【安価】男「戦闘職使えないけど何でもする」
男「ふぅ」
彼は王様の力を借りて王都に店を開いた
店頭の看板には『お悩みや困難にぶつかった方を何でもして助けます』とある
彼は戦闘職を使えないのだが、それ以外の殆どを網羅している
一応本気を出せば戦闘出来る...らしい
男「誰か来ないかな」
下2>>仕事内容
如何にも魔女という感じの帽子やローブを身に纏った女性だ
男「こんにちは。用件をどうぞ」
魔女「えっと...私って何に見えます?」
男「魔女。魔法使いって方が良いですかね?」
魔女「そう、魔女に見えますよね?」
男「ええ、まぁ」
魔女「魔法職使えません...」
男「ほほう」
魔女「で、でも!それ以外なら何でも出来ます!」
男「何故その服装なのかという疑問が生まれましたが、この際どうでも良いです」
男「貴方、僕と同じですよ」
男「僕も戦闘職以外なら何でも出来るんですよ」
魔女「そうですか、雇ってくれません?」
男「緩やかな流れしてたと思ったら急に話が三角飛びしてきた」
魔女「こんなんじゃ雇って貰えないんですよー!」ダンッダンッ
男「地面をダンダンするな。まぁ雇ってあげますけど」
魔女「ベッド付いてますか」
男「付いてるよ」
魔女「え?」
男「疲れたら寝とけ。聞いてくるとは思ってなかった」
魔女「そうですか、ありがとうございます」
魔女(ホワイト!ホワイトだここ!)
下2>>仕事内容
男「おおお...何の音だ!?」
「申し訳ない!開けてはくれないか!?」
男(両手が荷物で塞がっているのかな?)
男「はーい、今行きます」ガチャ
犬「いやぁ、助かった」
男「...え?」
犬「ははは、固まるのも無理はない」
男「依頼で?」
犬「ああ」
男「犬から金とろうなんて思ってないよ」
犬「そうか」
男「ところで、どんな依頼だい?」
犬「飼い主を探して欲しいんだ」
男「成る程。では特徴を教えてくれ」
犬「そうだな...」
男「ほうほう、イケメン...」
魔女「イケメーン?」
犬「イケメーン」
犬「こほん、そしてサディストだ」
男「S...と」
男「よし、良いでしょう」
男は棚から水晶玉を取り出した
男「一応、『占い師』は出来るので」
男「...むむむ、見えるぞ」
男「都市の南部...白い橋のたもとに居る」
男「しかし、大変荒れているご様子。近づくと縛られそうですね」
男「そして、その物憂げな表情に見とれる女性が_____」
犬「あ、もういいです」
魔女「確かに見えすぎの喋り過ぎね」
犬「ありがとうございました!!」ズダダダ
犬は何処へともなく走り去った。
多分南部を目指しているのだろうが
下2>>依頼内容
男(ノックの必要などないのだが...)
女騎士「失礼する」
男「何かお困りで?」
魔女(うわっ、堅っ苦しいの来たよ...)
女騎士「うむ、実はな...」
男(何だろう。オーク退治とかか?)
女騎士「くっ殺ごっこに付き合って欲しいんだ」
男は困惑する。今この女、女騎士が吐き出した言葉をにわかには信じ難かったからだ
男(くっ殺ってあれだよな?)
魔女(何が女騎士だ!とんだ破廉恥女だ!)
女騎士「や、やはりこのような事...」
男「いや、やりますけども」
魔女(やるのか...)
男「ふふふ...」
男(そういやこれこの後どうするんだ?)
女騎士「えーっと、説明し忘れてましたが、この後は適当に言葉責めして頂きながらですね」
女騎士「...その、ボディタッチを」
男「はぁ...分かりました」ジトッ
女騎士「ああ...その目が良いぃ...」ウットリ
男「やっと帰りましたね」
男「一体何だったんでしょうか」
魔女「只の変態」
男「僕もそう思う」
魔女「あんなのばっかなのかな」
男「酷い言い様だが分からなくもないその気持ち!」
下2>>依頼内容
男「どうもこんにちは」
男(お坊さん...?しかし子供か)
男「ご依頼をどうぞ」
一休「はい。実は、住職の水飴を食べてしまったのです」
男「ほう。で、怒られないようにしたいと?」
一休「そうです」
男(うわ、東方の書物でこんな話読んだよ僕)
魔女「...何かどっちも悪いね」
男(ここはかの書物の様に解決すべきか?いや...)
一休「どうかされましたか?」
男「ええ、胃を重そうにしているように見えてです」
一休「丸ごとぱくっといってしまったもので」
男「!!閃いた」
男「その飴、取り出して見せます」
魔女「私より魔女的なそれだ」
男は唐突に鍋で調合を始めた
男「出来た!」
男「では、飲んで下さい」スッ
調合された液体を差し出す
一休「は、はい」ゴクッ
魔女「...」ドキドキ
一休「うっ、おえっ」
嗚咽を漏らす
男「...」
魔女「!?」
一休「はぁ、はぁ」
男「出ましたね」
魔女「気持ち悪くなってきた」
結論からいうと、吐き出させた。それだけである
男「薬師スキルは便利ですな...まぁ、さっきの苦しみは自分への罰とでも思って下さい」
男「ちょっと溶けてるが...まぁいいでしょう、これを」スッ
溶けかけた水飴を差し出し、腑に落ちない顔つきで一休が受けとる
一休「では」パタン
男「んー...速攻で解決するからな」
魔女「いや、本当ですよ。少しは私に仕事振ろうとか思わないんですか?」
男「無理にでも働きたい?」
魔女「働きたくないでござる!」
男「ほれみろ」
魔女「ん、ああ、はい」
男「...そういや、魔女さんはどこで寝泊まりしてるんですか?」
魔女「え」
男「え、って何ですか」
魔女「ふふ、秘密ですよ。女の子には必要な要素です」
男「確かに、他人の寝床を聞くなんて失礼でしたね」
魔女「そうですよ、品性ありそうに見えるんですけどね」
男「僕も聞かれたら困惑しますね」
魔女「何処で寝てるんですか?」
男「おい品性。この店舗の二階ですよ」
魔女「一応教えてくれるんですね」
男「...」スースー
男はぐっすり寝ている
一方、家の前では
魔女(魔法以外なら何でも出来るっ!)ガチ...ガチ...
魔女(つまりピッキングも余裕って事!)カチャ
魔女(侵入完了)
男「ん...く」ムクッ
男「...」
男「...僕はまだ寝惚けているようだな」
魔女「リアルです」
男「は?」
魔女「ちょ、そんな威圧しなくても良いじゃないですか」
男「そらビビるよ」
魔女「雰囲気ぶち壊しですよ」
男「お前に言われたくねぇよ」
魔女「な、何でしょうか」
男「何故侵入した?」
魔女「えーっと...」
男「返答によっては...分かるな?」
魔女「ひ、ひぃぃ...」
男「なんだ?何か後ろめたい理由があったのか?」
魔女「理由なんて無いです」
男「えっ」
魔女「で、でも、ほら見てください」
そこには、朝飯が作られてあった
魔女「どうかこれで許していただけませんか!」
男「...良いでしょう」
魔女「いぇーい!」
男「魔女さん?」
魔女「はい」
男「朝飯、美味しかったですよ」
魔女「そ、そうですか」
男「何を動揺しているのか」
男「開店です」
下2>>依頼内容
男「どうも...って、女王様じゃないですか!?」
女王「ええ、そりゃそうでしょう」
魔女「!?!!!?」
女王「フランクで良いですか」
男「お気になさらず」
女王「ありがと。あぁすっきりした」
魔女「!?」
女王「そこの目を白黒させている女性は?」
男「多分魔女です」
女王「ふーん。今日は個人的な相談で来たんだけど」
男「...」ジトッ
男「またお忍びで来られたんですね?」
女王「な、何か悪い?」
男「同じ事を言うために、ですか?」
魔女「同じ事!?」
魔女が先程から全体的にパニックだが、それを見かねた男が補足する
男「女王様は一部の人間に対してフランクに接する事を好む」
男「そうだ、じゃあ言ってみて下さいよ。依頼」ズイッ
男「この前と何も変わらないじゃないですか」
女王「うっ、うるさい!」
男「はぁ、僕みたいな平民よりもですね」
女王「そのセリフは嫌いじゃ!」
男「あっ、素が出た」
男「とりあえず帰って下さい。休暇にでも来て下さいよ」
女王「...休暇なら良いのか?」
男「まぁ、そうですね」
女王「しかと記憶した。さらば!」ズダダダ
女王は去って行った
男「ふー、ありゃ疲れる」
魔女「そういえば、何で女王様がここに?」
男「求婚」
魔女「ヒモになれよ」
男「嫌です」
男「実の所はな、王と女王は仲は良いんだがな、異性関係ではない」
男「先に結婚した方が権利を手にするんだけども」
男「そんな理由で求婚されても嬉しくないよなぁ」
男「...あ、これ国家機密」
魔女「ふざけてるんですか?」
男「ちょっとね」
下2>>依頼内容
魔女「胡散臭い」
男「早えよ」
悪徳商人「あ、やっぱ分かるんですね」
男「ええ」
魔女「セールスかな」
男「その程度なら良いけどな」
悪徳商人「足を洗いたいんです!!」
男「ほう」
悪徳商人「はい...」
悪徳商人「うちの店は裏の人間から融資を受けて成り立っているんです」
悪徳商人「その代わりに悪どい事をしているんです」
男「つまり金欠だと」
悪徳商人「はい。なのでその裏の人間をどうにか_____」
男「いや、そんな発想だから駄目なんだよ」
男「取引先紹介してやっから。必要な資本揃えてとっとと夜逃げしろ」スッ
男は連絡先の書かれた紙を出す
悪徳商人「あ、ありがとうございます!」
悪徳商人「それでは!」ガチャン
男「ダチの出来る職業じゃないよあれは」
魔女「当たり前」
男「薬師でもダチが出来るのにね」
魔女「えっ」
男「過去の文献探しの旅をしたんだ。その時にね」
下2>>依頼内容
男「...あ、女か」
男「...」
女「無視すんなゴラー!」グラグラ
男「あぅあぅ、肩揺らすな」
男「一体何の用だ?」
女「結婚して!」
男「...なんで?」
女「それは野暮ってもんだー!」
男「えぇー...」
……するんだったら我が家でしてよ
女「えっ」
女(意外に好感触)
男「...するんだったら我が家でしてよ」
女「く...///」
男「もしかして駄目元で言ったの?」
女「そ、そんな事...そこそこ付き合いも長いし」
男「付き合いが長いなら家に入る事ぐらい何ともないだろう?」
女「うん。ありがとう」
魔女(甘い!この空間は甘過ぎる!)
女「ちぇ」
女「また...来るね?」ガチャン
女はドアから出たあとすぐ走り去って行った
男「ふぅ」
魔女「何かおかしいと思ってたんですよ!」
魔女「普通に女の子と共同空間でリラックスしてるし!」
男「はぁ」
魔女「好意向けられまくりやがって」
男「いや、僕は誰にでもこんな感じだよ」
魔女「ふーん」
下2>>依頼内容
中性的な見た目をしている。しかし、何よりとても怯えているように見える
男「どうしたのだ?妙に怯えているね」
魔女「!?魔女幼!」
魔女幼「魔女!?」
男「おや、知り合いかな。うちの従業員だ。労働してないが」
魔女「一言余計ですーっ!」
魔女幼(...魔女も巻き込んでしまうのか)
男「あ、依頼がまだだったね」
魔女幼「はい、実は...」
男「...」
魔女幼「この国で内乱を起こしたいんです」
男「やめとけ」
魔女幼「なんでですか」
男「この国に余程のご不満がおありのようで」
男「...ちょっと言ってみて下さい。変えたい所」
魔女「えっ」
男「成る程。まぁどうにかなるでしょう」
男「今度の休暇、ここに王女様が来ます」
男「僕の要求なら多分聞いてくれるので待ってて下さい」
魔女(こ、こいつ、人の恋心を利用して...)
魔女幼「そんな事が信じられるとでも?」
男「そうだな。魔女でも賭けるか?」
魔女幼「そこまで言い切るなら信じます」
魔女「!?」
男「...ふふふ」ニヤリ
魔女「訳が分からない!外道か!?」
男「いえいえ、きっと誰も苦しみません」
魔女「人を賭けに使うな!」
男「あの方なら絶対にそこで引くと読めていたので」
魔女「どういう事なの...」
下2>>依頼内容
男「どうも、こんにちは」
伯爵「いきなり本題でよろしいか」
男「はい」
伯爵「戦闘のエキスパートを借りたい」
男「ふぅむ...」
伯爵「やはり難しいか」
男「いえ」
魔女「私に出ろと?」
男「格闘技いける?」
魔女「余裕」
男「問題ないな」
伯爵「ふむ、そこのお嬢さんかな」
男「こう見えても魔法以外得意なんです」
男「因みに、どんな理由で戦闘のエキスパートを必要としているのですか?」
魔女「プレッシャーを感じるね」
男「君なら大丈夫だよ。頑張って!」
伯爵「私からも、期待しているよ」
魔女「はい!頑張ります!」
伯爵「じゃあ、行こうか」
伯爵と魔女はそのまま出ていった
男「早いとこ店閉めて寝よう」
男「長く仕事し過ぎた。明日は短く切り上げるかな」
男「何か忘れているような...」
男「ま、いっか」
男「眠い。寝よう」
女「寝かさねーよ?」
男「どっから侵入した?」
女「最近のレディはピッキングもたしなむの」
男「随分と物騒だしそれは犯罪だ」
男「...まぁ、今更逃げようなんて思わない。安心してくれて良い」
女「...いいの?」
男「...」
女「私と、結婚して下さいっ!」
男(...ん?)
男(しまった、女王様に直談判しなけりゃならないのに、ここでプロポーズを受けては...)
男(契約不履行だけはあってはならない!)
男「...あ、ごめん。そのセリフ、もう少し先伸ばしでいいかな?」
女「はぁ!?」
男「やや、本当に申し訳ないよ。答えはYESと保証するから」
男「その代わりと言っては何だけど、一つお願いを聞いてあげよう」
男「個人的に...ね」
男「...?」
女「じゃあ...」
女「胸、大きくして貰える?」
男「良いですとも」
男「しかし、どうした物か」
男(まだ育つなら放っておくのが一番)
男(意味無く他人を実験台にするような事はしない)
男「...とりあえず調べるか」
男は家の物置から水晶玉を取り出した
男「げっ、汚れてやがる」フキフキ
男「よし、占うぞ」
水晶玉にはふくよかな胸が映る
男(ほほう、でかいな)
男(さしずめEカップといった所か)
男「女ぁー?」
女「嫌、見たくない」
男「結構でかくなるよ」
女「えっ」
男「安心してよ」
男「Eカップ」
女「!!」
女「マジ!?」
男「うん」
女「しゃおらー!!」ゴロゴロ
男「止めろ床でローリングするな」
女「この嬉しさを分かち合える相手がいない!」
男「僕じゃ駄目なのね」
女「嫌だー!」
男「こんの我が儘娘が!」
女「男とイチャイチャしたいし、手料理食べたいし、一緒に風呂入りたいー!」
男「本当面倒臭いね!?後最後のは駄目だよ!?」
女「それ以外は許してくれるのが優しい」
男「そんな事は無い」
男「はぁ。...何食いたい?」
女「ラーメン次郎の___」
男「無理に決まってるだろう」
女「冗談冗談。じゃあね...」
男「辛さは?」
女「激辛」
男「分かった。...あ、じゃああの調味料が必要だな」
男は戸棚から粉末を取り出した
実はこれ、調味料などでは無い。
体のバランスを整える効果のある薬である
しかし異様な程辛い為激辛カレーを作る時に用いているのだ
男「じゃあ少し待ってろよ」
女「口の中がまだひりひりする」
男「何故頼んだ...」
女「男の料理を摂らないとバランスが崩れるのだ」
男「きちんと自己管理しといて下さい」
男「じゃあ、僕はもう寝ます」
女「ベッドは」
男「別です。廊下に滅茶苦茶高級そうなベッドがあったらそれです」
女「えぇー」
男「駄々こねないで下さいよ」パタン
男は自分の寝室に入って行った
女「くくく...私が引き下がると思ったか男よ」
女「寝室に侵入してくれる」
~寝室~
女(寝てるな)
女(無防備な姿を晒して良いのかな?)
女(何しよう)
魔女サイドは男サイドで一日を終えたらにします
女(...ぱふぱふ!!)
女の胸は、まだ平常サイズであり少々物足りない
女「まぁ、いいよね」パフパフ
女(ふふふ)
時は遡る
伯爵「いや、申し訳ない。もうこんな遅くになってしまって」
魔女「いえ、大丈夫です」
伯爵「流石に丈夫だね。待っていてくれ、今夕食の用意をさせる」
伯爵「因みに、私の息子も参加する。挨拶がてら顔を合わしてみるといい」
魔女(いい人だなぁ)
プライドが高い
魔女「わぁ、豪華なディナー!」
伯爵「喜んで頂けたようで何よりだよ」
伯爵子「...」
魔女「?」
伯爵子「...」フイッ
伯爵「あの子はね、どうにもプライドが高いんだ」ヒソヒソ
伯爵「跡継ぎとして悪い事じゃ無いんだけどね」ヒソヒソ
伯爵「大方、君が女性だからだろう。私もこんなこと言いたくないのだがね」ヒソヒソ
伯爵「集中力のある子だし、君の事もすぐに気に入ってくれるだろう」ヒソヒソ
伯爵「さて、ディナーにしようか」
伯爵子「...はい」
魔女「はい!」
魔女「という訳で私が君に教えてあげる人間だよ。教師って程大層な物でもないけど」
伯爵子「一つ、良いですか?」
魔女「はい」
伯爵子「俺と手合わせして下さい」
伯爵子「そっちの方が手っ取り早く課題も見つかるでしょう」
魔女(挑戦って訳だ)
魔女「良いですよ」
魔女(そこそこパワーはあるみたいだね)ガシッ
伯爵子「ふんっ!」シュシュシュ
魔女(スピードタイプへのシフトチェンジか)スカッ
伯爵子「せいっ」ブオンッ
拳での連撃から一転、足払いだ
魔女「とっとと決めさせて貰います」ピョン
飛び上がり
魔女「ふっ!」シュイン
鞭の如く素早い蹴り
伯爵子「...完敗ですね。素晴らしいです」
魔女「どこか痛む?」
伯爵子「いえ、そんな些細な事等どうでも良いです」
伯爵子「...俺に武術を教えて下さい」
魔女「任せて!」
男「こうしてボッチになる」
男「一人でいると落ち着くがね」
男「ふぅ。さて、じっくりと待ちますかね」
下2>>依頼内容
男「!?」
扉越しに異様なパワーが立ち込めている
男「...いらっしゃるなら入ってきて下さい」
魔王「うむ」ガチャ
男「な、何の用ですか?」
魔王「そう緊張せずとも良い」
男(気ぃ抜いたら気絶するわこんなん!)
男「え」
魔王「生きる事に意味を感じなくなってな。どうにか殺してくれないか?」
男「...良いでしょう。確実な方法があります」
男「魔法も攻撃もしませんがね...」
男は棚から邪悪なガラス瓶と飲み薬を取り出した
男「これの飲み薬は最強の回復・防衛アイテム。しかし、その逆にも出来る」
男「この瓶があればね」
冥界の霧が立ち込める
男「心地よいでしょう」
魔王「ああ」
男「これを飲んで下さい」スッ
飲み薬を渡す
魔王「うむ____」ゴクッ
魔王は霧散した
※冥界の霧は回復量=ダメージになる霧
魔女「はっ!!」ガバッ
魔女は覚えの無いベッドで目を覚ました
伯爵の使いが入室してくる
使い「お目覚めになられましたか。お二人共外で倒れていましたよ?」
魔女(そうだ、あの後外に出て修行していたから体力が...)
魔女「ごめん、心配をかけさせたみたいね」
魔女「因みに伯爵子君は何処に?」
使い「今起きたと報告が」
魔女「ありがと」
男「換気疲れた...」
男「これで魔王も物理的に千の風になってくれた事でしょう」
男「...これって、平和貢献?」
男「どうでもいいか」
どうでもいい自問自答を繰り返す
下2>>依頼内容
男「姫!?」
姫「びっくりしたか?びっくりしたか?」
男「五月蝿いですね全く」
姫は女王と王とは違い、結婚に意欲が無い
しかし、王族の中でも先代王に気に入られている
その為結婚相手を紹介されるが、大抵は政略絡みのついで扱いである
男「無い」
姫「どうなっておるのじゃ」
男「こっちのセリフだよ全く...」
男「で、依頼は何ですか?」
姫「政略結婚が___」
男「僕には止められないので自力でどうぞ」
姫「違う!そうではないのじゃ!」
男「ほう」
姫「だから妾は姫を辞めるのじゃ!」
男「そんな勝手な事相談しないで下さいよ」
姫「煩い!この職務放棄ヤロー!」
男「...」
男「まずですね、貴方が姫を辞めようとする事が間違いです」
男「それを理解させてあげましょう。...あ、説教する訳ではないのでご安心を」
姫「そ、それは?」
男「これは床下収納ではありません。まさに『扉』です」
男「これは異世界に繋がっています」ギィ...
男は扉を開く
姫「異世界!?」ワクワク
男「ええ。ここには貴方を姫として扱ってくれる者は居ません」
姫「是非行かせてくれ!」
男「良いですよ。元よりそのつもりですしね。明日の朝ここに呼び戻します」ピンッ
姫の口の中にチップを入れる
姫「はぶっ!?何を入れた!?」
男「これを使って呼び戻すんですよ」
姫は勢い良く入って行った
入って暫くはダメージ軽減が付与されるので、まぁ痛くはないだろう
男「ふー...」
男「ま、死にはしないでしょう」
魔女(昼飯昼飯)モグモグ
伯爵「はは、流石にエネルギーを使ったか」
伯爵子「魔女さん」
魔女「はい」
伯爵子「午後の修行はどうしますか?」
魔女「うーん...夜までじっくり休もう。それからだね」
魔女「無理してまた倒れられてもね」
伯爵子「分かりました」
魔女「ふぅ」
魔女(休むよう言ったけど、この館を探索してみようかな)
魔女「...」トコトコ
魔女「...あっ」
魔女は不審に思い周りを探る
魔女「?」
魔女はカーペットに一ヶ所捲れる点があるのに気付いた
そしてそれを捲ると、地下へと続く梯子があった
魔女「梯子...?」
魔女「お、温泉!?」
魔女「温泉があるなんて...ここは一体どうなっているの?」
魔女「色々探索して見ましょう」カンカン
魔女は梯子を登り再び探索を始めた
像が置いてある
しかし、どうにも不自然だ。単体でそこにある上に生きているような気がする
魔女「ねぇ」ガシッ
ガーゴイル「うわっ!」
魔女「やっぱり擬態だったのね。ここで何してんの?」
魔女「え!?」
ガーゴイル「いや、遊んでいたら像と間違えられた」
魔女「無駄に精巧ね...」
魔女「立場上助けてあげる事は出来ないけど見逃してあげるわ」
男「今日マシなのが来てないなぁ」
男「そろそろ閉めようかな」
男「むむっ、客の気配」ピクッ
下2>>依頼内容
男「こんばんは」
男(人外でもまだまともな部類だな)
リザードマン「実は、浮気調査の依頼でやって来たのです」
男「ほほーう。それでそれで?」
リザードマン(何だか凄い喜ばれている気がする)
リザードマン「嫁がフロッグマンと浮気しているかどうか、です」
男「成る程。因みに嫁さんは家に?」
リザードマン「今日は居ますね。明日からの動きが重要です」
男「何故ですか?」
リザードマン「一度盗聴器を仕掛けた事がありまして」
男「それは今ありますか?」
リザードマン「何だか悲しくなってデータを消してしまいました」
男「そう、てすか...」
リザードマン「こちらが住所です」スッ
住所の書かれた紙を受けとる
その背中はどことなく寂しげだった
男「...クッソまともじゃないか」
男「寝よう」
魔女「やるね!」ギュウウウン
伯爵子「いえいえ」ギュウウウン
大気が振動する程大きな溜めから放たれる一撃をぶつける
ゴゴオオッ!!
魔女「うん。大体のコツは教えたよ」
伯爵子「はい」
魔女「体壊さない程度に鍛練してね」
男「よし」
男「とりあえず喚び戻すか」
男は召喚術式で姫を呼び出す
男(生きてれば良いが)
安価なら下
男「!?」
男(明らかに強くなっている...覇気すら纏って...)
姫「ふふふ」
男(僕は精神と時の部屋を解放した覚えは無いぞ)
姫「妾は理解したぞ!溢れる力を!政敵など妾が破壊してくれる!」
男「そうですか...」ポカーン
姫「またの」ダダダダ
姫は帰って行った
男はリザードマンの家まで来た
男(あとはバレないよう張り込むだけだ...)
男(慎重に行こう)
男(!!)
男(ん?いや待て、あれは...)
男(め、メスだ!奴はフロッグマンじゃない...)
男(フロッグウーマンだ!!!)
男(ど、どういう事だ?まさか偽装結婚...?)
男は一旦その場を離れた
リザードマン『!?ど、どこから...』
男「念話魔法です。聞こえていますか」
リザードマン『ああ、すまない私だ。何かあったのか』
男「一つお尋ねしてもよろしいですか?」
リザードマン『ええ』
男「子供を作る予定はありますか?」
リザードマン『あります』
男「そうですか、ありがとうございました」
男「探偵はおしまいですね」
男「でも折角住宅地に来たんだし、どっか寄って行こうかな」
男「...と言っても何処にしよう」
伯爵「来客?」
使用人「はい」
伯爵「どんな奴だ?」
使用人「男性です」
伯爵「ははは、面白い洒落だな。...で?どうなんだ」
使用人「ええっと...」
伯爵「ふむ」
使用人「髪は黒髪」
伯爵「ほう」
使用人「顔は中の上です」
伯爵「通せ」
使用人「畏まりました」
男「近くまで来たものでして。立ち寄ったのです」
男「やはり大きな家をお持ちになられているようで」
伯爵「いえいえ、そんな...」
男「お高いんでしょうね」
伯爵「あ、そうです。魔女さんが今裏庭にいらっしゃいます」
男「見に行っても?」
伯爵「どうぞ」
伯爵子「ありがとうございます」
男「魔女さん。久し振りです」
魔女「そんな久し振りでもない気がするけど...」
伯爵子「貴方は一体?」
男「魔女さんの雇用主ですかね。大元の」
伯爵子「へぇ、強そうですね」
男「戦闘はあんま好きじゃないかな」
伯爵子「えっ」
男「それはちょっと違うね。戦闘専用では無いだけかな」
男「器用には戦えないけどね」
伯爵子「そうですか。何の用で来られたんですか?」
男「様子を見に来ただけさ。じゃあここら辺でお暇させて貰うよ」
男「ふぅ」
男「加圧魔法かけながら動くと良い運動ですよ本当」
男「...ん?」カサッ
ポストに何か紙が入っている
男「何が書いてあるんだコレ」
そこには、隣に同業者が出店する旨が記されていた
男「ま、明日にでも挨拶しに行きましょうかね」
男「どんな人だろう」
男「ふべっ」ガバ
男「しまった」
どうやら、疲れて寝てしまったようだ
男「体痛いわ...」
男「...ま、挨拶しに行くか」
下2>>隣の同業者の性格
性格の安価だったら「世話好き」
男「こんにちは」
金髪「あ、お客さんですか?」
その少女は金髪であり、なおかつ三つ編みであった
男「いえ、隣でやらせて貰ってる者です」
金髪「へぇ、貴方が...よろしくお願いします」グルグル
金髪の少女は、様々なアングルで男を見回す
金髪「うーん...」ジロジロ
金髪「く、くそぅ...」
金髪「何処からどう見ても悩みの原因ポイントが無い!!」
男「僕の生活は確かに充実していますね」
男「そちらこそ、何かお悩みでもあったら言って下さいね」
男「うちはお悩みというよりお願いの方が多いんですけどね。それでは」
男「良い人そうで良かったです」
男「そろそろ僕も職務に取りかからなくては」
男「...と言っても待ちが基本なんですけど」
男「受動的ですねぇ全く」
下2>>相談内容
男「こんにちは」
イケメン「落ち着いた空間だね」
男「それはどうも」
男「さて、ご相談の方に移りましょうか」
イケメン「はい。実はですね...」
イケメン「ストーカーをなんとかしてほしいんです」
イケメン「ここ最近、誰かにつけられているんです」
男「分かりました」
男「今日の所はこれを身につけて下さい」カチャ
男は小さな服のボタンの様なものを取り出した
イケメン「これは一体?」
男「発信器であり、小型カメラです」
男「ボイスレコーダーもお貸ししましょうか?」
イケメン「ありがたいです。とりあえず今日はこれで十分だと思います」
男「あとこれも」ピラ
男「この番号にかけてくれれば出ますので」
イケメン「はい、ありがとうございました」
男「彼は彼で難儀しているのでしょう」
男「少々贅沢な悩みに感じるやも知れませんがね」
男「しかしまともじゃないか。出だしは好調と言った所か」
下2>>依頼内容
男「?」
全身をダークファッションに包んだ『誰か』がそこにいるように見える
男「一体誰なんですかね」
ゾンビ娘「ゾンビです」
男「成る程。だから体を隠したがるんですね」
ゾンビ娘「生き返らせて下さい」
男「...ま、良いでしょう」
ゾンビ娘「何をされてるんですか...?」
男「世界樹の葉をすりつぶしてる」
ゾンビ娘「えっ」
男「そのまま与えたら強すぎる聖素で肉体が溶けるかもしれないからね」
男「んっ、そろそろ良いだろう」コポコポ
男「さ、飲んで下さい」コト
カップに入れて差し出す
ゾンビ娘「いただきます...」ゴクッ
ゾンビ娘「!!!」
すぐ、それが落ちて元に戻った
娘「や...やりましたよ」
男「お、おう?」
ゾンビ娘だった娘はゾンビだった分の年月を成長したように見える
男「けっこう成長しましたね」
娘「これで私も人間です」
男「ゾンビだったから、また人間に戻ったって事です」
娘「?」
男「貴方は人間です。元からそうなんですから、ゾンビの時の事なんて忘れませんか?」
娘「過去を切り捨てるのには時間がかかります」
男「ええ、応援していますよ」
娘「はい!」
娘は去って行った
男「僕の周りには訳あり人間が多いですけど」
男「それを引き寄せているのは他でもない僕」
男「そんな人間の助けになろうじゃないか」
下2>>依頼内容
男「えぇ...」
男「なんでしょうか」
女の子「今日は、お願いがあって来ました」ヨロ...
男「フラフラじゃないですか。とりあえず椅子に座って下さい」
女の子「あ、はい...」ポス
男「で、一体何のお願いかな?」
女の子「家を荒らされてしまって...」
男「ふむ、現場検証すれば良いのかな」
女の子「多分そうだと思います」
女の子「どうかされましたか...?」
良く見ると、全身に多くの痣が出来ていた
男「痣が出来ているじゃないですか」
男「さっきの余りは...あった!」
男「これを痣に塗って下さい」スッ
男「世界樹の葉のエキスです。余り物ですが効果はあります」
女の子「あ、ありがとうございま...す」
男「じゃあ行こうか」
男「うへぁー...」
思ったより荒らされている。色々見つかりそうではあるが
恐らくこの女の子一人で暮らしているのだろう
男「じゃあ探すかな」ギュン
男は手袋を着けて物色を始めた
男「ふむ、目利きしてみよう」
男(端から見れば只の変態だ)ジーッ
男「!?」
男(娘のか!)
男「なぜ娘が?そして何故ブラジャー?」
男「謎が増えたぞ...」
男(胸の大きさ等気にはしないけど)
男「ん?これは...」
男「ハンカチか。異様に綺麗だ」
男(はて、何処かで見たような...)
男「分からないな。持ち帰って調べてみよう」
女の子「犯人、分かりました?」
男「おおよそは...」
女の子「おおよそ?」
男「多分って事ですよ」
男「帰って調べものをします」
男「どれくらい進んだか知りたければまた来て下さい」
男「それではまた」
男「参考書物は...」
コンコン
ドアをノックされた
男「はい。こんにちは___おや」
魔女「只今です」
男「お帰り。もう仕事は終わったのかい?」
魔女「無事終了&修了ですね」
男「そうですか」
魔女「あれ?」
男「どうされました」
汚れを付けないようショーケースに入れておいたハンカチを魔女が見ている
魔女「うん。このハンカチ、伯爵家の使用人の物だよ」
男「本当ですか!?」
魔女「間違いない!」
魔女「良かったです」
男「...んん?」
魔女「どうしたの?」
男「魔女さん今日どこで寝るの?」
魔女「え、えーっとですね。それは____」
男「秘密は無しだよ」
魔女「ふえっ!?」
男「で、どこで寝るの?」
男「拗ねてる?」
魔女「煩い!」
男「えぇ...」
魔女「また明日」バタン!
魔女は力強くドアを閉めて去って行った
男「...魔女さん、寝るとこ無いのか?」
男「あっ」
魔女「どうしたの?」
男「本日、定休日のようです」
男「そして、王女様が来ます」
魔女「へぇ」
男「折角なので、伯爵家を調べる許可も欲しいのです」
魔女「???」
魔女「なんで許可を取る必要があるの?」
男「隠れて行動すれば良い、と?」
魔女「うん」
男「万一、捕まった時にどうにか出来るようにです」
魔女「それでも、人の心をそうやって...」
男「他人に尽くしてあげれば、その欲求は満たされます」
男「win-winの関係ですよ」
魔女「愛は無償だよ」
男「関係を保てますね」
魔女「...そういうんじゃ無いんだよねぇ...」
男「うぇ」
王女「さあ、私と結婚を___」
男「ちょっと待って下さい。僕にもお願いがあります」
王女「言ってみてよ」
男「これは僕の願いではないのですが...同性愛を許して欲しいと」
王女「...んー、それ元々私達の結婚競争でズル出来ないように作ったルールなんだよねぇ」
男「...つまり?」
王女「私と結婚すれば良いのです」
男「お付き合いからでよろしいでしょうか」
王女「よっしゃああああ!!!」
王女「はい」
男「伯爵という方をご存じでしょうか」
王女「まぁ、知っているぞ」
男「彼の家の調査をしたいのです」
男「お力添えは要りません。許可だけ欲しいのです」
王女「幾ら何でも無条件に、という訳にもいかん。何か理由はあるのか?」
男「荒らされた女の子の家から彼の家の使用人のハンカチを発見したのです」
王女「ま、どうにかなるかな...でも」
男「でも?」
王女「何かお願い聞いて欲しいなー...って」
男「どうぞ言ってみて下さい」
家へ行けますように
男「え、いや、その...」
王女「恋仲なのに出来ないと?」
男「まぁ、それもそうですね。では」チュ
王女「っ!!」
男「ふぅ、これで良いですか」
王女「ま、まぁええじゃろ///」
男「じゃあ行こうかな」
魔女「そんな簡単に付き合うなんて軽薄すぎます!」
男「だってもしかしたら僕の事を好きかも知れないけど所詮権力の為だからね」
男「愛とかとは違うように思えてきた」
魔女「なっ...」
魔女(気付いてないのかこいつ!?)
男「魔女さんは自由に休みを謳歌してね」
コンコン
ノックの音がする
イケメン「どうも」
魔女「...!?」
男「例の機械、返して下さい。データを見ます」
イケメン「これですね」プチッ
男「ええ。では、映像データを閲覧します」ピシュン
男が触れると、服のボタンのようなそれはメモリーカードになった
そして、それをモニタの脇にある穴に差し込む
男「何もないといいんですがね」
下2>>イケメンをストーカーしていた者の正体(誰もいないも可)
安価なら美少女の幽霊
魔女「猫?」
イケメン「なんだ猫ですか」ハハハ
男「...音声を拡大」
猫「ガガッ___カレヲ...ジジィッッ___カレヲヲ....」
イケメン「ひっ!?」
魔女「こ、これは...!」
男「言語能力を持っていると考えて問題ないでしょう」
男「これ程の頭脳がある猫。放置しておくと危険かも知れない」
いつもの水晶玉だ
魔女「位置も占えるの?」
男「ええ...むむっ」
イケメン「出ましたか?」
男「...イケメンさんの家の近くの路地裏ですね」
魔女「行ってみましょう」
猫「...」
男「...只の猫のふりをするのはやめてくれ」
男「君は何故、ストーカーをした?」
男「答えて貰おう。逃がすつもりはないよ」
認知して飼ってもらいたい
男「...え?」
イケメン「なっ...」
男「覚えはありますか?」
イケメン「...あります」
魔女「あるのか...」
魔女が困惑する
男「じゃあ、イケメンさんは猫を飼うという事で」
イケメン「ええ、そうせざるを得ないようです」
男「よし、解散です」
魔女「上がりぃ!」
男(さて、何をしようかな)
下2>>男の予定
男「...おや、銭湯に行かれるのですか?」
魔女「さっぱりしたいのですよ」
男「それならお勧めの銭湯がありますよ。行ってみませんか?」
魔女(き、気になる!)
魔女「じゃあ行きましょう」
男「どうです?いい景色でしょう?」
そこは海を一望出来る位置にあり、潮風の匂いが心地良い
魔女「え、えぇ...」
魔女(確かに良い光景。でも...)
魔女(混浴だなんて聞いてないッ!)
男「...おや、もうのぼせましたか?」
魔女「いや?そうじゃないけど...」
男「やはり上司が着いてくると居心地の悪い物なんでしょうか?」
魔女「そんな事は...」
男「ふーっ...もう夜ですね」
魔女「そうですね」
男「今日は何処で寝るんですか?」
魔女「っ...!」
男「正直な所を言って貰って結構です」
男「寝る場所は自由ですからね」
魔女「そう」
男「ほほう」
男「しかし、そんな場所で寝れるのでしょうか?」
魔女「怪鳥の巣があるのよ」
男「結構野性的なんですね」
魔女「それは褒めてるの?」
男「ええ、褒めてますよ」
男「それでは、また」
男「...っと、そうだ。明日も休みです」
男「自由にお過ごし下さい」
男「怪鳥の巣というのも気になりますね」
男「今度場所を聞いてみましょう」
男「休みだけど夜更かしせずに寝るかな」
男「安定した生活は宝と等しいからね」
男「...」
男「ん?ここは...店ですか」
男「まぁ良いでしょう」
男「何だか急に体を動かしたくなってきました」
男「散歩に行きましょう」スック
男が見ると、郵便受けパンパンに何かが詰まっていた
男「依頼でしょうか?いや、こんなには...」ガコッ
そこには、大量の万札が
男「...?鑑定してみよう」
男「これ全部本物っぽいですね」
手紙が一通だけ入っていた
『全世界からお主はただ一人儂の財産を継ぐことを許された。好きに使えよ』
男「...そうですか。何しましょう」
『汝、諸国漫遊を望むか...?』
男「!?」
『ククク...これは儂の実験じゃ』
『まぁその金はやるでの。良い旅を』
男「な、なんなんだ...!?」
男「む」ガバッ
男「夢かぁ」
男「...ま、いいか」
男「今日も休日か...」
男「何しよう」
~城~
男「さてと、徘徊しましょうかね?」
男「何か面白い物でもあると良いんだけどね」
男(天井のシャンデリアまでも)スタスタ
男は見回しながら城内を歩く
しかし、前方を良く見ていなかったのだ
ゴッ
誰かにぶつかってしまった
男「おー痛てて...すみません。ご無事ですか?」
男「ん?」
王女「あっ」
王女「男じゃーっ!」ガシィ
男「お、王女様!?」
王女「む」
男「え、ええ」
王女「妾達の関係は?」
男「...恋人?」
王女「なんじゃそのクエスチョンマークは!妾とお主は恋人じゃ!」グワングワン
男「わ、分かりましたぁ!?」ガクガク
王女「分かったのなら呼び捨てにせい」
男「はい」
王女「無いぞ。じゃが...」
男「?」
王女「妾と二人でホットなニュースを___」
男「んぁ失礼しました!」
男は瞬間移動した
男(しかし、恋人とはいえステップが早すぎて怖い)
男(やっぱり、権力の為?)
男「そういえば、ここは一体?位置指定しなかったし...」
男「...成る程。教会ですか」
男「祈って行きますかね?」
すると、何処からか声が聞こえる
女神「聞こえてますか?」
男「え、あ、はい?」
女神「ここは貴方の心理世界です」
男「はぁ」
女神「面白そうなのでお告げをしにきました」
男「そうですか。お告げとは?」
女神「ええ、ではお告げです」
男「怨霊」
女神「はい」
~説明~
男「...無理ですね。僕には倒せません」
女神「無理にでも倒す必要があるとは言わないけれど...」
男「ん?倒さなくてもいいんですか?」
女神「この件を無しにすると?」
男「違います。倒さずにでもどうにかすればいいんですね」
女神「はぁ」
男「じゃあ大丈夫ですね」
女神「あいよ」ピロピロピロ
男の脳内に情報が送られる
男「よし。これでどうにかなります」
女神「あ、そう?じゃあね」
男「むむむ...」
男「ふうううううん...」
男「くあぁっ!!」バリバリバリ
神父「な、何やってるんですか!?」
男「次元...隔絶...」
神父「はい!?」
男「凄い疲れた...」
男「あれ、何で僕ここに戻って来てるんだろう?」
男「癖だなぁ」
ここで男は閃く
男「あの人に依頼するか」
男「こんにちは」
金髪「あっ、隣の...確か、男さんでしたっけ」
男「はい。依頼がありまして」
金髪「えっ」
男「とりあえず聞いて下さい」
金髪「はい」
金髪「...」
男「王女が本当に僕の事が好きか調べて欲しいんです」
金髪「その程度自分で調べたらどうですか?」
男「本当か嘘か分からないんですよ」
金髪「だから私を頼ったと」
金髪「良いでしょう!やって見せます!」
男「感謝します」
男(帰って寝よう)
男「本日は仕事だ」
魔女「結局どうするの?」
男「あの家から娘のブラジャーが見つかったから捕まえる」
男「そして話を聞く」
男「女の子も連れてきた」
女の子「こんにちは」
魔女「こんにちは」
男「さあ占うぞ」
魔女「出ました?」
男「町外れの方だな」
~町外れ~
男「娘さん。そこにいますね?」
娘「...っ」
男「あなた、ここの女の子の家に侵入しましたね?」
女の子「...」
娘「過去の事は____」
男「罪の精算はする必要がありますね」
娘「...」
男「さぁ、教えて下さい」
女の子「?」
男「まさか...」
娘「そう、元々あの家は私の家だったんだよ」
娘「そして、運の悪い事に私はあそこに忘れ物をしたんだ」
娘「それからというもの、私は君の家を監視した」
娘「捨てられたごみ袋だってチェックした」
娘「ある日、何者かがあの家に押し入った」
男「その隙に取り返したと」
娘「そういう事だよ。ほら」キラッ
娘はとても小さなペンダントを取り出した
男「成る程。確かに綺麗だね」
男「娘は白って事だよね」
魔女「うーん...となるとやはり伯爵さんか」
男「行くしかないな...ステルス!」
三人は透明になった
男「潜入成功」
魔女「思ったより簡単」
女の子「怖い...」
男「?なんだこの本」
男が広い上げたのはこの家で起こった事の雑記のようだ
男は女の子の家が荒らされたとおぼしき日のページを開く
魔女「悪魔を?」
男「恐らく、ここで悪魔を呼ぼうとしている」
男「そして、その為にはあの家の何かが必要だった」
女の子「それって...」
魔女「とばっちりね」
男「魔力探知」ピピーッ
男「地下ですね。行きましょう!」
男「やはり...!」
使用人「そこにいらっしゃるのは...」
男「問題はそんな所じゃない。貴方が成し遂げようとしている事についてですよ」
使用人「!」
男「この魔力は間違いなく悪魔のそれ。しかし、悪魔を喚んで何をするつもりなんですか?」
使用人「...」
男「?」
使用人「私は、伯爵様が好きだった」
使用人「しかしあの人は何処の誰とも知らぬ女性の子を持った」
使用人「その女はもういない。...いや、もしかしたら最初から居なかったのかも知れない」
使用人「もう、意味がない。私は人として抜け殻になってしまったんだ」
使用人「でもここには救いがある。悪魔だろうがなんだろうがそれは救いなんだ」
使用人「必ず過去に戻る!こんなタイムラインも全て消すんだ!」
使用人「...時間を支配して」
男「...」
男「魔女さん。取り押さえて下さい」
魔女「承知」ガシ
使用人「くっ...悪魔よ!」
男「白々しいですね。貴方が悪魔です」
使用人「!?」
男「貴方は操られているのです。肉体はともかく、その心を」
男「解呪」
使用人「」クタッ
悪魔「オオオオッ...」
男「...あ、悪魔喚んだ後の事考えてなかった」
魔女「私が倒す!」ダッ
悪魔「ストップ」
魔女「うぇ」ピタ
男「魔法耐性も無いんですね...」
男「あ、逃げねば」ダッ
悪魔「逃がさん!」
男「くっ!」
悪魔「死ぬが良い!」
伯爵子「男さん!?」
男「あ、ステルス解けてたか。とにかく逃げて下さい!」
伯爵子「でもそれ、悪魔ですよね!?」
男「僕が倒す。君は安全な場所に」
伯爵子「...分かりました。お手並み拝見します」ズダダダ
悪魔「ふん。一人逃げたか...しかし無駄だ。皆殺してくれよう」
男「『占い師』『占星術』」
男「重力操作だ!」
ゴゴゴゴゴゴ...
悪魔「!?」
空から隕石が落ちてくる
悪魔「くそっ!逃げ____」
男「...マグネット」ブオオン
悪魔「く!吸い寄せられる!」
ズドオオオオオン!!!
男「...て訳だよ」
魔女「何で生きてんの?」
男「ちょっと殴って下さい」
魔女「せい」ゴンッ
魔女「痛った!この固さ...」
男「魔物職が使えないとは言ってません」
男「だから尻尾が生えても、鱗を纏っていても、メタルボディでも不思議じゃないです」
魔女「私も一応使えるのだけど...尻尾使いづらいし、メタル重すぎるのよ」
男「僕も尻尾はちょっとアレですかね」
コンコン
男「はい」
男「あ、金髪さん。結果はどうでしたか?」
金髪「それは彼女の口から言って貰う事になってる」
王女「男」
男「はい」
王女「これは真剣な事であり、真の愛を誓います」
男「...」
王女「私と結婚して下さい!」
魔女「!?」
金髪「!?」
男「...ドレスを作らなければならないのでね」クスッ
王女「良いんだよね...?」
男「勿論だよ。元々断る理由も無いしね」
王女「やったー!!!」
彼らの息子は、修行として再び店を開く事になりましたが___
___それはまた別のお話
~終わり~
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コメント一覧 (5)
-
- 2017年11月25日 22:12
- これほどの神SSは見たことが無い!作者さん天才!
-
- 2017年11月25日 22:37
- 最後までスラスラ読めたし、個人的には悪くはなかった…が疑問がひとつ、女と結婚する約束はどうなったの?
…権力ってヤツか
-
- 2017年11月25日 22:52
- 勘のいい※2は嫌いだよ・・・牢屋行きだ
-
- 2017年11月27日 07:27
- 安価良くないな、悪くもないけど
-
- 2017年11月27日 23:32
- 女が忘れられて可哀想