【シンデレラガールズ】もしアイドルのプロデューサーが兄弟だったら【その2】
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【日野茜なら兄も熱い】
茜「兄さん! 走りましょう!」
P「おう! 絶好のダッシュ日和だな!」
ダダダダダ!!
ちひろ「事務所内では走らないでください!!」
事務所の外
茜「に、兄さーん! ま、待ってくださーい!」
P「そんなに声出るならまだまだ行けるはずだぞ茜!!」
茜「兄さん速くて追いつけませーん!」
P「しかたないな! ちょっとペース落としてやるよ」
茜「ありがとうございます!」
P「よっしゃ! じゃああの夕日に向かって走るぞぉ!!」
茜「はいっ! どこまでも付いていきますよぉ!!」
ダダダダダ!!
ちひろ「も~! あの二人はどこへ行ってしまったんですか!?」
日が沈んでから帰って来た。
菜々「ウーサミン!!」
P「姉ちゃん……」
菜々「ちょちょちょちょちょっと、その呼び方はダメー!!」
P「あぁ……そっか」
菜々「菜々のことは菜々って呼んでって言ってるでしょ!?」
P「おね……菜々さん」
菜々「さん付けってなんだか違和感ある……」
P「……まあ見た目だけなら誤魔化せるけどさ」
菜々「見た目? 何言ってるんですか!? 菜々はれっきとした女子高生! 永遠の17歳なんですよ!」
P「………………はい」
菜々「お願いだから引かないでぇ!!」
菜々「何か言った?」ジロ
P「いえ、何も……」
P(素になるの怖いよ)
菜々「いいから、絶対にお姉ちゃんって呼ばないでね」
P「わかったよ」
P(仕事しづらいなぁ……担当替えてもらえないかな?)
菜々「あ、そういえば冷蔵庫にビールあったかな?」
P「そういうところ」
菜々「何が?」
P「もっと女子高生らしい話してよ」
菜々「え″っ」
杏「おはよう兄貴……ふわぁ」
P「おう、おはよう。顔洗って来いよ」
杏「わかったー」
P「俺先に行くわ。朝ごはん出来てるからちゃんと食えよ」
杏「オッケー」
P「あと着替えそこな」
杏「うん」
P「じゃ、行ってきまーす」
杏「行ってら~……はぁ」
杏(世話焼きすぎ……ま、楽でいいんだけどさ)
杏(いつも使うヘアゴムとアイロンも用意してある。杏の歯ブラシに歯磨き粉ついてるし)
杏「……」
杏(あ、制服、アイロンがけしてある)
P(杏、二度寝してないかな? 学校間に合えばいいけど)
P(メール送っとこう)
放課後
「杏ちゃんじゃあね!」
杏「ばいばーい」
杏(これからアイドル活動か~……サボっちゃおうかな。あ、携帯光ってる)
杏「下校中にメールチェック♪……うげっ」
杏(新着4件。全部兄貴じゃん)
杏(何々? 『二度寝しなかった?』『学校間に合った?』『お弁当持った?』『今日、事務所来る?』)
杏(過保護かっ!)
杏(ま、兄貴のために行ってあげようかな)
杏(送信……っと)
P(ん、メールだ)ピピピ
P「お疲れ」
「先輩仕事早いっすね。もう帰りっすか?」
P「いや、杏が来るみたいだから残る。手伝おっか?」
「いえ、お気遣いありがとうございます」
ガチャ
杏「よっ、兄貴」
P「おー、お疲れさん」
杏「杏、今日はちょっと頑張ってもいいよ」
P「いいことあったか?」
杏「まあね~」
杏「保護者じゃないんだから」
P「別にいいだろ」
杏「ねぇ、兄貴」
P「何?」
杏(いつもありがとう……なんて素直に言えるわけもないじゃん)
杏「杏、印税で楽に生きていきたいな~」
P「ははは、お前なら頑張ればできると思うぞ」
P「美波おつかれー」
美波「あ、お兄ちゃん!」
P「レッスン疲れたろ」
美波「うん、でもお兄ちゃんが来てくれたから吹っ飛んじゃったかな」
P(吹っ飛んだのは疲れだよな)
美波「今度のダンス激しくて難しいんだ」
P「そっか、上手くなったか?」
美波「何回もやったからそれなりに上達したと思う!」
P「美波は頑張り屋さんだな」
P「へぇ、どうして?」
美波「あんなに激しいの何回もやったのにそんなに疲れてないんだもん」
P(ダンスの話ね)
美波「あ、でも興奮状態で疲れを感じなかったのかも」
P「ああ、ランナーズハイ的なやつね」
美波「そう!」
P「そういや昨日の撮影はどうだった?」
美波「昨日? 昨日は何事もなく終わった感じかな」
美波(意地悪? セクハラのこと?)
美波「うん、まあ」
P「やりづらい人がいたら言ってくれよ? 何とかするから」
美波「ありがとうお兄ちゃん」
P「そういや気になる子でもいたか?」
美波「え?」
美波(気になる子って……今の聞き方、恋愛的な意味なのかな?)
美波「ううん、いなかったよ?」
P「あ、そう。876所属の絵里ちゃんとか良いと思ったんだけど」
美波(ああ、気になるってそういう……)
P(あ、美波のやつ勘違いしてたな。俺も言葉に気を付けよう)
美波「でもお兄ちゃんってああいう子がタイプなんだ」
P「いや、違うって。一般的に言って可愛いだろ?」
美波「そうだけど……」
P「俺のタイプは……そうだなぁ……」
P「……」ジー
美波(え、そんなに見つめて……まさか私!?)
P「お前じゃないぞ?」
美波「へ? ……あ、う、しし、知ってます~!!」カァァ
P(なんだその反応は……)
終わり
P「……」ペラペラ
文香「おつかれさまです、兄さん」
P「……」ペラペラ
文香(すごく集中してる……)
文香(私も本、読もう)
文香「……」ペラペラ
十数分後
P「……ふぅ」パタン
P「読み終わった。あれ、文香いつの間に……」
文香「……」ペラペラ
P「文香、おつかれさま」
文香「……」ペラペラ
P(集中力すごいな……)
P「そういや仕事残ってたっけ」
文香「……ふぅ」パタン
文香「読み終わりました」
文香(あ、兄さんももう読み終わってる)
文香「兄さん?」
P「お、文香おつかれさま」
文香「おつかれさまです」
文香(今度はすぐに反応してくれました)
P「さっき何読んでたんだ?」
文香「え、と……西洋の歴史の本を」
P「そっか、タイトルは?」
文香「『ナチスの主』というのを読んでました」
P「へぇ……俺、歴史はさっぱりだ」
文香「そうですか。兄さんは?」
P「官能小説」
文香「……は、はぁ」カァァ
文香「兄さん……」
P「ごめんって」
文香「今度その本読ませてください」
P「官能小説?」
文香「違います!」
文香(そもそも本当に持っているのでしょうか?)
P「ん、さっきの俺が読んでたやつなら貸してあげるよ。……ほら」スッ
文香「『プロデューサーへの転身』?」
P「そ、アイドルからプロデューサーになった人の自叙伝」
文香「面白そうですね」
文香(兄さんにしては珍しいかも……)
P「うん、まあまあ。自分のプロデュースの足しになればいいけどね」
文香「そうですか」
文香(私のために読んでくれたのでしょうか?)
P「お前もアイドル活動頑張れよ」
文香「はい。ありがとう兄さん」
撮影現場
奏「遅かったじゃない」
P「悪い。ちょっと会議が押しちゃってな」
奏「もう遅い時間よ。泊まっていった方がいいんじゃないかしら?」
P「何言ってんだ。まだ20時だろ?」
奏「1時間も遅刻した人が言っても……ねぇ?」
P「それは本当に悪かったって」
奏「じゃあ私のお願い聞いてくれる?」
P「ああ、1つだけなら別にいいぞ」
奏「じゃあ…………キ P「キス以外な」 ス……」
奏「どうして?」
P「お前、俺のことからかいたいだけだろ?」
奏「バレてたのね」
P「それにさ」ズイッ
奏「な、何かしら?」
奏「……な!」カァァ
P「ははは、赤くしてやんの」
奏「……じゃあ! 今度、私の友達も誘って高級なフレンチにでも連れてってもらおうかしら!? もちろん兄さんの奢りで!」
P「ああ、それでいいぞ」
奏「え?」
奏(本当にいいのかしら? 実は兄さん引くに引けなくなってしまって……)
P「余計なこと考えてるな? 俺の貯金はお前のために使うって決めてるからいいの。それに最近頑張ってるしな。ご褒美ご褒美♪」
奏(まったく、嫌な兄さんだわ……あ)
奏「兄さんって彼女の一人もいないのね」ニコニコ
P「そんな笑顔で痛いとこつくなよ……」
みりあ「お兄ちゃ~ん!」
P「どうしたみりあ~?」
みりあ「レッスン行こ!」
P「お、もうそんな時間か」
みりあ「いっぱい踊るんだ!」
P「ダンスもいいけど歌もお芝居もしっかりな」
みりあ「うん!」
P「それと、兄ちゃんお仕事あるから途中でいなくなるけど大丈夫?」
みりあ「えー!? お兄ちゃんと一緒がいい!!」
P「うーん……お仕事だからなぁ……」
みりあ「やだなー!」
P「そうだ。じゃあ兄ちゃんが帰ってくるまでいい子にしてたら明日は兄ちゃんとお出かけするのはどうだ?」
みりあ「お兄ちゃんとお出かけ!?」
P(何かモノで釣るみたいで、罪悪感あるけど……飴と鞭だと考えよう)
みりあ「わかった! 私、頑張るね!」
会議終了後
P「おつかれさまです」ガチャ
みりあ「……」
P「お、みりあ帰るぞ…………どうした?」
みりあ「私、明日のお買い物行けない……」
P(ありゃ、どうしたんだろ?)チラッ
トレーナー「プロデューサーさん、ちょっと……」
みりあ「うん……」
P「何かありました?」
トレーナー「それが、みりあちゃん今日やけに張り切ってたみたいで……上手くいかなくなった途端にどんどん落ち込んじゃって……」
P「あー、それでですか。すみません、俺の責任です」
トレーナー「いえ、そんな……」
P(俺が無意識に気負わせ過ぎたのか……)
P「みりあおいで」
みりあ「……」トテトテ
P(ちゃんと来てはくれるのか)
P「ごめんなみりあ」ギュ
みりあ「……」
みりあ「お兄ちゃんのせいじゃないよ……」
P「でもなみりあ。失敗してもいいんだぞ? 兄ちゃんはみりあが失敗しても、めげずにレッスンしてくれたらそれでいいんだ」
みりあ「お兄ちゃん……」
P「みりあは一人でレッスンしたもんな。だから明日お出かけしような」
みりあ「ううん。行かない」
P「え?」
みりあ「だって私、失敗してめげちゃったもん。だからまた今度にしよっ!」
P「そっか……偉いぞみりあ!」
みりあ「私、頑張る!」
P「おー! 頑張れ! 俺も応援するぞ!」
ワイワイ
トレーナー(仲睦まじい……)
終わり
愛梨「お兄ちゃん」
P「ん、どうした?」
愛梨「暑くないかなぁ?」
P「何を言い出すかと思えば……またそれか」
愛梨「……」ヌギヌギ
P「こら、脱ぐんじゃない」
愛梨「だってぇ……」
P「あんまり下着姿になるなよ。品性を疑われるぞ」
愛梨「でも、汗かいちゃいそう」
P「わかった。冷房つけるからしばらく我慢しろよ?」ピピ
P「……」
愛梨「ふわぁ……」
P(なんだかやけに静かになったな)
愛梨「……」スースー
P「寝てる……って服はだけてるし無防備すぎ」
P「誰か入ってきたらどうすんだよ」テキパキ
P「……」ブル
P「冷房効かせすぎたか?」
P(タンスに社用のコートあったっけ……)ガサガサ
愛梨「うぅん……」
P「また! 寝相悪いったら……」テキパキ
P(……よし、コート着て、毛布もかぶせた)
P「……自分の手が冷てぇ」
愛梨「……んぅ」バサ
P「また……嫌がらせか?」テキパキ
P「こいつめ」ツンツンギュー
P「変な顔」クスクス
愛梨「……お兄ちゃん!」ガバッ
P「うわっ!」
愛梨「暑くなってきたんだけど!」
P「起きてたのかよ……」
愛梨「……」ヌギヌギ
P「あー、こらこら、ごめんって」
P「あ、すまん」
愛梨「いいよ。しばらくこうしてよう?」ギュ
P「冷たいだろ」
愛梨(私のために我慢してくれてるから……なんて恥ずかしくて言えない)
愛梨「やっぱ脱いでいいかなぁ?」
P「ダメです!」
P(そこは甘やかしちゃダメだよな)
美優「ねえPくん、この衣装ちょっとおかしいんじゃないかな?」
P「え? そうかな。姉ちゃんに似合うと思って選んだんだけど……」
美優「こんな露出が多いのが私に似合うって言うの?」
P「あー、まあ、そうなるかな?」
美優「お姉ちゃんのことそんな目で見てたの?」
P「そうじゃなくって! 一般的にセクシー系の衣装の方がウケがいいんだよ」
美優「一般的って……本当かしら?」
P「本当。姉ちゃんってさ、清楚なイメージがあるけど……」
P「うーん、あの、なんていうか……スタイルいいじゃん? あ、他の子と比べてさ! あくまで比較してね?」
美優「そうかしら? やっぱお姉ちゃんのこと……」
P「だから違うってば!」
美優(そんなに否定することないのに)ムッ
P(やば、ちょい機嫌悪くなった?)
P「……あの、嫌だったらいいからね?」
美優「でも最初に選んだのはこれなんだよね?」
P(というか尋問? つーか面倒くせぇ!)
美優「どーしてこれを?」
P「いや、だから……すいません」
美優「お姉ちゃん理由聞いてるんだけど」
P(うわぁ……姉ちゃんに彼氏ができない理由わかってきたかも。ていうか面倒だし適当言えばいいか)
P「えと、それはその、俺が見たかったんだよ……」
P(口から出まかせにしてももっと別のこと言えばよかった……)
美優「あ、そ、へ~、そうなんだ?」
P「は?」
美優「本当に理由が知りたかっただけだからこの衣装でもいいよ」
P「どういう風の吹き回し?」
P(最初は理由が知りたいとか言ってなかったと思うんだけど)
美優「気が変わったの。Pくんの言うことだし、腐っても私のプロデューサーだもんね」ニコニコ
P「腐ってもって……」
P(まあ何か嬉しそうだったしいいか)
P「にゃんにゃん可愛いねぇ~」
みく「お兄ちゃんきもっ!」
P「うっせー、猫を愛でる人間をきもいって言うな」
みく「まぁ猫ちゃんは超可愛いけど、お兄ちゃんは全然かわいくないもんにゃあ」
P「お前だってにゃあにゃあうるさいだけで可愛くねーよブス」
みく「にゃあっ!! うっわー、今全国のみくファンを敵に回したに違いにゃい」
P「はっ! 誰がプロデュースしてやってると思ってんだ」
みく「みくはお兄ちゃんなんかいなくても自分で自分をプロデュースできるんだにゃあ」
ニャーニャー!!
P「……てか猫カフェ来てまで兄妹喧嘩はやめよう?」
P「猫ちゃん可愛いなぁ~」
みく「猫ちゃんかわいいにゃあ……」
P「そういや何でみくはアイドルになろうと思ったんだ?」
みく「そんなの猫ちゃんの可愛さを布教するためにゃ!」
P「あー、そう」
みく「なんか興味なさげだにゃ……」
P「だって知ってたわ」
みく「そういうお兄ちゃんはみくが猫キャラで行くって決めた時否定しなかったよね」
P「まあそれも知ってたことだし、猫キャラだったら俺以外にプロデュースさせたくねぇし」
P「興味無いのな」
みく「だって知ってたもーん」
P「あ、そう」
みく「それに携帯の待ち受けみくと猫ちゃんなのも知ってるよ?」
P「げぇっほ!!」
みく「うわ」
ゲホッ! ゲホッ!
P「……おい、そんな引いた目で見るな」
みく「まあしかたないよね。世界一猫キャラが似合うみくを待ち受けにしたって不思議じゃないにゃあ」ニヤニヤ
みく「何とでも言うがいいにゃあ!」
P「まあでも実際さ……」
みく「にゃに?」
P(みくが俺の最高のアイドルだ……なんて言えないし)
P「いや、別に何でもないにゃあ」
みく「あっそ、世界一猫好きなお兄ちゃん」
P「本当、お前最高だよな……」
終わり
響子「おはよーお兄ちゃん」
P「おはよー。響子、あいつら起こしに行ってくれないか?」
響子「わかった」
響子「んー、お兄ちゃんの朝ご飯。和食かな」
P「……」テキパキ
響子「起こしてきた」
P「サンキュ。響子も身支度しとけよ」
響子「はーい」
響子「わ、美味しそう」
P「大したことない。俺、先に出るから」
響子「行ってらっしゃーい!」
P「行ってきます」
響子(お兄ちゃん出るの早いなぁ。まだ7時……)
響子(弁当も作って洗濯もしてる)
響子「私の出る幕ないよぉ……」
346プロ事務所
P「終わったぁ……まだ16時か」
P「響子のレッスン終わるの20時だし、ちょっと晩飯作りに帰るかな」
響子「お疲れ様です! ありがとうございました!」
ガチャ……バタン
P「よ、響子。終わったか?」
響子「あ、終わったよお兄ちゃん! 今日のお弁当も美味しかった! ごちそうさまでした」
P「お粗末様でした。ありがとな」ナデナデ
響子「えへへへ……」ニコニコ
響子「お兄ちゃんにお話があります!」
P「へえ、どうした? 何か買ってほしいもんでもあるのか?」
響子「ぶぶー! 違います!」
P「んじゃあ正解は?」
響子「正解は……お兄ちゃんが辛かったらいつでも私がお料理や家事、交代するからね! でしたー」
響子「わ、髪くしゃくしゃになっちゃうよぉ」
P「や、だってな……こんな兄の顔は響子に見せられん」
響子「えー、どんな顔?」
P「見るなって」ギュウ
響子「わぁ……えへへ、お兄ちゃん私に甘えてる~」
P「ま、家のことはある程度やるから、たまには甘えさせてくれ」
響子「大丈夫! 私もお家の手伝い無かったらほとんど暇だから!」
P「でも響子の気持ちが嬉しいよ」
響子「うん、私もお兄ちゃんからいっぱい嬉しい気持ち貰ってる」
P「ただいまー」
響子「ただいまー」
「あ、兄ちゃん! 遊ぼう!」
「お兄ちゃん! テレビ見よ!」
響子「ほらほら、お兄ちゃんお仕事で疲れてるからまた今度ね!」
P「響子って本当、手がかからんよな」
加蓮「……」
P「加蓮、どっか出かけるのか?」
加蓮「兄貴には関係ないでしょ」
P「いや、そうだけど。出かけるなら車で送るぞ?」
加蓮「いいよ、恥ずかしい」
P「まじか。歩いていくの?」
加蓮「まあね」
P「そう、じゃあ気を付けてな」
加蓮「うん」
加蓮「……ってきまーす」ボソボソ
P「おう、行ってらっしゃい」
P「ただいま」
加蓮「……ぉかえり」ボソボソ
P「ん、ただいま。ほらお土産」
加蓮「……何?」
P「ダイヤプラムのゼリー」
加蓮「え、あの高級スイーツ店の?」
P「そうだけど」
加蓮「何でわざわざ……?」
P「あれ、嫌いだったっけゼリー?」
加蓮「あ、ううん。好き、食べる」
P「そっか、紅茶でも入れようか」
加蓮「うん」
加蓮「……ぁりがと」ボソボソ
P「ん、どういたしまして」
加蓮「……」クラッ
加蓮(あ、ちょっと立ちくらみ……)
P「大丈夫か?」グイッ
加蓮「わ……大丈夫だから」
P「そうか、何か買ってこようか?」
加蓮「いや、いいって」
P「今日のレッスンどうする?」
加蓮「出るよ」
P「わかった。辛かったらすぐ先生に言えよ」
加蓮「うん」
加蓮(やば、ちょっと辛いかも……)
加蓮(……でも、まだ続けられる)
加蓮(……いや、でも)
加蓮「……あの」
「どうした?」
加蓮「ちょっと気分悪いです」
「……そうか、無理はよくないな」
加蓮「ごめんなさい」
「いや、いい。そこに横になってなさい」
加蓮「はい」クタッ
加蓮(あ、一気に身体重く……)フッ
…………
P「……」スースー
加蓮「あれ、兄貴?」
「ああ、連絡したらすぐにとんできたよ」
加蓮「そ、そうなんですか……」
P「ん……ふぁ」ノビノビ
加蓮「あ、起きた」
P「……あれ、加蓮大丈夫?」
加蓮「うん、おはよう」
P「おう、おはよう」
梨沙「にぃに!」ダキッ
P「うぉっ! 梨沙か……」
梨沙「ねえ、にぃに! アタシ、レッスンでたくさん褒められちゃった!」
P「おお、それは良かったな」
梨沙「なんかご褒美欲しいなぁ……?」
P「じゃあ、なでなでしてやるからこっちおいで」
梨沙「やった!」
梨沙「……」ススス
梨沙「どうぞ?」キラキラ
梨沙「うん、最高! ……ほわぁ」
P(嬉しそう……てか気持ちよさそう?)
P「……ほい、終わり」
梨沙「えー、足りないんだけどぉ……」
P(拗ねてる?)
P「じゃあどうしよう?」
梨沙「んー、だったらねー……結婚!」
P「それは年齢的にも国籍的にも無理」
梨沙「世知辛い世の中よね」
P(世知辛いか?)
P(準備早すぎ)
P「それもダメでしょ」
梨沙「えー! にぃにの小心者!」
P「いや、そうじゃなくてさ……」
梨沙「じゃあほっぺでいいわよ」
P(不貞腐れた?)
P「じゃあほっぺね」ススス
梨沙「ん」ズイ
P「……」チュ
梨沙「えへ……」ニマー
P(可愛い)
梨沙「ほぇ!? な、なになに?」カァァ
P「今日はラッキーデー。にぃにからハグのサービスです」ギュー
梨沙「にぃに……」ギュ
P(あ、抱きしめ返された。これ離れないんじゃ……)パッ
梨沙「……」ギュー
P(しょうがない。今日は抱いて移動しよう)
結局、他のアイドルに冷やかされ、恥ずかしくなって離れた。
終わり
昼休み
P「……」モグモグ
まゆ「どうですか? まゆの作ったお弁当」
P「うん、美味しいよ」
まゆ「良かったぁ」
P「でも、まゆ?」
まゆ「何ですか?」
P「ちょっと近くて食べづらいかな?」
まゆ「……」
P(無視!?)
P「まゆ?」
まゆ「何ですか?」
P「あー、まあいいや」
まゆ「変な兄さんですね、うふふ……」ニコニコ
まゆ「……」スンスン
P「うぇっ! まゆ、何してんの?」
まゆ「兄さん良い匂いするからつい……」
P「や、つい、じゃなくてさ。たはは……」
まゆ「!」ピクッ
P「どうした?」
まゆ「他の女の匂いがしますけど……」
P(他の女って……)
まゆ「これはどういうことですか?」
P「どういうって、ほら会議とかで会うじゃん?」
P(てか目が怖い)
P「さあ……知らんけど。てかそんなに匂うか? 近づかれても一瞬だと思うんだが?」
まゆ「ええ、とっても臭いますよ?」
P「ふーん、俺自身の匂いもよく分からんしな」
まゆ「まゆがよぉく覚えてるからいいんですよ?」
P「そんなもんかね」
まゆ「そんなもんです」
P「でも女っ気無いのは確かだからさ、安心してよ」
まゆ「でもぉ」
P「それに、妹さんには敵いませんってよく聞くし俺も鼻が高いよ」
まゆ「うふふ……嬉しいことです」
P「でもまゆって俺のことになると急に怖いし、ブラコン拗らせ過ぎだから」
P「あのねぇ、俺は人の好意には敏感だからね? でも俺たちは兄妹だしわかるよな?」
まゆ「わ、わかりません!」
P「いや、そう言うだろうとは思ったけど無理」
まゆ「じゃあまゆは兄さんを殺さなくちゃいけません」
P「それもやむなしだ」
まゆ「ほら、それは嫌ですよね? ……え?」
P「なら俺はまゆに殺られる前に死ぬしかない。ただしまゆは生きろよ。俺のことを本当に思ってるんだったらな」
まゆ「そ、そんな……ずるいです」
P「ていうかこの話やめよう? 兄妹で死ぬだの殺すだの物騒だし楽しくないもん」
まゆ「……それもそうですね。まゆと兄さんの将来は決定してることですもんね」
P(あー、これ会話になってないじゃん)
P「おーい、まゆ、目を覚ませ~」ブンブン
P「……」ゴク
ありす「……」ゴク
P「ふぅ……」カチャ
ありす「うぇ……」ゲンナリ
P「ありす、砂糖とミルク足そう?」
ありす「うぅ……嫌です。私も兄さんと同じのじゃなきゃ嫌です」
P「そうか」
P「……」ヒョイヒョイ カチャカチャ
ありす「何してるんですか?」
P「ほら見てみ。俺のコーヒーに砂糖とミルクいっぱい入れたからありすも真似しなきゃ」
ありす「……」カァァ
P「そうこなくっちゃ」
ありす(また兄さんに気を使わせてしまいました。でも兄さん優しいです)
ありす「お人好しとも言いますけど」ボソ
P「どうした?」ゴクゴク
ありす「いえ、何でもありません」
P(うぇ……ちょっと甘すぎるな。まあいいや)カチャ
P「……」スッスットン
ありす「タブレット」ピクッ
P「お、興味あるか?」
ありす「いえ、別に」ウズウズ
P「じゃあやるよ」
ありす「いや、私はいらないって……」パァァ
P「ははは、顔がそう言ってないからなぁ」
ありす(興味無い訳じゃないですけど、兄さんがそれを使ってる姿に憧れただけというか……)
P「まあ本当に要らないならいいんだけど」
ありす「し、しかたないですね。特別に私がもらってあげます」
P「ふふ、どうぞありすお嬢様」ニコ
ありす「そ、その、あり、ありがとう」
P「だめ」ヒョイ
ありす「え、な、何でですか!?」
P「やり直し」
ありす「えぇ……」
ありす「……く、くるしゅうない?」
P「はは~っ!」
ありす「何ですか、このやり取りは?」
P「……くくくっ! ありす、可愛いなぁ」
ありす「!」ドキッ
ありす「可愛いなんて……」カァァ
P「もっと自分のしたいことしなさいな」ポンポン
ありす「……うん」
『9回裏ツーアウト2塁3塁。当たれば一発逆転のチャンス』
P「……」
友紀「……」
『打ったぁ!! ぐんぐん伸びていく! 伸びていく!』
P「……」ガタッ
友紀「……」ガタッ
『文句なしのサヨナラ逆転スリーランホームラン!!』
『キャッツ! これで連勝を12に伸ばしました! 勢いが止まりません!』
友紀「いえぇぇぇぇぇぇ!!」イエェェェェェ!!
P「うはははは!! 止まんねーなキャッツ!!」
友紀「最高だね!!」
グイッ ゴクゴク
友紀「ぷっはぁぁぁぁ!! ビールが美味い!!」
P「最高だな!!」
アハハハハハハハハハ!!
翌日
P「うぁー……頭痛てぇ……」
友紀「うぇー……気持ち悪い……」
終わり
昼頃
智絵里「……」
P「よ、智恵理」
智絵里「あ、お兄ちゃん」
P「何か落とし物でもした?」
智絵里「ううん、四葉のクローバー無いかなって……」
P「へぇ、どうして?」
智絵里「友達が今度ライブするから、お守りにでもどうかなって思って」
智絵里「……」フルフル
P「そっか。まあほどほどにな」
智絵里「うん」
夕刻
智絵里「……」
P(智絵里のやつ、やっぱりまだやってる)
P「よ、智絵里」
智絵里「あ、お兄ちゃん」
P「まだやってたのか。四葉のクローバーは見つかっ……てないよな」
智絵里「うん」
P「そんな智絵里にプレゼント」スッ
智絵里「あ、四葉のクローバー」
P「もう暗くなるし、お友達にはそれ渡してあげなよ」
智絵里「ありがとう。お兄ちゃん」
P「いいって、智絵里が頑張ってたの知ってるから。じゃあ俺、まだ仕事あるから」
智絵里「うん、ばいばい」フリフリ
智絵里(お兄ちゃん、膝のところ汚れてた……)
P(あー、腰痛い……)
P「……」スーッ
P「……」スパー
アーニャ「けほけほ……」
P「あ、すみません……アーニャか」グシグシ
アーニャ「タバコはやめた方がいいですよお兄さん」
P「いや、まあ、うん」
アーニャ「星も曇っていってしまいます」
P「それはないだろ」
アーニャ「気持ちの問題ですよ」
P「あ、そう」
アーニャ「それにしても今日はよく星が見えますね」
アーニャ「身体に悪いです。お兄さんはもっと身体を大事にしてください」
P「俺はいいんだ。アーニャは大事にしろよ」
アーニャ「もう……わかってません」
P「別にいいだろ。さぁ……戻るか。その格好じゃ冷える」
アーニャ「ええ、ちょっとだけ寒いです」ピトッ
P「タバコ臭いんじゃなかったのか?」
アーニャ「だからタバコはやめてくださいね?」
P「考えとくよ」
アーニャ「そればっかりじゃないですか……」
スタスタ
(何語? しかも外国のスキンシップって大胆だわ……)チラッ
通りすがりの人が見たらそんな感じ。
レッスンルーム
P「失礼しまーす」ガチャ
トレーナー「1、2、3、4……」
未央「ハァ……ハァ……」タンッタンッ
トレーナー「……はい、今日はここまで」
未央「全然上手くいかない」ションボリ
P「おつかれ未央~」ポンポン
未央「うわっ! お兄ちゃん!?」
P「今日も頑張ったな! 偉い偉い」ナデナデ
未央「もう! そんなことないよぉ……全然上達しなくってさ」
未央「口で言うのは簡単でしょ~?」ジッ
P「ははは、まあね。でも俺は続けらんないと思うから、未央はすごいと思うよ」
未央「あっそ。私、自主練してくから帰っていいよ」
P「冷たいなぁ」クスクス
P「先生、いつも未央がお世話になってます」
トレーナー「いえ……私の指導不足のせいで……すみません」
P「別にそんなことありませんってば! 自信持ってください」
トレーナー「でもいつも居残り自主練させちゃってて……」
P「先生は悪くないですから。あ、それとこれさっき買ってきたんでご家族でどうぞ」
トレーナー「え? でも……」
P「いいんですって! いつもお世話になってますから」グイグイ
P「そうやって笑ってる方が可愛いですよ」ニコニコ
トレーナー「……あ、ありがとうございます」ゴニョゴニョ カァァ
未央「ちょっと兄ちゃん先生口説かないでよ恥ずかしい!」
P「いや、そんなつもりじゃないって!」
未央「どーだか! 先生も気を付けてくださいね。兄は誰にでもこうなんです!」
P「ははは、参ったな」
未央「じゃあ練習するから」
P「わかった。この部屋21時に次の人使うから、それまでに出るんだぞ?」
未央「りょーかい」
タンッ タンッ
トレーナー「あ、なんだか元気になりましたね未央ちゃん」
P「そーですか? いつもこんなもんですよ」
終わり
かな子「どうしよう。智絵里ちゃん達にあげたお菓子だいぶ余っちゃったな」
かな子「自分で食べるにはさすがに多すぎるし……」
かな子(それに、またレッスンで辛くなるし)プニプニ
P「変な顔してどうした、かな子?」
かな子「あ、お兄ちゃん。ちょうどいいところに」
P「ちょうどいいって……嫌な予感しかしないが」
かな子「お菓子作りすぎちゃったからあとはお兄ちゃんにあげるね」
かな子「美味しいよ」
P「そんなのわかってら。最近気になるんだよお腹周り」
かな子「え、お兄ちゃん腹筋割れてるのに?」
P「いやいや、もう現役じゃないからとっくに衰えてるよ」
かな子(お兄ちゃんの腹筋見たの一昨日なんだけど……)
P「ま、でもありがたく頂戴します」
かな子「はい、どうぞ♪」
P「……」パクパク
P「うん、美味しいからしかたない」
かな子「ありがとう。作った甲斐あるな~」
P「ま、あんまり作りすぎんなよ?」
かな子「お兄ちゃんが食べてくれるから大丈夫だよ」
P「他力本願かよ。そうじゃなくてな……」
かな子「え、何?」
P「お前がレッスン大変になるだろ」
かな子「あ」
P(俺と食べる量大して変わんないし)
李衣菜「いやー、ロックだねー!」
P「……おい李衣菜」
李衣菜「どうしたのお兄?」
P「お前、ロックロックってな……そんな言うならギターでもやってみたらどうだ?」
李衣菜「いや、やってるから!」
P「エアギターの話してねぇよ!」
李衣菜「いいじゃん別に」
P「ギター持ってるだろ? 教えてやるってんのに」
李衣菜「お兄はベースでしょ?」
P「ギターのコードも覚えてるから、一応できるんですけど?」
李衣菜「あっそ」
李衣菜「まあ? 私がロックって思えばそれがロックだし?」
P「うるせー。バンドの一つでも組んでみやがれ。それにロックはドラッグ&セ○クスで、社会に抗ってくジャンルなんだよ」
P(多様化してる今はこれも偏った見方だけどっていうのは黙っとこ)
李衣菜「お兄きもい。なんでバンド時代モテてたか理解できないんだけど」
P「きもい言うな。あと、別にモテてないから」
李衣菜「じゃあ女の人を家に連れてくんな」
P「それについては申し訳なかった」
李衣菜「どーだか」
李衣菜「恩着せがまし」
P「更正したと言ってるんだ」
李衣菜「正直、楽器覚えるの大変だし面倒なんだよね」
P「でも弾けるようになりたいだろ?」
李衣菜「それは、まあ、もちろんそうだけど」
P「夏樹と弾いてみたくないか?」
李衣菜「弾いてみたい!」
P「じゃあやってみろって、お前若いんだから何でもできるぜ」
P「ま、あとはやる気次第だな」
李衣菜「じゃあさ。ベース教えてくんないかな?」
P「はぁ? 何でベース?」
李衣菜「なつきちがギターで、私がベース。何かロックじゃん?」
P「まあロックやるにはドラムスも欲しいところだけどな」
李衣菜「細かいことはいいって」
P「細かくねーよ!」
李衣菜「じゃあ今度ベース教えてよね」
P「はいはい」
P(でもお前が持ってるギターはどうすんだっていうのも黙っとこ)
きらり「お兄ちゃん! どうして避けゆの?」
P「いや、避けてはないけど……きらりと一緒にいるとなぁ……」
きらり「身長が気になっちゃう?」
P「う……まあそういうことなんだけど」
きらり「でも、お兄ちゃん。もうその歳じゃ身長は伸びないと思うよぉ」
P「わかってる! わかってるんだ」
きらり「じゃあ、きらりと一緒にレッスンルーム行こ?」
P「やっぱ他の人の視線が痛いんだよ……」
きらり「気にしない、気にしない♪」グイ
P「うわ、おい担ぐな!」
P(てか力強っ!)ジタバタ
クスクス ナニアレー
P(だから嫌なんだ……恥ずかしい)カァァ
終わり
P「……」カタカタ
桃華(ぴしりと伸びた背筋。落ち着きのある雰囲気。事務仕事をこなすためにかけたブルーライトカットの眼鏡)ジッ
桃華(非常に様になっておりますわ)ジー
P「……」ピタ
P「どうかした、桃ちゃん?」クルッ
桃華「い、いえ……兄ちゃまを見ていただけですの。気を紛らわせてごめんなさい」
P「そうか。桃ちゃん、自分を抑え込んじゃうから少し心配したよ。してほしいことあったら何でも言っていいからね?」
P(眠くなってきた。あくびしたいけど……桃ちゃんしかいないし、いいか)
P「……ふわぁ」
桃華(兄ちゃまがあくびだなんて珍しいですわ)
P(眠い。1回仮眠とろう……)
P「……」スッ スタスタ
桃華「兄ちゃまどちらへ?」
P「少し外すね。桃ちゃんは好きな時間にお帰り?」
桃華「え、ええ……」
ガチャ……バタン
桃華「……応接室?」
ギィ
桃華「……」チラ
P「……」スースー
桃華(あ、疲れていらしたのね。ソファに横になって寝てますわ)
P「……んぅ」モゾ
P「……くしっ!」
桃華「きゃっ! ……く、くしゃみ?」
桃華(今日、少し冷えますものね)
桃華「ここは私が一肌脱ぐしか無いみたいですわね」
数十分後
P「……ん」パチ
桃華「……」クークー
P(桃ちゃん? 寝てる。てか涎垂らしちゃってはしたない……)
P「膝枕……どこで覚えたんだろう」
P(あ、涎付いちゃった……)ベトー
P「起こさないように拭いといてあげなきゃ」フキフキ
P「今日はもう帰そうかな」ヒョイ
P「桃ちゃん、もうお疲れみたいなので送ってやってください」
「はい、かしこまりました」
P「あなたもおつかれさまです。いつも桃華がお世話になっております」
バタン ブロロロロ!!
櫻井家
桃華「何で私、自分のお部屋にいますのー!?」
蘭子「くくく……煩わしい太陽ね!」
P「おー、蘭子おはよう」
蘭子「うむ。我が眷属よ。私の支配する闇の導を問う」
P「うん、今日はレッスンが20時までだから17時には移動しよう。ちなみに明日は撮影なんだけど、コンセプトは俺が決めちゃっていいか?」
蘭子「む? 我が魂、私にしか委ねさせぬ!」
P「あ、そう? じゃ、どうしようか?」
蘭子「それは堕天……麗しき天の羽はもがれ、漆黒の闇が私を覆う……そして私は闇の力に目覚めるのよ!」
蘭子「うむ!」フンス
P(嬉しそう)ニコ
蘭子「! ……あぅぅ」カァァ
P「ほんじゃ、レッスン行こうか」
蘭子「あ……うん」
レッスンルーム
P「よろしくお願いします」
蘭子「……ぉ願いします」ボソボソ
トレーナー「はい、よろしくお願いします」
トレーナー「お疲れ様でした!」
蘭子「フフフ……闇に飲まれよ!」
P「闇に飲まれよ!」
トレーナー「?」
P「ああ、蘭子なりのあいさつです。お疲れさまっていう……可愛いでしょう?」
トレーナー「そうだったんですね! 初めて知りました」
P「蘭子、帰ろうか。それとも何か食べてく?」
蘭子「必要ない。私には世界の終焉を見届ける義務があるわ」
蘭子「やった! ……こほん! よかろう。我が屋敷にて晩餐を手配するのだ」
P「あはは、ご機嫌だね」
蘭子「今宵は闇の光が我が道をよく照らしてくれたのよ」
P「そっか。良かったな」
トレーナー「?」
P「先生のおかげで今日はすごく上達したみたいですね。ありがとうございます」
トレーナー「いえいえ、当然のことをしたまでですから」
P「そうだな、もう帰るか。先に車乗ってて」
蘭子「うむ!」
蘭子「……」トテトテ
トレーナー「どうしたの?」
蘭子「……あ、あの先生……今日は、その、あ、ありがとうごじゃました」ボソボソ
トレーナー「どういたしまして!」ニコ
P「ん、よく言えたな」ポンポン
蘭子「あ、わ、私、先に行くから!」カァァ
トレーナー「可愛いですね」
P「そうでしょう?」
事務所
ガチャ
P「よ、拓海」
拓海「おう、兄貴……」
P「今日はやけに早いな」
拓海「あぁ、まあな」
P「はは、最初はアイドル渋ってたのに気が付けば1周年だな」
拓海「うるせぇ」
P「なあ拓海」
拓海「チッ……何だよ」
P「無理してんならアイドル辞めていいぞ。俺への罪滅ぼしのつもりなら……」
P「や、だってよぉ……お前、あのころから変わったよ。真面目になったっつーか」
拓海「なってねぇ」
P「学校に特攻服着て行かなくなったそうじゃねえか。それに喧嘩もしてねぇし、成績も伸びてるってな」
拓海「何で、知ってんだよ!」
P「そりゃ、妹の自慢話だもんよ。俺も自慢したっていいだろ」
拓海「チッ……勝手にしやがれ」
P「そんで、どうすんだよアイドルに関してもそうだが、俺のこと抜きにしてさ、お前のやりたい事やれよ」
P「そうか」
拓海「そんで今、そのやりたいこと全部できてる」
P「それならいいんだが」
拓海「兄貴言ったよな? あのことは兄貴のやりたかったことだから気にすんなって」
P「ああ、そうだ」
拓海「だからアタシも一緒だ。アタシのやりたいことだから気にすんな」
P「ふーん。あ、俺も1個やりたいこと見つけた」
拓海「何だ!?」
P「今度、お前のバイク乗せてくれよ。たまには風を感じたいっつーか」
P「サイドカーあるだろ?」
拓海「ああ、だったらいいぜ」
P「乗り物好きなんだよ」
拓海「……」
P「あ、悪い。無神経だったか」
拓海「いや、いいって。兄貴楽しそうじゃん」
P「まあな。拓海と乗れるのが嬉しいのかもな」
P「まあ今もずっと乗り物に乗ってるから」
拓海「笑えねー冗談はやめろ」
P「だから、気にしてねーってことだよ」
拓海「アタシが気にすんだよ」
P「あー、悪い」
拓海「……今度一緒に走ろうぜ」
終わり
紗枝「お兄さん。今日もおべべがばっちり決まってはりますなぁ」
P「これ着んとよう落ち着かん」
紗枝「おかげでお兄さんの噂が後をたたへんよ」
P「噂ってどないな?」
紗枝「けったいなもんやなぁ……やったり。はんなりとしとりはるわぁ……やったり」
P「賛否両論あって当然やなぁ。スーツっちゅうのがしんどくてしかたあらへん」
紗枝「そんな。お兄さんにはうつらはる」
紗枝「せやなぁ。まあ、うちはスーツ姿のお兄さんも好きどすけど」
P「おおきに。紗枝はんも制服姿よううつらはる」
紗枝「おおきに」ニコ
(なんだろうあの雰囲気は……)
他人からしたら会話に入りづらい。
奈緒「なあ兄貴」
P「何だ」
奈緒「あたしアイドルやってて思うんだけどさ」
P「おう」
奈緒「いわゆる二次元アイドルって成功しすぎじゃね?」
P「まーな。しかし、それがいいんだろ。熱い友情、血の滲むような努力、壁にぶつかっては乗り越えていくアイドルたち」
奈緒「いやぁ、そうなんだけどさ。本業をしているあたしから言えば何だかできすぎて胡散臭いよな」
奈緒「やっぱ兄貴もそう思うだろ!」
P「そうじゃなけりゃ物語として成立しないしなぁ」
奈緒「そりゃそうだけど……あたしも何とかあんな風になれないかなぁ」
P「待て奈緒」
奈緒「ん?」
P「俺とお前は兄妹だろ?」
奈緒「そうだけど、それがどうかした?」
奈緒「うん」
P「おいここまで言ったらわかるだろ」
奈緒「いや、全然」
P「だから、こんな設定ならアニメより濃いと思わないか?」
奈緒「……あ~、確かにそうかも」
P「だろ? プロデューサーである俺の妹がアイドルなんだが……みたいなタイトルで」
奈緒「めっちゃありそう! 兄貴、天才だな!」
P「ハハハ……!」
奈緒「アハハ……!」
奈緒「はぁ……」
P「夢を見るのはよくないな」
奈緒「いや、アイドルなんだから夢を見させてよ」
P「アイドルはファンに夢を与えるんだ。お前は現実を見ろ」
奈緒「厳しー。こんなプロデューサーが二次元にいたら嫌だな」
P「だろ? 俺たちはコツコツやるぞ」
奈緒「はーい」
P「ま、そこら辺の地下アイドルよりは売れてるから」
奈緒「贅沢は敵だなー」
唯「お兄ちゃん、こっちこっち!」
P「わぁったから待てって!」
唯「お兄ちゃんさ、唯とデートしてんのにまたスーツ?」
P「デートじゃねぇだろ。お前の買い物に付き合ってんの」
唯「デートだよ!」
P「違う! それに仕事帰りだからスーツは当然だろ!」
唯「せっかくだしお兄ちゃんも服買おうよ!」グイグイ
P「こら、人の話を聞け!」
P「ったく……」
唯「これと、これと、これと……」
P「おい、いくつ選ぶ気だ」
唯「はい、試着して来て!」グイグイ
P「わかった! わかったから押すな!」
P「まったく強引すぎ……どうしてあんなチャラチャラした子になったんだ」
唯「着れた?」シャー
P「着替えてるから開けんな。店員さんに見られるだろ」
唯「や、着方わかるかなぁって思って」
P「わかるわ!」
P「違うから……てか店員さん集まってんだけど?」
唯「うん、ゆいが呼んだの。みんなの意見聞こうって思って」
P「余計なことを……俺みたいな地味なやつ見たって面白くないだろう」
唯「えー、ゆいから見てもお兄かっこいいからお姉さんたちメロメロだって!」
P「聞いてるこっちが恥ずかしい」
唯「どうかなお姉さん」
「かっこいいですね~!」
「こっちの服も試してみませんか?」
「これもきっとお似合いですよ」
唯「お兄モテモテじゃん!」
ワイワイ……
P(結局、服選びに二時間も付き合わされた……疲れた)
唯「良かったね~お兄ちゃん」
P「良くない。時間ばっか使って……」
唯「まあたまにはいいじゃん? ゆいも久しぶりにお兄と遊べたし!」
P「……」
唯「楽しかった~!」
P「……」フッ
P「そうか……じゃ、最後に飯でも食って帰るか」
唯「うん!」
終わり
P「フンフンフフーン……」
フレデリカ「フンフフフフーン……」
P「フレデリカ~」
フレデリカ「フレデリカ~……ってなんで兄ちゃんがフレちゃんの歌歌ってんの~?」
P「何でやろな~?」
フレデリカ「それは真面目にやってきたからでしょーね」
P「あっはっはっはっは……!!」
フレデリカ「あっはっはっはっは……!!」
フレデリカ「ババン!」
P「今日の宮本の予定は何でしょう?」
フレデリカ「宮本って二人おるやないかーい!」
P「1番、レッスン」
フレデリカ「まさかの無視!」
P「2番、お稽古。3番、練習。4番……もう思いつかないから何でもいいや」
フレデリカ「むむ、これは難問」
P「ライフラインは使いますか?」
フレデリカ「この前ガス止められて使えません」
P「そうですか。ついでに電気と水道も止めときますね」
フレデリカ「ファイナルアンサー?」
フレデリカ「早い!」
P「正解は……お、もうこんな時間か。さっさと車に乗ってレッスン行くぞ」
フレデリカ「えー、正解は?」
P「フンフンフフーン……」
フレデリカ「フレデリカ~」
P「行ってきまー!」
フレデリカ「薫ちゃん、行ってらっしゃーい」
P「何してんだ。お前も来るんだよ」
フレデリカ「ぎゃー! 誘拐される~!」
P「へへへっ! 連れてって署にぶち込んでやるぜ!」
フレデリカ「フンフンフフーン……」
P「フレデリカ~」
ガチャ……バタン
(やっと行った……あの二人のテンションは何?)
P「お姉ちゃーん、本当にやるの? 考え直した方がいいって」
瑞樹「何言ってんのよ。あなたが勧めたんじゃない」
P「や、言ったけどさー……」
瑞樹「じゃああれは冗談で、お姉ちゃんをからかったってわけ?」
P「う……あの時は本気だったよ。ただ、なんていうか僕も舞い上がってたんだよきっと……」
瑞樹「舞い上がってた~?」
P「う、うん。ほら、プロデューサーに昇進したからさ……」
瑞樹「それで『姉ちゃんのことプロデュースしてやる』って息巻いたわけ?」
瑞樹「ローカルのね」
P「……」
P「……それは関係ないっていうか」
瑞樹「何でちょっと黙ったのかしら?」
P「姉ちゃん、身内の僕から見ても、その……び、美人だし、か、かわ、可愛いし……まあ多少ですけどね?」ワタワタ
瑞樹(身振り手振り多いわね)
P「あー! 違くって!」
瑞樹「な、何よ?」
P「アナウンサー辞めるのは正直もったいないと冷静に考えました」
P「いや、そうじゃないって。だからさっきも言ったでしょ?」
瑞樹「えー? 何て言ったっけ~? 瑞樹ぃ~思い出せな~い」キャピ
P「……」
瑞樹「ちょ、無言止めなさい」
P「あ、ああ……ごめん!」カァァ
瑞樹「え、どうしたの?」
P「あの、僕けっこう姉ちゃんのそういうとこ……か、可愛いと思うから!」フイッ
瑞樹「はい?」
P「だからあの時、アイドルやってみないか誘ったのは本気だったよ」
瑞樹「へ、へぇ」
P「でも、仕事も大変だし、お給料も安定しないし……ダメもとで頼んでみたんだけど」
瑞樹「私が意外にも前向きだったと……」
瑞樹「じゃあいいじゃない。私もアイドルに興味あるし、それにあなただから任せられるって思ったのよ?」
P「うん、姉ちゃんさえよければ僕が姉ちゃんをしっかり導くよ」
瑞樹「さすが私の弟だわ」
P「任せてよ! ところでアイドルって何やるか知ってる?」
瑞樹「ええ、歌って踊ってキャピキャピするのよね!」
P「あー、キャピキャピは歳が……」
瑞樹「何よ! そんなの関係ないわよ!」
P「あー、だよね。わかるよ」
瑞樹「川島みぢゅきで~す! 5ちゃいと276か月で~す!」
瑞樹「こんな感じでしょ?」
P「……うん、キャラ大事だもんね。でもそういうぶりっ子系はけっこういるからさ」
瑞樹「ええ、わかるわ。それを越えるぶりっ子を身に付ければいいのね!」
P「や、路線変更しようよ……」
数週間後、川島瑞樹デビュー!
P「藍子見ませんでした?」
「いいえ、見てませんよ」
「私も」
P「そうですか。ありがとうございます」ペコ
P(藍子のやつ電話にも出ないしどこ行ったんだ?)タッタッタッタッ
「彼、高森さんだよね。妹さんと真逆でテキパキしてるなぁ」
「確かに、藍子ちゃんはほんわかして可愛いけど、彼はかっこいいよね」
P(外まで来ちゃった)
P「……」チラッ
P(あと、30分でレッスン始まるんだけど! ……あ!)
藍子「……」ホワホワ
P「藍子!」
P「藍子は何でそんなに落ち着いてんだ! レッスン始まるって!」
藍子「あ、本当だ」
P「電話したのに出ないしさ……」
藍子「電源切っちゃってたみたい」
P「とにかく急ぐよ」スタスタ
藍子「ちょっと待って……」テクテク
P「急がないと、先生に迷惑かかっちゃうよ」グイッ
藍子「待ってよ、お兄ちゃん……痛い」
P「あ、ごめん」パッ
藍子「……うん」
P(どうしよ、着替えとかあるし、このままじゃ間に合わない)
藍子「ひゃっ……きゃあっ!」
P「しっかり捕まって!」
P「ごめんね強引で!」タッタッタッタッ
藍子(お兄ちゃん……)ギュウ
レッスンルーム
ガチャ
P「ギリギリセーフ……?」
トレーナー「セーフですよ?」
P「あ、先生。藍子をよろしくお願いします」
P「うわぁ! ご、ごめん!」スッ
藍子「ううん……」ポケー
トレーナー「じゃあ始めましょう……藍子ちゃん?」
藍子「……」ポケー
P「藍子のことよろしく頼みます」
トレーナー「あ、はい。任せてください」
藍子(お兄ちゃんにお姫様抱っこされた……? 着替え手伝ってもらった……?)モンモン
藍子「……あ」ピクッ
藍子「わぁ~~~~~~~!!!!」ボッ
トレーナー「あ、藍子ちゃんどうしたの!?」
トレーナー(真っ赤になってる!)
終わり
P「なー幸子」
幸子「何ですか? このカワイイボクを呼び出したんですからきっととっても大事なお話なんですよね?」
P「何だその上から目線? お前暇してたじゃねーか」
幸子「そんなわけないじゃないですか! ボクは常に世の中から求められていて大変忙しいんですよ」
P「あっそう。じゃあオファー全部蹴っとくわ」
幸子「ちょ、ちょっとー!? 待ってください!」
P「忙しいんだろ?」
幸子「いやいや……し、しかたないですから出てあげますよ」
幸子「兄さん……」
P「それにお仕事したい子いっぱいいるからお前じゃなくていいし」
幸子「兄さん……?」
P「だからもう帰っていいぞ?」
幸子「兄さん!? 出ます出たいです出させてください!!」
P「じゃあもう文句言うなよ?」
幸子「はい、言いません」
P「オッケー。うん、いい感じで予定埋まった」
P「今週末が『絶叫アトラクション祭り』でのロケ」
幸子「はい?」
P「その翌日が『空と一体になる』っていうスカイダイビング企画」
幸子「あれ?」
P「その翌日が『出ると噂の最恐心霊スポット』だな」
幸子「いやあの……」
P「おや? おやおや~? 文句は言わないんだよな?」
幸子「あ、その……ちょっと体調が……」
P「そうか……仕事までに治しとけよ。もう取り消し効かないから」
幸子(鬼……)
幸子「ふぇ?」
P「さらにその翌日が……」ペラペラ
幸子「……」
P「……てな感じだからよろしく」
幸子「ちょっと……」
P「あー! いいなー! 幸子、アトラクション乗れて楽しそうだな! 良かったな!」
幸子「あ、はい……」
P「俺も乗りたかったなー」ニヤニヤ
幸子「この悪魔~!」ブワァッ!
志乃「……」クイ
P「姉さん、またワイン飲んでる! アルコールはやめてください!」
志乃「違うわ。アルコールじゃないもの」
P「顔赤いんですけど!?」
志乃「少し暑いからじゃないかしら?」
P「俺は寒いんですけど! てか、室温17℃ですけど!」
志乃「そこまで言うんなら飲んでみたらいいじゃない」
P「俺は勤務中にお酒は飲みません」
P「ダメです」
志乃「……じゃあ私が全部飲むわ」
P「飲むなら水、お茶、ソフトドリンク!」
志乃「もう、うるさいんだから」ゴソゴソ
P「文句言いながらボトル取り出さない! ほら、それアルコールじゃないですか!」
志乃「これはノンアルコールよ。フランス語で書いてあるからPくんにはわからないと思うけれど」
P「そんな立派なボトルがノンアルコールであってたまりますか。ていうかその『Alc.18%』っていう表示は何ですか!?」
P「可愛いって意味わかんないから!」
P「はぁ……はぁ……疲れた」
志乃「Pくん真面目すぎよ。仕事の間に息抜きくらいしたっていいじゃない?」
P「それ息抜きじゃなくて羽目を外すって言うんですよ?」
志乃「Pくんも一口飲んだら?」
P「飲みません」
志乃「ほら、美味しいわよ?」グイグイ
P「ちょ、顔にグラス押し付けるの止めて」
P(鬱陶しい……)
P「ちょっと! 強引すぎ! スーツにこぼれる!」
P「……うわ!」
P「……」ビシャー
志乃「……」
志乃「……」ゴクゴク
志乃「美味しいでしょ?」
P「……姉さん最低です」グス
志乃(涙目になっちゃった……)
志乃「あの……」
P「飲んでていいんで、もう話しかけないでください。この酔っ払い」
P「……」
志乃「……ごめんなさい」
P「……」
志乃「これあげるから」
P「……」
志乃「……」ゴクゴク
P「……」イラッ
志乃「……」ガシッ
P「うぇ! 何!? ……んぐ!」
P(何やってんのこの人……酒臭い……)ゴクゴク
志乃「……ぷはっ」
P(口移しで……俺あんまり経験無いのに……)
P「うううぅ……」ポロポロ
P「姉さん、酷すぎるよ……」グス
志乃「……」
志乃「……どんな味がした?」
P「もう出てってよ!!」
P「うぃっす夏樹。調子はどうだ?」
夏樹「おう、絶好調だぜ」
P「そうか。明日のライブ楽しみにしてるぞ」
夏樹「任せとけ!」
P「バンドメンバーとはどうだ?」
夏樹「ああ、悪くないね。さすが兄貴の集めたメンバーだよ」
P「ははっ……それ聞いたらみんな喜ぶだろーな。あの木村夏樹に認められたってな」
夏樹「何言ってんだよ。プロだろ? アタシより上手いって」
P「謙遜すんな。お前の方が売れてるのは事実だよ」
夏樹「その考えってロックじゃねーよな」
夏樹「世間様は見る目が無いな」
P「聞く耳持たねえ、だろ?」
夏樹「はははっ! 違いないね」
P「ま、上手くやれてるならいいさ。それじゃ」
夏樹「あ、おい、待てって」
P「どうした?」
夏樹「なあ、何で兄貴はバンド辞めたんだよ?」
P「あー、そんなこと……」
夏樹「アタシは気になるんだけど」
夏樹「それマジで言ってんのか?」
P「おう。……音楽一本で食ってけるのかどうか、怖くなったんだ。そん時思ったよ。ああ、俺はロックな漢じゃねえんだってな」
夏樹「……」
P「俺は社会に逆らわずに安定志向で生きていくロックとはかけ離れた人間さ。だから辞めてプロデューサーになった。お前に俺の夢押し付けてな。最低だろ?」
夏樹「ああ、最低だ。……けどな、アタシは兄貴に夢押し付けられたなんて思ってない。アタシがやりたいことをやってんだ」
P「ならお前の夢はどうする?」
P「……」
夏樹「そんでアタシがもっと有名なロックシンガーになったら、兄貴とセッションがしたい!」
P「バカ、お前はアイドルだろーが」
夏樹「だったら最高にロックなアイドルだ」
P「……負けたよ。俺もお前の夢に乗るぜ」
夏樹「兄貴……」
P「たった今から、俺の夢はお前の夢を叶えることだ」
夏樹「おう! よろしく頼むぜ!」
終わり
ほたる「……おはようございます」
P「おはよう、ほたる」
ほたる「兄さん、大丈夫ですか……?」
P「ん、何が?」
ほたる「私を庇ってできたその怪我は……」
P「おう、大丈夫大丈夫!」ニコニコ
ほたる「で、でも……」
P「気にすんなって! ほたるは悪くないじゃん?」
P「兄ちゃんは幸せだぞ? ドMだから!」
ほたる「え……?」
P「いや、冗談だから引くな引くな」
P「兄ちゃんの本当の不幸はほたるが笑顔になってくれることだからな!」
ほたる「兄さん……」
P「しかもほたるはラッキーだよ。だって兄ちゃんほたるが大事で大事でしょうがないから」
P「強がってないって……」
スタスタ
「わぁ! 危ないっ!!」
ガタタッ
P「ほたる!」バッ
バシャー
P(熱!!)
「す、すみません!」
P「大丈夫大丈夫! そっちこそ怪我ない?」
P「気にしないで、すぐ治るよ」
「氷嚢取ってきます!」
P「行っちゃった。いいのに別に」
ほたる「兄さん……ごめんなさい」
P「何でほたるが謝るんだよ?」ニコ
ほたる「私の不幸のせいです。兄さんが庇ってくれなかったら私また……」
P「いいって言ってるだろ? それに笑ってた方が可愛いよ。俺、可愛いほたるが見たいな」
ほたる「……うん」ニコ
茄子「兄さん……大丈夫ですか?」
P「何ともないよ。後ろから数か所刺されただけだ」
茄子「それ大分重症だと思うんですけど」
P「まあまあ、生きてるからいいんじゃない?」
茄子「嫌ですよ」
P「すぐ治る」
茄子「だって見も知らずの男に兄さんが危害を加えられていいはずありません」
P「まあ、そうだけど……捕まったし、やられたのが俺だけでよかったよ」
P「気持ちだけもらっとくよ」
茄子「というよりおかしいですこんなの」
P「? ああ、おかしいっちゃおかしいけど……」
茄子「そうではなくて、私が幸運の持ち主なら兄さんが酷い目に合うのは私にとって大変な不幸です」
P「そう? そんなに俺のこと思ってくれてたんだ。照れるー」
茄子「あまり無理しないでください」
P「……あのさ」
P「俺が不幸そうに見える?」
茄子「それは……」
P「不幸かどうかは茄子が決めることじゃないよ」
茄子「でも、通り魔に刺されたことは不幸ですよね」
P「いや、俺で良かった」
茄子「兄さんってMでしたっけ?」
P「違うけど、刺されたのが俺じゃなかったら死んでたかもしれないだろ?」
茄子「兄さんも死にそうだった」
茄子「それはそうですけど」
P「じゃあいいじゃん。俺生きててラッキー。ほら幸せ」
茄子「もう好きにしてください……でも私は若いうちに、兄さんに取り残されるの嫌ですから」
P「大丈夫だよ……」
P(痛っ……)
茄子「本当に大丈夫ですか? 汗が滲んでますけど……」
茄子「やっぱり大丈夫じゃなさそうです!」
P「ちょっと開いたかも。熱い……」ヌギヌギ
茄子「ナースコール押しますよ」ピッ
P「……どう?」
茄子「うっ……出血が少し……いえ、結構酷いですよ!?」
茄子(というか、刺し傷以外の傷もたくさん背中に……いえ、全身にあります)
茄子「やっぱり無理してたんじゃないですか」
P「心配はかけたくないし」
茄子「もう十分心配しました!」
P「あ、そう」
茄子「もう……」
茄子「……」ピト
P「な、何? ひゃっこいんだけど」
茄子「……私の幸せをおすそわけです」
P「そう、ありがとう」
P「姉ちゃん! ギブギブ!」
早苗「はぁ~? アンタ男なんだからもっと頑張りなさいよ」ギリギリ
P「無理! 折れる折れる!」ギリギリ
早苗「根性無いわね~」
P「……もう、やめてよ! 暴力ばっか!」
早苗「護身よ、護身」
P「俺は襲ってないだろ!?」
早苗「他の子にいやらしい視線向けてた」
P「向けてないよ!」
P「姉ちゃんこそ因縁吹っ掛けないでよ」
早苗「は、何?」
P「……いえ、何でもないです。すみません」
早苗「アンタ節操なかったら殺すからね?」
P「怖すぎ」
早苗「ん、何か言った?」
P「……はい、わかりました」
早苗「いやー今日もいい汗かいた!」
P「おばさん……」ボソ
早苗「え、何て?」ニコニコ
P「いえ、何でもないです」
早苗「聞こえてんのよ」ボコ
P「痛いっ!」
早苗「さ、飲み行くよー。もちろんPの奢りで」
P「えー? 今月厳しいんだけど……」
早苗「は? アンタ、彼女に貢ぎすぎなんじゃない?」
早苗「え、そうだっけ?」
P「姉さんのせいで、『シスコンで姉に欲情するド変態とはもう付き合えません』って言われた」
早苗「あははは! どんまい!」
P「姉さん何笑ってんの!? むかつく!」
早苗「やー、ごめんごめん。でもさそんな彼氏を疑うような女別れて正解よ」
P「は? これだから彼氏いない歴=年齢の行き遅れそうなおばさんは……」
早苗「あ?」ギュッ ギリギリ
P「ぎゃあ、痛い痛い!!」
P「そうやって暴力振るうから男が逃げんの! 酒癖も悪いし! 飲みには行かないから! 俺はアパートに帰るから姉ちゃんは実家に帰ってください!」
早苗「泊まったっていいじゃない!」
P「無理! じゃあ俺実家帰る」
早苗「この……」
P「また暴力!? 最低だ!」
早苗「ぐ……」
P「俺は姉ちゃんの奴隷じゃないから! もううんざりだよ! 顔も見たくない!」
早苗「……」ボカ
早苗「あの、バカ弟……」
早苗「はぁ、確かに私がやりすぎだった……かも」
アパート
P「本当、一人暮らしして良かった」
P(それにしても、むかつく! 元カノに変なこと吹き込むし、すぐ暴力振るうし、そのこと反省しないし、すぐ俺につっかかってくるし……)
ピンポーン
P(姉ちゃんかな……)
P「どちらさま?」ガチャ
早苗「……」
P「何?」
P「それで?」
早苗「反省したから、仲直りしよ……」
P「姉ちゃんに虐げられるの、もう嫌だ」
早苗「…………もう……しない」
P(何、その間? 絶対嘘だな)
早苗「殴られた分殴っていいから……」
P「俺、姉ちゃんに暴力振るうの嫌」
早苗「……彼女さんにも謝って訂正するから」
P「すっごくドン引きされたし、もう手遅れ」
P「じゃあもう俺に関わるのやめて」
早苗「そんな……無理だよ……」ジワ
P「泣くの? ずるいね。俺だって毎日泣きたい気持ちなのに」
早苗「本当はPのこと大好きなの……意地悪ばっかりしてごめんなさい」
P「……は?」
早苗「だから! Pと触れ合うために暴力振るっちゃったし、彼女できた時もすごく嫉妬して仲裂いちゃったの!」
P「な、何だよそれ! 今さら! てか姉弟でそういうの気持ち悪いから!」
P(う、うわ~自分勝手~)
早苗「お願い。嫌いにならないで」グスグス
P(実の弟に泣き落としって……てか重い。どうしよう……)
P「ごめん。やっぱ姉弟でそういうの無理だけど……姉ちゃんが本当に反省して改めてくれたら一緒にお出かけもするし、遊ぶのも嫌じゃないし、飲みにも行くよ」
早苗「……ほんと?」グスグス
P「本当。だから仲直りしよ?」
早苗「ありがとう! P大好き!」ギュ
P「うぇ! ……もうしょうがないなぁ」ギュ
早苗(ちょろい……)ニヤ
終わり
P「……」カタカタ
「お疲れ様です。お茶でもいかがですか?」
P「お、ありがとう。気が利くね」
「いえ、Pさん頑張っていらしたので」
P「……」ゴク
志希「……」ジィ
P「……あれ、何か暑くないですか?」カァァ
「そうですか? そんなことはないと思いますけど」
P「あ」トクン
P「……」ジィ
「あの、何か?」
P「好きです」ガシッ!
「ええっ!?」
志希「はいはいそこまでー!」プシュー
P「お……」ガクッ
志希「お手伝いありがとねー」
「え、えぇー!?」
ただ巻き込まれるモブちゃん。
P「……」カタカタ
P(昨日は俺が甘かった。志希のやつ惚れ薬を仕込んでくるとは……)
P(しかもお茶を出してくれた親切な女性にも知らされてなかったとは)
P(だが今日は持参してきたぜマイボトル!)
P「……」ゴク
P(ぬかりはない!)
P「……やけに暑いな」カァァ
P「!!」
P(滋養強壮剤? ……あいつどうやって混ぜたんだよ)
志希「あれー、お兄ちゃんどうしたのー? あたし、帰りたいんだけどなー」
P「てめえ、わかってんだろ?」
志希「えー? 何のことか全然わっかんない」ニマニマ
P「ニヤニヤしやがって……レッスンは?」
志希「もう終わったよ?」
P(げ、もうこんな時間……)
P「おいこらやめろ!」
志希「どうしたのお兄ちゃん? そんなに前屈みになって」
P「うっせ、お前のせいだろ!」
志希「え、妹のあたしに欲情しちゃったって!?」
P「馬鹿! 違ぇよ! 声でかい!」
志希「なーんて! 誰もいなくてよかったねー」
P「志希、マジで覚えてろよ?」
P「は? 治せるんなら早く言えよ」
志希「じゃあパンツ脱いで」
P「それじゃ意味ねぇじゃねぇか!」
志希「いやいや、こうやってさ……」
P「その手の動きをやめろ! 仮にもアイドルだろうが……」
志希「アイドルの前に科学者なのでーす」
P「マッドなアイドルだな……」
1時間でようやく治まりました。
レッスンルーム
飛鳥「はぁ……はぁ……」
P「飛鳥ちゃん、おつかれさま。疲れたでしょ?」
飛鳥「この程度のことで……ボクが息を切らすなんて……」
P「飛鳥ちゃん、あんまり運動得意じゃないもんね」
飛鳥「兄さん、その『飛鳥ちゃん』という呼び方は酷く不愉快だからやめてほしい」
P「そう? じゃあ、『あーちゃん』」
飛鳥「ふぅ……」
飛鳥「違う。どうして、ボクの呼び方がより悪化してしまったんだ?」
P「え、あだ名で呼んでほしいってことじゃなかったの?」
飛鳥「ボクが気に入らなかったのはちゃん付けだよ兄さん。ボクがとても幼く聞こえるだろう?」
P「そんなことないと思うけど」
飛鳥「聞こえるのさ、キミが意図していなくてもね」
P「子ども扱いしないでってこと?」
飛鳥「端的に言えばそうなるかな」
飛鳥「へぇ、なんでそう言い切れるんだい?」
P「芸能界で活躍する限り大人、子供は関係ないからね。僕は飛鳥を社会人として接してるつもり」
飛鳥「どうだろう? ボクはそんな扱いされてるようには感じないけど」
P「うーん、妹だからやっぱ甘やかしたいのもあるのかも。嫌なら控えるよ」
飛鳥「そうだね。やっぱりボクも一社会人の自覚はあるし、甘やかすのは控えてほしいな」
P「うん、わかった。じゃあ僕は仕事に戻るね。飛鳥は先に帰ってくれ」
飛鳥「え? ボクは疲れてるんだ。車での送迎はプロデューサーである兄さんの義務じゃないのか?」
P「いや、僕はやることがあるし……大人ならこのくらいの事情は察してくれるよね?」
P「え、交通費くらい持ってるよね? 大人なら後で領収書切ってほしいかな……」
飛鳥「……ああ、それも当然のことだったね。何せボクは大人だからね」
P「うん、そうしてもらうと助かるよ。自立した行動、見事な大人だね」
飛鳥「そうだろう。じゃあね兄さん、また今夜」
P「うん、お疲れ様」
二ノ宮宅
P「ただいまー」
P「あれ、飛鳥からメールだ」
『ごめんなさい兄さん。ボクは子供でいいので迎えに来てください。○○駅にいます。』
P「世話の焼ける妹だなー」
裕子「では、行きますよ~」
裕子「サイキック~……スプーン曲げ!」
グニャ~
P「おお!!」
裕子「はぁ……はぁ……どうですか!?」
P「いつ見ても裕子の力はすごいなぁ!」
裕子「ふふん! そうでしょうこれが私の力です!」
P「このスプーンかなり固いよね」
裕子「兄さんも触った通りの固さのはずです」
裕子「そんなそんな……何度も言われたら照れますよ」
P「僕がやっても全然曲がんないもの」
裕子「兄さんにはサイキックパワーが足りませんからね」
P「どうやったらサイキックパワーが身に付くんだ?」
裕子「それはもちろん生まれ付きですよ。私には才能があったみたいです」
P「そ、そうか……僕には生まれ付き才能が無かったのか……」ショボン
裕子(そ、そんなに落ち込まれるとは)
裕子「いいえ、サイキックは信じれば必ずついてきますって!」
P「本当に!?」
裕子「ええ、きっと……」
裕子「はい? 私より軽い?」
P「え、多分」
裕子「え、私より小さくて細いとは思ってましたけど、それはヤバいですよ兄さん」
P「や、やばい!?」
裕子「だって兄さん※※kgより低いってことですよね」
P「あ、うん。それよりは低い……」
裕子(女として負けた云々とかではなく、冗談抜きでヤバいです。拒食してるレベルで)
P「やばいのかぁ……」
P「そんなにっ!?」
裕子「しかし任せてください! サイキックパワーで兄さんを太らせます!」
P「サイキックってそんなことまでできるの!?」
裕子「もちろんです! サイキック……逆ダイエット!!」
ドサドサ!
P(大量の食材が……というかキノコが……)
P「これで太れるの?」
裕子「問題ありません!」
結局、変わらなかった。
Pは裕子ほど力持ちにはなれないと思った。
終わり
美穂「お兄ちゃーん」
P「どうしたの?」
美穂「そろそろレッスン行ってくるね」
P「うん、行ってらっしゃい」
美穂「終わったら連絡するね!」
P「わかった。じゃあそれまでに仕事終わらしとく!」
レッスン終了後
美穂『お兄ちゃん、終わったよ~。卯月ちゃんと待ってるね!』
P「あ、うん……すぐ行くね」
P(そうだ、卯月ちゃんもいるんだった。最近担当することになったからまだ慣れない……)
P「はーい」
P(美穂はいくつか一緒にお仕事こなしてもう仲良しみたいだけど……)
P「考えてもしょうがないし、行こ……」
レッスンルーム
P「し、失礼しまーす」
美穂「あ、お兄ちゃん。ちょっと早いよぉ」
P「そうだった? ごめんな」
美穂「私はいいけど、卯月ちゃんがまだそこで着替えてるから見ちゃダメ!」
卯月「……プロデューサーさん、ごめんなさい~。私着替えるの遅くって~」ヒョコ
P「!」クルッ
P「あ、あう、うん、そそ、そうだよね! ご、ご、ごめん! 気が、気が利かなかった……です」カァァ
P「どうしたの!? 大丈夫!?」クルッ
P「……」ピシッ
P(白のレース)
卯月「み、見ないでくださいぃ!」
トレーナー「はぁ……」
美穂「お兄ちゃん! ダメダメ!」ブンブン
P「ご、ごごご、ごめんなさい!!」ダッ
美穂「あ!」
トレーナー(ピュア……)
卯月「ううぅぅ……」ウルウル
P「ほ、本当にご、ごめんね……島村さん」
卯月「いえ、私がドジだから……ごめんなさい」
P(まともに顔見れないよ……)
P「美穂、次からは更衣室使おうな?」
美穂「はい。ごめんね卯月ちゃん? わ、私がレッスンルームで着替えたいって……めんどくさがって制汗剤で済ませようとしちゃったから……」
卯月「いえ、美穂ちゃんは悪くありません! 私が……」
P「う、卯月ちゃんは悪くないよ!」
卯月「え? 今、卯月ちゃんって……」
P「あ、ちが、違くって! そう、美穂が、そう呼んでるから、うつ、移っちゃって!」アタフタ
卯月「そ、そうですか……えへへ」ニパー
P「あ」
美穂「……」
P「と、とにかく卯月ちゃんは悪くなくって……今度から、ぼ、僕が気を付けるから」
美穂「も、もうお終い! この話はお終い! 今度から私たち更衣室ちゃんと言って着替える!」
P「え、あ、うん……そうしてもらえると助かるかな」
美穂「だから今日はもう帰ろうお兄ちゃん?」
P「そうだね。お腹空いたし……」
美穂「今日は何食べる?」
P「うーん、どうしようかな?」
P「う、卯月ちゃんも、ご飯一緒にどうかな? おく、送っていくついでに……ね」
卯月「ありがとうございます! お二人が良ければ行かせてください!」
美穂「うん、もちろん!」
卯月(やっぱり、美穂ちゃんと話すときは噛んだりしないんだ……)
卯月「じゃあママに連絡しますね!」
P「わ、わかりました」
P「……美穂、ラーメンは?」
美穂「もう、卯月ちゃんも一緒なんだからちゃんと考えてよね!」
P「……ごめん」
卯月「私は何でもいいですよ!」
P「じゃ、じゃあ卯月ちゃんに決めてもらおうかな……」
美穂「それがいいよ」
卯月「えーと、生ハムメロンです!」
P「生ハムメロンのお店……わからないや……ご、ごめんね!」
卯月「いえ! 普通は無いですから、私の方こそごめんなさい!」
P「しら、調べてみるね」
美穂「お兄ちゃん、けっこうあるみたいだよ」
P「どれ? あ、本当だ。行ってみようか。い、いいかな卯月ちゃん?」
卯月「もちろんです! ありがとうございます!」
卯月「いいんでしょうか……?」
P「う、うん、気にしないで! 卯月ちゃん頑張ってるから、ご、ご褒美ね」
美穂「お兄ちゃん、優しいね」ボソボソ
卯月「はい! でも申し訳ないです……」ボソボソ
美穂「ううん、いいの。お兄ちゃん、普段はあまりお金使わないし、卯月ちゃんと一緒にお食事に行けてすごく嬉しそうだから」ニコニコ
P「……」ニコニコ
美穂「ほらね?」
卯月「……」カアァァァ
P「だるい……」
小梅「ど、どうしたの……お兄ちゃん?」
P「小梅か……俺にかまうな……」
小梅「でも……お兄ちゃん……いろいろ憑いてる……よ?」
P「通りで体調が悪いわけだ」
小梅「見えない……の?」
P「まったく見えん」
小梅「……」ナムナム
P「おい、両手を合わせて祈るのをやめろ」
P「小梅、どうにかならんか?」
小梅「あ……私、もう……レッスン……行くね?」
P「おい、何とかしてくれよ」
小梅「……」グッ
P「親指立ててないでさ」
P「……って行っちゃったよ」
P「うげぇ……いるってわかったら余計に気が重くなった気がする」
「ねぇ……ねぇ……」
「見えてるんでしょ?」
「聞こえますかー?」
「うふふふふふ……」
P「……」ゾクゾクゾク
P「集中集中!」カタカタカタ
「ねえってば……」
「こっち見てよ」
「何で無視するのー?」
「ふふふふふ……」
P(怖ぇ~!!)ガタガタガタ
二時間後
小梅「ただいま……お兄ちゃん」
P「小梅っ!! 助けてくれよ! 見えるし、聞こえるし、触れるし、怖いよっ!!」
小梅「モテモテ……」
P「こんなモテ期は嫌だ! 何でもするから! 何とかしてくれ!」
小梅「何でも?」ピクッ
小梅「しかたないな……説得する……よ」
P「お願いします!」
小梅「みんな……お兄ちゃんが……困ってるから……ね?」
「はーい」
「しょうがないなー」
「また来るよー」
「残念」
小梅「帰った……よ」
P「ありが……」
P「おい、また来るとか言ってなかったか?」
小梅「知らない。それより……約束……守って……ね?」ニタァ
P「女って怖い……」
P「にーなっ!」
仁奈「どうしたでごぜーますか?」
P「レッスン頑張ったなー! お腹空いただろ?」
仁奈「ペコペコでごぜーます!」
P「兄ちゃんとご飯食べに行くかぁ」
仁奈「行きてーです!」
P「じゃあ何食べに行こうか?」
仁奈「にいにいの好きなものを食べてーです」
P「にーなは優しいなぁ……気を使わなくていいんだぞ?」
仁奈「気を使うって何でごぜーますか?」
仁奈「になは本当ににいにいが食べたいものを食べてーです!」
P「そっかそっか!」
P(そんなことしてたまるか! 俺の好きな食い物って塩辛、たこわさ、その他おつまみだぞ……仁奈みたいなかわいい子に食べさせられん)
P「そうだなー。兄ちゃんハンバーグ食べたいからファミレス行くか!」
仁奈「になもそのふぁみれすってところに行きてーでごぜーます!」
P「じゃあ行こうなー」
P(まじ天使)
P「ほらにーな、ここから好きなの選んでいいんだぞ」
仁奈「むー」
P(にらめっこ始めた。可愛い)
仁奈「ハンバーグ!」
P「そっかそっか! じゃあ俺は焼き鮭定食にしようかな」
仁奈「あれ? にいにいはハンバーグが食べたかったんじゃねーんですか?」
P「ん?」
仁奈「じゃあになもそのシャケのやつがいいでごぜーます」
仁奈「本当でごぜーますか?」
P「もちろん!」
P(優しい仁奈がオーダー変える必要なんてないよ!)
仁奈「にいにいと一緒! にいにいと一緒!」
P(かわええ~)
「あそこのテーブルの人やばいんじゃないですか?」
いつも通報されそうになります。
電車内
P「社用の車が全部出払ってるとはね」
有香「でもこうやって歩いていくのもたまにはいいですね!」
P「うん、久しぶりに運動してる気分だよ」
有香「兄さんはすっかり鈍ってしまいましたね」
P「いいんだよ。どうせもう空手やらないし」
有香「そうですか……少し残念」
P「相手がいなくなってか?」
有香「それもありますけど、兄さんの空手、綺麗でしたから」
P「そう、ありがとね」
『次は○○駅~、○○駅~、お降りの方は……』
P「あ、次降りるぞ」
有香「はい!」
P「ちょっくら飲み物買ってくるから待ってて」
有香「うん」
P「何がいい?」
有香「お任せします」
P「了解~」
有香「……」ポツン
有香(はぁ……兄さんってばあんなに空手、上手だったのにな)
有香(今なら私でも勝てるかな……ううん、それは思い上がりかな。兄さんは上手いうえに男の人だし、今やっても無理だよねきっと……)
有香「は、はい! 私ですか?」
「今暇でしょ? 俺たちと遊びに行こうよ」
有香「い、いえ、私これからお仕事があって……」
「何、バイト? さぼっちゃおうよそんなの。いいでしょ? 俺たちが金払ってあげるし」
有香(不誠実な人たち……)
有香「あの、お金とかそういう問題ではなくてですね……」
「いいから、行こうって」
「ほらほら」
グイグイ
P「……」パシッ
有香「ふぇ?」
「あ、何だお前?」
P「ちょっと、うちの妹に何してくれてんの?」
「ちっ、兄妹で出かけてんのかよ。気持ち悪りぃ……」
P「いいから手を放せ、警察呼ぶぞ」
「行こうぜ」パッ
「シスコンとブラコンきめぇな!」
有香「あの、兄さん……手」カァァ
P「おお、ごめんな」パッ
有香「ううん、助けてくれてありがとう」
P「どうも。いや、本当は逆のつもりだったんだけどな」
有香「?」
P「ま、気にしなくていいよ。行くか」
有香「うん!」
P「♪」
周子「あれー、どうしたのお兄さん? 機嫌良さそう」
P「お、周子! お一つどうぞ」
周子「またお菓子作ってきたの?」
P「まーな、なんせうちはお菓子屋だろ?」
周子「和菓子だけどねー」
周子「お兄さんが作ってきてるの洋菓子でしょ?」
P「いや、そうなんだけど。聞いてくれよ」
周子「はいはーい」
周子「どーぞー……お!」
P「見たか? そう、昨日はアイシングクッキー作ってみた!」
周子「へー、すごい! これもしかしてあたし?」
P「そうそう! 似てるだろ」
周子「洋菓子ばっか作ってたから家追い出されたんじゃないのー?」
P「お前だって和菓子作りしなかったから追い出されたんだろ?」
周子「ちっちっち……違うんですなこれが」
P「マジ?」
P「俺よりひでえや」
周子「お兄さんはいつまでプロデューサー続けるの?」
P「うーん、周子を一人前にするまで……かな?」
P「妹をしっかり送り出せたら俺も立派なパティシエになるために修行とかしたいしさ」
周子「そうですかー。うん、兄妹愛が心に沁みるよ」
P「シューコちゃんはもっと自分でどうにかしようとしなさい」
周子「善処しまーす」
輝子「フヒ……フヒヒヒヒ……」
P「……」
輝子「見て、兄ちゃん」
P「んぉー?」
輝子「よく育った」
P「おー、いつ食べるんだ?」
輝子「何言ってる……友達は、食べない……だろ」
P「あー、それ友達か……」
P「いや、俺は食べるね」
P「違わい。友達は一生懸命育ててくれた輝子に食べてほしいんだと思うけどな」
輝子「そ、そうなのか?」
P「いや、わからんけど。それにしても、鍋の具にするのもいいよな」
P「じっくり煮込んで出汁を取りつつ、ポン酢に絡めて食ったり……」
輝子「……」
P「すき焼きでもいいな。歯ごたえのある触感とキノコの香り、すき焼きの出汁の味……」
輝子「……」
P「それかピザのトッピングにでもしちゃうか? パン生地とチーズとキノコの風味が……」
輝子「よし、食べるために……持って帰ろう……」
友達は食べるもの。
P「ふぅ……今日も疲れたな」
P(ゆかりは……もう帰ったか)
P(そういやあいつ、あんまり外食しないよな)
P(お、何だかこのお店良さそうだな……試してみるか)
カラン カラン
「ありがとうございましたー!」
P「うん、悪くなかった。むしろ良い。自営業の居酒屋ねぇ。今度ゆかりも連れてきてあげよう」
P「ゆかり」
ゆかり「何でしょう、兄さん?」
P「ご飯食べに行かない?」
ゆかり「え、兄さんと?」
P「うん、俺と……嫌ならいいんだ」
ゆかり「そんな! 光栄です!」
P「え、そ、そんなに?」
ゆかり「兄さんからお誘いしてもらうの珍しいですから!」
P「あー、俺いつも帰り遅いけどゆかりは寝るの早いからな。なんだか悪くて……」
ゆかり「そんなことありませんよ。私だって最近夜更かしばかりで……」
ゆかり「11時過ぎなんです……」
P「……あ、そう」
ゆかり「ごめんなさい兄さん。夜更かしする悪い子で……」
P「あ、気にしなくていいよ。ゆかりは悪い子じゃないし……な?」
ゆかり「やっぱり兄さんは優しいです」
P「うーんそうかな? ま、ありがとね」
ゆかり「では行きましょう!」
P「おー」
P(乗り気で良かった)
ゆかり「こんなところにお店あったんですね」
P「まーな。未成年はお酒ダメだぞ」
ゆかり「もちろんです!」
カラン カラン
「ありがとうございましたー」
ゆかり「ごちそうさまでした」ペコ
P「どうだった?」
ゆかり「ええ、とっても良い雰囲気で落ち着いて食事ができました。お料理もとても美味しかったです」
P「気に入ってくれたなら良かった」
ゆかり「さすが兄さんは良いお店を知ってますね」
P「だろー?」
P(今度別のところも探してみるか……)
ゆかり「うふふ……」ニコニコ
とは言っても当たりを引ける確率は10%以下だったりするPであった。
珠美「兄者、覚悟!」ブンッ
P「わわわ、珠美、こんなところで竹刀振り回すな。危ねえよ」ヒョイ
珠美「兄者を倒せなければ立派な武士にはなれません」
P「倒してもなれねえよ!」
珠美「いや、それでも兄者には女の子を泣かしたという前科が……」
P「違うだろ! 告られて振ったら泣かれたの!」
珠美「乙女の気持ちを踏みにじる何という悪!」
P「だーかーらー!」
珠美「成敗!」ブンッ
P「やめろ!」ヒョイ
ドタバタ
珠美「やっと当たった……ふふふふ」
P「てめえ調子に乗るんじゃねーぞチビ」
珠美「……や、やっと本性を現したな! それにチビ言うなー!」
P「竹刀を振り回した挙句、叩くなんて悪い子だなぁ」
珠美「……いや、これはわざとではないと言いますか」
P「うるさいよ?」
珠美「ちょ、兄者待って!」
P「こっちに来い」ガシ!
珠美「うわぁ! 嫌だぁ!」ズルズル
珠美は6時間耐久レッスンを行った!
あやめ「兄上、アスレチックなんていかがですか?」
P「おお、いいんじゃない? 忍者っぽいし、イメージにピッタリじゃないか」
あやめ「ですよね! じゃあ早速試してみませんか?」
P「そうだな。できないところは練習しないとダメだし」
あやめ「でも普通にやっても面白くないですよね」
P「ん、そうか?」
あやめ「せっかくですから競争しましょう! 勝ったら一個だけいうこと聞いてください!」ダッ
P「あ、ずりい!」
あやめ「ふっふっふ! このまま逃げ切ってやります!」
あやめ(って思ったんですけど……何ですかこれ? SASUKEばりの本格アスレチックなんですけど!)
P「んじゃ、お先に」スッ
あやめ「何ですかその身のこなし!」
あやめ(はっ! まさか兄上は本当に忍者の末裔なのでは……)
P(とか考えてそう。あいつバカだからな)
P(SASUKE出たことあるんだよね。しかも俺がファイナリストって知らんのか? 身内のくせに)
あやめ「お兄ちゃん、待ってー!」モタモタ
P「……」ピタ
P「待ってやるから慌てずに来いよ」
P(危なっかしいし近くに行ってやるか……)
P「ほら頑張れ」
あやめ「ううぅぅぅ!!」グググ
P「違う違う! こう、自分の身体をしなやかに使って!」
あやめ「わぁっ!」パッ
P「危ない!」ガシッ
あやめ「……」ドキドキ
P「このコースはまだ、あやめには早かったな」
あやめ「……はい、精進してまいります」
P「うん、よろしい! それにな、忍者になるなら本職の人に修行してもらった方がいいぞ」
あやめ「本職……?」
終わり
次回、最終回!
最後だし、せっかくなので安価でアイドル選ぶことにする
>>321
>>323
>>325
>>327
の4人来い! ※既出のアイドルも可
早耶「おにぃちゃん」
P「抱き付こうとしないの、早耶」
早耶「むぅ……。早耶はおにぃちゃんのこといけずぅだと思うんですぅ」
P「だから人目を気にしなさいっての」
早耶「じゃぁ、人目が無ければいいのぉ?」
P「そういうわけじゃないけど……」
早耶「煮え切らないおにぃちゃんよねぇ」
P「ほら、その愛情は兄ちゃんじゃなくてファンのみんなに向けるべきだろ」
早耶「おにぃちゃんは特別だからいいのぉ」
早耶「その通りですぅ」
P「じゃあ俺は仕事に戻るから」
早耶「うん、頑張ってねぇ」
P「早耶も収録しっかりやれよ」
早耶「終わったら迎えに来てぇ」
P「終わるの20時くらいだぞ」
早耶「待ってるからぁ」
P「じゃあ連絡するから」
早耶「はぁい」
早耶「おはようございますぅ。よろしくお願いしまぁす」
「よろしくー」
「おはようございます」
早耶「♪」
「あの子、可愛子ぶっててちょっとね……」ヒソヒソ
「なんかなー……」ヒソヒソ
早耶(聞こえてるんだけど……)
早耶「……」
収録終了後
早耶「はぁ……」
P「よう、迎えに来た」
P「こら、抱き付こうとすんな」
早耶「あのさ、ちょっと相談してもいいかなぁ」
P「何だ?」
早耶「あたしってぇ、痛い?」
P「は?」
早耶「だからぁ……あたしのキャラって痛い?」
P「……」
早耶「……」
P「はぁ……誰かになんか言われた?」
P「……そうだな、痛いって思うやつもいるんじゃないか」
早耶「……ふぅん」
P「ま、でも俺は慣れたよ。痛いキャラの早耶じゃなきゃ逆に気持ち悪い」
早耶「ちょ、そこまで言いますぅ?」
P「ははは、だから狙ってるか狙ってないか分からないような、天然ぶりっ子の早耶が好きかな」
早耶「……そうなんだぁ」
P「うぉ……だから抱き付くなっての、アイドルさん」
早耶「ちょっとだけ……妹としてならいいでしょ?」
P「ああ、ちょっとだけな」
P(視線を感じる)
裕美「……」ジロ
P(俺なんかしたっけ?)ビクビク
裕美「……」ジー
P(聞いてみるか?)
P「裕美、何か用か?」
裕美「……」ビクッ
裕美「……」ギロ
P(なんで睨むの、怖い)
P「そうか何もないならいいんだけど……」
P「何?」
裕美「兄さんの普段着ってどうなってるの?」
P「普段着?」
裕美「最近、スーツ姿しか見てないから……」
P「まあ、スーツしか着ないしな。Yシャツが数枚と、パジャマとかジャージとか……余所行きは1セットあるけど」
裕美「……そうなんだ」
裕美「……」ジトー
P(だから何故睨む、怖い)
裕美「……」ビクッ
裕美「あの、兄さん?」
裕美「今度、兄さんの服選んであげる。だから買い物に行かない?」ジロ
P(え、めっちゃ行きたくなさそうなんだが……)ビクビク
P「無理しなくていいぞ……それとも買ってほしいものでもあるのか?」
裕美「……」ビクッ
裕美「いえ、特にないけど……余所行きの服無いんでしょう?」
P「いや、1セットあるって……」
裕美「少ないんじゃない?」
P「いいよ、少ないけど休みの日はあんまり外に出ないし……」
P「裕美こそ遠慮すんなよ。何か買って欲しいものあったら言えって。買ってやるから」
P(えー、何か強請ってるんじゃないの……)ビク
P「本当か?」
裕美「兄さんと買い物に行きたいだけなんだけど」ギロ
P(えー、全然行きたそうじゃないんだけど……)ビク
P「わかった。じゃあいつがいい?」
裕美「……」ビクッ
裕美「別に嫌だったら嫌って言っていいのに……」
P「別に嫌じゃないけど」
P「はい? してないよ。それを言うなら裕美こそ何で睨みつけてくるんだ」
裕美「ふぇ? 睨みつけてないけど」
P「え? いや、睨んでるでしょ」
裕美「え? してないってば。兄さんこそ睨んできて怖いわ」
P「睨んでないよ」
裕美「ほら、鏡……」スッ
P「うわ、目つき悪っ!」ビクッ
P「じゃなくて、裕美もほら……」スッ
裕美「こ、これ私?」ビクッ
裕美「……」ジト
P「ぷっ……あはは!」
裕美「ふふっ……!」
P「笑ってる方がいいね」
裕美「兄さんこそ、笑ってる方が素敵」
P「んじゃ、買い物付き合うよ」ニコ
裕美「だから兄さんの買い物なの」ニコニコ
「そうか、どうする?」
「じゃあまずはここに行って……」
誤解は解けた様子。
こずえ「ふわぁ……みてぇー……? これ、こんどー……きるー?」
P「そっかー。可愛いなー。似合ってるぞー」
こずえ「こずえー……いっぱいー……れっすんー?」
P「レッスンいっぱいしたかー。偉いな」
こずえ「ふわぁ……いっぱいー……れっすんしたー……つかれたー? ……ふわぁ」
P「疲れたかー。じゃあお兄ちゃんも仕事終わらせるから待っててなー」
こずえ「ふわぁ……うんー……こずえー……おにいちゃんとかえるー」
P「よしよし。もう眠いか。お布団敷くから寝ようなー」
こずえ「うん……こずえねるー……ふわぁ」
P「ほら、ここで寝なさい」
こずえ「おやすみー……すーすー」
P「すぐ寝たな」
P「何だか俺も眠くなってきた。ちょっとだけ仮眠とるか」
P(添い寝してやろう)
P「おやすみ……スースー」
ユサユサ
P「んぉ……」
こずえ「おはよー……おにいちゃんいっぱいねてたー……?」
P「あれ、そんな寝てたか?」
こずえ「おなかすいたー……かえろー……」
P「お、おう。帰ろうな」
妹によく起こされる。
泰葉「おつかれさまです」
P「おー、おつかれ。調子はどうだ?」
泰葉「んー、ぼちぼちです」
P「そ」
泰葉「プロデューサーさんは進捗どうですか?」
P「どこで覚えたんだよ、その聞き方……ちょうど終わったところだけど」
泰葉「じゃあ一緒に帰りましょう?」
P「おう。今日はお互い早かったな。ご飯どうする?」
泰葉「うーん、お兄さんはどうしたい?」
P「泰葉に決めてもらおうと思ったけど……そうだな、せっかくだし帰って二人で作ろうか」
泰葉「うん!」ニコニコ
P(いい笑顔)
泰葉「もちろん、お兄さんの手料理美味しいから」
P「そ。泰葉は料理得意?」
泰葉「んー、あんまり」
P「そっか。何食べようか?」
泰葉「うーん、聞かれるとなると……お兄さんの手料理なら何でも……」
P「ありがと。じゃあハンバーグか餃子かどっちがいい?」
泰葉「ふふっ……何その二択?」
P「俺が食べたい」
泰葉「どっちも美味しそうだなー」
P「じゃあどっちも作ろう」
P「明日休みだし俺のことは気にしなくていいよ。泰葉もオフだろ? ぱーっとやろう」
泰葉「……そうだね」
P「二人だけのちょっとしたパーティだ」
泰葉「でも夜更かしはダメだからね」
P「わかってるよ」
P「そーだ。せっかくだし明日も遊びに行くか?」
泰葉「いいの?」
P「テーマパーク行きたがってたろ。行こうぜ」
泰葉「いいのかなぁ?」
泰葉「うん。でも、ドールハウスは一日じゃ難しいかも……」
泰葉「テーマパーク行こうよ」
P「オッケー。遊び倒そう」
泰葉「でもいいの?」
P「何が?」
泰葉「彼女さんとか、好きな女の人とかいるんじゃない?」
P「ははは、面白いこと言うね。泰葉と休みかぶるの本当に久しぶりだし、泰葉が嫌じゃなければ俺は泰葉と出かけたいよ。嫌か?」
P「まあいずれは兄妹離れなきゃいけない時も来るだろ。それまでは仲良しでもいいじゃんか」
泰葉「そうだね。離れてても仲良しがいいけど」
P「うん。……じゃあ帰ろうか。食材買いに行かないとな」
泰葉「うん! あ、お兄さん、あんまり飲み過ぎちゃダメだよ」
P「明日に響く……だろ」
泰葉「そうだよ」
P「ま、ほどほどにする」
泰葉「何だか今からとっても楽しみ!」ニコニコ
P「そうだな」ニコ
終わり
元スレ
【シンデレラガールズ】もしアイドルのプロデューサーが兄弟だったら
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483861966/
【シンデレラガールズ】もしアイドルのプロデューサーが兄弟だったら
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コメント一覧 (29)
-
- 2017年02月09日 22:51
- 大いに違うよなぁ
-
- 2017年02月09日 22:52
- 俺も同じこと思ったわ
-
- 2017年02月09日 23:09
- 今2ページ目きたとこだけど13って見ておおぅ…ってなってるわ
-
- 2017年02月09日 23:21
- 拓海のは事故かなんかで車椅子ってことかな
何はともあれ梨沙ちゃんが可愛い
-
- 2017年02月09日 23:34
- ヴァリサはツンだろJK…あと藍子、知らん間に着替えさせられるとかけいおんの唯がアニメで要介護と揶揄されたようなダメ化してるのが嫌だな
-
- 2017年02月10日 00:37
- 13ページは流石に笑うわ
-
- 2017年02月10日 01:07
- やっぱアイドルによって偏りがあるよね
まぁ、全員同じくらい知ってるって言われたら俺も全然だけど
-
- 2017年02月10日 01:44
- わかるわさん…
-
- 2017年02月10日 03:14
- 兄の呼び方が少ししっくり来ないけど、わりと楽しめたぞぅ
妹とときん欲しいぁああああ
-
- 2017年02月10日 06:03
- みくにゃんの兄になりたいだけの人生だった…。
-
- 2017年02月10日 07:46
- りさ可愛かった
もうロ●コンでいいやwww
-
- 2017年02月10日 08:09
- 妹にするならみくにゃん一択。なお、現実の実妹はお互い大人になるまでデレてくれないもよう。
-
- 2017年02月10日 08:51
- その3を楽しみにしてます!
-
- 2017年02月10日 09:19
- 荒木先生はよ
-
- 2017年02月10日 09:30
- 早苗さんはなんだかなぁ・・・感があったが、あとは良かった。
-
- 2017年02月10日 10:14
- ちょいちょい気持ち悪いPが出てくるな
あとヴァリサはコレジャナイ感が凄かった
-
- 2017年02月10日 12:39
- みくにゃんには「お兄ちゃん」より「アニキ」って呼ばれたい
-
- 2017年02月10日 13:38
- まゆとかPラブ勢は他Pに惚れてる設定が良かったわ。
-
- 2017年02月10日 13:44
- 菜々さんのインパクトに全部かすんだわ…w
-
- 2017年02月10日 16:11
- ほとんどのPが気色悪かった
特に幸子とか飛鳥とか早苗さんとか
でも拓海のPの設定は気になるな
-
- 2017年02月10日 19:46
- Pなんて気持ち悪いに決まってる
気持ち悪くないほうがありえない
-
- 2017年02月11日 02:03
- 文香はもっと兄にべったりな妹でもいい気がする。それでもいいね、これ!
-
- 2017年02月11日 07:28
- うーん
-
- 2017年02月11日 14:03
- ※1と同じ感じになってワロタ
パート1のボリュームが
ちょうどよかっただけに冗長に思える
-
- 2017年02月13日 10:02
- 早苗マジ屑やん
創作とはいえ胸糞悪いよ
-
- 2017年03月06日 09:54
- ※18
みくにゃんだから「お兄ちゃん」で「アニキ」は前川さんの時じゃね
-
- 2017年04月11日 23:45
-
ユッキ達二人のわかりやすさが、一番だわ
-
- 2017年08月21日 00:31
- こういうのめちゃ好き
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