ガヴリール「ほら、ヴィーネ起きてください」ヴィーネ「……やーだー」
- 2017年03月27日 21:10
- SS、ガヴリールドロップアウト
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ヴィーネ「……仕方ないじゃない。昨日はお祭りだったんだから…」
ガヴ「ネット掲示板の、でしょ。…はぁ、ほら学校行きますよ」
ヴィーネ「や~だ~いきたくない~!!」
ガヴ「子供じゃないんですから…!」
ガヴ(サターニャが魔界通販で買ってきた怪しいスイッチを押してからというもの、ヴィーネは毎日この調子だ)
ヴィーネ(サターニャが魔界通販で買ってきたスイッチを押してから、ガヴは昔の天使のようなガヴに戻った)
ラフィ(う、うぅっ…!)
ラフィ(あの犬…私のクリームパンを狙っています…!)
ラフィ(しかし取られるわけにはいきません…!私の唯一のお昼ご飯なんですからっ)
ラフィ「さぁ、私は逃げも隠れもしませんよ!正々堂々かかってきてください!」
犬「ぎゃわんぎゃわん!」
ヴィーネ「今日のお昼がないと…」
ラフィ「……うう」
サターニャ「あら?みんなお揃いなのね」
ガヴ「あ、サターニャ」
サターニャ「あら、ラフィエル。どうしたのかしら?そんな涙目になって」
ラフィ「いえ、それが……行く途中に、犬に襲われまして…」
サターニャ「ふうん…その犬に奪われたクリームパンって、これのこと?」サッ
ラフィ「!?そ、それです!なぜサターニャさんがっ……」
サターニャ「さぁ、さっき学校へ行く途中、私の忠実なる使い魔が、これを私に献上したのよ」
ラフィ「あなたの仕業ですか!?」
サターニャ「人聞きが悪いわね。だいたい、これがラフィエルのだって証拠はどこにあるの?」
ラフィ「く、くうっ……!」
サターニャ「……何よ、いいところだったのに」
ラフィ「が、ガヴちゃん…」
ヴィーネ「……ま、この状況を楽しむのもいいかもしれないけど、まず私たちがすべきことは」
ヴィーネ「どうやったら元に戻るのかを考えることよ」
サターニャ「……ま、そうね」
ラフィ「そうですよね……天使なガヴちゃんも、やさぐれたヴィーネさんも素敵ですが…」
ガヴ「世界の歪みは直さなくてはなりません。天使は人々を正しい方向へ導く存在なんですから」
ガヴ「そ、そんなことないですよ!ヴィーネは私の部屋を掃除してくれたり、ご飯を作ってくれたり…それはもうっ、ずっとお世話になりっぱなしで…」
サターニャ「でもガヴリールだって駄天してた頃の感覚はないんでしょ?私だって、ラフィエルに弄られてた感覚なんて微塵もないわ」
ラフィ「そうですよね…記憶としてはあるのですが、私がサターニャさんを弄るなんて……そんな大それたこと……」
ヴィーネ「う、うわあキモいキモイやめてそこの2人!!ラフィエルはそんなこという子じゃないでしょ!?」
ヴィーネ「いつも不気味な愛想笑い浮かべて、背徳的なことやサディスティックなことに興奮する腹黒天使でしょ!?」
ガヴ「や、やめてくださいヴィーネ!ヴィーネはそんなことをいう子ではありません…!」
サターニャ「収拾つかないわよ…」
ラフィ「もう一度押せば戻るんですかね」
ヴィーネ「……試してみたけど、そのスイッチは使い捨てだったってオチだったでしょ」
ガヴ「これを購入したのはサターニャですよね?購入元に電話して、もう一つ売ってもらうわけには…?」
サターニャ「残念だけどそれは無理。試してみたけど突っぱねられた」
ヴィーネ「……入れ替わりのスイッチ売りつけて戻る手段ないとか普通に詐欺じゃないのそれ」
サターニャ「そんなもん買う方が悪いのよ」
ガヴ「買ったのサターニャですよね?」
ヴィーネ「人格入れ替わりにしちゃ、割と元人格も反映されているわよね」
ガヴ「サターニャさんの中二病とか、ヴィーネのイベント好きとかですか?」
サターニャ「中二病言うなっ!!…あと、ラフィエルは普通に成績優秀だしね」
ラフィ「ガヴちゃんは完全に昔の人格が復活したみたいな感じですね」
ヴィーネ「ガヴだけもはや口調から別人だものね」
ガヴ「前の私って、そんなに酷かったんですか…?」
サターニャ「ま、いいわよ。特にこの入れ替わりで生活に支障が出るわけでもなし」
サターニャ「いつものようにいきましょ」
ラフィ「そう…ですね。考えてもどうにもならないなら」
ヴィーネ「……じゃー、私は寝るね」
ガヴ「ヴィーネ!?宿題やってないから見せてくれとか言ってませんでした!?」
ヴィーネ「あー…宿題かぁ。ちっ、仕方ないわね。見せてくれる?ガヴ」
ガヴ「ダメです!教えてあげるから、一緒にやりましょう」
ヴィーネ「はいはーい…」
ガヴ「美味しいですね、ヴィーネ」
ヴィーネ「そうねー…」
ラフィ「ううっ……」
ガヴ「どうしたんですかラフィ?」
ラフィ「購買のパン全部売り切れてて…」
ヴィーネ「…それは災難ね」
サターニャ「そう。ラフィエル今日お昼ご飯ないの。可哀想ね」
ラフィ「元はといえばサターニャさんのせいじゃないですか!」
サターニャ「そう怒らないの……さすがに私も可哀想だとは思うから、私のご飯をわけてあげるわ」
ラフィ「えっ……?い、いいんですか?」
サターニャ「いいわよ」
ラフィ「やったぁ!」
サターニャ「さ、食べましょう。昨日魔界通販で買った……このロシアンルーレットメロンパンを!!」
ヴィーネ「ガヴー、卵焼き一つ分けて」
ガヴ「いいですよ、はい」
ヴィーネ「」モグモグ
ガヴ(かわいい)
ラフィ「ろ、ロシアンルーレットメロンパン…?」
サターニャ「ここに4つのメロンパンがあるわ。この中のうち2つは超激辛メロンパン……」
ラフィ「ちょ、超激辛っ……!」
サターニャ「ルールは簡単よ。交互にこのメロンパンを一つずつ食べていって、普通のメロンパンをより多く食べた方の勝ち」
ラフィ「……運勝負というわけですか」
サターニャ「そしてあなたが勝てば…このクリームパンを贈呈するわ」
ラフィ「!!」
サターニャ「どうする?受ける?」
ラフィ「……」
ラフィ「が、ガヴちゃん…」
サターニャ「…まさか逃げないわよね、ラフィエル?」
ラフィ「……!」
サターニャ「天使学校次席卒業…天界きっての名家、白羽家のエリート天使ともあろうあなたが…」
サターニャ「悪魔に勝負を挑まれ、それに背を向けるなんてこと…あるはずがないわよね?」
ラフィ「………っ!!」
ガヴ「ら、ラフィー?」
ラフィ「…大丈夫です、ガヴちゃん」
ラフィ「私は天使です。天使ならば、人々だけでなく、悪魔も導いて差し上げるべきです」
ラフィ「受けて立ちましょう、サターニャさん。私は必ずあなたを倒し…正義の道へ導いてみせる!!」
サターニャ「ふっ…よく言ったわね!」
ヴィーネ(なんだこれ……)
ラフィ(私は天使。神の加護を受けし者。運勝負で私が負けるはずがない)
ラフィ「先攻は貰いますよ!」ヒョイ
サターニャ「どうぞ」
ラフィ「」パクッ
ガヴ「………」ゴクリ
ヴィーネ「……」チラ
ラフィ「………」モグモグ
ラフィ「かりゃああああああああああああああああああああああああ!?」
サターニャ「……ぷっ」
ヴィーネ「くく……」
サターニャ「決まってるでしょ?それが激辛メロンパンよ…!」
サターニャ「ともあれ、これでラフィエルの勝利は消えたわね。あとはせいぜい引き分けを狙いなさい…」ヒョイ
サターニャ「……」モグモグ
サターニャ「うん、美味しい」
ラフィ「……っく!」
ガヴ「…ヴィーネ。そろそろ笑うのやめてくださいよ」
ヴィーネ「っ……!だ、だってっ……!あっ、あのラフィの顔っ……!ひぃっ……!」バンバン
ガヴ「一生懸命やっている人を笑ってはいけませんよ…」
サターニャ「どうしたの?残りは二つ。うち一つが激辛メロンパン」
サターニャ「早く選びなさいよ」
ラフィ「………」
ラフィ(……まだ舌にあの刺激が残ってます…)
ラフィ(ここで二択を正解しても、負けが引き分けになるだけ…)
ラフィ(……ですがっ)
ラフィ(天使として、負けるわけにはっ、いきません!!)
ラフィ「!」ヒョイ
サターニャ「……!」
ラフィ(お願い、神様…!)
ラフィ「いただきますっ!」パクッ
ーー
ー
ラフィ「えぐっ、ぐすっ」
ガヴ「はい、ラフィ。お水ですよ」
ラフィ「あっ、ありがとうっ、ございまひゅ…」
ヴィーネ「……結局、全部激辛だったんでしょ?」
サターニャ「あ、バレちゃった?」
ラフィ「!?」
ガヴ「え!?そうだったんですか!?」
ヴィーネ「…普通に考えればわかるじゃない。サターニャの味音痴はみんな知ってるでしょ?」
サターニャ「私、これくらい辛い方が好きなのよねー」モグモグ
ガヴ「…わかっててなんで止めなかったんですかヴィーネ」
ヴィーネ「だって面倒だし」
ガヴ「ですよね……今のヴィーネってそういう人ですよね……」
、よくも騙しましたね!」
サターニャ「ふっ、騙される方が悪いのよ。私は悪魔よ?悪魔の言うことを簡単に信じる方が愚かなのよ…」
ラフィ「……うぅっ、うう…!」
サターニャ「さーて、敗者には罰ゲームでもやってもらおうかしら?」
ラフィ「な……!」
サターニャ「そうね……負け犬は負け犬らしく、犬のマネでもやってもらおうかしら」
サターニャ「ほら、ラフィエル。私の足を舐めなさい…犬のように、跪いてね…」
ラフィ「だ、だれがっ……!」
サターニャ「ちゃんと足を舐められたら、クリームパンをあげるわ…」
ラフィ「………!!」
サターニャ「さぁ、どうする?ふふ、ラフィエル…天使としての尊厳を捨てるか、寝るまで激辛メロンパンの余韻に浸り続けるか…」
ラフィ「うううううっ……!」
ガヴ「……ヴィーネ、自販機へ行きましょう」
ヴィーネ「…そ、そうね。行きましょ…」
ガヴ「仕方ないですよ。缶ジュース業界も競走が激しい世界のようですし…」
ヴィーネ「悔い改めろ」スッ
ガヴ「!?ヴィ、ヴィーネ!捨てるなら全部飲んでからにしてください!」
ヴィーネ「えー…じゃあガヴが飲んでよー」
ガヴ「……っ!///」
ガヴ(ヴィ、ヴィーネとかかか間接…///)
ガヴ「しょ、しょうがないですねっ!勿体ないですし、私が飲みます!」
ガヴ「」ゴクゴク
ガヴ「なにこれまず」
ヴィーネ「でしょ?」
ガヴ「なんです?」
ヴィーネ「やっぱりその姿のときって…自分を抑えているの?」
ガヴ「自分を…ですか。そうですね」
ガヴ「皆さんの話を聞いて、私の本質が怠惰でぐーたらな、駄天使だったと教えられても…」
ガヴ「私はこの私が辛いと感じたことはありませんし、自分を押し殺しているように思ったこともないです」
ヴィーネ「……ふーん、そうなの」
ガヴ「きっとむしろ逆で…前の私は、自分を見失っていた状態じゃないんでしょうか」
ヴィーネ「自分を…?」
ガヴ「私はこの私に誇りを持っています。人々を導くことが私の使命であり、存在意義であると」
ガヴ「しかし、前の私はそれ以外の楽しみを見つけてしまう。そしてそんな自分に嫌気がさしてしまった」
ガヴ「…信じていた自分に裏切られて、どうしたらいいかわからなくなって」
ガヴ「それで、一度自分というものを滅茶苦茶に壊してしまいたくなった…」
ガヴ「…というのが、今の私の見解ですね」
ヴィーネ「……ふーん、そう」
ガヴ「今の私は、スイッチによって作られた、仮初の姿です。きっと、元に戻れば、この私は跡形もなく消えてしまうのでしょうが…」
ガヴ「それでも私は信じています。いつか私が、ちゃんと自分と向き合って、ちゃんと前を向いて歩けるようになる日を」
サターニャ「ほら、ラフィエル!カエルよカエル!!」
ラフィ「い、いやぁぁぁっ!?や、やめてくださいいいいいっ!?」
サターニャ「あははっ、逃げなくてもいいじゃない!!カエルさんもラフィエルと遊びたいって言ってるわよ!」
ラフィ「きゃあああああああっ!」
ヴィーネ「……やっぱり何回見ても慣れない光景よね」
ガヴ「……なんとなく、サターニャの闇が垣間見えた気がしますね」
ヴィーネ「あ、今日ガヴの家行っていい?」
ガヴ「いいですけど…どうして?」
ヴィーネ「……ガヴってお料理結構うまいわよねー」
ガヴ「そういうことですか。…いいですよ。ご馳走します」
ガヴ「ヴィーネも少しは手伝ってくださいよー」
ガヴ「私のパソコンばっかり弄ってないで…」
ヴィーネ「いいじゃない。前は私がアンタの面倒見てたんだし」
ガヴ「はぁ…まぁ、そうなんですけど」
ピンポーン
ガヴ「?誰でしょう…ヴィーネ、出てくれますか?」
ヴィーネ「えー」
ガヴ「私手が離せないんですよ。お願いします」
ヴィーネ「わかったわよー…」
タプリス(突然尋ねたら、天真先輩驚くかなっ)
タプリス(…まぁ、ゲームばっかりで私の相手なんてしてくれないでしょうけど)
タプリス(でもいいんですっ!漫画喫茶?とかいう、泊まる場所も確保しましたし)
タプリス(いざ、尋常に!)
ピンポーン
タプリス「……」
ガチャ
タプリス「あ、こんばんわ、タプリスで」
ヴィーネ(髪ボサボサ目つき悪い酷いクマやさぐれモード)「……どなたさま?」
タプリス「」
タプリス(……??え?誰ですかこれ??)
タプリス(どこからどう見ても月乃瀬先輩ですけど月乃瀬先輩じゃないですよねこれ)
タプリス(あっ、双子の妹さんかな!?)
タプリス「初めましてっ!ち、千咲=タプリス=シュガーペルと申しますっ!あの、お姉さんとは、仲良く」
ヴィーネ「私姉いないけど」
タプリス(………)
タプリス(あれれれれれ??)
ヴィーネ「とにかく上がれば?」
タプリス「は、はい」
ヴィーネ「あ、タプちゃん?混乱してるかもしれないけど、私は確かに月乃瀬=ヴィネット=エイプリルよ」
タプリス「え、えぇ!?何がどうして、そんなお姿に…!」
ヴィーネ「まー…話すとややこしいんだけど、サターニャの買ってきた怪しいスイッチを押したら、みんなの人格が入れ替わっちゃって…」
タプリス「ま、またあの悪魔さんですかぁっ!!ゆ、許せません……!」
ヴィーネ「そんなわけだから、暫く私はこんな感じよ。…なんかごめんね?」
タプリス「い、いえいえっ…。悪いのは全部胡桃沢先輩です!」
タプリス(なんてことでしょう…私がいない間に、そんな大変なことに…!)
タプリス(待っていてください月乃瀬先輩!必ずや、私が元のあなたたちに)
ガヴ「あ、タプリス来てたんですか?」キラキラキラキラ
タプリス「!!」ズキュウウウウウン
タプリス「てんま、せんぱい……?」
ガヴ「?タプリス…?」
タプリス「うわあああん!」ダキッ
ガヴ「ちょ!い、いきなり抱き着いてきて、どうしたんですかタプリス!」
タプリス「天真先輩がっ…!私の先輩が帰ってきたぁっ!」
タプリス「嬉しいですっ……!毎日お星様にお願いしていた甲斐がありましたっ…!」
ガヴ「……あー、なるほど」
ヴィーネ「……タプリス、ちょっと離れて」
タプリス「うううっ……!」
タプリス「つまり天真先輩も、スイッチの影響でそうなっているだけで…」
ガヴ「いずれ、元に戻ってしまうと思いますね。あはは……」
ヴィーネ「ガヴー、こっちはやっておくから、ご飯作ってきてよ」
ガヴ「はいはい、わかりました」
タプリス「……」
タプリス(……これは複雑な心境ですね)
ヴィーネ「ま、そんなわけだから。いちおー元に戻る方法も探してるけど…今んとこ目処は全くなし」カタカタ
ヴィーネ「私は別にこのままでもいいんだけどねー、めんどいし」カタカタ
タプリス(嗚呼…あの月乃瀬先輩が、私の目線に合わせて優しく学校のことを説明してくれた月乃瀬先輩が…)
タプリス(全く目を合わせようとせず、パソコンの中に見入っている…)
ガヴ「ふんふふ~ん♪」カチャカチャ
タプリス(片や、朝昼晩とジャンクフードで済ませるような食生活を送っていた天真先輩が)
タプリス(鼻歌を口ずさみながら、鍋をかき回している…)
ヴィーネ「待ってましたー」
タプリス「えっと、その…」
ガヴ「タプリスも食べていきますか?作り置きしようと思って、多めに作っておいたんです」
タプリス「あっ、ありがとうございます…」
タプリス(て、天真先輩のっ…天真先輩のお料理……!)
ヴィーネ「…うっわ、うま。何これ、私が作ってた時より美味しいじゃない」
ガヴ「そ、そんなことないですよ……。お料理なんて、ホント久しぶりで…」
タプリス「確か、人間の学校には、調理実習なるものがあると聞きますが…」
ガヴ「あの時は何もかも適当でしたからね」
ヴィーネ「そーそー。だから全部私一人で面倒見なくちゃならなくて大変だった…」
タプリス(違和感がすごい…)
ガヴ「ところで、どうしたんです?こんな時期に下界へ、なんて…」
タプリス「えへへ。天真先輩のお顔が見たくなって…降りてきちゃいました」
ヴィーネ「そんな気軽に降りれるの…?宿もないのに」
タプリス「最近では安く泊まれるところもありますよ!」
ガヴ「そうなんですか?」
タプリス「はいっ。漫画喫茶って知ってますか?私、今日はそこに泊まろうと思ってるんです」
ガヴ「………」
ヴィーネ「………」
ガヴ「…タプリス。今日はうちに泊まってください」
ヴィーネ「うん。…さすがに、それは」
タプリス「ええっ!?だ、だってあんなに安く泊まれるのに…」
ガヴ「泊まって、ください?」ニコッ
タプリス「……は、はひ」
タプリス(…天界でも、たまーに、こういう怖い先輩見たことありますね)
ヴィーネ「…さすがに私まで泊めてもらうわけにはいかないわね」
ガヴ「と、泊まる気だったんですか?///」
ヴィーネ「まーね。面倒くさいし」
ガヴ「……面倒くさい、ですか」
ガヴ「前のあなたにも、心の中では、そういう気持ちもあったんですかね」
ヴィーネ「ない人間なんていないわよ」
ガヴ「そうですか?」
ヴィーネ「なるべく面倒ごとは省いて生きたいのが人生でしょ。ま、世の中には進んで面倒ごとに首突っ込みたがる奴もいるけど」
ガヴ「ブーメラン刺さってますよ…」
ヴィーネ「…ガヴがそうやってネットスラング使えるように、前の私と今の私って、必ずしも≠ではないからね」
ヴィーネ「結局、堕落したガヴを見捨てて後からやきもきする方が面倒くさいって、前の私は判断してたんじゃないかしら」
ガヴ「………」
ヴィーネ「じゃあ、帰るわ。タプちゃんによろしく」
ガヴ「おやすみなさい、ヴィーネ」
ヴィーネ「おやすみ、ガヴ」
ガヴ「……………」
タプリス「すやすや……えへへぇ、てんましぇんぱいぃ……」
ガヴ「……タプリスがいる時点で、夢じゃねぇな、これ……」
ガヴ「……おー」
ヴィーネ「……お、おはよ。ガヴ」
ガヴ「………ヴィーネ、おはよう」
ヴィーネ「……どうしたの、その髪」
ガヴ「……いやね、私の髪って、一日でも手入れを抜くとこうなるんだ」
ヴィーネ「…そうなの」
ヴィーネ「そ、そうね」
ガヴ「正直、どこまで覚えてる…?」
ヴィーネ「………ぜんぶ」
ガヴ「だよなぁぁ……」ハァァァ
ヴィーネ「で、でもっ!昨日のは違うっていうか!あれは本当にスイッチの作り出したまやかしでっ!」
ヴィーネ「あれが私の本性とか…そんなことはないんだからね!?勘違いしないでね!?」
ガヴ「なんつーツンデレだよ…」
ヴィーネ「………」ハッ
ガヴ「どうした?ヴィーネ」
ヴィーネ「いや……昨日起こったことが、みんなの記憶に残っているとすると…」
ガヴ「……?」
サターニャ「ら、ラフィエルぅ…?ま、待って、まってよぉ……!怖いっ、怖いって…!」
ラフィ「怖い、ですか?何故でしょうね…私はサターニャさんに、感謝の気持ちを伝えたいだけなのに…」
サターニャ「き、昨日のことは悪かったわよぉ!わ、私だってっ……私だってあんなことしたかったわけじゃ…!」
ラフィ「?何を謝っているんですか?昨日はサターニャさんに可愛がっていただいて、とても楽しかったのに…」
サターニャ「怒ってないなら、早くその手錠しまいなさいよぉ!」
ラフィ「これは私なりの『お礼』なんです。可愛がっていただいた、お礼…」
サターニャ「ひ、ひいっ!?やっ、やだっ!だれかっ!だれかたすけてええええっ!!」
ヴィーネ「……助けないでいいの?」
ガヴ「やだよ。面倒くさい」
サターニャ「えぐっ、ぐすっ」
ヴィーネ「何したのよラフィ…」
ラフィ「ナニモシテマセンヨー?」
サターニャ「猫じゃらしは嫌だ……猫じゃらしは嫌だ……」
ガヴ「……ったく、あほらし」
ラフィ「ガヴちゃんのそのやさぐれ具合を見るに、本当にみんな戻ったんですね」
ヴィーネ「ガヴだけはそのままだったら良かったのに……」
ガヴ「やだよ、あんな気持ち悪い私。何が『それでも私は私を信じています』だよ。絶対戻ってなんかやるもんか」ペッ
ヴィーネ(もはや二重人格…)
ヴィーネ「そう?行ってらっしゃい」
ラフィ「戻ってから、ガヴちゃんだけ機嫌が悪いですね」
ヴィーネ「そう?…全然気付かないけど。いつもあんな感じじゃない?」
ラフィ「……んー。まぁ、ガヴちゃんの考えていることはよく分からないですし」
ヴィーネ「ふーん…」
ガヴ(何もかもスイッチによって作られたキャラでしかなくて、そこで起こったことは全て嘘に決まってる)
ガヴ(……だから、この気持ちも、そうだ)
ガヴ(嘘の時間で気付いた心なんて、そんなものはまやかしだ…)
ガヴ(『ヴィーネが好きだ』なんて、ありえないっ……!)
でも今までの話と全く関係のない話になるので建て直していいっすか?
どうぞ
これがスレタイです。
urlはNGで貼れませんでした…
元スレ
ガヴリール「ほら、ヴィーネ起きてください」ネ「……やーだー」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490585666/
ガヴリール「ほら、ヴィーネ起きてください」ネ「……やーだー」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490585666/
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コメント一覧 (12)
-
- 2017年03月27日 21:39
- やっぱりガブちゃんはキレイなのが最高だね!
-
- 2017年03月27日 21:41
- >ヴィーネ「……結局、全部激辛だったんでしょ?」
ヴィーネ「汚いぞサターニャ!甘いのなんてなかったんだ!卑怯なりサターニャ!」
ヴィーネ「あのねえ…私途中でわかっちゃった…全部激辛だって」(対決列島より)
-
- 2017年03月27日 22:16
- 入れ替わりネタ好き
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- 2017年03月27日 23:03
- 入れ替わりサターニャかっけえええ!
弟子になりたい
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- 2017年03月27日 23:28
- 控えめにいって最高
-
- 2017年03月28日 00:09
- ラフィエルかわいすぎひん?
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- 2017年03月28日 00:47
- サターニャの味音痴がラフィエルに移らないということは感覚のズレじゃなくて舌に何らかの神経障害がある可能性が微レ存…?
-
- 2017年03月28日 02:22
- やさぐれヴィーネいいね
ssはこういう「もしも○○だったら」みたいなのが面白い
-
- 2017年03月28日 07:16
- ※8 アレは身体障害のレベルだろ…
-
- 2017年03月28日 09:20
- 弱いラフィエル可愛い
-
- 2017年03月28日 15:59
- 入れ替わってる!?
ガヴの名は
特にポンコツラフィエルが新感覚