男「外回り暑かったぁ~、エアコン26℃にしよ」ピッ 女「28℃じゃなきゃダメーッ!」
- 2017年07月27日 00:10
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男「外回り暑かったぁ~……てか、エアコン全然効いてねえじゃん!」
男「設定温度28℃!? こんなんじゃ全然汗ひかねえよ!」
男「26℃にしよ」ピッ
女「!」ハッ
女「28℃じゃなきゃダメーッ!!!」
女「決まってるでしょ、これ以上温度下げたら寒いからよ!」
男「いやいやいや、こっちは炎天下の中、汗水垂らして外回りしてきたんだぞ!」
男「エアコンの温度を下げる権利ぐらいあるだろう!」
女「こっちだってずっと動かずデスクワークしてるのよ! 女は寒さに弱いんだから!」
女「ねえ、新人ちゃん?」
新人娘「は、はい」
女「これで二対一ね」フフン
男「う……」
女「じゃ、多数決で、エアコンは28℃で決まりね!」
男「ちくしょう……ここまでか……!」
青年「ちょっと待つッス! オレも参加させてもらうッス!」
男「おおっ!」
揉むなよ
青年「やっぱ夏はエアコンガンガンきかせてナンボでしょ! ねえ、男さん!」
男「おう、よくいってくれた!」
男「これで勝負は分からなくなったな」ニヤッ
女「なんですってぇ~!」
男「あと一人男が来れば、こっちの勝ちなんだが……」
先輩「オレも参加させてもらうぜ!」
男「先輩ッ!? いつもわりと仕事に情熱がなく、酒とタバコと女が大好物なあなたが……!」
先輩「たまには課の若手リーダーとして、いいとこ見せなきゃな」
女「ううう……」
元ヤンOL「待ちなよ、だったらアタシも参加させてもらう!」
女「やった! これは心強い味方だわ!」
新人娘「あ、ありがとうございます!」
元ヤンOL「同じ女、ましてや後輩がやられそうな光景を黙って見ちゃいられないからね」
元ヤンOL「さぁ、かかってきな!」
男「うむむ、どんどんこじれてきたぞ……!」
女「お局さん!」
男「ヤバイ……! だったらこっちも……係長!」
係長「え、なに?」
男「係長も男なら、俺たちのチームに入って下さい! ≪エアコン温度もっと下げようズ≫に!」
係長「え、でも、ぼくはエアコンの温度なんて興味な――」
男「係長!!!」ギロッ
係長「わ、分かったよ。ぼくも参加させてもらうよ」
女「面白くなってきたわね……心ゆくまで論戦よ!」
ギャーギャーッ! ワーワーッ! ギエェェェェェッ!
課長「コラコラ、お前たちうるさいぞ! 何をやっておるんだ!」
男「課長……!」
女「すみません……」
課長「係長、君がいながら、なんでこんなことになったのだ」
係長「面目ありません……」
課長「ところで、一体なにを揉めていたんだね?」
男「実は……」ゴニョゴニョ
課長「ふむふむ、そういうことか……ならば……」
課長「掃除のおばちゃんも呼んで男と女同士、5vs5で決着をつけよう!」
オーッ!!!
【次鋒】先輩 vs 元ヤンOL
【中堅】係長 vs お局OL
【副将】課長 vs 掃除のおばちゃん
【大将】男 vs 女
男「先に三勝したチームが勝利な」
女「望むところよ!」
男「頑張れよ! ここで一勝すれば一気に有利になる!」
先輩「団体戦っつうのは初戦が肝心だからな」
青年「任せるッス!」
女「あまり無茶しないでといいたいとこだけど、頼んだわよ!」
元ヤンOL「男なんかに負けるんじゃないよ!」
新人娘「が、頑張ります……!」
新人娘「いつでもどうぞ」
青年「せやっ!」ブンッ
新人娘「ぬるい」パシッ
青年(パンチをあっさり弾いた!?)
新人娘「でぇやぁぁぁっ!!!」
ベシィッ!
青年「ぐおおっ……!?」ミシミシ…
掃除のおばちゃん「ほう、やるもんだねえ」
課長「なんという重いローキック! 衝撃は骨まで達してるはずだ!」
青年「まだまだ……ッス!」ヨロヨロ…
新人娘「見事! ……ならば全力で打ち倒すのが戦士の務め!」
新人娘「はああああっ!」
ズドドドッ! ドッ!
青年「ぐ、はぁ……!」ドサッ
新人娘「オスッ!」ビシッ
男「ボディへ連打、さらに顎への掌底……! ありゃ立てねえわ……」
女「まったく無駄がないコンビネーションだったわ……」
青年 × ― ○ 新人娘
先輩「任せときな!」
女「お願いします!」
元ヤンOL「二勝目をもぎ取ってきてやるよ」
係長(二人とも、元々は喧嘩自慢のヤンキーだったと聞く)
係長(これは面白い戦いになりそうだ)
先輩「いくぜぇ!」
元ヤンOL「シャアアッ!」
先輩「うりゃああああああっ!」
ドガガガガガッ!
元ヤンOL「なんのおっ!」
ズガガガガガッ!
男「すげえ! 拳の打ち合いだ!」
女「どっちも一歩も引かない! 意地と意地のぶつかり合いね!」
新人娘「ただ、どちらも攻撃が荒削りですね……。そこが惜しいです」
元ヤンOL「……そっちこそ」ボロッ…
先輩「こんな骨のあるヤツは、久しぶり――」
元ヤンOL「……」ブルッ
先輩「ん、どうした?」
元ヤンOL「ちょっと体が冷えちゃって……」
先輩「!」ハッ
元ヤンOL「……まあね」
先輩「俺のスーツ……かぶせてやるよ」サッ
元ヤンOL「! ど、同情なんてっ! いらないよっ!」
先輩「同情なんかじゃねえさ。ほんのオレの気持ちさ……」
元ヤンOL「……ありがとう」
先輩「すまねえ、みんな! これ以上こいつを冷やしたくねえ! オレの負けだ!」
男(先輩……男らしいぜ!)グスッ…
男(だけどこれで追い詰められちまった……頼むぞ、係長!)
先輩 × ― ○ 元ヤンOL
お局OL(絶対みんな、私のことを行き遅れOLだって心の中でバカにしてるけど)
お局OL(ここで見返してやるんだから!)
お局OL「いくわよっ!」ブオンッ
係長「おっと」ヒョイッ
お局OL「キエエッ!」シュバッ
係長「おっとと」ヒョイッ
男「お局さんの攻撃もなかなかのスピードだが、完全に見切られてる!」
課長「係長の危機管理能力は本物だからね。私も何度も助けられてきたよ」
新人娘「もう勝負は見えましたね」
お局OL「うおおっ!」シュバッ
お局OL「キエエエエエッ!」ビュオンッ
お局OL「ハァ、ハァ、ハァ……」
係長「やめておきなさい。君ではぼくには勝てない」
係長「大人しく降参しなさい」
お局OL「い、いやよ!」
お局OL「ここで勝たなきゃ居場所がなくなっちゃうもの!」
係長「そんなことはないさ」
お局OL「係長、あんたになにが分かるの!?」
お局OL「どうせ私なんか誰にも必要されてない!」
係長「必要としてるさ」
お局OL「誰が!?」
係長「ぼくだ」
お局OL「え……ッ!」
係長「結婚しよう」
お局OL「……はい」
ワーワーッ! ピーピーッ!
男「おいおい、試合中に結婚しちゃったぜ」
女「とんだハプニングね。だけどいい夫婦になりそうだわ」
係長 ○ ― × お局OL
掃除のおばちゃん「さぁて、始めようかい」
課長「ゆくぞ!」
課長「どりゃあっ!」ガシッ
ドシィンッ!
掃除のおばちゃん「ぐ……!」
先輩「なんつう鋭い出足払いだ!」
青年「そういや課長は柔道の達人だったッスね。悪者と仕事はブン投げるのが信条ッス」
新人娘(課長さんと……戦いたい……!)ウズッ
掃除のおばちゃん「デッキブラシを使わざるをえないようだ」ヒュルルンッ
武 器 解 禁 ! ! !
掃除のおばちゃん「ほぉれえええっ!!!」ヒュバババババッ
ズドドドドドッ!!!
課長「ぬう……ッ!」
元ヤンOL「離れた距離からの突きのラッシュだ!」
女「あれじゃ柔道技に持ち込めない!」
課長「デッキブラシを掴んで」ガシッ
掃除のおばちゃん「む!?」
課長「投げるッ!」ブオンッ
フワッ……
掃除のおばちゃん「……!」
掃除のおばちゃん「ぐ……あたしを傷つけないように投げを……」
掃除のおばちゃん「こりゃあたしの負けだねえ」
課長「いや……デッキブラシが槍だったなら、負けていたのは私だよ」
係長「副将戦に相応しい名勝負だった……!」
お局OL「これで二勝二敗、次の試合で決まるわね!」
課長 ○ ― × 掃除のおばちゃん
男「……」
女「……」
男「本音をいうと――」
男「俺はエアコンの温度なんかどうでもよくて、こうなる機会を望んでたのかもしれない」
男「お前と全力で戦いたかった」
女「うん、私もそうかも……寒くても上着着たりすれば調整できるし」
女「あなたと戦いたかった」
男「いくぞっ!」
女「うんっ!」
ドガッ! バキィッ! ガッ! ドゴォッ! ドギャッ!
課長(我が課のエース同士の戦い、勝つのはどっちだ!?)
新人娘(ふむ、どちらもなかなかですね……。いずれ二人とも私が倒します)
女(寝技なら負けないんだから!)
男「うおおおおおっ!」ガシッ
女「でやああああっ!」ガシッ
ゴロゴロゴロゴロゴロ……!!!
係長「二人が知恵の輪みたくもつれ合って……ッ! 転がっていく!」
掃除のおばちゃん「おやおや、エアコンに突っ込んでいくねえ」
男「まずいっ!」
女「エアコンにぶつかる……ッ!」
ドカンッ!
ビュゴォォォォォ……!!!
男「な、なんだ!?」
女「私たちがエアコンにぶつかったら、ものすごい冷風がっ!」
男「うおおおおお!? さ、寒い……! 寒すぎるぜ!」
女「見て! あのエアコンの設定温度――」
≪-50℃≫
女「ぶつかった拍子に、-50℃になっちゃってる!」
男「な、なんだとぉぉぉぉぉ!?」
女「雪まで降ってきたわ!」
男「ちくしょう、このままじゃ凍死しちまうぜ!」
女「どうしよう!?」
男「とにかくこのエアコンから離れるしかない!」
男「みんなに避難するよう呼びかけよう!」
女「分かったわ!」
男「俺たち以外、みんなカチコチに凍っちまってる! 今年のドラえもん映画みたいだ!」
女「そっか……戦って体温が上がってた私たち以外は、寒さに耐えきれなかったのね!」
男「動けるのは俺たちだけ……!」
女「二人だけで逃げるのはたやすいけど、それじゃみんなが……!」
男「こうなったら俺たちでエアコンを破壊するんだ!」
女「うんっ!」
女「さ、寒い……!」
男「大丈夫だ、俺がついてる!」ガシッ
女「温かい……!」
男「さ、行くぞ! あと……少しだ!」ザッザッザッ…
男女「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
エアコン『!? コノ二人ノパワー、計測不能、計測不能……!』ピーガガー
エアコン『コ、コレガ人間ノ力トイウモノカ……!!!』
ドガシャァァァンッ!!!
男「や、やった……!」
女「エアコンの冷風が止まった……」
ドロドロ… ドロドロ…
男「凍ってたみんなも解凍されていく……」
女「私たち、助かったのね!」
男「よかったなぁ~!」
女「よかったよぉ~!」
先輩「いやぁ~、背筋が凍るなんてことはあったけど、本当に凍るなんてのは初めてだぜ」
元ヤンOL「まったくだね」
新人娘「課長、ぜひ勝負して下さい!」
掃除のおばちゃん「あたしもまた手合わせ願いたいねぇ」
課長「今度、うちの道場に来るといい」
青年「結婚式ではオレに歌わせて下さいッス!」
係長「ハハ、参ったなぁ」
お局OL「披露宴にはたくさんの人を招待しましょうね」
女「なんだか、エアコン騒動のおかげでうちの課の団結力が高まったわね」
男「ああ……エアコン吹いて地固まるってやつかな」
男「だけど……」
女「あっづいねぇ~」
男「ちなみにエアコン直す業者はいつ来るんだ?」
女「総務に聞いたら、早くても明後日以降だってさ」
男「うへぇ~……! 参ったなぁ……」
男「こんな日はとっとと仕事済ませてビールでも飲みに行くか!」
女「そうしよ!」
おわり
元スレ
男「外回り暑かったぁ~、エアコン26℃にしよ」ピッ 女「28℃じゃなきゃダメーッ!」
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1501072750/
男「外回り暑かったぁ~、エアコン26℃にしよ」ピッ 女「28℃じゃなきゃダメーッ!」
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1501072750/
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コメント一覧 (26)
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- 2017年07月27日 00:15
- 燃え盛る炎の中に自ら飛び込んで焼かれれば家族の命は助かると騙された俺が通りますよ
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- 2017年07月27日 00:17
- 人間用の温度調節じゃないのでウチは25度安定
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- 2017年07月27日 00:19
- *1
家族の命見捨ててて草
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- 2017年07月27日 00:24
- こんなんどっちもどっちじゃん
どちらかと言えば暑がりの方が社会には害悪
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- 2017年07月27日 00:24
- 自分もよくエアコンつけるけど、同室の女性があまりにもエアコンの冷風が寒いらしく、よく消して点けるで揉めるな…
女が
消してええぇぇぇぇぇぇぇー!!
っていうから、
リライトしてえぇぇぇぇぇー!!
という言葉の応酬になるよ
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- 2017年07月27日 00:26
- ※1
炭にはおけねぇなぁお前も
なんてな火火火…
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- 2017年07月27日 00:48
- ※6
犯罪者のワンダーランドへお帰りください
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- 2017年07月27日 01:13
- エアコンは頻繁に点け消ししない限りは何度設定でも連続運転時の消費電力は大差ない
着込めば済むだけのことを拒否して肉体労働者の体調に配慮しない輩の方が反倫理的かつ非合理的
熱中症で倒れる者が出ても責任とれない癖にな
うちの会社では室長の許可なく設定温度上げられない決まりなのでいつも快適
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- 2017年07月27日 01:18
- そもそも使わない(学生感)
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- 2017年07月27日 01:22
- アホやな。汗だらだら出してゼーゼー言いながら仕事すればみんな気を使ってくれるのに
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- 2017年07月27日 01:28
- 厚着を用意してある女好き ワンピで寒いから上げる女とっとと氏ねクソビッチ
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- 2017年07月27日 01:43
- 読んで損した
途中までだけど
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- 2017年07月27日 01:59
- 温度上げろ活動に勤しんだせいで自分の仕事疎かにして減給された馬鹿がいたなー
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- 2017年07月27日 02:15
- お、おう
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- 2017年07月27日 07:00
- 女はたかがエアコンの1℃2℃で発狂しすぎっていつも思う
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- 2017年07月27日 08:08
- 外回りから戻る前に車の中で30分ほど休憩するんやで
世界はそういうちょっとしたルール違反が不条理を回避できるようにできてるんや
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- 2017年07月27日 08:17
- 言うほど女の意見なんて訊くか?
誰も取り合わないだろ
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- 2017年07月27日 10:52
- ※17
悲しいことにそこの責任者のおっさんがきが弱くて御局様が気が強かったりすると少数であっても女性の意見が無理くり通されるのよ…
それで辞めるやつが多いうちの会社
ボクも3月に辞めました( •̀ᴗ•́ )/
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- 2017年07月27日 12:15
- エアコンとは何かを考えさせるSS
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- 2017年07月27日 12:35
- 28℃でもしばらくしたら汗ひくけどな
暑いからとりあえず直ぐに
涼しい所に行きたい気持ちは分けるけど
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- 2017年07月27日 13:17
- いつまでも昔の情報引き摺ってエアコン28℃設定を守る馬鹿がいるから室内にいるのに熱中症で倒れる人間がいなくならないんだよな
情報は更新しろよ
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- 2017年07月27日 13:45
- 猫がいると自分の体感温度なんて無視だからね。
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- 2017年07月27日 14:48
- >>45が何言ってるのかよくわからなかった
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- 2017年07月28日 07:52
- たまにこういう謎の才能でss書く奴いるよな
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- 2021年09月10日 17:08
- 女が寒さに弱いだけで温度決めるな
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- 2021年09月10日 17:09
- 2対1だったら何でもいいのか?