サターニャ「悪魔的遊戯-デビルズゲーム-を始めるわよ!!」
- 2017年03月24日 03:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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ガヴ「お前らもサターニャに集められたのか?」
ヴィーネ「ええ…家に招待状が届いてて」
ラフィ「うふふ…さて、これからどんな面白いことが始まるのでしょうかっ!」
タプリス「胡桃沢先輩はまだ来てませんね」
ガヴ「呼び出したやつが遅刻っていい度胸してんな」
ヴィーネ「まあまあ、サターニャだし…」
『待たせたわね!!』
ラフィ「あ、あのモニターからです!」
サターニャ『ククク……逃げずに全員集まったようね!』
ガヴ「おい、そういうのいいからさっさと用件を言え」
サターニャ『焦らない焦らない。まずは廊下の一番玄関側の部屋に入ってもらえるかしら!』
ヴィーネ「?…まぁ、いいけど」
タプリス「そこに行けばいいんですね?」
ラフィ「うふふ…それにしても、どうしてサターニャさんはモニターで指示を出すんですか?私たちと一緒にお話しましょうよ」
サターニャ『その理由は後でわかるわ!今は足を動かしなさい!』
ヴィーネ(…殺風景な部屋ね)
ガヴ「おい、サターニャ。全員部屋に入ったぞ」
タプリス「胡桃沢先輩って結構大きな家に住んでるんですね…」
サターニャ『ご苦労さま!』
タプリス「わっ、ここにもモニターが!?」
ラフィ「いい加減説明してくれませんか?あなたはどんな愉快な…面白いことを企んでいるんですか?」
サターニャ『言い直せてないわよっ!』
サターニャ『ふふふ…聞いて驚き、喚き叫びなさい!』
サターニャ『これからあなたたちには、私の考えた悪魔的遊戯-デビルズゲーム-をやってもらうわ!』
ガヴ「はいかいさーん」
ガヴ「さすがに付き合ってられっかっての…」
タプリス「そうですよね…胡桃沢先輩が考えたゲームなんて、ロクなものじゃなさそうですし…」
ヴィーネ「そこはかとなく危険な香りがするし…」
サターニャ『別にいいじゃない!ちょっとくらい付き合ってくれてもぉ!』
ラフィ「そうですよ皆さん!サターニャさんの作ったゲームですよ!?絶対にププッ……面白くなるにっ……プクッ…決まって、ますっ…」
サターニャ『そこ笑ってんじゃないわよ!』
ガヴ「って、開かねえ!?」
サターニャ『んなーっはっはっは!残念だったわね!その部屋はオートロックよ!』
ヴィーネ「なんでそういうことにお金使っちゃうかなーサターニャは…」
タプリス「では、神速通を使いますか」
ガヴ「そうだな。ヴィーネ、私の手を握ってろよ」
サターニャ『わーっ、わーっ!待ってよ!』
サターニャ『私がこのゲームを準備するのにどれだけ時間かかったと思ってるのよ!』
タプリス「知りませんよ…」
ヴィーネ「…うーん、そう思ったら、少し可哀想よね…」
ラフィ「そうですよ皆さん。危なくなったら逃げればいいんですし、ちょっとだけでも、付き合ってあげましょう」
サターニャ『ら、ラフィ…』ウルウル
タプリス「天真先輩がそういうなら…」
ヴィーネ「じゃあ早く説明してよ。デビルズゲームってなんなの?」
サターニャ『!ふふっ、んなーっはっはっは!よくぞ聞いてくれたわね!』
サターニャ『まずはそこの引き出しの二段目を開けなさい!!』
ラフィ「ここですか?」ガラッ
ラフィ「……え?」
[鉈] [薬瓶] [縄]
[スタンガン] [高圧水洗機]
[ハンマー] [手錠] [スマブラ] etc バラバラ
ガヴ「……は、?」
ヴィーネ「な、なに、これ」
タプリス「……??……???」
ラフィ「…さ、サターニャ、さん?」
サターニャ『…これからアンタたちには』
サターニャ『コロシアイをしてもらうわ!』
大それたストーリーも設定もないです
サターニャ『ルールは至ってシンプル。この部屋から脱出できた人が勝ち。ただし、部屋から脱出できるのは一人だけ』
サターニャ『部屋から脱出する条件は、最後まで生き残ること、これだけよ』
ヴィーネ「…何を、言ってるの、サターニャ」
サターニャ『あ、安心して?さすがに武器を渡してよ~いドン!だけじゃコロシアイなんて始まらないだろうし、ちゃんとコロシアイを盛り上げるミニゲームは用意してるわ!』
タプリス「……??……ぇ、ぅ??」
サターニャ『じゃ、最初のミニゲームが始まるまで、待機しててね!あ、別にその武器でコロシアイを始めてくれても構わないわよ!』
ラフィ「あなたはサターニャさんじゃない…本物のサターニャさんを、どこに?」
サターニャ『?何を言ってるのかしら…?』
♪サターニャのテーマ
サターニャ『私の名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル…!』
サターニャ『全ての魔界を統べる者よ!』ババーーン!!
ラフィ「……違います。サターニャさんは、サターニャさんはっ!」
ラフィ「!」
ガヴ「さっさと逃げるぞ……神速通だ!」
ラフィ「は、はいっ、そうですね。…タプちゃん、行けますか?」
タプリス「……ぁ、ぁ、」
ガヴ「無理そうだな…私はヴィーネを連れていく。ラフィはタプリスを頼む!」
ヴィーネ「!…お願い、ガヴ」ギュッ
ラフィ「わかりましたっ」
『ガヴお姉ちゃん、助けて!!!』
ガヴ「………っ、!?」
ガヴ「は、はに、エル……?」
ラフィ「……これは、どういう」
サターニャ『あ、見た?じゃあ次』
ヴィーネ母『ここから出してください!こんなことをして…ただで済むとでも思ってるんですか?』
ヴィーネ「お、お母さん!?お父さんも…」
タプ母『……………』
タプリス「……!?ぁ、ま、ママ」
マルティエル『……すみません、お嬢様』
ラフィ「……マルティエル」
サターニャ『わかったかしら!?』
サターニャ『逃げたり、外と連絡を取ったりしたら、人質の命はないと思いなさい!』
ヴィーネ「うそ……うそうそうそうそ」
タプリス「ママ……パパ……」
ラフィ「……何が目的なんですか。お金ですか?それとも私たちの堕天ですか?」
サターニャ『目的?何を言ってるのよ。私の目的なんて一つに決まってるじゃない!』サタニキアポーズッ
サターニャ『大悪魔になる!ただそれだけよ!んなーっはっはっは!!』
プツン
ガヴ「お、おいッ、待てよ、サターニャ!!」
タプリス「…どうしてこうなったんですか。胡桃沢先輩に何があったんですか…」
ラフィ「……いいえ、あれはサターニャさんじゃありません。だっておかしいじゃないですか、どうして悪魔であるサターニャさんが、天使を人質に取れるんですか?悪魔は天界に侵入することが出来ないのに」
ガヴ「それもそうだよな…」
ラフィ「だから皆さん、今は耐える時です……どこの誰なのかは知りませんが、これだけの騒動を引き起こしておいて、天界や魔界が黙って見ているはずがない。直に救助が来ます。だからその時まで耐えるんです…」
ヴィーネ「……そ、そうよね。サターニャが…あんなことするわけないし」
タプリス「…ありがとうございます、白羽先輩。少し、落ち着きました……」
ガヴ「……ホント、こういう時は頼りになるよなラフィは」
ラフィ(まぁ、それも魔界が何とかしてくれると信じています…)
ラフィ(他力本願なのは悔しいですが…仕方ないですね、私はまだ一介の学生ですし……)
ラフィ(とりあえず、この状況を乗り切ることだけを考えましょう)
ガヴ「……とりあえず、さ。この物騒なもん仕舞わないか?なんか落ち着かないよ」
ラフィ「それがいいですね。…うっかり、事故が起きる可能性も無くはないですし」
ヴィーネ「そうね…じゃあ、そこの引き出しに戻しましょう」ガサガサ
タプリス「……月乃瀬先輩、今拳銃をポケットの中に忍ばせませんでしたか?」
ヴィーネ「……え?」
タプリス「そ、そうですか……ならいいんです」
ガヴ「タプリス…気持ちはわかるが」
タプリス「……だ、だってだって」
ラフィ「…この危機を乗り越えるためには、まずはお互いが信じ合わないといけません。この状況で神経が過敏になるのは仕方ないですけど…」
タプリス「わかってますよぉ!私だってこれまで親しくしてもらいましたし……皆さんのことは信じたいですっ……!」
タプリス「でも、胡桃沢先輩はっ……」
ガヴ「……だから、あれはサターニャじゃないっていう話だろ」
タプリス「でも……あの人は、…どう見たって…胡桃沢先輩なんです」
ヴィーネ「………っ」
ラフィ「…それも黒幕の罠なんです。私たちの不信感を煽るための…」
タプリス「うう……」
ガヴ「!?……サターニャっ!」
ラフィ「違います……あれは、サターニャさんじゃない」
ラフィ「何の用ですか、黒幕さん」
サターニャ『だーかーらー私は胡桃沢=サタニキア=マクドウェルだって言ってるじゃない!いい加減信じてよぉ!』
ヴィーネ「…あなたの言うことに耳なんて貸さないわ。早く人質を解放して、私たちをここから出しなさい!」
タプリス「………」
ガヴ「……嫌だと言ったら?」
サターニャ『アンタの大切な妹が愉快なオブジェになるわ!』
ガヴ「拒否権はないってことか…」
ラフィ「……私が嫌と言えばどうなるんです?」
サターニャ『え?アンタの大切な召使いが今日の私のディナーになるわ!』
ヴィーネ「……私が嫌って言ったら?」
サターニャ『??アンタの大切な両親が魔界の山の土になるわ!』
タプリス「……ちなみに私が」
サターニャ『ちょっと、ゲームが始まらないじゃない!』
ラフィ「ここですか?」
サターニャ『そこは三段目!!まだ開けちゃダメ!!』
サターニャ『次ボケたら人質殺すわよ!』
ラフィ「……ちっ」
ヴィーネ(……焦ってる?いや、それだったら最初の私たちの質問責めには乗らないはず)
ガヴ(…全く胸糞悪いくらいにサターニャを演じきってるな……それだけ、時間的余裕があるってことか?)
タプリス(……やっぱり、この人は胡桃沢先輩にしか見えません……なんで、どうして…)
ラフィ「……これは、棒?四本ありますね」
サターニャ『最初のゲームは、「逆王様ゲーム」よ!』
サターニャ『ルールは普通の王様ゲームと変わらないわ。棒を4人で引き合って、赤い印のついた棒を引き当てた人が王様』
サターニャ『普通の王様ゲームと違うのは…王様自身が罰ゲームを受けるということ!』
タプリス「……だから、逆王様ゲーム?」
サターニャ『受ける罰ゲームは、私がこの「罰ゲームBOX」の中から無作為に選ぶわ!』
ヴィーネ「……その罰ゲームに逆らったら?」
サターニャ『その時は、アンタの大切な両親がってその手には乗らないわよっ!』
ラフィ「……いいですか、皆さん。これから何が起ころうとも、それは皆さんの責任ではありません」
タプリス「………」
ラフィ「悪いのはすべて黒幕さん……そのことだけは、絶対に忘れてはいけません」
ヴィーネ「…わかってるわよ」
サターニャ『さ~行くわよ!棒は持った?じゃあ私の掛け声に続きなさい!』
サターニャ『王様だーれだっ!』
サターニャ『ほう…最初の王様はタプリスね!』
ラフィ「!」
ヴィーネ「…よりにもよって」
サターニャ『じゃあ、罰ゲームを決めるわよー!』ジャンカジャンカジャンカジャンカ
サターニャ『じゃんっ!』
タプリス「い、いやっ、嫌ですっ!」
ラフィ「落ち着いて下さい、タプちゃん!」
サターニャ『1番が王様に腹パン!』
ヴィーネ「……一番、私ね」
タプリス「つ、月乃瀬、せんぱいっ……」
タプリス「お願いですっ、やめて、やめてくださいっ……」
ラフィ「ダメです、タプちゃん!悪いのは黒幕さん、悪いのは黒幕さん、です!」
タプリス「うっ、でも……」
ガヴ「……仕方ないんだ、タプリス。耐えてくれ…!」
ヴィーネ「……ごめん」
サターニャ『手加減しちゃダメよ!!手加減したら私がヴィネットの両親に腹パンするからね!全力で!』
ヴィーネ「……っ!」
タプリス「月乃瀬、先輩っ……!」
ヴィーネ「大人しく、して……!!」グイ
タプリス「ひ、ぃいいぃ」
ドカッ!!!!!
ヴィーネ「………ごめんなさい……ごめんなさい……」
サターニャ『なかなか良かったわ!合格ということにしてあげる!』
ガヴ「……お前えぇえっ!!いい加減にしろよ…!」
サターニャ『さ、休んでる暇はないわよ?早く二回戦始めましょ!』
ラフィ「……ちなみに、これはあと何回続くんですか?」
サターニャ『んー?あと2回くらいでやめようとは思うわ』
ラフィ「そうですか……」
ラフィ(回数を聞き出せたのはいい。あとは、黒幕さんの気が変わらないうちに…)
タプリス「……うぐ、くっ、うぅ…」
ヴィーネ「……ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさい……!」
サターニャ『準備はいいわね?じゃ、二回戦、いっくわよー!』
サターニャ『王様だーれだっ!』
ヴィーネ「ガヴ……」
タプリス「……はぁっ、はぁっ…」
ガヴ「安心しろ。…どんな罰ゲームでも耐えてみせる」
ガヴ(腹パンくらいなら…安いもんだ)
サターニャ『じゃあ、罰ゲームを決めるわよ!』ジャンカジャンカジャンカジャンカ
サターニャ『じゃんっ!』
サターニャ『!!喜びなさい、大当たりよ!』
ガヴ「え?」
サターニャ『3番が王様の爪をはぐっ!』
ラフィ「……嘘、ですよね」
ヴィーネ「私、二番…」
タプリス「私は、一番、です……」
サターニャ『嘘なわけないじゃない!器具はちゃんと二段目の引き出しに入ってるわ!』
ラフィ「…これ、ですか」ガチャリ
ガヴ「……ぃ、っ!!」
ラフィ「……………」
ラフィ(……でも、でも、これをしないと)
ラフィ(マルティエル、が……)
ガヴ「う、そ、うそだ、ろ」
ラフィ「…ごめんなさい、ごめんなさい、ガヴちゃん」
ガヴ「……ラフィは、悪くない、悪くないけどっ……!」
タプリス「……早く、やってくださいよ」
ヴィーネ「………!?た、タプちゃん?」
タプリス「私だって我慢したんです……痛かったんです……」
タプリス「ハニエルちゃんのために、マルティエルさんのために……仕方ないですよね、早くやってください…!」
ラフィ「……ぁ、ぁ」
ヴィーネ「タプちゃんっ!そんな言い方っ…!」
ガヴ「……クソっ、クソォっ!!」
ガヴ「……ぁ、やだ。やだ、やだっ、ぁあっ、離せっ、はなせっ、はなしてよぉっ!!」
ラフィ「いきます……!」グイッ
ガヴ「……ぁあっ、ああっ、ああああああっ」
ラフィ「……えいっ」メキメキッ
ガヴ「っ!?」
ガヴ「ぁああっ!!!ぁがぁぁああっ!!?ぎっ、いだ、ぁああっ!!?」メキメキメキ!!!
ガヴ「があああぁあぁああっ、!?ぁあっ、あば、ぁあぁ……がっ!!」バキバキ…バキッ!!!
ガヴ「か、は……」
ラフィ「……はぁ、はぁ、あぁ」
ラフィ「……終わり、まし、た」
ガヴ「いだいっ……いだっ、あが、ぁあぁああぁああっ……ぜえ、ぜえ……」
ラフィ「……これで、いいですよね。では三回戦…」
サターニャ『何言ってるの?』
サターニャ『まだあと9枚残ってるでしょ?』
ガヴ「………ぇ、は、ぁ?」
サターニャ『早くやりなさいよ。…人質が、どうなってもいいのかしら?』
ラフィ「ぁ、ぁ、あ……ぁあぁああああ」
ガヴ「…うそだうそだうそだっ、なんでなんでなんでなんでなんでっ!!!」
タプリス「うるさいですよ、天真先輩!」
ガヴ「……!?」
ヴィーネ「た、タプちゃん……!?」
タプリス「ほら……白羽先輩、やってくださいよ……あと九枚……マルティエルさんのために……」
ラフィ「……ぁ、ぁあ、ぁあああっ!」ガシッ
ガヴ「……や、やめろ、やめろおおおっ!!はなせええええっ!!!」
タプリス「…あはは、はははは」
ヴィーネ「……なんで、どうして、こんな…」
「やめでっ、やめで、ラフィ!!!」
「があああああああああああっ!!」
ヴィーネ「……聞こえない、聞こえない、私は何も見てない聞いてない……」
タプリス「……………ふふ、ふひひひ」プッツン
タプリス「あははははははははっ!!!」ケタケタケタケタ
ラフィ「……はぁ、はぁ………」
ガヴ「……ぁ、が、ぁ、ぇ、ぅ……ご、ぁ」
サターニャ『ククク……アーハッハッハ!!さすがラフィエル!ナイスデビルズアクションだったわ!!』
ラフィ「……うる、さいっ」
ラフィ「…私は、あなたを絶対に許さないっ……!!」
サターニャ『逆恨みはやめてよ…。ガヴリールより、人質を優先したのはあなたでしょ?』
ラフィ「…………!!」
サターニャ『二段目の引き出しにある薬瓶…あの中には悪魔的万能薬-デビルズエリクサー-が入ってるわ!それでガヴリールを治療してあげなさい』
ラフィ「……わかり、ましたよ」
ガヴ「私に近付くなぁっ!!!」
ラフィ「……っ、違います、悪いのは黒幕さん、そうでしょう?」
ガヴ「ち、ちがうっ……!」
ガヴ「お前っ……楽しそうだっただろ!!私に酷いことして、笑ってただろ!!」
ラフィ「!?そ、そんなことしてませんっ!」
ガヴ「してたっ!…もう、お前なんて信じられるかっ……!お前が、お前がっ……!」
ラフィ「ガヴちゃん、落ち着いて下さい。錯乱して、偽りの記憶を植え付けているだけです。深呼吸、深呼吸……」
タプリス「貸してください、その薬」
ラフィ「……ぇ?」
ラフィ(た、タプ、ちゃん……?)
ラフィ(どうしたんでしょう……やけに、落ち着いていますね……)
ガヴ「………ぁ、あ、タプ、タプリス?」
タプリス「今から傷を癒してあげます。…じっとしててください。大丈夫ですからね、私が助けてあげますから…」
ガヴ「……ぁ、あ、あり、ありがと……」
タプリス「私が天真先輩を守ってあげますからね……私のことだけを信じていればいいんですよ……」
ガヴ「……は、ぁ、ゎ、わかった……」
ラフィ「………」
ラフィ(……なんですか、この違和感)
ラフィ(…まぁ、いいです。確かにこの状況では、私よりもタプちゃんが治療してあげた方がいいでしょう……)
ラフィ「……気を確かに持ってください。いずれ、救助が来ます」
ヴィーネ「……ほんとうに、来るの?」
ラフィ「……え?」
ヴィーネ「……ここまでのことをした黒幕が、そう簡単に警察に見つかるようなヘマをする……?」
ラフィ「…………っ!」
ヴィーネ「……助けなんて来ない。私たちはっ……!」
ラフィ「ダメです。ネガティブになってはいけませんっ……!そんなことを考えても、何にも…!」
サターニャ『さーて、そろそろいいかしらー?』パンパン
サターニャ『名残惜しいけど、このゲームもこれで最後よ!』
ラフィ「………っ、ぁ、あぁ」
サターニャ『さぁ、棒を拾いなさい!』
ラフィ(わかってます……やらないと、マルティエルが、ハニエルさんが、ヴィーネさんや、タプちゃんの両親が……)
ラフィ(けれど……手が震えて)
ラフィ(足が震えて……)
タプリス「…大丈夫ですか?白羽先輩」
ラフィ「!?」
タプリス「ほら、棒は集めました。…早くゲームを始めましょうよ」
ラフィ「……ぇ、あ、は、はい」
タプリス「大丈夫ですよ、天真先輩。…私がついていますからね?」
ガヴ「……ああ、そうだよな。お前がいれば…」
ラフィ「………」
ヴィーネ「……もう、どうだっていいわ。好きにすればいいっ……!」
ヴィーネ「……でも、家族だけはっ……」
ヴィーネ「家族だけは、守ってみせる……」
サターニャ『王様だーれだっ!』
ラフィ「わたし、です。ね」
タプリス「……へぇ、白羽先輩ですかぁ」
ガヴ「……よ。良かった、良かったぁぁ…」
ヴィーネ「…………」
サターニャ『じゃあ、罰ゲームを決めるわよー!』ジャンカジャンカジャンカジャンカ
タプリス「…ああ、胡桃沢先輩、ちょっといいですか?」
サターニャ『…ん?どうしたの、タプリス』
タプリス「白羽先輩に罰ゲームを与えるの…天真先輩固定にしてもらってもいいですか?」
サターニャ『…へぇ』
ラフィ「……え?」
ヴィーネ「……何を言ってるの?タプちゃん」
ガヴ「……は?わたしが?い、嫌だよ。何言ってるんだよ、タプリス……」
タプリス「一方的に白羽先輩に酷いことをされて……仕返ししたいとは思わないんですか?」
ガヴ「……そ、それはっ……でも」
ラフィ「…あれはっ!!仕方ないことで…!」
タプリス「本当にそうですか?1ミリでも、天真先輩への拷問を楽しむ感情が無かったと言いきれますか?」
ラフィ「……っ、それは」
ラフィ(……そうでも、思わないと……心がどうにかなっちゃいそうだったから……)
ガヴ「……やっぱり、楽しんでたんだ、お前」
ラフィ「………ぇ、ぁ」
ラフィ「が、がヴ、ちゃん」
サターニャ『…んー、まぁいいわよ!許可しましょう!ちなみに罰ゲームの内容は~じゃんっ!』
サターニャ『王様の首を絞めるっ!』
タプリス「じゃ、始めましょう」
タプリス「仕方の無いこと、なんですよね?」
ガヴ「……ああ、そうだ。ハニエルのために…やるしかないんだ」
ラフィ「……ぅ、ぅ、ぁ」
ヴィーネ「…………」
タプリス「拘束具もちゃんとして。…じゃあいってください、天真先輩」
ガヴ「……ああ……やるぞ……っ!」
ラフィ「…………!!」
ラフィ「………ん、ぐ、ぅっ、ぅぅっ!?」
ガヴ「……苦しめっ、苦しめっ……!私よりもっとっ……!ずっと、長く!!」
ラフィ「んぎ、ぃぃいぃい……」ジタバタジタバタ
ヴィーネ「……が、ガヴ!ちょっと、さすがにそれはっ……!」
ガヴ「……はは、お前のそんな顔初めて見たかもなぁ……」
ガヴ「いっつも私たちを見透かすように薄ら笑い浮かべてさぁ……」
ガヴ「正直…イライラしてたんだわ……」
ラフィ「……!?ぃっ、ゃめ、ぎぃ、ぅぅ、ぃ」
サターニャ『ガヴリールー?そろそろやめないと死ぬわよソイツ』
ヴィーネ「!?…ガヴ!やめなさい!」ガタッ
タプリス「邪魔しちゃダメです」ガシッ
ヴィーネ「タプちゃん!?何してるのよ、離しなさい!!このままだと、ガヴが……ラフィが!」
タプリス「嫌です、離しません」
ヴィーネ「……タプちゃん、あなたはっ……!」
ラフィ「」
ガヴ「…………ら、ラフィ?」
ラフィ「」
ガヴ「………はは、はははは」
ガヴ「……殺した、殺した!殺してやった!!あははははははははっ!!!」ケタケタケタケタ
ヴィーネ「…………」
ガヴ「………あは、あは」
ガヴ「……あぁあああああぁあぁあああ」ボロボロ
ヴィーネ「……悪魔」
タプリス「?悪魔なのは月乃瀬先輩で…胡桃沢先輩じゃないですか」
ヴィーネ「……そういうことを言ってるんじゃないわ」
タプリス「どちらにせよ、私を恨むのはお門違いですよ」
タプリス「私はここから脱出しようとしてるだけです。仕方のないことですよね?だって私たちは人質を取られていて、ここを出るには、最後の一人にならなくちゃいけないんですから…」
タプリス「だから、悪いのはぜーんぶ胡桃沢先輩なんですよ。あの人が私たちにこんなゲームをさせなければ…」
ヴィーネ「………もう、いいわ」
ヴィーネ「……あなたも被害者だものね」
タプリス「そうです。…だから、仕方ないんです」
ヴィーネ(実際、こんなゲームをさせられて)
ヴィーネ(気が狂わない方が、おかしい)
ヴィーネ(きっと、私も既にどこかが狂ってるんだと思う)
ガヴ「こんなことっ…もうやだっ!!ハニエルなんか知るか、私はここから出るっ!」
ガヴ「神速通!」
ガヴ「……ぇ。あれ!?なんで、なんで使えないんだよ、神速通!!」
ヴィーネ「……ガヴ、頭のわっか、出してみて」
ガヴ「……ぇ、ぁ、」ズズゥゥ
ヴィーネ「やっぱり……真っ黒」
ガヴ「う、うそ、だろ……。なんで、なんで」
タプリス「…まぁ、白羽先輩を殺したのは間違いなく天真先輩の意思ですし、当然ですよね」
ガヴ「やだ……やだやだやだよぉ!そうだ、タプリス!お前なら使えるよな!?」
タプリス「私はまだ堕天していないので使えますが、生憎私にも人質がいるので…」
ガヴ「ぁ、ぁあぁああああっ!!」
ヴィーネ「……!」
タプリス「私がついています。一緒に生きてここから出ましょう?」
ガヴ「ぅ、あ、タプリス……そうだよな……お前がいれば、安心だ……」
タプリス「いい子です……天真先輩」ナデナデ
ガヴ「……ぁ、うゅぅ…///」
ヴィーネ(…………)
ヴィーネ(……いや、もういい。どうせ、もう友達同士になんて戻れないんだ)
ヴィーネ(私は家族さえ、家族さえ守れればそれでいい……!)
ガヴ「………っ」ビクッ
タプリス「大丈夫です、大丈夫ですよ」ナデナデ
サターニャ『テンション低いわねー。もっとアゲていきましょ!』
ヴィーネ「…で、次のゲームってなんなの?」
サターニャ『ふふっ、よくぞ聞いてくれたわね!』
サターニャ『次のゲームはっ…「人質ゲーム」よ!!』
ヴィーネ「……!?」
ヴィーネ「え、ちょっと待って。それどういうこと?」
タプリス「…『人質ゲームBOX』と、そう書いてありますね」
サターニャ『これから、あなたたちにはその箱から、「おしおき」の書かれた紙を一枚ずつ引いてもらうわ!』
サターニャ『私はそこに書いてある「おしおき」を、あなた達の人質に対して執行する!』
ヴィーネ「……なん、ですって?」
サターニャ『5巡したら終了。終了後、人質に対して一番ダメージを与えられた人の優勝。一番与えられなかった人は、この「超・罰ゲームBOX」でお仕置きよ!』
サターニャ『要するに運ゲーね!』
タプリス「……運ゲー、ですかぁ」
ガヴ「よし…!絶対に勝ってやる……!何をしてでも、勝ち抜いてやる……!」
ヴィーネ「……このゲーム、棄権すればどうなるの?参加してもしなくても、人質は助けられないんでしょ?」
サターニャ『少なくともこのゲームに参加する限り、人質の「命は」保証するわ』
ヴィーネ「……ふふ、全く姑息よね」
ガヴ「パートナー?」
サターニャ『あなた達が引いたカードに書かれたお仕置きは、全てそのパートナーに執行されるの。ラフィエルは死んじゃったから、今使える人質はヴィネットの両親、ガヴリールの妹、タプリスの両親ね』
ヴィーネ「………!」ビクッ
タプリス「……ふうん、なるほど」
タプリス「月乃瀬先輩は……随分とご両親が傷つく事に抵抗があるんですね」ボソリ
ヴィーネ「…え?」
タプリス「じゃあ私はハニエルちゃんをパートナーに選びます」
ヴィーネ「っ、タプちゃん!?」
ガヴ「タプリスはハニエルか…じゃあ私はヴィーネの両親を選ぶよ」
ヴィーネ「ちょ、ちょっと……」
ヴィーネ「2人とも、どうしてそんなにあっさり受け入れられるのよ……!」
ヴィーネ「こんな残酷なこと……!」
サターニャ『はいはい、タプリスがガヴリールの妹、ガヴリールがヴィネットの両親、ヴィネットがタプリスの両親ね!』
サターニャ『それじゃ、ゲームを始めましょう!まずはタプリスから引くといいわ!』
タプリス「わ、何するんですか月乃瀬先輩」
ヴィーネ「わかってるの!?あなたがそれを引くことで、ハニエルちゃんが…!」
タプリス「……これを引かなかったら、ハニエルちゃんも、お父さんもお母さんも、みんな死んでしまうんですよ?」
ヴィーネ「っ……!」
タプリス「いい加減わかってください。私たちはこうするしかないんです」
ヴィーネ「……違うでしょ」
ヴィーネ「あなたは『仕方なく』やってるわけじゃない……!」
タプリス「…それは先輩の思い込みです。私だって本当はこんなことしたくないんですよ」スイッ
ヴィーネ「っ……!」
サターニャ『読み上げなさい』
タプリス「『ナイフ』」
ガヴ「……?」
タプリス「ナイフ、としか書いてませんけど…」
サターニャ『…ナイフを使って、私はどうすればいいのかしら?』
タプリス「なるほど。……そういう趣向ですか」
ヴィーネ「タプちゃん……?何を」
タプリス「では、ナイフを使って……ハニエルちゃんの目を、抉り出して下さい」
サターニャ『くくっ、了解したわ』
ヴィーネ「…………は?」
サターニャ『ふふっ、私は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル……ちょっと、あなたをお仕置きしに来たわ』
ハニエル『おし、おき……?どういうこと?た、助けて!!ガヴお姉ちゃん!!ゼルお姉ちゃん!!』
サターニャ『大丈夫。殺しはしないし……ちゃんと手当はしてあげるから、安心しなさい』
ハニエル『やだっ、やだやだやだっ!!』
ガヴ「………っ、……知らん、私は関係ない……」
ヴィーネ「…タプちゃん。あなた何をしたかわかっているの?」
タプリス「……勝つためにはこうするしかないでしょう?」
ヴィーネ「違う……!このゲームは、勝とうと思えば思うほど、おしおきの内容がエスカレートしていくゲーム……!」
ヴィーネ「あなたはわかっててそれをやっている!!」
タプリス「なるほど。…月乃瀬先輩は、頭がいいんですね。私はそんなこと微塵も思いつきませんでしたよ」
タプリス「ついうっかり、最悪の選択をしちゃいました。ドジですね、私。てへっ☆」
ヴィーネ「……………!」
サターニャ『……きっつ、抉り出すっつっても……ぐちゃぐちゃにしてから刳り出すくらいの方法しか思いつかないわよ…』ザクッ ザクッ
ハニエル『……ぁ、ぁあぁああああ、たすげで、だれがあああぁぁっ!だずげでぇええぇえっ!!』
サターニャ『……うるさいわね、これだから子供と犬は嫌いなのよ……』グサッ グサッ
ヴィーネ「……ぃ、ひぃっ……」ガクガク
ヴィーネ(こんなことを、私の家族にされたら)
ヴィーネ(無理、無理無理無理っ!!!)ゾワワワッ
サターニャ『っと、もう気絶してるわね。無理もないか…後で悪魔的万能薬-デビルズエリクサー-で処置しないとね』
サターニャ『…ふーっ、じゃあ次は…』
ヴィーネ「……私にやらせて」
サターニャ『ヴィネット?いいわよ。どうぞ』
ヴィーネ「ガヴ、一つお願いをするわ」
ガヴ「……なんだ、ヴィーネ?」
ヴィーネ「私はこのゲームで、絶対に人質を傷つけたりしない。そして…必ず最下位になってあげる」
ガヴ「………」
ヴィーネ「だから……私の両親を無意味に痛めつけるのは、絶対にやめて。ほんの少しくらいなら仕方ないけど……」
ガヴ「……わかったよ、約束する。…罰ゲームさえ受けなきゃ、後はなんでもいいからな」
ヴィーネ「ありがとう」
ヴィーネ「じゃあ……縄を使って、タプリスの両親を椅子に縛り付けておいて」
サターニャ『……つまらないことするのね』
ヴィーネ「なんとでも言いなさい」
サターニャ『いいわよ。言葉なんて、勝手に解釈すればいいんだし』
ヴィーネ「……え?」
タプ父『あの角を見ろ。…悪魔だ。こんなことをするのは、悪魔しかいないだろう』
サターニャ『ええご名答よ、千咲さん』
タプ母『私たちをどうするつもりですか』
サターニャ『…ふふ、まずはヴィネットのリクエストの通りに、縄で縛り上げてあげるわ』
ヴィーネ「……何をする気よ」
ガヴ「おい、ヴィーネ…お前、私を騙してないよな?大丈夫だよな?」
ヴィーネ「ガヴは黙ってなさいっ!」
ガヴ「……っ!」
タプリス「……くふふ」
タプ母『………ぁ、が、は……』メキメキメキ
タプ父『う、ご……ぉ、ぉぇえ……』メキメキメキ
サターニャ『ククク……苦しいかしら?』
ヴィーネ「……え、え?」
ヴィーネ「ちょ、何やってるのよ!!私が言ったのは、椅子に拘束しろって意味で……!」
サターニャ『これも捉えようによれば拘束でしょ?何を言っているの?』
ヴィーネ「っ………!」
サターニャ『…っと、死ぬギリギリだと、こんなもんかしら』パッ
タプ母『……っは、ぁっ、ぁっ、は…』
タプ父『……ぐっ、ぅ…頼む、娘は、娘にだけは手を出さないでくれ……』
タプリス「………」
サターニャ『安心しなさい。…アンタの娘に手をかけるつもりは毛頭ないわ』
サターニャ『じゃあ、次はガヴリールね。さぁ、「人質ゲームBOX」を引きなさい!』
ヴィーネ「……が、ガヴ。違うの。これは」
ガヴ「卑怯者……そうやって、私を騙して、おしおきを受けさせようとしたんだ……!」
ガヴ「友だちだと思ってたのに……!お前も、ラフィと一緒で……!」
ヴィーネ「……はあ?」
ヴィーネ「…なんで、あんたにそんなこと言われなくちゃいけないのよ」
ヴィーネ「人殺しのくせに……!!」
ガヴ「……あ?」
ヴィーネ「ラフィだって何も悪いことしてないっ!!アンタの爪を剥いでるときだって、あの子本当に辛そうだったのよ!!」
ヴィーネ「それを、あなたはっ!!」
ガヴ「…ちがうっ!!あいつは、私を痛めつけて楽しんでたんだ!!絶対そうなんだ!」
ヴィーネ「あんただって、ラフィの首絞めながら笑ってたじゃない!」
ガヴ「うるせええええっ!!」紙ヒョイッ
ヴィーネ「っ、あ、ま、待っ……!」
ガヴ「……はは、いいこと思いついたぞ」
ヴィーネ「……っ!?ま、待って……!それは、それは本当に危ない奴……!」
ガヴ「知るか……私を裏切った、お前が悪いんだ!!」
ヴィーネ「っ、アンタはっ……!」
ガヴ「サターニャ!ヴィーネの両親に、硫酸を」バキッ!!!!!!!
ガヴ「…………ぇ。ぁ、は?」血ダラダラ
ヴィーネ「……ぁ、はーっ、はーっ」
ゴトッ
(血塗れのハンマー)
ガヴ「………ぁ、なん、ぇ、ヴィーネ….」
ドサリ
ヴィーネ「……………」
サターニャ『ガヴリールー?硫酸を使ってどうするのかしらー?』
ガヴ「」
ヴィーネ「……は、はは」
ヴィーネ「やっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃった」
ヴィーネ「あははははははは……ははははっ」ボロボロ
タプリス「この場合ってどうなるんです?」
サターニャ『やけに落ち着いているわね。まぁ普通にゲーム終了よ、残り二人でこのゲームやらせる意味ほとんど無いしね』
タプリス「ですよね。…良かったです」
サターニャ『……まさかとは思うけど、最初にアンタがハニエルをパートナーに選んだのって…』
タプリス「さぁ……ご想像にお任せしますね」ニコニコ
ヴィーネ「…ぁは、あはは」
タプリス「ほら、月乃瀬先輩?壊れている場合じゃないですよ?」
ヴィーネ「………ぅ、ふ、ふぅぅ…」
タプリス「先輩は正しいことをしたんです。天真先輩の魔の手から、ご両親を救ったんですから」
ヴィーネ「!」
ヴィーネ(……ぇ、え?)
ヴィーネ(ち、ちがう、私は……)
ヴィーネ(ひとを、ころして……)
ヴィーネ「……許して、くれるの?ガヴを殺した……友達を殺した……私のことを」
タプリス「ええ……天使として、あなたの罪を赦しましょう。たとえ禁忌だったとしても、あなたの行いを肯定しましょう。あなたの心を救いましょう」
ヴィーネ「……ぁは、あははは、ははっ!」
ヴィーネ(……そうだ、何をくよくよしていゆんだ、私は)
ヴィーネ「ありがとう、タプちゃん……!」
ヴィーネ(そうだ!私は悪くない…!私は正しいことをしたんだ…!)
ヴィーネ(タプちゃんのおかげで、気付けた…!)
タプリス「………くくっ」
タプリス「…………くくくくっ!くははははははっ!!」
サターニャ「さぁ、生き残ったのはお人好しの悪魔、月乃瀬=ヴィネット=エイプリルとー!」
サターニャ「世間知らずの天使、千咲=タプリス=シュガーペル!まさかまさかの番狂わせ!最後まで生き残るのは果たしてどちらか!」
サターニャ「チャンネルはそのまま!!」
サターニャ「この番組は、悪に生きる毎日と過ごす魔界通販の提供でお送りしているわ!」
サターニャ「なーんて、これを見てるのは私と……マルティエルしかいないんだけどね」
ヴィーネ「…そんなことより、ここから出る方法を考えないと……」
ヴィーネ(……タプちゃんの神速通が、今一番現実味があるんだろうけど)
ヴィーネ(人質がどうしょうもないのよね。…どうにかして、二人で生きてここを出る方法はないかしら)
タプリス「ここから二人で出る方法は知りませんが……」
タプリス「ゲームを終わらせる方法ならあるじゃないですか」
ヴィーネ「………ぇ?」
包丁カラン
タプリス「月乃瀬先輩が死ねばいいんですよ」
タプリス「月乃瀬先輩は、ご両親を助けたいんですよね?」
ヴィーネ「う、ぅん……」
タプリス「胡桃沢先輩が私たちの親族を人質に取っているのは、このふざけたデスゲームを私たちにさせるためです」
タプリス「ならば、このゲームさえ終われば、人質は解放されるはずです」
ヴィーネ「……ぇ?ぇ、で、でも」
タプリス「私の言うことが信じられませんか?」ニコッ
ヴィーネ「………」
ヴィーネ「そうね、そうかもしれない」
タプリス「そして今残っているのは私と月乃瀬先輩の二人だけ……ならば」
タプリス「月乃瀬先輩が死ねば、ゲームは終わる。そうでしょう?」
ヴィーネ「……そう、そうよ、そうよね……」
ヴィーネ「これで、私が死ねば………」
ヴィーネ「おとうさんも……おかあさんも……」ギュッ
タプリス「そう……それでいいんですよ、月乃瀬先輩」
タプリス「さぁ、神もあなたを祝福しています。…では、天の導きのままに」
ヴィーネ「……はぁっ、はぁっ、ぁあぁああっ!!」
グサリ
ヴィーネ「」ドサリ
タプリス「……………」
タプリス「………ふ、ふふ」
タプリス「………ふひひ、ははははは」
タプリス「あははははははははっ!!!あははははははははっ!!!あははははははははっ!!!」
タプリス「勝った……!勝った勝った勝った勝った勝った勝った!!!」
タプリス「私は……生き残った!!」
タプリス「あははははははははははははははははははははははははははははっ!!!」ケタケタケタケタ
サターニャ『最後のゲームを始めようと思ったら……もう終わってるわね』
タプリス「あははははははははははははははははっ!!!」ケタケタケタケタ
タプリス「……ああ、胡桃沢先輩っ!」
タプリス「ゲームは終わりましたよ!私の完全勝利です!!」
サターニャ『……凄いわね、まさか堕天することなく、このゲームを終わらせるとは思わなかったわ』
タプリス「……やはり、あなたの目的は堕天だったんですか?」
サターニャ『いいえ。ただ私は見たかっただけよ。…みんなの絶望をね』
タプリス「そうですか……ま、どうでもいいです」
タプリス「これで、全部終わったんですから」
タプリス「もう、辛いことも、悲しいことも…何も無い……」フゥ
タプリス(もう、全部、終わったんだ)
タプリス(これからは、また平穏な日々が待ってる……)
タプリス(ああ、なんだか、心が穏やかになってきました……)
タプリス(何か、懐かしい感覚で……)
タプリス(…………?)
タプリス「………………????」
タプリス「………ぁ、れ?」
タプリス「……ここは、どこです?」
タプリス「私は、いったい、なにを?」
タプリス「……?ま、まってくだ、さい。勝ったって、なにが?」
サターニャ『何を言っているの?生き残った一人だけが、部屋から脱出することが出来る…このデスゲームに、あなたは見事一人で勝利したんじゃない』
サターニャ『狡猾に、他の3人を同士討ちさせることでね』
タプリス「………???なにを、なにを」ガッ
タプリス(あれ…?何かが、足に引っかかって…)
タプリス「……ぇ、は?」
ヴィーネ「」
タプリス「つきのせ、せんぱい?」
タプリス「!?」
タプリス「ぇ……な、なに、この記憶」
タプリス『では、ナイフを使って……ハニエルちゃんの目を、抉り出してください』
タプリス「ちがう……ちがうちがうちがうっ!」
タプリス「わたしじゃないっ……わたしじゃないわたしじゃないいっ!!!」
タプリス『でも、天真先輩はそれでいいんですか?』
タプリス『一方的に白羽先輩に酷いことをされて……仕返ししたいとは思わないんですか?』
タプリス「ああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
タプリス「……ふふ、うふふ、くふふふ……」ヒョイッ
グサッ
タプリス「ぐぶっ!ぅぐ、うぅっ……」
グサッ グサッ グサッ グサッ グサッ
タプリス「……ぅ、ぐ。ぅ、ぶ……」
タプリス「…………ぁ」
ドサリ
サターニャ『………あーあ、勿体ない』
タプリス(……ああ、ごめんなさい)
タプリス(最後まで、どうしようもなく、愚かな後輩で……ごめんなさい)
サターニャ「……はぁっ!たーのしかったー!」
マルティエル「……お嬢様の死体は自由にしてもいいんですよね?」
サターニャ「ええ、いいわよ。今までの協力、感謝するわ!」
マルティエル「…いえ、これからも協力はさせてください」
サターニャ「……ふうん?てっきり、あなたはラフィエルの絶望にしか興味がないと思っていたけど」
マルティエル「存外、面白いものですね。下界に降りたのは、こっそりとお嬢様の監視をするためでしたが…あなたに出会えて良かったです」
サターニャ「私も、あなたのような優秀なパートナーに出会えて嬉しいわ」
サターニャ「ハニエルと、タプリスの両親の拉致…アンタがいなきゃ、出来なかったわよ」
マルティエル「ふふ、では、次のゲームの準備を始めましょう」
サターニャ「ええ。…これで私も、立派な大悪魔ね!」
サターニャ「んなーっはっはっは!!」
devil's end
レスとてもありがたかったです
ただ殺し合いさせたかっただけっぽい??
15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/23(木) 20:08:29.985 ID:/tD76QTZ0.net 最初に言っておきます。
大それたストーリーも設定もないです
元スレ
サターニャ「悪魔的遊戯-デビルズゲーム-を始めるわよ!!」
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1490266351/
サターニャ「悪魔的遊戯-デビルズゲーム-を始めるわよ!!」
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1490266351/
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「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (17)
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- 2017年03月24日 03:52
- ほのぼので進んでいくのかと思いきや初っ端で顔面殴られた
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- 2017年03月24日 04:12
- これら大悪魔のサターニャですわ
十字架と聖水投げちゃおっと
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- 2017年03月24日 04:43
- 予防線張って投下するSSほどクソなものはないな
キャラ崩壊させるけど特に理由も設定もないとか、それもうそのキャラじゃなくね
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- 2017年03月24日 04:57
- まぁけいおんssでキャラが平然と狂った行動をしてる系と同じと考えれば何とか納得がいくような
でもヴィーネのほうが隠れた闇の部分をさらけ出すみたいな感じでまだ適してたんじゃないか?
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- 2017年03月24日 05:25
- ヤンレズとなったサターニャが最後ガヴをペットにしてさらに本人に成り替わるssが3日前にあったけど、そっちも大それたストーリーも設定もないのに特に違和感はないヤンデレssとなった。対してこっちは違和感ありまくり。この違いは何なのだ?
どっちもサターニャのイメージには合わないというのに
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- 2017年03月24日 07:08
- はーつまんな
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- 2017年03月24日 08:40
- 凝った設定も番狂わせもなし
ただ汚いだけの痛い厨2妄想か
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- 2017年03月24日 11:04
- ※3
ほんこれ
予防線は張るけど話に説得力持たせる工夫は完全放棄とかいかんでしょ
バッドエンドや胸糞系がダメなんじゃない。単に作者の力量不足でSSがクソになるだけ
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- 2017年03月24日 11:18
- >>140の質問に答えるときドヤ顔してそう
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- 2017年03月24日 11:37
- 普段は絶対こんなことしそうにないサターニャだからこそつらいわ
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- 2017年03月24日 14:05
- やだいやだい、こんな優秀な悪魔的行為はサターニャなんかじゃないやい
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- 2017年03月24日 17:36
- 憎悪をむけてる相手に信頼をよせるにしてはあまりにも理由が足りてないし
壊れたとしても不自然すぎる。
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- 2017年03月24日 17:59
- デスゲームやらせればウケるとでも思ってるのかね
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- 2017年03月24日 18:34
- 江ノ島盾子「見込みあるわこのコンビ!スカウトしよっと♩」
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- 2017年03月25日 02:36
- †サタニキアタイム†
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- 2017年03月27日 22:29
- 殺し合いをしてもらいます、の中高生感アイタタタ。予防線の日本語も意味わかんないしクソオブクソ
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- 2018年05月15日 04:46
- こういうキャラネタでやる必要のない系クソゴミSSを見るたびに、オリジナルキャラクターじゃ誰にも読まれないだろう作者の技量を感じるよ。
挙句に想像しやすいキャラの力を借りたところでこの程度かい。同じSS書き手としては良い反面教師になるがな。
つまらん失せろ。