

龍驤「あの地獄耳な子からツッコミ入らへんところ見ると、ほんまに居らんのやろなあ……」

五十鈴「……どこ行っちゃったのかしら」

伊8「うん……」ハイライトオン

龍驤(……メディウムの子は釣られへんかったけど、違う子が釣れたわ……あかん、マジあかんで)ヒヤアセ



553: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:31:23.03 ID:hIXx2Jhpo

 * 深夜 太平洋上、某所 *

 * 海軍所有の高速護衛艦内 *

別大将(以下H大将)「悪いな。今回の件はお前にも付き合ってもらいたかった」

大将「かまわん。提督少尉が何を考えているか、一度話し合いたかったからな」

大将「むしろ、お前の方から話を聞きに行く、などと言われて少なからず驚いていたところだ」

H大将「断っておくが、俺は提督少尉を信用していない。轟沈した艦娘を手下に置いている時点で、十分に怪しいと思っている」

大将「逆だろう? 轟沈した艦娘と行動を共にできて、かつ艦娘たちが深海化しない。彼には素養があるのだ、望みはある!」

H大将「お辞めになるという中将殿が言っておられたのだ。仮に彼らと……深海棲艦と意思疎通ができたとしても共存することは不可能だ、と」

大将「中将が?」

H大将「ああ。深海棲艦と俺たちは相容れることはできん。それを証明したくてお前に出撃を要請したんだ」

大将「貴様は俺の理想が夢物語だと言いたいのか!」

H大将「それをこれから確かめに行く。お前は、奴らが俺たちと共存できる証明をすればいい。証明できたなら、俺も考えを改めるつもりだ」



554: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:32:33.82 ID:hIXx2Jhpo

大将「……お前には、共存できない証明ができると?」

H大将「そう思ってくれて構わん、それゆえ最悪の事態を想定している。提督少尉の艦隊との戦闘を、な」

大将「……そうはなりたくないものだな。いや、あってはならん事態だ」

H大将「お前にとって提督少尉はそれほどの男か」

大将「ああ。彼こそがこの戦争を終わらせられる鍵だと思っている」

大将「だからなんとしても彼を俺の下に引き入れる。どんなことをしても、だ」

H大将「お前の甥……X中佐のところで入院していた時に、あの男にアプローチをかけたらしいな? 断られたそうだが……」

大将「……そうだ。頑なに拒否された」

H大将「俺が知りたいのはそこだ。もし深海側に肩入れしているのなら、海軍では理解者になるであろうお前の誘いを蹴ったのはなぜか?」

H大将「大将よ。提督少尉の考え如何では、あの鎮守府自体をどうにかする必要が出てくるぞ」



555: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:34:39.71 ID:hIXx2Jhpo

 * 一方 X中佐所有 医療船内 *

中佐「……敵影は?」

祥鳳「いまのところありません。静かなものです……」

中佐「この航路は比較的安全な航路として確立はしているけど、警戒を怠らないようにね」

祥鳳「はい、承知しております」

中佐「……」フゥ

祥鳳「……」

中佐「……なぜ、こんなことに」

祥鳳「X提督。あなたは2日前に直接墓場島に乗り込んでいったそうですね?」

中佐「うん。この島への定期便の発着時間を赤城に聞いてね。特別に乗せてもらったんだ」

中佐「彼がどうやって泊地棲姫を追い返したのか、そして、彼が将来のことをどう考えているのか、知りたくてね」

祥鳳「将来?」

中佐「一つ目の質問に関しては何も聞けなかった。報告書に書いた通りだって答えしか返ってこなかったんだ」

中佐「でもね、二つ目に関しては面白い話が聞けたよ。彼は、艦娘の国を作りたい、と考えているらしい」

祥鳳「く、国……ですか!?」

中佐「小さくていいから国家を作る。法整備や条約を定め、君たち艦娘の人格を世界に認めてもらう、とね」

中佐「君たちは現状、海軍では兵器として扱われている。一部の者は無意識にそう望んでいるきらいもある」

中佐「深海棲艦に対する結末が和睦にしろ殲滅にしろ、平和になった時の君たちの居場所を、彼は作りたいらしい」

祥鳳「それは……すごい話ですね」



556: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:37:15.91 ID:hIXx2Jhpo

中佐「彼は今の生活が気に入っているようでね。その延長の場所を確保しようとしたら、こんな結論になったそうだよ」ハハハ

中佐「……だが、その一方で、この戦争が決して終わらないだろうと悲観視していることも聞いた」

中佐「深海何千メートルの世界に深海棲艦の巣があるという噂、聞いたことがあるかい?」

中佐「それが事実なら深海棲艦を滅ぼすのは不可能だろうと彼は言う。それが事実なら、確かにそうだろうな」

中佐「逆に和平を結ぼうとしても、人間と同じように、すべての深海棲艦がそれに納得はしないだろう、とも言っていた」

中佐「人間にもそれを煽り、食い物にする連中がいる。人間自体、いつまでたっても戦争をやめない愚かな生き物だと、痛いことを言われたよ」

祥鳳「ですが、深海棲艦との戦争を終わらせるために、私たち艦娘がいるんです。それを……」

中佐「君たちは、やっぱり戦うことがすべてなのか?」

祥鳳「……っ」

中佐「そう思うと、流石に心苦しくてね。君たちがいるだけで安心しきっていた自分に嫌気がさしたよ」

中佐「とどめに、彼にはこうも言われた……」


  提督『一度生み出された凶器は、たとえ時の権力者の手によって消し去られそうになっても、滅ぶことはありえねえ』

  提督『必ず、誰かが、最悪のタイミングで持ち出す。絶対にな。そしてその抑止力として、やはり同じかそれ以上の暴力を求められる』

  提督『平和ボケした連中は、戦争がなくなれば艦娘をなくせというだろう。矢面に立つ者、立っていた者の心情も考えずにな』


中佐「戦争が終われば、艦娘は不要だと声高く叫ぶ連中が現れるのは目に見えている。僕だってそんなのは御免だ」

中佐「僕も、君たちと平和に暮らしたいと思っている。彼の夢をかなえてあげたいと思っている。だから僕は、彼を助けたい」

祥鳳「X提督……」



557: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:38:39.17 ID:hIXx2Jhpo

中佐「最後に彼は……口を滑らせたんだと思うけど、『深海にも争いを望まない連中がいる』と言っていたんだ」

祥鳳「え……!?」

中佐「どういうことかはわからないが、彼が深海棲艦の事情を知っていなければ、こんなことは言わないはずだ」

中佐「……もう一度、提督少尉に会う。会って、問い質さなければ。どうやって、泊地棲姫と戦ったのか……どうやって追い返したのか」

中佐「そして……彼がなぜ、深海棲艦にも手を差し伸べようとしたのか。あのときははぐらかされたが、それを、聞かなければならないんだ」

ヴェールヌイ「司令官」

中佐「! ヴェールヌイか。すまないね、せっかく君の姉妹に会える機会だと思ったのに」

ヴェールヌイ「……司令官は、いつも力を尽くしてくれている。だから、姉妹と……仲間との戦闘は発生しない。私はそう信じているよ」

中佐「……!」

ビスマルク「その子の言う通りよ!」

プリンツ「私たちの力をお見せできるかと思ったんですが……」

ローマ「この分だと無駄足になりそうね。残念だわ」

リベッチオ「ローマ、その方がいいって言ってたじゃない!」

ローマ「……覚えてなさいよ」プイ

中佐「みんな……」

祥鳳「提督。私たちはあなたを信じています」

中佐「……ありがとう。みんな」コク



558: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:40:08.94 ID:hIXx2Jhpo


 * 墓場島鎮守府 執務室 *

提督「おいでになったようだな。見ろよ、大艦隊だ」

不知火「本営で見た高速護衛艦ですね。それと中佐の医療船と、あれは巡視船でしょうか」

提督「武装は積んでないのか?」

不知火「あっても対空機銃レベルかと。今、現役の艦船は速度を求められていますから」

如月「戦うより逃げることを優先した船の方が有用なのね」

不知火「はい。今は戦闘は艦娘の役割ですから」

大和「戦艦タイプの艦娘も大勢いますね……武蔵もいるわ」

提督「中佐の言う通り、完全に俺たちを相手取る想定での編成じゃねえか……くそが」

 RRRR... RRRR...

提督「はい、こちら……」チャッ

通信『こちら海軍高速護衛艦、大将だ。提督少尉は在席か』

提督「……(ちっ、せっかちな奴だな)……私です」



559: ◆EyREdFoqVQ 2016/12/26(月) 23:41:32.58 ID:hIXx2Jhpo


通信『うむ、君か。こんな時間に起きているとは、なにかあったのかね』

提督「先程部下にたたき起こされまして。何事かと思えばこの騒ぎです」

通信『ならば話は早い。急な話で申し訳ないが、先日行った鎮守府の捜索について不備があった』

通信『再調査を行うべく、君の艦隊に協力を要請する』

提督「不備? ……わかりました。こちらは何を?」

通信『まずは君の部下の艦娘たちは全員洋上へ出したまえ。君も鎮守府埠頭での待機を命ずる』

提督「……了解しました。ところで、一つご質問させていただいても?」

通信『なにかね?』

提督「このような時間に島の調査には不似合いな大艦隊でおいでになったのは、どういうことかと。この後に大規模作戦を控えておいでですか?」

通信『今は話せん。機を見て説明しよう』

提督「……は、失礼致しました。では早急に艦娘たちを出港させます」


提督「結局、深海の連中もメディウムたちも時間切れか。適当にやり過ごすしかねえな……」




564: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:14:07.03 ID:esEfrkd4o


 * 墓場島鎮守府 東側の沖合 *

大将鎮守府の武蔵(以下T武蔵)「……あちらにも私がいるのだな」

T霧島「大和さんもいますね。辺境の鎮守府だと言うのに、ほぼすべての戦艦が揃っているのは驚きです」

 ザァァァ

T武蔵「……来たか」

H長門「お前たちが今回の作戦の僚艦か。私はH大将艦隊旗艦の長門だ。陸奥、金剛、比叡、高雄、愛宕が随伴する」

T武蔵「大将艦隊旗艦、武蔵だ。この霧島と、妙高、羽黒、清霜、初風が随伴艦だ、よろしく頼む」

T霧島「戦艦を4隻とはさすがですね……お姉様たちが参加されるのも心強いです」

W榛名「W大佐艦隊旗艦、榛名です。球磨、多摩、鈴谷、熊野、日向がご一緒致します」

T武蔵「ん? 航空艦が多いな? 今回想定している戦闘では航空戦は行わないはずだが」

T霧島「W大佐の主力は航空火力艦です、やむを得ないかと。とすると、こちらは?」

J秋月「はいっ! J少将の艦隊旗艦を務めさせていただきます、秋月! ここに推参致しました!」

T武蔵「ああ、お前たちが噂の防空駆逐艦か」

J秋月「はいっ! 妹の照月、初月と、矢矧さん、酒匂さん、衣笠さんで、みなさんをお守りします!」

T霧島「……ところで、K大佐の艦娘が見えませんが」

J秋月「はいっ! K大佐は、島の内部を捜索するため、阿武隈さんを旗艦とする水雷戦隊を編成したと、J少将より伺っております!」

T武蔵「水雷……駆逐艦を上陸させるのか? 少々不安なんだが……」

H長門「私もそう進言したが、策があるらしい。いざとなれば我々も乗り込まねばなるまい」



565: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:15:24.40 ID:esEfrkd4o


H長門「では、X中佐の旗艦、祥鳳には別途話を通してあるので、ここで作戦を説明させてもらう」

H長門「全体の位置取りとしては複縦陣だ。まず、大将2名の連合艦隊が島の東側、鎮守府正面に陣取る」

H長門「その背後をW大佐とJ少将の艦隊が、更にその後ろに護衛艦とJ少将の巡視船が陣取る」

H長門「X中佐の医療船は別働隊として我々の陣の南側、風下にて待機。X中佐の部隊は救助活動と遊撃にあたってもらう、という算段だ」

T武蔵「ふむ……しかしどうやら、この作戦自体、必要なさそうだな」チラッ

H長門「ああ、墓場島のすべての艦娘が素直に投降している。わざわざ我々が出張るほどのことではなかったのかもしれん」

T霧島「提督少尉も、私たちに対抗できるような特殊能力を所持しているなどの情報もありません」

T霧島「むしろ先の泊地棲姫との戦闘で負傷し、復帰したばかりです」

T武蔵「深海棲艦の首魁たる泊地棲姫を追い払いながら、仲間である我々に疑われる、か。傍から見れば滑稽なことだ」

W榛名「……」

T霧島「榛名お姉様?」

W榛名「いえ……榛名は大丈夫です。それより、島の艦娘全員が退去し終わったようですね」

H長門「これで島に残るは提督少尉一人か。深海棲艦の反応は?」

J秋月「現時点では反応ありません!」

W榛名「……」

T霧島「榛名お姉様? 本当に大丈夫ですか?」

W榛名「……はい」



566: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:19:34.37 ID:esEfrkd4o


 * 少将所有 巡視船 甲板上 *

W大佐「……」

伊勢(W大佐の秘書艦)「W提督、いつになく表情が暗いよ?」

W大佐「……伊勢。お前は今の状況で私に笑えと言うのか?」

伊勢「そうじゃありませんってば。普段から神妙な顔をしてるのはわかってますけど、今日は輪をかけて重々しい、って意味ですよ」

W大佐「……」

伊勢「そりゃあ、同じ海軍の鎮守府に厳戒態勢で臨まなきゃいけないってところが気に入らないのはわかりますけど……」

W大佐「……」

伊勢「もー、W提督は最近すーぐ黙りこくっちゃって! 昔の日向に似てきたよ? これってどうなのさ日向ー?」

J少将「ふふ、そうだな。伊勢の言う通り少し楽にしたまえよ、W大佐」

W大佐「!」

伊勢「はっ! し、失礼しました!」ケイレイ

J少将「ん。W大佐もこのたびの昇格直後にH大将から抜擢されたのだ、緊張しているのではないかな?」

W大佐「……は。そういえば少将殿も、近く中将に昇格するお話があったそうで」

J少将「ふふ、こんなところでその話はやめたまえ。先の中将がお辞めになるそうで、その繰上りで私が声をかけられたに過ぎないんだからな」

W大佐「……それはむしろ、私のことかと」

J少将「ん、中将の息子さんか。彼に関しては残念な話だった。だがもう終わったことだ、我々がその穴を埋めれば良い」ニッ

W大佐「……は」



567: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:21:12.33 ID:esEfrkd4o


J少将「ときにW大佐、中に入ってはどうかな? まだ夜明け前だ、コーヒーでも淹れようじゃないか」

W大佐「は、お心遣い感謝いたします。ですが、私はここが良いのです」

W大佐「上官である少将殿の船に乗せていただいて上げ膳据え膳では、私も立つ瀬がありません」

J少将「それで、君はここで海を見ているのか。仕事熱心なのは感心だが、自分の手に余る仕事を引き受けても良いことはないぞ?」

W大佐「は」

J少将「佐官以上で島に乗り込むのは大将殿2名と私の部下のK大佐。私と君は私の船で待機し、X中佐には医療船で待機してもらう」

J少将「島の様子は私の部下にも見張らせているし、何かあれば通信が届く。君がここにいようがいまいが、できる仕事は限られるぞ?」

W大佐「……上官殿の戦い方を見る良い機会です。勉強させて戴きます」

J少将「ふふ、そうかね。では、ここで君の望むように戦いたまえ。私は中で待機しているよ」クルリ

W大佐「は」ケイレイ

 ザザーン

伊勢「……W提督、本当に大丈夫?」

W大佐「……俺が一番気に入らないのは、この艦隊の船と人員の殆どを少将が手配したことだ」

W大佐「Xに頼んだ医療船以外は、全部少将の手筈通り……俺が思った通りに動けないことに、少し窮屈さを覚えただけだ」

伊勢「W提督は完全に人任せって嫌いだものね。X中佐とは同期なんだっけ? いまからでも中佐の船に乗せてもらおうか?」

W大佐「……」

伊勢「……ちょっと、本当に大丈夫?」

W大佐「……ああ……」ピッピッピッ

W大佐「……もしもし、Wだ」



568: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:24:11.14 ID:esEfrkd4o


 * 島の北西の沖合 X中佐所有の医療船付近 *

ビスマルク「あら? 提督! 墓場島の子たち、全員こっちに向かってきてるわよー?」

中佐「え? ……本当だ」

 ザザァァァァ

不知火「お久しぶりです」ビシッ

初春「息災であったかの?」

中佐「やあ、君たちか。突然で悪いね、しばらくここで待機していてくれ」

島風「しばらくってどのくらい?」

中佐「んー……島の調査だからね。最低でも午前中いっぱいは覚悟した方がいいかな」

白露「そ、それじゃ、全然『しばらく』じゃないよ!」

ヴェールヌイ「そうかな? 一番お姉さんな子なら、率先して立派にできると思うんだけど。どうだろう初春」スッ

初春「うむ、そうじゃのう。容易いことではないかの、のう暁よ」

暁「と、当然よ! 暁だって待機できるわ!」ビシッ

白露「……! 負けないよ! 白露が一番だもん!」ビシッ

那智「わかりやすいな」クスッ

大淀「ですね」クスッ



569: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:25:02.91 ID:esEfrkd4o


ヴェールヌイ「それはそうと」

暁「!」

電「!」

ヴェールヌイ「暁と電だね。私はX中佐鎮守府所属の艦娘、ヴェールヌイだよ」

暁「ええ、知ってるわ、響の改装した姿よね。初めまして、ね!」ニコッ

電「響ちゃん、よろしくなのです!」ニコー

ヴェールヌイ「……うん」ニコ

川内「……」



570: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/02(月) 11:29:42.83 ID:esEfrkd4o

今回はここまで。



一応、簡単に補足を。

大将:深海棲艦と和睦を結びたい人。声がでかくて威勢のいいおやじさん。
X中佐:大将は伯父。深海棲艦とは和睦したい派。見た目も性格も軍人には向かないとよく言われる。酒匂似。

H別大将:深海棲艦を殲滅したい人たちの筆頭的存在。中将とは縁があるらしい。お堅いおっさん。
J少将:殲滅には賛成の姿勢を示す、H大将の部下。良くも悪くも目立たない、裏方仕事の好きな細身のおっさん。
K大佐:別大将の部下。H大将よりはJ少将との付き合いが長い。命令には忠実だが、要領が悪く総合的な評価はいまいちとか。

W大佐:X中佐の同期。どちらかといえば深海棲艦を殲滅したい派。秘書艦の伊勢に「日向に似てきた」と言われる。

大佐:提督の直属の上司。戦争は金儲けの手段。現在進行形で死ぬよりひどい目に遭っている。
中将:大佐の父親。有能だったが親バカでもあった。息子の不始末もあって辞職願を出した爺様。



573: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:34:57.67 ID:QaDK512Yo


 * 墓場島鎮守府 埠頭 *

提督「……」ケイレイ

大将「いよお、提督少尉! 怪我の具合はどうだ!」バシバシ

提督「は……(痛えよ)」

H大将「お前が提督少尉か。俺はH大将、こっちは部下のK大佐だ」

K大佐「……」コク

提督「……」ペコリ

K大佐「……」ジッ

提督「……?」

大将「おいおい、K大佐とは無口仲間かあ?」バシバシ

提督「……初対面ですが」

H大将「大将、遊びに来たわけではないぞ。少尉を口説きに来たわけでもない」

大将「わかっている。俺の将来の部下だぞ、妙な真似はするなよ!」

H大将「やれやれ……さて、少尉。お前に聞きたいことがあって来た。島の再調査はどちらかと言えばついでだ」

提督「……わかりました。立ち話では済まないのでしょう? 中へどうぞ」



574: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:35:41.62 ID:QaDK512Yo


H大将「……わかった。では大将も同席してくれ。K大佐は島の調査を頼む」

K大佐「……は……!」ビシッ

K大佐「」クルッ バッ

(K大佐の合図とともに、大勢の兵が島に上陸していく)

提督「……」

H大将「どうかしたか」

提督「私が着任して以来、仮にも『墓場島』などと呼ばれる縁起の悪いこの島に、これほど多くの人間が足を踏み入れたのは初めてです」

H大将「そうか。何か問題でも?」

提督「……今朝も北東の砂浜に、艦娘が流れ着いているかもしれません」

提督「それを見たあなたの部下が心無い台詞を口にしたりしないか、それだけが気掛かりです」

提督「人間にとって、艦娘は所詮、『ひと』ではありませんから」クルリ

H大将「……」

提督「……」



575: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:36:49.94 ID:QaDK512Yo


 * 執務室 *

大将「ここが執務室かね」ガチャー

提督「……」

H大将「大将、お前はもう少し静かにドアを開けられないのか」

大将「ん、すまんな! しかし殺風景な部屋だな」

提督「……!」

H大将「必要な資料も最低限か。綺麗に片付けられているな……少尉?」

提督「! はい」

H大将「なにかあったのか? 壁をじっと見てぼんやりしていたようだが」

提督「……少々、考え事を」

大将「壁なんぞ眺めて何を考える必要があるんだ」



提督(神殿への扉が消えている? ……ニコの身になにかあったのか?)




576: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:38:19.25 ID:QaDK512Yo


 * 島の北西の沖合 *

朧「……」ソワソワ

如月「……どうしたの?」ヒソッ

朧「……いえ、なんだか嫌な予感が」ヒソッ

吹雪「気のせいだよ……って言いたいけど、朧ちゃんがそういう時ってそういう時が多いもんね」ヒソッ

電「どうしたのです?」

吹雪「朧ちゃんが嫌な予感がするって」ヒソッ

電「……」

初春「……ふむ、聞いたぞ? さてはおぬしら、島に行くつもりじゃな?」

電「て、偵察任務なのです!」

霧島「……任務? そんな任務は聞いてませんね?」ズイ

如月「き、霧島さんっ!?」

朧「……み、見逃してもらえない、かな」

霧島「……」ウデグミ

吹雪「お、お願いします!」

初春「あやつが心配なのじゃ。後生ゆえ、頼む」

霧島「……」

電「き、霧島さん……?」



577: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:39:54.22 ID:QaDK512Yo


霧島「皆さん手荷物を持って行くつもりですか?」

如月「!」

霧島「預かっててあげましょう。必ず戻ってくるんですよ?」

摩耶「……おう、やばくなったらすぐ連絡しな。すっ飛んでってやるからよ」ニッ

電「あ、ありがとうなのです!」

初春「すぐに戻るでの!」

朧「すみません! 行ってきます!」

吹雪「これ、お願いします!」カバンサシダシ

摩耶「任せな!」ウケトリ

霧島「……はぁ。良かったのかしら」

摩耶「いいんじゃねえか? あたしたちだって命令違反でこの島に流されたんだし、あいつらを咎める資格はねえっすよ」

霧島「無事だといいんですが……」

暁「あら? 電は?」

潮「朧ちゃんもどこかに行ってます?」

摩耶「ん? ああ……お花を摘みに言ったんだよ」

暁「!」

潮「そ、そうだったんですか……じゃあ、向こうで待ってます」

霧島「……そういう知識もあったんですね」ヒソ

摩耶「ま、付け焼き刃っすけど」ニシシ



578: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:41:49.67 ID:QaDK512Yo


 * 執務室 *

H大将「さて、少尉。どうやって泊地棲姫を追い払ったのか、再度説明してもらいたい」

提督「……報告書の通りですが」

H大将「本当にか」

提督「本当です。それを私の口から説明しろと仰るのであれば、同じことの復唱になります。それで良ければそのように致しますが」

H大将「……」

提督「……H大将殿は、どのような疑問をお持ちで?」

H大将「何故、お前は死ななかった?」

大将「おい! お前は提督少尉に死ねというのか!」

提督「大将殿、それはそういう意味ではありません」

大将「そ、そうなのか?」

提督「私が銃で撃たれて何故死ななかったのか。それは私にもわかりかねます」

提督「私は確かに大佐に撃たれました。それからおかしな夢を見たような気もしますが、覚えていない、と答えるしかありません」



579: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/18(水) 00:45:24.43 ID:QaDK512Yo


H大将「……では別の質問だ。大佐は泊地棲姫に連れ去られた。間違いないのだな?」

提督「はい」

H大将「お前に手を出さなかったのはなぜだ?」

提督「わかりません」

H大将「……推測で構わん。なぜだと思う?」

提督「生きている人間に興味があり、死にかけていた私には用がなかった」

提督「または、最初から攻撃を仕掛けてきた大佐を狙っていて、その大佐と敵対していた私に用がなかった」

H大将「……」

提督「……」

H大将「……わからんな」

提督「……私もです」

大将「……」

大将「……俺にはお前ら二人の遣り取りの方がわからんぞ」

H大将「……」

提督「……」

大将(……俺はどうしたらいいんだ?)タラリ



582: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:37:42.02 ID:xG7i58Luo


 * 島の南端 *

吹雪「上陸したのは良いけど、鎮守府のある島の東側は見張りがすごく多いね……」

電「みんなこの島の調査のために来たのです。迂闊に動けないのです」

如月「遠回りだけど、島の西側の林を通って行ったほうが良さそうね」

初春「……どうせなら、朧だけ先行しても良いのではないかの?」

朧「い、いいの?」

電「その方がいいのです。司令官の身に危険が迫っているのなら、一刻も早く助けてあげるのです」

如月「悔しいけれど、私たちの足じゃたかが知れてるものね」

朧「……わかった、先に執務室へ向かうね。朧、行きます!」シャッ

初春「頼むぞ、朧よ……」

吹雪「……ねえ、朧ちゃんが忍者っぽくなってるの、おかしいと思うのは私だけ?」

如月「格好いいからいいんじゃない?」ニコー

初春「あるがままを受け入れよ」サトリキッタマナザシ

電「そんなことは今更なのです」ハイライトオフ

吹雪「ええ……」


初春「それにしてもじゃ。朧がこうなる一因を作ったメディウムたちが不在というのは、いったいどういうことかの」

如月「そうね、どこへ行っちゃったのかしら、ナンシーさん」

電「戻ってきたらお仕置きなのです」ニタリ

吹雪(……電ちゃん毒されてる……誰か助けて)シロメ



583: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:39:40.80 ID:xG7i58Luo


 * 墓場島鎮守府 執務室 *

H大将「……まだ白を切るか」

提督「……」

大将「H大将? いったい何を言っているんだ」

H大将「では少尉。この島の北にある洞窟に、深海棲艦が出入りしている情報があった。これはどういうことだ」

提督「好きにさせています」

H大将「何故だ!」

提督「即座に殲滅する必要がなく、そして殲滅が難しいからです」

提督「一度追い返した連中が、こちらに襲い掛かってくることもなく、島に近づいたのはなぜか?」

大将「……」

H大将「……」

提督「即答できないでしょう。興味がわいた、と言えば納得していただけますか」

H大将「……あれだけ大勢の艦娘がいながら、奴らの跋扈を見逃すと言うのか」

提督「迎撃したくとも資材がありません」

提督「大和や武蔵のような大戦力も、潤沢な資源がなければ効果的な運用は不可能です」

提督「大佐によって生かさず殺さず飼われてきた我々には、日々の最低限の活動を行いながら資材を蓄え有事に備えるのみ」

提督「その有事が起きた直後が今です。無理を押して進むことは長期的に見ても愚策かと」

H大将「……ほう」



584: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:42:18.19 ID:xG7i58Luo


提督「ましてや、この鎮守府の艦娘がどんな経緯でここに居着いたか御存知でしょう?」

提督「資源のために解体でもしようものなら、今まで築いてきた様々なものが音を立てて崩れ落ちるのは目に見えています」

提督「やれというのならやりましょうが、そのあとのことまで私が責任を負う自信はありません」

H大将「好き放題言ってくれるな。立場を弁えているか?」

提督「鎮守府と、ここ以外に帰る場所のない我々の命運がかかっています。この場に及んでの隠し事は、早死にしたい者がすることです」

提督「命を懸けろと言うのでしたらその通りにしますが、その場合、私が責任を負いきれないとわかっているからここで明言したのです」

提督「おそらくH大将殿も危惧しておいででしょう? この鎮守府の艦娘が深海棲艦化したら……その際の後始末、あなた方にお任せしてもよろしいのですね?」

大将「い、いや、それはいかん! 提督少尉にはこれから私のもとで働いてもらわねばならんのだ!」

提督「……」

H大将「……」

提督「H大将殿。この島は航路としても拠点としても、重要性はありません。捨て置いても構わないかと」

H大将「……」

提督「……」

H大将「……貴様の、どこまでが本音かわからん」

H大将「平たく言えば、貴様はこの鎮守府と、深海棲艦を放っておけと言っているように思える」

提督「……」



585: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:44:26.25 ID:xG7i58Luo


H大将「……はっきり言う。貴様は、深海棲艦を束ねる『深海提督』ではないのか」

提督「違います」

H大将「……」

提督「……」

大将「は、ははは! 面白い冗談だな、H大将! 提督少尉は紛れもない海軍士官の一人だぞ!」

大将「仮にそうだとしても……いや、そうだとすれば、深海棲艦との和解の日もそう遠くないということになる!」

提督「……」フゥ

H大将「果たしてどうかね……彼にその気があるかどうか、俺には疑わしく思えるが?」

大将「いやいや、そんなことはないだろう。なあ?」

 ズカズカズカ

K大佐「失礼致します」ケイレイ

大将「む、どうした?」

K大佐「島の丘の上にある艤装について提督少尉に確認をお願いしたく、同行願えないかと」

H大将「……良かろう。少尉、みちすがらいろいろ話をさせてもらうぞ」



586: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:45:36.73 ID:xG7i58Luo


K大佐「大将殿、H大将殿。少々お待ちくださいますか」ヒソッ

H大将「ん?」

K大佐「お二人にご報告したいことがございます」ヒソッ

大将「……執務室に残れと?」

K大佐「はっ」

大将「……わかった。では、提督少尉を先に行かせたまえ」

K大佐「はっ」

K大佐「提督少尉。君はこの士官の後をついて行き、丘の上に行け」

マスクを付けた士官「……」ケイレイ

提督「……わかりました。では、失礼します」

 コツ コツ コツ

大将「行ってしまったか」

H大将「……それでK大佐? 話とはなんだ?」

K大佐「その窓から外をご覧ください」

大将「なんだ?」

H大将「何かあったのか……?」

 バヂッ

大将「ぐおっ!?」ドタッ

 バヂッ

H大将「がっ……?」バタッ



587: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:47:00.54 ID:xG7i58Luo


部下1&2「……」スタンガンカマエ

K大佐「御苦労。通信機を取り上げろ」

部下1&2「はっ」ゴソゴソ

H大将「K大佐……っ、貴様、一体なにを……」

大将「くっ、貴様ら、よさんか……!」

部下1&2「発見しました」スッ

K大佐「よし、そこに置け。二人は拘束しろ」サイレンサートリツケ

 パキュン パキュン

通信機×2< バキャバキャン

大将「K大佐、これはどういうつもりだ……!」

K大佐「これから死ぬ人間に話す必要はない」

H大将「……!」

K大佐「では、お二方とも、ごきげんよう」コトッ

 時限爆弾< ピー カチッカチッカチッ

大将「お、おい、動き出したぞ!」

H大将「……」

大将「まさか、貴様の飼い犬に手を噛まれるとはな!」

H大将「……なぜだ。なぜK大佐が裏切った」

大将「おい! そんなこと考えてる場合じゃないぞ! 早く何とかしろ!」



588: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:47:51.15 ID:xG7i58Luo


H大将「……」

大将「聞いてるのか! おい!!」

 窓< バーン!

朧「司令官!」シュタ!

大将「!?」

H大将「!?」

朧「……あれ?」

H大将「お、お前は……!?」

大将「こ、この際誰でもいい! 助けてくれ!」

朧「えっ!? これ、どういうことですか!?」

H大将「この部屋から今すぐ脱出したい! 助けてくれ!」

大将「早くしろ時間がないぞおおお! あああ爆弾がああ!」

朧「爆弾!?」

大将「そうだ! だから早く俺たちを逃がすんだ!!」

朧「そ、それなら……うう……っ!」グッ

大将「うお!?」グイッ

H大将「我々を抱えて……まさか!」グイッ

朧「うああああーーーっ!」ダダダッ

 バッ

大将「やっぱり窓から飛び降りるのかあぁぁぁ!」



589: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:52:06.80 ID:xG7i58Luo


 木の枝< バキッバキバキバキーッ

 茂み< バザバザバザーッ


朧「……く、くぅぅ……!」

H大将「お、おい、きみ、大丈夫か!」

大将「くそ、ひどい目にあった!」

朧「だ、大丈夫ですか……?」

 ズドォォォオン!

朧「!? し、執務室が……!?」ビクッ

H大将「危なかったな……!」

大将「とにかく早く縄を解け! K大佐を何とかしなければならん!!」

H大将「せかすな! きみ、すまないが、私の上着の中にナイフがある。それで縄を切ってもらえるか」

朧「は、はい! ……これですね!」ゴソゴソ

H大将「よし、先に大将を頼む」

 ゴソゴソ ブチッ

朧「切れました!」

大将「よぉし! よくやった!」バラッ

H大将「静かにしろ! 誰が敵か味方かわからんのだぞ!」



590: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:52:58.25 ID:xG7i58Luo


大将「そんなものはわかっている! とにかくK大佐を探さねば……俺は先に行くぞ!」ダッ

H大将「おい!? あいつ、猪突猛進なところは変わってないのか!」

朧「す、すみません、遅くなって! 今、切れました!」バラッ

H大将「いや、助かった、ありがとう。きみは?」

朧「は、はい! 墓場島鎮守府所属、提督少尉配下の駆逐艦、朧です!」ケイレイ

H大将「提督少尉の? 島から全員退去せよとの指示ではなかったか?」

朧「す、すみません……朧の独断で、様子を見に戻ってきたんです」シュン

H大将「……結果的にそれで助かったわけだからな。この場は不問にしよう」

H大将「それよりもだ、島の外の様子はどうなってる?」

朧「? いえ、特に何も動きはありませんが」

H大将「……提督少尉からの指示は?」

朧「アタシたちは島の外で待機しろという指示しか受けてないです。みんな中佐の船の前で待機してます」

H大将「本当か?」

朧「はい。でも妙な胸騒ぎがして……朧だけ先に執務室に向かうことになって。それで飛び込んだら、こんな状況で……」



591: ◆EyREdFoqVQ 2017/01/30(月) 22:56:17.33 ID:xG7i58Luo


H大将「ということは、きみ以外にも島に乗り込んだ者がいるんだな?」

朧「あ、いえ、それは」

H大将「まずはそこへ合流するか。きみたちには礼と説教がしたいからな」

朧「す、すみませ……痛っ!」ヨロッ

H大将「! 朧君、足を見せてみろ」ビッ

朧「あ……っ」

H大将「艦娘とはいえ、大人二人を背負って2階の窓から飛び降りたんだ。やはり無傷ではすまんか」シュル ゴソゴソ ギュ

H大将「よし……応急処置完了だ、急いで明石に見せねばな」ヒョイ

朧「た、大将さんっ!?」

H大将「おとなしく私に背負われていたまえ。きみくらいならさして重くもない」

朧「す、すみません」

H大将「さっきから『すみません』ばかりだな。それはもう言わなくていい」

H大将「今は二人でお互いが協力せねば打開できん状況だ。朧君、案内と援護を頼めるか?」

朧「! わ、わかりました!」



596: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 21:57:35.02 ID:2y0WuTg1o


 * 墓場島 南東の丘の上 *

 ザッザッ

士官「……」

提督(執務室を出てから、こいつ一言も喋らねえな……執務に忠実なのはいいことだが)

提督(こいつがずっと俺に向けているこの殺気は、少しも隠そうとしてねえのが気になるな)

提督「それで、丘の上にまで来たが……どこを調べるって話なんだ?」

士官「……」

提督「……」

 ズドォォォオン!

提督「!?」

士官「!」

提督「なんだ!? 何が起こった! ……鎮守府のほうだぞ……!」ダッ

士官「……動くな」チャキ

提督「! ……やっと喋ったと思ったら、何の真似だ」

士官「動くな」

提督「……」



597: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 21:59:19.05 ID:2y0WuTg1o


「しれいかーーーん!!」

 タタタタッ

提督「!? お、お前ら!?」

吹雪「だ、大丈夫ですか司令官!」

電「今の爆発音はなんですか!? 鎮守府の方から聞こえたのです!」

如月「それに、司令官は執務室にいたんじゃなかったの!?」

提督「……こいつがここを調べたいとよ」

士官「……そうだ。すぐに来い」ツウシンキトリダシ

初春「……なんじゃ? 誰と話しておる……?」

 タタタタッ

提督「!」

士官「来たか」

阿武隈「K大佐鎮守府、第一水雷戦隊! 旗艦の阿武隈、到着です!」

提督「! ……こいつら……」

雷「あなたね! 私たちの姉妹艦を捕まえたっていう提督は!」

電「え!?」

子日「今日は子日……じゃなくて、年貢の納め時だよぉ!」

初春「なんじゃと?」



598: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:01:29.80 ID:2y0WuTg1o


白雪「悪いことはいいません。すぐにあなたが捕えたすべての艦娘を解放しなさい」

吹雪「な、何を言ってるの白雪ちゃん!」

睦月「さあさあ、如月ちゃん! こんな島からはさっさと逃げて睦月と一緒に行きましょー!」

如月「睦月ちゃん……!」

曙「……ちょっと、朧と潮はどこに連れて行ったのよ、このクソ提督!」

提督「……こいつらもしかして、お前らの姉妹艦か」

如月「え、ええ、そうよ」

提督「で……お前ら、中佐の船の前で待ってろって指示はどうした」

吹雪「す、すみません、司令官が心配で!」

電「電たちだけ抜け出してきたのです!」

曙「ちょっと、無視してんじゃないわよ、クソ提督!」

提督「あぁ? 黙ってろクソガキ」ギロリ

曙「……っ、なによ!」ビクッ

提督「黙れ。……で、朧と潮も来たのか?」

初春「潮は留守番じゃ。朧は途中まで一緒じゃったが、先に執務室へ向かっておる」

提督「……まさか、今の爆発音」

曙「ちょっ……朧が爆発に巻き込まれたとか言うんじゃないでしょうね!」

提督「……おい、鎮守府に戻るぞ」



599: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:03:27.65 ID:2y0WuTg1o


士官「動くな」

提督「……あぁ? てめえ、こんな状況でもそんなこと言えんのか?」

士官「これを聞け」


士官が印籠のように掲げた通信機『K大佐より全艦隊に通達!』

通信機『墓場島鎮守府、執務室にて爆発! 大将、及びH大将が爆発に巻き込まれ死亡を確認!』

通信機『提督少尉の仕掛けた爆弾が原因の模様! ただちに提督少尉を捕縛し、身柄を拘束されたし!』

通信機『提督少尉および配下の艦娘が抵抗する場合は、射殺もやむなしとする!』

通信機『繰り返す! K大佐より全艦隊に……!』


吹雪「ど、どういうことですか、それ!」

初春「よくもまあ……確たる証拠があってのことなのじゃろうな!」

電「どうせでたらめなのです!!」

如月「そうよ、司令官がそんなことするわけないわ!」

提督「……おい、お前。お前だ、俺をクソ呼ばわりした朧と潮の同型艦」

曙「……はぁ!? あたし!?」

提督「そうだ、お前だ。今の通信、本物か?」

曙「ほ、本物に決まってるわよ! さっさとお縄につきなさいよ、このクソ提督!」

提督「そりゃ無理だ。犯人は俺じゃねえし、そんなもん俺には関係ねえ」スッ



600: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:06:17.85 ID:2y0WuTg1o


曙「ちょっと、どこへ行くつもりよ!」

提督「朧を助けに行く。ちょっとどいてろ」

曙「!」

 パァンッ

士官「動くな、提督少尉。次は当てるぞ」

提督「……ちっ、それどころじゃねえんだよ」

提督「それともなにか? お前、Kとかいう大佐とつるんで大将暗殺に一役買ってるのか?」

士官「……」

提督「ったく、なんでお前らはこの島を使って邪魔者を消したがる? この島はゴミ捨て場か?」

士官「阿武隈」

阿武隈「は、はいっ!」

士官「提督を撃て」

阿武隈「……え、えええ!?」

士官「聞こえなかったのか。撃て」

阿武隈「で、ですが……!」

雷「司令官!? 私たちが呼ばれたのは電たちを説得するためじゃなかったの!?」

白雪「そうです! 姉妹艦である私たちの訴えが必要だからと、編成されたのでは!?」

士官「撃てと言っている! こんなふうに!」チャッ

如月「!」

初春「い、いかん!」バッ



601: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:07:18.06 ID:2y0WuTg1o


 ドンッ

提督「……!」

初春「……」

提督「……初春!?」

初春「……」ハラッ グラリ

(束ねた髪がほどけて、提督の方へ倒れこむ初春)

提督「初春! 初春っ!!」ガシッ

提督「しっかりしろ! おい! 目を覚ませ!!」ユサユサ

初春「」

提督「おいっ!! 初春っ!?」

吹雪「え……!?」

白雪「……艦娘を、拳銃で……!?」

子日「……」ボーゼン

阿武隈「ね、子日ちゃん!? しっかりして!!」

士官「ふ、ふふ、ふはははは……」

如月「っ!!」ビクッ

士官「はははは……はははははは!!」

如月「あ、あああ……!!」ガタガタガタ

睦月「き、如月ちゃん!? なにがあったの!?」



602: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:09:13.04 ID:2y0WuTg1o


提督「……お前……まさか!!」

士官「ふ、ふはははは……愉快だ。実に愉快だ」マスクヌギステ

士官「お前のせいで、俺の人生はぶち壊しだ。それが、こうやって、復讐できるんだからなあ……最高だ!」

如月「いや……いやあああ……!! いやああああああ!!!」ガタガタガタガタ

睦月「如月ちゃん!?」

吹雪「落ち着いて! 如月ちゃん!!」

士官「……こうやって話をするのは初めてだなぁ、提督少尉? ……あんときはお前は准尉だったか?」

電「……し、司令官さん、知り合いなのですか!?」

提督「……いいや、初めて見る顔さ。だが、心当たりはある。よく覚えてるぜ……」

提督「おそらくこいつは、Z提督は……深海棲艦の遺骸から武器を作り、如月をその威力の実験台にしていた奴だ……!」

睦月「じっ……!?」

士官→士官Z「お前のせいで降格処分どころか、大事な研究所も憲兵と特警に潰されてなあ。1年も不自由する羽目になった」

士官Z「少佐の馬鹿が俺を差し置いて大佐になってたのも忌々しかったぜ……おっ死んでくれたときゃあ、手を叩いて喜んだもんさ」

提督「お前がここにいるってことは、初春を撃った弾丸は……!」ギリッ

士官Z「その通り。俺の発明品、深海棲艦から作った特製の弾丸さ」

提督「……てめえ……!」

士官Z「おい、阿武隈」

阿武隈「……っ」



603: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:10:49.48 ID:2y0WuTg1o


士官Z「命令だ、提督とその部下を撃て」

阿武隈「……い、嫌です!」

 ドンッ

阿武隈「あうっ!!」バスッ

雷「阿武隈さんの脚を……!」

士官Z「お前、馬鹿か? この弾丸は駆逐艦の頭をブチ抜いたんだぞ? お前にも同じことができるんだ」ドンッ

阿武隈「ぎぃっ!?」ビシッ

士官Z「おいおい、両脚撃ち抜かれて豚みてえな声あげてんじゃねえよ。興奮するじゃねえか、ひひっ」

阿武隈「ひ、ひぃぃ!!」ジリッ

白雪「……待ってください!」

士官Z「ああ?」

白雪「提督少尉を撃て、というのが、ご命令でしたね」

士官Z「んん? ああ、そういやそうだったな。物分かりのいい奴は好きだぞ? さっさとやりな」

士官Z「ただし、わざと外したりでもしたら、こいつの頭を吹き飛ばすからな?」

阿武隈「~~っ!」グリッ

白雪「……っ!」

士官Z「少尉、お前らも逃げるなよ? 一歩でも動けば、こいつは殺すぞ」

提督「……」ギリ



604: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/07(火) 22:12:57.25 ID:2y0WuTg1o


阿武隈(どうして……どうして提督少尉は逃げないの?)

阿武隈(J少将からは、弱った駆逐艦を捕まえて幽閉するような卑劣漢だって聞いたのに……)


士官Z「構えぇ!」

雷白雪子日「「「……っ」」」

 ガシャガシャガシャッ

士官Z「よぉし……撃てええ!」

曙睦月「「……っ」」ギリ

 ズドドドドーーン


士官Z「んん、直撃したなあ……どうだ、一匹くらいやったか?」

提督「……お前ら」

如月(大破)「し、司令官……」ボロッ

吹雪(大破)「だいじょうぶ、ですか……?」ボロッ

電(大破)「なんとか、無事みたいなのです」ボロッ

提督「……いいから、逃げろ……!」


阿武隈(あんな風に、駆逐艦たちに身を挺して庇われるような人が……なぜ?)



607: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 21:59:24.14 ID:w44UXUKdo


 * 墓場島 東の沖合 *

秋月「い、いったい何が起きているんですかJ少将!?」

通信『今K大佐から連絡があった通りだ……! 俺も詳しくはわからん!』

初月「僕たちにできることは……」

通信『提督少尉が何を企んでいるかわからん、ひとまず砲撃の準備をしろ。その必要がないことを祈るしかあるまい!』

衣笠「……」

 ジジジッ

衣笠(個人回線……!)ビクッ

通信『衣笠。三式弾を装填しろ。照準は提督少尉だ』

衣笠「え……でも、三式弾なんか撃ったら、K大佐の部隊も」

通信『構わん。織り込み済みだ』

衣笠「そんな……」

通信『お前には躊躇するなと再三言い聞かせてきたつもりなんだがな……残念だ』

衣笠「ま、待ってください!!」

通信『もう遅い。貴様の姉妹艦に沈んでもらうとしようか』

衣笠「え、え!?」



608: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:00:53.13 ID:w44UXUKdo


 * 墓場島 南東の沖合 *

長門「さっきの爆音はなんなんだ、X中佐!」

中佐「……わからない。K大佐からは、提督少尉が大将たちを爆弾で殺したと言っている……」

金剛「そ、そんなのあり得まセーン!」

中佐「わかってる。そんなことはあり得ないんだ……そんなことをしても彼には何の得にもならないことくらい!」

霧島「だったら何故……」

青葉「……」ススッ

ビスマルク「……ちょっと、あなた。どこへ行こうとしてるの?」

青葉「あ、見つかっちゃいましたか! いえ、向こうの艦隊に見知った顔がいるようなので、ご挨拶にと!」

ローマ「馬鹿なこと言ってないで戻りなさい」

青葉「いえいえ、御手間は取らせませんので! あちらの衣笠に少々確認を……」

ローマ「顔はへらへらしてるけど、その目が笑ってないわ。何を企んでいるのかしら」

青葉「企むなんてとんでもない! 青葉は」

 シュゴオオオオオオオ

那珂「青葉ちゃん危なーーーい!!」ドゴォ

青葉「ヮオヴァア!?」ドボォ

 チュィンッ

ビスマルク「きゃっ!?」

ローマ「っ!」



609: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:02:10.92 ID:w44UXUKdo


那珂「あっちね……行って!」ガシャン

 零式水上偵察機 < ブルーン!

青葉「」シロメ

ビスマルク「な、なんだったのよ、いったい。なんで島から狙撃されなくちゃいけないのよ!」

ローマ「狙撃銃?」

ビスマルク「そうよ? ピストルじゃ島からここまで飛ぶわけがないわ」

ローマ「……射線は島の方からだった。狙撃手は島にいる」

ローマ「狙われたのは墓場島鎮守府の艦娘。でも、狙撃銃の弾なんかで艦娘は殺せるの?」

ビスマルク「矛盾してるわね。でも、今のは狙撃銃で艦娘を殺そうとしたんでしょ? 今の銃弾はそうだった」

那珂「誰かが、青葉ちゃんを狙ってた。それだけは確実!! みんな!」

山城「那珂ちゃんが偵察機を飛ばした方角に向けて、砲戦、用意して!!」

 ブゥン

ビスマルク「後ろから飛んできたあれは……ズイウン!? あの偵察機に並行して飛んで行ってるわ……!」

ローマ「同じ疑問を持った人が、他にもいるようね」

ビスマルク「J少佐の船の方からね。ヒュウガかしら?」

 * 墓場島 東の沖合 *

通信『ほう、運がいいな。仕留め損ねたようだ』

衣笠「……っ」

通信『次はないぞ』

衣笠「わかり、ました……!」ガシャン



610: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:04:18.95 ID:w44UXUKdo


 * J少将所有 巡視船 司令室内 *

W大佐「……少将殿」ガチャ

J少将「! ノックくらいしたまえ。どうしたいきなり」

W大佐「失礼。伊勢が島に不審者を発見しました」

J少将「不審者?」

W大佐「何を考えてか、島から提督少尉の艦娘を狙撃したようです」

J少将「……むう」

W大佐「事後報告ですが、伊勢が偵察機を飛ばしています。私は甲板上で引き続きそちらの対応にあたります」

J少将「……そうかね。では、何かあれば私の通信機に連絡を入れたまえ」

W大佐「先ほどは通話中だったようですので、直参しました。次からはそのように致します」

J少将「ん。頼むぞ」

W大佐「はっ。失礼致します」クルッ

 コツコツ

W大佐「……」ピタッ

J少将「どうした?」

W大佐「いえ。なんでもありません、失礼致します」ペコリ

 扉< パタム

J少将「……」



611: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:10:06.66 ID:w44UXUKdo


 * 廊下 *

W大佐「……」

W大佐(部屋に入ったときのJ少将の顔……あの笑みの意味はなんだ?)

W大佐(問い質したかったが、やめておいて正解なんだろうな。立ち止まったときの殺気が尋常じゃなかった)

W大佐(……本格的に、Xの船に移動する方法を考えなければならんかもしれん)


 * 司令室内 *

J少将「……やれやれ、気付かれてはおらんだろうな」

J少将「……」

J少将「青葉の始末はつけられなかったか。まあ、いい」ニタリ

J少将「この顔を写真に納められては、ひとたまりもないからな……ふふ」スッ




612: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:11:15.42 ID:w44UXUKdo


 * 墓場島 丘の上 *

提督「馬鹿、下がってろ。特に如月、お前……」

如月「……嫌です。確かに、怖いけど……私は、司令官を失うことの方が怖いわ」ヨロッ

提督「下がれっつってんだよ。俺なんざ構ってねえで逃げ」

吹雪「そういう命令、聞けませんから!」

提督「……じゃあ馘だ馘! とっとと俺の目の前から」

電「そういう誰かを見捨てるような命令はお断りするのです」ニコー

提督「……痛えとこ突きやがる」

士官Z「次弾装填終わったか? 全員構え!」

阿武隈「駄目よ!」

士官Z「ああ?」

阿武隈「少尉を……その人たちを撃っては駄目! 撃つべきは、この男よ!!」

士官Z「なんだとぉ? 寝ぼけんな兵器如きがあ!!」ドガッ

阿武隈「げうっ!!」ドスッ

士官Z「生意気な! 口を! きいてんじゃあ、ねえよっ!!」ゲシッ ガスッ

阿武隈「ぐっ! あうっ!!」ガッ ドスッ

雷「阿武隈さん!」

子日「許せない……こんなの、許せない!」ワナワナ

士官Z「そんなにお望みなら沈めてやるよ……お前『以外』からな!!」チャキッ



613: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:13:11.28 ID:w44UXUKdo


曙「!!」

睦月「に、逃げてええ!!」

朧「やらせは……しません!!」

 ドドォン!!

士官Z「ぐおっ!? な、なんだ!」

白雪「夾叉弾!? どこから!?」

士官Z「だ、誰だ!」

H大将「私だ」パァン

士官Z「ぐあっ!?」バシュッ

士官Z「う、腕が……くそっ!」ダッ

子日「逃がさないっ!!」ジャキッ

H大将「よせ! 艦娘が人間を撃ってはいかん!!」

子日「……!」

雷「……だとしたら、どうして……どうして逆はいいの!?」

H大将「よくはない! よくなんかない……!」

朧「……初春……」

提督「……」ギュ



614: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/19(日) 22:14:14.95 ID:w44UXUKdo


 ドォン

阿武隈「え……!?」

朧「海上から……」

H大将「あれはなんだ……!?」

提督「……!?」

 三式弾< ヒュゴォォォ…!

H大将「馬鹿な……三式弾っ!?」

朧「司令官!! 逃げて!!」

阿武隈「みんなも早く逃げて!!」

雷「電ぁぁ!!」

白雪「吹雪さん!!」

睦月「如月ちゃあああん!!」

曙「阿武隈さんも!」

子日「ま、間に合わないよぉ!! みんな防御! 防御を!!」

 三式弾< ゴォォォ…!

 ドパァァァァァン…!!

「「「きゃああああああああ!!!」」」




618: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:25:15.90 ID:sBeMF98co


 * 墓場島 東の沖合 J少将艦隊 *

通信『どういうことだ! なぜ砲撃した!』

通信『旗艦秋月! 応答せよ! 秋月!』

秋月「き、衣笠さん! 今の砲撃は!?」オロオロ

矢矧「衣笠さん! いったい何があったの……っ!?」ビクッ

衣笠「……誰かしら、犠牲になるのなら……」ハイライトオフ

衣笠「……いっそ、私が……」ブツブツ

酒匂「き、衣笠さん……!?」

 ゾワッ

秋月「この気配……!!」

酒匂「……な、なにこれ……!!」

初月「じょ、冗談じゃないぞ……!?」

照月「あ、足下に……無数の反応!!」

矢矧「足下だけじゃないわ……この海域を囲うように敵艦の反応!!」

無数のヨ級&カ級「……」ゴボボボッ

 魚雷<ボシュボシュボシュボシューッ

秋月「ぜ、全艦隊!! 直ちに回避を!! 至近距離広範囲に敵潜水艦! 魚雷です!!」



619: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:26:39.20 ID:sBeMF98co


 * 墓場島 丘の上 *

H大将「……お、朧君!」

朧(中破)「H大将さん……ご無事でしたか?」

H大将「また、君に助けられたのか……提督少尉たちは!?」ムクッ

睦月(中破)「……け、けほっ」

阿武隈(大破)「……」

曙(大破)「……阿武隈さんは」

子日(大破)「気を失ってるけど、直撃は避けてるみたい……」

白雪(中破)「まさか、私たちまで攻撃されるなんて……」

雷(中破)「うう……い、電たちは……っ!?」

(提督に覆いかぶさるように倒れている如月と電と吹雪)

雷「あ……あああ……!」

白雪「……吹雪、さん……!」

提督「ぐ……」ムクッ

朧「し、司令官!」

提督「……おい……」

提督「如月。電。吹雪……」

提督「……起きろ……寝てる場合じゃねえぞ……!」



620: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:27:41.97 ID:sBeMF98co


提督「なあ、如月。おい……!」

電「……司令官、さん」ヨロッ

提督「電……!」

電「司令官さん……電は、少し、おやすみ、したいのです」ニコ

提督「……」

電「……お胸を、貸してもらって、いいですか……?」

提督「……ああ」

吹雪「……あ、いいなあ……」

提督「吹雪もか」

吹雪「……えへへ……いい、ですか?」

提督「ああ。助けてもらったからな」ギュ

電「……甘えさせてもらうのは……初めてなのです……」スリ

吹雪「……私も……ふふ」

提督「……」ナデ

電「しあわせ……なの、で……」

吹雪「……しれい、かん……わたし、がんばりまし……」

提督「……ああ」



621: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:31:32.59 ID:sBeMF98co


電「……」

吹雪「……」

提督「……なあ、H大将」

提督「……これは。どういうことなんだ、これは……!!」ギリッ

H大将「……」

朧「……」

朧「……!」ザワッ

朧「司令官危ないっっ!!」バッ

 ドンッ

朧「!」ビシィッ

 ドサッ

提督「……朧?」

朧「」

提督「朧……おい」

士官Z「やれやれ、見殺しにすれば良かったのになあ?」ガサガサッ

雷「に、逃げたんじゃなかったの……!?」

士官Z「銃なんてな、左でも撃てるもんなんだよ。それに、やられたらやり返さねえとなあ」

曙「なんて、奴……!」



622: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:32:08.46 ID:sBeMF98co


提督「……」ギリギリッ

士官Z「なんだその目は? 俺はお前のせいで人生滅茶苦茶にされたんだぞ?」

士官Z「このくらいのことをされても、文句は言えないだろうが!」チャキッ

 カチン

士官Z「ん~? 弾切れ」

 バキャア!

士官Z「が……っ!」ドシャッ

H大将「……この、外道が……!!」グイッゴキッ

士官Z「ぐえっ!? いぎいっ!?」ミシッグギッ

H大将「貴様のような奴が……同じ、海軍にいようとは!!」グギッ

士官Z「ぎゃああああ!?」ゴギゴギッ



623: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:33:36.85 ID:sBeMF98co


 * 東の沖合 *

矢矧「衣笠さん、回避を!」

衣笠「……」

矢矧「衣笠さんっ!!」

 ドォォン

衣笠(大破)「……」ブスブス…フラッ

酒匂「衣笠さん、どうして……!」ガシッ

衣笠「……私、は……」

矢矧「! いけない!」バッ

 ドゴォン

矢矧(小破)「ぐっ……!」

軽巡棲姫「……邪魔ヲスルナ」

酒匂「姫級……な、なんでぇぇ!?」

軽巡棲姫「ソイツハ、提督ヲ撃ッタ……許シテハ、オケナイ!!」グワッ

 シュゴォォォォォ

 ガキィン!

軽巡棲姫「ナゼ邪魔ヲスル……神通!!」ギリギリギリッ

神通「……」ギリギリッ

矢矧「じ、神通さん!?」



624: ◆EyREdFoqVQ 2017/02/26(日) 09:35:05.60 ID:sBeMF98co


神通「……彼女を撃つのは、少しだけ待ってください」

青葉「ども、青葉ですぅ! 衣笠はこちらで保護します!」

衣笠「……あお……ば……?」

軽巡棲姫「待テ! ナゼダ!!」

衣笠「あお、ば……青葉、生きてたぁ……!」グスグス

青葉「もー、衣笠ったら大袈裟なんだからぁ」ヨシヨシ

矢矧「あなた、もしかして……」

青葉「はいっ、もとJ鎮守府の問題児、青葉ですよぉ!」ニカッ

矢矧「どうしてあなたがここにいるのよ……あなたのせいで、能代はっ!」ギリッ

青葉「お話はあとです、ほらほら、青葉を睨んでる場合じゃないよ?」

軽巡棲姫「……!」ギリギリギリッ

神通「……」ギリギリッ

軽巡棲姫「貴様モ所詮ハ、海軍ノ犬カ……!」

神通「……あなたも、提督が攻撃を受けたことに怒っているんでしょう?」

軽巡棲姫「当然ダ……!」

神通「私はこれから提督の指示に背いて、島へ乗り込みます。……あなたは?」

軽巡棲姫「……! 提督ノ下ヘ行ク!」

神通「……」コク

 クルッ

 シャアァァァ



628: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:36:25.43 ID:GsHEpKDVo


 * 島の南東、丘の上*

士官Z「お、おげぇぇ……」ピクピク

H大将「両肩と左股関節を脱臼させた。そのまま這いつくばって苦しんでいろ、貴様の処罰はその後だ」

提督「……」

H大将「……提督少尉。こんな連中を連れ込む気はなかった。すまない」

提督「……H大将。とりあえず、そこのゴミは持ち帰ってくれ。この場所には、艦娘たちが眠っているんだ……」

白雪「眠ってる……?」

雷「それじゃ、この丘に備えられた装備品は……」

提督「備えじゃねえよ。墓標さ」

子日「……こんなに、たくさんの艦娘が……!」

提督「こいつらも、ゆっくり眠らせてやらないとな……」

妖精「待って」ヒョコッ

提督「妖精!? お前、あいつらと一緒に島を出てなかったのか!?」

妖精「わたしが、力になるよ」

提督「お前、なにを……」

妖精「提督とは一番長い付き合いだからね。わたしも、みんながいなくなるのは悲しいのがわかるんだ」ニコ



629: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:38:55.24 ID:GsHEpKDVo


妖精「だから、わたしが力になる」

提督「何を言ってる……?」

白雪「まさか、あなた……」

 キラキラキラキラ

妖精→応急修理女神「わたしが……みんなを、助ける……!」

 パァァァァ…!

H大将「女神妖精……!」

曙「傷が……!」

睦月「如月ちゃんたちの傷も消えていってるにゃあ!」

阿武隈「……う……」

子日「阿武隈さんも気が付きそうだよ!」

H大将「し、しかし、そんなことをすれば君は消えてしまうぞ!」

応急修理女神「……みんなを助けられる。それが嬉しいから、それでいいんだ……!」ニコッ

提督「……お前……」

 パァン

提督「!?」

H大佐「!?」

艦娘全員「!?」



630: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:40:46.89 ID:GsHEpKDVo


応急修理女神「……あ」パシュウ

K大佐「……ほう。妖精も撃てるのか、この弾丸は」

H大将「な……に……!?」

提督「妖精!!」

応急修理女神「……ごめ、んね……」キラッキラッ

応急修理女神「てい、と……」シュゥ…

 フッ

提督「……よ……」

提督「……う、せ……ぃ……っっ!!」

雷「消えちゃっ……た……!!」

K大佐「これで貴様らの望みは絶たれた」グイ

大将「ぐあっ!」ドサッ

H大将「大将!? お前……!」

大将「す、すまん、また捕まってしまった……」

K大佐「K大佐より司令室へ。提督少尉は大将とH大将の影武者を用意していた模様」

睦月「!?」

K大佐「その証拠に彼らは通信機を所持していない。確認されたし」

K大佐「我々は大将の偽物は捕縛済み、これからH大将の偽物を拘束する。以上」ピッ

子日「なんてことを……!」

白雪「……これでは、どちらが悪者かわかりませんね……!」



631: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:44:43.86 ID:GsHEpKDVo


K大佐「やれやれ。大将、貴様がいい加減なことを言うせいで随分遠回りをしてしまったな……」ゲシッ

大将「べ、別に誤魔化すつもりは……」

K大佐「黙れ。わざと我々に別の行き先を教えて時間稼ぎをしたつもりだろうが、小賢しいというのだ」

大将(本気で知らなかったんだが……)

K大佐「まあいい。さて、H大将。志半ばで無念でしょうが、成仏して戴けますかね」チャッ

 ズゥン

大将「な、なんだ? この地響きは」

提督「……ぜだ」

H大将「提督少尉……?」

提督「なぜ、こいつらがこんな目に遭わなければならないんだ……!?」ゴゴゴゴ

 メキッ メキメキメキ

K大佐「……何をしている、提督少尉」

提督(魔神化)「……こいつらが、何をしたって言うんだ……!!」ジロッ

子日「いっ!? て、提督少尉の額に、ツノが!?」

大将「て、て、提督少尉は、化け物だったのかああ!?」

 ズズゥン

雷「きゃああ!?」ヨロッ

子日「じ、地震!? 大きいよ!?」

睦月「……! み、みんな、あれ……海を見て!!」

白雪「え? ……ええ? こ、こんなときに!?」

曙「最悪のタイミングね……」




632: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:46:54.36 ID:GsHEpKDVo


 * 墓場島 東の沖合 *

ヲ級fl「潜水艦ニヨル奇襲、成功シマシタ」

泊地棲姫「……ソノヨウネ」

泊地棲姫「ソレニシテモ、ル級ノ憂鬱ヲ、私ガ理解スルコトニナルナンテ、ネ……」フフッ


J少将部下「J少将、大変です!! 姫級が2体出現!! うち軽巡棲姫は艦隊と交戦後、島へ接近中!!」

J少将部下「泊地棲姫は外海に出現! 近海にも深海棲艦、多数出現! 潜水艦と空母による大艦隊です!!」

J少将「なんだと!? なぜ察知できなかった!」

J少将部下「レーダーに反応ありませんでした! たった今、急に反応が……!」

J少将「ぐうっ、離脱急げ! まずは泊地棲姫の射程から離れろ!」


泊地棲姫「ドウシテ人間ハ、同ジ人間ヲ殺ソウトスルノカ……」

泊地棲姫「ソンナニ殺シ合イガオ望ミナラバ……私モ戦ッテ沈メテヤラネバナ……!!」ジャキン

 魚雷< ドドドドドバシューッ


J少将部下「左舷、10時の方向! は、泊地棲姫より大量の魚雷群の発射を確認!」

J少将部下「回頭! 右に進路を取れ! 魚雷群と並走してやり過ごせ! 被弾面積を最小限にしろ!」

 ギュイイイ

W大佐「うお!?」グラッ

伊勢「危ない!」

W大佐「す、すまん! ……だが、これは良くないぞ……?」

W大佐「この進路のままでは、艦娘の陣のなかに突っ込む! スピードを落とさないと衝突するぞ!」



633: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:48:13.69 ID:GsHEpKDVo


J少将部下「J少将! 進路に艦娘がいます!」

J少将「かまうな! 突っ込め!」


伊勢「スピードが……上がった!?」

W大佐「馬鹿な……何をしている!!」


泊地棲姫「己ノ命惜シサニ、味方デアルハズノ艦娘ヲ見捨テルカ……!」

??「なんと愚かな……!」

泊地棲姫「……貴様ノ力、使エルカ?」

??「ええ、いつでも行けます! 罪深き人間どもに……裁きを!!」

 ゴォン

W大佐「なんだ?」

伊勢「!? 提督、あれ!」

W大佐「……空中に、馬鹿でかい……鎌か!?」


J少将部下「J少将! 右前方に謎の鉄塊が!!」

J少将「!?」

J少将部下「み、右舷から、迫ってきます! 回避できません!!」




634: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:49:07.66 ID:GsHEpKDVo


泊地棲姫の肩に乗ったシーナ「ペンデュラムよ……切り裂け!!」

 巨大ペンデュラム< ゴォォォオ!!

W大佐「船が……!!」

伊勢「提督危ない!」ガシッ

 メ゙ギャアア!!

「「うわああああああ!」」

 メ゙ギメ゙ギメ゙ギメ゙ギ

W大佐「船首部分が……!」

 バギャアアアアア!!

J少将部下「い、今の一撃で、船首部分が切断されました!!」

J少将部下「甲板上のW大佐が海に投げ出され落下!!」

J少将「だっ……脱出だ! ボートを出せ!!」

J少将部下「左からまた来ます!」

J少将「なに……っ!?」

 巨大ペンデュラム< グォォォオ!!

J少将部下「指令室に直撃するぞ!」

J少将部下「逃げろ! 逃げろぉぉ!!」

 ズガシャアアアア!!

「「うわあああーーーっっ!!」」

 バキバキバキバキバキーーーッ!



635: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/05(日) 23:50:59.14 ID:GsHEpKDVo


 * 東の沖合 W大佐の艦隊 *

鈴谷「うっわ、少将の船が散々じゃん……」

熊野「真っ二つが、三つになりましたわね……」

 ガッシャァァァン

多摩「今、四つになったにゃ……」

球磨「それよりW提督はどうなったんだクマ!!」

W榛名「それに、島でも何が起こっているのか……!」

 ピピピッ

W日向「! 日向だ」

通信『伊勢よ! W提督は無事! 日向と鈴谷、熊野は瑞雲を展開して!』

熊野「すでに展開済みですわ!」

通信『球磨と多摩は潜水艦の警戒と迎撃をお願い!』

球磨「了解だクマ!」

通信『榛名は泊地棲姫の砲撃を警戒! ただし、砲撃はまだよ! 潜水艦が片付くまでは、回避に専念して!』

W榛名「わ、わかりました!」




641: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:01:17.42 ID:TTCwSWFAo


 * 島の南東 丘の上 *

K大佐部下「た、大変です大佐! し、深海棲艦の大艦隊が、我らの艦隊を取り囲んでいます!」

K大佐部下「J少将の船と通信不能……! あ、あれは一体……船が!!」

K大佐「……提督少尉。貴様の仕業か」

提督「……あれは……」

雷「なに、あれ……」

白雪「少将の巡視船が、振り子のような刃物で引き裂かれてるように見えるんですけど……」

睦月「む、睦月にもそう見えるにゃああ……」

ニコ「あれは、ペンデュラム」

睦月「えっ!? だ、誰ですか誰ですかっ!?」

白雪「ペ、ペンデュラムって……」

ニコ「あの船を、ロールケーキみたいに切り裂いたメディウムの名前だよ」

曙「メ、メディウム……?」

提督「そうか。お前らはあいつらと一緒だったのか……」

ニコ「……」コク



642: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:02:39.73 ID:TTCwSWFAo


K大佐部下「た、大佐! あの女は!?」

K大佐「狼狽えるな。我々のやることは変わらない」

K大佐「元凶をさっさと始末すればいいだけのこと」チャキ

雷「少尉!!」

 ドンッ

初春「」バチィンッ

子日「!?」

白雪「初春さんが……!?」

曙「手で、銃弾を叩き落とした……!?」

K大佐「……」イラッ

 ドンドンッ ドンッ

初春「!」バチバチバチィンッ

睦月「ぜ、全部、手で叩き落としてる……!」ゾワワ

子日「……で、でも、そのせいで右手が……!!」

初春「……」グシャー

初春「……」

初春「……」メキメキッ

白雪「手が自己修復してく……!」

子日「で、でも、どんどんおっきくなってない!?」



643: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:03:43.36 ID:TTCwSWFAo


初春「……」メキメキメキメキッ

K大佐「……どういうことだ」

提督「戦艦ル級」

K大佐「……なに?」

提督「お前らが……Zの奴が初春に撃ち込んだ弾丸だよ」

初春→ハツハル(右手だけル級の艤装)「……」ジャコンッ

K大佐「馬鹿な」

 16inch三連装砲 < ドドドンッ

K大佐の部下「「う、うわあああ!!」」ドゴーン

K大佐「……何をしている! 深海棲艦だぞ! 我々の敵だ! 総員、構え!」

K大佐の部下「「は、はっ!」」ジャキジャキッ

K大佐「撃て!」

 深海艦載機 <バババババッ

K大佐の部下「「う、うわあああ!?」」ダダダダダッ

H大将「艦載機!? いったいどこから……!」

朧→ヲボロ(ヲ級帽子と杖装備)「……」ザッ

曙「……朧っ!?」

白雪「朧さんまで深海棲艦に……」



644: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:05:12.52 ID:TTCwSWFAo


K大佐「……どういうことだ。今までにこんな事例はない……!」ジリッ

ニコ「深海棲艦の無念と、この島に充満した『魔力』が、二人を甦らせたんだ」

H大将「……おい、提督。まさか、貴様も……!?」

提督「どうせ言っても信じねえだろ」

H大将「……!」

ニコ「……」ザッザッ

ニコ「ごめんね、如月、電、吹雪。引っ越ししてたら、遅くなっちゃった」シャガミ

提督「引っ越し?」

ニコ「執務室に来たんでしょう? 人間が大勢この島に来ることはわかっていたからね、深海棲艦にも協力してもらって準備していたんだ」

提督「ああ。それでか……」

ニコ「ただ、予想より人間たちの動きが早かったからね……それが、こんなことになるなんて」シュン

提督「……」

ニコ「魔神様、ご命令を。ぼくたちに、敵を討たせて欲しい」

提督「……やれるのか」

ニコ「うん。魔神様にたてついた人間は、ぼくたちが全員始末するよ」

艦娘たち「……」

雷「ま、マジンサマとか、なんのことなの?」

H大将「状況はわからんが……少なくとも彼女は提督少尉の味方ではあるようだ」



645: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:07:08.30 ID:TTCwSWFAo


K大佐「提督少尉……貴様、深海棲艦か」

ニコ「違うよ、魔神様は魔神様。さっきからそう言ってるじゃないか」

K大佐「屁理屈を……!」チャキッ

ニコ「魔神様の存在を受け入れようともしない浅慮な人間のくせに。屁理屈なんて言葉で真実を誤魔化そうとするさまは愚かしいよ」

ツバキ「ほんま、救いようがあらしまへんな……!」

 アブラカビン < ヒューー

K大佐「がぼっ!?」ガポンッ

ツバキ「すんません親分さん、資材置き場の重油、ちいとばかし拝借いたしました」シュッ

提督「いい、良くやった」

睦月「ま、また知らないお姉さんがいきなり現れましたよぉぉ!?」

K大佐「がぼ、ごぼぼぼ!?」ヨタヨタ

曙「……ちょっとあんた。あの花瓶、取らないと中の油で窒息するんじゃないの?」

ツバキ「そうなりますやろなあ。けど、別に構わんとちゃいますのん?」

曙「ふらふら歩いてたら、その辺が油まみれになるわよ? 危ないじゃない」

セレスティア「ええ、せっかく油をひいたのですから」ポンッ

曙「え?」

セレスティア「強火で一気に焼きましょう!」

 ホットプレート < ゴォッ!!

K大佐「ぎ」ゴォォォ!!



646: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:08:18.60 ID:TTCwSWFAo


提督「おお、すげえな。悲鳴もあげられねえか」

艦娘たち「……」アッケ

ニコ「そうだ魔神様、手を貸して」

提督「ん?」スッ

ニコ「イメージして。あの男を、その拳で、思いっきり打ち上げるイメージを」

提督「……ん……」

 ギュワァァァァ

白雪「なに? あそこだけ空間が歪んでる……!」

ニコ「今だよ魔神様、念じて!」

提督「!」

 イビルアッパー < ドバキャアア!

K大佐「」ゴシャーー

艦娘たち「……」アングリ

提督「おお、これもすげえな」

ニコ「キックもできるよ」

提督「そりゃあいい」



647: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/12(日) 18:09:07.86 ID:TTCwSWFAo


K大佐「」ヒューー…ドシャッ

ハツハル「……」ドガンドガンドガン

ヲボロ「……」ピシュンピシュンピシュン

 ドガガガガァァン

K大佐部下「た、大佐!?」

白雪「しょ、少々、弾幕が厚い気がします……」

K大佐「……ぐ、くそ……」

提督「朧、初春、ほどほどにな。奴らを始末するのは俺たちじゃねえ」

ヲボロ「……」コクン

ハツハル「……」コク

曙「……なにがどうなってるのよ……」

子日「わ、わかんないよぉ……」

提督「とりあえずピンチはしのいだな? もう一押ししておくか」

イーファ「うん、毛づくろいできたよ!」

 スパイクボール < ヒューン

K大佐「な」

 グシャァ



653: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/14(火) 21:55:53.76 ID:15EnMR2Vo


K大佐部下「た、大佐!?」

K大佐「」ピクピク

提督「なんだ、まだ息があるのか? しぶてえな」

大将「て、提督少尉……おま、お前の仕業なのか!? まるっきり化け物じゃないか!」

提督「……」

K大佐部下「お、おい、まずいぞ!」

K大佐部下「に、逃げろぉお!!」

大将「あわわわ……ま、待ってくれ! 俺を置いていかないでくれえええ!」

クレア「逃がすもんですか! 必殺スマッシュ、いっけぇえ!」

 スマッシュフロア < ズバーン!

K大佐部下「鉄球が飛んできた!?」

大将「ひぃぃ!?」チッ

(大将の頭の上すれすれを飛び越していくスパイクボール)

 スパイクボール < ズシーン! ゴロゴロゴロゴロ…!

K大佐部下「うわああああ!!」

K大佐部下「こっちにきたああ!!」

 ゴロゴロゴロゴロ…ウワアアア

大将「あばばばば……」バターン!

雷「大変! 気絶しちゃったわ!」



654: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/14(火) 21:56:49.08 ID:15EnMR2Vo


クレア「やったあ、サービスエース! ねえ見た? 見てくれた?」

白雪「なんだか悪い夢でも見てるみたいです……」

クレア「えっ」

白雪「えっ」

曙「えっじゃないわよ! 本っ当に悪い夢よ!」

曙「そもそも誰なのよこの人たち! テニスウェアとかエプロンとか獣っぽいのとか、場違いよ!」

クレア「え? お、おかしいかな?」

曙「おかしいわよ。仮装パーティじゃないんだから!」

ツバキ「うちはええんやろか」ボソ

曙「……あなたに似た格好の人、私知ってるから」ムスッ

 * 

祥鳳「へっくち!」

ビスマルク「あら、風邪? 戦闘中よ? 大丈夫?」

ローマ「こんな仕事さっさと終わらせて、X提督に温めてもらったらいいわ」

祥鳳「えっ? あ、いえ、その、私たちはまだそういう関係では……」カァァ

ビスマルク「ちょっとローマ、戦闘中よ」

ローマ「……悪かったわよ」

 *



655: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/14(火) 21:57:41.03 ID:15EnMR2Vo


曙「ともかく! 朧も朧よ! 一緒になってふざけてんじゃないわよ!」

ヲボロ「……」

曙「……ちょっと聞いてんの!? こっち向きなさいよ!」

提督「朧。返事してやれ」

ヲボロ「!」クリッ!

曙「」

ヲボロ「……」ジー

睦月(お目々が深海棲艦みたいに青く光ってて怖いにゃあ……)

曙「お、朧……! 冗談はその辺にしておきなさいよ……!」

ヲボロ「……」

ヲボロ「……ヲ?」クビカシゲ

曙「」



656: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/14(火) 21:58:24.33 ID:15EnMR2Vo


睦月「あ、あはははー、朧ちゃん、役になりきっててすごいにゃあ……」

曙「……もういいわ」

睦月「はぇ?」

曙「いいって言ったのよ。朧は、こんな冗談……」

提督「ああ。言わねえな」

曙「……」グスッ

ヲボロ「……」ジー

曙「な、なによ」

ヲボロ「……」ナデナデ

曙「! な、なによ! なに、すんの……よ……!」グス

子日「……曙ちゃん」

ハツハル「……」ジー

子日「ふぇっ?! い、いつ真後ろに!?」

ハツハル「……」ニコ

子日「……!!」

白雪「……ふたりとも、どこかで覚えてるんでしょうね……」



660: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:04:07.70 ID:uLszp1YAo


 * 東の沖合 J少将の艦隊 *

矢矧「……船が」

酒匂「バラバラぴゃあ……」

秋月「いったい、なにが……」

青葉「とりあえずですが、みなさん引き揚げましょう。深海棲艦の狙いは、私たちじゃありませんから!」

矢矧「え? どういうことよ、それ」

青葉「まあまあ、とにかく急ぎましょう? 衣笠を中佐の医療船まで連れて行かないと」ヨイショット

矢矧「あ、青葉! あなた、J少将を見捨てる気!?」

青葉「おや、先に青葉たちを見捨てたのは他ならぬJ少将ですよ?」

酒匂「え?」

青葉「そんな相手に義理立てする気は青葉にはありませんから!」

矢矧「どういうことよ! あの穏やかなJ少将の何が気に入らなくて、そんなことを言うの!?」

青葉「みなさんそう仰るんですよねえ。この写真をどうぞ?」ピラッ

矢矧「なによこれ……」



661: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:06:45.51 ID:uLszp1YAo


青葉「後にも先にも奇跡的に撮れたその一枚だけなんですけどね。題して、J少将の素顔! ってとこでしょうか」

酒匂「……これがJ少将?」ゾワリ

青葉「憶測ですが、能代さんはこの写真を撮った青葉を消せと命令されたんですよ」

青葉「この写真を撮ってから、能代さんとは何度か一緒に出撃したんですが、青葉をじっと見てたことが多々ありましてねえ?」

青葉「思いつめた顔をしてましたねえ……生真面目な能代さんは、青葉を撃てなくて自分を撃ったと考えてます」

矢矧「ど、どうしてそんなことをしなくちゃいけないのよ!!」

青葉「その事件の少し前に、阿賀野さんが工廠で死にかけた事件、覚えてますか? いきなり鉄骨の下敷きになった、あの事件」

青葉「あれはきっと能代さんに対する脅しですよ。お前がやらなければお前以外の誰かが傷つくぞ、という」

秋月「……そんなまさか」

青葉「青葉、気付いちゃったんです。J少将と懇意だった人の中にB提督って人がいましたよね?」

青葉「その人がやった手口に似てるんですよ。艦娘に無理を通させるために、関係ない他人の命を人質にとって脅かすってところが」

青葉「それにこのJ少将の船。破壊されずにあのまま直進していたら、みなさんどうなっていたと思います?」

矢矧「……だ、だとしても! この場から逃げ出すわけにはいかないわ!」

青葉「強情ですねえ……とりあえず、衣笠は中佐の船に連れて行きます。まあ、早めに撤退を検討したほうがいいですよ?」

青葉「青葉もとーーーっても恥ずかしい思いをしましたからね! 早く引き上げたほうがいいですよー!!」ザァァァ



662: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:07:56.98 ID:uLszp1YAo


矢矧「……恥ずかしい思いって、いったい何をされたのよ」

 ヒューー

矢矧「え?」

 タライ < パコァァァン

矢矧「はうっ!?」

照月「矢矧さん!?」

初月「待て、この金盥はどこから降ってきた」

 トイハンマー < ブンッ

矢矧「いったぁ!?」ピコーン!

酒匂「何もないところからハンマーが!?」

秋月「しかもおもちゃのハンマーじゃないですか!」

矢矧「な、なんなのよ、もう!!」プンスカ

 パンプキンマスク < ヒューン

矢矧「ふえっ!?」カポーン!

初月「……僕らは深海棲艦と戦っていたのではなかったのか?」

秋月「なんでしょう、この緊張感に欠ける、悪ふざけの数々は……」

 フライガエシ < グインッ!

矢矧「あれぇぇぇぇ!?」ポイーーーン!



663: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:09:19.17 ID:uLszp1YAo


酒匂「矢矧ちゃん!?」

照月(な、なにが起こってるのか理解がついていかないよぉ……)

 ウォッシュトイレ < ガッシャン!

矢矧「あうっ!?」ズボンッ!

酒匂秋月照月初月「「!?!?!?」」

矢矧「あたた……い、いったい何があったのよ……な、なにこれ。おしりがはまって、抜けない……っ!」

秋月「や、矢矧さん、それ……」

初月「どうして洋式トイレがこんなところに……」

矢矧「えっ!? そ、それほんと!? や、やだぁ!!」カァァ

矢矧「くぅぅっ! ぜ、全然抜けないし!? く……っ、このっ……!」

照月「さっきすごい音しましたから……完全にはまっちゃったんじゃ……」

矢矧「み、見ないでよー! ううう、穴があったら入りたい……!」

 ウォッシュトイレ < ピピッ!

矢矧「え?」

 ウォッシュトイレ < シャワーーー

矢矧「!?」ピュイーーーーーン!

秋月「」

照月「」

初月「」

酒匂「と、とんでるーーーー!?」



664: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:10:25.15 ID:uLszp1YAo


 ヒューマンキャノン < ガッシャン!

矢矧「きゃっ!?」ズポンッ

矢矧「ううう、おしりがぐちょぐちょ……酷い目にあったぁ……って、ここどこ?」

初月「……おい、これもしかして」

 ヒューマンキャノン < ゴゴゴゴ…ガコン

秋月「もしかしなくても」

照月「大砲じゃないですか!?」

酒匂「矢矧ちゃん逃げてえええええ!!」

矢矧「えっ、ちょ、待っ」

 ヒューマンキャノン < ズドォォォン!!

矢矧「いやあああああああああああああああああああ!!!???」ピュイイーーーーーーン

酒匂「矢矧ちゃん!? 矢矧ちゃんどこ行くぴゃああああああああ!!」ダッ

照月「何がどうなってるの……」アッケ

秋月「っ!? この気配は!?」

ワ級「……」スッ

照月「ええええ!? ゆ、輸送ワ級!?」

秋月「いつ出現したんですか!?」

初月「くっ、こんな近くまで接近を許すなんて……!」



665: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:11:23.30 ID:uLszp1YAo


ワ級「……」ジッ

秋月「……まさか、あのワ級があんな真似を……!?」

照月「お、おかしいわ! この距離で武装展開しないなんて!」

初月「油断するな! 近づいてきたぞ!」

ワ級「……」スッ っ[ホールケーキ]

秋月「!?」ゴクリ

照月「!?」ジュルリ

初月「!?」ダラッ

ワ級「……」スイー

照月「ケ、ケーキを持ったまま、攻撃してこない……!?」ジッ

初月「なぜケーキを持ってるんだ……!」ジッ

照月「……い、いちごがたくさん載ってる……!」

初月「くっ、甘い匂いがここまで……!」

秋月「二人とも、気を確かに! 敵ですよ!」

ワ級「……」スッ

照月「えっ」

ワ級「……」フリカブリ

初月「な、何をする!?」



666: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:12:49.20 ID:uLszp1YAo


ワ級「……」ブンッ!

秋月「えええ!? な、投げた!?」

 ピューン

初月「!?」ベチャ

秋月照月「「初月ーーーっ!?」」

秋月「ケ、ケーキを顔に投げつけるなんて! な、なんてことを!」

照月「初月、大丈夫!?」

初月「……」

初月「……」モギュモギュ

初月「……おいひい」

秋月照月「「!?」」

初月「もしや、これがうわさに聞いた生クリーム……なんてなめらかな食感……!」

初月「ケーキの上に乗ったいちごの酸味が、クリームの品の良い甘さをより引き立てている……!」

初月「ああ、クリームがふわふわなら、かすてらの部分もふわふわだ……!」

初月「しかもご丁寧に、2段に分けたかすてらとかすてらの間にもいちご味のクリームがはさんである……!」

初月「なんてことだ……こんな、こんなごちそうを、僕の顔にぶつけてくるなんて……なんてもったいない……」ヨロッ

秋月照月「「初月!」」

初月「ね、姉さんたちと、一緒に、食べたか……った……!」バターン

秋月照月「「初月いぃぃぃーーっ!」」



667: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:13:45.82 ID:uLszp1YAo


秋月「初月! しっかりしてください初月!!」ユサユサモグモグ

照月「目を覚まして! 初月!!」ユサユサペロペロ

秋月「く……っ! なんて……なんてひどいことを!」ハナニクリーム

照月「初月と食べ物のかたき!!」ホッペニクリーム

ワ級「……」スッ っ[ホールケーキ(チョコレート)]

秋月照月「「!?」」

秋月「そんな……っ! も、もう一個、用意してあるだなんて……!」ゾクッ

照月「嘘……ま、まだ心の準備が……!!」ゾクッ

ワ級「……」フリカブリ

初月「まさかそれも……!?」

照月「だ、だめよ! やめて! やめてぇぇぇ!」

ワ級「……!」ビュシィ!

照月「!?」ベチャ

秋月「て、照月ぃぃぃ!!」

照月「……」ペロ

照月「……」モギュモギュ

照月「これはもしや……ちょこれえと……!?」

ワ級「……」コク

秋月「ちょこれーと、ですって……!?」



668: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:14:55.27 ID:uLszp1YAo


照月「なめらかな舌触りは同じなのに、ただ甘いだけじゃなく、ほのかな苦味までふわっと香ってきて……」

照月「ああ……中のかすてらからも、ちょこれえとの味がするわ……!」

照月「かすてらは3段重ね……間に挟まったクリームもたっぷりで……」

照月「かすてらが水分を吸ってるせいか、しっとりしてて全部クリームみたいになってる……!」

照月「ああ、姉さん、ごめんなさい……わたし、この幸せには……勝て……な……」グラッ

 バターン

秋月「照月!? 照月ぃぃ!!」

秋月「……ゆ、許せません……! よくも、よくもこの秋月の妹たちを!!」キッ

ワ級「……」スッ っ[ホールケーキ(マロンクリーム)]

秋月「みっつめええええええ!?」ビクビクビクーッ

ワ級「……」ジリッ

秋月「そ、そんな……あんな短時間に3個目のケーキを準備できるなんて……」

ワ級「……」ジリジリッ

秋月「ひっ……や、やめてください! そんな、勿体ないことをしては……!」

ワ級「……」

ワ級「……」スッ

秋月「! わ、わかってもらえましたか!?」



669: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/19(日) 20:15:57.33 ID:uLszp1YAo


ワ級「……」ト、ミセカケテ

秋月「あ」

ワ級「……」ヒュパッ!

秋月「ああああ!?」ベチャー

秋月「……」

秋月「……ああ、これは……!」モギュモギュ

秋月「クリームの滑らかさはほぼ損なわないのに、さっきのケーキとはうってかわってしっとりしていて……」

秋月「それでいてずっしりと重たいこの存在感……! そしてこの味は……栗!」

秋月「しかもこのクリームに練りこまれた、ぱりぱりとした食感……栗の渋皮を素揚げしたもの……!」

秋月「かすてらの中にも粗く刻んだ栗が入っていて、まるで栗ごはんのよう……なんて……繊細で、贅沢な……」フラッ

秋月「こんな、スイートトラップ……秋月たちには、抗え、ま、せ……」

 バターン

ワ級「……」ガッツポ

長10cm砲ちゃんs「」オロオロ

マーガレット「4個目できましたよーって、あれ?」ヒョコッ

長10cm砲ちゃんs「!」

マーガレット「あ、よかったらどうぞ!」

長10cm砲ちゃんs「!」キャッキャッ モグモグ

秋月「」プカァ

照月「」プカァ

初月「」プカァ

酒匂「……なにがあったっぴゃあ」←矢矧を救助して戻ってきた

長10cm砲ちゃんs「」モキュ?

青葉「とりあえず3人とも曳航していきましょうかね?」



675: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:15:53.49 ID:PFcqWvLTo


 * 東の沖合 H大将の艦隊 * 

長門「くっ、被害は!」

陸奥「無傷の艦はいないけど、みんな損傷軽微よ!」

長門「泊地棲姫め、潜水艦を潜ませておくとは味な真似を! だから私は駆逐艦を随伴させろとあれほど!」

陸奥(進言するときにあんなに目を血走らせてたら、通るものも通らないわよ)

比叡「とにかく、これからどうするんですか!?」

金剛「まずは潜水艦の潜むこの海域からは離脱をお勧めするネー!」

高雄「ええ、私もその案に賛成です」

愛宕「足元を固めないことには、安心して戦えないものね!」

長門「よし、決まりだ! 全速で泊地棲姫に接近、迫撃を仕掛ける! H提督の敵討ちだ!」

全員「りょうか……」

浮遊砲台1「」ザバァ!

全員「!!」

浮遊砲台2~5「」ザバババァ!

高雄「……これは……泊地棲姫の防衛砲台!?」

比叡「いつの間に包囲されたんですか!?」

長門「ここまで用意周到だったとはな……!」



676: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:16:57.57 ID:PFcqWvLTo


???「それはもう。私たちは『罠』ですからね」

陸奥「誰!?」

金剛「! 浮遊砲台の上に誰か乗ってマース!」

???→アマラ「ごきげんよう、私はアマラ・バキュームフロアと申します」ペコリ

愛宕「え? メイドさん……?」

高雄「油断しないで。仮にも深海棲艦に乗ってるような相手よ」

アマラ「実は皆様にお願いがありまして……」

比叡「お願いですか?」

アマラ「はい。どうかここから引き揚げていただきたいのです」

長門「……ここから出て行けと?」

アマラ「はい、お掃除の邪魔ですので」

長門「掃除だと!? ふざけるな!!」

長門「我らの提督であるH大将を差し置いて、おめおめと逃げ帰れと言うか!」

金剛「イエース! 深海棲艦の好きにはさせないヨー!!」ジャコン

アマラ「うーん……困りましたね」

パメラ「なになに? 交渉決裂?」ヒョコッ

アマラ「はい……残念ながら」



677: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:17:52.53 ID:PFcqWvLTo


愛宕「なに? 今度は……何の職業かしら、あれ。ビーチパラソルにしては物騒な形ね?」

パメラ「じゃあ、仕方ないかぁ。しばらく、お相手してあげましょ?」

長門「来るか!」

陸奥「待って……ねえ、これ何の音?」

 バキュームフロア < ヒュォォオオオオオ

 スローターファン < ギュィィイイイイイ

比叡「海の中で変な機械が渦を作ってる!?」

 大渦 < ギュオオオオオオオ!!

アマラ「すみませんが、みなさんがいるとお掃除できないんです」

パメラ「こっちに注目しててもらうと嬉しいかな~?」

長門「く、この程度の渦……!」ヨロッ

陸奥「この程度……って、局地的とはいえこの渦の深さは異常よ!?」

金剛「早く渦から脱出するデース!」

パメラ「ところがそうはいかないのよねー。ヒサメ!」

ヒサメ「おお、程よくすり鉢状になったのう。これは面白そうじゃ」ヒョコッ

 スリップフロア < パキパキパキーーン

長門「うお!?」ステーン!

ヒサメ「ほほ、氷でできたアリジゴクと言ったところかのう?」

金剛「What's happen !?」ツルーン!

比叡「ひええええ!?」ツルーン!



678: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:19:33.47 ID:PFcqWvLTo


愛宕「い、いきなり凍っちゃうとか、そんなのありなの!?」ツルツルツルツル

陸奥「ば、バランスが……きゃあ!」ステーン!

比叡「そ、そうだ! この氷を撃って破壊できれば……」

陸奥「無理よ! まともに立てないくらい滑るのに、砲撃なんかしたら反動で滑ってどこに飛ぶかわからないわ!」

高雄「……この程度で諦めるわけにはいきませんわ! この氷の器を、外側から破壊できれば……!」ジャッジャッジャッ

ヒサメ「ほう、スピードスケートのように氷の坂を駆け上っていくとはのう」

キュプレ「いい考えだけど、運命の赤い糸からは逃げられないのよ♪」

サム「その運命に逆らえばどうなるか……思い知っていただきましょうか」

 ペッタンアロー < パシュ!

高雄「きゃ? おしりになにかが……」ペタッ

 ペッタンアロー < グイーーン

高雄「きゃあああ!?」

 ヴォルテックチェア < ガッシャン!

高雄「ひっ!?」ストンッ カシャンカシャンッ

 ヴォルテックチェア < バリバリバリバリ!!

高雄「いやああああああああああ!!」バリバリバリバリ!!

金剛「ひぃぃ!? で、電気椅子デスカー!?」

陸奥「た、高雄!?」



679: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:20:45.27 ID:PFcqWvLTo


高雄(中破)「」コゲッ

愛宕「っ……これ以上、好きにはさせないわよっ!!」ジャジャッ

アマラ「あらら。まだ脱出する気ですよ?」

ジェニー「それなら私の相棒にまかせて!」ヒョコッ

アマラ「じゃあ、私が吸い込みますから、あとをお任せしますね?」

 バキュームフロア < ヒュォォオオオオオ

愛宕「えっ!? や、やだ、引き寄せられてる!?」

長門「ま、また何か仕掛けが発動したぞ……!」

金剛(……嫌な予感がするデース)

 デルタホースロデオ < ガッシャン!

愛宕「ふやああああああ!?」ビクビクーッ

金剛「Oh...」シロメ

陸奥「うわあ……」トリハダ

パメラ「あら? いつものシルバーエッジと違うわね?」

ジェニー「ええ、いつもと同じじゃ芸がないでしょ?」

 デルタホースロデオ < ガックンガックンガックン!

愛宕「いやああああああ!? う、動かないでえええええ!?」ユッサユッサユッサ

比叡「……痛そうなんだけど、なんかすごく卑猥な絵面ですよ金剛お姉様」

金剛「比叡は何を言ってるデスカーーー!?」ガビーン

陸奥(……私もそう思っちゃった……)メソラシ



680: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:22:16.66 ID:PFcqWvLTo


 デルタホースロデオ < バユンバユン…バウンッ!!

愛宕「きゃああ!?」スポーン

キュプレ「それじゃあ、お姉ちゃんと交代ね?」

 ペッタンアロー < パシュ!

高雄「」ペタッ

 ペッタンアロー < グイーーン

愛宕「えええ!? ちょっ、まさか!?」ストン

サム「ええ、次は貴女の番ですよ」ニコッ

 ヴォルテックチェア < バリバリバリバリ!!

愛宕「あああああああああ!?」バリバリバリバリ!!

高雄「あ、愛宕……」

ジェニー「で、あなたにはこっち!」

 デルタホース < ガッシャンッ!

高雄「ひぃい!?」ビクビクーッ

ジェニー「うん、暴れ馬もいいけど、いつもの相棒もやっぱりいいわね!」

高雄「くぅっ……こ、こんなものに屈するような、私ではありませんわ……!」

金剛(高雄、それはフラグデース……)



681: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:23:43.98 ID:PFcqWvLTo


ジュリア「それなら屈するまで叩き続けて差し上げましてよ!」

 ハリセン < ニュッ スパーン

高雄「ひうっ!?」ペシーン

 ハリセン < スパーン スパーン スパーン

高雄「やああっ!(ペシーン) おしりばっかり(ペシーン)叩かないでえっ!(ペシーン)」ビクビクッ

比叡「……やっぱりすごく卑猥ですよ金剛お姉様」

金剛「だから比叡は何を言ってるデーーース!?」ガビーン

陸奥(……仕方ないわよね……)メソラシ

長門「ええい埒が明かん! やはりこの氷を撃ち壊すぞ!」ガシッ

クリスティーナ「やらせないわよ! 飛びなさい!!」ヒョコッ

 ライジングフロア < ズバーン!

比叡「ヒエーーー!?」ズバーン!

金剛「ノォーーー!?」ズバーン!

陸奥「あらぁーーー!?」ズバーン!

長門「うおぉーーー!?」ズバーン!



682: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:25:18.80 ID:PFcqWvLTo


メアリーアン「そのまま落ぢっと危ねぇがらなあ。これ、くっしょんにすっただぁ」

 スノーボール < ヒュウウウウ

比叡「」ズボァ

金剛「」ズボァ

陸奥「」ズボァ

長門「」ズボァ

 4人を巻き込んだスノーボール < ヒュウウウウ ドスーン

金剛「」シロメ

比叡「お、お姉様、寝たら、死にますよ……」ガチガチ

長門「む、陸奥……第三、砲塔……」ガタガタ

陸奥「無理よ……」カチーン

クリスティーナ「そういえばずっと氷の上にいたわね」

メアリーアン「どうすべえ? さみがったら、後でイブキさぁ呼ばっぺが?」



683: ◆EyREdFoqVQ 2017/03/20(月) 16:30:22.24 ID:PFcqWvLTo

というわけでここまで。

大将やH大将の配下の艦娘には
「T武蔵」とか「H長門」とか表記していましたが、
今回は各艦隊ごとのお話なので取っ払っています。
ややこしいですが、合流したらまたくっつけます。



【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】【その3】
元スレ
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467129172/
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