【続々編】国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうだ…w」勇者「…」
国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうを進呈しよう…w」勇者「…」
【続編】国王「ぷくく…ひ、ひのきのぼうだ…w」勇者「…」
なんやかんやで賢者が仲間になった!その後一行は守銭奴かつホスト通いの神と出会い勇者はひのきのぼうを鼻から産み出す悲しき生物にされてしまう。(しかも代償あり)悲しみも癒えぬまま次の街ではコロシアムに参加することに…
強敵ばかりのコロシアムで死線を潜り抜け、剣士は著しく成長を遂げる。
剣士の新スキル、一兎両断 (いっとりょうだん)
相手の攻撃を完全に見極め、カウンターの横一文字を叩き込む。本人は兎を追っていただけ等と供述しているが、誰も兎を視認できず、ドラッグの疑いが濃厚である。
それにしても仲間になったら全員キャラが変わっていくのは勇者の呪いだろうか?いや、キャラがブレ…臨機応変なのだ。
ガラガラ
▼今日も今日とてリアカーである
盗賊「アニキ、1000万ゴールド手に入れましたよね…」
勇者「あ?やらねーぞ」
盗賊「なんで馬車買わないんすか?」
勇者「高いじゃん?」
盗賊「1000万ゴールドからしたら微々たるもんでしょ!!」
勇者「え?なにお前リアカー牽きたくないの?」
盗賊「あ、いえ、そういうわけではないんすけどね…はは…」
盗賊 (こえーよ…)
剣士「まぁまぁ…盗賊…」
剣士「同じ修行の身なんだからその一環だと思えば…」
盗賊「俺は弟子入りしてるわけじゃないっすよ!!」
剣士「え?じゃあなぜついてきてるんだ?」
剣士「ファンとか?」
勇者「こいつしつこくてさ」
盗賊「ストーカーじゃないんすから!!」
盗賊「いや、話せば長くなるんすけど簡単に言えば」
盗賊「力でねじ伏せられて以来、圧力でついて来させられてる」
剣士「一行でまとまるじゃねーか」
賢者「簡潔だけど泣けるわね」
盗賊「ぐぬぬ…」
勇者「俺は魔王討伐まで連れていくつもりだけどな!」
剣士「さすが師匠!!仲間愛が海より深い!!」
勇者「そうだろそうだろ!!」
賢者「ほぼ拷問ね」
盗賊「遺書はもう用意してるっす」
盗賊(そもそもブースト前のひのきのぼうでシバかれるくらいの力しかないのに…)
盗賊(そういや地元でも四人組で盗賊してた訳だし…俺って…)
勇者「あ、止めろ」
盗賊「え?」
剣士「どうしました?」
勇者「ちょっとトイレ」
▼しばらく後
剣士「遅いですね」
盗賊「成功するものって長便所らしいっすよ」
剣士「さすが師匠だ」
賢者「眉唾ね」
盗賊「なんか腹へったな」
剣士「もう少しで次の村ですよ」
盗賊「あ、キノコ発見」
賢者「あら」
盗賊「食べてみようかな」
剣士「よくそんなもの食べれますね」
賢者「よくあなたが言えたわね」
剣士「え?」
▼盗賊はキノコを食べた
勇者「ふぃぃ…遅くなったぜ」
剣士「いえいえ!そんな事ないですよ!」
盗賊「あひゃひゃひゃひゃ!!」
▼盗賊は笑っている
賢者「!?」
剣士「盗賊さん?」
勇者「さっ、行こうぜー」
賢者「さっ、行こうぜー、じゃないわよ!おかしいでしょ!」
剣士「師匠!!盗賊の様子が!!」
勇者「おや?盗賊の様子が?」
勇者「進化でもすんのか?」
賢者「どうみても普通じゃないわよ!」
勇者「うーん…」
盗賊「あー!妖精さんだ!!妖精さんがいるよ!!」
勇者「いつもの盗賊じゃねーか」
賢者「あなた目ついてる!?」
剣士「確かにいつもの…」
賢者「自分の意思を持て!!」
勇者「盗賊が変なのは昔からだしな、というか俺以外みんなバカじゃん」
賢者「あなたには言われたくないよね」
勇者「いったんさ、勇者がおかしいって印象を払拭しようぜ」
勇者「勇者が一番変に見えて実は一番常識人なんだって事を声を大にして言いたい」
賢者「あんたが常識ならいったん魔王の統治下におかれたほうがいいでしょ」
勇者「ほらな、イカれてる」
賢者「はぁ!?」イラッ
剣士「ま、まぁ!それより魔法で解毒を!!」
剣士「恐らくさっきのキノコだと思うんだ!」
賢者「うーん…毒や麻痺なら治せるけど…」
盗賊「にゃんにゃん!にゃんにゃん!」
賢者「ラリってるのは治せないわ…」
盗賊「あひゃひゃひゃひゃ!!」
剣士「そんな…じゃあ一生このまま…」
賢者「どうかしら、とりあえず次の村に
剣士「犬じゃないんだから!!」
剣士「じゃあ、とりあえず代わりに賢者が一緒にリアカーを牽いてくださいよ」
賢者「えぇ…魔法で牽くから乗りなさい」
剣士「え?はじめからそれでよくね?」
▼すぐ村についた
剣士「速いじゃん…速いじゃん…」
賢者「ごちゃごちゃ言わずに盗賊を運んで」
盗賊「あれ?お空を飛んでるよ!?」
剣士「どうですかね?」
店主「うーん、八葉草じゃな」
剣士「ヤバそうなんですか!?」
店主「いや、八葉草といって…キノコに似た草なんじゃが」
店主「心当たりは?」
剣士「あります!」
店主「なら2、3日もすれば元に戻るじゃろう…」
勇者「ほらな、言った通りだろ」
賢者「なにを!?」
剣士「よかった、じゃあ今日は泊まりましょう」
勇者「そうだな」
店主「毎度あり、あ、あとこの先の浜辺には海がありますが」
勇者「おう、そこが目的地だ」
店主「ならば彼は連れていくのはよしたほうがいい」
剣士「?」
店主「八葉草を食べた者が海に近づくと、人魚に拐われちまうからよぉ……」
勇者「よし、連れていこう」
店主「話きいてたぁぁ?!」
店主「とんだ修羅じゃねーか!」
店主「まぁ、用心せいよ」
店主「人魚は人の心を見透かすからな」
賢者「ふーん…」
剣士「なんか、不気味ですね」
店主「あ?人魚伝説とか聞いとく?鉄板イベントじゃろ?」
勇者「あ、めんどいからいいや!」
店主「えぇ!?」
勇者一行「zzZ……。。」
盗賊「はー…はっ!」
盗賊「なにか…声が聞こえるぅ……?」
盗賊「向こうからか…ひひひ…」
▼盗賊は床を抜け出した
勇者「ん?…なんだ小便か?」
勇者「まぁ、いいや眠いし…」
▼勇者は布団に潜った
勇者一行「zzZ……。。」
盗賊「はー…はっ!」
盗賊「なにか…声が聞こえるぅ……?」
盗賊「向こうからか…ひひひ…」
▼盗賊は床を抜け出した
勇者「ん?…なんだ小便か?」
勇者「まぁ、いいや眠いし…」
▼勇者は布団に潜った
盗賊「あっはっは!なんてきれいな海なんだ最高だぜ!!!」
盗賊「入っちゃお」
チャプチャプ
▼盗賊は海の方に歩き出した
盗賊「海のなーかでもぉ~♪息できる~~♪ブクブク.。o○」
バチャバチャ
▼溺れている
ゴポゴポ…
▼盗賊に向かい1つの影が迫りくる…
剣士「し、師匠!!師匠起きてください!!」
勇者「んー…なんだよ?」
剣士「盗賊がいないんです!!」
勇者「えー?そんな奴はじめからいないだろ?」
剣士「な……幻術か…?」
賢者「いや、いるわよ…そんな複雑な構成のストーリー書けると思ってるの?」
剣士「え?」
賢者「とにかく起きて!」
勇者「えぇ…なんだよ」ガバッ
剣士「盗賊が起きたら消えてて」
勇者「まぁ、あいつわりと嫌々ついてきてたからな」
勇者「逃げたんじゃね」
剣士「そんな…」
賢者「どうかしらね、2、3日は八葉草の成分も抜けないって言ってたし」
勇者「あいつ夜中どっか行ってたな、トイレかと思ったが」
賢者「はぁ!?なんで見てて止めないのよ!!」
勇者「お前小便止めれんの?俺は無理だね!!」
賢者「どういうこと!?」
剣士「と、とにかく探しましょうよ…」
「おーい!!旅の人!!」
▼村人が入ってきた
「すぐに海に来てくれるか!!大変なんだ!!」
勇者「え?」
賢者「は、はい」
▼人だかりができている
「朝、漁をしようと思ったら打ち上げれてたんだ」
賢者「…そんな」
剣士「え?」
勇者「…」
▼打ち上げられた死体…顔には盗賊のスカーフが乗せられている
「あんたらには辛いと思うけど…多分人魚の仕業だ…」
「あぁ、そうにちがいねぇよ」
店主「だから八葉草を食べたら海に行くなと…」
勇者「…」
賢者「勇者…」
剣士「師匠…あまり気を落とさずに…」
賢者「旅に犠牲は…つきものよ…」
勇者「いやさ…盗賊って神に使えていないし、葬儀ってどうなんのかなって」
賢者「あんたね!!クズだとは思ってたけどよくそんな事言えるわね!!」
剣士「け、賢者!!とりあえず落ち着こう…!」
賢者「はぁ!?」
剣士「いったん宿に戻ろう、盗賊の荷物も少ないけどあるから」
賢者「…そうね」
勇者「…」
▼その後、村人の助けもあり、浜辺で厳かに葬儀は行われた
賢者「私たちはいったん戻るわよ」
勇者「…そうか…俺は明日までこの火を絶やさないように言われているからな」
剣士「お体に…さわないように…」
剣士「賢者…行こう…」
賢者「ええ…」
剣士「お前な、師匠を何も分かってない」
賢者「あなたは分かってるの?」
剣士「あぁ、師匠は卑怯だ」
賢者「じゃあクズじゃない…」
剣士「だけどな…芯のある人だよ…」
剣士「わがままで思ったことをすぐ行動に移す、軽犯罪なんかお構い無し」
剣士「だけどな…絶対にしてはいけないことはちゃんと分かってる」
賢者「ふーん」
▼勇者は座って火を見続けていた
勇者「……」
勇者「本当に死んだのか…」
勇者「…」
「まだわかんねぇよ」
勇者「え?」
少年「あんたの仲間だろ?」
勇者「ガキが夜中に何してるんだ」
少年「あんたこの村に来たなら人魚伝説は聞いてるよな?」
勇者「いや」
少年「なんで!?メインイベントだぞ!?」
勇者「おっさんの話ってなげぇからな」
少年「…ぷ」
少年「気に入ったぜ兄ちゃん」
勇者「そうか、一方通行だけどな」
少年「あんた、火葬ってはじめてだろ?」
勇者「まぁな」
少年「ちゃんと燃やした跡を見たか?」
勇者「灰しか残ってなかった」
少年「だろうな」
勇者「なんだそれ」
少年「骨が残ってないんだろ?普通は少しでも残るもんだ」
勇者「?」
少年「多分その死体は人魚の妖術だぜ」
勇者「なにぃ!?じゃあ本物の盗賊は!!」
少年「生きてると思う…人魚に拐われたんだよ…」
▼勇者は走り出す
少年「おい!どこにいくんだ!?」
勇者「え?」
少年「場所が分かんないだろ!」
勇者「たしかに」
少年「たしかにじゃなくてさ…あんたヤバい奴だな」
勇者「大人はみんなヤバいんだよ」
少年「いや、みんなじゃねぇだろ、母ちゃんとかまともだわ」
少年「とにかく、俺が道案内してやる」
少年「腕に覚えがあるんだろ兄ちゃん?」
勇者「まぁな」
▼勇者はひのきのぼうを構える
少年「なんで初期装備なん!?!?!?」
少年「あんたふざけてるんならやめろよな!?!」
勇者「ふざけてねぇよ!大人にはなぁ!!事情があるんだよぉ!!」
少年「剣は?」
勇者「持てねぇ」
少年「あんた呪われてんな!!」
勇者「うるせぇ!!クソガキ!!」
少年「なんだと!!チャンバラ男が!!」
勇者「俺は勇者だハナタレ!!」
少年「ヤバい奴かとは思ったけど確信に変わったぜ!!」
少年「勇者がひのきのぼう使うかよ!!ドM縛り野郎!!」
勇者「なにぃ!?!?」
勇者「はぁっ、はぁっ!」
少年「はぁ、はぁ!」
勇者「口達者なガキだな!」
少年「あんたもな!!」
勇者「と、とにかく、案内しろ」
少年「あぁ、あ、護身用の武器とか貸してくれよ」
勇者「それもそうか」
▼勇者は四次元ポケットからひのきのぼうを出した
少年「なんだそれ!!あれか!!」
少年「あんたひのきの精霊かなんかだろ!!」
勇者「うるせえな!!棒でも無いよりましだろ!!」
少年「ま、まぁな…」
少年「あっちの海の方見てみてよ」
勇者「うん?暗くてよく見えないな」
少年「孤島があるのわかるかな?」
勇者「あぁ…」
少年「噂ではあそこに人魚がいるんだ…」
少年「村の人は恐れて誰も近づかないよ」
勇者「とにかく行ってみよう、船は?」
少年「船は鍵のかかった小屋に…」
勇者「なんだ?泳ぐのか?」
少年「せめて木材があれば小舟が作れるんだけどな」
勇者「これでいいか?」
ボロボロボロボロボロボロッッッッ
▼勇者は鼻からひのきのぼうを出しまくった
少年「うわぁ!!やっぱり人間じゃねぇ!!」
勇者「人間だ人間!!」
勇者「こら!!逃げるんじゃねーよ!!」
▼人外は少年を捕まえた
勇者「無限に」
少年「ひいいいいい…」
勇者「いいから船作れや!!」
▼小舟が完成した
少年「浮きやすくてよかったよ、ひのき丸って所だな」
勇者「よし、行こう!!」
勇者「あれ?オールは?」
少年「オール?櫂か?」
少年「ひのきのぼう細いし作れねぇよ」
勇者「どうすんの?」
少年「バタ足で漕いでよ」
勇者「結局俺泳ぎじゃねーか!殺すぞ!!」
盗賊「はれ?ここは?」
人魚「目が覚めましたか?」
盗賊「はひひ、綺麗な人魚が見える~」
人魚「まぁ、ふふふ…八葉草でも食べたのかしら?解毒薬よ」
盗賊「ごちそうだぁ!」
▼盗賊は海藻を食べた
人魚「どう?」
盗賊「……」
人魚「あれ?見えてますか~」
盗賊「うわぁぁぁ!!?人魚!?」
人魚「きゃあ!?」
盗賊「お、俺をどうするんだぁ!?」
人魚「どうもしませんよ!溺れている所を助けたんです!」
盗賊「えぇ?」
盗賊「あ…うっすらそんな記憶が…」
盗賊「あ、みんなは!?」
人魚「みんな?」
盗賊「アニキとか」
人魚「この島からは出れませんよ」
盗賊「え?」
盗賊「あんたが勝手に助けたんだろ!それはないよ!!」
人魚「か、勝手にって!!酷すぎます!!」
盗賊「う、すまねぇ」
ジャポンッッ
▼人魚は洞窟の水路に飛び込んだ
盗賊「逃げるなら今のうちかな…」
盗賊「さて」
▼盗賊は立ち上がった
ジャバジャバジャバ
少年「はやくぅ、日が明けるぜ?」
勇者「じゃあお前も降りて漕いだらぁぁぁぁ?」
少年「それじゃ船の意味なくないか?」
勇者「俺にとってはもう意味無いんだけど!?」
『勇者よ…』
少年「声がしたぞ…?人魚か?」
勇者「どうせ神だろ」
少年「なわけ…」
『神ですけどなにか…』
▼神は落ち込んでいる
少年「神ぃぃぃぃぃぃ!?」
少年「あんたやっぱり人間じゃないだろ!?」
少年「怠惰の神とか!?」
勇者「それ悪魔じゃね?」
勇者「俺なんで勇者って信じてもらえないんだろ、こんなに好青年なのにな」
『そろそろいいですか?』
勇者「あぁ、すまんすまん仲間に
『なりませんよ?めんどくさがらず自分で魔王を倒してくださいね』
勇者「だいたい何してたんだよ、あんただったら盗賊の死体の偽装にも気づいたろ?」
『え?いや…その…』
勇者「どうせ人間の男とあってたんだろ」
少年「大人の痴情のもつれは見苦しいぞ」
勇者「子供になにがわかる!」『子供になにがわかる!』
少年(なんか似てるな)
勇者「それより、なんかあって来たんだろうな?」
『もちろん、パワーアップです』
勇者「金持ってきてねぇよ」
『は?』
『じゃあこの話は無かった事に…』
勇者「おいいい!!こっちは一大事ぃぃぃぃ!!」
勇者「盗賊の命がかかってんだよ!!」
『ええ…じゃあ後払いで一時的に強化して上げます』
勇者「結局金とるのに一時的なのかよぉッッッッ!!」
少年「とんでもねぇ邪神だよ!!」
『あー、ゆうくん?お金できそうだよ~~』
勇者「ゆうくんってだれぇぇぇ!?」
『あ、まだ繋がってた、またね』
▼神との交信は途絶えた
少年「…」
勇者「な?」
少年「な?じゃないよ」
少年「苦労してんな!」
少年「早くバタ足してよ」
勇者「うるせえな!!わかって
バッフォォォォォォォォン
▼とんでもない加速をした
少年「うわぁぁぁぁぁ!?」
▼少年はしっかりと捕まる
勇者「すげぇ早く泳げるぜ!!」
少年「また一歩人間やめたな!」
勇者「殺すぞ!!」
盗賊「この洞窟は複雑な造りだな…」
盗賊「出口がわかんねぇ」
「おい」
盗賊(ひ!見つかったか!!)
男「あんた…人間だよな?」
盗賊「へ?あ、あんたも?」
▼男が現れた
男「おお!久しぶりに人間を見たぜ」
盗賊「それじゃあ、あんたも連れてこられたクチかい?」
男「いや…俺はちょっと特殊でね」
盗賊「あんたここ長そうだな、帰り道わかるかい?」
男「あんたは、帰れないよ」
盗賊「…は?」
男「人魚に連れてこられたんだろ?」
盗賊「そうだが」
男「つまり許嫁ってわけだ」
盗賊「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
男「掟でな、人魚は人間と一緒になってもいいんだよ」
盗賊「あ、あぁ?」
男「ただし、島にそいつを連れて来ること、そして連れてきた相手を島から出さないこと、連れてきた男とはかならず一緒になること」
男「それが掟さ」
盗賊「なんだそれ!!そんな勝手なもん…」
男「勝手か…そうかもな」
盗賊「なんでそれを!」
男「その人魚はどんな気持ちで助けたと思う?」
男「この島に連れてくれば必ず一緒にならないといけないんだぞ」
盗賊「…」
男「それも覚悟で連れてきたんじゃないか?」
盗賊「だとしても、俺は」
男「まぁ、いいさ」
男「ただ一度命を拾ったんだ、それだけは覚えておきな」
盗賊「あんた……」
勇者「はぁ…はぁ…」
少年「スタミナねぇな」
勇者「どうみても、あるだろ?ここまで泳いで押してきたんだぞ…」
少年「はやく行こう、探さなきゃ」
勇者「そうだな」
「「「ギュオオオオオオ」」」
▼魚人の群れが現れた
少年「うわぁぁぁぁぁ!?」
勇者「魚人か」
少年「あんた驚かねぇの!?」
勇者「魚人食った奴しってるしな」
少年「仲間もやべえ奴なんだな」
勇者「うるせぇな!!」
魚人「なぜここに来た!!」
勇者「俺の仲間があんたらに拐われたんだ」
「…あいつか?」
「あぁ、若い人魚が連れてきた…」
「あの貧相な人間か…」
勇者「どうやら心当たりがあるみたいだな」
魚人「すまんが、そいつは返すことができん」
魚人「だがお前らの気持ちもわからんでもない特別に見なかった事にしてやるから帰るがいい」
勇者「ほーん、わかった」
勇者「って帰るわけねーだろ、すげぇ馬鹿だが仲間なんだよ」
勇者「試してみるか?」
少年「か、かかってこい!」
▼二人はひのきのぼうを、構える
勇者「お前は下がってろ」
魚人「ギュオオオオオオ!!」
▼魚人が飛びかかってくる
勇者「オッラァァァァ」
シバァァァン
魚人「キュッ」
ドサッ
▼魚人は顔面をシバかれて倒れた
勇者「ふ、案ずるな峰打ちだ」
少年「ひのきのぼうに峰打ちも糞もあるかよ!!」
「「「「ギュオオオオオオ!!!」」」」
▼魚人がまとめて突っ込んできた
勇者「ふんっ!」
▼鼻からひのきのぼうが飛び出す
魚人「な!明らかに質量がおかしいだろ!貴様人間じゃないな!?」
勇者「人間じゃない奴に言われたかねーよ!」
勇者「食らえ二刀流ひのきのぼう!!!」
ドッドッドッドッ
▼勇者は飛びかかってくる魚人を次々と左右になぎ倒す
少年「つ、つえぇぇ…」
勇者「うるせぇ!!HS!!」
ビュンビュン
少年「なにそれ?!」
▼ひのきのぼうスローが魚人を強襲するが魚人はよけた
「なんて速度だ!!」
「すごい威力だ、貴様ひのきのぼうの使い手か!!」
勇者「そこは認めねぇからな!!」
魚人「しかし、こちらには数の利がある。いずれにしても死ぬのはお前だ!!」
勇者「は!雑魚がいくら集まっても…」
少年「うわぁぁぁぁぁ!?」
勇者「?」
▼少年が一体の魚人に襲われている
少年「た、助けてくれよ兄ちゃん!!」
勇者「えー…こっちも忙しいんだよ…」
少年「それでも人間かよ!!」
「ギュオオオオオオ!!」
勇者「お前も覚悟は出来てるだろ、思いっきりぶんまわせ」
少年「ちくしょう!!や、やってやる!!」
「ガキが!黙って捕まれ!!」
少年「おっらぁぁぁ!!」
ヒュオ
▼魚人は避けた
少年(はず…れた…)
魚人「ならば死ね!!」
▼魚人の一撃
少年(だめだ…しぬ!)
少年「う…ぐ?」
ドサッ
▼魚人は倒れた
少年「一体!?」
ミョンミョン
▼ひのきのぼうは一人でに動いてる
勇者「はーっはっはっ!この勇者様にぬかりはないわ!」
少年「気持ち悪!!」
▼少年はひのきのぼうを投げ捨てた
勇者「おい!!ピンクグッズを浜辺に捨てるな!約束な!!」
少年「そんなもん子供に渡すな!!」
「くそ!ガキは後回しだ!!こいつをやっちまおう!!」
「ククク、まだまだ数は圧倒的に勝ってるんだ!!」
勇者「浜辺って風が強いんだな」
「!?」
▼上空に四次元ポケットが舞っている
魚人「なにかくるぞ!!」
ドドドドドドドドドドドド
▼ひのきのぼうスコール!!風に舞い荒ぶる暴風雨と化した
少年「なんて威力だ!物理法則無視してないか!?」
勇者「神のブーストかかってるからな」
「「「「ぐわぁぁぁぁぁぁッッッ」」」」
▼魚人の大群を掃討した
勇者「何びきか逃げたけど、まぁいいか」
少年「すげぇじゃん!」
勇者「あ、人魚見つけたら食べなきゃな」
少年「やっぱり正気の人間とは思えねぇよ!!!」
勇者「ばか、俺は魔王を倒さねぇと…
少年「あ!あの白布飛んで行ったけどいいの?」
勇者「よくねぇ!!高いんだぞ!!」
ドドドド
▼勇者は急いで四次元ポケットを追っていった
少年「えぇ…置いていくなよ…」
少年「まぁ、俺は俺で目的を果たすか……」
人魚姫「ならば結婚はしないと言うのですか?」
人魚「…」
人魚姫「掟は絶対です…考え直しなさい」
人魚「…わかりました」
人魚(盗賊さん…)
バタァン
「大変です!!」
▼魚人が入ってきた
人魚姫「どうしました?」
「変な奴が男を取り返しにきました!!」
「それも死ぬほど強いし、変な妖術を!!」
人魚姫「…至急魚人兵を集め掃討しなさい、殺すのです」
「はい!!」
ザワザワ
人魚(…盗賊さんの仲間…?)
人魚「いそがなきゃ!!」
男「それでさ、人魚ってだけで家族も村人も大反対さ」
男「だけど俺は愛した女を手放したくはなくてな…」
男「八葉草を食べたふりして海での死亡を偽装したんだ」
盗賊「へぇ、それで愛の逃避行かい」
男「あぁ、人魚は美しいし、ここも住めば都さ。魚人は血の気は多いが仲間思いだしよ」
盗賊「全てを捨ててここに来たわけだ…俺は無理だな」
男「まぁ、俺のせいで掟も厳しくなってよ…」
男「その点はすまんな!はっはっは!」
盗賊「は、はぁ…洞窟の出口まで送って下さってありがとうございます、あとは自力で帰る方法を見つけるよ」
男「あぁ…頑張れよ」
「お兄ちゃん!!!」
盗賊「え?俺?」
少年「ちょ、どけ」
男「……え?なんでお前が?」
少年「洞窟見つけたから来てみたら…」
少年「何やってんだよ!!」
少年「はやく帰ろう!!母ちゃんも心配してるよ!!」
男「……」
盗賊「……修羅場だぁ…」
男「俺は帰らねぇよ…」
男「兄ちゃんはな…こっちで幸せに生きてるって言っといてくれ」
少年「嘘だ!!兄ちゃん、本当は拐われてここに来たんだろ!!」
少年「洗脳されてんだよ!!」
盗賊「きみ、俺も連れてこられたけど、洗脳はされてないよ」
少年「誰だあんた!モブは消えろよ!!」
盗賊「はう!?小さいアニキを見てるのか俺は!?」
少年「だとしても顔くらいちょっとはだせよ!!」
少年「みんなどんな気持ちか…葬式だってしたんだぞ!!」
男「大人には事情があるんだよ!!」
少年「そんなもん、言い訳だろ!!」
盗賊「……」
ザパァンッッ
▼洞窟水路から人魚が現れた
人魚「盗賊さん!!」
盗賊「あ!」
人魚「お仲間が来てます!!」
盗賊「アニキか!?」
人魚「変な妖術を使うと!」
盗賊「アニキじゃねぇか!!」
人魚「盗賊さん…」
盗賊「…?」
人魚「結婚…してくれませんか?」
盗賊「……」
人魚「ですよね…私なんて」
盗賊「違うんだ!!」
盗賊「あんたは綺麗だよ!助けて貰ったのも感謝してる!!」
盗賊「いい人だし、男さんから人魚の話を聞いて少し憧れた…」
盗賊「結婚もいいなぁって…少し思ったよ」
人魚「…なら」
盗賊「でもな…俺には仲間がいるんだ…」
盗賊「はじめは…いきなり加減なしに殴られるし、金は巻き上げられるし」
盗賊「なにするにしても連れ回されるし…めんどくさい人間だと思った…」
盗賊「でもな…一緒にいると少しずつ人柄がわかってきたんだ」
盗賊「天の邪鬼で文句しか言わないけど、絶対に一線を越えない…」
盗賊「そんな人なんだ…兄貴は…」
盗賊「ってそれだけだとヤバい奴と思われるかも知れないけどそういう話じゃなく…!こう人間として魅力が…!!自由というか!!」
人魚「ふふふ…」
盗賊「…!?」
人魚「大切な仲間なんですね、その人…」
盗賊「あぁ、アニキはかならず魔王を倒す人なんだ…俺は弱いけど、少しでも力になりてぇ…そう思ってる」
人魚「ふふ…あーあ…」
人魚「そのアニキさんが羨ましいです…」
盗賊「!?」
人魚「あなたの事が、もっと好きになっちゃいました…」
盗賊「おれは…」
人魚「わかってます!!こちらへ!!」
少年「あ!!俺も頼むよ!!」
人魚「わかりました!」
少年「兄ちゃん!!はやくきて!!」
男「ふふ…今の盗賊君を見てたらさ…」
少年「なにしてんだよ!?」
男「よけいに帰る気は無くなった…」
男「ここには俺が愛する人がいるんだ…」
男「わかってくれ…これが俺の選択なんだ…」
少年「兄ちゃん!!」
男「ただ間違えるなよ、俺はお前も愛してる」
男「それは離れていても…変わらないだろ?」
男「兄弟なんだからな!」
少年「!!」
人魚「はやく!!」
少年「じゃあな!!兄ちゃん!!」
男「おう、お別れだ!」
勇者「くっそ!四次元ポケットは見つけたけど…ガキはいねぇし、盗賊も見当たらねぇし…」
勇者「あいつも捕まったか?」
ドドド
人魚「すいませーん!そこの人!!」
少年「おーい!!兄ちゃん!!」
勇者「捕まってりゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
盗賊「あ、あにきぃ!!」
勇者「根こそぎいっとるやないかい!!」
勇者「お、でも一緒に走ってきてるな…捕まってはないのか…?」
▼合流した
盗賊「はぁ…はぁ…」
勇者「てめぇ!!探したぞ糞が!!」
盗賊「アニキぃ!!俺のこと心配して……うぅ…」
勇者「そうだぞ…」
勇者「お前がいないなら誰がリアカー牽くんだよ」
盗賊「え?」
「「「「「ギュオオオオオオ!!!」」」」」
▼島全体に魚人達の雄叫びが響き渡る
人魚「もう時間がありません!!」
人魚「魚人は大部隊を作ってあなたを追っています!」
勇者「え?おれなんかした?」
少年「あんた棒と一緒に鼻から記憶がこぼれ落ちてるんじゃないか!?」
勇者「え?君だれ?」
少年「おい!!」
勇者「うそだよ、ははは」
勇者「あ、これ?」
▼勇者はひのき丸を見せつけた
人魚「なんですか!このボロ舟は!!」
勇者「ひのき丸だ、ばかにするなよ」
人魚「とにかく乗ってください!向こう岸まで引っ張りますから!」
勇者「あぁ」
▼三人はひのき丸に乗った
▼人魚はすごい勢いで引っ張り始めた
ズザァァァァァ…
勇者「さすが人魚…これだけ乗ってこのスピードだけなら魚人以上なんじゃないか?」
盗賊「これで…一件落着っすかね」
勇者「なぁ、人魚…ちょっとカジっていいか?」
人魚「死にたいんですか!?」
勇者「死にたくないからだけど」
人魚「ダメに決まってるじゃないですか!!」
盗賊「アニキ!?」
少年「…」
勇者「そういえばお前の問題は解決したのか?」
少年「え!なんでそれを!!」
勇者「目を見りゃ悩んでるかどうかなんてわかる」
勇者「何があったかは知らんが、来るときよりはいい目をしてるぜ」
少年「は!どうだかな!あんたの目は節穴だからな!」
勇者「よし、海に落とそう」
少年「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
バタバタ
▼勇者は少年を落とそうとした
人魚「本当に死にたいんですか!?」
人魚「暴れないでください!!船が壊れます!!」
人魚(完全に重量オーバーですよ!!)
勇者「え?」
勇者「なんも見えねぇぞ、暗いし」
盗賊「俺は目がいいんすよ!」ジー
▼遠くの海面から出た背ビレが近づいて来ている
人魚「追っ手が来てますね…生きて逃がす気がないみたいです…」
勇者「しゃあねぇな!多段HS!!」
ヒュボボボボ
盗賊「なるほど!迎撃っすね!」
ジャボボン!!
▼海面の魚人数体を倒した
「「ギギィ…フォーメーションを組むぞ!!」」
ゴゴポポッッッッ
盗賊「あ!!潜りやがった!!」
勇者「くそぉ…陸地まではもう少しなのにな…」
少年「さっきの棒投げすればいいじゃん!!」
勇者「お前はなんの船に乗ってるんだ?」
少年「え?ひのきのぼう?」
勇者「そうだ、ひのきのぼうは浮くんだよ水中には届かねぇ」
人魚「このままじゃ追いつかれます…!!」
少年「くっそー!!ここまでなのかよ!!」
▼勇者が立ち上がる
盗賊「あ、アニキまさか!?」
勇者「ちょっと足止めしてくるわ」
盗賊「無理っすよ!!」
盗賊「水中で魚人を相手なんて!!」
勇者「どうかな?俺は…」
勇者「勇者だぜ?」
ドボンッッッ
▼勇者は暗い海に飛び込んだ
盗賊「アニキぃぃぃ!!」
少年「兄ちゃん!!」
グンッッ
▼小舟が加速する
人魚(か、軽くなった!!)
盗賊「引き返せ!!」
人魚「いいんですか!!アニキさんの思いを無駄にして!!」
盗賊「!!」
盗賊「くそぉ…もどってくださいよ!!」
▼勇者は水面で泳いでいた
▼月明かりだけが辺りを照らす
勇者「はぁ……ヤバいよなぁ」
「ぎゃはははは!」
「水のなかで俺たちに勝てると思ってんのか?」
勇者「まぁ、今日は行ける気がするぜ」
「やれ…!」
勇者「な!!」
ドボンッッッッッッッッ
▼勇者は不意に足を引っ張られ15メートルほど水中に引き込まれた
勇者(くっそー!)ゴポポ
「ぐへへ!!水中で身動きはとりにくいだろ!!」
「人間は息も続かんしな!!」
「完全におしまいだぜ!?」
▼水中にはうっすらとした月明かりに照らされていた。魚人兵達に四方を埋め尽くされている
勇者「ぞうがな」ガポポ
「はぁ?」
「水中では棒も振れんぞ!!」
バジュゥゥゥゥゥゥゥゥ.。o○
▼勇者は高速で魚人に接近した
「「「「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!」」」」
ズパン……ドコン……バコン……
▼水中に鈍い音が響き次々と魚人がやられていく
勇者(魚雷Hブレイク!)
「やはり人間じゃないようだな!あやかしだ!!」
「ぶっころせぇ!!」
ドコン…バコン…ズドン…
▼次々と魚人がやられていく
▼2手3手先を読むフェイントにより、トライデントでは捉えられない
勇者(水中で棒は振れないが人間魚雷としてすっ飛んで叩き込むなら話は別だ)
勇者(簡単だぜ!)
「だめだ!!捉えられねぇ!」
「強い!!」
「いいや、そろそろだ!!」
勇者「!!」ガポポ…
勇者(息が!!)
▼勇者は水面へ上っていく
ガシィ!!
勇者「!?」
▼勇者は足を捕まれた
「この時を待ってたぜ!!」
「息継ぎするときは…そりゃあ真っ直ぐ水面に向かって泳いじゃうよな!!」
勇者(くそ!読まれやすい動きしちまったか!!)
ゴボボボボボボボボボッッ
▼しかし勇者は強引に少しずつ海面に向かっていく
「なんて力だ!!」
勇者(ぐ…意識が……)
勇者(もう…すこ…し…)
▼勇者は鼻から数本のひのきのぼうを出して脇に挟んだ
▼拮抗していた体が少しずつ浮き上がっていく
勇者「ぶはっ!!!」
▼勇者は一瞬だけ息継ぎをした
ゴボボボボボボボボボッッッッ
▼その瞬間また引きずり込まれる、ひのきのぼうは散り散りになった
勇者(だめだ…まだ息が!!)
勇者(離せ!!)
ガンガン
▼勇者は足を捕まれている手を蹴る
「ぐふふ、弱い弱い!もっと引きずり込んでやる!!」
勇者(やばい!!)
「お前らァァァ!!今のうちに槍でつき殺せぇぇぇぇ!!!」
▼まわりの兵が一斉に勇者に突っ込んでいく
▼トライデントの切っ先は全てこちらを向いている
勇者(だめだ!!動けん!!やられる!!!!)
「げひひ、死ね!!」
ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!.。o○
「なっ!!」
▼勇者は急激に深海に向かって潜り始めた
▼急な旋回により、魚人は手を振り払われてしまう
勇者(押してだめなら引いてみろってな)
「バカめ!!海底に行けばいくほど不利になるのがわからんか!」
勇者(息ももう続かねぇ!!)
勇者(だが、もうすこし…もうすこしだけ潜る!!)
▼高速で深海へと沈んでいく
「「「「ギュオオオオオオ!!」」」」
▼幾多の魚人が真っ直ぐ跡を居っていく
▼勇者は海底に手をついた、ここには月明かりすら届かない
勇者(真っ暗だ…だが海底がわかれば…それでいい…)
▼勇者は海底にそっと背中をつける
▼とっくに肺の空気はなく、体が浮かぶ事もない
勇者(敵は見えねぇが…見る必要はない)
勇者(俺が酸素を求めて真っ直ぐ泳いだように)
勇者(トドメをさそうと真っ直ぐ来てるだろうからな!!)
勇者(くらぇぇぇぇぇ!!)
▼勇者は四次元ポケットからひのきのぼうを大量に解放する
ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ
▼浮力とブーストにより高速でひのきのぼうが舞いあがっていく
▼ひのきのぼうはまるで海底火山の爆発に巻き込まれたような勢いだ
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
「な、なんだぁ!?」
「あがぁ!?」
「「「「「ぐわぁぁぁぁぁぁァァァァァァぁぁ」」」」」
▼追いかけていた幾多の魚人達は理解する間もなく高速で飛んでくる飛翔物に弾き飛ばされ意識を失っていった
勇者(ひのきのぼう流刀殺法…海底爆火山…)
勇者(なんてな…ゴポポッッ)
人魚姫「…なんてこと…魚人達が全滅している!!」
人魚姫「ゆ、夢ではないよな…」
人魚姫「みんな息は…あるみたいね…よかった」
人魚姫「ん?あの光は…」
▼海底で一筋の光が輝く
人魚姫「人間?」
▼その男は意識がなく光に包まれていた…
人魚姫「美しい…神に愛された男だ…」
人魚姫「全ての環境がこいつを生かそうと動いている…」
人魚姫「神のご意志なら…助けましょう…」
▼人魚姫はくちづけをし、酸素を送る
▼朝日が昇っていた
ズザァァァァァ…
盗賊「浜が見えてきた…」
剣士「師匠はいったいどこへ…」
剣士「まさか師匠も人魚に…?」
賢者「あれをみて!!」
▼沖から船のようなものが近づいてくる
剣士「あれ…盗賊か!?!」
賢者「まさか幽霊!?!」
人魚「…人がいる…ここまでですね…」
盗賊「人魚…?」
人魚「……」
▼人魚目には一筋の涙が流れていた
▼しかし、人魚の目は悲しみとも怒りとも違う感情が見てとれる
盗賊「俺たちも…お別れだな」
人魚「ふふ…私は戻って来るって信じてます」
盗賊「多分この旅で死ぬよw」
人魚「なら、この涙をあげます…」
盗賊「涙?」
▼人魚は一雫の涙を人差し指に乗せるとそっと盗賊の唇にあてた
盗賊「///?」ゴクッ
人魚「さよなら…」
ジャポンッッ
盗賊「……」
▼人魚は海へと帰った
少年「ラブストーリーか?キスしとけよ、勿体ねぇ」
盗賊「ませた子供だな!」
賢者「そんなことが…」
剣士「てめぇ!師匠を置いてよく帰ってきたな!!」
ガン
▼剣士は殴った
剣士「師匠は命をかけてお前を救いに行ったんだろ!!」
剣士「ならお前も命を張るのが筋じゃねぇのか…!!」
賢者「やめなさい!!盗賊の言い分もわかるわ」
賢者「二人とも犠牲になればそれこそ勇者は望まなかったわ!!!」
賢者「それにまだ死んだかも…」
村人「しかし、もう昼前だ…とても生きてるとは…」
剣士「あぁッッッッ!?」
▼剣士はキレた
村人「ひぃぃぃぃ」
少年「とりあえずまとうよ…あの兄ちゃんが死ぬとは思えないし…」
盗賊「うう…アニキ…」
▼一同は、浜辺で村人達と共に勇者の帰りをまった…
剣士「…」
賢者「ふぁぁぁ…」
盗賊「アニキィ…」
「おい!!向こうから何かがすごい勢いで泳いでくるぞ!!」
賢者「ふふ、まぁ死ぬわけないよね」
剣士「まさか!!」
盗賊「あの人間とは思えないスピードは!!」
剣士「師匠ぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ザッパァァァァァン
▼水しぶきが陽の光を反射する
賢者「なんなのそのスピードは」
勇者「そろそろ元に戻るぜ」
剣士「足はありますよね!?」
勇者「当たり前だろ!」
剣士「よがっだぁぁぁぁぁ生きてる!!」
盗賊「アニキ…ありがとうっす!!」
勇者「パーティーを守るのは勇者の務めだからな」
盗賊「アニキぃぃぃ!!!!」
勇者「あと、馬車牽きを助けるのも」
盗賊「え?」
賢者「感動のシーンじゃないのかい!」
少年「あはははは!!!」
村人「わはは!君可哀想だね!」
▼浜辺には四人と村人達の笑い声が響き渡る
▼しばらく後
勇者「うぇ…金がごっそり無くなってらぁ…」
賢者「違うわよ!!」
勇者「いや、そういや神の仕業だわ」
賢者「あの神って貧乏神じゃないでしょうね」
賢者「あんたを勇者として選んだ時点でいろいろ怪しいのよね」
勇者「うるせぇな!!見る目の塊だろ!!」
賢者「なによそのヤバそうな塊」
剣士「いや、でも師匠と盗賊が帰って来てくれてよかったですよ」
剣士「賢者との二人旅とか…ちょっと…」
賢者「どういう意味よ!!」
盗賊「アニキィ!!少年が来てますぜ!」
勇者「え?まじか」
母「もー、うちの子が迷惑をかけてすいません!!」
母「あの島まで死んだ兄を探しに行ったそうで…」
母「あなたが一緒について行ってあげたとか……」
勇者「あぁ…まあ俺もあの島には行ってみたかったんで」
勇者「一万でいいっすよ」
母「え?」
盗賊「アニキィ!!」
盗賊「あはは!奥さん!嘘っすよ嘘」
少年「……」
勇者「次はお前が誰かを連れていってやる番だな」
勇者「島にじゃねーぞ?危ないからもう行くな」
少年「どこに誰をだよ、誘拐かよ」
勇者「くっ、クソガキぃ…」
母「あの、お礼とか…」
盗賊「いいんすいいんす!!さ、早く家に!」
母「は、はぁ?」
少年「ベー!」
勇者「憎たらしいな」
盗賊「アニキに似てるっす」
シバァァン
盗賊「ぎゃあああす!!」
▼ひのきのぼうが盗賊を襲った
▼しばらく後
勇者「じゃあ、世話になったな」
宿の店主「また、いつでも訪ねてください、サービスしますよ」
店主「村のガキも助けてくれたしね…はっはっは」
勇者「へいへい、んじゃ」
盗賊「さぁて、リアカーでも牽くかな、あーあ」
賢者「根に持つタイプなのね」
剣士「やる気がないならやめるんだな」
賢者「なんであなたはコレに前向きなの?」
勇者「はは、絶対に馬車は買わねぇ…」
盗賊「なんでっすか?なんでっすか?」
勇者「というか人魚食い損ねたのがなぁ…」
盗賊「それは言わない約束っすよぉ…」
▼リアカーが動き始める
勇者「お?」
少年「ありがとな!!」
勇者「おう!俺も助かったぜクソガキ!」
少年「くそて…腹立つなぁ」
少年「俺は絶対にあんたみたいな人間になるからな!」
ガラガラ
勇者「なれるかよ!お前弱いし」
賢者「やめときなさい、人間やめるってことよ!」
勇者「黙れ糞女」
少年「これやるよ!!じゃあな!!」
ぴゅぅぅぅぅ
ガシッ
▼少年の投げた何かを受け取った
勇者「なんだ?」
勇者「って馬の糞じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁぁ
賢者「ぷくく…なれそうね…あんたに…」
少年「へへへ…!」
▼海のそばの村を後にした勇者達はしばらく少年の未来予想で盛り上がった
▼盗賊が飲んだ人魚の涙の恐るべき能力とは…次回に期待しましょう…一行は魔王討伐にまた一歩すすんだのであった
~~fin ×
~~宿
剣士「お前な、師匠の何も分かってない」
賢者「あなたは分かってるの?」
剣士「あぁ、師匠は卑猥だ」
賢者「じゃあクズじゃない…」
剣士「だけどな…芯のある人だよ…」
剣士「わがままで思ったことをすぐ行動に移す、性犯罪なんかお構い無し」
剣士「だけどな…絶倫にしてはいけないことはちゃんと分かってる」
賢者「ふーん」
あと締めの~~fin×っていうのを他の方も使われているようなので、今回から酉つけます。
乙でした !
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コメント一覧 (16)
-
- 2017年11月14日 19:53
- 次は賢者編か
-
- 2017年11月14日 19:54
- 相変わらずの勢い
-
- 2017年11月14日 19:59
- もう人魚は結婚することもできないのか
そして罪に問われるんだな
-
- 2017年11月14日 20:04
- どんどん呪い(まじない)で強化されていくストーリーなのか…
というか四次元ポケットにひのきのぼうをありったけ詰めれば無敵じゃないか
-
- 2017年11月14日 20:27
- 粗は多いんだけど本当に読みやすいな
-
- 2017年11月14日 21:09
- 人魚姫の加護でなんか良い感じに話進むのかな
-
- 2017年11月14日 21:40
- 日野 希望 (16)
-
- 2017年11月14日 22:52
- シーンがイメージしやすい文章でええわ。
-
- 2017年11月15日 08:18
- 次回も期待しかない
久しぶりにssで面白いのに出会った
-
- 2017年11月15日 12:51
- これは魔王倒した後、盗賊は人魚ちゃんエンドですね。ぐふふ
次回も期待してます
-
- 2017年11月15日 16:11
- ※11
盗賊「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
-
- 2017年11月15日 16:37
- 勇者「いいこと考えた!次回からリアカーの代わりに石垣ひかせよう」
-
- 2017年11月15日 21:15
- 女神仲間になるフラグゼロで草
ゆうくん=(未来とか別次元とかの)勇者は微レ存?
ここまで紅一点のはずの賢者がなんの役にも(戦闘でもお色気でも)たってなくてやっぱり草
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- 2017年11月17日 01:44
- 次回も楽しみ
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- 2017年11月17日 11:49
- 勇者が「今日から俺は」の三橋にみえる
とにかくすごい自信だ