【ニューダンガンロンパV3】アンジー「主は言いました……」
・ネタバレ等注意
・着地点不明
主は言いました……始まるよー、と。
アンジー「長期滞在はアンジーにとってもあまり好ましくないよー。絵を描くための道具だってあまり揃ってないのにー」
アンジー「やっぱり、前神さまが言ってたことを実行するしかなさそうだねー」
アンジー「それじゃあまずは倉庫から持ってきたキャンパスと筆を持ってー」
アンジー「…………」
アンジー「んんっ、うっ、あっ!」
アンジー「あああっ! い、あああああぅ!」
☆
次の日。アンジーは図書室にやって来たよー。
アンジー「蘭太郎ー、やっぱりここにいたんだねー」
天海「あれっ、夜長さんじゃないっすか」
図書室の奥の方で調べ物か何かをしていた蘭太郎がこっちを見るよー。
天海「やっぱりって、そんなに俺イコール図書室みたいなイメージが定着してるんすか?」
天海「ちょっと意外っすね」
アンジー「主は言いました……蘭太郎と言えば図書室だと」
アンジー「蘭太郎は自分の才能を忘れてるって話だけど、実は本に関係する才能かもしれないねー」
天海「それも神さまが言ってるんっすか?」
天海「あはは……なら本当にそうかもしれないっすね」
天海「それで? 夜長さんはどうしてこんなところに?」
アンジー「蘭太郎を捜してたんだよー」
アンジー「蘭太郎は今の状況、どう思ってるー?」
天海「どう、って言われても……」
天海「そんなの、答えるまでもないっすよね? 最低最悪っすよ」
アンジー「にゃははー。そんな蘭太郎にとっておきの話があるよー」
アンジー「……神さまにお祈りをしてみない? 神さまにお祈りをすればその不安も消えると思うんだー」
天海「でも生憎っすけど、俺は遠慮しとくっす」
アンジー「えー? 今日はポイント二倍だからお得なのにー?」
天海「何のポイントっすか……」
天海「って、そうじゃなくて。俺はこの状況を最低最悪とは言ったっすけど、不思議とその状況自体に不安は感じてないんすよね」
天海「いや、現状なんて眼中にないってのが正しいっすかね? 俺はその先まで見てるんで」
アンジー「おー、さすが蘭太郎だよー。きちんと先まで見据えているその姿勢は神さまも褒めてるよー」
天海「はは……ありがとうっす」
天海「まあそういうことなんで、生憎神さまにお祈りをするつもりはないんすよ」
アンジー「んー……アンジーも無理強いをするつもりはないから、蘭太郎がそう言うなら仕方ないねー」
アンジー「なら最後にこれを見てー」
そうしてアンジーは倉庫から持ってきたカバンの中から絵を一枚取り出すねー。
アンジー「神さまがアンジーの体で描いた絵だよー。道具がイマイチ揃ってないからアレだけど、是非蘭太郎に見てもらいたいんだー」
天海「超高校級の美術部の絵っすか。そう言われたら受け取らないわけにはいかないっすね」
天海「どれどれ――!?」
アンジー「おろ、蘭太郎ー?」
蘭太郎は絵を見るとほぼ同時に倒れちゃったねー。
どうしてかなー? なんでかなー? 蘭太郎にはまだ早かったのかなー?
赤松「あれ? アンジーさん?」
アンジー「おー! 楓、ちょうどいいところに来たー!」
アンジー「蘭太郎が意識不明になっちゃったから、目を覚ますまで見ておいてもらいたいんだよー」
赤松「え? ……って、天海くん!? ちょ、どうしたの!?」
アンジー「ぐっばいならー!」
楓の驚いたような声を背中に聞きながらアンジーは図書室を出るねー。
蘭太郎はダメだったかー……まあ次があるよねー。
☆
百田「あっ! てめ、今のは卑怯だろーが!」
王馬「さすがロボット! 人間の持つ最低限の常識もないんだね!」
キーボ「ロボット差別はやめてください! っていうか、今のは不慮の事故ですよ!」
王馬「お前は車で人を撥ねたら『不慮の事故です』なんて言うのか!? そんなので相手が許すと思ったら大間違いだぞ!」
キーボ「そ、それは……百田クン、すいませんでした!!」
百田「い、いや……そこまで気にする必要はねぇよ、うん」
百田「つーか王馬もあんまりキーボをからかうな!」
図書室の隣が騒がしいから行ってみると、ゲームルームで解斗と小吉とキーボがゲームで遊んでるのを見つけたよー。
アンジー「図書室からの帰りだったんだけど、こっちが騒がしいから様子を見に来たんだよー」
百田「おお、それは悪かったな。ちっと白熱しすぎたみてぇだ」
王馬「ならいっそのことアンジーちゃんもやる? 意外と面白いよここのゲーム」
アンジー「うーん……アンジーは遠慮しとくよー」
アンジー「それよりもアンジーはみんなに話があって来たんだー」
キーボ「話……ですか?」
アンジー「そだよー。えっとね、みんなはこの状況をどう思ってるのかなーって」
百田「どうって……そんなの言うまでもねぇだろ」
王馬「すっごい面白そうだよね! もうワクワクが止まらないよ!!」
キーボ「王馬クンと一緒にしないでください!! ボクも百田クンもキミと違ってひねくれた性格じゃないんですよ!!」
アンジー「つまり蘭太郎と一緒で、解斗とキーボはあまり快く思ってないってわけだねー?」
アンジー「小吉はー……結構特殊な人みたいだねー」
王馬「うわっ! まさかアンジーちゃんに特殊と言われるなんて思わなかったよ!」
アンジー「うーんと、実は解斗やキーボみたいな人のためにいい話を持ってきたんだよー」
アンジー「ズバリ! 神さまにお祈りをしようよー! 神さまを頼れば不安とかは綺麗に消えるんだよー!」
キーボ「何を言うかと思えば……」
王馬「ロボットには理解できない話かもしれないね」
キーボ「失礼な! ボクにだって神さまを信じる気持ちはあるんですよ!」
アンジー「ならキーボは決まりだねー。解斗はどうするー?」
キーボ「えっ!?」
王馬「やーい、地雷踏んでやんのー」
百田「俺はやんねぇよ。神だのなんだのって話は信じないクチなんだ」
百田「神の力を借りなくても、自分でどうにかする! それが宇宙に轟く百田解斗の信念だ!」
王馬「まだ宇宙には行ってないけどね」
百田「お前はどうしてしつこく話の腰を折ろうとするんだ! 少しは黙ってろ!」
アンジー「そういうこと言うと……罰が当たっちゃうよ?」
百田「へっ……な、何が罰が当たるだ。そんなもん、信用するわけないだろ……」
キーボ「震えてますけどね」
王馬「こういう話って苦手なのかな?」
アンジー「ほら……多分今夜にも神さまが解斗の枕元に……」
百田「や、やめろぉ!!」
すると解斗は勢いよくゲームルームを出て行ってしまったよー。
王馬「あらら、本当に苦手だったんだ」
アンジー「それじゃあキーボには後日改めて神さまへのお祈りをしてもらうとして……」
キーボ「えっ? 本当にやるんですか?」
アンジー「二人にはこの絵を見てもらいたんだよねー」
アンジー「二人のために描いたんだよー」
キーボ「そう言われては見ないわけにはいきませんね」
王馬「にしし……超高校級の美術部のアンジーちゃんが描いた絵かぁ。確かに興味はあったんだよねー」
そうしてキーボと小吉が絵を見て――
王馬「」
キーボ「な、なんですかこれはっ!?」
キーボ「ってそれよりも王馬クン!? いきなり倒れてどうしたんですか!?」
アンジー「んー……小吉も蘭太郎と同じだったかー」
アンジー「それにしても、キーボは倒れないんだねー。もしかしてキーボの神さまを信じる気持ちは本当なのかもしれないよー」
キーボ「と、当然です!」
アンジー「それじゃあ小吉のことは任せたよー。ぐっばいならー」
キーボ「え? ええ、わかりました……?」
ふむふむー、キーボは神さまに選ばれたのかもしれないねー。
お祈りは後日やってもらうとしても、これは嬉しい発見だよー。ロボットにも神さまを敬う気持ちは生まれるんだねー。
星「ちっ……だから言ってるだろ。俺はお前の望むようなアドバイスはできないって」
星「俺よりも最原やキーボにでも聞けばいいだろ。少なくとも俺よりかは紳士寄りの人間だろうよ」
獄原「ううん! そんなことないよ!」
アンジー「おろ? ゴン太と竜馬、何をしてるのー?」
ゲームルームを出て校舎の一階に戻ると、意外な組み合わせの二人を見つけたよー。
星「アンジーか……別に、なんでもねぇよ」
獄原「星君に紳士のなんたるかを教わろうとしてたんだよ!」
アンジー「ほうほうー、竜馬に紳士のなんたるかをかー」
星「……俺は紳士なんて立場じゃねぇって言っても納得しちゃくれねぇんだよ。アンジーからも言ってやってくれ」
アンジー「うーん、でもアンジーもゴン太と同じ意見だなー」
アンジー「竜馬は紳士だよー。神ってる紳士、つまり神紳士だよー」
星「おいおい……夜長まで何を言うんだよ」
アンジー「だってほらー、ちょっと前にー……」
星『おい夜長、こういうこと言うと変な風に捉えられるかもしれないが……』
アンジー『どうしたー?』
星『お前はもう少し露出を少なくするべきだと思うぞ。若い女が無駄に肌を露出してもロクなことがないだろうに』
アンジー『んー? ああ、そういうことかー。竜馬は背が小さいから女子のパンツが見やすいのかー』
アンジー『にゃははー。でも親切にそういうことを教えてくれるとは紳士だなー』
星『…………』
アンジー「……ってことがあったよー」
星「そこだけ切り取ると俺が変態にしか見えなくなるが……」
獄原「でも、そういうところが紳士なんだよ! 恥ずかしがらずに女性にそういうところを注意できるってところがさ!」
獄原「ゴン太はまだ、星君みたいにそういうことを言えないから……」
獄原「う、うん。どうしても恥ずかしさが出てくるっていうか……むしろアンジーさんは不思議だよね。その服装、恥ずかしくないの?」
アンジー「うーん……これは下着じゃなくて水着だからねー」
アンジー「少しくらいなら見えても大丈夫だよー」
白銀「パンツじゃないから恥ずかしくないってやつだね!?」
アンジー「あれまっ! つむぎ、どこから聞いてたー?」
アンジーの言葉を聞いてたつむぎが近くの教室から出てきたよー。
白銀「ご、ごめん……つい、我慢できずに」
星「アンタも大概な変人だな」
アンジー「でもちょうどいいよー! せっかくだからつむぎにも話しておきたいことがあるんだー」
アンジー「うーんと、みんなは今のこの生活をどう思ってるのかなーって」
すると場の空気が一瞬にして静かになるよー。
白銀「今のって……この現状を、だよね?」
星「そんなの言うまでもねぇだろ」
獄原「最低最悪、だよね……」
アンジー「やっぱりそうだよねー。そんな三人にいい話があるんだよー」
アンジー「神さまへのお祈りをしよー! 神さまの力があれば不安とかのマイナスな感情が消えてスッキリ爽やかになるよー!」
星「どうせそういう話だと思ったぜ……この状況でもブレないなアンタは」
獄原「でも、なんていうか神さまって言われてもゴン太よくわからないし……」
白銀「わたしも同じ意見かなぁ」
アンジー「ええー? 竜馬もゴン太もつむぎも神さまを信じてくれないのー?」
アンジー「……罰が当たっちゃうよ?」
白銀「ええっ!?」
星「けっ、自分を信じない奴は全員敵ってか? 結構面倒な神さまみてぇだな」
獄原「ちょ、星君! そんな酷く言わなくても……」
アンジー「…………」
白銀「今、凄い真顔じゃなかった?」
獄原「さすがのゴン太も身震いするレベルだったよ……」
アンジー「なら三人にこれをプレゼントするよー」
カバンから三枚の絵を取り出して三人に手渡していくねー。
星「なんだこれ。……絵、か?」
獄原「おおっ! アンジーさんが描いた絵かぁ!」
白銀「今の話の流れからするとちょっと怖い気もするけど……」
アンジー「怖いなんて酷いよー」
アンジー「ただ初めての人には少し感じやすいかもしれないねー」
白銀「なんのことっ!?」
獄原「そ、そうだよね」
白銀「それならいいんだけど……」
そうして三人はアンジーが渡した絵を見るねー。
星「」
白銀「きゃああああっ!?」
獄原「ええっ!? これ、何の絵なの!?」
アンジー「あれまっ!? 星までダウンしちゃったかー!」
獄原「っていうかゴン太たちの反応、絵を見た反応には相応しくないよね!? ゴン太が言うのもおかしい話かもしれないけど!!」
白銀「で、でもこれは凄いよ……いろんな意味で!」
星「」
アンジー「おーい。竜馬、大丈夫かー?」
白銀「っていうか、そんなことより星君だよ! 大丈夫!?」
アンジー「主は言いました……ダウンした竜馬を部屋まで運ぶのはゴン太の役目だと」
アンジー「ってことで竜馬のことは任せたぞー!」
獄原「よ、よくわからないけど……わかった! 頑張るよ!」
うーん……ゴン太とつむぎがオーケーで竜馬はダメだったかー。
でも仕方ないかもしれないねー。竜馬は神さまのこと悪く言っちゃったから、罰が当たっちゃったのかもしれないよー。
☆
東条「待ちなさい」
玄関ホールを通りかかると、斬美がやけに真剣な顔をしてこっちに来るのを見つけたねー。
東条「赤松さんやキーボ君から聞いたわよ。アンジーさん、何を企んでいるのかしら?」
アンジー「企むなんて人聞きの悪いこと言わないでもらいたいよー。アンジーと神さまはみんなのために動いてるんだよー?」
東条「そのわりには天海君と王馬君が気絶しているし、百田君は挙動不審になっているのはどういうことかしら?」
東条「天海君なんて『なんで図書室なんかに行ったんすかね……?』ってうなされているのよ?」
アンジー「あららー、そりゃ重症だー」
アンジー「でも信用してもらいたいねー。アンジー、別に悪いことしてるつもりはないんだよー」
アンジー「ただ、みんなの不安を消してもらいたくて神さまへのお祈りをおすすめしてるだけねー」
東条「そう……。まあ、その言葉自体は本当なのかもしれないけれど」
東条「ただその手段が少し適切じゃなかったのは認めてちょうだい」
アンジー「なら斬美にこれをプレゼントするよー」
東条「これは……?」
アンジーが手渡したものを見て少し不思議そうな顔をするねー。
アンジー「みんなのために描いた渾身の似顔絵だよー」
東条「似顔絵……」
アンジー「アンジーはこれくらいしかできないからねー。だから許してほしいよー」
東条「……そう。そう言われたら頭ごなしに否定はできないわね」
そうやって斬美は裏返しになったままの絵をひっくり返して――。
東条「ッ!?」
ぐらりと斬美が後ろに倒れそうになるねー。
アンジー「あららー、斬美もダメだったかー」
東条「な、にを言って――」
ダンッ! と大きな音を鳴らして踏みとどまって斬美が姿勢を戻すよー。
でもその顔には汗がちょっと浮かんでいて、我慢してることがすぐにわかったねー。
東条「――言っているのかしらね。ただ絵を見ただけでしょう?」
アンジー「おおーっ! 凄いよ斬美ー!」
アンジー「……あれま」
東条「まあいいわ。でもこれ以上、天海君や王馬君のような人を増やすのはやめてちょうだい」
東条「アンジーさんの気持ちは理解できるし、否定したくはないのだけれど……だからこそ、別の方法も考えてもらいたいのよ」
アンジー「うーん……まあ、考えておくよー」
アンジー「ぐっばいならー」
これ以上動いてたら斬美に怪しまれるし、今回はここまでかなー?
でも結構収穫があったのは嬉しいねー。それに、斬美も嘘に騙されるなんてことがあるなんてねー。
☆
真宮寺「おや」
アンジー「おー、是清。何してるー?」
寄宿舎に戻ろうと校舎を出たら、是清と鉢合わせしたねー。
真宮寺「校舎の周辺の探索だヨ。それよりも聞きたいことがあるんだけど」
真宮寺「さっきから天海君や王馬君、星君が慌ただしく寄宿舎に運ばれていったみたいだけど……何かあったの?」
アンジー「んー……神のみぞ知るってやつかなー?」
アンジー「にゃははー!」
真宮寺「なるほど、つまり夜長さんが関係しているんだネ?」
アンジー「どうしてそうなるー?」
真宮寺「神のみぞ知るっていうことは、つまりアンジーさんの言う神さまがしたことじゃないかなって思ってサ」
真宮寺「でも図星みたいだネ」
アンジー「さすが是清ー! 神った洞察力だねー!」
アンジー「そんな是清なら神さまも歓迎だよー! どう? 一祈りしていかないかー?」
真宮寺「一祈りも二祈りもしていかないヨ。夜長さんの言う神さまがどういう神さまなのかを知るまでは何ていうか……イマイチ信用できないからネ」
アンジー「…………」
真宮寺「どういった土地の、どういった風習によって祀られるようになった神さまなのか……」
アンジー「それは神さまを信用しているんじゃなくてー……」
アンジー「神さまに興味があるってことでいいかー?」
真宮寺「民俗学者としての興味が大半を示しているってことは否定しないヨ」
真宮寺「そうやって夜長さんの言う神さまを詳しく知って、もし信用に値する神さまならお祈りするのも悪くないかナって思ったんだけど……こういう興味の持たれ方は不満かナ?」
アンジー「うーん……アンジーはともかくとして、神さまがへそを曲げちゃったよー」
アンジー「閉店ガラガラー!! にゃははー!!」
アンジー「それこそ、神のみぞ知るってやつだねー!!」
是清は神さまに選ばれることはないかもしれないねー。
態度が変わればもしかしたらってことがあるかもしれないけど……それはアンジーが関わることじゃないからねー。
☆
最原「見つけたよアンジーさん」
是清と別れてすぐに今度は終一が話しかけてきたよー。
アンジー「おろ? どうかしたか終一ー?」
最原「どうかしたかじゃないよ。アンジーさんが何か色々やってるって東条さんから聞いて、捜してたんだから」
アンジー「そっかそっかー」
さすが斬美だねー。探偵の終一を使うあたり、抜け目がないよー。
アンジー「でも、斬美にはさっきこってり怒られたから問題ないよー」
最原「あれ? そうだったの?」
アンジー「一足遅かったね終一ー」
最原「……まさかと思うけど、まだ何かしようとは思ってないよね?」
アンジー「えー? 信用ないなー」
アンジー「大丈夫だよー! 斬美に言われちゃ素直に従うしかないからねー! 今はもう何かをするつもりもないよー!」
最原「今はって……まあいいや」
すると終一は呆れたように頭を振ると、やけに真剣な顔をしてこっちを見るねー。
最原「さっき赤松さんから聞いたんだけど、アンジーさんってみんなの似顔絵を渡して回ってるんだってね」
アンジー「そだよー! まだ全員には渡してないけどねー!」
最原「なら……僕のもある、ってこと?」
アンジー「もちもちー!!」
最原「それなら……僕も欲しいんだけど、いいかな?」
アンジー「それに斬美に言われてアンジーを捜してたんだよねー? ならここでアンジーの絵を見るのは斬美に言われたことを裏切るってことになるんじゃないのー?」
最原「それはそうかもしれないけど……」
最原「言わなきゃバレないでしょ。それに僕もアンジーさんの絵を見てみたいしね」
アンジー「倒れるかもしれないって覚悟はあるのかー?」
最原「ま、まあ……一応は」
アンジー「なら仕方ないねー。ほら、これが終一へのプレゼントだー」
そうやって終一はアンジーから受け取った絵を見て――
最原「」
アンジー「にゃははー! だから言ったのにー!」
アンジー「こうなるかもしれないってことがわかってて絵を見たんだから、終一はバカだなー!」
☆
アンジー「…………」
アンジー「うーん……キーボとゴン太とつむぎと斬美は神さまに選ばれたみたいだねー」
アンジー「蘭太郎と小吉と竜馬と終一はペケでー……他の人たちはまだ不明かー」
アンジー「もしかしたら終一も選ばれる可能性はあるかもしれないねー」
アンジー「それにもしかしたらアンジーの花婿にもなれるかもねー!」
アンジー「ならもう一枚終一の絵を描いておこうかなー」
アンジー「それじゃあ道具一式を用意してー……」
アンジー「…………」
アンジー「んんっ、うっ、あっ!」
アンジー「あああっ! い、あああああぅ!」
さてさてー? 今度の作品の出来栄えはどうかなー?
アンジー「にゃははー!! やっぱり終一の似顔絵が一番神ってるねー!!」
終里
ダンロンV3のSSもっと増えるように神さまにお祈り捧げてくるねー!!
元スレ
【ニューダンガンロンパV3】アンジー「主は言いました……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485007946/
【ニューダンガンロンパV3】アンジー「主は言いました……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485007946/
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コメント一覧 (13)
-
- 2017年01月24日 22:51
- 一体、どんな絵なんだ・・・
-
- 2017年01月24日 22:54
- どうやって描いてるのw
-
- 2017年01月25日 00:23
- 耐えた人はそういう事か、納得。
-
- 2017年01月25日 00:33
- え?どういうこと?
-
- 2017年01月25日 04:35
- アンジーは学級裁判で最適解しか言わなくて凄く怖かった
選ばれた→クロ、黒幕
選ばれなかった→被害者、その他
ということでいいんかね...?
-
- 2017年01月25日 04:50
- 1章の裁判で
「砲丸で後からゴチンと」「首謀者は隠し扉の中にずっといた」と発言していた夜長さん
さすがは神様の声ですよ
-
- 2017年01月25日 09:44
- ※5
倒れなかったのは生徒会に入った人じゃないの?
-
- 2017年01月25日 09:45
- と思ったけどキルミーは耐えてた
-
- 2017年01月25日 09:46
- なん図書や王馬でさえ気絶してるのにやっぱ鉄屑って本当鉄屑だわ…と思ったら例の章の話か…
キルミーの信者化とか想像付かねえ…
-
- 2017年01月25日 10:14
- きるみちゃんは依頼が有れば信じられるって意味で耐えたのでは
-
- 2017年01月25日 22:12
- ヤバイ、わからん。
理解不足な私に誰か説明プリーズ
-
- 2017年01月26日 14:59
- アンジーの絵が気絶せずに見れる->仲良くできるだっけ
詳しくはアンジーの絆イベントな
-
- 2017年01月28日 13:56
- 他のV3SSみたいにアホSSかと思ったらいい意味でアンジーの気味の悪さ全開で鳥肌立ったわ、裁判での発言からして神さま本当にいるのかもね。