【ガヴドロ】サターニャ「五億円 VS 手のひらから唐揚げを無限に射出できる能力?」
- 2017年05月20日 12:10
- SS、ガヴリールドロップアウト
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サターニャ「ん?五億円 VS 手のひらから唐揚げを無限に射出できる能力(インフィニットフライドチキンシュータータカシ)?」
サターニャ「後者はいつでもどこでも揚げたての美味しい唐揚げを射出できる……速度は最大でマッハ5まで可……ただし名前がたかしになる」
サターニャ「何よこれどう考えても五億円のほうがいいに決まってるじゃない。……ん?」
サターニャ「今ならサービス期間中で左手からメロンパンを射出可能!?ならフライドチキンシュータータカシに決まってるじゃない!!」
サターニャ「なーっはっはっはっ!!」カタカタ
承った
たかし「……え?何今の声。まあいいや……ちょっとコンビニ行こ」
ガヴリール「お、たかし」
たかし「ガヴリール!ん……?たかし?って?」
ガヴリール「は?お前自分の名前忘れたのかよ」
たかし「は……?いや私の名前は胡桃沢……あ、れ……?」
ガヴリール「たかしだろ?
たかし(うそ……名前がでてこない……まさか……まさか……!!!)
たかし「……はぁッ!!」
ポンッ
ガヴリール「手から唐揚げとメロンパンが!?」
たかし「やっぱり!!」
ガヴリール「おいどんな手品だよ!」
たかし「ガヴリール……私……唐揚げとメロンパンを射出する能力に目覚めたのよ!!」
ガヴリール「信じられん……」
たかし「でも実際でるのよ」ポンッポンッポンッ
ガヴリール「あつっあつつつっ!唐揚げぶつけるのやめろ!」
たかし「それに私女なのにたかしって名前はおかしいでしょ。しかも悪魔なのに胡桃沢=たかし=マクドウェルって」
ガヴリール「確かに……しっかしうまいなこの唐揚げ……」モグモグ
たかし「でしょ!?」
たかし「タダで……いや、今の私は気分がいいわ!いくらでも食べさせてあげる!!」ポポポポポポポポポ
ガヴリール「おいおいおいこんなに食えねぇぞ」モグモグ
たかし「そういえば……あのスレに最大でマッハ5で射出できるって書いてあったけど」
ガヴリール「マッハ!?」
たかし「それってどのくらいなのかしら」スッ
ガヴリール「馬鹿やめろ!」
ドォォォオンッ
たかし「……え」
ガヴリール「マッハ5っていうのは音速の5倍と考えていい……音速の5倍で放たれる唐揚げがもつエネルギーを考えてみろ!!」
たかし「あ……あ……」
ガヴリール「幸い人に当たらなかったものの……もし人に当たれば即死だぞ!」
たかし「わ、私……とんでもない力を……」
たかし「私……私……」フルフル
ガヴリール「お前の力は無限に唐揚げとメロンパンを生み出す素晴らしい力だ」
たかし「でも……」
ガヴリール「とんでもない力で放った時だけだろ?あんなことになるのは」
たかし「でも……」
ガヴリール「考えてみろ。私達の天使や悪魔の力だって誰かを殺せるほどの力がある」
ガヴリール「私なんてラッパを吹けば人類滅ぼせるんだぞ?」
ガヴリール「ま、要は力っていうのは使い物だ。その辺を走ってる車だって人間達に多大な恩恵を与えたが……」
ガヴリール「その一方で人身事故などで多くの命を奪っている」
ガヴリール「でも……車はこの世界に広く普及している。人の命を奪う危険性を有しながらもその価値が評価されたからだ」
ガヴリール「お前の力も……危険かもしれない。だが……私はお前の力はとても素晴らしいものだと思う」
たかし「ガヴリール……」
ガヴリール「だって……この唐揚げにメロンパン……食べたら思わず笑顔になるくらい美味しいんだぞ」ニコッ
ガヴリール「礼するくらいなら……明日唐揚げ弁当とメロンパンを作ってくれ」
たかし「ふふ、そうね。そうさせてもらうわ」
ガヴリール「じゃあそろそろ帰るか。また明日……楽しみにしてるぞ」
たかし「ええ!」
…………
……
ヴィーネ「んーっお昼かー!」
ガヴリール「よし、弁当にしよう。たかし!」
たかし「フフフ……今日のお弁当は自信作よ!」
ヴィーネ「なっなにこの重箱……!」
たかし「フフフ……見なさい!」
パカッ
ガヴリール「おおお……美味そうな唐揚げにメロンパンだ……!!」
ヴィーネ「いいにおい……!」
ガヴリール「はむっ……んんんっ!これは美味いぞ……!」
ヴィーネ「さくさくした衣の音がここまで聞こえる……まるで作りたてみたい……」
たかし「ヴィネットもよかったら食べなさい」
ヴィーネ「え、い、いいの?」
たかし「もちろんよ。この子達も食べられたがってるわ!」
唐揚げ「タベテー」
メロンパン「タベテー」
ハムッ
ヴィーネ「んんんっ!!なにこれすごいっ!お店開ける……いやもうそんなレベルじゃないわ!!」
ハフッハフハフ!
ヴィーネ「いくらでも食べられちゃう!!」
たかし「ふふ……ん?」
ラフィエル「じぃ……」チラリ
ラフィエル「いえ……たかしさんの楽しそうな会話が聞こえて……」チラ
ラフィエル「それにしても……美味しそうですね……!」
たかし「あらぁ……食べたいの?」
ラフィエル「……ゴクリ」
たかし「今はとても気分がいいの……アンタの分も用意してあげるわ!」ポポポポポポンッ
「「「「手から唐揚げが!!!」」」」「しかもメロンパンまで添えられている!」
たかし「ええ……どうぞ召し上がれ」
ラフィエル「で、では頂きます……」ゴクリンコ
サクッ!!!!!
ラフィエル「んんんんんっ!?」
ラフィエル「なんですかこれっ……まさに理想の唐揚げっ……舌がやけどしない程度にホカホカでっ……」
ラフィエル「それでいて衣の感触が心地いいっ……でも中の鶏肉は舌で押しつぶせるほどに柔らかく肉汁に満ちているっ……」
ラフィエル「無から創造された唐揚げっ……理想の唐揚げ……!!」
ラフィエル「神唐揚げ―――――!!!」
ハフッハフハフ!!!
ガヴリール「ラフィエルのあんな顔……初めてみたぞ」
ヴィーネ「ラフィってあんな表情するのね……」
上野「神唐揚げかー……食べてみたいねー」
田中「匂いだけでわかる……あれ、絶対美味しい!!」
たかし「委員長!」
まち子「なっなに!?胡桃沢さん」
サターニャ「食べたいなら……食べてもいいのよ!」ポンッ
まち子「むぐっ!?」
サクゥゥゥゥッ!!!
たかし「あなた達もっ!」ポポンッ
上野「んむっ!」
田中「はむぅっ!」
上野「んーっ!すごいよこれー!!」
田中「わ、私の揚げ物よりずっと美味しいだとぅ……!?」
「あの料理部が認めた味……」「ゴクリンコ……」
ヴィーネ「そうね……」
ラフィエル「無理も無いですよこの美味しさは」
たかし「なーっはっはっはっ!!!」
たかし「構わないわ!唐揚げもメロンパンも無限にでてくるんだから!」
たかし「さあみんなも喰らいなさい!」
ポポポポポポポポポポポポポポポポポンッ!!
「うっま……」
「至福ぅ~……」
「Delicioso!!」
たかし「なーっはっはっはっ!!!」
「あれって1Bの胡桃沢さんよね……?」
「手から唐揚げが……」
「すごく美味しそう……」
ガヴリール「他のクラスの連中もやってきたぞ」
たかし「むしろここの生徒……いや先生も含めて全員虜にしてあげる!」
たかし「さあ!召し上がれ!!」
ポポポポポポポポポポポポポポポポポンッ
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「インフィニットフライドチキンシュータータカシ!」
「IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!」
「幸せ……」
「もう死んでもいい……」
たかし「あら?デザートにメロンパンはいかが?」
まち子「流石にこれからメロンパンはきついかも……」
たかし「そういわずに……」ポンッ
まち子「むぐっ……んんんっ!?お、おいしい!!!」
ガヴリール「なるほど……」
ヴィーネ「甘いものは別腹……」
ラフィエル「あまりの美味しさに胃袋が道を開けましたね……!!」
たかし「ほら、まだまだ食べていいのよ!」
パァンッ!
まち子「はむぅっ!!」
まち子にパァンパン まち子にパンパンパァン
まち子にパァンパン まち子にパンパンパァン
まち子「んんん~LUCKY!」
まち子にパァンパン まち子にパンパンパァン
まち子にパァンパン まち子にパンパンパァン
まち子「お茶水ジュースはいらないわ!」
まち子「ROCK YOU!」
まち子にパァンパン まち子にパンパンパァン
まち子に……
SHINAGIRE
まち子「そんな……」
まち子「……」
whale watching time
whale watching time
ザパーンッ
パァンパァンパァンパァン
パァンパァンパァンパァン
ガトリングパン!
まち子「!!」
まち子にパンパンパンガトリングパン!
まち子にパンパンパンガトリングパン!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!IFST!」
ガヴリール「すごいな……たかし」
ヴィーネ「もう街中で噂になってるじゃない」
ラフィエル「でも噂になるに値するほどの味ですからね」
たかし「ふふふ当然よ」
「あ!IFSTさん!もしよかったら唐揚げをお恵みいただけないでしょうか!?」
たかし「ええ、いいわよ」
???「ちょっと待って下さい」
よしお「私にまかせてもらえませんか?胡桃沢先輩」
たかし「あ、あんたはよし……え?」
たかし(おかしい……こいつの名前は……よしお……?千咲=よしお=シュガーベル……!?)
たかし(この違和感……まさか――――――――!)
よしお「降臨せよ――――――オールドファッション!!」
シュゥゥゥウウウンッ!!!!
「空からドーナツが!!」
ガヴリール「なっ……」
ヴィーネ「千咲ちゃん……!?」
ラフィエル「よしちゃん……!!」
たかし「どういうことよ……なんで……その力が……!!」
よしお「私も……先輩と同じような力を得たんです。空から様々な種類のドーナツを無限に降臨させる能力……」
よしお「インフィニットドーナツディセンターヨシオ!!!!!!」
「IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!IDDY!」
「IDDY?」「なんだなんだ?」「いま空からドーナツが降らなかったか?」
よしお「胡桃沢先輩……私と勝負しませんか」
たかし「勝負……ですって?」
よしお「あの時……確かに私はあなたに負けました」
よしお「ですが……私は昔の私とは比べ物にならないほど成長しました」
よしお「あなたがこの街の住人を虜にしたその味を……私のドーナツが上回っていることを証明してみせます」
たかし「……ええ。いいわ。勝負しましょう……よしお、いえ……インフィニットドーナツディセンターヨシオ!!!!」
たかし「ゴーシュートッ!」
よしお「ディセントォッ!!」
ガヴリール「いったいどうなるんだ……」ゴクリンコ
第一部 完!!!!
第二部……開幕!!!!!
「はむっ!!なにこのドーナツ!おーいしー!」
ポンッポンポンポンッ!
シュィィイン!ギュインギュインギュインッ!!
たかし「やるわね……!」
よしお「あなたこそ!」
ガヴリール「すげえ……よしおの奴たかしの唐揚げに負けてないぞ……」
よしお「所詮パターンは二種類だけ!私は……」
よしお「ディセント!!ブルックリン……メリーゴーランドッ!!」
たかし「なっ……!」
よしお「私はドーナツと称されるものは全て降臨させることができます……!」
「すげえ!ミスドでみたあれだ!」「でも比べ物にならないほど美味しいぞ!」
よしお「ふふ……唐揚げとメロンパンという限定されたジャンル……その二刀流で私のゲートオブドーナツに勝てますか!?」
ギュインギュインギュインッッ!!!!
「あーエンゼルフレンチ!私これ好き!!」
「チョコファッションだー!」
たかし「そんな……み、みんな!甘いものが食べたいの!?め、メロンパンがあるわ!」
「メロンパンかー今はドーナツのほうが食べたいかなー」
「正直ドーナツのほうが好き!」
たかし「そ、そんな……」
たかし「う、うう……!」
ガヴリール「たかし……っ!」
ヴィーネ「たかし……」
ラフィエル「たかしさん……!!」
よしお「どうですか……あなたの虜になっていた街の人々は……今や私のドーナツに夢中です」
よしお「さあ……仕上げといきましょう……雨のようにドーナツを降らせてあげます……!」
ガヴリール「たかし……?」
たかし「私ね……この力で最強になっていたつもりだった……」
たかし「いつの間にか……みんなを笑顔にさせる喜びを忘れて……させている事実に酔いしれてしまっていたの……」
たかし「みんなが私の手のひらで踊っている……私が手をかざせば人々が私によりすがるっ……こんな私にっ……」ポロポロ
ガヴリール「たかし……」
下野紘「それに気づくことができたのなら……上出来だ」
たかし「誰!?」
下野紘「僕は通りすがりのベストカラアゲニストだよ」
ガヴリール「聞いたことがある……声優に唐揚げが大好き過ぎる人間がいるって!!」
たかし「そ、そんなすごい人なの……!?」
下野紘「君の唐揚げ、食べさせてもらえるかな」
たかし「え、ええ」
ポンッ
下野紘「うん……美味しい。でも……まだ気の迷いがあるね」
たかし「……!」
下野紘「君の唐揚げは必ず答えてくれる」
たかし「つよい……意志……」
下野紘「君はなぜ唐揚げを作るんだい?」
たかし「そんなの……決まってるじゃない!」
たかし「私の唐揚げで……人々の心を繋いで……世界を一つにする……」
たかし「世界に平和をもたらすためよ!!」
下野紘「カラアゲウッドストック……か。じゃあ僕から一つ、アドバイスをあげよう」
下野紘「唐揚げはなにも……鶏肉だけじゃないんだよ」
ガヴリール「き、消えた……!?」
ヴィーネ「た、確かに今消えたわよね……!?」
ラフィエル「まるで神足通のよう……ひょっとして唐揚げの仙人……!?」
たかし「なるほど……わかったわ。よしお!!」
よしお「フフ。お時間いただきましたありがとうございます」
よしお「もうドーナツの雨雲は完成間近……この町をドーナツで埋め尽くし……全ての人間を私のドーナツの虜にしちゃいます」
たかし「あんたは……間違っているわ!!この力の使い方を!!」
よしお「あはははっ!その考え……人格が悪魔に支配されてますねえ!」
よしお「あなたも……私のドーナツに屈するのです……!!」
よしお「ディセント……!ゲリラドーナッツ……!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ガヴリール「な、なんだあの茶色い雨雲は……」
ヴィーネ「まさか……アレ全部ドーナッツの素……!?」
ラフィエル「よしちゃん……っ!!」
「IDDY……IDDY……IDDY……IDDY……IDDY……IDDY……」
たかし「そんなこと……させない……!!」
ガヴリール「たかし!?何をするつもりだ!?」
たかし「あの雨雲を蹴散らすわ……」
ガヴリール「どうやって!!」
たかし「忘れたの?私の唐揚げはマッハ5で放つことができる……!」
たかし「でも……届けるのよ。そうじゃなきゃ……あのドーナツたちが可哀想だわ……!!}
ヴィーネ「たかし……!」
ラフィエル「たかしさん……!!」
たかし「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
その思い……しかと受け止めた
たかし「この声……!ふふ、いくわよ!よしお……刮目しなさい!!」
たかし「これが……私達のあるべき姿よ!!」
キィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!
ガヴリール「な、なんだこのエネルギーッ!!」
ラフィエル「な……マッハ5……?そんなものじゃ効かないですよ……!!」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
よしお「わ、私のゲリラドーナツが……!!!蹴散らされた…‥!!?」
ヴィーネ「何が起こったの……!?」
ガヴリール「マッハ20!?」
よしお「くっ……し、しかしゲリラドーナツはあくまで手っ取り早く人間たちを虜にするためのもの」
よしお「この状況をマッハ20の唐揚げで打破できるとでも!?」
たかし「目を覚ましなさい……よしお」
ふわふわ…… ふわふわ……
よしお「これは……雪……いや、ちがう……?」
たかし「唐揚げの定義……」
たかし「唐揚げとは……揚げ油を使用した調理方法、またその調理された料理を指すわ」
たかし「食材に小麦粉及び片栗粉を薄くまぶして油であげたもの……」
たかし「一般的に唐揚げといえば鶏肉を想像すると思うけど……豚肉も、魚も、野菜の唐揚げも存在する」
ガヴリール「天に放たれた唐揚げが……優しさに包まれて降ってきた……カラアゲスノウか」
ヴィーネ「あっ!これ白身魚の唐揚げ!おいしいっ!」サクッ
ラフィエル「これじゃがいもの唐揚げですよ~!ほくほくでおいしいですっ!」ホクホクッ
「へー豚肉の唐揚げかー豚も結構いけるもんなんだな」
「これってナス!?へー結構いいわね!」
「唐揚げっていろいろあるんだね!」
よしお「馬鹿な……!?」
たかし「あなたも……食べてみなさい」
よしお「あ、あなたの唐揚げはもう食べました……ですが」
たかし「今できた唐揚げをたべなさい」
よしお「……」
パクッ
よしお「……っ!」
ゴクンッ
たかし「……もう一個、食べる?」
よしお「……はい」ポロポロ
たかし「そんなに焦らなくてもいいわ。唐揚げは逃げないから」
よしお「美味しいですっ……すごくっ……おいしいですぅ……」ポロポロ
たかし「これが……あなたのドーナツに欠けていたものよ」
たかし「この子達の気持ちを考えてあげなさい」スッ
よしお「私のドーナツ……」
ドーナツ「クゥーン……」ウルウル
よしお「ごめんねっ……ごめんね……」ギュッ
たかし「ねえ、あなたのドーナツ……食べさせてもらえる?」
よしお「……はいっ!」
よしお「ディセント……っ!」
ポゥ...
たかし「ふふ……チュロス、ね。私の髪とお揃い……」
よしお「えへへ……」
たかし「うん……おいしいっ」ニコッ
よしお「そういっていただけてなによりですっ♪」
ヴィーネ「そうねっ」
ラフィエル「争いなんて必要ありません……美味しいものを食べたときの気持ちはみんな一緒……」
ラフィエル「心が一つになれば……みな同じ気持ちを分かち合えば……世界は優しさに包まれます」
ガヴリール「これが……カラアゲウッドストックか……はむっ」
ガヴリール「ん……やっぱりうまいな……たかしの唐揚げは」ニコッ
…………
……
たかし「この力は……私達だけのもののはず……どうしてっ……どうして……!!」
???「ふふふ……私もこの力を手に入れたからですよ」
???「サターニャさん」
たかし「サターニャ……?そ、それは……」
ラフィエル「あなたの……真名ですよ」
サターニャ「あ……!?わ、私の名前……たかしじゃないっ……サタニキアっ……!!!」
サターニャ「あ……唐揚げがっ……でない……なんで……!!!」
ラフィエル「ここはあなたの居場所ではありません――」
サターニャ「なんで―――――――――!!!!」
第二部 完!!!!!!!
第三部……最終章……ついに……開幕!!!!!!
たかし「はい……召し上がれ」
ポンッ
「おお……ありがたやありがたや……」
「うえーん!!」
よしお「どうしたんですか?」
「おなかすいてうごけないー!!」
よしお「それは大変ですね……もしよかったら……」
ポゥ……
「あ!空からドーナツが降ってきたー!」
よしお「そうですね……この前みたいなのとは違う……」
たかし「笑顔は無理やり作るものじゃない……」
よしお「……ですね」
ラフィエル「たかしさーん!よしちゃーん!」トテテテ
たかし「ラフィエル!」
ラフィエル「はいっ!」
たかし(私はあの一件の後……この街の平和を守るための活動をしている)
たかし(悪を懲らしめ食を以って更生させる……)
たかし(インフィニットフライドチキンシュータータカシとして)
たかし(危険な仕事だからといったけど……よしおも協力してくれている)
たかし(インフィニットドーナツディセンターヨシオとして)
「動くんじゃねえ!この人質がどうなってもいいのかぁ!!」
「ままぁ……ぱぱぁ……!!」
たかし「人間め……悪魔でもあんなひどいことしないわよ……」
よしお「助けに行きましょう。私が気を引きます。その隙に……」
たかし「オッケー」
よしお「ディセント……Dポップ!」
ゴロゴロゴロッ
「な、なんだ!?これは……Dポップ!?」
「金色の髪にライムグリーンの花飾り……そして夏なのに靡くブルーのマフラー……!!」
「間違いない!!インフィニットドーナツディセンターヨシオだァ!!!」
「ドーナツの天使様がやってきてくださった……ありがたやぁ……」
「ざっけんじゃねえぞ!!ドーナツ如きで……まずはお前から――――」チャキッ
……
たかし「チェックメイトよ」
たかし「カラアゲライフル……狙いは……口」
シュンッ
「なんだこのカラアゲ……これは……これはぁ……」
「確保ォー!!!!!!」
「ままっパパー!!」
「今のカラアゲ……まさか……」
「インフィニットフライドチキンシュータータカシ!?」
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「また救ってもらっただぁ……」
ラフィエル「一件落着……ですね」
ガヴリール「すごいじゃんか。銀行強盗を捕まえるなんて」
たかし「いやーそれほどでも」
ヴィーネ「ふふ、流石街のヒーロー、IFSTね♪」
たかし「私は……みんなの笑顔のためにやってるだけよ」
ラフィエル「まったく悪魔とは思えませんね♪」
たかし「私はね……ラフメイカーなんだから」
ヴィーネ「ふふ、優しいんだから」
ヴィーネ「ちょっと、まだ学校始まったばかりじゃない」
ガヴリール「朝ごはん食べてないんだよ」
たかし「それは可哀想ね」
ヴィーネ「夜遅くまで起きて遅刻ギリギリになったからでしょ」
たかし「もう、特別よ?はいっ」ポンッ
ガヴリール「んまっ……んまんま」ニコッ
ヴィーネ「もうっ!甘やかしすぎよっ!」
たかし「ふふ、だって私……悪魔だもの♪」
グラサン「HR始めるから席につけ」
ガヴリール「さてと……今日も一日がんばりますかね」
ヴィーネ「もう……」
たかし「ま、お説教はあとでね」
グラサン「さっさと席につけ胡桃沢……」
たかし「あ。はい……」
ラフィエル(今や知らない人なんて誰もいません)
ラフィエル(ネットでも話題で……警察から感謝状をいくつも貰っていて)
ラフィエル(ノーベル平和賞受賞候補にまでなっているなんていう噂まで)
ラフィエル(本当にすごいです……)
ラフィエル(私は天使なのに……お二人のような活躍なんてできてません……)
ラフィエル(それどころか……たかしさんをからかってばかりの毎日……)
ラフィエル(自分の私利私欲のためだけに……)
ラフィエル(外面をよくするために人々のために活動しているように見せかけているだけ)
ラフィエル(それは結局自身を動きやすくするための手段の一つに過ぎない……)
ラフィエル(私は……天使失格なのかもしれませんね……)
キーンコーンカーンコーン
ラフィエル「……あ、れ?もうお昼休み……一日があっという間に過ぎていきますね……」
ガヴリール「お、ラフィ」
ヴィーネ「あ、今から学食いこうと思ってたんだどどう?」
ラフィエル「もちろんご一緒させていただきますね」
たかし「よーしさあ、ついてきなさい!」
ガヴリール「で、どうなんだ?インフィニッターズの助手としてうまくやれてるか?」
ラフィエル「ええ。まだまだ改善点はありますが……」
たかし「なにしてるのよ!さっさといくわよー!」
「おばちゃん!カラアゲ定食ちょうだい!」
「あいよー」
「俺も!」「私も!」「拙者も!」「某も!」「余も!」「朕も!」「Me too!」「with B!」
「あららぁ困ったねぇ……もう唐揚げが……」
「なんだとぉ!?唐揚げがねえだとぉ!?」
「IFST様のいるこの街で唐揚げを切らすとはぁ……不届き千万!」
「どうする?やっちゃいますか!?先輩!」
「ひぃ……ご、ごめんなさいねぇ……!でもないものは……」
「インフィニットフライドチキンシュータータカシ!!!!!!!!!!!!」
たかし「唐揚げなら……ここにあるわ!!」
ポンポンポンポンポンポンッ
たかし「ただし……ちゃんと食券は購入するのよ!」
「Yeah!!!!!!!!!!」
ヴィーネ「すごい……暴動を抑えた……」
ガヴリール「さすが、IFSTだな」
ラフィエル(本当に……すごいです)
ラフィエル(三大欲求のうちの一つ、食欲……それを司る彼女たちは人々を笑顔にするラフメイカー)
ラフィエル(私は……天使としてのあり方を忘れ……退屈しのぎで時間を浪費する毎日を送っている……)
ラフィエル(インフィニッターズの助手になったのも……彼女たちを助けたいからではない)
ラフィエル(彼女たちの近くにいるだけで……私は彼女たちに貢献できると思っているに過ぎない)
ラフィエル(人々のためではない……結局のところ……私は自分のためにしか動いていない)
ラフィエル(私に……もっと力があれば……)
たかし「ラフィエル?どうしたの?」
ラフィエル「はっ!?な、なんでもないですよ!」
ラフィエル「たかしさん」
たかし「仕事ね。いってくるわ!」
ガヴリール「おう、頑張れ。私はネトゲの中で応援している」
ヴィーネ「なによそれ!」
たかし「それで場所は!」
ラフィエル「大通りの方です。今よしちゃんが食い止めてます」
たかし「了解!」
「おうおうおう嬢ちゃん……俺達は急に飛び出してきたそいつに落とし前をつけさせようとしてるだけだぜ」
よしお「それでも……こんな脅しのようなやり方は見過ごせません!」
「強気な子だねぇ」「へへ……よく見たら結構可愛いじゃん」「オヤビン!やっちゃいましょうゼィ!」
「ガハハハまあ慌てなさんな。じっくり楽しもうじゃあないか……」
シュンッシュンシュンッ!!
「ごぼっ!?」「がばばばっ!?」「なんだ!?空から急に唐揚げが!?」
「これは……インフィニットフライドチキンシュータータカシか!?」
たかし「いかにも!!」
よしお「胡桃沢先輩!」
たかし「さあ……ここからは私が相手よ」
「なんだこの唐揚げ……うまぁ……」「おふくろのあじだぁ……」
「ひ、怯むんじゃねえ!」「ギャハ!こいつも上玉じゃないっすかぁ!」「オヤビン!」
たかし「無駄な抵抗はやめなさい」
たかし「あんた達に欲がある限り……私の唐揚げには勝てない」
ポポポポンッ
「許してくれとはいわねえ……だが……やり直させてくれやしねえかぁ……」ポロポロ
たかし「当たり前じゃない……」
よしお「あとは警察に任せましょう」
たかし「そうね」
「ありがとうございました……!!」
たかし「礼はいいわ」
よしお「でもあなたの飛び出しが原因ですからね。ちゃんと責任は取るんですよ!」
「は、はいっ!!」
ラフィエル「怖い人たち相手でも怯まず立ち向かう……本当にヒーローのよう」
ラフィエル「私にも……あの力があれば……って天使がなにを……」
ラフィエル「そうですよ……私にはもともと天使の力があるじゃないですか」
ラフィエル「……」
ラフィエル「あぁ……頭が痛い……」
力が……欲しいか―――――
ラフィエル「え……?今の声は……?」
たかし「ええ。天界の平和は……任せたわよ」
よしお「ふふ、天界はいつも平和ですよ」
よしお「まあ、しいて言えば……ドーナツ屋さんのお手伝いくらいでしょうか♪」
たかし「なるほど、ね」
たかし「いつでも遊びにきていいからね……よしお」
よしお「もちろんです!必ずまた来ます!白羽先輩も!」
ラフィエル「え、ああ……また」
ラフィエル「……」カタカタ
ラフィエル「インターネット掲示板でもインフィニッターズの話題が」
ラフィエル「すごい人気ですね……」カタカタ
ならば……力を授けよう――――
ラフィエル「……ん、このスレは……?」
ラフィエル「五億円 VS 指先からあらゆる飲み物を放出する能力(インフィニットファウンテンオブドリンクラフィエル)?」
カチッ
ラフィエル「これ……もしかして……」
望め
ラフィエル「これは……たかしさんやよしちゃんと同じ……!」
力を……!!
ラフィエル「これで……私も……英雄に……っ!!!」
望め―――――!!!
ッターン
……
ガヴリール「おいたかし!」
たかし「どうしたの?」
ガヴリール「Twitterなんだが……ちょっとこれを見てみろ!」
たかし「なになに……なにこれ……」
ガヴリール「わからん……だがとんでもないことが起こっているのはたしかだ」
たかし「いかなきゃ……!!」
ダッ
たかし「まさかラフィエルも洗脳されたんじゃ……!!」
タッタッタッ
たかし「ひどい……!!」
「じゅーすをくれ……」「コーラ……ポテイトにはコーラが必須なんだよ……」「カフェインはらめなのぉ……」
たかし「なんなのこれ……これじゃまるで……!!!!」
???「ふふ、あのときのよう、ですか」
たかし「この力は……私達だけのもののはず……どうしてっ……どうして……!!」
???「ふふふ……私もこの力を手に入れたからですよ」
???「サターニャさん」
たかし「サターニャ……?そ、それは……」
ラフィエル「あなたの……真名ですよ」
サターニャ「あ……!?わ、私の名前……たかしじゃないっ……サタニキアっ……!!!」
サターニャ「あ……唐揚げがっ……でない……なんで……!!!」
ラフィエル「ここはあなたの居場所ではありません――」
サターニャ「なんで―――――――――!!!!」
ラフィエル「簡単なことですよ。名前がたかしになる代わりにサターニャさんはあの力を得た」
ラフィエル「名前が元に戻れば力が失われるというものです」
サターニャ「そんな……まって……なんで私の真名を知っているの!?」
ラフィエル「ふふ……それは……私が全てを司る最強の天使様だからですよ……♪」
ラフィエル「さあ……夢の泉よ……地蟲に甘美なスイートドリームを見させて上げるのです」
プシャァァアアアアアアアアア
サターニャ「指先からよりとりみどりのジュースが!!まるでファミレスやネカフェのドリンクバーみたい!!」
「うまい……ドリンクバーの薄いジュースとは比べ物にならないうまさだぜ……」
ラフィエル「水というものは……生命にとって必要不可欠の要素」
ラフィエル「私はそれを司る……雨……ですか……」
サターニャ「あ、あんた……なんで……おかしいじゃない……」
サターニャ「なんで……なんで名前がしっくり来るのよ!?」
ラフィエル「ふふふ……偶然ですよ。本当に偶然……」
ラフィエル「私は偶然インフィニットファウンテンオブドリンクラフィエルになったんです」
ラフィエル「これは……神様が私を認めてくれたに違いありません……」
ラフィエル「能力者になり、なおかつ自分の名を冠し続ける……それがどれだけ特別なことか……わかりますかぁ?」
サターニャ「間違ってるわ……こんなの!こんなのだめよ!!」
サターニャ「私が……よしおを正したじゃないっ……あんたは目の前で見てたじゃない!!」
サターニャ「どうして!?どうしてあんたは歪んじゃったの!?」
ラフィエル「私……歪むという表現は好きじゃないんです」
ラフィエル「何か、歩むべき道がある……と。そしてそれを強いられているようで」
ラフィエル「私が歩く私の道は……私が決める私だけの道」
ラフィエル「あなたに……世間に……世界に……とやかく言われる筋合いはない……!」
ラフィエル「いいえ……なんでもありなんですよ……」
ラフィエル「絶大な力の持ち主は……どんなことをして文句を言われようと」
ラフィエル「だからどうしたと相手を退けることができるんです」
ラフィエル「このように……!」
ぎゅゥゥゥうン!!!!
サターニャ「がぼぼぼぼぼっ!?」
サターニャ(おいしい……!!なにこれっ……意識がっ……!!)
サターニャ(なんの気持ちもこもってない……!!こんなの偽りの美味しさに……惑わされちゃだめ―――!!)
ラフィエル「ふふ……サターニャさん。楽になってください」
ラフィエル「あとは……私が世界を一つにしてさしあげます」
ラフィエル「何の争いも起こらない世界に……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
サターニャ「なにあれ……ゲリラドーナッツよりもずっとすごい……!?」
ラフィエル「全ての生命の起源とも言える海でこの地上を満たして差し上げます」
ラフィエル「人の子よ……母なる海へ帰りなさい」
ラフィエル「私が……神に変わってノアの方舟を……」
ラフィエル「創世記をやり直します!!!」
サターニャ「だめ……そんなこと……だめっ……」
ダッ
ガヴリール「たかしっ!!」
サターニャ「ガヴリール……!!」
サターニャ「ヴィネットも……」
ガヴリール「犯人は……ラフィだと……!?」
サターニャ「ええ……大洪水を起こして……地上を滅ぼす気なの……!!」
ガヴリール「なんだと……?」
サターニャ「でもっ……止められないっ……私っ……私っ……たかしじゃない……!」
サターニャ「私はっ……サタニキアっ……胡桃沢=サタニキア=マクドウェルだからっ……!!」
「「!!!!!!」」
ヴィーネ「あんた……それでも天使なの!?」
ラフィエル「そうですよ。天使だからこそ……人類を間引きするんです」
ラフィエル「さあ、神の思し召しに従い……滅せよ、ヒューマン!!」
「ディセント!!ポン・デ・リング!!」
コツンッ
ラフィエル「……ああ、そういえば忘れていました。鬱陶しい蝿がもう一匹いた事を」
よしお「白羽先輩……正気に戻ってください……!!いつもの優しい白羽先輩ならこんなことしちゃいけないってわかるはずです!!」
よしお「当たり前です……勝たなきゃいけないんです……」
よしお「インフィニットドーナツディセンターヨシオとして!!!!」
ラフィエル「目を覚ましたほうがいいですよ……千咲=タプリス=シュガーベル……」
タプリス「へ……?た、たぷ……りす……?」
ラフィエル「ふふ、思い出しましたね……タプちゃん?」
グニャアアア
タプリス「そ、そんな……ディセントっ!ディセントっ!!」
ラフィエル「あら、甘いものがほしいんですか?じゃあお砂糖がたっぷりはいったミルクティーをどうぞ♪」
プシャアアアアアアア
タプリス「がぼぼぼぼぼぼっ!!!」
ヴィーネ「そんな……!!」
ガヴリール「もう……駄目なのか……こんなところで……っ……!!」
???「まだだよ」
???「ここで諦めるんですか。勿体無い」
サターニャ「あ、あんたは!」
タプリス「あなたは!?」
下野紘「君の唐揚げはその程度かい?」
山村輝治「君のドーナツも……こんなところで死ぬほどヤワなのかな」
タプリス「ミスタードーナツの……代表取締役社長……!!!」
山村輝治「千咲君……君の話は私も耳にしている」
山村輝治「君のドーナツも……食べた。若かりし頃……ドーナツに思い入れた気持ちを思い出させてもらった……」
タプリス「そんな……」
山村輝治「あれだけ美味しかったドーナツ……もう終わりなのかい?」
タプリス「う……」
山村輝治「……君はまだ終わりたくないと思っている」
タプリス「!」
山村輝治「その気持があればドーナツは必ず答えてくれる」
サターニャ「……」
下野紘「ボクも……ベストカラアゲニストとして君の唐揚げを応援する」
下野紘「君の唐揚げは……この世から消えてはならないものだ」
サターニャ「でも……」
下野紘「ボクにはわかる……君の唐揚げは消えたがっていない」
下野紘「まだ……この世界で人々を笑顔にさせたいって願っている」
サターニャ「!」
下野紘「君も……そうだろう?」
サターニャ「…‥ええ、もちろんよ。私は……私の唐揚げで世界を一つにするって決めたんだから!!」
山村輝治「その目的を見失わなければ……どんなに道をそれてしまったとしても、遠回りになったとしても」
山村輝治「必ず目的地にたどり着く。どんな困難があろうと……必ず……」
下野紘「健闘を祈るよ」
シュンッ
ガヴリール「消えた……」
ヴィーネ「やっぱりこの人達……」
サターニャ「タプリス」
タプリス「はい、胡桃沢先輩」
サターニャ「世界を……救うわよ」
タプリス「ええ、もちろん……白羽先輩も!」
ラフィエル「これから私を倒したとしても……人類は滅亡しますよ。巻き込まれないうちに天界と魔界へお逃げになっては?」
サターニャ「そんなこと……するわけないでしょ」
タプリス「ですっ」
サターニャ「インフィニッターズ!!」
タプリス「再結成です!!」
キュィイイイイイイイイイイイイイイン!!
ラフィエル「この光は……!」
その思い……しかと受け止めた!!
タプリス「インフィニットドーナツディセンタータプリス!!!」
サターニャ「さあ……あなたの罪を数えなさい!!」
シュンッ シュンシュンシュンッ
ギュィンギュィンギュイィィインッ!!!
ラフィエル「うふふ、無駄ですよ。いくら唐揚げとドーナツを打ち込んできたところで……!!」
ラフィエル「大洪水は止められません!!」
シュゥゥゥゥゥゥゥ
ラフィエル「ウォーターカッターって……ご存知ですか?」
タプリス「コーラが……ドーナツを切断した!?」
ガヴリール「オイオイオイ……」
ヴィーネ「炭酸抜きコーラ……大したものね……!!」
ラフィエル「液体は……最強の矛にして最強の盾となります」
ラフィエル「そう、私は一人にして絶対無敵の要塞……あなた達如きに……私は倒せません……」
サターニャ「マクロドライブッ!!」
ラフィエル「マッハ20の唐揚げ弾……タプちゃんのゲリラドーナツはそれで破壊できたみたいですが」
ラフィエル「単純に物量が違うんですよ。世界を覆い尽くす量の水……」
ラフィエル「唐揚げ程度の質量がマッハ20に加速したところで……どうにかできるものじゃないんですよ」ニコッ
ガヴリール「確かに……桁が違いすぎる……」
ヴィーネ「うぅ……二人に力が戻ったのに……!!」
ガヴリール「……私に考えがある」
タプリス「天真先輩!?」
ガヴリール「あれは重力圏にあるからこの地に降り注ぐんだ」
ガヴリール「だから地球の重力の及ばないところにまで飛ばしてやれば……」
ヴィーネ「そんな、どうやって飛ばすのよ!あんな物量の水を!!」
サターニャ「……手はあるわ」
ヴィーネ「え?」
サターニャ「あの水を……大量の唐揚げで覆い……それごと高速で打ち上げて空の彼方まで飛ばす……」
ヴィーネ「で、できるのそんなこと……?」
サターニャ「世界を救うの。やらないといけないの」
サターニャ「タプリス。私があのデカブツをなんとかする。だから……私を守ってくれる?」
タプリス「……分かりました!」
サターニャ「さあ……最後の大仕事よ」
タプリス「白羽先輩……覚悟っ!!」
ラフィエル「その程度のドーナツ如きに……私をどうこうできるとでも……ん」
サターニャ「うおおおおおおおおおおお!!!無限唐揚ッ!!!」
ポポポポポポポポポポポ
ラフィエル「タプちゃんは囮……本命はサターニャさん……唐揚げごと洪水を宇宙へ飛ばすつもりですね……」
ラフィエル「ふふ、できるとは思えませんが……邪魔はしないとですね!」
ギュィンギュィンギュイィィインッ
タプリス「させません……絶対に……世界を滅ぼすなんて……この聖なる天使タプリスが絶対に許しません!!!」
ラフィエル「小癪ッ!!」
ズドドドドドドドドドッ!!!
ガヴリール「サターニャ!はやくしてくれ!!」
ヴィーネ「あああ……全然間に合ってない……!!」
タプリス「きゃああっ!」
ラフィエル「あはははっ!!可愛らしい悲鳴ですね!いいですよ……もっと……もっと鳴いてくださいっ!!」
ガヴリール「くそっ……私たちは……見てるだけなのかよ……ッ!!」
ガヴリール「私達にも力があれば……!!」
力が欲しいか――――
ヴィーネ「!?」
ガヴリール「この声って……!?」
力が欲しいのなら―――
ガヴリール「ああ……そういうことか。あいつらはこの力を……」
ヴィーネ「……」ゴクリ
ガヴリール「覚悟はできてるか?」
ヴィーネ「もちろん……こんなところで黙ってるほうが……辛いわ!」
タプリス「皆さんっ……私……っ」
ラフィエル「トドメです……牛乳の濁流に飲まれてくださいね。ミルキーウェイ――――」
「「待った!!!!!!!!」」
ドン!!!!!!!
タプリス「!!」
ラフィエル「これは……ポテトチップス……!それに……人参ジャガイモ玉ねぎ!!!」
ラフィエル「まさか……お二人も―――――――!!!!」
ヴィーネ「インフィニットベジタブルスナイパーヴィネット!!!」
「「推して参る!!!」」
BGM:Ride The Wind
ラフィエル「くっ……忌々しい……ぃぃぃぃ!!!!」
タプリス「先輩!!」
ガヴリール「よく頑張ってくれた」
ヴィーネ「あとは私達先輩にまかせて……っていいたいところだけど」
ヴィーネ「ラフィ相手だしね……まだ頑張ってもらっていいかしら?」
タプリス「はい……もちろんです!!」
サターニャ「みんなが協力してくれてるんだもの……絶対……絶対にやり遂げてみせる!!」
サターニャ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ラフィエル「させるものですか!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドッ!!!
ガヴリール「それは……こっちのセリフだっつのッ!!」
ラフィエル「く……ポテチで私のウォーターカッターを阻むとは……」
ガヴリール「これは……堅揚げポテトだ」
ラフィエル「未だ争いを辞めない愚かな人類など……また滅ぶべきでしょう!!」
ガヴリール「まるで自分は愚かじゃないって言ってるみたいだな」
ラフィエル「……何?」
ヴィーネ「葱槍ッ!!」
ズダダダダダッ
ラフィエル「ッ!!はああああッ!!!」
ブシャアアアアアアッ
タプリス「ディセントォォオオオ!!!」
サターニャ(私が頑張らないと……みんなの努力が無駄になっちゃう……っ!!)
サターニャ(それは……嫌ッ……!!)
「目覚めよ……勇者よ」
サターニャ「この声は……メロンパン……?」
「私をお使いなさい」
サターニャ「でも……唐揚げと違って仙人に会ってない……あなたを使いこなせる自信が」
「それは……もとより会う必要などなかったからです」
サターニャ「え……?」
「自分の胸に聞いてご覧なさい」
サターニャ「自分の胸に……」
サターニャ「……ふふ、私ったらばかね。ずっと大切なことを忘れていたなんて」
サターニャ「あなたを初めて口にしたときからずっと抱いていた気持ち……」
サターニャ「こんな近くにあったのに見失っていたなんてね……」
サターニャ「ありがとう。メロンパン……大好きよ」
パクッ
ガヴリール「わからないのか。やはりお前は愚かだ、ラフィ」
ラフィエル「!?」
ヴィーネ「サターニャは……大きな一歩を歩んだのよ」
タプリス「それに気づかないあなたは……白羽先輩じゃない……!!」
タプリス「でていけ……白羽先輩の体から……出て行けぇえええええっ!!!」
ガヴリール「うおおおおおおおお!!!」
ヴィーネ「はあああああああああ!!!!」
タプリス「たあああああああああああ!!!!」
サターニャ「チェックメイトよ。ラフィエル」
ラフィエル「そんな……一瞬で……メロンパンが……!!!」
サターニャ「マッハ50以上で飛ばしてあげる……」
ラフィエル「だめ……やめて……やめてえええええええええ!!!」
サターニャ「はあああああああああああああああ!!!」
ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!
ガヴリール「脱出速度を超えたか……地球の重力を振り切り……宇宙の彼方へ消えていったな」
サターニャ「さあ、詰みよ。観念しなさい。ラフィエル」
ラフィエル「まだ……まだです……!」
ズシャアアッ!!!
サターニャ「くっ……!」
ガヴリール「大丈夫かサターニャ!?」
サターニャ「かすり傷よ……」
ラフィエル「まだ……まだ私の戦いは……!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ガヴリール「おいおいまじかよ……もう私力ないぞ……!!」
タプリス「どれだけの力が……」
ラフィエル「うふふ……あなた方を始末した後もう一度世界を―――」
???「おいたが過ぎますよ。お嬢様」
ラフィエル「……あなたは!?」
マルティエル「流石に度が過ぎていますね。お仕置きしてさしあげますのでお屋敷に戻りましょう」
ガヴリール「ラフィの家の執事だ。雨を司る天使でな……海に行ったときに雨雲を晴らしたのもあいつだ」
ヴィーネ「そんなすごい人なんだ……」
ガヴリール「ん……雨を司る……!?」
マルティエル「さあ……帰りましょう」パチンッ
サァァァァァァ
タプリス「雨雲が……晴れました……?」
ラフィエル「そんな……マルティエル……っ」ガクッ
ガヴリール「あ……あー……どうなるかと思った。助かった……」
サターニャ「ほんとにね……」
サターニャ(こうしてラフィエル暴走異変は解決した)
…………
……
サターニャ(ラフィエル自信強い力に飲み込まれ自我を失っていたようで)
サターニャ(いわゆる洗脳に近い状態にされていたからむしろ彼女は被害者という扱いを受けていた)
サターニャ(でも、ラフィエルは責任を強く感じていた)
サターニャ(力に飲まれたのも、破壊思想を抱いたのも全部元は自分の責任だ、と)
サターニャ(周りの人たちはそこまでの責任を負わせるつもりはないのに、ラフィエルが勝手に自分で背負ってしまっている)
サターニャ(そのせいか、地上に戻ってきた後もラフィエルは元気がないままだった)
ラフィエル「……」
ラフィエル「気にするな……なんて言われて、はいそうですかって言えるわけないじゃないですか……」ポロポロ
ラフィエル「私は力に飲み込まれた……でも……確かにあの時私の内には……小さくても世界の破滅を望む心があった……」ポロポロ
ラフィエル「私は悪くないなんて……そんなわけないじゃないですか……」ポロポロ
ラフィエル「少なくても私のせいで世界が滅びかけたんです……この世界のどこかには私を恨む人が必ずいるはずです……」ポロポロ
ラフィエル「私が……私なんかが生きてていいんですか……」ポロポロ
コンコン
ラフィエル(誰にも会えない顔なのに……もうなんですか……)
ラフィエル「どちら様……?」
???「名乗るほど大した名じゃないけど、誰かがこう呼んでるわ。"ラフ・メイカー"……ってね。アンタに笑顔を持ってきたわ。寒いから入れてくれない?」
ラフィエル「ラフ・メイカー……?冗談じゃないですっ……そんなもの読んだ覚えはありませんっ……私に構わず消えてください……!」
ラフィエル(そこにいたら……泣けないじゃないですか……サターニャさん……)
コンコン
ラフィエル(サターニャさん……まだいるんですか)
ラフィエル「消えてくださいって……言いましたよね」
サターニャ「そんな言葉を言われたのは生まれたこの方初めてよ……。非常に悲しくなってきたわ……」
サターニャ「どうしよう……泣きそう……」
ラフィエル「ラフ・メイカー……?冗談じゃないです!!あなたが泣いてたらしょうがないじゃないですか!!」
ラフィエル「泣きたいのは私の方なんですっ……こんなもの、呼んだ覚えなんてっ……!!」
二人分の泣き声遠く……
サターニャ(膝を抱えて背中合わせ……すっかり疲れた泣き声……)
ラフィエル「今でもしっかり私を……笑わせるつもりですかラフ・メイカー」
サターニャ「それだけが生きがいなのよ。笑わせないと帰れないっ!」
ラフィエル「今ではあなたを部屋に入れてもいいと思えたんですが……」
ラフィエル「困ったことにドアが開きません……溜まった涙の水圧でしょうか……」
ラフィエル「そっちでドアを押してくれませんか?鍵なら既に開けました」
ラフィエル「ウンとかスンとか言ってくれませんか?どうしました?」
ラフィエル「まさか……!!!」
ラフィエル「構わず消えてしまいましたっ……信じた瞬間裏切った……!!!」
ラフィエル「サターニャさんっ……冗談じゃっ……!!!」
シュンッ
ラフィエル「え……?」
サターニャ「お……成功したわね。魔法陣描くの美味くなったでしょ」
ラフィエル「サターニャ……さん……!!」
ラフィエル(メロンパン持って、泣き顔で……っ)
サターニャ「アンタに笑顔を持ってきたわ」
完☆結
元スレ
サターニャ「五億円 VS 手のひらから唐揚げを無限に射出できる能力?」
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495196058/
サターニャ「五億円 VS 手のひらから唐揚げを無限に射出できる能力?」
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495196058/
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コメント一覧 (34)
-
- 2017年05月20日 12:30
- 素晴らしい。映画化決定だね。
-
- 2017年05月20日 12:32
- たかしなのかサターニャなのか…
-
- 2017年05月20日 12:34
- 割とマジで感動した
-
- 2017年05月20日 13:06
- 一発ネタかと思ったら長すぎィ!
超大作じゃねえか
-
- 2017年05月20日 13:24
- ラフメイカーという言葉からんっとなったが、本当にラフメイカーとは
-
- 2017年05月20日 13:38
- 感動したわ……
-
- 2017年05月20日 14:04
- さりげなく混ざってるうまるとシャロの違和感の無さ
-
- 2017年05月20日 14:24
- 疾走感はんぱねぇ
-
- 2017年05月20日 14:32
- もし最初に5億円を選んでたらどうなってたんだろう…?
-
- 2017年05月20日 14:37
- 唐揚げ力に覚醒→真名に覚醒→メロンパン力に覚醒していたと三段構えはアツい
-
- 2017年05月20日 14:42
- まるで意味がわからんぞ!
-
- 2017年05月20日 14:58
- 大作で草
-
- 2017年05月20日 15:00
- 唐揚げやな。
原価0なら丸儲けやんけ。
-
- 2017年05月20日 15:02
- さらっとうまるいて草w
-
- 2017年05月20日 15:26
- ネタが多すぎて追いつかないぞ
感動した
-
- 2017年05月20日 15:45
- このスレタイからこんな熱い展開を誰が予想したのか
-
- 2017年05月20日 16:33
- >ラフィエル「く……ポテチで私のウォーターカッターを阻むとは……」
>ガヴリール「これは……堅揚げポテトだ」
なんすかこれw
-
- 2017年05月20日 16:39
- クオリティたかし(高し)
-
- 2017年05月20日 18:30
- いろんなネタをぶち込んでうまいこと混ぜ合わせ最後はBUMPで締めるとはやりますね
-
- 2017年05月20日 20:43
- 下野紘で大草原不可避
唐揚げならもう1人居るし番外編いけるな!
-
- 2017年05月20日 22:00
- ラストでBUMP聴きたくなっちまった
-
- 2017年05月20日 22:04
- これは神話タグ案件なのでは?
-
- 2017年05月20日 22:04
- 思いの外ストーリーしっかりしてて草
-
- 2017年05月21日 00:49
-
スレタイからは想像も出来ない名作だった
素晴らしい
-
- 2017年05月21日 01:22
- >「俺も!」「私も!」「拙者も!」「某も!」「余も!」「朕も!」「Me too!」「with B!」
最後草
-
- 2017年05月21日 02:09
- くだらんギャグかと思ったら世界を救う話になっててワロタ
-
- 2017年05月21日 02:52
- 大したものですね
-
- 2017年05月21日 08:59
- 俺なんでこんなので泣いてんだよwwwくっそwww
-
- 2017年05月23日 11:49
- イイハナシダナー
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- 2017年05月23日 20:37
- くそっこの野郎!!感動しちゃったじゃねぇかこの野郎!!!どんな顔して書いてんだよ!!!!
-
- 2017年05月26日 18:50
- ネタが多すぎてお腹いっぱいです
-
- 2017年05月28日 23:00
- おいしい世界
-
- 2017年05月30日 17:47
- スレタイだけじゃなかった
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- 2017年08月08日 21:56
-
とにかくすごかった