【ガルパン】カチューシャ「私の同志は手強いわよ!」

1: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:12:51.14 ID:BINuTBSR0

カチューシャが大洗に来るSSが無かったので作ってみた

前書いたのはタイトル間違ってたので説明書にしたがって依頼出しました

カチューシャからわがままを取ったらただのへたれなチビっこになってしまった

そのためほぼオリキャラです

へたれなカチューシャが努力して天才たちに立ち向かう。そんな感じにするつもりです

イメージとはだいぶ違ってくるのでそういうのを見たい人にだけお勧めします



2: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:14:57.13 ID:BINuTBSR0

「Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой;
Выходила на берег Катюша,
На высокий берег, на крутой.」

「Выходила, песню заводила
Про степного, сизого орла,
Про того, которого любила,
Про того, чьи письма берегла.」

「Ой, ты песня, песенка девичья,
Ты лети за ясным солнцем вслед,
И бойцу на дальшем пограничье
 От Катюши передай привет.」

「Пусть он вспомнит девушку простую,
Пусть услышить, как она поет,
Пусть он землю бережет родную,
А любовь Катюша сбережет.」

「Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой;
Выходила на берег Катюша,
Выходила, на берег крутой.」



3: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:16:01.52 ID:BINuTBSR0


-音楽室

沙織「へい彼女!ってあれ?」 

カチューシャ「……?」

華「何でこんなところに子供が?」

カチューシャ「なっ!誰が子供よ!カチューシャを馬鹿にするんじゃないわよ!」



4: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:16:46.99 ID:BINuTBSR0

-学食

沙織「私は武部沙織!」

華「五十鈴華と申します」

カチューシャ「まったく、先輩を子供呼ばわりするとは失礼な後輩ね」

沙織「だからごめんってば~」

華「小さくてかわいらしい先輩ですね」

カチューシャ「かわ!…ま、まあわかればいいのよ」

華「ではよろしくお願いしますね、カチューシャさん」

沙織「私たちのことも名前で呼んでいいからねカッちゃん!」

カチューシャ「か、カッちゃん?」

沙織「そういえばさっきの歌って何?」

華「外国の歌だったようですけど?」

カチューシャ「ロシアの歌よ…」



5: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:18:15.40 ID:BINuTBSR0


-次の日

教室

杏「カチューシャちゃ~ん」

カチューシャ「何よ?」

杏「今度のの必修選択科目だけど、戦車道とってね~」

カチューシャ「?この学校には戦車道は無いはずでしょ?」

桃「今年から復活するんだ」

カチューシャ「そ、そうなんだ」

杏「そういうわけで、ま、宜しく~」

スタスタ

カチューシャ「……」



6: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:19:42.08 ID:BINuTBSR0


-オリエンテーション終了後

沙織「私、戦車道やる!」

華「私も興味がわいてきました」

カチューシャ「あんたたちねえ…」

沙織「カッちゃんもやろうよ?経験者なんでしょ?」

カチューシャ「い、いや……私は」



7: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:20:23.29 ID:BINuTBSR0


-生徒会室

桃「これはどういうことだ?」

カチューシャ「あんたたちには関係ないでしょ……」

杏「それじゃ困るんだよねー」

桃「わが校の戦車道経験者はほかにいません」

柚子「このままではわが校はおしまいです!」

杏「そんな事言ってると学校にいられなくしちゃうよ?」

桃「会長はいつだって本気だぞ!」

柚子「おとなしく従ったほうがいいよ?」

カチューシャ「ずいぶんと横暴ね、でも無理よ」

桃「どういうことだ?」

カチューシャ「確かに私は戦車道の経験者よ、でもずっと補欠で戦車に乗ったことなど一度もないのよ!」

カチューシャ「この体格のせいで満足にできるのはせいぜい通信手か車長くらいだもの、とうぜんよね……だからせめて戦術だけでも一生懸命とかを勉強もした」

カチューシャ「けど、子供の考えた戦術なんかって見向きもされなかったわ……」

カチューシャ「それでもがんばっていればいつか気がついてもらえると信じて2年間戦車道を続けてきたわ、けれども……」

カチューシャ「だから私は戦車道のないここに逃げてきたのよ、これでわかったでしょ?私がいても何の役にも立てない、お荷物になるだけだわ」

杏「……この学校、戦車道で優勝しないと廃校になっちゃうんだ」

カチューシャ「!?」

桃「な!か、会長!?」

杏「いいから……」

杏(なぜかカチューシャちゃんには隠し事をしないで、心の内をすべてさらけ出した方がいい気がしたんだ)




8: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:22:30.29 ID:BINuTBSR0


杏「ってわけなんだ」

杏「可能性なんかほとんどないかもしれない、それでも何もせずにただ廃校になるのを指をくわえて眺めてることだけはしたくなかったんだ」

杏「カチューシャちゃん、あなたは私たちにとっては唯一の希望なんだ……」

カチューシャ「砲手も操縦手も知識しかないわよ」

杏「十分だ」

カチューシャ「戦術だって一度も使われたことなんてないわよ」

杏「誰も知らない戦術だ、うれしいね」

カチューシャ「私の言うことなんて誰も聞かないかもしれないじゃない!」

杏「私たちは信じるよ」

カチューシャ「でも……でも」

杏「私たちに力を貸して」


杏「あ な た の 力 が 必 要 な ん だ」ドン!


カチューシャ「戦車道、やっていいの?」ポロポロ

杏「ぜひ」

カチューシャ「うわあああああん!」



9: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:23:54.01 ID:BINuTBSR0


ガチャ

沙織「会長います?戦車道の日程で聞きたいことがあるんですけどってあれ?」

カチューシャ「zzzzz」

杏「さっき寝ちゃったところだから」シー

杏(なんかこの寝顔見てたら守ってあげたくなっちゃうね、助けてもらうのはこっちのはずなのに)



10: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:25:03.77 ID:BINuTBSR0

-車庫


Ⅳ号戦車


沙織「うわっ汚い!」

カチューシャ「どういうこと?」

杏「これしか残ってなかったんだよね、まあ探せば学園のどっかにあると思うから今日はみんなで探索してね~」

カチューシャ「あんたたちも探しなさいよ、っていうかこんなので大丈夫なのかしら?」



11: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:25:30.34 ID:BINuTBSR0


沙織「一緒に戦車探そう?」

優花里「普通Ⅱ科、秋山優花里であります!不束者ですがよろしくお願いします!」



12: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:26:16.59 ID:BINuTBSR0


カチューシャ「で、見つかったのが38t、89式、Ⅲ突、M3と……何ていうか」

沙織「だめなの?」

カチューシャ「だめじゃないけどちょっと…ね」

優花里「確かに一級品とは言い難いですが戦車は戦車です!」



13: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:27:25.24 ID:BINuTBSR0


優花里「ここがカチューシャ殿の家ですね」

沙織「……なんていうか」

華「何もないですね……」

カチューシャ「う、うるさいわね!今まで戦車道しかやってなかったから他に趣味とかないのよ……」



14: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:29:22.88 ID:BINuTBSR0


華「すごくおいしいです」モグモグ

優花里「武部殿は料理が上手なんですね」

沙織「男を落とすには胃袋からっていうからね!」

華「恋人いたことありましたっけ?」

沙織「ちょっと華!って……」

カチューシャ「……」モグモグモグモグ

優花里(夢中になって食べてます)

華(口の周りが汚れてますね)

沙織(なんていうか……)

カチューシャ「……」モグモグモグモグ

優花里華沙織(かわいい……)

沙織「おかわりあるからね」

華「今は私のことをお姉さんと思っていいんですよ」

優花里「口の周りをふいてあげます!」ゴシゴシ

カチューシャ「んーって!……カチューシャを子ども扱いするんじゃないわよ!」ヤダモー!



15: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:31:38.36 ID:BINuTBSR0

-2日後


亜美「早速模擬戦をやるわよ!」

亜美「戦車なんてがーっと動かしてばーって戦えばすぐ慣れるから!」

沙織「はいっ!教官ってもてますか?」

亜美「撃破率120%よ!」

優花里「どういう意味でしょう?」

華「よくわからないけど勢いだけは伝わってきますね」

カチューシャ「未経験者しか居ないのにいきなり模擬戦って名に考えてるのよ」ブツブツ



16: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:34:56.74 ID:BINuTBSR0


沙織「で、役割ってどうするの?」

華「何をすればいいのか……」

優花里「私たちの乗るⅣ号は車長、通信手、装填手、砲手、操縦手の5人です」

沙織「1人たりないね」

優花里「今回は通信手は必要ないので4人でも大丈夫かと」

沙織「じゃあとりあえずくじで決めよう」

華「私は操縦手ですね」

沙織「車長だ、できるかな?」

優花里「私は砲手です!ってことは……」

カチューシャ「……」ソウテンシュ

沙織「え…と、代わろうか?」

カチューシャ「カチューシャを馬鹿にするんじゃないわよ!これぐらいなんてことないんだから」フフン

カチューシャ(ついに、ついに戦車に乗れる)ワクワク



17: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:35:47.75 ID:BINuTBSR0


亜美「各チーム準備はできたわね?それじゃあ模擬戦開始!」

優花里「ひゃっほぉぉぉぉぉぉうさいっこうだぜぇぇぇぇぇ!」

沙織「キャラが変わってる」

華「パンツァーハイですね」

カチューシャ(わあ~い、揺れてる)キャッキャッ

ブロロロ

パカッ

沙織「おおっいい眺め、誰もいないね」

ガコッ

沙織「うわっ!」

華「すいません、思ったより難しくて」

ドゴォン!

優花里「うわっ!何事ですか?」

沙織「敵からの攻撃!反撃して反撃~」

優花里「何処からですか?」

沙織「あっちだよあっち~!」

ドゴォン!

沙織「きゃー、やだもー!」

優花里「見つけました攻撃します!カチューシャ殿装填を!」

カチューシャ「うーん!お、重い……」プルプル

優花里「」

沙織「どうしたの?」

優花里「装填不能、攻撃できないであります!」

沙織「と、とりあえず逃げろー!」



18: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:39:52.84 ID:BINuTBSR0


沙織「何とか逃げ切れたかな?ってあれは麻子!」

麻子「zzzz」

沙織「華止まって止まって~!」

華「何ですか、聞こえません?」

カチューシャ「そういう時は蹴って教えてあげるのよ!」

沙織「えいっ!」ドゴッ!

華「ぐはっ!沙織さんもう少し加減してください」ナミダメ



19: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:45:24.48 ID:BINuTBSR0


沙織「ちょっと麻子ここは危ないから起きて!」

麻子「う~ん、何だ沙織か……zzz」

ドゴォン!

沙織「きゃあ!と、とにかく危ないから中に乗せよう」

ブロロロ

沙織「何とか茂みに入ったけど……」チラッ

麻子「大体の事情はわかった、私のためにやめる必要はない」

沙織「ならいいけど……」



20: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:50:46.97 ID:BINuTBSR0


麻子「……戦車の動きがぎこちないな」

華「それがなかなか難しくて思うようにいかなくて……」

麻子「代わってくれ、私がやろう。マニュアルならさっき読んだ」

沙織「わかった、お願いね」

優花里「大丈夫なのでありますか?」

沙織「麻子は成績は学年トップだから大丈夫!」



21: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:51:36.39 ID:BINuTBSR0


沙織「敵チーム発見!今度はこっちから攻めるよ!」

優花里「了解しました!」

カチューシャ「う~~ん……」カオマッカ

麻子「……何で子供がここにいるんだ?」

カチューシャ「子供じゃ…ない…あっ!」

ゴロンゴロン

カチューシャ「ううっ……」ジワッ

優花里「と、とりあえず私が装填手をやります。五十鈴殿は砲手を!」

華「分かりました!」

ブロロロ ドーン アタンナイー ヤダモー ミツカッタニゲロー
ドッチニイクンダ ワカンナイトニカクニゲテー ワー

カチューシャ「……」ポツン

沙織「どうしよう~!」

カチューシャ(何をやっているんだ私は……)

華「だめですうまく当たりません!」

カチューシャ(戦車に乗れたことに浮かれて全然周りを見てなかった)ドクン!

優花里「もうだめです~!」

カチューシャ(何のために私はここにいる……)ドクン!

麻子「だめだ振り切れない」



22: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:52:29.08 ID:BINuTBSR0




カチューシャ「移動するときはジグザグに動いて的を絞らせないようにして!」

麻子「!?」

優花里「カチューシャ殿?」

沙織「カッちゃん!」

カチューシャ「行進間射撃は当たらないわ!撃つときは停止して!」

華「はい、解りました!」

麻子「おー」

ドオン! ドオン!

カチューシャ「この距離じゃ当たらないわ。優花里、落ち着いて装填して!」

優花里「了解であります!」

カチューシャ「戦術だったら私に任せて!さあ反撃開始よ!」



23: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/17(木) 10:53:35.97 ID:BINuTBSR0


亜美「CチームⅢ突走行不能!よって、AチームⅣ号の勝利!」

沙織「やったー、勝ったー!」

華「私、砲手をやってよろしいでしょうか?ジンジンする感触が忘れられません」

優花里「私は装填手を努めさせていただきます!」

沙織「カッちゃんが車長で麻子が操縦手で……」

カチューシャ「えっ、しゃ、車長!」

沙織「指揮とかすごかったしカッちゃんがやるべきだよ!」

麻子「ちょっと待て、私は戦車道をやる気はないぞ。今回はたまたま成り行きでこうなっただけだ」

沙織「戦車道取れば遅刻が帳消しになるよ?」

麻子「うっ」

沙織「おばあに怒られたくないでしょ?」

麻子「わ、解った。やる」

カチューシャ「私が車長……」ニヤニヤ



42: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:27:52.64 ID:zs5AR5om0


-翌日


カチューシャ「……何これ?」

優花里「戦車になんてことを……」

カチューシャ「ピンクのM3に……」

梓「えへへ……」

優花里「バレー部復活と書かれた八九式に……」

典子「根性ー!」

麻子「派手なⅢ突に……」

カエサル「これは我々の魂だ!」

華「金色の38tですね……」

杏「どう?すごいでしょ!」

優花里「せっかくの戦車があんまりです~」

カチューシャ「あんたたちねえ、戦車道に対して失礼でだと思わないの?」

桃「早速だが練習試合をするぞ!」

カチューシャ「ええっ!」

桃「相手は聖グ口リアーナ女学院だ!」

優花里「全国大会準優勝したこともある強豪校じゃないですか!」

沙織「準優勝!それってやばいじゃん!」

カチューシャ「そっかー、そんなところと練習試合するんだー」アハハ

桃「そうだ!なんとしても勝って全国大会に向けて勢いをつけるぞ!」

カチューシャ「ってこんなんで勝てるわけないでしょー!」ウガー!

桃「ひっ!」

カチューシャ「知識も技術も何もかもぜんっぜん足りてない上に戦車に落書きなんかしてて、こんな遊び感覚じゃ勝負以前の問題でしょー!」

杏「まあまあ、士気も大事だし?」

カチューシャ「はあ……先が思いやられる」

杏「ま、そういうことでひとつよろしくね~。あ、そうだ。せっかくだから負けたらあんこう踊りね」

華「みなさん、頑張りましょう!」

優花里「絶対勝ちますよ、絶対に!」

沙織「そうだよね、勝てばいいんだよね?」

カチューシャ「た、たかが踊りでしょ、そんなにひどいの?」


-



43: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:29:04.21 ID:zs5AR5om0


試合当日

麻子「眠い……」

カチューシャ「zzzz」

優花里「二人ともおきてください~!」



44: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:29:36.02 ID:zs5AR5om0


「それでは、一同、礼!試合開始!」

カチューシャ「いくわよ、戦車前進!」

優花里「カチューシャどの、そこはパンツァーフォーといってほしいであります!」

カチューシャ「も、もちろんそれぐらい知ってるわよ。パンツァーフォー!」

沙織「パンツがあほ!?」



45: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:30:45.77 ID:zs5AR5om0


カチューシャ「キルゾーンまで誘導するわよ!」

ドオン!

オレンジペコ「撃ってきましたね」

ダージリン「こちらもお相手いたしましょう」

ブロロロ

桃「来たぞ!撃て撃てー!」

カチューシャ「ちょっとカチューシャを狙ってどうするの!」

ダージリン「各車、発砲」

ドオン! ドオン!

典子「敵からの強烈なスパイク!」

桃「撃って撃って撃ちまくれー!」

カエサル「こっちに登ってくるぞ!」

ドオン! ズガガン!

あゆみ「もうむりー!」

あや「怖いー!」

紗希「……」

梓「あ、みんな待って!」

タタタタタ ドカン! シュポ

「大洗女子学園M3、走行不能!」

沙織「M3からの応答がないよ!」

柚子「きゃあ!」

桃「やられたー!」

杏「履帯外れちゃったみたいだね~」

カチューシャ「……動ける車両はみんなついてきて。市街地へ移動する!」

桃「なにー許さんぞー!」

沙織「いいの、カッちゃん?」

カチューシャ「どのみちここにいてもやられるだけだわ、市街地で遭遇戦に切り替える!」

桃「何ーゆるさんぞ!最後の一両まで撃ち返せ!」

杏「う~んしょうがないねカチューシャちゃんに指揮を移すよ、全車カチューシャちゃんについてって~」

エルヴィン「了解した!」

典子「わかりました!」

カチューシャ(とは言ったものの少数での戦術はあまり得意じゃないのよね……けど!)



46: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:31:52.07 ID:zs5AR5om0




沙織「こっちはⅢ突と38tがやられて後2両しか残ってないよ!」

優花里「負けでありますか……」

カチューシャ「89式は戦力にはならないし、相手はまだ4両……勝負あったわね」



47: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:32:40.80 ID:zs5AR5om0

~~~~~~~

プラウダ時代

ゴシゴシ

後輩1「はあ、毎日砲弾磨きばっかり……私も戦車乗りたいな」

後輩2「仕方ないじゃん。実力がなかったからここに配属されちゃったんだし」

カチューシャ「仕方ない……あなたたち、そんな考えじゃいつまでたっても何も変わらないわよ」

後輩1「でもいくら砲弾を綺麗に磨いたって意味ないじゃないですか。だからカチューシャ先輩だってずっとここにいるんだし」

カチューシャ「たしかにね。私はこの体格のせいで適正テストすら受けさせてもらえなかったわ……」

後輩2「だったら」

カチューシャ「でも私はあきらめてない。それなら誰にも負けない戦術を作って車長になってみせるってね」

カチューシャ「あなたたちも悔しかったらレギュラーからポジションを奪ってみなさいよ!私より恵まれた体格があって何にでも成れる可能性があるのに勝手に諦めてるんじゃないわよ!」

カチューシャ「私は絶対にここから這い上がってみせる。西住流も島田流も打ち破る最強のカチューシャ戦術を生み出してプラウダのリーダーになってやる!」



48: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:33:11.75 ID:zs5AR5om0




カチューシャ「な、何でよ!」

先輩1「戦車に乗ったこともないやつの戦術など使うと思ってるのか?」

カチューシャ「2年間いろんな戦術を研究してできた最高傑作なのよ!目を通すぐらいしてよ、そうすればきっとこの戦術のすごさが……」

先輩2「あんた何か勘違いしてない?私たちは子供の相手をしてる暇なんてないの。ったく、砲弾磨かせときゃすぐ辞めると思ったのにまさかこんな下らない事企んでたなんてね」

カチューシャ「な、何よそれ?」ワナワナ

先輩1「ほら、あんたなんかにかまってる暇なんて無いんだから行った行った」シッシッ



49: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:33:38.12 ID:zs5AR5om0




ポイッ バサ

カチューシャ「……」

後輩1「カチューシャ先輩、それって」

カチューシャ「1年のころからずっと研究してきた戦術ノートよ。ま、もう必要なくなっちゃったけどね」

カチューシャ「私と違ってあなたたちは可能性がある。戦車道、辞めるんじゃないわよ」

スタスタ



50: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:34:36.42 ID:zs5AR5om0

~~~~~~~~



『思えば私にとっての人生は常に困難との闘いだった……

この体格のせいでずいぶんと苦労したわ。でもそれを言い訳にする気は無かった。

だってそうでしょ?そんな事を嘆いたって何も変わりはしない、急に背が伸びるわけでもない。

無いものねだりをしたって仕方ない。じゃあどうする?だったら認めさせればいい

誰も文句のつけようが無い実力を見せ付けて……』



51: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:35:10.73 ID:zs5AR5om0




カチューシャ「……と、言うわよね。普通は」

沙織「カッちゃん?」

カチューシャ「普通ならできないことも……」




52: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:35:39.63 ID:zs5AR5om0







カチューシャ「 カ チ ュ ー シ ャ に は で き る ん だ か ら ! 」










53: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:36:10.54 ID:zs5AR5om0


優花里「カチューシャ殿!」

カチューシャ「沙織、あなたたちはこの地形は詳しい?」

沙織「庭みたいなもんだよ!」

典子「私たちも詳しいです!」

カチューシャ「いくわよ、反撃開始!」



54: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:36:38.98 ID:zs5AR5om0


ルクリリ「敵、Ⅳ号戦車発見!あいつさえ倒せば勝ったも同然だ」

ブロロロ

カチューシャ「あの敵の動き、勝利を確信してるわね。完全に油断してる。麻子、横道に入って」

麻子「ほーい」

ルクリリ「馬鹿め!それで逃げたつもりか!」

Ⅳ号戦車チャキ!

ルクリリ「え、ええ待ち伏せ!」

ドオン! シュポ

「聖グ口リアーナ、マチルダⅡ、走行不能!」

ダージリン「なっ?」

アッサム「動きが単調すぎました。読まれてしまったみたいですね」

カチューシャ「落ち着く暇は与えないわ。今のうちにたたみかけるわよ!」

あけび「アターック!」

カーン!

マチルダ車長1「後方から89式!しとめるぞ!」

華「撃ちます!」

ドオン!

マチルダ車長2「前方からⅣ号戦車!追うぞ!」

ブロロロ



55: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:38:19.68 ID:zs5AR5om0


オレンジペコ「わき道に逃げてしまいましたね。」

ダージリン「各個撃破で数を減らすのが目的ね、追うわよ」

ズシャァァァ!

アッサム「!!、前方にⅣ号!」

ダージリン「えっ?もう来たの!」

オレンジペコ「マチルダの撃破報告はありません!」



56: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:39:04.69 ID:zs5AR5om0

~~~~~


カチューシャ「直接チャーチルを狙うわよ!指揮官を倒せば敵は動揺する。その隙をついて残りを掃討する」

優花里「うまくいくでしょうか?」

カチューシャ「普通だったらやらないわね、下手をすれば挟み撃ちになる。」

沙織「だったらどうして?」

カチューシャ「だ か ら こ そ や る!」ドン!

カチューシャ「戦術も練度も向こうが上。まともにやり合ったらとてもじゃないけどかなわない」

カチューシャ「それにね奇策って言うのは相手が予想してないから意味があるのよ!」

カチューシャ「わき道で敵をまいて大通りに戻るわよ」

典子「こっちも準備オーケーです!」

カチューシャ「頼むわね」



57: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:40:13.92 ID:zs5AR5om0

~~~~~~


ブロロロ!

オレンジペコ「こっちに向かって来ます!」

カチューシャ「不意をついて攻撃すれば当然相手がとる行動は」

ダージリン「っ!砲撃!」

ドオン! シュポ

ダージリン「撃破……えっ!」

「大洗女子学園、89式走行不能!」

カチューシャ(同じように敵をまいて待機させてた89式に盾になってもらう)

オレンジペコ「横道から出てきた89式が盾に……」

カチューシャ「確実に撃破するわよ!横を通り抜けて背後から砲撃!」

キキッ! キコキコ

華「砲塔の旋回が……」アセアセ

カチューシャ「し、しまった……」(作戦がうまくいって油断した!砲塔旋回の指示を出し忘れるなんて……)

※ドリフト旋回はしてません、横から追い越しただけ。操縦の教本にはドリフトは載ってなかったから知らなかった。

ドオン! シュポ

「大洗女子学園、全車両走行不能!よって、聖グ口リアーナ女学院の勝利!」

カチューシャ(実戦経験の無さが出ちゃったわね……)



58: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:40:48.59 ID:zs5AR5om0




ダージリン「面白い試合だったわ」

桃「ほ、本当か!」

ダージリン「特に市街戦での思い切った奇策、そちらの練度がしっかりしていていたら危なかったわ……」

杏「強豪校にそういってもらえるとうれしいね~」

ダージリン「それではごきげんよ……あら?もしかしてあなた」

カチューシャ「ん?あ、あなたは……」



59: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:41:29.44 ID:zs5AR5om0




ダージリン「まさか大洗に転校していたとはね」

カチューシャ「い、いろいろあったのよ……」

コソコソ

優花里「まさか2人が知り合いだったとわ……」

沙織「カッちゃんって実はすごかったり?」

ダージリン「大洗を強くしたいのなら、経験者であるあなたが隊長としてみんなを引っ張っていきなさい」

桃「なっ隊長は私だぞ!」

杏「まあまあ」

カチューシャ「え、で……でも」

ダージリン「カチューシャには荷が重かったかしら?」

カチューシャ「な!そんなわけ無いでしょ!カチューシャにできないことなんて無いんだから!あっという間に最強のチームを作り上げて今度こそあなたたちをコテンパンにしてあげるんだから、覚悟しなさい!」

ダージリン「ふふっ楽しみにしてるわ」



60: ◆K2KFq6ZPmE 2016/11/25(金) 14:46:13.15 ID:zs5AR5om0



杏「あ、そうそう。負けたから皆であんこう踊りね」

「げぇー!」



65: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:00:44.31 ID:3WeHGVSe0



-音楽室

左衛門佐「カチューシャ先輩じゃないか」

カチューシャ「な、何であんたがここにいるのよ?」

左衛門佐「いや、誰もいないはずの音楽室から歌声が聞こえたものでな。武部さんたちからカチューシャ先輩がいつもここで歌っていると聞いたのを思い出したんだ」

おりょう「もんざ、ここにいたぜよ」

エルヴィン「おや?カチューシャ先輩も一緒か」

カエサル「早く食堂に行こう。はらぺこだ」

カチューシャ「ほら、みんな待ってるみたいだし行ってきなさい」

エルヴィン「カチューシャ先輩もお昼はまだだろう。一緒にどうだ?せっかくだしロシアの歴史について語り合おう」

カチューシャ「しょーがないわねー。付き合ってあげてもいいわよ?」



66: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:02:19.90 ID:3WeHGVSe0


杏「え~と、練習の前に一つ伝えとくね~」

桃「……」

杏「今日から隊長はカチューシャちゃんでいくからよろしく~」

カチューシャ「ええっ!」

桃「この中で戦車道経験のあるカチューシャを隊長にしようという会長のお考えだ!」

~~~~~


ダージリン「あなたが隊長として皆を引っ張っていきなさい」


~~~~~

カチューシャ「わかったわ。ただし、厳しくいくから覚悟しなさい!」

「おー!!」




67: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:03:17.81 ID:3WeHGVSe0

-練習終了後


ぐったり……


優花里「まさかここまでハードだとは思いませんでした~」

沙織「カッちゃんスパルタすぎ……」

華「お腹がすきました」

麻子「し、死ぬ……」

杏「皆頑張ったね~、んじゃ解散!」

柚子「会長はもっと頑張ってください!」

カチューシャ「明日からもっときつくいくから覚悟しなさいよ!」

「げぇー!!」

典子「燃えてきたー!根性ー!」

あや「バレー部の人たちはさすがです」

カチューシャ「わかってると思うけど、私たちが試合に勝つにはとにかく練習するしかないのよ!」

カエサル「確かにそうだが……」

カチューシャ「私が隊長なんだから文句は聞かないわよ!」

桃「いいんですか会長?」

杏「推薦したのは私たちだしねえ~しばらく様子を見よう」

柚子「何も起こらなければいいんだけど……」



68: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:05:07.16 ID:3WeHGVSe0

-1週間後


典子「いやー今日もいい汗かいたな!」

「はいっ、キャプテン!」

梓「相変わらずバレー部の人たちはすごいなあ、私たちもしっかりしないと……」

沙織「もうやだ!」

優花里「武部殿?」

沙織「こんなの全然楽しくない!こんなきつい練習ばっかりやって、これじゃただの軍隊だよ!」

カチューシャ「何言ってるの?遊びじゃないんだから当たり前でしょ?」

華「沙織さんおちついて……」

沙織「カッちゃんだって目の下にクマができてるじゃない!」

カチューシャ「強くなるためにはこれ位なんてことないわ」

沙織「何よ!心配してるのに!」

カチューシャ「そんな暇あったら地図の見方のひとつでも覚えなさい」

杏「あ~まあとりあえず今日の練習は終了ってことでね、?かいさ~ん」



69: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:06:06.06 ID:3WeHGVSe0


沙織「何で会長たちも何も言わないのよ!」

優花里「カチューシャ殿を隊長に推薦したのは会長たちですから言いにくいのでしょう」

あや「皆で抗議しよう!」

カエサル「う~ん……たしかにあの訓練はきつい気はするが」

あけび「そうですか?私たちにとっては普通ですけど?」

あゆみ「体育会系にはそうかもしれないけど……」

華「上達するためには苦労はつきものだと思いますが」

沙織「華まで?」

麻子「そんなに気になるなら直接言いに行ってみるか?」



70: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:08:26.28 ID:3WeHGVSe0

-夜の学校

沙織(バレー部と用事のある人を除いて来たのだけど……)

※バレー部はバレーの練習中、華は華道の稽古

沙織「何で学校に来るの?」

麻子「そういえば何でカチューシャさんがここに転校してきたか知ってるか?」

エルヴィン「そういえばこの間一緒に食事したときに話してたな。たしか……」



71: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:09:22.07 ID:3WeHGVSe0





優花里「そのような事が……」

麻子「それが今、乗りたかった戦車にやっと乗れた、高校最後の年にやっと戦車道が始められたんだ」

麻子「プラウダにいたときから腐らずにずっと努力し続けていたんぞ。勝つことに対する執念は私たちの比ではない、無茶をしてでも勝ちたいと思うのも当然だろ」

沙織「うう……そうかもしれないけど」

麻子「最初はただ遅刻の帳消しができればいいと軽い気持ちでやってたが、あそこまで無茶をするカチューシャさんはさすがにほっとけない」

麻子「せっかくだから学年トップの力を活用しようと思ってな、行けるところまで付き合ってやるさ」

梓「カチューシャ隊長、苦労してたんだ」

麻子「じゃあ私は行くからな」

沙織「え、行くってどこに?」

優季「いっちゃった」



72: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:09:52.64 ID:3WeHGVSe0



ブロロロ

沙織「ん?あれってⅢ突じゃない」

梓「練習場の方に行ってますね」



73: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:11:21.79 ID:3WeHGVSe0

-練習場


ドオン! ドオン!

優花里「戦車が皆集まってます!でもだれが?」

ガチャ

カチューシャ「M3の砲撃マニュアルに必要な情報は集まったわ」

ガチャ

杏「こっちもできたよ~」

カチューシャ「それじゃあ次の戦車をやるから移動させるわよ」

麻子「よし」

柚子「はい」

ブロロロ バタバタ

カチューシャ「次は38tと89式よ!」

ドオン! ドオン!

杏「うーん、ここはこうしたほうがいいかな?」カキカキ

カチューシャ「気づいたことはどんどんメモしていって、砲撃が終わったら次は操縦いくわよ!」

ブロロロ

麻子「ここはこうすればもう少し早く曲がれるな」カキカキ

※ちなみに砲撃と装填はカチューシャと杏がそれぞれやってます。砲撃は静止射撃でカチューシャは台に乗ってやってますチビって大変



74: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:12:30.76 ID:3WeHGVSe0


桃「時間です会長、皆、小休止だ!」

カチューシャ「皆お疲れ、後でまとめるからノートはそこに置いといて」ハアハア

麻子「カチューシャさん、あまり無理はするなよ。疲れてるだろ」

杏「私たちも推薦した手前強くいえないけど無理は駄目だよ~」

カチューシャ「何の実績も無い私が隊長として皆に認めてもらうためにも試合に負けるわけにはいかないの」

カチューシャ「私に出来ることなんて限られてる、戦術の組み立てとせいぜい皆の練習用のマニュアルを作るぐらい……」

カチューシャ「なら、全力でやるだけよ!最高のチームを作って勝って勝って勝ちまくってやる!」

カチューシャ「カチューシャに出来ないことなんてないんだから!」ハアハア

ドタ

桃「カチューシャ!おい、しっかりしろ!」

カチューシャ「………」グッタリ

麻子「やれやれ、またか……」

柚子「保健室連れてきますね」

杏「今日はもう無理そうだね~」

麻子「いや、私たちだけでも出来るところまでやっておこう。カチューシャさんの負担を出来るだけ減らしておきたい」



75: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:13:26.98 ID:3WeHGVSe0


「………」

優花里「カチューシャ殿は隊長として私たちを引っ張るために自分に出来ることを必死にやっていたのですね……」

左衛門佐「義を見てせざるは勇無きなり。カチューシャ先輩の頑張りを知った今、私たちは応えなければならない」

エルヴィン「確かに」

梓「私たちがしっかりしないと……」

沙織「なによ、カッちゃんてば!内緒で自分ばっかり苦労してさ」グスッ

沙織(結局何も言わずに私たちは帰りました)



76: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:14:16.14 ID:3WeHGVSe0

-次の日

華「私の知らない間にそんなことが……」

沙織「麻子はいつ知ったの?夜の練習一緒にやってたし」

麻子「練習じゃなくてマニュアル作成な。夜の散歩中に倒れてたから拾った」

優花里「拾ったって猫じゃないんですから……」

沙織「まあいいわ、こうなったらとことん付き合ってやろうじゃないの!友情に熱い女子はもてるんだから!」

華「もてたことありましたっけ?」

麻子「そういう事にしといてやるか」

優花里「あははは」

沙織「な、なによう!」



77: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:14:51.00 ID:3WeHGVSe0

-朝


典子「根性で朝練だー!」

「はいっ、キャプテン!」

沙織「私たちも負けないよ!いくよ、みんな!」

「おー!」

麻子「zzzzz」

優花里「冷泉殿、起きてください~!」



78: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:16:42.47 ID:3WeHGVSe0

-帰り道


カチューシャ「5両だと包囲戦術は難しいわね、1から作り直さないと……ん?」

カチューシャ「こ、これってグランゾートじゃない!何これ、リファインされてたなんて知らなかった……」ビトッ!

※子供のころ再放送でグランゾートを見て兵器に興味を持ち、それがきっかけで戦車道を始めています

梓「隊長ってこういうのが好きなんですか?」

優季「子供みたーい」

カチューシャ「そ、そんなわけ無いじゃない!カチューシャは子供じゃないわよって言うかいつからいたのよ!」

あや「私たちも帰り道こっちだし……」

挂利奈「あ、これのDVDってたしか家にあるやつだ」

カチューシャ「」

優季「そうなんだ~」

あゆみ「ほんといろんなアニメ持ってるね挂利奈は」

挂利奈「これってOVAも出てるんだよ」

カチューシャ「うそっ!ほんとに?……あ」

「……」ジー

挂利奈「先輩、今度家に遊びに来ます?」

カチューシャ「……ミンナニハヒミツニシテクダサイ」



79: ◆K2KFq6ZPmE 2016/12/02(金) 11:17:16.24 ID:3WeHGVSe0


杏「生徒会の仕事と戦車道、さすがに両立は大変だね~」モグモグ

桃「まさか、カチューシャがあそこまでスパルタだったとは。やっぱり廃校の件は伝えないほうが良かったのでは?」

杏「いや、おかげでみんなの士気も高まってるし、結果オーライだよ」

柚子「負ける訳にはいかないですからね」

杏「時間だ。戦車道始めるよ~」



96: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 00:27:57.84 ID:23mAbMfp0


全国大会抽選会場


「大洗女子学園、8番」

優花里「サンダースですか……強豪ですね」

桃「確か優勝候補の一角だったとか……」

カチューシャ「どうせ私たちは優勝するんだから出会うのが早いか遅いかの違いでしかないわ」



「あの人は……」



97: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:29:18.04 ID:23mAbMfp0


-戦車喫茶

沙織「おいしいね!」

華麻子「もぐもぐ」

優花里「初戦から厳しいですね……」

カチューシャ「何言ってるのよ、ここで勝って勢いをつけるのよ!」




99: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:32:27.58 ID:23mAbMfp0




ノンナ「カチューシャ。やはりあなたでしたか……」

カチューシャ「ノンナ!!」

ノンナ「大洗に転校していたのですね」

カチューシャ「な、何よ。カチューシャを笑いにでも来たの」

ノンナ「戦車道、辞めてなかったんですね」

カチューシャ「あなたには関係ないじゃない……」

ノンナ「……では、失礼します」ペコ



100: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:34:01.49 ID:23mAbMfp0


華「今のは?」

カチューシャ「私と同期のノンナよ。2年のときすでにエースだったわ」

沙織「背が高くてかっこよかったね」

優花里「月間戦車道で見ました。確かプラウダの新隊長ブリザードのノンナです!」

優花里「砲手としての腕前も優秀で、狙った獲物は決して逃がさないと言われています!」

優花里「高校戦車道において最強砲手との呼び声も……」

カチューシャ「だったらなんだって言うのよ!」バン!

沙織「ちょっ、カッちゃん!急にどうしたの?」

カチューシャ「才能が無ければ戦車道をやっちゃいけないっていうの?……」

優花里「そんなことは……」

沙織「ほ、ほらケーキ食べて落ち着こう!ね!」

カチューシャ「ああやって上から私のことを見下ろして馬鹿にしてるのよっ……ブリザードのノンナ、絶対にあいつだけには負けるものか……」



101: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:36:31.38 ID:23mAbMfp0





カチューシャ「優花里の情報で敵の編成がわかったわね」

カエサル「M4シャーマンを主力にファイアフライか」

梓「でも、フラッグ車に護衛は無いんですよね」

カチューシャ「そう、完全に攻撃重視の布陣よ」

典子「ってことは、敵本体を引き付けてフラッグ車を狙えば……」

カチューシャ「もちろん向こうもそれくらいは予想してる」

典子「うぅ……」

カチューシャ「長期戦になれば経験の多い向こうが有利、早い段階で敵の数を減らし動揺してるうちにフラッグ車を探し出すって感じかしら」

桃「そうなると連携とスピードが重要になってくるな」

カチューシャ「作戦にあわせた練習メニューを作らないとね」

梓「がんばりましょう!」

杏「こういうのはカチューシャちゃんに任せるね~」



102: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:38:01.96 ID:23mAbMfp0


-挂利奈宅

カチューシャ(う~ん、練度はともかく数の差だけはどうしようもないわね。何かいい方法は……)

挂利奈「あ!隊長また試合のこと考えてるでしょう?今日は練習休みなんだから余計なことは考えないでパーッと楽しみましょう!」

カチューシャ「わ、わかってるわよ!」

挂利奈「隊長はこれのどこがすきなんですか?」

カチューシャ「おっきいところに決まってるじゃない!肩車して欲しい……」

ホワンホワン

グランゾート「カチューシャ、魔動力だ!」

カチューシャ「カチューシャに命令しないでよ!私が命令するの、グランゾート、肩車!」

ドシーンドシーン!

ホワンホワン

カチューシャ「うふふふふ……」

挂利奈「隊長~、戻ってきてくださ~い!」



103: ◆ooARXnQO0E 2016/12/29(木) 00:39:34.56 ID:23mAbMfp0


カチューシャ「へ、チーム名?」

梓「は、はい。だめでしょうか?」

カチューシャ「まあ、いいんじゃないそれくらい?で、どんな名前をつけるつもりなの?」

梓「私たちはウサギさんチームにしようかと」

カチューシャ「うさぎさん?あはは!なによその名前。やるきあるの?」

桃「そうだぞ遊びじゃないんだぞ!まじめにやらんか!」

梓「やっぱりだめですか?」

カチューシャ「……ん!、まあいいんじゃない?別に。特に問題があるわけでもないし、それで士気が上がるならもうけもんよ」

桃「へっ?」




104: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 00:40:45.18 ID:23mAbMfp0


試合当日


ケイ「オットボール三等軍曹じゃない」

優花里「あははは……」

アリサ「で、誰が隊長なの?」

カチューシャ「私よ」

アリサ「は?弱小校だとは思ったけど子供が隊長なんてやってるの?」

カチューシャ「なっ!」

アリサ「あはははは!こりゃあ楽勝ね!」

ケイ「ちょっとアリサっ!」

杏「かーしま」

桃「はい」ヒョイ

カチューシャ「うわっ!」

桃「どうだ隊長、上から見下ろす気分は?」

カチューシャ「!さいっこーの気分ね!カチューシャを馬鹿にした罪は重いわよ。覚悟しなさい!」ジロ

アリサ「ぐぬぬぬ……」



105: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 00:43:01.40 ID:23mAbMfp0


「それではこれより大洗女子学園対、サンダース大付属高校の試合を始める!」

大洗チーム

Ⅳ号(グランゾート)
38t(カメさん)フラッグ車
Ⅲ突(草薙)
89式(アヒルさん)
M3リー(うさぎさん)

沙織「う~ん」

優花里「どうしましたか?」

沙織「なんか統一感の無いチーム名だと思って。って言うかグランゾートって何?」

カチューシャ「ロ、ロシアの偉大な戦士の名前よ!」

うさぎさんチーム「……」←知ってる

優花里「……」←知ってる

沙織「おかげでⅢ突チームが対抗心燃やしてカバさんから草薙に変えちゃうし……」

左衛門佐「草薙の剣は伝説の宝剣だ!」

おりょう「験担ぎぜよ!」

カチューシャ「こっちのデータが無いから向こうは序盤は様子見をするはず……」

カチューシャ「いい?作戦どおりチームワークが鍵になるわ、相手に主導権を握らせずいっきに決めるわよ!」

カチューシャ「パンツァーフォー!」



110: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:36:05.43 ID:23mAbMfp0


梓「こちらうさぎさんチーム。C24地点、シャーマン3両発見!」

沙織「了解しました。私たちが行くまで待機してください!」

アリサ「ふふん、全部筒抜けなのよ。敵はC24にいます」



111: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:37:06.45 ID:23mAbMfp0





ケイ「また逃げられたわ……」

アリサ「くっ、ちょこまかと。って言うかなんでじっとしてないのよ」

アリサ「どうせ廃校になるんだからさっさとやられなさいよ!」

エルヴィン「草薙だB16に到着した」

アリサ「今度はB16に向かってく……」

カチューシャ「草薙を基点にグレートキャノン用意!」

アリサ「ださ……へ?何それ?」

カチューシャ(草薙チームを囮にして側面から狙い撃つ!)

ドオン!

「伏兵ですやられました!」

アリサ「え?え?何、どういうこと?」



114: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:42:04.85 ID:23mAbMfp0

~~~~~~~
-試合開始前



カチューシャ「向こうはきっと私たちをなめてるからね、あまり警戒はしていないはずよ。だからそこを突く」

カチューシャ「まず序盤はわざとこっちの場所を相手に教えるわ、相手にわざと見つかるの。ただし、そのチームはすぐに別のポイントに隠れること。」

カチューシャ「どうせ私たちが初心者だと思ってるはずだから周辺をうろついてると思ってその場を警戒するはずよ」

沙織「そうなの?」

カチューシャ「人のことを見下してるやつって言うのは大抵、馬鹿がとる行動は自分の予想の範囲内って決め付けるものだから」

カチューシャ「クラスにいるでしょ、私のいったとおりにしないからって言う人上から目線の人とか」ムカムカ

梓「隊長怖い……」

カチューシャ「とにかく、これを繰り返せば敵の居場所をある程度コントロールできるわ。そして、ここからが本番」

カチューシャ「新カチューシャ戦術を使う」

優花里「おおっ!」

カチューシャ「数で負けてる分こっちはスピードで勝負をするわ。どういうのかちゃんと覚えてるわね?」

エルヴィン「ああ、問題ない」

梓「あらかじめ誰がどう動くか決めておいた作戦名を用意しておくんですよね。」

カチューシャ「そう。これならいちいち各車両に指示を出さなくてすむから、すばやく行動ができる」

カチューシャ「今までの相手とは違うと思わせることに意味があるのよ。私達で敵をかく乱している間にアヒルチームがフラッグ車を索敵、いいわね」

典子「分かりました!」

沙織「何かいけそうな気がする!」

カチューシャ「せっかく侮ってくれてるんだからしっかり利用させてもらうわないとね。覚悟しなさい」



115: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:43:10.35 ID:23mAbMfp0

~~~~~




ドオン! ドオン!

「サンダース、シャーマン走行不能!」

「すみません、やられました!」

アリサ「な、何がどうなってるの?」

ガサガサ

典子「あ、こちらアヒルチームフラッグ車見つけました!」

アリサ「な、今度は89式!」

アリサ「ふ……ふざっけんじゃないわよぉぉぉぉ!」

典子「なんかめちゃくちゃ怒ってる!逃げろー!」

アリサ「撃てっ撃てっ撃てぇぇぇぇ!」

ドオン ドオン

アリサ「私の作戦に誤りなどないわ!なのに、なのに、何なのよあんたたちはー!」

アリサ「こいつらといいタカシといい、なんで私の思い通りにいかないのよー!」ワアアン

バシュー

アリサ「今度は煙幕!くっ、見えない!~~~~~~~!!うざったいのよぉぉぉぉぉ!」

ザー……ビージュウロ…ン…ザー

アリサ「このお!ちょこまかとおぉぉぉぉ!」

装填手「煙幕はれます!」

Ⅳ号戦車

アリサ「」



116: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:44:43.39 ID:23mAbMfp0

~~~~~


沙織「先手をうってるけど結構厳しいよ、こっちも鼻の長いのにうさぎさんがやられちゃった」

カチューシャ「ファイアフライね、射程距離の長さが厄介だからまともにやりあおうとしないで。たぶん勝負にならないわ」

典子「あ、こちらアヒルチーム、フラッグ車見つけました!」

沙織「了解しました。」

沙織「カッちゃん!フラッグ車見つかったって」

カチューシャ「よし!ディザルブスパイア、B16地点でいくわよ!」



117: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:46:04.60 ID:23mAbMfp0

~~~~~


アリサ「て、停止!」

ドオン! ボシュ!

アリサ「はっ!はぁっはぁっ……」

カチューシャ「捕まえたわよ」ニヤ

ケイ『ちょっとアリサ次どうするの?』

アリサ「それどころじゃありません!敵に見つかりました!おそらく無線傍受したのがばれたのかと……」

ケイ『なっ!バッカモーン!とにかくそっちに向かうから時間を稼ぎなさい!』

アリサ「ひぃっ、すみません!」

アリサ「ふ、ふん。どうやらⅣ号と89式だけみたいね。その程度だったら逃げ切って見せるわ!」



カチューシャ「解ってないわね。私は『捕 ま え た』って言ったのよ!」ドン!




Ⅲ突 ガササ

38t ブロロ

アリサ「」

カチューシャ「私の得意とする包囲戦術よ。相手が1両だけならこの数でも十分よね……」

アリサ「あ……あ……うわぁぁぁー!」

カチューシャ「撃てぇぇーー!」




「サンダース、フラッグ車走行不能!よって、大洗女子学園の勝利!」




118: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:47:51.42 ID:23mAbMfp0



沙織「やったー!勝ったー!」

優花里「あの優勝候補の一角に……」

カエサル「さすが隊長の作戦だな」

梓「ファイアフライにやられたときはもうだめかと思いました」

ケイ「ヘイ!カチューシャ!」

杏「お、おケイじゃん」

ケイ「まいったわ、完敗よ」

カチューシャ「ま、私の実力にかかればこのくらい当然よ!」

アリサ「ぐぬぬぬ……」

ケイ「ごめんね、うちのアリサが無線傍受なんてつまんない真似しちゃって……」

カチューシャ「へ、何それ?」

桃「無線傍受、どういうことだ?」

アリサ「え?」



119: ◆UYlhnKrxEE 2016/12/29(木) 08:50:03.50 ID:23mAbMfp0


ダージリン「無線傍受をものともしない素早い戦術、サンダースは対応が間に合わなかったみたいね」

オレンジペコ「まさか大洗が勝利するとは思いませんでした」

ダージリン「ふふっ、これから面白くなりそうね」




125: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:46:15.99 ID:s4anzDQJ0


麻子「おばぁが倒れた」フラフラ

沙織「ええっ!」

優花里「ですがもう今日の船の便はすべて終了してます」

麻子「泳いでいく」

沙織「ちょっと、無茶だよ!」

カチューシャ「溺れちゃうわよ!」

ワーワー ギャーギャー

まほ「そんな所で何をしているんだ?危ないぞ」

みほ「皆さん落ち着いてください」



126: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:47:02.20 ID:s4anzDQJ0



まほ「私がヘリの操縦をするからみほは残れ」

みほ「うん。さあ急いで」

麻子「おばぁ、おばぁ」オロオロ

沙織「待って私も一緒に行く!」




127: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:47:36.90 ID:s4anzDQJ0

-喫茶店

優花里「黒森峰のそれも西住姉妹に会えるなんて感激です~!」

華「そんなにすごいのですか?」

優花里「もちろんです!西住流といえば日本で最古であり最大の流派です!」

優花里「撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心 それが西住流!」

優花里「西住殿はその後継者なのです!」

みほ「わ、私は別にそんなにすごくは……」

優花里「何を言ってるんですか!西住姉妹は高校戦車道最強コンビとして恐れられているんですよ!」

華「優花里さん少し落ち着いて下さい」

カチューシャ「全国大会10連覇、今回の優勝最有力候補だものね」

みほ「大洗の戦い方すごく面白かったです。とても勉強になりました」

カチューシャ「そ、そうでしょ、よく解ってるじゃない!」

優花里「続きは注文をしてからにしましょう」

華「ケーキが食べたいです」

みほ「じゃあ私はパフェを」

カチューシャ「なら私はジャンボパフェにするわ!」



128: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:48:38.45 ID:s4anzDQJ0


まほ「行くぞ、みほ」

みほ「うん。じゃあ皆さんさようなら」

優花里「はいっ。二人ともお気をつけて!」

華「さようなら」

カチューシャ「私たちが倒してあげるから覚悟しておきなさい」ウプッ

沙織「あんな大きいの頼むから……」

まほ「いいだろう。西住流はいかなる挑戦も受けてたつ」


バラバラバラ

優花里「行ってしまいましたね……」

華「黒森峰と戦うのは決勝ですね」

カチューシャ「……」



129: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:49:10.55 ID:s4anzDQJ0

-生徒会室


杏「何とか初戦突破か」

桃「このまま勝ち続けるぞ!」

柚子「でも、戦車が5両しかないのはきついですね。89式は火力不足だから実質4両しかいないようなものだし」

杏「新しく買うお金も無いし、また捜索しないとね~」



130: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/13(金) 09:50:03.48 ID:s4anzDQJ0


-カチューシャ宅


カチューシャ「私の戦術は戦車道で通用する」

カチューシャ「私は負けてない……」

カチューシャ「廃校になんて絶対させるものですか……」




139: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:06:43.61 ID:NR8Uf0SD0

-朝

典子「皆ラスト5週いくよ!」

「はいっキャプテン!」

ドドドドド


カチューシャ「毎朝見かけるけどいつも何時に登校してるの?」

あけび「いつも5時半には来てますね」

妙子「準備運動した後軽く流してます」

カチューシャ「授業が終わった後も、確かバレーの練習してたわよね」

忍「学校がしまるギリギリまで練習してます!」

カチューシャ「よく体力持つわね」

典子「そこは根性です!」

あけび「どんなに技術があっても体力が無ければ肝心なところで踏ん張れません」

あけび「だから練習でも基礎に一番力を入れてます、どんな戦術を組もうと最終的にものを言うのは基礎能力ですからね」

妙子「スポーツに限らず戦車道でも同じことが言えるんじゃないでしょうか?」

典子「ちょっとだけ頭使って、後は根性!」

カチューシャ(基本が大事……ね、たしかに強くならなきゃいけないけど、足元を疎かにしちゃいけないわね)ウンウン



140: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:07:45.97 ID:NR8Uf0SD0



桃「第2回戦はアンツィオ高校だ」

優花里「そしてこれが今回の相手の情報です!」

カエサル「どうやらP40が新戦力らしいな」

梓「後はCV33とセモヴェンテ自走砲ですね」

典子「何か今回はいけそうですね!」

カチューシャ「本当にそう思う?」

梓「え、だって敵主力のCV33は豆戦車だし、サンダースより戦いやすいんじゃあ……」

優花里「アンツィオの隊長アンチョビ殿は廃れてしまった戦車道を立て直し2回戦まで進んできました!」

カチューシャ「要するに私たちと同じ、少ない戦力を戦術と腕で勝ち上がってきたのよ。こういうチームは予想のつかない戦い方をしてくる可能性があるから要注意よ!」

カチューシャ「いい?戦力の差が勝敗の決定的な差にはならない。現に私たちがやった事じゃない」

梓「あ……!」

カチューシャ「どんなに強くても100%勝てる戦術なんて存在しない。たとえ99%勝ってても……」


カチューシャ「1 % 負 け る の よ」


カチューシャ「サンダースに勝ったからって慢心しては駄目。いいわね!」

杏「勝って兜の緒を締めよってね」

典子「根性入れてけって事ですね!」

柚子「ちょっと違う気が……」



141: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:08:16.44 ID:NR8Uf0SD0


典子「根性ー!」

ルグルグル

梓「あわわわわ!」

カチューシャ「無理しないでちゃんと静止して撃ちなさい!」

エルヴィン「う、撃てっ!」

ドン!

カチューシャ「もっとよく狙いなさい全然当たってないわよ!」



142: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:09:13.70 ID:NR8Uf0SD0


ドオン! ドオン!

典子「根性でかわせー!」

カチューシャ「うーん、アヒルチームってずいぶん動きがいいわね。89式なのに」

華「撃とうとするともうそこに居ないのでとってもやりずらいです」

麻子「操作技術なら負けてないと思うんだが……」

優花里「運動部ならではの勘だったりするのでしょうか?」

忍「どんな攻撃だってかわして見せますよ!」

カチューシャ「よしっ。今からアヒルチームをCV33に見立てて射撃訓練よ全車両砲撃用意!」

アヒル「ひぇ~!」



143: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:10:01.76 ID:NR8Uf0SD0

-帰り道

※疲れたカチューシャを優花里がおんぶして送ってます

優花里「アヒルさんチームの上達がすごかったですね」

カチューシャ「そうね、あれだけ実力があるからできれば他の火力のある戦車に乗って欲しいんだけど、89式に愛着がわいちゃったみたいなのよね」

優花里「それに89式はアヒルチーム以外には使いこなせないかと」

カチューシャ「他のチームがあれに乗ったら戦力にならない……か。実質的に戦力が減るくらいならこのままのほうがいい……わね」フア

カチューシャ「やれることはやった……後は……勝つ…らけ」

優花里「カチューシャ殿?」

カチューシャ「zzzzzzzz」

優花里「……お疲れ様ですカチューシャ殿、ゆっくりお休みください」



144: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:11:43.84 ID:NR8Uf0SD0


試合当日


「それではこれより大洗女子学園対、アンツィオ高校の試合を開始する!」

大洗チーム

Ⅳ号(グランゾート)
38t(カメさん)フラッグ車
Ⅲ突(草薙)
89式(アヒルさん)
M3リー(うさぎさん)


カチューシャ(ふふふ……実はひそかにロシア語を勉強してきたのよね)ドキドキ

カチューシャ「いくわよ!Танки вперед!(戦車前進!)」

シーン

「………」

カチューシャ(あれっ?)

沙織「カッちゃん何いってんの、いつもの掛け声は?」

カチューシャ「……パンツァーフォー!」

「おーー!!」

カチューシャ(………)



145: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:13:36.61 ID:NR8Uf0SD0



アンチョビ「マカロニ作戦開始だ!」

ペパロニ「よっしゃあ、行くぞ!マカロニ用意!」

アンチョビ(ふふふ……あいつらのおっちょこちょいな性格も考慮してマカロニの数はぴったりにしておいた。これで見破られる心配も無い)



146: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:14:19.08 ID:NR8Uf0SD0


梓「こちらうさぎさんチーム敵車両発見!CV33が5両」

典子「こっちも4両います!」

カチューシャ「うそでしょ?いくらなんでも早すぎる!」

優花里「どうします?」

カチューシャ「そのまま偵察を続けて!」

カチューシャ「なかなかやるじゃない、でも勝つのはカチューシャなんだから」



147: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:15:05.02 ID:NR8Uf0SD0


ペパロニ「へへっ、マカロニ大成功っ!」

「あいつら慌ててるでしょうね、後は今のうちに反対から包囲すれば……」

ペパロニ「やっぱりドゥーチェはすごいっす!」

ハハハハハ!

ペパロニ「ははは……ハーックショイ!」

パタン…

ペパロニ「あ……」

梓「あ!」



148: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:16:41.65 ID:NR8Uf0SD0


アンチョビ「ふふふ今頃やつらは身動き取れなくなってるはずだ」

アンチョビ「状況はどうなってる?」

P40通信手「はいっ、どんどん蹴散らしてます!」

アンチョビ「はははそうだろう、そうだろう!」

P40通信手「大洗の連中が……」

アンチョビ「何でー!?」



149: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:20:28.72 ID:NR8Uf0SD0





ペパロニ「くそっ、どうなってるんだ?CV33はすばしっこくて狙いがつけにくいはずなのに、あいつら普通に当ててくるぞ」

梓「よし、特訓の成果が出てる。この調子で……」

~~~~~


典子「えーとですね。バレーと一緒で、見てから反応しても遅いんです」

典子「だからバーっと動くのにあわせてガーっとやれば……」

「??????」

あけび「大変ですキャプテン、通じてません!」

典子「え、とだからバレーだとボールを拾った後バッていって」

典子「んですばやくバーっていくんだけど」

典子「相手もドバッてするから」

忍(通じてないんじゃ……)

典子「そこをシュパッてすれば……」

「??????」

麻子「要するに経験則だな」

沙織「分かるんだ……」

麻子「相手がこう動くからこう動けばいい、こうするだろうからこうしよう、これらの予測は皆経験によって培われる」

麻子「こういうのは地道な練習の積み重ねることによって身につくものなんだ。だが、その経験値が圧倒的に不足してる私たちは相手の行動が分からない、予測が組み立てられない」

梓「そうだったんだ……」

麻子「普段からバレーをやっているアヒルチームは相手の行動を予測する能力に長けているんだ」

エルヴィン「なるほど、だが、どうする?経験値を稼ぐには主に試合しかないのだろう?」

あや「要は動きを予測できるようになればいいんですよね?」

典子「皆でバレーをやりましょう!」

優花里「戦車の映画を見るのはどうでしょう?」

カチューシャ「皆で鬼ごっこ!」ハーイ!

杏「……いろいろやってみようか?」




150: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:22:14.43 ID:NR8Uf0SD0


アンチョビ「ぐぬぬぬ……」

カチューシャ「追い詰めたわよ、ここまでね」

カチューシャ(CV33は全て撃破、護衛の戦車たちはいない。決まったわね)

杏「まだまだ完璧ではないけど、単純な動きならそれなりに読めるようになったからね~」

アンチョビ「アンツィオは単純ではなーい!」ウガー

桃「くらえ、ファイヤー!」

ドオン!

柚子「桃ちゃん、ここではずす?」

アンチョビ「く、くるなー!」

ドオン! スカッ

カチューシャ「きちんと狙わないと当たらないわよ!さ、終わりにするわよ」

アンチョビ(ここまでか……)

アンチョビ(アンツィオの強さを証明するために、おやつの回数まで減らしてP40を手に入れたのに……)

アンチョビ(今年こそはいけると思ったんだが、すまない……みんな)

ゴゴゴゴゴ ガササ!

ペパロニ「姐さーん!」

カチューシャ「えっ!」

優花里「崖の上から!」

アンチョビ「お、おいスピード出しすぎだぞ。まさか?」

ドンッ!

沙織「崖から飛び降りたー!」

ペパロニ「私のドゥーチェに手を出すなぁぁぁ!」



151: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:23:45.43 ID:NR8Uf0SD0



「私が隊長のアンチョビだ、よろしくな!」

「ペパロニ、ひな。二人を福隊長に任命する!一緒にアンツィオを盛り上げていくぞ!」

※OVAでも試合後にカルパッチョって名乗ってたんで

「念願のP40 を手に入れたぞー!これで全国大会優勝だ」

ペパロニ「やっとここまで来たんだ」

「アンツィオは弱くない……じゃ無かった強い!」

ペパロニ「アンツィオは弱くない」

「勢いに乗ってるときの我々に敵など無い!」

ペパロニ「アンツィオにノリと勢いが合わさればどんな敵だって負けやしない。そうでしょ、姐さん!」

アンチョビ「いくらカーボンコーティングしてるからって無茶だ!」

ペパロニ「CV33の全身砲弾、このまま突っ込めー!」




152: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:25:21.42 ID:NR8Uf0SD0


カチューシャ「ち、ちょっと何よあれ、ウソでしょ!か、回避!」

麻子「む、無理だ間に合わん……」

ドガア! シュポ

「大洗女子Ⅳ号、走行不能!アンツィオ高校CV33、走行不能!」

アンチョビ(ペパロニ……何を弱気になっていたんだ私は)

アンチョビ(しっかりしろアンチョビ。お前はアンツィオの隊長だろ!)

アンチョ「ペパロニの頑張りが私の闘志に火をつけた!私たちも続くぞ!」

ブロロロ

梓「相手のチーム、まだあきらめてない!」

アンチョビ「なあお前ら、この状況で逆転したら見てるやつらはどう思う?」

P40装填手「アンツィオはスゲーって思うっす!」

アンチョビ「だよな、アンツィオのすごさを全国の連中に見せ付けるぞ!」

「おー!」

ブロロロロ

杏「ありっ?倒したはずのCV33がこっちに来てるぞ。どういう事?」

カチューシャ「……そうか!CV33は車体が軽いからダメージが分散されるんだ!」

沙織「つまりどういう事?」

優花里「ウィークポイントをつかないと走行不能にならないんです!」

麻子「皆に伝えないと……」

沙織「駄目っ、走行不能になっちゃったから通信が繋がらない!」




153: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/16(月) 09:25:51.58 ID:NR8Uf0SD0



ブロロロロ

エルヴィン「我々も加勢に急ぐぞ!」

ひな「あの剣のマークはタカちゃん!」

ドオン!

ひな「ここから先へは行かせない!」

カエサル「くっセモベンテか」




157: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:23:53.67 ID:R51LnTtp0


「ドゥーチェに近づけるなー!当たれー!」

ガンガン!

柚子「っ!CV33が邪魔で進めない……」

桃「おのれー、あと一息のところで!」

「アンツィオ舐めんなー!」

梓「挂利奈、前!」

ドオン!

あや「うわあっ!」

アンチョビ「ちぃっ、おしいっ!」

挂利奈「どうしよう?」

優季「わかんな~い」

梓「いけない、皆不安になってる……」

カチューシャ「ああっ!そういう時は身を隠すのよ!」

優花里「予想外の事態に皆動揺しています」

麻子「いやな流れだな、こういうときに奇跡って言うのは起こるものだ……」

沙織「縁起でもないこと言わないで!」

カチューシャ「………」ハアハアハアハア

カチューシャ「あ……ああああああ!」ガタガタ

沙織「ちょっと、どうしたのカッちゃん?しっかりして!」



158: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:24:25.30 ID:R51LnTtp0





「優勝しないと廃校になっちゃうんだ」




159: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:25:15.67 ID:R51LnTtp0



カチューシャ「負けちゃう、負けちゃう!私がもっとしっかりしていればこんなことには!」ガタガタボロボロ

優花里「しっかりして下さいカチューシャ殿!」

ガッシャアン! ゴロン

梓「皆さん聞いてください!CV33は倒せなくてもひっくり返せます。不死身でも動きは封じれるんです、落ち着いてください!」

杏「なるほどね~、よーし皆!反撃開始だよ~」

典子「うおー、根性ー!」

ドオン! ドオン! ガシャン!

アンチョビ「何っ、そんな手が。やるじゃないか、皆負けるなー!」





160: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:25:43.88 ID:R51LnTtp0





「アンツィオ、フラッグ車走行不能。よって、大洗女女子学園の勝利!」



161: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:29:20.84 ID:R51LnTtp0





カチューシャ「はっ!ここは?」ガバッ

アンチョビ「おっ、目が覚めたか。ここは保健室だ。戦車の中で倒れたんだってな、皆心配してたぞ?」

カチューシャ「あなたはアンツィオの……」

アンチョビ「皆は外で皆で宴会中だ、お前も行って来い。アンツィオのパスタは絶品だぞ!」

カチューシャ「試合は、試合はどうなったの?」

アンチョビ「……大洗の勝ちだ。いい勝負だった、だが紙一重だ紙一重。アンツィオは弱くない、じゃなかった強い!」

アンチョビ「もう駄目だと思ったときに皆が駆けつけてくれて、どれだけ勇気付けられたことか。やっぱり戦車道は一人じゃできないな、皆がいるから戦える」

カチューシャ「みんなが……」

アンチョビ「ああ、お前たちだってそうだろ。隊長がやられた後、すぐに体制を整えて反撃してきた。見事なチームワークだったぞ」

カチューシャ「わたしは……」

アンチョビ「ん?」

カチューシャ「初心者だらけのチームだから、私が頑張らないと負けるって思ってた。隊長の私が指示を出さなければみんな戦えないと思ってた」

アンチョビ「隊長がいなくても、それでも何とかしようとうと頑張った、だから勝てたんだ。カチューシャの思いはしっかり隊員に伝わっているさ」

アンチョビ「戦車道にまぐれなし、あれはお前たちの立派な実力だ。自信を持て、お前の仲間はそんなにヤワじゃない」

コンコン ガチャ

沙織「カッちゃん起きた?」

カチューシャ「沙織……」

アンチョビ「よし、私たちもいくか!」




162: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:31:32.14 ID:R51LnTtp0




アンチョビ「まったく、無茶なことして。ひやひやしたぞペパロニ」

ペパロニ「でも隊長車は倒せたじゃないっすか!」

アンチョビ「そうだけど危ないから駄目。下手したら大怪我するぞ!」

ペパロニ「ちぇー」

カルパッチョ「ふふふ……」

アンチョビ「まったくお前ときたら……」

ペパロニ「………」

アンチョビ「………」フウ

アンチョビ「……なに、初心者だらけの大洗だってあそこまで強くなったんだ。私たちだってもっと強くなれるさ」

アンチョビ「……おまえは頑張ったよ……ペペロニ」ポン

ペパロニ「」グス

アンチョビ「お前もひな、……カルパッチョになったんだっけ?まあいい、二人ともアンツィオのこと頼んだぞ」



163: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:35:56.34 ID:R51LnTtp0


-生徒会室

グツグツ

杏「んじゃ食べよっか~」

柚子「熱いから気をつけてね」

カチューシャ「いただきます……アツッ!」

桃「ほら、だから気をつけろと」

杏「ふーふーして冷まして上げよっか?」

カチューシャ「馬鹿にしないでよ、このくらいカチューシャは一人で食べれるわよ!」

カチューシャ「あちゅい!」

柚子「ああ、もうほら……」

カチューシャ「平気って言ってるでしょ!」

モグモグ

桃(一心不乱にたべている……)

ハグハグ

柚子(口の周りがよごれてる……)

ングング

杏(なんていうか……)

モキュモキュ

カチューシャ「………」

(かわいい)

柚子「ほら、口の周り汚れてるよ」

カチューシャ「んー」

杏(あっ!)

桃(おのれ柚子ちゃん、自分だけ)

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

柚子(ふ、二人とも睨んでる……)

杏「……ねえ、かーしま。副隊長大変じゃない?なんなら私が……」

桃「いえっ、ここは譲れません!」



164: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:36:31.36 ID:R51LnTtp0


杏「次の相手は聖グ口リアーナだ」

桃「車両はマチルダ、クルセイダーを中心とした全15両」

カチューシャ「対してこっちはルノーが新しく加わった全6両」

杏「しかも乗員は初心者の風紀委員だ」

柚子「Ⅳ号が長砲身になったけど、厳しい戦いになります」

カチューシャ「ダージリンに限って油断するなんてことはまずないしね」

桃「そういえばカチューシャはダージリンと知り合いっぽかったな?」

カチューシャ「うん、私が一年のときにであって、そのときちょっと話した程度なんだけどね」



165: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/17(火) 13:40:15.28 ID:R51LnTtp0

~~~~~~~

カチューシャ「プラウダの戦術は古いのよ、伝統だか何だか知らないけど!」

カチューシャ「私が新しい戦術を編み出して戦車道に革命を起こすわ!」

ダージリン「革命か、大きく出たわね」

カチューシャ「当たり前でしょ、カチューシャはすごいの!今にプラウダの隊長になって優勝してやるんだから」

ダージリン「ええ、あなたの努力は誰よりも理解してるつもりよ。頑張ってカチューシャ、あなたが活躍するのを楽しみにしてるわ」



169: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:47:13.16 ID:gP/X3WeE0



カチューシャ「西住流も島田流も超えたまったく新しい戦術を編み出して見せるわ」

カチューシャ「とはいえプラウダの伝統である包囲戦術も捨てがたいわね」

カチューシャ「……!これなら西住流にも対抗できる!でも、これだけじゃ足りない」

カチューシャ「そうだ!これをプラウダの戦術に組み込めば……」

カチューシャ「ついにできた、これがどこにも負けない最強の戦術。カチューシャ戦術よ!」

カチューシャ「みてなさい、カチューシャが戦車道の歴史を塗り替えてやる」

カチューシャ「私のことを見下してた連中……見てなさい、みんな叩き潰してやるんだから」



170: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:48:45.34 ID:gP/X3WeE0


~~~~~~~~



カチューシャ「結局使う事は無かったけどね……」

桃「その戦術は使えないのか?」

カチューシャ「無理ね、プラウダをベースにしてるから単純に戦車の数からして足りないわ」

カチューシャ「仮に数が足りていたとしてもプラウダの包囲戦術を完璧に使いこなせることが条件よ」

柚子「プラウダの戦術を使えない私たちには無理ですね」

杏「でも、私たちは負けるわけにはいかない……」

カチューシャ「確かに強いとされる流派は存在する。でも、時代が変われば戦術も変わるわ……永遠に最強の戦術なんて存在しない」

カチューシャ「やるからには勝つわよ。私達のやり方で戦車道に新しい時代を作ってやる!」




171: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:50:14.32 ID:gP/X3WeE0


カチカチ

カチューシャ(プラウダにいた時から戦術トレーニングの一環でなんとなくやってたネットゲームだけど、すっかり日課になっちゃったわ)

ねこにゃー〈カッちゃんのおかげで今日も勝てました!〉

ももがー〈さすがカッちゃんの考えた戦術は最強もも!〉

ぴよたん〈やっぱり本場の戦車道受講者はちがうぴよ!〉

ねこにゃー〈そういえばカッちゃんは今度戦車道の試合があるとかいってましたね?〉

カッちゃん〈ええ、準決勝に進んだわ〉

ももがー〈すごいもも〉

ぴよたん〈おめでとうぴよ〉

カッちゃん〈今度の相手は4強の一つ聖グ口リアーナ、はっきりいって強敵ね〉

ももがー〈頑張るもも、応援してるもも!〉

ねこにゃー〈皆で楽しんでやればきっと勝てるにゃー!〉

ぴよたん〈そうぴよ、ゲームと一緒!〉

カチューシャ(楽しむ……か)

カッちゃん〈実はここだけの話、負けたら廃校なのよね〉

ねこにゃー〈えっ?〉

カッちゃん〈ここだから言っちゃうけど、本当はすっごく不安なの〉

カッちゃん〈私のせいで負けたらどうしようって思うと、怖くてたまらなくなる。楽しんでる余裕なんて無いの〉

ももがー〈カッちゃん……〉

ぴよたん〈私たちが力を貸せればいいんだけど……〉

カッちゃん〈ありがとう、気持ちだけもらっとくわ。明日も早いから今日はもう寝るわね〉

カッちゃんさんがログアウトしました

ねこにゃー〈知ってた?〉

ももがー〈初めて知ったもも〉

ぴよたん〈同じくぴよ〉

ねこにゃー〈カッちゃんってたぶん3年のカチューシャ先輩のことだよね。ボクたち何か力になれないかな?〉

ももがー〈ゲームと本物の戦車道は別物もも〉



172: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:52:54.31 ID:gP/X3WeE0



優花里「今回は警備が厳重で偵察はできませんでした。なので今までのデータを集めてみました!」

優花里「得意とするのは重装甲を活かした浸透強襲戦術。敵の攻撃を正面から受け止めじわじわ前進してきます」

優花里「これに加え足の速いクルセイダーも投入し、速力を活かした攻撃もしてくると思われます」

カエサル「かき回されると厄介だ。まずはそのクルセイダーを何とかしないといけないな」

優花里「他にもアッサムと言う情報収集を得意としている方もいるので、今までのデータからこちらの戦力や戦術はおそらく分析されているはずです」

梓「隊長のダージリンさんも相手を舐めるような感じじゃなかったし万全の体制で来そうですね」

典子「2回戦で隊長に頼りっぱなしじゃ駄目だって分かったからこうして車長達が集まってみたものの……」

梓「いいアイデアが浮かびませんね……」

優花里「作戦はカチューシャ殿と生徒会が考えているから、私たちはほかのことを考えてみるのはどうでしょう?」

カエサル「まず大洗の戦い方について考えてみよう。私たちは数で劣ってるため必然的に分散する機会が多いな」

カエサル「集団戦術はカチューシャ隊長が考えてる。ならば、我々は個々の戦術を考えるのはどうだろうか?」

カエサル「地形や各々の車両の特長を活かし、自分たちで判断して戦うんだ。隊長の支持を待っているだけでなく状況に応じて自ら撃って出るんだ」

優花里「いいかもしれません!」




173: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:54:10.13 ID:gP/X3WeE0


ドオン!ドオン!

パゾ美「ひゃあ~!」

華「砲撃の度に振動にいちいち驚いていたらきりがありませんよ?」

ギュララララ!

ゴモヨ「ぶ、ぶつかる、ぶつかる!」

麻子「この程度じゃぶつからん問題ない」

そど子「ち、ちょっともう少し解りやすくやさしく教えなさいよ!」

麻子「時間が無いからスパルタでと言われている。つべこべ言ってないでさっさと覚えろ、そ ど 子」

そど子「そど子って呼ぶんじゃないわよ!」

あけび「それじゃあこっちも砲撃開始します!」

ドオン! ドオン! カーン

そど子「ひ、ひぃ~!」

麻子「ぼけっとしてないでさっさと指示を出せ、試合だったら終わってるぞ」

そど子「よ、避けなさい!」

ゴモヨ「避けるってどっちに?」

カーン カーン カーン

華「相変わらずアヒルチームの方はうまいですね、動きながら全弾命中させるなんて」

麻子「それに比べてこっちは……」

ギャーギャーニゲロー ダカラドッチー ドオン! カーン

沙織「やっぱりいきなり私たちと同じことをするのは無理なんじゃ……」

麻子「そうかもしれんが、デコイが増えても意味は無い。無理でもやってもらわなくては困る」

麻子「相手はあのグ口リアーナだ。やってやりすぎるということは無いはずだ」

沙織「そっか、そうだよね。できることは全部やらないと駄目だよね!」

そど子「こんなのただの拷問よ~!規則違反よ~!」



174: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:54:55.99 ID:gP/X3WeE0




エルヴィン「クルセイダーの攻略法を見つけなくては……」


カエサル「!あの戦い方参考になるかも?」


あや「DVD借りてきたよー!」

あゆみ「いっぱい見て戦い方を勉強しよう!」

挂利奈「あいー!」


梓「私にできる戦い方……身の丈にあった戦い方」


そど子「冷泉さんには負けないんだから……」


ゴモヨ「冷泉さんに教わったところ復習しなくちゃ」


典子「根性だけじゃなく頭も使わないと……」


あけび「私たちの戦場での役割は……」




175: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:56:26.71 ID:gP/X3WeE0


-試合当日


ダージリン「………」

カチューシャ「………」

オレンジペコ「………」

ゴゴゴゴゴ……


沙織(……空気が重い)

カエサル(これが準決勝の空気か……)

そど子(うう……プレッシャーで息が詰まりそう)

杏「やあ~久しぶりだね」

ダージリン「ええ、練習試合以来ね。正々堂々やりましょう」

麻子「15対6で正々堂々か、いちいち言葉を選ばないといけないとは強豪校は大変だな」

ダージリン「あら、私は真実を述べただけよ?確かにあなたたちは戦力で劣って居るかもしれない。けど、それを覚悟の上ここまで来たのでしょう?」

ダージリン「なら全力で立ち向かうのが礼儀というものじゃなくて?」

カチューシャ「ふん!そうでなくちゃ倒しがいが無いわ。カチューシャがコテンパにしてやるんだから覚悟しなさい!」

ダージリン「ええ、こちらこそ。……でも大丈夫かしら?あなたはともかく、他の方々はきちんと戦えるのかしら?」

カチューシャ「!」クルッ

沙織「………」

梓「………」

エルヴィン「………」

ダージリン「きちんとした勝負になるといいわね。それじゃあ……」

カチューシャ「ち、ちょっとどうしたのよ皆?」

沙織「いや……分かってはいるんだけど……」

あや「なんか体が震えちゃって……」

左衛門佐「た、ただの武者震いだ」

典子「なんかいいねこの感じ、血が冷たくなるって言うか……」

優花里(準々決勝とはいえバレー部の方以外試合の雰囲気にのまれてしまっています……)

カチューシャ「これから試合なのよ?しっかりしなさいよ!」

おりょう「わかってるぜよ……」

「………」

ブルブル

カチューシャ(あれっ?手が)ガシッ

ブルブル

カチューシャ(と、とまりなさいよ!)ググッ

ブルブル

カチューシャ(止まってよ、止まりなさいよ!)ググッ

カチューシャ(お願い……止まってよ)



176: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:57:07.36 ID:gP/X3WeE0


オレンジペコ「どうやら大会の雰囲気にのまれてしまってるみたいですね」

アッサム「あれでは本来の実力の半分も出せません」

ダージリン「ここから先は皆全力で優勝を狙ってくる、とうぜん漂う雰囲気も二回戦までのそれとは違ってくる。おそらく大洗にとって初めての経験ね」

ローズヒップ「ワタクシが速攻で片付けてみせますわ!ダージリン様のお紅茶が冷める前に終わらせますわ!」ピョンピョン

ダージリン「ローズヒップ、あなたはもう少し緊張しなさい」



177: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:57:33.40 ID:gP/X3WeE0


「これより大洗女子学園対、聖グ口リアーナ女学院の試合を開始する!」

大洗チーム

Ⅳ号D型F2仕様(グランゾート)フラッグ車
38t(カメさん)
Ⅲ突(草薙)
89式(アヒルさん)
M3リー(うさぎさん)
ルノーB1(カモさん)



178: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:58:48.06 ID:gP/X3WeE0



優季「うさぎチーム見つかりました、クルセイダーです!」

妙子「こっちはマチルダ隊が待ち伏せしてます。うわ、撃ってきた!」

沙織「これって……」

優花里「スピードのあるクルセイダーで我々をあぶり出しマチルダでしとめるつもりですね」

カチューシャ「くっ、あいつのせいで戦術が使えない。まずはあのクルセイダーを何とかしないと……」

ブロロロロ

ローズヒップ「おほほほほほ!聖グロ一の俊足からは逃げられませんわよ!」

カチューシャ「援護に……ああ!後退!」

ドオン! ドオン!

ルクリリ「練習試合の借りを返させて貰う、撃て!」

華「いつの間にか誘い出されていたみたいですね」



179: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 15:59:45.30 ID:gP/X3WeE0


オレンジペコ「大洗は動きが悪いですね」

ダージリン「この程度なの、カチューシャ?私はあなたの引き出しに期待しているの、もっと全力を出しなさい」

ダージリン「それともただの買いかぶりだったかしら?」

ダージリン「だとしたらこのまま勝負を決めるだけ……マチルダ隊、前進」

オレンジペコ「ダージリン様は大洗が気になるのですか?」

ダージリン「そうね。ただ大洗というよりカチューシャが、かしら?」



180: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 16:01:17.34 ID:gP/X3WeE0


出会ったのは一年の初めのころ、高校戦車道を始めたばかりのころだった

小さなその子は目を輝かせながら戦車道への熱い思いを語ってたわ

けど運命は残酷、こんなに戦車道が好きなのに、その恵まれていない体格を戦車道の神様は愛してくれなかった。

戦車に乗ることさえできずにいる彼女を哀れんだ時もあったけど、そのうち忘れてしまったわ。戦車道をやれなくたって別に他にやれる事などいくらでもある。あなたは戦車道をやるべきではなかった。運が悪かったと思って諦めなさいって

ふとしたきっかけで二年のときプラウダを訪れてたことがあったわ

彼女が居たことを思い出してなんとなく戦車道の校舎を見たの……

校舎の片隅に彼女は居たわ。雑用をしながら仲間と会話しているカチューシャの姿を……あの子は何も諦めていなかった、あの時のままだった

戦車道はあの子を見捨てたのに、あの子はずっと戦車道を愛し続けていた……

あの時初めて感じたの、恐怖というものを……だってそうでしょ?なぜあの子はあそこまでできるんだって、何で諦めようとしないんだって、何でそこまでできるんだって、何でそんなに笑顔でいられるのって

普通二年も戦車に乗れなければいやになって辞めてしまってもおかしくない、少なくとも私には無理だわ

もしこの子に仲間ができて、隊長としてチームを率いたらどうなるのかしら?

今までに出会ったことの無いタイプ。……そう、私はカチューシャを恐れている。あのに眠っている未知の可能性を

だからこそ油断はしない、全力で迎え撃つ。そして勝ってみせる!



181: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 16:03:55.34 ID:gP/X3WeE0



沙織「相手の足が遅かったからなんとか撒けたね」

カチューシャ「………」ハアハア

沙織「これからどうしよう?」

カチューシャ「………」

沙織「カッちゃんしっかりしてよ!」

カチューシャ「わ、判ってるわよ!」

優花里「~~~~~!」

優花里「貸してください沙織殿!」バッ

沙織「ちょっ、ゆかりん!」

優花里「各車両は散開、遭遇戦に備えてください!最優先破壊目標はクルセイダーです!」

カチューシャ「ちょっ、あなた何を勝手に!」

優花里「皆さんしっかりしてください!こういうときだからこそ私たちがしっかりしないでどうするんですか?」

優花里「カチューシャ殿がいなかったら何もできないのですか、そうじゃないでしょう?」

優花里「皆この戦いに備えてきたはずです!この戦いに勝つための努力をしてきたはずです!」

優花里「アヒルチームはガッツと勢いを与えてくれました」

優花里「草薙チームは豊富な知識を」

優花里「うさぎチームはみんなのサポートを」

優花里「カモさんチームは秩序と規律を」

優花里「生徒会の方々が作り上げた土台にこれだけの仲間が集まったんです」

優花里「 私 た ち は 強 い 」

優花里「さあ見せてやりましょう。大洗はカチューシャ殿だけじゃないって事をグ口リアーナの連中に!」



182: ◆UYlhnKrxEE 2017/01/21(土) 16:04:49.69 ID:gP/X3WeE0



うさぎチーム「そうだった!」

草薙チーム「何を弱気になっていたんだ私たちは……」

カモチーム「あ、当たり前じゃないやってやるわよ!」

アヒルチーム「この緊張感!いいね、気合入ってきた!」

杏「ほんじゃいってみようか、皆反撃開始~」




189: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:13:20.18 ID:mypRcIg00


クルセイダー車長1「敵戦車発見、追い詰めるわよ!」

エルヴィン「後ろからクルセイダーが2両か、作戦を開始する。頼むぞ、うさぎチーム」

梓「了解しました」

カエサル「聖グロのビデオを見て考え抜いたクルセイダー対策、受けてみろ!」

エルヴィン「おりょう、逃げてるけど逃げ切れない感じでたのむ」

おりょう「判ったぜよ!」

ブロロロ

クルセイダー車長1「両側から挟みこむぞ!」

エルヴィン「………!」

エルヴィン「停止!」

クルセイダー車長「撃て!」

ドオン!スカッ

エルヴィン「後ろががら空きだ!撃て!」

ドオン! シュポ

クルセイダー車長2「なっ」

梓「今だ、撃て!」

ドオン! シュポ

クルセイダー車長2「えっ、待ち伏せ!?」



190: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:14:30.37 ID:mypRcIg00


ブロロロロ

杏「そろそろ到着するよ~」

そど子「今よ!スーパー風紀アタック!」

ドオン! シュポ

クルセイダー車長3「え、嘘、上から!」

パゾ美「やった、初撃破!」



191: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:15:29.66 ID:mypRcIg00


ローズヒップ「私以外のクルセイダーが全滅、マジですの?」

アッサム「これは……」

オレンジペコ「今までと戦い方が違います。おそらく個々に判断して行動してますね」

ダージリン「おやりになるわね、統率のとれた集団戦術が基本の戦車道でこのような戦い方をするとは……」

ダージリン「様子見はおしまい。そろそろ本気をだすわよ……戦車、前進」

ダージリン「個々の能力は高いかもしれないけど初戦は単機……」

ダージリン「 戦 い は 数 よ 」



192: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:16:06.73 ID:mypRcIg00







オレンジペコ「ドズル・ザビですね」ボソ









193: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:17:01.83 ID:mypRcIg00


優花里「カチューシャ殿!しっかりして下さい」

優花里「皆は今カチューシャ殿の力になるために頑張っているんです」

優花里「でも所詮素人戦術、ダージリン殿にはいつまでも通用しません」

優花里「今この状況を何とかできるのはカチューシャ殿、あなたしか居ないんです!」

優花里「思い出して下さい、何のために戦車道に戻ってきたのかを!大洗の魂はあなたなんです!」

カチューシャ「!」

優花里「指示を……グ口リアーナに勝つための指示を!」

カチューシャ「!!」

カチューシャ「……ありがとう優花里、おかげで目が覚めた。もう大丈夫!」

カチューシャ「アヒルチームは偵察で敵の位置を、まずは残りのクルセイダーを倒す。主導権なんて握らせないわよ!」

「了解!」



194: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:19:01.81 ID:mypRcIg00



エルヴィン「敵の部隊が見えたぞ撃て!」


ダージリン「防御陣形を維持、落ち着いて対応しなさい」

カチューシャ「カメチームは敵を引き付けて、そのままファイヤークローラー用意!」




195: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:19:43.89 ID:mypRcIg00



梓「クロムウェル……私たちで何とかしよう!いくよ、戦略大作戦!」

「聖グ口リアーナ、クロムウェル走行不能!」

ダージリン「なっ!……おやりになるわね」




196: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:20:38.16 ID:mypRcIg00




ダージリン「そっちは囮よ、騙されないで。反対からくるわ!」

カチューシャ「くっ、読まれた。すぐに撤退して!」


ルクリリ「もらった!そこだー!」

ドオン!

杏「うわっ、やーらーれーたー!」


ドオン! シュポ

そど子「カモチームやられました、皆さん健闘を祈ります!」

カチューシャ「後4両……」

梓「隊長、指示を!」

沙織「カッちゃん!」

カチューシャ「敵の数もさっきより減っているし、勝負どころね。フラッグ車と一対一の勝負に持ち込む」

カチューシャ「各車連絡を密に、敵を分散させてちょうだい。沙織、タイマンで戦えそうな場所を探して!」

沙織「うんっ。広さ的にここのH1025地点だよ!、周りも囲まれてるから逃げ場も無いし」

華「判るんですか?」

沙織「私だってみんなの役に立ちたいからね。地図の見方しっかり覚えたんだから!」

カチューシャ「よし、最後の作戦いくわよ。パンツァーフォー!」



197: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:21:09.97 ID:mypRcIg00



ドオン!

「敵からの砲撃、どこだ?」

エルヴィン「こっちだこっちー!」

ブロロロ

「逃がすな追えー!」




典子「こっちも敵車両おびき寄せました!」

カチューシャ「だいぶ散らばったわね、よし……いくわよ!」



198: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:23:35.94 ID:mypRcIg00



ブロロロ

カチューシャ「見つけた、敵フラッグ車よ!このまま例のポイントまでおびき寄せる」

麻子「わかった」



ダージリン「 か か っ た わ ね 」

ブロロロ

カチューシャ「む!前方にマチルダ!」

ドオン!

麻子「くっ、どうする?」



199: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:24:53.58 ID:mypRcIg00

~~~~~~


アッサム「どうやらこっちを分散させるのが目的のようですね?」

オレンジペコ「どうします?」

ダージリン「各車、追いかける振りをして。ただし、離れすぎては駄目よ」




200: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:25:26.39 ID:mypRcIg00


ダージリン「前方にフラッグ車、来たわね……」

オレンジペコ「あの動き、やっぱりというか私たちを誘ってますね」

アッサム「向こうの狙いはおそらくフラッグ車同士の一対一」

ダージリン「黒森峰ならともかく、私はその手にはのらないわ」

ダージリン「この地形からして敵の狙いはおそらくH1025地点への誘導といったところかしら?全車両戻りなさい、フラッグ車を挟み撃ちにするわ」



201: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:26:36.32 ID:mypRcIg00

~~~~~~


ローズヒップ「見つけましたわ、のろまな亀は撃破ですの!」

典子「!クルセイダー、まだいたのか……ああもう、じゃまっくさい」

あけび「……キャプテン、いい考えがあります!」

ブロロロロ

ローズヒップ「ぶっちぎってやりますの!」

典子「撃て!」

ドオン! バキ ドシーン!

ローズヒップ「へっ、目の前に電柱が倒れてきて……」

ガッ! ズザザザザザ

ローズヒップ「おととととととととととと……ひゃん!」

バキィ ドーン!

「聖グ口リアーナ、クルセイダー走行不能!」

典子「戦車も車も急には止まれない作戦成功!」



202: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:27:43.34 ID:mypRcIg00



ダージリン(H1025地点と反対方向へ逃げてるわね、待ち伏せにき気づかれた?なら)

ダージリン「ルクリリはそのままフラッグ車を追いなさい、残る車両も続いて!」

ダージリン(フラッグ車の護衛は無し、味方が戻ってくる前に勝負をつける)

ルクリリ「隣の車線に敵車両発見!すみません、フラッグ車見失いました」

ダージリン「なっ!」



203: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:29:28.93 ID:mypRcIg00




沙織「ええっ!一対一は嘘、なんで?うまくいってたじゃん!」

カチューシャ「そうね、戦力で劣ってる私たちが勝つための唯一のチャンス」

カチューシャ「でも勘の鋭いダージリンならこちらの動きでそれくらい読んでくるはず、きっと待ち伏せされてるわ」

カチューシャ「 だ か ら こ そ 利 用 す る 」

カチューシャ「味方車両をこっちに戻し敵車両と交戦、これに乗じて私たちは姿をくらませる。後続のマチルダが到着するまでが勝負よ!」



204: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:35:16.43 ID:mypRcIg00


オレンジペコ「フラッグ車はどこに?」

ダージリン「落ち着きなさいオレンジペコ、如何なる時も優雅に、それが聖グ口リアーナよ……おそらくは……」

ギャギャギャ

ダージリン(来たっ!わき道からの強襲……マチルダは後ろ、一対一にもちこまれた!)

ダージリン「勝負よカチューシャ!」

カチューシャ「ダージリィィィィィン!」

カチューシャ「後ろからマチルダが来てる。これが最初で最後のチャンス、頼むわよ麻子!」



205: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:38:57.07 ID:mypRcIg00

~~~~~~


-大洗


麻子「黒森峰の戦車道はどうだろう……この西住みほとかいうチームは他とは違った戦い方をするな、戦車の動きが独特だ」

麻子「これはドリフトなのか?……これは使える、が、かなりの難易度だな……できるか?」

麻子「いや、やってやる。勝つために皆頑張ってるんだ、なら学年トップの私が一番頑張らないでどうする?」

麻子「教科書が無いなら徹底的に分析してやる、必ずものにしてやるぞ」



ギャギャギャ ゴン!

麻子「なかなかうまくいかないな、何が悪いんだ」バン

麻子「ちょっと休憩するか」



麻子「ん?まだ明かりがついてる。これは、ポルシェティーガーだったか?」

ナカジマ「ん?君は確かⅣ号戦車の……」

麻子「操縦手の冷泉麻子だ。こんな時間まで修理してるのか?」

ナカジマ「いやー、ポルシェティーガーは修理のしがいがあるね。冷泉さんは何でこんな時間まで?」


カクカクシカジカ

麻子「学年トップだの何だの言われても所詮この程度だ。でも、何とかしてみんなの力になりたいんだ」

ナカジマ「ドリフトだったら私が教えてあげるよ?」

麻子「なに、本当か?頼む、教えてくれ!」

ナカジマ「ど、どうしたの?土下座なんてして」

麻子「土下座一つで手に入るならいくらでもやってやる。隊長車の操縦手としてぶざまな操縦をするわけにはいかないんだ」

麻子「勝ちたいんだ……頼む」



206: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:42:09.70 ID:mypRcIg00

~~~~~~



ダージリン「撃て!」

ドオン! スカッ

ダージリン「なっ、これは!?」

麻子「いくぞ……これが私の切り札だ!」

ギャギャギャギャ

ダージリン「!!」

麻子(履帯が切れようと成功させてみせる!)

ギャギャギャギャギャ!

ダージリン「チャーチルの背面に、まずい、回避を!」

カチューシャ「撃て!」

ドオン! シュポ





「聖グ口リアーナ、フラッグ車走行不能!よって、大洗女子学園の勝利!」



207: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:43:44.54 ID:mypRcIg00




ダージリン「いい勝負だったわ」

カチューシャ「紙一重よ、どっちが勝ってもおかしくなかった……それに、私一人の力じゃないわ」

ダージリン「謙遜かしら?」

カチューシャ「そんなんじゃないわ。ほんとは体が震えて満足に指示を出せなかったの、頭が真っ白で何も考えられなかったの……でも、みんなが私を助けてくれた、動けない私に代わって自分たちで動きだしたの……」

カチューシャ「皆私が思ってる以上に成長していた、強くなっていたの……気がついたらふるえは止まっていたわ」

ダージリン「……それがチームワークよカチューシャ、お互いに足りないものを補い合うの」

ダージリン「あなたには周りの人の力を引き出す才能でもあるのかしら?短期間でここまでの成長なんてそうそうできるものじゃないわ」

カチューシャ「そ、そんな才能だなんて……」

ダージリン「自信を持ちなさい。これだけの戦力でここまで勝ちあがってくるんですもの、あなたたちの実力は本物よ」

カチューシャ「………桃、下ろして」

桃「ん?ああ」

カチューシャ「……」つ

ダージリン「?」

カチューシャ「あ、握手よ握手……私も、ダージリンと会えてよかった。次も……きっと勝って見せるわ」

ダージリン「ええ、頑張ってカチューシャ」ギュ

ダージリン「決勝の相手はおそらく黒森峰ね……けど覚えておいて、四本足の馬でもつまずく。黒森峰の強さも永遠ではないわ、あなたたちの戦車道を貫けばきっと勝てる」

カチューシャ「当然じゃない、カチューシャは誰にも負けないんだから。応援宜しくね」

ダージリン「決勝頑張ってね、では、ごきげんよう……」



208: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:44:56.65 ID:mypRcIg00






スタスタスタ

ダージリン「………」

アッサム「……オレンジペコ、先に戻ってもらっていいかしら?」

オレンジペコ「えっ?は、はい」

タッタッタッ

アッサム「ここには私しかいませんよダージリン……」

ダージリン「………」グスッ

ダージリン「…てなかった」

アッサム「………」

ダージリン「オレンジペコも入って、先輩らしくかっこいいところ見せて……今年こそ優勝出来ると思ってたのに……」ポロ

ダージリン「う……うわあぁぁぁぁぁん!勝ちたかったよぉぉ!くやしいよぉぉぉ!」

アッサム「あなたはよく戦いました。お疲れ様、ダージリン」ナデナデ




209: ◆UYlhnKrxEE 2017/02/15(水) 09:47:41.49 ID:mypRcIg00

~~~~~~

-大洗


カチューシャ「……うそでしょ?」

カチューシャ「何で……」

「黒森峰、ティーガーⅠ走行不能。よって、プラウダ高校の勝利!」

カチューシャ「何でプラウダがあの戦術を使ってるの?」



216: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 12:22:57.81 ID:wUIeFec+0




カチューシャ「西住流は統制された陣形で、圧倒的な火力を用いて短期決戦で敵と決着をつける単純かつ強力な戦術」

カチューシャ「完全勝利主義でどんな犠牲を払ってでも勝利する、そういう流派よ」

カチューシャ「その影響を強く受けている為戦術は整然とした隊列を組んでの電撃戦、高火力重防御の車両群の猛攻にいかなる敵が相手であれ、最高の手を打ち全力を尽くす姿勢はまさに王者の風格と言えるわね」

カチューシャ「しかしその反面、搦め手に弱く想定外の事態に混乱しやすい弱点もある。」

カチューシャ「隊列を組んで正確に攻撃する訓練は出来ているが、突発的な事態に対処できないの」

カチューシャ「高校生活3年間で全てを学ぶには時間が足りない、たとえ黒森峰といえど例外ではないってことね」

優花里「ということは想定外の事態を引き起こせば……」

カチューシャ「無理ね。もともとの強さが段違いなの、中途半端な小細工は正面から打ち砕かれるわ」

カチューシャ「解っていても防げない圧倒的な戦力差。それが大会十連覇、西住流、王者黒森峰の実力よ」

カチューシャ「それに意表をつくにしてもそれなりの実力が必要なの」

カチューシャ「よく素人の戦術はセオリーに無いからプロにとって驚異となるっていう人がいるけど、あんなの私に言わせれば嘘っぱちよ」

カチューシャ「ただの素人がどんなセオリー外の戦いをしたってプロにはかなうわけないじゃない?」

カチューシャ「西住流に勝つには十分な戦力を持った上で相手の戦術を理解し、その上で奇策を用いて対抗する、これしかないのよ」

カチューシャ「プラウダは戦力的には十分なものを持ってるわ……けど、戦術は伝統に則った包囲戦術、あんな戦い方は存在しない」

カチューシャ「二重包囲に囮を使ったおびき出し、間違いない、あの戦術は……」

カチューシャ「 私 の 作 っ た 戦 術 よ 」

沙織「何それ!どういうこと?」

カチューシャ「プラウダを去る前に処分した……私の作戦ノートよ」




217: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 12:24:20.86 ID:wUIeFec+0



カチューシャ「………」

沙織「カッちゃんさっきからずっとあんな調子……」

麻子「無理も無い、戦術ノートは指揮官の宝だ」

優花里「カチューシャ殿を認めようとしなかったくせにこのような行い、許せないであります!」

華「カチューシャさん……」

カチューシャ「絶対に許さないんだから、覚悟しなさい……」




218: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 12:25:29.54 ID:wUIeFec+0



あの戦術は私の最高傑作、相手がどのように動こうとその全に対策を講じて包囲し追い詰める

ある意味自分自身が対戦相手、作戦が完璧である以上正直対抗策が思いつかない

自分の考えうるあらゆる作戦に対抗できるからだ。その上戦力も練度も向こうが上、たまったものではない

具体的な対策も立てられないまま時間だけが過ぎていく……

このままではだめだ。何とかしなくては……



219: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 12:27:01.12 ID:wUIeFec+0


ダージリン「で、私のところに相談に来たと……訪ねてくれたのはうれしいけど」

ダージリン「あなたらしくないわねカチューシャ、時間が無くてあせってるのかしら?」

カチューシャ「うぐっ、べ別にできないことは無いけど参考に何か聞いてあげようと思っただけよ?」

ダージリン「ふふっ、そういうことにしときましょうか?」

ダージリン「そうね……隊長は常に優雅で毅然としていなければならない。隊員の前で弱みを見せるなんてもっての他」

ダージリン「たとえどんな状況になろうと自分だけは冷静に周りを見渡し突破口を切り開く、隊長とはそういうものよ」

ダージリン「今のあなたたちに一番必要なのはおそらく心……」

ダージリン「決勝の舞台の空気、緊張感は準決勝の比ではないわ。大会初参加でここまで来てしまったのだから無理も無いのかもしれないけど」

ダージリン「今のあなたたちでは下手をすればその場に立っていることさえできないかもしれない」

カチューシャ「う……そんな事」

ダージリン「無いと言い切れるかしら?……今あなたたちは揺らいでいる、本当にこのままで勝てるのかと」

ダージリン「優勝したいのなら、何が起ころうと揺らぐことの無い断固たる決意が必要よ。何が何でも絶対勝つという強い意思が……」

カチューシャ「断固たる決意……」

カチューシャ「けど、精神面のトレーニングなんて何をやればいいの?模擬戦をやろうにもどこも戦車は修理中だろうからできないし、滝にうたれろとでも?」

※大洗は自動車部がいるので一日で直ってます。チートバンザイ

ダージリン「そうね、ならこんなのはどうかしら?」



220: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:00:59.61 ID:wUIeFec+0




カチューシャ「というわけで精神面の特訓をすることになったわ」

優花里「断固たる決意……どっかで聞いたことあるような?」

梓「でもいったい何をやるんですか?」

桂利奈「逆さ吊りで滝に打たれるんだよ!」

おりょう「座禅で精神統一ぜよ!」

カチューシャ「合同合宿よ、他校の人達と一緒に訓練することで技術も心も鍛え上げるのが目的よ!」

そど子「聖グロの人たちとですか?」

カチューシャ「いいえ、違うわ。でも、精神を鍛えるには聖グロよりうってつけよ」

沙織「どこなの?」

カチューシャ「それはね……」

カチューシャ「 知 波 単 学 園 よ 」




221: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:01:27.97 ID:wUIeFec+0

-知波単学園


絹代「大洗の皆さん合同合宿に知波単学園を選んでいただき誠にありがとうございます!」

カチューシャ「宜しくね、世話になるわよ」

「お願いします!」

絹代「早速校内を案内するのでついてきて下さい」



222: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:03:34.35 ID:wUIeFec+0


華「ところで何故ここなのでしょうか?」

エルヴィン「失礼だが知波単といえば一回戦負けのところだし、それこそ聖グロとかのほうが適していたんじゃ?」

優花里「知波単学園といえば、その戦いぶりはただひたすらに勇戦敢闘一斉突撃による肉薄攻撃が基本にして鉄則」

優花里「これは過去に全車突撃で準決勝進出を果たして以来の伝統となっています。隊員にも揃って勇猛果敢の気風があり、全国大会でも強敵との対戦が決まるとむしろ歓声を上げるほどなんです!」

優花里「後保有戦車数もサンダースに次いで多いので模擬戦なんかもできますね」

麻子「解説ご苦労」

梓「要するに知波単の勇猛さを学べって事ですね?」

カチューシャ「どんな敵が相手でも迷わず突き進むその姿勢、心構えが今の私たちに必要なのよ」

典子「全車突撃……確かに断固たる決意に通ずるものがありますね!」

優花里「そのかわり敗北覚悟で突撃してしまうのがたまに傷なんですけどね」

麻子「なんだそりゃ」

カチューシャ「ま、そういうこと。覚悟しときなさい、途中で逃げ出したりしたら許さないわよ!」

あや「どんな訓練するんだろ?」



223: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:05:21.63 ID:wUIeFec+0

-食堂



絹代「……というわけで我々と合同合宿をすることになった大洗の方々だ。皆粗相の無いように!」

玉田「大洗といえば初参加で決勝に進出したという……」

福田「そのようなすごい方々とご一緒できるとは、福田感激であります!」

細見「ようこそ知波単学園へ、歓迎するぞ!」

沙織「何かみんな元気いっぱいだね」

絹代「我々のとりえの一つであります」

寺本「ややっ、小学生が混じっているであります!」

カチューシャ「は?誰が小学生よ、カチューシャは子供じゃないわよ!」

華「高校生に見られたことありましたっけ?」

沙織「ちょっ、華……」ブフー

カチューシャ「これでも大洗の隊長よ、カチューシャを馬鹿にしたら許さないんだから!」

寺本「あわわわ、すみません」

絹代「まあ、まずは皆で一緒に昼飯を食べながら親睦を深めましょう」



224: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:10:18.59 ID:wUIeFec+0


福田「ご飯は八十八回噛むのであります!」モグモグ

梓「えっ、何でそんなにかむの?」

福田「作るのが大変だからであります!」モグモグ

あゆみ「??どういうこと?」

あゆ「さあ?優希もどうせ「わかんなーい」とか言うんでしょ?」

優希「八十八は米という字を分解したらそうなる、作るのにたくさんの手間がかかってたから。たくさんかむと顎が強くなる」

桂利奈「何故か知ってるし!」



沙織「ねえねえ、知波単の人達は恋愛とかするんですか?」

細見「私たち知波単の戦車道受講者にそんな浮ついたやつなどおらん、皆戦車一筋だ!」

名倉「とか言ってるけどこの前寄港したとき男の人に声をかけられていたじゃないか?」

細見「ひぇっ!な、何、見てたの!?」

沙織「え、何々!もっと詳しく!」



玉田「なんと、五十鈴どのは華道の家元でありますか!」

華「はい、華道よりアクティブなことをやってみたくて……」

玉田「あくてぃぶ……南蛮語か?」

寺本「我々も授業でやっているであります。ぜひ家元の方にご指導いただきたいです」

優花里「え、皆様は華道も取っていられるのですか?」

玉田「一人前の女性になるために戦車道のほかにも、我々知波単の生徒は一通りの花嫁修業は全て受けております!」

寺本「戦車道、華道、剣道、弓道、書道に茶道……」

優花里「そんなにやってるでありますか?すごいです~」

玉田「まあ、私は動いてるほうが好きなので華道などのじっとしてるのは苦手なのですが……」

寺本「玉田は落ち着きが無いからな」ハッハッハッ!

玉田「なにおうっ!」



麻子「ケーキは無いのか?」

名倉「ここには南蛮菓子の類は無いぞ?」

麻子「そ、そんな……」

名倉「甘いものなら饅頭があるぞ?」つ○

麻子「饅頭などで私の舌は……うまい!」

名倉「そうだろう、知波単の饅頭は絶品だぞ!」



225: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:11:57.73 ID:wUIeFec+0


カチューシャ「もう飲むっ!」

絹代「カチューシャ殿しっかり噛んで百まで数えてください、そうしないといい隊長にはなれませんよ」

カチューシャ「……」モグモグモグ

絹代「ひい・ふう・みい……」

カチューシャ「そこは一・二・三て数えなさいよ?」

絹代「しっかり食べてくださいね、午後から地獄のしごきがありますから」



全員「」ピタッ

沙織「えっ何、今地獄って聞こえたけど?」

福田「い、今なんと?」ガタガタガタガタ

あゆみ「ち、ちょっと福田ちゃん?」

寺本「地獄の……」ダラダラダラ

玉田「しっかりしろ寺本!」

細見「しごき……」ビョーン

沙織「細見さんの髪型が!」

麻子「いったいなんだというんだ?」

名倉「に、西隊長……もしや「 あ れ 」ですか?」

絹代「ああそうだ。知波単名物「 死 の 行 進 」だ!」

麻子「死の行進……デスマーチか」

カチューシャ「な、何よ死なんて大げさね」

福田「大げさではありません、本当に死ぬであります……」

玉田「一年の福田にはまだきつかったからな、当然だ」

優花里「いったい何をするんすか?」

寺本「朝から晩まで己の体をしごき続ける究極の訓練であります。その厳しさたるや走れば地獄休みは与えずしごく姿は悪鬼羅刹と言われ、本来罪を犯したものに与える中でも最大級の罰則だったらしいです」

エルヴィン「何故そのようなものを?」

絹代「腐った根性を鍛えなおすためだったようですが、それなら我々がやったほうが逞しくなれるということで先輩が始めたのです」

麻子「余計なことを……」

絹代「決勝に向け自らを高めるためにわざわざやってきて下さった大洗の方々のために失礼の無いよう、もこちらも最高の訓練を用意させていただきます!」

沙織「そこまで歓迎してくれなくても……」

絹代「健全な肉体に健全な精神は宿る!皆の者覚悟はいいかー!」

知波単生徒「雄雄ーーー!!」

大洗生徒「………」

沙織「カッちゃん……」

カチューシャ「ち、ちょうどいいじゃない、こんなもの軽くやり遂げてやるわよ。ねみんな!」ダラダラ

「ええー」

カチューシャ「そこは「おー」でしょ!」




226: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:13:55.89 ID:wUIeFec+0


-グラウンド


絹代「ではまず校庭五十周始め!」

「突撃ー!」ドドドドドドドド

あや「死ぬー」ヒー!

福田「しっかりするであります。まだ準備運動であります!」

あや「へ?」

福田「本格的な訓練はこんなものじゃないであります」



絹代「次は二人一組で筋力鍛錬を開始せよ!」

梓「う~きつい」

麻子「ぐっ、こんなことしてる場合じゃ」

玉田「ふんふんふんふんふんふんふんふんふん!よし百回!」

沙織「へ、何今の?残像見えたんだけど……」

福田「ふぬっふぬっふぬっ!百回であります!」

カチューシャ「なっ私と同じくらいの体格なのに……」

カチューシャ「~~~やってやろうじゃない、いくわよ皆!大洗の底力見せるわよ!」





227: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:14:43.38 ID:wUIeFec+0




福田「カチューシャ殿?まだ半分残ってるであります」

カチューシャ「」チーン

絹代「早くやらないと日が暮れれしまいますよー?」

典子「皆さん根性です、頑張ってください!」

福田「アヒル殿はさすがであります」

典子「アヒル殿?なんかやだなー」

あけび「アヒル殿ー」

妙子「アヒル殿ー」

典子「ちょっ二人まで!」

ハハハハハハハ

優花里「さすがバレー部の皆様は余裕ですねー」

カエサル「体鍛えておいてよかった」

梓「装填手の方も皆すごいです。私はついてくのがやっとです」ゼイゼイ

カチューシャ「」チーン

福田「……大変であります!息をしてません!」

「何ー!!」





228: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:15:24.34 ID:wUIeFec+0



絹代「カチューシャ殿、準備運動程度でだらしないですよ」

カチューシャ「う、うるさいわね……これからよ」ゼイゼイ

絹代「ではこれより……」

カチューシャ「ようやくね、私の実力をみせてやるわ」

絹代「剣道の練習を始める!」

ズコー

沙織「な、何で剣道?」

絹代「剣道は精神鍛錬に最適なのです!」



229: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:16:26.19 ID:wUIeFec+0


バシーンバシーン

絹代「カチューシャ殿たちは素振り百回!」

ブンブン

カチューシャ「えいっえいっ!」



絹代「打ち込み始め!」

福田「やあっやあっ!」

麻子「~~~~~~~!」

麻子「 い い加 減 に し ろ ! 」

絹代「!?」

麻子「何なんだこれは、私たちは戦車道の特訓に来たんだぞ!」

麻子「こんな下らないことをやってる場合じゃないんだぞ、ふざけるのもいい加減にしろ!」

玉田「なんだと貴様、知波単を愚弄する気が!」

麻子「うるさい!効率もなにもあったもんじゃない、こんな馬鹿げたことをやってるから貴様らは弱いんだ!」

玉田「貴様ー!」

バシーン!

玉田「うわぁ!」

麻子「見ろ、ただの無謀な突撃なんかするから格好の餌食だ。戦車道に必要なのは技術と戦略だ、精神論など何の役にもたたん!」

あや「すごーい麻子先輩、剣道出来たんだ」

沙織「麻子はああ見えてなんでもそつなくこなしちゃうからね」

絹代「……ではこうしましょう。私から一本取れたら今すぐ戦車道の訓練を開始する」

麻子「いいだろう」




230: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:22:30.80 ID:wUIeFec+0



麻子「決勝まで時間が無いんだ、こんな下らないことさっさと終わらせてやる」

麻子(相手の動きは馬鹿正直な一直線……タイミングを読んでカウンターを決めるだけだ)

………ゴゴゴゴゴゴゴ

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ………

麻子「!な、何だ……」ゾクッ

絹代「 吶 喊 !」

ズッガアアアアン!

麻子「うわっ!」ドシャァァ!

絹代「これがあなたの馬鹿にしていた突撃ですよ」

絹代「ただ相手に突っ込むのではありません、一意専心、他のことに心を動かされず、一つのことに心を集中するのです」

絹代「雑念が少しでもあれば決して成功しません、全てが一つになった時、全てを粉砕する一撃必殺の刃となるのです」

絹代「 突 撃 を 甘 く 見 る な ! 」

絹代「さあ、続けますよ」

麻子「うぐ……」

絹代「いいか!勝利のためにみなで心を一つにすること、これこそが突撃の真髄!」

絹代「一人一人の心が乱れていれば決して成功はしない」

絹代「皆が心を一つにし一丸になってぶつかることで初めて本懐は成し遂げられる!」

絹代「これはそのための訓練だ。どれだけ技術が優れていようと心が伴っていなければ戦いには決して勝てない、肝に命じておけ!」

「はいっ!」



231: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:24:15.81 ID:wUIeFec+0



カチューシャ「まったく、いいやられっぷりだったわね、目が覚めた?」

麻子「………」

カチューシャ「確かに知波単は全国大会での成績はよくないわ。けどね、決して弱いわけではないの。基本的な練度、そして何者にも屈しない強靭な精神力。これは全国でも屈指のレベルよ」

カチューシャ「こういう強さは実際に肌で触れてみなければ解らない、だからこそここに来たの」

カチューシャ「皆もいいわね、この合宿で自分たちに足りないものをしっかり身につけるのよ!」



232: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/04(土) 13:25:30.62 ID:wUIeFec+0



絹代「これより戦車道の訓練を開始する!」

絹代「戦車前進!」

ブロロロロ

絹代「一斉砲撃用意!」

ズドドドドド!

優花里「こうして見ると基本がしっかりしてるのがよく分かります。移動の際の速度に隊列、砲撃のタイミングに命中精度、どれも高水準です」

「突撃、突撃ー!」

「突撃であります!」

「今だ突撃ー!」

 ボ カ ア ァ ァ ァ ァ ァ ン !

沙織「これさえなければね……」

麻子「こんなやつらに負けたんだな私は……」

華「華道でもそうですが、心が荒んでいればけしていい花を生ける事は出来ません。何をやるにしても心はとても重要なんです、技術はもちろん必要ですがそれだけでは到達できない領域がある。麻子さんは人より優秀すぎたためそのことに今まで気がつかなかったのですね?」

沙織「ちょっ華」

麻子「いや、いいんだ……心の強さか、確かに思い知った」



237: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:48:35.32 ID:tIYmtQnb0


絹代「本日の締めに戦車引きを行う!」

カチューシャ「戦車引き、何それ?優花里知ってる?」

優花里「私も始めて聞く言葉です」

絹代「全員で戦車を引っ張るのです」

沙織「できるか!」

絹代「では手本を見せましょう。皆いくぞ!」

「了解!せーの!」

玉田「ふんぬううううう!」

福田「ぬおおおおおおお!」

細見「いやああああああ!」

寺本「たりゃあああああ!」

名倉「はあああああああ!」

ズルズルズルズル

「ぶーーーーーーーー!」

梓「本当に引っ張ってる……」

桂利奈「信じられない……」

左衛門佐「これが大和魂か!」

絹代「このようにみんなの心が一つになっていなければ成功しません。さあ皆さんも!」

「おりゃあああああ!」

沙織「ええええええい!」

優香里「ふぬううううう!」

典子「根性おおおおお!」

カチューシャ「いぎいいいいいいいい!」

シーン

絹代「どうやらまだ皆一つになれていないみたいですね。ですがこれが出来るようになったとき皆様の実力は間違いなく上がっているはずです」

絹代「では、本日の訓練はこれにて終了!」

「ありがとうございました!」



238: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:49:51.98 ID:tIYmtQnb0



福田「zzzzzzz」

カチューシャ「zzzzzz」

華「カチューシャさん達ぐっすり眠ってますね」

沙織「無理ないわよ、この中で一番小さいんだから……」

優花里「本人が聞いたら怒りそうですね」

麻子「絶対西さんから一本とってやる……」

沙織「珍しく麻子が対抗意識燃やしてる」



あや「バレー部の人達見た?」

あゆみ「うん、バレーの練習やってた……」

梓「私たちはへとへとでもう動けないのに……」

桂利奈「テレビも白黒のしかない……DVDは……無理か」



典子「そーれそれそれ!」

あけび「スパイク!」

妙子「なんのブロック!」

忍「もう少し人数がいればもっと練習できるんですけどねー」

ゾロゾロ

絹代「これはアヒル殿、これは……排球でありますか?」

典子「はいきゅう?」

あけび「バレーのことじゃないんですか?」

玉田「特訓後にこの練習量、たいしたものだ!」

絹代「これは負けてられないぞ、我々もお手伝いしましょう!」

忍「いいんですか?」

絹代「根性だったら私たちも負けませんよ!」

寺田「せっかくだから私たちも“ばれえ”とやらをやってみたいです」

典子「ああ、この人達が大洗の生徒だったらどんなによかったことか……」



239: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:50:38.92 ID:tIYmtQnb0


-次の日


典子「突撃ー!」

玉田「む、なかなかいい突撃ですな。我々も負けてられんぞ、続けー!」

福田「知波単名物総突撃であります!」

あけび「ならばこっちはアヒルチーム総突撃ー!」

ワーワー

華「皆さん楽しそうです」

優花里「いったいアヒルチームと知波単の方々の間に何があったのでしょう?」

カチューシャ「アヒルチームと知波単って似てるわね」

梓「体が痛い……」

絹代「全員集まったな!」

麻子「zzzzzz」

絹代「福田、冷泉さんに気合を入れてやれ……」

福田「了解であります!」

ザバー

麻子「ぎゃー!冷たいー!」

沙織「すごい、麻子が一発で目を覚ました!私たちも今度やってみようか?」

麻子「ぜったいやるな」



240: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:53:52.64 ID:tIYmtQnb0


絹代「今日から本格的に行くから覚悟するように!」

沙織「今日からって、じゃあ昨日のは?」

福田「準備運動みたいなものです。今日からが本番であります」ガタガタ

寺本「福田は去年一人だけ吐きながらやってたなあ」

沙織「え?泣くじゃなくて吐く!?」

絹代「ちなみに一年生でついてこれたのは福田だけです、まったく最近の若者はだらしない……」

福田「もうあのような無様な醜態は見せないであります!」

玉田「その意気だ、しっかりついて来いよ!」

細見「………」ダラダラ

寺本「細見もしっかりやれよ。昨日のしごき程度でへばるとは、それでも知波単か!」

優花里「カチューシャ殿、本当に平気なのでありますか?」

カチューシャ「あ、当たり前じゃない。こ、こっこここの位カチューシャにはなんてことないわ」ダラダラ

カチューシャ「さあ皆、いくわよっ!」



241: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:54:46.21 ID:tIYmtQnb0


カチューシャ梓沙織……「」チーン

典子「皆さんしっかりしてください、こういうときこそ根性です!」

桃「こら、どうしたお前ら、気合が足りんぞ!」

優花里「生徒会の方々は何故平気なんでしょう?」ゼイゼイ

柚子「生徒会は結構忙しいからこのくらいはできないと勤まらないの……」

杏「忙しいときはこのくらい走り回ってたよね」

桃(会長は干し芋ばっかり食べてた気が……)

カエサル「どれだけハイスペックなんだ」ゼイゼイ




242: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:56:08.90 ID:tIYmtQnb0


-黒森峰


まほ「………」







~~~準決勝



まほ「くっ、こちらの作戦が読まれているのか?……こちらの行動に即座に対応してくる」

エリカ「隊長、前方に敵車両!」

まほ「各車隊列を乱すな、砲撃開始!」

ドオン ドオン

エリカ「敵車両撤退していきます」

みほ「これって……」

まほ「どうした、みほ?」

みほ「あ……ううん、なんでもない……」

まほ「そうか……追うぞ!」




243: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:57:07.16 ID:tIYmtQnb0





ドオン!

エリカ「9時方向から攻撃?敵車両隠れています!あっ!」

ドオン!シュポ

「黒森峰ティーガーⅡ、走行不能!」

「別働隊敵と交戦中、合流不能!」

まほ「くっ、前方火力集中。フラッグ車は後退しろ!」



244: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 08:58:28.60 ID:tIYmtQnb0


ブロロロロ

まほ「おかしい、敵の数が合わない?……かまわない、このまま敵フラッグ車を追うぞ!」

ドオン ガラガラガラ!

「大変です、後方と分断されました!」

まほ「!しまった、これが目的だったのか。みほ!」

ドオン ドオン

「前方より敵襲!動けません!」

まほ(みほ、私が行くまで持ちこたえてくれ……)



245: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:00:55.79 ID:tIYmtQnb0


みほ「ああっ!道が……」

みほ(前方の部隊との分断、やっぱりこれが目的だったんだ。だとしたらフラッグ車の私たちを倒すために敵のとる動きは……)ゾクッ

みほ(この場所はまずい!……でも隊長じゃないのに勝手な指揮をとるわけには)

「副隊長我々はどうしたら……」

みほ「……各車撤退、ここにいては危険です!おそらく別働隊がこちらを狙ってきます」

「何を言ってるんですか?退げるなど黒森峰の戦車道ではありません!」

みほ「そんなこと言ってる場合じゃ……」

ドオン! シュポ

「黒森峰パンター、走行不能!」

ゴゴゴゴゴ

IS-2

みほ「ああっ!か、回避!」



246: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:01:50.51 ID:tIYmtQnb0







ノンナ「До свидания」








247: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:04:06.23 ID:tIYmtQnb0


~~~~~


みほ「おねえちゃん……」

エリカ「隊長……」

まほ「……みほにエリカか、プラウダとの試合の事を考えていた……」

まほ「作戦の読み、的確な戦術、完敗だったな……」

エリカ「な、偶然が重なっただけです。そうでなければ黒森峰が西住流が破れるなど……」

まほ「戦車道にまぐれ無し、あるのは実力だけだ。忘れたのか?偶然などという言葉は私たちに対する侮辱だ」

まほ「戦いに敗れた今、西住流はもはや最強では無い。ただの一流派に成り下がったんだ、うぬぼれるなよエリカ」

エリカ「す、すみません」

まほ「だが、収獲もあったはずだ。この経験は今後の黒森峰の成長の糧になる」

まほ「負けたことがある、それがいつか私たちにとって大きな財産になるはずだ」

まほ(すまないカチューシャ、君との約束果たせなくなってしまった……)



248: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:06:14.06 ID:tIYmtQnb0


-知波単学園


優花里「合宿を始めてから3日目が経過しましたが、だいぶ苦しくなってきましたね……」

沙織「例によってカッちゃんはこんなだし」

カチューシャ「」チーン

華「さすがのバレー部の方々も夜はおとなしくしてるみたいです」

優花里「ところで皆さま方、逃げ出したいと思ったりしますか?」

麻子華沙織「 全 然 ! 」

麻子「ここまできたら最後までやってやる」

沙織「カッちゃんだって頑張ってるからね」

華「最後までやり遂げることに意味があると思います」

優花里「いまさらでしたね」

カチューシャ「………」ウーン



249: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:07:20.75 ID:tIYmtQnb0


~~~~~


先輩「あんたはとっとと向こうへ行きなさい、邪魔なのよ!」

カチューシャ「な、なによ!そんな言い方無いじゃない!」

先輩「ガキがギャーギャーうるさいんだよ!」

カチューシャ「ぴぃ!」

先輩「あのチビほんと生意気でむかつく。何であんなのがうちに入ってきたのよ」ブツブツ

カチューシャ「今に見てなさい、私が隊長になったらあんたなんて……」ボソボソ

先輩「ああん、誰がむかつくって!」ギロ

カチューシャ「ぴっ!だ、誰もそんなこと言ってないじゃ……」

隊長「どうしたんだ騒々しい」

先輩「実はこいつが……」

カクカクシカジカ

隊長「カチューシャ……お前は先輩に対する態度がなってないみたいだな、お前のような規律を乱すやつは罰としてシベリア送りだ」

カチューシャ「な!ふざけないでよ何でそこまでされなきゃいけないのよ!」

カチューシャ「やだっ放しなさいよ、やめて……いやー!」ジタバタ

先輩「うるさいし生意気だし、いなくなってくれて清々するわ」

ノンナ「なにやら騒がしかったのですがどうかされましたか?」

先輩「ん?なんもないない、それよりも今度の紅白戦しっかり頑張ってね」

ノンナ「はい、全力を尽くします」

先輩「やっぱり後輩はこう素直でないとね」ウンウン



250: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:08:15.25 ID:tIYmtQnb0


-校舎裏

ホリホリホリ

カチューシャ「ううっ、何も悪いことなんてしてないのに」ポロポロ

※本当は永久凍土で塹壕掘りだけど名前的にシベリア送りのほうが罰っぽい名前なのでのでシベリア送りにしてます

ドーン ドーン

カチューシャ「そうか、今日は確か紅白戦の日……私も出たかったな」グス

カチューシャ「背が低い事はそんなにいけないことなの、そんなに許せないものなの?ここまでされなきゃいけないの?」

カチューシャ「私はただ皆と一緒に戦車に乗りたいだけなのに……何で」ポロポロ

カチューシャ「戦車道は私を選ばなかった……私は……誰にも必要とされないの?……いらない子なの?……」ポロポロ



251: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:09:52.55 ID:tIYmtQnb0


-数日後


先輩「あいつ戻ってきやがったけど、ずいぶんおとなしくなってるわね。シベリア送りが効いたみたいね」クスクス

カチューシャ「………」

先輩「この前の紅白戦出てないからあんたはポジション無し、あんたたち補欠組は練習に参加しなくていいわよ」



252: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:10:18.39 ID:tIYmtQnb0


-倉庫

ゴシゴシ

カチューシャ「………」

カチューシャ(何で私はここにいるんだろう?何でこんなことしてるんだろう?……)

ゴシゴシ

カチューシャ(目の前が真っ暗で何も見えない、何をしたらいいかわからない……)



253: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:11:14.05 ID:tIYmtQnb0


トボトボ

カチューシャ「………」

ノンナ「あなたは、もしやカチューシャ?」

カチューシャ「……誰、同じ一年みたいだけど?」

ノンナ「私はノンナと申します。始めましてカチューシャ」

カチューシャ「!ノンナ!たしか一年でただ一人レギュラーに選ばれたって言う……何よ、無様なカチューシャを笑いに来たの?」

ノンナ「何故あなたは戦車道をやっているのですか?」

ノンナ「体格も向いてない、特別な技能や才能があるわけでもない。ここにあなたの居場所は無いはずです」

カチューシャ「エリートには無用の悩みよね……」

ノンナ「このまま続けてもつらいだけですよ?」

カチューシャ「……何が言いたいの?」

ノンナ「三年間ずっと砲弾を磨くだけ、戦車に触れることすら出来ませんよ?」

カチューシャ「……ゃあどうしろって言うのよ……戦車道が好きなのよ!諦めたくないのよ!」ポロポロ

ノンナ「………」



254: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:11:47.90 ID:tIYmtQnb0


~~~~

ガバッ

カチューシャ「……夢か」

「zzzzzzz」

カチューシャ「……みんな、ありがとう。絶対に優勝してみせるから」



255: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/05(日) 09:19:13.12 ID:tIYmtQnb0

ここまで、カッちゃんいじめが自分の体験談ってのがなんとも……

えーくじの結果ですが

前の人

6回やって2個あたり

次の人

5回やって1個あたり

次の人

10回やって2個あたり

ザワ ザワ

流れは来ている、ここは引くべきだ……迷うな……疑うな……

8回やってはずれ全部ラバーストラップ

わしの次の人

3回やって1個あたり

………同じキャラがあたったらどうしようかな~?とか思ってたけど、取らぬ狸の皮算用とはこのことだったか……




260: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:23:23.84 ID:xvWxpz830


-最終日



絹代「では始め!」

「ぬおおおおおおおおおおお!」

ズズッ

カチューシャ「あ……」

優花里「ちょっとですが……」

沙織「引けた!」

梓「ううっ……」ジワ

桂利奈「やったー!」

おりょう「これが結束の力……」

杏「ふぃー疲れた」

あけび「やりました!」

ワアアアアアアアア!

絹代「おめでとうございます皆さん!ついに成功させましたね」

絹代「ここで学んだことはきっとあなたたちの今後にきっと役立つでしょう。精進することを忘れないでください」

絹代「では今日をもって合宿を終了とする!」

「ありがとうございました!」



261: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:25:19.74 ID:xvWxpz830


沙織「終わったー」

優花里「感無量であります!」

絹代「あ、そういえば一つ言い忘れてました。第二部隊のことですが……」

カチューシャ「ん?」

華「第二部隊、何のことでしょう?」

桃「会長、ひょっとして」

杏「あ、そういえば居たね~」

柚子「実はね、自動車部の戦車の修理が終わったの」

優花里「ポルシェティーガーですか?」

桃「後、今頃になって戦車道に入った生徒がいてな、どっちも初心者だから別のところで基礎のトレーニングを頼んでおいたんだ」


ねこにゃー「ふんふんふんふん!」

桂利奈「砲弾を振り回してるー!」

ツチヤ「突撃突撃!」

麻子「ドリフトはどうした?」

ぴよたん「リアルにおいて必要なのはどんな障害があろうと貫き通す強靭な意志、すなわち突撃……」

ナカジマ「いやー、ドリフトなんかより突撃だね。敵陣に突っ込むあの感覚たまらないや。エンジン全開突貫玉砕!」

梓「なんかそんな気がしてきました……」グルグル

桂利奈「あいあいあいーとーつーげ-きー」

玉田「そうだ、突撃こそ知波単の伝統!」

寺本「皆夕日に向かって突撃だー!」

「雄雄ーーーーーー!!!」

ドドドドド!

沙織「……何これ?」



262: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:27:14.00 ID:xvWxpz830

-大洗

優花里「いやーやっと帰ってきました」

沙織「ずいぶん長くいた気がする…」

華「私ご飯が食べたいです!」

麻子「ケーキが食べたい、饅頭はもういい……」

沙織「知波単は食事が質素だったからね」

カチューシャ「私も普通の食事が恋しいわ、皆で食べに行きましょう」



263: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:27:50.07 ID:xvWxpz830



沙織「おいしかったね」

華「おなかいっぱいです」

優花里「次は戦車ショップです!」



264: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:30:06.12 ID:xvWxpz830

-戦車ショップ


優花里「あっちもこっちも戦車がいっぱい」ムハー

カチューシャ「月間戦車道の最新号よ!」カチュー

ワイワイ

沙織「二人とも夢中だね」


『それでは決勝に進んだプラウダ高校の隊長ノンナさんにインタビューです』


カチューシャ「!!」

ノンナ『私たちは宿敵黒森峰を倒しついにここまで来ました。私の望みの達成まで後一つです』

『望みとは?ぜひ教えていただきたいのですが』

カチューシャ「っ!ノンナぁ……」ギリギリ

優花里「カチューシャ殿落ち着いてください」アセアセ


ノンナ『私は能力の高さを買われ1年のときからレギュラーとして活躍してました』

ノンナ『隊員も戦車も多く練度も高い4強の1つ。だが、優勝経験は無い。わが校には欠けているものがありました』

ノンナ『隊長です。プラウダの戦術は基本的に上級生から受け継いできた伝統の戦術』

ノンナ『だがそれでは当然他の強豪に対策をとられてしまう。しかし、伝統を重んじる頭の固い先輩方は戦術を変えるなどということは考えようとすらしなかった』

ノンナ『このままではプラウダはいつまでたっても変わらない』

ノンナ『そんな時です、私がカチューシャと出会ったのは』

ノンナ『補欠になった皆がやめていく中、ただ1人挫けることなくプラウダの未来のために新しい戦術を作り出していた。あの人だけはまっすぐ前を見ていたのです』

ノンナ『己の弱さを知りながらも、前に進み続ける姿に私は心を打たれました……』

ノンナ『そのとき思ったのです。未来のプラウダを率いるのはこの方しかいないと……』

ノンナ『しかし、隊長になることなくカチューシャはこの学園を去ってしまいました……』

ノンナ『残ったのは偉大なるカチューシャの戦術書だけ……』

ノンナ『私なんかがこの戦術を使うのはおこがましいかもしれない、しかし、私は伝えたいのです。カチューシャが積み重ねてきた事は決して無駄ではなかったと、あなたのやってきたことは正しかったと……』

ノンナ『だから私は負ける訳にはいかない』

ノンナ『勝って、この大会に優勝してカチューシャの偉大さを証明して見せる』

ノンナ『これが、私の戦車道です!』



沙織「え、これって?」

カチューシャ「………」

華「カチューシャさん?」

カチューシャ「…先に帰るわ……」スタスタ

優花里「カ、カチューシャ殿…」



265: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:31:19.64 ID:xvWxpz830





カチューシャ「………」

カチューシャ「どういうことなの?」

カチューシャ「あんたにとって私なんて道端の石ころなんじゃなかったの?」

カチューシャ「取るに足らない存在じゃなかったの?」



カチューシャの偉大さを証明して見せる



カチューシャ「なんで、なんであんな事言うの……」

カチューシャ「私にとってあなたは敵なのよ、私が欲しいものを全部持ってる……憎むべき敵なのよ」

カチューシャ「 そ ん な 事 言 わ な い で !! 」



266: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:33:22.84 ID:xvWxpz830



ケイ「あなたの熱い気持ち私のハートにグッときたわ!」


アンチョビ「あれは立派なお前たちの実力だ、自信を持て!」


ダージリン「たしかに今のプラウダはとてつもなく強いかもしれない。けど言ったはずよ、四本足の馬でもつまづくと……」

ダージリン「持ち味を活かしなさい、大洗には大洗の強さがある。同様にプラウダにだって弱点はある、完璧に見えたって必ずどこかに穴はある」

ダージリン「両方の高校にいたあなただからこそ見えるものがあるはずだわ」




カチューシャ「………」つティーセット


カチューシャ「……ダージリンもアンチョビもケイもノンナもみんな私のことを見ていた。カチューシャのことを見ていなかったのはカチューシャ自身だったんだ……」

カチューシャ「私は皆が思うような人間じゃないわ……」


ただ1人挫けることなくプラウダの未来のために新しい戦術を作り出していた


カチューシャ(そうじゃない、自分がのし上がることしか考えてなかった……)


己の弱さを知りながらも、前に進み続ける姿に私は心を打たれました


カチューシャ(ちがう、皆に弱さを見せたくないから強がってただけ……)


カチューシャの偉大さを証明して見せる


カチューシャ(私にはノンナのような立派な志なんて無い……)


これが、私の戦車道です!


カチューシャ(あったのはただの周りに対する嫉妬……)

ああ……

ノンナがとっても大きく見える……





267: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:35:45.84 ID:xvWxpz830



ワーワー!

杏「どうかしたの?」

梓「それが……」

優花里「いったいどうしたのですかカチューシャ殿!?」

カチューシャ「………」

沙織「戦えないってどういうこと?」

華「数の差なんていつも覆してきたじゃないですか?」

沙織「ほら、私たちだって強くなってるんだし大丈夫だよ!」

カチューシャ「そう言うことじゃないの……」

麻子「カチューシャさんらしくも無い、いつもの強気はどうしたんだ?」

優花里「どんな相手でもあきらめないのがカチューシャ殿じゃないですか!」

沙織「そうだよ、頑張ればきっと勝てるって!」

カチューシャ「そうじゃない、私には……戦う資格が無い…」

梓「資格……って?」

カチューシャ「ケイもダージリンもアンチョビも……ノンナも皆戦車道に対して真剣だった……けど、私はただ自分が成り上がるために皆を利用していただけだったのよ!」

カチューシャ「私だけが戦車道に真剣に向き合ってなかった……」

カチューシャ「こんなやつが隊長なんてやるべきじゃない、それこそ戦車道に失礼だわ」

桃「なっ、許さんぞー!」

カチューシャ「杏……ごめん。私はもう、戦車に乗れない」

杏「ち、ちょっとそれは困るかな~」(おいおいこんなところで勘弁してよ……)

カチューシャ「頭では解ってる、こんなことじゃいけないって……けど、力がわき上がってこない」

カチューシャ(心が真っ暗に……)



268: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:37:19.64 ID:xvWxpz830


沙織「カッちゃんの馬鹿!」

カチューシャ「な、何よ!」

沙織「確かに相手は強敵かもしれない、でも皆で頑張ってここまで来たじゃない!」

沙織「あと一息じゃない!なのに隊長が真っ先に諦めてどうするのよ!」

カチューシャ「仕方ないじゃない、相手がどれだけすごいか知らないからそんなこと言えるのよ!」

沙織「そんなの知らないし関係ない!ここまでひっぱって来ておいて無責任なんだよ!」

沙織「夢見させるようなことするな!」グイッ!

カチューシャ「ううっ黙れ!」ペチン!

梓「あ……」

沙織「何すんのよ!」バチン!

桃「お、おい喧嘩は……」

沙織「うるさいっ!」

桃「はいっ」

杏「かーしま、黙ってな」

バチン! バチンッ ドゴ ペチ バキ

カチューシャ「私だって勝ちたいわよ」 ポロポロ

カチューシャ「でも、何も見えないの。なんにも見えないのよ!」

沙織「 だ か ら 私 た ち が い る ん だ ろ ! 」

沙織「戦車道は一人じゃできない、チームがいて仲間がいて皆がいるからできるんだ!」

沙織「あんた一人でやってるんじゃない、自惚れるんじゃないわよ!」

カチューシャ「あ……」

ギュ!

沙織「私達だって力になりたいんだよ、一人で苦しまないで?」 ポロポロ

カチューシャ「ううっ」 ギュ

杏「うまくまとまったみたいだね」

優花里「皆で一丸となって戦うのが大洗流です。私も協力します!」

梓「はいっ!」

典子「青春ですね!」

カエサル「追い詰められた鼠の恐ろしさ、見せてやろうじゃないか」

「ただ……」

「沙織(さん・先輩・殿)は怒らせないほうがいいな……」

※主にボロボロになってるのはカチューシャです



269: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:38:42.34 ID:xvWxpz830



カチューシャ「プラウダは今までで最強の相手よ。なんせ私の戦術を使うんだからね」

典子「そいつは腕が鳴りますね、相手にとって不足なし!」

カチューシャ「戦力だって今まで積み重ねてきた物だって向こうが圧倒的に上」

優花里「そんなの負ける理由にはなりません!」

カチューシャ「奇跡でも起こらない限り勝ちの目は無いんじゃないかと思う」

カエサル「奇跡は起こるのではない、起こすものだ!」

カチューシャ「それでも……カチューシャと一緒に戦ってくれる?」

そど子「何をいまさら!」

カチューシャ「……しょーが無いわね。仕方が無いからこのカチューシャ様が最後まで付き合ってあげるわ!プラウダを倒し優勝するわよ!」

「おおー!」

桃「会長、負けたら廃校の件は……」

杏「皆が一つになって士気も最高なんだ、余計なことは言わなくていいよ」

杏「それにさ、廃校うんぬん抜きにして、純粋に勝ちたい。私もカチューシャちゃんの実力を証明したい、一緒に優勝したいんだ」

柚子「会長……」



270: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:40:23.47 ID:xvWxpz830


-決戦当日


ヒュウウ…

桂利奈「さむっ!」ガチガチ

梓「防寒対策しっかりしないとね」

あや「手袋しようっと」

そど子「……」

麻子「緊張してるのか、そど子?」

そど子「当然でしょ!決勝戦なのよ、緊張して何が悪いの?」

麻子「それだけ騒ぐ元気があれば問題ない。分からないことがあったら無線で質問してくれ、そど子」

そど子「だから、園みどり子っていってるでしょ!」

麻子「はいはい、ど・ど・子」

そど子「きー!」

左衛門佐「唐辛子を肌に塗りこむといいぞ」

典子「あったかくなってきた!」

ワイワイ

桃「行くぞ隊長!」

カチューシャ「じゃあ、行ってくるわね」

沙織「あ、ちょっと待って!」

優花里「カチューシャ殿、これを……」

カチューシャ「これは……戦車帽?」

麻子「決勝だし、隊長らしい身だしなみが必要だと思ってな」

華「皆で選びました」

カチューシャ「……ありがとう」

カポッ

カチューシャ「 行 っ て く る 」ザッ!



271: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:41:33.63 ID:xvWxpz830


ヒュウウ…

カチューシャ「………」

ノンナ「………」

カチューシャ「ここまで来たわよ……」

ノンナ「大会初出場であるにもかかわらず、たったあれだけの戦力でここまで来るとはさすがです。やはりあなたは偉大だった」

ノンナ「あなたを倒さなくてはならないのは非常に心苦しいです……」

ノンナ「ですが、今は敵同士。私もプラウダの隊長である以上、全力であなたを倒します」

カチューシャ「……買い被りじゃないかしら?大洗に来て分かったけど、私は別にそんなにすごくは無いわよ」

カチューシャ「私一人の力では決してここまで来ることはできなかった、皆がいて一緒に悩んで苦労して、一歩ずつ前に進んで来たから今ここにいるの」

カチューシャ「大洗は決して私一人だけのチームじゃない」

カチューシャ「一つ忠告しておくわ……」



272: ◆UYlhnKrxEE 2017/03/16(木) 23:42:16.69 ID:xvWxpz830






カチューシャ「 私 の 同 志 は 手 強 い わ よ ! 」ドン!







277: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:37:21.77 ID:QgbLe19w0



「それではこれより大洗女子学園対、プラウダ高校の試合を始める!」

大洗チーム

Ⅳ号H型仕様(グランゾート)
ヘッツァー(カメさん)フラッグ車
Ⅲ突(草薙)
89式(アヒルさん)
M3リー(うさぎさん)
ルノーB1(かもさん)
三式(アリクイさん)
ポルシェティーガー(エルディカイザー)



278: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:38:42.02 ID:QgbLe19w0


優花里「猫田殿たちが来たときは戦車をどうしようと思ってたけど、まさか駐車場にあるとは思いませんでした」

沙織「灯台モトクロスだね!」

麻子「それを言うなら「灯台下暗し」だ」

沙織「あれ、そ、そうだっけ?」

麻子「やれやれ、資格の勉強もいいが他を疎かにしすぎるなよ?」

カチューシャ「資格?」

沙織「実は私、アマチュア無線二級に合格しました!」

優花里「それって結構難しいやつじゃないですか、すごいであります武部殿!」

麻子「教えたのは私だけどな……」

沙織「とにかく、どんなところにも電波飛ばしちゃうから!」

カチューシャ「頼りにしてるわよ、ベサオ!」

沙織「へ、ベサオって何?」

カチューシャ「私をカッちゃん呼ばわりするからあんたはベサオよ、文句ある?」

沙織「ベサオって区切り方おかしくない、さおりんとかあるでしょ?」

華「ベサオさん、試合はもう始まってるんですよ余計な私語は謹んで下さい?」

麻子「そうだぞ、ちゃんと通信手の仕事をしろベサオ」

ベサオ「ちょっと何?、ベサオなんてやだも~!」



279: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:39:51.06 ID:QgbLe19w0


あゆみ「そういえばさー、エルディカイザーってなに?」

優季「桂利奈知ってる~?」

桂利奈「………さあ」←知ってる

梓「ほら、おしゃべりはそこまで配置につくよ」(あの感じ、たぶん知ってるんだろうな~)

紗希「ひっさつわざ……」ボソ…

あや「ん、誰かなんか言った?」



280: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:40:27.60 ID:QgbLe19w0



ツチヤ「グラ~ンゾ~ト~ぼくのここ~ろが~」←分かってる

ホシノ「マジカルシュート!ドーマ・キサ・ラムーン、光り出よ汝グランゾート!」←分かってる

スズキ「一刀両断、エルディカイザー!」←分かってる

ナカジマ「龍・雷・け~ん!」←間違ってる



281: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:41:01.03 ID:QgbLe19w0


ねこにゃー「カッちゃんのために頑張るにゃー!」

ぴよたん「公式戦は初めてだけど……」

ももがー「頑張るももー!」



282: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:41:49.32 ID:QgbLe19w0


典子「いくよ皆、これが最後の勝負!」

忍「ここが私たちの東京体育館、あるいは代々木第一体育館!」

あけび「勝ってバレー部復活させるぞー!」

妙子「おー!」



283: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:42:46.42 ID:QgbLe19w0





梓「前方、敵影ありません」

カチューシャ「全車警戒を怠らないように」

カエサル「了解!」

優花里「カチューシャ殿、敵はどのような攻め方をしてくるのでしょうか?」

カチューシャ「そうね、おそらく高確率で囮によるおびき出しから待ち伏せによる包囲戦ね」

カチューシャ「囮にはたぶんフラッグ車が含まれてるはずよ、餌がよければ皆食いつくから……」

ドオン!

典子「!!……11時方向に敵!」

エルヴィン「む、敵は三両、IS-2……フラッグ車もいるぞ!」

沙織「本当だ……」

桃「何ー撃て撃てー!」

梓「どうします隊長?」

カチューシャ「各車砲撃開始!」

ドオンドオン!

ねこにゃー「二両撃破、フラッグ車後退してくにゃー」

そど子「このまま追いかけて一気に決めるわよ!」

ナカジマ「よーし、いくぞー!」

カチューシャ「待ちなさい、全車停止。罠にはまるわよ!」

優花里「さっきカチューシャ殿が言ってた囮ですね!」

カチューシャ「そうよ、勝負を焦っては駄目。目先のことにとらわれないで」

カチューシャ「全速でここを離れるわよ!」



284: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:43:16.85 ID:QgbLe19w0


クラーラ『こちらの作戦に気づいてるみたいですね』

ノンナ「さすがにこの程度の罠にはかかりませんね。ですが、カチューシャ戦術はこれだけではありません」

ノンナ「次の作戦に移ります、各車指定ポイントに移動してください」

ノンナ「クラーラは第二部隊の指揮をお願いします」

クラーラ『Да』



285: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:44:03.82 ID:QgbLe19w0


沙織「これがここの地図だよ」

カチューシャ「……近くに廃村があるわね、おそらくだけど向こうの目的はここに私たちをおびき出すことね」

優花里「何とかならないのでしょうか?」

カチューシャ「私の作戦を基にしてるからある程度の予測は出来るわ、向こうの裏をかいてやるわよ」

カチューシャ「パンツァーフォー!」



286: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:45:34.26 ID:QgbLe19w0


ブロロロ

「敵戦車見つかりません!」

ノンナ『周辺を警戒してください、隠れているはずです』

「了解!」


-廃村付近

ニーナ「静かだなー」

アリーナ「敵さん見つかんねえみてえだけど」

ブロロロ

M3リー ヒョコ

ニーナ「て、敵戦車発見!」

ノンナ「な!」

アリーナ「砲撃開始、撃てー!」

ドオン ドオン!

「逃げていきます!」

「逃がすなー、追えー!」

クラーラ「待ちなさい、深追いは……」

「あれっぽっちなら平気です!」



ブロロロ

「動きが止まったぞ、観念したか!」

ドオン! ドオン!

「!これは……待ち伏せだー!」

カチューシャ「自分たちがはめられる気分はどうかしら?」ニッ



287: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:46:05.68 ID:QgbLe19w0



「プラウダ高校、T34、2両、KV-2走行不能!」

クラーラ『すいません、敵の陽動にやられました』

ノンナ「追撃を中止し体制を立て直してください」

ノンナ「やりますね、さすがはカチューシャ。一筋縄ではいきそうも無い」

ノンナ「次の作戦に移ります」



288: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:47:06.02 ID:QgbLe19w0


ドオン ドオン!

典子「3時の方向から敵!」

カチューシャ「!来たわね、応戦よ、砲撃開始!エルディカイザー、ウサギチームも援護して!」

ホシノ「ようし……!」

ドオン ドオン!

梓「敵後方より援軍、攻撃が激しくて進めません!」

ナカジマ「前方に敵火力集中、援護不能、援護不能!」

カチューシャ「くうぅぅぅ!」


「よし、このまま押し切るぞ!」

「おー!」

「?何か敵の数が少ないような……」



289: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:47:59.51 ID:QgbLe19w0




カチューシャ「ぅぅぅぅくくくくく、あはははは!」

「!?」

カチューシャ「やっと来てくれたわね、あんまり遅いから昼寝しちゃうところだったわ」

ブロロロロ

「なっ!フラッグ車です、後ろから入り込んできました!」



カチューシャ「戦車数の少ない大洗は特別なんだけど、普通は統率のとれた動きをするよう訓練されてるの」

カチューシャ「だからこそ、予想外の出来事が起これば浮き足立ってしまう……」

カチューシャ「冷静な判断力が落ちているときに目の前にフラッグ車がうろついてれば当然……」



290: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:48:40.26 ID:QgbLe19w0




「フラッグ車を狙え!」



カチューシャ「けどそこは敵の密集地帯、そんなことをすれば……」

ドオン! ワーヤメロー

「無理です、同士討ちになってしまいます!」

ワーワー!



カチューシャ「こうなる」




291: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:49:23.11 ID:QgbLe19w0



ドオン バキン!

杏「よしっ履帯破壊!次いくよ小山」

柚子「はいっ!」

ワーワー!

優花里「相手チーム混乱してますね!」

沙織「今のうちにここを抜けよう!」

カチューシャ(よしっ、これで何とか……)

ドオン ガンッ!

ナカジマ「敵から攻撃を受けました、あれはIS-2!」

カチューシャ「くっ、ノンナ……」

ノンナ「進路はふさぎました。ここは通しません」

カチューシャ「まずいっ、撤退よー!」



292: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:50:21.73 ID:QgbLe19w0




ダージリン「やはり、黒森峰に勝利したプラウダの実力は本物ね、完璧に統率された動き、そしてあの戦術……」

ダージリン「手の内を知っているカチューシャだからなんとか対抗できている、とはいえ簡単に突破できるものではないわ、奇策でだましながら戦うにはこの数は多すぎる」

オレンジペコ「一時的に相手を出しぬけてもすぐに対応してきますね」

ダージリン「練度が近ければ数が多いほうが有利、兵法の常識よ」

エリカ「廃村地帯に追い込まれましたね……」

まほ「大洗、よく戦ったが勝負ありか?」

ダージリン「相手の足は四本どころじゃないみたいね、けど、それはあなただって同じはず。見せて頂戴カチューシャ、あなたの本気はこんなものじゃないはずよ」



293: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:52:28.70 ID:QgbLe19w0




ブロロロロ

カチューシャ「建物を挟んで左右に一両ずつと後ろから一両……」

ナカジマ「どうします、カッちゃん?」

ねこにゃー「カッちゃん隊長!」

カチューシャ「ベサオ~、あんたのせいであの子達までカッちゃんって言ってるじゃないの!」

沙織「い、今はそんなこと言ってる場合じゃ……」

優花里「このままじゃあ待ち伏せされてしまいます~」

カチューシャ(ここの地形は確か建物に挟まれて一本道、このまま直進すれば優花里の言うとおり出口で待ち伏せされる)

カチューシャ(どうする……)

キィン

カチューシャ(!!何?今一瞬だけ頭に浮かんだ、光るルートが……けど、これは……)

優花里「カチューシャ殿、早く指示を!」

カチューシャ「くっ……エルディカイザーは指示どうりに動いて!麻子、アリクイは右に寄って、後ろの敵からポルシェティーガーを隠す!」

ナカジマ「了解、カッちゃん!」

麻子「分った」

ももがー「分かったもも!」



294: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:53:06.63 ID:QgbLe19w0


「ん、右に寄った?何を企んでるか知らないけど、挟み撃ちにしてやる!」

ギャギャギャギャ!

「へっ、何で後ろからポルシェティーガーが!」

ナカジマ「撃てっ!」

ドオン!シュポ

「プラウダ高校T-34、走行不能!」



295: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:53:37.81 ID:QgbLe19w0


ホシノ「やったあ!」

スズキ「知破単でしごかれただけのことはあるね!」

優花里「急停止からの砲撃命中、さすがであります!」

カチューシャ「後は前にいる2両だけ……」

沙織「どうするの、カッちゃん?」



296: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:54:10.39 ID:QgbLe19w0


「さあ来い、狙い撃ちにしてくれる!」

カチューシャ「撃て!」

ドオン! バリバリッ

「うわっ、目の前の民家が爆発した!」

「まずい、視界が!」

ズギャギャギャ! ドオンドオン! シュポ

ねこにゃー「やったにゃー!」

ぴよたん「リアルで初撃破ぴよ!」

ももがー「一両逃がしたももー!」

カチューシャ「戦いでは一瞬の隙が命取りになる、よく覚えとくことね」



297: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:54:38.24 ID:QgbLe19w0








ノンナ「ええ、分かってます。だからこそ私達は油断するつもりはありません」









298: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:55:52.79 ID:QgbLe19w0


カチューシャ「!……ノンナ!」

沙織「これって……」

華「待ち伏せですよ!」

ブロロロロ

典子「隊長ー!」

沙織「アヒルさんチーム、他にもみんな?」

エルヴィン「すまない、敵の攻撃を受けていた」

梓「何とか逃げてきたんですけど……」

桃「これってまさか……」

そど子「おびき寄せられた!」

カチューシャ「やられた……」

あや「どうしよう?」

ドオン ドオン!

優花里「撃ってきました!」

ゴモヨ「どうしよう、そど子……」

そど子「わ、私に聞かないでよ隊長、どうするの?」

カチューシャ「カメチームは下がって、残りはエルディカイザーと攻撃するわよ!」

「了解!」

ドオン ドオン!

ナカジマ「あ、横からT34が!」

クラーラ「Целите(撃ち方用意)」

ドオン ドオン!

ねこにゃー「このままじゃ……」

沙織「あ!カッちゃん、あっちに教会みたいなのがあるよ!」

カチューシャ「くっ……全車教会に撤退!」

ガキイン!

麻子「履帯がやられたぞ!」

エルヴィン「隊長をやらせるな、援護だ!」

ドオン! ドオン!

ブロロロロ



299: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:56:30.82 ID:QgbLe19w0













カチューシャ「砲撃が……やんだ?」





300: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/27(木) 10:57:31.27 ID:QgbLe19w0




スタスタ

梓「誰か来ます……」

「降伏勧告に来ました」

桃「何ー降伏だとー!」

「あなた方にこの包囲は破れません、無駄なことはやめて降伏してください」

桂利奈「そんなわけ無いじゃない、ここに逃げ込んだし、まだこれからだもん!」

「いいえ、あなたたちがここに逃げ込むのも作戦のうちでした。あなたたちは最初からこうなるように動かされてたのです」

カチューシャ「でしょうね……ここだけ空いてたからおかしいと思ったのよ」

カエサル「私たちは相手の手のひらの上だったと言うのか……」

沙織「だとしても、まだ勝負はついてない!勝負は最後の最後まで分からないんだから!」

あや「そーだそーだ!」

「カチューシャ戦術は数段構えの完璧な戦術、どうあがこうと結果は変わりません」

カチューシャ「………」

「たとえ敵対してるとはいえ、私たちは偉大なるカチューシャに出来れば手をあげたくありません」

「3時間だけ猶予を与えます、賢明な判断を……」



304: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:27:40.79 ID:bwX2JT2b0


桃「徹底抗戦だー、最後まで戦うぞー!」

エルヴィン「我々を甘く見たこと後悔させてやろうじゃないか」

梓「戦いが終わったときに思い知らせてやりましょう、どちらが強かったかを……」

典子「この程度のピンチ、今まで何度もくぐり抜けてきた!」

桂利奈「やったるどー!」

ナカジマ「戦車の修理は私たちに任せて!」

カチューシャ「みんな……よし、反撃開始よ」



305: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:28:43.26 ID:bwX2JT2b0


※ロシア語で会話してます

クラーラ「何故3時間も猶予を与えたのですか?」

ノンナ「それはもちろん降伏と言う選択肢を選んで欲しいからです」

クラーラ「違いますね、それにしては長すぎます。ほかに理由があるんですね……」

ノンナ「鋭いですねクラーラ、そうです、これは私たちが作戦を立てる時間です」

クラーラ「Почему?私たちの勝利は確実だと思われますが……」

※このクラーラはカチューシャのことをあまりよく知りません

ノンナ「忘れたのですか?私たちが今戦っているのは、私達プラウダが認めた偉大なる存在なのですよ」

ノンナ「あのまま戦い続けていればおそらく負けていたかもしれません……」

クラーラ「まさか……」

ノンナ「現に作戦通りならもう勝利しているはずなのにもかかわらず、すでに六両もの被害、対して向こうは今だ全車両健在……予定とは大きく違っています」

ノンナ「慢心すればそこから試合をひっくり返される、油断は禁物です」

クラーラ「と言うことは……」

ノンナ「そうです。この猶予はどちらかと言えば、私たちが与えてもらったようなものなのです」



306: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:29:28.44 ID:bwX2JT2b0





優花里「偵察終了しました!」

柚子「みなさんお疲れ様。毛布となべの準備できてますよ!」

エルヴィン「へ、いつの間にそんなの用意してたんだ?」

沙織「カッちゃんが長期戦を想定して生徒会に用意させてたんだって!」

カチューシャ(初出場の皆はともかく、私は雪国の寒さは身をもって知ってるからね。まあ、なべは試合後に皆で食べる予定だったんだけど)

おりょう「うまいぜよ!」

華「はふはふ、もぐもぐ!」

優花里「ああっ華殿!そんなに取らないで下さい~」

ワイワイ!



307: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:30:38.55 ID:bwX2JT2b0




沙織「でもね、ノンナさんは全然そんなこと思ってないと思うよ!」モグモグ

沙織「だって、カッちゃんの事ずっと見てたはずだから。カッちゃんの事誰よりも信じてるはずだから!」

沙織「きっとこう言ってると思うよ」



沙織「「たとえ敵になってもあの人が偉大であることに違いはありません。きっと、私たちに勝てる戦術を立ててくるはずです。たとえどんな絶望的な状況だろうと絶対に最後まで諦めない。私が信じたカチューシャはそういう人です」って」



カチューシャ「そうかしら?」モグモグ

華「………」モグモグモグモグ

優花里「ああ、なべの半分が五十鈴殿に……」

優花里「そういえばカチューシャ殿、先ほどの指示見事でした!」

沙織「民家をドリフトして敵の背後に回るなんて普通思いつかないよ!」

麻子「だがあれはかなりの難易度だったぞ、たまたまうまくいったからよかったが……」

カチューシャ(なんだったんだろうあれは?)

カチューシャ(確かに無茶な動きだった。でも、不安は全然なかった……私たちならできるって、そう感じたんだ……)



308: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:32:04.28 ID:bwX2JT2b0




カチューシャ(そういえば、廃校のことまだ伝えてなかった……)

カチューシャ(でも、今の皆ならきっと乗り越えられるはず!)

カチューシャ「ねえみん……」


沙織「でもでも、負けたら廃校だし!」

麻子「まあ、ここが踏ん張りどころだな」

華「ほのひょうむめっまいみまめるわめみまいみまめん!」モグモグモグモグ

優花里「五十鈴殿、食べながらしゃべらないでください」

カチューシャ「!?」チラ

桃「………」フルフル

カチューシャ「え……と、今廃校って言った?」

沙織「え、うん。負けたら廃校になっちゃうんでしょ?」

カチューシャ「な、何で知ってるの?」

優花里「猫田殿から……」

ねこにゃー「カッちゃんに聞いたにゃー」

カチューシャ「へ、私そんな事いった覚えなんて……ん、ねこにゃー……ネトゲ……まさか?」

ももがー「ゲームではお世話になったもも!」



309: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:33:09.51 ID:bwX2JT2b0



カチューシャ「まさかネットの知り合いが同じ学校の生徒だったとは……世界って狭いわね……」ズーン

ねこにゃー「ボクたちもカッちゃんに協力したくて戦車道に入ったんだ」

カチューシャ「じゃあ、廃校のことって……」

沙織「皆知ってるよ。カッちゃんが学校を守ろうと頑張ってたのも、生徒会が思ったより使えないって愚痴ってたことも!」

カチューシャ「」ブッ

桃「な、カチューシャ、きさまー!」

沙織「他にもいろいろ知ってるよ~。」ニコニコ

カチューシャ「ち、ちょっとまちなさいよ」アセアセ

麻子「沙織が婚活戦士ゼクシィ武部だったとか……」

華「それなのに沙織さんに彼氏がいないこととか」

優花里「にもかかわらず恋愛を語ることとか……」

沙織「」ブッ

沙織「ちょっとなそれー!」ヤダモー

アハハハハ!

優花里「カチューシャ殿、私たちはあなたを信じて最後までついていきますよ」

沙織「みんな気持ちは同じだよ!」

華「私この試合絶対勝ちたいです。カチューシャさんの戦車道が間違っていないことを証明するためにも絶対に勝ちたいです! 」

麻子「0%じゃなければ勝負を捨てるのはまだ早い」

カチューシャ「みんな……」



310: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:33:37.55 ID:bwX2JT2b0





優季「おなかいっぱ~い」フワァァ

紗希「……」ウトウト

梓「ちょっと皆……」

おりょう「3時間は長いぜよ~」

あけび「スノーバレーなんてどうですか~?」ポケー

典子「いーんじゃない~知らないけど」フワァァァ

杏「う~ん困ったね、みんな眠そうだ」

桃「ええいっカチューシャ何かやれっ!」

カチューシャ「はぁ?、何で私が」

桃「お前は隊長だろ!」

カチューシャ「なによそれ……まあいいけど」



311: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:34:16.34 ID:bwX2JT2b0


カチューシャ「Расцветали яблони и груши,
       Поплыли туманы над рекой;……」

沙織「ん、これって?」

カチューシャ「Выходила на берег Катюша,
       На высокий берег, на крутой.」

優花里「カチューシャ殿がいつも音楽室で歌ってた……」

カチューシャ「Выходила, песню заводила
       Про степного, сизого орла,……」

梓「私も聞いたことある!」

桂利奈「いつの間にか歌詞覚えちゃったよね」

カチューシャ「Про того, которого любила,
       Про того, чьи письма берегла.」

エルヴィン「そうそう、たしかロシアの民謡の……」

カエサル「カチューシャ!」

「それだ!」

ねこにゃー「ボクも歌うにゃー」

典子「燃えてきたー!」

ホシノ「いいねえ、私たちも行こっか!」

桃「よーしみんな続けー!」


「Ой, ты песня, песенка девичья,
Ты лети за ясным солнцем вслед,
И бойцу на дальшем пограничье
 От Катюши передай привет.」

「Пусть он вспомнит девушку простую,
Пусть услышить, как она поет,
Пусть он землю бережет родную,
А любовь Катюша сбережет.」

「Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой;
Выходила на берег Катюша,
Выходила, на берег крутой.」



312: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:34:47.58 ID:bwX2JT2b0


まほ「な、何だあの歌は、日本の歌じゃないらしいが?」

絹代「おおっ!あれは私たちの所に来たとき歌っていた……」

オレンジペコ「これは……」

ダージリン「ハラショーですわね」

アッサム「ダージリン様はどちらが勝つと思われますか?」

ダージリン「圧倒的に有利なのはプラウダね。けど、勝負は時の運……不利なほうが負けるとは限らないわ、そうでしょうカチューシャ」



313: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:35:53.57 ID:bwX2JT2b0

-3時間後



カチューシャ「降伏はしないわ!」ドン!

「……そうですか、残念です。では……」

「ちょっと待って!」

カチューシャ「?」

「カチューシャさん、私のこと覚えてませんか?」

カチューシャ「……!あ、あなた、もしかして?」

後輩1「……はい、後輩1です」

後輩1「補欠時代カチューシャさんがいろいろ教えてくれた甲斐あって、レギュラーの連中を見返してやりました。今は小隊長をやってます」

カチューシャ「……そう……よかったわね」

後輩1「よくないですよ!」

カチューシャ「!?」

後輩1「私は……私はカチューシャさんと一緒に戦いたかった!隊長となったカチューシャさんと同じチームで全国制覇をしたかった!……なのに……なのに……何で大洗なんかに……」

カチューシャ「ごめんなさい……私は……逃げたの、あなたが思うような人間じゃないわ……」

後輩1「そんな事言わないで下さい!あなたは、私を救ってくれた偉大なるカチューシャなんです!」

後輩1「もうあの先輩たちはいません、今のプラウダにカチューシャさんを悪く言う人は一人もいません」

後輩1「だからプラウダに戻ってきてください、私たちを導いてください!」

カチューシャ「……残念だけど、それは出来ない……」

後輩1「何で……プラウダのこと……嫌いになってしまったんですか?」ポロポロ

カチューシャ「そんなわけ無いじゃない……あなた達の気持ちとても嬉しかったわ」

カチューシャ「でもね、今私は大洗の隊長なの。私を信じてみんなついてきてくれたの……」

カチューシャ「苦しいこととかいっぱいあったけど、皆がいたからここまでこれたの……」

カチューシャ「だから今度は私の番、出来るかできないかじゃない。勝たなきゃいけないのよ」

カチューシャ「勝って、皆で優勝するのよ……」

カチューシャ「だから……負けるわけにはいかない!」



314: ◆UYlhnKrxEE 2017/04/28(金) 11:36:33.09 ID:bwX2JT2b0


沙織(みんなと別れたくない、ずっと一緒にいたい……)

優花里(勝って、みんなと戦車道を続けたいです……)

華(ここでしか咲けない華もあります……)

麻子(やるべきことはやった、後は勝つだけだ……)

梓(後輩も出来ずに終らせない……)

エルヴィン(自分の人生は、自分で演出する……)

典子(バレー部復活……)

杏(廃校になんかさせない……)

そど子(廃校なんてそんな規則違反、この私が許さない……)

ねこにゃー(リアルニートは御免だにゃー……)

ナカジマ(学園間GPの夢があるんでね……)

カチューシャ「皆……いくわよ」



320: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:11:51.23 ID:PSLCLGON0



カチューシャ「パンツァーフォー!」

ブロロロロ

ノンナ「来ましたね……」

カチューシャ「いい?作戦どうりいくわよ!」



321: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:12:32.90 ID:PSLCLGON0

~~~~~~~

カチューシャ「偵察の情報とあわせるとおそらく敵の狙いはこうね……」

カチューシャ「隙のある陣形を作ってそこにおびき寄せる、向こうに潜んでる伏兵と挟んでおしまい」

優花里「つまり、罠……でありますか」

カチューシャ「だから……こう攻めるわ!」

優花里「……これは!」


~~~~~~~~



322: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:20:07.92 ID:PSLCLGON0



ブロロロ

ノンナ(……!部隊を二つに分けた、それぞれ囮と正面部隊に向かっている。フラッグ車の部隊は囮部隊の方向……)

ノンナ(フラッグ車を逃がすために正面部隊のへ妨害が目的か?……なら)

ノンナ「敵正面部隊に砲撃!」

ドオン ドオン!

そど子「撃ってきたわよ!」

カチューシャ「来たわね、応戦よ!」

ドオン ドオン!

ノンナ(このまま正面部隊を殲滅してフラッグ車を挟み撃ちにする……)




カチューシャ「とか思ってるんでしょうね、今よ!」




クルッ

ノンナ「な!こっちへ向きを変えた?……これはまさか」

カチューシャ「先に仕掛けさせてもらったわ!どう、自分たちが挟み撃ちにされる気分は?」

カチューシャ「無理に撃破しようと思わないで、包囲網の突破が最優先よ!」

ドオン ドオン!

カチューシャ「今よ!」

ブロロロロ

ノンナ「……やられました、このような方法で包囲網を抜けられるとは……」



323: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:20:55.63 ID:PSLCLGON0

no title
          
        
イメージ的にはこんな感じ

向こうに行くと見せかけて挟み撃ち



324: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:21:38.58 ID:PSLCLGON0



ブロロロロ

カチューシャ(まともにやり合えば正直歯が立たない……かといって時間がたてば雪原に戦いなれてる向こうが有利、なら短期決戦ね)

カチューシャ(偵察で敵の配置は分かってる。後ろに控えてる敵はいない)

カチューシャ「反撃開始よ!グランゾートと草薙は敵をやり過ごして背後から挟み撃ちよ!」

エルヴィン「了解!」

そど子「了解!……ん?」

ドオン! ボスン

梓「正面から攻撃!?」

カチューシャ「な、どういうこと?敵部隊はさっきの包囲で全部のはず、後方に割ける戦力なんて……」




325: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:22:20.59 ID:PSLCLGON0


~~~~~~~



クラーラ「伏兵の配置を変える、なぜそのようなことを?」

ノンナ「カチューシャなら囮に引っかかることはありえない、きっと私の予想を超える方法で正面部隊を突破するはずです」

ノンナ「ならばあえて配置を教え油断を誘います。偵察を無視させたのもそのためです」

クラーラ「なぜそこまで言い切れるのですか、そんなにカチューシャは警戒に値する人物なのですか?」

ノンナ「警戒ではありません、信頼しているのです。カチューシャならきっとこの包囲網を突破すると……」

ノンナ「私にはカチューシャの戦術は読みきれない。けれど、信じているからこそ予測をすることはできます」

ノンナ「忘れないでください黒森峰を破りここまでたどり着けたのも、全てカチューシャの戦術によるものです」



ノンナ「たとえ敵になってもあの人が偉大であることに違いはありません。きっと、私たちに勝てる戦術を立ててくるはずです。たとえどんな絶望的な状況だろうと絶対に最後まで諦めない。私が信じたカチューシャはそういう人です」



~~~~~~~



326: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:24:47.63 ID:PSLCLGON0

※原作では普通に後方部隊いるんですよね

こっちでは突破させないように層を厚くしてたってことでお願いします



327: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:25:25.56 ID:PSLCLGON0


ドオン ドオン!

エルヴィン「くっ!読まれてたのか?」

杏「逃げろ逃げろ~!」

ブロロロロ

そど子「ああ、後ろから追っ手が!」

ドオン! ボスン

ナカジマ「危ないっ!」

カチューシャ「くっ、何とか逃げ出さないと……」

梓「こっちにも……」

典子「ああ、こっちにもいる……あれ、これってまさか?」

ねこにゃー「囲まれた!」



328: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:26:00.83 ID:PSLCLGON0


典子「ちいっ!妙子っ」

妙子「!!ウサギチーム!」

梓「!!了解!」

ブロロロロ

ドオン ドオン! シュポシュポ

「大洗女子学園、M3リー、89式、走行不能!」



329:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 11:27:00.80 ID:PSLCLGON0


優花里「ウサギチームとアヒルチームが盾に!」

カチューシャ「ああっ、みんなっ!」

典子「私たちはここまでだ」

梓「皆さん、後を頼みます!」



330: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:28:16.87 ID:PSLCLGON0


カチューシャ(やられた……何とかしないと、考えろカチューシャ!)

カチューシャ(このまま一斉砲撃をされたらひとたまりも無い、どうする!)

カチューシャ(包囲網を突破し一気にフラッグ車を倒すしか勝ち目は無い……)

カチューシャ(諦めない!1%でも可能性が残ってるなら……)

カチューシャ(私が先陣を切って突破口を切り開く)

カチューシャ(……たった1両じゃあ突破なんて出来ない……0%)

カチューシャ(今から指示を出して皆が行動するまで最低10秒はかかる)

カチューシャ(間に合うわけが無い……0%)

カチューシャ(0.1%とかそんな夢物語じゃない……完全なる0)ギリ

カチューシャ(すべてが0……)

---------- 0 % -------------

カチューシャ(……………)グニャ-

カチューシャ( 駄 目 …… か )



331: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/18(木) 11:29:26.71 ID:PSLCLGON0


カチューシャ「くっ……」ガクッ

沙織「………」



ノンナ(カチューシャから闘志が消えていくのを感じる……)



カチューシャ「………」

梓「……」

典子「……」

エルヴィン「……」

杏「……」

そど子「……」

ねこにゃー「……」

ナカジマ「……」


ノンナ(あなたに攻撃をするのは気が進みませんが、お許しください……)



ノンナ「До свидан……」





335:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/22(月) 10:14:10.85 ID:tLJPKpwU0


麻子「私たちに出来ることはもう何も無い」

麻子「なぜなら……」



336: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:14:44.96 ID:tLJPKpwU0







沙織「 チェ ー ー ン ジ ッ 、 ゲ ッ タ ァ ァ ァ ァ !! 」









337: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:15:29.03 ID:tLJPKpwU0

イメージBGM

http://www.nicozon.net/watch/sm18384170



338: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:18:03.14 ID:tLJPKpwU0


エルヴィン「心得た!」

杏「りょーかーい」

そど子「了解!」

ねこにゃー「了解だにゃー!」

ナカジマ「チェンジゲッター!」

ザザザザッ


カチューシャ「!?」

ノンナ「なっ!?」



麻子「 や れ る こ と は 全 て や っ た か ら だ 」



桃「全車突撃ー!」



339: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:19:29.06 ID:tLJPKpwU0

~~~~~~~~

-作戦会議

優花里「例によってカチューシャ殿は戦術を考えてるので、私たちもアイデアを出し合っていきましょう」

エルヴィン「今度の相手はカチューシャ隊長にとっては相性がよくないからな」

梓「少しでも隊長の助けにならないと……」

典子「プラウダに半端な戦術は通用しない……私たちの全力をぶつけなくては」

ねこにゃー「プラウダは包囲戦術をベースとした集団戦がメイン、個々の戦術は不向きかと……」

そど子「じゃあどうするの?」

ナカジマ「いざという時のカッちゃん抜きでの集団戦術とか?」

優花里「それこそ私たちには難しすぎます。カチューシャ殿はともかく、所詮私たちは素人なんです」

エルヴィン「私もグデーリアンも戦術の知識はあるが、それだけで戦えるほどあまくない」

杏「う~んどうしよっか?」

ガチャ

麻子「入るぞ」

沙織「私たちも来ちゃった」

ゾロゾロ

桃「会長、私たちも力になりたいです!」

カエサル「苦戦してるみたいだな」

あや「じっとしてられなくて来ちゃった」

エルヴィン「みんな……」

柚子「ここだと狭いですね、場所を変えましょう」



340:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/22(月) 10:22:43.06 ID:tLJPKpwU0




麻子「整理した結果、今私たちが考えなければいけないのはカチューシャさんの戦術が破られた時どうするかだ」

優花里「限定的な状況を想定し、戦術を1つに絞れば私たちでも何とかなるかもしれません」

麻子「となると、まず一番に考えるのは包囲されたときの対処法だな」

麻子「敵がのんびり待っててくれるはずが無い、指示が来るころには一斉砲撃を浴びて全滅だ。ひとたまりも無い」

沙織「じゃあ、包囲を突破する作戦を考えよう!」

おりょう「しかしプラウダはもともと包囲戦術を得意としている、そう簡単に逃げ切れるとは思えないぜよ」

優花里「そのとおりであります。過去のデータからも分かるのですが、包囲した相手の逃走はほとんど許してません」

ツチヤ「みんなでドリフトすれば……」

麻子「雪原じゃドリフトは効果半減だし、みんなが自動車部レベルの操縦技術に達しているわけではない」

桂利奈「じゃあどうしようもないんじゃ……」

あゆみ「それを何とかするためにこうして集まって知恵を出し合ってるんじゃない」

桃「なら撃って撃って撃ちまくれ、包囲に穴を開けてやれー!」

パゾ美(うるさいな……)

優花里「!そうか……逃げれないのなら一か八か撃って出る」

そど子「けど、もちろんそう簡単には向こうもやらせてくれないわよ」

ももがー「う~ん……」



341: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:25:14.34 ID:tLJPKpwU0


ホシノ「隊長が使ったことが無い戦術でプラウダに対抗できるもの……」

沙織「そんな都合のいいものなんて……」

典子「根性で突撃だ、全力でスパイク決めてやります!」

アヒルチーム「おー!」

優花里「いや、だからそういうのは……」

杏「………それだ」

柚子「え、どうしたんですか、会長?」

杏「それだよ、突撃だ。忘れたのか、私たちが合宿をしたのは何処だ?」

梓「あっ!そういえば……」

杏「カチューシャちゃんも言ってたじゃん、知波単の突撃は全国屈指のレベルだって」

杏「私たちはあそこで鍛えられたんだ。知波単ほどではないにしてもプラウダとやりあうには十分なんじゃないかな?」

左衛門佐「だが、闇雲に突撃しても返り討ちにあうだけだぞ。現に知破単は戦績はあまりよくないし……」

華「そこは知波単の皆さんが浅はかだったからですよ。ちゃんと頭を使えばいいんです」

沙織(浅はかって……遠まわしに馬鹿って言ってるよね……)

麻子「面白いな、突然突撃なんてぶちかませばプラウダのやつらきっと面食らうぞ」ニッ



342:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/22(月) 10:26:12.39 ID:tLJPKpwU0



沙織「合図はどうするの?」

あゆみ「突撃をするわけだから陣形を変えるわけだし「チェンジ!」でいいんじゃないかな?」

優花里「物足りないですよ、勝つための決意も入れましょう?」

柚子「決意ってゆうと?」

桂利奈「う~ん勝つ!……とか?」

あや「チェンジ!勝つ……語呂が悪いね」

優季「ヴィクトリーはどうかな?」

カエサル「チェンジヴィクトリー!……なんかしっくりこないな?」

沙織「なら勝利をつかむからゲット!なんかはどうかな?」

そど子「チェンジゲット!……微妙ね」

パゾ美「じゃあゲットを少し変えてゲッターは?」

ぴよたん「チェンジゲッター……」

あけび「あ!なんかカッコいいかも……」

ツチヤ(そうかなあ……まあいいかみんなノリノリだし)

紗希「……ムサシ………」

梓「紗希がしゃべった!」

杏「じゃあ、作戦合図はチェンジゲッター!で決まりだね」

華「後、相手の油断を誘わなくちゃいけないからカチューシャさんにはこの事は内緒ですね……」

麻子「敵が気を抜いた瞬間をつくんだ、しかたない」

左衛門佐「隊長を騙してるみたいで心苦しいが、これも勝利のためだ致し方ない」

沙織「じゃあ合図は私が出すね、カッちゃんが……完全に諦めたときにやるよ」

~~~~~~~



343: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:27:27.77 ID:tLJPKpwU0



(麻子「基本陣形は、ポルシェティーガーを中心に左右に一両ずつ展開」)

(麻子「欠けてる戦車もいるはずだ、臨機応変にいくぞ」)



ブロロロ

ケイ「ワオ!これは三式・ポルシェティーガー・ルノーを前面に出した全車突撃!」

西「おお、突撃!」

ナオミ「動きに無駄が無い、相当訓練されているぞ」

まほ「一見無謀な策に見えるが……違うな」

エリカ「はい。この視界の悪さのせいでまともに対応できるのは正面部隊のみ。これなら数の上では互角です」

まほ「むりやり五分五分の勝負に持ち込んだか?だが意表を突いたとはいえ、迎え撃つほうが有利であることには違いない」

アッサム「けど……自棄ではない。動きに迷いが無い、明らかに何か目的を持って動いている?」

ダージリン「土壇場を乗り切るのは勇猛さじゃないわ。冷静な計算の上に立った捨て身の精神よ」



344: ◆UYlhnKrxEE 2017/05/22(月) 10:28:22.12 ID:tLJPKpwU0

~~~~~~~~


優花里「そうなると副隊長を決めないと……」

カエサル「無理だな、隊長以外でぶっつけ本番で状況を的確に判断し、皆に正確に素早くに指示をだせるか?」

梓「ならいっそのこと各自の判断に任せるのはどうでしょう?」

沙織「でもでも、指示する人もいないのに各自の判断で連携なんてそんな事できるの?」

麻子「……出来る。お互いが同レベルの技量、戦術でありみんなの気持ちが一つになっていれば不思議と皆同じ答えに向かって動き出すものだ」

麻子「忘れたのか?私たちは戦車を引っ張ったんだぞ?信じるんだ仲間を……私たちの絆を」

優花里「やりましょう、全員の心を一つにすれば出来ないことなどありません!」


~~~~~~~~



349:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:19:00.89 ID:QQs3QLnb0



(麻子「全体的な戦術に細かい作戦を用意した、必要に応じて各自で判断して使っていってくれ」)

(麻子「動きを止めたら負けると思え、常に先手を取り続けるんだ。相手に冷静になる隙を与えず攻め続けるぞ」)



ナカジマ「強者ゆえの驕りかカチューシャへの敬意かは知らないけど、フラッグ車自ら前に出てくるとは……その慢心、衝かせてもらうよ」

ナカジマ「敵前方フラッグ車、行くよみんな、鶴翼!」

(左衛門佐「ポルシェティーガー中心とし、鶴翼の陣のように左右から敵を挟むように攻めるんだ」)

ブロロロ

「あっ!左右の戦車がフラッグ車めがけて」

「いかせるな!」

ドオン ドオン!

ねこにゃー「フラッグ車の護衛がこっちに向いたにゃー」

そど子「よし、このまま引き付けるわよ!」



杏「こやま~、やっちゃっていいよ~」

柚子「はいっ!」

ススッ

ノンナ(くっ誰をターゲットにすれば……)キョロキョロ

ノンナ「!あれはフラッグ車。くっ、ポルシェティーガーの後ろに……ならば」

ドオン! バキイン!

ナカジマ「この距離ならやらせないよっ!」

ノンナ(車体を揺らしてウィークポイントをずらされた!)

ナカジマ(IS-2の砲撃に耐えながら三両でフラッグ車を狙う!)

ドオン ドオン! シュポ


「大洗女子学園、ルノーB1走行不能!」


そど子「皆さん、健闘を祈ります!」



350:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:19:37.37 ID:QQs3QLnb0


ナカジマ「私たちもいっくよー!」

ブロロロロ

ノンナ「……この距離ならはずしません」

ドオン! シュポ


「大洗女子学園、ポルシェティーガー走行不能!」


ホシノ「うそっ!?」

ツチヤ「さすがはブリザードのノンナ、ここまでか……」

ノンナ(残りは後ろに隠れているのはヘッツァーのみ……)

バッ!

ノンナ「来た!」



Ⅳ号戦車 ドン!



ノンナ「えっ?」




351:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:20:35.90 ID:QQs3QLnb0

~~~~~~~



カチューシャ「こ、これは……」

優花里「いざというときのために考えておいた私たちの策です!」

優花里「カチューシャ殿の作戦と比べたら稚拙なものかもしれませんが……」

優花里「後は私たちに任せてください!」

ドオン ドオン! ブロロロロ

ワーワー イケー ウオオオオ!

カチューシャ「何よ……これ」

カチューシャ(突撃なんてそんなの作戦と呼べるような代物じゃない)

カチューシャ(けど、気迫と勢いで必死に食らいついている……)

カチューシャ(私ぬきで、それでも何とかしようとして…みんなこんなに成長してたんだ……)



352:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:26:37.07 ID:QQs3QLnb0



だが、隊長であるカチューシャは即座に悟ってしまった。3年間過酷な戦車道の戦いを見続けてきた彼女の直感

プラウダに立ち向かう大洗の命がけの総突撃、この結末は


 全 く



 微 塵 も 相 手 に な ら な い 



虚を突いた今でこそなんとかなっているが所詮素人戦術、いずれ押し切られる



353:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:27:17.33 ID:QQs3QLnb0


カチューシャ(皆私なんかを信じてついてきてくれた……)

カチューシャ(私に出来ることは何だ、みんなを信じる事?)

カチューシャ( 違 う だ ろ ! )

カチューシャ(こういうときに何とかするのが隊長の……)



カチューシャ( カ チ ュ ー シャ の 役 目 だ ! )カッ!





354:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:28:13.37 ID:QQs3QLnb0


でも、唯一の誇りだった戦術で負けた……

数で負けてる、戦車でも負けてる……今の私に、ノンナに勝てる、何があるの?

やってきたことなんてずっと戦車道の練習だけなのに……

ずっと、戦車道だけ……

………………

キィィィン

!!!

今のは?……何でか分からないけど、見えたんだ……私の動くラインが



355:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:29:24.81 ID:QQs3QLnb0



極限の集中力が戦場をを俯瞰する

大洗で戦車道を始め身についた仲間の戦車の動き、能力、癖などの把握

そして、ともにすごした時間と絆

今までカチューシャのやってきたことは決して無駄ではなかった……

積み重ねてきたものは無意味ではなかった

戦車道の神に見捨てられてなお、必死に戦車道を続けてきた3年間の努力は

気がつけば、それらはカチューシャにあらゆる戦場の動きをも刻みつけていた

……解る、みんながどう動くのか、プラウダがどう反応するのか!

戦車の動きから仲間の作戦を瞬時に判断、修正箇所と自分の行動の最適解を即座に導き出す

勝つために私たちのとるべき行動は!



356:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:30:33.35 ID:QQs3QLnb0

~~~~~~~~


ノンナ「カ、カチューシャ!」



ノンナの中でカチューシャのⅣ号戦車の存在は行動を終了させた駒として消えていた

マークしていなかった駒の突然の出現に、ノンナは完全に虚を突かれた



カチューシャ「麻子、思いっきりドリフトよ!」

麻子「雪原じゃそこまでスピードで無いぞ」

カチューシャ「かまわないわ、お願い!」

華「この一撃……外すわけにはいきません」

ギャギャギャギャ

ノンナ「っ……ドリフト!」

ギュオ

カチューシャ「これに反応するなんて!?」

ノンナ「負けるわけにはいきません!」

ノンナカチューシャ「 撃 て ! 」

ドオン! シュポ



357:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:31:18.39 ID:QQs3QLnb0





「大洗女子学園、Ⅳ号戦車走行不能!」






358:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:32:09.75 ID:QQs3QLnb0



ノンナ「……勝った!」

華「すみません……」

沙織「ああ……」

カチューシャ「ここで……ここで倒せてたら……」



カチューシャ「こんな死力尽くしのギャンブルに頼らなくてすんだのに……」ニィ





359:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:34:34.29 ID:QQs3QLnb0


バキィン!

ノンナ「!な、何事です?」

「反対側からヘッツァーです。履帯をやられました!」

杏「よーし、足は封じた。背後に回るよー!」

ノンナ(まずい、今の攻撃で砲弾が……)

「隊長車に近づけるなー!」

ねこにゃー「やらせないにゃー!」

ブロロロロロ ドカン!

「くっ!体当たりを……かまうな!撃て撃てー!」

ドオン ドオン! シュポ

「大洗女子学園、三式走行不能!」

ももがー「やられたももー!」

杏「停止!」

ドオン ドオン! ボスン!

「外した……けど!」

ギュン

ノンナ「砲撃の準備が間に合いました」



桃「 ご っ ぢ 見 で る ぞ ~ !!」



杏「うろたえるんじゃないかーしま、勝負は最後の最後まで分からない。目をそらすな!」

ノンナ「この距離、護衛もいない……今度こそ終わりです」




360:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/24(水) 14:35:21.57 ID:QQs3QLnb0






ノンナ「До свидан……」カチ







364:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:51:03.63 ID:aCNAx6OU0





「 撃 て ! 」

ドガァァン!! グラッ ボスン!






365:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:52:02.62 ID:aCNAx6OU0



柚子「うわぁっ!」


ノンナ「馬鹿なっ!?……この攻撃は後ろから、突撃してきた戦車は全て倒したはず。いったい誰が?」バッ






ノンナ「……あ…ああ……ここまで読んでいたというのか、仲間を信じていたというのか?」



(みんなの気持ちが一つになっていれば不思議と皆同じ答えに向かって動き出すものだ)




366:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:52:37.59 ID:aCNAx6OU0








ノンナ「 さ ん と つ う ぅ ぅ ぅ ぅ ! ! 」









367:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:53:26.34 ID:aCNAx6OU0



忍道で学んだカモフラージュ、全軍突撃に見せかけた後方待機


仲間を信じた草薙チームの行動は完全にプラウダの意識からその存在を消していた


全てはこの瞬間のために!




368:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:54:02.35 ID:aCNAx6OU0





カチューシャ「最初に言ったじゃない……」






369:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:54:42.50 ID:aCNAx6OU0






カチューシャ「 私 の 同 志 は 手 ご わ い っ て 」ドン!







370:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:56:15.18 ID:aCNAx6OU0



ダージリン「カチューシャを狙えば味方が攻める」

まほ「突撃を意識すれば後ろから……」

ケイ「戦いのフィールドは常に変化していく」

ケイ「自分の能力を発揮できるフィールドを自分で作っていく」

絹代「これが大洗流……」

アリサ「戦車の数も少いし技量もまだまだ未熟だってのに……」

ナオミ「だが攻撃の基点が何処なのか捉えることが出来ない」

ナオミ「誰が撃ってくるかわからない」

エリカ「かと言って目の前に集中すれば後ろから射抜かれる」

ダージリン「まるで視界が悪い地吹雪のよう……」




ダージリン「 地 吹 雪 の カ チュ ー シャ ね 」






371:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:57:56.62 ID:aCNAx6OU0






桃「 会 長 ! お 願 い し ま す ! 」







372:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:58:38.68 ID:aCNAx6OU0



ドガァァン! シュポ





「プラウダ高校、フラッグ車走行不能!よって大洗女子学園の勝利!」





カチューシャ「やったあぁぁ!……ん?」


ヒュンヒュンヒュン ガン!



373:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 10:59:31.11 ID:aCNAx6OU0



優花里「やりました!」

沙織「やったー、勝ったー!これで私もモテモテよね!」

華「これで、みんなと戦車道が続けられますね」

麻子「ふう、一時はどうなることかと思ったぞ」

沙織「カッちゃーん!あれ、カッちゃーん?」

優花里「どうかしましたか?」

沙織「カッちゃんが上から下りてこない、何やってるのー?カッちゃーん」

華「きっと泣いてるところを見られたくないんですよ」

沙織「しょーがない、しばらくそっとしといてあげますか」


カチューシャ「………」




374:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 11:01:09.88 ID:aCNAx6OU0


エピローグ


-プラウダ



ドオン ドオン!

沙織「うわー、戦車がいっぱい!」

優花里「これだけたくさんあるとさすがに迫力が違います~!」

優花里「私も乗ってみたいであります」

沙織「もうゆかりん、今日の目的を忘れたの?」

優花里「いいいえ!もちろんそんなことはございません」アセアセ

ブロロロロ キッ

ノンナ「Добрый день、お二人とも久しぶりです」

沙織「ノンナさんこんにちわ」

優花里「お久しぶりであります!あ、カチューシャ殿は?」

ノンナ「カチューシャならあそこで指揮を執ってます」



カチューシャ「全速前進、そこっ隊列を乱さない。シベリア送りにするわよ!」



沙織「カッちゃんは……」

ノンナ「はい……依然として記憶が戻る気配はありません」



375:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 11:01:49.93 ID:aCNAx6OU0

~~~~~~

あの時、決着の瞬間、IS-2を撃破した際に出た戦車の破片がカッちゃんの頭を直撃した

幸い命に別状はなかったものの、大洗に来てからの記憶を失ってしまった

カッちゃんが混乱してしまう事を考慮し、療養はプラウダですることになりました

全国大会を優勝に導いたカッちゃんの事を悪く言う人はプラウダ一人もいなく

カッちゃんが隊長になるのに時間はそれほどかからなかった

~~~~~~



376:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 11:02:17.22 ID:aCNAx6OU0

-大洗


杏「そっか……このままでいい……か」

杏「廃校もなくなったし、みんながそれでいいなら私はかまわないよ」

桃「会長がそう言うなら……」

柚子「寂しくなるね……」



377:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/26(金) 11:02:44.56 ID:aCNAx6OU0



沙織「………」つ戦車帽

沙織「今までありがとうカッちゃん、大洗の戦車道は私たちが守っていくから……」カポッ

優花里「新隊長殿、号令をお願いします!」

沙織(カッちゃん、あなたの戦車道は私たちが伝えていく……)

沙織「よーし、今日も練習頑張るよー!」

沙織「パンツァーフォー!」





ー完ー




元スレ
【ガルパン】カチューシャ「私の同士は手強いわよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479345170/
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         コメント一覧 (36)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 17:22
          • シーンの取捨選択がイマイチ
            だからこれだけの量があるにもかかわらず、どこかダイジェストみたいなぶつ切り感があるのが残念
            特に原作にない場面だと、補完出来ないから何やってるかさっぱり

            あと所々くさかったり薄ら寒かったり無理矢理だったりする
            それでも面白かったとは思う
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 18:05
          • *1

            どっちやねん
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 18:51
          • 1 置き換えでしかないね
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 18:54
          • 1 カチューシャじゃなくていい感
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 19:09
          • カチューシャがへたれ、というのが既に間違えてる
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 20:17
          • ロボットアニメネタ挟まなきゃよかったのに。
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 20:42
          • 西住をカチューシャに文字変換しただけ
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 21:22
          • アイシールド好っきゃな(*´ω`*)
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 21:47
          • 力作だが読まなくていいなこれ
            長い前置き、予防線、欄外で付け加える言い訳設定、
            微妙に鼻につくキャラageキャラsage、そして最悪なのはクライマックスで寒いパロネタ

            >カチューシャからわがままを取ったらただのへたれなチビっこになってしまった

            借り物のキャラをさも自分のものであるかのようにヘラヘラしてやがる時点で引き返すべきだった
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 22:13
          • 1 断言するが時間の無駄だった
          • 11. ガルパン爺さん
          • 2017年05月26日 22:18
          • 3 途中までは楽しんで読めたけど最後が脈絡が無さすぎて残念。
            でも、それ以外は個人的には好き
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 23:18
          • 4
            コメ欄フルボッコで草
            オレは読んでてふつうに楽しかったけど
            (オレ、ガルパンへの思い入れ、
            それほど強くない、って判明したわw)

            ただラストは微妙過ぎ
            ノンナと交流再開エンドで十分じゃね?
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 23:24
          • 最初にグダグダ講釈たれるSSって絶対つまらんな
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月26日 23:26
          • 1 本スレで見たけど
            >>1が欄外でウダウダ言ってるのがムカついて見るのをやめたんだよなぁ
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 00:51
          • 頑張ったのはわかるし、まあそれなりに楽しめたけど
            他の漫画のネタがくどくて寒くなる
            それに各キャラの描写に違和感がある
            特にダージリン
            どう考えても負けてあんな泣きわめくようなキャラじゃないだろ
            最後カチューシャを記憶喪失にした意味もよくわからん

          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 00:57
          • まだ読んでないけど
            ダージリンが泣くシーンと、カチューシャの記憶喪失、西住まほのガンダムネタ、ケイの憎しみのシーンはいらなかったなあ
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 02:48
          • クソ
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 03:23
          • そこは登龍剣か光龍剣でしょ
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 03:28
          • 1 「 私 の 同 志 は 手 ご わ い っ て 」ドン!

            ドン!要らないよね?
            なに?ONE PIECE好きなの?
            他にもいろいろ有るけどさ
            コラボSSじゃ無いなら他の作品ネタぼこすか入れても寒いだけだよ?
            読んでて面白くなるならキャラ崩壊してても別にいいけど
            ただのオ、ナ、ニー作品みせるなよ
            オ、ナ、ニーなら前もって注意書きしとけよカ、ス
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 03:34
          • カチューシャファンなのを差し引いても非常に面白かったです
            願わくばあなたの人生に幸あらん事を
            ふふ…二行目は蛇足だったかしらね
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 03:42
          • 3 ジャンプ好きなのは伝わったしSSは面白かったよ
            ラストはお粗末だが
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 08:28
          • 序盤はダイジェストみたいだったな
            あとコメントは説明・補足だけでいいんだけどなぁ。個人的な譲歩まで入らないよっと
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 09:52
          • キャラ崩壊というよりキャラクターを理解できていない感じがしたし
            パロディネタ先行のせいかセリフや行動に違和感しかない

            まあ、これだけ長いSS書くエネルギーは伝わったので
            とりあえずプロアマ問わず様々な作品を片っ端から読んでみたら良いかもな


          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 18:08
          • ほぼオリキャラと言ってる時点でアレだったけど…コメ欄見たのは正解だったか。
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 18:54
          • アニメしか観てないから、カチューシャがなぜああいうキャラになったのか、とかのバックストーリー知らないから、へたれなカチューシャが、仲間と一緒に強くなっていくのはアリかなと思ったけど、1/20だけ読んでこの作品はないなと思った。
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 20:28
          • 決めゼリフ?で「あ い う え お」みたいに表現するのがだんだん不愉快になってく
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 22:03
          • ガルパンのifモノってみんなこんなんなのか?
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月27日 23:00
          • 面白いかどうかはともかくとして
            最後の記憶喪失にした理由として、劇場版向けの次回予告のレスのせないのはダメだろ
            管理人さん、追記したほうがいいよ
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月29日 08:46
          • 2 所詮二次創作
            米でボロクソにぶっ叩くほどではないとは思うが・・・
            劇場版作る為にしてもラストの唐突さでぽかーんとなった
            肝心な最後の最後にまでパロすぎる台詞回しもちょっと・・・
            個人的な贔屓もあるがダージリン辺りもうーん誰だお前感

            主題だろうカチューシャとノンナの関係性とかはうまくIFに落とし込めてるからもうちょい褒めたいのに、終わり悪ければ全て悪し感が強い
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月29日 08:48
          • 27
            IFでもエリカのやつとかは面白いな
            まあガルパンIFでもトップクラスのドラマ性持ってるのに埋めたままのエリカ使えば早々微妙なもん作る方がおかしいんだが
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月31日 01:31
          • エリカの転校のやつは面白かったのに
            ここまで叩かれるなんて落ちぶれすぎだろ
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月31日 01:37
          • 4
            カチューシャの不遇っぷりが、本編以上だった。
            たぶん、カチューシャが転校するとなったら、ノンナもワンセットで付いてきそうな気がするが,,,。
            色々面白かったが、ちょいちょい挿入される中二調ロボットモノの元ネタが解らないのと、最後があまりにも唐突だったのが、残念すぎる。
            でも面白かったです。
            ありがとうございました。
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月31日 12:31
          • カスーシャ
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年05月31日 21:33
          • 最近、運ないわ
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月20日 03:49
          • んー、面白かったんだけど、ラストが気に食わないなー。
            ならいっその事、首飛ばしてしまうくらいの事すればもっと荒れるのに。
            良くも悪くも中途半端。称賛される程の良さもなく、大荒するほど悪い訳でもない。
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年11月12日 01:16
          • お前らゴミ共が目障り

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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