ガヴリール「下着がなくなった…」ラフィエル「サターニャさんに相談しましょう!」
- 2017年03月26日 03:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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サターニャ「どうしたの?騒々しいわね…」
ラフィ「事件です!ガヴちゃんの下着が盗まれました!」
サターニャ「……なんですって?詳しく聞かせなさい」
ラフィ「はいっ。詳しい話を聞くためにも、まずはガヴちゃんのところへ行きましょう」
サターニャ「了解したわ!」
ヴィーネ「ガヴ、大丈夫?」サスサス
ガヴ「うう……怖い、怖いよぉ……」ガクガク
サターニャ「待たせたわね。事件のことについて、私に話してくれない?」
ガヴ「サターニャ……ああ、わかった」
ガヴ「今朝、私が着替えようと思ってタンスを開けたら…一枚を除いて、下着が根こそぎ無くなってたんだ」
ガヴ「昨日の朝見た時には確かにあった。だから、昨日私が学校に行っている間か、私がコンビニへ行っている間に、誰かが私の家に忍び込んだのは間違いないはずなんだ……」
ガヴ「だが、私はちゃんと鍵は掛けていたし、ピッキングされたような跡もなかった。勿論、神速通で家の中に入ることはできない。禁止じゃなくて、不可能の意味でな。天界にはそういう法律があるんだ」
サターニャ「なるほど……つまり、現場は完全な密室だったというわけね!?」
ガヴ「……ああ、そういうことだ」
サターニャ「……ふふっ、不可能犯罪という奴ね…面白いじゃない!」
サターニャ「安心しなさいガヴリール!この胡桃沢=サタニキア=マクドウェルが、必ずこの難事件の真犯人を見つけてやるわ!」
タプリス「白羽先輩!月乃瀬先輩の鞄から大量のおぱんつが!!」バターン!!
サターニャ「」
ヴィーネ「」
タプリス「これが証拠の鞄です」
ガヴ「……ホントだ、これ全部私のやつ」
ガヴ「……おい、ヴィーネ」ヒキッ
ヴィーネ「違うわ、これは何かの罠よ!!」
ヴィーネ「そうだ、仮に私が犯人だとして、現場の密室はどう説明するつもり!?」
タプリス「いや、月乃瀬先輩合鍵持ってるじゃないですか」
ヴィーネ「………」
ガヴ「わ、私に近寄るなああっ!!」
ヴィーネ「ああっ!違うの、違うのよガヴ!」
ガヴ「……ぅぅぅ……」プルプル
ヴィーネ「う、うぅ……でも」
タプリス「ここまで決定的な証拠が揃ってるんです。今更言い逃れは出来ませんよ」
ヴィーネ「く、うぅ……!」
サターニャ「…果たして本当にそうかしら?」
ラフィ「……!?」
タプリス「…胡桃沢先輩?」
サターニャ「本当に真犯人はヴィネットなのかしら?」
ラフィ「何を言っているんですか、この状況、誰がどう見ても……」
サターニャ「いえ……まだ決めつけるのは早計よ」
タプリス「どうしてですか?ここまで証拠が出揃っていて…」
サターニャ「だって、終わっちゃうじゃない」
タプリス「は?」
サターニャ「ここでヴィネットが犯人ということになれば…この事件、終わっちゃうじゃない」
タプリス「……??」
サターニャ「そんなことはさせないわ」
サターニャ「この簡単な事件……」
サターニャ「私が33分持たせてやる!!」
マスター「その名も、33分探偵胡桃沢=サタニキア=マクドウェル」
マスター「次々と繰り出される推理にガンガン増える一方の容疑者」
マスター「その果てに真犯人は見つかるのか見つからないのか」
マスター「ただ今5分です」
サターニャ「…さて、まずはヴィネット、ラフィエル、タプリスの、昨日のアリバイを聞いておこうかしら」
ラフィ「…わかりました。ではまず私から」
タプリス「え、乗るんですか、白羽先輩」
ラフィ「まぁ、暇ですし…」
タプリス「えぇ…」
ラフィ「私は昨日、学校から帰った後はずっと家に居ましたよ。それを証明する手立てはありませんが……」
サターニャ「家で何をしていたの?」
ラフィ「日課のヨガを少々……その他は、勉強して、お風呂に入って、ご飯を食べて、寝てましたね」
タプリス「すごく健康的な生活ですね」
サターニャ「……ふむ、ヴィネットは?」
ヴィーネ「私もラフィエルと似たような感じ。六時頃に、買い物をしに出掛けたけど…」
ガヴ「…そういえば、私がコンビニへ行ったのも、それくらいの時間だったな」
ヴィーネ「………」
ガヴ「………」
ヴィーネ「結構ディープなところまで調べてるのね…」
サターニャ「……なるほど」
サターニャ「最後にガヴリール」
ガヴ「……なんだ?」
サターニャ「何でもいいの。…最近おかしなことがあなたの身の回りで起こらなかった?」
ガヴ「……おかしなこと?そうだな…そういえば、ここ最近、ずっと誰かにみられていたような気がした…気のせいだと思って放置していたが、もしかすると……」
サターニャ「その視線は…今も?」
ガヴ「いや、最近になってめっきり無くなったんだ。だから、今まで忘れてた…」
サターニャ「……ふふ、なるほどね」
ラフィ「何かわかったんですか?」
サターニャ「ねぇ、タプリス。あなたはガヴリールとは、天使学校の頃からの付き合いなのよね」
タプリス「え?えぇ…そうですけど」
サターニャ「天界にいた頃のガヴリールは、まさに天使と形容するに相応しい、品行方正な女の子だったのは聞いているわ」
サターニャ「天使として、優等生を演じるガヴリールは、後輩にもそれは優しく指導をしていたでしょうね」
タプリス「……何を言いたいんですか」
サターニャ「そんなガヴリールにタプリスは……密かに恋慕を募っていた。そうでしょう?」
タプリス「!?」
ラフィ「ほうほうっ」
ガヴ「………」
サターニャ「下界に降りたあなたは、ガヴリールの今の姿を見て驚愕したはずよ」
サターニャ「大好きな憧れの先輩が、天界の頃の姿は見る影もない、ただのネトゲ廃人と化していたんですから…」
ラフィ「それはガヴちゃんを慕っていたタプちゃんからすれば、衝撃的だったでしょうね」
サターニャ「そこであなたは考えたのよ。どうやったら元のガヴリールに戻るのか、そもそもガヴリールが駄天した原因はなんなのか」
サターニャ「そうして辿り着いた答えが……ヴィネットだった」
ヴィーネ「え、私!?」
ラフィ「ヴィーネさんが?」
サターニャ「気ままに自堕落な生活を続けるガヴリール、それをせっせと世話するヴィネット…これを見たあなたは、駄天の原因はヴィネットにあると考えた」
ガヴ「確かに、そう思ってしまってもおかしくないかもな…」
サターニャ「そして、大好きな先輩を堕落させ、自分から奪っていったヴィネットを…あなたは心底、恨み、憎んだ」
タプリス「そんなことっ……!」
サターニャ「いつしかその憎しみは爆発し、あなたは、神から授かった天使の力を利用して、ヴィネットとガヴリールの仲を引き裂こうとした」
ヴィーネ「……!」
タプリス「小学生ですか」
サターニャ「ガヴリールがいい感じにイラついてきたところで、『ヴィネット参上』の貼り紙を残し去る…これを何日も繰り返した」
ラフィ「なんて卑劣な…」
タプリス「先輩の中での私は何なんですか…」
サターニャ「しかし効果は全く無く、ガヴリールとヴィネットの距離は縮まるばかり…」
サターニャ「やきもきしたあなたは、今回の計画を思いついたのよ」
ヴィーネ「計画…?」
サターニャ「ガヴリールのパンツを盗み、それをヴィネットの鞄の中に入れてヴィネットに罪を擦り付け……ガヴリールとヴィネットを絶交させるという…悪魔的計画をね」
ラフィ「……なんて卑劣な!」
タプリス「ま、待ってくださいよ!!」
タプリス「馬鹿なことを言うのはやめてください!!私は天真先輩のおぱんつなんて盗んでいません!!」
ラフィ「口ではみんなそういうんです。…タプちゃん、そうなんですか?」
タプリス「違いますよ!そもそも私は天真先輩の家に入ることができないんですよ!?ピッキングをした跡もないようですし、どうやって天真先輩の家に侵入したっていうんですか!?」
サターニャ「その謎についても……もう解けているわ」
タプリス「……!?」
ガヴ「どういうことだよ。…鍵を持っていないタプリスが、どうやって私の家の鍵を開けたっていうんだ」
サターニャ「鍵を開ける必要なんて無かったのよ」
ラフィ「?…どういうことですか?」
サターニャ「それは今から説明するわ。タプリスの犯行を頭から振り返ることでね…!」
サターニャ「ガヴリールのパンツを盗み、その罪をヴィネットに被せる…この計画を思いついたあなたは、早速その下準備に入った」
タプリス「下準備…?」
サターニャ「まず、ガヴリールが下校したのを見計らって、あなたはガヴリールの後をつけ始めた」
ガヴ「あの視線は、タプリスのものだったのか?」
ヴィーネ「しかし一体何のために…?」
サターニャ「あなたは何日も何日もガヴリールのストーキングを続けた」
サターニャ「雨が降っても風が吹いても、地震が起きても槍が降っても、犬に邪魔をされても見たいテレビ番組が始まっても、一日たりとも欠かさずガヴリールをつけた」
ラフィ「なんという執念…!」
サターニャ「その必死のストーキングが実を結び…次第にガヴリールは『視線を感じるのが当たり前』と感じるようになった」
サターニャ「その状況がまた何日も続き…ついに、ガヴリールは視線が全く気にならなくなったのよ」
ガヴ「そんなことってあるのか…?」
タプリス「何となく!?」
サターニャ「最初は50m前後だった2人の距離を、30m、10mと…徐々に徐々に詰めていく」
サターニャ「しかし、視線に慣らされたガヴリールは気付かない」
ガヴ「なんで気付かないんだ?」
サターニャ「あなたはまた何日も何日もかけて、ガヴリールとの距離をじわりじわりと詰めていく…そしてついに、あなたはガヴリールのすぐ背後に立つことに成功する」
サターニャ「しかしガヴリールは気付かない!」
ガヴ「いや気付くだろ!」
サターニャ「この日のために、あなたはガヴリールの歩く速さ、足を出すタイミング、全てを調べあげ、分析し、把握していた」
サターニャ「ガヴリールの背中にぴったりとよりそい、ガヴリールと全く同じ動きをすることで、ガヴリールに気付かれることなく、ガヴリールのすぐ背後を歩くことが出来たのよ!」
サターニャ「そう……あなたが練習していたという、パントマイムを使ってね!!」
タプリス「はぁ!?」
ヴィーネ「なるほど、パントマイム…!」
サターニャ「そうしてまんまとガヴリールの背後を取ることに成功したあなたは、ガヴリールが家を入り、ガヴリールが後ろ手でドアを閉める直前に家に滑り込む」
サターニャ「その後は、ガヴリールが眠りにつくまでガヴリールの家に潜伏していればいいだけ」
サターニャ「こうして、あなたは絶対不可侵の密室を、難なく突破したのよ!」
ヴィーネ「タプちゃん、そんな気の遠くなるようなトリックを使ってまで、ガヴを…」
タプリス「ちっ、違いますよ!私はやってません!」
ガヴ「……さすがに、今の推理は無理がありすぎるんじゃないか……」
タプリス「そうですよ!それに、私が月乃瀬先輩に罪を擦り付けるだなんて…そんなこと絶対ありません!」
サターニャ「どうしてそう言い切れるの?」
タプリス「私は……下界に来てすぐの頃、月乃瀬先輩に学校を案内してもらいました」
タプリス「初めての下界で緊張する私を、不安になっている私を、月乃瀬先輩は優しくエスコートしてくれました」
タプリス「そう、まるで昔の天真先輩のように…」
ヴィーネ「………」
ガヴ「………」
タプリス「…だから、私が月乃瀬先輩を憎むなんてことは絶対にありません!そもそも天真先輩の堕落の根源はネットゲームです!」
タプリス「正直、まだ……月乃瀬先輩が、天真先輩のおぱんつを盗んだなんてことも、信じられないくらいなんですよ……」
ヴィーネ「タプちゃん…」
サターニャ「………」
ラフィ「…これは、少し考え直しが必要じゃないですかね?」
サターニャ「……そうね」
サターニャ「ということなの。知っていることがあったら教えてくれない?」
まち子「またうちのクラスは面倒事を……」ゲンナリ
田中「まぁまぁ委員長。ジュースでも飲んで落ち着きなよ」スリスリ
上野「で、私たちは何を話せばいいの?正直私たちは天真さんのパンツなんて知らないし…」
サターニャ「最近ガヴリールやヴィネット…彼女たちに、何か変わったところはなかったかしら?」
田中「んー、変わったことかー」
上野「変わったといえば白羽さんかなー」
サターニャ「ラフィエルが?」
上野「うん。なんか、最近白羽さんが元気ないような気がして…」
上野「ちょうど胡桃沢さんが犬を飼い始めた辺りだったかなー…」
サターニャ「……ありがとう、協力感謝するわ」
サターニャ「ええ、はっきりとわかったわ…真犯人の正体がね」
ヴィーネ「ほ、ほんとう?」
タプリス「…誰なんですか?」
サターニャ「……真犯人は」
ラフィ「わくわく」
サターニャ「ラフィエル。あなたよ」
ラフィ「え?」
ガヴ「ら、ラフィが?」
サターニャ「私が犬を飼うことになって、私に構ってもらえなくなったラフィエルは、私が犬を飼えることになったきっかけでもある、ガヴリールを酷く恨んだ」
ラフィ「私はまだまだサターニャさんで楽しんでますが…」
ガヴ「なんで私だけ…?」
サターニャ「私に構ってもらえなくなったことで、体内のサタニキウムが枯渇し始めたラフィエルは、徐々に禁断症状が出始める…」
タプリス「サタニキウム…?」
サターニャ「禁断症状に耐えられなくなったラフィエルは、遂に、ガヴリールへの復讐心が抑えきれなくなり、この計画を思いついてしまう」
ラフィ「先にサタニキウムを補充した方がいいのでは…?」
サターニャ「結果としては大成功ね、ガヴリールはかなりの精神的ダメージを負い、その姿を見ることであなたの心は無事満たされた」
ガヴ「ただのクソ野郎じゃねぇか」
タプリス「…それで、どうやって白羽先輩は天真先輩の家に侵入したというんです?」
サターニャ「そう。ラフィエルにとっても、そこが大きな課題だった」
サターニャ「そこで、ラフィエルは発想を逆転させたのよ」
ヴィーネ「…?」
サターニャ「玄関がダメなら、ベランダから入ればいいじゃない、とね!」
タプリス「ベランダ!?」
ラフィ「無理ですよ~。ガヴちゃんの家は2階にあります。ベランダから入ろうとしても、さすがにあの高さでは…」
サターニャ「それも、あなたの仕掛けたトリックを使えば可能よ」
ラフィ「……?」
サターニャ「計画の実行を決意したあなたは、『家に遊びに行ってもいいか』と、ガヴリールの家を尋ねる」
サターニャ「ガヴリールとラフィエルは天界にいた頃からの友だち…ガヴリールがそれを拒む理由は、当然ない」
サターニャ「そうしてまんまとガヴリールの家に上がり込んだあなたは、計画実行のための下準備を開始した」
タプリス「下準備…ですか?」
ラフィ「あらあら。何をしたと言うんですか?」
サターニャ「ガヴリールとある程度歓談したあなたは、『外の空気が吸いたいからベランダを貸してくれないか』と、さりげなくベランダに出た」
サターニャ「ベランダに出たあなたは、懐に忍ばせていたロープを手すりに括りつけ、それを下に垂らす」
タプリス「そんな長さのロープをどこに隠し持つと言うんですか…?」
サターニャ「ロープを垂らし終えたあなたは、何食わぬ顔で部屋へと戻り、そのまま家に帰る」
ラフィ「ちょっと待ってください、人の家のベランダからロープが垂れていたら…さすがに誰かが不審に思うはずですよ?」
サターニャ「そう。計画の実行はガヴリールが家を開けている時にしか出来ない。だから、あなたはどうしても、垂らしたロープをそのままにしておく必要があった」
サターニャ「けれど、そのままじゃ通行人に見つかってしまう…」
サターニャ「…それが普通のロープならね」
タプリス「どういうことですか…?」
サターニャ「ただのロープなら不審がられてしまう…そのことに気付いたラフィエルは、ガヴリールの家にロープを仕掛ける前に、ロープに煌びやかな装飾を施した」
ラフィ「装飾って…私にそんな技術はありませんよ~」
サターニャ「なら、あなたはその装飾を何者かに依頼した。天界で培ったコネクションを使うことでね」
サターニャ「東京芸大出身の何者かによる監修のもと作られたそれは…見る者全ての目を奪うほど美しいものに仕上がった」
タプリス「なぜに東京芸大」
サターニャ「あなたがそのロープをガヴリールの部屋から垂らした後…そのロープの元には、たくさんの見物客がやって来た」
サターニャ「しかし、芸術に全く関心のないガヴリールだけはそれに気付かない」
ガヴ「私の目はどれだけ節穴なんだ?」
サターニャ「始めは急に現れたロープを不審に思う人もいたでしょうけれど……あまりにも完成度の高いその煌びやかなロープは瞬く間に観光名所となる」
サターニャ「連日連夜写真を撮る人で溢れ返り、さらにはめざ〇しテレビで紹介され、不審に思ってい街の住人達も、次第にそれを受け入れていった」
ヴィーネ「めざま〇テレビで紹介されちゃあ、仕方ないわね」
サターニャ「しかし部屋でネトゲ三昧のガヴリールは、その騒ぎに全く気付かない…!」
ガヴ「お前私のこと馬鹿にしてるだろ」
サターニャ「そうして街全体を欺く壮大なトリックを仕掛け終えたあなたは、ついに計画を実行に移す…!」
タプリス「…それ、神足通使う意味あるんですか?」
サターニャ「その後は、持ち前の運動神経を使い、垂らしたロープを登り棒の要領で登るだけ」
ガヴ「施した装飾ぼろっぼろになるだろそれ」
ラフィ「そもそも観光名所になるほど装飾でデコレーションされたロープを登れるのでしょうか…」
サターニャ「ベランダに着いたら後は簡単よ。ベランダの扉を開け部屋に侵入し、ガヴリールのパンツを盗んでリュックサックに詰める」
サターニャ「ガヴリールを起こさないように再びベランダに出て、ロープを使い脱出」
サターニャ「その後なんやかんやで手すりに結びつけてあったロープを回収して、その場を去れば…完全犯罪の成立よ!」
タプリス「いや、なんやかんやってなんですか!?」
ガヴ「そこ一番重要なところだろ!」
サターニャ「なんやかんやは…」
ラフィ「……っ!」
タプリス「……!?」
ガヴ「………?」
ヴィーネ「………」ゴクリ
サターニャ「なんやかんやよ!!」
ラフィ「………」
ガヴ「……」
タプリス「……」
ヴィーネ「はぁ……」
サターニャ「何よぉ!私はアンタのためを思ってこうやって…!」
ガヴ「つーかベランダにも鍵はあるんだよ」
サターニャ「え?」
ラフィ「そもそも私、タコパ以来ガヴちゃんの家にはお邪魔してません」
サターニャ「」
タプリス「私め〇ましテレビ毎日見てますけど、そんなものが取り上げられたこと一度なかったです」
サターニャ「」
ラフィ「考え直してくれませんか?」
サターニャ「むぎぎぎ……」
ヴィーネ「え!?」
サターニャ「マジで?」
ガヴ「なんでお前が驚いてんだよ…」
ラフィ「はい……サターニャさんが犬を飼うようになってから、サターニャさんのお宅へ侵入しようとすると毎回あの犬に邪魔をされて…」
サターニャ「…ちょっと何やってんのアンタ!?」
ラフィ「元気がなかったのはそういう理由です。ご心配をおかけして申し訳ありません…」
サターニャ「このっ!少しは悪びれなさいよぉ!?」
タプリス「あはは……」
タプリス(パンツ盗難くらい既にやってそうなんですけどこの人…)
サターニャ(おかしいわ……私の推理は完璧だったはずなのに)
サターニャ(もう一度、もう一度考えるのよ胡桃沢=サタニキア=マクドウェル…)
サターニャ(ヴィネットの鞄の中に入ってた下着……施錠されていたガヴリールの部屋……合鍵を持つヴィネット……)
サターニャ(それら全てを合わせて考えてみれば……自ずと答えは見えてくるはずよ……)
ガヴ「あ、水四つお願いします」
マスター「み、みずぅ!?……うぅん、か、かしこましました…」
ガヴ「……で、今度はなんだ、サターニャ」
タプリス「私も下界の勉強で忙しいんです。手短にお願いできますか」
サターニャ「……真犯人がわかったわ」
ラフィ「……ほう」
ヴィーネ「…ほんとう?」
サターニャ「ええ。今度こそ、本当よ」
タプリス「!?ご、ごほっ、ごほっ!」
ガヴ「何やってんだお前ら…」
サターニャ「その時あなたは、『羨ましい』と叫んだ」
ヴィーネ「た、タプリス…」ヒキッ
タプリス「ち、違いますよ!あれはっ、ちょっとした言葉の綾というか…」
サターニャ「あなた、ガヴリールのことを、憧れの対象だけじゃなく…そういう目でも見ていたんじゃない?」
タプリス「え、えっ……///」
ラフィ「なるほど……久々にガヴちゃんに会えたタプちゃんは、その劣情が抑えきれなくなり、今回の犯行に及んだと…決まりですね」
サターニャ「だけどタプリスは犯人じゃない!」
ラフィ「……!」ビクッ
サターニャ「下着を堪能する目的で盗んだのなら、盗んだその次の日にヴィネットの鞄の中に入れたりなんてしないはずよ」
ラフィ「そうですよね。ごめんなさい、タプちゃん」
タプリス「あ、いえ」
サターニャ「……この事件、よく考えたら、動機が非常に不可解なのよ」
サターニャ「ガヴリールのパンツを盗みヴィネットに罪を被せる…こういう目的なら、もっと楽にヴィネットを貶める方法はあったはず」
サターニャ「ならば、単純にガヴリールのパンツが目的だった?…だとすると、わざわざ盗んだパンツを、ヴィネットの鞄に入れる意味が無い」
サターニャ「……けれど、ある人物が犯人なら、その矛盾は容易に解消するわ」
ラフィ「……その、人物とは……?」
サターニャ「……」スッ
ヴィーネ「………!」ビクッ
サターニャ「犯人はあなたよ、ヴィネット」
ラフィ「………」
サターニャ「………」
ガヴ「………」
ヴィーネ「……ええ、そうよ」
ヴィーネ「……私が、やりました」
ラフィ「……」
タプリス「………」
サターニャ「………」
ガヴ「……うん」
ガヴ「………みーんな、知ってた」
ーーー
ーー
ヴィーネ「私は『ガヴニウム依存症』なの」
ガヴ「すまん、いきなりなんだお前」
ヴィーネ「ガヴの臭いを感じていないと生きていけないの…今までも定期的に、ガヴの私物で色々発散してたわ…」
タプリス「うわぁ……」
ヴィーネ「…でも!こんなことはいけないことだって、私にもわかってた…!だから、治そうと努力したのよ…!」
サターニャ「…もしかして、ガヴリールが感じていた視線っていうのは…」
ヴィーネ「……私でしょうね。でも、ちゃんとストーキングもやめたわ。ガヴの部屋に侵入することも我慢したし、ガヴに体液入りの料理を食べさせるのも、ぐっと堪えた…!」
ガヴ「聞きたくなかったそんな話…」
ヴィーネ「けれど……私の『ガヴニウム依存症』はあまりにも深刻で」
ラフィ「そして……今回、このような凶行に走ってしまったと…?」
ヴィーネ「……」コクリ
ガヴ「……無意識だったってのか」
ヴィーネ「ごめんなさい、ガヴ。私は許されないことをしたわ」
ヴィーネ「……絶交されても仕方ないわね、こうなる前になんとかしようって、思ってたんだけどなぁ……」ボロボロ
タプリス「つ、月乃瀬先輩……」
ガヴ「……泣かないでくれ、ヴィーネ」
ヴィーネ「……っ、が、ガヴ?」
ガヴ「……まぁ、正直今私はお前にドン引きしてるし、これまでされてきたこともきっと許しちゃいけないんだと思う」
ガヴ「でも、お前はそんな自分を変えようとしていたんだよな」
ヴィーネ「……っ、ぅ、うんっ…」グスグス
ガヴ「……だったら、いいよ。私はお前を許さないけど…これまで通り、友達でいてくれ」
ヴィーネ「………っ!!」
ヴィーネ「がっ、ガヴ~~っ!!」ウワァァン
ガヴ「……よしよし、辛かったな」ナデナデ
サターニャ(ガヴとヴィーネは、これからヴィーネの『ガヴニウム依存症』の治療にあたるそうだ)
ラフィ「なんとか33分持たせられましたね、サターニャさんっ」
サターニャ「そうね」
ラフィ「それにしても、33分持たせるために、私まで疑わなくてもいいじゃないですか…」
サターニャ「それだけじゃないわよ」
ラフィ「?と言いますと?」
サターニャ「ヴィネットは、ガヴリールが駄天する前からの親友で、駄天してからも決してガヴを見捨てず、必死にお世話を焼いてきた…」
サターニャ「そんなヴィネットが、その親友の私物を盗んで、穢そうとする変態になってしまったなんて……認めたくないじゃない」
ラフィ「……サターニャさん」
サターニャ「!?ちょ、ちょっと!何頬すりしてるのよ気持ち悪い!」
ラフィ「サタニキウムの補充ですー」
サターニャ「や、やめっ!あれただの冗談だから!そんなものないから!」
ラフィ「えー?ありますよう……」スリスリ
サターニャ「…あー、もう、いいわ」
サターニャ「33分私に付き合ってくれたこともあるし、好きにすればいいじゃない!」
ラフィ「さすがは大悪魔サターニャさんです♪」
タプリス「てっ、天真先輩っ!!」
ガヴ「どうしたタプリス」
ヴィーネ「何か用かしら?」スリスリ
タプリス「く、くうっ…!月乃瀬先輩ばかり天真先輩とスキンシップ取ってずるいです!」
ガヴ「仕方ないだろ……定期的にこうしないと禁断症状出ちゃうみたいだからさ…」
ヴィーネ「最近ちょっとずつ収まってるんだけどね」スリスリ
タプリス「じゃ、じゃあ私も!私も『ガヴニウム依存症』なのでっ!」ダキツキッ
ガヴ「あっ、おまっ、お前まで来るなっ!」ギュウギュウ
ヴィーネ「たっ、タプちゃん!あぶな」
タプリス「」ピタッ
ヴィーネ「」ピタッ
サターニャ「んなーっはっはっは!おはようみんな!」
サターニャ「…って、何やってんのよアンタたち、そんなよくわからないポーズで固まって」
サターニャ「……もしもーし?」
ラフィ「終わりですっ!!」テーーーーーンッ!!!
知らない人はTSUTAYAでビデオ借りてきて一気見してみるといいかも
元スレ
ガヴリール「下着がなくなった…」ラフィエル「サターニャさんに相談しましょう!」
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1490456146/
ガヴリール「下着がなくなった…」ラフィエル「サターニャさんに相談しましょう!」
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1490456146/
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コメント一覧 (9)
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- 2017年03月26日 04:21
- 最近は推理系が流行ってんの?
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- 2017年03月26日 06:27
- なんて悲しい事件なんだ
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- タイトルだけで犯人が分かる不具合
変態クソレズヴィネカスと大天使ヴィネットは別人
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- 2017年03月26日 07:35
- ヴィーカスひどすぎガヴリールはもっと拒絶しろよ
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- 2017年03月26日 10:53
- ラフィ「無理ッ!」
サーバル「ジャパリパ〜ク♪」
があればより33分探偵ぽくなるかもしれない。
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- 2017年03月26日 14:12
- 本当に廻り道だった
本当に本当に
なんて遠い廻り道…
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- 2017年03月26日 14:21
- 堂本剛またこれやる余裕はあるんだろうか
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- 2017年03月26日 15:23
- ピッタリ33レスで草
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- 2017年03月27日 04:28
- このSSの推理タイムは何故か逆転裁判のシャーロックホームズを連想するな‥‥。
あのキャラに近い雰囲気を感じた