【涼宮ハルヒの憂鬱】古泉「お話しませんか?」 キョン「なんだ改まって」
古泉「涼宮さんは朝比奈さんと一緒に衣装探しのために帰宅」
キョン「うん」
古泉「長門さんもそれを見るなりさっさとご帰宅されました」
キョン「そうだな」
古泉「お互い、腹を割った話をするには最適な環境ではありませんか?」
※注意・糞スレ※
古泉「んふ、あなたも恐れ多いことを仰りますね。僕だって夢にもそんなことを思ってはいません。しかし、彼女らがいればできない話が多いのも事実…」
キョン「まあ、ハルヒはそうかも知れんが…、朝比奈さんや長門はそうでもないんじゃないのか? それともあれか、お前らの組織の間でまた何か…」
古泉「いえ、そういうわけではありません。ただ…」
キョン「ただ?」
古泉「あなたの恋愛観などを彼女らの前で語るのは憚られるのではないか、と思いましてね」
キョン「ぶっ……、お前、そんな話をするために俺を呼び止めたのか?」
古泉「まあ、そんな話にも及ぶかもしれないということですよ。あくまで可能性の話です」
古泉「なに、僕もあなたがご友人の方となさっている『高校生らしい会話』というものに興味がありましてね。たまにはこんなのも悪くないかと思ったまでなんですが」
キョン「……やれやれ、仕方ないな」
古泉「と、いうことは…」
キョン「付き合ってやるよ、お前の話にな」
キョン「お前も大げさなやつだな」
古泉「いえ、誇張ではなく、本当に。…さて、何から話しましょうか?」
キョン「お前が振った話だろう、お前が話題を出せ」
古泉「んふ、それもそうですね。じゃあ、ここでの狂言回しは僕が務めるとしましょう」
「そうですね……。あなたの好きな食べ物はなんですか?」
キョン「…は? おい、古泉、そんなのがお前のしたかった話なのか?」
古泉「まあ、準備運動みたいなものだと思ってください。いきなりコアな話だと、あなたも話しづらいかと思いまして」
古泉「んふ、典型的高校生といった感じですね。カレーは例の『みちる』さんとの食事の際ですか?」
キョン「いや、それとは別に。あいつがどうしてもって言うもんだから食いに行ったんだが」
古泉「」
「それは…、想定外でしたね」
古泉「あなたと長門さんですよ。そんなに親密だったとは思いませんでした」
キョン「親密って言っても、たまに図書館に言ったりする程度だぞ?」
古泉「彼女の性格を考えればそれでも十分親密ですよ。なんで教えてくれなかったんですか」
キョン「お前に逐一報告する類のことでもないだろう。それに、機関が全部把握しているんじゃないのか?」
古泉「とんでもない。有事の際以外、あなた方のプライバシーは完全に守られていますよ。まあ、長門さんの場合、有事の際もプライバシーを保っていらっしゃいますが」
キョン「有事の際以外、ね。まあ、これに関してはとやかく言うのはやめておくか」
古泉「そうしてくれると助かります。…しかし、弱りましたね」
キョン「こんどはなんだ?」
古泉「あなたがたの親密さの衝撃のせいで、僕の好きな食べ物がトコロテンだという話は流されてしまいました」
キョン「今ほど長門との交友関係に感謝した瞬間はないぜ」
キョン「やれやれ、お手柔らかに頼むぜ」
古泉「ずばり、どこまで進んでるんですか?」
キョン「は? なにが」
古泉「あなたと長門さんが、に決まってるじゃないですか。さあ! A! B! C! はたまたDですか?」
キョン「おい、DってなんだDって」
古泉「心得ていますよ。ただ、あなたが『こちら側』なのかどうかは確かめておかないといけませんからね」
キョン「ふっ、『こちら側』……か。ちなみにそのこちら側というのは」
古泉「もちろん、青函トンネルの開通工事に携わっていないのが『こちら側』です」
キョン「生憎だが、俺は開通工事どころか、トンネルの存在を認識するのは映像を通してのみだ」
ガタッ
古泉「……僕はいたく感動しました」スッ
キョン「俺もだよ、古泉」スッ
ガシッ
キョン「なにがだよ」
古泉「あなたレベルになると、キスは挨拶程度にしか思っていないレベルのアレなのかと思っていましたが」
キョン「なにそれこわい」
古泉「だって、閉鎖空間から帰ってこられた際、流れるようなキスで脱出していたではありませんか」
古泉「ええ、長門さんのマンションで上映会をしてましたから」
キョン「」
古泉「有事の際ですので。あ、ちなみに朝比奈さんは興奮のあまり鼻血を出しておられましたよ」
キョン「待て、朝比奈さんまでいたのか?」
古泉「ええ。なぜか喜緑さんと、長門さんが急きょ再構成した朝倉さんまでいらっしゃいましたね」
キョン「」
古泉「ちょ、やめてください! いいじゃないですか、別に減るものではありませんし」
キョン「古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「お前が、トイレから出れなくなったとしてだ」
古泉「はい」
キョン「お前が勇気の人差し指をすれば扉が開く。お前は勇気をもってクリアした。その映像がお茶の間に放送されていたとしよう」
古泉「なるほど」
キョン「お前はどうする?」
古泉「怒りますね」
キョン「だろ? そういうことだ」
キョン「……」
古泉「……」
キョン「いや、だって俺、ほら、ポニテ萌えだしなあ~」タハー
古泉「タハーじゃないですよ! なんなんですかそれ!」
古泉「まさに神をも恐れぬ発言というやつですね…」
キョン「トイレットペーパーだけに、か?」
古泉「違いますよ」
キョン「そうか」
キョン「いやまあ、勇気の人差し指はたとえが悪かったな、うん」
古泉「失礼ながら最悪の例えですね」
キョン「そうだな…、うん。トイレにスクラビングバブルをスタンプする感じに近いかもしれん」
古泉「トイレで例えるの一旦やめません?」
キョン「イメージしやすい閉鎖空間っていうとそれくらいしかなくてな」
古泉「閉鎖空間の中で森さんにキスぐらいでいいじゃないですか」
キョン「ちょ、ばっか、お前……、それはボーナスステージじゃないか」
古泉「」
キョン「なんでそうなる」
古泉「だって、森さんポニーテールじゃないじゃないですか」
キョン「はあ……。おい、古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「森さんはいくつだ?」
古泉「たしか…、20代前半後期だと伺ったことがあります」
キョン「だろうな。そんな妙齢の女性と、一介の高校生たる俺たちがあのよどんだ空間でキッスをするわけだ」
古泉「ええ」
キョン「なにか倒錯した背徳感を感じずにいられるか?」
古泉「感じずにはいられませんね」
古泉「ええ。ちょっとしたスペクタクルですね」
キョン「お前の例えで行くなら、そうだな、多丸(兄)さんとのヴェーゼが近いかもしれん」
古泉「なぜ多丸(兄)さんなんです? もっとなじみの深い新川さんとかでいいじゃないですか」
キョン「いや…、なんというかだな」
「正直、ダンディーなおじさまとのヴェーゼは興奮を覚えないこともない」
古泉「」
古泉(彼は……、人間を超えようとしている………)
古泉「え、ええ。すみません。ちょっと考え事を」
キョン「全く…、お前が狂言回しを務めるといいながら、話しているのはもっぱら俺ばっかりじゃないか」
古泉「おっしゃる通りです。なにぶん、この手の会話は不慣れなものでして…」
古泉(新川さんとのキスに興奮を覚える男性、という類の会話に自信のある方がいらっしゃいましたら、是非ともお目にかかりたいものですが)
キョン「そういうお前はどうなんだよ」
キョン「ハルヒとのキスや森さんとのヴェーゼに対し、なにも思わないわけではあるまい」
古泉「あの、」
キョン「なんだ」
古泉「先ほどから気になっていたんですが、どうしてちょいちょいフランス語が入り混じるんです?」
キョン「今日の朝食がフランスパンでな」
古泉「すみません、僕って今馬鹿にされてます?」
キョン「冗談だ。ただ…」
古泉「ただ?」
キョン「ヴェーゼって言った方が興奮しないか?」
古泉「あなたの興奮にかける意気込みが僕には全く分かりません」
古泉「(涼宮さんと森さんとで区別するのもやめてほしいのですが…)そうですね、たしかに何も感じないというと嘘になりますが」
キョン「ほう、どう感じるのか聞こうじゃないか」
古泉「正直、森さんはキツいです」
キョン「は?」
古泉「いやいやいや! 僕たちと10歳近く離れてるんですよ!?」
キョン「いや、たしかにそうだけどな。いけるだろ、森さんなら」
キョン「普段の森さんか。もちろん話してくれるんだろうな?」
古泉「ええ、ええ。いくらでも話してあげますとも! 森さんってものすごい愛煙家かつ酒豪でして、一日に3箱吸って、平気でビール10本開けるんですよ」
キョン「うん。で?」
古泉「いや、で? って…。イメージが変わるでしょう!?」
キョン「うむ、たしかに変わらないと言うと嘘になるが、むしろ付加価値のような気がするんだが」
古泉「マジで!?」ガタッ
古泉「し、失礼、取り乱しました。じゃあ、森さんの部屋に生理用品が散らばってるって聞いても、まだ付加価値だとおっしゃりますか!?」
キョン「まあ話の流れ的にそうだろうな。むしろ必要条件と言っても過言ではない」
古泉「本気で言ってます!?」
キョン「本気も本気だ。それよりなんだ、さっきから大声で」
古泉「い、いえ…。あまりにもなんというかその、僕の価値観と食い違っていらっしゃるものですから」
キョン「多様性ってやつだな」
古泉「え、ええ…。そうなんでしょうか」
古泉「一方の涼宮さん、ですか?」
キョン「ああ。立場上言いづらいのはわかるが、俺も腹を割ったんだから話してほしいものなんだが」
古泉「ええ、心得ていますよ。……そうですね、正直に言って」
キョン「ほう」
古泉「顔中嘗め回したいです」
キョン「」
古泉「なんなんですかその反応。せっかく僕が腹を割ったというのに」
キョン「腹を掻っ捌いたら大量の寄生虫が出てきた気分だぜ」
古泉「そんなこと言わないでくださいよ」
キョン「いやでも、まあ、うん。いいとしよう。そう思う理由があるんだろ?」
古泉「話しません」
キョン「は? なんで?」
古泉「あなたがひどいこと言うからですよ。僕はあなたが謝ってくれるまで話しません」プイ
キョン「あー! 悪かったって! 勘弁な、この通り!」ペコペコ
古泉「今回だけですよ?」
キョン「ああ、わかってるさ」
キョン「お、おう」
古泉「整った顔、尊大な態度、そしてその生意気さを体現するかのような自己主張の激しい肢体…。マーベラスだと思いませんか?」
キョン「た、確かに容姿は整っているな、うん」
古泉「そんな女性がいるとですね、顔中嘗め回したくなるのも致し方ないかと」
キョン「そこで論理の飛躍があるような気がする」
キョン「間違いなくそうだろうよ」
古泉「しかし、意外ですね」
キョン「何がだ?」
古泉「朝比奈さんのような女性に鼻の下を伸ばしていらっしゃるところから推測するに、あなたはもっと低年齢な女性が好みなのだと思っていました」
キョン「いや、低年齢もいけるぞ? 俺の妹の友人のミヨキチとかいい感じだ」
古泉「」
古泉(僕が対峙してるのってクリーチャーとかでしたっけ)
古泉(語り始めた…)
キョン「そのとき、当然風呂にも入っていったわけなんだが」
古泉「ええ」
キョン「うちの妹がふざけてミヨキチが着替え終わる前に下着以外の服をもって逃げてな」
古泉「はあ」
キョン「その姿たるや……、おっと古泉、すまん」
古泉「なんでしょう?」
キョン「エベレストだ」
古泉「」
古泉(僕は…、とんでもないパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない……)
キョン「なんだ?」
古泉「あなたの意見は理解しました。それで、その、失礼ですが、妹さんを相手に劣情を催されることはないのですか?」
キョン「は? 何言ってんだお前?」
古泉「や、やはりそうですか。すみま―――」
キョン「兄妹がいれば興奮するのは当たり前だろ?」
古泉「」
古泉(こういうときって児童相談所と警察どっちに連絡すればいいんだろう)
古泉「そ、そうでしょうか?」
キョン「ああ、なんだか寂しくなってくる」
古泉「それは失礼いたしました」
キョン「さて、次はお前のターンだ」
古泉「はい?」
キョン「お題は…、そうだな、自家発電の燃料でいいだろう」
古泉「な、なるほど…。それはまた、答えに窮するお題ですね」
キョン「それくらいいいだろ。なんたって、高校生らしい話だからな」
古泉「え、ええ。なかなかにエキセントリックな話題だと思いますよ」
キョン「さあ、話せ」
古泉「そ、そうですね…。最近のお気に入りは、あれですね」
キョン「あれ?」
古泉「涼宮さんのご自宅の映像です」
キョン「おい、プライバシーはどこに行った」
キョン「丸裸、ね。あまりいい例えには聞こえんが?」
古泉「僕も、この現状には賛同しかねますね」
キョン「でもおかずにしちゃってるんだよな」
古泉「おかずにしちゃってますね」
古泉「考えてもみてください。僕たちは思春期です。これは、紙くずからアメーバまで、あらゆるものを燃料にできるということではありませんか? まあ、石油があればそれに越したことはないのですが」
キョン「とりあえず、思春期は性犯罪の免罪符ではないということだけ言っておこう」
古泉(あなたがそれを言いますか)
古泉「ええ、心得ておきましょう」
古泉「ああ…、これといって特徴のない普通の映像ですよ」
キョン「なんだ、そうなのか」
古泉「ただ、お風呂に入ってたり着替えをしたり、時たま布団の中でもぞもぞしていらっしゃるのが映ってるぐらいで」
キョン「それのどこが普通なんだ」
古泉「そういわれると思いましたが、考えてもみてくださいよ」
キョン「考えてみてやろう」
古泉「いいですか、僕はつまり、涼宮さんのそういう姿を見て、そういうことをしているわけです」
キョン「ふむ、お前の話だとそうなるな」
古泉「これがもし普通の、例えばそうですね、単なるホームビデオのような映像を見て僕が日本の電力供給の一部を担っていたとしたら、あなたはどうおもいますか?」
キョン「……」
ポワンポワンポワンポワン
~~~~~~~~~
ハルヒ『おかーさん! おかーさん!』
古泉「んっふ、僕がお母さんになりましょうか?」シコシコ
ハルヒ母『どうしたの、ハルヒ?』
ハルヒ『お腹すいた! ご飯はまだなの?』
古泉「んっふ、ご飯よりもっといいものを口にさせてあげましょうか?」シコシコ
ハルヒ『お母さん、このおさかな美味しいわね! おかわり!』
古泉「お、おかわりですか……。いけますよ。まずはい、一回目……ふんもっふ!!」ピュッ!
「セカンドレイド!!」ピュピュッ!
~~~~~~~~~
ポワンポワンポワンポワン
キョン「……俺が間違っていたよ、古泉」
古泉「でしょう?」
キョン「ああ。逆に変態度が増すぜ…」
「しかしなあ、そんな映像を撮影するなんてなあ。褒められたもんじゃないよなー」チラッ
古泉「……映像をご所望ですか?」
キョン「朝比奈さんか森さん、はたまた鶴屋さんのはないのか?」
古泉「これはこれは」
「……って、あるわけないでしょう!」
古泉「ありませんよ。我々の目的はあくまでも涼宮さんを監視して有事の際に備えることですから」
キョン「ハルヒのかあ……。うーん、再生数稼ぎぐらいにはなるか。そうだな。うん。くれ」
古泉「ちょちょちょちょ」
古泉「ダメですよ。あなた流出させるつもりでしょう」
キョン「ダメなのか。YouTuberになりたかったんだが…」
古泉「ダメです。ご自分のお力で面白い動画を撮ってください」
キョン「くそっ、それができないからお前に頼んでるんじゃないか」
古泉「世界崩壊とか以前にあなた捕まりますよ?」
キョン「今なら少年法ですむだろ」
古泉「ダメです。あなたがそんなしょっぱい理由でしょっ引かれたら涼宮さんがどう思われるか…。ああ、考えただけでも恐ろしい」ブルッ
キョン「ああ、まあな」
古泉「理由を伺っても?」
キョン「そうだな……。少し長くなるがいいか?」
古泉「どうぞ」
キョン「まず朝比奈さんはあれだな、いまさら言うのもあれだが、胸だな。うん。まあ、胸だけではなく、これまた言うまでもないが、顔も素晴らしいよな。あれほどの口リフェイスにあり得ないほどのロケットお○ぱい…。いや、あれはロケットなんてもんじゃないな。ロケットは平和利用のためのものを指すからな。あれはミサイルだ。軍事利用に最適だ。もはや兵器と言っても過言ではない。今はやりのテポドンとでも言うべきか。しかし、朝比奈さんの真骨頂は、乳でも顔でもないと思うのは俺だけだろうか? 夏休みのバイトで汗に濡れて着ぐるみから出てきた朝比奈さんを覚えているか? あの姿はまさしく女神だと思ったね。そう、朝比奈さんは汗をかいてこそ輝くのさ。そう思わんか? つまりだな、こういうことだ。もともとの朝比奈さんをベジータ、乳を悟空としよう。そこに汗が加わるとどうなる? そう、ベジットだ。俺たちは最強のサイヤ人を相手にしてたんだよ。しかし、どういうわけか朝比奈さんは夏場にメイド服を着ていても汗はかかないみたいだ。くそっ! どういうトリックを使ってやがるのか知らんが、それが真実なんだよ、古泉。だから、何としてでもこのカエルの着ぐるみの中に彼女を入れるべきだと俺は断固主張するね。そしてそのあと、汗が最もしみ込んだ場所…。そう、脇だ。つまるところ、お○ぱいを左手に臨みながら、脇にむしゃぶりつくのさ。こりゃたまらんと思うね。枕草子風に言うと、『みくるは乳。星のほくろはさらなり、脇もなほ、汗粒の多く流れちがひたる。また、ただ一粒二粒など、ほのかにうち流れてかほるもをかし。母乳など降るもをかし。』といった具合か。朝比奈さんについて語るところはこのくらいにしとこう。なんせ学園のマドンナだからな、朝比奈さんは。つぎは鶴屋さんだな。鶴屋さんのいいところは何だと思う? 八重歯? それももちろん捨てがたいな。おでこ? いいじゃないか、最高だ。しかしな、鶴屋さんの良さは、それだけじゃないと思うんだよ俺は。もちろん、彼女の容姿が抜群で、他の追随を許さないのは俺も異論がない。国木田が彼女のために進学先を北高に変えたのもうなづける話だと思う。しかし、しかしだな。そんなものだけでは説明できない魅力…。つまり、ダークマターが彼女には存在するんだよ。目に見えないダークマターをどうやって観測したかって? そりゃお前、あれさ。どういう要素でこのユムシがK2に、あるいはエベレストに、はたまたキリマンジャロになるのかを羅列し、対照実験を繰り返せば解はある程度導かれるさ。いいか、一度しか言わないからよく聞け、彼女の真の魅力、それは…、金なんだよ。金がどうしたって顔してるな。確かに、青函トンネルを開通させるのには、金なんてかからん。自治体と国からの支援だけで上等だ。世の中はそういう風にして動いているんだからな。しかし、考えてもみろ。それらに余りある付加価値をつけられるのは一体何だ? 才色兼備のお嬢様に俺のホモサピエンスをSuper Driverできるとしたらどうなる? もう、一生止マレ!なんて思わないような冒険ができると思わんか? でしょでしょ? 札束で叩かれてユムシがマムシになるような経験をしてこそ、非常にユカイなことが起こるのさ。つまりだな、俺の言いたかったことを要約すると、『鶴屋家お嬢の金の声、諸行無常の響きあり。異常膨張のマラの色、キョンの赤玉の理をあらはす。あばれるモノも久しからず、ただ真夏の夜の淫夢のごとし。挿れられしものもつひには果てぬ、ひとへに金の前の国木田に同じ』ということだな。まあ、長々と話しちまったが、つまるところ何が言いたいかっつうと、俺は汗まみれの口リ巨乳朝比奈さんの脇に顔をうずめながらプロレスごっこをしたいし、海老ぞりになった鶴屋さんに札束や金塊で頭を殴られて死んじまう人生もいいかなって思っちまってるっつーこった」
こいずみ「」
古泉(このままでは、いけない)
古泉「へ、変な気分と言いますと…?」
キョン「ここを発電所にしちまってもいいってことだ」
「幸い、ここにはカエルの着ぐるみもあるし、なんならメイド服もあるしな…」
古泉「い、いけません! それは……」
キョン「古泉」
古泉「は、はい?」
キョン「ちょっと、着ぐるみ着るだけだから。な? 今日は帰ってくれ」
古泉「え、ええ。わかりました」
その後僕は幾度にもわたって彼がこちらの世界に帰ってくるよう説得を続けましたが、彼からはくぐもった声以外の返事が返ってくることはありませんでした。
仕方なく、僕は部室に鍵をかけ、そのまま家路へとつきました。
その夜に見た涼宮さんの秘蔵ビデオは、これまでになく最高なものでした。
僕は自らのスタッフを180℃に熱した油の中に入れながら、無事その日の発電ノルマをこなしたと記憶しています。
その後、涼宮さんの生理に伴う閉鎖空間に関する論文を少し書き進めたのち、ほどなくして眠りにつきました。
そして次の日、嫌な胸騒ぎを感じながら朝一で部室に足を運ぶと、しかめっ面をした涼宮さんと鉢合わせました。なんだか嫌な予感がするの、と彼女は語っていました。
彼女が合鍵を使って部室の部屋を開けたとき、そこにはもう人間は一人もいませんでした―――そう、生きた人間は、一人も。
カエルの着ぐるみの股ぐら部分を真っ赤と真っ白の歌合戦カラーに染めた犯人であろうと推測されるソレは、恍惚の表情を浮かべてパイプ椅子に腰かけていました。
その姿はさながら、敦盛を踊り切った直後の信長公のようにも、映ったのです。少なくとも、僕の目には、ね。
完
東海道新幹線トンネル多杉
見計らって書き込もうと思うと連投規制かかるし、半分心おられながら投下しました。
皆さんも、色々とほどほどにしておきましょう。それでは。
元スレ
古泉「お話しませんか?」 キョン「なんだ改まって」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495353392/
古泉「お話しませんか?」 キョン「なんだ改まって」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495353392/
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コメント一覧 (19)
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- 2017年05月21日 19:57
- ハルヒSSブーム再燃
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- 2017年05月21日 20:26
- 何でここにきてハルヒが再燃してるんだろうな
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- 2017年05月21日 20:27
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- 2017年05月21日 21:32
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もっと増えてくれ
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- 2017年05月21日 21:35
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- 2017年05月21日 21:45
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- 2017年05月21日 22:32
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- 2017年05月21日 23:16
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- 2017年05月21日 23:46
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- 2017年05月22日 00:02
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自分におもった
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- 2017年05月22日 03:18
- 朝倉を~
朝倉のSSを~
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- なんか意味不明に淫夢入ってて草
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- 2017年05月22日 08:46
- ハルヒSS増えてて嬉しい。
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- 2017年05月22日 13:39
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- 2017年05月22日 23:42
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そうか、もう11年か……
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- 2017年05月27日 07:31
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- 2017年06月04日 21:08
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