【けものフレンズ】かばん「ふたりいっしょ」
内容は次から
かばん「……」
サーバル「ごめんねー、待っててもらって。最近自分で走らなくて……」
かばん「……」
サーバル「思いっきり走り回れて楽しかった……?」
かばん「……」
サーバル「かばんちゃん?かばんちゃんってば!」
サーバル「もう。全然返事してくれないんだもん」
かばん「ご、ごめんね。つい夢中になっちゃって……」
サーバル「そんなに夢中になって、何をしてたの?」
かばん「えっと、これを読んでたんだ」
サーバル「これって、本だよね。図書館にいっぱいある……」
かばん「うん。図書館に行ったとき、いくつか貸してもらって」
サーバル「へぇー」
かばん「サーバルちゃんも見てみる?」
サーバル「せめて絵があれば少しはわかるかもしれないけど……」
かばん「そういう本もあるから、あとで一緒に見ようね」
サーバル「ほんと?楽しみだなぁ」
サーバル「でも、かばんちゃんはすごいなー。こんなにたくさんの文字がわかるんだから」
かばん「そ、そうかな」
サーバル「そうだよー。私には変な形の模様にしか見えないもん」
かばん「ちょっと恥ずかしいけど、でもサーバルちゃんに褒めてもらったのは嬉しいな」
かばん「これは誰かが書いた作り物の物語だね」
サーバル「作り物の、物語?」
かばん「そうだなぁ……。例えばボクとサーバルちゃんの冒険みたいな本当にあったことじゃなくて」
かばん「もしも図書館に向かわずにサバンナで暮らしたら、を想像して書いたって感じかな」
サーバル「かばんちゃんと一緒にさばんなで、かぁ。何だか考えられないよ」
サーバル「それに私はへっちゃらだけど、かばんちゃんにはあの暑さは大変なんじゃない?」
かばん「あはは……。涼しくなるまで日陰でじっとしてるかもね」
かばん「それにボクはどこかに住むのなら、湖畔や図書館の辺りが過ごしやすくていいなぁ」
サーバル「あの辺りは私も過ごしやすかったなー。思いっきり走り回れるし」
サーバル「うぅー、何だかすっごくおもしろそう……。でも私はさっぱりだし……」
かばん「大丈夫だよ。ほら、これならわかるでしょ?」
サーバル「絵がついてる……。もしかして、さっき言ってた?」
かばん「うん、絵がついてる本。どうかな?」
サーバル「これなら私にもわかるかも。あ、でもちょっとだけど文字もあるんだ……」
かばん「そこはボクが読んであげるから。ほら、一緒に見よう?」
サーバル「わーいっ」
かばん(……とは言ったけど、ボクもこれ読んでないからどういう内容なのかわからないんだよね)
かばん(それにサーバルちゃんがものすごく近くて、何だか気になっちゃう……)
かばん「あっ、ううん、何でもないよ。じゃあ始めるね」
サーバル「よろしくねっ」
『ここはジャパリパーク。ヒトとフレンズが仲良く暮らす大きな施設』
サーバル「ジャパリパークって、ここのことだよね。それを本にしたのかな」
かばん「そうみたいだね。ヒトとフレンズさんが一緒に暮らしてるのかぁ」
サーバル「ほら、早く続きっ」
かばん「う、うん。えと……」
『これは1人の少女とフレンズの、恋のものが』
かばん「ええぇっ!?」
サーバル「わあっ!?き、急に何!?」
かばん「だ、だって、だってこれっ!」
サーバル「この本?この本がどうしたの?」
かばん「それは、その、えっと……」
かばん「……さ、サーバルちゃん。恋とか、恋愛ってわかる?」
かばん「それはそうなんだけど……」
サーバル「……あ。もしかしてこれってそういう本なの?」
かばん「う、うん」
サーバル「そ、そっかぁ……」
かばん「……」
サーバル「……」
サーバル「かばんちゃん。これ、続き読んでほしいな」
かばん「えっ……」
サーバル「ダメ……?」
かばん「だ、ダメじゃないけど……」
サーバル「かばんちゃんと一緒なのは恥ずかしいっていうか、照れちゃうけど」
サーバル「私は、これが気になるな」
かばん「そう、なんだ……。じゃあ、続きから読むね……」
かばん(一緒に恋愛のお話を読むなんて、すっごく恥ずかしい……)
かばん(何より、これ女の子同士で、余計にサーバルちゃんを意識して、ドキドキしちゃう……)
サーバル「この女の子、フレンズの子のことがとっても好きなんだね」
かばん「そ、そうだね……」
かばん(本の内容が恋愛だから、それに影響されてるだけ……。そのはず、なのに)
かばん(ボクにはフレンズさんを想う女の子の気持ちが痛いくらいにわかってしまって……)
かばん「これ、は……。すっごく仲良くなったらするやつで……」
サーバル「へぇー。じゃあ、あとで私たちもやってみようよ」
サーバル「私たちだって、すっごく仲良しなんだから」
かばん「あ、う、うん……」
かばん(サーバルちゃんのことは好きだけど、そういう意味ってわけじゃ……)
かばん(さっきまではそう思ってたのに、今は絶対そうだと言えなくて……)
サーバル「わぁ……。この子たち、抱き合ってる……」
サーバル「……えへへ、何か照れちゃうね。かばんちゃんと一緒にこの2人を覗いてるみたいで」
かばん「あ、あはは……」
サーバル「ワクワク、じゃない。ちょっとドキドキしちゃう……」
かばん「あ……」
かばん(今のサーバルちゃん、すごく、すっごく……)
かばん(どう言ったらいいんだろう……。可愛いとか綺麗ってだけじゃなくて、それが全部混ざったみたいな……)
サーバル「かばんちゃん。続き、読んで?」
かばん「……へっ?あ、えと……」
サーバル「……かばんちゃん?」
サーバル「だ、大丈夫?顔、真っ赤だよ?」
かばん「だいじょっ……!」
サーバル「えぇっ!?ほ、ほんとにどうしたの、本に顔押しつけて」
かばん(ダメだ……。サーバルちゃんの顔、まともに見れない……!)
かばん(サーバルちゃんの顔見るだけであっつくなって、すっごくドキドキして……)
かばん(やっぱり、ボク、サーバルちゃんのことが好きなんだ……。友達じゃなくて、恋の対象として……)
かばん(この女の子みたいに、ボクもサーバルちゃんが……)
かばん(……言うなら今しかない、よね。こんな機会、そうそうないだろうし)
かばん(ボクの気持ちを、サーバルちゃんにっ……!)
かばん「……サーバルちゃん。サーバルちゃんはボクのこと、どう思ってる?」
サーバル「どうって、友達だよ。とっても素敵で、仲良しで……」
サーバル「最高の友達だって、私はそう思ってるよ」
かばん「……うん、そっか」
サーバル「かばんちゃん……?」
かばん「ボクもサーバルちゃんのこと、仲良しの友達だって、そう思ってる。そう思ってた……」
サーバル「思ってた?」
かばん「……一緒に本を読んで、気づいたんだ。ボクと、この本の女の子は同じなんだって」
サーバル「えぇと……?かばんちゃんは何が言いたいの……?」
かばん「友達としてじゃなくて、この本の女の子とフレンズさんみたいな恋愛の対象として……」
サーバル「……えっ?」
かばん「ボクは、ボクはサーバルちゃんに……」
かばん「……恋を、しちゃったんだ」
サーバル「えっ……?え、えと、そう、なの……」
かばん「うん……」
サーバル「へ、へぇー……」
かばん(それに勢いで言っちゃったけど、もしこれで嫌われたりしたらボクはひとりぼっちに……)
サーバル「……かばんちゃんは私と、その本の2人みたいになりたいんだよね?」
かばん「そう、だよ……」
サーバル「私ね、恋とか恋愛ってよくわかんないんだ。その、恋をして、恋をされてそのあとどうなるのかって」
サーバル「だけど、本の2人はとっても仲良しで、嬉しそうで、楽しそうで、それが少し羨ましくて……」
サーバル「本を見ているうちに、かばんちゃんとこの2人みたいになりたいって思ったの」
サーバル「かばんちゃんと一緒にいて、お話をして、触って、ドキドキしたい。物語の2人がしたこと全部、かばんちゃんとやってみたい」
サーバル「だってかばんちゃんは、たった1人の特別な人だから……」
かばん「サーバルちゃんっ……」
サーバル「私も、かばんちゃんが誰よりも大好きっ!」
かばん「じゃあっ……!」
サーバル「うん!私、かばんちゃんの……」
サーバル「……えぇと、どう言えばいいのかな?恋をした同士は友達じゃないと思うし」
サーバル「とにかく、私はかばんちゃんと本の2人みたいな関係になりたいな」
かばん「……ほ、本当に?」
サーバル「もちろんだよ。どうして?」
かばん「もうダメだって、嫌われたって思っちゃった……」
サーバル「わ、私はそんなつもりじゃなかったんだよ。ごめんね、怖い思いさせちゃって」
サーバル「心配しなくても、私はかばんちゃんが大好きだから。大丈夫だよ」
かばん「……あの、ね。ボクたちや本の2人みたいな関係を恋人って言うんだって」
サーバル「こいびと?」
かばん「うん。恋人」
サーバル「こいびと、かぁ……」
かばん「ボクもサーバルちゃんと、その、こ、恋人になれて……」
かばん「……とっても、嬉しいな」
サーバル「えっと、これで私たちはこいびと、になったんだよね?」
かばん「ボクはそのつもり、だけど……」
サーバル「……えへへ。かばんちゃんとこいびとになれたんだって思うと、ね」
サーバル「たくさんの嬉しいと楽しいでいっぱいで、私からこぼれちゃいそうだよ」
かばん「サーバルちゃん。ボクの恋人になってくれて、ありがとう」
サーバル「私も、こいびとにしてくれてありがとう。かばんちゃんのこいびとになれて、すっごく嬉しいよ」
かばん「……恋人になったら何をするのかとか、どうなるのとか、ボクも全然わからない」
かばん「でも、まずはこうして手を繋ぐことから始めよっか」
かばん「こうしていれば、サーバルちゃんと一緒にいられるね」
サーバル「かばんちゃん……」
かばん「サーバルちゃん。ボクたち、どこに行っても、何があっても、ずっと一緒だよっ」
サーバル「うんっ。ずっと、ずーっと一緒にいようねっ」
【けものフレンズ】かばん「ひざまくら」
けもレズ百合SSふえろ
元スレ
かばん「ふたりいっしょ」
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かばん「ふたりいっしょ」
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コメント一覧 (15)
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- 2017年03月29日 05:50
- た(つき監督ありがとう)
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- 2017年03月29日 08:29
- けものフレンズ→けものラヴァーズ
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- 2017年03月29日 12:32
- なんでその先まで書いてる本があんだよ
百合姫でも借りたのか
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- 2017年03月29日 15:26
- 至高はアラフェネなんだよなぁ…
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- 2017年03月29日 21:40
- けもフレ百合少なすぎてツライです…
百合とけもフレが好きだから…
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- 2017年03月29日 22:11
- 百合と言いなさい百合と
あ、内容はすこ
次回作にも期待やで
サーバルちゃんの耳だけ見えててキコキコなってるとこ最高にワクワクしたなあ
可愛過ぎ
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- 2017年03月29日 22:21
- ボス「キマシタワー」チュドーン
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- 2017年03月30日 00:14
- 文:マーゲイ
絵:オオカミ
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- 2017年03月30日 04:15
- この二人の話をもっと読みたい
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- 2017年03月30日 11:15
- セルリアン「」チュドーン
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- 2017年03月30日 11:58
- 淡い百合、いいですねえ
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- 2017年03月31日 22:22
- 百合好きのセルリアンが爆発しそう
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- 2017年04月02日 11:41
- えんだああああああああああああああああああいあああああああ
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- 2017年04月03日 22:22
- ありがとう・・・
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- 2017年04月08日 20:54
- あら〜^