【遊戯王】不動遊星「ここが見滝原か……」
遊星「プロジェクトも一段落ついて、一月程休みが出来た」
遊星「同僚にいいところだと勧められて来てみたが」
遊星「かなり栄えている街だな。ネオドミノに勝るとも劣らない……」
遊星「だが……」
ズズズ
遊星(街の人たちも皆いつもの日常を送っているように見えるのに)
遊星(なんだ、この雰囲気は……)
遊星「?」
「た……て……どか」
遊星「なんだ……?」
キョロキョロ
遊星(頭の中に直接声がしている!?)
「たすけて……まどか」
遊星「……まどかが誰かは知らないが、待ってろ!」
タッタッタッタッ
遊星(……この雰囲気、おかしなにおいがする……)
遊星「だが、行くしかない!」
遊星「この扉か!」バンッ
遊星「おい、大丈……!?」
QB「まどか!……あれ?」
遊星「……俺はまどかじゃないが、語りかけてきたのはお前か?」
QB「う、うん。そうだけど……」(彼は僕の声が聞こえていたのか……?)
遊星「……怪我をしているのか」
QB「そ、そうなんだ。それよりこのあたりで」
ほむら「そいつから離れなさい!」
遊星「!?」
QB「……しつこいね君も。僕は君に襲われるようなことをした覚えはないんだけれど」
?「黙りなさい。そこのあなた、今すぐここから立ち去って今日ここで見たことを忘れなさい」
遊星「こいつを傷つけたのは君か?何故こんなことをする!」
ほむら「……あなた、そいつの姿が見えるの?」
ほむら「……QB、どういうことかしら」
QB「知らないよ。それに知っていても教えたくはないね」
ほむら「あなた、何者?私達のことを知っているの?」
遊星「俺は不動遊星、決闘者だ。むしろこっちの方がこの状況について質問したいんだが」
ほむら「不動……!」
QB(遊星……。確かモーメント開発者の息子だったかな)
QB(そして赤き竜とやらの加護を受けていたとか……)
QB(ふむ、僕が見えるのもそのせいかな?断定はできないが)
遊星「その前に俺の質問に答えてもらおうか。君は何者だ?」
ほむら「……答える意味はないわ」
遊星「何?」
ほむら「話してもあなたには理解出来ないでしょうから」
遊星「どういう……」 バタン!
さやか「まどか、声がした方ってこっち?」
まどか「うん、さやかちゃ……ほむらちゃん!?」
マミ「QB、ここにいたのね!……あら、新顔ね」
遊星(……どうなっているんだ)
まどか「えっ、不動遊星って……そ、それよりほむらちゃん、その格好は一体」
ほむら「……学校で話したわね、違う自分になろうとしてはいけないと」
まどか「う、うん……」
ほむら「それを絶対に忘れないで」クルッ
マミ「待ちなさいっ!」
「」カチッ
マミ「……えっ」
遊星「消えた……?」
さやか「えーと、変な声に誘われてCDショップの通用口に行ったら不動遊星と変な格好の転校生と変な生き物がいて……」
さやか「……何がどうなっとるのやら」
遊星「君たちもこいつの声が聞こえたのか?」
まどか「あ、はい。この近くのCD屋さんにいたら頭の中に声がして……」
マミ「キュウベエ、一体何があったの?って怪我してるじゃない!すぐに……」
QB「マミ、その前に一仕事有りそうだよ」
マミ「……そうね」
遊星「っ!?景色が……」
まどか「歪んで……?」
まどか「さやかちゃん……」ギュッ
マミ「下がってて、来るわ!」
遊星「……!!」
ドンッ☆
魔女「」キャハハハハハ……
遊星「なんだ、こいつは……」
遊星(今まで見てきたどんなカードとも違う、禍々しいフィール……)
遊星「魔女……?」
QB「絶望を撒き散らす、君たち人類の敵だよ」
QB「魔女の口づけ……呪いといえばいいかな。それを受けた人間は絶望に心を浸し、死を選ぶ」
遊星「なんだと……!?」
QB「とは言えこの場は安心していいよ。彼女は、マミはその魔女を狩る」
QB「魔法少女だからね」
マミ(無関係の人もいるし、さっさと決めるわ!)
マミ「ティロ・フィナーレ!!」
マミ「そうだ、キュウべえ!」パアアア
QB「助かるよ、マミ」
まどか「傷が治っていく……!」
さやか「マミ、さん?あなたは何者なんですか?すっごい強いし、さっきもあんな銃をいっぱい出したりして」
マミ「うーん……QBが呼んだのなら無関係ってわけじゃないのよね」
マミ「良ければうちに来ない?そこでゆっくり話すわ」
遊星「……俺もいいのか?」
マミ「ええ、キュウべえもあなたが気になってるようだし」
さやか「魔法少女になったら、何でも一つ願いを……ねえ」
まどか「すごい……」
マミ「ええ、でもどうしてもというのでなければ安易にお願いしちゃダメよ?」
マミ「ゆっくりと考えて、それから答えを出すべきだと思うから」
マミ「私には、考える時間すらなかったから……」
さやか「そう、ですか……」
まどか「そういえばキュウべえは?」
マミ「遊星さんと話したいって、外にいるわ」
遊星「特に理由があるわけじゃない。少し休みが出来ただけだ」
QB(ふむ……見た限りだと僕らの存在に勘づいたわけではないようだ)
QB(ここにいるのはただの偶然……)
QB(いや、彼の経歴からすると、むしろ運命と言えるかも知れないね)
遊星「キュウベエだったか、お前はなんなんだ?俺はお前のような生き物を見たことがない」
遊星「イリアステルの奴らのように、俺達の前に立ちはだかるなら容赦はしない……!」
QB「そんなにいきり立たないでくれ。僕はただ力を与えてあげるだけだよ」
QB「魔女に立ち向かうための力をね」
遊星「ふう……」ドサッ
遊星(今日は色々なことがあった……)
遊星(彼女たちは魔法少女で、魔女を倒すために戦っている……)
遊星(そのための力をキュウべえから授かった……)
遊星(わからない……どんな技術を用いればそんな事が出来る?)
遊星(見滝原にはそんなとんでもないテクノロジーがあるというのか?)
遊星(サイコデュエリストだってカードを媒体に似たようなことはできるが)
遊星(昔のアキにだってそんな変身したりするようなことが出来たとは思えない……)
遊星「……殆ど眠れなかったな」
遊星(眼を閉じても昨日の光景が頭に浮かんで離れないな)
遊星「……暁美、ほむらだったか」
遊星「何故彼女はキュウべえを狙った……?」
遊星「マミは縄張り争いのためだといったが、それだけとは思えない……」
遊星(それに、あの眼。俺はあんな眼をどこかで見たことがある気がする)
遊星「彼女に会えば、何かわかるかも知れない」
遊星(中学校の前で待ち伏せは流石に不味い。間違いなく不審者扱いだろう)
遊星(魔女の気配を探していれば、そこではち合わせるかも知れない)
遊星(だが万一誰も現れなければ……)
ゾワッ
遊星(却下だな)
遊星(となれば……)
遊星「休暇なのだし街を見て周るか」
遊星(賑やかだな、魔女なんてむしろ離れていきそうなぐらいだ)
少年A「なあ、あれって」
少年B「そうだな、髪型もそれっぽいし」
少年C「あのー、もしかして、不動遊星さんですか?」
遊星「ああ、そうだが」
「うおーすっげ!生遊星だ!握手してもらお!」
「サインもらおうぜサイン!」
「いやデュエルだろ!」
「じゃあ俺からな!」
「ずりーぞオイ!」
遊星(……元気だな)
「遊星さん!サインお願いします!」
「あのー、一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
「スターダスト見せてー!」
その次の日
「なんか見滝原に不動遊星が来てるらしいぜ」
「マジで?ってなんかあの人それっぽくね?」
「キャーユウセイサーン!」
遊星(この街はいい街だ。それは疑う余地が無い)
遊星(こんな街に魔女が潜んでいて、絶望をまき散らしているなど信じられない……)
遊星「ん、病院か。結構歩いたみたいだな」
ドクン ドクン
遊星「!!」
遊星「この感覚は……!?」
遊星(まさか!)ダッ
遊星「さやか、まどか!二人もこの気配を感じて来たのか?」
まどか「え、ええ。そうなんです」
QB「君も来たのかい、遊星」
遊星「キュウべえ……一体どういう状況なんだ?」
QB「これは魔女の卵だ。まだ孵化してはいないが、もうじきに魔女へと変わるだろう」
まどか「そうしたら、どうなっちゃうの……?」
QB「病院でそんなことになれば……わかるだろう?」
遊星「……ッ」ギリッ
QB「マミなら僕らの位置を感知して、すぐに飛んでこれるからね」
QB「万一危険な状況になっても、その時は僕と契約をすれば」
遊星「待て、結界の中には俺が行く。二人はマミを呼んできてくれ」
さやか「そんな!それだと遊星さんが危ないよ!」
遊星「俺なら大丈夫だ。それより時間が惜しい、早く行くんだ!」
さやか「……わかりました。行こうまどか!」
まどか「う、うん!……遊星さん、気をつけて!」
遊星「ああ!……さて、行くぞキュウべえ」
QB「……しようがないね、じゃあ行こうか」
QB「何かな?」
遊星「魔女はどこから生まれてくる?」
QB「人の心の絶望さ。それが形を成したのが魔女だよ」
遊星「そうか。ならばそれをより大きな希望で塗り替えることは可能か?」
QB「……魔女を生み出さないで済むか、と言う意味なら可能といえるかな」
遊星「行き着く所は同じ、か」
QB「?……おや、使い魔だ。ここで隠れて去るのを」
遊星「フッ!」ドゴオ
QB「……何でもない、行こうか」
QB「おそらくはこの向こうだね」
遊星「まだ孵化はしていないか?」
QB「うん。でももう時間がないようだ……」
遊星「……行くぞ」
ギイイ……
QB「……今まさに孵化するところのようだね」
マミ「キュウべえ!遊星さん!」
QB「マミ!」
マミ「ごめんなさい、ちょっとヤボ用があって。二人は危ないから外においてきたわ」
マミ「速攻で、決めさせてもらうわ!」
マミ「せいっ!」ボゴオ
マミ「それそれえっ!」ドンドンドンドン
マミ「はあっ!」シュルルル
遊星「すごい、リボンと銃を使った連続攻撃か……!」
QB「彼女得意のマジックコンボさ、もう決着を付ける気だね」
マミ「とっとと消えなさい!」
マミ「ティロ・フィナーレッ!!」ズドォン
QB「終わったようだね」
遊星「いや、まだだ!マミ!!」
遊星(魔女の口から……なんだ!?)
遊星(何かが……出てくる!)
ズルン オオオオオオ
マミ「えっ」
QB「!!」
ガチン
QB「まさか、マミが……」
遊星(俺が……いや、彼女が勝てなかった相手に……)
遊星「何か武器になりそうなものはないのか!?」
遊星(ドライバー、レンチ……こんなものじゃ……!)
遊星(スターダスト……いや、これは闇のデュエルじゃない。おそらくダメージは与えられない……!)
遊星(俺は、ここで死ぬのか……?)
QB「残念だったね、遊星。この結界じゃ魔女を倒さない限りここから出るのは不可能だ」
遊星「くっ……!」
ほむら「させないわ」
ほむら(マミ……)
QB「随分と重役出勤じゃないか、弱った相手からグリーフシードを掠め取ろうって気かい?」
ほむら「黙りなさい。……あいつは私が片付けるわ、あなたは下がってて」
遊星「ほむら……」
ほむら「何かしら」
遊星「いや……気をつけるんだ、奴は強い」
ほむら「わかっているわ、安心なさい」
ゴオオオオ ガチン!
遊星「っ!!」
遊星「……いない?」
ほむら「こっちよ、うすのろ」
ガチン!! ガチン!!
ほむら「遅いわ……邪魔ね、この人形」ゲシッ
遊星「なんだ、瞬間移動しているのか!?」
QB「ふーむ、これが彼女の能力なのかな」
グオオオオオオオ ガチンッ!!!
遊星「また消え……」
ほむら「ふう……」スタッ
遊星「うわっ!?」
ほむら「大丈夫よ、もう終わっているわ」
ドンッドゴッドガガガガガガ
遊星「奴の体内で爆発が!?」
プシュウ…… ドサッ
遊星「終わった……のか」
ほむら「……」
遊星「ほむら……」
まどか「ほむらちゃん、遊星さん!」
さやか「良かった、二人とも無事で……マミさんは?」
遊星「……」グッ
ほむら「……魔女に負けて、消えてしまったわ」
さやか「……は?」
まどか「うそ……だよね?」
遊星「ああ……っ!?」
遊星「っぐぅ……うえっ、ゲホゲホッ!」
さやか「遊星さん!?」
ほむら「……ごめんなさい。思い出させてしまったようね……」
まどか「そんなに、ひどかったの……?」
QB「そうだね、あまり君たちには聞かせたくないかな」
遊星(そうだ、俺は思い出してしまった)
遊星(俺の目の前で、一人の女の子の命が奪われる瞬間を)
遊星(魔女に、首から上を……!)
まどさや「「……」」
遊星「絶対に魔法少女にならないでくれ」
遊星「例えどんなに叶えたい願いがあったとしても」
遊星「それが命よりも大切なモノだとしても……」
遊星「……少しベンチで休んでいく。三人とももう帰ったほうがいい」
まどか「はい……」
さやか「マミさん……ごめんなさい」ポロポロ
ほむら「……」
ほむら「はい」ペトッ
遊星「わっ!?」ビクッ
ほむら「あなたもそんな顔をするのね、ちょっと意外だわ。コーヒー、飲む?」
遊星「帰っていなかったのか……俺も、君がそんな悪戯をする子だとは思わなかったが。助かる」
カシュッ ゴクゴク
遊星「……礼を言っていなかったな。助かった、君が来てくれなければ今頃俺は……」
ほむら「あなたを助けに来たわけではないわ。あのまま放っておけば、何人が犠牲になっていたか知れないもの」
遊星「……そうだな、助けてくれてありがとう」
ほむら「……ふん」
遊星「俺に、何かできることはないか?」
遊星「直接戦うにしても、魔女を探すにしても」
遊星「仲間を殺されたのに、今の俺には何も出来ることがないんだ……!」ギュッ
ほむら「無いわ」キッパリ
遊星「……!」
ほむら「そもそも、何故かキュウべえが見えて、魔女の気配を少しだけ感じ取れる以外、あなたは普通の人間なのよ」
ほむら「その普通の人間が何故魔女と戦う必要があるのか、私には理解に苦しむわ」
遊星「……」
ほむら「あなたにはあなたにしか出来ないことがあるのではないの?」
遊星「そうかもしれない……」
ほむら「なら早くネオドミノに帰ることね。そしてこの街であったことは忘れなさい」
遊星「……」
ほむら「魔女と戦うのは魔法少女の役目。そこに踏み込めば、今日のようなことがまた起こるでしょう」
遊星「ああ……」
ほむら「わかってくれたようね。それじゃあ私は行くわ」
遊星「それでも!」
ほむら「!」
遊星「お前を、仲間を見捨てていくことなどできない!」
遊星「そうだ、共に戦ったのならばそいつは仲間だ」
遊星「俺は何があろうとも仲間を捨てて逃げないと誓ったんだ!」
ほむら「私には……仲間なんて必要ない!」
ほむら「私は、もう誰にも頼らないって決めたのよ!」
遊星「ほむら!」
ほむら「……さよなら、もう会わないことを祈ってるわ」
スクッ カツッカツッカツッ
遊星「ほむら……何故そんなに頑なに……」
遊星(あれから街をずっと歩き回っているが、魔女の気配には至らない……)
遊星(確かに、そんなすぐ見つかるくらい沢山の魔女がいるなら今頃大勢の死者が出ているか……)
遊星(俺が探すまでもなく、彼女たちのような魔法少女が退治してくれているのかも知れない)
遊星(何より、俺が見つけたって何が出来るわけでもない……)
遊星(皆は、アキは元気でいるだろうか……)
遊星(アキのようなサイコパワーを持っていれば、俺も戦えただろうか……)
遊星「……自分が無力だと感じるのは、辛いな」
遊星「あっ、済まない……」
「ってーな、気を付けろよ……あんた、大丈夫か?顔色わりいぜ」
遊星「ああ、心配してくれてありがとう」
「ったく、寝不足かよ?寝たいんなら公園にでも行きな、天気も悪くないしさ」
遊星「……優しいな、君は」
「ふん、袖触れ合うも他生の縁って言うからな。いいからとっとと……」
遊星「これは……」
「けっ、タイミングわりーったらありゃしねえ。あんた、死にたくなきゃ隅っこでうずくまってな!」
遊星(変身した!?この子も魔法少女なのか!)
「さっさとやられろよ、おーりゃっ!」ザシュッ
「そらそらぁ!」バキキキッ
遊星(槍の柄がいくつにも別れて、使い魔と魔女を同時に攻撃している……!)
遊星(彼女も相当の使い手のようだな……)
「これで逝っちまいなァ!!」ドッギャアアアアン
遊星「結界が……」
「楽勝だったなー。おいアンタ、今のことは夢でも見たと思って忘れたほうがいいぜ。じゃ!」
遊星「待ってくれ、君も魔法少女なのか?」
「あん?」
遊星「ああ、何度も命を救ってもらった」
「そうかい、難儀な人生送ってるなあんた。今もあたしに助けられたし」
遊星「はは、本当だな」
「まあこれに懲りたら人気のない場所とかは避けたほうがいいぜ、そういう陰気なとこに魔女は集まるんだ」
遊星「そのようだな……忠告感謝する」
遊星「それにしても、この街には魔法少女が3人もいる、いやいたのか……」
「?そんなにいねえぞ、この風見町にはあたし一人のはずだけど」
「あんた、どこから来たんだ?つーかなにもんだよ」
「ああ、見滝原の隣町だよ。あんたよそ者か?」
遊星「俺は不動遊星。ネオドミノシティから来たんだ」
「へー、あのデュエルキングがこんな辺鄙なとこにいるとは。あたしは佐倉杏子、この街で魔法少女やってる」
遊星「杏子か、危ないところを助かった。礼を言う」
杏子「別に。魔女を倒すのはあたしの役目だし、気にするこっちゃないよ」
遊星「……君たちは皆そう言うな。命を懸けて戦っているのに、それに恩を着せようとはしない」
遊星「俺もそんな風にやっていけたらいいんだがな……」
杏子「そうかあ?あんただってネオドミノシティを救った英雄だろ?」
杏子「あたしからすれば、あんたのほうがよっぽど立派に見えるよ」
杏子「あーいいからいいから。あんたみたいな聖人にへりくだられるとどうしていいかわかんなくなっちゃうよ」
杏子「ま、どういう理由でやったか知らないけどさ、褒め言葉は素直に受けとりゃいーんじゃないの?」
遊星「……そうか、やはり凄いな。君たち魔法少女は」
遊星「俺がもっと強ければ、マミも死なずに済んだかも知れないのに……」
杏子「おい、ちょっと待て。今なんつったオイ!マミが死んだって言ったのか!?」
遊星「マミを知っているのか?」
杏子「……まあな、昔の仲間、さ」
遊星「済まない、俺もその場にいたんだ……」
遊星「きっと、俺にも何かできることがあったはずなのに……」
杏子「別にあんたは悪くないさ。あたしたちはそういう運命なんだよ」
遊星「杏子……」
杏子「あんたには仲間がいるんだろ?あたしはカードはやらないけど、あんたがどんな風に戦ってきたかは知ってる」
杏子「こんな危ない場所にいるこたないんだ。さっさと故郷に帰りな」
杏子「……マミのこと、伝えてくれてサンキューな。気をつけていけよ」スタスタスタ
遊星(……そうはいかない。俺は、俺に出来ることを見つけるまで帰るわけにはいかないんだ)
遊星(ようやくホテルの近くまで戻ってこれた、あの角の先だったな)
ドンッ
「キャッ」
遊星「あっ、済まない……ほむら!」
ほむら「遊星!……まだ帰っていなかったのね」
遊星「ああ、お前を残してはいけないからな」
ほむら「誰も助けが必要とは言っていないけれど」
遊星「本当に、そう思っているのか?」
ほむら「……」
ほむら「……答える必要はないわ」
遊星「誰かに裏切られたりしたのか?」
ほむら「そんなんじゃないっ!!」
遊星「!」
ほむら「……あなたと話すことなんてない、どいて」カツッカツッカツッ
遊星「……ほむら」
ほむら(失ってしまうのなら、最初から仲間なんて……)
遊星「ん……朝か」
遊星(昨日は帰ってすぐ寝てしまったんだったか……)
遊星(結局、何も問題は解決できていないな)
遊星(依然として魔女の結界を探知するのは運に頼るしかない)
遊星(そして戦おうには、実用的な武器がない……)
遊星(誰かを呼んでも戦えないのは皆同じだ。それにこんな危険なことに巻き込む訳にはいかない)
遊星「となると……」
遊星「ほむら!」
ほむら「……遊星、何故私の家を?」
遊星「悪いな、昨日後を付けさせてもらった」
ほむら「……ストーカーも真っ青ね。そうまでして私につきまとう理由は何?」
遊星「話がしたい」
ほむら「はあ……もういいわ、上がって頂戴」
遊星「感謝する」
遊星「すまない、頂こう」ズッ
ほむら「それで、話って?まだ仲間がどうとか言うのなら出て行ってもらいたいのだけれど」
遊星「いや……それもあるが、ほむらの能力の話だ」
ほむら「……何が言いたいの?」
遊星「魔法少女としての能力は、一人ひとり違うものだと聞いている」
遊星「そしてお前の戦い方を思い返していて、気づいたんだ」
遊星「お前の能力は時間を操ること、そうじゃないのか?」
ほむら「…………驚きね」
遊星「いいや、俺は『時間を操ること』と言ったんだ」
ほむら「……」
遊星「お前は……時間を遡ることが出来るんじゃないか?」
ほむら「……!!」
遊星「どうやら当たっているようだな……」
ほむら「……なぜ?時間を止めることに気づくのはまだわかるわ」
ほむら「どうして時間遡行のことがわかったの!?」
遊星「……お前と同じような眼をしている奴を思い出したんだ」
20分ぐらい風呂入ってくる
ほむら「……」
遊星「俺はお前の仲間として認めてもらいたいんだ!」
ほむら「……仲間なんて……必要ない……っ!」
遊星「ほむら!」
ほむら「もう嫌なのよ!!私がどんなに想っても、どんなに傷つこうとも、時間を返してしまえば皆忘れてしまうもの!」
ほむら「そんな仲間なら、最初からいらないわ……」
遊星「……吐き出してくれ、お前の思いを。全部受け止めてやる」
ほむら「…………今日の所は、帰ってくれないかしら」
ほむら「ちょっと今は、落ち着いて話せそうにないわ……」ウルウル
遊星「ああ、待ってる」
ゴソゴソ
遊星(WRGPで皆で取った写真……)
遊星(ジャック、クロウ、プ口リーグでもお前たちにそうそう敵う奴はいないみたいだな)
遊星(アキ、大学生活でまた綺麗になったかもしれないな)
遊星(龍亞、龍可、ご両親と仲良くやっているか?)
遊星(ブルーノ……)
遊星(アポリア、パラドックス、ゾーン、お前たちの目指した未来、必ず俺達が築いてみせるからな……)
遊星「時間遡行か……」
遊星(あの口ぶりだと、ほむらは自分だけが記憶を残したまま時間を戻しているんだな)
遊星(ゾーン達でも4人いたんだ。それを一人で、誰にも話せずに……)
遊星(お前は、どれだけ辛い思いを……)
プルルルルルル
遊星「部屋の電話か。はい、もしもし」
『不動様ですね、フロントに暁美ほむらという方がお見えになっていますが』
遊星(ほむらが……!)「はい、すぐ行きます」ガチャ
ほむら「遊星……」
遊星「……大丈夫か?」
ほむら「ええ、もう心の整理はついたわ」
遊星「……ここじゃ人目が多いな、どこか喫茶店にでも」
ほむら「いえ、あなたの部屋でいいわ」
遊星「……いいのか?」
ほむら「何、もしかしてそういう趣味なのかしら?」
遊星「……ハア、行こう」(大丈夫みたいだな)
ほむら「ありがとう。ついでにコーヒーも頂けるかしら?」
遊星「……やけに饒舌だな」
ほむら「話すことがいっぱいありすぎて、長くなりそうだから飲むものが欲しいのよ」
遊星「ふ……」
ほむら「何?」
遊星「いや。前のしかめっ面より今のほうがずっといい」
ほむら「な、何を馬鹿なこと……」
遊星「コーヒーだな、少し待っててくれ」
ほむら(全く、変な人……)
ほむら「魔女は人々の絶望から生まれるとキュウべえに聞いたと言っていたわね?」
遊星「ああ」
ほむら「それは間違ってはいないけど、答えには程遠いわ」
遊星「そうなのか?」
ほむら「ええ、魔法少女になるとこのソウルジェムが魔法少女の証として生まれる……」
ほむら「でもその実、ソウルジェムというのは魔法少女の魂そのものなの」
遊星「!?なら、それがもし壊れたら……」
ほむら「ええ、死ぬわ。逆に言えばどれだけ傷ついてもこれが無事なら生き延びられるけど、まあ無理な話ね」
ほむら「そして魔法を使ったり、心がネガティブな感情で満たされるとどんどん黒く濁って……」
ほむら「最後に黒く染まった時、魔法少女は魔女になる」
思ったけどこの行いるんかな
ほむら「ええ、あれは全て元は魔法少女、人間だった」
ほむら「そしてこのソウルジェムの穢れを吸ってくれるグリーフシード……」ジャラッ
ほむら「これも魔女になるときにソウルジェムが変質したものよ」
遊星「……それは、魔法少女なら誰もが知っていることなのか?」
ほむら「いいえ、こんなことキュウべえは問い詰められない限り絶対に話さない」
ほむら「私がこれを話した時、錯乱して暴走してしまった子もいたわ……」
遊星「……なんてことを」
遊星「つまり、魔法少女が魔女になり、魔女を倒すためが魔法少女が生まれる……無限ループか」
ほむら「やつらはこの地球上の生物じゃないの。ずっと遠くの、地球よりもすごく文明の発達した星から来た、異星人なの」
遊星「……」
ほむら「あなたならエントロピーって知ってるわよね?そのために宇宙における総エネルギー量は目減りしていて」
ほむら「地球の第二次性徴を迎えた少女の絶望が、奴らのテクノロジーで莫大なエネルギーに変換できる、と言う話よ」
遊星「……なんだか気の遠くなる話だな」
遊星(感情がエネルギーに……モーメントに通じる部分があるが……)
ほむら「ええ、でも現実に魔法少女は奴らの手で生み出され、そのサイクルが完成している……」
ほむら「奴らは私達人間、いえ、原人の時代からこの星に目をつけていて」
ほむら「文明の発達すら奴らが促したとか……正直、あまり信じたくはないけれど」
遊星「……!」
遊星「……いや、大丈夫だ」
ほむら「そう。なら次は……私の話かな」
ほむら「私の能力が時間を操る、というのは知ってるわね」
ほむら「でもその能力も幾らでも、どこまでも操れるわけではないの」
ほむら「私が時間を戻せるのは……今日からだと、おおよそ3週間前」
ほむら「私は、その日から1ヶ月間を何度も繰り返している……何度もね」
遊星「……何のために?」
ほむら「……仲間との約束を果たすために」
ほむら「だからお見舞いにも誰も来てくれないし、どんどん引っ込み思案になっていったわ」
ほむら「この見滝原に引っ越してからもそれは変わらないと思ってた……」
ほむら「……コーヒーのおかわり、もらえる?」
遊星「……」コポポポ
ほむら「ありがとう……」
ほむら「でも、そんな私に話しかけてくれたのがまどかだったの」
ほむら「嬉しかったな、あの時は……」
ほむら「学校の行き帰りにはずっと落ち込んでたわ……」
ほむら「そしてある日、私はその感情につけ込んだ魔女の結界に取り込まれた」
ほむら「それを助けてくれたのが、魔法少女になったまどかとマミさんだったの」
遊星「……」
ほむら「それからは私にとって、一番楽しかった一ヶ月だった……」
遊星「だった……?」
ほむら「ええ。この1ヶ月を何度も繰り返す事になった、元凶がいるの」
ほむら「……ワルプルギスの夜」
ほむら「……少し違うわ。ワルプルギスの夜は凄まじく強大な魔女で、街一つが簡単に消し飛ぶほどの存在なの」
ほむら「結界なんて必要ない、この世界にそのまま出てくるぐらいの力を持ってる……」
ほむら「普通の人には見えないから、ハリケーンとかの自然現象としか思われないけれど」
ほむら「そいつを倒すためにマミさん、そしてまどかは戦って、命を落とした……」
遊星「……」
ほむら「その時に私はキュウべえに願った」
ほむら「『まどかとの出会いをやり直したい』と」
ほむら「……契約が終わった時、私は病院のベッドの上にいたわ」
ほむら「でもカレンダーを見たら、退院する1日前で、枕元にソウルジェムがあって。ああ夢じゃなかったんだって」
ほむら「その時は本当に喜んだわ。これで2人と一緒に戦えると思うとね」
ほむら「私には1ヶ月後が勝負だってわかってたから、2人と一緒に必死で戦う訓練をしたわ」
ほむら「そして3人でワルプルギスの夜に立ち向かい、勝った……」
遊星「……だが、駄目だったのか」
ほむら「……まどかのソウルジェムが真っ黒に染まって、私の目の前で魔女になった……」
遊星「くっ……」
ほむら「その時にはさやかと、隣町の佐倉杏子という魔法少女もいたわ」
遊星「佐倉……ああ、俺も会ったことがある」
ほむら「そうなの。……ぶっきらぼうだけど、いい子だったわ」
遊星「ああ、魔女から助けてもらった時、ほむらと似たようなことを言っていた」
遊星「魔女を助けるのは魔法少女の役目だ、感謝されることじゃない、と」
ほむら「ふふ、彼女らしいわね」
遊星「ほむらもな」
ほむら「?」
遊星「ぶっきらぼうだけどいい奴、というところだ」
ほむら「も、もう……」
ほむら「その時は皆半信半疑だったけれど、後になってさ……魔法少女が魔女になる瞬間に遭遇したの」
ほむら「そしたら……1人が前言ったみたいに錯乱してしまって」
ほむら「『魔女になるのなら、もう皆死ぬしかない』と叫んで、私達のソウルジェムを壊そうとしたの」
ほむら「私はすんでのところで助かったけれど、さやかと杏子、マミさんはもう……」
遊星「……おかわり、いるか?」コポコポ
ほむら「……頂くわ」ズズッ
ほむら「それでも私たちはワルプルギスに2人で精一杯戦って、奇跡的に勝てたけれどもうソウルジェムは限界だった」
ほむら「そうしたらまどかが隠してたグリーフシードで私を助けてくれて……」グスッ
ほむら「『魔法少女になる前の私を助けてあげて』って……!」ウルウル
ほむら「まどかを魔法少女にせずワルプルギスを倒すという、たった一つの道しるべを頼りに……」
ほむら「……こんなところかしらね」
遊星「ほむら……」
ほむら「……何?」
遊星「……よく話してくれた」ナデナデ
ほむら「な、何をするの!」
遊星「こんなこと、誰にも話せなかっただろ……」ヨシヨシ
ほむら「や、やめなさいよ……」
ほむら「……泣きそう、だか、らっ……」
遊星「ホットミルクだ、飲むといい」
ほむら「ありがとう……」
遊星「……何故不機嫌なんだ」
ほむら「……人前であんな姿を晒すなんて、みっともない」
遊星「俺は、嬉しかったぞ?」
ほむら「あなたの意見は求めてないわっ!」
遊星「ふっ、最もだ」
遊星「なんだいきなり」
ほむら「あなたの思惑通りなのはしゃくだけど、確かに話して……泣いたら、ちょっとすっきりしたわ」
遊星「別にそこまで考えちゃいない、俺はお前の力になりたかっただけだ」
ほむら「どう違うのかわからないのだけど……まあいいわ」
ほむら「私はこれからワルプルギスの夜の準備をする、今日はこれで失礼するわ」
遊星「どうするんだ、何か策はあるのか?」
ほむら「……私の用意できるありったけの武器で、撃墜してみせる」
遊星「……1人でか」
ほむら「……」
ほむら「……あるわけがないわ」
遊星「なら、それが絆だ」
ほむら「絆……?」
遊星「ああ。例え時を超え、相手がお前を忘れてしまっても、お前はずっと想っているんだろう?」
遊星「そばにいなくても、記憶が無くても」
遊星「想いやる気持ちがあるのなら、そこに絆は生まれるんだ」
ほむら「……」
遊星「ほむら、今までお前が過ごしてきた時間は決して辛いものばかりだったわけじゃないはずだ」
遊星「思いだせ、仲間達と共にあった時間を!」
ほむら「仲間と……まどか、さやか、マミさん、杏子……!」
ほむら「違う、まどかだけじゃない……私は、誰一人だって失いたくない!!」
ほむら「ええ……」
ほむら「私は、誰も死なせたくない」
ほむら「4人を、いえ見滝原の誰一人だって見殺しになんてしたくない!」
遊星「戻るんだな、3週間前に」
ほむら「ええ、今までも何人もで協力して戦ったことはあったわ。それでも勝てはしなかった……」
ほむら「でもきっと今ならやれる、もう何も恐くないって。そう思えるの」
ほむら「遊星、本当にありがとう……」
遊星「見えなかっただけで、答えは最初から持っていたんだ。それを手助けできて、俺も嬉しい」
ほむら「……同じ時間を繰り返すといったけれど、毎回同じ時間、同じ人に出会うわけではないわ」
ほむら「もしかしたらあなた以外にも、私が変わるきっかけを持っている人がいたかもしれないけれど」
ほむら「あなたはとびきりのイレギュラーね」
遊星「そうか……時間を戻せば俺もほむら達のこと、この街のことを忘れてしまうんだな」
ほむら「大丈夫よ、私達には絆があるのでしょう?」
ほむら「あなたが忘れても私は絶対に忘れはしないわ」
ほむら「絶対にね」
遊星「デュエルか?いいぞ」
ほむら「……台詞をとらないでくれるかしら?」
遊星「そんなかしこまる必要はない、仲間なんだからな」
ほむら「そう……ありがとう」
遊星「ふっ……」
ほむら「じゃあお別れデュエルと行きましょう。入院中でも唯一カードだけは私の友達だった、そう簡単に負けはしないわ!」
遊星「俺もカードとの絆には自信がある。来い!」
「「デュエル!!」」
ほむら「……私の負けね」 1800→0
ほむら「やっぱりデュエルキングね、歯が立たなかったわ……」
遊星「そんなことはない、お前のプレイングも見事なものだった」
ほむら「……もし、私がワルプルギスの夜に勝って、また貴方に会えたら」
ほむら「その時はまた……」
遊星「ああ、いつでも、何度でも戦ってやる。約束だ」
ほむら「……きっと私が勝ってみせる、それまでに腕が落ちていたら承知しないわ」
遊星「安心しろ、俺は約束は守る。特に仲間との約束はな」
遊星「自分を、仲間を信じろ。俺が言えるのはそれだけだ」
ほむら「ええ……遊星、あなたと出会えて良かった」
ほむら「何度でも言うわ、ありがとう。私の道を照らしてくれて」
ほむら「絶対に絶望なんてしない、きっとこの悪夢から抜けだしてみせる」
ほむら「だから、また会う日まで……待ってて」
遊星「ああ、その時を俺も楽しみにしてる。」
遊星「きっと絆が導いてくれる……」
ほむら「じゃあ……行ってくるわ、遊星。さよなら」
カチッ
さやか「着いたーッ!いやー流石にずっと電車だと体固まるわー」
杏子「すげーな、ネオドミノシティって……あたしら完全にお上りさんだぜ」
マミ「こらこら騒がない。皆見てるじゃない」
まどか「マミさんありがとう。私達の卒業旅行について来てもらっちゃって……」
マミ「いいのよ、大学もこの時期はお休みだし」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら(遊星……やっと来たわよ)
杏子「あたしネオダイダロスブリッジ見たい!」
マミ「それは後のほうじゃなかったかしら……?」
さやか「ここってさ、不動遊星とジャック・アトラスにクロウ・ホーガンの出身地なんだよね!」
まどか「そうだね、ジャックとクロウは海外のリーグで活躍してるけど、不動遊星はこの街の研究開発してるんだよね」
ほむら ピクッ
マミ「そうね、もし会えたらサインとか貰いたいわ」
杏子「あたしはDホイールで勝負だな!」
さやか「あたしはー……うーん、握手できたらいいや」
ほむら「遊星……デュエル……」
まどか(どうしたんだろ、ほむらちゃん)
マミ「入り口に青眼の白龍の像……カッコいいけど、企業としてどうなのかしら?」
ほむら「……」キョロキョロ
まどか(ほむらちゃん……)
杏子「ネオダイダロスブリッジ……やべえ、超でけえ……」プルプル
さやか「車両しか入れないから、あたしらはね……すまん」
杏子「いいさ、今度来たらおもいっきりかっとんでやる!」
ほむら「……」ソワソワ
まどか(……)
さやか「流石って感じの街だったねー、見滝原とじゃスケールが全然違うわ」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん、今日ずっと浮かない顔だったけど……楽しくなかった?」
ほむら「いえ、違うの。楽しかったわ、うん……」
ほむら(楽しかった、けれど……)
杏子「……なあ、さやか。あれって……」
さやか「……うん、あれは……」
ほむら「ッ!?」バッ
杏さや「「おみやげ屋さん!」」
ほむら「」ガクッ
「……ほむら?」
「もしかして、暁美ほむらか?」
まどか「あなたは……み、みんなこっち来て!」
ほむら「不動、遊星……」
遊星「また、会えたな」
マミ「鹿目さん、どうしたの……あらまあ」
さやか「何々なんかあった?……なんですとー!」
杏子「んだよ皆して……マジで?マジで生遊星?」
ほむら「あ……」ウルッ
遊星「?どうしたほむら」
ほむら「遊星えーーーっ!!」ガバッ
杏子「なんだ、感激しすぎて飛びついちまったのか?」
マミ「そんなに会いたかったのかしら……」
まどか「ううん、きっと違います」
まどか(ほむらちゃん、今日様子がおかしかったのは、ずっと遊星さんを探してたんだね……)
ほむら「遊星、やっと、やっと会いにこれた……!」
遊星「ああ、俺もずっと待ってた。ライバルがやってくるのをな」
遊星「……これが、この仲間達がお前の絆か」
ほむら「うん、うん……!」
遊星「ああ、お別れデュエルの内容も全部な」
ほむら「そんな、なんで……」
遊星「さあな。もう痣はないが、赤き竜が力を貸してくれたのかも知れない」
まどか「……もしかしたら」
遊星「?」
まどか「きっと、ほんの少しだけ、本当の奇跡が起こったんですよ」
まどか「だって、魔法少女は夢と希望を叶えるんだから……」
まどか「あ、私のことも覚えてるんですね」
遊星「ああ、金髪の子がマミ、赤い髪の子が杏子、青い子がさやかだったな」
マミ「凄い……!私達のことまで」
杏子「遊星!あたしとDホイールで競争してくれよ!」
さやか「あんた今Dホイール無いでしょ!それよりあたしと握手してもらえませんか!?」
ほむら「待って……先約があるわ」
遊星「その通りだな。悪いが少し待っていてくれ」
ガチャン キュィィイイイイン
ほむら「遊星、腕は鈍ってはいないのよね?」
遊星「当然だ。この5年間で、お前がどれだけ成長したか見せてもらう!」
「なんだなんだ、草デュエルか?」
「うおっ、不動遊星だ!」
「あっちの女の子、すげー美人だな……」
「お嬢ちゃん、頑張れよー!」
杏子「うわっ、ギャラリーが集まってきやがった!」
マミ「2人とも目立つ外見だし、1人は伝説クラスのデュエリストだものね」
さやか「ほむらー、負けんなよー!」
まどか「2人とも、準備はいいですか?」
「ええ!」「ああ!」
まどか「では。すう……デュエル開始イイイッ!」
「「デュエル!!」」 ドンッ☆
終われ
これは遊星ならほむらをいかにして救うかというのを考えただけのSSなんだ
もうね、途中のレスと考えてることがかち合いすぎて俺の考え浅すぎワロタ
遊星がもし戦うとすればモーメントが動力の銃とか出そうと思ってたし
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コメント一覧 (18)
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- 2018年01月03日 20:44
- もう、ソルティアは、出来ないんだ!
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- 2018年01月03日 20:51
- ハリファイバー「呼んだ?」
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- 2018年01月03日 21:06
- 寧ろソリティア以外してみろよ
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- 2018年01月03日 21:15
- ここでまとめられていないだけでまどマギとのクロスの名作はまだまだあるぞ
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- 2018年01月03日 21:29
- クェーサー出してワルプルギスを退治してくれるんじゃなかったか
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- 2018年01月03日 22:38
- 何⁉︎デュエリストならばモンスターを実体化できるのではないのか⁉︎
超常現象のオンパレードだから忘れてたけど普通はこうなるよな
普通にソリティアクェーサーでワルプル始末でも納得したが後ろから支えるってのも遊星らしくて良かった
できればもう少し内容濃くして欲しかったかなぁ
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- 2018年01月03日 22:39
- 仮にZ-oneが魔法少女化したら……………、仮にZ-oneの絶望が具現化されたら………、どんだけ恐ろしい姿になるんだろうな。
どうでもいいけどこの世界、ネオドミノシティあるって事は、サティスファクションタウンもあるんだよな。
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- 2018年01月03日 22:55
- ※7
お前はフリッフリのヘソ出しルックの魔法少女服を着たZ-ONEを見たいのか……!?
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- 2018年01月03日 23:11
- 青汁のCMのような流れでデュエルし始めて草不可避
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- 2018年01月03日 23:13
- おいおい、ファイアウォールドラゴン忘れてるぞ
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- 2018年01月03日 23:44
- 十代なら普通に対抗できそう
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- 2018年01月03日 23:56
- Ai「なぁplaymaker様、あのキュウベエとかいう奴どう見てもうさん臭いから
とっととトドメさしちまおうぜ?」
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- 2018年01月04日 00:12
- 当然かのようにデュエルし始めたの草
そういうところはホント遊戯王っぽい
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- 2018年01月04日 03:08
- シューティングスターは嵐を吹き飛ばして登場したからワルプルギスもなんとか…
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- 2018年01月04日 03:39
- もし転校生がほむらではなく真月だったら…
全員魔女化待ったなしだな
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- 2018年01月05日 01:03
- ん?今...
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- 2018年01月05日 17:54
- 遊星は遊星で残った世界でワルプルギスの夜を倒しそう
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- 2018年01月06日 11:50
- 魔法少女の装束は合戦に至る武士の甲冑の様なもの、その死装束にデュエルディスクを選ぶ焔殿は真の決闘者よ