【安価】カツオ「え!?“出張!なんでも鑑定団”がこの町に来るんだって!?」
花沢「町内会を代表して勝手に応募したら選ばれちゃったの」
中島「へー、うちのお爺ちゃんも鑑定してほしいお宝があるって言ってたから、番組に出てみようかな」
中島「それって今からでも参加できたりするの?」
花沢「もちろん大歓迎よ!」
花沢「実は参加者がなかなか集まらなくて困ってるから皆に声かけてくれって父ちゃんが」
カオリ「それなら磯野くんの家だったら価値のありそうなお宝がいっぱいあるんじゃない?」
早川「確かに磯野くんのお家って骨董とか似合ってる気がする」
カツオ「うーん……うちにお宝なんてあったかなぁ……」
花沢「お願い磯野くん!花沢不動産を助けると思ってさ!」
カツオ「分かったよ。一応父さんたちに聞いてみる」
中島「期待してるぞ磯野!」
カツオ(これは困ったぞ……)
波平「なに!?出張!なんでも鑑定団が来るだと!?」
波平「よし!それなら>>5を鑑定してもらおう!」
カツオ(うわぁ……やっぱり父さん乗り気だよ……)
カツオ(でも父さんって絶望的に骨董品の見る目ないからなあ……)
カツオ(きっと全国に磯野家の恥を晒すことになるぞ……)
フネ「あらあら、どうしたんですか急に」
波平「出張鑑定団が来るんだ。あの皿なら中島さんに鑑定してもらっても恥ずかしくない逸品だぞ!」
フネ「たしか床の間にしまってあったはずですけどねえ……」
サザエ「どうしたの?押入れから荷物をたくさん引っ張り出したりして?」
フネ「ああ、サザエ。父さんが大事にしてた柿右衛門の大皿を知らないかい?」
サザエ「それなら↓2」
サザエ「すみません……反省してます……」
波平「あの皿がいくらすると思っとるんだ!!」
カツオ「いくらするの?」
波平「ん……そ、それはだな……」
波平「ってバカモノ!!それを鑑定してもらうんだろうが!!」
波平「罰としてカツオの小遣いは減らす!!!!!」
カツオ「は?何で僕までとばっちりを!?」
カツオ「姉さんのせいだよ!!!」
サザエ「口答えするんじゃありません」
波平「おお、マスオくんか」
マスオ「えーっ!?なんでも鑑定団が来るんですか、お義父さん!?」
波平「うむ。だが柿右衛門の大皿をサザエが割ってしまったんだ」
マスオ「すみません、お義父さん」
波平「いいんだ。割ったのはサザエ。なにもマスオくんが謝ることはない」
波平「しかし困った。他にテレビに出して恥ずかしくないものなどあったかな……」
マスオ「お義父さん、それならフリーマーケットに出かけてみるってのはどうでしょう?」
マスオ「掘り出し物が見つかるかもしれませんよ」
波平「うーん……」
1.行く
2.行かない
↓1
カツオ「僕もついて行くよ!」
カツオ(価値を見極めるのは父さんだけじゃ心配だしね……)
タラオ「おじいちゃん!僕も行きたいでーす!」
波平「うむ。意外に子供の純粋な心が役立つかもしれんしな」
マスオ「僕はちょっと用事があるんで行けないですが、タラちゃんをよろしくお願いします」
波平「それでは行ってくる」
マスオ「お気をつけて」
マスオ「サザエ、お義父さんが出かけたよ」
サザエ「やっといなくなったわね」
サザエ「↓2」
マスオ「大丈夫だよ。カツオ君とタラちゃんがついてるしね」
サザエ「それが心配なのよ……」
――フリーマーケット
波平「ここがフリーマーケットか。初めて来たが結構活気に溢れてるんだな」
カツオ「父さん、お金いくら持ってきたの?」
波平「子供が親の財布を心配するんじゃない!」
タラオ「わーいでーす!」
カツオ「あっ!タラちゃんが勝手にお店に行っちゃったよ!」
甚六「あれ?みなさんどうしたんですか?」
タラオ「甚六さんでーす!」
波平「甚六くんも出店していたのかね」
甚六「はい。親父が結構古いもの溜めこんでて、母に邪魔だから売ってこいと頼まれたんです」
カツオ「どう父さん?何か気になる物ある?」
商品↓1 商品↓2 商品↓3 商品↓4
波平「さすがは伊佐坂先生だ。なかなかの名品の数々……」
カツオ「じゃあ、どれか買おうよ!伊佐坂先生なら間違いないよ!」
波平「しかし、少々値が……」
脇差.値段↓1 青銅器.値段↓2 埴輪.値段↓3 有田焼.値段↓4
青銅の埴輪¥33,400 有田焼の大皿¥50,000
カツオ「すごいや!脇差なら小学5年生のお小遣いでも買えるよ!」
カツオ「甚六さん!これ僕に売ってよ!」
波平「バカモン!子供がそんな危ないものを持つんじゃない!」
カツオ「そんなぁ」
波平「さてどれを買おうか……」
波平の所持金↓2
波平「甚六くんこれをわしに売ってくれ」
甚六「ありがとうございます」
波平「これでちょうどピッタリだな」つ【5,000円札】
甚六「は?」
甚六「何言ってるんですか磯野さん。それじゃ全然足りませんよ」
波平(……ん?しまった! わしとしたことが0を一つ見落としていた!!)
波平(くっ……昨日飲み過ぎてしまって財布には5000円札しかない……)
波平(くそ!どうする!?わしの審美眼に狂いはないはず!この有田焼を見逃すのは惜しいぞ!)
タラオ「うわああああああああああん!疲れたでーす!もうお家に帰りたいでーす!」
カツオ「お父さん、タラちゃんが愚図りだしたよ。早く買って帰ろう」
タラオ「喉が渇いたでーす!ケーキが食べたいでーす!うわああああああああああん!」
波平「……」
波平(ええい!仕方ない!かわいい孫のためだ!ここは我慢するしかない!)
波平「甚六くん、この無銘の脇差と古代中国の青銅器を売ってくれ」
甚六「ありがとうございます。消費税込で合計2,916円のお買い上げです」
波平(どのみち、消費税込では5,000円でも有田焼は買えなかったんだ……諦めよう……)
その後タラちゃんが愚図ったので僕たちは喫茶店でケーキを食べた。
堀川「ごめんくださーい。カツオお兄さんはいますかー?」
サザエ「あら堀川君。カツオなら今フリーマーケットに出かけてるわよ」
堀川「フリーマーケット?」
堀川「え!?なんでも鑑定団ですか!?」
サザエ「そうよ。参加者不足で困ってるみたいだから堀川くんも協力してくれると助かるわ」
堀川「うーん……お宝なんて物うちにはあったかな……」
サザエ「別に大層な物じゃなくていいのよ。“なんでも”鑑定団だから」
堀川「そうですか?本当に“なんでも”でいいんですね?」
サザエ「ええ」
堀川「わかりました!!」
堀川(よーし! ↓2を鑑定してもらおう!)
波平「さて、帰るとするか」
店員「2,052円のお会計です」
波平「……」
――駅
波平「カツオ」
カツオ「ん?何父さん?」
波平「お前、さっきこの脇差を買おうとしていたな?」
カツオ「うん、そうだけど……」
カツオ「え?もしかしてその脇差僕にプレゼントするために買ってくれたの?」
波平「……」
カツオ「ありがとう父さん!」
波平「いや、その……小遣いを持ってきているのかと訊いているんだ」
カツオ「え?」
お金をほぼ使い切った父さんには帰りの電車賃が残っていなかった。
父さんは通勤定期を持っていたので問題なかったが、タラちゃんと僕の分の運賃が足りない。
結局、僕のなけなしの小遣いがタラちゃんの電車賃に当てられ、僕だけは家まで歩いて帰った。
波平「ただいまー」
フネ「おかえりなさい。遅かったですね」
波平「仕事に手間取ってしまってな。もう番組は始まっとるか?」
カツオ「ナイスタイミングだよ」
ワカメ「CM明けに出張鑑定団のコーナーが始まるとこよ」
波平「そうか。それは良かった」
サザエ「テレビに出るなんてなかなかできないからね」
タラオ「僕も映ってたらいいでーす!」
マスオ「あ、お義父さん。CM明けますよ」
波平「うむ」
銀河万丈『お宝列島日本縦断、出張!なんでも鑑定団』
銀河万丈『今回の舞台は東京都世田谷区桜新町』
銀河万丈『新町は大正期に高級別荘地として造成され、この時にソメイヨシノの並木が設けられた』
銀河万丈『桜新町の名称は、昭和43年の住居表示実施の際、新町から分離し旧町名の新町に桜を冠したことに由来する』
銀河万丈『サザエさんの作者で知られる長谷川町子が居住していたことから、サザエさんの町としても有名である』
銀河万丈『長谷川町子美術館の一角で古き良き時代に思いを馳せるのは本日の鑑定士、中島、田中、北原、永井の4人』
銀河万丈『会場はかもめ第三小学校体育館』
銀河万丈『さっそくいってみよ~!』
松尾伴内・女性アシスタント「出張!なんでも鑑定団in桜新町ーーーーー!!!!!」
パチパチパチパチ パチパチパチパチ
松尾伴内「不動産屋の社長さんですか。それならこっちの方も結構あるんじゃないですか?」
花沢父「いえいえ。こっちはないんですがね、優良物件はたくさんあります」
花沢父「皆さん、花沢不動産をよろしくお願いします!いい物件がいっぱいありますよ~!」
松尾伴内「今テレビ映ってますから遠慮なく宣伝してください」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『お宝は↓2の絵画である』
銀河万丈『実は10年ほど前、知人から借金のカタにと、この絵を渡された』
銀河万丈『もともとお金はあげたつもりだったので快く承諾。以来、ずっと押入れにしまっていた』
花沢父「明治時代に海外から渡ってきたものらしいんですけどね、作者とかは私分からないんですよ」
松尾伴内「ちなみにその貸したお金は幾らだったんですか?」
花沢父「それでですね、この描かれてる女性の顔が母ちゃんそっくりでしてね……」
松尾伴内「ん~、さっきからお金の話題になるとなんか話逸らされますねえ~」
\HAHAHAHAHA/
松尾伴内「不動産屋さんなんで、この絵が似合う物件とかもあるんじゃないですか?」
花沢父「ええ。たくさんありますよ」
松尾伴内「あ、物件の話になると答えてくれるんですね」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『絵にはまったく興味がなかったがこれが本物なら商談の話題になると意気込んでいる』
銀河万丈『本人評価額は、このくらいはするはずと↓3 万円』
銀河万丈『その知人から何の音沙汰もないのを思い出し、急に弱気になってしまった』
銀河万丈『果たして結果は~?』
ジャカジャン!
〔鑑〕↓2
〔鑑〕5,000円
松尾伴内・女性アシ「5,000円!!!!!」
銀河万丈『やっぱり~~~~~!』
花沢父「5,000円ですか……」
永井龍之介「これはですね、↓2の絵の印刷なんですよ」
松尾伴内「え、印刷ですか!?」
松尾伴内「え、印刷ですか!?」
永井龍之介「これとまったく同じものがルーブル美術館にあります」
永井龍之介「もしボードワン本人の物でしたら2,000万から4,000万」
永井龍之介「おそらく明治期に来たというのも作り話でしょうね」
花沢父「……」
松尾伴内「残念でしたね。でも5,000円以上の宣伝効果はあったと思いますよ」
花沢父「それもそうですね」
花沢父「皆さん!花沢不動産は5,000円の絵が似合うお安い物件もありますよ~!」
松尾伴内「さすが!よっ商売上手!」
\HAHAHAHAHA/
波平「磯野藻屑源素太皆という、幕末に九州で武士をやってたご先祖様がいるんです」
松尾伴内「ほう、磯野藻屑さん。それでその藻屑さんは何をなさった方なんですか?」
波平「お彼岸におはぎを38個食べて殿様からお褒めに与ったという逸話があります」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『実は今日も藻屑さん所縁の品を持って来たかったのだが……』
波平「その38個のおはぎを盛っていたという柿右衛門の大皿が家にあったんですよ」
松尾伴内「おお、柿右衛門ですか。あっ、そうかそうか、藻屑さん九州の武士ですもんね」
波平「それが大事にしてたんですが、いつの間にか娘が割ってたんです」
\え~~~~/
銀河万丈『こちらが家宝の大皿を割った長女のサザエさん』
銀河万丈『そそっかしくて何かと話題に事欠かないという』
松尾伴内「え?どうしてお皿割っちゃったんですか?」
サザエ「↓3」
\え~~~~/
松尾伴内「わざわざ割って処分したんですか!?家宝のお皿を!?」
サザエ「お皿は専ら食器なんで飾り皿を知らなかったんですの。おほほほほ……」
松尾伴内「綺麗なお召し物着てる割りに、結構豪快なことするんですね~」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『この番組の大ファンで何としても出演したかったが直前になって皿を割られたことが発覚』
銀河万丈『そのため大急ぎで骨董市に行き、代わりの品を買ってきた』
銀河万丈『お宝は古代中国の青銅器である』
1.壺
2.鼎
3.置物(何の形か指定)
↓2
松尾伴内「2,200円ですか!?家宝の代わりにしてはずいぶんお安くないですかね?」
波平「孫がこれを売ってた店に走って行ったんで何か運命的なものがあるのかなと」
松尾伴内「お孫さんが走られたんですか。あ、あそこにいるのがお孫さんですか?」
タラオ「おじいちゃーん!頑張れー!」
松尾伴内「お孫さん応援してますよ。やっぱりかわいいですかお孫さんは?」
松尾伴内「お皿割ったのが娘さんじゃなくてお孫さんだったらすぐ許したんじゃないですか?」
波平「ええ。それはもちろん」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『本人評価額は期待を込めて↓3 万円』
銀河万丈『実はその孫は、家宝の大皿を割った長女の息子』
銀河万丈『母の失態を補うために孫がお店に導いてくれたとしたらこれ以上のお爺ちゃん孝行はない』
銀河万丈『果たして結果は~?』
ジャカジャン!
コンマ2桁×100円 ↓1~3の中から一番高い金額
〔鑑〕9,300円
松尾伴内・女性アシ「9,300円!!!!!」
銀河万丈「う~~~ん、残念~~~~~!」
波平「……」
松尾伴内「買った値段より上がりましたけど家宝と言っていいか困りますね」
中島誠之助「実はこれ古代中国の物ではないんです」
中島誠之助「最近は技術が進歩して3Dプリンターってのがありますでしょ?」
中島誠之助「この青銅器は鼎ですから三つ足でかなり複雑」
中島誠之助「その複雑な形を本物の青銅器から3Dスキャンして鋳型を出力した贋作なんです」
波平「……」
松尾伴内「3Dプリンター!?ってことは最近の物ですか?かなり昔の物に見えますけど?」
中島誠之助「新しい青銅器でも決して安いものではないんです」
中島誠之助「青銅ってのは出来たばかりだと本来光沢がある」
中島誠之助「ですがこれは古めかしく見せるために表面をさらに加工してるんです」
中島誠之助「私としては家宝の柿右衛門の方を拝見したかったですねえ~」
波平「……」
松尾伴内「あ、もう一つお買いになった?ちなみにそれは幾らで買ったんですか?」
波平「500円です」
松尾伴内「ご、500円!? 3D青銅器よりお安かったんですね~」
波平「……」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『続いては本日最年少、↓2が趣味の堀川くん』
松尾伴内「妄想が趣味!?かなり変わってますね」
堀川「そうですか?楽しいですよ妄想」
堀川「妄想の世界だと空を飛んだり、宇宙に行けたり、何でもできます!」
銀河万丈『友達からも変わり者だとよく言われるが当然そんな自覚はなく、自分ではまっとうな人間のつもり』
銀河万丈『物心ついたころからとにかく妄想に妄想を重ねている』
銀河万丈『しかし時には大失敗することもあり……』
堀川「妄想の中で↓3したんです」
松尾伴内「ほう、横浜から帰る妄想。これまた変わってますね」
堀川「でも途中で迷子になって、川崎辺りで妄想からこっちの世界に戻ってこれなくなっちゃったんです!」
松尾伴内「川崎で迷子は大変だ」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『お宝は古代マヤ文明のクリスタルスカル』
堀川「このスカルは家の倉庫に眠ってたんです。気になって調べてみたらマヤ文明にこれと似たようなものが13個あって」
堀川「その13個を1か所に集めて星形に配置したら世界が滅亡するらしいんです」
松尾伴内「世界滅亡!?これまた変わったお宝だな~」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『本人評価額はとりあえず本物と信じ↓2 万円』
銀河万丈『もしもこのスカルが本物なら物騒なのですぐにでも破壊したい』
銀河万丈『果たして結果は~?』
ジャカジャン!
〔鑑〕↓3
〔鑑〕スタジオへ
松尾伴内・女性アシ「スタジオへ!!!!!」
\え~~~~~~~~/
堀川「え!?どういう事ですか!?」
松尾伴内「もしかしたらとんでもない物かもしれないみたいです」
松尾伴内「今田さんがいるスタジオの方へ行って、そこで鑑定してもらってください」
堀川「え~~~~~!?あの石坂浩二さんに会えるんですか~~~!?」
松尾伴内「う、うん、それはね……」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『出張鑑定団in桜新町に小学3年生の堀川君が持って来たクリスタルスカル』
銀河万丈『鑑定結果はまさかの「スタジオへ」』
銀河万丈『注目のスタジオはCMの後!』
1.いすゞのトラック
2.カーポートマルゼン
3.イエ口ーハット
↓2
パチパチパチパチ パチパチパチパチ
堀川「……」ペコリ
吉田真由子「東京都からお越しの堀川くんです」
堀川「こんにちは」
今田耕司「こんにちは」
今田耕司「出張鑑定団からまさかのスタジオ、本当にたまにですけどありますよねこのパターン」
今田耕司「でもよう考えたらあそこにクリスタルスカル鑑定出来る人いませんでしたし、当たり前っちゃ当り前ですけどね」
今田耕司「さすがの中島先生でも大昔のマヤ人がいい仕事しとるかどうか分からんでしょ」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『時代や場所にそぐわない過去の遺物をオーパーツと呼ぶ』
銀河万丈『考古学というよりもオカルト的にロストテクノロジーの根拠として』
銀河万丈『あるいは大昔に高度な文明を持つ地球外生命体との接触があったことの根拠として語られ』
銀河万丈『工芸品でないピラミッドやナスカの地上絵もその大規模な創造によってオーパーツとされるなど、種類は多岐にわたる』
銀河万丈『例えば有名どころでいうとインドの錆びない鉄柱、ギリシャ・アンティキラ島の歯車式機械』
銀河万丈『日本の遮光器土偶は宇宙服を模しているのではないかといったにわかには信じがたいものまで』
銀河万丈『実際のところ識者から反論されたり捏造、勘違いも多いのがオーパーツであるが、オカルトマニアたちの間で話のタネは尽きない』
銀河万丈『お宝は古代マヤ文明のクリスタルスカル』
銀河万丈『おそらく水晶髑髏は最も有名なオーパーツと言っても過言ではないだろう。しかしその分ニセモノも多い』
銀河万丈『現在数十個が存在を確認されており、そのほとんどがマヤ、アステカ、インカといった中南米の考古遺物』
銀河万丈『依頼者の自宅倉庫に眠っていたクリスタルスカルがどうやって日本へ渡って来たかは謎である』
銀河万丈『見たところ髑髏に継ぎ目はなく、一個の水晶から削り出したという点はマヤのスカルと合致する』
銀河万丈『果たして鑑定やいかに』
https://www.youtube.com/watch?v=3ivomNHcWwI
クリスタルスカル
中島誠之助「……」ジロジロジロジロ
中島誠之助「ええ、わたくしはこう見えて古代マヤ人のシャレコウベも守備範囲です」
\HAHAHAHA/
堀川「あのー……石坂浩二さんは喋らないんですか……?」
今田耕司「あそこおったのにわざわざスタジオ持ってくるって、本物の可能性すごい上がってるよ堀川くん!」
堀川「石坂さんはどう思いますか?」
今田耕司「中島先生、最近は3Dプリンターにもお詳しいみたいで、ホンマもう怖いもん無しですね!」
堀川「石坂さん――」
今田耕司「さあ本人評価額、あっちの会場では20万円でしたけど、こっちのスタジオに来て堀川くんの気持ちも変わったと思います」
今田耕司「堀川くん、ズバリお幾らでしょう?」
堀川「……」
堀川「……じゃあ↓2でお願いします」
今田耕司「に、二千万!?また大きく出たな~」
今田耕司「いいよ堀川くん!子供らしく夢があって!」
堀川「石坂さ――」
今田耕司「では2,000万円でいってみましょう。オープンザプライス!」
イチ
ジュウ
ヒャク
セン
・
・
・
コンマ1桁
1~9→ ×一億円
0→ 0円
↓2
ジュウマン
ヒャクマン
センマン
イチオク
200,000,000円 カシャン
\え~~~~~~~~~~/
今田耕司「二億円!!」
\わ~~~~~~~~~~/
今田耕司「えーーーーーっ!?二億円もすんのこれ!?!?」
今田耕司「やったね堀川くん!夢があるよ夢が!」
堀川「はい……」
中島誠之助「古代マヤ文明の水晶髑髏というのは全部で13個あって、これは紛れもなくそのうちの一つ!」
中島誠之助「違いは表面を拡大して見るとわかるんです」
中島誠之助「後代の捏造品だと回転研磨機でクリスタルを削るもんだからどうしても細かな一方向の傷が出来る」
中島誠之助「本物は手作業でもって、ゆっくりゆっくり地道に長い時間をかけて水晶を削り出していくんですね」
中島誠之助「これほど精巧なクリスタルスカルはあたくしも初めてです」
中島誠之助「まさにオーパーツ!素晴らしい!」
堀川「ありがとうございます」
今田耕司「13個集めると本当に世界が滅亡するんですか?」
中島誠之助「それはやってみないと分かりませんねえ」
今田耕司「まあ、そりゃそうか」
中島誠之助「まだ若いですから是非とも残りの12個をお探しになってください」
堀川「はい!探してみます!」
\HAHAHAHAHAHAHAHA/
銀河万丈『続いては出版社に勤める波野さん』
松尾坂内「最近は出版業界も結構大変だって聞きますけれども」
ノリスケ「いえ、僕が担当してる作家先生が優秀なんで編集の僕がほとんど仕事しないでもいいくらいなんです」
ノリスケ「それよりも締め切りをちゃんと守って欲しいですよ」
\HAHAHAHAHA/
松尾坂内「あー、締め切りねえ~」
銀河万丈『またしても自分に運が回ってきたと思っており……』
ノリスケ「ここまでの鑑定結果がニセモノ、ニセモノ、スタジオへだったじゃないですか」
ノリスケ「そろそろドカンと高額な本物が出てきてもいい頃合いですよね?」
松尾坂内「こうやって勘ぐる人いつもいるんですよ」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『お宝は↓1の書状である』
※歴史上の人物名
銀河万丈『会社の上司が歴史物を担当しており、取材先で偶然見つけたこの書簡を出産祝いに貰った』
銀河万丈『初めはなんて紙切れを寄越すんだと呆れたがよくよく見るとそこには誰もが知る有名な武将の名が』
ノリスケ「見てくださいここ。ちょっと汚いですけど」
松尾坂内「え?どこですか?」
ノリスケ「ここです」
ノリスケ・松尾坂内「「 豊 臣 秀 吉 」」
松尾坂内「おお!読める読める!秀吉だ!」
\パチパチパチパチ パチパチパチパチ/
銀河万丈『本人評価額は堂々の↓2 万円!』
銀河万丈『どれだけ価値があるのか見当もつかないが、その達筆具合からして絶対本物』
銀河万丈『もしも高額なら売り払いずっと欲しかった自家用車を買いたい』
銀河万丈『果たして結果は~?』
ジャカジャン!
〔鑑〕↓2
〔鑑〕1,000円
ノリスケ「やったーーーーー!」
松尾坂内・女性アシ「1,000円!」
銀河万丈『う~~~ん、残念~~~~~!』
ノリスケ「あれ?「万」が無い!?!?」
\HAHAHAHAHAHAHAHA/
田中「確かに差出人の所に豊臣秀吉と書いてあることは間違いありません」
田中「問題は手紙の中身なんですけど、例えば↓1なんかの名前が出てるんですね」
田中「時代がめちゃくちゃです」
田中大「時代がめちゃくちゃです」
ノリスケ「山本五十六ってあの軍人の!?」
田中大「はい」
\HAHAHAHAHAHA/
松尾坂内「あ、本当だ。ここに五十六……山本五十六ってありますね」
田中大「何故このようなものを作ったのかそもそも謎ですよね、ハハハ」
松尾坂内「そうですよ、豊臣秀吉と山本五十六って」
松尾坂内「先生も笑っちゃってるじゃないですか!」
\HAHAHAHAHAHA/
田中大「“誰がモンキーやねん。だったら海軍軍人のお前は海猿ではないか”といった内容が書かれています」
\HAHAHAHAHAHA/
松尾坂内「だから言ったじゃないですか、鑑定の順番なんて関係ないんですって」
ノリスケ「何なんですかこの町は!さっきからニセモノばっかり!」
\HAHAHAHAHAHAHAHA/
穴子「↓1」
穴子「最近趣味で一木造りの仏像を彫ってるんですよ」
松尾坂内「は~、凄いご趣味ですね~」
穴子「鑿に日頃の鬱憤を込めて木材へ打ち付けると、ひと時の安らぎが得られるんです」
松尾坂内「大丈夫ですか?なんかお疲れになってるんじゃないですか?」
\HAHAHAHA/
銀河万丈『だが“仏作って魂入れず”ともいうくらいで、このままではいけないと思い立ち……』
穴子「仏像の世界に新たな風を吹き込むべく、ネットオークションで参考になりそうなものを色々探しました」
穴子「いやー、本当に苦労しましたよ」
銀河万丈『お宝は↓2である』
※玩具系
安価↓
松尾坂内「いや、本当に不気味ですね~」
松尾坂内「いや、本当に不気味ですね~」
松尾坂内「これが仏像作りの役に立つとは思えませんよ?」
穴子「実は仏像彫刻は家内に言われて始めたんです」
銀河万丈『こちらが穴子さんの奥さん』
穴子夫人「飲みに行ったり麻雀ばっかりしてないで新しい趣味でも見つけろって言ったんです」
穴子夫人「でもまだ小さいお地蔵様を一体作っただけでネットオークションにハマってしまって」
松尾坂内「オークションにはいくら使ったんですか?」
穴子「そ、それは本当の値段のことですか?」
松尾坂内「もちろんもちろん。当たり前じゃないですか!」
穴子「妻の前では言えません……」
\HAHAHAHA/
銀河万丈『マジンガーZとウルトラマンのソフビは子供のころに欲しくて欲しくてたまらなかった』
銀河万丈『腹話術人形に思い入れはないが、不気味ないでたちを一目見て気に入った』
銀河万丈『本人評価額は買った時と同じく↓1 万円』
穴子「本当に欲しくて欲しくて何度も頼み込んで家内に許可をもらいました」
穴子「そのためには一回仏像を経由するしかなかったんです……」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『自分でもみっともないほど歯切れが悪いと思うが、要するにそれだけ妻が怖いということ』
銀河万丈『今日は万に一つの奇跡を信じたい』
銀河万丈『果たして結果は~?』
ジャカジャン!
〔鑑〕↓1
〔鑑〕80万円
松尾坂内・女性アシ「80万円!!!!!」
銀河万丈『これはすごい~~~~~!』
穴子「ぶるああああああああああ」
\パチパチパチパチ パチパチパチパチ/
北原「一番高いのが腹話術人形で70万」
北原「これは18世紀アメリカ製のもので通称チャーリーマッカーシー人形というんです」
北原「口、目玉、首を片手で操るんですけど、不気味に見せるために装飾も多くてこれを持つと結構重いんじゃないかと思います」
北原「そのせいか保存状態も良くて今でもちゃんと動きますね」
北原「黒一色でマジンガーZの配色は無視してるんですけど逆にレアです」
北原「実はこれ作中の装甲材質・超合金Zをソフビで再現するために塗装前という設定で出されました」
北原「バルタン星人は1万円」
北原「これは割かし残ってるんですけど、ウルトラマン好きなら持ってて間違いありませんね」
穴子「いやー、よかったです!ありがとうございます!」
松尾坂内「これでもうちょっと集めても怒られなくて済みそうですね」
穴子「はい」
\パチパチパチパチ パチパチパチパチ/
銀河万丈『出張鑑定in桜新町はこれにて無事閉幕』
銀河万丈『鑑定団は日本全国どこでも出張いたしまーす!』
冨永みーな『次なる依頼人は、近所の公園を愛犬のハチと一緒に散歩するこの方』
冨永みーな『伊佐坂難物さん60歳。仕事で行き詰まると、こうして気分転換するそうです』
伊佐坂「実はわたし物書きなんですが、こう見えて恋愛小説を書いています」
伊佐坂「筆が進まないときは、お隣から聞こえる音に耳を澄ませたりするのもいいですよ」
冨永みーな『賑やかなご近所なんですね』
冨永みーな『ところで、お宝は何ですか?』
伊佐坂「これを機に骨董の趣味はもうやめろと家族から言われます。私がやめる筋合いが一体どこにあるんですか」
伊佐坂「フリマで奇跡的に売れ残った一番のお気に入りで私の審美眼を証明したいと思い依頼した次第です」
伊佐坂「鑑定のほど、よろしくお願いします」
冨永みーな『一体どんなお宝か?スタジオで拝見しましょう!』
\パチパチパチパチ パチパチパチパチ/
伊佐坂「……」ペコリ
吉田真由子「東京都からお越しの伊佐坂難物さんです」
伊佐坂「よろしくお願いします」
今田耕司「よろしくお願いします」
今田耕司「あ、あちらご家族ですか」
お軽「……」
甚六「……」
ウキエ「……」
ウキエ「いえいえ……」
今田耕司「今高校生? やっぱりかわいいですか娘さんは?」
伊佐坂「ええ。家内の若いころによく似てます」
今田耕司「ねえ、奥様もお上品な感じで」
お軽「いえいえ……」
今田耕司「反応まで似てるわ」
\HAHAHAHA/
今田耕司「あっ!そしてこっちが例のフリマのドラ息子!」
甚六「……」ヘコヘコ
\HAHAHAHAHA/
甚六「埴輪を3万円とか、脇差を500円とかです……」ハハハ
今田耕司「脇差が500円!? 500円なんて小学生の小遣いでも買えるやん!」
今田耕司「こんな安く叩き売られてたの知ってました?」
伊佐坂「いいえ。今知りました」
伊佐坂「でもあの脇差は無銘の民芸品みたいなもんだったんで、まあ500円でも妥当ですかね」
今田耕司「なんやねんこの親子~、分からんわ~」
\HAHAHAHAHA/
チャラララン
有田焼
伊佐坂「有田焼の大皿です」
今田耕司「ほう、有田焼ですか。これは幾らで買った物なんですか?」
伊佐坂「骨董屋で500万円です」
今田耕司「なるほど500万円。結構しましたね」
今田耕司「息子、これいくらで売ろうとした?」
甚六「5万です」
\HAHAHAHA/
今田耕司「息子は5万言うてますけどお父さんは一番気に入ってた有田焼」
今田耕司「これ三匹ほど描かれてるのは何や、動物ですかね?」
↓1 何の図柄か
今田耕司「あー、鳳凰かー」
今田耕司「僕も最初から鳳凰だと思ってました」
\HAHAHAHAHA/
銀河万丈『豊臣秀吉朝鮮出兵の際、佐賀藩主・鍋島直茂が朝鮮半島から職人を連れて帰った』
銀河万丈『その中の一人、陶工・李参平が良質な陶石を求め旅を続け、有田の地へと行き着くのである』
銀河万丈『江戸・明治期にはヨーロッパへ向け伊万里港から出荷されたことを理由に“伊万里”の名で親しまれた』
銀河万丈『東洋の美しい磁器に匹敵するようなものをつくれ。かの名窯マイセンも女王よりこの命を受けて開かれたほど』
銀河万丈『有田地区の製品を「有田焼」、伊万里地区の製品を「伊万里焼」と呼び分けるようになったのは近代以降』
銀河万丈『船に変わって鉄道が輸送の主力となってからのことである』
・
・
《中略》
・
・
銀河万丈『初期伊万里の大皿である』
銀河万丈『有田・伊万里焼の中でも古いものを古伊万里。さらに最初期のものを初期伊万里と呼ぶ』
銀河万丈『左右、そして上部に飛ぶような図柄は伝説上の鳥・鳳凰』
銀河万丈『なぜ三匹かというと鳳は雄鳥を凰は雌鳥を表し、鳳凰は雌雄同体という説がある』
銀河万丈『また、皿の下側には職人の指跡が残っている』
銀河万丈『その理由は初期の焼き方が後の物に比べて未熟だったため』
銀河万丈『中期以降は一度素焼きにするのに対し、初期は生土のまま釉薬へ浸す』
銀河万丈『跡が残らないよう縁を支えて引き上げるのが普通なのだが、これが生土だとどうしても割れてしまう』
銀河万丈『この指跡からは未熟ながらも懸命に焼き物へ挑む職人の姿が見て取れるだろう』
銀河万丈『果たして鑑定やいかに』
https://www.youtube.com/watch?v=3ivomNHcWwI
有田焼
中島誠之助「……」ジロジロ
今田耕司「さあ、ご本人の評価額ですけれども。お幾らくらいでしょう?」
伊佐坂「500万円で」
今田耕司「買った時と同じ500万ですね。もしもっと高かったらどうします?」
伊佐坂「将来、娘に受け継いでもらえたらなと考えてます」
今田耕司「なるほど、息子さんじゃなくて娘さんに。そりゃそうですよ」
今田耕司「親父が500万や言うてんの、あの息子5万で売ろうとしたんですから!」
甚六「……」ニヤニヤ
\HAHAHAHA/
イチ
ジュウ
ヒャク
セン
・
・
・
コンマ2桁×100万円 ↓1~3の中から一番高い金額
ジュウマン
ヒャクマン
センマン
31,000,000円 カシャン
今田耕司「3,100万円!!」
\お~~~~~~~~~~/
伊佐坂「どうもありがとうございます」
伊佐坂「100万で1が出た時はヒヤッとしました」
今田耕司「これ3,100万!?おい息子!!」
甚六「……」ニヤニヤ
\HAHAHAHAHA/
中島誠之助「これは紛れもなく初期伊万里の染付、本物でございます」
中島誠之助「有田・伊万里が生まれて間もない頃の染付は数が非常に少ないんです」
中島誠之助「古伊万里は外国で「オールドイマリ」なんて呼ばれ方をされてまして、コレクターも大勢いるもんだから必然的に値段が高くなるんですね」
今田耕司「なるほど」
中島誠之助「これは柿右衛門以前の古伊万里。それも最初期の初期伊万里」
中島誠之助「初期はたっぷりの釉薬で以って厚ぼったく染め付ける」
中島誠之助「さらに皿の形も中心へ向かって厚く作られている」
中島誠之助「初期はとにかく割れやすい。割れないように割れないように、指の跡もその証ですね」
中島誠之助「吹墨で三匹の鳳凰の図柄も素朴と絢爛を併せ持っていて味わい深いですねえ~」
中島誠之助「型紙を置いてその上から青を吹きかけると、こういう白抜きになった輪郭が浮かび上がるんです」
中島誠之助「これを5万で売りに出して買い手がつかないってのは殆ど奇跡と言っていい」
中島誠之助「これからまた大切になすってください」
伊佐坂「はい。ありがとうございます」
今田耕司「くれぐれも勝手に売られないように」
伊佐坂「はい。気をつけます」
\HAHAHAHAHAHA/
今田耕司「いやー、これをフリーマーケットで5万円で売ってたって、考えただけでもゾッとするわホンマ」
今田耕司「これフリマに来てたお客さん今テレビの前で絶対後悔してますよ!」
今田耕司「後悔しすぎて500円の脇差で切腹せんとええんですけどねえ」
\HAHAHAHAHAHAHAHA/
今田耕司「ええもん見せてもらいました。またこれからもコレクション増やしていってください」
伊佐坂「こちらこそ今日はどうもありがとうございました」
\パチパチパチパチ パチパチパチパチ/
銀河万丈『お宝鑑定希望の方、お宝を売りたい方は、お宝の写真とエピソードを添えてご覧の宛先までどしどしご応募ください』
銀河万丈『お待ちしてまーす!』
今田耕司「では鑑定団また来週です。さよなら」
―終―
カツオ「お父さん――」
波平「カツオ、何も言うな……」
フネ「え?じゃあ伊佐坂先生の有田焼を5万円で買わなかったのはお父さんなんですか?」
波平「うむ……」
サザエ「あのー、入ってもよろしいでしょうか……」
マスオ「失礼します」
波平「どうしたんだ、二人ともかしこまって」
サザエ「これをお返しに参りました……」
マスオ「お義父さんが大切にしてた柿右衛門の大皿です」
サザエ「本当は傷ひとつつけてません……」
波平「なに!?!?!?!?!?」
カツオ「やめてよ。今日はただでさえ良い夢見れそうにないのに」
タラオ「パパー」
フネ「あなた、もう夜も遅いですから」
波平「ん、んん……すまん……」
マスオ「あー、タラちゃんも起きちゃったのかい?」
マスオ「サザエ、この際だから皆の前で話した方が良いんじゃないかな」
サザエ「それもそうね」
サザエ「あれはテレビ用の作り話よ。ああ言った方が面白いと思って」
フネ「まあ」
波平「呆れた奴だ」
マスオ「すみません。僕の給料日前だったもので……」
サザエ「でもちゃんと返済してこの通りお皿は取り戻しました」
カツオ「本当はあんな青銅器じゃなくてこっちの柿右衛門を鑑定団に出すはずだったのに!」
サザエ「ごめんなさい」
ワカメ「それでお姉ちゃん、藻屑さんのお皿は質屋で幾らになったの?」
サザエ「えーっとねえ――」
波平「サザエ、言わんでよろしい」
サザエ「え?」
波平「鑑定士なんぞに価値を決められる筋合いはない」
マスオ「お義父さんのおっしゃる通りです」
サザエ「そうね。たとえ価値が有ろうと無かろうと、このお皿は我が家で大切にしていきましょう」
カツオ「そんなあ……明日学校でみんなになんて言えばいいのさ……」
フネ「カツオ、我が家で大事にしていけばこの大皿はいずれあなたの物になるのよ」
カツオ「え?ホントに!?」
波平「左様」
カツオ「わーい!やったー!」
波平「まったく現金な奴め」
ワカメ「きっと藻屑さんも天国で喜んでるわね」
タマ「……」トコトコトコ
タマ「にゃ~」
サザエ「あら?タマがお仏壇に向かって鳴いているわ!」
カツオ「きっとお供え物のおはぎが食べたいんだよ」
カツオ「柿右衛門の大皿でタマにも1個あげたら?」
波平「バカモノ」
カツオ「も~、冗談だよ~……」
磯野家「ハハハハハハハハハハハハハハハハ」
磯野藻屑「……」 (^-^)
おわり
元スレ
【安価】カツオ「え!?“出張!なんでも鑑定団”がこの町に来るんだって!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454218813/
【安価】カツオ「え!?“出張!なんでも鑑定団”がこの町に来るんだって!?」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511195826/
【安価】カツオ「え!?“出張!なんでも鑑定団”がこの町に来るんだって!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454218813/
【安価】カツオ「え!?“出張!なんでも鑑定団”がこの町に来るんだって!?」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511195826/
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コメント一覧 (11)
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- 2017年11月28日 02:32
- 毎週見てるから、声が普通に脳内で再生されるから困る
普通に面白かったよ
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- 2017年11月28日 03:06
- SSでもタラヲカスだった
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- 2017年11月28日 04:00
- サザエが皿割ったのにカツオが小遣い減らされてモヤモヤしてたら
割った本人のサザエが反省するどころか「口答えするんじゃありません」とか言ってて読む気失せたわ
この作者頭沸いてんのか?
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- 2017年11月28日 06:16
- このSSは中盤からが本番。
導入部は雑でも番組特有の会話とナレーションがサザエさんと上手く絡んで面白い。
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- 2017年11月28日 10:34
- 序盤のカツオへの理不尽なあたりとか、父親の宝を買ってに売ろうとして反省も謝罪もなくヘラヘラして逆に父親が責められたりとか
キチガイじゃん。
これが面白いと思ってる作者も読者もキチガイだな。
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- 2017年11月28日 12:17
- カツオへの理不尽な仕打ちとか日常茶飯事なんだがサザエさん見た事無いヤツが複数いるとか信じ難いんだが
安価は空気読めてて大変良かったです
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- 2017年11月28日 13:46
- 幼児は電車賃ただじゃないの?
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- 2017年11月28日 16:44
- 良く出来とるわ オモローやった
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- 2017年11月28日 22:55
- ※7
このSSの導入部みたいな理不尽なことはアニメ本編でもないぞ。
ハゲはタラカスに甘いことはあっても叱る時は平等にしてる。
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- 2017年11月29日 19:38
- 良く出来てて面白かった
ともあれどちらもいい具合に再現してて面白かったっす