【続×4】国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうだ…w」勇者「…」
国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうを進呈しよう…w」勇者「…」
【続編】国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうだ…w」勇者「…」
【続々編】国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうだ…w」勇者「…」
▼突然、山賊達が現れた
山賊「てめぇら!!金を出しやがれ!!」
「命が惜しくなければなぁ!?」
「ひゃっはぁーー!!」
勇者「…」
盗賊「…」
剣士「…」
賢者「…」
「なぁに黙ってやがる!?あぁん!?」
勇者「やっと人だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
盗賊「助かったっすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
剣士「生きて帰れるなんて…うっ…うっ…」
賢者「……」
剣士「賢者…黙ってるけどどうした…?」
賢者「…この喜びを…噛みしめたくって…!!」
盗賊「生きて帰れるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
山賊「な!!何言ってやがる!?」
「生きて帰れるかどうかは俺達次第だぞ!!!」
「何の話をしてやがるんだ!!」
賢者「いいや、ガイドを雇うべきだったわ…」
勇者「そんなもん金が勿体ないだろ!!」
盗賊「金より命っすよ!!」
賢者「なんの考えもなしに迷いの森を抜けるなんて前代未聞よ!!!」
山賊「なんなんだこいつら…?」
「なんかヤバい奴らっぽくないか?」
「あぁ…もしかして勇者一行か…?」
山賊「くそ、ついに勇者に出会っちまったか!」
勇者「あ、おいそこの山賊…」
山賊「あ?なんだ?」
勇者「てめぇ金持ってるか?ちょっと飛んでみろ」
「「「こいつ勇者じゃねぇ!!!」」」
山賊「なんだ!やる気か糞野郎!!」
ガッチャガッチャ
▼山賊達が武器を構える
剣士「師匠を愚弄するとは…私の新スキルで死ぬがいい……」
山賊「スキル持ちか…厄介だな…」
山賊「へ!争いは嫌いか?僧侶の姉ちゃんよぉ?」
賢者「殺したら帰り道が分からないから半殺しにしてね」
山賊「とんだバーサーカーじゃねーか!!」
勇者「ならこれを使えば良いだろ?へへへ」
山賊「くっ!!!なんかヤバい武器っぽいぞ!!」
「警戒しろ!!爆弾か!?」
勇者「相手してやる」
▼勇者はひのきのぼうを出した
山賊「ひのきのぼうじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!」
「警戒しちゃったのが恥ずかしい!!」
剣士「さすが師匠!!精神攻撃もお手のものか…!」メモメモ
盗賊「メモいらないって」
勇者「さぁ、どっからでも来な?」
山賊「………」
「「「…………」」」
勇者「どうした?」
山賊「俺らはなぁ…山賊だが誇りがあるんだ…!!」
山賊「いくら俺たちでもなぁ……」
山賊「棒切れ持った相手に切りかかるナンッッッッ
バシコォォォォォン
ドサッ
勇者「え?なんか言った?」
▼勇者のひのきのぼうは盗賊の顔面に当たった
「「「ひでぇぇぇぇぇ」」」
「こいつ人間じゃねーよ!!」
「格好いい決めゼリフをシャットアウトするなんて!!」
「正気の沙汰じゃねぇぜ!?」
勇者「はぁ?」
賢者「あ、勇者」
賢者「帰り道聞くのに一人いればいいから、残りは殺していいわよ?」
勇者「オッケー…じゃあ思う存分…」
勇者「って、あれ?」
シーーーン
▼山賊達は一目散に逃げた
▼しばらく後
山賊「……」
山賊「は!?ここは!?」
勇者「おはよう!」
山賊「なぜ俺は捕まっているんだ!?」
山賊「たしか川の向こうでじいちゃんが手招きしてた所までは覚えているが…!?」
盗賊「ギリギリまでいったんだな」
山賊「と、いうかこの縄をほどきやがれ!!」
勇者「それが出来ねぇんだなぁ…?」
山賊「は!!思い出した!!たしか決めゼリフを言い始めた所までは覚えてるが…!」
賢者「自分で決めゼリフっていうなよ」
勇者「よく思い出せたねぇ」
山賊「なんだ!?金ならやらんぞ…!!」
勇者「あ、それならもう貰ったけど?」
▼勇者は山賊の巾着を見せた
山賊「既に盗まれとる!!!」
山賊「まじかあんた!!普通の人間なら罪悪感とか…!」
勇者「罪悪感…w悪人から盗むのはオッケーってじいちゃんが言ってたぞw」
山賊「とんでもねぇ英才教育じゃねーか!!」
山賊「あんた山賊だったら天下とってるぜ!?」
勇者「そんなのどうでもいいんだよ」
勇者「この森を出たいから道案内しろ」
盗賊「おい!!アニキ何するかわかんねぇんだから早く吐けって!!」
山賊「はっ!!ちょっとやそっとの拷問なんざ声も上げないぜ?」
勇者「そうかなあ?」
ウネウネウネウネッッッッ
▼勇者は奇妙に波打つ棒を持っている
山賊「な、なんなんだその得体の知らない棒は!?」
勇者「ただのひのきのぼう(ピンク仕様)さぁ~」
勇者「ちゃんとした用途で使うのは初めてだけどなぁ~」
山賊「なにをするつもりだ!!」
勇者「尻に突っ込んで人間…いや、男としての尊厳を失わせてやるぜ!!」
山賊「ひっ!」
剣士「さすが師匠…プライドが高い相手の扱いもお手のものだ…!」メモメモ
盗賊「あんたのメモとんでもねぇラインナップになってんな」
山賊「や、やめろ!!あっ!あぁっ!?」
勇者「イメージはドジョウと雷魚のハーフだせぇ!?」
山賊「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ…
▼ご想像にお任せします
▼しばらく後
山賊「うぅ…ひどい…」シクシク
勇者「自分の意思で動かせるひのきのぼうって万能だよなぁ…?」
賢者「使用済みって最悪だけど……」
勇者「たしかにあんま触りたくはないな…」
勇者「盗賊、洗っとけ」
盗賊「ファッ!?」
勇者「おい、山賊?」
山賊「ナニヨ!!」
賢者(ナニヨ?)
勇者「もうワンセットいくか?」
山賊「」ブルブルブルッッッ
▼山賊は高速で顔を横に振った
勇者「じゃあ、言われたことに答えろ」
山賊「はい!」
賢者「よかった、じゃあ森の出口を…」
勇者「お前らの山賊の羽振りはいいのか?」
賢者「何の話!?!」
盗賊「ぼ、ぼちぼちっす」
勇者「お前のアジトを教えろ…」
賢者「根こそぎか!!!!」
盗賊「そ!それは酷すぎるっす!!」
勇者「は?貰えるもんは貰おうぜ?」
賢者「それが勇者の言うことか!!」
勇者「えー?だめか?」
盗賊「無駄な争いはしない方が懸命っす!怨みも買いたくないっすし…」
勇者「それなら大丈夫だ」
ペラッ
山賊「へ?」
勇者「賢者の魔法でな」
勇者「被写体を寸分たがわず模写できる魔法」
勇者「フォトビジョンだ」
▼勇者は山賊のあられもない姿のフォトビジョンを見せた
山賊「あんた鬼か!!!」
勇者「へっへへ…これをばらまかれたくないなら誰にも言うなよ?」
勇者「あと、毎週十万ゴールド持ってこい…」
▼勇者は悪い顔をしている
「「「これが勇者のやることか!?」」」
▼勇者の仲間も困惑している
山賊「わかった…なんでも言ってくれ…」
勇者「初めからそういえばいいんだよ」
▼森の外を目指す勇者一行
ガラガラ
山賊「はぁっはぁっはぁっ!!」
▼流れ落ちる汗
盗賊「いやぁ!リアカーって快適っすね!!」
剣士「乗る方も…なかなかです…」
▼勇者は山賊一人にリアカーを牽かせていた
山賊(な、なんて奴等だ…!)
勇者「な?気持ちいいだろ?」
勇者「人間に牽かせるのがたまんねぇんだよ」
勇者「馬車じゃ味わえない優越感さ!」
賢者「あんた、仲間に対してどんな感情抱いてんのよ」
勇者「絶対的支配感さ!あっはっは!」
盗賊(アニキってやっぱ糞野郎だわ)
賢者「それ、ほぼ魔王の発言じゃない…」
剣士「なるほど…やはり人の上に立つ者の考え方だ!」メモメモ
盗賊「そのメモは絶対いらないでしょ!!!」
賢者「そうね…!」
「「「あっはっは!!」」」
山賊「ひ、人に荷車牽かせておいて楽しそうに会話なんかしやがってぇぇぇ!!!」
山賊(ぶっ殺してやるッッッ!!)
▼木々が深くなり、暗くなってきた
ガラ…ガラ…
勇者「ん?なんか…」
賢者「様子がおかしいわね」
盗賊「おい、ホントにこっちであってんのか?」
山賊「………」
剣士「どうしたんですかね??」
勇者「おい、明らかに深い森にきてんだろ?殺すぞ?」
盗賊 (ひどい)
山賊「ふはは…もうおしまいさ…」
山賊「あんたらも!!俺も!!」
勇者「はぁ?」
賢者「なんなの?」
山賊「ここはなぁ!!」
山賊「魔王の一番のペット!!トロルコングの住みかさ!!!」
山賊「知能は低いが、あの魔王四天王の一角だぜぇ!?」
勇者「てんめぇ!!引き返せ!」
盗賊「そんな…!!」
山賊「あはははは!!ここに来たが最後!!!」
山賊「誰も生きちゃ帰れねぇよ!!」
山賊「ここはもう縄張りの中なんだからなぁ!!」
剣士「こいつ!!!」
勇者「まぁ、大丈夫だろ」
勇者「トロルコングってたしかゴッツイゴリラ程度で…」
「「「「「ゴァァァァァァァァァァァァァァァッッ」」」」」
勇者「あれぇ?」
剣士「さすが四天王…!!!」
盗賊「で、でけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
▼そこにはゆうに十メートルを越えるトロルコングがいた
▼黄土色の短い体毛、その上からでも分かる筋肉の発達は視覚的に死を直感させる
トロルコング「ゴァァァァァ!!」
賢者「来るわよ!!」
勇者「やっべ!!」
剣士「っく!!」
グォォォォォォッッッ
▼トロルコングの全てを叩き潰す一撃ッッッ
ズッドォォォォォォォォォンッッッッ
盗賊「うわぁぁぁぁぁ!!」
賢者「くっ!!」
▼トロルコングは荷車もろとも大地を陥没させた
▼勇者は反射的に山賊を引き寄せたのだ
山賊「…!!」
山賊「あ、あんたなんで俺を助けた!?」
勇者「……」
山賊「なんでだまってんだよ!!」
勇者「お前がいないと森の外に出られねぇだろこのボォケが!!」
勇者「走れお前ら!!!」
ダダダダダダダダダダッッッ
▼勇者の掛け声で一斉に走り出す
山賊(くそっ!くそっ!くそっ!!)
山賊(なんでこいつに助けられなきゃいかんのだ!!)
山賊(俺はこいつもろとも死ぬつもりだったのに!!)
山賊(そうすれば!!アジトのガキ共にも金が入るって言うのによぉ!!)
勇者「見ろ、あいつリアカーの食料の匂いを嗅いでやがる!!」
勇者「食べてるうちに身を隠そう!!」
トロルコング「ウグッ!!」
バクン!!
勇者「な!!?」
▼トロルコングは一口で荷台ごと丸飲みした
ヴァリッッッボリボリッッッ
勇者「くっそ!!あれだけの食料で時間も稼げねぇのかよ!!!」
盗賊「どうするっすか!?」
賢者「私が時間を稼ぐわ!!」
▼賢者が止まり、一同も止まる
勇者「はぁ!?」
賢者「あのデカさにひのきのぼうや剣が届くと思ってるの!!」
勇者「!!」
剣士「お、置いては行けん!!師匠、私も!!」
賢者「話聞いてた!?」
勇者「行くぞ!!」
▼勇者は一目散に走りだした
山賊「わ、わりいな!!」
盗賊「剣士!!ここはとりあえず逃げよう!!!」
盗賊「俺たちじゃ太刀打ち出来ないし…」
盗賊「賢者の魔法は強力だ!!隙を見て逃げるさ!!」
賢者「言ってくれるわね、でもその通りよ…」
剣士「し、しかし…」
ドンッッドンッッドンッッドンッッッッ
▼地響きを立てながらトロルコングがこちらに向かってくる
剣士「死ぬなよ!!」
盗賊「ひぃぃぃぃ!!」
▼二人も勇者の後を追う
賢者「はぁ…はぁ……」
▼トロルコングまでかなりの距離があるが賢者に緊張が走る
賢者「私が何のために…旅してると思ってるの…」
賢者「更なる高みを目指す為よ!!!」
賢者「アイシクルスパイク!!!」
ズドゥンッッズドゥンッッズドゥンッッ
▼氷槍がトロルコングに向かい飛ぶ
バガァァンバガンバガァァンッッッ
▼トロルコングは構わず突っ込んでくる
賢者「……そんな!!」
賢者「考えろ…詠唱時間はない…もう…」
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!!!
賢者(逃げる…!?隠れる…!!だめっ!!)
賢者(詠唱時間がないならもう一度いや…)
賢者「そうだ!!」
賢者「アイシクルスパイク!!!」
ズドゥンッッッ
バガァァン
トロルコング「ウガァッッッ」
▼すねに当たりトロルコングの動きが止まる
賢者(勇者の戦い方を見てなきゃ思い付かなかった…!)
賢者「アイシクルスパイク!!」
ズドゥンッッッッ
ガガァァァァンッッ
「「「「ウガァァァァァァァァァッッッ」」」」
ブシィィィィッッッッ
▼氷槍がトロルコングの右目を潰し血が吹き出す、咆哮が木々を揺らす
賢者「もう一発!!アイシクルスパイク!!」
賢者(次は両目を奪う!!!)
ズドゥンッッッッ
トロルコング「!!!」
ズバァァァァン
▼しかし、トロルコングは拳で氷槍を砕く
賢者「知能が低いんじゃないの!?こいつ学習してる!!」
賢者「なら…ファイヤーウェーブ!!!」
グゴゴゴゴゴゴゴゴ…
▼トロルコングに炎の波が押し寄せる
トロルコング「!?」ビクンッッ
▼トロルコングは怯んだ
賢者「やっぱり、獣ね!!火に怯える!!」
賢者「……遥かなる大地…精霊の宴…」
トロルコング「ゴァァァァァァァァァァァァ!!!」
▼トロルコングは火の中を突っ切ってくる
賢者(もう慣れたか…くそ…だけど!!)
賢者「……天変地異…神の裁き…ロックメテオ!!」
ズッドォォォォォォォォォォォォォォォォォン
トロルコング「ゴガァァァァッッ!!?」
▼巨大な岩石は天からの一撃で脳天に直撃し砕ける
ズズゥゥゥゥゥゥゥゥンッッ
▼トロルコングは大地を揺らし倒れた
賢者「はぁ…はぁ…はぁ…」
賢者「やった…やった!!!」
賢者「倒した!!!」
ドスンッッッ
賢者「あ……あぁ…」
賢者「そん…な………?」
▼トロルコングは立ち上がった
賢者「もう、距離は50メートルもない…!!」
「「「「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!」」」」
▼トロルコングが賢者に向かい飛びかかる
死……
ズッドォォォォォォォォォンッッッッッッッッ
▼大地が抉れ衝撃波が生まれる
賢者「ぐぅッッッ!!」
ズサァァッッゴロゴロッ
▼賢者は軽々と宙を舞い地に叩きつけられる
賢者(……し、しんで…ない……)
トロルコング「あが…が……?」クラァ
▼トロルコングは、よろめいている
賢者(なるほど…さっきの一撃でさすがに脳震盪を起こしたみたいね…)
賢者(やはり、弱点は人と一緒…!)
賢者「魔法を……」
ガクッッ
賢者「!?」
▼全身が軋む…
賢者(だ、だめ……動けない…)
▼トロルコングは嗅覚で索敵した
トロルコング「ゴァァ…」
▼トロルコングは賢者に向かってくる
賢者(初めから…分かってたけど…)
賢者(やっぱり…勝てないわよね…自分より強い相手に…なんて…)
ドスンッッ…ドスンッッ…
賢者(勇者について行けば…なんとなく変われるなんて思ってた…)
ドスンッッ…ドスンッッッ
賢者(けど…やっぱり私は私のまま…ここで…終わり)
ドスンッッッ… ド ス ン ッッッ!!
▼賢者を叩き潰そうとトロルコングは腕を大きく振りかぶる…
「まてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
トロルコング「?」
▼トロルコングは振り替える
盗賊「はぁ…はぁ…!!」
▼盗賊の額に汗が流れる
▼勇者達は走っていた
勇者「はぁっはぁっ!!ちきしょう!!」
山賊「もぅダメだ…諦めろ…あの女は死に…俺達も…」
勇者「うるせぇ!!!」
山賊「あいつは鼻が利く…自分の縄張りに入ったやつを逃がすことはねぇんだ…」
勇者「うるせぇっつってんだろ!!」
ガッ
▼勇者は山賊の胸元を掴む
勇者「あいつは盗賊に迎えに行かせた!」
勇者「これがどういう事か分かるかぁッッッッ!!」
山賊「囮だろ?」
勇者「ちげぇ!!!」
勇者「…安心して戻ってこいって事だ!!
勇者「一発逆転の作戦を俺が生み出すって事だ!!!」
勇者「今からな!!!」
バッ
▼山賊を離す
山賊「一発逆転つったって…どうにもなんねぇ物もある!!分かってるだろ!!あのデカさ!!パワー!!スピード!!そして嗅覚!!」
山賊「人間じゃあどうしようも無いことだってあるんだ!!」
勇者「俺は…ただの人間じゃねえ…」
勇者「勇者だ……!!」
剣士「師匠!!早く走りましょう…!!」
勇者「まて…これ以上離れると…あいつらが…」
山賊「ふ…まるで助けれるって顔だな?」
勇者「当たり前だ…!」
山賊「それは無理だろうな…」
剣士「お前なぁ!!師匠に助けて貰っておいて!!」
▼剣士が殴りかかる
勇者「まて!!」
剣士「師匠なぜ!?」
勇者「必死に死ぬ理由を探すくらいならよ…」
勇者「必死に生きる方法を見つけろよ……」
山賊「…ぐ」
勇者「なんでもいいんだ…この森の構造…地質…地形…」
勇者「野草の種類や…天候……」
勇者「全ては生きるために!」
山賊「地形…か…」
勇者「なんかあるのか!?」
山賊「ここから先に進めばデカイ湖…そこは背の高い海草だらけだ…多分あの化け物なら足がついちまうがな……」
山賊「それに、大きな奈落の大穴…深さ200メートルくらいはあるが…いくらトロルコングが低知能といえ落とせるとは思えん…」
山賊「後は急勾配な崖…」
山賊「崖の上の大岩は丸く転がしやすい…当てれば少しはダメージになるかもな…」
勇者「……よし行こう」
山賊「そのうちのどこにいくんだい?」
勇者「湖だ…!」
トロルコング「ゴァァァァァァァァッッッ」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン
メキメキィィィ
▼トロルコングの横ぶりの腕は木々を粉砕しながら迫ってくる
盗賊「あぶねぇ!!」
盗賊「くそっ!くそっ!!!」
▼盗賊は木の陰から陰に移りながら逃げていた
盗賊「ひっ!!」
▼木の裏に隠れ体を小さく丸める
ズボォォォォォォォォ
▼盗賊の頭に擦るようにしてその一撃は木々を持っていく
盗賊(今のはヤバかった!!)
トロルコング「ゴァァァァァァァァァァァァァ!!」
盗賊「し、死ぬかな!?」
盗賊(こいつ…右目を失ってる!?)
盗賊(なら!!)
スヒュンッッッッ
盗賊は不思議なステップを踏む
盗賊「今だ!!」
トロルコング「ゴァァ!?!」
▼突然視界から盗賊が消え、トロルコングは困惑した…
盗賊(よし!!賢者を回収だ!!)
▼トロルコングの視界から外れた事を確認し、賢者の元へ走る
賢者「と…盗賊?なぜ……」
盗賊「アニキの命令っすよ……!」
賢者「ふん…無謀ね…」
盗賊「さぁ、背中に!!」
賢者「…」
盗賊「早く!!!」
▼盗賊は賢者を担いだ
トロルコング「ゴァァ?」
スンスン
▼トロルコングは鼻を利かせた
盗賊「くそ!!とにかく走るッッッ!!」
▼盗賊はとにかく走った
トロルコング「ゴァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ」
盗賊「き、気づいたぁぁ!!」
ドドンッッドドンッッドドンッッ
▼トロルコングが追ってくる
盗賊「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」
盗賊「魔法は撃てるっすか!?」
賢者「奴には効かないわよ」
盗賊「それでも撃つんすよぉぉぉ!!」
賢者「アイシクル…スパイクッッ!!」
ズドゥンッッッッズドゥンッッッッズドゥンッッッッ
バガァァンバガンバガァァンッッッッ
▼次々と氷槍が飛ぶ…トロルコングは残った左目を庇いながら走り、少し遅れる
盗賊「あ、あの煙は!!!」
▼木々の隙間から狼煙が見える…
盗賊「よかった、アニキの合図だ!!」
盗賊「もうひと踏ん張りといくっすよぉぉぉぉぉぉ!!!」
▼盗賊はさらに飛ばして走る
ダダダダダダッッッ
盗賊「はぁ、はぁ、はぁ!」
勇者「おーい!!こっちだ!!」
盗賊「アニキ!!」
▼森を抜け、拓けた場所にでる
▼その先で勇者が盗賊を呼んでいる、更にその先に小さく急勾配な崖と、岩石が見える…
剣士「よく無事だったな、さすがだ」
盗賊「そ、そこまでトロルコングが!!」
勇者「あぁ、分かってる」
▼200メートルほど後をトロルコングが追ってきている
ドドンッッドドンッッドドンッッ
盗賊「あの遠くに見える崖の岩石…落として当てればダメージになりそうっすね!!」
勇者「そうだな」
盗賊「じゃあ、もうひとっ走りしましょう!!」
勇者「まて」
盗賊「え?」
勇者「ここでカタをつける」
盗賊「はぁ!?カタってなにもない拓けた土地じゃないっすか!?アニキらしくないっすよ!?」
勇者「もちろんだ…」ニヤ
▼勇者は悪い顔をした
剣士「来ます!!!」
ドドンッッドドンッッドドンッッドドンッッ!!
▼トロルコングは一目散に勇者に突っ込んでいく
盗賊「あ、アニキィィィィィィィッッッッ!!」
「「「「ゴァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ」」」」
▼勇者は避けない!!
▼トロルコングは空間を揺らすほど雄叫びをあげ勇者に牙をむこうと近づくッッッッ
バキバキビキバキィィィィィィィィッッッッ!!
▼勇者にトロルコングの手が届くかと思われた瞬間、大地が崩落し始めた
「ゴァァァァァァァァァァァ!?!?」
▼トロルコングは奈落の底に落ちていく
盗賊「巨大な…!!落とし穴……!?」
賢者「こんな大きな穴にどうやって蓋を……!?!」
勇者「簡単さ、長い海草と大量のひのきのぼうで支柱を作って被せただけだ」
勇者「後はその上に草と落ち葉を被せた、森だから隠すための材料は多いな」
賢者「そんな、これだけの大蓋をこんな短時間で!?」
勇者「罠にも詳しく、手先の器用なおっさんがいてね」
山賊「…ふん」
盗賊「ちょっ!!頼みますよアニキィ!!」
勇者「結果オーライだろ!あっはっは!!」
剣士「ではこれで一件落ちゃ
「「「「ゴァァァァァァァァァァァァァ」」」」
ドドドドドドドドドドドドッッ
盗賊「な!!下まで落ちてない!!!」
▼穴の途中で踏ん張ったトロルコングが崖を登って来ている
勇者「まぁ、これも予想してたが…」
盗賊「どうするんすか!!」
勇者「最後は彼女に…任せましょう…!」
賢者「……天変地異…神の裁き…!!」
盗賊「!!!」
賢者「ロックメテオぉぉぉぉぉぉッッッ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ
▼強大な岩石がトロルコングのいる大穴に向かい落ちていく
「「「ゴアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ……
ドコォォォォォン………
▼奈落の底から鈍い音が響いた…
勇者「さて、一件落着って事だな!」
剣士「さすが師匠!!今日も冴え渡ってましたね!!」
勇者「そうだろそうだろ!!あっはっは!!」
盗賊「はぁぁぁ…死んだぁ…」ヘナヘナ
▼盗賊はへたり込んだ
剣士「それを言うなら死にそうだった、だろ?」
盗賊「いいや、今回ばかりは…何回か死んだよ…本当に…」
勇者「まぁ、生きてて良かったな…」
盗賊「あ、アニキ!!」
勇者「馬車牽き君!!」ポンポン
盗賊「アニギィィィィィィィィ!!」
盗賊アジト
▼小さな森の集落だ、大人は少ないが子供は多い
山賊「元々あの大穴の場所は俺らの小さな集落…故郷があった場所なんだ」
盗賊「それであの辺りに詳しかったんすね」
山賊「あぁ、ある日突然集落を消し飛ばされて、トロルコングを放たれた俺たちは絶望の淵に叩き落とされたよ…」
山賊「そんな時だった、ある男が来て言ったんだ」
山賊「あんたらを殺せば魔王軍から大金を貰えるって…」
剣士「へぇ…魔王軍もついに本気になったみたいですね?」
勇者「正直余裕だ」
山賊「本当か!?はっはっは!」
山賊「でも、あんたが言うとおり…どんなに辛くても…魔王がいてもよ…」
山賊「生きるための方法を探してみるよ…!」
勇者「え?俺そんな事言った?」
山賊「…」
勇者「それよりさ、あんたのせいで仲間が大ケガしたんだよね」
山賊「…!?」
勇者「慰謝料と治療費はたんまり貰うぜ?」
勇者「あんたが首を吊るくらいなぁぁぁぁぁ!?!」
山賊「ッッッッ!?!?!?」
▼しばらく後
勇者「じゃあ、世話になったな!俺たちはこの地図通り森の外を目指すぜ!!」
勇者「またなぁ!」
ガラガラ…
▼勇者一行は旅立った
山賊「あいつらぁ…マジで根こそぎ金とりやがった!!」
山賊「盗んだ高級リアカーまで持っていきやがって!!!」
山賊嫁「まぁ、いいじゃないか?」
山賊嫁「勇者のお陰でこの森も平和になったんだからさ!」
山賊「ぐぬぬ…認めたくはないが…そうだな…」
「おーい!!山賊ぅぅぅ!!」
山賊「お前も山賊だろ」
「はぁっはぁっ…」
「ふー…」
山賊「なんだ?みんな揃って…?」
山賊「というか、よく俺を置いて逃げてくれたな?」
「うっ!」
「そ、それは言うなよ!」
「俺達も反省したんだ!もう裏切らねぇ!」
「お詫びのしるしとしてはなんだが」
「俺達でコレを取ってきたんだ!!」
山賊「ッッッッ!?!?」
ウネウネウネウネッッッッ
「あんた好きだったろ?ドジョウ!!」
「雷魚もあるぜ?!」
山賊「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
▼勇者一行のお陰で、森に平穏が訪れたが山賊の心には深い傷痕を残すのだった…
▼ついに本腰を上げた魔王軍VS勇者一行…正直戦闘は書きたくない!めんどいから!!今回ちょっと短め!!
~~fin×
次回
山賊のトラウマ
異種格闘戦、剣士VS野生のトマト(無農薬)
勇者、R18フォトビジョンでぼろもうけ
の3話をお楽しみください!!
「勇者・魔王」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (14)
-
- 2017年11月24日 14:54
- 感動した、ピンク棒の活躍に感動した
-
- 2017年11月24日 15:23
- これ勇者が戦果あげて帰ってきたら王様恐怖しかねえな、檜の棒しか無いのに魔王倒せるなら普通の剣持たせたらヤバいだろって
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- 2017年11月24日 15:32
- クソ、相変わらず面白いなぁ
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- 2017年11月24日 17:33
- 賢者もどんどん染まってきたなあ
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- 2017年11月24日 19:06
- あのね、語尾で同一人物だってわかってるから
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- 2017年11月24日 22:10
- ※3
忘れたか?こいつはもうひのきのぼうしか持てないぞ
神ぶっ飛ばせば解けるかもしんないけど
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- 2017年11月25日 00:23
- ひのきのぼうって汎用性あるんだなあ…
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- 2017年11月25日 01:16
- 無限ひのきの棒があってこその強さでもあるから剣に応用はできないんじゃなかろうか
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- 2017年11月25日 10:34
- 湖に海草・・・
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- 2017年11月25日 20:27
- ※7そりゃ俺等は知ってるけど王様は多分知らんだろ
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- 2017年11月25日 22:26
- この作品の勇者は描写の濃さの違いはあれど某バーぴぃ先生の連載にでてくるキャラたちに近いものを感じるな。半分メタネタに足突っ込んだような無茶苦茶ぶりとか
今回も面白かった乙
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- 2017年11月27日 12:35
- 勇者「ただのひのきのぼう(ピンク仕様)さぁ~」
勇者「ちゃんとした用途で使うのは初めてだけどなぁ~」
賢者にも使ってなかったっけ
あぁ、挿入ってないからセーフってことかな?
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- 2017年12月05日 04:33
- こんな強いのにひのきのぼうしか持てない呪いをかけられてるんだなぁ
なんか回を重ねる毎に本当に勇者物になってきてんな…