ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part IV
- 2017年01月16日 16:40
- SS、インフィニット・ストラトス
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ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part IV
五飛「いいだろう。その女はこちらで預かる、早く連れてこい。」
ヒイロ『了解。』
五飛「お前はその後は直ぐに戦線へ復帰しろ。嫌な予感がする」
ヒイロ『了解した。五飛、現在更識楯無も同行している、到着後はそちらでの警護に回したい』
五飛「案ずるな。理解している。その女もまとめて俺に任せておけ。お前は不要な事に気を使わず、戦いに集中していればいい」
ヒイロ『了解した。頼む五飛』
ピピ
千冬「…すまない。私達が不甲斐ないばかりにヒイロには負担をかけてばかりいる」
五飛「勘違いするな。」
千冬「え?」
五飛「…あいつにはいい傾向だと言っているんだ」
山田「五飛師匠…」
五飛「…優しくなくては生きている意味はないからな」
千冬「…君は」
山田「五飛師匠!!!!」
カトル「どうやら上手くいっている様ですね」
山田「…確かあなたは以前リリーナ様の護衛で学園に来ていたサンクキングダムの」
五飛「早かったな、カトル」
カトル「はい、五飛に渡したい物もありましたし少し急いできました」
五飛「…渡したい物?」
カトル「はい。なんとかギリギリ間に合いました。いきなりの事だったのでウィナー家の財力と設備をフルに使いました。僕自身ウイングゼロ以来だったのでかなり頑張りましたよ。どうやら気まぐれな月の女神は僕達に加護を与えてくれる気になったみたいですよ。陽気さにでもあてられたのかもしれないですね」ニコッ
五飛「…ふん、くだらんな。俺には必要ない」
カトル「まぁそう言わずに受け取って下さい。きっと気に入る筈ですよ。」
スッ
五飛「…。」
五飛「あぁ」
カトル「なら今は少し時間がありますよね」
五飛「…何が言いたい?」
カトル「少し彼女を借りたいのですがいいですか?」
千冬「私か?」
五飛「…好きにしろ。そもそも俺1人で十分だ、余計な物まで手に入ったしな」
カトル「ふふ、そうですね。それでは織斑千冬先生、行きましょうか」
千冬「え、どこにだ??」
カトル「あなたにはヒイロの事をもっと知って欲しいと思いまして、少し見て貰いたいものがあるんですよ。ですから別室に」
千冬「?」
カトル「今から見せる映像はAC195にヒイロが潜伏していた学校の転校の挨拶として行われたものです。映像はあまり鮮明ではありませんが当時のヒイロの思いの丈が語られていると思います」
千冬「…なぜ私にそんなものを?」
カトル「そうですね、なぜでしょうか。…報告を受けていて僕にはあなたにはヒイロをもっと理解して欲しいと感じたからなのかもしれません。こんな時ですが今を逃したらもう機会がない様な気がしましたので」
千冬「私にヒイロを…。」
カトル「ちなみにこの映像を見せたのはあなた以外にはリリーナ様だけです。」
千冬「是非見せてくれ!!!」
スクリーンに映像が映し出される。教壇に1人の少年が立っている。
の管理まで考えだす。惑星規模では生物生存など刹那的時間なのだ。事後のことなのだ。所詮人間が考えられるのは、なにも変わらないのだ。人間が宇宙に出た年月は、無駄であったのだ。現実の前に理想は夢でしかない。偽りの生活空間、偽りの平和主義、宇宙はより多くの戦いを生む温床にしか過ぎない。戦争は多くの命を奪う。そのことの悲しみを、人間は忘れたことはないのだが、決して戦うことを止めようとはしない。流された血や涙は、意識の飾りに過ぎない。時代の節目は戦争でしか語られない歴史がある。平和の為に戦うなどと色あせた奇麗ごとは過去何度も唱えられた名セリフだろう。コロニーは平和の為に軍備を持つという。地球となんの変わりもない。仲間入りが出来たつもりなのだ。多くの血を流すことで、意気上がるというのだろう…』
千冬「…」
千冬「…」
カトル「この映像記録を僕が初めて見たのは戦後になってからでした。見た後僕は戸惑いました。僕の知っている彼とはイメージがあまりにもズレていたからです。その時までの僕の知っている彼は、誰よりも優しくて強く、迷いのない完璧な存在でした。正直、自分とは違う存在の様に思っていたのかもしれません。ですが、同時に少し嬉しくもありました。彼も僕と一緒で戦いの中悩んでいたんだと分かったからです」
千冬「…」
カトル「織斑千冬さん、彼も僕達と何も変わらない弱い人間なんです。その事を僕はあなたには知っておいて欲しかったんです。」
千冬「…私は」
カトル「いえ、あなたはヒイロにどんどん頼っていいと思いますよ。」
千冬「いや、しかし」
カトル「…ヒイロはこの学園に来て凄く変わったと思います。」
千冬「…変わった?」
カトル「はい。これは仲間達もみんな一様に同意見です。彼はなんというかこの学園に来て雰囲気がかなり柔らかくなったというか、さらに優しくなった気がします。それは戦争でなくしていた感情が戻ってきているんだと僕は思っています。『彼は元々はとても優しい子だと』彼をオペレーション・メテオで地球に送り込んだ人も言っています。」
カトル「彼にとってIS学園は、任務以上に大切なものになっていたんだと思います。その中でもあなたの事を彼は特に考えていた様に僕は思います。」
カトル「ふふ、まぁそれがどんな感情からなのかは僕には分かりません。ただ、彼は自分が大切だと思えるものを守ることによって少しずつ大切なものを取り戻していっているのも事実だと思います。」
千冬「…大切なものを取り戻す」
カトル「ですからあなたはこれからもどんどんヒイロに頼っていいと思いますよ。」ニコッ
千冬「…ヒイロ///」
千冬「……………え?」
カトル「ちなみにフェンシングや乗馬も得意みたいですよ」
カトル「だから頼って大丈夫です!」
千冬「え、あ、はぃ」
スタスタ
山田「すみません、ヒイロ君と更識さんが到着しました」
カトル「分かりました。行きましょうか千冬さん」
千冬「…ぁぁ、分かった。」
五飛「…用は済んだのか?」
カトル「えぇ、お待たせしてすみませんでした。」
千冬「…」
五飛「ふん、怖じ気づいたか」
千冬「ッ!私は、怖じ気づいてなどいない!!」
五飛「近付けば近付いただけ見えてくるのは当然だ。相手に勝手な理想を押し付けている奴ほど身勝手にも傷ついていく。…くだらんな。」
千冬「ッ!」
カトル「…」
五飛「…」
千冬「私は、ヒイロに理想など押し付けてなんていない!!!」
五飛「ならばそんな下らん顔をするな。そんな顔で奴を出迎えるつもりなのか?」
千冬「…!!」
カトル「ヒイロは到着したんですよね?」
山田「はい。今この部屋に向かってます」
スタスタッ ガチャ
ヒイロ「…。」
楯無「ちょっとヒイロ君歩くの早すぎっ、ってもう着いちゃってるし」
ヒイロ「カトル、来ていたのか」
カトル「えぇ、さっき着いたばかりですが。…その抱き抱えている人は」
ヒイロ「あぁ、ファントム・タスクのメンバーの1人だ。捕らえて連れてきた。」
カトル「流石ですね。」
五飛「無駄口はそこまでにしておけ。その女はこちらで預かる」
ヒイロ「あぁ、頼む。」
スッ
五飛「確かに預かった」
楯無(お姫様抱っこからのお姫様抱っこがこんなにロマンチックに映らないのも凄いわね)
ヒイロ「学園の連中はどうしている?」
五飛「問題はない。部屋で大人しくしている。護衛にラシード達も付けてあるし、俺も常に気を配っている」
ヒイロ「すまない。面倒をかける」
五飛「気にするな。…それとお前の要警護対象も無事だ。」
ヒイロ「要警護対象?」
ヒイロ「千冬か、怪我はないか?」
千冬「私は大丈夫だ。私よりお前は大丈夫なのか!?」
ヒイロ「俺の方は問題はない。身体、IS共に今のところノーダメージだ。」
千冬「そうか、良かった。でもあまり無理はしないでくれ」
ヒイロ「無理はしない、無茶はするがな」
バッ!
五飛から目覚めたスコールが飛び逃げる
五飛「…」
スコール「ッ!ここは!?」
ヒイロ「…目が覚めたか」
スコール「告死天使!…なるほど私は捕らわれたという訳?」
スコール「…甘いものねぇ。それか私はそんなに舐められているのかしら?大した拘束もなしにこんなところまで連れてきてくれるなんて」
カトル「…」
ヒイロ「…。」
五飛「無駄な抵抗はやめておけ。出来れば女に手荒な真似はしたくない」
スコール「…ホントに人をコケにするのが好きな連中ね」
ブンッ
スッ
スコール「!?」
クルッ スターンッ!
五飛「…無駄だと言ったはずだ。」
スコール「…嘘、でしょ?」
五飛「だが筋は悪くない。女にしておくには惜しいな」
カトル「ふふ、五飛が人を褒めるなんて珍しいですね」
五飛「称賛に値する人間が少ないだけだ。カトル、お前の言葉には棘があるぞ。気をつけろ」
スコール「五飛に…カトル?まさか『砂漠の王子』に『神龍』!?」
カトル「…僕達も裏の世界では色々言われてるみたいですね」
スコール「…なるほど。告死天使、陽気な死神に並ぶ英雄様とはね。私もつくづく過去の英雄様と縁があるようね。…これは流石にお手上げね」
カトル「すみません。手荒な真似は絶対にしません、だから力を貸して頂けませんか?」
スコール「…舐めないで。例え拷問されても何も喋らないわ。腐っても組織は売らないわ」
カトル「…えぇ、それで構いません。」
スコール「何!?」
カトル「僕が知りたいのはファントム・タスクの情報というより、その背後の存在です」
スコール「…」
カトル「いる筈です。オースターインダストリを操りファントム・タスクに取り入った人物が。」
スコール「…」
カトル「断言します。その人物は間違いなくいずれファントム・タスクそのものに牙を剥き掌握しようとするでしょう。」
スコール「!?」
カトル「僕には分かるんです。オースターインダストリを調べている内に掌握された状況を知り、そのやり口は実に巧妙で醜悪でした。」
五飛「その手の輩の考える事は単純に悪だ。支配でしか己の欲を満たせない」
スコール「…」
ヒイロ「さぁな。俺にあるのは支配と戦う意思だけだ。」
スタスタッ ガチャ!
女子生徒「先生!ラウラさんにセシリアさん、それにシャルロットさんと簪さんが部屋に居ません!」
山田「なんですって!?」
ラシード「…すみませんカトル様。」
ヒイロ「…」
カトル「ラシード何があったんですか?」
ラシード「我々が警護につく前に合間を狙って抜け出した様です。言い訳にしかなりませんが」
ヒイロ「…五飛」
五飛「分かっている。失態だ。だが抜け出した先になら大体の検討はつく。」
スタスタッ
ヒイロ「…。」
楯無「…ヒイロ君私もっ」
ヒイロ「お前はここにいろ。」
楯無「でも!?」
ヒイロ「ここの警護にも人数は必要だ」
楯無「だけど!」
千冬「…更識、私達はここにいよう」
楯無「織斑先生…」
ヒイロ「…。」
スコール「あなたの敵は自分の事を神だと思っているような人間よ。そしてその力はあなた達『英雄』をも越えると私は思っているわ。行って無様に敗北するといい!!」
ヒイロ「俺は神を信じない。そいつが神と言うなら、そいつも信じはしない。」
スコール「ッ!あまり舐めない方がいいわよ!彼を…ドクター・ぺルゲの力を!!」
ヒイロ「…そいつがお前のいう神の名か」
カトル「ドクター・ぺルゲ…。聞いた事があります。確かMO-Vの科学者でMS開発の権威だったはずです」
五飛「その名なら俺も聞いた事がある。裏切り者としての名だがな。ヒイロ、敵の正体が分かってやり易くなったな。」
ヒイロ「あぁ、ドクター・ぺルゲを殺す。そしてこの下らない騒ぎに幕を降ろす。」
スコール「ッッッ!!」
ヒイロ「任務内容確認。行動を開始する。」
一夏「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!みんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マドカ「織斑千冬、案外呆気ないものだな。なんの抵抗もないとは…。それとも私が強くなりすぎたのか?」
一夏「完全に俺の蛋白質不足が原因だ!!こんなことならフロントランジやスクワットの数を倍にしてハムストリングスをもっと中心的に鍛えておけば良かったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!俺のトレーニングミスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!みんなごめぇぇぇぇぇん!」
マドカ「ホントに気持ち悪い奴だ。こんな奴と私は…」
ギュンッ
マドカ「ん?」
鈴「一夏!!」
箒「一夏大丈夫か!!」
箒「そんな…」
マドカ「ふん、雑魚が何人来ようが問題はないが。どうやらオータムは負けた様だな。」
鈴「あんたがやったの?」
マドカ「あぁ、そうだ。」
箒「みんな…。許さんぞ貴様!」
鈴「…あんた随分自信がある様だけどこの状況分かってる?私達3人相手で勝てるとでも思ってるの?」
箒「逃がしはしないぞ!」
マドカ「逃げる?私が!?アハハハ、ここまで勘違いが過ぎると逆に笑えるな。いいだろう、絶対に覆せない力の差を教えてやる」
一夏(…でも笑った顔、ちょっと可愛いな。…って何を考えてるんだ俺!!みんなの仇なんだぞ!ちょっと千冬ねぇそっくりだからって、落ち着け俺ぇぇぇぇぇぇぇ!!!)
鈴「…一夏!!」
一夏「…はっ!なんだ鈴!?」
鈴「あんたこの状況で何呆けてるのよ…。ショックなのは分かるけど今は目の前の敵に集中して」
一夏「お、おぅ!悪い」
鈴「了解。最善手ね。徹底的にやるわ、容赦しない」
一夏「お、おぅ!」
一夏(…二人ともなんかヒイロっぽくね?)
ノイン「リリーナ様、先程宰相閣下が単身京都に向かわれたそうです」
リリーナ「お兄様が!?」
ノイン「はい。この状況を見て座して待つ事を善しとは出来ない方ですから」
リリーナ「お兄様…」
ノイン「ご心配は分かりますが大丈夫ですリリーナ様。あの方は今まで幾度となくこの様な窮地を乗り越えてこられています。」
リリーナ「はい…。」
ノイン「リリーナ様?」
リリーナ「この様な状況になり、またお兄様やヒイロ達に頼りきりになってしまっている。…サンクキングダムの掲げる完全平和主義がすべての人に受け入れて貰えないのも仕方ないことなのかもしれませんね…」
ノイン「リリーナ様…」
リリーナ「すみません。弱音を吐いてしまいましたね。こんなことではヒイロや五飛さんに叱られますね。」
ノイン「…確かに完全平和主義というのは都合のいい夢なのかもしれません。人は大きな力を手にすると途端に力に取り憑かれ、簡単に呑み込まれてしまいます。地球とコロニーという1つの戦争が終わり、MS技術が封印され一時的に戦争は終わりました。しかし、人間はその歩みを止めはしません。MSに代わる新技術を求めISが生まれました。過去のアポロ計画の最中に月で地球と火星を繋ぐハイパーゲートが発見され、兼ねてから計画されていたテラフォーミングの為の開拓を担当していたレイレガリア博士が古代火星文明のテクノロジー『アルドノア』を発見し火星に『ヴァース帝国』を建国、自らを皇帝と称し地球から独立したのもそうです。1つの革新の誕生は喜ばしい事です。しかし、そこにはまた新たな歪みが生まれます。それが今回のこの一連の騒動なのでしょう。」
ノイン「火星はその後、新皇帝となったレイレガリア博士の息子ギルゼリアが地球に宣戦布告しましたが死亡し、伴って起きたハイパーゲートの暴走で月が砕ける程の大惨事『ヘヴンズ・フォール』を引き起こし、それが原因で地球と火星間は現在長きに渡り休戦状態となっています。地球とコロニー間の戦争時も沈黙を保っていましたが最近は不気味な動きを見せているのも事実です。こんな中で完全平和などと言っても中々に受け入れ難いのも事実でしょう。」
リリーナ「…」
ノイン「ですがリリーナ様、平和を望む者達は世界には確かにいるのです。無茶な夢だと笑う者もいるでしょう、現実が見えていないと蔑む者もいるでしょう。しかし完全平和は夢なのです。リリーナ様が掲げている理想は世界の希望なのです。」
ノイン「地球とコロニーがようやく落ち着きを見せ、理想にあと少しのところにまできているんだと私は感じています。ヒイロ達もそう感じているからこそ今もこうして共に歩んでくれているのです。」
リリーナ「…」
ノイン「ですからリリーナ様、リリーナ様だけは心を強くもって下さい。」
リリーナ「そうですね。ノインさんの言う通りです。もう私は迷いません。真の平和をこの目で見届けるまで私も私の戦いを続けます!」
ノイン「はい!」
一夏「…嘘、だろ?」
鈴「そんな…」
箒「っ!」
三位一体の連携攻撃はマドカISの圧倒的機動性の前に全く通じず一方的に反撃を受け、3人供にシールドエネルギーも戦闘続行ギリギリのところにまで追い込まれていた。
マドカ「やはりこの程度か。あまりの実力差に絶望したか?ならその絶望ついでに教えてやる。私のIS黒騎士改は今ので精々出力30%しか出してはいない」
一夏「な…!?」
マドカ「あの男には少しは感謝しないといけないかもな。この力なら『告死天使』や『陽気な死神』すら敵ではない!」
一夏「え!?敵じゃないなら味方なのか!?」
マドカ「うるさいっ!!」
シュンッ
ブンッ
スガーンッ
一夏「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
鈴「一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
箒「よくも一夏を!!」
ぺルゲ「そろそろ戦力を投入するか」
~モノレール上空~
鈴「ちょっと待って箒!レーダーに…上空に複数の機体反応が…ってこれ何機いるのよ!?」
箒「…そんな」
マドカ「…余計な真似を」
見上げる上空一面には無数のフルスキンタイプのISが降下してきていた。
鈴「…生体反応なし。これが全部無人機?…こんなのホントにただの兵器じゃない…」
箒「姉さんのISが…ただの兵器に…」
ぺルゲ「さぁ、お前達も準備をしておけ」
ヒイロ1~6「了解。」
ヒイロ7「は~い」
ぺルゲ「…」
山田「…な、京都空域に多数の識別不明機出現!」
千冬「何だと!?」
山田「これは!?…同空域に一夏君と篠ノ之さん、それに凰さんのIS反応があります!」
千冬「たった3機で戦える訳がない!すぐに撤退させろ!」
ヒイロ「…。」
スコール「ふふ、どうやらフィナーレは近いようね。」ピピピピ
ヒイロ「…。」
千冬「くっ!敵は全部で何機いる!?確認を急げ!」
山田「はい!…か、確認出来ました…」
千冬「何機だ!?」
山田「…不明機体数621、1機を除き生体反応ありません!…こんな数どうしろって言うの」
千冬「…な」
カトル「…」
五飛「…」
ヒイロ「…。」
スコール「…ふふ」
千冬「…な、どうしてこの場所が!?直ぐに生徒達を別の場所に避難させよう!」
山田「はい!」
五飛「必要ない」
山田「なぜです!?早くしないと敵が来ます!」
五飛「ヒイロ、お前はあいつらのところに行ってやれ。ここは俺とカトルで十分だ」
カトル「そうですね。ヒイロ、早く行ってあげて下さい。みんなあなたを待っています。」
ヒイロ「…了解した。ここを頼む。」
山田「…そんな。一体どうするんですか!?」
五飛「相変わらず察しの悪い女だ。」
カトル「僕と彼の2人で迎撃に向かいます。無闇に逃げるより混乱を招かないで済むと思いますよ。」
山田「そんな…無茶です!」
カトル「え?」
カトル「ふふ、大丈夫ですよ。僕と五飛で1人50機の割り当てです。問題はありません。それに多分、敵機体のアルゴリズムは僕達にとっては馴染みのあるものが使われているでしょうから。あまり喜ばしい事ではありませんが」
山田「でも!」
カトル「大丈夫です。山田先生は本当に優しい人ですね」ニコッ
山田「え!?///」
カトル「それじゃあそろそろ行きましょうか。ヒイロ、五飛」スタスタ
五飛「あぁ」
ヒイロ「了解」
山田「…ぁ///」
楯無「ヒイロ君、やっぱり私も出た方が」
ヒイロ「いや、お前は他の生徒達についていてやれ。それにここの防衛もカトルと五飛で問題はないだろう。あの二人なら人形が100機程度は問題にもならないだろう。」
千冬・楯無「……へ?」
カトル「…では皆さん、始めましょうか」ニコッ
ヒイロ「…特にカトルは怒らせたら俺でも手に負えない」
カトル「ふふ」
千冬・楯無「…」
山田「…カトルさん///」
ヒイロ・カトル・五飛、出撃
ドンッ!ドンッ!
バシュッ!
無人機の周囲に展開されたバリアによって龍咆が無力化されていく
鈴「嫌ぁ、どうなってんのよぉ」
箒「私の攻撃も効かない!なんて防御力だ!」
一夏「くそっ!白式ならバリアは突破出来るのにこいつら速すぎて捉えきれないっ!」
鈴「…私達じゃ1機も倒せないの?」
一夏「鈴!危ない!」
鈴「え?」
一夏「うぉぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ギュンッ
ズガーン!!
一夏「…はぁはぁ」
箒「…なんて威力のビームなんだ。あれじゃ絶対防御も意味がない…。こんなの……姉さん…。」
鈴「…やだよ。こんなのないよ。まだ死にたくないよ…」
一夏「っく!」
箒「このままじゃみんな殺されてしまう…」
無人機が続々と上空から降下してくる
マドカ「さぁ、終わりにしてやるか」
ガガガガガガガガガガガガガガガッッ
無人機「!!」
無人機「!?」
ズガンッ ズガンッ
突如無人機2機が撃墜
ギュンッ
簪「箒!鈴!今助ける!!!あとついでになんかキモいのも!」
鈴「簪!!」
一夏「ハムちゃん!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ
ズドンッ ズドンッ ズドンッ
バヒュッ×48
ズガーン!!!!
無人機30機大破
簪「…もう誰も傷つけさせない!」
簪「あとモスマンは後で必ず殺す」
一夏「なんで!?」
ギュンッ ギュンッ ギュンッ
セシリア「皆さん、お待たせしました!!!」
シャル「勝負はこれからだよ!」
ラウラ「流石に数が多いな…。戦況は圧倒的に不利だ。ここは一旦防戦に徹して時間を稼ぐぞ!そうすれば必ずヒイロが来てくれる!絶対助けてくれる!!」
マドカ「ちっ!雑魚が何匹集まろうとも!一気に捻り潰してやる!」
箒「…一夏」
鈴「…はぁ、全くあんたってホント馬鹿ね。でもお陰で勇気出たよ!」
ラウラ「その虫喰いはどうでもいいがお前達は後方に下がっていろ。ダメージが深刻だ、援護を頼む。」
シャル「正直、この数相手にどれだけ持ちこたえられるか分からないけどね。やってやろうよみんな!」
セシリア「私の誇りに懸けて誰も死なせはしませんわ。誰一人欠けることなく全員でヒイロさんを迎えますわよ!」
簪「私が道を開く!残りフルファイアシステム起動回数は2回、出し惜しみはしない!」
マドカ「ふん、くだらない強がりだな。真の絶望をすぐに教えてやる。人形ども奴らを包囲し殲滅しろ!!!」
一夏「いくぜみんな!!!!」
無人機残り488、マドカvs一夏チームの戦いが始まる
一夏「…はぁ、はぁ、はぁ。くそっ!」
セシリア「なんなんですの!?あのビームの威力とバリアは!?」
ラウラ「簪の攻撃以外まともにダメージが入らないなんて無茶苦茶だ」
シャル「一夏の零落白夜もバリアは突破出来る感じだけど相手の反応速度が速すぎて当てられないみたい!」
鈴「あ~もう、ヒイロ早く来てよ!」
簪「…絶対にみんなを守る」
箒「簪、あんまり気負うな。さっきから1人出すぎだぞ!」
マドカ「どうした?もう限界か?一人前なのはどうやら口だけらしいな!もう疲れただろう、終わらせてやる!」
ギュンッ
マドカのIS黒騎士改が簪に止めとばかりに突撃を仕掛ける
マドカ「死ね!」
簪(やっぱり私じゃ…。もうだめだ。トロワさん…ごめんなさい。)
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ×2
マドカ「何!?」
ズガーン!!
無人機3機が盾となりマドカを防御、しかしバリア貫通により3機が撃墜。
箒「簪のガトリングガンのようだったが」
たて続けに同様の攻撃が敵戦線を引き裂く
ズガガガガガガガガガガッッ×2
無人機が続々と撃墜、8機撃破される
マドカ「くっ!!!」
簪(あぁ…夢でいい。夢で十分です。だってこんなムシのいい夢はないもの。)
ギュンッ
トロワ「戦闘記録001、記録者名…ふっ、今はトロワで問題ないんだったな」
簪「トロワさんっっ」
マドカ「貴様は『ナナシのピエ口』!!貴様らはどうしてこうも私の邪魔ばかりっ!!!」
マドカ「人形ども!!!取り囲んで殲滅しろ!いくら奴でもこの戦力差なら!!」
ギュンッ ギュンッ ギュンッ
無人機がトロワを取り囲む
トロワ「…戦術的にみて、少数を倒すには、退路を断ち、集中放火を浴びせた方が、確実な戦果をあげられる。この場合、包囲・殲滅という作戦をとった敵の司令官の判断は正しい。」
トロワ「だが…こちらの戦力を把握する前に、行動を起こすべきではなかった。」
クルックルクルッギュンッ
ラウラ「3回転半捻り…IS装備で?馬鹿な…」
トロワは包囲の外部に抜ける
トロワ「迂闊な動きは死に繋がる。織斑一夏達の救出が目的だったが、全てを消滅させる」
バヒュッッ×32(ホーミングミサイル)
バヒュッッ×56(マイクロミサイル)
ズガガガガガガガガガガッッ
ズガガガガガガガガガガッッ
(両腕ツインガトリングガン)
ババババババババババババババッッ(胸部ガトリング砲)
ズガーン!!ズガーン!!ズガーン!!
マドカ「な!?」
無人機113機完全に消滅
簪「…トロワさん、私、私は…」
トロワ「よく頑張ったな。後は任せてくれていい。」
簪「っっはぃ!!!///」
トロワ「さぁ織斑マドカ、ショーの開幕といこうか。」
マドカ「おのれっっ!!!過去の亡霊が!!」
マドカ「くそッ!射程内に近付けない!」
一夏「…すげぇ」
鈴「…あんな強かったのトロワって」
ラウラ「圧倒的だな」
箒「火力が尋常じゃない。あれじゃあ反撃する暇もないな」
シャル「そうだね。狙いが正確すぎてあれじゃこっちが射撃姿勢に入る前に撃墜されちゃうよ」
セシリア「…しかもあの強力な無人機を同時に攻撃しているなんて、信じられませんわ」
簪「トロワさん///」
箒「…」
一夏「…」
箒「…一夏、今のうちに私の絢爛舞踏でISのエネルギーを回復させておこう。」
一夏「…え?」
箒「…私達にだって何か、何か出来るはずだ。その時の為に準備はしておくべきだ」
一夏「…箒。そうだな!よし、頼む。」
鈴「…あんた達」
トロワ「残り目標数、有人機1、無人機が丁度300といったところか。弾数、エネルギー共にギリギリ持ちそうではあるな。それにどうやらあちらは既に片付いたようだな」
五飛「やはり人形ではこの程度か。くだらんな。」
カトル「流石ですね五飛。慣らしなしのいきなりの実戦でISを使いこなすなんて」
五飛「ふん、自分のイメージ通りに動く分MSより扱いは容易い。それにお前の方が撃墜数は明らかに多いだろう。」
カトル「僕は少しですが慣らす時間がありましたからね」
五飛「…どうだかな」
カトル「ふふ♪」
カトル「了解です。向こうはトロワとヒイロで大丈夫でしょうしね」
五飛「それにあの男も向かっている。問題はないだろう。」
カトル「そうですね。ただ、まだデュオが姿を現していないのが気掛かりですけど」
五飛「あの男こそ心配はいらないだろう。外見に反して真面目な男だ。」
カトル「…」
五飛「なんだ?」
カトル「…いえ、ヒイロも五飛もデュオに対して随分信頼が厚いんだなと思いまして」
五飛「ふん、当然だ」
カトル「…ふふ、そうですね」
山田「…ISサンドロック、アルトロン、無人機100機を殲滅…完了しました…」
楯無「…な」
千冬「恐ろしい戦闘力だ。ヒイロと同等か…」
スコール「…あ、あぁぁ」
マドカ「おのれぇっ!」
ギュオォォォォォォンッッ!!
ズガーン!!
戦場を巨大なビームが横薙ぎに貫き無人機を消滅させる
トロワ「来たか」
???「なんとか間に合ったようだな。平和に馴染めない男も少しは役に立つということを証明しなくてはな」
ブンッ ブンッ
ズガーン!!
マドカ「くっ!何者だ貴様!」
???「私の名はゼクス・マーキス。どうやら静かに棺桶で眠っている訳にはいかないようなのでな」
マドカ「ば、馬鹿な!!OZの『ライトニングカウント』だと!?」
トロワ「名前の多いやつだ。」
ゼクス「待たせたようだな、トロワ」
トロワ「構わない。これで弾数を気にする必要もなくなったな」
ゼクス「この無人機、行動アルゴリズム・外見ともにまさにビルゴか。作製した人間は余程アイデアに乏しい人間らしいな」
トロワ「言ってやるな」
無人機残り249機
その時上空に7機の天使が降臨していた
トロワ「数は7機か。このタイミングでこの少数投入。ゼクス、気をつけろ。俺の読みが正しければ厄介な相手だ」
ゼクス「なに?どういうことだ?」
トロワ「…来るぞ」
ギュオォォォォォォン!
高エネルギービームが上空から降り落ちる
ゼクス「くっ!」ギュンッ
無人機「!」ズガーン!!
トロワ「どうやら最悪の展開のようだ」
ゼクス「な、なんだこれは…」
その姿は天使で、操縦士の顔はその場にいる誰しもが見知ったものだった
ヒイロ7「…」
セシリア「…な、なんなんですの?」
シャル「こんなの悪い夢だよね?」
ラウラ「…ヒイロが…7人?」
一夏「…ははは、なんだよこれ、訳わかんねぇよ」
箒「何が起こっているんだ?」
鈴「…嘘でしょ」
簪「トロワさんっ」
マドカ「な……なんだこれは…」
マドカ「くっ!」ピピッ
マドカ「どうなっている!?なんだこいつらは!?」
ぺルゲ『ん?あぁ、気にいって貰えたかね?今の状況を打破するのには最強の戦力じゃろう?』
マドカ「ふざけるな!!!!!!こ、こんなことが許されると…」
ぺルゲ『お前がそれを言うのかね?ヒッヒッヒ』
マドカ「なっ…」
マドカ「……」
ぺルゲ『…全くこれだから粗悪品は困る。この国にはPL法なる法律があるようじゃし、訴えるのもありかもしれんの。ヒッヒッヒ。これ以上迷惑かけんでくれよ、ジャンク品』
マドカ「………」
ヒイロ7「…」
山田「…なんなの」
千冬「…な、まさか、そんな、こんなのって酷すぎるっ」
スコール「ふふ、どうやら形勢は完全に覆ったようね」
楯無「い、一体これはどういうことなの!?」
スコール「どういうことって、見たままよ更識楯無さん。ねぇ、そうでしょ、織斑千冬さん?」
千冬「…くっ、貴様!」
スコール「ふふ」
スクリーンにモノレール上空戦闘の映像が映し出されている
束「ちーちゃん、辛いだろうな…」
クロエ「束様、私はこの状況を作り出した人間を許せません。」
束「うん。そうだね、でも大丈夫。」
クロエ「え?」
クロエ「そうですね。パパは束様を悲しませる相手を絶対に許しませんから」
束「デュオお願い…ちーちゃんといっくん、それにあの子の心を守って…!」
ゼクス「MDの次はクローンだと!?どこまで命を玩べば気がすむのだ!」
トロワ「落ち着けゼクス。今は目の前の敵に集中しろ。」
ゼクス「分かっている!!」
トロワ「さっきの射撃の精確性、威力ともに驚異的だ。加えて無人機に織斑マドカを同時に相手にするわけだ。苦戦は必至だろう。」
ゼクス「理解している。だが、ヒイロ・ユイ本人を相手にするよりはマシだろう!」
トロワ「相変わらず強気な男だ」
ゼクス「この程度の戦線このトールギスで突破してみせる!!いくぞ!」
トロワ「まもなくヒイロもここに到着するはずだ。それまで精々足掻かせてもらう。」
ギュンッ
ギュンッ
トロワ、ゼクスvsマドカ&ヒイロシリーズ+無人機の戦闘が開始される
ギュンッ ブンッ
ゼクス「くっ!流石にやる!」
ヒイロ3「破壊する」
ブンッ
ズガーン!
ゼクス「くぅぅ!後ろからだと!?」
トロワ「ゼクス、下だ!」
ギュオォォォォォォン!
ゼクス「ぬぉぉっ!」スッ
ヒイロ2「…」
トロワ「ゼクス、あまり無茶はするな。俺も無人機を牽制するので手一杯だ。お前1人ではそいつら全員を相手にするのは不可能だ。」
ヒイロ5「攻撃開始」
ギュオォォォォォォン!
トロワ「くっ!」スッ
ゼクス「トロワ!」
トロワ「心配ない。大丈夫だ。」
トロワ「個々の能力が非常に高い。ヒイロ本人とでも技術だけならいい勝負かもしれんな」
ゼクス「悪い冗談だ」
トロワ「まったくだ」
ヒイロ7「いつまでそうしているつもりだ?」
マドカ「……」
ヒイロ7「はぁ、あ~、まぁお前の素性はデータで見て知ってるから辛いのは判るんだけどよ…」
マドカ「判る?何がだ!?お前に私の何が判る!?」
ヒイロ7「いやいや俺らも似た様なもんだぜ?っていうか色々弄られてるからこの身体も長くはないし、ちゃんとしてる分お前のがマシだと思うけどな」
ヒイロ7「しかもなんの因果か俺にだけ人格出ちゃってるし、ホント他の奴らが羨ましいよ」
マドカ「…」
ヒイロ7「いや、別に不幸自慢したいわけじゃないんだけどよ、俺1人だけ人格出ちまってマジでブルー入ってる時にアンタをデータで知って興味が出たというか、正直、羨ましいとさえ思ったよ」
マドカ「…私が羨ましい?」
マドカ「それは」
ヒイロ7「俺達には選ぶことすら出来ない『未来』ってのをアンタは自分の力で選べるんだからよ」
マドカ「…未来」
ヒイロ7「この機体に搭載されてるZEROシステムも皮肉なもんだぜ?本来のZEROシステムなら幾つかの未来を見せて選択出来たりするモノらしいんだがこいつにはそれがない。正に未来のない俺達を揶揄してるかのようなシステムなわけさ。」
マドカ「あ…」
マドカ「…」
ヒイロ7「まぁ何が言いたいかと言うとさ」
マドカ「…」
ヒイロ7「アンタはそこまで自分の未来悲観する必要はなくないか?ってことよ!少なくとも俺らなんかより全然いいしな♪」
マドカ「…そんな考え方はただの逃げだ」
ヒイロ7「逃げることの何が悪い?」
ヒイロ7「それこそ贅沢だ。俺達なんかその逃げすらないんだから」
マドカ「それは…」
ヒイロ7「まぁ俺なんかが言える事ではないんだろうけどさ、多分、生きていくってことは色々考えていかなくちゃいけないことがあって、今だけしか出来ないことがあるってことなんだと思うぜ?」
マドカ「お前は…」
ヒイロ7「だから俺はせめて俺であり、そして俺がここにいる事を証明し続けるため、闘うことにした」
ヒイロ7「果たしてそうかな?」
マドカ「え?」
ヒイロ7「……この戦いはあの爺の目論見はあったにせよ、アンタが望んだものでもあるんだろ?」
マドカ「…それは」
ヒイロ7「なら真剣にやるべきだ。」
ヒイロ7「遊びだって中途半端はよくない。真剣にやるからこそ楽しい。やると決めたからには真剣にやるべきだ」
マドカ「…あ」
ヒイロ7「だから折角だし真剣にこの戦場を楽しもうぜ♪」
マドカ「…」
マドカ「…全く確かに言う通りかもしれんな。」
ヒイロ7「だろ?なら早くあそこに混ざろうぜ!なかなか楽しめそうな相手だ!」
マドカ「そうだな」
ヒイロ7「よし、じゃあ行くか!」
マドカ「あぁ!」
ヒイロ7「ん?どうした?」
マドカ「…い、いやそのなんだ。すまないな、色々と」
ヒイロ7「ん?あぁなに、その笑顔が見れただけで十分さ!」
マドカ「なっ///」
マドカ「え?」
ヒイロ7「昔誰かが言ってた様な気がするんだ」
マドカ「昔って、お前は…」
ヒイロ7「さぁ、そろそろホントに行こうぜ!」
マドカ「あ、あぁ。…ホント変な奴だな。ふふ」
ギュンッ ギュンッ
ヒイロ7、マドカ戦線復帰
ヒイロ5「くっ!」
ズガーンッ!
ヒイロ5「機体損傷率50%超過」
トロワ「軽率な判断だったな……。もう次はない」
ヒイロ5「…」
ゼクス「………遅い!」
ブンッ
ズガ-ンッ!
ヒイロ3「機体に損傷。」
ゼクス「……良い攻めだ。だがそれでは私は倒せん!
ペルゲ「この状況をまだ凌ぐか。流石は英雄という訳か。」
ペルゲ「…予定よりは少し早いがいいじゃろ」
ピピッ
ピピッ
ペルゲ『システムの使用を許可する。任務の遂行を何より優先しろ』
ヒイロ1~6「任務了解。直ちにシステムを起動する」
ヒイロ7「…ちっ」
マドカ「ん?何かあったのか?」
ヒイロ7「いや何でもない。気にするなマドカ」
マドカ「なっ!呼び捨て///」
ヒイロ7「ふふ」
ヒイロ1~6「ZEROシステムver2.5起動…」
ppppppppppppp…
トロワ「ZEROシステムか」
ブンッ!
ゼクス「…くっ」
ヒイロ7「遅い!」
ブンッ!
ズガ-ン
ゼクス「ちぃっ!」
トロワ「ゼクス!」
マドカ「隙だらけだ!」
ブンッ!
ズガ-ン
トロワ「 ッ!」
ゼクス「くっ!油断したっ!」
トロワ「戦意を喪失しているように見えたが甘かったようだ」
ppppppppppppp…
ゼクス「こいつもか!」
マドカ「やれ!人形ども!」
無人機「…」
ギュオォォォォォォン!
スッ
トロワ「…く。指揮官が戻って無人機の動きも良くなったか」
ヒイロ7「なに、類似品さ。俺達同様な」
マドカ「く…」
ヒイロ7「だが…」
シュンッ!
ブンッ!
ゼクス「何!?」
ズガ-ン
ゼクス「くぅっ!」
トロワ「迅いな」
マドカ「…お前は」
マドカ「…あぁ!当たり前だ!」
ヒイロ7「さぁミッションスタートだ!」
ゼクス「トロワ、一度態勢を立て直す!援護を頼む!」
トロワ「了解した。」
トロワ(…このままでは不味い。)
その時、戦場にあまりに元気溌剌で奇怪な声が響き渡った
「ふにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
ゼクス「何だというのだ!?」
トロワ「ふふ」
ヒイロ7「何だ!?」
マドカ「まさかこの気持ち悪い声は!?」
ヒイロ1~6「!?」
無人機全機「!?」完全一時停止
一夏「全快!!俺見参!!」
箒「馬鹿者!せっかくの奇襲チャンスを…」
鈴「…なんかゴメンね。後で言って聞かせとくわ」
セシリア「なんでISのエネルギーチャージで本人まで元気になってますの?」
シャル「…多分なんかテンションまで上がっちゃったんじゃないかな」
ラウラ「それであんなハイレベルな危険エリアに大声出して突撃してしまうものか!?」
簪「ほんと気持ち悪い…」
一夏「トロワ、お待たせ!♪」
ゼクス「な…」
トロワ「…俺が待ってるのはヒイロだ。お前じゃない」
一夏「まぁまぁ。『ベンチプレスは強い筋肉を探して挙がっていく』ってシモンズも言ってるしさ♪」
ゼクス「…」
トロワ「…」
一夏「よし、そうと決まればいっちょやろうぜ!」
マドカ「いや、あいつただのば…」
ヒイロ7「誰かに頼られること、それを知らない人間は、手をぬくことすら学べない。力を入れるべき場所すら分からない。」
マドカ「え?」
ヒイロ7「俺は今日お前から学んだが、あいつはその事を良く理解してるようだ。…厄介な強敵だよ、まったく」
マドカ「強敵…あいつが?」
ブンッ スカッ
一夏「うォォォォォォッッ!!」
ブンッ スカッッ
ヒイロ3「回避成功、反撃する。」
ヒイロ1「隙だらけだ」
ブンッ ズガーン!!
一夏「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
無人機「…」
ギュオォォン!
一夏「うわぁっ!」
ズガーン!!
ギュオォォォォォォン!
無人機「!!」
ズガーン!!
無人機2機撃墜
トロワ「…」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガッッ
ヒイロ4「ッッ!!」
ズガーン!!
ブンッ ブンッ
スッ
一夏「やっべッッ!!あぶねぇ!」ギリギリ回避
ヒイロ7「後ろだ」
ブンッ
一夏「甘いぜ!マッスルさんく…」
ゼクス「はぁぁぁっ!!!」
ブンッ
ガギギッッ!
ヒイロ7「ちっ!」
ゼクス「何を言っている!ビームサーベルをシールドもなしに腕で防げるわけがないだろう!」
一夏「…は?腕っていうか今のはマッスルサンクタムという俺の筋肉と言う名のシールドを利用した防御技で…」
ゼクス「もういい!」
ギュンッ
一夏「なんで怒ってんのマジで?」
一夏「トロワ!大丈夫か?」
トロワ「お前よりはな。ダメージを受けたようだがお前はどうなんだ?」
一夏「俺か?まぁ正直、すげぇ痛ぇけど大丈夫だ。痛みは筋肉痛で慣れてるし、痛みなくして進化なし、筋肉痛は蜜の味って言うだろ?」
トロワ「そうか、初耳だ。覚えておこう。」
一夏「おう!後は『心で念ずることは肉体に多かれ少なかれ現ずるのである。信じることの出来る人は幸いである』っていうマッスル北村の言葉が俺にとっては名言で…」
トロワ「一夏」
一夏「なんだよ、今いいとこ…」
トロワ「戦場での無駄口は慎まなければ死ぬことになる。覚えておくといい」
一夏「お、おぅ」
一夏「…トロワ。」
一夏「でもまぁ結局はヒイロ頼りになっちまうんだな俺は。」
トロワ「…」
一夏「…いいさ。」
トロワ「一夏」
トロワ「お前は十分によくやっている」
一夏「…トロワ。」
一夏「へへっ!よせやぃ!鼻がむず痒くっていけぇねぇや!こちとら江戸っ子でぃ!」
トロワ「…そうか。」
一夏「さてヒイロ到着までもう少しハッスルしゃうぞ!!」
トロワ「期待させて貰う」
一夏「おう!」
ギュオォォォォォォン!!
ズガーン!!
無人機「!!」
無人機6機消滅
マドカ「くそっ!ライトニングカウント!」
ヒイロ7「よせ!闇雲に突っ込んで勝てる相手じゃない!」
マドカ「しかしこのままでは!」
ヒイロ7「ゼクス・マーキスとは俺がやる。マドカは織斑一夏を頼む!」
ヒイロ7「いや駄目だ!問題は織斑一夏だ!」
マドカ「なぜだ!?あんな無人機にも良いようにやられている雑魚など…」
ヒイロ7「考えてみろマドカ!俺達が加わり完全に戦場での主導権を握った矢先に奴が乱入して主導権を再度奪われつつある!」
マドカ「な、それはただ…」
ヒイロ7「いいかマドカ、これが現実だ。確かに織斑一夏の戦闘力は俺達よりも数段落ちる。だが、奴には俺達以上に戦場を掌握出来る別の力があるんだ!認めるしかない!」
マドカ「別の力…?」
マドカ「なっ…」
ヒイロ7「戦場で最も恐ろしいのは単騎の特記戦力ではなく、集団を統率するリーダー、若しくはそれに匹敵するカリスマの存在だ。奴らはその存在感だけで戦況を覆してしまうこともある。」
マドカ「あのアホにそんな力があるわけ…」
ヒイロ7「認めるしかない。織斑一夏はリーダーではなく後者に該当する力を持った存在なのだろう。」
マドカ「あいつがカリスマ…?」
ブンッ! ブンッ!
スカッ!
無人機「…」
一夏「ふひひ、ヒャッハァァァァァァァッぃ!!!!!!!!」
ヒイロ7「正直、誤算だった。『砂漠の王子』がこの場にいないからなんとかなると思っていたんだがまさか織斑一夏がその代わりを埋めてくるとは…。ただ者ではないとは直感していたがこれ程までとは」
マドカ「織斑一夏…。ッッ!!クソッッ!!」
ヒイロ7「だから速やかに織斑一夏を排除する必要がある。マドカ、やれるか?」
マドカ「愚問だ!瞬殺してやる!!!」
ヒイロ7「その意気だ!行くぞ!!!」
マドカ「あぁ!」
鈴「悔しいな…」
箒「え?」
鈴「みんな戦ってるのに私達はただ見てることしか出来ないなんて…、やっぱり悔しいよ。一夏だって頑張ってるのに私は…」
セシリア「…仕方ありませんわよ。正直、あのレベルの戦闘には今の私達じゃ役に立ちませんもの」
箒「…っ」
ラウラ「我々はまだ学生で本来はこの場所にいること自体が不自然なことなんだと実感させられるな」
シャル「…なんかさ、いつもヒイロが私達を『守る対象』だって言ってたけど、いざ実戦になると思い知らされるね…」
ラウラ「そしてあそこは私達の知る戦場じゃない。本当に命のやり取りをしている戦場だ。戦争なんだ。ヒイロがよく『ISは兵器だ』と言っていたが、身に染みるな」
セシリア「…私達はISのことを軽く考えすぎていたのかも知れませんわね。」
箒「…泣き言や後悔は後でいくらでもできる!!!」
セシリア「箒さん?」
シャル「箒どうしたの?」
箒「今は少しでもあの戦場に意識だけでも集中させるべきだ!学ぶべきだ!」
鈴「…あんた」
箒「…一夏だってホントは怖いはずなんだ。でも精一杯出来ることをやってる。私達にだって必ず何か出来ることがあるはずだ!だから今は集中する。その時を逃さない為に!」
鈴「…そうね!」
シャル「うん!」
ラウラ「あぁ!」
簪「…私だって少しはトロワさんの役に立てるはず」
ヒイロ5「ダメージ85%超過、戦闘継続を不可能と判断。」
ゼクス「やっと一機か」
ヒイロ5「段階を次に移行する。」
トロワ「何か変だ。油断するなゼクス」
ヒイロ5、ゼクス向けて最大速力にて突撃
ヒイロ5「任務を遂行する」カチッ
ゼクス「な、なに!?」
キュゥィィィン!ズガーン!!
ヒイロ5自爆
辺りを巻き込む巨大な爆発が起きた。周囲の無人機が次々に巻き込まれる。
一夏「…は?」
トロワ「そうきたか、悪くない判断ではあるが…」
一夏「…は?」
トロワ「ならばその前に完全に撃墜する」
ズガガガガガガガガガガッッ
ヒイロ2「ッッ!!」
ズガーン!!
ヒイロ2消滅
ヒイロ3、その間にトロワに向けて突撃
トロワ「っ!」
ヒイロ3「…」カチッ
キュゥィィィン!ズガーン!!
ヒイロ3、トロワを巻き込み自爆
一夏「トロワぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マドカ「な、なんで?どうして!?」
ヒイロ7「マドカ落ち着け!今は自分の目的を遂行することだけをイメージするんだ!お前の相手は織斑一夏だ!忘れるな!」
マドカ「でも!?」
ヒイロ7「安心しろ、お前の機体には自爆装置を搭載されていない。予定通り事にあたるぞ」
マドカ「…あ、あぁ」
マドカ(『お前の機体には』?)
ヒイロ7「ゼクス・マーキスは予定通り俺がやる。多分、まだ倒せてはいないだろうからな」
マドカ「いやだがあの爆発に巻き込まれたらひとたまりもないだろ」
ヒイロ7「…普通の奴ならな」
マドカ「…」
状況がスクリーンに映し出されている
クロエ「ッッ!!」
束「もう許すわけにはいかない」
クロエ「ッッ!!」ガタガタッ
束「大丈夫。…大丈夫。」ダキッ
クロエ「束様…」
束「ひー君、デュオ…。」
山田「こんなのって…ただの人殺し…」
千冬「…くっ」
スコール「…まさかここまでやるなんて。ふふ、あははは…」
楯無「ね、ねぇこのレーダーの状況って…」
カトル「…」
五飛「狼狽えるな!!!」
楯無「ひっ!」びくっ
カトル「…五飛、気持ちは分かりますがあまり彼女に強く当たらないで下さい」
五飛「…すまない。」
カトル「…どうやら僕達の敵はとんでもないゲスのようですね」
五飛「…カトル?」
カトル「…今すぐ僕も向かいたい所ではありますが今は彼等を信じましょう」
五飛「…元よりそのつもりだ」
五飛「…あぁ、こういったゲスの死に方など決まっている」
カトル「それにあそこに向かっているのは自爆のスペシャリストの天使と命を弄ぶ事が大嫌いな死神ですからね。…後悔しますよ」
五飛「あぁ、目下俺が一番恐ろしいのはお前だがな」
カトル「冗談はやめて下さい五飛、彼女に僕まで怖がられてしまいます」ニコッ
五飛「…手遅れだろう」
楯無(…この二人ちょっと怖すぎるんですけど)
ぺルゲ「ようやく役に立ちだしたか!それ、もっとワシの役に立って働かんか!ヒッヒッヒ」」
考える頭のないものは、人が疑い、憎しみ合うからだと答え
歴史に学ぶ者は農業の出現こそが元凶だと答える
一定地区に留まり、生産という文化を手にした時
人類の戦いの歴史が始まった
この閉塞を打ち破るには、外部へ進出し
広く広く人の生存権を拡大していくしかない
どこまでも遥か遠く、遠くへと
さもなければ人は種の自重に耐えかね
進化の歴史を逆走しはじめ
いつか文明の始まりでもあり、終わりでもある
「ゼロ」へと還ることであろう
―――――――――ヴァース帝国初代皇帝 建国宣言より
鈴「…ッッ!!」
ラウラ「っく」
シャル「ッッ!!」
セシリア「ヒイロさんがっ!!!」
ラウラ「落ち着け!あれは私達の知るヒイロじゃない!!!」
セシリア「でも人が!!!命が!!」
簪「…トロワさん?あれ?なんで?殺して…あれ?殺され…あれ?」
箒「落ち着け簪!!」
ラウラ「みんな落ち着け!!」
ラウラ(無理もないかッ!私だってきつい)
ラウラ「…ぁぁ。私も理解したつもりでいても本当の意味では理解出来てなんかいなかったんだな…。現実はこんなにも残酷で簡単に人の命なんて呆気なく無くなってしまうんだ。…私は」
ラウラ「…ヒイロ、たすけて。」
その時戦場に翼は舞い降りた
ギュゥゥンッ
ズガガガガガガガガガガッッ
ブンッ ブンッ
無人機「!!!!!」ズガーン!!
ヒイロ7「いきなりかよっ!!!?マドカ逃げろ!!!」
マドカ「なっ、避け切れな…」
ヒイロ7「ッッッッ!!」ギュンッ ギュンッ ダキッ
ヒイロ4「ッ…」
ヒイロ6「っ!!」ズガーン!!
ヒイロ1「回避運動に入る」スッ
数度に渡る廻転後、その中心には静かに天使が降臨していた
pppppppp…
ヒイロ「ZEROシステム起動」
ヒイロ「…ZERO、いくぞ」
シュンッッ
ブンッ
ヒイロ4「っく!!!!!」
圧倒的疾さでのビームサーベルによる袈裟斬りがセラフィムの翼ごとヒイロ4を両断
ズガーン!!
ヒイロ「…あと3機」
ズガガガガガガガガガガッッ
ヒイロ1「俺は…俺は死な…」ズガーン!!
正確無比なバスターライフルがヒイロ1のセラフィムを影も残さず消滅させる
ヒイロ「…残り2機」
マドカ「…あれが告死天使」ガタガタ
ヒイロ7「……」
ギュンッ
一夏「ヒイロッ!」
ヒイロ「一夏か…。下がっていろ、残りも俺が終わらせる」
一夏「…ヒイロ、分かってるんだろ?俺が言いたいことも。」
一夏「ヒイロ、お前さやっぱり凄いよ。てか強すぎてなんかもう反則だろ。」
ヒイロ「一夏…」
一夏「んで優しすぎるんだよお前は。…大丈夫。俺なら大丈夫だから」
ヒイロ「…」
一夏「………姉さんのことは俺に任せてくれ。いや、俺がやらなきゃダメなんだ。……あの日、ヒイロに俺達の事を教えられた日は正直、意味がよく分からなかった。でもちゃんと考えたら今までの自分の過去の事で分からなかった事、全てに辻褄があっちまってさ。考えたら自分が壊れそうになってどうにもならなかったよ。千冬ねぇに直接聞きたかったけど聞いて悲しませたくなかったし…」
一夏「それからの俺は兎に角がむしゃらだったよ。もうなんかわかんねぇからこれはもう筋肉を鍛えるしかないと思ったんだ。だってそうだろ!?考えて分からないなら筋肉しかないだろ!!!そうだろ!!!?そうだよな!!!?」
ヒイロ「…」
一夏「…いや、失敬。少し筋肉について熱くなりすぎた。いやまぁ兎に角だ、俺は筋肉神に全身全霊で祈りを捧げた。結果、天啓を得た。」
一夏「…んで俺が得た天啓は。」
一夏「この筋肉は俺だけのもんだ!!!誰のクローンだとかコピーだとか関係ねぇ!!!この腹筋も上腕二等筋も僧帽筋も広背筋も大殿筋も大腿二等筋も腓腹筋も全て俺だけのもんだ!!!誰のもんでもなく俺だけのもんだ!!!辛い時も苦しい時も共に分かちあってきた俺の戦友だ!!!!だから始まりはどうであれ、俺は俺だ!!!筋肉神に愛されし漢、織斑一夏は俺だけだ!!!!!!!!」
ヒイロ「…」
一夏「…はぁはぁはぁはぁ」
ヒイロ「…」
ヒイロ「…」
ヒイロ「…いいだろう。お前が過去を乗り越えたと言うのなら、その強さを俺に見せてみろ。残り1機は俺が引き受ける」
一夏「あぁ!!」
マドカ「何を言っている!2人でやれば…」
ヒイロ7「マドカ…」
マドカ「嫌だ。私は…」
ヒイロ7「マドカ…、俺を信じてくれ。」
マドカ「…嫌」
ヒイロ7「……」
ヒイロ7「…マドカ」
ヒイロ7「命なんて安いものだ、特に俺達のは」
ヒイロ7「…もう俺は十分に救われたさ。これ以上の馴れ合いはよそう。あとはお互いにきっちり自分にケリをつけようぜ♪」
マドカ「…分かった。あいつを…織斑一夏を瞬殺してすぐにお前の所にいく。…そして2人で告死天使を倒す!」
ヒイロ7「マドカ油断するな!多分、こういう時にこそ織斑一夏は最大の力を発揮してくるはずだ!」
マドカ「絶対だ!!!!」
マドカ「あぁ!!そうと決まればいくぞ!!!」
ヒイロ7「はぁ、やれやれ了解だ」
マドカ「織斑一夏!行くぞ!」
ヒイロ7(これでいい…)
ヒイロVSヒイロ7、筋肉神に愛されし一夏VSマドカの最後の戦いが始まる
ラウラ「ヒイロが来てくれた…」フッ(脱力)
ダキッ
シャル「ラウラ、大丈夫?」
ラウラ「すまない。安心したら力が…」
鈴「…ヒイロ、一夏を…お願いだから…早くっ」
箒「大丈夫だ。もう大丈夫…」
箒「…簪」
トロワ「俺がどうかしたか?」
簪「トロワさん!!!!!」
箒「トロワ生きていたのか!?」
トロワ「間一髪だったがな。ただこれ以上の戦闘は難しそうだ。」
簪「トロワさん!トロワさん!!!!」ダキッ
トロワ「…すまない。心配をかけたようだな。」
簪「…いいです!生きていてくれただけでっ…」
箒「気配をまったく感じなかったんだが…」
ゼクス「…不甲斐ない!」
トロワ「ゼクス、生きていたか」
ゼクス「当然だ!だが損傷が大きい、こちらも戦闘の続行は難しいようだ。」
トロワ「本来の目的は達成している。後はヒイロに任せればいい」
ゼクス「ふっ、そうだな」
セシリア「…というかあなたは誰なんですの?」
互いに干渉しあえない位置同士で4人の魂が激突する
<筋肉パイセン側>
マドカ「織斑一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
一夏「ふにぃぃぃぃぃぃぃぃ~ッッ!!」
互いに渾身の一撃が激突する
ズガーン!!
一夏「ふにぃぃ!!!ふにぃぃぃぃぃッッ!!」
マドカ「馬鹿な、私が、この黒騎士がパワー負けしているだと!!!?」
マドカ「は?」
一夏「こんな時にまさかの問いかけだよまったく!!!戦闘中なんだぜ!?分かってる!?」
マドカ「おい、貴様なにを…」
マドカ「貴様難聴かッッ!!人の話を…」
一夏「そいつぁやはりくっきりでパーフェクトさ!!!…だがしかしながら、妖艶引き立たせるWineRedも捨てがたいぜ!!!隆々としてデカい筋肉と立派なイチモツのラインがくっきりめっきり露にされてとてもエ口チックバズーカ間違いなしだぜ!!!…ただ俺としてはイチモツの大きさを誇示するために半立ち状態を維持するのが難題かッッ!!?」
マドカ「お、お、おお前っなにをっ///」
スッ
ぬぎっ(白式の下紺色スーツ部脱ぎ捨て)
一夏「…ふ」(微笑)
一夏「照れ屋の姉を持つと苦労するな、まったく」
ブンッ
スッ
一夏「おっと…危ない危ない…ふふ」
マドカ「くぅぅッッ!!」
マドカ「…」
マドカ「…ん?あれ?」
一夏「ん?呼んだけど?ダメなの??」
マドカ「…」
マドカ「…あれ?」
マドカ「…」
マドカ「…」
マドカ「……」
一夏「ヒイロに教えて貰った(´ω`)」
マドカ「なッッ!?なんだってぇぇぇ!?」
一夏「声大きいなマドカ姉さん(´ω`)…お○ぱいは小さいのに」
ヒイロ7「…」
ヒイロ「…」
ヒイロ7「…」
ヒイロ「…」
ヒイロ7「…いくぜ?」
ヒイロ「…」
シュンッッ
ブンッ
スッ
互いに超高速戦闘でのビームサーベルの応酬、互いにそれを紙一重にてかわしていく
ブンッ
スッ
ヒイロ7「…ッッく」
ヒイロ「…」
ヒイロ7「…はぁはぁ」
ヒイロ「…」
ヒイロ「…いい動きだが、お前の動きは全てゼロが教えてくれている」
ヒイロ7「…オリジナルのZEROシステム」
ヒイロ7(いや、システムの差だけじゃない。そいつを使いこなすこいつの異次元レベルの精神力、そして尋常じゃない反応速度がそもそもの差だ。)
ヒイロ7(…経験と信念ってやつですか)
ヒイロ7「…やっぱし我がオリジナルながらとんでもねぇ化物だぜ、まったく。」
ヒイロ「…いくぞ」
ヒイロ7「こうなったらとことんまでいってやるよッッ!!」
更に闘いは激化する
正式名称を「Zoning and Emotional Range Omitted System」(Z.E.R.O.System)と言い、直訳すると「領域化及び情動域欠落化装置」と言う。
このシステムには大きく分けて2つの機能が存在する。
パイロットの身体能力の操作
神経伝達物質を操作する事で、急な加減速による衝撃等の痛みを緩和、言い換えれば錯覚させる事により感じなくさせる。これにより、本来ならば耐えられないような過酷な状況下での機体制御を可能にする。
また、機体のカメラやセンサーから得た外部の情報を、パイロット自身が直接見聞きした情報であるかのようにパイロットの脳へ直接伝達する。そのためパイロットは真後ろの光景が見える等、常人ではあり得ない認識能力を得る。
システムが分析・予測した未来とその対処法の伝達
高度な情報処理により戦局の流れを判断、最適な行動を取るようにパイロットに促す。
このシステムが危険であるとされた原因は主に上記2つ目の機能である。
ゼロシステムが見せる未来の予測はあらゆる可能性が内包されており、単純な情報量と言う点でもパイロットに相当な負担を強いるが、「作戦に失敗し自身が死亡する未来」「友軍機を自分の手で撃墜する未来」など、あくまで可能性にしか過ぎない未来さえも強制的に見せられてしまうため、精神的負荷は極めて重い。
又、ここで言う「勝利のための戦略」とは自爆による相打ち・友軍機や民間人を巻き添えにしての攻撃など、非倫理的な選択を含む行動も含まれており、勝利のためにそれが最も有効であると判断されれば、システムは迷う事無くパイロットにそれを提示する。
先述の、自身が友軍機を手にかける未来を見せられることも相まって、パイロットは意思に反する行動をあたかもシステムに強制されているかのような状態に陥ってしまう。
システムの戦局予想自体は非常に高精度であり、従えば高い確率で勝利を手にすることが出来る。が、先述の通り自爆や友軍機の巻き添えなどあり得ない選択を平然と行うため、通常の作戦行動では勝利と共に多大な被害をもたらす事が多い。
更にパイロットの精神に多大な負担を強いるため、ゼロシステムに抗えないパイロットは良くて廃人化、悪ければ暴走してシステムに命令されるがまま破壊行動を繰り返すようになってしまう。
ヒイロ7「なにが良くて廃人化だよ!ピンピンしてんじゃねかよ!!!!」
シュンッッ
ブンッ
スッ
ヒイロ「…」
ヒイロ7「うおぉおおおおおおおおおおおおおッッ!!」
マドカ「なっ!?///ち、小さっ///まだ成長途中なだけだ!!!!」
一夏「小さいことは恥ずべき事ではない!!!!!!!むしろ誇るべきだ!!!!!」
マドカ「っ!!」びくっ
一夏「ん?ちっぱいが何?」
マドカ「…」
マドカ「…殺す」
ぬるっ スッ
一夏「ぬんっふんっせいッッ!!」
ブンッ
ガキンッッ!!
マドカ「私の攻撃が!!?なぜ効かない!?」
マドカ「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ブンッ
スッ ぬるり
一夏「ほいほい」
一夏「無駄だって(´ω`)」
マドカ「…いいだろう。本気でやってやる」
一夏「やれやれだぜ…」
マドカ「…PXシステム起動する」
シュンッッ
ブンッ
ズガーン!!
一夏「へぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マドカ「…終りだ」
マドカ「…PXシステム起動確認。これ程までとはな。感覚が研ぎ澄まされているようだ。今なら例え告死天使であろうが陽気な死神であろうが間違いなく勝てる!!」
一夏「っいってぇぇ…。なんだ今の攻撃は?いきなり速くなったし訳わかんねぇ…。とっさにブロンソン(腹直筋)にLoveを注入しなけりゃ間違いなくやられてたぜ…」
一夏「サンキューな、ブロンソン!」
ブロンソン「いや、なに気にするなよ相棒!これはあくまで俺をここまでデカくしてくれたあんたの実力だ!」
一夏「ブロンソン…」
ブロンソン「へへ」
ブロンソン「相棒、あんたがデカくしたのは俺だけじゃないだろ?」
一夏「え?」
???「待ちくたびれましたよ。まったく…」
一夏「お前達はまさか!?」
???「へへ」
???「ふふ」
一夏「ヨハン(遅筋繊維)にアコニー(速筋繊維)!?」
ヨハン「応よ!!こっから先は俺達も全開でいかせて貰うぜ!」
ヨハン「けっ!お前じゃすぐにガス欠がいいところだ!」
アコニー「貴様こそ耐えるしか脳がないくせに!」
ヨハン「なんだとてめぇ!!!」
アコニー「事実でしょう!!!」
一夏「ちょっ二人共喧嘩せずにさ」
一夏「お前は!?」
??「落ち着かんか!!!」
一夏「ミカエル兄貴(中間筋)!!!
」
ミカエル「ヨハン!」
ヨハン「わ、悪かったよ」
アコニー「すまない、ミカエル私も取り乱してしまった」
ミカエル「わかればいい」
一夏「ミカエル兄貴…」
一夏「…でも」
ミカエル「なら私も信じられないか?」
一夏「そんなことない!ミカエル兄貴のことは俺が世界中で一番信じてる!!」
一夏「……兄貴ィィィィィィィィィィィィッッ!!!!」
ミカエル「行くぞ、一夏!!ここから先は私達全員の喧嘩だ!!!!!」
一夏「おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ヨハン「やってやらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
アコニー「ふふ、いいでしょう!!!」
ブロンソン「いくらでも来い!!!」
英気に満ち溢れた漢、織斑一夏が再び飛翔する
マドカ「今いくぞ、№7!二人で告死天使を…」
ふにぃぃィィィィィィぃぃッッ!!!
ギュンッ
マドカ「なにっ!?」
マドカ「…」
マドカ「…」
マドカ「…もうホントやめて、、ホントに気持ち悪いから」
汗だく半裸一夏「ねーちゃん…はぁはぁ…」
マドカ「(ToT)」
ヒイロ7「くはっっ…」
そこには無惨にもズタズタになった4枚羽根の熾天使の姿があった
ヒイロ「…終わりだ」
バスターライフルが静かに構えられる
ヒイロ「ターゲットロック」
ヒイロ7「マドカ…。ごめんな先に逝くわ…」
ヒイロ「……。」
ヒイロ7「……?」
ヒイロ7(…なぜ撃ってこない?)
ヒイロ「お前はどうやら他のクローンとは違うようだ」
ヒイロ7「何を言って…」
バスターライフルを構えたままヒイロ・ユイは問いかける
ヒイロ7「…隙を伺っていただけだ。」
ヒイロ「ふふ、どうやらお前には生きる意思があるらしい。」
ヒイロ7(笑った?こいつに、オリジナルに人間らしい感情が?)
ヒイロ「だがお前に残された時間は少ないだろう」
ヒイロ7「……」
ヒイロ7(こいつは驚いた。もしかして俺に対して同情の想いでも抱いたか?…ならまだ奴を倒せる隙は…)
ヒイロ7「な…なんだと!?」
ヒイロ「残された時間で足掻くつもりはないかと聞いている」
ヒイロ7「何を考えている?」
ヒイロ「…一夏ならあの女を今の状況から救うことは出来るだろう。だが、その救いではあの女を本当の意味では救えない。」
ヒイロ7「……」
ヒイロ7「…趣味の悪いやつだ」
ヒイロ「…もう一度だけ聞く。お前なら残された時間であの女を救えるか?」
ヒイロ7「…そんなこと分かるか」
ヒイロ「…不可能とは言わないんだな。なら俺からお前に任務を与える。」
ヒイロ7「…で、従わないなら今ここで殺すってわけか」
ヒイロ「…」
ヒイロ7「…」
ヒイロ7「…はぁ」
ヒイロ7「…いや、まぁ選択の余地がないか」
ヒイロ「…すまない。俺にはどうしてもやり遂げられそうにない」
ヒイロ7「…ふふ」
ヒイロ「何が可笑しい?」
ヒイロ7「いや、なにあんたにも不可能な任務ってのがあるんだなとね」
ヒイロ「当たり前だ」
ヒイロ「…好きに解釈すればいい」
ヒイロ7「いいね、断然面白い!あんたのその話乗ってやるよ!」
ヒイロ「…なら今からあの女を止めにいくぞ。」
ヒイロ7「了解だ!」
ぺルゲ「…たわけ者めが」
カチッ
ヒイロ「何をもたもたしている」
ヒイロ7「あんたにやられてこっちはフラフラなんだっての…」
ビービービー
ヒイロ7「…ん?」
ヒイロ7「!?」
ヒイロ「?」
ヒイロ7「逃げろ!ヒイ…」
キュゥィィィィィィン!ズガーン!!
ぺルゲ「ヒッヒッヒ、やってやったぞ!!!間違いなく殺ったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!油断しおったわ!所詮あんなガキどもなどワシの敵ではなかったというわけじゃぁぁぁぁぁ!!!」
キュゥィィィン!ズガーン!!!!
マドカ「…え」
一夏「…え」
ラウラ「ヒイロが…ヒイロ…」
鈴「…う、嘘よね?またいつもみたいに余裕で」
シャル「あ、当たり前だよ!だってヒイロだよ…ヒイロが」
箒「だな!全然大丈夫なはずだ!」
簪「そうですよね!あの人無茶苦茶強いし…ね、トロワさん?」
トロワ「…」
ゼクス「…」
ゼクス「…あのタイミングでの離脱は不可能だろう」
トロワ「自爆範囲からも逃れられたとは考えにくいな」
シャル「…そんな」
トロワ「爆発したエネルギー量もガンダニウムの破壊数値を越えているようだ」
ゼクス「初めから我々用の当て馬だったということか。胸糞の悪い話だ。」
トロワ「確かにあいつは強い。だがあいつも人間だ。撃たれれば怪我もするし場合によっては死ぬこともある」
ラウラ「き、貴様ッッ!!」
ゼクス「強者などいない。人類全て弱者なのだ。絶対の存在などいないのだ」
シャル「…そんな」
トロワ「それが現実だ」
トロワ「何を言っている?」
鈴「え?」
トロワ「ヒイロが死んだとは言ってはいない」
ゼクス「あぁ、流石に無傷ではすんではいないだろうがな」
トロワ「ゼクス、この場を少しまかせたい。」
ゼクス「…了解した。頼む。」
バヒュッ
爆煙が周囲一体を包んでいる
バヒュッ
ヒイロ「っく…」
ヒイロ「…各部損傷チェック、損傷率70%超、機体稼働率60%低下、コアにも深刻なダメージ。…戦闘継続はかなり難しいが、まだやれる…」
ヒイロ7「……っ」
ヒイロ7「!?…なんで俺生きて?」
ヒイロ「…余計な手間をかけさせるな。」
ヒイロ7「!?俺のISは自爆したはず??どうして俺は生きてる?あんたも!?」
ヒイロ「爆発の瞬間に無理矢理引きずりだしただけだ。」
ヒイロ7「嘘だろ!?あのタイミングで!?あんな一瞬で!?不可能だ!!」
ヒイロ7「な…」
ヒイロ「だがおかげで俺の機体も相当なダメージだ。足をひっぱるなら次は殺す」
ヒイロ7「そんな馬鹿な…」
トロワ「大丈夫かヒイロ?」
ヒイロ7「トロワ・バートン!?」
ヒイロ「機体ダメージは深刻だがあと1度の戦闘くらいなら問題ないだろう」
トロワ「そうか、あまり無理はするなよ。」
トロワ「そいつはこちらで預かろう。邪魔になる」
ヒイロ「あぁ、任せる。」
ヒイロからトロワにヒイロ7がお姫様抱っこで渡される
ヒイロ7「ちょっ」
ヒイロ「あぁ」
ヒイロ7「ちょっと待てよ!あいつは俺が…というかあんたも機体がそんな状態じゃあ…」
ヒイロ「お前には無理でも俺には可能だ。何度も言わせるな」
ヒイロ7「っく…」
ヒイロ7「あ…」
ヒイロ「舞台は俺が整えてやる。」
ヒイロ7「…悪ぃ」
ヒイロ「勘違いするな。与えた任務をいきなり放棄されては困るというだけだ。」
ヒイロ7「…ふ、そうだな。じゃあちょっと頼むわ」
ヒイロ「…」
ヒイロ「あぁ」
バヒュッ
ヒイロ「…ゼロ、やれるな?」
キュィィン
ZEROシステムが呼応する
ヒイロ「いいだろう。…これが最後の出撃だ。」
バヒュッ
マドカのいる空域へ傷付いた翼を拡げウイングゼロが飛翔する
マドカ「…」
マドカ「…」
マドカ「…あいつが」
マドカ「…また一人」
マドカ「…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
キュィィィィィィン!
システム再起動
PXシステムオーバードライブ
シュインッ!
マドカ「…」
ブンッ
スガガガガガガガッッン!
一夏「ほげぇぇぇ~ッッ!!」
マドカ「誰も…もう誰も生きては返さないッッ!!」
一夏大ダメージ
黒煙たちこむ戦闘空域内、さらには周囲戦闘空域外にも及ぶ広域電波障害が発生していた
ドクターJ「本当に武器を捨て去り兵士を封印することだけで完全平和が実現出来ると思っておるのかね?」
リリーナ「人々の心から戦いという概念が消えない限り無理でしょう」
ドクターJ「人類は、そこまで成長出来るだろうか?」
リリーナ「……難しいでしょうね。」
ドクターJ「…。」
リリーナ「ですが本来人々が全力をもって向かわねばならないのは対立する敵ではなく、立ちはだかる困難だと思うのです。」
ドクターJ「…よかろう。だが、これだけは覚えておきなさい。君達が築いた平和の影には『ヒイロ・ユイ』という名の抑止力が必要なんじゃ。それは如何なる時代如何なる場所においてもだ。」
リリーナ「……。」
マドカ「もうお前はいい加減邪魔だ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ブンッ
一夏(疾やすぎて反応が追い付かねぇっ!)
一夏「…っ!!」
ガキーン
一夏「…っ!?」
ヒイロ「っく!」
一夏「ヒイロ!!」
ヒイロ「はぁぁっ!」
ブンッ
間一髪一夏への一撃にビームサーベルでヒイロが割り込んだ
一夏「ヒイロ、悪い助かりマッスルっす!!!」
ヒイロ「…っく」
一夏「ヒイロ、お前その身体…、」
ヒイロ「思ったより身体的なダメージが大きいようだ。長くはもたない、早々に決着をつけるぞ」
一夏「…でも姉さん、急にまた強くなって…」
ヒイロ「…っ、平和への障害は俺が取り除くっ!」
ギュンッ
ヒイロがマドカに対して単独で仕掛ける
ヒイロ「っく…」
ブンッ
幾度となくヒイロとマドカの超高速による近接戦闘が繰り返される
マドカ「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
ヒイロ「っく…」
鈴「…う、嘘でしょ」
箒「…あのヒイロが押されている」
ラウラ「…そんな訳あるか!あれはきっと何かの作戦に決まっている!」
ゼクス「…」
トロワ「…流石にダメージを受けすぎたようだな」
簪「…そんな」
ゼクス「死なせはせん!!!」
シャル「でもっ」
ゼクス「…いざとなれば私が割ってはいる。」
トロワ「冷静になれ、今のお前の機体状態ではあのレベルの戦闘は無理だ」
ゼクス「無理は承知!!だが、みすみす目の前であいつに死なれてはリリーナに顔向け出来ん!!!」
トロワ「…了解した。なら俺もいこう、足しになるかは分からないが弾除けにくらいはなれるだろう」
ゼクス「…すまない。」
ゼクス「…あぁ」
簪「何がですか?」
トロワ「ダメージがあるにしてもあの女の戦闘レベルは本来ならヒイロに及ぶはずもないんだがな」
ゼクス「機体に何らかの仕掛けがあるのだとしてもあの動きは常軌を逸している。あんな殺人的な加速を繰り返していては彼女自身がもつはずがない」
ぺルゲ「ヒッヒッヒ、至近距離からの自爆でも死ななかったのには正直驚かされたが、今度こそ終いのようじゃな!」
???「ほんとだぜ…。まったく、自爆で死なないなんて相変わらずあいつだけはいつも俺を驚かせやがる」
ぺルゲ「誰じゃ!!?」
???「こんばんは、パーティー会場はここですか?」
ぺルゲ「貴様は…!?」
ズドンッ
低い銃声が室内に重く響いた
ズドンッ
さらに銃声は繰り返す
ズドンッ
ズドンッ
ドサッ
ぺルゲ「がはぁっ…」
四肢を貫かれ椅子から床に崩れ落ちる
デュオ「神出鬼没が俺の売りなんでね。ドクターぺルゲ、あんたはやり過ぎた。悪いがここで死んで貰うぜ」
ぺルゲ「…馬鹿な。ここは、このグランシャリオⅡは…完璧に…ステルスされていたはず…」
デュオ「完璧ねぇ…。じゃああんたはどうやって俺のデスサイズのハイパージャマーでステルスされた束の居場所を特定出来たんだ?」
ぺルゲ「…き、貴様、ワシの真似事をっ」
デュオ「違うね。俺の相棒のハイパージャマーとアンタのちんけなステルス粒子を一緒にしないでくれよ」
ぺルゲ「な、なんじゃと!」
デュオ「…確かにアンタのステルス粒子は理論的には完璧に近いだろうさ」
ぺルゲ「ならなぜワシの、グランシャリオⅡの位置を…」
デュオ「慌てるなよ。…理由はいくつかある。まずはある程度どこにいるかの特定はすぐについたよ」
ぺルゲ「…な、なんじゃと!?」
ぺルゲ「な…」
デュオ「さらに時間をおいてのヒイロのクローンの投下、これが極めつけだ。ある程度時間がたってるにも関わらず似た地点からの戦力の大量投下だ。これはアンタが少なくとも推測ポイント付近からあまり移動もせず留まっている確証となる。」
デュオ「…まぁその場所がヒイロ達が戦っているエリアのほぼ真上なんて、流石に間抜けすぎて俺も最初は逆にフェイクか疑っちまったくらいだったけどな」
ぺルゲ「っく…」
ぺルゲ「くっ…だがエリアを特定出来てもグランシャリオⅡは貴様のハイパージャマーと違い、肉眼でも視認出来ないはず…」
デュオ「…アンタそれ本気で言ってんのかよ」
ぺルゲ「何!?」
ぺルゲ「…な!?」
ぺルゲ「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!」
デュオ「…この程度束が一瞬で気づいちまってたぜ。束が言うにはこの粒子を使うなら『私ならガスとか熱を発しない推進剤を使用するか、慣性なんかを移動方法の軸に考える』って言ってたぜ?」
ぺルゲ「ッッッッ!!」
ズドンッ
銃弾は額を撃ち抜きぺルゲは絶命する
デュオ「…ふぅ、任務完了…」
艦内にけたたましいサイレンが鳴り響く
デュオ「な、なんだ!?」
デュオ「どういうことだ!?何が起こってやがるんだこいつは!?」
デュオはシステムにアクセスを試みる
デュオ「…な、こいつは!?」
鈴「じゃあIS自体に何か仕掛けがあるってこと!?」
トロワ「そう考えるのが自然だろう」
ラウラ「ならその仕掛けさえ何とかすればヒイロは負けないってことだな!」
ヒイロ7「…PXシステムだ」
箒「PXシステム?」
ゼクス「…PXシステム。聞いたことがある。」
ヒイロ7「PXシステム…操縦者の脳波、主に反射を司る部分を解析し機体制御に反映する操縦支援システムだ。これにより従来機にはない反応速度を得られる。」
セシリア「そんな…」
ヒイロ7「ただし、システムの完全稼働には個々の操縦者に合わせた事前の調整が不可欠であり、限度を越えて使用すると機動限界による機体の損壊や、操縦者の精神崩壊を引き起こす可能性がある。」
ヒイロ7「だからその理由から普段はリミッターを掛けているんだが…緊急時には操縦者の任意でリミッターの解除状態オーバードライブモードと呼ばれる状態へ移行することが出来る。」
ゼクス「…それであの戦闘力を得ている訳か」
ヒイロ7「だがオーバードライブモードは長くは使えない…。操縦者への負担が大きすぎるんだ…」
ヒイロ7「…マドカ」
ヒイロ「…っく」
マドカ「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ブンッ
神速の攻撃が満身創痍のヒイロを追い詰める
??「甘いな」
激突する2人の間を食い破る様に2頭の龍が空間に割って入る
マドカ「何!?」
ブンッ ブンッ
マドカ「ちッッ!!」
???「…何とか間に合ったみたいですね」
ヒイロ「…五飛、カトル」
マドカ「…『神龍』に『砂漠の王子』ッッ!!」
マドカ「また邪魔者が次々…いい加減に…いい加減に…」
カトル「あっちはラシードや更識楯無さん達が頑張ってくれているのでこちらへ何とか来ることが出来ました。」
ヒイロ「…」
五飛「無様だな」
一夏「…っ!!」
ヒイロ「…」
五飛「女一人を相手に何を手間どっているヒイロ!!」
カトル「まぁまぁ五飛、ヒイロにも色々とあったみたいですし」
ヒイロ「…」
一夏「??」
ヒイロ「…」
カトル「…ヒイロ」
一夏「どういうことだ?一体何の話をしてんだよ?」
五飛「いくらダメージがあってあの女がシステムで強化されていたとしてもお前とZEROシステムなら難なく退けられるはずだ」
ヒイロ「…」
一夏「…えっ!?」
カトル「…どの未来も彼女を救えるには至らなかったんですね?だからZEROシステムの回答を拒否し続けて戦っていた」
ヒイロ「…」
五飛「…」
マドカ「ウワァァァァアぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マドカが五飛のアルトロンへ突撃する
ブンッ
スッ
五飛「ちぃッッ!!」
五飛はこれを回避しツインビームトライデントによる容赦のないカウンターの一撃を放つ
ガキンッッ!!
ヒイロ「よせ!!五飛!」
ヒイロがこれに割って入る
五飛「ヒイロ、貴様ッッ!!」
スッ
マドカ「ギぃッ!?」
そこに間髪入れずガトリングガンがマドカを狙う
それを回避したマドカは急速に距離をとる
ギュンッ
トロワ「2人共いい加減にしろ、戦闘は今も続行中だ。」
ギュンッ
ゼクス「ヒイロ…」
ヒイロ「…」
カトル「…」
カトル「…僕がZEROシステムを使い指揮を取ります」
五飛「なに!?」
カトル「…流石にW-0と同じにはいきませんでしたがこのISコアではたった1度の起動、しかも稼働出来るのは1分が限界です。さらにその後はISサンドロックは戦闘行動自体も不能となるでしょう」
ヒイロ「カトル…」
カトル「ヒイロ、あなたが見た未来はあなた一人で戦った場合の未来です。ならここにいるみんなで力を合わせれば違う未来が見られるはずですよ」ニコッ
五飛「ヒイロ、目的はわかっているな?」
ヒイロ「…任務了解。内容、対象機破壊、そして操縦者の救出。」
五飛「すぐに終わらせるぞ」
ヒイロ「あぁ」
トロワ「俺も援護くらいならまだやれるだろう」
カトル「えぇ勿論お願いします。」
ゼクス「すまないが今の私は足手纏いだ…」
カトル「わかっています。それにあなたには元々無理をさせる訳にはいきません。今は立場のある身ですからね」
ゼクス「…すまない。」
カトル「実質これが彼女を救う最初で最後のチャンスだと思って下さい。今の彼女を相手に撃破は出来ても救出となるとこの戦力状態が最低ラインでしょうから」
トロワ「了解した。」
五飛「十分だ。」
ヒイロ「了解。」
カトル「…メンバーは僕とヒイロ、トロワ、五飛…」
一夏「…」
カトル「…それに織斑一夏君にも参加してもらいます」
一夏「…えっ!!?」
一夏「え、でも、その俺なんかが参加しても足手纏いに…」
カトル「…ならあなたはどうしてここにいるのですか?」
一夏「…っ!!」
カトル「…確かに本当なら『彼』がいてくれたら良かったのですが今現実にここにはいないので仕方がありません。それにあなたが言う様に確かにあなたではこのメンバーとフォーメーションを組むには力不足です。」
一夏「だったら…」
カトル「ですが僕にはあなたにしかここから先の未来は勝ち得ない様にも思えるんです。」
一夏「…!!」
一夏「…」
一夏「…やるよ。俺は絶対にマドカねぇさんを救ってみせる!!!!」
カトル「…そうですか」ニコッ
一夏「…俺がファイナルアタッカー」
ヒイロ「やれるな?一夏」
ヒイロ「チャンスは一度きりだ。やり直しは効かない。お前が失敗すれば織斑マドカは確実に殺すことになる。」
一夏「ヒイロ…」
ヒイロ「…」
ヒイロ「…了解した。これより織斑一夏と織斑マドカの未来を援護する」
そしてたった一度きりの1分間が始まる
pppppppp…
カトル「さぁ皆さんこのくだらないパーティー、幕引きといきましょう!」
五飛「仕掛ける!!」
織斑マドカを中心に2機が両翼に展開、有無を云わせぬ同時攻撃。
ブンッ ブンッ
マドカ「ギぃッッ!!」
ギュンッ
これを完全回避
だが、回避先をカトルが完全予測しそれに従い間髪入れず上下からの完全狙撃。
トロワ「…悲しいな、泣けない女は」
ズガガガガガガッッ!!
ヒイロ「攻撃開始」
ギュゥゥンッ
ズガガガガガガガガッッ!!!
マドカ「ギぃィィィィィィッッ!!!!?」
ギュンッッ
これを体勢を完全に崩されながらも辛くも回避。
ヒュン
一夏「…おかえり。マドカ姉さん」
マドカ「…ぁ」
スゥ…ズガーンッッ!!
それはまるで1分間の3拍子の舞曲のようだった。
ヒイロ「任務完了。良くやったな、一夏」
一夏「…あぁ、ようやく1つ守る事が出来たよ、ヒイロ。」
カトル「皆さんフィナーレです。お疲れさまでした!」
<戦闘空域外>
シャル「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ダキ
ラウラ「うんっ!!」
ヒイロ7「流石だよ、ヒイロ・ユイ。それにあいつもやっぱりただ者じゃなかったみたいだな…」
箒「…凄い。一夏。」
セシリア「いいえ、凄いのは私のヒイロさんです。」
ゼクス「見事な一撃だ。」
簪「…あのキン肉マンをちょっとかっこいいなんて思っちゃった…。なんか吐きそう」
鈴「……良かったね一夏。」
山田「…全員の生存を確認。敵影なし、やりました。終わりました!!!!終わりましたよ、先輩!!」
千冬「良かった…ほんとに…長かった…一夏っ、マドカっ…」ポロポロ
楯無「ヒイロ君ッッ」
スコール「………ッッ」
ラシード「やりましたな、カトル様」
クロエ「束様ッッ!!」
束「うんっ!!さっすがはひーくんいっくんだね!!!ブイブイ♪」
束「……良かったね、ちーちゃん。」
各所とも歓声に包まれた。
歓声鳴りやまぬ中、無機質な緊急通信音が突然鳴り響いた。
デュオ「こちらデュオッッ!!誰か応答してくれ!!」
そしてまた終わりが始まりを告げた
デュオ『カトルか!?良かった!悪いが先にこっちの用件を伝えさせて貰う!』
カトル「…分かりました。お願いします。」
五飛「…」
トロワ「…」
一夏「う、嘘だろ!?ち、ちょっと話の規模が大きすぎるだろ!?」
鈴「…う、ちょ、流石にどうすんのよそれッッ!!」
ラウラ「宇宙戦艦グランシャリオ…、確か前に前大戦時のデータベースで見たことがある!全長は約2000m級だったはずだ!」
シャル「そ、そんな大きさのものどうしようもないよ!!」
箒「…に、逃げ場すらないのか」
簪「…そんな」
セシリア「…」
ヒイロ7「…あのじじい。そこまでするのかよ…」
山田「…そんな、20分後なんて対処の仕様がありません!!」
千冬「…地球を、この星を人住めない場所にするつもりなのか…」
スコール「ドクターぺルゲ…」
束「駄目ッッ!!どんなにしたって現状で打破出来るだけの時間も手立ても思いつかない!!!!なんで…なんで私はこういう時に限って無力なの!?どうして…」
クロエ「束様、落ち着いて下さいっ!」
五飛「デュオ、兎に角もう少し状況を説明しろ。どうしてそうなった?」
デュオ『…了解。俺は首謀者のドクターぺルゲの居場所を突き止め潜入しやつを仕留める事には成功した。だが、あいつはこの戦艦に自分が絶命した際に自動制御プログラムが起動するように細工していやがった。プログラムは解除出来ない上に破壊も間に合わない…。最後の最後でしてやられちまったっ!』
ゼクス「…どこまでも下衆な真似を」
一夏「一体どうすんだ!?このままじゃ地球が…」
ヒイロ「…」
デュオ『…ぁぁ、いるぜ。』
デュオ『勿論だ。そのつもりで連絡したんだからな。』
ヒイロ「ならさっさと戦艦のデータを俺に送れ。時間が惜しい。」
デュオ『…悪いな、ヒイロ。』
シャル「…え?」
セシリア「…」
ヒイロ「大気圏突入前に艦を迎え討つ。ツインバスターライフル最大出力で動力炉をピンポイント射撃、完全に破壊する。」
シャル「…そんなこと、ほんとに…可能なの?」
ヒイロ「悩んでいる時間が惜しい。話は後だ。」
セシリア「…」
?『無理だよ!!』
ヒイロ「…」
一夏「強制割り込みで通信!?ってこの声は…」
箒「姉さん!!?」
束『その方法じゃ絶対に失敗するよ!』
セシリア「…」
束『不可能なものは不可能。そんな方法、私がとっくに検証してる!……一番最初にね。』
ラウラ「ふざけるな!ヒイロに不可能なんかない!ヒイロはいつだって私を…私達を何からだって守ってくれた!」
ヒイロ7「…」
五飛「…」
カトル「…」
トロワ「…」
簪「確かにヒイロ君なら…」
セシリア「……」
一夏「そんなの筋肉と根性でヒイロならなんと…」
束『ならない』
一夏「…(・_・)」
セシリア「…」
デュオ『…束、足りない分の破壊力は大丈夫だ。』
束『……』
デュオ『…さぁヒイロ始めようか』
束『それは駄目ッッ!!』
デュオ『…束』
束『駄目ッッ!!だめだから…』
ラウラ「!?」
箒「…姉さん?」
デュオ『…束、これは俺のミスだ。まぁちょっとかっこ悪いけどな。俺にも挽回のチャンスをくれよ♪』
束『だめ…、お願い、お願いします。お願いだから…やめて』
デュオ『束…』
箒(こんなに乱れた姉さんの声初めて聞いた…)
デュオ『…ありがとな』
シャル「え?…どういうことなの?ねぇ…ヒイロ?」
ヒイロ「任務に変更はない」
束『ッッ!!ヒイロ・ユイッッ!!!!!デュオを犠牲にしても間違いなくあなたも死ぬわ!!!破壊の余波で確実にね!!!これは絶対によ!!!わかってるんでしょ!!!その方法でもバスターライフルが届く有効射程範囲内に近付けば!!」
シャル「え?」
ラウラ「そんな…」
一夏「そんなのヒイロの筋肉なら耐えるだろ!!!!!!」
鈴「ちょっとあんたは黙って…」
箒「…姉さん、でもヒイロ達なら幾度となく死線を潜ってますし」
ラウラ「そ、そうだ!私のヒイロなら!」
鈴「…まぁ確かにヒイロ達ならなんとかしそうな気はするけどさ」
一夏「だよな☆」
束『あなた達は…』
ヒイロ7(救われ過ぎたか…)
鈴「セシリア…?」
シャル「…やだよ。ヒイロやめてよ、…やだよ」
ヒイロ「…」
セシリア「…ヒイロさんだって普通の人間ですのよ!!!死なない訳じゃない…」
セシリア「…なぜ根拠もなく大丈夫なんて言えるんですの!!!?」
セシリア「…私は絶対に嫌です。私はヒイロさんを失いたくない…もしそれで世界がどうなろうが知りませんわ!!!」
束『…あなた』
シャル「ねぇ、みんなで逃げようよ!!!兎に角遠くに!!!」
束『…』
ピピピ
ヒイロ「ドクターJ、こっちは問題ない。」
束『ドクターJ!?』
デュオ『な!?こいつは一体!?』
ドクターJ『すでにメッサーツバーク×3は実装可能にした。ツインバスターライフル最終形態ドライツバークバスターへの形態変換も可能じゃ』
ヒイロ「ZEROシステムによるフィッティングは既に完了してある問題ない。」
ドクターJ『ヒイロよ、わかっておるな?』
ドクターJ『ならよい。それではこれから任務、いやワシからの頼み、願いじゃな。誰も悲しませないで欲しい』
ヒイロ「了解した。当初の予定通り対象敵戦艦を大気圏突入前に破壊、いや、完全に消滅させる」
デュオ『おい、ヒイロ、一体どういうことだよ!?』
ヒイロ「まだお前は戦艦内にいるのか?邪魔だから早く脱出しろ、それとも自爆が趣味なのか?」
デュオ『な…』
カトル「そうですね。ほんとにそろそろ時間ですし」ニコニコ
トロワ「デュオへの灸もすんだ。十分楽しめたしそろそろいいだろう」
ゼクス「…悪趣味だぞ。お前達」
ヒイロ7「こ、こいつらは…」
一同「…え?」(゜д゜)ポカーン
セシリア「…ではヒイロさんは」
ヒイロ「安心していい、セシリア。」ダキッ
セシリア「ッッ!!///」
ヒイロ「誰も死なせはしない、お前もシャルも全員だ。…勿論俺自身もな」
シャル「ほ、ほんとに!!!?」
ヒイロ「あぁ」
ドクターJ(じゃが現状のW-0の状態では一発が限度、いや一発でコアが限界を越えるじゃろう。命懸けなのは変わらん)
ヒイロ「これより迎撃行動に移る」
傷付いた翼が羽ばたき遥か上空へと上昇を開始した
ヒイロ「狙撃高度に到達。ターゲットを確認次第ドライツバーグバスターで攻撃を開始する」
ピピ
ドクターJ『了解した。あと5分ほどで対象が射程範囲に入る。ヒイロ、あとは頼む。』
ヒイロ「あぁ」
ヒイロ「…」
ピピ
ヒイロ(プライベート通信…?)
ヒイロ「リリーナ!?」
リリーナ『今あなたが置かれている状況は理解しています。ですが一つだけ…』
ヒイロ「…」
ヒイロ「…」
リリーナ『それが仮に世界を救う為だとしてもです』
ヒイロ「…」
リリーナ『あなたはまだ「ヒイロ・ユイ」の名を捨てられていない。』
ヒイロ「…」
ヒイロ「…」
リリーナ『だからヒイロ、まだ死ぬことは私が許しません。…許しませんから。』
ヒイロ「…リリーナ、俺は死なない。お前も死なせない。」
リリーナ『…』
リリーナ『ヒイロ…』
ヒイロ「俺は死なない!」
リリーナ『ヒイロ…、信じています』
ヒイロ「あぁ」
ビビビ…
有効射程範囲内にグランシャリオⅡが接近
ヒイロ「目標確認。…破壊する。」
キュイーン
形態変化を遂げたバスターライフル、ZEROシステムが展開された。
ヒイロ「…攻撃開始。これで終りだ。」
一夏「…すげぇ」
大気圏外で破壊されたグランシャリオⅡの破壊片が大気圏突入で燃え尽きる様は、まるで無数の流星のように空を舞った
山田「…やりました。巨大戦艦完全に消滅、破壊された破片も全て大気圏で燃え尽きるようです!!!」
千冬「…ヒイロっ!」
スコール「まさか…そんなことが」
鈴「…綺麗」
箒「流れ星みたいだ」
簪「私達、助かったんですよね?」
カトル「どうやら上手くいったようですね。」
五飛「当然だ」
トロワ「大したやつだ」
セシリア「ちょっと待ってください…」
ラウラ「…ねぇ、ヒイロは?」
シャル「そうだよ、ヒイロはどうしたの?」
ゼクス「…。」
ゼクス「…来たか。」
舞い落ちる流星の中、傷だらけの天使が静かに舞い降りた。
ヒイロ「任務、完了。」
セシリア「ヒイロさんっっっ!!!」
ラウラ「ヒイロ、ヒイロぉぉ…」
シャル「良かったよぉぉぉぉ」
~宿臨時作戦指令室~
山田「ヒイロ機確認!!!健在です!!!!」
千冬「ヒイロ、今なら何の恥ずかし気もなく言える。私はお前が好きだ。お前は私のヒーローだよ。」
スコール「完敗ね…ここまでくると逆に清々しい。」
スコール「…いえ、彼を敵に回した時点で元々負けは決まっていたのね。」
束「ほんとにやっちゃったよ。ここまでくるともう何にも言えないや。」
クロエ「デュオ機確認出来ました。…生きてます。」
束「…よかった。…ほんとによかったよぉぉぉぉぉ」
クロエ「…はい。…はいっ…」
~宇宙空間~
デュオ「相変わらずやってくれるぜ、まったく…」
ピピピ
束『おかえりなさい…ばか。』
デュオ「おいおい、何泣いてんだよ。らしくないぜ?」
束『…ばか。』
デュオ「…悪ぃ。」
束『…許して欲しかったらこれから先ずっと私と一緒にいてください。』
デュオ「…。」
クロエ『この場合返事はYESしか受け付けません。』
デュオ「いや、それは…」
束『…もう一人は嫌なの。お願い…』
デュオ「…」
デュオ「あぁぁぁぁぁぁ!!!もう分かったよ!」
束『ほんとに?』
クロエ『本当ですか??』
デュオ「前にも言ったろ?」
束『え?』
デュオ「俺はデュオ・マックスウェル。逃げも隠れもするが嘘は言わないデュオ・マックスウェルだ。ってな」
束『デュオ…』
クロエ『逃げも隠れもさせませんけどね』
デュオ「おいおい、ヒイロよりおっかねぇな」
この事件での被害は奇跡的にも小さく済み、各機関の働きかけによりあまり表沙汰にはならず、世間への報道も有り体なものが行われ多少の噂話が囁かれたりしていたくらいで影響は大してでなかった。
というよりもこの数週間世界は、それどころではない変化、事態に陥っていたのでそんな噂話どころではなかったのである。
軒並みISのコアが機能しなくなり世界は一時まさに大混乱という状態だった。
ただこの混乱のなか多少の暴動や事故は起こったもののサンクキングダムのリリーナが中心となり事態の収拾が行われた結果、この件における死者は世界でただの一人もでてはいないという話だ。
そしてさらに時がたった。
シャル「…結局IS学園もなくなっちゃったね。」
ラウラ「まぁ、IS自体がもう動かないのだから仕方ないことだがな。」
シャル「そうだけどやっぱりさみしいよ」
ラウラ「それは、まぁな」
ラウラ「だが、まぁ学園自体がなくなったわけではないし、みんなには会えるから私はいい」
シャル「ラウラ…。」
シャル「そうだね。」
シャル「結局ラウラは軍から除籍されちゃったんだよね?」
ラウラ「あぁ、いきなり通達がきた。しかもドイツからは追放、そのすぐ後にサンクキングダムからの迎え入れの連絡だ。誰の仕業かは調べるまでもなかったよ。」
シャル「ははは、相変わらず無茶苦茶だね。」
ラウラ「あぁ、だが不思議と嫌ではなく受け入れられたよ。というかお前も変わらないだろ。」
シャル「まぁね。私も父親から正式に娘として迎え入れられて、さらに行動の制限も一切なし。学生生活を続けてもいいって言われた時はかなり驚いたけどね。」
シャル「お父さんと電話越しだけど話をしたとき凄く謝られて正直相当慌てたけどね」
ラウラ「そうか。だが、ISがダメになった今お前の家は大丈夫なのか?」
シャル「まぁさすがにただでは済んでないけど、なんか『プリベンター』 とかいう組織の仕事をさせて貰えるってことになってなんとか会社は大丈夫みたい」
ラウラ「プリベンター?いったい何の組織なんだ?」
シャル「さぁ?詳しくは教えてくれなかったけど、サンクキングダムが絡んでるって話だから変な組織とかではないと思うよ。」
ラウラ「またサンクキングダムか。」
シャル「うん。サンクキングダム。」
ラウラ「なら安心だな。」
シャル「うん。なんたってあの人がいる国なんだから。」
ラウラ「あぁ。」
執事「お嬢様、本当にまた日本へ行かれるのですか?」
セシリア「えぇ。明日には発つつもりです。」
執事「何故です?IS技術が世界から失われた今あの国へ行く理由など…それに当家も今はまだ混乱しています。学校なら国内の名門へ編入すれば済む話では?」
セシリア「…そうね。でもね、私にはあの学園に戻らなくてはならない理由があるのです。」
執事「理由?」
セシリア「あの人が帰って来た時に私がいなくては、いえ、あの人の居場所を変わらない場所としておきたいのです。」
執事「お嬢様、あの人とはいったい??」
セシリア「ふふ、いずれは私の旦那様になる方です。」
執事「な、なんですと!?」
セシリア(あなたのセシリアはいつまでもあなたをお待ちしております。)
鈴「一夏ぁ!早くしなさいよね!」
一夏「分かってる!ちょっと待ってくれよ!あと20回なんだっ!!」フンフン
箒「なんでこんな時に筋トレなんてやってるんだよ!」
一夏「いやさ、今主に上腕三頭筋を鍛えててさ。ナロープッシュアップを1000回するのが日課なんだよ!」フンフン
鈴「だからってこんな日にこのタイミングでやらなくてもいいでしょ!!箒もなんで止めなかったの!?」
箒「すまない。気づいたときにはすでに手遅れで、申し訳ない。」
一夏「あいつにあった時にはもっとキレッキレの体にしとかないと笑われちまうからな!」フンフン
鈴「もう、お願いだから早くしてよね!セブン君とマドカさん待たせてるんだから!」
一夏「ふあぁっん!あふっ・・ぁぁあ・・ 、終わったぁぁぁぁっ!!!!!!」
箒「いいから、早く支度してくれ。マドカさん怒ると千冬さん並に怖いんだからな…」
一夏「大丈夫だろ。セブンが一緒の時はすっかり女の子だしな!マドカ姉も!」
鈴「あんた今のマドカさんの前で言ったらマジで殺されるわよ…」
一夏「ガハハハッ」
鈴・箒「はぁ…」
簪「お姉ちゃん、ほんとに行っちゃうの?」
刀奈「うん。今日夕方にはサリィさんて人が迎えに来てくれるみたい。」
簪「…せっかく更識家の御役目もなくなって盾無でもなくなったのに。」
刀奈「そうだね。でも、だからこそかな。」
簪「え?」
刀奈「私はやっと『更識盾無』じゃなくて『更識刀奈』として生きられる。だから、今はほんとに自分のやりたいことを素直にやれるんだよ。」
簪「…それが平和維持機関プリベンターなの?」
刀奈「うん。ISがなくなってロシアからも家の役目からも解放されて、色々迷ってた私にノインさんが声をかけてくれた時は正直迷ったけどね。」
簪「なら一緒にこの家で暮らせばいいのに…」
刀奈「あの人達が必死で守っているものを私も一緒に守りたい、そう思えちゃったんだ。」
簪「…お姉ちゃん。」
刀奈「な~んて、カッコいいこと言っても結局は妹よりも好きな男の子を追いかけたいだけなんだけどね♪」
簪「まぁ、お姉ちゃんらしいか」
刀奈「やっぱり私は少しでもあの人の近くにいたいの。」
簪「じゃあ絶対他の人に取られちゃだめだからね♪」
刀奈「うぅ…頑張るけど相手が多いし手強い人ばっかりだからなぁ」
簪「そんな弱気でどうするの?私のお姉ちゃんが誰かに負けるのなんて許しません!」
刀奈「な、なんか簪ちゃんほんと強くなったよね」
簪「そうかな?」
刀奈「そうだよ」
レディ・アン「サリィ、追加人員の話はどうなっている?」
サリィ「今日、私が迎えに行くことになっているわ。」
レディ・アン「日本の更識の人間か。大丈夫なのか?」
サリィ「能力の程は問題ないでしょう。それにノインの推薦だしね。」
レディ・アン「そういう心配はしていない。私が言っているのは彼のことだ。」
サリィ「ヒイロがどうかってこと?」
レディ・アン「あぁ。更識の解体はヒイロが望んだことだろう。それをまたこういう世界に彼女をいれるとなるとな。」
サリィ「そうね。絶対に良くは思わないでしょうね。」
レディ・アン「それならば…」
サリィ「でもね、彼女の未来は彼女の自由よ。強制したわけでもないしね。」
スコール「ヒイロ・ユイにでも止められないものがあるということよ。」
レディ・アン「スコール、お前まで」
スコール「元々敵側の犯罪者の私まで受け入れた組織が何を今さら」
オータム「そうそう、スコールの言う通り。」
レディ・アン「優秀な人材を放っておけるほど、今の我々には余裕がない。だが、人選はしているつもりだ。」
スコール「感謝はしている、後は結果で返す。私はこの世界が嫌いだ。だから世界を変える為なら喜んでこの身を差し出そう。」
オータム「まぁ私はスコールがいるからいるだけだけどな。」
サリィ「更識の子はOKでいいのね?」
レディ・アン「任せる。」
サリィ「乙女の一念岩をも通すね。」
五飛「くだらん」
リリーナ「ついにここまで漕ぎつけましたね。」
ノイン「はい。3か月後に執り行われる火星のヴァース帝国『アセイラム・ヴァース・アリューシア第一皇女』の歓迎パレードとリリーナ様との会談の準備は着々と進んでおります。」
リリーナ「地球圏の平和はみなさんのお陰で大分落ち着いたといえるでしょう。だからこそ、火星とも和平を締結させなければならないのです。」
ノイン「当日は、プリベンターの精鋭がリリーナ様の警備を行うことになっています。」
リリーナ「それにはヒイロも含まれているのですか?」
ノイン「残念ながら彼はプリベンターには参加してはくれませんでした。」
リリーナ「そうですか。」
ノイン「ですが御安心ください。彼なら確実に当日はどこかでリリーナ様を守っいてくれるでしょう。」
リリーナ「いえ、そうではないのです。」
ノイン「というと?」
リリーナ「ヒイロとは連絡をとることはできますか?」
ノイン「残念ながら彼の連絡先は私も知らないのです。彼から一方的に連絡がくることはあるのですが」
リリーナ「なんとかヒイロとは連絡とれないでしょうか?」
ノイン「…難しいですね。」
コンコン
千冬「失礼します。ヒイロと連絡なら私がとれます。」
ノイン「…聞いていたのか。」
千冬「申し訳ありません。たまたま聞こえてしまったので。」
リリーナ「構いません。それで、ヒイロとは連絡はとれるのですか?」
千冬「はい。リリーナ様の護衛として働かせて頂くことになった際にヒイロに懇願したらプライベート回線を教えてくれました。今も週1回は連絡をとっています。彼との約束で誰にも回線を教えることはできませんが」
リリーナ「…。」
ノイン「驚いたな。ヒイロが個人回線を所持しているとは」
千冬「私が懇願したら持ってくれたんです。」
リリーナ「…。」
ノイン「リリーナ様?」
リリーナ「あ、いえ、それでは連絡をお願いできますか?」
千冬「はい。それでなんと伝えれば宜しいですか?」
リリーナ「式典当日は私ではなくアセイラム姫の警護をお願いします。と」
ノイン「リリーナ様宜しいのですか?」
リリーナ「私の方はノインさん達やお兄様もいてくれますし。何よりこの式典においての主役はやはりアセイラム姫です。何かあるとすればそちらでしょう。」
ノイン「確かにそうですが」
リリーナ「ヴァース帝国も一枚岩ではないという話ですし、悲しいことですが中には地球との戦争を望む方もいるでしょう。この式典はそういう意味では開戦の切っ掛けに利用されてもおかしくないと思うのです。そして、そのキーとなるのは地球との和平を望んでいるアセイラム姫でしょう。彼女の身に万が一があってはいけないのです。」
千冬「分かりました。ヒイロに確実に伝えます。」
ノイン「出来れば束博士にも協力をお願いしたいのだが」
千冬「それは大丈夫だと思います。この間連絡がありデュオ・マックスウェルと共に式典には参加すると言っておりましたので。」
ノイン「了解した。それならば心強い。」
リリーナ「どうか皆さん私に力を貸してください。」
ノイン・千冬「はい」
コツコツコツ
デュオ「やれやれこんな天気のいい日にまでこんな薄暗い場所で働き者はいたもんだ。」
カタカタカタ
ヒイロ「…。」
束「やぁやぁ♪ひー君おっひさ~♪」
クロエ「あなたがヒイロ・ユイ…」
束「ん~、無視かぁ♪」
カタカタカタ
ヒイロ「…。」
デュオ「ヴァース帝国を調べてんのか?」
ヒイロ「あぁ。奴らは式典で何かを仕掛けてくるつもりのようだ。上手く偽装しているが地球には既にヴァース帝国の諜報員が何人か潜伏している。最近になって動きを見せ始めた。」
デュオ「皇女暗殺テロを行うつもりらしいぜ。ウォルフ・アリアーシュというおっさんが指揮をとるみたいだ。ちなみにこのおっさんは一人娘と共に現在行方不明。自宅にいったら既にもぬけの殻だったよ。」
ヒイロ「…どうやってそこまで調べた?」
束「そこはほら♪天才束さんだからぁ♪」
クロエ「余裕でした。」
デュオ「役にたつだろ?」
束「愛の力です♪」
ヒイロ「俺の居場所もか?」
クロエ「余裕でした。」
デュオ「式典でテロを起こして責任はすべて地球側、それをもって戦争の口火にするって筋書だろうな。おそらくこのウォルフ・アリアーシュ達も使い捨てなんだろう。まったくくだらない事考えてくれるぜ。」
束「裏で糸を引いているのはザーツバルムっていう37家門の騎士の一人。身分は伯爵。8月7日生まれ、43歳、身長190cm、AB型。反地球感情を煽ることで国内の結束を固める政策を取るヴァース帝国には冷淡な感情を持ち、地球のみならず皇帝一族にも根深い恨みを持っているみたい。」
ヒイロ「…そこまで調べられるのか」
束「まっかせて♪」
デュオ「行くのか?」
ヒイロ「あぁ、過ちは繰り返させない。」
束「そうだね。私も全力で支援するよ。」
クロエ「チーム結成ですね。」
デュオ「やれやれまた死神に戻るとしますか。」
ヒイロ「任務内容、ヴァース帝国第一皇女アセイラム・ヴァース・アリューシアの絶対護衛。敵対勢力の鎮圧。」
デュオ「あぁ。」
束「りょ~か~い♪」
クロエ「はい」
ヒイロ「任務を開始する。」
fin
元スレ
ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part IV
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402156490/
ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part IV
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402156490/
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コメント一覧 (54)
-
- 2017年01月16日 19:00
- 完結するのずっと待ってた!
俺も後でゆっくり読もう
-
- 2017年01月16日 20:10
- ISってほんと素材として優秀だよな
なお
さて今からじっくり読ませてもらおう
-
- 2017年01月16日 20:36
- Wのキャラがクロスオーバーを通り超して一夏を食いすぎ
-
- 2017年01月16日 22:00
- ※4
作品が違うにせよ兵士としてガチで鍛えられて何度も死線をくぐりぬけた戦争経験者と学生とじゃ何もかも違いすぎるからしょうがない。一夏を含めてISメンバーはよくやったと思うし、内容もよく出来てたと思う。
-
- 2017年01月16日 22:12
- ワンサマーの壊れ具合はどうかと思ったがこれはこれで
-
- 2017年01月16日 22:23
- Wのキャラが一夏を食いまくるSSと聞いて
-
- 2017年01月16日 23:42
- ついに完結したか!!
去年くらいに途中まで読んでたのが懐かしい
-
- 2017年01月17日 00:17
- よっしゃあ!ようやく全部読んだぜ!
しかし後半の一夏のキャラはなんなんだw
IS途中までしか知らないから、唐突なキャラ変に笑ったw
全体的にキャラが食われてたけど全部読ませるだけの面白さはあった
-
- 2017年01月17日 00:23
- 2013年に始まったのねこのスレ…
本当にお疲れ様でした
-
- 2017年01月17日 00:26
- なんで終盤になって無理やりアルドノア・ゼロ混ぜてきたのか理解できない。
混ぜてよかったところが一つもない。
-
- 2017年01月17日 02:18
- ヒイロ7が完全に恭介
-
- 2017年01月17日 04:49
- ヒイロにどんどん惚れていくサマを見てると
NTR物を見てる気分になるな
そりゃ経験差はあるんだろうけどいい所の横取りみたいだ
-
- 2017年01月17日 08:22
- ワンサマーさんガイジにする必要あった?
-
- 2017年01月17日 08:56
- この御時世ISって略称はまずいですよ!
-
- 2017年01月17日 10:19
- これが本当のガンダム無双か
-
- 2017年01月17日 12:40
- ISヒロイン達はチョロいなぁ!
-
- 2017年01月17日 12:55
- ※17
ISヒロインの知能=イオク・クジャンの知能
って考えればいいんだ。
最後が嫌いな人がいる様だけど私は続き見てみたいな。
最強兵器に胡座かいて天狗になってる者同士が互いにその『絶対』を打ち砕かれ泥沼の殺し合いをするとか見物だな。
ふんぞり返って偉ぶってたいたイギリスのIS操縦者が強制的に最前線に駆り出されてソリスに消し飛ばされたり。ISの攻撃を無視して悠々と進んでたエリシウムが第3世代の光学兵器に呆気なく貫かれたりとか。
-
- 2017年01月17日 14:59
- ※17
W側だって大半(前)テろりストだろいい加減にしろ!
-
- 2017年01月17日 15:32
- 懐かしいな、受験期に読んでたわ
-
- 2017年01月17日 17:55
- エエんやけどW見てぇ名言くらいしか知らねぇ今度見るか…
-
- 2017年01月17日 18:18
- え?なんでアルドノア・ゼロ混ざってんの?
まさか続くの?
-
- 2017年01月17日 23:02
- アルドノア編もやってくれ
-
- 2017年01月17日 23:51
- ※23
良いのか?
格闘主体の3機と実弾兵器主体の1機は相性最悪の敵が多いぞ?
火星カタフラクトは近接戦と実弾による射撃を無力化して倒すのが得意だ。
トールギスとゼロは問題なく戦えるけど。次元バリアや量子転送を利用した増殖や超超長距離ビームとか敵も強敵が多い。
-
- 2017年01月18日 00:16
- ヒイロ7はどうなったんや...
-
- 2017年01月18日 00:27
- もしアルドノア書くならインコちゃんはチョロくしないでくれ
姫様はどうぞ差し上げます
-
- 2017年01月18日 10:15
- 前半は文句無しに良かったけど、中盤から後半に至っては正直悪乗りし過ぎだと思った。
Wのキャラが目立ち過ぎる。
ワンサマーが途中筋肉キャラになったのも意味わからんかったし。悪い意味でキャラ崩壊がすすんでた。
ワンサマー嫌いだから、NTR展開な感じなのは個人的によかったんだけどね。
総論で名作に成り得たかもだから惜しい作品かなと………
でも三年以上書き続けた作者は本当ご苦労様。
ちゃんと完結させた点は評価したい。
-
- 2017年01月18日 10:51
- なんだかんだ一夏は主役だし悪くはなかったと思うがな
面白いかは別として
-
- 2017年01月18日 17:38
- ワンサマーが筋肉馬鹿になってからCVが内山昂輝から岡本信彦になった
ISの世界でWのキャラを動かすんだから食っちゃうわな、でも面白かったわ
-
- 2017年01月18日 19:31
- 恭介さんがおるやん(笑)
-
- 2017年01月19日 04:28
- 火星ならアリアまぜた別ルートもいけそう
-
- 2017年01月19日 04:32
- ※24
まあそういう異次元な兵器はWになかったからな
ファイブスターにあったバスターランチャーでも有ればいいが
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- 2017年01月19日 04:32
- 何でこんな古いのが?と思ったら完結したの最近かよ!
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- 2017年01月19日 11:23
- まとめてくれて嬉しい。
読み直そう。
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- 2017年01月19日 14:46
- ※31
いやガンダムだからどうせ混ぜるなら。
数を補うために帝国に雇われたならず者やPMC という形で、夜明けの地平船団やブルワーズとか鉄華団とか混ぜようよ。
そんで人間辞めてる少年2人の天使と悪魔のガンダム対決やるんだ。
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- 2017年01月19日 22:34
- 筋肉あるから神話カテゴリに入れるべきじゃないの?
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- 2017年01月20日 01:08
- (このSSのワンサマーについて)私はいいと思う
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- 2017年01月20日 20:35
- リリーナがサンクキングダムの代表
ドクターJの生存
イヴ・ウォー終戦後
時間軸どうなってンの?なんて思ったが、そもそもガンダム以外とクロスしてんだからそこをどうこう考えるのも野暮だったな
ただ、デュオと束をカップリングさせるならヒルデの存在はボカして欲しかったな。NTRは個人的に好きくない
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- 2017年01月20日 22:38
- 面白かった
ヒイロでもセシリアの料理には勝てないのか…
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- 2017年01月21日 01:25
- とても面白かったぞい!!!!
ヒイロシリーズってwwwwwwなんか妹達みたいだなと
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- 2017年01月22日 00:09
- 面白かった‼️
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- 2017年01月22日 04:06
- これずっと前から読んでたんだよなぁ・・・
完結するの待ってたら忙しくなってなかなかリアルタイムで更新読めなくなって・・・
楽しみに読ませてもらうか
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- 2017年01月23日 09:41
- 面白かった
アルドノア編も期待したい
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- 2017年01月24日 18:25
- ※13
人それをメアリー・スーと言う!
俺tueeeするのだけをメアリー・スーだと思ってるアホも多いけどな
本来は原作キャラの役割を奪ったり活躍を台無しにしたりするオリキャラ(原作に登場しないキャラ含む)のことだ
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- 2017年01月29日 09:27
- これis2期の話?
アニメ一期しか見てないし見てみようかな
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- 2017年02月15日 03:44
- 最後の方なんか見覚えあると思ったらアルゼロか...
ザーツバルムでピンときた
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- 2017年02月17日 01:13
- よかったけれど一夏が筋肉基地外キャラになったのは本当に惜しかった、ヒイロに憧れるキャラでよかったのに、ですが三年間お疲れ様でした。
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- 2017年02月28日 12:50
- 前に読んでからなんで今頃まとめられた?とか思ったら最近完結してて吃驚した最後の方みれて良かったです
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- 2017年03月25日 00:10
- 乙
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- 2017年04月25日 03:04
- これはまさかのアルドノアまでも参戦?
ワクワクが止まらない!!
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- 2018年06月20日 01:12
- 米5
全然良く出来てないだろw
本気で言ってんのかよw
WのキャラでISのストーリー謎ってるだけやんけw
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- 2018年06月20日 01:14
- これで面白い、最高って凄いなw
他作のキャラでメイン作のストーリーをなぞらせただけの駄作中の駄作やんけ。
しかも本家キャラはキャラ崩壊しまくってるクソ仕様付き。
まあコンテンツパワーのお陰か。
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- 2018年08月23日 11:00
- ※52
小説投稿サイト(なろうとかハーメルンとか)のISオリ主二次小説読んでみ?
最高は言い過ぎだとは思うけど、面白いと言いたくなる気持ちはわかるようになるぞ
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- 2018年12月21日 18:28
- 一夏さんが完全にガガイのガイで草
あとヒロイン達ちょろすぎやろって思ったけどよく考えたら原作がちょろすぎやったな
後でゆっくり読もう