ガヴリール「サターニャって最近ラフィとすげー仲いいよな」サターニャ「は、はぁ!?そんなわけっ/////」ラフィエル「そうですよ~♪」
- 2017年03月07日 03:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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サターニャ「ややややめなさいよこの悪魔!!/////」
ガヴリール「あーうっぜ、向こうでやってくんね」
的な
ガヴリール「あー見えない見えない」
サターニャ「ちょ、ガヴリール!?」
ガヴリール「耳が詰まって聞こえないなぁ……ヴィーネに頼むかなぁ」
ガヴリール「おっと、ヴィーネがいないなー探しに行こうー」スタスタスタ
サターニャ「あからさまな嘘で逃げ――」グイッ
サターニャ「……ら、ラフィエル?」
ラフィエル「サターニャさんは、私のことお嫌いですか?」
サターニャ「うっ……」
サターニャ「あーいや、その……」
ラフィエル「……そう、ですか」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
サターニャ(まるで、それが演技じゃないかのように、とぼとぼと歩く)
サターニャ「い、いやいや……いつもの揶揄いでしょ」
サターニャ「……………」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
ラフィエル「……なんですか?」
サターニャ「あ、あのさ!」
サターニャ(振り返ったラフィエルの寂しそうな顔)
サターニャ(残念そうな顔)
サターニャ(私の知ってる、私の知らない顔)
サターニャ「あのさ……」
サターニャ「き、嫌いじゃないわよ! 別に」
サターニャ(見ていられなくて、眼を逸らす)
サターニャ(ラフィエルも、ガヴリールも、ヴィネットも)
サターニャ(私にとっては、一応……)
サターニャ「だかっ――」
サターニャ(意を決して顔を上げた瞬間)
ラフィエル「むふふ~」
サターニャ「な、なに笑ってるのよ」
サターニャ(いつものラフィエルの笑顔が見えた)
サターニャ(いつもなら何とも思わない)
サターニャ(でも、少しだけ違った)
サターニャ(また引っかかりましたね。と、言われてる気がした)
ラフィエル「サターニャさんはやっぱり、お優しい方だな~と」
サターニャ「嘘。ほんとは馬鹿にしてるでしょ」
ラフィエル「え?」
サターニャ(根拠はなかったけど)
サターニャ(でも、いつもそうだからって、勝手に考えて)
サターニャ(適当に言った言葉は、ラフィエルを驚かす)
サターニャ(いつもの仕返し、そんな言葉が心に浮かんだ)
ラフィエル「あの――」
サターニャ「あんたなんか大っ嫌いよラフィエル! もう話してやらないんだから!」
サターニャ(ごめんなさいと言わせてやる)
サターニャ(いつもいつも揶揄ってくる仕返しだと)
サターニャ(……すでにある罪悪感に言い聞かせて。ラフィエルを見る)
ラフィエル「その……サターニャさ……」
サターニャ(ラフィエルにしては、稀に見る落ち着かなさだった)
サターニャ(驚きに見開いた瞳)
サターニャ(彷徨う右手、途切れ途切れの言葉)
サターニャ「…………」
サターニャ(まだよ。まだ!)
サターニャ(胡桃沢=サタニキア=マクドゥエル。ここで引いてはいつもと同じよ)
サターニャ(ぐっと握りこぶしを作って、ラフィエルを睨む)
サターニャ「……ふんっ、そう言うことだからさようなら。白羽さん?」
サターニャ「……っ」
サターニャ(背中を向けた瞬間、一瞬だけど、腕に何かが触れた)
サターニャ(何かじゃない)
サターニャ(ラフィエルの手……でも)
サターニャ「……………」
サターニャ(何も言わずに歩き出す)
サターニャ(ラフィエルがまた、騙そうとしているかもしれないから)
サターニャ(振り返ればまた、むふふ~って笑っていると思ったから)
ラフィエル「サターニャさん……」
ラフィエル「……すみません」
サターニャ(心を鬼にしてでも抗った甲斐があった!)
サターニャ(……………)
サターニャ(でも、また騙そうとしてたら?)
サターニャ「……それでもいいじゃない」
サターニャ「いや、でも……」
サターニャ(自分で自分に話しかけて)
サターニャ(どうするべきかを話し合ううちに)
サターニャ「あ……」
サターニャ(気づけば、家に帰って来ていて)
サターニャ(振り返ってもラフィエルはいない)
サターニャ「明日ネタバラシすればいい……わよね!」
サターニャ(いつも通りの考え方で、気持ちを切り替えた)
…………
……
ガヴリール「ん? 今日は一緒じゃないのか?」
サターニャ「私とラフィエルがなんでセットなのよ」
ガヴリール「サターニャだって別に嫌じゃないんだろ~?」
サターニャ「それは……その」
サターニャ(ラフィエルがそばにいる事)
サターニャ(私にとって、それは……)
サターニャ「なんだっていいでしょ! それよりも勝負しなさい、ガヴリー……」
サターニャ(府と視線を感じて教室の入り口に目を向けると)
サターニャ(逃げるように靡いた銀色の髪が消えていく)
ガヴリール「勝負はしないぞ。面倒……? どうした?」
サターニャ「あ、いや……急用が出来たわ! 首を長くして待ってなさい!」
ガヴリール「洗うじゃないのかよ……どれだけ待たせるつもりだよ」
サターニャ(ガヴリールのそんなぼやきを無視して教室を出て、右を見る)
サターニャ「……いない」
サターニャ(ラフィエルのクラスに行くと、ついさっき出ていった。と言われて適当に階段を登っていく)
サターニャ(青空通路を通っていると、校舎脇に座り込むラフィエルと子犬が見えた)
サターニャ「ラフィエルーっ!」
ラフィエル「!?」
ラフィエル「ぁ………」
ラフィエル「っ!」
サターニャ「あ、ちょっ、待ちなさ……って、追えるわけないしぃ~っ!」
サターニャ(声をかけた瞬間)
サターニャ(ラフィエルは体を震わせて、そのまま辺りを見渡し)
サターニャ(私を見つけた瞬間全速力で走り出す)
サターニャ(要するに、また見失った)
サターニャ(授業が終わった瞬間に教室に駆けこんでも)
サターニャ(入れ違いで出ていったと言われる)
サターニャ「……はぁ」
ヴィーネ「どうしたの? ため息なんてサターニャらしくない」
サターニャ「ヴィネット……」
サターニャ(ヴィネットは私のことを心配そうに見つめ)
サターニャ(隣の席が空席なのを確認してから椅子に座る)
サターニャ「んー……」
サターニャ(言えるわけない。ラフィエルと喧嘩したって……)
サターニャ「!?」
サターニャ(ガタンッと膝を机の裏にぶつけたけれど)
サターニャ(そんなことが気にならないほど、混乱する)
サターニャ(喧嘩? 私がラフィエルと?)
サターニャ「い、いやいや。あれは復讐。仕返し」
サターニャ「悪魔的反撃―デビルズカウンター―。ゆえに喧嘩じゃ――」
ヴィーネ「いや、喧嘩でしょ」
サターニャ「えっ」
ヴィーネ「普段はラフィがサターニャを追いかけてるのに、今日はサターニャが追いかけてる」
サターニャ「それはっ」
ヴィーネ「本当に嫌いならどうだっていい」
サターニャ(ヴィネットは私が言いたいことを分かっているみたいに)
サターニャ(中途半端に遮って)
ヴィーネ「でも、サターニャはそうやって頑張ってラフィエルに会おうとしてる」
ヴィーネ「それなら、その手で捕まえられなくても。その言葉で引き留められるんじゃない?」
サターニャ(ヴィネットはそう言いながら)
サターニャ(私の胸のところを指さして、ウインクする)
サターニャ「でもさ……ラフィエルの姿さえ見えないし」
ヴィーネ「ラフィエルはサターニャと一緒でしょ。サターニャが迷走してなければ、の話だけどね」
サターニャ(私にしか見えないような位置で、扉の方を指さす)
ラフィエル「!」
サターニャ「あっ」
サターニャ(いつものように、ラフィエルがいた)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが逃げる事)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが悲しそうなこと)
ガヴリール「さっさと行くなら行けよ。サターニャ」
サターニャ「ガヴ――」
ガヴリール「何のための筋力極振りなのか分からなくなるだろ~」
サターニャ(言いたいことは色々ある)
サターニャ(でも今は呑み込んで、駆けだす)
サターニャ「後で勝負よ! ガヴリール!」
ガヴリール「一騎打ちはしないからな」
サターニャ(余計なお世話よ……天使の癖に! そう心にとどめて前を見る。廊下の先、一瞬だけラフィエルの髪が見えた)
サターニャ(ラフィエルに頭で勝ててない事なんてわかってんだから)
サターニャ(だから……それ以外でなんて、負けてやれない!)
サターニャ(考えない。考えないで直感で移動する)
サターニャ(間違えてたら逃げられる)
サターニャ(慎重すぎても逃げられる。それなら――本能に従う)
サターニャ(そして、屋上に出ると)
サターニャ(端までかけていく銀色の髪が見えた)
サターニャ「……天使の力で逃げるつもりね?」
サタ-ニャ「………」
サターニャ(胸の前で強く拳を作り、息を吸い込む。そして)
サターニャ「ごめん!!」
サターニャ(今ここで……ううん。一番ラフィエルに言いたい言葉を放り投げた)
ラフィエル「…………」
サターニャ「ほんの冗談のつもりだった……わけじゃない。ごめん、少し本気だったわ」
サターニャ(いつも揶揄ってくるから)
サターニャ(ラフィエルの悲しそうな顔とか雰囲気とかが信じられなくなって……)
サターニャ(積もり積もったものが爆発した)
サターニャ(……そう。信じていた)
サターニャ(信じるくらいに、私はラフィエルを……思ってた)
サターニャ「全部私が悪いとは思ってないわよ!」
サターニャ「元はと言えば、ラフィエルが揶揄ってばっかりだから!」
サターニャ「だから、一応勇気を振り絞った言葉まで揶揄われて……嫌になったわけだし!」
サターニャ(ゆっくりと、堂々と近づいて)
サターニャ(あと少しのところまで来たところで、不意に)
サターニャ(ラフィエルの頭が私の胸にぶつかった)
ラフィエル「すみません」
ラフィエル「ごめんなさい……サターニャさん」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「サターニャさんと居ると楽しかったんです。どこまでも、いくらでも。どんなことでも」
ラフィエル「それで自分を制することが出来なくなって……いえ、私はサターニャさんに甘えていたんです」
ラフィエル「サターニャさんなら許してくれるだろう。気にしないだろう。と」
サターニャ(これは、嘘だと思えない)
サターニャ(ううん、思いたくなかった)
サターニャ(私のブラウスにしみこんでいく天使の雫が偽物だって、疑いたくなかった)
ラフィエル「ですが……」
サターニャ「好きとか嫌いとか! そう言うのを冗談に利用されたのが嫌だっただけで」
サターニャ(隠さない)
サターニャ(いつものようにしてしまいそうな心を、頭を)
サターニャ(ラフィエルの感触で抑え込んで)
サターニャ「ちょっとイラってくることも確かにあるわよ。でも」
サターニャ「……ラフィエル」
サターニャ(意を決してラフィエルの両肩を掴んで、体から引き離す)
サターニャ(濡れた金色の目は、宝石のように見えて)
サターニャ(だから、それに目がくらんだのよ。と、恥ずかしさに壊れそうな心を立て直して)
サターニャ「楽しかった。普通に、幸せだったと思うし」
サターニャ「無くなったら無くなったで……なんだかんだ物足りないし」
サターニャ「ラ、ラフィエルは笑っててくれた方が……私的には嬉しいって言うか……」
サターニャ(頭の中で響いて、全体的な体の熱さを感じて)
サターニャ(きっと、顔が赤いんだろうなぁ。なんて)
サターニャ(他人事みたいに考えて)
サターニャ「な、仲直りよ!」
ラフィエル「……良いんですか?」
ラフィエル「また、悪戯するかもしれません。揶揄うかもしれません」
ラフィエル「それでも――」
サターニャ「良いわよ。ラフィエル」
サターニャ(好きという言葉は使えなかった。でも、それでいいと思いながら)
サターニャ「大悪魔様であるこの私が、その程度の事で嫌いになるわけないじゃない」
ラフィエル「サターニャさん……ありがとうございます」
サターニャ「…………ぅ」
サターニャ(抱き着いてきたラフィエルを)
サターニャ(思わず、流れ任せに抱きしめながら、地獄の業火にも似た熱さを体に感じて)
サターニャ(どうか心臓の音だけは聞こえませんようにと、願った)
……………
………
ラフィエル「サターニャさんっ、今日はお買い物行きませんか?」
サターニャ「良いけど、着せ替え人形はお断するわ」
ラフィエル「忘れたんですか? 今日は二人でお料理を――」
サターニャ「お、覚えてるわよ。忘れるわけ」
ラフィエル「む~サターニャさんっ! 天誅です!」
サターニャ「にゃっ、やめ――」
ガヴリール「サターニャってさ。最近ラフィとすげー仲いいよなー」
ヴィーネ「ほんと」
ラフィエル「そうですよ~、ね、サターニャさーん」
サターニャ「くっつくなぁっ!」
サターニャ(抱き着いてくるラフィエルにそう言いながらも)
サターニャ(心はまんざらでもなくて、笑う)
ガヴリール「……はぁ」
サターニャ「なによガヴリール。文句あるわけ?」
ガヴリール「いいや、ないよ」
ガヴリール「あーいや、やっぱりある。出来れば余所でやってくれ。見てるこっちが恥ずかしい」
サターニャ(私は天使が、ラフィエルが――好きだから)
すまんね、ほのぼのを書くには理解が足らなかったようだ
だからやっぱり>>1が書くべきだよ
◆以下、おまけ(小ネタ)になります。
元スレに貼られていた画像
元スレ
ガヴリール「サターニャって最近ラフィとすげー仲いいよな」サターニャ「は、はぁ!?そんなわけっ/////」ラフィエル「そうですよ~♪」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488800582/
ガヴリール「サターニャって最近ラフィとすげー仲いいよな」サターニャ「は、はぁ!?そんなわけっ/////」ラフィエル「そうですよ~♪」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488800582/
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コメント一覧 (17)
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- 2017年03月07日 04:50
- めっちゃ良い
-
- 2017年03月07日 07:06
- これが俺の求めてたガヴドロssだよ!!
-
- 2017年03月07日 07:24
- よくやった
-
- 2017年03月07日 08:09
- これ元スレでなにも言われなかったが少し前のサターニャ行方不明のSSの人らしいな
-
- 2017年03月07日 08:23
- ありがとうございます今日も頑張れます
-
- 2017年03月07日 09:56
- 内容はとても素晴らしいんだけど、からかうをなぜ漢字にするのか…読める読めないじゃなくて、読みにくい。
-
- 2017年03月07日 10:57
- 変換して出たのでそのまま使ったっての,ありますあります. あ,内容は良かったです
-
- 2017年03月07日 11:41
- からかうって読むのね…やゆうって何だろうとそんな言葉あるんかなとか思って読んでた
字面でなんかバカにする的なもんだろうとは思ったけど…からかうだったとね
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- 2017年03月07日 11:53
- やっぱ最近サターニャ可哀想に思えてきたからラフィにはSS内だけでも痛い目見てほしい
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- 2017年03月07日 12:39
- 原作でのラフィエルとサターニャのギリギリな攻防ラインの関係をよく分かって書いてるな
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- 2017年03月07日 12:46
- これは良いラフィサタ
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- 2017年03月07日 14:28
- 壮大な痴話喧嘩をありがとう
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- 2017年03月07日 18:20
- あらあらあら^〜〜〜
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- 2017年03月07日 21:57
- ラフィが幸せそうだとこっちもなんか幸せになる
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- 2017年03月08日 03:49
- なぜガウドロSSは全部素晴らしいのか
最近増えてて嬉しいわ
ラフィみたいなキャラが手玉に取られるとゾクゾクするね
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- 2017年03月09日 14:02
- あーイイ……
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- 2019年08月09日 01:37
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