【みなみけ】保坂「メリークリスマス!!!」
速水「さ、お昼だお昼~」
保坂「速水」
速水「なあに?保坂」
保坂「相談がある」
速水「へぇ~珍しいわね~。人を頼ろうとしない、いや頼・れ・な・い小心者のあんたが相談なんて」
保坂「意外な言葉で俺を表現するな」
速水「いいわよ、お昼休みの時間が勿体無いから1分でお願い」
保坂「うむ」
保坂「相談なのだが・・・云々かんぬん」
速水「うんうん・・・え?」
保坂「というわけだ」
速水「春香ちゃんと会話したい?すればいいじゃない」
保坂「違う。俺は南春香と言語を超越した意思疎通のみならず言語による意思疎通にもそろそろ着手しようと」ビシッ
保坂「痛いじゃないか。まだ話の途中だ」
速水「要は会話したいってことじゃないの」
保坂「・・・・・・」
保坂「違う。それではまるで俺が南春香と会話したくて相談しているみたいではないか」
速水「まあね~言ってることもわからないじゃないわねぇ・・・一生懸命追っかけてるのはわかるけど全く結果出せてないからねぇ」
速水「むしろ遅すぎるくらいね、その相談」
保坂「くっ!そうだったのか・・・!遅すぎたのだ!」ドンッ
保坂「速水!俺はどうすれば・・・!」
速水「はい1分経ったから、シッシッ」
保坂「もう1分経ったのか・・・!なんということだ・・・なんということだ・・・」スタスタ
速水「・・・・・・」
速水(面白い事になりそうね・・・)
アツコ「でもまあ・・・それが普通の事だよね・・・」
速水「そうね」
速水「一応、保坂と仲のいい2人に伝えておこうと思ってね~」
マキ「違います、私は気持ち悪いんです」
アツコ「えーと・・・そういう事を伝えられても」
速水「ま、私に相談をしたってことは他力本願なんでしょ。多分、すぐには動かない、あ間違えた、動けないと思うから」
マキ「よかった・・・作戦を練る時間はあるんですね」ホッ
アツコ「別に会話させてもいいんじゃないかな」
マキ「だめよ!春香がどうなってもいいの!?」
アツコ「どうなるの・・・?」
マキ「きもちわるい事になってもいいの~!?」
アツコ「それは・・・」
速水「じゃあね~そういうことだから~」
保坂「ベストを尽くせば結果は出せる・・・結果を出せていない今の俺、そして結果を出している未来の俺」
保坂「つまり俺はベストを尽くしていない!結果を出すであろう未来を目の前に倒れてしまうなど許されない!」
保坂「速水に相談を持ち掛けてしまったのは俺の弱さ・・・反省して次に活かす!」
保坂「そして明日こそ!この食材達で南春香、そして娘達をユートピアへ・・・ん?フェアリーテイル?いいや!これは現実なのだ!リアリティー!」ガバッ
千秋(カレーの妖精、今日はよく喋るな)
保坂「いいトマトだ!いただこう!」
千秋(あ、野菜の妖精か)
保坂「いいターメリックだ!いただこう!」
千秋(あ、やっぱりカレーの妖精か)
千秋「馬鹿野郎。なんでそういう解釈になるんだ」
春香「復活したのよ。それを喜ぶ日なの」
夏奈「そうなのか~、まあ私はケーキが食べられるならそれでいいけど」
千秋「ケーキしか頭にないのか。あーだこーだ言わずお前は黙って食べていればいいんだ」
夏奈「じゃあ千秋はケーキ抜きで、神の復活を楽しみなよ」
千秋「ぐっ・・・それは・・・」
夏奈「ケーキもだけどプレゼントもどうしよっか」
千秋「春香姉さまは決めましたか?」
春香「う~ん、なんだかプレゼントっていわれてもピンとこなくて・・・歳とったのかしら?」
夏奈「はっ!」
夏奈「ち、千秋」ボソボソ
千秋「なんだ?」
千秋「それがどうした?」
夏奈「どうしたもなにも大変だ!春香は・・・クリスマスプレゼントを越える願望を抱えているからに違いない!」
千秋「なんだと?馬鹿いうな、そんな願望を抱くなど笑止千万、へそで茶が沸くわ!」
千秋「夏奈、お前の足りない脳みそで考えろ!そんなワクワクがこの世に存在すると思うか!」ビシッ
夏奈「まあ、落ち着いて」
千秋「で、それの何が大変なんだ?」
千秋「ふむ」
夏奈「ボソボソ」
千秋「」
千秋「馬鹿やろーーーう!」ボコボコボコ
夏奈「いててて!」
春香「こらこら二人とも。喧嘩しないの」
夏奈「この一方的な暴力が喧嘩に見えるか!?」
千秋「春香姉さま、こいつは大馬鹿野郎です!」
春香「どうしたの?」
千秋「なんとこいつは春香姉さまにボーイフレンドがいると抜かしました!あり得ません!」
夏奈「い、言ってないよ!いるんじゃないかな~?って言っただけだよ!」
夏奈「ひぇ~~~」
春香「ボ、ボーイフレンド!?そ、そんなのまだいないわよ~」ポッ
春香「・・・・・・」
夏奈「正直にいえ春香!クリスマスプレゼントにピンとこなくなったのは、ボーイフレンドという新境地を手に入れたからだろう!?そうだろう!?」
千秋「お前のその口をホッチキスで止めてやる!」
春香「そんなわけないじゃないの・・・」ポッ
春香「・・・・・・」
春香(ボーイフレンドかぁ)
マキ「えっ・・・」
アツコ「あっ・・・」
春香「あれ?なんで引いてるのかな?」
マキ「ボーイフレンドだって・・・?」
アツコ「ボーイフレンドだって」
春香「あの子達がそう言って騒いでたのよ。そんなわけないのにね」
マキ「だ、だよね~あはは」
アツコ「・・・・・・」
アツコ「マキ、今何考えているの?」
マキ「なんだろう、なぜかはわからないけどきもちわるい先輩の事が真っ先に思い浮かんだ・・・」
アツコ「なんだろうね、私も真っ先に保坂先輩の事が・・・」
春香「どうしたの?」
マキ「なんでもない!春香は魔境に踏み入らなくていいから!」
アツコ「魔境は言いすぎだよ」
マキ「地獄に踏み入らなくていいから!」
アツコ「地獄は言いすぎだよ・・・」
保坂「へっくしゅん!」
速水「はくしゅんじゃないんだ」
保坂「ふむ、何者かが俺の話をしているな・・・ん?まさか南春香・・・!?」
速水「会話すらしてないんだからあんたの話するわけないじゃない」
保坂「昨日は反省している」
速水「え?」
保坂「速水に禁断の相談をしてしまったことについてだ。確かにあの保坂、この保坂らしくないと反省している」
速水「どの保坂よ?」
保坂「そこでだ速水、俺の生き証人となってくれ!」
速水「嫌ね」
保坂「恩に切る。見ていてくれ、クリスマスを・・・。感じてくれ、クリスマスを・・・。俺が神に仕える瞬間を・・・」
速水「本当にやってくれるのかしら?」
保坂「ああ、俺はとうとうやってしまうだろう」
保坂「永い様で短かった・・・この戦いに終わりを告げる・・・」スタスタ
保坂「南春香と!俺は!クリスマスに婚約するのだ!」
速水「クリスマスまであと1日だけど?」
保坂「ふむ、計画的に動かねば!待っていてくれ!南春香ー!」ダダダダダッ
ナツキ「兄貴、クリスマスは明日だ」
アキラ「間に合うのかな」
ハルオ「全くだ」
ナツキ「冬馬は新しいスパイクがほしいっていってたぞ」
ハルオ「ああ、それは買ってある」
ナツキ「じゃあいいんじゃないか、それで」
ハルオ「そうだな・・・しかしこう・・・女の子らしい、こう・・・なんというか」
ナツキ「冬馬、お前の枕元にスパイク置いとくぞ」
冬馬「ああ~」
ハルオ「おいナツキ!まだ決まっていないだろう!未定事項を決定事項のように伝えるなんてサンタ失格だぞ!」
アキラ「あと1日しかないからね。納得いかないなら兄貴が女の子らしいプレゼント買ってくれば?」
ハルオ「ああ、それは買ってある」
冬馬「あれ?こんな時間か、ちょっと千秋んち行って来る~!」
ナツキ「遅くなるなよ」
夏奈「遅かったな」
夏奈「クリスマスパーティの打ち合わせだ!」
吉野「毎年同じなのに打ち合わせするの?」
夏奈「毎年同じクリスマスでつまらんだろう!今年は一味違うクリスマスパーティを開く!」
内田「わーい」
吉野「で、どんな味のクリスマスパーティを開くの?」
夏奈「ふふふ・・・今年はな?」
・
・
・
マキ「え?春香とクリスマスを過ごしてほしい?」
アツコ「私たちがここにきちゃだめなの?」
夏奈「毎年うちでやってもつまんないでしょ~!今年くらいハイスクール組は大人のクリスマスを楽しんでくれ!」
マキ「私たちが大人だからかな、なんか嫌味に聞こえる」
夏奈「嫌味も少々加えておいた」
アツコ「でも、なにすればいいんだろう。大人のクリスマスって言われても」
マキ「確かに私たちはもう少しクリスマスを楽しめるんじゃないか・・・?私たち、高校生なんじゃないか・・・!?もっとクリスマスっぽいことができるんじゃないか!?」
夏奈「いや~スイッチが入るの速いね。助かるよ」
夏奈「ということで春香を大人のクリスマスに誘ってあげてくれ!」
マキ「任せなさい!」フンス
アツコ「えっと・・・えっと・・・」
・
・
・
夏奈「春香には大人の階段を登ってもらう・・・これが私たちにできる春香へのクリスマスプレゼントだ!」
内田「どんなことするの?」
夏奈「それは私もしらんけど」
吉野「高校生は恋人とクリスマスを過ごすんだね」
冬馬「春香に恋人?あはははは!いるわけないだろ?」モグモグ
夏奈「ちなみに!千秋には絶対ナイショだぞ・・・?事情によって春香は欠席という事になっている」
吉野「だからこの調子なんだね~」
千秋「うぅ・・・春香姉さま・・・春香姉さまはいずこへ・・・」
冬馬「ということは夏奈も高校生になったら大人のクリスマスなんだな~」モグモグ
夏奈「えっ?」
内田「そうだね」
吉野「そうだね」
夏奈「そ、それは・・・」
藤岡「俺にできるかな・・・南にこの気持ち、伝わるかな・・・」
保坂「伝わる」
藤岡「わっ!びっくりした・・・」
保坂「いや、伝えねばならない。クリスマスなのだ。今伝えずにいつ伝えるのだ」
藤岡「え、えっと・・・前が全開ですけど寒くないんですか?」
保坂「ケーキ入刀」
・
・
・
天まで届くようなウェディングケーキ。
朝日が煌びやかに照らすステンドガラスはまるで虹の如く、俺たちの幸せを表現しているかのようだ。
七色に輝く宝箱(ケーキ)に入刀――。
すると!中から娘達が!
「クリスマスケーキは私のものだ!」
「お前はケーキの上にのっている人形だけ食ってろ!」
保坂「あはははは、ケーキの中に居たとは驚いた。娘達よ」
春香「・・・・・・」
南春香の表情はどこか不安げ。
それもそのはずだ。婚約とは人生の岐路――。
この選択が正しいか否か。葛藤は絶えず無限に繰り返されるのだから。
そこで俺は片膝をつき!
保坂「忠誠と永遠の愛を誓います――南春香」
春香「・・・・・・」
春香「はい!」ウルッ
・
・
・
ケーキ屋さん「ちょっとお客様!?ケーキに入刀されては困ります!」
藤岡「・・・・・・」
藤岡「ケーキ入刀・・・それは愛する人を永遠に愛し続ける覚悟・・・!」
藤岡「すみません!ケーキを一つください!」
保坂「あはは!あはは!あはははは!手と手を取り合い婚約だ!あはは!あはは!あはははは!」ギュ
ケーキ屋さん「え・・・手を離して下さい・・・!」
藤岡「南、俺は覚悟を決めたよ・・・!」
藤岡「クリスマス、俺は南に・・・!」
内田「らしいよ」
マコト「ということは・・・俺は春香さんに会えないのか!?クリスマスなのに!会えないのか!?」
内田「クリスマスなのに・・・って何?」
マコト「どうすればいいんだー!そんなの嫌だ!絶対嫌だ!やだー!」
内田「マコト君、なんか子供みたいだよ・・・?」
マコト「俺はまだ子供だ!駄々こねても許されるんだ!許されるうちに駄々こねて何が悪いんだー!」
マコト「内田!春香さんは一体どんなクリスマスを過ごすんだ!」ギュー
内田「わー!引っ張らないで!」
冬馬「っていうかパーティにマコトは呼んでないぞ?」
マコト「呼べよ!」
冬馬「わかった、じゃあ来いよ」
マコト「春香さんは居るんだろうな!?」
冬馬「春香?春香はいないよ」
マコト「なんでだー!」
冬馬「なんだよ!」
内田「だから引っ張らないで~!あっ」ビリッ
マコト「あっすみません!やりすぎました!」
春香「はい、クリスマスは私友達に誘われちゃって・・・どうしてもって言うから」
タケル「じゃあここは僕に任せていいよ。僕はみんなの保護者だからね」
夏奈「なに?タケルも参加するのか?」
タケル「そうだね。参加ということにしようか」
夏奈「別にいいけど・・・クリスマス他に予定ないんだな」
タケル「グサッ」
春香「こら、夏奈!」
夏奈「あ、ごめんごめん。私も最近そういうの勉強したからさ。まあゆっくりしていけばいいさ」
タケル「予定はあったんだ・・・レイコさんとの予定が・・・なんだろうね、もうね・・・その予定がね・・・」
マキ「さて」
春香「え、えっと・・・」
アツコ「あわわ・・・」
マキ「まるで別の世界に来たような感じね!」
春香「どうして・・・こんなカップルが集まるような場所に連れてくるのかな・・・?」
アツコ「あわわ・・・」
マキ「なんでって・・・私たちはもう大人なんです!こういう場所にきて当然でしょう?」
マキ「いつまでもサンタさんを待っているようではダメよ!高校生なんだから高校生用のクリスマスにシフトチェンジしなきゃ!」
マキ「動揺しすぎよ、ほらみて。カップルの他にも私たちみたいに女同士、家族連れも多いじゃない」
春香「言われてみるとそうね」
アツコ「本当だ・・・言われるまでカップルしか見えてなかった・・・」
マキ「今日は女子力を高めるのよ!いつかくるクリスマスに向けて!」
春香「今日がクリスマスなんだけど・・・?」
マキ「さ~、まずはケーキでも食べて今日の計画を立てよう~!」
アツコ「ケーキ食べたらそれでゴールだと思うんだけど・・・?」
保坂「・・・・・・」
保坂「なるほど・・・今日はマキとアツコもセットか・・・」
保坂「ふっ、応援してくれるか2人よ・・・その期待に応え今日までに婚約を申し込まなければ・・・!」
夏奈「クリスマスパーティの前にまずは仮装パーティだ!」
内田「クリスマスパーティの前に仮装パーティなの!?」
夏奈「そうだ!ここに仮装グッズがある!春香の黒歴史のお猿さんもあるぞ!」
タケル「いやあ盛り上がるね。見ているだけでも楽しいよ」
千秋「盛り上がらないよ・・・春香姉さまがいないクリスマスなんて盛り上がらないよ・・・!」
タケル「千秋ちゃん、そういいながらさっそく仮装に手をつけているね。一番乗りだね」
吉野「仮装してみたよ~」
タケル「君は躊躇せずサンタさんに仮装したね。エンジン全開だね」
冬馬「吉野がその格好ならこれかな~」
タケル「早速トナカイまで出来上がっちゃった。もうこれはクリスマスパーティが始まったね」
夏奈「いいやまだだ!まだクリスマスパーティではない!今は仮装パーティだ!」
内田「夏奈ちゃんの格好ハロウィンだね・・・なんかこの場、混沌としてないかな?大丈夫かな?」
夏奈「それぐらいのカオスでちょうどいいんだ!」
マコ「お・・・俺は春香さんが着たというこのお猿さんを・・・!」
吉野「マコちゃんはもう仮装してるじゃない」
マコ「確かに、っておい。これは仕方なく・・・」
マコ「え?」
吉野「あ、まだしてなかったね~」
マコ「・・・・・・」
マコ(内田~!やっぱり吉野は俺の事に気づいているんじゃないのか!?)
内田(わ、私にはわからないよ・・・)
春香「ケーキってこんな朝早くから食べちゃっていいのかしら・・・?」
アツコ「ちょっと早いよね」
マキ「さあ次はカップルが多いカフェにでもいこうか!」
春香「ちょ、ちょっとマキ!それはやめようよ!」
アツコ「そ、そうだよマキ。私たち完全に浮いちゃうよ」
マキ「だーいじょうぶだって。最初は違和感あると思うけど次第に慣れるでしょ?」
春香「慣れるの・・・?」
マキ「慣れたら、あれ?私たちなんで恋人いないの?ってならない?」
アツコ「なるの・・・?」
マキ「そうなっちゃえば!私たちは当たり前のように恋人を作らない?」
春香「どうしてそうなるのよ~!」
アツコ「恋人とか・・・私はまだはやいよ」
マキ「とりあえず行ってみよ~」
保坂「・・・・・・」
保坂「なるほどな。次はカップルが多いカフェなわけだ。」
保坂「3人が席につくわけだ。すると、おや・・・?3人はカップルではないわけだ。そこで俺が南春香の隣に座るわけだ。カップル誕生なわけだ・・・」
保坂「カップルができれば・・・婚約なわけだ!パーフェクトだ!」
子供「・・・」
子供「ママ、なんであの人一人でおしゃべりしてるの?お洋服脱いでるの?」
ママ「見てないでこっちにきなさい・・・」サッ
夏奈「はい、次女です」
藤岡「み、南!?」
夏奈「誰だ?」
藤岡「俺だよ!」
夏奈「なんだ藤岡か。どうした?」
藤岡「今日、クリスマスだけどさ!」
夏奈「クリスマスだな。今は仮装パーティだけど」
藤岡「今日、クリスマスだから・・・そのっ・・・その」
夏奈「暇なのか?じゃあうちこい」
藤岡「ほ、ホントに!?いくいく!絶対にいくよ!」
夏奈「うん、じゃあな」ガチャン
藤岡「・・・・・・」ドキドキ
藤岡「おおおおおっ!!クリスマスに!南から誘われた!」
藤岡「やばい・・・!これは絶対にきてる・・・!」
藤岡「よっしゃあああいくぜええええ!!」
タケル「とうとうハロウィンって言っちゃったね」
吉野「楽しかったね~」
冬馬「じゃあ次はクリスマスパーティか?」
タケル「2人はもうクリスマスパーティだよ」
千秋「おい!」
夏奈「ん?」
千秋「クリスマスパーティはいいが、春香姉さまはまだ帰ってこないのか!?」
夏奈「うん~、今日は夜遅くなると思うぞ?」
千秋「なぜだ・・・なぜ夜遅くなるのだ・・・!どうしてだ~!」
内田「うわあ!ウサギが暴れだした!誰か止めなきゃ!」
冬馬「おい、飼育員のおじさん!ウサギを止めろよ!」
タケル「あはは、おじさんは飼育員の仮装してないよ。これ私服なんだけど。あれ、ちょっと酷くない?今の」
藤岡「お邪魔します!あれ・・・」
夏奈「よぉ藤岡!なんだその優男みたいな格好は!藤岡も仮装してきたのか?韓流に仮装してきたのか?」
藤岡「あ、結構人いたんだね・・・そうか・・・そうか・・・」
藤岡(うおおおおおおなんだよ!大勢のパーティーに誘われただけかよおおおおおおお!)
保坂「南春香は依然・・・迷える子羊のように歩む・・・探しているのだ・・・安らぎを・・・家庭を・・・!」
保坂「俺が!俺が今この瞬間に婚約を申し込み!安らぎの家庭を築きあげよう・・・!」
保坂「ん・・・?速水?速水も合流したのか・・・ふっ、俺は幸せ者だな・・・」
保坂「ああ、無論!速水、マキ、アツコ!期待に応えて今日こそ俺は南春香と婚約するのだ!」
速水(う~ん、これじゃいつもと変わりないわね・・・)
マキ「ん?どうしたんですか?速水先輩?」
速水「ううん~、なんでも~?」
マキ「ゲ・・・なんだか悪寒が・・・まさかね・・・?」
春香(あの子達、クリスマスどうしてるかな・・・心配だわ・・・)
春香「う、心配でジュース飲み過ぎちゃったかな・・・なんだかムカムカする」
アツコ「遊園地、そろそろ閉めるんだって」
マキ「え~!まだあれもこれも乗ってないのに~!」
速水「あ、お化け屋敷だって~。クリスマスの最後にあそこいこうか~」
春香&マキ&アツコ「それだけは無いです」
速水「ちぇ~、面白そうなのに!私ちょっといってくる~」
マキ「あ~行っちゃった・・・クリスマスをお化け屋敷でシメるなんて速水先輩らしいや・・・」
アツコ「あのお化け屋敷を一人で・・・?」ゾッ
速水「ビシッ!」
保坂「ん?速水か」
速水「あんた、朝からストーキングしてるけど何も進んでないじゃないの!」
保坂「物騒なワードをチョイスするな」
速水「今年のクリスマスも進展0ね」
保坂「まだクリスマスは終っていないぞ」
速水「つまんないの~、退屈だからお化け屋敷付き合いなさいよ」
保坂「お化け屋敷だと?すまないが速水、俺は南春香へ婚約を申し込むチャンスを伺っているのだ」
速水「もし春香ちゃんがお化けに怯えていたらどうすんの?」
保坂「南春香がお化けに怯えているだと!?そうか!よし、お化け退治だ!」
速水「わ~い」
春香「きっとイルミネーションが綺麗ね」
アツコ「観覧車、私初めて乗るから緊張するなぁ・・・」
マキ「なにビビってるのよアツコ、観覧車なんて楽勝よ?」
従業員「すみません、この観覧車2人乗りなんです」
マキ「え?そうなの!?じゃあ3人で乗れないわね・・・」
アツコ「ええええ」ブルブル
春香「アツコ、一人で乗れないみたいだからマキが付いていてあげて」
マキ「でも春香が一人になっちゃうよ・・・?」
春香「いいのいいの、一人でもイルミネーション楽しめるから」
マキ「そっか、じゃあ観覧車乗ろう乗ろう~!」
従業員「じゃあ動かしますね」
春香「わあ~、すごい・・・。空から見るイルミネーションがこんなに素敵だなんて・・・」
アツコ「あわわわわ」ブルブル
マキ「観覧車にそこまで怯える・・・?」
従業員「えっ?もう遊園地の電気が落ちる!?予定の閉園時刻と違うじゃないですか。なのでまだお客さんが乗っていて・・・」
従業員「今止まると困ります・・・え!?プログラムにより自動で供給停止になるからコントロールできない!?」
従業員「た、大変な事になった・・・観覧車も明かりもすべて止まってしまう・・・」
保坂「悲痛な悲鳴が!」
速水「お化け屋敷だからね」
保坂「お化け達が南春香を襲うのか・・・!?」
速水「襲わないとは思うけど」
保坂「襲っても襲わなくても南春香に危機が訪れる可能性があるのならば・・・俺は!」
お化け「ばぁ~~~~!」
保坂「ちょっといいか」
お化け「・・・・・・」
お化け「ばぁ~~~~~~~~!!!!」
保坂「お化け達よ、俺は保坂。争いを力でねじ伏せるのは簡単だ。しかし争いを力でねじ伏せてはならない」
お化け「・・・?」
保坂「その方法では絶対に争いは無くならないからだ」
保坂「話し合おう・・・友好的に」
保坂「お化け達よ!この人間代表保坂が人間とお化けの友好条約を結ぼう!」バッ
お化け(どうして服を脱ぐんだ・・・?)
春香「きゃあああ!」
マキ「うわあああ!」
アツコ「ひえええええ!」
ザワザワザワ・・・
従業員「あああ・・・園内の電気がすべて落ちてしまった・・・観覧車もとまってしまった」
管理職「おい!これはどういうことだ!」
従業員「わ、わかりません・・・閉園時刻よりも早く園内の供給システムが停止しました・・・」
管理職「さ、最悪だ・・・」
管理職「観覧車のお客さんが空中に閉じ込められてしまった・・・」
管理職「今、観覧車に乗っているお客さんは何名なんだ?」
従業員「3人です、あそことあそこ」
管理職「2名搭乗しているあのゴンドラは地上からでも救出できそうだね。今すぐ取り掛かりなさい」
従業員「はい!」
管理職「しかし・・・もう一つのゴンドラは神の悪戯か、観覧車の頂上に位置している・・・」
管理職「あのお客さんは最悪明日の朝まで閉じ込められてしまうだろう。最悪のクリスマスにしてしまった・・・」
春香「園内の電気が消えてる・・・」
春香「停電かしら?」
春香「電気が戻れば帰れそうだけど・・・前に停電で一晩過ごした事もあったっけ。あんまり期待できないわね」
春香「仕方ないけど朝まで待つしかないかな」
春香「まぁ、こういうクリスマスもたまには悪くないわね」
春香「ふわぁ~なんか眠くなってきちゃった・・・」
春香「・・・・・・」zzz
アツコ「あわわわわ」
マキ「アツコ落ち着いて!」
マキ「私たちは地上に近いからすぐに救出されるわよ」
アツコ「は、春香は!?」
マキ「は、春香は・・・!」
マキ「春香は犠牲になったのよぉぉぉぉ!!!」エグエグ
アツコ「そんなー!春香ーーー!」エグエグ
春香「・・・・・・」zzz
保坂「一寸先は闇・・・これは俺への挑戦というわけか?」
お化け「あの、申し訳ありません。園内トラブルで停電になりまして・・・」
保坂「気にするな」
お化け「出口までご案内致しますので」
保坂「うむ」
速水「春香ちゃん達は今何してるのかしら?」
保坂「はっ!そうだ!南春香はどこだ!?」
速水「あら、あと1時間で日をまたぐわね」
速水「やっぱり保坂何もできてないじゃないのー!ドジ!まぬけ!ちんちくりん!」
保坂「言いすぎだ!!待っていろ南春香ああああ」ダダダダダッ
速水「ふふ」
速水「あと1時間、面白い事をみせてちょうだい?」
藤岡「え!?」
夏奈「当たり前だ。じゃないとつまらんでしょ~?」
藤岡(こ、このプレゼントは南にあげるためのものなのに・・・!)
藤岡(これは俺の運命に委ねるしかない・・・俺と南の絆が深ければ必ず南に届くはずだ!)
夏奈「タケル、お前はないのか?無しにノコノコと訪れたのか?」
タケル「えっ?あるけど・・・これはレイコさんへの・・・」
夏奈「いいから混ぜとけ混ぜとけ!」ポイッ
内田「千秋・・・」
冬馬「俺のプレゼント当たった奴は運がいいぞ」
マコ「お、俺は・・・春香さんのために買ってきたんだ・・・!やめろー!」
吉野「楽しいね~」
夏奈「よし、この箱の中身は未知だ。コスモだ。この中に手を入れて好きなプレゼントを掴め!」
夏奈「よっしゃ!いくぞ!」ガシッ
千秋「興味ないわ~!」ガシッ
内田「これにしよ~」ガシッ
冬馬「俺はこれでいいか」ガシッ
吉野「あたしはこれ~」ガシッ
マコ「春香さんのがほしい~!」ガシッ
タケル「えっ?おじさんも掴んでいいの?じゃあこれ・・・」ガシッ
夏奈「よし開けろ!」
夏奈「ん?なんだこれ」
冬馬「おー夏奈行きか、運がいいな」
夏奈「海人Tシャツか。冬馬、ありがとう!夏に着させてもらうよ!」
藤岡「くっ・・・届かなかった・・・!でも・・・」
夏奈「私のプレゼントは藤岡行きか・・・お前好きだろ?野菜ジュースギフトセットだ」
藤岡「やったああああああああああ!!!!」
夏奈「お前そんなに好きなのか!?知らなかったよ!!」
藤岡「俺のは冬馬行きか。男だけどいっか、メリークリスマス!」
冬馬「ふ、藤岡のプレゼント!?」
千秋「ん?ヘアアクセサリー?」
マコ「千秋行きか」
千秋「ああ、マコちゃんありがとう。そして私のプレゼントもマコちゃん行きか」
マコ「千秋ありがとう。でも、どうして木彫りの熊なんだ?」
内田「ちょっと待ったー!どうして私は私のなの!?」
夏奈「そんなこと言われても公正なくじ引きで決めたんだからさ」
内田「公正だとしてもあんまりだー!」
タケル「うん、これは渋いね・・・。でも良い湯のみだ。なんだか心が洗われるよ」
吉野「わぁ~すごい高そうな財布だぁ。ありがと~」
夏奈「さすが吉野!その年でお嬢の頭角を現したな!」
マキ「あ、速水先輩~!」
アツコ「春香が!春香が!」
速水「ん~?春香ちゃんがどうしたの???」
マキ「観覧車のゴンドラに閉じ込められてしまったんです!」
アツコ「このまま朝まで出られないんです!」
速水「ふ~ん、でも春香ちゃんだからなんとかなるんじゃない?」
マキ&アツコ「なりません!」
速水「大丈夫大丈夫、観覧車が爆発するわけじゃないんだしさ」
管理職「な、なにーーー!?観覧車が爆発するかもしれないだってーーー!?」
速水「え?」
従業員「なんか爆発する気がします!」
管理職「なぜ観覧車が爆発するんだ!?え!?供給システムが止まってあーだこーだでトラブルが発生して爆発するかもしれないだって!?」
従業員「えっ!?爆発!?それは大変です!」
マキ「ばく・・・はつ・・・?」
アツコ「あ・・・あああ・・・春香ぁ・・・春香ぁ・・・」
保坂「はぁ!はぁ!南春香はどこだ!?」
保坂「くっ・・・俺とした事が・・・あと1時間のタイムリミットにも関わらず南春香を見失うなんて」
保坂「どこだー!南春香ー!」
保坂「邪魔をしないでくれ速水!俺は今、南春香に夢中なんだ!」
速水「春香ちゃん、観覧車に乗っているみたいよ?」
保坂「なんだと!?」
保坂「観覧車にのっているということは・・・園内の停電によってゴンドラの中に閉じ込められているではないか!!!」
保坂「そしてっ・・・!このままではあーだこーだで観覧車が爆発する可能性があるではないか!!!!」
速水「な、なんでそうなるの・・・?」
速水「あのねぇ、観覧車が爆発するわけないじゃない。さっきも無能そうな社員がパニックになって同じ事言ってたけどs」
保坂「南春香の命が危ない!」
速水「ちょっときいてる?」
保坂「観覧車はどこだ!あそこだな!よし!」
速水「落ち着いて保坂、あれはジェットコースターよ」
保坂「観覧車はどこだ!よし!あそこだな!」
速水「落ち着いて保坂、あれは月という衛星よ」
保坂「すまない、少し落ち着こう・・・ふぅ」
保坂「なるほど、観覧車はあれか」
速水「どうするつもりなの?」
保坂「・・・決まっている」スタスタ
保坂「南春香の命が懸かっているならば――」
速水「ちょっとーどうするのー?」
速水「あーあ、行っちゃった」
管理職「すみません・・・」
従業員「すみません・・・」
社長「観覧車が爆発するわけないだろう。なんで爆発するんだ。なにがどうなれば爆発するんだ。」
管理職「冷静な思考ができなくなりまして、つい・・・」
従業員「管理職の方がそう言い出したので、つい・・・」
社長「全く・・・それにしてもこれは大問題だな」
社長「お客様の聖なる夜を台無しにしてしまうなんて」
社長「ヘリで救助しようにも物騒だ。うちの評判に大きく関わる」
管理職「し、しかし・・・」
社長「うちのシステムに問題があるとしてもその事実を公にすることはできない」
社長「お客様には悪いが朝まで待っていただくしかないな。何、お客様とは私が直々に交渉しよう」
管理職「は、はぁ・・・」
千秋「遅いぞ・・・なぜこんなに遅いのだ春香姉さまは・・・」
夏奈「そしてお前ら。なんかもう泊まる気でいるな」
冬馬「ここまで待たせたんだからな。今から帰れって言うのか?」モグモグ
内田「・・・」zzz
吉野「内田はもう寝ちゃったね」
マコ「泊まればなんとか春香さんに会えるかも・・・」ドキッ
藤岡「南、俺はそろそろ帰るよ」
夏奈「帰るのか、悪いな一緒に待たせたみたいで」
藤岡「いいや、俺は、その・・・南と一緒に居たかったから・・・居ただけだよ///」
夏奈「そうか。ところでお前が持ってきたその白い箱はなんだ?まさか持ち帰らないだろうな?」
藤岡「あっ、これは南に・・・」
夏奈「ケーキじゃないか!ありがとう、藤岡!」
藤岡「そ、そうか・・・///はは・・・///」
藤岡(やった!南にケーキを渡せたぞおおおおお!!!)
冬馬「ケーキか。くれ」モグモグ
夏奈「いいぞ」ヒョイ
夏奈「ケーキはもう嫌って言うほど食ったからな」
藤岡「それじゃあね!南!」タタタタッ
藤岡(やったああああああああ!渡せたああああ!!!)
ナツキ「そろそろ寝るか」
アキラ「そうだね」
ハルオ「冬馬はクリスマスに何をしているんだ?なぜ帰ってこない」
ハルオ「うちのクリスマスパーティーはもう佳境だというのに」
ゴーンゴーン
アキラ「あ、終ったね。うちのクリスマスパーティー」
ナツキ「じゃあ寝るか」
ハルオ「ナツキ、冬馬は南さん家にいるんだろう?サンタさんはこっちの南さん家に来るから今日までに帰ってくるようにと約束したはずだ」
ナツキ「じゃあ業務連絡しないとな。ちょっと電話してくる」
prrrrrrr
夏奈「次女です」
ナツキ「・・・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
冬馬(夏奈は相手にすると厄介だから無視がいいな)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ナツキ「・・・・・・」
夏奈「次女ですが」
ナツキ「・・・・・・」
夏奈「次女ですが!?!?!?」
ナツキ「・・・・・・」
冬馬「おーい夏奈!クリスマス特番の失恋モノ始まったぞー!」
ナツキ「ん?今の声は冬馬・・・?おい、冬馬!俺だ」
夏奈「電話に出た相手をバイパスするな!」
夏奈「冬馬、変な兄貴からの電話だ。変な兄貴だからかわってくれ」
冬馬「変な兄貴?誰の事だ・・・?」
冬馬「誰だ?」
ナツキ「冬馬か」
冬馬「ナツキか」
冬馬「そうだな」
ナツキ「じゃあ明日スパイクを手渡すからな」
冬馬「ああ~」
夏奈「変な兄貴は何だって?」
冬馬「今日帰らないから明日プレゼントくれるってよ」
夏奈「臨機応変なサンタだな」
夏奈「今頃、男に抱かれてるだろ」
タケル「ぶっ!ちょ、ちょっと夏奈ちゃん!?」
夏奈「きっと王子様みたいなのがお姫様だっこしてくれているさー。ビビディ・バビディ・ブーしてるさ」
タケル「あっ・・・」
タケル(健全な意味で、か)
タケル「あれっ・・・?レイコさんは今・・・えっ・・・もしかして・・・!うわああああ!」
冬馬「おっさん!もうパーティー終ったんだから静かにしてくれ!眠れないだろ!?」
内田「ぐー・・・ぐー・・・」zzz
吉野「すー・・・すー・・・」zzz
マコ「か、夏奈・・・春香さんはまだなのか?」
夏奈「もう1時なのに根気よく待つなぁ。お前と千秋は春香の手下になれるぞ。ということはだ・・・春香親衛隊NO2である私の手下とも言える!」
ピンポーン
夏奈「ん・・・?誰だこんな時間に」
夏奈「はいはーい」ガチャ
夏奈「・・・・・・」
夏奈「へ・・・?」
チュンチュン
マキ「やった、ようやく電気が復旧したみたい」
アツコ「春香は風邪ひいてないかな・・・?」
マキ「寒い思いをしてるだろうね・・・春香ごめんよおおおお私が誘ったせいでえええええ」
速水「ふふふ」
マキ「は、速水先輩はなんで笑ってるんですか・・・?」
速水「いやあ、なかなか面白いことになってるからね」
アツコ「先輩!これは全然面白くありません!」
マキ「そうです!死活問題ですよ!」
速水「そうかな?春香ちゃんは今頃暖かい場所にいるんじゃない?」
マキ「ゴンドラの中が暖かいわけn・・・!」
社長「何?搭乗していないだと・・・?」
管理人「おい!どういうことだ!3人乗っていたんじゃないのか!?」
従業員「あれ?おかしいな・・・確かに3人乗ったはずなのに」
マキ「え・・・」
アツコ「え・・・」
社長「観覧車には誰も乗っていないぞ。つまり従業員、君の勘違いだったわけだ」
マキ&アツコ「えええええええ!?」
マキ「ちょっと待って!絶対あり得ません!春香は観覧車に乗りました!」
アツコ「わ、私もこの目で確認しました!春香は必ず乗っています!」
社長「そう言われても・・・どこにもいないぞ。ゴンドラの中は身を隠せる空間もない。それともこれは神隠しとでもいうのかね?」
マキ&アツコ「神隠しだー!」
速水「あはは、神隠しかしら?」
速水(それにしてもあの男・・・やるときは思いきった事するわね・・・)
春香「う、う~ん」
春香「寒い・・・」
春香「あれ、私どうして裸足なの?」
春香「お洋服もボロボロ・・・」
悪魔先輩「春香ちゃん~」
春香「きゃ~、悪魔先輩!」
悪魔先輩「な~にサボっているのよ!働きなさい~!」
春香「そうだ・・・私は両親を亡くした可愛そうな子」
春香「みんなにいじめられながらも頑張っている悲劇のヒロインだったわ・・・」
悪魔同級生M「春香!働きなさい!」
悪魔同級生A「そこまで言わなくても・・・でも働こう、春香」
春香「なによ~!みんな私の気持ちも知らないで~!」エーン
悪魔先輩「あ、春香ちゃんどこいくの~」
悪魔同級生M「どこまでも追いかけてやるぞ~」
悪魔同級生A「まって春香~」
春香「はぁはぁ」タタタタッ
春香「あそこにカボチャの馬車が・・・!」
ガチャン
春香「うぅ・・・でもこのカボチャの馬車、寒い」ブルッ
春香「私は両親を亡くした悲劇のヒロイン・・・この先も悲劇のヒロインなのかしら・・・私、かわいそう」
妖精K「私達がいるよ!で、飯はまだか!」
妖精C「そうです!私達がついています!お世話になります!」
春香「ありがとうみんな・・・」
春香「だけど私だって・・・甘える相手がほしい・・・」
ガチャガチャ
春香「・・・?」
春香「何の音?」
ガチャガチャ ガチャガチャ
春香「カボチャの馬車を誰かが開けようとしている!だめよ!私の心を覗かないで!」
ガチャガチャ バキッ! ガチャン
春香「きゃ~!」
春香「だ、誰・・・?」
???「――南春香」
春香「あなたは・・・?」
???「俺の名前か――それよりも、大事な事――伝えたい」
???「メリークリスマス、南春香」
春香「メリークリスマス?」
???「ふ、間に合ったようだ――君を迎えに来た――そして、俺たちにふさわしいカボチャの馬車を用意したのだ、さあ行こう」
春香「そんな困ります!貴方は誰ですか?」
???「俺の名前か――それよりも、大事なのは――南春香、君だ」
???「さあ、行こう!カボチャの馬車に乗って!」
春香「あれ・・・このカボチャの馬車、温かい・・・」
???「二人で――娘達のところへ――」
春香「・・・・・・」
春香「・・・はいっ」ポッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夏奈「寝言がすごいな」
春香「はい・・・カレーは好きです・・・」
千秋「春香姉さま、どんな夢を見ているんだ?」
春香「ん・・・あ、あれ?」
夏奈「おはよう」
千秋「おはようございます、春香姉さま」
春香「みんな・・・おはよう」
春香「う、ううん・・・今何時?いけない、お昼だわ」
夏奈「あまりにも心地よさそうに寝ていたので」
千秋「日ごろお疲れでしょうから今日は起さないでおこうと・・・」
春香「ありがとう、みんな」
春香(それにしてもあんな夢を見るなんて・・・)
夏奈「いや~まいったね、驚いたよ」
千秋「何がだ?」
夏奈「ああ、千秋は向こうで遊んでいてくれ」
千秋「なにぃ・・・?隠し事か!隠し事するのか!」
夏奈「冬馬~、千秋がプロレスしたいって!」
冬馬「よっしゃ千秋、プロレスだ!」
千秋「おい、やめろ、わー!」ズルズル
夏奈「どうしたのって・・・春香、流石に苦しいぞ・・・」
春香「な、何が・・・?」
夏奈「・・・・・・」
夏奈(う~ん・・・これは触れちゃいけないことなのだろうか?)
夏奈(私もそこらへんの事情はまだ理解できていないし・・・あまり追求しないほうがいいかもしれない)
夏奈「いいや、なんでも」
春香「何、夏奈。隠し事するつもりなの?」
夏奈「なーんでも?だって春香だってするんでしょ?隠し事」
春香「しないわよ!何隠してるの!話なさい!」
夏奈「隠してないよ~、全部わかってるくせに!いいね~イケない事して!」
夏奈「じゃあ、その指輪はなんだ!」
春香「え?あれ?」
春香「何・・・この指輪」
・
・
ピンポーン
夏奈「ん・・・?誰だこんな時間に」
夏奈「はいはーい」ガチャ
夏奈「・・・・・・」
夏奈「へ・・・?」
保坂「ん・・・?間違えたか、すまない」
夏奈「間違いですか。夜分遅いので気をつけてください」
保坂「気をつけよう」スタスタ
夏奈「ちょっとまった」
保坂「なんだ?」
夏奈「お?・・・おおおおお!?」
夏奈「ああ、これはこれは!春香のボーイフレンド様でしたか!」
保坂「フィアンセだ」
夏奈「どうして春香を背負っているのでしょうか・・・?」
保坂「ん?南春香を知っているのか?」
夏奈「次女ですから」
保坂「なに・・・?南春香には次女がいたのか!」
春香「ええ・・・次女います・・・元気いっぱいですよ・・・むにゃむにゃ」zzz
保坂「そうか、元気いっぱいなのだな・・・じゃあ春香も元気いっぱいだな。素晴らしい、あははははは」
夏奈「あ、あの~」
保坂「そうか次女だったのか!南春香にそっくりで愛らしいではないか!俺の次女よ!」
夏奈「ひえっ!」
夏奈「と、とりあえず運んでくれてありがとうございます、では!」
バタン
保坂「ふふ、ふはははは」
保坂「あはは、あはは、あはははは!」
保坂「あはは、あはは、メリークリスマス!!!!!」
速水「お~い」
保坂「ん、速水か」
速水「今、誰と喋ってたの?」
保坂「南春香と会話を楽しんでいたのだ」
速水「目の前に春香ちゃんいないけど?」
保坂「あの時、話すべきことが山ほどあったのでな。話せなかった分を今こうして話しているのだ」
速水「時空を超越して会話するなよ~」
保坂「夢のような時間だった」
速水「よかったね~春香ちゃんとお話できて」
保坂「婚約なわけだ」
速水「ところでバレー部にいつ勧誘してくれるの?」
保坂「はっ!そうだ!俺は南春香をマネージャーとして迎え入れなければならない!」
速水「そうそう、先にバレー部に入部しないと婚約できないわよ?」
保坂「そうか・・・婚約は後か。しかしもう婚約指輪を渡してしまった」
速水「じゃあこのボールと交換してきなさい」
保坂「よし!任せろー!」ダダダダダッ
春香「ちょっと・・・!大声でやめてよ・・・!」
マキ「ジュースと間違えてお酒飲んで酔っ払うなんて」
アツコ「本当に帰っちゃったときの記憶ないの?」
春香「う、うん・・・気付いたら妹達に囲まれていて・・・」
春香「昨日どこで何していたか、全然思い出せないの」
マキ「そりゃ当然よ!酔っ払っているんだもの!」
春香「こらマキー!」
アツコ「・・・・・・」
アツコ(でも確かに春香は観覧車に乗ったと思うんだけどなぁ・・・)
アツコ(私の勘違いなのかな・・・でも確かに乗ったはずだけど・・・う~ん)
夏奈「うーん」
夏奈(どうやら2人はあの変態の事を知らないみたいだな・・・)
夏奈(酔っ払って記憶がないだと・・・?じゃあ春香はあの変態と酔った勢いでメリークリスマスしてしまったのか・・・!?)
マコ「春香さん!クリスマスプレゼントです!」
春香「あら、ありがとうマコちゃん。もらっていいの?」
マコ「はい!春香さんの為に用意しました!」
内田「また買ってきたんだ・・・」
ナツキ「おお」
ハルオ「なっ!?」
アキラ「あれ?冬馬、乙女みたいなマフラーしてるね」
冬馬「え?ああ、これね・・・藤岡がくれたんだ」
ハルオ「冬馬、まるで女の子じゃないか!一度、お兄ちゃんと言ってみなさい!」
冬馬「お、おう・・・」
ナツキ「ほら、サンタからのプレゼントだ。欲しがっていたスパイク。あそこのスポーツ量販店で買ってきた」
アキラ「お買い得だったよ」
冬馬「うん、ありがとう」
ハルオ「冬馬も妹らしくなったものだ!」
アキラ「好きな人でもできたんじゃない?」
冬馬「ば、馬鹿いうな!これは藤岡が無理やりくれたマフラーだ!俺は別に・・・藤岡が俺にプレゼントっていうから・・・」
アキラ「無理やりくれたマフラー、しっかり身につけてるね」
ハルオ「いいクリスマスだ!」
保坂「みなみけはどこだ!?」
保坂「しまった・・・あの時、南春香に夢中だったのでみなみけの場所がわからないではないか!」
保坂「なんということだ・・・」
保坂「ん・・・待て、俺と南春香は強い絆で繋がっているわけだ」
保坂「南春香も俺の事を探しているだろう・・・」
保坂「もし、俺が南春香を迎えるならばそれはとても素敵なシチュエーションなわけだ」
保坂「そう、あのエベレストの頂上なわけだ!」
保坂「俺はあの頂上で待ち続けよう!この命ある限り!」
保坂「あはは!あはは!あはははは!」
保坂「待ってるぞ!南春香!あはは!あはは!あははははー!」
アツコ「空が怪しくなってきたね・・・」
マキ「ひどくなる前に帰らなきゃね!」
夏奈「今日山に登ったやつは世界一不運だな。多分命ないぞ」
春香「そうねぇ・・・」
春香「・・・・・・」
春香(昨日見た夢・・・なんだか本当の出来事みたいで)
春香(でもあんな人、私の周りにいないし・・・)
春香(あの夢の中の王子様、また会ってみたいわ・・・)
夏奈「なにボーッとして」
春香「な、なんでもないわよ?」ポッ
ビュウウウウウウウウウ!ザーザーザー!
保坂「くっ!なんて強風だ!なんて豪雨だ!!」
保坂「しかしこれもまた、俺たちに立ちはだかる試練というわけか・・・」
保坂「乗り越えて、俺たちはもっと幸せになるんだ!」
保坂「ふふふ、あはははは!問題ない!」
保坂「さあ、南春香!俺はここで待っているぞ!」
保坂「あはは!あはは!あははははー!」
ありがとうございました
みなみけ5期を待っています
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コメント一覧 (6)
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- 2017年12月16日 07:23
- 懐かしすぎる……いいぞ……
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- 2017年12月16日 08:27
- いろいろやべーな
クリスマスとイースターの違いもわからないのはわざとなのか素なのか・・・
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- 2017年12月16日 09:07
- やっぱり保坂は保坂だった
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- 2017年12月16日 09:11
- キャラの口調がまさに原作のそれだな
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- 2017年12月16日 14:18
- アニメの保阪は輝いてるよな。みなみけの一期二期は保坂とマコちゃんの為に観ていたまであ冬木シね
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- 2017年12月16日 14:50
- みなみけとか久しぶりだなおい
再現度高くて良かった