【アイマス】P「大雪の夜に」
響「…………」
伊織「…………」
あずさ「困ったわねぇ……」
響「うぅ……ごめん、自分がちょっと目を離した隙に……」
伊織「目を離したのは私たちだってそうよ。誰のせいかっていうなら、門を開けっ放しにしてた私のせいね」
あずさ「そんなこと言ってても始まらないわ。とにかく探しましょう」
伊織「そうね……まだそう遠くには行ってないはずだし。これ以上雪が強くなったら探しづらいわ」
響「雪でテンション上がってたんだと思うぞ……」
伊織「…………」
三人「…………すぅ」
響「いぬ美ぃぃぃ! どこだぁぁぁぁ! 帰ってこぉぉぁい!」
伊織「ジャンバルジャーン! 戻ってきなさーい!」
あずさ「とらたーん。どこにいるのー?」
P「美希、春香。お疲れさま」
春香「お疲れさまです、プロデューサーさん」
美希「ハニー!」ダッ
P「」サッ
美希「何で避けるのー?」
P「そろそろ覚えてくれ頼むから」
春香「あはは……」
P「昼ごろから降ってたんだけどな。おかげで道路にも積もっちゃってるんだ」
春香「転ばないように気をつけないと……」
P「ごめんな、車出してやれなくて」
美希「雪の中を歩くのも楽しいからいいの。三人で相合い傘するー?」
春香「あ、相合い傘……」
P「ちゃんと三本持ってきてるから」
美希「ぶー……」
春香(……ちょっとがっかり)
春香「はい。千早ちゃん、ちゃんと寝てるかなぁ。千早ちゃんが風邪引くなんて珍しいから」
P「それより、『お見舞いに行こう』って言い出したのが美希だったことにびっくりなんだが。てっきり春香発端かと思ってた」
美希「美希だって思いやりの心はあるの! ただちょっと普段は眠いときが多くてめんどくさくなっちゃうだけで」
P「お、おう……」
春香「?」
美希「この前事務所のソファでお昼寝してたときにね」
P「事務所で寝るなとあれほど……」
美希「ちょっと寒かったからお布団探してたの。で、暖かそうなコートがあったからそれにくるまって寝てたの」
春香「だいたい想像ついたよ、美希」
美希「うん。そのコート、千早さんのだったの」
P「起きてやれよ、そこで」
美希「睡魔には勝てなかったの……」
美希「そんなことより千早さんのコートは安眠効果絶大なの。良い匂いするし」スンスン
春香「あ、今着てるそれがそのコートなんだ……」
P「おまえそれ返しに行きたいだけだろ!」
千早「けほっ……ごほっ……」
千早「……あぁ、頭痛い……」
ピピッ
千早(38度5分……下がりそうもない……)
千早(仕事は休まなきゃいけないし、みんなにも心配かけちゃったし……)
千早「はぁ……」モゾモゾ
千早「…………」
カチッ
千早「……?」
カチッ
千早(……リモコン、電池切れ?)
千早「嘘でしょ……」ガクリ
千早(こういうときの為に電池を買い溜めしておかなかった自分を呪いたい……)
千早「買いに……行こう……」フラフラ
なんだとぉぉぉ
うちのついてないぞくそぉぉぉぉ
不便ったらありゃしねぇ
千早「うぅぅ……寒い……雪、こんなに降ってたの……?」
千早「手がかじかむ……」ゴソゴソ
千早(あ、鍵忘れた……まあ、近くだしいいか……)
千早「盗られて困るようなものも……無いし……」フラフラ
千早(これ、コンビニまでたどり着けるかしら……)
やよい「うぅー……ごめんなさい貴音さん、お買い物手伝ってもらっちゃって……」
貴音「良いのです。この雪の中、この荷物を持って帰るのは大変でしょう?」
やよい「ありがとうございますー! 今日は貴音さんが食べきれないくらいいっぱい料理しますね!」
貴音「……しかし、本当に私がお邪魔してもよろしいのでしょうか? それこそ迷惑になってしまうのでは?」
やよい「そんなことないです! 貴音さんが来てくれたら弟たちも喜ぶと思います!」
貴音「そう……でしょうか。ふふっ。では、楽しみにしています」
亜美「……寒いね」
真美「……寒いね。早く家の中入りたいね」
真「はぁ……ぜぇ……真美! 今のどっちだった?」
真美「ごめん、見てなかった」
真「ちょっとー!」
真「後、父さん! 今のフェイントはスポーツマンとしてどうかと思う!」
真一「勝てば官軍。とりあえず今のはノーカウントだな、はっはっは」
亜美真美「…………」
真「うおおぉぉぉ!」
亜美「…………」ウトウト
真美「亜美! 寝るんじゃない! 寝たら死ぬぞー!」ユサユサ
亜美「うーん……亜美が倒れても……いずれ第二、第三の真美が現れるだろう……」
真美「真美頼りかよ! 真美一人じゃあの二人止められないよー!」
亜美「二人でも止められてないけど……」
うちは運転スイッチだけがついてる
でも切替スイッチはなく冷房のままなのでつけたら風邪を引く
雪歩「すごい雪……電車動いてるかなぁ……」
ブロロロロ
雪歩「?」
律子「お疲れさま、雪歩」
雪歩「律子さん!? 迎えにきてくれたんですか?」
律子「そ。寒いから早く乗りなさい」
律子「降るとは聞いてたけどこんなに降るとは思わなかったわ」
雪歩「でもどうして? 車、プロデューサーが使うって聞いてたような……」
律子「プロデューサーが『雪歩の方に行ってやれ』って譲ってくれたのよ。向こうは歩いても差し支えない距離だったらしいから」
律子「案の定電車は止まってるみたいだし。駅は大混乱よ。空の便ストップのせいで新幹線の切符買う人やらタクシーの列やらで」
雪歩「そうなんですか……良かったぁ」
雪歩「? どこですか?」
律子「千早の家。あの子風邪引いてるらしいから心配なのよ」
雪歩「あ、私も今日お見舞いに行こうと思ってて……でも雪降っちゃったからどうしようか迷ってたんです」
律子「決まりね。どこかで買い物してから行きましょうか」
雪歩「はい!」
やよい「貴音さん、重たくないですか? 片方持ちましょうか?」
貴音「そんなに申し訳なさそうな顔をしなくてもいいですよ、やよい」
やよい「ううー……でも、私傘持ってるだけだし……」
貴音「やよいこそ大丈夫ですか? 少々、傘をこちらに傾けすぎでは?」
やよい「貴音さんを濡らしちゃうわけにはいかないので!」
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
響「うぅ……いぬ美ぃ……どこ行っちゃったんだ……」
やよい「響さんです! 響さーん!」
響「ん……あ、やよいに貴音! 偶然だな!」
貴音「何やら落ち込んでいたように見えたのですが、何かあったのですか?」
響「それが……いぬ美が脱走しちゃって……」
貴音「……またおやつをつまみ食いしたのですか?」
響「違ーう! 自分、同じ間違いは二度と繰り返さないぞ!」
やよい「わんちゃん、雪大好きですもんね」
響「でもちょっと目を離した隙に三匹とも逃げちゃったんだ……」
貴音「なるほど……それで手分けして探していると」
響「車もあんまり走ってないし、歩いてる人もほとんどいないから見つけやすいとは思うんだけど……はぁ」
響「二人とも、見かけたら教えてね……」トボトボ
やよい「あ、響さん……行っちゃった……」
真一「どうした! 動きが鈍くなってきたぞ真! そんな動きづらそうなコートなんか着てるからじゃないのか!?」
真「逆に何で父さんはタンクトップで平然と動き回ってるの? 今更だけど気持ち悪いよ」
亜美「……ま、真美……今まで、ありがと……」
真美「亜美ぃぃぃ! 死んじゃやだぁぁぁ!」
伊織「何やってんのあんたたち」
亜美「あ、いおりんだ」
真美「はろはろー、いおりん。いおりんこそどしたのこんなところで?」
真美「犬かぁ……うーん、見てないけど……」
伊織「そう……まあこっちの状況は……見ればわかるわ。あのバカ親子……」
亜美「まこちんの家に遊びに行ったら何故かバトルの審判にさせられちゃったんだよー」
真美「ねーいおりんあの二人止めてよー! 真美たちじゃ手に負えないよ」
伊織「私は犬を探すので忙しいのよ。ま、がんばりなさい。そのうち決着つくでしょ」スタスタ
亜美「あーん、いおりんのいけずー!」
律子「何か軽く食べるものでも買っていきましょうか。後スポーツドリンクと……」
雪歩「えーと飲み物の棚は……?」
律子「どうしたの、雪歩?」
雪歩「律子さん、あれ……」
律子「?」
あずさ「」キョロキョロ
律子「あずささん? あずささーん」
あずさ「あ、あら。律子さんに雪歩ちゃん」
あずさ「えーと……買い物じゃないのよ」
あずさ「かくかくしかじか~って感じで……」
律子「はぁ……犬が」
雪歩「スーパーの中にはいないと思うんですけど……」
あずさ「まあそうなんだけど……一度迷い込んだら出れなくなっちゃって……」
雪歩律子「…………」
あずさ「そんな目で見ないでもらえるかしら……さすがに傷つくわ……」
あずさ「ううん、大丈夫よ」
律子「……一人で行動させるの、不安なんですが」
あずさ「も、もう大丈夫です! スーパーには入りませんから」
雪歩(大丈夫かな……隣町に行っちゃわないといいけど)
あずさ「でも、もし見かけたら知らせてもらっていいですか?」
律子「はい。じゃあ、雪が強くなってきたんで気をつけてくださいね?」
千早「げほっ……はぁ、寒い……」
千早(い、今から引き返そうかしら……でもここまできたら……)
千早(意識が……なんか朦朧としてきた……まっすぐ歩けてるか心配に……)
グラッ ドサッ
千早(?)
千早(あれ? 私転んだ?)
千早(あ、無理。体が動かない)
千早(このまま寝ちゃったらどうなるんだろう……)
千早(なんか……何もかもどうでもよくなってきた……このまま寝てしまいたい……)
千早(みんな、ごめんなさい。如月千早は単四電池二本の為にその生涯に幕を閉じます……)
美希「…………で、そしたら貴音のラーメンが爆発して……」
P「HAHAHA、そいつは傑作だ!」
ドドドド……
春香「? プロデューサーさん、前見てください」
P「んー? どうした春香」
春香「雪が舞い上がって……何か近づいてきてるみたいな音が……」
P美希「?」
三犬「」ドドドドドドドド
美希「な、何なのあれ?」
P「わからんがとにかく避けるぞ!」
春香「わわっ!」ギュッ
ドドドドドドドド
ドドドド……
春香「…………行きましたね」
美希「通った道の雪が……きれいに無くなってるの……」
P「何あれ除雪車か何か?」
P「そうだな。それと春香、いい加減腕を放してくれ」
春香「あ、ご、ごめんなさい!」パッ
P「いや、まあ、いいけど」
美希「何で春香には甘いのハニー!」
P「春香はお前と違って物わかりがいいから」
春香(……新年早々良いことあった……!)グッ
P「そうだな。それと春香、いい加減腕を放してくれ」
春香「あ、ご、ごめんなさい!」パッ
P「いや、まあ、いいけど」
美希「何で春香には甘いのハニー!」
P「春香はお前と違って物わかりがいいから」
春香(……新年早々良いことあった……!)グッ
貴音「…………」
やよい「…………」
真美「…………」
亜美「…………」
真「へへっ、やーりぃ!」
真一「ま、まさか雪を投げてめくらましとは……真のスポーツマンシップ的にそれはありなのか?」
真「勝てば官軍! 一応審判に聞いてみようか?」
貴音「無効で」
真美「無効」
亜美「有効」
真「なんで意見が別れるの!?」
真一「せめて双子ちゃんは意見を合わせるべきじゃないかな?」
真「えー、じゃあ今のもノーカウント? もう一戦?」
真美「いや、もういい加減に……」
亜美「いい加減にしろぉぉぉ!!」
真、真一「」ビクッ
真「いや、別にこれは喧嘩じゃ……」
亜美「まこちん!!」
真「はいっ!」
亜美「まこいち!!」
真一「は、はいっ!」
亜美「帰るよ!!」
真、真一「はい……」
真美「…………」
真美「うん。ありがとう、つき合ってくれて」
やよい「あの、真美」
真美「何? 文句なら菊地家にお願いね」
やよい「そうじゃなくて……実はさっき響さんにあったの。なんか、いぬ美ちゃんを探してるみたいで……見かけたら教えてあげて欲しいんだ」
真美「あー、そのことか。真美もさっきいおりんに会ったから知ってるよ。りょーかいりょーかい」
ジャンバルジャン「わんっ!」
真美やよい貴音「…………」
真美「いたー!」
ジャンバルジャン「…………」
ジャンバルジャン「」ビュンッ
真美「速っ!」
貴音「追いましょう!」
亜美「え? 何、犬?」
真「何かよくわからないけどあれを追いかければいいの?」
やよい「そうです!」
真「了解! 父さんは先帰ってて!」
ダダダダッ
真一「……うーむ、年頃の女の子はよくわからんなぁ」
とらたん「ハッ、ハッ」
真一「お、可愛い犬だなぁ。よしよし」
とらたん「♪」
真一「風邪引くんじゃないぞー」
真一「それにしても……亜美ちゃんは将来母さんみたいな恐妻になるかもしれないなぁ、可愛そうに。はっはっは」
「…………誰みたいに?」
真一「」ビクッ
とらたん「!」ダダッ
真一「か……母さ」
<アッー!
P「話はなんとなくわかりました、あずささん」
春香「でも、なんで電車に乗ろうとしてたんですか?」
あずさ「自分のいる場所がわからなくなっちゃって……とりあえず知ってる駅まで行って一度頭の中の地図をリセットしようかと」
美希「テンケーテキな方向音痴の人の考えなの」
あずさ「でも電車は止まっちゃってたみたいですね~。プロデューサーさんたちに見つけてもらえて良かったわ」
P(不幸中の幸いか……)
あずさ「はい」
【千早宅玄関前】
春香「結局わんちゃんたちは見なかったですね……」
あずさ「私に似て方向音痴だから……どこに行くかわからないのよねぇ」
P「とりあえず響と伊織に連絡しとくか……えーと、『あずささんに会って事情は聞いた。見かけたら連絡する。あずささんとは一緒に行動するから心配いらない』っと……」
美希「? あれ?」ガチャ
美希「ねえ、ハニーハニー」
P「んー? どうした美希」
美希「玄関の鍵開けっ放しなの」
美希「細かいことはいーの! お邪魔しまーす」
シーン
あずさ「寝てるのかしら」
P「いや、これは……」
春香「居ない……?」
美希「電気もつけっぱなしなの」
P「…………」
春香「ど、どこ行っちゃったんでしょう」オロオロ
あずさ「ちょっとそこまで買い物に行ってるだけじゃ……」
美希「お布団、もうすっかり冷たくなってるの」
P春香あずさ「…………」
あずさ「あら~あらあらあらあららららら」
P「お、おおおおちおち落ち着け!」
美希「落ち着くのみんな」
P「でででででもだな! 千早の身に万一の事があったら……」グスッ
美希「とりあえず電話はかけてみたけど出なかったの。もう探しにいくしかないんじゃないかな」ピッ
春香「そ、そうだね……」
美希「でもその間に帰ってくるかもしれないから誰かここに一人残った方がいいと思うな。あずさ、頼んでもいい?」
あずさ「……わかったわ」
美希「ちゃんとわんちゃんも見つけてくるから安心して欲しいの」
あずさ「ありがとう……気をつけてね」
ブロロロロ
響「」ジー
伊織「」ジー
雪歩「」ジー
律子「…………」
響「うがー! 窓が曇って外が見づらいぞ!」
律子「しょうがないじゃない……」
伊織「はぁ……どこ行ったのかしら……」
雪歩「今更だけど……警察に届けなくて大丈夫なの?」
伊織「あまりにも見つからないようなら、それも考えるわ」
律子「な、何?」
ブロロロロ……
響「今、貴音とやよいと亜美と真美と真が向こうを走ってた!」
雪歩「よ、よく見えたね。私、雪で何にも見えないよ……」
伊織「でも私が今探してるのは犬じゃない……」
響「何かを追いかけてるように見えたんだ。もしかしたら……」
伊織雪歩「!」
響「とりあえず追いかけてくる!」ガラッ
伊織「私も行ってくる! 二人とも千早の家に行ってて良いわよ! 後で連絡するから!」ダダッ
律子「あ、ちょっと、二人とも!」
千早(ん……私、一体……)
千早(体が半分くらい雪に埋まってる気がする……)
千早(もう……体の感覚がよくわからなくなってるわ……)
ザクザクザク
千早(何……? 誰かが雪を掘ってくれてる……?)
いぬ美「ハッ、ハッ」
千早(…………)
千早(……パトラッシュ……?)
千早(昔、優と見たことがあったっけ……『フランダースの犬』……)
千早「パト……ラッシュ……私なんだか……とっても、眠いの……ふふっ」
いぬ美「……」クンクン
いぬ美「……」ピトッ
千早(あ、暖かい……犬の身体ってこんなに暖かいのね……)
とらたん「……」
ジャンバルジャン「……」
千早(!?)
千早(パトラッシュが増えた……)
ジャンバルジャン「」ピトッ
千早(なにこれ幸せ……ネロはこんな気持ちのまま天に昇ったのね……)
千早(おやすみ……なさい……)
【住宅街】
真美「そっち! そっちに曲がっていった!」
亜美「え? 左に曲がらなかった?」
真「いや真っ直ぐ走っていったよ!」
響「いや、こっちから匂いがするからこっちだぞ!」
伊織「ああもうごちゃごちゃと! っていうか匂いでわかるんなら最初からそれで探しなさいよ響!」
やよい「貴音さん、荷物大丈夫ですか? ずっと持って走ってますけど……」
貴音「安心してください。卵一つ割ることはないと誓いましょう」
やよい「あ、ええとそうじゃなくて貴音さんの腕の心配を……」
三犬「?」
伊織「はぁ……ホントに手間かけさせてこのバカ犬……何雪の中でリラックスして……」
千早「すぅ……すぅ……」
一同「……………………」
「千早ぁぁぁぁぁ!!!」
「千早さぁぁぁぁん!!!」
「千早お姉ちゃぁぁぁぁん!!!」
P「ん? なんか向こうが騒がしくないか?」
美希「真くんたちの声がしたの」
春香「! プロデューサーさん、あれ!」
P「ん? な、なんだなんだ。765プロ勢ぞろいだな……」
P「って千早ぁぁぁぁぁ!!! どうした!? 何があった!? しっかりしろぉぉぉ!!」
真美「わかんないよぉぉぉ!! 千早お姉ちゃぁぁぁん!!」
春香「千早ちゃぁぁぁぁん!!!」
ギャーギャー ワァワァ
美希「ちょっと静かにして欲しいのみんな。貴音に電話してもらってるんだから」
貴音「……はい。では」ピッ
美希「連絡取れた?」
貴音「ええ。千早の家に向かいましょう」
美希「じゃあ、とりあえず……」
ギャーギャー ワァワァ チハヤァァァ ウホォォォ
美希貴音「…………」
美希「みんなを落ち着かせようか」
貴音「ええ……」
千早(ん……ここは……)
千早(あら? 私の家……? 私のベッド……?)
三犬「」スヤスヤ
千早(パトラッシュたち……なんで私と寝てるのかしら……)
ワイワイガヤガヤ
千早(?)
真美「とりあえず今度二人で雪の中で裸土下座ね」
真「ちょっとそれは勘弁して……通報されちゃう」
伊織「はぁ……こんだけ苦労して探した飼い主より千早との添い寝を選ぶなんて……とんだ忠犬よ」
響「はぁ……自分、もう慣れない雪はこりごりだぞ……」グッタリ
あずさ「とにかく、見つかって良かったわ~」
貴音「やよい、自宅には連絡したのですか?」
やよい「はい、長介にさっき電話しました。晩御飯は心配しなくていいって言ってくれて……『それより千早さんは平気なのか』って心配してました」
律子「雪歩……なんでこんなに梅干しと生姜買ったの……?」ドッサリ
雪歩「えっと、梅醤番茶を作ろうと思って……」
一同「」バッ
千早「!?」ビクッ
P「千早ぁぁぁぁ! 目が覚めたんだな!」
春香「千早ちゃぁぁぁぁん! 大丈夫!? 体調は!? 熱は?」
ギャーギャー ワァワァ チハヤァァァ ウホォォォ
美希「みんなうるさいの! 病人相手に大声出さないの!」
一同「…………」
貴音「この惣菜……美味です」モグモグモグ
春香「かくかくしかじか~って感じですごく心配したんだよー!」
千早「そう……そういえば鍵をかけずに出かけた気がするわ……」
あずさ「どこに行ってたの?」
千早「エアコンのリモコンの電池が切れてしまって……それを買いに」
P「ああ、だからさっき美希は電池を買ってたのか」
美希「そだよ」
千早「よくわかったわね美希……」
美希「ここに来たとき、エアコンのリモコンだけ床に落ちてたから出かける前にいじったのかなって。気になっていじってみたら電池が切れてたの」
千早「? ああ、そのコート……どう? 暖かかった……?」
美希「え……う、うん、とっても」
千早「ふふっ……あんまり気持ちよさそうにくるまって寝てたから起こすのが可愛そうだったのよ」
美希「で、でもそのせいで千早さん風邪引いちゃったの……」
千早「美希のせいじゃないわ……日頃の不摂生がたたったのよ」
美希「千早さん……ごめんなさい。美希、これからお昼寝控えるの」
千早「ダメよ。美希の幸せそうな寝顔を見てるとこっちまで幸せになるんだから……」
美希「千早さん……!」ウルウル
千早(あぁ、熱でボーッとしてるから恥ずかしいセリフもポンポン言えるわ……)
千早「えっ……? えーっと、少しだけ……」
千早「って、みんな今何してるんですか……?」ムクリ
貴音「鍋です」
律子「ごめん、勝手にコンロ引っ張り出しちゃったわ」
千早「まあ、それは別にいいんだけど……」
やよい「千早さんには小さいお鍋で鍋焼きうどんにしてみましたー!」
P「味付けはやよいだから味は保証するぞ」
美希「向こうの大鍋はどうなってるかわからないけど。ほとんど亜美と真美のせいで」
千早「……それじゃ、いただこうかしら」
千早「……」モグモグ
千早「美味しい……」
P「食べたら薬飲んでまた寝とくんだぞ? じゃ、俺は向こうの大鍋処理しなきゃいけないから」
美希「がんばってね、ハニー」
千早「……夢を見てるみたい」
美希「?」
千早「誰かに看病してもらえるって、こんなに心強いことなのね……」
三犬「」スヤスヤ
千早「」ナデナデ
いぬ美「……♪」ピクリ
千早(よく見たらパトラッシュじゃなくていぬ美じゃない……)
美希「うん。でも、夜のうちにやんじゃうって」
千早「そう……」
千早「……」ゴクリ
千早(この調子なら明日には熱も下がってるかしら……)
美希「さ、薬を飲んだら早く寝ちゃうの」
千早「そうね。おやすみなさい……」
美希「おやすみなさいなの」
千早「でも……なんだか悔しいわね……みんなの楽しそうな姿を眺めながら眠るのは……」
美希「大丈夫なの。みんなここに泊まっていくみたいだから一晩中騒いでると思うの」
千早「えっ」
終わり
おやすみなさい
元スレ
P「大雪の夜に」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358178605/
P「大雪の夜に」
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コメント一覧 (15)
-
- 2017年10月12日 18:41
- 好き。
-
- 2017年10月12日 18:47
- 懐かしいSSだ
-
- 2017年10月12日 19:20
- 古き良きアイマスSS
-
- 2017年10月12日 19:20
- いい
-
- 2017年10月12日 19:33
- なんだ765か・・・・
イラネ
-
- 2017年10月12日 19:34
- ああ、日付を見ると4年前のSSなのね
SS内でら雪が降っているのに心温まる良きSS
-
- 2017年10月12日 19:47
- 懐かしい感じがすると思ったら2013年
いいSSだった・・・掛値なしに
-
- 2017年10月12日 20:41
- 千早さんまじ心配
-
- 2017年10月12日 22:19
- なんでシャウトの中にゴリラが混じってるんですかね…
-
- 2017年10月12日 22:39
- なぜこんな昔のものを
-
- 2017年10月12日 22:40
- 久々に読んだけどやっぱり良いね
-
- 2017年10月13日 00:59
- ※5
なら読まずに帰れよ
いらねぇのはお前だわ
あ、内容は良かったです。ほっこりした
-
- 2017年10月13日 01:56
- やっぱり765はいいなぁ
みんなでわいわいしてるところを想像すると和む
小鳥さんがワンカットだけでもほしかったかな
-
- 2017年10月13日 19:36
- あ、内容は良かったです。もっこりした
-
- 2017年11月22日 23:00
- 面白かった。最後にみんな集まるやつ好き。