ヴィーネ「もう、戻れない」
- 2017年03月09日 03:10
- SS、ガヴリールドロップアウト
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ヴィーネ「あ、ガヴー!ラフィも来たから帰りましょ!」
ガヴリール「あー、悪い、私調理部行くわ」
ヴィーネ「え、どうして?」
ガヴリール「あいつらただ飯食わしてくれるんだよ~、仕送り少なくて最近食費きつくてな……頼りにしてるんだ。じゃあな!」
───ガヴはなんでもないことのように、そういって笑いながら手を振って。
サターニャ「へ~、いいわね調理部!私も行こうかしら!」
ラフィエル「サターニャさんは味覚がアレですからいかなくても……」
サターニャ「な、なによそれー!?」
ラフィエル「あはは、帰りましょうか、ヴィーネさん……ヴィーネさん?」
ヴィーネ「あ、そ、そうね!帰りましょ」
───私もなんでもないことだと思った。そう思い込もうとした。でも……。
───胸が、ズキズキと痛んで。
ヴィーネ「ふふふっ、今日はガヴの好物を作ってあげたわ♪」
───そう、ガヴの好物を知っているのは私だけ。調理部の子たちは知りっこない。
───私のあの子たちに対する、ささやかなアドバンテージ。
ヴィーネ「って私何考えてんだろ!?アドバンテージって……あの子たちはそんなのじゃないってわかってるのに」
───馬鹿な考えをしていた。忘れよう。ガヴの笑顔を見て、一緒に笑って、おかしな考えなんて忘れてしまおう。
───ガヴの家。天使学校主席が住むにはちょっとみすぼらしい、そんなアパート。
あはははっ、天真さん可愛い~!
───中からガヴ以外の声がする。そっと扉をあけて、中をうかがうと。
ガヴリール「へ~い」
上野「そこがいいんじゃない!天真さん、あーんしてあげる!」
ガヴリール「ん……あーん……」
田中「あははっ、やっぱりかわいい~!」
───ガヴは、私が作ってきたものと同じ、ポテトサラダを口に運んでもらっていて。そして。
ガヴリール「悪いね~、掃除までしてもらった上に大好きなポテトサラダまで作ってもらっちゃってさ」
上野「あははっ!なんでもないよ、こんなこと!」
田中「そうそう!ねえねえ、天真さんまたこれからも遊びに来て言い?」
委員長「そうね、天真さんは生活態度が悪いみたいだし、たびたび矯正しにこないとね」
ガヴリール「いつでも歓迎だよ、毎日来てほしいぐらい」
───私はその場を、静かに後にした。
ガヴリール「それでヴィーネがさー、言うんだよ、ご飯の時ぐらいゲームするのやめなさーい!って」
田中「あははっ、月乃瀬さんやさし~!」
委員長「ふふ、まるで姉妹みたい……仲がいいのね♪」
ガヴリール「……ま、まあね……」
上野「天真さん照れてる~!」
ガヴリール「て、照れてないし!」
田中「あれ……?なんか寒くない?」
委員長「ってドアが開いてる!?ごめんなさい天真さん、うっかりしてたかも……」
───私が閉めたはずのドアが開いていて。委員長が閉めなおしてくれて。
ガヴリール「うん……」
上野「どうしたの?天真さん」
ガヴリール「あ、ああ、何でもないよ、それよりさ……おかわり!」
田中「ふふ、は~~~い!」
ヴィーネ「あ、ごめんガヴ。私放課後ちょっと用事あるから……」
ガヴリール「え、そうなの?まあいっか。じゃあまた明日な」
───まあいっかって、なんだろう。私が居なくても良いという事だろうか?私よりあの子たちと過ごせればいいという事だろうか?
───……もう何でも構わない。すべては過ぎたことになるんだから。
ヴィーネ「ええ、また明日」
───調理部へ行くと、あの三人が居た。驚きの顔でこちらを見ていた。
委員長「月乃瀬さん!?」
田中「どうしたのどうしたの~?もしかして、遊びに来てくれた!?」
上野「わーい!いらっしゃーい!」
ヴィーネ「あはは、実はそうなの……。ガヴから調理部の話を聞いてね、私も来てみたいと思って……」
委員長「うれしいわ!実はその天真さんがね、今度は野菜いためを作ってほしいって言ってて!」
ヴィーネ「ふ~ん……そうなんだ」
田中「だから今練習中なの!」
上野「月乃瀬さんもぜひ!」
ヴィーネ「ええ!ご一緒させてもらうわね!」
ヴィーネ「実は私、結構料理得意なの」
田中「へー!そうなんだ~!」
ヴィーネ「自分で言うのもなんだけど、包丁さばきはなかなかのもので、……ちょっと、貸してくれる?」
上野「は~い!お手並み拝見」
───野菜を丁寧に切って見せ、そして……。
ヴィーネ「つっ……!」
委員長「あっ、月乃瀬さん指切っちゃった!?」
上野「大丈夫!?こういう時のために救急箱、おいてるんだ!持ってくるね!」
ヴィーネ「ありがと……あ、ごめんなさい、血が散っちゃったから、田中さんは布巾を持ってきて……」
田中「あ、そうだよね!わかった!」
───二人が遠ざかったのを確認した後、
ヴィーネ「委員長、ちょっとこっち来てくれる?」
───委員長は私を気遣うようなそぶりで近づいてきて。
ヴィーネ「ちょっと、屈んでみて」
委員長「ええ」
───屈ませたのは、ほかの二人から死角になる位置に委員長を持っていきたかったからだ。
───すぐさま委員長の手を口で押えて、静脈を刺す。
委員長「がぁっ!!!」
───懸命に抑えたつもりでも、断末魔は指の隙間から漏れ出て。
ヴィーネ「委員長!?どうしたの!?委員長!」
田中「どうかしたの!?月乃瀬さん!」
ヴィーネ「こっちへ来て、委員長が、委員長が!」
───上野さんが先にやってくる。二人が十分近づくと、上野さんの心臓めがけて包丁を突き立てる。
上野「が……あっ……」
田中「いやあああああああああ!!」
───田中さんは大声をあげて、教室の引き戸のほうへ走り出す。逃がさない。首を腕で抱え込んで、腹を刺す。一回じゃ足りない。何回も、何回も。
田中「たす……けて……」
───少し痙攣した後、やがて、動かなくなる。腕の拘束を解いて、隙間から身体を滑り落とさせる。
───安堵した。後は誰にも気づかれないようにこの場を後にする。そう思って顔をあげると……。
───そこには、サターニャが居て。
サターニャ「ヴィネット……?」
ヴィーネ「サターニャ……」
───見られた。
───見られた。見られた。見られた。見られた。見られた。見られた。見られた。見られた。
───ガヴにバレる。ガヴにバレる。ガヴにバレる。ガヴにバレる。ガヴにバレる。ガヴにバレる。
ヴィーネ「どこから、見てたの……?」
サターニャ「なんか、大声が聞こえてきたから、それで駆けつけたら、ヴィネットが、ヴィネットが……みんなを……」
ヴィーネ「サターニャ……」
───私は両手で顔を覆って、その場に座り込んだ。サターニャが駆け寄ってくる。
ヴィーネ「あのね、あのね、調理部の人たちと、些細な事で喧嘩になって……それで」
サターニャ「そうだったの……よしよし、大丈夫よ、ヴィネット……」
ヴィーネ「それでね、それでね、サターニャ……」
サターニャ「なに?どうしたの?」
ヴィーネ「死んで」
サターニャ「え……?」
───驚くほど簡単に、刃はその根元まで、少女の中に入っていった。
サターニャ「どう……して……」
───その光は、その激震は、私の本性をさらけ出してくれたようで。心地よかった。
───そう、私は悪魔。他人の世話を焼いたり、思いやったりするのは、仮初の私。
───私が優しくするのは、ガヴだけでいい。ガヴだけを思いやっていればいい。それ以外の存在なんて死んでもかまわない。
───いつか、ガヴが言っていたことを思い出した。
───ガヴは、天界での自分は、私と初めて会った時の自分は、偽りの自分だと言っていた。
───その仮面ははげ落ちた。私の仮面も……はげ落ちた。つまり、私はガヴと一緒。
───うれしい。
───うれしいうれしいうれしいうれしいうれしいうれしいうれしいうれしいうれしいうれしい。
ヴィーネ「ガヴ……」
ガヴリール「ヴィーネも……知ってるんだな……」
ヴィーネ「ええ……」
ガヴリール「調理部のみんなが……サターニャが……」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「調理部のみんな、優しくてさ、私がポテトサラダ食べたいっていうと、大急ぎで材料買ってきてんの」
───どうして、ガヴ?なんであいつらの話をするの?
ガヴリール「サターニャは……サターニャはさ……悪い奴じゃないよ……ぜんぜん……ぜんぜん……」
ガヴリール「あいつに……もっと優しくしておけばよかった……たまにはありがとうって、言ってやればよかった……」ポロポロ
───しょうがないじゃない。もう死んじゃったのよ、サターニャは。ねえ、ガヴ。生きている私とガヴの話をしましょ?
ガヴリール「犯人が……許せない。この学校にいると思うんだ。絶対突き止めてやる」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「……?」
───靴箱に何かおかしな手紙が入っていた。嫌な予感がした。
───私は、その手紙を読んで、愕然とした。血の気が引いていった。
あなたの秘密をしっています。
刃物などを持って、〇×公園に来て下さい。
ヴィーネ「あ、あの手紙くれたのラフィだったのね?もう、傘もささないでこんなところに呼び出して……ずぶぬれじゃない、風邪ひくわよ?」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「それに刃物を持って来いって……こんなところで料理なんてできないわよ、変なラフィ!」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「で、秘密って……何のこと?あ、もしかして私が悪魔ってこと?あははっ、そんなの……」
ラフィエル「ヴィーネさん」
ヴィーネ「なに?」
ラフィエル「とぼけなくて、いいんですよ」
───雷鳴が轟いた。
ラフィエル「サターニャさんを殺したの、ヴィーネさんですよね」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「どうして、気付いたの……?」
ラフィエル「サターニャさんって、不思議な方ですよね。悪魔なのにドジで、小生意気で、ちっちゃくて……愛らしくて」
ラフィエル「でも、ほんとはとっても優しくて……素敵な人」
ラフィエル「そんなあの人のことを、私は好きになってしまいました」
ラフィエル「だから……ヴィーネさんのガヴちゃんへの気持ちも、気付いていたんです。それが日に日に、歪んでいってしまったことも」
ヴィーネ「……なるほどね」
ラフィエル「私と、殺し合ってください」
───ラフィの右手に、銀色に光るナイフが煌めいた。
ヴィーネ「……本気、なのね……」
───私も自分の手に持ったナイフを、固く握りしめた。
ラフィエル「……はい……。……行きますね」
───かばう気すら奪うほどの夥しい体中の裂傷に、雨がしみこんでいくのを感じて。
───あの子は、ためらいがあった。あんな啖呵を切っておいて、友人を殺すことを躊躇していた。
───私は、必死だった。友達を殺して、生き延びて、好きな人を手に入れる。そのためだけに必死だった。
───あの子には、手に入れたいものがなかった。いちばん大切なものを世界から失っていた。
───それらのことが、私が生き延びた原因だろう。
───私は道のど真ん中であおむけになった。雨が体中を打った。不意に笑みが生じて。
ヴィーネ「あは、あはははははははははっ!あははははははははは!」
───おかしかった。心の底から。全てがおかしかった。
ガヴリール「なんで……なんでラフィまでなんだよ……」
ガヴリール「おかしい、おかしいよ……」
ヴィーネ「ガヴ……」
ガヴリール「ラフィはさ、ちょっと意地悪な時もあるけど、いい子なんだよ。付き合いが長いから……知ってる」
ガヴリール「私が昔全ての人々を救うにはどうしたらいいかなんて馬鹿げた悩みをしていたときも、真摯に相談に乗ってくれて……」
ガヴリール「相槌を打ってくれて……ほんとに良い奴で……なのに……なのに……」ポロポロ
ヴィーネ(ガヴの悲しい顔を見るのは……とても辛い)
ヴィーネ(でも……嬉しい)
ヴィーネ(この地上では、ガヴと一番付き合いが長いのは、私になったのだから)
ねえ、聞いた?天真先輩と仲が良い人が死んだんだって。
それも一人じゃなくて、五人も……それでね?
そのうち一人は、白羽先輩なんだって……。
───私は、学校を飛び出した。走って走って、下界へと飛び降りた。厚い雲を抜けると、大粒の雨が私の身体を打って。
───水たまりに着地すると、私は一目散に天真先輩の家へと走っていった。
タプリス「どうか……どうか……無事でいてください、天真先輩……!」
ガヴリール「はい……ってタプリス、ずぶぬれじゃん……なんでここに?」
───天真先輩の顔は、憔悴していた。心なしか眼も腫れているように見える。
タプリス「天真先輩の周囲で不審死が相次いでいると聞いて、心配で……」
ガヴリール「それがわかってるなら、来ちゃ駄目だろ。お前だっていつ……」
タプリス「……天真先輩」
ガヴリール「……?」
タプリス「私は、天真先輩のことが……」
───喉で、言葉がつっかえた。でも、ここで言わなければ……。
タプリス「天真先輩のことが、好きなんです!だから、天真先輩のことを守りたいんです!」
───天真先輩は、黙り込んでしまった。
ガヴリール「帰れ」
タプリス「え……」
ガヴリール「お前が好きでも、私はお前の事なんて好きでも何でもない、正直近くにいても邪魔なだけだ」
タプリス「そんな……」
ガヴリール「いいからとっとと帰れ!ぶん殴るぞ」
タプリス「……ッ」ポロポロ
───私は外へと駆け出した。
───天真先輩の考えは、わかっていた。
───でも、涙が出てしまうのは……それでもあの人の傍にいたい。そんな強欲な自分が……居たからだろう。
───間違えた。
───そのことに気付いた私は、靴も履かずに外へと飛び出した。
───ダメだ、これじゃダメだ。私はタプリスの傍にいてやらないといけなかったんだ!
───突き放すことがやさしさという考えに頭が囚われて、とんでもないミスをしてしまった。
───私が好きかどうかなんて関係ない!あいつは……あいつは……。
───私に近づく奴すべてを……殺してしまう。
───タプリスが、呆然とこちらをみるヴィーネの足元で倒れていた。
ガヴリール「ヴィー……ネ……」
ヴィーネ「ち、ちがうのガヴ!これは、仕方ないの!」
ヴィーネ「タプちゃんが!タプちゃんがね!私のガヴを取ろうとしたの!だからいけないの!」
ヴィーネ「ガヴ……?」
ガヴリール「そう思いたくなかった。必死にそうじゃないって思い込んでいた。でも私の……なんて言えばいいのかな……私じゃない部分が、ヴィーネが……やったんだって、囁いていた」
ヴィーネ「ガヴ、待って」
ガヴリール「いいさ、ヴィーネ。お前は悪魔なんだから。人間や天界の倫理は、悪魔には通用しない」
ヴィーネ「ガヴ、あのね!」
ガヴリール「でも……もう私に関わるな。永遠に」
ヴィーネ「……っ……!」
───ヴィーネは、眼を見開いて、固まったように動かなくなった。私はそれから、何も言わずにその場を去った。
ヴィーネ(なんでこの世界にはこんなにも生き物が溢れているのかしら?)
ヴィーネ(神が産めよ孕めよ地に満ちよといったからかしら?)
ヴィーネ(もしガヴと私が、もっと前から出会えていれば、こんなことには……)
ヴィーネ(おお、神よ……なぜ天界と魔界を別ったのですか?)
ヴィーネ(私はあなたが心の底から憎いです)
───学校にはしばらく行かないことにした。気力がない。ただベッドの上でぼーっと時間を過ごしていた。
───ただ、突然外に出たくなって、身体が動いた。
───雨の中をあてもなく歩いた。ふとマンションの屋上にあがることを思いついた。
───屋上からは、曇天の下でも、いろんなものが見えた。4人で一緒に通った学校、4人で一緒に帰った道、4人で一緒に海水浴に行った駅。
「……ガヴ!」
───振り向いた。思い切り嫌悪に歪んだ顔を作って。
「もう1度、話をしてほしいの」
───その悪魔は、狂っていた。
ヴィーネ「ごめんなさい……ガヴ、私……」
ガヴリール「もう遅いよ……何もかも」
ヴィーネ「……ガヴ!!」
───その悪魔は、私に抱き着いてきた。嫌悪感が身体を襲った。
ガヴリール「私はお前のやったことを、誰かに言ったりはしない。友達だったものとしての、せめてもの情けだ」
ガヴリール「だからお前も私に関わらないでくれ。それじゃダメなのか?」
ヴィーネ「ガヴ……私、罪を償うわ。だから、だから……私と……やり直して」
───……愚かで何も防げなかった私にはもう、幸せになる権利などない。こいつとやり直す?そんなことは不可能だ。
ガヴリール「嫌だ」
ヴィーネ「聞いて、ガヴ!あのね、例え私が捕まっても、地上では少年法っていうのがあって、未成年なら例えどんな犯罪を……殺人をしても死刑にはならないの!」
ヴィーネ「5年ぐらいすれば、また外で生活ができる!罪を償って、やり直すことができるのよ!だから、ガヴ、私の事を待ってて!必ず迎えに行くから!」
───悪魔の眼は淀んでいた。あの頃の煌めきは失われていた。
───その、まだ希望はあると言いたげで快活な口ぶりは、自分が殺してきたものたちに、何の感情も抱いていないように思えた。怒りに身体が震えた。
ガヴリール「消えろ」
ヴィーネ「……!!」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「ガヴは、私なんかより、死んだ子のほうが大切なのね」
ガヴリール「……そうじゃない」
ヴィーネ「ガヴは!ガヴは!私の事なんてどうでもよかったんでしょ!単なる世話焼きの友人程度にしか思っていなかったんでしょ!」
ガヴリール「ちがう!!」
ヴィーネ「私はガヴのことが……大好きなのに!!愛してるのに!!!」ポロポロ
ガヴリール「……」
ヴィーネ「ねえ……ガヴ」
ヴィーネ「私も死んだら……ガヴの大切な存在になれるかしら?」
───嫌な予感がした。
ガヴリール「……待て、おい!」
───次の瞬間、そいつの身体は屋上の縁の外へと消えていった。
───結局、私はまた間違いを犯してしまった。
───あの時、私もヴィーネのことが好きだったと言えていれば、ヴィーネは死なずに済んだかもしれない。
───罪とやらを償って、曲がりなりにも、生きていくことができたかもしれない。
───自分の感情に負けて、最後の友人まで殺してしまった。
───自分の愚かさを呪った。なにが天使学校主席だ。なにが天使だ。誰も救えないで。
───自分の情けなさへの憤りをぶつけるように、
───私は乗っている台を蹴った。
───ヴィーネの顔が浮かんだ。昔のヴィーネ。私と出会ったころのヴィーネ。少しはにかんで見せるヴィーネ。サターニャやラフィと笑っているヴィーネ。屋上から落ちていくヴィーネ。
───私は、敗北した。最後の最後であの悪魔がかけた呪いは、私の意識を襲ったのだ。
───やがて私の意識は遠のいていった……。最後にみんなと、自分が笑っている記憶を思い描いて。
end
元スレ
ヴィーネ「もう、戻れない」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488985636/
ヴィーネ「もう、戻れない」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488985636/
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コメント一覧 (29)
-
- 2017年03月09日 03:22
- あー珍しいの来たな
-
- 2017年03月09日 03:25
- なんでSSのヴィーネすぐ壊れてしまうん?
-
- 2017年03月09日 03:38
- 皆殺しの動機がちょっとショボ過ぎませんかね
-
- 2017年03月09日 03:58
- ムカついたからやったんやろ、現実でもフィクションでも殺人の動機なんて他人からしたらだいたいショボいやん
-
- 2017年03月09日 04:20
- 動機:ハンガー
-
- 2017年03月09日 05:53
- 悪魔だから倫理観がおかしくても仕方ないね
-
- 2017年03月09日 06:00
- なにこのループ物のバッドエンドみたいな話
-
- 2017年03月09日 06:12
- 文才なさすぎ
ゴミ
死んで詫びろ
-
- 2017年03月09日 08:06
- おもしろかった
-
- 2017年03月09日 08:37
- ヴィーネがヤンデレ化するのとサターニャが死ぬのは最早テンプレ
-
- 2017年03月09日 09:06
- なぜガウドロSSは全部素晴らしいのか
もうヴィーネのヤンデレ具合がたまらんチー
-
- 2017年03月09日 09:31
- もっと徐々に歪んでいくヴィーネの心理描写とか入れたら更に好き
-
- 2017年03月09日 09:35
- 日常系をわざわざBADENDにする意味がわからん
-
- 2017年03月09日 10:22
- マサキの蛇足をカットしてる管理人有能
-
- 2017年03月09日 11:50
- この手のが氾濫し始めると作品の賞味期限って偉い人がいってた…気がする
-
- 2017年03月09日 12:07
- 米8みたいな感情剥き出しで噛みついてくる奴見るの気持ちええな
俺もこの手のss書こうかな。普通のss装って
-
- 2017年03月09日 13:37
- ※16 書ける文才あるの?w
-
- 2017年03月09日 14:07
- 早速噛み付かれてて草生える
-
- 2017年03月09日 14:20
- SSで人を苛つかせるのって大して難しくないけどね
キャラの呼び方や一人称を変えるだけで読み込んでないにわかだと思わせることが出来るし
安直にキャラを殺したり、作者の自己投影キャラを出すだけでもいい
-
- 2017年03月09日 16:12
- サターニャちゃんはなんだろ...悪魔なんだから当然の行いよ。とでも慰めるつもりだったんだろうか
-
- 2017年03月09日 17:55
- 悪魔的にはヴィーネの仕送り上がるのだろうか
-
- 2017年03月09日 20:22
- 恋する乙女のパワーは凄いわね
-
- 2017年03月09日 20:23
- すこ
-
- 2017年03月09日 22:13
- こんなんで楽しんでる奴なんなの?
現実で虐められてるインキャなんだろうな
俺にはわかるよ
-
- 2017年03月10日 00:40
- 俺にはわかるよwwwwwwww
-
- 2017年03月10日 20:20
- ワイはほのぼの系が好きだけどだからこそあんまり見ないこういう系もアリだとは思うゾ
低評価つけるマンも何だかんだ見てるんやなw
-
- 2017年05月07日 21:21
- >>8,24
こういうの必死にに否定するのって否定してる自分は正常だって思いたい人らしいよ
-
- 2017年05月09日 03:02
- まだだ!まだ間に合うっ!時を戻せ!
孤独の観測者、ガヴリール!!
-
- 2017年06月05日 14:00
- バッドエンドだけど綺麗にまとまってて嫌いじゃない