【ダンガンロンパ】モノクマ「嫌われの呪い」
王馬「にしし!まあ、こんなところかな?」
茶柱「まったく、醜い姿ですね!男死の中でも際立った醜さです!」
東条「ゴミを掃除するのは私の役目だけど……流石に、これに触れるのは気がひけるわね」
夜長「あ~、斬美に迷惑をかけるなんて終一は悪い子だね~!……悪い子には罰をあたえないと、ねっ!」ガスッ!
最原「があっ!」ビクッ!
獄原「う、うう……」
星「……気にするな東条。お前が気にする必要もあるまい、このゴミは勝手に消えてくれるさ」
白銀「そうそう!東条さんが嫌な思いをする必要はないんじゃないかな!?」
入間「ひゃ~っはっは!クサイ原がどうなろうと知ったこっちゃないからな!」
夢野「んあー……ウチはもう疲れた。こんな奴のことはどうでも良いから帰って寝るとするわい」
天海「俺もそうさせて貰いますよ。でも、その前に……」グリッ!
最原「あ、ぐ……っ」
白銀「あはは!天海くんは容赦がないね~!」
天海「まだ痛めつけ足りなかった気分だったんすよ。でも、これで満足しました」
春川「じゃ、今日は解散しようか……それで?このゴミはどうする?」
百田「ほっといていいだろ。部屋に戻れなくておしおきされたら万々歳じゃねえか」
赤松「……ふふふ」
最原「あかまつ、さ……うっ!」
百田「……なに気安く俺たちの名前を呼んでんだ?あぁっ!?」バキッ!
最原「がぁっ!」
百田「おまえがっ!俺や赤松のっ!名前を気安く呼ぶんじゃねえよっ!」
バキッ! ガスッ! ドゴッ!
最原「ぐふっ!がっ!がはっっ……!」ドサッ…
百田「……あ~、気分わりい!さっさと帰ってシャワーでも浴びるとすっかな!」
最原「皆……待ってよ、まって、よ……」
赤松「……ふふふ」クスクス…
最原「………い、たい……体が、動かない……痛い、よ……」
真宮寺「ひどい……こんなに痛めつけるなんて……!」
最原「あ……キーボくん、真宮寺くん……っ!」
キーボ「しゃべっちゃいけません!すぐに部屋に運んであげますから!」
真宮寺「……全身打撲に細かな擦り傷や刺し傷、骨折している部分も数箇所ある……これは本当に、人間のやることなのかい……?」
最原「……僕も信じたくないよ。でも、でも……」
キーボ「……話は後にしましょう。もしも皆さんが戻ってきたら、最原くんがまた危険な目に遭います」
真宮寺「そうだネ……僕の部屋に運ぼう。そこで怪我の手当てをしないとネ……」
最原「ありがとう……ありがとう……」
キーボ「……大丈夫ですよ最原くん。みんなきっと何か事情があるんです。だから、それが解決さえすれば……」
真宮寺「……希望を捨てちゃ駄目だヨ、最原くん……」
最原「うん、わかってるよ……でも、でもさ……なんでこんな事になっちゃったんだろうね……?」
最原「……朝か、とにかく今日も頑張ろう……!」
最原(この学園に閉じ込められて結構な時間が過ぎた。幸いにもコロシアイは起きてないけど、脱出の糸口は掴めていないな……)
最原「……赤松さんや百田くん、皆と協力してなにか手がかりを探すんだ。僕に協力してくれてる皆のためにも、脱出方法を探さなきゃ……!」
最原「……まずは朝食だな。食堂に行こう」
―――中庭
最原「……今日の朝ごはんはなにかな?……あ、あれは……!」
百田「………」スタスタ…
最原「百田くんだ!おーい、百田くーん!」タッタッ!
百田「………!」
最原「おはよう百田くん!今日はどう活動しよう……」
百田「……っらぁっ!」ブンッ!
最原「えっ……?」
バキッ!
最原「……え?え?」
最原(殴られた?百田くんに……?なんで、どうして?)
最原「も、百田くん……?いったい、どうしたの……?」
百田「てめえみたいなゴミ虫に近寄られると迷惑なんだよ!俺に近寄るんじゃねえっ!」バキッ!
最原「あぐっ!……そ、そんな、僕、百田くんになにかしてしまったの……?」
百田「けっ!朝から気分が悪くなったぜ!」スタスタ…
最原「ま、待ってよ百田くん!百田くーん!」
最原(な、なんで……?昨日までは普通に仲良くしてたじゃないか?一体どうして、百田くんはあんな態度を……?)
真宮寺「……最原くん?」
最原「あ……し、真宮寺くん……」
真宮寺「どうしたんだい、その顔の怪我は?それに、こんな所で座り込んで、何かあったのかい?」
最原「あ、いや、その……」
真宮寺「……少し落ち着こうか?今の君、酷い顔をしているヨ」
最原「………」
真宮寺「……とにかく食堂へ行こうヨ。朝食を摂りながら話は聞くからサ……」
最原「うん……ありがとう、真宮寺くん……」
最原「………」
真宮寺「………」
東条「皆、食事は行き渡ったわね?それじゃあ、食べましょうか」
キーボ「あ、あの……」
東条「……どうかしたの?キーボくん」
キーボ「さ、最原くんの分が無いと思うのですが、僕の見間違いでしょうか……?」
真宮寺「……見間違いじゃ無いヨ、キーボくん。僕も最原くんの分だけ無い様に見えるネ」
最原「なん、で……?」
東条「……悪いわね。作り忘れちゃったみたい」
最原「!?」
王馬「そっか~!作り忘れちゃったなら仕方が無いよね!最原ちゃんは、諦めて空気でも食っててよ!」
茶柱「人間誰でもミスはありますからね!仕方が無いですよ!」
最原「え……?」
天海「……と言う訳で最原くん。今日は朝ごはん抜きでお願いします」
最原「ちょ、ちょっと待ってよ!なんで、こんな……」
最原「は、春川さん……?」
百田「こんなクズ気にする必要はねー!さっさと飯を食っちまおうぜ!」
白銀「その意見に賛成だよ!もう私おなかぺこぺこ!」
夜長「それじゃあ皆仲良く……いっただっきま~す!」
最原「な、なんで……?みんな、どうして……?」
獄原「……あ、あのさ、最原くん!ゴン太の分を少し……」
ギロッ!
獄原「ううっ……!」
真宮寺「………」
キーボ「な、何ですかこの雰囲気は……?皆さん、どうしてしまったと言うんですか!?」
最原「……出た、ごはんのつみきだ……!良かった、これで空腹はどうにかできるぞ」
最原(……でも、なんで皆は僕にあんな態度を……?僕、何かしてしまっただろうか……?)
??「……ねえ」
最原「え……?」クルッ…
ドスッ!
最原「……え?え?」
春川「……子供だって知ってるよ。つまみ食いと勝手な間食はいけませんって……あんた、そんな事も守れないんだね?」
最原「は、春川さん……?ぐああっ!!!」
最原(肩に、何かが刺さってる!い、痛い!苦しいっ!)
春川「……あんまり暴れないでよ。子供たちの方が聞き分けが良いよ?」ドンッ!
最原「が、あっ……」
春川「安心して、その針は人を殺すための物じゃ無いから。むしろその逆……殺さないで痛めつける為の物、拷問用の器具だよ……!」
最原「そ、んな……!?なんで、僕に、そんな……」
春川「……ふふふ、どう?痛い?ここをこうしたらさ……」グリグリ…
最原「ぎゃぁぁぁぁっ!!!」
春川「あはは!ひっどい悲鳴!ぎゃぁっ!だなんて、ほんと面白くない悲鳴だよね!」
最原「春川さん……なんで、こんなことを……?」
最原「!?」
春川「来たんだ……それで?アンタはなにを用意してきたの?」
天海「これっすよ、これ」つペンチ
最原「あ、天海くん……?なにを……?」
天海「……俺、爪を弄るのが好きなんすよね。だから……」グッ!
最原「や、やめ……」
ベリッ!
最原「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
天海「おー、綺麗に剥がれたっすね!」
春川「本当にね。もっと苦しめてやれば良かったのに……」
最原「あが……がぁっ……い、だいぃっ……」
春川「……根を上げるのは早いよ?針はまだまだあるんだからね……!」
天海「爪もまだ9枚ありますよ?最原くん、覚悟してくださいね……!」
最原「い、いやだ……いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
最原「う、うぅ……うぐぅっ……」
天海「あはは!指の爪が全部無くなっちゃいましたね!十分反省したっすか?」
春川「これから先、アンタが食事の時間以外で何かを食べようとしたらこうするからね?わかった?」
最原「………」
春川「……わかったかって聞いてるんだけど?」ガスッ!
最原「あぐっ……!」
春川「はぁ……まあ良いや。それじゃ、行こうか」スタスタ…
天海「はい、そうしましょう」スタスタ…
最原「ま、って……春川さん、天海く……」
夜長「やっはー!どったの終一~?ボロボロだね~?」
最原「!?」
夜長「すぐに手当てしてあげないと可哀想だよ~!……と言うわけで、アンジーが怪我の手当てをしてあげるね~!」
最原「あ、ありがとう……アンジーさん」
夜長「うんうん!感謝されると気分が良いね~!……それが例え、だいっ嫌いな終一からだとしてもね」
最原「え……?」
夜長「ま、それは置いておいて手当てをしてあげるよ~!……まずは傷口を洗って、その後殺菌だよね。アンジーは頭が良いから、その二つを同時に行う方法を思いついちゃったのだ~!」
最原「!?」
夜長「さっき魔姫たちに虐められてた終一を見たときから準備してたから、すぐに治療に移れるね~!それじゃあ、行くよ~!」
最原「ま、待って、アンジーさ……」
夜長「それ~!」
ジャアァァァァッ!
最原「がぁぁぁぁっ!がっ、あぁぁぁっ!!!」
最原「あづいっ!あ、づいぃっ!やめて、やめてえぇっ!」
夜長「……終一、アンジーの優しさを踏みにじるの?せっかく終一の為に用意してあげたのに?」
最原「あ、あ……」
夜長「終一は悪い子だね……悪い子には、罰を与えないとね……」
最原「や、やめ……」
夜長「終一は悪い子、終一は悪い子、終一は悪い子……」
ガスッ!ガスッ!ガスッ……!
夜長「良い子になーれ、良い子になーれ、良い子になーれ……!」
ドガッ!バキッ!ガツンッ!
最原「あ、あが……」
夜長「……やっと静かになったね~。それじゃ、治療の続きをしよっか!」
最原「あ、あぁぁぁぁ………!」
最原「……ここ、は……?」
キーボ「君の部屋ですよ、最原くん」
最原「キーボ、くん……?」
キーボ「廊下で気を失っている君を見つけて、ここまで運んできたんです。一体なにがあったんですか?」
最原「……実は…………と言う訳なんだ」
キーボ「そんな……まさか、信じられません!あの三人が、そんなことを……!?」
最原「……信じられないのは僕も一緒だよ。でも、事実なんだ……」
キーボ「………」
最原(春川さん……天海くん……アンジーさん……どうしちゃったんだよ……?)
キーボ「……何か良くない事が起きている気がします。明日は僕と一緒に行動しましょう!そうすれば少しは安心ですよ!」
最原「うん……ありがとう、キーボくん……」
東条「最原くん、昨日はごめんなさいね」ニコニコ
王馬「まったくだよ!東条ちゃんはうっかりやさんだな~!」ニコニコ
最原「………」
白銀「人間ミスはあるからね!しょうがないよ!」ニコニコ
東条「本当に申し訳ない事をしたわね……今日は最原くんだけに特別メニューを用意したから、たっぷり召し上がって頂戴!」ニコニコ
夢野「んあー……うらやましいのぉ、最原」ニコニコ
真宮寺「……君たちは本気でこんな真似をしているのかい?」
百田「……なんだよ真宮寺、なんか文句でもあるのか?」
キーボ「当然じゃないですか!これは……こんな物、料理だなんて言えません!」
真宮寺「食材全てが腐っている……腐臭も凄いし、食べられる物とは到底思えないヨ」
茶柱「何を言ってるんですか!超高校級のメイドである東条さんが作った料理ですよ?美味しいに決まっているじゃないですか!これだから男死は!」
夜長「転子の言うとおりだよ~!……ねえ、終一はちゃんとこの料理を食べるよね?」
最原「!?」
夜長「斬美がわざわざ終一の為に作った料理なんだよ?それを残りたりなんかしないよね?……終一は、人の優しさを踏みにじる悪い子じゃあないよね~?」
最原「あ、あ……!」
春川「……ふふふ、そっか、悪い子かぁ……!」
天海「悪い子にはおしおきが必要っすよね……!」
最原「あ、あぁ……うわぁぁぁっ!」ガッ!
キーボ「さ、最原くん!」
真宮寺「な、何を……!?」
入間「あはは!ゴミ虫の奴、吐きやがったぜ!きったね~!」
王馬「あれ~?最原ちゃん、この料理が気に入らなかったのかな~?」
赤松「……そんな事無いよね?最原くん、君はちゃんとこの料理を残さず食べるよね?」
最原「あ、が、まつ……さん……?」
赤松「……そんな口を利かないでよ。あなたに名前を呼ばれるだなんて、虫唾が走るもの」
最原「えっ……!?」
真宮寺「……話にならない。ちょっと厨房を借りるヨ」
百田「……真宮寺、てめー何をするつもりだ?」
真宮寺「僕が料理をつくるのサ。最原くん用の食事をネ……だからもう、最原くんはそんな物を食べなくて良いヨ」
キーボ「真宮寺くん……!」
真宮寺「……どう言った理由があるかは知らないけど、こんなの狂ってる。僕はそんな物に加担するつもりは……っっ!?」
バキィッ!
真宮寺「が……はっ……!」
星「……邪魔すんじゃねえよ。今、良い所なんだからよ」
最原「し……真宮寺くんっ!!!」
真宮寺「う、うぅ……」
星「邪魔者を排除しただけだ、なにか問題はあるか?」
キーボ「そんな……!超高校級のテニスプレイヤーである君のサーブをまともに受けたらどんな怪我をするかわかったもんじゃない!それを理解しててこんなことを……!?」
赤松「……悪いのは最原くんだよ?」
最原「え……?」
赤松「君がなんの問題も無くその料理を食べていたら、真宮寺くんはあんな目に遭わなくて済んだんだよ?全部全部、君のせいなんだって事、わかってる?」
最原「そ、そんな……僕は……」
赤松「……ねえ、早く食べなよ。そうしないと、次はキーボくんが酷い目に遭うかもよ?」
キーボ「!?」
百田「……赤松の言うとおりだ。早く食えよ、最原!」
春川「自分で食べられないなら、協力してあげようか?」
東条「喉の奥……いえ、胃に突っ込んであげるわ。食べきれなくなるまでね……!」
最原「う、うぅ……うぅぅぅぅ……」
夜長「……早くしなよ、終一……!」
星「食えよ……せっかくの料理が不味くなっちまうぜ」
茶柱「お腹が空いていないのなら、転子がお腹を殴って中の物を吐き出させてあげましょうか?」
最原「あ、うぅ……うぅぅっ……」
赤松「……早く食べよう?最原くん」ニコッ
最原「う……うぅ……うぅぅぅぅぅぅ……」
最原「げえぇ……うげぇぇぇぇっ……!」
最原(胃がむかむかするなんて話じゃない……強烈な不快感が止まらない……胸が、苦しい……!美味しい料理を作れるって事は、人が徹底的に不快になる料理も作れるって事なんだ……!)
最原「うげぇぇっ……う、うう……なんでだよ、皆……?なんでこんな事をするんだよ……?ん?」
ガタンッ!
最原「だ、誰か居るの……?僕に何か、用……?」
ダダダダダッ……
最原「……誰かがドアの外に居たみたいだ。いったい誰が……あ!」
最原「これ、胃薬だ……!もしかして、僕の為に!?」
最原(……誰か、僕の事を気遣ってくれている人が居るんだ!きっとそうなんだ!)
最原「あ、ありがとう……!誰かはわからないけど、これで……」スッ…
夢野「……んあー」ヒョイッ!
最原「えっ!?ゆ、夢野さん……?」
夢野「………」ジー…
最原「あ、あの……出来たら、その薬を僕に渡してくれると……」
夢野「う……うわぁぁぁぁぁんっ!」
最原「!?」
夢野「さ、最原が、ウチを虐めるんじゃ……うわぁぁぁぁんっ!」
最原「そ、そんな!僕はそんな事して無いよ!」
茶柱「……では、最原さんは夢野さんが嘘をついていると言うわけですか?」
最原「そ、そうだよ!僕はなにも……あぐっ!?」ドサッ!
茶柱「……人を虐めておいて、その人を嘘つき呼ばわりとは見下げた根性ですね!転子がその性根をたたきなおしてあげます!」ドガッ!
最原「あぐっ!……や、やめてよ茶柱さん……僕は、本当に……ぐうっ!」
夢野「……ククク」ニタァ…
ガスッ!バキッ!ボキィッ!
最原「あ、あぁぁぁぁっ!腕が、腕がぁっ……!」
茶柱「腕の関節を外しただけで大げさですね……さ、これで抵抗出来ませんね!夢野さんも思う存分痛めつけちゃってください!」
夢野「んあー!なんと気の利くことじゃ!ウチは良い友達を持ったのぉ!」
茶柱「でへへ……夢野さんにそこまで言って貰えるなんて、転子は幸せものです!」
最原「あぐ……ぐぅぅ……」ブクブク…
夢野「では、早速……てやっ!」ポカッ!
最原「がふっ……!」
茶柱「お見事です!鼻っ柱に直撃ですね!」
最原「うぅ……うぅぅ……」
夢野「うわ、手が最原の鼻血で汚れてしまったぞい!ばっちいのぉ……」
茶柱「なんと!?ええい、夢野さんの可愛いお手てを汚すなんて不届き者め!転子が成敗してあげます!」
夢野「おー!やってしまえー!」
ゴキッ!バキッ!ゴキャッ!
最原「………」ズルズル…
最原(脚の関節もやられた……もう、這ってでしか進むことも出来ない……急いで部屋に帰るんだ。もう、引き篭もって過ごすしか……)
バチンッ!
最原「えっ……!?ぎゃぁぁぁっ!!!」
最原「な、なんだよこれ……?トラバサミ!?なんでこんなところに!?」
王馬「にしし!ゴミ虫捕獲用トラップに獲物がかかったぞ!やったね!」
最原「お、王馬くん!?この罠は君が……?」
王馬「そうだよ!それにこの罠はまだ終わりじゃないんだよね!」
最原「え……?」
王馬「くらえー!唐辛子エキス入りの水鉄砲だーっ!」
最原「なっ!?……ぎゃぁぁぁぁっ!」
最原(目が、焼ける様に痛いっ!熱いなんてもんじゃない!内側から引っ掻き回されて、マグマの中で目玉を煮詰められてるみたいだ!)
最原「あああ……あぁぁぁぁっ!」
王馬「にしし!関節が外された腕じゃ庇うことも出来ないからね!当然罠も外せないし……さーて、こんなもんかな?」
最原「あ、あうあ……あうぅぅ……」
最原「お、おうま、くんっ……罠を解除してくれ……お願いだよぉ……っ!」
王馬「………」
最原「トラバサミが深く食い込んでるんだ……もしかしたら骨まで達してるかもしれない……こんな状況で放置されたら、僕は……」
王馬「……死ねば良いんじゃないかな?皆もそう望んでるし」
最原「えっ……?」
王馬「それより……まだ余裕があるみたいだね?それじゃあ、この水鉄砲の中身の水を直接眼球にっと……」ボタボタ…
最原「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁっ!!!」
王馬「あはは!おもしれー!超笑えるよ!」
最原「ぎいぃぃぃっ!ぐっ、ぎぃぃぃっ……!」
王馬「さーてと、俺は今度こそ行くね。ばいばーい!」
最原「う、あ……待って、待ってよぉぉっ……!僕を置いて行かないでくれよぉぉ……」
最原(……目をまともに開くことさえ出来ない……トラバサミに脚を挟まれているから動けないし、それを外すために手を使うことも出来ない……八方塞りだ……)
ザッ、ザッ……!
最原「足、音……?ね、ねえ!そこに誰かいるの!?」
ザクッ、ザクッ!
最原「お願いだよ!どうかこの罠を外して!このままじゃ僕……」
入間「……嫌に決まってんだろ、クソ虫最原が!」ガスッ!
最原「うぐっ!」
最原「あがっ!ぐえっ!」
入間「おらっ!罠を外して欲しいんだろ?なら、入間さまお願いしますって言ってみろよ!」
最原「い、入間さま……おねがい、します……」
入間「ひゃーっはっは!嫌だね!お前みたいなゴミ虫の頼みなんて聞くもんかよ!」ドガッ!
最原「ぎいっ!……そ、そんな……酷い、よ……」
入間「酷い?ゴミ虫が俺様に楯突こうなんざ百億年早えんだよ!人科の生物に生まれ変わってから来い!」ドゴッ!
最原「ぐうぅっ……あが、ががが……」
入間「……あ?気を失っちまったのか……?ま、良いか!このまま放置しておくとするか!なんってったって天才の俺様はこんなゴミにかまってる時間は無いんだからな!」スタスタ…
最原「ひぃ……ひぃ……」ピクピク…
??「………」
ガガガ……ガキッ!
最原「……はっ!?」
最原(ここは……僕の部屋、だよな?いったいいつの間にここに来たんだ……?)
最原「あ……!脚に包帯が巻かれてる……!それに、外れてた関節も元通りだ……」
最原(やっぱり誰かが僕を助けてくれてるんだ!きっと皆、何か訳があってこんな事をしているに違いない!)
最原「そうに決まってる!そうじゃなきゃ、皆があんなに酷い事をするはずが……」
―――ガチャッ!
王馬「やっほー、ゴミ虫ちゃん!元気ー?」
最原「!?」
王馬「あのさ!この部屋は今日から皆のゴミ捨て場になったから!ゴミ虫の最原ちゃんには丁度良いよね!」
最原「お、王馬くん……?何か理由があるんでしょ?僕に言えない理由があって、こんな事をしてるんだよね!?」
王馬「………」
最原「何とか言ってよ!」
百田「うるせえよ、最原」
最原「えっ……!?」
入間「ひゃっはー!丁度良かったぜ、壊れた機械パーツをすてる場所が欲しかったんだ!」ドガガガッ!
夢野「ウチの魔法で使う動物たちの糞の捨て場に丁度いいのお!」ボタボタッ!
王馬「俺も悪戯用に取っておいた危ない薬品とかを捨てちゃおうっと!」ブシャァァァッ!
最原「ううっ!げ、げほっ!ごほっ!匂いと薬品の煙で、息が……」
赤松「……皆、捨て終わったよね?それじゃ、部屋に帰ろうか」
―――バタン!
最原「あ、ま、待ってよ……!赤松さん、待ってよ!理由を、理由を聞かせてよ!」
最原「げほっ、ごほっ!このドアを開けてよ!ごほっ!皆、僕と話してよ!げほっ、ごほっ!ごほっ!」
最原「なんで……なんでこんな事をするんだよぉぉぉぉっっっっ!?」
最原(次の日も僕は虐められた。食事は腐った物を適当に詰め合わせた物。それを無理やり食べさせられ、僕は何度も吐いた)
最原(殴る蹴るの暴行も当たり前、全身打撲の末に骨にひびが入ったんじゃないかと思うまで殴られ、その場に放置された)
最原(部屋は汚物のたまり場になっていた。安心できる場所すらない僕は追い詰められ、今日も皆に弄ばれる。数少ない救いは、キーボくんと真宮寺くんが味方である事と、ゴン太くんが暴力を振るってこないことだ)
最原(一体何故こんな事になってしまったのだろう……?必死になって考えたが、僕には答えを出せないままであった……)
最原「はぁ、はぁ……うぅぅ……っ」ズキズキ…
真宮寺「……手酷くやられたネ。こんなことをするなんて、皆の正気を疑うヨ」
キーボ「な、何が起きているんでしょう……?皆さんが最原くんを相手にこんな事をする理由は何なんです?」
真宮寺「……わからない、としか言い様がないネ。皆は最原くんと非常に良い関係を結べていると思っていたんだけれどもネ……」
最原「……そんなの、決まってる……っ!」
キーボ「さ、最原くん……?」
最原「みんな、モノクマに何かされたんだ……!僕に酷い事をする様に指示されているんだよ!そうじゃなきゃ、僕にこんな事する訳が無い!」
真宮寺「……ありえない話じゃ無いネ。何か脅されている可能性だって十分にあるわけだ」
キーボ「な、なら!モノクマから話を聞けば……!」
モノクマ「……ボクが皆を煽ってる?そんな事は無いよ!」
キーボ「ひいっ!?で、でたあっ!?」
モノクマ「そんなお化けを見たみたいな反応をしないでよ。傷つくなあ……」
最原「な、何の用だ!?僕にトドメを刺しに来たのか!?」
モノクマ「……そんなことしないよ。ボクは、最原くんの怪我の治療に来たんだよ」
最原「……え?」
最原「う、うわぁっ!?……あ、あれ?体の痛みがだいぶ楽になった……?」
モノクマ「治療完了!いや~、まだ取り返しのつく範囲での怪我で良かったよ!」
真宮寺「……どういうつもりだい?君は最原くんを追い詰めているんじゃなかったのかな?」
モノクマ「だ~か~ら~……ボクは、皆に何もして無いんだって!」
最原「え……!?」
キーボ「う、嘘ですよ!だって、皆は最原くんのことを信用していた!僕が見る中では、好意を抱いている人だってたくさんいた!それが……そんな人たちが、最原くんをここまで傷つけるわけが……」
モノクマ「……本当に最原くんは皆から好かれてたの?」
キーボ「……え?」
モノクマ「一方的な思い込みじゃあないの?最原くんが皆に好かれてたって証拠がどこにあるのさ?」
キーボ「そ、そんなの……皆を見れば、すぐに……」
モノクマ「……今の皆は最原くんが大嫌いみたいだけどね。少なくとも、死んでもかまわないと思っている人が沢山いるみたいだよ?」
最原「……そんなわけない!皆が、僕に死んで欲しいと思っている訳が無い!」
モノクマ「皆が嘘をついてるのかもよ?君の事を友達だなんて本当は思ってないのかもよ?」
最原「し、白銀さんも、アンジーさんも、入間さんも、茶柱さんも僕と一緒に過ごしてくれた!東条さんも色々と面倒を見てくれた!僕を本当に嫌っているのなら、そんな事しないはずだ!」
モノクマ「仕方なくかもね?嫌々君に付き合ったのかもよ?」
最原「ゆ、夢野さんや春川さんとは沢山話をしたんだ……ここを出た後の話も、ここに来る前の話だってしたんだよ……!」
モノクマ「……だから?それと君が嫌われて無いって話のどこに関係があるのさ?」
最原「あ、赤松さんは……」
モノクマ「……君をいじめる皆の中心役だね。君の事、大嫌いなんだろうね?」
最原「違う!違う違う違う違う違う!赤松さんがそんな事する訳無いっ!皆が僕を嫌っている訳が無い!全部お前のせいなんだっ!」
モノクマ「……あくまでボクのせいだって言い張るつもりみたいだね。なら、ボクから皆に最原くんを苛めるなって言ってきてあげようか?」
最原「!?」
モノクマ「……ただ、その結果どんなことが起きてもボクは責任を取らないよ?それでも良いなら……」
最原「……良いよ。やってくれよ。それで皆、僕にこんな事をする理由は無くなるはずなんだ!」
モノクマ「うぷぷ……そう?なら、今から放送で皆に連絡を取るね……!」ヒューン!
キーボ「……これで全て解決……なのでしょうか?」
真宮寺「どうだろうネ?いまいち納得がいかないヨ」
最原「……大丈夫さ、明日には皆は元に戻ってる。そうに決まってるんだ……!」
最原「あぐっ!?ぐえっ!」バキィッ!
百田「……とうとう尻尾を表したな、黒幕め!」
茶柱「あなたが消えれば転子たちは開放される!さあ、覚悟なさい!」
最原「な、なんで……?僕は、黒幕なんかじゃ……」
星「……モノクマに庇われといて何言ってやがる?どうせモノクマを使って俺たちを脅して、この仕打ちから逃れようとしたんだろうが……」
春川「逆効果だったね。これでアンタが黒幕だって皆が理解しちゃったんだからさ」
最原「違う!僕は……」
東条「その怪我の手当てもモノクマがしたんでしょう?ただの生徒にモノクマがそこまで肩入れするとは思えないわ」
赤松「つまり……あなたが黒幕なんでしょ?最原くん?」
最原「違う!違うよ!皆、どうしちゃったのさ!?僕が黒幕だなんて、そんなの……」
天海「……どうやら認めるつもりは無いみたいっすね」
夜長「ならなら~!おしおきの時間だね~!」
入間「お前が自分の罪を認めるまでボコってやるぜ!ひゃっはー!」
最原「そんな……!?」
真宮寺「……君たちは異常だヨ。冷静な思考が出来ていない。何故、こんな真似をするのサ?」
白銀「……あ~、邪魔なやつらが来ちゃったね~!二人とも、最原くんに騙されているんだよ?」
キーボ「そんなことありません!皆さんこそ、モノクマに騙されて……」
―――ガツンッ!
キーボ「」ドサッ!
真宮寺「き、キーボくん!?」
王馬「そーれ、もういっぱーつ!」
―――バキッ!
真宮寺「ぐっ!?……な、ぜ……?」ドサッ
最原「キーボくん!真宮寺くんっ!」
赤松「……これで邪魔する人はいなくなったね。それじゃ、始めようか!」バキッ!
最原「うぐっ!?」
赤松「ほらほら、早く認めないともっと痛い目に遭うよ?」
最原「あ、赤松さん……!?」
赤松「認めなよ、自分が黒幕だって……皆をここに閉じ込めて、殺し合わせようとした最低の人間だって認めるんだよ!」バキッ!
赤松「はぁ?」
最原「理由を話してよ!いつもの君はそんな風に笑いながら暴力を振るう人じゃなかったでしょ?お願いだよ!なんで僕にこんな事をするのか話してよ!」
赤松「………」
最原「また一緒にピアノの連弾をしようよ……!二人で笑って過ごそうよ!」
赤松「はぁ……何言ってるの?気持ち悪いこと言わないでくれる?」
最原「え……?」
赤松「私が最原くんを傷つける理由が知りたいの?なら、教えてあげるね!……君のことが大嫌いだから、それだけだよ」
最原「え?え……?」
赤松「……暗くてウジウジしたところが嫌い。馴れ馴れしく接してくるところが嫌い。あなたの全てが大嫌い!目障りでしょうがないの!……だから、消えて欲しいんだ。わかるかな?」
最原「……う、嘘だ……そんなの嘘だ!だって、だって……うわっ!?」
百田「へっ!何寝ぼけたこと言ってんだよ!お前が嫌われてるなんて当然じゃねえか!」
最原「う、嘘だ……!百田くん、君と僕は親友じゃないか!?なんでそんな嘘をつくんだよ!?」
百田「親友?お前と俺が?……気味悪い事言ってんじゃねえ!」バキッ!
最原「ぐぅっ……!うそだ、うそだよ……!こんなの、こんなことって……」
最原「は、春川さん……!?」
夢野「ウチらがお前を嫌っていることなど、周知の事実では無いか」
茶柱「というよりも何故、自分が好かれていると思えるんですか?」
東条「あなたに仕えると思っただけで虫唾が走るわ。考えたくも無い」
入間「俺様の視界に入るんじゃねー!この蛆虫野郎がっ!」
最原「夢野さん?茶柱さん?東条さん?入間さん?……嘘だよね?こんなの嘘に決まってるよね!?」
王馬「嘘じゃないよ!み~んな、お前の事が大嫌いなんだよ!」
夜長「神様もお前なんか嫌いだ~!って言ってるよ~!もちろん、アンジーもだね~!」
天海「普通に考えればわかるでしょう?君は、好きな相手にこんな事するんすか?」
星「俺以上の嫌われ者がいるなんてな……ふっ、まあ、お前なんかと比べるのも気分が悪いがな」
最原「嘘だよ……そんなの、そんなのって……」
白銀「……いい加減理解しなよ、最原くん。君は皆の嫌われ者で、皆から消えて欲しい存在だと思われているんだよ」
最原「あ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁっ!」
百田「そうだな!さて、もっと痛めつけてやろうぜ!」
茶柱「どんな技をかけてやりましょうかね~?」
星「ふっ、久々に腕を見せるとするか……!」
王馬「にしし!楽しみでしょうがないよね!」
―――ガスッ!バキッ!ゴキャッ!
最原「あうぅ……あ、うぅぅぅぅ……」
最原(……皆が、僕の事を嫌ってる?そう、なのか……?今までみんなと一緒に楽しく過ごせてたって思うのは、僕だけだったのか……?)
百田「おらっ!おらぁっ!」バキッ!
春川「ふふふ……!」ガスッ!
最原(……親友だと思ってた二人は、あんなに楽しそうに笑いながら僕に暴力を振るっている……演技でもなんでもない、本当の笑顔で……)
赤松「あはは……あはははは!」ドガッ!
最原(赤松さんも……僕が好きな人も、あんな風に笑いながら僕を傷つけてくる……本当に皆、僕の事が嫌いなんだ……!)
―――死ね 死ね 死ね!
―――お前なんか消えちまえ!
―――くたばれ!このゴミ虫野郎!
最原(……僕は、死んだ方が良いのかな……?皆がそう望むなら、僕の存在理由なんてどこにも無いんじゃないかな……?)
―――惨めに死んでくれ!
―――屑!ゴミ!ひとでなし!お前の居場所なんてどこにも無いんだよ!
最原(……死にたい)
最原(死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい…………)
最原(誰か僕を……殺してくれ……)
王馬「……それじゃ、そろそろトドメ、行っちゃう?」
最原「………」ピクピク
百田「そうだな。そろそろ反応も無くなってつまらなくなってきた所だし、良いんじゃねえの?」
王馬「そいじゃゴン太、出番だよ!」
獄原「………」
最原「……ゴン太、くん……!」
茶柱「きゃー!獄原さんの拳で殴られれば、最原さんなんてイチコロですよ!」
入間「きっとグチャッと潰れるぜ!トマトみたいにな!」
春川「ふふふ……面白そうじゃん」
夜長「神様も大喜びだね~!」
夢野「うえぇ……ウチはグロいのは苦手じゃ……」
最原「う、う……」
獄原「………」
獄原「……うん。ゴン太は最原くんの事が嫌いだよ」
最原「………」
王馬「じゃあぶん殴っちゃえよ!そんで、殺しちゃえば良いんだよ!皆がそれを望んでる!皆の期待に応えるのが紳士だろ!?」
獄原「………」
百田「やっちまえ!ゴン太!」
白銀「殺しちゃえ殺しちゃえ!」
天海「そいつを殺したらゴン太くんはヒーローっすよ!」
星「何も迷うことはねえ、そいつは死んで当然の奴なんだぜ」
赤松「だからさ、ゴン太くん……私たちのために、やっちゃってよ」
最原「……っ、うぅっ……」ポロポロ…
最原(皆が僕の死を望んでる……僕に味方なんて、一人もいないんだ……!)
―――こーろせ!こーろせ!こーろせ!
獄原「………」グッ!
茶柱「おおおっ!やりますか!?」
夢野「わわわ!ウチは目を瞑るぞい!」ギュッ!
最原(……僕、死ぬんだな……でも、もうどうでも良いや……)
獄原「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!」
最原(さよなら……みんな……)
赤松「やった!」
春川「これであのゴミもお終いだね」
百田「あー、すっきりしたぜ!」
王馬「………ん?」
最原「う、ぐ……え?なんで僕、生きて……?」
獄原「……ゴン太は最原くんが嫌いだよ……でも、でもっ……こんな酷い事、出来ないよっ!」
最原「!?」
獄原「一人を皆で寄って集って苛めるなんて、絶対に紳士のする事じゃないよ!こんなの……こんなの、間違ってるよ!」
最原「ご、ゴン太くん……!?」
獄原「ねえ、最原くん。ゴン太頑張るから……一緒に虫さんの事を好きになろう?虫さんの事を好きになれば、皆だって最原くんの事を好きになってくれるよ……!皆に好かれる立派な人になろうよ……最原くん!」
最原「た、助けてくれるの……?僕の、ことを……?」
獄原「ゴン太は最原くんのことが嫌いだけど、見捨てる事なんて出来ないから……!だから……っ!」ポロポロ…
最原「……もしかして、胃薬を差し入れてくれたのも、罠から開放してくれたのも、全部ゴン太くんが?」
獄原「うん……。最原くんが可哀想すぎて、見ていられなくって……!」
最原「……っっ!」
真宮寺「僕たちも君の味方サ」
最原「キーボくん、真宮寺くん……!」
キーボ「……諦めないで下さい。きっとこれはモノクマの策略ですよ!」
真宮寺「ここで君が諦めてしまったら黒幕の思う壺サ。心を強く持つんだ、最原くん!」
最原「ゴン太くん……キーボくん……真宮寺くん……!」
王馬「……ちぇ~、なんか白けちゃったな~!今日はもうお終いで良いや!」
赤松「……そうだね。お楽しみはまた明日にしようか」
ゾロゾロスタスタ……
真宮寺「……最原くん、大丈夫かい?」
最原「あはは……全身痛いけど、でも、大丈夫かな?」
キーボ「無理しないで下さい!昨日よりも酷い怪我ですよ!?」
最原「うん……でも、今日は希望が見えた気がするから……!」
キーボ「え……?」
最原「僕は一人じゃない……三人が僕の事を心配して、味方になってくれたから、僕はそう思えるんだ……だから、強い気持ちを持てるんだ!」
真宮寺「……友達を支える。当然のことでしョ?」
獄原「一緒に頑張って皆に好きになって貰おうよ、最原くん!」
最原「うん!……そうさ、まだ何も終わっていない。僕が頑張れば良いだけの話なんだ……!」
最原(……この時、僕は確かにそう思っていた。また頑張って皆の信頼を得て行けば良いと思っていたんだ。でも……それは甘い考えだった)
最原(百田くんと星くんは一番分かり易い方法、直接的な暴力で僕を苛めた。殴られ、蹴られ、時には物をぶつけられながら、僕は必死に二人の説得を試みたけど、二人は聞く耳を持ってはくれなかった)
最原(東条さんと王馬くんは日々の生活の中で逃れ様の無い方法で僕を痛ぶった。毎食の食事はもはや食べ物とは言えないものが出てきた。泥のジュース、ゴキブリのサラダ、腐った食材の合わせ物……それを上手く誘導し、僕に食べさせることが王馬くんの手口だった)
最原(茶柱さんと夢野さんは二人で僕の肉体と精神を責めてきた。茶柱さんの合気道で関節を外され動けなくなったところで、夢野さんがマジックに使う小道具で僕を責める。ピラニアの水槽の中に落とされそうになった時は、半狂乱で泣き叫んでしまった)
最原(アンジーさんと天海くんは僕の弱い部分……傷つけられて痛い部分を的確に責めてきた。爪を剥がされ、歯を抜かれ、傷口になった部分を弄り回す……苦悶と痛みに泣き叫びながら、僕は二人が正気になってくれる事を願った)
最原(入間さんと春川さんは自分の才能をフルに使った責めをしてきた。僕を苦しめるための装置を作り、それを使って楽しむ。かつて学んだ拷問技術を使って僕を苦しめ、それを嘲笑う。痛みよりも二人に苦しめられることへの悲しみで僕は涙を流した)
最原(そして赤松さんは、僕の事を徹底的に粗末に扱った。苦しむ僕を無視して笑い、傷ついた僕の体と心を踏み躙った)
最原(日々の責め苦を前にして、僕は心をすり減らしていった。それでも必死に耐え続けたのは、僕を支えてくれる三人がいた事と、また皆で笑って過ごせる日が来ると信じていたからだ)
最原(……でも、そんな僕の心をへし折る出来事が、七日目に起きてしまう……)
最原「がっ、はぁっ……!うっ、うぅっ……」
百田「……ったく、しぶてえなあ……最近妙に我慢強くなりやがった」
春川「ホント迷惑だよね。屑のくせにさ!」
最原「みん、な……正気に、もどって、よ……」
白銀「……ああ、まだ何か呟いてるよ?気持ち悪い……」
茶柱「よっぽど自分が嫌われていることを認めたくないみたいですね!」
最原「みんな、お願いだ……優しかった皆に、戻って……」
赤松「……わかったよ、最原くん。君がそう言うなら、私たちももうそろそろこのお遊びを終わりにするね」
最原「!!!」
赤松「いい加減終わりにしたい所だったんだ。だから、今日で全部を終わりにするよ」
最原「ほ、本当……!?」
赤松「うん、本当だよ!」
最原「や、やった……!やったぁ……!」
最原(これで戻れる……また、皆と笑って毎日を過ごせるんだ……!)
赤松「……君を殺して、全部を終わりにするね」
最原「……え?」
最原「……あ?え?……え?」
最原(……い、たい?体に沢山、何かが刺さって……?)
春川「……良かった。皆、寸分無く予定の位置にナイフを刺せたね」
最原「……え?」
百田「人数分のナイフと、致命傷にならない場所を教えてくれたハルマキのおかげだな!」
東条「あとはここままここにアレを放置して出血多量で死なせれば……」
夜長「皆で仲良くここから出られるってことだね~!」
最原「……あ?え?」
天海「なんだか子供の頃に遊んだ黒ひげ危機一髪を思い出すっすね」
王馬「確かに!今のゴミ虫はあれにそっくりだね!」
最原「あ、ぐ、え……うぅっ……」パクパク…
茶柱「あはは!口をぱくぱくしてますよ!面白いですね~!」
星「きっと自分に何が起きているのかわからないんだろうな」
最原「あぐぐ……いだい、いだぃぃ……っ」
夢野「泣き出しおったぞい!情けないのお!」
入間「ぎゃ~っはっは!無様すぎんだろ!?」
最原「たす、けて……だれか、たすけ……」
白銀「……無駄だよ、最原くん。君に味方する人たちは部屋に閉じ込めてきたから、誰もここには来ないんだよ」
最原「そ、ん、な……」
最原「あ、赤松さ、たす、け……」
赤松「それじゃあね、最原くん!最後にお礼だけは言っておくよ!死んでくれてありがとう!」
―――ガチャ……バタン!
最原「待ってよ……僕を、見捨て、ない、で……」ガクッ
最原(………たのに)
最原(皆の事を、信じていたのに……!)
百田『俺たちはずっと親友だぜ!終一!』
春川『……最原、アンタと出会えて良かったよ』
王馬『最原ちゃんを俺のライバルと認めちゃうよ!だから、これからも俺を楽しませてよね!』
最原(……全部嘘だったんだ……皆、僕の事を騙していたんだ……!)
夜長『終一の事は好きだよ~!神様もそう言ってるよ~!』
天海『最原くん……俺は、君の友人になれて良かったと思ってるっす!』
星『こんな俺の事を友と呼んでくれて、ありがとうな……』
最原(あの言葉も、全部全部……嘘だったんだ……!)
入間『お、お前に、俺様と一緒にいる事を許してやるぜ……!』
茶柱『最原さんのおかげで、転子の視野は広がりました!良い男死もいるんですね!』
最原(僕は、皆の事を信じていたのに……!)
東条『……これからもあなたのために頑張らせてもらうわ。よろしくね、最原くん』
夢野『んあー……お主の傍は、なんだか温かいのぉ……』
赤松『最原くん、ここを出たら、いっしょにさ……』
最原「みんな……僕の事を嫌いだったんだね……!僕はみんなを、信じてたのに……っ!」
モノクマ「……可哀想にねえ、最原くん……本当に可哀想だよ……」
最原「………」
モノクマ「可哀想で見ていられない君を助けに来てあげたよ。すぐに治療してあげるからね……!」
最原「………」
モノクマ「……大丈夫、明日には全てが解決するよ。明日にはね……!」
最原「……ん、んん……?ここは……?」
最原「地下のAVルーム……?そうか、僕はモノクマに助けられて……」
―――ドンドンッ!
??「最原くんっ!居るの?居たら返事をしてよっ!」
最原「この声は……!」ガチャッ
獄原「最原くん!良かった!」
最原「ご、ゴン太くんっ!?どうしたの?そんなに慌てて……」
獄原「き、昨日、他の皆に部屋に閉じ込められて、何がなんだかわからない内に一日が経っちゃって……今朝、やっと部屋から出られたと思ったら誰の部屋にも最原君が居なかったから、ゴン太たちは必死になって探してたんだよ!」
最原「……そっか、僕のことを、心配してくれて……」
獄原「そんなことより……うっ、ううっ……ごめん!ごめんよ、最原くん……っ!」
最原「えっ!?」
獄原「ご、ゴン太は、ゴン太は……っ!皆に苛められてる最原くんを見ているだけだった!大切な友達なのに、助けることもせずに、ずっと、そのままで……あんなにボロボロになった最原くんを助けなかっただなんて、ゴン太はどうかしてたよ……!」
最原「きゅ、急に、何を……?」
獄原「これ!倉庫から怪我の手当てに使えそうな物と、たくさんの食べ物を持って来たんだ!最原くん、食べてよ!」
最原「で、でも、こんな事したら他の皆が……」
獄原「……手出しはさせないよ。もう、誰にも最原くんを傷つけさせはしない!ゴン太が最原くんを守るよ!絶対に、守ってみせる!それが……ゴン太に出来る、罪滅ぼしなんだ……!」
最原「ゴン太くん……」
最原「……ん、んん……?ここは……?」
最原「地下のAVルーム……?そうか、僕はモノクマに助けられて……」
―――ドンドンッ!
??「最原くんっ!居るの?居たら返事をしてよっ!」
最原「この声は……!」ガチャッ
獄原「最原くん!良かった!」
最原「ご、ゴン太くんっ!?どうしたの?そんなに慌てて……」
獄原「き、昨日、他の皆に部屋に閉じ込められて、何がなんだかわからない内に一日が経っちゃって……今朝、やっと部屋から出られたと思ったら誰の部屋にも最原君が居なかったから、ゴン太たちは必死になって探してたんだよ!」
最原「……そっか、僕のことを、心配してくれて……」
獄原「そんなことより……うっ、ううっ……ごめん!ごめんよ、最原くん……っ!」
最原「えっ!?」
獄原「ご、ゴン太は、ゴン太は……っ!皆に苛められてる最原くんを見ているだけだった!大切な友達なのに、助けることもせずに、ずっと、そのままで……あんなにボロボロになった最原くんを助けなかっただなんて、ゴン太はどうかしてたよ……!」
最原「きゅ、急に、何を……?」
獄原「これ!倉庫から怪我の手当てに使えそうな物と、たくさんの食べ物を持って来たんだ!最原くん、食べてよ!」
最原「で、でも、こんな事したら他の皆が……」
獄原「……手出しはさせないよ。もう、誰にも最原くんを傷つけさせはしない!ゴン太が最原くんを守るよ!絶対に、守ってみせる!それが……ゴン太に出来る、罪滅ぼしなんだ……!」
最原「ゴン太くん……」
最原「……気にしてないよ」
獄原「え……!?」
最原「僕は、ゴン太くんのことを許すよ。だって、ゴン太くんは僕を助けてくれたじゃないか」
獄原「でも、ゴン太は……!」
最原「大丈夫、僕はゴン太くんのことを大事な友達だと思ってる……その言葉に嘘はないから……!」
獄原「さい、はらくん……!」
キーボ「そうですよゴン太くん、君は自分を責める必要は無いんです」
真宮寺「ここに居たんだネ、二人とも……」
最原「キーボくん!真宮寺くん!」
真宮寺「……ゴン太くん、君は最原くんが自分の部屋に居ないと知った時、まっさきに駆け出して行ったネ。友達の身を案じて行動する君が、悪い人間であるはずが無いヨ」
キーボ「そして、今の最原くんに必要な物を真っ先に届けた……ゴン太くんは、立派な紳士ですよ!」
獄原「で、でも……」
最原「……二人の言うとおりだよ。それに、ゴン太くんは僕の一番欲しかったものをくれたんだ」
獄原「えっ?」
獄原「さいはら、くんっ……!」
最原「……ありがとうゴン太くん。僕のことを心配してくれて……僕の友達で居てくれて、ありがとう……!」
獄原「ち、ちがうよ……お礼を言うのはゴン太の方なんだ……!こんなゴン太を許してくれて、本当にありがとう……!うぅ、うわぁぁんっ……!」
真宮寺「……ふふ、友情の涙って言うのは、本当に美しいネ……」
キーボ「ええ……僕には流せないことがとても残念です」
最原「……二人もありがとう。僕のことを心配してくれて……」
キーボ「何を言うんです!友達なら当然じゃないですか!」
真宮寺「そうだヨ……さて、このままいつまでもここに居るのはオススメできないネ。きっと今頃、他の皆も最原くんを探してるヨ」
獄原「また最原くんを痛めつけるためにだね……!?」
キーボ「……もう朝食を食べ終わる時間でしょう。急いで身を隠さないと……」
入間「い、居たぁ……!最原ぁ……!」
最原「!?」
真宮寺「くっ、見つかっちゃったネ……!」
獄原「……ここはゴン太に任せてよ。ゴン太が最原くんを守る!」ゴゴゴゴゴ…
入間「ま、待ってくれ!俺様は、最原に謝りに来たんだ!」
獄原「えっ?そうなの?」キョトン
キーボ「騙されちゃ駄目です!これは嘘ですよ!」
獄原「嘘!?入間さんは最原くんに謝りに来たんじゃないの!?」
入間「ひぃぃぃっ!違う、違うんだ!本当に謝りに来たんだよ!その証拠に、ほら!」
真宮寺「……これはなんだい?」
入間「お、俺様が作った医療用カプセルだ!これの中に入ればものの数分で怪我が治るんだぜ!」
真宮寺「……本当かい?そんな事を言って、また最原くんを痛めつける為の道具なんじゃないだろうネ?」
入間「し、信じてくれよぉ……!俺様も今までの行動を反省したんだ、なんで自分があんなことをしたのか、今でもわかんないんだよぉ……!」
最原「………」
入間「でも、もう裏切らないから……!だから信じてくれよ、最原ぁ……!」
真宮寺「……こう言ってるけど、どうする?」
最原「……わかった。君の事を信じるよ、入間さん」
入間「さ、最原っ!」
最原「このカプセル、使わせてもらうね!ありがとう!」
入間「い、いや、良いんだ……!俺様こそ悪かったよ、おかしな真似をしてすまなかった……」
最原「良いんだよ入間さん。こうしてちゃんと謝ってくれれば、それで良いんだ」
入間「あ、ああ……!良かった、これで……!」
真宮寺「くっ、見つかっちゃったネ……!」
獄原「……ここはゴン太に任せてよ。ゴン太が最原くんを守る!」ゴゴゴゴゴ…
入間「ま、待ってくれ!俺様は、最原に謝りに来たんだ!」
獄原「えっ?そうなの?」キョトン
キーボ「騙されちゃ駄目です!これは嘘ですよ!」
獄原「嘘!?入間さんは最原くんに謝りに来たんじゃないの!?」
入間「ひぃぃぃっ!違う、違うんだ!本当に謝りに来たんだよ!その証拠に、ほら!」
真宮寺「……これはなんだい?」
入間「お、俺様が作った医療用カプセルだ!これの中に入ればものの数分で怪我が治るんだぜ!」
真宮寺「……本当かい?そんな事を言って、また最原くんを痛めつける為の道具なんじゃないだろうネ?」
入間「し、信じてくれよぉ……!俺様も今までの行動を反省したんだ、なんで自分があんなことをしたのか、今でもわかんないんだよぉ……!」
最原「………」
入間「でも、もう裏切らないから……!だから信じてくれよ、最原ぁ……!」
真宮寺「……こう言ってるけど、どうする?」
最原「……わかった。君の事を信じるよ、入間さん」
入間「さ、最原っ!」
最原「このカプセル、使わせてもらうね!ありがとう!」
入間「い、いや、良いんだ……!俺様こそ悪かったよ、おかしな真似をしてすまなかった……」
最原「良いんだよ入間さん。こうしてちゃんと謝ってくれれば、それで良いんだ」
入間「あ、ああ……!良かった、これで……!」
入間「!?」
キーボ「……そのカプセル、先に真宮寺くんに使ってあげてください」
真宮寺「僕に?確かに僕も怪我をしているけど、重症なのは最原くんの方じゃ……?」
キーボ「……僕の内なる声が言うんです。『先に真宮寺くんに使わせろ』と……さもないと、最原くんに大変なことが起きると言うんです」
最原「えっ……!?」
入間「~~~っ!?」
真宮寺「……僕はかまわないヨ。最原くんの安全を確保するためならお安い御用サ」
最原「だ、大丈夫だよね……?入間さん、この機械には何も仕掛けられて無いんだよね……?」
入間「そ、それは……」ダラダラ…
真宮寺「……その反応、やっぱりなにか仕掛けられているのかい?」
最原「え……!?」
キーボ「……やっぱり、最原くんを傷つけるつもりでこれを!?」
入間「ち、違う……違う!そうじゃないんだ!」
真宮寺「じゃあ何で僕にこれを使わせるのを躊躇うんだい?何か都合の悪いことがあるんでしョ?」
入間「ち、違うよぉ……!お、俺様は、俺様は、ただ、最原に嫌われたくなかったんだよぉ……」
最原「……何かあるの?この機械……!?」
入間「う、うぅ……き、危害は加えないし、怪我も完全に治す……そこは本当だ!信じてくれよ!」
キーボ「……それで?何を仕掛けたんですか?」
入間「あ、う……ほ、ほんのちょっとだけ……使った奴の記憶を消す、だけだから……大体、一週間分……」
最原「!?」
入間「そ、そうだぜ!俺様は、最原が辛い記憶を忘れられる様にサービスをだな……」
真宮寺「……冗談じゃない」
入間「うっ……!?」
真宮寺「最原くんから記憶を消して、自分の罪を無かった事にしようとしたんでしョ?……冗談じゃない!」
入間「ひいっ!?」ビクッ!
真宮寺「自分の罪も認めず、その過ちを正そうともせず、苦しみすら投げ出す……入間さん、君は最低最悪の人間だヨ」
入間「あ、あ……」
キーボ「……あなたの事は尊敬していました。でも、この行動でその気持ちも全て吹き飛びましたよ。傷つけなければ、何をしてもいいってわけじゃない!そんなこともわからない人だったなんて!」
入間「ち、違うんだ……!悪かった、そう思うよ……!でも、でも、俺様は、私は……最原に嫌われたくなかったんだよぉぉぉぉぉっ!」
入間「自分があんな事をしただなんて信じたくなかったんだ!最原に嫌われたくなくて、自分を守りたくって……ただそれだけだったんだ!最原を傷つけようだなんて、これっぽっちも思って無かったんだ!」
入間「頼むよ!記憶を消す機能は取り外す!だから、もう一度チャンスをくれ!いや、下さい!お願いします!」
獄原「……無理だよ」
入間「……え?」
獄原「……馬鹿なゴン太にもわかるよ……今、入間さんが踏み躙っちゃったそれが、最後のチャンスだったんだよ……。もう、入間さんにチャンスは上げられないよ……」
入間「そ、そんな……嘘だろ?そ、そんなわけ無いよな?最原!?」
入間「!?」
最原「入間さんの事、最後にもう一度信じようって思えたのに!君を信じたのに!僕の事を大切に思ってくれてるって、今度こそ裏切らないって、信じたのに!」
入間「あ、あぁ……あぁぁぁぁ……」
最原「君は……結局自分が大事なんだね?君だけじゃなくって、他の皆もそうなんだよね?」
入間「ちがう……違うよ最原!そんなんじゃ……」
最原「うるさい!もう君の言葉なんか聞きたくない!君のことなんか信じられない!もう、もう……僕の目の前から消えてよ!」
入間「……あ、あ、あ、……ああぁぁぁぁぁっ!違う、違うんだよっ!わ、私は、私はっ!」
キーボ「……僕も最原くんと同意見です。あなたの顔なんて見たくない」
真宮寺「見苦しい真似はよしなヨ、入間さん」
入間「あう、あぁ……許してくれ、許してくれよ、最原ぁ……!私が悪かったから、もう二度と、裏切ったりしないからぁ!」
獄原「……出て行ってよ、入間さん。ゴン太は最原くんを守るって決めたんだ。だから、その最原くんが望むなら、ゴン太は女の子にだって手を上げるよ!」
入間「頼むよぉ……。何でも言う事を聞く、言いなりになるから、だから……」
獄原「入間さんっ!」
入間「ひいっ!」ビクッ!
獄原「えっ……?」
入間「さ、最原……!お前、わかって……」
最原「……そんな最低な奴の為に君が手を汚す必要なんて無い。僕たちがここから出て行けば良いんだ」
入間「……え?」
最原「行こう、皆……ゴミ虫の僕は入間さんには相応しくないからさ、彼女の前から消えるよ」
入間「……は、あ……?う、あ……」
最原「……さよなら入間さん。本当に僕の言うことを聞くって言うのなら、もう二度と僕の前に顔を出さないでね」
入間「ま、待って……」
―――ギィィ……バタン!
入間「……あ」
入間「……あ、あ、あ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」
入間「許してくれっ!許してくれよぉっ!私が悪かったから!全部全部私が悪かった!謝る!罪も認める!反省するよぉっ!」
入間「だから私を許すと言ってくれよ!もう二度とお前を傷つけないから……!約束するから!頼むよ!最原!最原あぁぁぁぁぁぁっ!!!」
キーボ「……気を落とさないで下さい、最原くん。入間さんがああいう人だなんてわかってたじゃないですか」
最原「………」
真宮寺「……信じた気持ちを裏切られるのは辛いよネ。良くわかるヨ……おや?」
天海「あ……!最原くんっ!」ダッ!
獄原「天海くんだ!」
キーボ「こっちに来ます!」
最原「っっ……!」
天海「さ、最原くん!すみませんでしたっ!」ガバッ!
真宮寺「え……?」
天海「お、俺は、最原くんになんて酷い事を……!悔やんでも悔やみきれない!俺はなんであんな事をしてしまったんすか!?」
獄原「もしかして、天海くんも最原くんに謝りに……?」
天海「はい……!こんな口だけの謝罪じゃ意味が無い事もわかってます。だから……っ!」
最原「これは……ペンチ?」
天海「……俺が最原くんにしてしまった事、すべてをやり返してください。君が望むままに……!」
最原「………」
天海「俺に……俺に出来る償いなんて、それくらいしかないんっすよ……!だから、どうか……」
最原「……なんでだよ」
天海「……え?」
キーボ「……天海くん、君は……君は、なんて愚かなんですか……!」
天海「えっ……!?」
天海「そ、そんな……俺は……」
キーボ「最原くんの体を見てください!どこもかしこも傷だらけ、骨も折れたり砕けたりしているんですよ!?体のどこに後遺症が残るかもわかったもんじゃない!」
天海「わ、わかってるっす!だから、俺も同じ目に……」
キーボ「それがなんになるんですか!?天海くんを傷つけたら最原君の怪我は治るんですか!?心の傷が癒えるんですか!?違うでしょう!?あなたのその償いの方法には、なんの意味も無いんですよ!」
天海「えっ……!?」
最原「……キーボくんの言うとおりだよ。天海くん、僕は君の自己満足に付き合うつもりは無い」
天海「さ、最原くん……?」
真宮寺「そもそも何で許されると思ったんだい?あれだけの行為、一生かかっても償いきれるもんじゃない」
最原「……その償いをこの場で終わらせようとする君の性根には心底失望したよ……そんなに考えの浅い人間だったんだね……」
天海「ち、ちがうっす!俺は、必死に考えて……」
最原「必死に考えて自分を傷つける様に僕に頼んだの?その考えが浅いって言ってるんだよ!」
天海「うぅっ……」
獄原「さ、最原くん……っ!」
最原「……でも、天海くんはその逆だよ。そんな浅はかで短絡的な考えを持つ人だとは思ってなかった。君と友達で居た事は、僕の恥だよ」
天海「最原、くん……おれ、は……」
最原「……馴れ馴れしく僕の名前を呼ばないでよ。僕と君はもう友達じゃないんだから」
天海「ぐ……っぁ……っ……」
最原「……行こう、皆。他の人に見つかったら厄介だからね……」スタスタ…
天海「……俺は、何を考えてたんすかね……?」
天海「自分の事しか考えていなかった……どうやったら許して貰えるかだけ考えて、最原くんの心の傷のことなんてこれっぽっちも考えて無かった……これは、その報いなんすね……」
天海「最原くんの言う通りっす……こんな奴、縁を切られて当然じゃないっすか……絶交されて当然じゃないっすか……!」
天海「……すいません、最原くん……本当に、すいませんでした……っ!」
王馬「ああ、居た居た!おーい、最原ちゃーん!」タッタッ…
最原「………」
王馬「いや~、探したよ!見つかって良かった~!」
最原「………」
王馬「ごめんね最原ちゃん!俺、どうかしてたよ!大好きな最原ちゃんにあんな事をするなんてさ……」
最原「………」
王馬「これからは心を入れ替えるから、最原ちゃんにもそれを見てて欲しいな!」
最原「……どうせ」
王馬「ん……?なあに、最原ちゃん?」
最原「どうせ、全部嘘なんでしょ?僕に悪い事をしたとも思ってないし、今日までの事を後悔してもいない。全部お得意の嘘なんでしょ?王馬くん」
最原「そう……わかったよ。あくまで僕に嘘をつき続けるんだね?」
王馬「………」
最原「……今更、君を信じられるわけないだろ。君が今まで積み重ねてきた信頼なんて、そんなもんしかないんだからさ」スタスタ…
王馬「………」
キーボ「……もしかしたら、君は本心を口にしているのかもしれません。しかし……悔やむなら、今までの自分の行いを悔やんでください」スタスタ…
真宮寺「……哀れだネ。でも、この状況を招いたのは君自身の行いだって事を忘れないでヨ」
獄原「ゴン太は王馬くんが悪い人じゃないって事はわかってるよ。でも……それと最原くんが王馬くんを許すかどうかは、別の話だから……」
王馬「………」
王馬「……ごめんよ、最原ちゃん……これは本当だよ。この言葉は、本当なんだよ……!」
王馬「ホントのホントに……ごめんよ……」
東条「はぁっ……!はあっ……!」バタバタ
キーボ「寄宿舎に帰って来ましたが、あれは……?」
真宮寺「東条さん、だネ。なにやら鬼気迫る表情で最原くんの部屋を片付けているヨ」
東条「私は、私は……なんて事をしてしまったの……!?なんて愚かな振る舞いを……!」
獄原「……もしかして東条さん、最原くんに謝りたいのかも!?」
真宮寺「だから必死になって最原くんの部屋を片付けているってわけか……」
最原「……話を聞いてみよう。東条さんのあの様子なら、僕は彼女を許せるかもしれない」スッ…
東条「っっ……!?さ、最原くん……!」
最原「……何をしているの、東条さん?」
東条「ご……ごめんなさい!私は、あなたにとんでもないことを……!」
最原「……何をしているのか聞いているんだけど?」
東条「……あなたの部屋の片づけをしているの、こんな……こんな有様になるまで放っておいたなんて、私は自分が信じられないわ……いえ、この部屋の有様だけじゃない……ここ最近の私の全てが信じられないの……」
東条「あなたに対する数々の差別……私のメイドとしての技術をあんなに酷い事に使ってしまうなんて、私は狂っていたとしか表現しようが無いの……」
最原「………」
東条「……許して欲しいだなんて軽々しくは言えない。もう顔も見たくないと言われても当然だわ……でも、もしあなたが最後のチャンスをくれると言うなら、私は今までの汚名を返上してみせる!メイドとして、あなたの友人として!」
最原「……うん、良いよ」
最原「東条さんが一生懸命償いをしようとしてくれているのはわかったよ。だから、僕は東条さんをもう一度信じてみる。まだ少し恐いけど……これからの君の行動で、僕を信じさせて見せてよ」
東条「ああっ……!あり、がとうっ!ありがとう、最原くん……っ!見ていて、私、頑張るから……!精一杯、あなたに仕えるから……!」ポロポロ…
最原「うん……どうかまた、僕が君と笑い合える様にしてみせてよ、東条さん」
東条「ええ!……そうだ、まずはあなたの怪我の手当てをしないと……私、救急箱を持って来たの、すぐに治療しましょう!」
最原「うん、ありがとう……」
東条「……ま、まずは切り傷の治療から始めましょう。えっと、必要な器具は……あっ!?」
―――ガチャーン!
キーボ「だ、大丈夫ですか!?」
東条「え、ええ……ごめんなさい、すこし眩暈がしてしまって……」
最原「………」
東条「……?さ、最原くん?どうかしたの?」
最原「……東条さん、これ、なあに?」
東条「えっ……っっっ!?」
真宮寺「……スタンガンだネ。しかも超強力だ、人だって殺せるヨ」
最原「……今、救急箱の中から出てきたんだ。なんでこんな物が救急箱の中に入ってるの?」
東条「わ、私は知らないわ……!本当よ!私は何も知らない!他の人が入れていたのよ!私じゃないのよ!」
最原「………」
東条「お願い、信じて……!こんな、こんなちっぽけな事であなたとの繋がりが消えてしまうだなんて、そんなの……」
最原「ち、っぽけ……?」
東条「え……?」
最原「東条さんは、今まで僕にしてきた事をちっぽけなことだと思ってるの?あれだけの事をしておいて、その位にしか思ってないの?」
東条「ち、違うわ!そうじゃない!そうじゃないのよ!」
最原「……なら、もう僕が君の事を許したとでも思ってるの?ほんの少しだけ部屋を綺麗にして謝ったら、今までの事が水に流されるとでも思ってるの……?」
東条「そ、そんな事は無いわ……!私は、誠心誠意あなたに謝ろうと……!」
最原「……じゃあなんでそんな無神経な事が言えるんだよ……?心のどこかで、自分は悪くないって思っているからじゃないの!?」
東条「違う!違うわ!お願い最原くん、私の事を信じて!お願いだから……!」
東条「し、真宮寺くん……!?待って、お願いだからもう少しだけ最原くんと話をさせて!」
真宮寺「……東条さん、僕の立場になって考えて欲しい……最原くんに危害を加える可能性がある君を、彼と同じ部屋にいつまでも居させると思うかい?」
東条「それ、は……」
真宮寺「……君は、最後にもらったチャンスを大切にすべきだったんだヨ。いつもの君がするように、完璧な振る舞いと心遣いに気を配っていれば、こんな事にはならなかっただろうに……」
東条「………」
真宮寺「もう一度言うヨ、東条さん……この部屋から出て行くんだ。これはお願いじゃない、命令サ」
東条「……っ、うぅっ……!畏まり、ました……っ!」
最原「……さよなら、東条さん……君の事、信じたかったよ……」
東条「……ぁぁっ、くっ、うぅ……っ」
―――バタン
東条(……何よ、涙なんて……私に泣く権利なんてあるはずが無いじゃないの……!)
東条(あんな真似をして、メイドとしての誇りまで汚す真似をして……もらった最後のチャンスまで棒に振った、最後まで自業自得じゃない。他の誰のせいでもないじゃないの……)
東条(そうよ、泣きたいのは最原くんの方よ……だからお願い……涙なんか流れないでよ……!私に、そんな権利がある、わけが……っ)
東条「あ、あぁぁ……うわぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
獄原「えっ!?で、でも……」
真宮寺「……わかったヨ。何かあったら大声を出すんだヨ?」
最原「うん……ありがとう……」
キーボ「し、真宮寺くん!今の最原くんを一人にするのはあまりにも危険じゃ……!?」
真宮寺「……人には一人になりたい時もある……心苦しい時には、孤独もまた薬になりえるのサ。今は、最原くんの気持ちを尊重しようヨ……」
獄原「……うん、わかったよ。最原くんが望むなら、ゴン太は出て行くね……」
キーボ「……僕も、お二人に倣います。最原くん、僕たちに力になれることがあったら、すぐに声をかけて下さいね……」
―――ガチャ……バタン
最原「……なんでかな?なんでこんな事になっちゃったのかな?」
最原「なんで……こんな事になっちゃったんだよ……?うっ、うぅぅぅぅっ……」ポロポロ…
最原「………」トボトボ…
最原(皆が恐い……皆を許せない……なんでだ?僕は皆が大好きだったはずなのに……?)
最原(このままじゃ駄目なんだ……。いつもの僕に戻らなきゃ……そうしなきゃ、僕と皆は……!)
―――ゴソゴソ……
最原「っっ!?だ、誰っっ!?」
夢野「あ、う、ウチじゃ、ウチじゃよ。最原……」
最原「夢野、さん……!」ビクッ!
夢野「さ、最原よ、う、ウチは……」
最原「……そうだ、そうだよ……夢野さんなら、きっと……!」
夢野「さ、最原……?」
最原「……夢野さんは、超高校級の魔法使いなんだよね?魔法が使えるんだよね?」
夢野「ん、あ……?た、確かに使えるが……それがどうかしたのか?」
最原「……僕に魔法をかけて欲しいんだ。皆が恐くなくなる魔法をかけて欲しいんだよ!」
夢野「えっ……!?」
最原「だから夢野さん!僕に魔法をかけてよ!僕が皆を恐がらなくなれば、きっとまた皆と仲良くなれるんだ!そのはずなんだ!」
夢野「あ、う……う、ウチは……」
最原「お願いだよ夢野さん!君ならできるでしょ?出来るんでしょ!?」
夢野「あ、あ……で、出来る、ぞ……出来るに決まっておる!なにせウチは、魔法使いなのじゃから……」
最原「ならお願いだよ!その魔法を僕にかけてよ!僕、皆のことを嫌いになりたくないんだ!夢野さんのことも、嫌いになりたくないんだよっ!」
夢野「ぐ、うぅぅぅぅぅっ……!」
最原「……夢野さん?なんで魔法をかけてくれないの?出来るんでしょ?早くしてよ!」
夢野「うぅ……きょ、今日はえむぴーが足りなくて……」
最原「ならいつなら出来るの!?」
夢野「ひいっ!?」ビクッ!
最原「出来るんでしょ!?いつなら出来るの!?なんで魔法をかけてくれないのさ!?」
夢野「あ、や、やめて……っ!」
最原「僕は皆を嫌いになりたくないんだ!だから、だから……頼むよ夢野さん……僕に魔法をかけてよ……!」
夢野「……す、すまん……う、ウチは、ウチは……!」
最原「……僕が嫌いだから?」
夢野「え……?」
夢野「っっ!?」
最原「そうなの?大嫌いな僕の頼みなんて聞きたくないから無視してるの?叶えてくれないの?」
夢野「ち、違う……!そうじゃない、そうじゃないっ!」
最原「なら何で魔法をかけてくれないのさ!?」
夢野「あう、あ、う……うぅぅぅぅぅっっ……」
最原「……やっぱりそうなんだね……!僕の事が大嫌いだから、夢野さんは魔法をかけてくれないんだ……」
夢野「ちが、う……違うんじゃ、最原……!ウチがお主を嫌うはずがない……嫌いなはずがないんじゃあぁっ!」
―――ガサゴソッ!
茶柱「夢野さん!今の声、もしかして最原さんを見つけたのですか!?」
最原「!?」
夢野「て、転子……!」
最原「あ、あ……!あぁぁぁっ!」
最原「う、あ……!?」
茶柱「……そ、その……あの……転子は、最原さんに言わなくてはならないことが……」
最原「……わ、悪かったよ……」
茶柱「……え?」
最原「夢野さんに詰め寄ったりしてごめんなさい!僕が悪かったです!ごめんなさい!ごめんなさいっ!」
茶柱「ま、待ってください。転子はただ、最原さんに謝りたくて……」
最原「僕が悪かったから!もう殴らないでください!お願いします!もう痛いのは嫌なんだ!お願いだよ!」
茶柱「ち、違います……!転子は、転子は……最原さんにそんな事をするつもりは……!」
最原「僕が悪かったから!もう僕に近づかないでくれよぉぉぉっ!!!」ダッ!
茶柱「さ、最原さんっ!」
最原「うわぁぁぁっっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」ダダダ…
夢野「……最原が、ウチのことを見てあんなに恐がって……悲しんで、涙して……」
夢野「……ウチは、最原の事が嫌いだったのか?……そんなわけ無い、そんなわけが無いんじゃ……!」
夢野「好きだったんじゃ……お前の事が……最原のことが、ウチは好きだった……本当に、好きだったんじゃ!お主の事が大好きだったんじゃよぉっ!」
茶柱「……転子はもう、あなたに顔を見せることすら許されないんですね……?いえ、それが当然なんです……」
茶柱「無抵抗の最原さんを痛ぶって、何の罪も無い最原さんを傷つけて……あんなの、人の所業じゃありません……あんなの、悪魔のやることですよ……」
茶柱「こんな転子が正義の味方?武道の心?……笑い話にもなりません。転子はもう……消えて無くなってしまいたい……!」
最原(恐い、恐い恐い恐い!皆が僕を虐めようとする!傷つけようとする!殺そうとしている!)
最原(恐い!恐い!恐い!誰か、誰か助けてっ!)
最原「うあぁぁ……うわぁぁぁぁっ!!!」
星「……今の、声は……!?」
最原「!?」
星「最、原……!やっと、やっと見つけた……!」
最原「ほ、星くん……!」
最原(また虐められる!痛めつけられる!ボールをぶつけられて、殴られて、骨を砕かれる!)
最原「い……嫌だっ!嫌だあぁぁぁぁぁっ!」ダッ!
星「!?」
最原「もう嫌だよ!嫌だよぉぉぉっ!」
星「待ってくれ……待ってくれ、最原っ!」ダッ!
最原(ほ、星くんが僕を追いかけてくる!捕まったら殺されるっ!)
最原「うわぁぁぁぁっ!あっ、あぁぁっ!うわぁぁぁぁっ!」
最原「あ、あぁっ!うわぁっ!」ズルッ!
星「さ、最原っ!」
最原「あうぅ……う、うぅっ……ひっ!?」
星「……最原、頼む。俺の話を聞いてくれ……!今さらどの面下げてお前に謝れば良いかわからねえ。だが、俺は……」
最原「う、うぅぅぅっ……ううぅぅぅっ……!」
最原「助けて……誰か助けてよ……っ!」
星「……くっ!俺は、最原をここまで追い詰めて……っ!」
獄原「さ、最原くーん!」ダダダッ!
星「!?」
獄原「どうかしたの!?何かあったの!?ゴン太が助けに来たよ!」
最原「あ……!ご、ゴン太くん……!?」
獄原「もう大丈夫だから……!ゴン太が最原くんを守るよ!」
最原「あ、ありがとう……!ありがとうぅ……!」
星「………」
星「………そうだよな。それが、友達ってやつだよな……」
獄原「………!」
星「……すまなかった。もう、俺は最原に近づかねえよ……本当にすまなかったな……」
最原「うう……うぅぅ……」
獄原「……大丈夫だよ、最原くん。もう星くんは居なくなったから」
最原「ほ、本当に……?」ビクビク…
獄原「本当だよ!……ゴン太がおぶってあげるから、一緒に部屋まで戻ろう。少し落ち着けば、きっと気分も楽になるよ」
最原「うん……ありがとう、ゴン太くん……」
星「……そいつが一番しんどい時に手を貸してくれる存在……それが、友って奴だ。そうだ、その通りだ……」
星「しんどい時に手を貸すどころか追い詰める真似までしちまった……俺を友だと言ってくれた最原を、俺はこの手で傷つけたんだ……」
星「その俺のどこにあいつの友だと言える資格がある……?もう一度お前を友だと言わせてくれなんて、虫が良すぎる話だ……裏切った相手にそんな事を言おうとするなんて、俺もとんだ大馬鹿野郎だな……」
星「……すまなかった、最原……こんな俺の唯一の友だった男よ。どうか俺のことなんか忘れて、記憶から消し去ってくれ……っ!」
最原「………」
白銀「あー!最原くん、ここに居たんだ?探したよ~!」ガチャ!
最原「………」
白銀「色々とごめんね?流石にやりすぎちゃったと思って、私も地味に反省したよ~!」
最原「………」
白銀「どーもすいませんでした!って、ことでこの話はお終いね!」
最原「………」
白銀「……あ、わかってると思うけど、私は全然悪いことしたとは思ってないからね。それは他の皆もそうなんだよ?」
最原「………」
白銀「泣きじゃくってるのも、叫んでるのも全部演技!そうして皆が後悔している様に見せかけて、もう一度最原くんを信用させようって魂胆なんだよ!」
最原「………」
白銀「……皆の態度を見てれば分かるでしょ?だ~れも自分が悪い事をしたなんて思ってないんだよ。嘘だと思うなら部屋に篭りっきりのアンジーさんの所に行ってみなよ。私の言ってる事が正しいって分かるだろうからさ……」バタン…
最原「………」スッ…
夜長「……ってよ。……く、てってば……!」ブツブツ…
夜長「神様……なんで何も言ってくれないの……?アンジーは神様の言うとおりにしたよ?だから、今度は終一がアンジーを許してくれる方法を教えて欲しいんだよ……」
夜長「何とか言ってよ……!お願いだから、どうしたら終一に許して貰えるかを教えてよ!」
―――ガチャ……
夜長「えっ……!?」
最原「………」
夜長「終……一……!?なんで、アンジーの部屋に……?」
最原「………」
夜長「あ……アンジーは、悪くないよ……!神様がそうしろって言ったんだよ……!終一を虐めろって、神様が言ったんだよ!」
夜長「ねえ、終一!アンジーは悪くないよね!?そうだよね!?終一は分かってくれるよね!?ねえっ!?」
最原「……君は」
夜長「な、何……?!」
最原「……君は、僕に謝ってもくれないんだね……?」
夜長「!?」
夜長「ひ、ぐっ……や、止めてよ終一……アンジーの事、そんな目で見ないで……!」
最原「でも……違ったんだね。アンジーさんは、自分の都合の悪い事を神様のせいにする無責任な人だったんだね」
夜長「違うよぉ……!アンジーは、そんな悪い子じゃあ……」
最原「……もう、何だって良いよ。アンジーさんは自分が悪くないって思ってるって知れただけで十分さ。もう僕は、アンジーさんの事なんてどうだって良いもの」
夜長「や、やだよ……!終一、そんな事言わないでよ……!どうしたらアンジーの事を許してくれるの……?」
最原「……神様に聞きなよ。アンジーさんはいつだってそうして来たんでしょ?」スタスタ…
夜長「あ……待って、終一……!お願い……アンジーを見捨てないで……!」
最原「………」スタスタ…
夜長「……ねえ、神様。アンジー、何か悪い事をしましたか?アンジーは神様の言う事をちゃんと聞いていたよね?」
夜長「じゃあなんで、こんなに苦しい思いをしているの?何で、大好きな終一に嫌われるの?……わかんないよ……わかんないよ!」
夜長「何か言ってよ!アンジーはどうすれば良いのか教えてよ!どうしたら終一と仲直りできるの……?教えてよ、神様ぁぁっっ!!!」
春川「う、えぇぇぇ……はぁっ、はぁっ……!」
春川「わ、私……なんて事をしていたの……?なんであんな真似を最原に……?」
春川「あ、あいつを殴った時の感覚が手に残ってる……。ううん、殴った時だけじゃない、拷問した時の感覚も、あいつにナイフを突き刺した時の感覚も……うっっ!!!」
春川「私……あいつに何て言って謝れば良いの……?訳分かんないよ……最原にどう償ったら良いの……!?」
春川(……駄目だ……一人で考えてたって答えは出ない……。赤松や百田と相談しよう……それで、なんとか……)スタスタ…
最原「……ひどい顔だね。春川さん」
春川「!?」
最原「……なんでそんな顔をしてるの?僕を虐めて楽しんでたんじゃないの?」
春川「さ、最、原……!」
最原「もしかして、今更罪悪感に苦しんでるの?僕をあれだけ痛ぶった事を後悔しているの?それで、そんな被害者みたいな顔をしているの?」
春川「そ、それは……」
春川「や、やめ……」
最原「僕がそう言って頼んで、春川さんが止めてくれた事ってあったっけ?そんな君のお願いをなんで僕が聞いて上げなきゃいけないの?」
春川「あ、あう……うぅぅ……」
最原「……春川さんは良いよね。そうやって蹲って子供みたいに泣いていれば気分も晴れるんだからさ……体に傷も残らない、誰かに裏切られる苦しみも知らないでいられるんだから、君は良いよね……」
春川「う、う……」
最原「……僕、君の事を大事な友達だと思っていたよ?大好きだったよ?でも、君はそうじゃなかったんだよね?僕の事が嫌いだったんだよね?」
春川「ひっく……ぐすっ……」
最原「……泣いてないで僕の話をちゃんと聞きなよ。そんなことも出来ないの?小学生でも出来る事だよ?」
春川「ひっ……!ご、ごめんな、さ……」
春川「えぐっ……う、うぅっ……」
最原「……世の中には取り返しのつかないこともある。君が僕にしてきた事を後悔して謝ったとしても、僕は君の事を絶対に許さないからね?よーーーく、覚えておくんだよ?」
春川「あ、ああ……あぁぁぁぁぁぁん!わぁぁぁぁぁぁぁん!」
最原「ああ、本当に可哀想だね、魔姫ちゃん……加害者の癖に被害者ぶって、ちょっと罪悪感をつつかれたら崩れ落ちて、悲劇のヒロインみたいに泣きじゃくって、自分に酔いしれて……本当、君を見ていると虫唾が走るよ」スタスタ…
春川「うあぁぁぁぁんっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいぃぃっ!」
春川「わっ、わたしっ、アンタのこと、す、すき、だったのにっ!ひ、どいこと、して、ごめんなさいっ!」
春川「わぁぁぁぁん!ああっ!あぁぁぁぁぁん!」
最原「……耳障りだな。部屋に戻ろう」スタスタ…
春川「ひっく……ま、待って、最原……最原ぁぁぁぁぁぁぁっ!」
最原「ふぅ……こんな体じゃ移動するのも一苦労だな……おや、あれは……?」
百田「頼む真宮寺!俺を終一に会わせてくれ!」
真宮寺「お断りだヨ、君を最原くんに会わせたら何をするか分かったもんじゃない」
百田「違う!俺はもう終一に何かしようって訳じゃ無いんだ!ただあいつに謝りたくて……それだけなんだよ!」
最原「百田くん……」
百田「……俺は、あいつに殴って貰わなくちゃならねえ。俺は親友であるあいつに取り返しのつかないことをしちまった!だから、せめてその痛みを自分も受けねえと俺の気がすまねえんだよ!」
真宮寺「………」
百田「……そうしなきゃ、俺はあいつに顔向け出来ねえ……もう一度俺が終一の親友に戻る為には、そうしなくちゃ……あぐっ!?」バキッ!
最原「!?」
真宮寺「……僕に殴られて少しは気が晴れたかい?スッキリしたかい?どうなんだい、百田くん?」
百田「えっ……?」
真宮寺「……大喜びで最原くんを殴っていた君には分からないだろうけどネ、人を殴るのってすごく嫌な気分になることなんだヨ。人を殴った感触、拳の痛み、目の前で蹲る誰か……それら全てが、罪悪感となって押し寄せてくるんだヨ」
百田「そ、そんなの身をもって理解してる!だから、俺は……」
真宮寺「分かっているなら何故、そんなふざけた行いを最原くんにやらせようとするんだい?」
百田「!?」
真宮寺「君は良いよネ、殴られれば自分の罪を裁いて貰えた気になって、少しは気分も晴れるんだからサ!でも、それをした最原くんがどう思うかを考えたことがあるのかい?」
百田「そ、それは……」
真宮寺「……今、百田くんが感じている不快感……いや、それ以上の悪感情を最原くんは感じるだろうサ。だって、いつも殴られていた最原くんならその痛みなんて簡単に予想できる……その痛みを与える加害者に自分もなってしまったと、彼は苦しむことになるんだヨ?そこまで考えての行動なのかい?」
百田「お、俺は……俺はっ……!」
真宮寺「……ねえ、僕に教えてヨ。君たちに痛めつけられて体がボロボロになった最原くんが、君の自慰行為の為に痛む体に鞭打って、心を傷つけてまで君を殴らなきゃいけない理由をサ……!それが説明出来ない癖に最原くんに会わせろって喚いてるわけじゃないよネ?」
百田「ぐ……あっ……。そ、それでも、それでも俺は……っ!」
最原「……もう良いよ、二人とも」
百田「あっ……!」
真宮寺「最原くん……!」
百田「しゅ、終一っ!俺は、俺は……!」
最原「もう良いんだ百田くん……だって僕は、今更何を言われても君を許すつもりなんかないんだもの」
百田「………え?」
最原「見てよ百田くん……僕の手、こんなに腫れて、傷だらけになってるでしょ?今もすごく痛むんだ。これ全部、君たちがやったことなんだよ?」
百田「う、うぅ……」
最原「それで?僕はどうすれば良いの?この痛む手で君を殴れば良いのかな?嫌な気分をして、君を殴って、君を許したふりでもすればいいの?」
百田「違うっ!終一、聞いてくれ!俺は……!」
最原「……ほら、そればっかりだ」
百田「な、何……?」
最原「……二言目には『俺は』って……百田くんは自分の意見を押し付けるばっかりだ。僕のことなんかなにも考えちゃくれない。そんな態度で僕の親友を名乗ってたの?また親友に戻ろうって思ってたの!?」
百田「終、一……?」
最原「……君よりも真宮寺くんの方が僕を理解してくれている。ううん、君は僕の何も理解しちゃいないんだ。君はただ、自分勝手に僕を振り回しているだけなんだよ」
百田「お、おぉ……おぉぉぉぉ……」
最原「……何が親友だよ。僕にあんなことをしておいてどの口が言うんだよ。百田くんはただ、自分が気持ちよくなりたいだけなんでしょ?」
最原「……その大切な友達にあんな事をするのが百田くんのやり方なんでしょ?……僕、そんな親友は要らない。ううん、そんな人と関わりだって持ちたくない」
百田「っっ……!しゅ、終一……頼む、俺の話を……!」
最原「……馴れ馴れしく僕の名前を呼ぶなよ。視界にも入るな、声も聞かせるな!いつまでも僕の親友面をしてるんじゃない!」
百田「な、あ……う、あ、うあぁぁぁぁ……!」ガクッ!
最原「……真宮寺くん、僕は部屋に戻るね。そこで泣いてる奴は放っておいて良いよ。大丈夫、僕みたいに殺されかけた訳じゃ無いんだからそのうち消えるって」
真宮寺「……分かったヨ」
最原「……さよなら、百田くん。もう二度と顔を合わせたくないね」スタスタ…
百田「ぐうぅぅぅ……ぐっ、うぅぅぅぅっ!」
百田「俺は……俺は何やってたんだよ!?何であんな事を終一にしちまったんだよ!?」
百田「あんなに信頼してくれてた終一を裏切って、俺は何やってんだよ!?ハルマキや赤松を止めるのは俺の役目じゃないのかよ!?俺は……あいつの親友だったんじゃないのかよ!?」
百田「いの一番にあいつを殴って、嗤って、傷つけて……俺は、何をしてたんだよぉぉぉぉぉぉっっ!?」
最原「あ、ぐっ……!ぐうっ……!」
最原(体中が痛い、熱い……。きっとモノクマが投与した痛み止めと解熱剤が切れてきたんだ……息をするのも辛い、苦しい……)
―――ピンポーン……
最原「……来た、な……そう、来たんだ、彼女が……!」
最原「伝えなきゃ……僕は、彼女に伝えなきゃならない事があるんだ……!だからっ!」
―――ガチャッ……
赤松「……最原、くん……っ!」
最原「……来たんだね、赤松さん」
赤松「ご、ごめん……私、どうにかしてて、それで、それで……っ!」
最原「……ねえ、赤松さん。少し黙って、僕の話を聞いて貰えるかな?」
赤松「え……?」
赤松「……うん、わかった。それが、私に出来る事なら……」
最原「……ありがとう。……あのね、赤松さん……僕、君の事が大好きだったんだよ……」
赤松「っっ……!」
最原「どうしようも無く臆病で、前を向くことが出来なかった僕を励まして、傍に居てくれた気味が大好きだったんだ……優しい君が、大好きだったんだよ……!」ポロポロ…
最原「君の演奏するピアノの音が大好きだった。君と過ごす時間が大好きだった。君の笑顔が大好きだった。赤松さんの全てが、僕は……大好きだったんだ……」
赤松「う、うぅっ……!最原くん、ごめんな……」
最原「……でも、今はそうじゃない」
赤松「え……!?」
最原「……全部嘘だったんだよね。僕を励ましてくれたあの優しさも、楽しかったあの時間も、僕に見せてくれた笑顔も……全部、君の嘘だったんだよね?」
赤松「さい、はら……くん……?」
最原「君に体を痛めつけられて、心を抉られて、僕は現実を知ったよ。本当の君を知った。僕自身の愚かさも知った……君なんかを信用していた僕が馬鹿だった、君も僕をそうやって馬鹿にしてたんでしょ?」
赤松「ち、違う……違うよ……!私も、最原くんのことが……!」
最原「……もう良いよ、赤松さん。僕も君がしてくれた様にちゃんと口にするね。ちゃんと聞いてね?」
赤松「あ……!やだ、やだよっ!お願いだから、もう……」
赤松「……ぁぁぅ、ぁ、ぅ、ぃぅぅ……」パクパク…
最原「……それだけだから。これで僕の話はお終い。で……僕たちの関わりもこれでお終い。大嫌いな者同士が一緒に居たってお互いの為にならないでしょ?だから、もう二度と会わない様にしようね」
赤松「い、やだよぉ……!もう、最原くんとお話出来ないなんて、私……」
最原「さよなら、赤松さん!……さよなら、僕の好きだった人……」
赤松「ま、待って!最原く……」
―――バタン……!
赤松「……最、原くん……?最原くん!最原くんっ!このドアを開けてよっ!」
赤松「こんなの嫌だよ!私、もっと最原くんとお話したいよ!一緒に居たいよ!私、あなたの事が好きなんだよ!」
赤松「お願い!どんな事だってする!どんな命令も聞く!あなたに償えるならなんだってするから!だから、もう二度と会わないなんて言わないで……お願い、だから……!」
赤松「最原くん!最原くん!最原くん、最原くん……最原、く……」
赤松「……………………」
赤松「……終わり、なの?本当に、終わり?これで、お終い……?」
赤松「あ、あぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁん!わぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
赤松「な、なんでっ!?どうしてあんな事したのっ!?なんであんな取り返しのつかないことをしちゃったの!?」
赤松「あんなに幸せだった時間をくだらない事の為に投げ捨てて、こんな結末になって……私、本当に何をしてたの……?なんであんな事をしちゃったの……?」
赤松「ごめんなさい、最原くん!ごめんなさいっ!こんな馬鹿で、最低な女の子があなたの事を好きになってごめんなさい……!う、うぅぅ……うわぁぁぁぁぁんっ!」
赤松(……この時、私は全てが終わってしまったと思い、絶望した。それは皆も同じだったと思う。あんなに大好きだった最原くんへの苛烈な虐待行為が頭の中にこびりついて離れない、目を閉じれば彼の苦しむ姿がまぶたの裏に浮かび、悲鳴が聞こえてくる……そんな罪悪感と最原くんとの関わりが消えてしまった事への絶望感に支配された私たちは気がつかなかった)
赤松(……『本当の地獄』は、始まったばかりだと言うことに……)
最原「……美味しい!すごく美味しいよ、真宮寺くん!」
真宮寺「そうかい?最原くんのお気に召したのであれば、よかったヨ」
獄原「ゴン太もこの料理は美味しいと思うよ!なんて料理なの?」
真宮寺「ああ、とある民族に伝わる郷土料理でネ。名前は確か……」
キーボ「うう、僕に味覚センサーが無いのが残念です……」
最原「美味しいなあ!美味しいなあ!」
東条「………」
最原『東条さんの作る料理は美味しいなあ!いつもありがとう!』
東条(ついこの間まで、最原くんはあの笑顔を私に見せてくれていたのに……。う、ぅぅ……)
夢野「……何もたべとうない……胸が苦しくて、何も喉を通らんのじゃ……」
星「……俺もだ。すまない東条、残させて貰うぜ」
茶柱「星さんまで!いけませんよ、そんなの……」
星「……そういうお前も皿から食事が減って無い様に見えるぜ、茶柱」
茶柱「っっ……!」
星「……気持ちは全員一緒だ、余り無理強いするなよ」
茶柱「な、何ですかその言い方は!?転子は、皆さんの事を思って……!」
夢野「転子、騒がないでくれ!……余計つらくなるではないか……」
茶柱「あ……!?す、すいませんでした……」
星「……俺も言い方が悪かったな。すまなかった」
赤松(そんな状況で食事なんか出来るわけが無かった。物が喉を通らなくなり、味も分からなくなる。気がつけば、皆は何も食べなくなって行った)
赤松(必要最低限の食事を各自が取る生活……空腹は私たちから余裕と冷静な思考を奪い、コミュニケーション不足は互いの不信感を招いていった)
赤松(……東条さんは楽しそうにしている最原くんを見て悲しそうな表情を見せることが多くなっていた。星くんと夢野さんは部屋や研究教室に引きこもるようになった。茶柱さんは言い様の無い感情をどうすれば良いのかわからないでフラフラと目的も無く歩き回る様になった……)
最原「んしょ……よいしょ……」
獄原「頑張れ、最原くん!」
キーボ「怪我も大分良くなりました。その治療をしたのがモノクマだと言うのは皮肉ですがね……」
真宮寺「後はリハビリだけサ。僕たちも付き合うから一緒に頑張ろうヨ」
最原「ありがとう、皆……。うわっ!?」ズルッ!
獄原「最原くん!危ないっ!」ガシッ!
最原「わっ!?……た、助かったよ、ゴン太くん」
獄原「……いつだって支えるよ。ゴン太たち、友達でしょ?」
最原「……うん!本当にありがとう……!」
天海「……最原くん……」
春川「あはは~!最原、楽しそうだね~!なにやってるのかな~?」キャッキャッ!
百田「う、く……あいつを、終一を支えんのは俺の役目だったはずなのに……それ、なのに……」
王馬「……あれあれ~?なにやってるの、百田ちゃん!?こんな所で未練がましく最原ちゃんの事を見ちゃってさ~」
天海「王馬くん?」
王馬「いつまでそうしてるつもりなのかな?いい加減にしなよ、最原ちゃんは俺たちの事なんか必要としてないって!」
百田「う、うるせえっ!俺は、俺は……っ!」
王馬「……現実を見なよ。あんな事した俺たちが最原ちゃんの友達を名乗って良いと思う?親友に戻れると思うの?」
百田「ぐっ、うぅっ……」
春川「私、難しいお話わかんな~い。絵本読んでよ~!」
天海「……王馬くんの言う通りっす。現実を見ましょう。もう、俺たちは後戻りなんか出来ないんすよ……」スタスタ…
百田「そ、それでも……それでも俺はっ!」
王馬「……ま、諦めないのは良い事だよ?その調子で頑張ってね、百田ちゃん!俺は応援してるから!……あ、でもさ」
王馬「諦めないのと諦められないのは別物だから、その辺のこと、よーく覚えておいてね?」
王馬「んじゃ、俺は行くから!……百田ちゃんも頑張って、さっさと諦めてね」スタスタ…
春川「……お話終わった?ねえねえ百田!私たちも遊ぼうよ!」
百田「……る、せえ」
春川「おにごっことかくれんぼどっちが良い?私、どっちも得意なんだ~!」
百田「うるせえんだよ!お前と遊ぶ暇なんか無いに決まってんだろ!」
春川「ひいっ!?」ビクッ!
百田「ガキみたいに騒ぎやがって、うっとおしいんだよ!邪魔だ!」
春川「う、う……うわぁぁぁぁぁん!うわぁぁぁぁん!」
百田「あっ……!わ、わる……」
春川「も、百田が、百田が私を虐めるよぉぉっ!恐いよー!恐いよぉぉっ!うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
百田「あ、ぐっ……すまねえ、すまねえっ……!」ダッ
赤松(この頃から、皆は誰かと目を合わせる事を恐れ始めた。誰もが自分を責めている様な気がして、誰かと会う事を恐れて行った)
赤松(誰とも会わない孤独な日々はその恐怖を膨れ上がらせた。同時に疑惑も膨れ上がり、いつしか私たちはお互いを信じられなくなってしまっていた)
赤松(……王馬くんは皆の心を折る様に言葉をかけ始めた。天海くんは諦めた表情をしながらも最原くんをじっと見ていた)
赤松(百田くんは誰かに当り散らすことが多くなっていった。春川さんは心が壊れてしまったのか、幼児退行して子供の様に振舞っていくようになった)
最原「……へえ、やっぱり真宮寺くんの話は面白くてためになるね!」
キーボ「経験談というのは参考にもなります。実体験と言う確かな証明があるのですからね!」
獄原「真宮寺くんの話を聞いてると色んな所に行ってみたくなるね!」
真宮寺「……なら、一緒に行くかい?皆で色んな所にサ……」
最原「え……?」
真宮寺「ここから出たら皆で色んな所に行こうヨ。誰かの行きたい場所に皆で行って楽しもうじゃないか」
キーボ「つまり……皆で旅行というわけですか!」
最原「うわぁ……!すごく楽しそうだね!」
獄原「ゴン太、イギリスで本物の紳士に会ってみたいな!」
最原「じゃあ、皆で行こうよ!きっと楽しい旅行になるさ!」
入間「最原ぁ……最原ぁぁぁ……!」
夜長「……アンジーね、終一と約束してたんだ。ここから出たら、アンジーの島に遊びに行くって約束、してたんだよ……」ポロポロ…
赤松「私も……一緒に連弾しようねって約束してたんだ……してたはず、なんだ……なのに、なのにっ……!」ポロポロ…
入間「お、俺様も……俺様だって、一緒に遊ぼうって……」
白銀「……ねえ、もうこの話、止めない?」
赤松「え……?」
白銀「だって辛いだけじゃない!?もう果たすことの出来ない約束の話なんてしたってさ……苦しくて、辛いだけだよ……もう、私たちが最原くんと過ごす未来なんかあるはずがないんだよ!」
入間「い、言うなよぉ……!そ、そんなの、わかって、わ、かっ、て……う、うぅぅぅぅっぅっ……」
夜長「……………」ヨロヨロ…
赤松「い、入間さん……アンジーさん……!」
白銀「……赤松さんも諦めよう?もう、どうしようも無いんだからさ……」
赤松「う、ぅぅ……あ、あぁぁ……最原、くん……」ガクッ…
白銀「……ふふっ」ニタァ…
赤松(皆、もう心が限界だった。死んでしまいたいと思っていた。でも、それは許されなかった。それは、最原くんへしてしまった事を償わず、ただ逃げているだけだと分かっていたから……)
赤松(……アンジーさんはぶつぶつと何かを呟いて誰とも話さなくなった。入間さんは情緒不安定に感情が上下していた。白銀さんは怪しく、凶器じみた笑みを浮かべる様になっていた)
赤松(そして私は……ううん、私たち全員は絶望していた。もう二度と最原くんと過ごす事は叶わないのだと、自分のしてしまった罪に絶望していた)
赤松(……だから、そんな私たちに希望は眩し過ぎた。その光に手を伸ばしたくなるほど眩しく、明るく見えた)
赤松(そう……どんな犠牲を払ったって、希望を掴みたくなってしまったのだ……!)
赤松「……私たちをここに集めて何の用?モノクマ」
モノクマ「うぷぷ……。とっても大事なお話があってね!」
百田「大事な話だと……?なんだそりゃあ?」
モノクマ「……明日、30日目をもって、最原くんたちここに居ない四名の生徒はこの才囚学園から卒業しま~す!ぱちぱちぱち~!」
全員「!?」
東条「さ、最原くんたちが卒業……?ど、どういう事!?コロシアイをしなきゃ外には出られないって……」
モノクマ「そんなのボクの裁量でどうにかなるって、最原くんたちはすごく仲良くなったし、もう外に出してあげても良いかな~と思ってさ!いや~、ボクってば超親切だよね!」
春川「え~、最原たちだけが卒業なの~?私たちは~?私たちも一緒じゃなきゃ、ヤダヤダ!」
モノクマ「卒業できるわけないでしょ!君たちは誰とも仲良くなって無いし、コロシアイもしてないんだからさ!」
白銀「そりゃあ、そうだよね……うん、わかってたよ……」
モノクマ「うぷぷ……!君たちにチャンスを上げようと思ってね……!」
星「チャンス、だと……?」
モノクマ「……君たちの内、一人だけを最原くんたちと一緒に卒業させてあげるよ。それも、彼らと元通りの関係に戻した上でね……!」
全員「!?」
茶柱「も、元通りの関係……?それって、どういう……?」
モノクマ「言葉通りだよ……とっても仲良しだったあの頃の関係に戻してあげる。ううん、きっと最原くんはその人の事をもっと大好きになってるだろうね」
夜長「終一が、好きになってくれる……?それ、本当?」
モノクマ「本当だよ!……卒業する人に関しては、最原くんたちの記憶を改ざんしてその人が最原くん虐めに加担せず、むしろ真宮寺くんたちと一緒に庇ってくれた事にしてあげるよ!そういう記憶を彼らに植え付けてあげる!」
天海「そ、そんなことが、出来るんすか……?」
モノクマ「……少なくともボクは、君たちの記憶を奪ってみせたよね?それが出来るのなら、植えつける事だって出来ると思わない?」
入間「しゅ、終一がもう一度、私の事を好きになってくれる……?本当か!?本当なのか!?」
モノクマ「マジもマジも大マジだよ!……ただし、対象者は一人だけ……勘の良い皆なら、この一人をどうやって決めるかもう分かってるんじゃないの?」
赤松「私たちに……コロシアイをしろって事……?」
夢野「……じゃ」
モノクマ「タイムリミットは明日の朝まで!場所は校舎の中!至る所に隠された武器を使って、最後の一人になるまで殺しあうバトルロワイヤルさ!」
夢野「ウチは、嫌じゃ!」
全員「!?」
茶柱「う、ウチは、皆とコロシアイなどしたくはない……。ウチは、そのゲームには乗らんぞ……!」
モノクマ「……あ、そう?それなら良いんだ。なら、夢野さんは寄宿舎にお帰り下さい。そこで寝ちゃって結構だよ」
夢野「そ、そうさせてもらうわい!……皆もこんな馬鹿な事は止めるんじゃ!生きていればまだ可能性が……うぐっ!?」
夜長「……秘密子、ちょっと黙ろっか?」グググ…
茶柱「夢野さん!?あ、アンジーさん、何を……!?」
夜長「……皆はどうする?このコロシアイに乗る?……アンジーは、乗るよ」
茶柱「!?」
夜長「もしも秘密子と同じく、このコロシアイに乗らないって人が居たら、秘密子を助けてあげればいいんじゃないかな~?でもでも~、そうじゃないのなら……ここで秘密子は死んじゃった方が良いよね?だって、この学園に一人で残るなんて可哀想だよ~!」
夢野「あ、あぐ……っ!誰か、たす、け……」
夜長「……ほら、コロシアイに参加しない人は早くしなよ。秘密子が死んじゃうよ?」
赤松「………」
百田「………」
春川「???」キャッキャッ!
夢野「てん……こ、たす、け……」
茶柱「……ごめんなさい、夢野さん。転子は……このチャンスを諦められません……」
夢野「!?」
夢野「そん……な……」ジワァ…
夜長「……結論が出たね。それじゃあ、秘密子はそろそろお別れしよっか?」
夢野「いや、じゃ……死にたく、ない……死にたくないぃ……」
夜長「さよなら、秘密子」グッ!
夢野「あ、ぐ……たすけて、さいは………」ガクッ…
夜長「………これで、残りは11人だね」ポイッ
夢野「」ドサッ
モノクマ「うぷぷ……。それじゃあ今からゲームスタートだよ!プレイヤーは今、この場に居る全員!時間は朝まで!生き残りと最原くんとの絆を賭けたコロシアイバトルロワイアル、スタート!」
星「……見つけた。サバイバルナイフか……まあ、十分だろう」
星(すまなかったな、夢野。俺は最原とここを出て行くつもりなんてねえ。お前を助けてやってもよかったんだが……やれやれ、欲に抗いきれなかったぜ……)
星「……自分の人生の幕引きは自分でする……ささやかな望みだが、今の俺にとっては十分な贅沢だ」
星「……あばよ。そしてすまなかったな……最原……」
―――ドスッ!
星「………」
星「………ぐっ!?」ドサッ!
入間「ひ、ひひひ……やった……やったぞ!俺様はやったんだ!」
星「い、るま……てめえ……っ!」
星「あ、ぐ……」
入間「……そうさ、俺様は勝つんだ!勝って終一と一緒にここから出るんだよ!その為なら……その為ならっ!」ブンッ!
星「ぐ、おぉ……」
入間「死ねっ!私のために死ねぇぇっ!」ドスッ!ドスッ!
星(……ああ、そうだな。虫のいい話だよな。こんな俺が、最後まで望み通りに死ねるわけがなかったんだ……)
星(まったく俺は、救いようのない、大、馬鹿、やろ……)
――――――――――
王馬「……結局、俺たちは黒幕の手の上で踊らされてたってわけか……畜生!」ガンッ!
王馬「……随分とツマラナイやつになっちゃったな、俺も。他人に良いように操られるなんて、さ……」
王馬「……こんなんじゃ君のライバル失格だよね、最原ちゃん。せめて、俺はこの舞台から自分で降りさせてもらうよ」
王馬「……本当にごめんね。最原ちゃん」チャキッ
―――パンッ!
――――――――――
天海「……赤松さん、俺だってこんな事はしたくないっす……でも、これが最原くんに許して貰えるラストチャンスだって言うなら、俺はっ!」ブンッ!
赤松(駄目……!避けきれない、やられるっ……!)
―――ガンッ!
赤松「くっ………え?」
白銀「あ、はは……地味に痛いね、これ……」ドサッ…
赤松「し、白銀さん?何で?私を庇って……?」
白銀「……あなたは生きなきゃ駄目だよ。赤松さん……ここで死んだら、駄目、だ、よ……」カクッ…
赤松「し、白銀さん?白銀さんっ!?」
天海「ぐ、うっ……」
赤松「う……うわぁぁぁぁっ!」ダッ!
天海「!?」ガツッ!
赤松「わ、私は死ねない!最原くんの為にも!私を庇って死んだ白銀さんの為にも!生き残って、この学園から出てみせるっ!」
天海「ぐっ、うぅっ!!!」
―――バキッ!ガンッ!ガツッ!
白銀(……そうだよ。それで良いんだよ……!あなたが生きてくれた方が、視聴者は喜ぶ……!もっともっと、絶望的な絵を見せて!そして希望を掴み取ってね、赤松さん……!)
白銀(ダンガンロンパを盛り上げるためなら、私の命なんて、安い、もの……)
モノクマ『……星くん、王馬くん、白銀さん、天海くんが死亡しました!残り時間は3時間です!』
春川「ねえねえ百田、皆は何して遊んでるの?」
百田「………」
春川「何してるの百田?それって包丁?人に向けると危ないんだよ?」
百田「……動くな」
春川「え……?」
百田「……終一に許して貰う為なんだ……!その為に、俺は、今度こそ覚悟を見せなきゃならねえんだ!」
春川「……覚悟?難しい言葉使わないでよ。私、わかんないよ……」
春川「……それ、そういう遊びなの?」
百田「ああ、そうだ!だから……」
春川「ふぅん、それじゃあ……私もこのゲーム、乗らせて貰うね」
百田「……え?」
―――ドスッ!
百田「」ドサッ
春川「……ククククク、アハハハハ!やった!やった!コロシアイだなんて、私の独壇場じゃん!暗殺者で良かった!これで、これで……最原に許して貰える!」
春川「やった!やった!やったぁ!あはは!ばんざーい!ばんざーい!あははははははは……!」
―――――――――――
東条「……いいえ、最原くんと一緒に行くのは私よ!皆には悪いけど……私は、自分の意思を通させて貰うわ!」グッ!
入間「ぐっ、げげ……ゆ、夢野みたいにはなりたくない……!わ、私は、終一と一緒に……一緒にここから出るんだあっ!!」ピンッ!
東条「!?」
入間「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」ポイッ!
東条(手榴、弾……?まさか、そんなものまでここに?だめ、どうしようも、な……)
―――ドガーーーン!
――――――――――――
茶柱「ぐっ……!いい加減、しつこいっ!」バキッ!
夜長「ぐえっ……!ふ、ふふふ……まだまだ、だよ……!」ユラッ…
茶柱「ば、化け物ですか!?さっきからずっと殴り続けているのに、まだ息が……!?」
夜長「……アンジーには神様が力を貸してくれてるんだよ。そのアンジーが、負けるわけが無いよ……!」
茶柱「お、思い込みの力とはそこまでやってのけるのですか!?くっ、転子だって、転子だってえぇぇぇぇっ!」ガシッ!
夜長「っっ……!?」
茶柱「最原さんと一緒に行くのは転子ですっ!転子は、夢野さんを犠牲にしてまでこうしているんです!あなたみたいな人に、負けてたまるものですかあぁぁっ!」
―――ゴキッ!
夜長「」ドサッ…
茶柱「はぁ……はぁっ……やっと、死んだ……こ、これで……っ!」
茶柱「……え?」ドサッ
赤松「……油断厳禁だよ、茶柱さん。これはバトルロワイヤルなんだからさ」
茶柱「しまっ……た……」カクッ…
赤松「……これで二人、あと、残すは……っっ!?」
―――ビュンッ!
赤松「あぐっ!?」ドスッ!
春川「……自分で言ったんじゃん、油断厳禁だってさ……ふふ、でも、おかげで助かっちゃったよ」
赤松「春川さん……?嘘、あなたは……!?」
春川「壊れたと思ってた?あはは!残念!なんと私は幼児退行したわけではありませーん!そうなったふりをしていただけでしたー!」
赤松「あ、なた……!」
春川「……そうしてれば楽だったからね。何も考えずに済んだから……それが、まさかこんな形で役に立つなんてさ!」
赤松「あ、ぐっ……」
春川「無理しないでよ。良い所に刺さったでしょ?即死はしないけど、これなら出血多量でそのうち死ぬからさ……だから、勝ち残りは私!最原と出て行くのも私なんだ!きゃはははははは!」
春川「何?遺言?一応聞いておいてあげるよ。なあに!?」
―――パンッ!
春川「…………え?」
赤松「……油断厳禁、だよ」
春川「銃……?しまった、これ、もう、助からない、や、つ……」バタッ!
赤松「………」
赤松「うふふふふふ……ふふふふふふふふふ!あははははははは!ははははははは!」
赤松「やった!皆死んだ!私が、私が生き残った!私が最原くんと一緒に出て行ける!やった!やった!」
赤松「……あいたたた、でも、早く治療して貰わなきゃ死んじゃうな……おーい、モノクマ、早く助けてよー……」
モノクマ『夜長さん、茶柱さん、春川さんが死亡しました!残り時間は一時間です!』
赤松「そんな放送はどうでも良いからさー!早く助けてくれないかな?私、このままじゃ死んで……」
モノクマ『……あー、赤松さん?残念だけど、まだそれは出来ないかな?だって、まだ君以外にももう一人だけ生き残りが居るからさ』
赤松「……え?」
モノクマ『赤松さんがその人を殺したら助けてあげるよ!それまで頑張ってね!』
モノクマ『うぷぷ……。うぷぷぷぷぷぷ……!本当にそれだけで全員なの?』
赤松「え……?」
モノクマ『ちゃんと数えなおしてみなよ。あの時、あの体育館に居たのはそれで全員?あと一人居なかったかな?』
赤松「え?え……?だって、あの場所に居たのは、私たちだけ……あっ!?」
モノクマ『……気がついた?気がついちゃった?……そうだよ。ボクはまだ、彼女の名前を言ってないんだよ!』
赤松「う、嘘……?だ、だって、彼女は……!」
―――ザッ、ザッ……!
モノクマ『君たちが思い込んだだけでしょ~?まあ、運が悪かったんだよ!彼女は幸運だったけどね!』
赤松「そ、そんな……そんなことって……!?」
―――キィィ……
赤松「!?」
モノクマ『おーっと!?生き残りの二人がご対面だー!これはハラハラドキドキですな!』
??「………」
??「……何も悪いことはしとらん。ウチは、ただ寝とっただけじゃ。ウチが寝てる間に……お主たちが殺しあっておっただけじゃ」ニタァ…
赤松「ゆ、夢野……さ……!」
夢野「ウチは誰も殺しておらん!ウチは綺麗なままじゃ!最原の、最原の隣に胸を張って行ける!記憶さえ改ざんして貰えば、ウチは最原と仲良く出来るんじゃ!」
赤松「ひぐっ……!こ、こんなの、ずるい……ひどいよぉ……っ!」
夢野「何が酷いじゃ、誰もウチを助けようとしなかった癖に……!酷いのはお前たちじゃ!お前たちみたいな人殺しなど、最原の友達になる価値もない!」
赤松「ひっ……!」
夢野「……その点、ウチは良い子じゃ!誰も殺してない!傷つけてもいない!良い子のウチに、神様がご褒美をくれたんじゃな!かーっかっか!」
赤松「………」
夢野「……安心せい、赤松。ウチはお主らの分まで幸せになってやる……最原と一緒にな……!」ニタァ…
赤松「」
赤松(……ああ、そうだよね。最原くんを傷つけて、そのことから逃げる為に人殺しまでしちゃう私に、彼に好きになって貰う価値なんて無いんだよね……)
赤松(皆……ごめんね……!最原くん、ごめん……ね……)
――――――――――
モノクマ「彼も良い友人を持てたし、なんだかんだで万々歳だよね!いや~、運営としても気分が良いなあ~!」
モノクマ「……あ、一応言っておくとさ。ボクは何もして無い、これは本当だよ。でもさ……」
モノクマ「……何も知らない、とは言ってないよ?うぷぷ、うぷぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷ……!」
BAD END
―――もっと違う未来があったはずです。幸福な結末があったはずです。そうでしょう?
―――その為に僕は何をすれば良いですか?どうか、答えて下さい……!
この状況を救済しますか? YES
NO
やぁ皆、久しぶりだネ。また皆に会えて嬉しいヨ。
書き溜めてた部分も一段落ついてやっと皆の前に顔を出せたネ。明日からは真相編に入るけど、そのときにはまた皆の力を借りたいな。
……だってそうだろう?希望はより深い絶望から産み出されるときに光り輝くものなんだからサ……!
最原「………」
獄原「どうかしたの?最原くん」
最原「……なにか、変だなって……納得出来ないことがありすぎるんだよ」
キーボ「……最原くんもそう思っていましたか。実は、僕もなんです」
最原「皆の行動に一貫性が無さ過ぎる。文字通り、人が変わったみたいだ」
真宮寺「確かにその通りだネ。最原くんを虐め始める前、虐めている最中、そしてつい先日と皆は性格が完全に変わっていた……何か妙な感じがするヨ」
最原「……そうだ、ゴン太くん。あの日々が始まる前に変わったこととか無かったかな?」
獄原「えっ……!?そ、そうだなあ……う~ん、特になにも無かったと思うよ……」
キーボ「手がかり無し、ということですか……」
真宮寺「……いや、逆だネ。今の証言は非常に重要な証拠になるヨ」
獄原「えっ!?で、でも、特に何も無かったって……」
最原「……前日までに何も無かったと言うのに、皆は僕のことを嫌いになった。明らかに不自然な話だね」
獄原「あっ!そ、そっか!ゴン太、あの日の前までは最原くんのことが好きだったのに、急に最原くんのことを見るとむかつくようになって……」
キーボ「つまり、その日の前日に僕たちが知らない所で何かが起きた!そしてその結果、皆は最原くんを虐めるようになったと言うわけですね!」
最原「そうだ……!やっぱり、皆は何かに操られていたんだ!」
キーボ「きっとモノクマです!モノクマが皆を操っていたんですよ!」
獄原「確かにモノクマならゴン太たちの知らない所で好きに動ける。不思議な装置を使ってゴン太たちを操る事だって……」
白銀「……違うよぉ。私たちは、何もして無いよ」
キーボ「!?」
獄原「し、白銀さん……?ど、どういう意味……?」
最原「……君が僕たちを閉じ込めた黒幕、ってことでしょ?」
獄原「え、ええっ!?」
白銀「うふふ……。気がついてたんだ?そうだよ、私はこのコロシアイ学園生活を運営する黒幕の一人……あなたたちをここに閉じ込めた犯人の一人なんだよ」
真宮寺「……何故、このタイミングでその事をバラすんだい?そんな事をしても君にメリットは……」
白銀「そんな話はどうだって良いんだよ。今、全てを話しても到底納得出来ないだろうしさ……それより、最原くんは何時私が黒幕だって気がついたの?」
最原「……ほんの少し前だよ。皆が僕に謝って来たあの日、君だけは僕を煽る様な事を言っていた……今思えば、あれは僕と皆を仲違いさせたままにする君の策略だったんだ」
白銀「だいせいかーい!……見事私の作戦にひっかかった最原くんは、傷心のみんなにトドメを刺してくれたのでした~!うふふ……!」
真宮寺「最初から……僕たちは君の手の平の上で踊らされていたということか……!?」
白銀「……ううん、違うよ。私たちはこの一連の事件を引き起こした黒幕の作戦に乗っかっただけ……最初を引き起こしたのは、別の人物なんだよ」
白銀「ふふふ……それが居るんだよ。この事件の犯人、最原くんが皆から嫌われる様に仕向けたクロは……あなただよ」
獄原「えっ……?」
キーボ「そ、そんな……!?」
最原「は、犯人は……?」
真宮寺「……僕、だって?ふざけないでヨ、僕は何もしていない!」
白銀「ふふふふふふふ……!」
キーボ「そ、そうです!真宮寺くんは死ぬ可能性だってあったのに最原くんを僕たちと一緒に守りました!あの行動が嘘だったなんて思えません!」
獄原「そ、そうだよ……!白銀さん、嘘はやめなよ!」
白銀「……私は嘘なんて言って無いよ。それに、犯人が真宮寺くんだなんて一言も言ってない」
最原「え……?」
白銀「ねえ、真宮寺くん……あなたは、これによく似た話を聞いた事は無いかな?」
真宮寺「……そう、言えば……なにか、引っかかるような……?」
白銀「それにさ……なんであなたは、最原くんの事を嫌いにならなかったか考えた事はあった?」
最原「真宮寺くんが僕を嫌いにならなかった理由……?」
白銀「そして……あなたには心当たりがあるはずだよ?あなたであって、あなたではない存在に、さ……!」
真宮寺「……そんな、馬鹿な」
最原「し、真宮寺くん?」
真宮寺「あ、ありえない!そんなことがあるはずが無い!そんな……そんなことが!あっていいはずがないんだ!」ダッ!
キーボ「し、真宮寺くん!?どこへ行くつもりですか!?」
最原「ま、待ってよ、真宮寺くんっ!」
獄原「最原くん!ゴン太がおぶるから、急いで真宮寺くんを追おう!」
白銀「……うふふ、ついに真相が解明されるね……!」
真宮寺「そ、そんな……!?そんな馬鹿なっ!?こんなの何かの間違いだっ!」
最原「や、やっと追いついた!真宮寺くん、どうしたの!?」
真宮寺「さ、最原くん……僕は……僕たちはっ……!」
キーボ「一体何があったんですか!?ちゃんと説明してください!」
真宮寺「……全ての原因は、これなんだ……これなんだヨ……」
獄原「これって……本?この本がどうかしたの?」
真宮寺「……その本は古今東西の呪術を記したものサ……その中に『嫌われの呪い』と呼ばれるものがあるんだ……」
最原「『嫌われの呪い』……?」
白銀「元々は神様に捧げる生贄に使われる呪いでね……その名前の通り、この呪いにかけられた人は一定範囲内の人たちに猛烈に嫌われる様になるんだよ。そして、その嫌悪感は本来その人の事を好きであればあるほど強くなってしまうんだ!」
真宮寺「呪いの効果期間は一週間……最原くんが虐められ始めて、皆が謝りにくるまでの期間と丁度一致している……!そしてこの本には最近使われた形跡があった……僕はもう、この本を長い間読んでいないと言うのに……」
キーボ「つ、つまり!その本を使って誰かが最原くんに呪いをかけたと言うことですか!?」
真宮寺「誰かじゃない、僕サ……僕以外にこの本の内容を完璧に理解できる人間なんてここには居ない。超高校級の民俗学者である僕以外にはネ……」
獄原「で、でも、真宮寺くんは何もしてないって……」
白銀「……知らなかったんだよ、彼は……」
獄原「え……?」
キーボ「ま、待って下さい……!呪いの効果を受けなかったのは、僕やゴン太くんも同じで……」
白銀「キーボくん、君はロボットでしょ?人じゃないから呪いの対象外なんだよ。ゴン太くんは凄いよ、呪いにかかったけど、それを自分の意思で抑えたんだ。強靭な精神力を持っている証拠だね!」
最原「……待ってよ白銀さん、そんなの無茶苦茶だよ。真宮寺くんは自分の知らない内に僕に呪いをかけた?そんな事、あまりにも不自然すぎる」
獄原「そ、そうだよ!言っている事がわからないよ!第一、自分が呪いをかけたとして、それを普通は忘れないよ!」
白銀「……忘れたんじゃ無いよ。元々、知らなかったの。そして、彼に限ってはそれがありえるんだよね……!」
最原「え……?」
真宮寺「あ、ああ……ああああああぁぁっ!」
白銀「……あの本の内容を理解できたのは彼だけ、しかし、彼は自分が呪いをかけた事を覚えていない……とくれば、犯人はもう一人しか居ないよね?」
真宮寺「何で!?どうして!?何故なんだ!?どうしてこんな事をしたんだヨ!?姉さん!」
最原「姉……さん……?」
??「うふふ、うふふふふふふ……!そう……知ってしまったのね、是清……」
獄原「!?」
キーボ「な、何ですか……?真宮寺くんのマスクの下……?女の人がする、お化粧?」
真宮寺「どうしてこんな事を!?何故なんだ!?何で皆や最原くんを傷つけるような真似をしたんだヨ!?」
白銀「……真宮寺くんの中にはね、彼のお姉さんの魂も住み着いているんだ。まあ、これは彼の言葉を借りたらの話だけどね」
獄原「も、もっと訳がわからなくなったよ!誰かゴン太にもわかる様に説明してよぉっ!」
最原「……真宮寺くんは、二重人格ってこと?」
白銀「うん、それが一番しっくりくる説明かもね。そう考えれば間違いないよ」
獄原「二重、人格……?」
キーボ「一つの体に別の人間の人格が入りこんでいる事です。多重人格者は、別々の人格の記憶や知識を共有できることもあれば、そうでないこともある……」
白銀「真宮寺くんは後者だったみたいだね!……この事件の始まりは、真宮寺くんのお姉さんの人格がある日の深夜に動き出した事から始まったんだ……!」
真宮寺「僕が眠った後、僕の体を使った姉さんはこの部屋に来て呪術の本を手に取った。そして、そこに記されている嫌われの呪いを最原くんに使って、何事も無かったかの様に部屋に戻って来たんだ……!僕が眠っていた時に行われたこの行動に、僕は気がつくことが出来なかった……それが、この事件の真相……!」
白銀「……はい、良く出来ました。この事件の犯人は、真宮寺是清くんのお姉さんなのでした!」
真宮寺「な、何故……?どうして、こんな事をしたのサ?姉さん……?」
姉清「是清……全てはあなたのためなのよ……」
真宮寺「ぼ、僕のため……?ど、どういう意味なの、姉さん?」
姉清「是清、あなたは私の為にたくさんの友人を作ってくれた……その全員が、あなたの選んだ素晴らしい女の子だったわ。私は凄く感謝してる」
姉清「だからね……今度は、私が是清のお友達を選んであげようと思ったのよ」
姉清「……あなたが親友だと思う最原くんは、この呪いに負けて死を選んでしまう様な弱い人間では無いと確かめたかった。他の皆は、この呪いに抗える強い意志を持っているか確かめたかったのよ……結果、ここに居る三人はその試験に合格した。あなたの友人に相応しい人たちだわ」
真宮寺「あ、ああ……あぁぁぁぁ……!」
姉清「……あなたは本当に良い友人を持ったわ。私はとても幸せよ、是清……!」
真宮寺「ね、姉さん……!こんな事、僕は望んで無かったんだヨ……」
姉清「……え?」
真宮寺「ぼ、僕は……最原くんや皆を傷つけてしまった……!すべて、僕の責任だ……」
姉清「あ、あなたが責任を感じる必要は無いのよ。これは全て、私が一人で……」
真宮寺「……姉さんの罪は僕の罪サ……。僕はもう、皆に顔向け出来ない。最原くんの友達で居る資格も無いんだ……」
姉清「是清……。私は、余計な事をしてしまったの……?」
真宮寺「良いんだ、姉さん……僕は取り返しのつかないことをしてしまった……本当にごめんヨ、最原くん……」
最原「し、真宮寺くん……」
真宮寺「……皆に全てを話してくれ、そして、僕に裁きを下して欲しい……全ては僕の責任なんだからネ……」
最原「ま、待って!真宮寺くんっ!」
―――ガチャ……バタン!
最原「真宮寺くん!真宮寺くーん!」
白銀「……ねえ、真相を知った今、最原くんはどんな気分?皆は悪くないんだよ?呪いのせいでおかしくなってたの」
最原「う、うぅ……」
白銀「その皆にひどい言葉を投げつけて、心を粉々にした気分はどう?最高に絶望的じゃない!?」
最原「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
白銀「……うふふ、良いエンディングだね。救い様の無い絶望エンドも悪くはないかな……」スタスタ…
最原「……ぼ、僕は、なんてことを……!何も悪くない皆に、あんなひどい事を言ってしまうなんて……!」
最原「どうすれば良いんだ……?皆、僕の事なんか許してくれないだろう……。僕は、どうしたら……?」
キーボ「……顔を上げてください、最原くん。あなたは何も悪くない、悪いのは黒幕です!」
最原「き、キーボくん……!」
キーボ「……黒幕はこの事実を知っていた……知りながら、この事を隠していた!最原くんがこの事を知っていれば、皆を許せたはずです!真宮寺くんが知っていれば、何か対策を取れたはずです!その可能性を潰したのは、白銀さんなんですよ!君は何も悪くないんです!」
最原「で、でも、僕は……」
キーボ「皆に酷い事をしたと思うのなら、あなたが皆を救うんです!皆は今、罪悪感からくる絶望に飲み込まれています。皆を救えるのは、最原くんしかいないんです!」
最原「僕が……皆を、救う……?」
最原「希望……!皆に、希望を……!」
キーボ「……立ってください、最原くん。僕も出来る限りの手伝いはします。だから、この状況を笑って見ている黒幕に一泡吹かせてやりましょう!」
最原「………」
最原(……そうだ、このままで良い筈が無い。本当に皆の事を思うなら、皆を絶望から救い出すんだ!)
最原「……わかった。僕、やってみる……ううん、やるよ。絶対に皆を助けてみせる!やってみせるよ!」
キーボ「その意気です!やってやりましょう、最原くん!」
最原「明日から行動開始だ!まずはどう動くか、部屋に帰って計画を立てよう!」
キーボ「はい!僕もお供します!」
―――ガチャ……バタン!
白銀「……計画通り。うふふ、馬鹿だなあ二人とも、また私の手の上で踊っているって事も知らずにさ……」
白銀「さて……こっちもこっちの計画を進めようかな。最原くんは明日から動くみたいだけど……」
白銀「私が動くのは、今からなんだよねぇ……!」ニタァ…
夜は白銀さんの時間です。最原くんに救い出されていない人を一人選んで、その人に会いに行きます。
選んだ人とはイベントが起き、その内容によってその人の絶望度が上がります。しかし、白銀さんが怪我をする可能性もあります。その場合、白銀さんは数日の間動くことが出来なくなります。
絶望度は初期値から白銀さんの行動で変化します。最高が100です。絶望度が99の人の下に白銀さんを向かわせると……?どうなるかは、ご自分の目でご覧下さい。
なお、ここに皆さんの現在の絶望度を記載しておきます。参考になさってください。
赤松 95
百田 87
春川 50
天海 80
夢野 92
星 85
茶柱 81
真宮寺 90
東条 86
獄原 30
入間 89
王馬 76
夜長 91
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
赤松「………」ポロンポロン~♪
赤松「…」ポロン~♪……
赤松(……ピアノを弾いても何も感じない……ただただ空虚で、虚しいだけ……心の中に穴が空いた様な、ぽっかりとした部分に音が響いて、消えていく……)
赤松「最原、くん……」グスッ
―――コンコン
赤松「……あれ……?誰だろう、こんな時間に……?」
白銀「ああ、赤松さん!よかった、ここに居たんだ!」ガチャッ!
赤松「し、白銀さん……?どうしたの、そんなに慌てて……?」
白銀「あ、あのね!そのね!じ、実はね……!あ痛っ!舌噛んじゃった……」
赤松「ちょ、ちょっと落ち着いたらどうかな?」
白銀「ああ、ごめんね……。すー、はー、すー、はー……ふう、落ち着いたよ!ありがとう!」
白銀「うふふ、実はね~……私、最原くんと仲直り出来たんだ!」
赤松「……え?」
白銀「さっきまで何回も何回も謝って、謝り続けて……最原くんもやっと口を利いてくれる様になったんだ!私と、話してくれる様になったんだ……!」
赤松「それ……本当……?本当、なの……?」
白銀「本当だよ!こんな事、嘘じゃ言わないって!ねえ、赤松さんも急いでもう一度謝って来なよ!もしかしたら……ううん、きっと最原くんも許してくれるよ!」
赤松「そう、かな……?」
白銀「そうだよ!だって、赤松さんは気がついてなかったかもしれないけど、最原くんは赤松さんのことが好きだったんだよ!好きな女の子の事をそう簡単に嫌いになれるわけが無いって!」
赤松「………」
白銀「……ああ、そうだ!他の皆にもこの事を伝えてこなきゃ!嬉しいな~!嬉しいな~!」スタタ…
??(そんなわけ無いじゃん、普通に考えなよ。あれだけの事をしでかして、あなたの事を許してくれると思うの?)
赤松「さ、最原くんは優しいから、きっと……」
??(その優しい最原くんの心を踏み躙ったのは誰?他ならぬあなた自身でしょ?何忘れちゃってるのさ?)
赤松「で、でも……最原くんは、私の事を……!」
??(……忘れたの?あなたは最原くんに大嫌いだって言われたんだよ?あなたの全てが大嫌いだって言われたの!)
赤松「あ……」
??(……でも、最原くんを恨んじゃいけないよ?だって、先にその言葉を言ったのはあなただもんね?最原くんのことなんて大嫌いだって言ったでしょ?それまで忘れちゃった?)
赤松「あ……あ……!」
??(……ねえ、まだ彼があなたの事を好きだと思ってるの?あんな事をした自分の事を、まだ好きでいてくれると信じてるの?……そんなわけないじゃん。現実を見なよ)
赤松「いや……いやぁ……っ!」
??(……彼があなたの事を好きだと言う気持ちを踏みにじったのはあなただよ?そんなあなたが、彼に愛される資格なんてあるの?)
??(認めなよ、私……私はもう、最原くんと元の関係には戻れないの……!彼の事を諦めて、涙に暮れながら毎日を後悔して生きていく他無いんだよ……!)
赤松「う、う、う……うわぁぁぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
白銀「……あーあ、謝りに行けば本当に許して貰えるのにね。思い込みが強い人って、こう言う時厄介だよね~!」
赤松さんの絶望度 95→97
最原「……朝が来た。今日から僕の戦いが始まるんだ……!」
最原「やるぞ!皆を救って、もう一度友達に戻るんだ!」
―――最原フェイズ
朝と昼は最原くんの時間です。この時間の間に最原くんは行動し、皆を説得しに行きます。
しかし、皆は絶望している状況……最原くん一人では、皆を救う希望の力が足りないことがあります。
話に進展が起きない場合、それはまだ希望の力が足りないと言う事です。その場合、他の人を救って、希望の力を強くしましょう。
また、誰に会いに行けば良いかわからない場合は、時間を使って友達……つまり、絶望から救い出された人と相談することが出来ます。現状ではキーボ君だけですが、仲間が増えればその分、多くのヒントをもらえるでしょう。
では、選択の時です。朝は誰に会いに行きますか?それとも、皆と相談しますか?
この下の回答で決定
最原「……いたっ!王馬くんっ!」
王馬「……あれ?最原ちゃんじゃん。どうかしたの?」
最原「……僕は、君に話したいことが……」
王馬「……ごめん、最原ちゃん。俺、やらなきゃいけない事があるんだ……」
最原「え……?」
王馬「自分の不始末は自分でどうにかする……これ以上、最原ちゃんに迷惑はかけないよ」
最原「王馬くん……?君は、まさか……!?」
王馬「……なーんてね!ちょっと格好つけただけだよ!本当は暇だけど、最原ちゃんと過ごしたくないだけなんだよね~!」
最原「ま、待って!王馬くん!」
王馬「……じゃあね、最原ちゃん。ばいばい」スタスタ…
最原「……駄目だ、王馬くんには僕の声は届かないみたいだ。もっと希望の力を強くしなくちゃ……!」
昼はどうしますか? この下の回答で決定
獄原「あ!最原くん!」
最原「ゴン太くん、来てくれたんだね!」
獄原「これからどうしようか……?白銀さんは悪い人で、皆は悪くなくて、真宮寺くんが犯人で、でも真宮寺くんは悪くなくて……うぅ、馬鹿なゴン太にはよくわからないよ……」
最原「……これからどうするかなんて決まってる」
獄原「え……?」
最原「……皆に酷い事を言ってしまった事を謝るんだ。そして、皆ともう一度友達になる……!僕のすべき事は、それなんだ……!」
獄原「最原くん……」
最原「……でも、それにはすごく勇気がいるんだ。僕だけでは挫けそうになってしまうこともある……だから、ゴン太くんの力を借りたいんだ」
獄原「えっ?ゴン太の力を……?」
最原「うん……どうか僕に力を貸して欲しい、皆とまた、友達になる為に……!」
獄原「……うん、わかったよ!ゴン太も皆に酷い事を言った事を最原くんと謝る!最原くんの友達として、力を合わせようよ!」
最原「ありがとう!ゴン太くん!」
獄原「……忘れないで、最原くん。ゴン太は何時だって君の味方だよ。最原くんが困ってたら、ゴン太が必ず駆けつけるからね!」
獄原ゴン太の絶望度 30→0
希望の力が一つ上がりました!
白銀「さーて……誰の所に行こうかな?」
下の回答で決定
赤松「………」カチャカチャ…
赤松(白銀さんが持って来てくれた入間さんの発明……。これを使えば、最原くんに謝る練習をシュミレーション出来るって言ってたよね……)
赤松「ヘルメットを被って、スイッチを入れる……後は、夢を見る感覚でシュミレーションが出来、る……」スヤァ…
白銀「……ふふふ」ニタァ…
――――――――――
赤松「ん……ここ、は……?病院?なんで、こんな所に……?」
真宮寺「……赤松さん?どうしてここに……?」
キーボ「もしかして……あなたも、彼にに会いに来たんですか?」
赤松「真宮寺くん?キーボくんにゴン太くん……?こ、ここは……?」
赤松「え……?さ、最原くんがここにいるの!?」
獄原「う、うん。赤松さんも会いに来たんじゃ無いの?」
赤松「っっ!」ダッ!
獄原「あっ!?赤松さん!」
赤松(謝らなきゃ!謝らなきゃ、謝らなきゃ、謝らなきゃ!ちゃんと謝って、罪を償って、それで……もう一度!)
赤松「……あった、最原くんの病室……!ここに、最原くんが……!」
赤松(……逃げちゃ駄目。ちゃんと最原くんと向き合うの!それで、それで……!)
赤松「さ、最原くんっ!………え?」ガラッ!
最原「うぅ……あー……」
赤松「さ、最原、くん……?最原くん、なの……?」
最原「うー……うぅぅ……」
赤松「……何で?何でこんな……?最原くんに何が……?」
赤松「え……?白銀、さん……?何で……?」
白銀「……最原くんがこうなっちゃったのも、全部あなたたちのせいじゃない!みんなでよって集って最原くんを痛ぶって……信じていた人たちに裏切られた最原くんは、心が壊れて……それで……っっ!」
赤松「あ、あ……そんな、そんな、ことって……!?」
白銀「……最原くん、あなたの事が好きだったのに……!そのあなたに裏切られて、どれだけ傷ついたか想像できる!?最原くんを一番傷つけたあなたが、どの面下げて彼に会いに来たの!?」
赤松「あ、うぅ……。最原くん、ごめん、ごめんなさい……!わ、私っ!」
最原「あうぅぅっ!?」ビクッ!
赤松「えっ!?」
最原「うぅぅぅっっ!?うーっ!あうぅぅぅぅっ!?」ビクビク…
赤松「さ、最原くん……?ど、どうして……?」
白銀「……当然でしょ?最原くんはあなたが恐いんだよ。もう、近づいて欲しくないんだよ!」
赤松「!?」
赤松「あっ……!?」
最原「うー……うぅ……」
白銀「よしよし……大丈夫だよ。私が最原くんの傍にずっと居てあげるからね……!」ナデナデ…
赤松「………」
白銀「……まだ居たの?さっさと出て行きなよ。それとも……最原くんをおびえさせて楽しむつもり?」
赤松「………」ガラッ…
??(……あ~あ、余計な期待をしたからこうなるんだよ。言ったじゃん、取り返しなんかつかないってさ……)
赤松「う……う……」
??(あんな穏やかな表情、あなたにはもう見せてくれないよ。それだけの事をしちゃったんだからさ)
赤松「う、あぁぁ……うわぁぁぁん!」
??(……そうやって何時までも泣きじゃくっているのがお似合いだよ。永遠に泣いて、絶望し続けてなよ……!)
赤松楓の絶望度 97→99
最原「……今日はどうしようかな?」
何をしますか? この下の回答で決定
春川「ぶーん!ぶーん!」ガチャガチャ…
最原「……春川さん、ちょっと良いかな?」
春川「あ~!最原だ~!ねえねえ、一緒に遊ぼうよ!」
最原「えっと……かまわないけど、その前に少し話を……」
春川「私、難しい話しわかんない~!遊ぼ!遊ぼ遊ぼ遊ぼ!」ブンブン!
最原「……うん、わかったよ。何して遊ぶ?」
春川「わ~い!それじゃあ、ミニカーで遊ぼうよ!ほら、最原の分!」
最原「あ、ありがとう……」
春川「えへへ~!ぶーん、ぶーん……楽しいね、最原!楽しいねえ!」
最原「う、うん……」
最原(……駄目だ、春川さんはまともな状況じゃない。今の彼女の心に踏み込む勇気は僕には無い……今日は引き下がるしかないか……)
昼はどうしますか? この下の回答で決定
―――最原の私室
最原(一度皆に相談してみよう。なにか糸口が見えるかもしれない……)
キーボ「やはり……まずここは、僕たちと一緒に行動していた人を仲間に引き込むべきです。僕、ゴン太くん、真宮寺くん、最原くんで行動出来る様にすることが、解決の第一歩かと……」
獄原「……もし、王馬くんを説得することがあったら、ゴン太を連れて行って欲しいんだ。何が出来るかはわからないけど、一生懸命頑張るよ!」
最原「……何か注意することはあるかな?」
キーボ「まずは、希望の力を3以上にすることを考えましょう。その上で、最原くんの言葉に耳を貸してくれる人を考えるんです」
獄原「最原くんの話を聞いてくれそうな人か……。う~ん、誰がいるかなぁ?」
キーボ「……残念ですが、僕にはわかりません。観察眼に長けた人が居れば、ヒントを貰えたんでしょうが……」
最原「……こんな所か、みんな、ありがとう」
最原(皆と話し合いをして過ごした。この意見を元に、残りの皆を救い出すんだ!)
―――白銀フェイズ
白銀「さ~て……誰に会いに行こうかな?」
この下の回答で決定
赤松「………」ボーッ…
白銀「……呆けてるね、赤松さん。まあ、当然か。もう、希望も何も無いんだからね……」
赤松「………」
白銀「じゃあ、そんな赤松さんにこれを上げるよ」ポイッ
赤松「……これ、は……?ライト……?」
白銀「……これを自分に向けて使ってみなよ。そうすれば、あなたに相応しい罰が下ることになるからさ……!」
赤松「私に相応しい、罰……?」
白銀「そうだよ……。最原くんに申し訳無いって思ってるんでしょ?なら、それを使って少しでも自分の罪を噛み締めなよ。それが赤松さんに出来る、唯一の罪滅ぼしなんだからさ……!」
赤松「罪、滅ぼし……!」
白銀「……ま、それを使うかどうかは赤松さんに任せるよ。好きにしてね。それじゃ……」スタスタ…
赤松「………」スチャ…
赤松「……ごめんなさい、最原くん……」カチッ!
超高校級のピアニスト 赤松楓のおしおき
『追憶のセレナーデ ~楽しかったあの日の思い出~』
赤松「ここ……は?真っ暗で、何も無い……。何か聞こえる、これは……ピアノの音……?」
~~~♪~~~♪
赤松「この曲……この弾き方……!間違いない、忘れるはずが無い!このピアノを演奏しているのは……っ!」
最原『……あっ!ご、ごめん!間違えちゃった!』
赤松『ううん、良いんだよ!もう一回やってみよう!』
最原『うん!』
赤松「最原くんと私……!これ、私たちが連弾の練習をしていた時の……!」
??(そう……楽しかったあの日々の思い出だよ。最原くんに嫌われる前の楽しかった日々、幸せでいっぱいだったあの頃の思い出……!)
赤松「あ……ああ……」
最原『ピアノの演奏って楽しいね!教えてくれてありがとう、赤松さん!』
赤松『私のほうこそ、私の趣味に付き合ってくれてありがとう!最原くんが楽しんでくれて、私も嬉しいよ!』
最原『うん!……赤松さんと一緒なら、僕は何だって楽しいよ……』ボソッ…
赤松『え、えっ!?い、今、何か言った?』
最原『う、ううん!な、なんでもないよ!』
赤松「……くっ、うぅ……!」
??(本当に楽しかったよね……。コロシアイを強いられ、この学園に監禁されていたとしても、彼と過ごす時間は何物にも代え難いほどの幸せなものだった……でも)
赤松「……あ……っ!」
??(……その時間を終わった。いいえ、あなたが終わらせた。本当にくだらないことで……)
最原『い、痛いよ赤松さん……!なんで、こんなことをするの……?』
赤松「さ、最原くんっ!」ダッ!
??(何で……?そんなの決まってる。最原くんを虐めるのが楽しかったから、ピアノの演奏を二人でするよりも、ずっとずっと楽しかったから!)
赤松「違う!そんなこと無いっ!」
最原『苦しいよ、赤松さん……。君が僕に見せてくれた笑顔も、僕にかけてくれた言葉も、全部うそだったの……?』
赤松「ちがう!ちがうよっ!」
??(……何が違うの?自分であんなに楽しかった日々を投げ捨てて、最原くんを痛ぶる日々を選んだって言うのに、それこそが嘘だったって言うの?笑わせないでよ!)
赤松「もう、止めて……聞きたくない、止めてよおぉぉっっっ!!!」
最原『……君は、そうやって自分の罪から逃げ出すんだね?反省もしない、認めもしない……ただただ泣きじゃくるだけの、最低の女の子なんだね……』
赤松「あ、あ……!」
??(いい加減認めなよ、私……!自分がいかに最低で、薄汚くて、醜い存在なのか……最原くんに嫌われて当然のゴミみたいな存在だってことをさ!)
赤松「あ、ああぁ……!やめ、て……」
最原『……君なんて大嫌いだ。少しでも好きでいたことが恥ずかしい』
最原『顔も見たくない、声も聞きたくない……君の存在を忘れてしまいたいよ』
赤松「やめて!やめてぇぇぇっ!そんな酷い事を言わないでぇぇっ!」
最原『僕が止めてくれって言ったことを赤松さんは止めてくれたことがあった?無いよね?なら、赤松さんにそんなことを言う資格なんて無いよね?』
??『ついでに、最原くんの事を好きになる資格もね……!』
赤松「やめてやめてやめてやめてやめて!!!」
最原『これは君が選んだ結末だよ。僕を嬲って、痛ぶったからこうなった』
最原『一緒にピアノを弾いていた日々と言う楽しい時間を投げ捨てて、君が選んだ結末……満足でしょ?』
最原『今更後悔なんかしてないよね?被害者は僕で、君は加害者、そうでしょ?』
赤松「……ぁぁぁ……やめ、最原、く……」
??(……もう諦めなよ。素直に認めようよ。この事態を招いたのは他でもない私自身。楽しかったあの日々を捨てて、あなたが選んだ道なの)
??(一度捨てたものはもう二度と拾うことは出来ない……。もう、私はあの楽しい日々には戻れない。最原くんと元の関係にも戻れない)
赤松?(早く認めよう?それで、自分の罪に溺れてしまおうよ……ワ・タ・シ……!)
最原『大嫌いだ』
最原『君なんて大嫌いだ』
最原『大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ』
最原『嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い』
赤松「あ、ああ……あは、あはははは……」
最原『……赤松さんなんて、大嫌いだ』
赤松「あははははははは!あははは……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁっ!!!!!」
――――――――――
赤松(私は嫌われて当然の女の子、私は最原くんに愛される資格なんて無い女の子、私は……最原くんを好きだなんて言ってはいけない女の子……)
赤松(……こうして楽しかったあの日々を思い返しながら、今の苦しみを噛み締める事だけが、私に出来る数少ない罪滅ぼし……ううん、これは私への罰なんだ。これをした所で、私の罪は消えないんだ……)
赤松「ごめんなさい、最原くん……さよなら……」
赤松楓 絶望度 99→100 絶望化 軽度の精神崩壊 性格は卑屈に 救助が困難になりました
―――最原フェイズ
最原「……朝だ、行動を開始しよう」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
真宮寺「………」
姉清「是清……私のせいであなたを苦しめてしまって、本当にごめんなさい……」
真宮寺「良いんだヨ、姉さん……姉さんの罪は僕の罪、愛する人の罪を共に背負うのは当然のことじゃないか」
姉清「でも、そのせいであなたは大切な友人をなくしてしまった……本当に、どう謝れば良いのか……」
真宮寺「………」
最原「……それはちがうよ。真宮寺……さんで良いのかな?」
姉清「!?」
真宮寺「さ、最原くん?一体僕に何の……?」
最原「……真宮寺くんは友達を無くしてなんかいない。僕はまだ、君の事を大切な友達だと思ってるよ。真宮寺くん、君は違うの?」
真宮寺「っっ……。でも、僕は皆を傷つけてしまった……今、皆が感じている絶望感は、すべて僕が生み出したものサ。そんな僕が、皆の友達になんてなれるはずが……」
最原「……ううん、真宮寺くんは何も悪くないよ。悪いのは、皆に酷い事を言ってしまったこの僕なんだ」
真宮寺「なっ!?そ、そんなわけが無い!君は何も悪くない!君が罪悪感を感じる必要なんてどこにも……」
真宮寺「違う!最原くん、君は素晴らしい人間サ。僕は君の友人になれた事を幸せに思っている。君は誰かのために怒り、喜び、涙できる素晴らしい人間なんだ!だから、だから……」
最原「……同じだよ、真宮寺くん」
真宮寺「え……?」
最原「僕も、君の事を素晴らしい人間だと思ってる。良い友人を持てたと、本当に幸せに思ってる。そんな君が、自分の事を卑下するなんて僕は到底耐えられない……今、君が僕にそうしてくれた様に、僕も君を大切に思うからこう言うんだ。本心から、僕は君を友達だと思っているよ」
真宮寺「最原、くん……!」
姉清「……是清、前を向きなさい。あなたは何も悪くないわ」
真宮寺「ね、姉さん……?」
姉清「全ての元凶はこの私……私の犯した愚かな過ちが、この事態を引き起こした。あなたは何も悪くない。本当に馬鹿ね、私ったら……あなたには、こんなに良い友人が居ると言うのに、それを試すだなんて、大馬鹿よ……」
真宮寺「……っっ!」
姉清「……是清、あなたの友達はあなたの力を必要としているわ。なら、その思いに応えてあげなさい……私が愛する人は、友人の思いに応えられない様な薄情者では無いでしょう?」
真宮寺「……最原くん、本当に良いのかい?僕は……」
最原「……良いに決まっているさ。君が居たから僕は今、こうしていられる。僕が絶望して自ら命を絶たなかったのは、君が居てくれたからなんだ。だから……もう一度僕を支えて欲しい。皆と一緒に笑える様になるために……!」
真宮寺「………」
真宮寺「……姉さん、僕は決めたヨ。この罪は消えない、でも、この罪を背負ってでもやらなきゃいけない事がある……!自分の不始末をつけるためじゃない。僕は、大切な友人の為にこの絶望に立ち向かう……。そう、決めたヨ」
姉清「それで良いのよ、是清。私もあなたに協力する……私自身の罪を償う為に、あなたとあなたの友人を助ける為にね」
最原「……ありがとう、真宮寺くん」
真宮寺「お礼を言うのはこっちの方サ。最原くん、君が居てくれなければ、僕は永遠に苦しみ続けてこの命を終わらせていただろう……君には感謝しているヨ」
真宮寺「だからこそ、僕は君のその思いに応える。僕は君の友人サ、それに恥じない活躍を見せるヨ。……僕を頼ってくれた事、決して後悔させないからネ……」
真宮寺是清の絶望度 90→0
希望の力が一つ上がりました!
―――昼
最原「……さて、どう行動すべきかな?」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
最原「……入間さん、話があるんだ。ここを開けてよ!入間さん!」ドンドン!
―――シーン……
最原「……駄目だ、何か発明した機械でドアをロックしてるみたいだ。今の僕じゃどうしようもないな……」
最原「……皆と相談して方法を考えないと……残念だけど、今日は諦めて帰ろう……」
入間「……最原……」
入間「……私を貶しに来たのか……?それとも、やられた事をやり返しに来たのか……?うぅ……恐いよぉ……」
入間「なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ、なんとか……しなきゃ……っ!」
―――夜 白銀フェイズ
白銀「さ~て、誰を虐めてこようかな~?」
誰の所に行きますか? 五つ下の回答で決定
入間「は、はぁぁ……っ!や、やった、出来た!最原に謝る為の練習用シュミレートマシン!これを使って、最原に謝る為の心構えをするんだ!」
入間「……そ、そうだ……今度こそ俺様は、まっすぐに最原と向きあって謝るんだ……!その為に、俺様はっ!」カチッ…
白銀「……ふふふふふ……」カタカタ…
――――――――――
入間「ん……。よ、よし!シュミレート世界に入れたみたいだな!早速最原を探して、謝る練習をするんだ!」
最原「……そこに居るのは、誰……?」
入間「こ、この声は……最原!やった、こんなに早く会えるなんて……!」
最原「その声は……入間さんなの?」
入間「あ、ああ!俺様だぜ!最原、俺様がわる、か、った……?」
最原「………」
入間「え……?な、なんで目の部分に包帯なんて巻いてるんだ?俺様は、こんな設定なんか……」
最原「……入間さん……なの?」
入間「ひ、ひいっ!?ど、どうしてこんな事に……?」
入間「お、俺様のせい……?」
キーボ「王馬くんから受けた仕打ちで目を傷めた最原くんは、そのまま自分の眼球を潰して……くうぅ……っ」
入間「あ、あの時の……!?私が、最原を見捨てた時のことなの……!?」
獄原「い、入間さんが最原くんを助けてあげてればこんな事にはならなかったのに……!なんで助けてあげなかったのさ!?入間さん!」
入間「あ、あぁぁ……うぅぅぅぅぅっ……」
最原「ねえ、誰かそこに居るの?僕、何も見えないんだ……」
入間「……こ、こんなの設定間違いだ!り、リセットしよう!もう一回だ!」
―――ヴーーンッ!
入間「……はぁ、はぁっ……よ、よし、今度こそ……」
最原「……ねえ、そこに誰か居るの?」
入間「さ、最は……ら……!?」
入間(こ、今度は目の包帯に加えて車椅子!?し、しかも……片脚が無くなって……!)
真宮寺「……王馬くんの罠に引っかかった最原くんは、自分で目を潰してしまって……」
キーボ「しかも、トラバサミで挟まれた脚が長い間挟まれたせいでもう切断するしか無くなってしまったなんて……」
獄原「どうして助けてあげなかったの!?入間さん……!なんで!?どうしてっ!?」
入間「ち、違う……!リセット!リセットだっ!」
―――ヴーーンッ!
最原「……そこに誰か居るの?」
入間「あ、あぁ……!?また、怪我が酷く……!」
最原「……ねえ、誰か居るの?誰なの?」
入間「リセット!リセットだぁぁっ!」
―――ヴーーンッ!
真宮寺「……全身打撲のせいで体に後遺症が……もう、満足に動くことも……」
獄原「なんで助けてあげなかったのさ!?」
入間「リセット!」
キーボ「視力だけでは無く、聴覚まで……!もう、誰かと会話する事は絶望的です……」
獄原「い、入間さん……どうして……!?」
入間「り、リセット……!」
真宮寺「……度重なる虐待行為に最原くんの心は……!」
キーボ「うう……僕たちがついていながら、こんなことになってしまうなんて……!」
獄原「入間さんが助けてあげてれば、こんな事にならなかったのに……!」
入間「リ、セット……」
入間(なんで……どうして!?回数を重ねれば重ねるほど状況が悪くなる!私はこんな設定はしてないのに!?)
入間「つ、次はどうなるんだ……?どうな、って……っっ!?」
真宮寺「う、うぅ……うぅぅぅぅ……」
キーボ「最原くん……最原くぅぅぅん……」
入間「葬、式……?最原の……?終一が、死んだ……?」
獄原「入間さん……!何で助けてあげなかったんだよぉぉ……!入間さんが助けてあげてれば、最原くんは、最原くんは……っ!」
入間「わ、私の、せい……?ち、違う!これは現実じゃ無いんだ!こんなの違うんだ!」
入間「り、リセットしなきゃ……もう一度、設定を……」
最原「……またそうやって逃げるんだね」
入間「ひっ!?」
最原「また僕を裏切って、僕を傷つけた事を無かった事にして、自分の罪から逃げるんだね……。君は何も成長していない、何も変わっちゃいないんだ……!」
入間「あ、あぁ……あぁぁぁぁぁぁ……」
最原「……入間さん、現実にリセットボタンは無いんだよ。その事をよーく覚えておいてね……!」
入間「う、う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
入間美兎 絶望度 89→94
最原フェイズ 朝
最原「……朝だ。行動を開始しよう……!」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
王馬「………」
最原『……今更、君を信じられるわけないだろ。君が今まで積み重ねてきた信頼なんて、そんなもんしかないんだからさ』
王馬「……ああ、そうだよ、最原ちゃん……俺は所詮、嘘つきの嫌われ者さ……」
王馬「でもね……嫌われ者にしか出来ない役目も確かにあるんだよ……!」
―――中庭
最原「……居た!王馬くんっ!」
王馬「……ああ、最原ちゃんじゃん!どうかしたの?」
最原「王馬くん……僕は、君に話したいことが……」
王馬「……あー、ダメダメ!俺、今すごく忙しいんだ!最原ちゃんと話してる時間なんてないんだよ!」
最原「えっ……!?」
王馬「だからごめんね!お話はまた次の機会ってことで……」
獄原「ちょっと待ってよ、王馬くん!」
獄原「……王馬くん。ゴン太は、王馬くんが本当は良い人だってこと知ってるよ。今、王馬くんは本当に忙しくしてる理由は、皆の為なんでしょ?」
王馬「っっ……!」
獄原「何をしているの?ゴン太たちに話してよ!ゴン太も手伝うから、一人で抱え込まないでよ!」
王馬「……無理だね」
獄原「えっ……!」
王馬「それは出来ない……だって、これは俺が一人でやらなきゃいけないことなんだ。誰にも迷惑かけずに、俺が一人でやらなきゃいけないことなんだよ」
獄原「……王馬くん、君は……?」
王馬「……それが俺に出来る唯一のことなんだ。もう、これ以上黒幕の思い通りにさせるわけには……!」
最原「まさか……!君は、黒幕の正体に気がついているの!?」
王馬「……白銀ちゃんでしょ?あの一週間の中で、彼女の行動には違和感と嘘があった……俺が犯人を断定するには、それで十分さ」
王馬「だからこそ、俺は彼女の次の手をつぶさなきゃならないんだ!皆に最原ちゃんのことを諦めさせないと、白銀ちゃんは次に皆のその感情を利用して何かを仕掛けてくる!だから、俺が……っ!」
最原「……一人で全部を解決するって事?誰にも迷惑をかけずにかい?」
王馬「……ああ、そうさ。嫌われ役の俺にしか出来ないことさ。だから最原ちゃん、俺は……」
最原「……君はいつからそんなつまらない奴になったんだい?」
王馬「……え?」
王馬「な、何を言ってるの……?」
最原「僕の知っている王馬くんなら、黒幕に負けっぱなしなんか嫌だって言って、自分の為に黒幕に勝負を仕掛けていたはずさ。例え皆を守りたいって思いがあっても、君はそれを口にする事は決してないはずだよ」
王馬「うっ……!」
最原「……もし、君が嘘をつけなくなった理由が僕にあるのだと言うのなら……僕は君に謝らなくちゃならない。君をそうしたのは僕なんだ、本当にごめん」
王馬「……そんなこと言わないでよ最原ちゃん。俺は、自分でそう決めたんだ。黒幕に好き勝手されるのはもう御免だからね」
最原「なら、それを僕にも手伝わせてよ。その代わり、君も僕を手伝って欲しい。僕と君が組めば無敵さ、そうだろう?」
王馬「……最原ちゃん、俺は……」
最原「……迷惑かけないなんて言わないでよ。僕と君はライバルだろう?君の引き起こした厄介事を解決するのが僕の役目じゃないか」
王馬「っっ……!」
獄原「王馬くん……!」
獄原「ええっ!?ご、ごめん!ゴン太のせいで王馬くんを悲しませちゃったなんて……」
王馬「ふう……。ま、いっか。そろそろ皆のためなんてかったるいことにも飽きてきた所だし、その役目は最原ちゃんに任せるよ。俺は作戦担当の参謀って事で!」
獄原「え……?そ、それじゃあ!」
王馬「正義の味方と悪の総統の共同戦線なんて燃えるよね~!んじゃ、軽く黒幕をぶっ飛ばすとしますか!」
獄原「お、王馬くん!」ダキッ!
王馬「ぎゃぁぁぁぁっ!ゴン太、お前馬鹿っ!お前に思いっきり抱きしめられたら死んじゃうだろ!?」
獄原「あっ、ご、ごめんっ!」
王馬「……ふう、死ぬかと思った。さて、最原ちゃん、覚悟してよね?俺を仲間に引き込んだんだ、相当面倒で厄介なトラブルを引き起こしてやるからさ!」
最原「ああ、覚悟してるよ。これからよろしく、王馬くん!」
王馬「にしし!……安心していいよ、最原ちゃん!平穏な日常は送れない代わりに、毎日をつまらなくないものにしてあげるからさ!俺と最原ちゃんが組めば、黒幕なんて目じゃないよね!」
王馬小吉の絶望度 76→0
希望の力が一つ上がりました!
昼はどうしますか? 5つ下の回答で決定
最原「……いないか」
―――東条の研究教室
最原「ここにもいない……東条さん、どこにいるんだ?」
最原(もしかして、僕から逃げてる?僕の行動から予測して、見つからない場所に隠れてるんじゃ……?)
最原(だとしたら、僕には絶対に見つかりっこない……。なんとかして、東条さんと会う方法を考えなくちゃ)
―――夜 白銀フェイズ
白銀「さ~て!今日もハッスルしちゃうぞ~!」
誰の所へ行きますか? 3つ下の回答で決定
白銀「入間さ~ん、ドアを開けてよ~!話したいことがあるんだよ~!」ドンドン!
入間「………」ガタガタ…
白銀「……ふ~ん、出て来る気は無いんだね?皆をこんな目に遭わせてるって言うのにさ……」
入間「……!?」ビクッ!
白銀「最原くんから聞いたよ。入間さん、最原くんを騙して記憶を消そうとしたんだってね。そのせいで最原くんは皆を信じる気持ちをなくしちゃったんだよ?」
入間「う、う……」
白銀「……最原くんだけじゃない、皆が苦しんでるのは入間さんのせいなんだよ?だって入間さんが保身を考えてさえいなければ、最原くんは皆を許していたんだからね……!」
入間「うぅぅ……うぅぅぅぅぅぅ……」
白銀「……何とか言いなよ。皆、入間さんに怒ってるんだよ?入間さんのせいで私たちは最原くんに許して貰えなくなっちゃったんだよ?なんとか言ったらどうなの!?」ガンッ!
入間「ひ、ひぃぃっ!!!」ビクッ!
白銀「……また、そうやって逃げるんだね。最原くんからも、自分の罪からも、皆からも逃げるんだね。最低だよ、入間さん……」スタスタ…
入間「わ、私は悪くない……あいつらだって最原を虐めてたじゃないか、私だけが悪いんじゃない……悪くない!」
入間「に、逃げてるのはあの地味ブス女の方だ!全部を俺様のせいにしてるだけじゃないか!あいつだけじゃない、俺様を責めてる奴ら全員がそうだ!俺様は悪くない!」
入間「そ、そうだよ……あいつらは俺様を除け者にして安心してるだけなんだ。だから、俺様は……あっ!?」
入間「……俺様だけ、除け者……?お、俺様だけが仲間外れ……?って、ことは、次に終一みたいに虐められるのは、わ、私……!?」
入間「い、嫌だ……!そんなの嫌だ!だ、誰か助けてくれよっ!わ、私は、私はぁぁぁぁぁっ!」
入間美兎の絶望度 94→99
―――最原フェイズ 朝
最原「朝だ、行動を開始しよう……」
どうしますか? この下の回答で決定
最原「……僕がこれからどう行動したら良いか、皆の意見を聞かせて欲しいんだ」
キーボ「仲間が増えてきましたね!今の僕たちの希望の力なら、皆もきっと話を聞いてくれるはずです!」
獄原「でも、中には最原くんとお話するのが嫌だって人も居るみたいだよ?」
真宮寺「その場合は僕たちで相談してなんとか話し合いの場をセッティングする方法を考えなきゃならないネ。今居るメンバーだけで良い案が浮かばなかったら新しい仲間を増やしてから話し合いをしてみればきっと良い考えが浮かぶはずだヨ」
王馬「持つべきものは頼りになる友達ってことだね!」
最原「……今、僕の話を聞いてくれそうな人は誰かな?」
王馬「うーん……はっきりとはわからないけど、最原ちゃんが一番信頼していた人なら、その信頼に応えようとしてくれるんじゃないかな?」
獄原「最原くんが一番信頼していた人って言うと……」
真宮寺「……彼の事だろうネ。彼の破天荒さは今の僕たちに必要なものサ」
キーボ「最原くん、彼に白銀さんの魔の手が迫る前に話し合いの場を持ちましょう!」
王馬「え?入間ちゃんを部屋から出す方法?そんなの簡単じゃん!キーボの力を借りればちょちょいのちょいだよ!」
キーボ「僕、ですか……?王馬くんの提案と言う時点で嫌な予感がするんですけれど……」
王馬「平気、平気!もしも入間ちゃんと話したいって言うなら、俺に声をかけてよ。なんとかしてみせるからさ!」
最原「……そうだ、東条さんの事なんだけど……」
真宮寺「最原くんから逃げ回っている……か」
王馬「うーん……東条ちゃんから逃げ回るならまだしも、逃げ回る東条ちゃんを見つけて、かつ捕まえるなんて俺には無理かな~?」
獄原「一度見つけられればゴン太なら捕まえられるけど……東条さん、どこに居るかわからないからな……」
キーボ「……残念ながら東条さんを捕まえる方法は今は思いつきませんね。もう少し人を集めてから考えてみましょう」
最原(皆と意見交換をした。この情報を元に皆を必ず救い出すぞ……!)
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
百田「………」
最原『……君は僕を振り回しているだけだ、僕の事なんて何一つとして理解してくれてないんだよ』
最原『僕、そんな親友はいらない。関わりだって持ちたくない』
百田「……俺は、何をやってんだよ……?何が……何が宇宙に轟く男だよ?大切なダチにあんな真似して、そいつにまた負担を強いる糞野郎じゃねえかよ……っ!」
百田「終一の事を傍に居て当然のやつだって思ってたんじゃないのか?何しても腹を割って話し合えば分かり合えるんだって思い込んでたんじゃねえのか?だから……だから、あんな無神経な事が出来るんだよ!俺って奴はっ!」
百田「何が『親友』だ!何が『俺を殴ってくれ』だ!?結局俺は……俺は、自分の中の勝手な思い込みを終一に押し付けてただけじゃねえかよ!そんな奴のどこに、終一の親友を名乗れる資格があるって言うんだよっ!?」
百田「くそっ!くそっ……!俺は、俺は……っ!」
最原「……何時までそうしているつもりなんだい?」
百田「!?」
最原「……そうやって泣き言を言っていれば何か解決するの?した事がなかったことになるの?」
百田「あ、ぐっ……!?」
最原「……君はもう、前に進む事を諦めたの?このままで良いと本気で思ってるの?」
百田「ぐっ……うぅっ……!」ダッ!
最原「……逃げるの?何も言い返さずにさ」
百田「ぐ、っっ……俺に、お前と話す資格なんかねえんだよ……っ」
最原「………」
百田「……お前に詰られんのも、俺がした事を考えれば当然の事だ。それに反論したり、お前に許しを請う資格なんて俺にはねえんだよ!俺は……もう、取り返しのつかないことを……っっ!」
最原「……そう。それが君の考えなんだね?」
百田「……ああ、そうだ。だから最原、もう俺には……」
最原「……わかったよ、百田くん。……歯ぁ、食いしばれ!」
百田「……えっ?」
百田「があぁっ!?」ドサッ!
最原「………!」グッ!
百田「さ、最原……?お前、何を……?」
最原「……君を殴った、わかるでしょ?」
百田「や、止めてくれ……!いまさら、俺がお前に許されることなんて……」
最原「……勘違いしないでよ、百田くん。これは君を許すための儀式なんかじゃない。君のためでなく、僕のためにやっていることなんだ」
百田「え……?」
最原「……これは僕の意思だ。僕の責任で行っている行為だ。だから、君が何かを期待するのは間違っているんだよ。百田くん」
百田「………」
百田(……救えねえ馬鹿だな、俺は……まだどっかで最原が俺を許してくれると思ってたみたいだ。んなこと、あるわきゃねえのにな……)
百田(あんだけ殴ったんだ、やり返さなきゃ気が済まないに決まってんだろ。俺に出来る事と言えば、その憎しみを受け止めること位だよな……)
百田「……済まなかった、最原。お前の気の済む様にしてくれ」
最原「………っ!」グッ!
―――ガスッ!バキッ!ガンッ!
百田「ぐっ!うっ!ぐはぁっ!」
百田(ああ、くそっ……痛ぇなあ……無茶苦茶痛ぇよ……。でも、最原はもっと痛かったに決まってるよな……)
百田(……すまねえ、最原。すまなかった……!こんな馬鹿な俺のせいで、お前は……っ!)
最原「っっ……!」ブンッ!
百田「ぐあぁっ!」ドサッ!
最原「はあ……っ、はぁっ……」
百田「……最原、なんだったらこの部屋にある物でも使えよ。鉄製の物とか色々あるぜ、そいつを使えばもっと簡単に俺を……」
真宮寺「……いい加減にしなヨ、百田くん」
真宮寺「今の最原くんの目を見て、君は何も感じないのかい?」
百田「は……?」
最原「………」
真宮寺「……今の最原くんの目に君に対する憎しみが浮かんでいるかい?怒りが燃えているかい?……君の目には、どう映っているのかな?」
百田「最原の、目……?」
百田(……俺を憎んでいる感じじゃない。少し怒ってて、でも、それ以上に……悲しんでるのか……!?なんでだ?どうして……?)
百田(いや、それだけじゃない。拳だって傷だらけで、まだ腫れ上がってる。なんでそんな拳で俺を殴るんだよ!?俺が憎いなら、武器でも使って痛めつければ良いだけの話だろ!?)
真宮寺「……なぜ、最原くんは拳と心の痛みに耐えて君を殴っていると思う?……かつての君ならば、すぐにその答えに気がついたはずサ」
百田「………」
真宮寺「……目を覚ましなヨ、百田くん。君は、そんな風に後ろ向きな男だったのかい?君は……最原くんの親友じゃあなかったのかい?」
百田「っっ……!」
真宮寺「君がその理由に気がつくまで、最原くんは痛みに耐えて君に拳を振るい続けるヨ。彼をこれ以上苦しめたく無いと思うなら……」
百田「……いや、もう良い」
最原「………」
百田「……もう、わかった……。俺はやっぱり、大馬鹿野郎だ」
真宮寺「………」
最原「………」
百田「お前を傷つけちまったことも、自分勝手な考えでお前を振り回しちまった事も謝る!でも、それ以上に謝らなきゃならねえのは……俺が、全部を投げやりにしちまってたことだ!」
百田「お前と和解することも、自分の罪を償うことも、宇宙に行く事だって……俺は、どうでも良いって思っちまってた!全てを投げ捨てて、膝を抱えたまま動かない本当に糞ダサい男になってたんだ……!」
百田「お前にぶん殴ってもらわなきゃ、俺は何時までもそうして蹲ってたままだった……お前は、そんな俺の姿を見てられないから、俺を殴って目を覚まさせ様としてくれたんだ!自分の拳や心の痛みも省みず、俺のために、お前は……っ!」
最原「………」
百田「……今、ここで、改めてお前に謝らせてもらう。……悪かった、最原……!何百回でも、何千回でも謝って、もう一度お前が俺を親友だと思ってくれる様に努力する。俺は前に進む!もう一度やり直す!だから、だから……っ!」
最原「……まだ、ちょっと足りないかな」
百田「ああ、たった一回頭を下げただけで許して貰おうだなんて思わねえ。これから先、どんな事をしたって……」
最原「そうじゃなくってさ……そんな他人行儀な呼び方をしないでよ。寂しいじゃないか」
百田「えっ……!?」
最原「……僕こそごめん。君を傷つけて、酷い事を言ってしまった……。百田くん、こんな僕の事を許してくれるかな?」
百田「っっ……!あ、当たり前、だろうがっ……!終一っ!」
最原「……良かった。本当にごめんよ、百田くん……」
百田「馬鹿野郎っ……!お前が謝る必要なんてねえんだよ……!お前が、俺に詫びる必要なんて、どこにも……」
百田「えっ……?それって、どういう……?」
最原「……詳しい話は僕の部屋でしよう。百田くん、君の力を貸して欲しいんだ」
百田「……そんな質問するんじゃねえよ。ダチが困ってたら手を貸す、それが親友なら尚更だ。そうだろ?」
最原「……ありがとう」
百田「礼も言いっこ無しだ!なんせ俺たちは親友だからな!」
最原「……うんっ!」
百田「……終一、俺は幸せ者だ。宇宙で一番のダチを持てた。この友情はもうどんな奴にだって断ち切れねえ……!俺たちはずっと親友だぜ!」
百田解斗の絶望度 87→0
希望の力が一つ上がりました!
―――夜 白銀フェイズ
白銀「今日も楽しい絶望の時間がやってきたよ!」
誰の所に行きますか? 3つ下の回答で決定
真宮寺が原因だとバラす
と言うわけで春川さんの所へ行くで決定します
春川「ぶーん!ぶーん!」キャッキャッ!
白銀「春川さーん、遊びに来たよー!」
春川「あ、白銀だ!遊ぼ、遊ぼ!」
白銀「玩具も沢山持って来たからねー!」
春川「わーい!白銀は優しいから好きー!」
白銀「あはは、何して遊ぼうか?……ああそうだ、春川さん」
春川「なーにー?」
白銀「いつまで幼児退行したふりをしてるの?」
春川「………!」
春川「な、なに……?私、わかんないよ……。難しいことはわかんないよ!」
白銀「そうやって心が壊れた可哀想な女の子を演じて、自分を守ろうとしてるんだね。悲劇のヒロインって、そんなに楽しい?」
春川「やめて……やめてよ……!私は、私はっ!!!」
白銀「ふふふ……ほ~ら、メッキが剥がれてきた……!春川さんの醜い本性が見えてきたよ……!」
春川「……んた、だって……」
白銀「ん~?」
春川「アンタだって、私と同じ事をした癖に!アンタだって最原を痛めつけた奴らの一人でしょ!?そんなアンタに私を責める資格なんて……」
白銀「……うん、そうだね。私も春川さんと一緒……大好きな最原くんをこの手で傷つけた……。でも、仕方がなかったんだよ……!」
春川「な、なによ……アンタだって悲劇のヒロインぶってるじゃないか!」
白銀「じゃあ、あの時の私に何が出来たっていうの!?私はコスプレ好きの地味な女なんだよ!?男の人や武術の心得がある人たちをどうやって抑えれば良かったって言うの!?」
春川「そ、それは……」
白銀「……出来るわけ無いじゃない。だから、私はこっそり最原くんを助けてたんだよ……皆にバレないようにこっそりとね……」
春川「う、うそ……!?」
春川「そ、れは……」
白銀「……いつか最原くんが殺されちゃうんじゃないかって、私はそう思ってたから……だから、皆と協力して最原くんを虐めて、いざというときに彼を助けられる様に演技をしてたんだよ!」
春川「くっ……うぅ……」
白銀「……凄く辛かった……大好きな人を傷つけて、酷い言葉を吐き捨てて……!そんな演技をしなきゃいけなかった私の気持ちがわかる!?」
白銀「超高校級の暗殺者である春川さんなら皆を抑えて、最原くんを助ける事だって出来たのに……!なのに率先して最原くんを痛めつけて、挙句の果てに自分を守るための現実逃避の演技!?ふざけないでよ!」
春川「う、ぅ、うぅぅぅぅぅぅ……」
白銀「……結局、あなたはそう言う人間なんだよ。自分は悪くない、自分は被害者だって思い込んで、悲劇のヒロインのふりをする最低の人間……そりゃ、最原くんにも嫌われるよね?」
春川「も、もう止めて……私が悪かったから……」
白銀「……あなたも最原くんが好きだったんだよね?でも、最原くんが自分の事を好きになってくれないから、壊しちゃおうって考えたんじゃないの?」
春川「そんなこと無い……!そんなの、違う……!」
白銀「そう……じゃあ、春川さんは何の意味も無く好きな男の人に暴力を振るう女の子って事だね。やっぱり最原くんに嫌われて良かったじゃない。そんな女の子に好かれたって迷惑だよ」
春川「あ、う、あぁぁぁぁ……」
白銀「……もう何も言えなくなっちゃった?なら、そこで蹲ってなよ。あなたは取り返しのつかないことをしてしまった……その事をよーく噛み締めて、今度は深く絶望してね……」スタスタ…
春川「……あ、ああ、ああぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
春川「最原、最原ぁ……っ!ごめんなさいっ、ごめんなざいぃぃぃっ……!」
白銀「……うふふ、やっと自分の罪を認められたね。普段クールな春川さんがあんなに泣きじゃくって……相当、堪えたみたいだね!」
春川魔姫の絶望度 50→95
―――朝 最原フェイズ
最原「朝だ、行動を開始しよう……!」
どうしますか? 5つ下の回答で決定
春川
最原「東条さん、東条さーん!」
最原「……駄目だ、どこを探しても見つからない……。どうにかして東条さんを見つける方法を考えないと時間を無駄にするばかりだ……」
最原(だれかに良い知恵を貸して貰うしか無いな……。また今度、皆と話し合ってみよう)
昼はどうしますか? この下の回答で決定
最原「……アンジーさん!このドアをあけて!アンジーさん!」
―――カチャッ……
夜長「……終、一……?終一なの?」
最原「そうだよ、アンジーさんと話しに来たんだ。ちょっと良いかな?」
夜長「あ、ああ……っ!終一、終一っ!」ギュッ!
最原「うわっ!?あ、アンジーさん……?」
夜長「お願い終一……アンジーの事、ぎゅってして……!嫌かもしれないけど、お願いだから……」
最原「……嫌なんかじゃ無いよ。ほら」ギュッ…
夜長「ふあぁっ……」
最原「えっと……こんな感じで良いのかな?」
夜長「うん……うんっ……!」
夜長(……温かい……幸せだよ……。このまま、終一の胸の中でずっとこうしていたい……!)
夜長「!?」ビクッ!
??『お前はその少年を傷つけたんだ。お前にそんな事を望む資格は無い』
夜長「あ、あぁ……!そんな、嘘……っ!」
最原「え?あ、アンジーさん?」
??『許されることなんか望むな。お前はただ、あの暗い部屋で一生を終えれば良いのだ』
夜長「う、うぅ……あぁぁ……っ!」
最原「あ、アンジーさん?どうかしたの……?うわっ!?」ドンッ!
夜長「……終一……。う、うぅぅ……」ガチャッ
最原「あ、アンジーさん!?どうしたのさ!?アンジーさん!?ドアを開けて、僕と話そうよ!アンジーさん!」
夜長「終一、終一……!お話したいよ、一緒に居たいよ……!でも、ダメなんだよ……!アンジーは、そうしちゃダメなんだよ……!」
夜長「でも……会いに来てくれて本当に嬉しかったよ、終一……っ!」
夜長アンジーの絶望度 91→85
白銀「さ~て!今日も頑張ろうっと!」
誰の所に行きますか?3つ下の回答で決定
夜長「………」
白銀「アンジーさーん!聞いたよ、最原くんとお話出来たんだってね!良かったね!それで、仲直りできたの?」
夜長「……ううん、神様がアンジーには終一と仲良くする権利なんか無いからって言うから……」
白銀「そっかー……神様の言う事なら仕方が無いよねー……。でも、そんなの無視しちゃえば良いんじゃないかな?」
夜長「!?」
白銀「そうすれば最原くんとお話出来て、仲直りも出来るんじゃないかな?私はそう思うけどなー……!」
夜長「だ、駄目だよ、そんなの……!神様の言う事は絶対なんだよ!」
白銀「えー!?……あ、そっか、そうだよね。アンジーさんが神様の言う事に逆らえるわけないか」
夜長「そ、そうだよ、だって……」
白銀「だって今、神様の言う事を無視したら、最原くんに暴力を振るってた言い訳が無くなっちゃうもんね?」
夜長「えっ?」
夜長「う……っ」
白銀「でも……もしここで神様の言う事を無視したらその言い訳が使えなくなっちゃうもんね!なんで神様の言い付けを破ってでも最原くんを助けなかったの?って言われちゃうもんね!アンジーさんが悪いって認めなくちゃならなくなるもんね!」
夜長「っっっ……!?」
白銀「究極の選択だよね!?神様の言い付けと自分を守って最原くんを諦めるか、神様を裏切って最原くんに許して貰える『かも』しれない道を選ぶか……アンジーさんは、どうする?」
夜長「……ってよ」
白銀「ん~……?」
夜長「帰ってよっ!」
白銀「わ~!アンジーさんが怒った~!逃げろ~!」ピューン!
夜長「……うっ、うぅ……うぅぅぅぅ……」
夜長「アンジーはどうしたら良いのかな……?神様、教えてよ……。誰でも良いから、アンジーに教えてよぉぉっ!」
夜長アンジーの絶望度 85→99
―――朝 最原フェイズ
最原「……朝だ、行動を開始しよう」
どうしますか? この下の回答で決定
お前もすごい
キミもネ
凄く惜しい
王馬「入間ちゃ~ん!おーい、入間ちゃ~ん!」ガンガン!
入間「ひいぃっ!?お、王馬!?俺様に何の用なんだ……?」
王馬「入間ちゃ~ん、キー坊がおかしくなっちゃったんだよ~!皆に殴られすぎてどこか壊れちゃったかもしれないんだ!」
入間「えっ……?」
王馬「入間ちゃんならキー坊を直せるでしょ!?ちょっと見てくれないかな?」
入間「………」
入間(……キーボを修理すれば最原も喜ぶ。そうすれば、俺様のことを許してくれるかもしれない!)
入間「よ、良し!ドアを開けて様子を見てみよう!」カチッ!
―――シュイーン!
王馬「あ、ドアのロックが解除された!入間ちゃん、早く外に出てきてよ!俺一人じゃ重くてキーボは運べないんだ!」
入間「ちっ……しょうがねえ、手を貸してやるか……」ガチャッ
入間「んなことどうでも良いんだよ。キーボはどこだ?さっさと修理して最原に恩を……」
キーボ「……修理なんて必要ありませんよ」
入間「えっ!?」
入間(は、挟まれた……?これじゃあ部屋の中に戻れな……ひっ!?)
最原「……やっと会えたね、入間さん」
入間「さ、最原ぁ……!?」ビクビク…
王馬「にしし!作戦成功だね!」
キーボ「僕をダシに使っただけはありますね」
入間「あ、あ……。お、俺様を嵌めたのかよぉ……?キーボが壊れたってのも、外に誘き出すための嘘かよぉ……!?」
王馬「うん!そうだよ!」
入間「ひ、ひぃ……っ!」
入間(だ、駄目だ……!きっと殴られる、蹴られる!今まで俺様が最原にしてきたことをやり返されて、仕返しされるんだ!)
最原「……入間さん」
入間「ひいぃぃっ!?」ビクッ!
入間「……へ?」キョトン?
最原「……君に酷い事を言ってしまったことを謝りたかったんだ。本当にごめん……その為に君を騙す真似までして、本当にすまなかったと思ってるよ」
入間「へ?え……?」
王馬「そんなに気にすること無いよ、最原ちゃん!だってこの変態肉便器は最原ちゃんに同じ事をしたじゃん!おあいこだって!」
キーボ「そうですよ、おあいこです!気に病む必要なんて無いんですよ!」
入間「え?え?え?」
最原「……話はそれだけだから、それじゃあ……」スタスタ…
王馬「またね、入間ちゃん!」タタタ…
キーボ「あっ!?ちょっと待ってくださーい!」タタタ…
入間「………」グッ…
入間「………痛っ!あ、あと、ちょっと気持ち良い……っ♡」
入間「え?って事は、これ現実?わ、私、最原に許してもらえた……の?」
キーボ「しかし……一気に畳み掛けなくて良かったんですか?次にまた入間さんが最原くんに会ってくれる保障はどこにも……」
王馬「ああ、絶対に大丈夫だよ。だって相手はあの入間ちゃんだもの」
キーボ「はあ……?」
王馬「……今回の作戦の目的をざっくり言っちゃうと、入間ちゃんに現実を認めさせることだったんだよ」
キーボ「入間さんに現実を認めさせる?どういう意味ですか?」
王馬「ったく、これだから鉄屑は……良い?入間ちゃんの性格上、間違いなく彼女は最原ちゃんを傷つけた事から目をそらして自分は悪くないって思い込もうとしていたに違いないよ。現実から逃げて、部屋に引きこもるくらいだしさ」
キーボ「ま、まあ、そうですけど……」
王馬「でも、入間ちゃんは本当はどっかで自分が悪い事をしたって思ってはいるんだよ。だから罪悪感に苦しんでた。その罪悪感を軽くして、受け止めさせてあげることが今回の目的だったの」
キーボ「???」
最原「……僕が入間さんを怒ってないってわかれば、入間さんも自分のしてしまった事を受け止めやすくなる……それに加えて、僕を騙したこともおあいこだって言い聞かせたから、その罪悪感も薄まっていると思うよ」
王馬「ま、あの入間ちゃんだし?自分が悪くないって言う可能性には間違いなくすがりに行くよね!」
キーボ「な、なるほど……では、後は彼女が現実を受け止めれば、もう一度最原くんと話せるようになると言うことですね!」
王馬「……必要なのは時間だよ。入間ちゃんが現実を認めるだけの時間があれば、彼女は自分の都合の良い様に全てを考え出すからね。そこも利用してあげれば、後は簡単なんじゃないかな?」
最原「問題は白銀さんだよ。入間さんが立ち直り始めたと知ったら何をしてくるか……」
王馬「……俺は平気だと思うけどね。でもま、警戒するに越した事はないか!最原ちゃん、頑張って入間ちゃんを励ましなよ?俺はやる事はやったからね!」
最原「うん、ありがとう王馬くん!」
入間美兎の絶望度 99→90
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
だれかこの三人に謝罪した奴いる?
最原「……良し、赤松さんと話をしよう。ちゃんと謝って、許して貰うんだ」
赤松「………」ポロン~♪
最原「……あ、赤松さん、そのままで良いから、ちょっと話を聞いてくれないかな?」
赤松「………」ポロン~♪
最原「……君の事を嫌いだなんて言ってごめん。僕は君を傷つけた……謝っても許されることじゃないって言うのはわかってる。でも、僕はもう一度君と昔の関係に戻りたいんだ。だから……」
赤松「………」ピタッ
最原「……赤松さん、僕は……」
赤松「……目かな?耳かな?」
最原「え……?」
赤松「……っ!」
―――ガシャーン!
最原「なっ!?あ、赤松さん!?何してるの!?」
赤松「……ふふ、あはは……あははははは!」ポタポタ…
最原「赤松さん!血が出てるよ!急いで手当てしないと……」
赤松「ふふふ……やっぱり優しいね、最原くんはさ……。でも、こんな私を気にしなくても良いんだよ」
最原「な、何を言って……?」
赤松「笑いかけてくれる最原くんが見えたら目を潰さなくちゃ、最原くんの優しい声が聞こえたら耳を削がなくちゃ……まだ逃げようとする甘い私を罰しなくちゃ……!」
最原「赤松さん!もう止めてよ!僕はここにいる!君の事を許す!だから……」
赤松「……あぁ、なんて私は弱いんだろうね……?まだ最原くんに許されることを望むなんて、絶望的に救い様が無いよ……!ほんと、死ぬしかないよね?死ななきゃね、うん、死ななきゃ……!」
最原「赤松さん!お願いだから止めてくれ!死ぬだなんて、そんなこと言うなよ!」
赤松「……そっか、死んだらこの苦しみから逃げる事になるもんね!私みたいな人間の屑は生きて苦しんで後悔してズタボロになって生き地獄を味あわなきゃ駄目だよね!流石は最原くんだよ!……それに比べて私はなんて駄目な奴なんだろうね?ああ、やっぱり死にたいなあ……!」
最原「赤松、さん……っっ」
赤松「……死にたいなあ、私みたいな奴は死んじゃった方が良いんだよ。でも、生きて苦しまなきゃいけないからなぁ……絶望的、だなぁ……」
最原「ぼ、僕のせいだ……僕があんなことを言ったから、赤松さんは……うっ、うぅぅぅぅ……」
赤松「……最原くんを泣かせちゃった。幻とは言え、最原くんを泣かせちゃうだなんて私は本当に駄目で、最低で、屑みたいな女の子だよね……こんな子があなたを好きになっても迷惑なだけだよね。ああ、絶望的だよ……」スタスタ…
最原「……必ず、必ず助ける!君をもう一度笑顔にしてみせる!だから……待ってて、赤松さん!」
―――夜 白銀フェイズ
白銀「~~~♪~~~♪」
誰の所に行きますか? 下の回答で決定
天海「………」ボーッ…
白銀「あ、天海くん!酷い顔をしてるね?ちゃんと寝てる?と言うより、ご飯食べてる?」
天海「………」ボーッ…
白銀「……無視かあ、地味に傷つくなあ……。まあ、天海くんも傷心だし、仕方が無いか!」
天海「………」ボーッ…
白銀「……いつまでそうしてるの?最原くんに考えの浅さを指摘されて、考える事が嫌になっちゃった?今度は思考を放棄するんだ?」
天海「………」
白銀「……ほんと、天海くんって浅はかだよね~!失敗したら次にどうしようか考えるんじゃ無くって、考える事を止めてしまうだなんて馬鹿にもほどがあるよ!なっさけなーい!」
天海「………」
白銀「……ま、こんな事言っても今の天海くんの心には響かないでしょ。楽しく煽れたし、そろそろ行こうっと!」タタタ…
天海「………」
天海「……………」
―――ガンッ!
天海蘭太郎の絶望度 80→88
―――朝 最原フェイズ
最原「……動き出そう。皆を救うために!」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
星「………」ジッ…
最原「……隣、良い?」
星「……好きにしろ」
最原「……ありがとう」ストン
星「………」
最原「………」
星「……何の用だ?俺を詰りに来たのか?」
最原「ううん、君と話しに来たんだ。ちゃんと話しておきたくってさ……」
星「……そうか」
最原「……うん」
最原・星「………」
星「……悪かったな」
最原「………」
星「俺は……お前をあそこまで追い詰めてしまった。こんな俺のことを友と呼んでくれたお前のことをこの手で傷つけてしまった……許してくれだなんて口が裂けても言えやしねえよ」
最原「……気にしてないよ。あれには色々と事情があったんだ。だから、星くんが気にする必要は……」
星「……無理な話だな。お前が俺を許せても、俺自身が自分を許せないんだ」
最原「………」
最原「……でも、君は変われる。そうでしょ?」
星「ふっ……かもな。だが、今すぐには無理だ」
最原「なら、それまで待つよ。君が自分を許せる様になるまで僕は待つ。だから、心の整理がついたら僕に教えてよ」
星「……ああ、わかった。必ずそうさせて貰うぜ」
最原「うん!……じゃあ僕、行くね」
星「……最原」
最原「ん?何、星くん?」
星「……ありがとうな」
最原「……お礼は言わないで良いよ。僕たち、友達でしょ?」
星「……ああ」
星竜馬の絶望度 85→60
昼はどうしますか?3つ下の回答で決定
最原「……茶柱さん、居る?」
茶柱「っっ……!?さ、最原、さん……!?」
最原「よかった、ここに居たんだ。茶柱さんと話がしたいんだ、少し時間を……」
茶柱「う、あ……ぐぅぅぅぅっ……」
最原「茶柱さん……?どうかしたの?」
茶柱「さ、最原さん……転子は、転子は……っ……くぅぅっ……!」ダッ!
最原「あっ!ま、待って、茶柱さんっ!」
茶柱「ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」ダダダ…
最原「……駄目だ、追いつけそうにない……どうしたら茶柱さんは僕の話を聞いてくれるだろうか……?」
―――夜 白銀フェイズ
白銀「今日も絶望頑張ろーう!」
誰の所に行きますか? 3つ下の回答で決定
白銀「おーい、東条さーん!どこにいるのー?」
白銀「うーん……出て来てくれないなあ……。なら、方法を変えてみますか!」
白銀「おーい!東条さーん!東条さんが最原くんに見捨てられた原因ってさ、救急箱の中にスタンガンが入ってたからだよねー!?」
白銀「あれ、誰が入れたと思う?誰があなたの行動を見透かして、あんなものを入れたと思う?……そして、なんで私がそのことを知って……ぐえっ!」ドンッ!
東条「……あなたが……!あなたがっ!」グググ…
白銀「ふ、ふふ……釣れた釣れた!でも音も無く接近するなんて、流石はメイド……って、褒めるべきなのかな?」
東条「殺してやる!殺してやるわっ!」グッ!
白銀「……くくく」
―――バチッ!
東条「がぁっ!?」ドサッ!
白銀「ふー、危ない危ない!護身用にスタンガンを常備していて良かった~!」
東条「あ、ぐ……あなたの、せいで……私は……っ!」
白銀「……勘違いしないでよ。私はトドメを刺しただけ……そこまでの経緯で、最原くんの中でのあなたの信用はとっくに地に落ちてたんだからさ」
東条「ぐ、ぐぐ……!」
白銀「ま、好きに恨めば~?もう全部が手遅れだしね!あはははははは……」スタスタ…
東条「く、うぅ……ううぅぅぅぅぅ……」
東条斬美の絶望度 86→92
―――朝 最原フェイズ
最原「……良し、行動を開始しよう」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
夢野「………」
最原『僕のことが嫌いだから?だから僕に魔法をかけてくれないの?』
夢野「……ウチ、は……」
―――コンコン……
最原「……夢野さん、ちょっと良い?」
夢野「最原?……最原、なのか……?」
最原「うん、そうだよ。夢野さんと話がしたいんだ、ここをあけてくれないかな?」
夢野「……わかった。今ドアをあける……」ガチャッ
最原「ありがとう……それで、その、話があって……」
夢野「……その前に、ウチの話を聞いてくれんか?」
最原「え……?」
夢野「お主に……最原に、きちんと話しておきたいことがある。どうかウチの話を聞いてくれ……」
最原「……うん、良いよ。何を言いたいの?」
最原「………」
夢野「お主と一緒に居ると胸の中が温かくなってとても幸せじゃった……お主の傍は安心出来て、なんだかポカポカした……ウチは最原の事を友達としてでなく、男の人として好きだったんじゃと思う」
夢野「でも……ウチは、そんなお前を傷つけてしまった。なんでそんな事をしてしまったのか必死に考えたんじゃ、それで……ウチは、最原に嫉妬していたのかもしれんと思ったんじゃ」
最原「僕に嫉妬?どういう事?」
夢野「……お主は、赤松の事をずっと見ていた。好きな人の事じゃ、何を考えているかなんてよーくわかる……赤松の事が好きだったんじゃろ?」
最原「………」
夢野「……これが叶わぬ恋だなんて事、簡単に予想がついた。でも、ウチは諦めきれんかった……でもやっぱり、ウチは自分の恋が実らぬことなどわかっておったんじゃ……」
夢野「ウチは赤松の様な素敵な人間じゃない。面倒くさがりやで、他人どころか自分の事すらどうでも良いと考えてしまうものぐさ娘じゃ……そんなウチよりも素敵な女の子など、この学園の中には大勢おる」
夢野「転子もアンジーも他の女子たちも……皆可愛くて素敵な女の子じゃ、ウチは、ウチには……勝てる所など一つも無い……!」ポロポロ…
夢野「赤松の様に他人を気遣う優しさも無い!転子の様な意思の強さも無い!アンジーの様に無邪気な可愛さも無い!……料理も裁縫も発明も子供の相手も出来ん、ウチは役立たずじゃ……こんなウチの事など、最原が好きになってくれるわけがないとわかっておったんじゃよ……」
最原「………」
夢野「だからウチは最原を傷つけたんじゃ、自分のものになってくれないなら壊してしまえと思ってたんじゃ!きっとそうなんじゃ!ウチは、何も無い上に……好きな男の幸せすら願えない、最低の人間なんじゃ……」
最原「………」
夢野「……虐めてすまなかった、最原。その辛さをわかっていながら、ウチはお主を助けなかった……恨まれても、嫌われても仕方が無いことじゃ」
夢野「でも……信じて貰えないかもしれんが、これだけはわかってくれ!ウチは……お主の事が大好きだったんじゃ……!これは、本当の気持ちなんじゃ……!」ポロポロ…
最原「夢野さん……」
夢野「ごめんなさい……うっ、うぅ……最原、ごめんなさい……!」ポロポロ…
夢野「えっ……!?な、何をしておるんじゃ?う、ウチの事など捨て置いて……」
最原「そんな事出来ないよ……。本当にごめん、夢野さん。もっと早く君と話すべきだった」ギュッ…
夢野「っっ……!」
最原「僕は……夢野さんがそんなに傷ついているだなんて想像してなかった。君をそこまで追い込んだのは僕だ、本当にごめん……」
夢野「な、なんで最原が謝るんじゃ……?お主はただの被害者じゃ!ウチは、お主の事を虐めた酷い奴なんじゃ!卑怯者の汚い人間なんじゃよ!そんなウチに情けなど……」
最原「そんなこと無い!夢野さんは、君が思うような酷い人間じゃない!」
夢野「!?」
最原「……君は、とっても優しくて素敵な女の子さ……誰かの笑顔の為に努力して、誰かの幸せを願える女の子なんだよ」
夢野「で、でも、ウチは!」
最原「……僕の目を見て、夢野さん」
夢野「え……?何を……?」
最原「僕が嘘をついていると思う?君の事を哀れみや情けで励ましていると思う?」
夢野「………」
夢野(最原の目……ウチが大好きなあの目じゃ。見てると温かくなって、ずっと覗きこんで居たくなるあの目じゃ……)
最原「誰かの笑顔を生み出せる魔法も、良い友達が出来ることの魅力も、なによりも素敵な君の笑顔も……君は持ってるんだ。こんなに素敵な所が夢野さんにはあるんだよ」
夢野「さい、はら……っ」
最原「だから胸を張って、僕は夢野さんの笑顔が大好きだよ。勝手なお願いかもしれないけど、僕はまた君の笑顔が見たいんだ」
夢野「で、でも、ウチは最原を傷つけて……!」
最原「……夢野さんの素敵な所、まだあった」
夢野「え……?」
最原「君は、自分のした事への罪を真正面から受け止めた。そしてちゃんと反省して、僕に謝ってくれた……どんなに苦しんだとしても逃げたりせず、僕に向き合って謝った君は、とても強い女の子だよ」
夢野「う、うぅ……そんなの、意味が無いではないか……!大切な人を守れないのなら、そんな強さは有って無いのと同じじゃ……!」
最原「ううん、そんなことないよ。君のその強さは、僕に希望を与えてくれた……。また、夢野さんと友達になれるって思わせてくれたんだ。だから、僕は夢野さんに感謝したい。ありがとうって言いたいんだ」
最原「君が笑えるようになるまでこうやって抱きしめてるからさ……次に君が顔を上げた時には、夢野さんの笑顔が見たいな」
夢野「う、うっ、くっ……!馬鹿、者がぁ……っ!そんな、こ、言われたらっ、な、涙が、とまらな……うわぁぁぁぁぁんっ!」
最原「よしよし……たくさん泣いて良いよ。涙を流した後は、また笑える様になるからさ……」
夢野「うわぁぁぁぁんっ!うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
夢野「さいっ、はらぁ……!」
最原「なんだい、夢野さん?」
夢野「い、いくらでも笑ってやる。好きなだけ笑顔を見せてやる……!約束する、もう自分を卑下することはせん。お主の隣で笑顔で居られる様にウチは頑張る!」
夢野「だから諦めんぞ!いつかお主の心を射止めてみせる!ウチの魔法で、ウチの事を好きにさせてやるからな!覚悟せい!」
最原「……うん!またたくさんの笑顔を見せてね、夢野さん!」
夢野「おう!……すまんが、もう少し抱きしめていてくれ、まだもう少し泣きそうじゃ……」
最原「はいはい、わかったよ……!」ギュッ…
夢野「……大好きじゃ、最原……!自分に胸を張ってそう言える女の子にウチはなる。この胸の温もりを少しでもお主に与えられる様な魔法を見つけてみせるからな……!」ギュッ…!
夢野秘密子の絶望度 92→0
希望の力が一つ上がりました!
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
茶柱「……はっ!?」ピクッ
最原「ちゃ、茶柱さん!今度こそ話を……」
茶柱「っっ……!」ダッ!
最原「あっ!ま、待って!お願いだから話を聞いてよ!」
茶柱「すいません……すいません……っ!」ダダダ…
最原「……だ、駄目だ。ただでさえ怪我をしていて走りにくいのに足が速い茶柱さんに追いつける訳が無い……」
最原「……誰かに協力して貰わなきゃ駄目だな。皆に相談してみよう……」
―――夜 白銀フェイズ
白銀「今日も楽しい絶望の時間がやってきたよ!」
誰の所に行きますか? この下の回答で決定
白銀「ふふふ……頃合いだね。皆の期待に応えて、アンジーさんにトドメを刺しちゃおうかな!」
―――夜長の研究教室
夜長「神様……アンジーはどうしたら良いの……?どうしたらアンジーは終一に許してもらえるの……?」
??『………』
夜長「教えてよ……!何か言ってよっ!」
白銀「……教えてあげようか?」
夜長「えっ?つ、つむぎ……?なんでここに居るの……?」
白銀「そんな事はどうでも良いからさ……!ほら、これを使ってみてよ」
夜長「これは……?ライト?なんでこんなものを……?」
白銀「それを使えば最原くんの気持ちがわかるんだよ!最原くんの気持ちになって、どうしたら許して貰えるか考えてみなよ!」
夜長「しゅ、終一の気持ちがわかる……?本当に……?」
白銀「本当だよ!……ねえアンジーさん、神様はなんて言ってるの?アンジーさんにそのライトを使うなって言ってる?」
夜長「え……?」
白銀「……よーく耳を澄まして聞いてご覧よ。きっと使えって言ってるからさ……!」
夜長「神、様が……?」
夜長「!?」ビクッ!
??『使え、使うのだ。それを使わねば、お前は彼ともう二度と会えなくなるぞ』
夜長「あ、あぁ、あぁぁぁ……」ガタガタ…
白銀「………」ニタァ…
??『使え!使え!神である私の言う事が聞けないのか!?』
夜長「あ、あぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」ピカッ!
白銀「……はい、絶望のおしおき、はじまりはじまり~……!」
超高校級の美術部 夜長アンジーのおしおき
『イケニエになるのはアナタ』
―――――――――――
夜長「……縛られて……吊るされてる?一体、何が……?」
男「静粛に!静粛に!」
夜長「!!!」
男「これより……神に捧げるイケニエの儀式を始める!今回のイケニエはこの女!人としてあるまじき事をした、悪魔の如き性根のこの女だ!」
夜長「それって、アンジーのこと……?アンジーが、イケニエ……?」
男「まず、神に捧げる為に体を清める!釜を出せ!」
―――ズズズ……ズズズ……ッ!
夜長「あ、あう、あれは……!?」
男「……熱した湯の中にイケニエを入れ、たっぷりと身を清めさせる。縄を下ろせっ!」
夜長「や、やだよっ!誰か、助け……」
―――ザパーーンッ!
夜長「あ……ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!あづいっ!熱いよぉぉっ!あ、アンジー、死んじゃうよぉっ!」
男「神に捧げる命だ、死ぬ事は許さん。その前には助けてやるが、それまではその湯の中で身を清めろ!」
夜長「あづいぃっ!もう、限界だよぉっ!もうやだよぉっ!助けて、助けてぇぇぇっ!」
男「まだ叫ぶ余裕があるな。気を失うまで外に出すな!」
夜長「ぎ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
―――――――――――――――
男「……最後に、神の祝福を受けた短刀を全身にくまなく刺し、体の中の穢れた血を外に出す。その状態で焼き殺すことによって、儀式は完了するのだ」
夜長「し、ぅぃ……ち……ぁみさ、ぁ……」
男「皆で歌え、称えよ!神に祈りの言葉を捧げるのだ!」
夜長「……ぁっぃ……くるしぃ……あんじー、し、ぬ、の……?」
夜長「……ぁ、ぁ……ぃっ、ぅぇぇ……」
夜長(……そっか……今わかった……この儀式でアンジーがされたことって、アンジーが終一にした事だ……。終一は、こんなに苦しかったんだ……)
夜長「……ごめん、ね、しゅぅぃ、ち……ご、めん……ね……」
夜長(こんなに痛かったんだ、こんなに苦しかったんだ……こんなに辛い思いをさせてたんだ……一歩間違えたら、終一はこうやって死んじゃってたんだ……)
夜長「ごめん、な、さぃ……ごめ、ん、な、さ……」
~~~~♪~~~~♪
夜長(……皆、アンジーが死ぬ事を喜んでる。当然だよね、終一もきっと喜んでるに違いないよ……)
夜長(アンジーに出来るのは、たくさん苦しむ事なんだ……終一の前で苦しんで、苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで……終一に喜んで貰うことしか出来ないんだ……)
夜長(……最後に終一の目の前で死ねば、きっと終一は大喜びだよね……絶望的に、神ってるよ……!)
男「薪を燃やせ!イケニエを焼き殺せ!」
夜長「ぁ、ぁ、ぁ……ぅぅぅ、ぁぁ……」
―――――――――――――――――――
夜長(もっともっと苦しんで、もっともっと傷ついて……ボロボロになった姿を終一に見て貰って、喜んで貰おう……!)
夜長(それがアンジーの命の意味、生きている理由……………それで良いんだよね、神様?ううん、それで良いに決まってるよ……!)
夜長「終一……やっと気がついたよ。アンジーは、欠片も生きている価値の無い人間だったってことにさ……!」
夜長アンジー 絶望度 99→100 自傷行為及び神への依存 自身の命の軽視が顕著に 救助が困難になりました
―――朝 最原フェイズ
最原「……助けなきゃ、皆を!」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
―――茶柱の研究教室
茶柱「………」
最原『僕が悪かったから!もう僕に近づかないでくれよぉぉぉっ!』
茶柱「くっ……転子は、転子は……」
最原「……茶柱さん」
茶柱「!?」
最原「茶柱さん、君に話があるんだ。どうか僕の話を……」
茶柱「くっ……!」ダッ!
最原「あっ!?ま、待って!茶柱さん!」
夢野「逃げるでない、転子!」
茶柱「っっ!?ゆ、夢野さん……!?どうしてあなたが最原さんと……?」
夢野「転子!逃げては駄目じゃ!逃げ続けていたら、最原と仲直りなどできんぞ!」
茶柱「うっ……!」
夢野「逃げるでない……向き合うんじゃ、転子!最原と自分自身に向き合って、真正面からぶつからんか!お主がウチにそう言ったのではないか!?」
茶柱「………」
茶柱「……転子には、なにも話すことなんてありません。最原さんとお話することなんてないですよ」
夢野「転子!?まだそんなことを……!」
茶柱「て、転子は……転子は、たくさんの人に顔向け出来ないことをしてしまいました……皆さんが最原さんに暴力を振るっていたとしたら、それを止めるのは転子の役目です……ネオ合気道を修め、武術の心を学んだ転子が、あんな酷い事を見過ごしてはいけなかった……なのに、なのにっ!」
茶柱「転子は率先して最原さんに暴力を振るいました。正しい事に使うと決めていたネオ合気道の技を意味のない暴力に使って、汚して……師匠にどんな顔をして会えばいいのかわかりません……」
最原「茶柱さん……!」
茶柱「それだけじゃありません。夢野さんを唆して最原さんに暴力を振るわせてしまった……ゆ、夢野さんが最原さんに好意を抱いていたのは知っていました!大切な友達の大切な人をその手で傷つける様に促して、大笑いして……夢野さんが傷ついているのは転子のせいなんです!転子が止めてあげなきゃいけなかったのに!大切な友達だったのに!」
夢野「て、転子……お主、そこまで……」
茶柱「そして……最原さんにどう謝れば良いのかわからないんです……。殴って、蹴って、体中をボロボロにして……あそこまで追い詰めてしまったことをどうやって償えば良いのか、わからないんですよぉぉっ!」
茶柱「同じ目に遭えと言われたらそうします!もっと酷い事をしろと言われたら従います!でも……それでも、許して下さいなんて口が裂けても言えません!それだけの事をしてしまったのだから!」
茶柱「何より……恐いんです。転子の中には、あんな事を平然としてしまう悪い転子がいたって事が……!ここで最原さんに許して貰っても、またあの悪い転子が出て来て、最原さんを酷い目に遭わせるか分からない。なら、このまま許して貰わずにいた方がきっと……」
最原「……それは違うよ」
茶柱「えっ……!?」
最原「もし茶柱さんが本気でそう思って、それを行動に移してしまったとしたら……それは茶柱さんが自分に負けてしまったってことになるよ」
茶柱「て、転子が、自分に負けた……?」
最原「……自分の中に居る悪い自分から目を背けて見なかったことにしたまま生き続けたら、茶柱さんは一生その弱さを抱えて生きていく事になる。そうでしょ?」
茶柱「………」
最原「……向き合わなきゃ、自分自身と……そして、打ち勝とうよ。茶柱さんなら出来る筈だからさ」
最原「もし茶柱さんが一人で自分の弱さに立ち向かう勇気が持てないって言うのなら僕が傍に居る。君の事を支えて、一緒に強くなる!約束するよ」
夢野「ウチも一緒じゃぞ、転子。ウチとお主は友達じゃからな」
茶柱「さ、最原さん……夢野さん……!」
最原「茶柱さん……あの日、僕を探していた君から逃げてしまって本当にごめんなさい。もし良ければ、あの時君が僕に何を言おうとしていたか教えてくれませんか?」
茶柱「あ……う……」
夢野「……転子、頑張るんじゃ!」
茶柱「っっ……!」
最原「………」
茶柱「……最原さん、い、今まですいませんでした……殴って、蹴って、痛めつけて……本当にすいませんでした!」
茶柱「許してくれだなんて簡単には言えません!あなたが望むなら何だってします!だから……どうか転子に、あなたに償うチャンスをください!転子は、今度こそ、必ず……強くなってみせますから……っ!」
最原「……うん、わかった。なら、一緒に来てくれるかな?茶柱さん、君の力が必要なんだ」
茶柱「……近づいても良いんですか?こんな、転子が……?」
最原「言ったじゃないか、傍に居るって……君を支えて、一緒に強くなる。茶柱さんが嫌だって言っても、僕が君から離れることは無いよ?」
茶柱「……ぁっ、くっ……うぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!」
茶柱「は、はいぃっ!で、でんご、がんばりまずぅぅっ!今度こそ本当の意味で強くなりますからっ!もう二度と……大切な人を傷つけない様な強さを身に着けて見せますからっ!」
最原「……強くなろう。皆で一緒にさ……」
茶柱「……はいっ!不肖、茶柱転子!この誓いを胸に日々研鑽を重ねて行く所存ですっ!これから先、よろしくお願いしますっ!」
最原「こちらこそ……改めてよろしくね!」
茶柱「はい!……最原さん、転子はあなたから本当の強さを教わりました。今度は転子が返す番……あなたから貰った強さで、あなたを守ってみせます!約束ですよ!」
茶柱転子の絶望度 81→0
希望の力が一つ上がりました!
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
そろそろ東条抑えるために作戦会議で
最原「……皆の意見を聞きたいんだ。僕に皆を救うための知恵を貸して欲しい」
キーボ「人数が増えて来ましたね!希望の力も強くなって来ましたよ!」
真宮寺「でも、こちらの人数が増えたと言うことは白銀さんが選ぶ人数が減って、一人を狙い撃ちされる危険性があがったってことでもあるヨ」
王馬「白銀ちゃんに先を越されない様にして、しっかり皆を説得しないとね!」
最原「……東条さんのことなんだけど……」
王馬「姿が見えない以上、どうしようも無いんじゃないかな~?」
百田「何かあいつを見つける方法を考えないといけないな……」
夢野「……呼べばいいのでは無いのか?」
最原「えっ?」
夢野「呼べば来るじゃろう?ウチ、なにか変なことを言ったか?」
真宮寺「……それもそうだネ。難しく考えすぎて忘れてたヨ」
茶柱「東条さんはメイドなんですから、用事があると最原さん以外の人が呼べば来てくれるはずです!お手柄ですよ!夢野さん!」
夢野「そうじゃろ?もっとウチを褒めい!かーっかっか!」
王馬「……んじゃ、それを前提に作戦を考えようか?えっとね~……」
百田「まさか……あんなことになっちまってたなんてな……」
最原「僕がもっと早く赤松さんに会いに行っていれば……!」
真宮寺「自分を責めちゃいけないヨ。その悔しさを胸に赤松さんを助け出す方法を考えなきゃ」
茶柱「とにかく攻めあるのみです!何度も当たって行けば、何か変化はあるはずですよ!」
キーボ「ですがその分、白銀さんに行動の回数を稼がれてしまいます……赤松さんに会いに行く時は、タイミングを見計らいましょう」
最原「こんな所か……皆、ありがとう!」
最原(この情報を元に皆を助け出すんだ!頑張るぞ!)
―――夜 白銀フェイズ
白銀「来ったぞ、来たぞアラレちゃん~!」
誰の所に行きますか?この下の回答で決定
天海「……来たっすね」
白銀「おや?天海くんは私がここに来るってわかってたの?」
天海「なんとなくっすけどね……さて白銀さん、君は何を知っているんすか?」
白銀「知っているって……何を?」キョトン?
天海「とぼけないで下さい。君の行動を見ていれば何かがおかしいとすぐに気がつきますよ。君の目的はなんなんすか?」
白銀「ふ~ん……まあ、君だったら気がつくと思ってたよ。特典もあったしね」
天海「やっぱり、君は……!?」
白銀「でもさ、今更それがわかった所でなんになるの?全部がもう手遅れなのに?」
天海「っっ……!」
白銀「……君がもう少し回りの皆を信じていれば、結末は変わったはずだよ。君が誰も信用出来なかった結果がこれだってことを理解してよね!」
天海「くっ……!」
白銀「……ま、君も所詮ゲームを盛り上げる駒に過ぎなかったってことだよ。もし次があったら、よーく考えて行動した方が良いよ~!」スタスタ…
天海「……真相に一番近い所にいたのは俺だったのに……!俺のせいで、皆は……っ!」
天海蘭太郎の絶望度 88→92
―――朝 最原フェイズ
最原「……今日も頑張ろう」
どうしますか? この下の回答で決定
夢野「東条、とうじょーう!用があるのじゃが、姿を見せてくれんかのぉ?」
東条「………」コソコソ
夢野「ウチはお腹がすいたぞい!何か作ってくれんかのぉ?食堂で待っているから、必ず来るんじゃぞ!」タタタ…
東条「……今更、こんな私が誰かに尽くすだなんて……」
東条「……いいえ、求められたのならば応えなければ。それが私の生き方なのだから……」スタスタ…
―――食堂
東条「……待たせてごめんなさい、夢野さん。何かリクエストは……っ!?」
最原「……やあ、久しぶり。東条さん」
東条「さ、最原く……!?っっ!?」ダッ!
―――バタン!
東条「ど、ドアが……!?これじゃ、逃げられない……!」
東条(まさか、嵌められた……?夢野さんも協力者なの!?)
最原「……ねえ、東条さん」
東条「うっ……!」ビクッ!
最原「……僕、お腹が空いちゃったな。久しぶりに東条さんの手料理が食べたいんだけど、作って貰える?」
東条「……え?」
東条「え、ええ……」
最原「ありがとう!それじゃあ僕は待っているから、お願いね」ストン
東条「………」
東条(何が目的なの……?私に復讐しようとしてるわけじゃないの……?何故、料理を食べたがるの……?)
東条(……いいえ、そんな疑問は無視しましょう。今優先すべきなのは、最原くんの期待に応えることよ。彼のために、完璧な料理を作らないと……!)
――――――――――
東条「………」トントン…
最原『さよなら、東条さん……君の事、信じたかったよ……』
東条「っっ……」
東条(今度こそ……今度こそ、完璧にこなさなきゃ!一分の隙も無く!完璧にこなさなきゃ!)
東条「……よし、これで完璧なはず……!ちゃんと味見をして……え?」
東条(あ、味が、しない……?な、なんで?いつも通りの手順で調理したはずなのに!?)
東条「し、しばらく腕を奮って無かったから鈍ったの?と、とにかく追加で味付けをして、これで……!?」パクッ
東条(……なん、で……?また味がしない!?どうして!?なんで!?もっと味を足さないといけないの!?何が問題なの!?)
東条「はっ!?ま、まさか……!?」ペロッ…
東条(……塩を舐めても味がしない……!も、問題があったのは、料理じゃなくて私の味覚だったの……!?精神的に追い詰められていたから、食べ物の味がわからなくなってたというの!?)
最原「あ、料理出来たんだ!待ってるって言ったけど、我慢出来なくて見に来ちゃった!」
東条「!?」
最原「じゃあ、行儀が悪いけど、いただいちゃおうかな!あーん……」
東条「あっ!だ、ダメっ!」
最原「もぐもぐ……うぐっ!?」
東条「あ、あぁ……!」
東条(失敗した……!またチャンスを棒に振ってしまった……。また最原くんを裏切った、傷つけた、踏みにじった!)
東条「ごめ、ごめんなさい……!すぐに作り直すから!わざと失敗したわけじゃないの!お願い、信じて!もう一度私にチャンスを……!」
最原「……いや、その必要は無いよ」
東条「っっ……ぁ、ぁぁ……!」
東条(……また、捨てられる……。また、突き放される……。い、や……いやぁぁぁぁぁっ!)
最原「……あむっ」モグモグ…
東条「……えっ!?」
東条「な、何をしているの……?そんなもの、食べる価値無いわ!すぐに捨てて頂戴!」
最原「……それはちがうよ。だって、この料理は東条さんが僕の為に作ってくれた物でしょ?心を込めて作ってくれたのなら、僕もそれに応えないと!」
東条「駄目よ!私はまた、あなたの期待を裏切ったの!私は完璧じゃないといけないのに、あなたの為に完璧で無いと……!」
最原「……東条さん、それもちがうよ」
東条「え……?」
最原「……僕は完璧なんかとは程遠い人間だ。大切な友達を傷つけて、絶望させてしまった……不完全も良い所の駄目人間さ」
最原「でも……いや、だからこそ、他の誰かの力が必要なんだ。人は誰だって完璧じゃない、誰かと支えて、足りない部分を補って、初めて完璧に近い存在になれるんだ」
最原「……僕自身が完璧じゃあないのに東条さんにだけそれを要求するのはおかしいでしょ?だから、完璧なんかじゃなくて良いんだよ」
東条「いいえ……いいえ!そうじゃない!私は完璧でないといけないのよ!そうじゃないと、罪滅ぼしなんか出来やしない!自分の技術をあんな下らないことに使って、あなたを追い詰めたこの罪を償うためには、それ以上の完璧さをもってあなたに仕えないといけないの!そうじゃないと、私は……」
最原「……君がそんなことを気にする必要は無いんだよ。だって、僕は君を信じることが出来なかった。あの時、東条さんがスタンガンの存在を知らなかったことなんてよく考えればわかったんだ。でも、僕は君を信じられなかった……信頼関係が破綻していたのは、君だけの問題じゃあ無いんだ」
東条「だ、だから、私は完璧さをもって、あなたの信頼を取り戻さないと……!」
最原「……なら、僕にも努力させて欲しい。君の事を信じられなかった僕のことを、もう一度東条さんに信じて欲しいんだ。完璧じゃない僕だけど、必死に頑張るから、だから……!」
最原「え……?」
東条「どうしてあなたはそんなに優しいの……?あんなに酷い事をして、挙句あなたから逃げ回っていた私のことなんて嫌いになって当然なのに!罵って、蔑んで、絶縁されて当然の私に、なんでそんなに優しく……!?」
最原「……絶縁なんて、嫌だよ。僕、東条さんともっと一緒に居たいんだ。それに……」
東条「それに……?」
最原「……東条さんの料理、また食べたいからさ!」
東条「っっ……!?」
東条(……最原くんの笑顔……。私が望んでいたもの、もう二度と自分には向けられないと思っていたもの……。あなたはまた、私にその笑顔を向けてくれるのね……)
東条「うっ、ひっく、ぐすっ……!う、あぁぁぁぁ……っ!」
最原「……東条さん、また僕の事を支えてくれるかな?君を信じられなくて、傷つけてしまった僕だけどもう一度一緒にいてくれるかい?」
東条「と、当然よ……!こんなメイドで良ければいくらでも傍に居続けるから……っ!あなたのために、頑張るからっ!」
最原「ありがとう、東条さん!君にそう言って貰えると心強いよ!」
東条「ふふふ……でも、そうね。これから一生懸命頑張って、鈍った腕前を元に戻さないとね……!皆に快適な日々を送って貰うためにも、皆を説得して助け出しましょう!」
最原「うん!よろしくね!」
東条「……最原くん、あなたの足りない部分は皆で補うわ。あなたは一人じゃない、皆が……私がついている。その事をどうか覚えていて、私のご主人様……!」
東条斬美の絶望度 92→0
希望の力が一つ上がりました!
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
最原「……アンジーさん、居る?君と話がしたいんだ。入っても良いかな?」
最原「……返事がない、誰も居ないのか?あれ……?鍵が開いてる?ちょっと入ってみようかな?」
最原「アンジーさん、入るよ。誰も居なかったらごめんな……っっ!?」
アンジー「」プラーン
最原「あ、アンジーさんが首を吊って……!?そ、そんなっ!?そんなぁっ!?」ダッ!
最原「アンジーさん!目を開けてくれっ!自殺だなんて、こんな、こんなこと……!あれ?」
夜長「にゃはははは!引っかかった引っかかったー!」
最原「!?」
夜長「良く出来てたでしょー?それ、アンジーが自分で作った人形だよー!良い反応するね、終一!」
最原「あ、アンジーさん……?よ、良かったぁ……!」
夜長「にゃはは!終一はアンジーが首吊り自殺をしたかと思っちゃったんだね?そんなことしないよー!」
最原「そ、そうだよね!でも、あんな悪趣味なことは……」
夜長「……そんな楽な死に方を選ぶわけがないじゃん」
最原「……え?」
最原「アンジーさん?な、何を言っているの……?」
夜長「同じ窒息なら、密閉空間に閉じ篭って空気が無くなる恐怖を存分に味わいながら窒息死するよ~!そっちの方が長く苦しめるし、死に方も醜くなりそうだよね~!」
最原「は、はぁ……?」
夜長「あ、でもでも~!そんなんじゃアンジーの遺体は綺麗なままだね~!そんなの許されないよ~!」
最原「あ、あ……!」
夜長「全身に火を着けて焼死が良いかな?泣いて、叫んで……とっても苦しそう!感電死は駄目だね~、あっという間に終わっちゃうもん!あ、服毒死も良いね~!神ったアイデアが止まらないよ!」
最原「アン、ジーさん……?君は、まさか……!?」
夜長「……もっと良い死に方を考えよう。醜くて、惨たらしくて、残酷な死に方……!ボロボロのグチャグチャのドロドロに[ピーーー]る最悪の死に方をさ……!」
最原「あ、ああ……!絶望、しているのか……!?アンジーさんが、そんな……っ!?」
夜長「……終一、アンジー一杯考えたんだよ。アンジーがどうやって死んだら良いか、考え続けたんだ。それでね、たくさん人形を作ったの!」バサッ!
最原「!?」
夜長「どう……?いろんな死に方をしているアンジーがいるでしょ?どれもこれもすごく素敵だよね~!この四肢が無くなった奴は自信作なんだ~!」
最原「そ、んな……!こんなの、駄目だ……!」
夜長「でねでね~!リアリティを追及する為に、何回か死にかけてみたんだ!すごく神ってたよ!ふわふわして、神様の所に向かってるって感覚が癖になりそうだったんだ!でもでも~、アンジーに楽な死は許されていないのだ~!」
夜長「……だからまだ生きてるんだ。こんなアンジーの命を綺麗に醜く終わらせる死に方を見つけて、最高級に苦しんで死ぬその日まで、なんの価値も無いアンジーの人生は続くんだよ……絶望的だね」
夜長「にゃはは~!だいじょぶ、だいじょぶ!アンジーが死に方を考える必要なんて無いよ!全ては神様が教えてくれるんだからさ!アンジーは神様の言うとおりに苦しんで死ねば良いのだ~!」
最原「アンジーさん!目を覚ましてくれっ!お願いだよ!」
夜長「でね~!アンジーは今、死ぬまでにたくさん苦しむ方法を探してるんだ~!痛くて苦しいことを一杯考えたから、終一に試して欲しいな!」
最原「アンジーさん!」
夜長「この針をね、アンジーの爪と肉の間に刺し込むの!で、そこでぐりぐり~って掻き回すとすごく痛そうでしょ!?その後で爪を剥がして、爪がはがれた指の肉をつぶして……!」
最原「もう止めてくれっ!僕の話を聞いてよ、アンジーさんっ!」
夜長「……そっか、終一はアンジーの提案が物足りないんだね?ごめんね、もっと苦しくて痛いことを考えてくるから、ちょっと待っててね」
最原「ま、待って!アンジーさん!」
夜長「……主は言いました。お前には終一に声をかけて貰えるほどの価値は無いと……というわけで、ぐっばいなら~!」スタスタ…
最原「あ、あ……くそっ、くそぉぉっ!」
―――夜 白銀フェイズ
白銀「さあ、今日もはじめようか!」
誰の所に行きますか? 3つ下の回答で決定
天海「……なんとか白銀さんが黒幕であることを最原くんに伝えるんす……せめて、俺が出来る限りのことをしないと……!」
白銀「んふふ……!無駄、無駄ぁ!そんなことしたって意味は無いよ」
天海「くっ……!俺の妨害に来たんすか!?」
白銀「思い上がらないでよ。そんなことする必要は無いって、だってもう最原くんは私が黒幕だってことを知っているんだもの」
天海「えっ……!?」
白銀「あーあ、これであなたの知る情報アドバンテージは無くなっちゃったね?同時にあなたの存在理由も無くなった……行動を起こすならもっと早くしなきゃ駄目だよ、天海くん!」
天海「くっ……!」
白銀「……そもそも、何であなたの言うことを最原くんが信じてくれると思ったの?あれだけのことをしたあなたのことを最原くんが許してくれると思った?」
天海「………」
白銀「ほんと、浅はかと言うか考えが足りないと言うか……。残念だよね、天海くんってさ……」スタスタ…
天海「……俺に出来ることは、もう何も無いんすかね……?」
天海蘭太郎の絶望度 92→96
―――朝 最原フェイズ
最原「……もう少しなんだ、もう少しで皆を……!」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
星「……来たか」
最原「うん、心の整理は出来た?」
星「……ああ、まあな」
最原「そう……良かった!」
星「……なあ最原、一つ聞いても良いか?」
最原「え?何かな?」
星「……なんでこんな俺にここまでしてくれる?犯罪者であり、お前を裏切った俺にそこまでする理由は何なんだ?」
最原「………」
星「……こんな事を聞くのは野暮なのかもしれねえ。だが、俺は知りたいんだ。だから……」
最原「……その答えなら、もう星くんはわかっているはずだよ」
星「……何?」
最原「もうわかっているはずだって言ったんだ。君ならもう、とっくにその理由を知っているはずさ」
星「………」
最原「……思いついた?」
星「……『俺とお前が友だから』か……?」
最原「うん!大正解!やっぱりわかってたじゃないか!」
星「………」
星(……本当に馬鹿な奴だ。こんな俺を友だなんてよ……。だが、そんな最原を裏切っちまった俺はもっと馬鹿かもな)
星(だとしたらこれ以上馬鹿になるわけにはいかないな……いや、違うか。こう言うことはちゃんと言うべきだな)
星「最原、すまなかった。そして改めて誓わせてもらう……俺はもう、二度とあんな馬鹿な真似はしない。お前の信頼に応えられる友として歩んでみせる。約束だ」
最原「……僕も君のその言葉に恥じない友人になるよ。だから、もう一度僕に手を貸して欲しいんだ」
星「……そんなことは言いっこなしだ。何も言われずとも手を差し出す……それが友だろう?」
最原「うん!ありがとう!」
星「……礼を言うのは俺のほうだ。最原終一、俺の唯一無二の友よ……もう一度俺は前を向く、そして歩んでみせる……俺は一人じゃない、そう思わせてくれたお前の為にもな」
星竜馬の絶望度 60→0
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
キミすごいネ
最原「これからどうするか、皆の意見を聞かせて貰って良いかな?」
キーボ「味方が揃って来ましたね!残っているのは……」
真宮寺「赤松さん、アンジーさん、入間さん、春川さん、天海くんの5人だネ」
王馬「その内、赤松ちゃんと夜長ちゃんは絶望してるから手間取りそうだよ。まずは残っている三人を絶望させない様にした方が良いんじゃない?」
東条「白銀さんの行動が読めない分、対策も取りにくいわね……行動するなら早いほうが良いわ。最原くん、私たちもサポートするから頑張りましょう!」
最原「アンジーさんのことなんだけど……」
夢野「あ、アンジー……アンジーが、あんなことに……うわぁぁぁぁんっ!」
茶柱「ああ、夢野さん!泣かないで下さい!おのれ白銀さんめ!この報いは必ず受けさせますよ!」
星「だが、なっちまったもんは仕方が無い……アンジーの奴をどうするかを考えた方が建設的だ」
百田「ああなったアンジーはかなり厄介だぜ、一筋縄じゃいかねえよ」
最原「でも諦めるつもりもない。必ず助け出すんだ!」
夢野「そうじゃ!ウチも出来ることをする!最原よ、頑張ってアンジーを説得するんじゃ!」
最原「……こんなところかな。皆、ありがとう!」
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
赤松 100(絶望)
夜長 100(絶望)
天海 96
入間 90
春川 95
最原『……なれなれしく僕の名前を呼ばないでよ。僕と君はもう、友達じゃあないんだから』
天海「………」グッ!
天海「……こうなったのは全て俺の責任……なら、俺はそのケジメをつけなきゃならないっす……!こんな俺にもまだ、出来ることはあるんすから……!」
―――ガチャッ
天海「っっ!?来たっすか!?」
最原「あ、天海くん!やっと見つけた!」
天海「!?」
最原「ここに居たんだね、君と話がしたくてずっと探していたんだ。少し時間を……」
天海「……すいません、最原くん。俺にはもう何も話すことは無いっす」
最原「え……?」
天海「……ここから立ち去って下さい。友達でもなんでもない俺のことなんて忘れて、他の皆のところへ行ってあげてください」
最原「あ、天海くん……?」
天海「出て行けって言ってるんですよ!俺のことなんて放っておいてください!」
最原「……んっ!?天海くん、何を持っているの!?」
天海「ぐっ……!」
最原「隠している物を見せてよ!何を持っているのさ!?」
最原「これ……ナイフ?なんでこんなものを!?何をするつもりなのさ!?」
天海「くっ……」
最原「答えてよ、天海くん!」
天海「……俺は、白銀さんを殺すつもりだったんすよ」
最原「!?」
天海「この事件の黒幕……それが白銀さんだってことは最原くんも知っているっすね?その黒幕さえ消せば、最原くんたちは安心してここで暮らせる……誰かが彼女を殺せば、皆は助かるんすよ!」
最原「何を言っているんだ!?そんな事したら君が……!」
天海「クロとして処刑されることだって覚悟の上っす!俺の命一つで皆が助かるなら、望むところっすよ!」
最原「っっ……!」
天海「……俺が皆を信じていれば、もうとっくに皆はここから出られていたかもしれないんです。俺が勇気を持てなかったから最原くんは苦しんだんすよ!だから、俺はその責任を取らないと!そうしなきゃ、俺は……!」
最原「……ふざけるなっ!」ブンッ!
天海「がぁっ!?」ドサッ!
最原「……何を言ってるんだよ……何してるんだよ、天海くん!」
天海「お、俺にはこの方法しか思いつかなかったんすよ!俺の命だけで全てが解決するなら、それで……」
最原「ふざけるなよ……ふざけるな!そんな解決、誰も望んじゃいないんだよ!」
天海「!?」
天海「……っっ」
最原「責任の取り方なんていくらでもあるじゃないか……死ぬ必要なんか無いじゃないか……!」
天海「最、原……くん……お、俺は……っ」
最原「……君に酷い言葉を言ってしまった事は謝るよ。だから、一人で抱え込まないでよ!僕たち友達だろう!?相談してくれよ!」
天海「あ、ぐっ……!?うぅっ……!」
天海(また……また、間違える所だった……本当に俺は馬鹿で、浅はかで、考え無しで……!独りよがりな奴だ……!)
天海(俺の事を思ってくれる友達が居るのに、こんな風に怒ってくれる人が居るのに……一人で突っ走って、俺は……っ!)
天海「うっ、うぅ……うぁぁぁぁぁぁ……」
最原「天海くん……虫の良いお願いなのはわかってる。でも、君の力が必要なんだ。皆を救うために君の力を貸して欲しい」
天海「お、俺はっ、俺はっ!」
最原「そして……君の事を友達なんかじゃないって言ってしまって、本当にごめん。君は僕の大切な友達なのに、あんな事を言ってしまった僕の事をどうか許して欲しい……虫のいいお願いだって、わかってはいるんだけどね」
天海「そんなのっ!俺だって、俺だって君に酷い事を……っっ!本当にすいませんでした!俺は本当に浅はかな奴で……っ!」
最原「そんなに自分を責めないでよ。白銀さんが黒幕だってわかっているのなら、彼女が裏で何かしているって事もわかっているでしょ?」
天海「あ……!そ、そうっす!最原くん、白銀さんは間違い泣く何かを企んでいるっす!彼女の企みを阻止しないと……!」
最原「うん、わかってるよ。その為に君の力を借りたいんだ。協力してくれるかな?」
天海「もちろんです!こんな俺なんかで良ければ、いくらでも力になりますよ!」
最原「ありがとう!天海くんが協力してくれるなら心強いよ!」
天海「……最原くん、俺はもう迷いません。皆と君を信じて、この絶望に立ち向かいます!だから……必ず皆でこの学園から脱出しましょう!」
天海蘭太郎の絶望度 96→0
希望の力が一つ上がりました!
―――夜 白銀フェイズ
白銀「さ、大詰めかな?」
誰の所へ行きますか? 3つ下の回答で決定
白銀「入間さーん、お話しようよー!はぶられぼっちの入間さーん!」ガチャッ!
入間「………」
白銀「どうしたの入間さん?こっち向いてよー!ちゃんと目を見て話さないと嫌われるよー!?」
入間「………」ポチッ
―――バチッ!
白銀「……え?」ドサッ!
入間「……てめえ、誰がボッチだって……?終一が俺様を許してくれないだって……?嘘ついてんじゃねえぞ!」
白銀「あ、が……」
入間「終一はこないだキーボとツルショタを連れて俺様に会いに来てくれたしな!俺様を許してくれるって言ったんだよ!ってことは……お前の言った事は嘘ってことじゃないか!お前、俺様に嘘つきやがったな!」
白銀「あ、あはは……バレちゃった?」
入間「何がバレちゃった?だ!お前のせいで俺様がどれだけ傷ついたと思ってやがる!その電気ショックは俺様の心の百分の一……いや、一万分の一くらいの痛みなんだぞ!」
白銀(あー……くそっ、入間さんの自分に都合よく考える力の強さを忘れてた……っていうか、現実逃避はお手のものなんだよね……ドジったなあ……)
入間「まあ、少しはスッとしたしこれで許してやるよ! これに懲りたら俺様に嘘をつくのは止めとくんだな!ひゃーっはっは!」
白銀「……くそ、明日は行動出来なさそうだね。やっちゃったなぁ……」
―――朝、 最原フェイズ
最原「もうすこしだ……!もう少しで皆を……!」
どうしますか? 2つ下の回答で決定
入間「ふ、ふふふ……最原の奴もなかなか焦らすじゃねえか。まあ、この俺様の魅力にかかればあいつみたいな童貞はイチコロだし、最初から心配なんかしてなかったけどな!」
入間「そうさ、あいつは俺様を許すに決まってる。そうに、決まって……」
最原『……もう一度、君の事を信じようって思えたのに!』
入間「……本当に、許して貰えるかなぁ……?」
――――――――――
最原「……入間さん、ちょっと話が……うわっ!?」
入間「………」ドヨーン…
最原「ど、どうしたの!? そんな陰鬱なオーラを出して!」
最原(まさか絶望してる……ってわけじゃなさそうだな。まだ取り返しのつく感じがするし……)
入間「……恐かったんだよぉ……」
最原「え?」
入間「こ、恐かったんだ……終一に嫌われるのとか、自分のしちまったこととかよりも……もう二度と信じて貰えないかもしれないのが恐かったんだよぉ……!」
最原「い、入間さん……?」
入間「でも……終一は私を信じてくれた……私の発明品じゃない、発明家の私でもない、入間美兎って言う人間を信じてくれたんだ……それがすごく嬉しかった。でも、なのに!」
入間「私はそんな終一を裏切っちゃった!信頼を裏切る事ってこんなに辛かったんだって初めて知ったんだ!初めて信じた人だから……人の信頼を裏切ることってこんなに辛くって、もう信じて貰えないかもって思ったら恐くて恐くて仕方が無くて!」
最原「………」
入間「だから……記憶を消そうと思ったんだ……。全部無かった事にすればまた信じて貰えるって!そう思ったから!で、でも……そればっかり考えて、また終一の信頼を裏切っちゃった!終一が皆を信じるって気持ちも殺しちゃった!」
入間「全部私のせいなんだよぉ……皆にどんな顔して謝れば良いのかわかんないよぉ……!終一が、皆が、私を許してくれるかも分からなくて恐いよぉぉ……っ!」
最原「……大丈夫だよ、入間さん」
入間「へ……?」
最原「大丈夫。皆、君の事を許すよ。許すに決まってるさ」
入間「な、なんでそんな事言えるんだよ……?慰めなら必要ないぞ……」
最原「……君が皆を信じれば、皆もそれに応えてくれるよ。僕はそう信じてる。一人も欠ける事無く、皆とまた笑えるって信じてるから……!」
入間「う、うぅ……で、でも……」
最原「……だから入間さんも信じてあげて、大丈夫、君なら出来るよ」
入間「む、無理だよぉ……!恐くて恐くて、仕方がないんだもん……」
最原「……信じてみて、他の誰でもない君自身のことを……」
入間「え……?私……?」
入間「………」
最原「僕は信じてるよ。入間さんの事を……だから君も信じてあげて、他の誰でもない自分の事を信じてあげて欲しいんだ」
入間「私、は……」
入間(……恐いよ、辛いよ……でも、終一は私を信じてくれてるんだ……こんな私の事を信じてくれてるんだ……!)
入間(もう終一の信頼を裏切りたくない……ううん、終一の信じてくれる気持ちに応えたい!そうしたい!)
入間「……そうさ、俺様はスゲーんだ。こんな事にビビッて立ち止まる女じゃねーっ!」
最原「うわっ!?」ビクッ!
入間「ひゃーっはーっ!俺様をそんじょそこらの豚と一緒にすんじゃねえ!そうとも、俺様が世界一すごい奴だってのは俺様自身が知ってるんだ!いまさらダサイ原に言われなくてもわかってんだよ!」
最原「は、はは……!やっといつもの調子に戻ったね!」
入間「ひゃはははは!褒めてやるぜ最原!この俺様に自分の魅力を再確認させたんだからな!きっと世界中からいろんな賞がもらえるぜ!」
最原「あ、あはははは……」
最原(いつもどおりに戻ったのはいいけど、ちょっと面倒臭いな……)
入間「……終一、信じてくれてありがとう……。私、頑張るよ。終一の信じる気持ちに応えられる様に頑張る!だから片時も離さず俺様を見てろよ!絶対だからな!」
入間美兎の絶望度 90→0
希望の力が一つ上がりました!
昼はどうしますか? 3つ下の回答で決定
ところで地味眼鏡コスプレおばさんは行動不能なんだよな?
最原「……皆の意見が聞きたいんだ。僕に助言をもらえないかな?」
百田「とうとう残りは三人だ。絶望しちまった二人とハルマキだけ、終一、早くハルマキの所に行ってやろうぜ!」
王馬「……問題は春川ちゃんが全力で逃げた場合だよね。現実逃避のあまり幼児退行する彼女だもん、恐くなったら最原ちゃんからも逃げ出すと思うよ」
東条「なら、私たちが彼女の逃げ道を封じれば良いのよ。これだけの人数が居れば可能でしょう?」
星「ふむ……なら、その配置を決めて待ち伏せと行くか。誰をどこに配置するかも重要だが……」
真宮寺「最終的に逃げ場のない場所に追い込むなら格納庫なんてどうだい?あそこに追い込めば春川さんも逃げられないと思うヨ」
茶柱「なんだか春川さんが可哀想な気もしますが、これも彼女のためです!転子は頑張りますよ!」
最原「よし、改めて動きの確認をしよう!」
全員「おー!」
最原(春川さんを追い込む作戦を考えた。皆の協力を得て、絶対に彼女を説得してみせるぞ!)
―――夜 白銀フェイズ
白銀「zzz……」一回休み
―――朝 最原フェイズ
最原「……行動開始だ!」
どうしますか? 2つ下の回答で決定
春川「………」
最原『世の中には取り返しのつかないこともある。君が僕にしてきたことを後悔して謝ったとしても僕は君を絶対に許さないからね?よーーーーく覚えておくんだよ?』
春川「………」
春川「う、うぅ……うぅぅぅぅぅぅ……」ガタガタガタ…
百田「……あっ!見つけたぞ!終一、ハルマキを見つけた!」
春川「えっ……!?」
百田「早く来てくれ終一!ハルマキが逃げちまう!」
春川「さ、最原……?最原が来る……?あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁっ……!」ダッ!
百田「あっ!待て、ハルマキ!」
春川「うわぁぁぁぁぁんっ!」ダダダ…
百田「……上手く行ったな。後は任せたぜ、皆!」
―――地下格納庫
春川「はぁ……はぁっ……なんで?どうして?どこに行っても誰かが居る。最原を呼ぼうとしてくる……!」
春川「こ、ここなら……ここのトイレに鍵をかけて閉じこもれば誰も来ないはず……!隠れてよう、それで夜になったら部屋に戻れば……っっ!?」ガチャ
最原「……待ってたよ、春川さん」
最原「君と話がしたかったんだ。だから皆に協力してここまで君を追い込んで貰った」
春川「あ、ああ……いやぁぁぁぁぁぁっ!」ダッ!
最原「春川さん、待って!」
春川「だ、誰かっ!このシャッターを開けてよ!ここから私を出してよっ!お願いだから!なんでもするからっ!」ガンッ!
最原「無駄だよ。このドアは僕が合図をしないと開かないんだ。わかったら僕の話を聞いて、春川さん」
春川「あ、あぅ、あうぅぅ……わ、わからない、私は何もわからないよ……!」ガチガチガチ…
最原「……春川さん」
春川「何も知らない!何もしてない!わ、私は、好きな人を傷つけるような人間じゃない!そんなはずない!」
最原「落ち着いて春川さん。僕の話を聞いて欲しいんだ」
春川「……あれ~、どうしたの最原?怪我してるね、転んだの?」
最原「………」
春川「痛いの痛いの飛んでけしてあげようか?絆創膏もあるよ!」キャッキャッ
最原「………」
春川「怪我が治ったら遊ぼうね~!ね~、最原!」
最原「……逃げるな、春川魔姫」
春川「っっ!?」
最原「……壊れたふりをしているんでしょ?そうやって逃げているんでしょ?それじゃ駄目だよ……駄目なんだよ!」
春川「ぁぁぅぅ、ぁっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
春川「ここから私を出してよ!最原が私を虐めるんだよ!恐いよ!助けてよ!お願いだからここから出してよぉぉっ!」
最原「………」
春川「出してっ!ここから出してっ!私を助けてよっ!百田!赤松!誰でも良いから私をここからだしてぇぇぇっ!」
最原「……春川さん、僕を見て」
春川「ひっ!い、嫌だ……嫌だぁぁっ!」
最原「……ここが君に針で刺された場所、ここが君に殴られた場所……ここが君にナイフで刺された場所だよ。どう?思い出した?」
春川「知らない、嫌だ、知らない、嫌だ……」
最原「逃げないでよ。どうか僕の話を聞いて……お願いだから……!」
春川「恐いよぉ……恐いよぉ……パパ、ママ、助けてぇ……」
最原「……今の君を助けられる人なんてどこにも居ないよ。居るとしたら……それは春川さん自身なんだ」
春川「………」
最原「辛くっても苦しくっても、自分のしたことを認めてよ。そうしなきゃ話が前に進まない……僕はもう一度君と話がしたいんだ、だから……」
春川「あ、う……」ガタガタ…
最原「……ごめん、君をそこまで追い込んだのはこの僕だ。君を苦しめているのは僕なんだよ……」
最原「……うん、まだ痛むよ」
春川「そ、それ……私がやったんだよね?わ、私が……拷問して、ナイフで刺して、殴って、蹴って、痛めつけて……うえぇぇぇっ」
最原「春川さん!だ、大丈夫?トイレに行く?」
春川「……幻滅したよね?所詮暗殺者だって思われたよね……?わ、私のこと、許してくれないよね……?」
春川「い、今まで、自分で望んで殺したことなんか無いって思ってた。命令されて、仕方が無く人を殺してきたんだって思ってた……でも、あの日からその全てに自身が持てなくなってきたんだ……」
春川「どこかで殺しを楽しんでたんじゃないかって、だから暗殺者なんて仕事を続けて来たんじゃないかって思って……じ、自分の人生がひどく汚れたものに感じられちゃって……恐くて恐くて仕方が無いんだ……」
最原「春川さん……!」
春川「……私、あんたのことが好きなんだ。でもそんな風に思っていたはずの人を傷つけて、楽しんで……我に返って、苦しんで、夢の中で今まで殺してきた人たちに責められて……まぶたを閉じると思い出すんだ、今まで私が殺してきた人のことを……その人たちの顔が全部アンタに変わってて、私は何回もアンタをこ、殺して……うげぇぇぇっ……」
最原「春川さん、もう止すんだ!」
春川「……こんな醜い私を見ないで、最原……汚くって薄汚れてて、ゴミみたいな私を見ないで……お願いだから、見ないでよぉ……っ」
最原「……そんなこと無いよ。春川さんは醜くなんかない」
春川「え……?きゃっ……!?」ギュッ…
最原「……ごめん、僕は君に酷い事を言った。君の事を許さないなんて言葉を言って、本当に取り返しのつかないことをしてしまう所だった……」
春川「は、放して最原……!こんな私のことなんて放って……」
最原「そんなこと出来ないよ。僕にとっても春川さんは大切な人なんだ、大切な友達なんだよ……」
春川「ぅぅ……」
春川「な、なに……?」
最原「……君は、君が思うような醜い人間じゃない。僕は春川さんのことを素敵な人だと思ってる。そんな君が人殺しを楽しんでたなんてこと、あるはずがない」
春川「で、でも私は、最原を傷つけて……!」
最原「そうだね。でも、それは君が悪いんじゃない……君がやったことだけど、君は悪くないんだ」
春川「なにそれ……?訳分かんないよ、無茶苦茶だよ……」
最原「……ごめん、もっと早く君と話すべきだったんだ。こんなに思いつめる前に、君とちゃんと話すべきだったんだよ……!」ギュッ…
春川「あっ……!」
春川(温かい……これ、現実なんだよね……?最原が私のことを抱きしめてくれてる……これは、現実なんだ……)
春川(……受け止めなきゃ、全部を……!今までの罪も、最原にしてしまったことも全部受け入れて、前に進まないといけないんだ……それが、私の……!)
春川「ごめんね……ごめんね、最原……!傷つけてごめんなさい……!私、あなたに許されるならなんでもするから……!ううん、許されなくっても良い、自分のしたことをちゃんと受け止めるよ。だから……」
最原「……僕こそごめん。春川さんを傷つけて、苦しませて本当にごめん……!こんな僕だけど、もう一度傍に居てくれますか?友達になってくれますか?」
春川「うん……うんっ!もう一度ならせてよ、あんたの友達に……!今度こそちゃんとあんたを支える。あんたに寄り添ってみせるから……!」
最原「ありがとう……っ!もう二度と春川さんと話せないんじゃないかって恐かった……取り返しのつかないことをしてしまったんだって怯えてたから、だからっ……!」
春川「……それは私も一緒だよ。ねえ、終一……もう少しだけぎゅっ、てして……!」
最原「……うん」ギュッ…
春川「……終一の体、温かいね……。今、この温かさを私は独り占めしてるんだ……」
春川「ねえ終一……いつか、友達じゃない関係になってみせるよ。ずっとずっと、この温もりを感じていたいんだ……代わりに、私の温もりをあげるから……でも今日は、もう少しだけこうしていて……もう少しだけ、このまま……」
春川魔姫の絶望度 95→0
希望の力が一つ上がりました!
赤松「……あれ?ここはどこかな?私は確か、自分の部屋で眠ってたはずなんだけど……?」
~~~♪~~~♪
赤松「……ピアノの音だ。ふふ……この音、懐かしいなあ……」
~~~♪~~~♪
赤松「……最原くんと連弾してた時の演奏……もう戻れない幸せだった時間……。行かなきゃ、過去に縋る事なんて私には許されてないもんね……あれ?」
夜長「終……一……」
赤松「アンジーさん?なにやってるの?」
夜長「楓……?楓も居たんだね……ねえ、見て……」
赤松「これって……最原くんの似顔絵?」
夜長「……前に神様が描いてくれたんだ。すごく良い絵だな~って、アンジーは思ったんだ……」
赤松「………」
夜長「終一がニコニコ笑ってくれてて、いつも楽しくて……アンジー、すっごく幸せだったんだ……」
赤松「……でも、昔の話でしょ?もう忘れなよ、戻れない過去の話なんてさ……」
夜長「……やだよ、やだよぉっ……!アンジー、忘れたくないよぉ……」
赤松「………」
夜長「もう一度終一とお喋りしたいよ、楽しくご飯を食べたりしたいよ……戻りたい、楽しかった頃に戻りたいよぉっ……!」
赤松「いい加減にして!そんなこと出来るわけないじゃん!諦めて現実を受け入れなよ!」
夜長「……楓だって本当はそうしたいんでしょ?終一のこと、諦められないんでしょ?」
赤松「っっ……!?」
赤松「……なにそれ?そんなの許される訳が無いじゃん!あんなことをしちゃった私たちが、最原くんと元通りの関係になんかなれるわけがないじゃん!」
赤松「私だって戻りたいよ!最原くんとまた一緒に連弾したいよ!でも……出来るわけが無いじゃない……!もう、戻れるわけが、無い……じゃない……うぅぅぅっ……」
??「……大丈夫よ。戻れるわ」
赤松「えっ!?」
??「信じて、そして希望を失わないで……!あなたたちが望めば、未来なんて変わるもの……過去は帰られないけど、未来は変えられるわ。そうでしょう?」
夜長「本当……?本当に終一と仲直り出来るの!?戻れるの!?」
赤松「う、嘘だよ……!そんな事、ありえるはずが……」
??「……信じて、少なくとも最原くんは戦っているわ。あなたたちのためにね……」
赤松「最原くんが、私たちのために……?」
??「……忘れないで、まだ取り返しはつくのよ。あなたたちが諦めさえしなければね……」
赤松「………」
夜長「………」
――――――――――
姉清「……これが、私の出来る最大限の罪滅ぼし……最原くん、是清、このチャンスを逃しては駄目よ」
姉清「私は、少し……眠らせてもらう、わ……」
赤松楓 夜長アンジーの絶望度 100→99
―――朝 最原フェイズ
最原「………」
どうしますか? 3つ下の回答で決定
夜長「……終一……」
最原『……もう僕は、アンジーさんのことなんてどうだっていいもの』
夜長「っぅぅ……終一……終一ぃぃ……っ」
最原「……僕のことを呼んだ?」
夜長「!?」
最原「……このドアを開けて、アンジーさん。僕は、君と話がしたいんだ」
夜長「終一?終一なの……?アンジーのこと、見捨てないでくれるの……?」
最原「……うん、君とちゃんと話がしたいんだ。だからこのドアを開けて、アンジーさん……」
夜長「あ、ああ……っ」
最原「……アンジーさん?」
夜長「無理だよぉ……っ!だって、だって……!」
最原「……神様がそう言うから?」
夜長「……うん」
最原「………」
夜長「……お前なんかが終一に許される訳が無い。顔を合わせる価値すら無い……こうやって話をすること自体が間違ってるって言うんだよ……!か、神様がそう言うなら、間違いないんだよ……!」
夜長「会いたいよ……抱きしめて欲しいよ……!でも、それは出来ないんだよ!だって、そう考えちゃうのはアンジーの我侭だから!アンジーが悪い子だから!ちゃんと我慢しないと駄目だって神様が言うから!」
夜長「終一、ごめんね……。もう、アンジーのことなんか……」
最原「……君がそう言うなら僕は待ち続ける。アンジーさんが外に出てくるまで待ち続けるよ」
夜長「えっ……!?」
最原「……僕はここに居るよ。決して君を見捨てない。アンジーさんが僕に会いに来てくれるまでここに居る」
夜長「な、何で……?どうして?アンジーのためにどうしてそこまでするの?アンジー、終一のことをいっぱい傷つけたのに……」
最原「それはアンジーさんが部屋から出て来てくれたら話すよ。だから……ね?」
夜長「うぅぅぅぅぅぅ……」
夜長(……このドアの向こう側に終一が居る……アンジーのことを待ってくれてる。会いたい!会いたいよ……!)
??『何度言ったらわかる?そんなことは許されない』
夜長「あう……」
??『いまさら何をしてもお前が許されることは無い。希望を捨てて絶望を噛み締めることがお前に出来る唯一の罪滅ぼしなのだ。彼に会うことなど諦めろ、アンジー……』
夜長「……そうだよ。アンジーは終一に酷い事をしちゃった。今更何をしても許される訳がないんだ……」
??『その通りだ』
夜長「……でも、だからこそ会わなくちゃ……!会って、言わなきゃ……!」
??『そうやって我を通すのか?お前は本当に悪どい娘だな!』
夜長「そうだよ!アンジーは悪い子だよ!でも、でも……それでも、ちゃんと終一に言わなきゃ!ぶってごめんって!傷つけてごめんって……だってまだ、アンジーは終一に謝ってないから!」
??『……!?』
??『アンジー……お前は……!?』
夜長「もう黙っててよ!後でどんな罰だって受けるから!死んだって構わないから!だから……アンジーは終一に謝るんだよぉっ!」
―――ガチャッ!
夜長「はぁ……はぁっ……終、一……っ!」
最原「……やっと出て来てくれたね」
夜長「あ、うぅ……ごめん、ごめんね終一ぃ……!ぶってごめんなさい、熱いお湯をかけてごめんなさい、酷いことを言ってごめんなさい……!」
夜長「ナイフで刺してごめんなさい、逃げ回ってごめんなさい……今までずっと謝らないでごめんなさい!本当にごめん、終一っ!」
夜長「ゆ、許して貰おうだなんて思ってないけど……ちゃんと謝らなきゃって思ったから、だから……っ!」
最原「……僕の方こそ、ごめん。君の事をどうでもいいだなんて言ってしまって、本当にごめんなさい」
夜長「え……?」
最原「……僕はアンジーさんのことを大切に思っているよ。そう伝えなきゃって思ったからずっと君に会いに来てたんだ。それを伝えられて良かった……!」
夜長「終一が、アンジーのことを大事に思ってる……?ほ、本当に……?」
最原「うん、本当だよ。だからさ……」ギュッ…
夜長「あっ……!?」
最原「……僕は君を許すよ。ちゃんと僕に向き合って、謝ってくれたアンジーさんを許す……もう、自分のことを責めないであげて」
夜長「あ、あぁ……あぁぁぁぁぁ……っ!」
夜長(……冷たかった体が温かくなってくる……!心臓の鼓動が、この温もりが、アンジーの命を肯定してくれている……!)
夜長(生きるって……命ってこう言うものなんだ……!簡単に捨てようって思っちゃいけなくて、誰かに大事に思われるために生きてるんだね……!)
最原「……アンジーさん、もう一度皆と一緒に笑えるようになろう。僕は、アンジーさんの笑顔が大好きだよ……!」
夜長「うん、うんっ!……終一、アンジーも終一が大事だよ。何よりも大事……ううん、何よりも大好き!アンジーは終一のことを大事だって証明するために生きるよ。それで、誰よりも終一に大好きだって思われてみせるから!」
夜長アンジーの絶望度 99→0
希望の力が一つ上がりました
白銀「……さて、赤松さんの所に行かなきゃね。最高に悲劇的なクライマックスを演出してあげようっと!」
白銀「残すは最後の一人って所まで進めておいて、その一人が自殺なんてしたら最高に絶望的だよね!最原くんたちも大いに悲しんでくれるだろうし、私ってば冴えてるぅ!」
白銀「そうと決まれば赤松さんの研究教室に行かないと!待っててね、赤松さん!」
―――赤松の研究教室
赤松「………」
白銀「お~い、赤松さ~ん!楽しいことしようよ!きっと最原くんも喜ぶよ!」
赤松「……最原くんが……?」
白銀「うんうん!赤松さんにぴったりのおしおきがあるんだ!『ねこふんじゃった』って言うおしおきでね……」
赤松「……おしおき?私、死ぬの?」
白銀「……生きていたいの?最原くんに嫌われて、あんなことまでしちゃったのに命が惜しいんだ。赤松さんって酷い人だねぇ……!」
赤松「………」
白銀「……さ、行こうよ赤松さん。素敵なフィナーレを迎えるためにね!」グッ!
赤松「……ええ、そうね。グランドフィナーレはすぐそこまで来ているわ」
白銀「えっ!?」
赤松?「ただし……あなたはここに居なさい。あなたを赤松さんの所へは行かせないわ!」
白銀「なっ!?あ、あんたはっ!?」
東条「ごめんなさいね、変装くらいはお手の物なのよ。あなたの行動は天海くんが先読みしてくれたわ」
入間「ひゃっはー!地味ブス女め、見事にひっかかりやがったな!」
夢野「これも入間の作ったボイスチェンジャーとアンジーの作ったかつらのおかげじゃな!」
白銀「あ、あんたたち……!」
茶柱「……白銀さん、あなたを赤松さんに会わせるわけにはいきません!ここで足止めさせてもらいます!」
春川「超高校級の暗殺者に合気道家、おまけにメイドも居るけど、全員を相手に出来ると思う?」
白銀「……これで勝ったつもり?私にはエグイサルがあるんだよ?その気になればあなたたちなんて……」
夢野「それも問題無しじゃ!すでに男子たちが入間の発明品を手に相手をしておるわい!」
入間「おまけに俺様が特別にチューンナップしたキーボもついてるぜ!今のキーボとエグイサルを比べりゃあ、スーパーロボットとブリキ人形くらいの差があらぁ!」
東条「チェックメイトよ……!覚悟なさい、白銀さん!」
白銀「ふ~ん……そう来たかぁ……。なら、私も本気で相手してあげるよ!」ズゴゴ…!
女子たち「!?」
入間「ひ、ひぃぃっ!?何だよあいつ!?急にすごい威圧感が出て来たぞぉっ!?」
夢野「お、落ち着くんじゃ!今すぐウチのりれみとの呪文でここから脱出を……」
春川「逃げてどうすんのよ。死ぬ気であいつを抑えるしかないでしょ!」
東条「超高校級のコスプレイヤー……キャラクターになりきることでその戦闘能力まで模倣できるとでも言うの!?」
茶柱「そ、そんな無茶苦茶な話があるんですかぁ!?」
白銀「あるんだよ!だって私は超高校級の生徒にして黒幕だもの!こんな簡単に負けてたまるかって話だよね!」
入間「ど、どうすんだよぉ……?一応言っておくけど、俺様は戦いの役になんかたたねえからな!」
夢野「め、めらくらいなら何とか唱えられるかのぉ……?」
白銀「ん……?」
東条「あ、アンジーさん……?」
夜長「今のアンジーは強いよ。一度どん底を見てから這い上がった……ううん、終一に引き上げてもらったからね。終一のためにも負けられないし、なにより一番のライバルがいないまま終一を取り合っても意味が無いもの!」
春川「ふふふ……アンジーの言うとおりだね。赤松抜きで勝負しても意味が無いや」
夢野「全員仲良く勝負しなければいけんからのぉ!それでも勝つのはウチじゃ!」
茶柱「……て、転子は関係ありませんよ!でも、赤松さんの為に頑張ります!ついでに最原さんのためにも少しだけ頑張らせていただきます!」
東条「……そういうわけよ、白銀さん。あなたに負けるわけにはいかないの。なにせこの後6人のライバルと争わなきゃいけないんだもの、あなた一人に負けて堪るものですか!」
入間(お、俺様のせりふがない……っ!?)
白銀「……覚悟は出来てるってことか、なら……相手をしてあげるよ!」
夜長「それはこっちのせりふだよ~!………つむぎ、ぶっ殺してあげるから覚悟してね~!」ゴゴゴゴゴ…
入間「ひぃぃ!味方にもっと恐ろしいやつがいた~!?最原~!頼む、早く赤松の説得を終わらせてくれ~!このままじゃ私が死んじまうよ~!」
赤松「……良い匂い……素敵な雰囲気……私の大好きな空気だ……」
赤松「……最原くん……」
最原『……君の事なんて大嫌いだ』
赤松「……う、うぅ……ごめん、なさい……っ!」
赤松「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい……っっ」
最原「……謝るのは僕の方だよ。赤松さん」
赤松「えっ……!?」
最原「……赤松さん、ごめん。僕は君に酷い事を言ってしまったことを謝りたいんだ」
赤松「え……?あっ……!あぁ、そっか……また幻でも見てるんだ、私……」
最原「僕は夢でも幻でも無いよ。ちゃんとここに居るから!」
赤松「駄目だなぁ、私……また現実から逃げようとしてるんだ、本当に駄目な女の子……!」
最原「赤松さん!僕は本物の最原だよ!これは現実なんだ!僕の話を聞いてよ!」
赤松「許されるわけが無い、好きになって貰えるわけが無い、あんなことをしておいてまだそんな甘い幻想に浸ろうとしているの?私ってば本当に馬鹿……!」
最原「赤松さんっっ!」
赤松「もう黙ってよぉっ!」
最原「!?」
赤松「なんであんな事をしたのか今でもわからない!でも、でも……あれがどれだけ酷いことかなんて誰にだってわかるよ!殴って、蹴って、言葉でも傷つけて……あ、挙句の果てには殺しかけたんだよ!?皆を私が先導したんだよ!?私が最原くん虐めの首謀者なんだよ!」
赤松「……皆にも最原くんにもどんな顔して謝ったら良いのかわからないよ……!皆に嫌われて当然の存在なんだよ、私は……!」
最原「……それは違うよ」
赤松「………」
最原「……赤松さん、君は自分のことを嫌われて当然の存在って言ったけど、そんなことは無いよ。僕は君の事を嫌ったりなんかしていない」
赤松「……嘘だよ。だって、あんなに……」
最原「本当さ!僕は君のおかげで前を向けたんだ。だから今度は、僕が君を立ち直らせる番なんだ。君を救う番なんだよ!」
赤松「……そんなの昔の話だよ。今の私は君を傷つけた最低最悪の女、救う価値なんかこれっぽっちも無いんだよ」
最原「……あるさ、だって君は僕の好きな人なんだもの。好きな人を助けたいって言うのは理由にならないかな?」
赤松「………どうせこれは夢なんだもの、最原くんの言葉に意味なんか無いよ。今聞いているこれは、弱い私が生み出した幻聴だから……」
最原「っっ……!」
赤松「こんな私が愛されて良いはずが無いんだよ。最原くんに好きになって貰えるわけが無いんだからさ……」
最原「……違う!それは違うっ!」ギュッ!
赤松「えっ……!?」
赤松「放して……!わ、私は、あなたに抱きしめて貰う資格なんて……」
最原「それを言うなら僕だってそうだ。赤松さんに酷い事を……嫌いだなんて言ってしまった!君をたくさん傷つけてしまったんだ……」
赤松「そ、そんなの、私がしたことに比べれば全然……」
最原「……こうやって君を抱きしめる資格は僕には無いのかもしれない。でも、泣いている赤松さんを放っておく事なんて出来ない……!僕は、君に救われたから!君が大好きだから!君を助けたいって心の底から思うよ」
赤松「………」
最原「……ねえ信じて、赤松さん……。僕は君の事が大好きだよ。取り返しのつかない事になる前に君の心を救いたいんだ、だから……!」
赤松「………」
赤松(……最原くんの心臓の音……優しくて、温かくて、力強くて……聞いているだけで落ち着く、私の大好きな音だ……)
赤松(ううん、心臓の音だけじゃない。私を抱きしめてくれる腕も、語りかけてくれる声も、ぎこちないけど一生懸命さが伝わる表情も大好き……!大好きなんだ……!)
赤松「……ぃはら、くん……ごめんね……!」ポロポロ…
最原「………」
赤松「君の事を傷つけて本当にごめん……!それと、泣かないでって言われたのに今は笑えなくて本当にごめん……!ごめんねぇ……っ!」
最原「……良いんだ。僕も今、ちょっと……笑えそうに、無いから……っ!」ポロポロ…
最原「ぼ、僕の方こそ、君の事を嫌いだなんて言って、本当に……ぐすっ……」
赤松「……大好きだから」
最原「え……?」
赤松「一体どうしてあんなことをしちゃったのかはわからないけど、私が最原くんのことが大好きだってことだけは言いきれる真実だよ。私は、君のことが大好きなんだ……!」
最原「あ、赤松、さ……!?」
赤松「……最原くんに抱きしめられてると温かくて幸せな気持ちになるよ……。あなたのことを愛しているから、大好きだからこうなるんだよね?……これから先、あなたのことを同じくらい幸せにしてみせるからね、終一くん……!」
赤松楓の絶望度 99→0
希望の力が最大になりました!
白銀「………」
最原「……君の負けだ、白銀さん。皆の説得は無事に終わった。もう誰一人として絶望なんてさせやしない!」
キーボ「最原くんの言うとおりです!あなたの野望は潰えました、おとなしく僕たちを外の世界に出して……」
白銀「くく……くくくくく……あははははは!」
最原「!?」
キーボ「な、何がおかしいんですか!?まさか気でも違ったのでしょうか?!」
白銀「……違うよぉ。私はいたって正常、まともそのものだよ。私が笑ってるのはね……あなたたちが計画通りに動いてくれたからなんだ!」
最原「な、何だって!?」
白銀「最原くんがみんなを説得して助け出すのも予定通り!この状況は私の台本通りに動いているんだよ!」
キーボ「な、何ですって!?あなたの目的は皆を絶望させることでは無いのですか!?」
白銀「……ううん、違うよ。私はこのダンガンロンパV3をもっと盛り上げたいの!その為に必要な希望と絶望を皆に与えてただけなんだよ!」
最原「ど、どういう意味だ……!?」
白銀「最原くんは皆から虐められて絶望したでしょ?その後、呪いが解けた皆も同じように絶望した……でも、その後皆で事件を解決して希望を掴み取ったんだよ!これこそ視聴者が望んでいるストーリーなんだよね!」
キーボ「な、何を言っているのかさっぱりです……。白銀さんは何をしたかったのでしょうか?」
白銀「あ~……キーボくん?まだ終わりじゃないんだよね。むしろこれが始まり……さあ最原くん、もう一度呪いを体験しようか?」
最原「!?」
キーボ「ま、まさか……もう一度あの一週間を繰り返すつもりですか!?」
白銀「そうだよ!でも一度なんかじゃないんだ!何度も何度も繰り返そうよ!皆を絶望させて、希望を掴み取って、更に深い絶望と希望の誕生を繰り返そうよ!みんな大喜びだよ!」
最原「さ、させるものか!君を拘束して真宮寺くんにあの本を焼却して貰えば……」
白銀「……無駄だよ。だってもう、呪いはかけ終わったんだもん」
最原「なっ!?」
白銀「……明日が楽しみだね。今度は真宮寺くんも味方じゃないよ。キーボくんも性格を入間さんに改変して貰うから敵になるし、ゴン太くんがどこまで持つのか見ものだね!」
キーボ「そ、そんなぁ……!」
最原「………」
白銀「……ま、せいぜい良い絶望を見せてね!それじゃあまた明日、さいなら~!」タタタ…
キーボ「ど、どうしましょう!?このままじゃ皆がまた最原くんを……」
最原「………」
キーボ「最原くん、とにかく身を隠す場所を考えましょう!一週間隠れていればなんとか……」
最原「……いや、僕は隠れないよ。普通に過ごしてみせる」
キーボ「えっ!?」
最原「もうネタはわかってるんだ。皆に何をされようと僕は動じない……!もう白銀さんの思い通りにはさせはしない!」
キーボ「で、でも、そうしたら最原くんの命が……」
最原「……大丈夫だよキーボくん。なんだかそんな気がするんだ。確信に近いものを感じてる、きっと大丈夫だって思うんだ」
最原(そうさ、皆のためにも耐えるだけだ!また一週間耐えれば良いだけなんだ!)
最原(……と、僕は思っていた。だけど、次の日から起きる出来事は僕の想像をはるかに超えていた。そう、予想外のことが起きたのだ)
最原「………」
最原(また地獄の様な日々が始まる。でも、僕はくじけない!みんなとまた笑うためにも耐え切ってみせる!)
最原「よし、行くぞ!」
―――ガチャッ
白銀「……ふふ」ニタァ…
最原「……おはよう、みんな」
百田「おう、しゅう……最原!おはよう」
王馬「遅かったね~、待ちくたびれちゃったよ!」
東条「最原くん、あなたのために作った特別な料理があるの。ぜひ食べて頂戴」
最原「へえ、そうなんだ。ありがとう、東条さん!」
東条「良いのよ。さあ、これよ……遠慮せずに食べて」
キーボ「はわわ……!」
白銀「ククク……!」
最原「……ありがとう、東条さん!じゃあ、さっそく頂くよ!」
東条「ええ、召し上がれ」
キーボ「さ、最原くん!ちょっとまっ……」
最原「い、頂きます!」パクッ…
キーボ「ああっ!?」
最原「…………んぐっ!?」
最原(……あれ?意外と普通に食べられる……と言うより、これ普通に……)
最原「美味しい……?」
白銀「え……?」
最原「え、っと……?」
最原(な、何だ?皆は呪いにかかっているはずだよね?なのに何でこんな見た目以外は普通の料理を僕に食べさせるんだ?)
赤松「……最原くん、食事の手が止まってるよ。もしかして本当は料理を食べたくないんじゃない?」
最原「えっ!?」
赤松「……私、最原くんのことを困らせたいんだよね……だから、ほら」スッ…
最原「あ、赤松さん?な、何してるの?」
赤松「なにって、最原くんにご飯を食べさせようとしてるんだよ。ほら、口を開けてよ……!」
最原「そ、それって、その、俗に言う……」
赤松「最原くん……あ~ん、して♡」
最原「~~~~っっ!?」
夜長「ふふふ……終一、困ってるね~!アンジーも困らせちゃおうっと!」スッ…
夢野「んあ~!ウチも!ウチも最原を困らせるぞい!」スッ…
最原「え、えっと、な、なにがどうなってるの……?」
最原「えっ……!?」
春川「……んっ♡」
―――ちゅっ
最原「!?!?!?!?!?」
星「……なるほど、口移しか、それなら最原も逃げられねえな。にしても嫌がらせの為とは言え大胆なことをしやがる」
春川「……ぷはぁ。ふふ……この位しなきゃ駄目だって!さ、皆もやってみなよ」
最原「は、春川さん!?いったい、何をして……っっ!?」
赤松「最原く~ん……とっても困ってたね?私も困らせちゃおうかな~……!」
夜長「お腹がはちきれるまで食べさせてあげるよ~!……もちろん、今の魔姫と同じ食べ方でね~!」
獄原「あ、じゃあゴン太も!」
王馬「いや、ゴン太と最原ちゃんのキスシーンなんて誰も望んでないから!」
夢野「ウチもやる!ウチも~!」
茶柱「わーわー!駄目ですよ夢野さん!まだ夢野さんにあれは早いですって!」
天海「くくくくく……!」プルプル…
キーボ「???」
最原「……ど、どうなってるんだ?ある意味では神経をすり減らしたけど、天国みたいな時間だったとも言えるんだよな……」
最原「……いや、もしかしたら僕を油断させるための作戦なのかもしれない。気を抜かないようにしないと!」
天海「あ、最原くん、丁度良い所に!」
最原「ほら来た!」
天海「ちょっと爪を弄らせて貰えませんかね?嫌とは言わせませんけど」
最原「……ああ、わかったよ」
天海「そうっすか!それじゃあ地下のゲームコーナーでやりましょう!」
最原「………」
天海「さ、始めましょうか!」
最原(……ペンチで爪を剥がされるか、はたまた爪と肉の間に針を刺されるか……?どちらにしても耐えて見せるぞ!)
天海「それじゃあブラシで丁寧に磨いてっと……」シュッシュッ…
最原(天海くんも本心でやっている訳じゃあないんだ。それがわかっているから、僕は彼を恨んだりはしない)
天海「お、結構綺麗っすね!でもちょっと手入れが悪いかな?」
最原(白銀さんの思い通りにはさせないぞ!僕が我慢すれば良いだけの話なんだ!)
天海「~~~~♪~~~~♪」サッサッ…
最原「って……あれ?」
天海「こんな感じっすかね!いや~、最原くんの時間を無駄に取らせて趣味も出来るんだから嫌がらせさまさまっすね!」
最原「え?もう終わり?ぺ、ペンチは?針は?」
天海「ははは!面白いこと言いますね~!そんな事しないっすよ。……誰も、ね」
最原「え?」
天海「そういえば茶柱さんが探してましたよ!彼女の所に行ってあげたらどうっすかね?」
最原「あ、ああ、うん……じゃあ、行ってくるよ……」スタスタ…
天海「……さて、まだ少しは楽しめるっすかね?」
茶柱「むむ!やっと来ましたね最原さん!」
最原「え、えっと、天海くんから僕を探してるって聞いたんだけど何の用かな?」
茶柱「ふっふっふ……最原さんには転子のネオ合気道の新技の餌食になってもらいます!」
最原「あ、そのパターンか……」
茶柱「いざ、お覚悟を!」
最原「よ、よし、多少のダメージは覚悟して技を受けよう。大丈夫、あの日々に比べればきっとましなはず……」
茶柱「行きますよ!新技、転子流拘束術です!」ガシッ!
最原「うわっ!?こ、これは……」
茶柱「暴れる男死を完璧に拘束する技です!背後から両腕を取りつつ体を密着させることによって反撃を許しません!無理に動けば腕を極めますよ!」
最原「な、なるほど……痛くはないけどまったく動けないや……」
茶柱「そして……今回は更に追加でっす!」
最原「え……?」
夢野「んあー!よくやったぞ転子!最原はこれで動けんな!」
最原「ゆ、夢野さん!なるほど、二人で協力してくるのか……前もそうだったし、妥当な所かな……」
茶柱「さあ夢野さん!やっちゃってください!」
夢野「おお!最原、覚悟するがよい」
最原「くっ……!」
最原「……ん?なにやってるの?」
夢野「ふっふっふ……最原にはわからんじゃろう。ウチの行っている恐ろしい魔法はな!ウチはお主のマナをこうして抱きつくことによって吸い取っておるのじゃ!」
最原「え、え~っと……」
夢野「ふっふっふ……まったく動けぬままにマナを吸い取られ、衰弱死する恐怖を感じるが良い!かーっかっか!」
最原(……僕にしてみたらただ抱きつかれてるだけなんだけどな……)
茶柱「流石は夢野さん!なんて恐ろしい事を思いつくのでしょう!転子も全力でお手伝いさせていただきますよ!」ギュッ!
最原「わ、わわわわわっ!?」
最原(む、胸が!?茶柱さんの胸が、背中にっ!?)
夢野「んあー……転子、ウチは立つのに疲れたぞい。最原を座らせてくれ」
茶柱「お安い御用です!ほいっ!」
最原「うわっ!?」ズデーン!
夢野「わーい!これで楽チンじゃ!それじゃあ、ウチは少し眠るかの……」スヤァ…
最原「ゆ、夢野さん!?……もう寝ちゃった……!」
茶柱「ああ、最原さんを抱きしめながら夢野さんの寝顔を見つめる……転子の天国はここにあったんですね!?……いや、待ってください。最原さんに抱きしめられながら夢野さんを抱きかかえるというのも捨てがたい様な……!」ブツブツ…
最原(うわ……前も後ろも柔らかい……!ぜ、絶対口には出せないけど……)
夢野「すぴー……すやぁ……」zzz…
最原「……結局僕も夢野さんを抱き枕にして昼寝してしまった……起きた時に茶柱さんが鼻血を出していたのは見なかった事にしよう」
最原「でも……なにか変だぞ?呪いにかかっている割には皆僕に好意的と言うか、嫌がらせが中途半端……と言うより、僕の為にしかなっていないような……?」
百田「……おう、最原」
最原「あっ!百田くん!」
百田「ちょっとツラ貸せよ。ひでー事してやるからよ!」
最原「………」
最原(とうとう来てしまったか……でも、僕は百田くんとの友情にかけてこれを耐え切ってみせる!)
最原「わかったよ。どこに行けば良いの?」
百田「良い返事だ、俺に着いて来な!」
最原「あれ?ここって……」
百田「カジノだよ。ここでお前を利用してメダルをがっぽり稼いでやるんだ!」
最原「僕を利用する……?」
百田「おう!お前は頭が良い、そのお前に頭脳労働をさせて効率の良いメダルの稼ぎ方を考えさせる。俺はそれに従ってメダルを稼ぐってわけだ!」
最原「そ、それのどこが酷いことなわけ……?」
百田「なに、ただ遊んだ俺と頑張って頭を働かせたお前の取り分は5対5でイーブンだ!お前の労働に見合った報酬はやらねー!俺はなんて酷いやつだ!ははははは!」
最原「は、はあ……」
星「……何やってんだ、お前ら?」
最原「あ、星くん!」
百田「おう、星!今からしゅう……最原とここであそ……嫌がらせをしてやろうと思ってな!」
星「ほう……なら、先立つものが必要だな。これを使え」ドサッ!
最原「わっ!?メダルがこんなに沢山!?もらっちゃって良いの?」
星「暇つぶしで手に入れたもんだ、執着しねーよ。せいぜい最原の嫌がらせの為に使ってやりな」
百田「おお、そんじゃあありがたく使わせてもらうぜ!」
最原「あ、ありがとう、星くん……」
星「ふん……まさか嫌がらせを仕掛けた張本人からお礼を言われるとはな……」スタスタ…
最原(……嫌がらせって、僕たちが遊ぶ為のメダルを渡してくれただけじゃないか。僕は何も困らないけどな……?)
百田「よっしゃ!早速行くぜ!」
最原「やった!またボーナスステージだ!」
百田「うぉぉ……全然揃わねえ……」
―――SAKE NO TUKAIMDORI
最原「えっと……これが赤で、緑がこれで……」
百田「よっしゃモノダム!って、これ魚雷じゃねえか!?」
―――OUTLAW RUN
最原「ブレインドライブで慣れてて良かったぁ……」
百田「う、上手く運転できねえ……ロケットは無いのか!?」
―――お宝発見!モノリス
最原「……ここはこう、次はこうして……よし、Sランクだ!」
百田「………」←Cランク
―――夜
最原「あはははは……」←メダルカンスト
百田「」←全部スった
最原「め、メダル、稼いだ額を半分ずつだよね?」
百田「……す、すまねえ……まさかあれだけあったメダルを全部失うとは……!」
最原「気にしないでよ。楽しかったしさ!そろそろ夜時間だから僕は帰るね。百田くんはどうするの?」
百田「俺はこのメダルを元手にリベンジだ!今度こそ勝ってみせるぜ!」
最原「あ、うん。頑張ってね……」
最原(また負けるな。間違いない)
最原「あー、楽しかった!やっぱり百田くんと遊ぶのは楽しい……って、あれ?」
最原「……やっぱりまるで嫌がらせになってないよね?遊んでるだけだった様な……?今日は呪いの効き目が悪かったのかな?明日からが本番とか……」ガチャ…
赤松「あ、最原くん!おかえりなさい!」
最原「」バタン!
最原「……なんだろう。今一瞬、とても幸せな光景が僕の部屋の中に広がっていた気がする……。気のせいだよね?」ガチャ…
夜長「お帰り終一!ご飯にする?お風呂にする?それともアンジーにする~?」
最原「」バタン!
最原「……これはこれで幸せな光景だったな。やっぱり疲れてるのかな?なんで新婚生活みたいな光景が僕の部屋の中で繰り広げられてるんだろう?」ガチャ…
赤松「そろそろ中に入ったら?いつまでもそこに居るのもおかしいでしょ?」
夜長「終一の部屋なんだから遠慮する事無いよ~!」
最原「あ、うん……それじゃあ、ただいま……」バタン
夜長「おっかえり~!」
赤松「お邪魔してま~す!」
夜長「小吉にピッキングで鍵を開けてもらってね~!二人で待ってたのだ~!」
赤松「最原くんのプライバシーを侵害しちゃうなんて酷い嫌がらせだよね!いやー、神ってるよ!」
夜長「あ~!楓、それはアンジーの台詞だよ~!」
赤松「細かい事は気にしないでよ!楽しければ良いじゃん!」
夜長「それもそうだね~!そんじゃ、次の嫌がらせ行ってみようか!」
最原「えっ……?わっ!?」ドサッ!
赤松「ふふふ……!最強のパーソナルスペースである自分のベッドを占領された気分はどう?」
夜長「終一のベッド、もうアンジーたちのものだよ~!」
最原「あ、あの、えっと、二人とも、近いと言うか、大胆と言うか……!?」
赤松「あ~、顔が真っ赤だよ~?私たちが近づくと最原くんは困っちゃうんだ?」
夜長「なら……やる事は一つだね~!」
最原「!?」
赤松「ほ~ら、最原くん。段々近づいちゃうよ~……!」ジリジリ
夜長「ふふふ……終一はどこまで耐えられるかな~?」ジリジリ
最原「わ、わ……!?」
赤松「……もう少しで体がくっついちゃうね?困る?最原くん、困ってる?」ジリジリ…
夜長「耳まで真っ赤だね~!すごく可愛いよ、終一……!」ジリジリ…
最原(に、逃げ場が無い!どっちを向いても柔らかい感触と良い匂いがする!)
赤松「……ほら、上から圧し掛かっちゃうぞ~!」
夜長「重くて終一も困るよね?にゃははは~!」
最原(や、柔らかい!温かい!良い匂いがする!顔が近い!二人とも可愛い!あとやっぱり柔らかい!主に胸の部分が!)
夜長「そだね~!だってアンジーたちは終一の事が大嫌いだもんね~!」
赤松「ふふふ……!そうだね、どうしてあげようか?」
最原(み、耳元で!?)ゾワッ!
夜長「……服を脱いでみちゃおっか?終一、きっと顔を真っ赤にして困ると思うよ~!」
赤松「そうだね……!すごく慌てちゃって、きっと可愛いんだろうな~!」
最原「!?」
夜長「……楓、どこまで脱ぐ?シャツ?スカート?それとも……」
赤松「当然、最原くんが一番困る所までだよ……!」
最原「!?!?」
夜長「わお!終一の前ですっぽんぽんになっちゃうんだね!でもでも~、そんなことして終一に襲われちゃわないかな~?アンジーたち、か弱い女の子なんだよ~?」
赤松「大丈夫だよ!だって、最原くんが嫌がらせをしている私たちの事を好きになるわけないじゃない!むしろ大嫌いで裸なんか見せられても困るだけだし、触りたくなんか無いに決まってるよ!」
最原(それは違うぞ!)
最原「!?!?!?」
赤松「あはっ!アンジーさん、冴えてるね!そうだよ、最原くんも大困りだよ!」
夜長「そっか~!なら、早速行動に移っちゃおうか~!?」
最原「ふ、二人とも待って!落ち着いてよ!」
赤松「待たないし、止めないよ?」
夜長「だってアンジーたちは大嫌いな終一を困らせたいんだもんね~!」
最原「うぅっ……!」ギュッ…
赤松「あ、目を瞑った。頑張って目を開けないつもりなんだ」
夜長「ふふふ……ねえ、楓……して、さぁ……」
赤松「……ふふっ!それ良いね!じゃあ、早速……!」
最原(……な、何だ?何をしようとしているんだ……?)
夜長「……終一~、目を開けないと大変な事になっちゃうよ~?」
赤松「最原くん、早く目を開けた方が良いと思うよ!」
最原(ふ、不安を煽って僕に目を開けさせようとしているな!?思い通りになってたまるか!)ギュッ…
赤松「あ~あ、せっかく注意してあげたのに……ま、仕方が無いか!」
夜長「それじゃあ大変な事、始めるよ~!それ~っ!」
―――パサッ
最原(ん……?顔に何か……?ほのかに温かい、布みたいなものが……?)
夜長「今、終一の顔の上に乗っかってるものが何かを当てられたら、アンジーたちは帰ってあげる。どう?簡単でしょ?」
赤松「ちゃ~んとヒントも上げるからさ、考えてみてね!」
最原「え……?」
赤松「……顔に乗っかっているもののヒントその1、最原くんはもう、同じものを持ってるよ」
最原「僕が持っているもの……?」
夜長「……ヒントその2、それは、さっきまでアンジーたちの素肌に直接触れていたものだよ!」
最原「えっ!?」
最原(ちょ、ちょっと待てよ……!僕がもう持っている物で、二人の肌に直接触れるものって言ったら……!?)
赤松・夜長「ヒントその3……私(アンジー)たちは今、下着を履いて無いよ……♡」
最原「!?!?!?!?!!?!?!?」ビクッ!
夜長「……今から、アンジーたちの体の中で、終一の顔に乗っかっていたものがあった場所を触らせてあげるよ……!終一が答えに気がつくまで、ずっと触ってて良いからね……!」
最原「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
赤松「……答えがわかっても、最原くんが触りたかったら触り続けてて良いよ?そんなことあるわけないだろうけどさ……」
夜長「早く答えないと大嫌いなアンジーたちの素肌に直接触る事になっちゃうよ?良いのかな~?」
最原「あ、う、あう、あ……うわぁぁぁぁぁっっ!」ダッ!
赤松「あっ!」
夜長「終一~、どこ行くの~!?」
最原「うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
赤松「……行っちゃった。ちょっとやりすぎちゃったかな?」
夜長「え~?そんな事無いよ~!少しあせっちゃっただけで、もう少し時間があれば今頃三人で仲良く柔軟体操の最中だったって!」
赤松「……残念だね。でも、次の機会を待とうか!」
夜長「もっちもち~!」
最原「おかしい!絶対におかしい!あれは完全におかしい!でも幸せだった!じゃなくっておかしい!」
最原「皆どうしたんだ?何が起きてるんだ!?前の呪いの時よりもわけがわからないよ」
真宮寺「……やあ、最原くん」ヌッ
最原「ぎゃあっ!お化けっ!?」
真宮寺「……僕だヨ。真宮寺……生きてるから安心してヨ」
最原「あ、真宮寺くん……ごめん、今ちょっと神経が過敏になっててさ」
真宮寺「ククク……その分だと今日を楽しんだみたいだネ?僕たちも楽しかったヨ」
最原「え……?それってどういう意味?」
真宮寺「そろそろネタバラシの時間サ。僕について来てヨ」
最原「あ、待って!どこに行くの?」
真宮寺「決まってるだろう?彼女の所サ……!」
白銀「……何で?どうして?なんで皆、最原くんの事を嬲らないのよ!?視聴者はそんな絵を求めているって言うのに!」
白銀(どうして?呪いの儀式は完璧にこなせた筈……不完全だなんてこと、ありえるはずが無い!)
真宮寺「……その理由を知りたいかい?」
白銀「えっ!?」
最原「女子トイレに隠し扉があって、まさかこんな所に繋がっているなんて……」
白銀「さ、最原くんに真宮寺くん!?どうしてここに!?」
真宮寺「ククク……そんな事よりも知りたい事があるでしョ?どうして僕たちが最原くんを虐めないのか?その理由とかサ……!」
白銀「まさか……何か細工をしたのか!?」
真宮寺「まさか、僕は何もしてないヨ。ただ君がほんの少しだけ勘違いをしているだけサ」
最原「白銀さんが勘違いをしている……?どういう事なの?」
真宮寺「では、少し話をさせて貰おうかな。テーマは呪いに関してサ」
白銀「くっ……!」
最原「えっ?そうなの?」
真宮寺「そうだヨ。人間って言うのは関係ない事柄でもつい結び付けたがる生き物でネ、呪いもそう言った背景から生み出されることが多いんだヨ」
最原「???」
真宮寺「……例を挙げてみようか。とある村で人が事故で死んだとしよう、それだけを見れば不幸な出来事サ。でも、その人物が数日前に御神体を粗末に扱っていたと言う情報があったら、人はどう思うかな?」
最原「……祟りだとか、呪いだと思われるってこと?」
真宮寺「そういう事サ。時に人は必要以上に見えない物を恐れてしまう、神や霊などの存在自体が不確かな物はそれに輪をかけて恐れやすいものなんだヨ」
最原「え、ええっと……?」
真宮寺「……僕が言いたいのは、『呪いは大半が思い込みによる事柄』だって事サ。これを念頭にこれから先の話を聞いてネ」
最原「う、うん……」
真宮寺「さて……今回、問題になった嫌われの呪いが元は生贄の為の呪いだって事は聞いたよネ?」
最原「うん、生贄になる人が死にたくなるためにかけるものなんでしょ?」
真宮寺「ああ……やっぱり誤解してたネ。そうじゃないんだヨ」
最原「え……?」
真宮寺「この呪いはネ、『生贄の周りの人が苦しまない様にする』為のものなのサ」
最原「生贄の周りの人……?」
真宮寺「……もし明日、赤松さんが生贄として死ななければならないと言われたら、最原くんはとても苦しむよネ?大切な人を死なせなければならないとなると当然苦しむもの……それは、人間に与えられた苦悩サ」
最原「………」
真宮寺「その苦悩から逃れる方法は一つ……生贄を大切な存在じゃないと思い込む事。大切じゃない存在ならどうなったってかまわないでしョ?」
最原「それはそうだけど……そんなに簡単に割り切れるものなの?」
真宮寺「この呪いにかかった人物の周囲の人間たちは、対象の人物の事をとても嫌いだと思い込む。それによって対象の人物は嫌われる……それがこの嫌われの呪いの正体だったのサ」
白銀「そんな……思い込みを誘発させるだけであんな事が起きるはずが……」
真宮寺「思い込みの力は偉大だヨ、コスプレをするだけでそのキャラクターと同じ力を発揮できる君ならこの意見もわかると思うけどネ」
白銀「ちっ……!」
真宮寺「でも、この呪いには弱点がある。それは、一度メカニズムを知られると効果が無くなってしまう事サ。呪いの名を冠しているとは言え、これはどちらかと言うと催眠術の方に近い。人の無意識の部分に働きかけて、意識を変革するんだからネ」
最原「意識してしまうと無意識の部分に働きかけることが出来なくなる。だから、呪いの効果が薄まってしまうのか……!」
真宮寺「そういう事サ。……さて白銀さん、君に質問だ。ここまで丁寧に解説が出来る僕が、皆にこの話をして無いと思うかい?」
白銀「それは……っ」
真宮寺「もう一つ……メカニズムを理解し、最原くんへの愛情が深まった僕たちが、もう一度この呪いにかかると思うかい?君はどう思う?」
白銀「っっ……!?まさか、お前たちは……!?」
真宮寺「ご明察……僕たちは二回目の呪いには引っかかって無いヨ。今日一日、遊びも兼ねて君をからかわせて貰っただけサ」
最原「だ、だから皆の様子が変だったのか!?」
真宮寺「ごめんヨ、最原くん……王馬くんの提案でネ、君とキーボくんにはこの事実を隠しておこうって事になってサ。その方が面白い反応が見られるって言ってたヨ」
最原「お、王馬くんめ……!」
真宮寺「……でも、彼の言葉に従って良かったヨ。何が起きているかわからなかった最原くんは非常に良い反応を見せてくれた……それは、白銀さんたちの望んだものでは無いけどネ」
白銀「……ふ、ふふふ……なるほどね、そう言う事か……!わざわざ解説ありがとう!でも、私にはまだ奥の手があるんだよ!」
最原「!?」
白銀「記憶改竄ライトで皆の記憶を書き換えてあげる!最原くんの事を大嫌いにさせて、もう一度あの地獄を体験させてあげる!良かったね最原くん、今度は呪いじゃない本物の皆からの嫌われを体験できるよ!」
最原「くっ……!そんな事は絶対に……!」
真宮寺「……ライトって、2階の空き教室で作るあれの事かい?」
白銀「……え?」
白銀「な……?え……!?なんで、その事を……!?それに、分解って……!?」
真宮寺「……教えて貰ったんだヨ。この隠し部屋の事も、ライトの製造機械の事もサ……!」
白銀「お、教えて貰った?だ、誰がそんな事を……!?」
モノクマ「……ボクだよ」
白銀「!?」
モノクマ「……お前、ふざけるなよ。何余計なことしてくれてんのさ?おかげでこっちはクレームの嵐だって!」
白銀「え?え?」
モノクマ「一回で終わらせときゃ良かったものを繰り返そうとして、しかも期待を裏切って甘々のバイオレンスさの欠片も無い絵を撮りやがって……!おかげで視聴者がぶち切れだっつーの!」
白銀「そ、そんな……!?」
モノクマ「見てみろよこれ!お前のせいで来たクレームのほんの一部だぞ!これの対応でボクたちは大忙しだって!」
白銀「あ……あ……!?」
『期待外れも良いとこ、クソつまんなくなった』
『前半の絶望感とそれをリカバリーする所までは良かった。その後は話にならない』
『白銀がクソ あいついらない』
『白銀ゴミ』
『責任取らせておしおきしろ!』
『白銀を殺さないであげて!生き地獄を体験させるんだ!』
『取りあえず最原くんにやったことはやらせよーぜ!』
『白銀ちゃん頑張って☆』
『救い様が無い地獄に叩き落される女の子を見るのって興奮しない!?』
白銀「あ、あ、あ……!?こんな、こんなのって……」
真宮寺「……白銀さん、君の最大の失敗を教えてあげるネ。それは、自分が呪いの執行者だって効果期間中にばらしちゃった事サ。呪いをかけた相手にそれがばれちゃうとネ……!」ズイッ…
白銀「ひいっ!?」
真宮寺「……呪いは、自分の元に跳ね返って来ちゃうんだヨ」ニタァ…
真宮寺「……み~んな君の事を嫌ってる。当然だよネ?嫌われの呪いが跳ね返って来たんだもの。でも、こんなの序の口だヨ?まだまだこれから酷くなる、そして、最原くんと違って助けてくれる人もいなければ、好感度を回復する手段も無い……!完全に手詰まりだネ」
モノクマ「と言うわけだからさ、視聴者が満足するまで君には苦しんで貰うから!最原くんの時よりエグい仕打ちを期待しててね!」
白銀「い、嫌……!嫌!嫌ぁぁぁぁぁっ!」
モノクマ「暴れるなって!お前の為に専用のおしおきルームまで作ったんだから観念しろ!」
白銀「嫌ぁぁぁぁっ!助けて!誰か助けてよぉぉっっ!私頑張ったじゃない!皆の期待に応えたじゃない!なのになんでこうなるの!?」
モノクマ「……馬鹿だなぁ、これも視聴者の望みだからに決まってるじゃないか!皆は君が苦しむ姿を見たいって言うんだからそれに応えなきゃね!」
白銀「あ……!あ……!?」
モノクマ「さぁ!視聴者の為に苦しんでよ!因果応報ってやつさ!」
白銀「やだぁぁっ!はなしてっ!はなしてよぉぉっ!誰か助けてっ!たすけてぇぇぇぇぇっ……!」ズルズル…
最原「………」
真宮寺「………」
最原「……僕たち、これからどうなると思う?」
真宮寺「……さあ?想像もつかないヨ。でも……少なくとも、彼女が行くのは地獄みたいだネ……」
白銀「……こんにちは、みなさん……。今日で私がここに閉じ込められてから一ヶ月の時が経ちました……もう、とっくに呪いの効果は過ぎてるよね?だったらもうここから出してよ!お願いします、お願いしますぅぅ……っ!」
モノクマ「はいはい、白銀さんを許すって意見が一定以上来ないんだからそれはお預けね。じゃあ、今日もおしおき行くよ~!」
白銀「ひ、ひぃぃっ!!!」
モノクマ「……決して殺さず、受けた怪我も完璧に処置する事で何度でも死ぬぎりぎりまで追い込むことが出来ると言う最高に絶望的な日々、白銀さんが来てから一ヶ月と言う事で、今回は超スペシャルなおしおきを用意しました~!」
本日のおしおき 『ライト版 超高校級の絶望的おしおき』
白銀「あ、や、やだよぉ……!そんなのやだよぉっ!頼むからいっそ殺してよ!もう苦しい思いなんかしたくないよぉぉっ!」
モノクマ「はーい!家畜の言葉はきこえなーい!と言うわけで早速行ってみましょう!お仕置きターイム!」
白銀「やだぁぁぁっっ!助けてっ!誰か助けてよぉぉぉっ!わぁぁぁぁぁぁんっ!」
―――――――――――――――
最原(世の中の関心が白銀さんに向いた途端、僕たちはあっさりと解放された。ある意味では僕たちは彼女に助けられた事になるのだろう。そして、白銀さんもある意味では世界中の人たちから愛されている。あんな愛され方は絶対に御免だが、それもまた事実である)
最原(彼女が解放される時……それは、きっと白銀さんの事を世の中の人が忘れ始めた時なのだろう。少なくとも彼女に関心が向けられている限り、あの地獄から脱する事は出来ないのだ)
最原(裸に剥かれ、泣きじゃくりながら嬲られる白銀さんを見ながら思う。出来る限り早く彼女に救いの手が差し伸べられて欲しいと……今の彼女は見るに耐えない、この狂った世の中の犠牲者として晒され続ける事になっている白銀さんの地獄はいつまで続くのかも想像が出来ない)
最原(唯一つ言える事があるとすれば、人に悪意を向けるのならば相応の覚悟が必要だと言う事だろう。自分にも罰が下る事を覚悟してからで無いと悲劇的な結末が待ち受けているかもしれないからだ)
最原(少なくとも僕には誰かを呪う覚悟は無い。憎悪も理由も無い。もし、誰かを呪おうとしている人がいるのならば、僕はその人にこの言葉を送ろう)
『人を呪わば、穴二つ』
嫌われの呪い 完
元スレ
モノクマ「嫌われの呪い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491502181/
モノクマ「嫌われの呪い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491502181/
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (76)
-
- 2017年05月03日 23:14
- 1コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:16
- 2コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:16
- 3コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:17
- 4コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:17
- 5コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:17
- 6コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:18
- 7コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:18
- 8コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:18
- 9コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:19
- 10コメゲット
-
- 2017年05月03日 23:50
- 1〜10
しつけぇ
-
- 2017年05月03日 23:53
- 12ゲーット
-
- 2017年05月04日 01:18
- スレ232で作者が塩ってことに気づいてお前かあー!!ってなった
-
- 2017年05月04日 01:47
- おう僕が何でもしますからエタならせた嫌われスイッチのIFルート(苗木が何でもなかったように接する奴&日向の心がベッキベキに折られた奴)を再度書き直すんだあくしろよ
-
- 2017年05月04日 01:53
- 誰かと思えば塩だった
読むのやめなくてよかった
-
- 2017年05月04日 02:14
- これ1と2の嫌われスイッチ書いた人!?
後半はまだしも虐めパートと正気に戻った後のキャラのコレジャナイ感酷すぎて出来の悪いパチモンかと思ったんだけど
-
- 2017年05月04日 02:53
- 前半はわざとクソにしてたのかな?だとしたらすごいな。
-
- 2017年05月04日 02:56
- ダンロン1と2も嫌われスイッチってあったよね、アレの亜種かな?
-
- 2017年05月04日 05:57
- この塩はいい塩だ……。ハルマキも相変わらず依存MAXでエロい。最晴はホント貴重。
ハッピーエンドへのヒントもほどよいし、スレ跨いでもクオリティ全然落ちないな。
最高の安価スレだ。
-
- 2017年05月04日 10:22
- 久しぶりにガチ泣きした……とてもしんどい……でも面白かった
-
- 2017年05月04日 13:11
- やっぱりゴン太は天使じゃないか!
こういう嫌われスイッチ系統SSのV3キャラ再現はムズそう。特にアンジーとか。
戸惑ったり泣く姿が想像できんわ。
-
- 2017年05月04日 14:48
- 1、2、そしてV3と来たからには次はアニメ版ダンガンロンパ3編だな!(切望)
-
- 2017年05月04日 15:49
- ダンガンロンパ3は12v3と比べてSS作りずらい環境
-
- 2017年05月04日 17:07
- 赤松絶対コロコロするという視聴者の意志が伝わってきますね
最初から最後までおばさんが楽しそうでなによりです
-
- 2017年05月04日 19:12
- 嫌われスイッチIFはよ
-
- 2017年05月04日 22:04
- ゴン太いい子マジ天使
最原と赤松の会話良かったよ、両想いだったんだね
最赤厨の俺歓喜もうビンビンだぜっ!
-
- 2017年05月04日 22:40
- 嫌われスイッチの人かと思ったけど、違うっぽい?
まだ途中までしか読んでないけどしんどい。。長い。。絶望的ぃ
-
- 2017年05月05日 00:03
- 真宮寺好きだから最初から最後まで最原の味方で嬉しい……
☆ちゃん的には最高の番組だったろうなこれ
-
- 2017年05月05日 17:31
- これはペルルドセルですわ
-
- 2017年05月05日 23:13
- 『イケニエになるのはアナタ』
アンジーっぽいオシオキでいいね
-
- 2017年05月06日 00:39
- チキンナゲット
-
- 2017年05月06日 01:46
- ShiroganeOshioki.mp4 1.5GB
期間限定無料
-
- 2017年05月06日 04:54
- アンジーと赤松との3P本はよ
-
- 2017年05月06日 17:04
- 本スレの方にみんなの絶望ルートが投下されてるな
-
- 2017年05月07日 09:58
- うーんくそすぎて読むのやめたわ
-
- 2017年05月07日 10:52
- 作者が白銀嫌いだなっていうのはよく伝わってきた
-
- 2017年05月07日 11:21
- 途中まで読んでつまんなすぎてやめたわ、V3発売から一気にクソSS増えたな
-
- 2017年05月07日 20:07
- 長すぎワロタ
-
- 2017年05月07日 22:20
- リアルタイムで読んでたとき、鳥肌立ちっぱなしだったわ
塩さんのssは本当に面白い
-
- 2017年05月09日 01:56
- 嫌われスイッチじゃないのか…
-
- 2017年05月09日 16:20
- 途中まで胸糞だったけど後半面白かった!
-
- 2017年05月09日 19:21
- 俺だったら赤松と入間を性奴隷にするわ。
なんでも命令してって言ってるし
-
- 2017年05月10日 00:50
- ・・・ラッキースケベの人かw
-
- 2017年05月10日 13:04
- とても良かった
-
- 2017年05月10日 17:40
- 最原虐められてた時涙出た件ww
-
- 2017年05月11日 00:14
- 好き
-
- 2017年05月12日 06:36
- ※42
はいメアリー・スー
そんなコメントして恥ずかしくないの?
-
- 2017年05月14日 03:51
- 素晴らしい
-
- 2017年05月14日 13:03
- 面白かった。白銀嫌いの俺にはスカッとするSSだったな
-
- 2017年05月14日 14:47
- まだ読んでないけど嫌われスイッチ系は一番最初の苗木のやつが至高
V3は嫌われスイッチ系のssいくつかあるけど今のところ全部二作目を参考にしたのしかないな…どうせなら一作目みたいな感じのが読みたいわ
-
- 2017年05月15日 01:40
- 嫌われスイッチV3そんなあるのかよ
知らなかったわ
-
- 2017年05月16日 22:17
- ハルマキが最原のこと好き、ってのが凄い違和感だった
-
- 2017年05月16日 22:37
- ※50
本当これ、嫌われ系はああいうのりだからこそ面白い
-
- 2017年05月18日 19:23
- 元スレだと一部のキャラのおしおき→絶望堕ちが見られるから是非
-
- 2017年05月19日 01:45
- 白銀のラストは好きじゃないな~
でも、こういう嫌われる→皆が謝る→それを怖がる→皆が絶望するっていうパターンめっちゃ大好き。
-
- 2017年05月19日 01:46
- ※52凄くわかる。てっきり友情的なやつかとおもったらアレだよ
-
- 2017年05月22日 21:45
- ※53
ホントそれな。嫌われ系最高ですわ。
-
- 2017年05月23日 04:38
- ※51
作者失踪したから途中で終わってるけど、これ含めて三つはあるな
-
- 2017年05月23日 21:44
- 3連赤松でマジかって思った
後草でした
-
- 2017年05月25日 03:44
- 最高。
他のキャラのオシオキ見れるなら元スレ見てみようかな
-
- 2017年05月29日 18:57
- 前半を耐えたらクオリティの高い後半が待っている……
個人的には楽しめた
でも春川は百田のことが好きでいて欲しかったな
-
- 2017年06月02日 02:15
- またロンパ3やりたくなった
-
- 2017年06月02日 02:15
- ダンガンロンパSSもっと増えろ!!
-
- 2017年06月02日 19:37
- 嫌われスイッチの人かな?
安定の面白さ。
-
- 2017年06月17日 03:24
- 最後まで見てよかった
-
- 2017年06月18日 10:54
- 塩の人続きはよ
-
- 2017年06月21日 01:52
- クソつまらん氏ね
-
- 2017年10月31日 00:53
- みんなが絶望するところが最高すぎる
-
- 2017年11月27日 21:25
- ごめん誰が何と言おうと神作認定させてもらう。
そのくらい良かった。
前半の因果応報もさることながら、最後の人を呪わば穴二つもしっかりしてすごく良かった。
作者さんにありがとうを伝えたいです。
-
- 2017年12月11日 15:29
- 赤松最低
氏ねブス
-
- 2017年12月11日 15:43
- 内容面白いし口調の再現度もすげーのに作者の地の文なりきりがキモい
自分を塩だと思ってる精神障害者?
-
- 2018年03月07日 01:31
- 最初すごいみんなのこと責めちゃったし、え、これどうなるん?って思ったけどちゃんとストーリー繋がっててすごい良かったです。最原くんもみんな…白銀ちゃん以外か
絶望を打破できて良かった!
あと塩がめちゃいい子や
-
- 2018年05月16日 11:17
- まあまあ面白かったです。
-
- 2019年04月11日 00:29
- 色々と不満はあるんだけど、なんとか取り返しが付く範囲で酷い目に合う最原とぶっ壊れたみんなが見たくなってちょいちょい読み返してしまう
-
- 2019年12月13日 11:29
-
前半の狂的絶望からの後半の大円団感好き
-
- 2019年12月22日 01:41
- 赤松、入間、アンジーが最原に惚れるのは分かるけど、ハルマキは百田らぶだろ