ガヴリール「止まらないシスコン姉さん」
- 2017年09月06日 00:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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ゼルエル「ああ、気持ちのいい天気だな。こういう日は書道を嗜みたくなるものだ」
ゼルエル「やはり筆を持つと背筋が伸び、気持ちが引き締まる」スッ
ゼルエル「ほう、今日は筆の走りも良い」サラサラサラ
ハニエル「?」
ハニエル「ゼルお姉ちゃん、なに書いてるの?」
ゼルエル「ん、これか?これはだな」
ゼルエル「『一日お姉ちゃん券』だ」
ゼルエル「これをガヴリールに渡してお姉ちゃんになってもらおうと思ってな」ウキウキ
ハニエル「ゼルお姉ちゃん…………」
ゼルエル「来たぞ」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「そういや月に一度様子を見にくるとかなんとか言ってた気が……」
ゼルエル「うむ。月初は私に会えると思って楽しみにしていなさい」
ガヴリール「家空けていようかな、もう」
ゼルエル「来月は10月10日あたりにくるのがいいかな」
ガヴリール「やめて姉さん。その日は大事な日だから絶対来ないで」
ゼルエル「ん、君も来ていたのか」
ゼルエル「ところで、そのお義姉さんとはいったい誰のことな」
ヴィーネ「あっ、いまお茶を入れるのでくつろいでいて下さい」
ゼルエル「無視か」
ゼルエル「いやいや負けないぞ私は。君がお義姉さんと呼ぶのはまさか私の」
ガヴリール「そんなに気を使わなくていいよヴィーネ」
ヴィーネ「気を使ってるわけじゃないわ。美味しいお茶を買ったから、ゼルエルさんにぜひ飲んで貰いたいの!」
ガヴリール「私にはくれないのに!」
ヴィーネ「出してるわよ。ガヴが気付いてないだけでしょ!」
ゼルエル「お姉ちゃんくじけないぞ……!」
ヴィーネ「えへへ、ありがとうございます」
ガヴリール「それで?姉さん今日は何しにきたの?まさかお茶だけ飲みにきたわけじゃないでしょ」
ゼルエル「ああ、お前に渡すものがあってな」ゴソゴソ
ゼルエル「これだ」スッ
ガヴリール「なにこれ、『一日お姉ちゃん券』?」
ヴィーネ「すごい達筆ね……」
ゼルエル「私のお姉ちゃんになってください」
ガヴリール「は?」イラッ
ガヴリール「ふざけてるの姉さん」
ゼルエル「ふざけてないです。お願いします」ペコリ
ガヴリール「土下座はやめてよ……」
ガヴリール「実の姉から姉になってくれと頼まれるってなんなの……」
ヴィーネ「なるほどお姉ちゃん券か……」カキカキ
ガヴリール「ヴィーネ、作ってるとこ申し訳ないんだけど、お前からお願いされてもやらないからな」
ガヴリール「何されても無理だよ。絶対やらないよ。ていうか今めっちゃひいてるよ私」
ゼルエル「…………」
ゼルエル「ところで昨日ハニエルが将来の夢という課題をやっていてな」
ヴィーネ「また急に話題を変えてきたわね」
ゼルエル「その中で『お姉ちゃんのお嫁さんになりたいです』って書いていたんだ」
ゼルエル「二人の妹から愛されてしまうなんて私は罪な姉だな」テレテレ
ヴィーネ「……いや、それって」
ガヴリール「………………」
ゼルエル「後でハニエルには、姉妹で結婚はできないと教えてあげないといけないな。はっはっは」
ガヴリール「いや一回雑談を挟んだってやらないからね?」
ガヴリール「かなり衝撃的な雑談でもあったけど」
ゼルエル「一回ぐらいやってくれてもいいと思う」
ガヴリール「……ちなみにお姉ちゃんってどんなことすればいいの?」
ゼルエル「うむ。ナデナデしてくれたり、抱っこしてくれたり、慈愛に満ちたキスをしてくれたり、あと耳かきとかだな」
ガヴリール「それお母さんじゃね?」
ヴィーネ「えっ、私!?」
ガヴリール「ヴィーネの面倒見の良さは母親レベルじゃん。お世話されてる私が自信持って言える」
ヴィーネ「私まだ高校生なのに!」
ガヴリール「お母さんって呼んでみる?」
ヴィーネ「やめて!」
ガヴリール「そうなの?」
ヴィーネ「だってガヴのこと自分の子供だと思ったことないし、それって対等な立場じゃないって言うか……」
ヴィーネ「私、ガヴとは同じ目線で付き合いたいの。お世話好きな私だけど、誰でも良いわけじゃないわ」
ヴィーネ「ガヴだから、気になっちゃうの……!」
ガヴリール「ヴィーネ……」
ヴィーネ「私は、お母さんよりも、ガヴの恋び―――」
ゼルエル「待て待て待て待て」
ゼルエル「待ちなさい。待ってください」
ゼルエル「やめて?お姉ちゃん目の前で愛する妹が告白されるとことか見たくない。そういうのやめてね?」
ガヴリール「姉さん邪魔だから帰って」
ゼルエル「お願い。もう少しだけ私のガヴリールのままでいてくれ」
ガヴリール「初めから姉さんのじゃないし……」
ゼルエル「だめだ!今のお前たちを二人にするとなんか危ない気がする!」
ゼルエル「しばらくここに居座るぞ!」
ガヴリール「姉さん……」
ヴィーネ「お義姉さんも寂しいのよガヴ。たまには甘えてあげて?」
ゼルエル「君のその余裕さが私に精神的暴力を振るっている」
ピンポーン
『ガヴリールー!遊びに来てあげたわよー』
ゼルエル「この声は!」
ヴィーネ「お邪魔します、でしょ!」
ゼルエル「会いたかったぞ小悪魔!」
サターニャ「うわ……でた……」
サターニャ「私もうあんたがいても驚かないわ」
ゼルエル「よし、これでガヴリールがいい雰囲気になる事は防げる」
ガヴリール「なにしに来たんだよお前」
サターニャ「ガヴリールを構いに来てあげたのよ!」
ガヴリール「頼んでねーよ。いっつも私の家に勝手に来やがって」
サターニャ「ヴィネットだって来てるじゃない!」
ヴィーネ「比較的って」
ガヴリール「お前、毎回いたずらしたりうっとおしい絡みしてくるじゃん」
サターニャ「それはあんたが私に構っ……勝負してくれないからじゃない!」
ガヴリール「そんなに暇じゃないから」
サターニャ「ひ、暇って……!」
サターニャ「私は暇だとか暇じゃないとかで考えた事ないわよ!」
ガヴリール「は?」
ガヴリール「え、え? サターニャ?」
サターニャ「暇だから遊びに来てるんじゃなくて、ガヴリールに会いたいから、きてるの……」
ガヴリール「はぁ!?なに言って……!」///
サターニャ「わ、わたし!ガヴリールと、ずっとずっと一緒にいた―――」
ゼルエル「おいこら告白流行ってるのか?許さんぞ勝手なマネは」
ゼルエル「やめなさい。私が大泣きするから今すぐやめなさい」
ヴィーネ「…………」
サターニャ「…………」
ゼルエル「なんだこれは。小悪魔が来ても全く事態が好転しない」
ゼルエル「むしろ早く帰れオーラを一身に受けている気がする」
ゼルエル「お姉ちゃんさすがにくじけそう」
ゼルエル「ガヴリール、慰めてくれ」スッ
『一日お姉ちゃん券』
ガヴリール「ヤダ」ポイ
ピンポーン
ゼルエル「この気配は……!」
ガヴリール「ん」
ヴィーネ「…………」
サターニャ「…………」
ラフィエル「なんですかこの雰囲気」
ゼルエル「ラフィエル助けてくれ。悪魔たちと妹がいい雰囲気になりかけて困っているんだ」
ラフィエル「なるほどなるほど?」
ラフィエル「そういう事なら」
ガヴリール「ん?」
ラフィエル「私、ずっと前からガヴちゃんの事が好きでした」
ゼルエル「おい!!!?」
ラフィエル「今まで抑えていましたが、本当は誰にも渡したくないんです。私だけを見ていて欲しい」
ラフィエル「ちょっと嫉妬深い所もありますが、こんな私を受け入れてくれますか……?」
ガヴリール「ラフィ……」
ゼルエル「受け入れるわけないだろ!?絶対に天真家の敷居を跨がせないぞ!!」
ラフィエル「あ、ガヴちゃんは白羽家に嫁いでもらうので、天真家の敷居を跨ぐつもりはないです」
ゼルエル「ラフィエル!!!!」
ヴィーネ「えーと……ごめんなさいゼルエルさん。ちょっと冗談が過ぎちゃいましたね」
サターニャ「別にこれぐらいはしてもいいでしょ」
ゼルエル「冗談?今までのは冗談なのか?」
ヴィーネ「はい」
ゼルエル「本当に冗談?」
ヴィーネ「…………」
ヴィーネ「はい」フイッ
ゼルエル「どうして目線をそらすんだ?」
ラフィエル「『一日お姉ちゃん券』ですか」
ラフィエル「こんな物を作るなんて、ゼルエルさんもお暇なんですねー」
ゼルエル「暇だから来てるんじゃないぞ。ガヴリールに会いたいから来てるんだ」
サターニャ「ちょっと!!それさっきの私のセリフじゃない!」///
ラフィエル「うふふ、ガヴちゃんがお姉さんというのも楽しそうですね」
サターニャ「駄目姉でしょ?全然面倒見てくれなそうじゃない?」
ヴィーネ「そう?ハニエルちゃんにはデレデレしてるわよ」
ガヴリール「そんなしてないよ」
ラフィエル「してますよー」プニプニ
ガヴリール「ほっへをつまみゅな」
ゼルエル「よくぞ聞いてくれた。ガヴリール」
ゼルエル「私はやさぐれてしまったお前も嫌いではないが、流石に今の状態は天使としてどうかと思っていてな……」
ゼルエル「一度世話をする立場になり、慈愛の心を取り戻せば更生の一歩になるのではないかと考えた」
ゼルエル「それには姉という立場が最適だと気が付いたのだよ」
ゼルエル「ああ」キリッ
ヴィーネ「ハニエルちゃんに会えばいい話なんじゃ」
ゼルエル「い、いや、それは、ハニエルはまだ下界に来ちゃいけないから……」
ラフィエル「ガヴちゃんが天界に戻っては?」
ゼルエル「が、ガヴリールは修行中だし、あんまり家に帰っちゃだめだと思うなっ」
ラフィエル「前は一週間ほど天界に連れ帰ってたじゃないですか」
ゼルエル「だから、それはその、えーっと……!」
サターニャ「めっちゃしどろもどろじゃない」
サターニャ「おかしいわよ!姉でしょあんた!」
ゼルエル「私は立派に妹を演じてみせる!!」
ゼルエル「ガヴリールに甘えに甘えて甘え尽くしてやろう!」
ガヴリール「姉さん、正直そういう所がウザい」
ゼルエル「」ガ-ン
サターニャ「もしあんたみたいな姉が私にいたら相当面倒くさいわ」
ヴィーネ「ちょ、ちょっとサターニャ……!」
ラフィエル「私も、少々うっとうしく感じるかと……」
ゼルエル「そんな!」
ゼルエル「」チラ
ヴィーネ「わ、私は別に……!」
ヴィーネ「………………ちょっと、嫌かも」
ゼルエル「」ガ-ン
ゼルエル「ガヴリール、これ、あげる」スッ
ガヴリール「もう『一日お姉ちゃん券』はいいよ。そんなのやらないって……」
ゼルエル「違う。ガヴリールに使って欲しい」
ガヴリール「ええ?」
ゼルエル「もう贅沢は言わない……でも、ガヴリール。私を見捨てるのだけは……」
ゼルエル「私は、もうガヴリールに愛を注げるならなんでも……」
ガヴリール「姉さん……」
ガヴリール「見捨てたりするわけないでしょ。私のお姉ちゃんはゼルエル姉さんだけなんだから」
ゼルエル「本当か?」
ガヴリール「うん」
ゼルエル「じゃあその券使ってくれる?」
ガヴリール「……仕方ないな。姉さんは」
ゼルエル「ガヴリール…………」
ガヴリール「姉さん…………」
ゼルエル「使ったな?」
ガヴリール「ん?」
ゼルエル「その券、使ったな。ガヴリール」
ガヴリール「え?なになに?」
ゼルエル「ふははははは!!!!使ってしまったなガヴリール!!それをよく見るがいい!」
ガヴリール「は?」
『一生夫婦券』
ガヴリール「なにーーーーーーー!?」
ゼルエル「きちんと確認しなかったお前が悪い!書類には全て目を通しなさいと何度も教えただろう!」
ゼルエル「これでガヴリールは私のものだ!お前達には絶対に渡さないぞ!」
ヴィーネ「ええー……」
ラフィエル「あららー」ニコニコ
ガヴリール「姉さんやる事が悪魔だよ!」
ゼルエル「姉さんじゃない!夫婦なんだからゼルエルさんと呼びなさい!」
ゼルエル「呼び捨てでも可!」
ガヴリール「絶対いやだ!!!」
ガヴリール「姉妹では結婚できないって言ってたよね!?」
ゼルエル「?」
ゼルエル「夫婦なんだからできるだろ」
ガヴリール「色々おかしい!!!!!」
ゼルエル「さあ、これからいっぱいナデナデも抱っこもしてやるぞガヴリール!覚悟しなさい!」
ガヴリール「いやあああああああああ」
ラフィエル「そうですか?すごく楽しそうでいいじゃないですか」ニコニコ
ヴィーネ「まずはお義姉さんに負けないようにならないとね……」
ゼルエル「夫婦だからちゅーもしないとな!」ググググ
ガヴリール「こんな姉もういやだ!!!!」
完
元スレ
ガヴリール「止まらないシスコン姉さん」
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ガヴリール「止まらないシスコン姉さん」
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コメント一覧 (8)
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- 2017年09月06日 01:02
- 好き
-
- 2017年09月06日 01:22
- すこ😋
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- 2017年09月06日 01:30
- 姉さん…w
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- 2017年09月06日 02:14
- ヴィーネのお姉さん呼びで草
しかし、ゼルエルさん可愛いな
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- 2017年09月06日 03:33
- 10月10日ってヴィーネの誕生日じゃん…「その日は大事な日だから絶対来ないで」ってもう…もう最高じゃん……
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- 2017年09月06日 04:36
- ふぅ….最高だな
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- 2017年09月06日 06:26
- 止まるんじゃねえぞ💃💃💃
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- 2017年09月07日 08:43
- なぜSSだとこうも壊れてしまうのか