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根暗「触手魔術なんて……」【前半】

1: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:40:05.06 ID:xvzFsfYSO

【魔術学園・2-B】
教師「つまり、他の魔術も訓練すれば使えるようになるが一族ごとに適正があり……」

キンコーンカンコーン

教師「一族ごとに引き継いだ魔術がもっとも効率よく使える。 チャイムだな……委員長」

委員長「起立! 礼!!」

「昼休みだ?」「眠かった」「購買行かない?」

根暗(この学園に入学して二年……僕には)

根暗(友達がいない!!)キリッ

根暗(正確には一人声をかけてくるヤツはいるが……)

オタク「根暗殿! 根暗殿! 一緒にお昼御飯を食べるでござるよ!!」

根暗「えっ、あの……うん」

根暗(僕がこいつに抱いている感情は友情ではなく憎悪である)



2: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:43:31.82 ID:xvzFsfYSO

【入学初日】
「よし!自己紹介しようぜ」「自己紹介って何言うの?」「名前と一族の魔術で良いだろ」

根暗(……自己紹介……第一印象って大事だよね)

根暗(でも、僕の一族の魔術は……あまり良いイメージ無いからな)

委員長「君の番だぞ?」

根暗(ちゃんと説明したら変な誤解されないかな……)

委員長「……おい!」

根暗「ひゃい!!」

委員長「君の番だぞ? 自己紹介」ハァ

根暗「えっと……ごめんなさい。 その、根暗です。……あの僕の一族の魔術は……その」

根暗「触手魔術です」

ザワザワザワ

根暗(やっぱり、良い印象持たれて無いよね? ちゃんと補足しないと)

根暗「あの……触手魔術は……その……」

オタク「素晴らしい!」

オタク「触手……それはエ口同人誌に欠かせないスパイス」

オタク「触手……それは響きだけでもエ口い存在」

オタク「同じクラスに触手使いがいるとは……これは捗りますぞ~!!」

根暗「……えと、違くて……あの」

クラスメイトs「……」ドンビキ

根暗(僕の学園生活……終わった)



3: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:44:24.15 ID:xvzFsfYSO

【現在・食堂】
「おい、あそこ」「エ口触手ブラザーズがまた一緒に飯食べてるぜ」

根暗(ブラザーズじゃない!)

オタク「ふふふ、この媚薬の描写……エ口いでござる」デュフフフ

根暗「あの、オタク君……食事中は……」

オタク「失敬、失敬」

僕っ娘「……やぁ。 君達、媚薬に興味あるのかい?」

根暗(女子に声をかけられた!!)オロオロ

オタク「むむ、何やつ!?」

僕っ娘「C組の僕っ娘だ。 魔法薬研究会で会長をしている」

根暗「に、2年で会長?」

僕っ娘「研究会と言っても僕しか所属してないんだ」クスクス

根暗「それって……研究会って言えないんじゃ」

オタク「なるほど! 勧誘でござるな!! 研究会に入って媚薬を作ってみないかと言うことですな!!」

僕っ娘「君達みたいな性欲の権化を勧誘なんてしないよ」

根暗(性欲の権化……)ガーン

オタク「失礼な! では、何のご用で?」

僕っ娘「……媚薬を作るのを手伝ってくれ」



4: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:45:11.56 ID:xvzFsfYSO

【放課後・理科室】
オタク「ここで活動しているんでござるか?」

僕っ娘「ちゃんと先生の許可はもらっているよ」

根暗「あの……それで……媚薬についてだけど」オロオロ

僕っ娘「僕はあくまで知的好奇心を満たすために媚薬を作ってみたいんだが……材料の入手が困難でね」

オタク「なるほど、拙者達に材料を調達してきてほしいんですな?」

僕っ娘「あぁ、そういうことだ。 媚薬が出来たら君達に別けてあげよう」

オタク「デュフフフ、そちらは知的好奇心を満たし、此方は痴的好奇心を満たせる……良い取引でござる」

根暗(痴的好奇心?)

僕っ娘「二人とも協力してくれるんだね?」

根暗「えっ、いや、僕は……」

オタク「エ口触手ブラザーズにお任せでござる!!」

根暗「」

僕っ娘「では、まずはタカネ草を取ってきて貰おうか」クスクス

オタク「タカネ草……でござるか?」



5: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:46:50.15 ID:xvzFsfYSO

【学外】
根暗「タ、タカネ草は切り立った崖の上に生えている特殊な薬草で……入手は飛行魔法を使えない限り困難……だって」

オタク「おぉ、根暗殿の長台詞を初めて聞いたでござる」

根暗「オタク君は……その、飛べるの?」

オタク「ふ~む、出来ないことは無いでござるが……」

根暗(何か問題があるのだろうか?)

根暗「……ん」ニョロン

オタク「いきなり、触手を出してどうするつもり……」ハッ

オタク「拙者に乱暴するつもりでしょ!エ口同人みたいに!!エ口同人に!!」

根暗「えっ、違うから……待ってて」

触手「ニョロニョロ ギュッ」
タカネ草「スポン」

オタク「おぉ、あんな高いところまで触手は届くんでござるね~」

根暗「う、うん……はい、タカネ草」

オタク「明日、僕っ娘殿に渡しに行くでござる」



6: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:47:36.95 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
僕っ娘「本当に取ってきてくれたんだね」

オタク「ふふふ、エ口の為なら例え火の中、水の中、あの娘のスカートの中でござるよ!」

根暗(スカートの中は満面の笑みで入りそうだな)

僕っ娘「では、次は本当に火の中に入って貰おうかな?」クスクス

根暗「……火、火の中?」

僕っ娘「あぁ、次の材料は……ヒチュウ石だ」



7: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:48:23.01 ID:xvzFsfYSO

【学外】
根暗「ヒチュウ石……火の中で複数の石が結合することで出来る特殊な石」

オタク「説明乙でござる」

根暗「サラマンダーの巣にあることが多いらしい」

サラマンダーの巣「メラメラメラメラ」

根暗「燃えてるね……」

オタク「萌えでござるな」

根暗「えと……あの、触手は火が……苦手……なので、その」

オタク「デュフフフ、拙者が取ってくるので大丈夫でござる」ヒョイ

根暗(火の中に飛び込んだ!?)

オタク「拙者の一族は火の魔術使いでござるからな。 これぐらい熱くないでござる」

根暗「す、すごい!」

オタク「サラマンダーが巣に戻って来ないか、見張っててくだされ」



8: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:49:21.83 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
僕っ娘「……本当に取ってきてくれたんだね」

オタク「楽勝でござったよ」

根暗(サラマンダーに見つかって、全力で逃げたけどね)

僕っ娘「次は……」

【学外】
根暗「ビリリ茸……電気を放つ茸」

オタク「説明に慣れてきたでござるな」

根暗「で、電気には……その僕の触手は強いから……」

オタク「ならば、探すだけでござるな」

根暗「……この森の中を」ゲッソリ
オタク「一緒に頑張るでござる」



9: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:49:55.51 ID:xvzFsfYSO

オタク「中々見付からないでござるな~」

根暗「そうだね……タカネ草とヒチュウ石の方が……えっと、楽だったね」

オタク「ある場所を予想し易かった分がありますな」

根暗(……タカネ草、ヒチュウ石にビリリ茸か)

根暗「……本当に媚薬の材料なのかな?」ボソッ

オタク「そんなことどっちでも良いでござるよ」

根暗「え?」

オタク「僕っ娘殿にも何か事情があるんでござろう。 それにね」

オタク「拙者はね、根暗殿……楽しいんでござるよ。」

オタク「 放課後、僕っ娘殿に材料を渡して、次の材料を根暗殿と取りに行くのが……楽しいんでござる!」

根暗(あぁ、そうか……)

根暗(……僕も楽しかったのか)

根暗(目標を持って皆で一緒に行動している今が)

根暗「僕も……楽しかったのか」

オタク「見付けたでござる!」

根暗「えっ!?何処?」

オタク「根暗殿の足元でござる」

根暗「へ?」フミ

ビリビリビリ



10: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:50:47.89 ID:xvzFsfYSO

【保健室】
根暗「……ん」

養護教諭「起きたか」

根暗「ここは保健室?」

養護教諭「あぁ、オタクがお前を担いで来てな」

根暗「……オタク君は?」

養護教諭「帰したぞ? お前が起きるまでは帰らないって随分とごねられたけどな」

根暗(悪いやつでは……無いんだよな)

養護教諭「お前も帰れ……暗いから気を付けろよ?」

根暗「……はい」

根暗「!?」

根暗「せ、先生……あの、こ、これは?」

養護教諭「ん? 忘却薬の調合書だ」

根暗「……忘却薬」

根暗(タカネ草、ヒチュウ石、ビリリ茸……最後の1つは一足烏の卵)



11: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:51:57.55 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
僕っ娘「…………本当に取ってきてくれたんだね」

オタク「今回は苦労したでござるよ。 根暗君が保健室送りにされましたからな」デュフフフ

根暗「は、ははは」

僕っ娘「それは……すまなかったな」

オタク「媚薬の為なら何のそのでござる」

僕っ娘「……そうか」

オタク「今日は何を取ってきたら良い?」ワクワク

僕っ娘「今日は一足烏の卵を取ってきてくれ」

根暗「……」

オタク「では、早速行くでござる♪」

根暗「オタク君……先に行ってて」

オタク「む? 承知」

僕っ娘「……」

根暗「……き、君は、何をする気なんだ?」

僕っ娘「何のことかな?」

根暗「……僕達が集めてるのは、媚薬の材料なんかじゃないだろ?」

僕っ娘「……気付いちゃったか」

根暗「……ぼ……忘却薬なんか何に使うつもりだ?」

僕っ娘「……ねぇ、根暗君。 何も聞かずに一足烏の卵を取ってきてくれないか?」

『エ口触手ブラザーズにお任せでござる!!』

根暗「……」

僕っ娘「取ってきてくれたら、少しぐらい……その、気持ちいいことしてあげても良いぞ?」

『僕っ娘殿にも何か事情があるんでござろう。』

根暗「……」

僕っ娘「オタク君には秘密にしてくれ。 何、気が付かない方が悪いんだ」クスクス

『 放課後、僕っ娘殿に材料を渡して、次の材料を根暗殿と取りに行くのが……楽しいんでござる!』

根暗「……気付いているんだよ」

僕っ娘「へ?」

根暗「オタク君も……気付いているんだよ!」

根暗「それでも気付かないフリして、騙されてる君のことまで思いやって……」

根暗「そういうやつなんだ……彼は!!」バンッ

僕っ娘「ひっ」

根暗「……エ口触手ブラザーズを嘗めるな」ギロ



12: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:52:25.50 ID:xvzFsfYSO

【理科室前】
オタク「……」

根暗「……待っててくれたんだ」

オタク「根暗殿……」

根暗「……何?」

オタク「エ口触手ブラザーズではかっこつきませんな」ニコ

根暗「そうだね」ニコ



13: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:53:00.47 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
ヤンキー「よう、僕っ娘。 媚薬出来たかよ?」

僕っ娘「……まだ、出来てない」

DQN「何だよ~、まだかよ」

不良「媚薬なんて待たずに犯しちまおうぜ?」

僕っ娘「ひっ」

ヤンキー「待てよ! 処女でも痛くねぇぐらい強力な媚薬だぜ? 試すには処女も必要だろ?」ナデ

僕っ娘「や、止めろ!」

ヤンキー「良いのか、逆らって?」

DQN「お前の家の秘伝魔法薬の材料を流出させても良いのかな?」

僕っ娘「……下衆め」クッ

不良「あ? 調合書を見られたお前が悪いんだろ?」

僕っ娘「盗み見た君が言うのか?」

ヤンキー「まっ、何時までも待てないから明日までに出来なかったら諦めるわ」

僕っ娘「へ?」

ヤンキー「媚薬無しでブチ犯す」

僕っ娘「……」ビクビク

DQN「じゃあね、僕っ娘ちゃん。 また明日~」



14: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:54:00.11 ID:xvzFsfYSO

【屋上】
僕っ娘(……忘却薬が間に合わなかった)

僕っ娘(僕は……今日犯されるのか)

僕っ娘「一族が代々引き継いできた秘伝薬を……守らないとね」

オタク「その辺、kwsk」

根暗「……」ムス

僕っ娘「君達……」

僕っ娘「……騙して悪かったね」

僕っ娘「一族が代々引き継いできた秘伝薬の調合書を不良達に見られてしまってね」

僕っ娘「他の魔法薬を研究している一族に流出されたくなかったら……媚薬を作って犯させろって……」

僕っ娘「……調合書をあんな奴等に見られたのは……僕のミスだが……嫌だ」

僕っ娘「嫌だよ……あんな奴等に犯されたくない…………けて」

オタク「……」
根暗「……」

僕っ娘「僕を……助けて」

オタク「全く最初からそう言ってくだされば良かったのに……根暗殿」

根暗「……」つ一足烏の卵

僕っ娘「何で?」

根暗「僕が保健室に送られた聞いた時……申し訳なさそうな顔をしたから」

オタク「僕っ娘殿が根っからの悪女に思えなかったでござる」デュフフフ

僕っ娘「君達……」

根暗「早く忘却薬を作ってしまおう」

不良「何て、上手くは行かないんだよな」

僕っ娘「なっ」

DQN「折角材料が揃ったのに残念だったね~」

ヤンキー「はー、媚薬の完成を楽しみにしてたのに……残念だわ」

オタク「……僕っ娘、忘却薬を作ってくるでござるよ」

僕っ娘「……しかし」

ヤンキー「精力剤とでも偽って飲ませる気だったのか?」

不良「忘却薬と解って飲むわけないだろ?」

DQN「さっさと脱げよ! 僕っ娘ちゃn」ドコン

不良(DQNが……)
ヤンキー(オタクに……)

不良・ヤンキー(蹴り飛ばされた!?)

オタク「飲むわけない? ぶっ倒して無理矢理飲ますに決まってるでござろう」

根暗「僕っ娘さん、行こう」

僕っ娘「あ、あぁ」

不良「待て、コラ!!」

オタク「一人、行ってしまったか。 まぁ、根暗殿に任せるでござる」

ヤンキー「てめぇ、2対1でやるつもりか?」

DQN「エ口触手ブラザーズの片割れが調子のってんじゃねぇよ」

オタク「貴様らにエ口とか言われたくないな」デュフフフ



15: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:54:47.05 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
僕っ娘「着いた!……乳鉢と乳棒は」ハァハァ

不良「作らせねょよ!」ビリビリ

根暗「危ない!!」バッ


僕っ娘「根暗君!?」

根暗「……最近、良く痺れ……るな」

不良「エ口専門の触手魔術が戦闘特化の雷魔術に勝てると思うなよ?」

根暗「……くっ」ドゲザ

不良「何だ許してほしいのか? あっ、その女を触手で犯したら許してやるぜ」ハハハ

根暗「……君は勘違いしている」ニョロン



16: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:55:27.17 ID:xvzFsfYSO

【廊下】
教師「最強の魔術?」

教師「君達はそういう議論が好きだね」

教師「最強って言われたら迷うが……私が推すのは世界を征服仕掛けた男が用いた魔術かな?」

教師「え? その魔術の名前は何だって?」

教師「それはね……触手魔術」



17: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:56:05.90 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
触手A「ギュ」
触手B「ギュッ」
触手C「バシンバシン」

根暗「触手魔術はね……」

根暗「戦闘特化の魔術なんだよ」

僕っ娘(……不良を逆さ釣りにして鞭打っている)

不良「離せ! 離せ!! 気持ち悪いんだよ!!」ビリビリ

根暗「き、君が言うようにエ口いことにも使えるけど……試してみたい?」

不良「はぁ? ……止めろ? 止めろ!?」

根暗「君が僕っ娘君にやろうとしたことじゃないか」ニッコリ

アァーーーーーー!!



18: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:58:16.95 ID:xvzFsfYSO

【屋上】
オタク「今のは不良の声ですな」

ヤンキー「」
DQN「」

オタク「あっちも終わったでござるか」フゥ



19: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 01:59:07.43 ID:xvzFsfYSO

【理科室】
僕っ娘「僕の一族の秘伝薬に関することを全て忘れよ……」

僕っ娘「ふぅ……これでよし」

オタク「本当にこれで忘れたんでござるか?」

僕っ娘「あぁ、大丈夫だ。 薬を飲ませて、忘れさせたいことを額に指を当てながら告げる……であっている。」ペラペラ

僕っ娘「覚えてたとしても、不良はもう何もしてこないだろうしね」チラ

根暗「……?」

オタク「では、彼等は保健室に運んでおくでござるよ」カツギ

根暗「ね、ねぇ、オタク君……さっきから強すぎない?」

オタク「ふふふ、火の魔術と肉体強化を得意とするバリバリの戦闘一族出身でござるからな」

根暗(だからって、男3人を担ぐなよ)

僕っ娘「……なぁ、君達!」

根暗「な、何?」
オタク「何でござるか?」

僕っ娘「魔法薬研究会に入らないか?」

オタク「どうするでござる? 根暗殿」

根暗「……媚薬を作れるなら入っても良いよ」クス

僕っ娘「全く……君達は」

僕っ娘「ようこそ! 魔法薬研究会へ!!」



30: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:45:51.51 ID:CezgGyt0O

【魔術学園・2-C】
教師「つまり、一口に魔術の家系と言っても研究を重視した探究家と魔物や悪魔の討伐を重視した退魔家が存在する……」

キンコーンカンコーン

教師「ということだ。 チャイムだな……委員長」

秀才「立ちたまへ! お辞儀をしたまへ!!」

教師「お前は普通に言えんのか?」

僕っ娘(ふぅ、やっと昼休みか)

ポニテ「僕っ娘、お昼一緒に食べない?」

僕っ娘「あぁ、良いぞ」

ポニテ「何か良いことあったの? 最近、楽しそうじゃん」

僕っ娘「あぁ、実はな……魔法薬研究会に新しく会員が入ってきたんだ♪」

ポニテ「それは目出度い。 研究会(個人)からの脱却だね」

ポニテ「それで、誰が入ってきたの? 1年生?」

僕っ娘「いや、同級生だ」

ポニテ「へぇ、私の知ってる人かな?」

僕っ娘「どうかな? 根暗とオタクって言うんだが……」

ポニテ「え……」

ポニテ「えぇ! エ口触手ブラザーズじゃない!!」

僕っ娘「その呼名、結構広まってるんだね」

ポニテ「あんた、そんな奴等入れて大丈夫? 変なことされてない?」

僕っ娘「あぁ、されてないぞ?」

ポニテ「……本当かな。 だってエ口触手ブラザーズだよ?」

僕っ娘「彼等が一体何をした」

ポニテ「よし! 決めた!! 今日だけ私も魔法薬研究会についていく」

僕っ娘「それは構わないが……部活は良いのか?」

ポニテ「親友の貞操の危機だからね」

僕っ娘「どれだけ信用無いんだ……彼等は」ハァ



31: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:47:08.26 ID:CezgGyt0O

【理科室】
僕っ娘「それでは本日の活動を始めよう」

オタク「デュフフフ、承知!」

根暗「……」

ポニテ「……」ジトー

根暗(凄い見られてる。 というより、この娘は誰だ? 新しい会員か?)ビクビク

ポニテ(根暗の方は一見、ただの何処にでもいる内気な男子っぽいな)

ポニテ(オタクの方は……前髪長すぎだろ? 口元しか見えない! 後、笑い方キモい!)

僕っ娘「あぁ、彼女はポニテ。 僕のクラスメイトだ。 体験入会しに来てくれたんだ」

根暗「あっ、なる……た、体験入会…か」

ポニテ(どもり過ぎでしょ)

オタク「全く、根暗殿ったらいきなりア○ルなんて……下ネタが過ぎますぞ」デュフフフ

根暗「ちが……そんなこと言ってな……い」アタフタ

ポニテ(なっ! どもっているフリをして下ネタを言ったの?)

ポニテ(根暗の方も侮れない)ガルルル

根暗「!?」ビクッ

根暗(何か凄い威嚇されてるな)

僕っ娘「今日は材料の採取に行こう」



33: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:48:15.85 ID:CezgGyt0O

【学外】
オタク「ここに来るのも何だが久しぶりでござるな」

根暗「前は……えっと、ビリリ茸を取りに来たとき、だよね?」


僕っ娘「探して欲しい薬草一覧表を作ってきたからこれを元に探してくれ」

オタク「バラバラに探すでござるか?」

僕っ娘「……一人で探すのも危ないから二人一組で行動しよう」ギュッ

根暗(何で、僕の袖を掴む?)

ポニテ「……私はこのオタクとか」

オタク「ポニテ殿、よろしくでござる!」

ポニテ「変なことしようとしたら、こめかみを蹴るからね」ギロリ

オタク「デュフフフ、その時は死してもパンツを凝視してやるでござそうろう」

ポニテ「ジャージに着替えてくる……」

オタク「ノゾミガタタレター!!」

僕っ娘「仲が良いみたいで結構だ」

根暗(仲が良い?)



34: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:49:04.35 ID:CezgGyt0O

根暗(……結構、薬草って生えてるんだな)ヌキヌキ

僕っ娘「なぁ、根暗君」

根暗「ひゃい! あの……え、何?」

僕っ娘「今日のお茶……どうだった?」

根暗(ん?お茶? あぁ、理科室で振る舞ってくれたやつか)

根暗「け、結構な……そのお手前で」ハァハァ

僕っ娘「ふふふ、そんな大したモノではないよ。 お茶自体はね」

僕っ娘「それで、どうだい?」

根暗(お茶自体は?)ハァハァ

根暗「……な、何を入れたの?」ダラダラハァハァ

僕っ娘「さて、何を入れたんだろうね?」クス

根暗(この前、怒鳴った仕返しかな? それとも他に気に触ることしたかな?)ダラダラハァハァ

僕っ娘『僕はあくまで知的好奇心を満たすために』

根暗(もしくは何らかの薬の実験台にされた!?)ガビーンハァハァ

僕っ娘「ねぇ、君 ……息が荒いよ?」ズイッ

根暗(本当に何を飲ませたの!?)ハァハァハァハァハァ///



35: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:50:36.44 ID:CezgGyt0O

ポニテ「……」

オタク「~♪」

ポニテ(鼻唄交じりで楽しそうに薬草探してる? 何なのこいつ)

オタク「むむ、ポニテ殿! 手が止まっているでござるよ!!」

ポニテ「はいはい、ちゃんと採取するわよ」

オタク「それでよし!」デュフフフ

ポニテ「……ねぇ、何であんたそんなに楽しそうなの?」

オタク「む? それは僕っ娘殿が媚薬を作ってくれるって約束してくれたからに決まっているであろう?」キリッ

ポニテ「……あっそ」

ポニテ(やっぱり、ただの変態か)

オタク「……それに、嬉しいんでござるよ」

ポニテ「嬉しいって……何が?」

オタク「根暗殿を受け入れてくれる人が増えたのが」ニコ

ポニテ「……はぁ?」

オタク「拙者と違い、根暗殿は言動は普通でござる。 それなのに、触手魔術の一族というだけで皆に気持ち悪がられている」

オタク「俺は嫌なんだ、生れた一族だけで差別する魔術社会が……」グッ

オタク「だから、僕っ娘が根暗と仲良くしてくれたのが……スゲェ嬉しかったんだ」

ポニテ「……あんた、口調変わってるわよ」

オタク「オタクシリアスverでござるよ」デュフフフ

ポニテ「はぁ……もういいわ」

オタク「……ポニテ殿も良かったら、根暗殿と仲良くしてやって欲しいでござる」

オタク「……彼は」

根暗『……エ口触手ブラザーズを嘗めるな』ギロ

オタク「人の為に怒れる……イイ漢でござるからな」ウホッ

ポニテ「……はいはい、考えといてあげる」

ポニテ(ふざけてるけど、悪いやつじゃ無いのかな?)

オタク「そろそろ、理科室に戻るでござるよ」



36: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:51:25.64 ID:CezgGyt0O

【理科室】
根暗「」ブルブル

僕っ娘「あ、おかえり! 二人とも」ツヤツヤ

オタク(理科室に帰ったら部屋の端っこで根暗殿が両手で顔を覆ってしゃがんでずっと震えていたでござる……何を言っているか解らないかも知れないが拙者も良く解らない)

ポニテ「……あんた、根暗に何したの?」

僕っ娘「何もしてないぞ?」ニッコリ


僕っ娘「やはり、人手があると一度に大量の薬草を手に入れれるな」

オタク「結構、長時間頑張ったでござるからな」

ポニテ「本当ね……森の中は虫が多くて嫌だわ」

オタク「ジャージ履いていって良かったでござるね」

ポニテ「そうね……」ハッ

ポニテ(私をジャージに着替えされる為にセクハラを!?)

オタク「ジャージの方がお尻のラインがエ口いし良いことずくめでござる」フンス

ポニテ「やっぱり、ただの変態か!!」ケリッ

オタク「ヌホッ! 本当にこみかみに!!」バタン

ポニテ「肉体強化特化の退魔の一族だからね? 女だからって嘗めないでよ!」フンス

僕っ娘「さて、外も暗くなってきたし帰ろうか」

ポニテ「そうね。 じゃあね、エ口触手ブラザーズ」ノシ

オタク「」
根暗「」ブルブル



37:saga 2016/05/19(木) 23:52:11.46 ID:CezgGyt0O

【2-C】
キーンコーンカンコーン

秀才「立ちたまへ! お辞儀をしたまへ!!」

教師「次、普通に言わなかったらカピバラになる魔術かけるからな?」

秀才「カピバラ!?」

ポニテ「……」ソワソワ

僕っ娘「どうした? ポニテ」

ポニテ「いや、今日も研究会あるのかなって……」

僕っ娘「あるけど……君も来るのかい?」

ポニテ「う、うん……僕っ娘が心配だからね」

僕っ娘「僕のことを心配してくれるのは有り難いが……君、陸上部だろ?」

僕っ娘「練習を2日もサボって良いのかい?」

ポニテ「大丈夫、大丈夫!」

ポニテ「……陸上部に私の居場所なんて無いしね」ボソッ

僕っ娘「ん?」



38: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:55:41.65 ID:CezgGyt0O

【廊下】
オタク「今日も研究会でござる」

根暗「」ブルブル

オタク「今日一日震えてたでござるね? 行くの止めとくでござるか?」

根暗「だ、大丈夫……僕も行くよ」

オタク(何をされたのでござろう?)

根暗(まさか、触手であんなことさせられるなんて)

「ポニテ、今日も部活サボるんだって」「やっぱり、ずるしてたんだ」「卑怯よね?」

根暗(ポニテ?……昨日見学に来てた子か)

オタク「ポニテ殿がどうかしたんでござるか?」

根暗「オ、オオ、オタク君!?」アタフタ

陸上部A「何よ、いきなり」

陸上部B「あんたには関係ない話よ」

オタク「そんなツレ無いこといってたら触手の刑でござるよ?」ウィンク

根暗(ウィンクするな! ……しょうがないな)ニョロニョロ

陸上部A「ひっ! キモい!」

陸上部B「卑猥!!」

陸上部C「エ口い!!!!」グッ

陸上部A・B「え?」

陸上部C「……しょうがないわね、教えてあげるはポニテのこと」

陸上部A(無かったことにしようとしてる……)



39: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:56:43.60 ID:CezgGyt0O

【数日前・陸上部】
陸上部長「次のリレー大会の選考会を始める! 各々全力で走ってくれ!!」

陸上部長「もちろん、魔術を用いるなどは禁止だがな」

陸上部長「それでは、先生スタートの合図をお願いします」

陸上顧問「あいよ。 よ~い、ドン!!」

陸上部長「なっ!」

陸上部A「はぁ?」

陸上部B「嘘!?」

陸上部C「あいつ……何考えてるの?」

ポニテ「……はぁはぁはぁ」ゴール

陸上顧問「そんなに堂々と……肉体強化を使われると反応に困るな~」

ポニテ「私……使って……」

陸上部長「肉体強化を使わずに100m4秒か?」

ポニテ「私は……私は……」ダッ



40: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:57:53.08 ID:CezgGyt0O

【現在・廊下】
陸上部A「肉体強化特化の家系だとは聞いてたけど」

陸上部B「バカよね……そんなに堂々と使うなんて」

オタク「確かにバカでござるな」

オタク「肉体強化において重視すべきは強化比率……これを謝れば自身の肉体を傷付ける可能性があるでござる」

オタク「そんな肉体強化の家系のポニテが加減のミスをした? ハッ、そんな結論に至るとは……バカ共が」

陸上部A・B「なっ!」

陸上部C「これは陸上部の、身内の話よ! あんたにそんなこと言われる筋合いはない」

オタク「信じてもやれん奴等が身内だと?」ギロ

陸上部A・B・C「」ビクッ

オタク「デュフフフ、話してくれてありがとうでござる。 根暗殿、早く研究会に行くでござるよ」

根暗「う、うん」

根暗(オタク君……どちらが本性なのか)ビクビク



41: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/19(木) 23:59:25.25 ID:CezgGyt0O

【理科室】
オタク「すまない、遅れたでござるよ」

根暗「……ども」

僕っ娘「根暗君、来てくれたか?」

僕っ娘「昨日はやり過ぎた……ごめん」

根暗「う、うん……僕も、改めて考えると……わ、悪くなかったかも」オロオロ

ポニテ「本当にあんた、根暗に何したの?」

オタク「拙者にも挨拶するでござるよ」

僕っ娘「やぁ、オタク君」

オタク「こんにちは、僕っ娘殿と」

「―卑怯者殿」

根暗「……」

僕っ娘「……卑怯者?」

ポニテ「…………」ギリ

オタク「いやはや、拙者達を変態扱いしていたポニテ殿が神聖なスポーツで反則をする卑怯者だったとは」デュフフフ

ポニテ「あんたに何が解るの?」グッ

オタク「卑怯者の気持ちなんて解らないでござるよ~」デュフフフ

ポニテ「卑怯者って……卑怯者って言うな!!」ダッ

僕っ娘(ポニテ! 肉体強化してる!!)

ドカ!!

オタク「2日連続でこめかみを蹴られるとは」

ポニテ「何で倒れないのよ……」

オタク「倒れたく無いからでござる」

ポニテ「……」

オタク「拙者はエ口同人誌が好きでござる」

ポニテ「はぁ?」

オタク「触手凌辱モノが好きでござる! 女騎士のクッコロモノも好きでござる! 」

オタク「どんな一族に生まれても、どんな魔術に特性があってもな……人には生き方を選ぶ……好きを選ぶ権利があるんだよ」

ポニテ「……」

オタク「……ポニテは陸上が嫌いなのか?」

ポニテ「……陸上が好き……走るのが大好き……練習して……速くなった時……凄い嬉しくて」ポロポロ

ポニテ「私……使ってない! 肉体強化の魔術なんか使ってない!!」

オタク「拙者は信じるでござるよ! 卑怯者と言って悪かったでござる」ニコ

ポニテ「……ありがとね、部活の皆にもちゃんと話してくる」ダッ

オタク「デュフフフ、流石に脚が……早いでござる」バタン

根暗「……な、ナイスやせ我慢」

オタク「今度はハッキリとパンツが見えたでござる」

僕っ娘「全く……君達は」ハァ



42: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 00:02:01.39 ID:lC2IFhW3O

【グラウンド】
陸上部長「おや? ポニテちゃん」

ポニテ「あの……部長お話ししたいことが……」

陸上部長「そうか。 よし、少し二人で話そう。 皆には今日のMTGの後に話せば良い……だろ?」

ポニテ「はい!ありがとうございます!!」



43: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 00:02:56.27 ID:lC2IFhW3O

【理科室】
根暗「……」

オタク「根暗殿、どうしたでござるか?」

根暗「あの、その、ポニテさんの……記録は結局何だったのかって……」

オタク「ふむ、素で出したとは確かに考え難いでござるね」

根暗「その、それで……誰かに肉体強化をかけられたのかもって……」

僕っ娘「何のために?」

根暗「……ぶ、部から追い出すため……とか?」

オタク「……ポニテが危ない!!」ダッ



44: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 00:04:37.15 ID:lC2IFhW3O

【校舎裏】
陸上部長「知っていたよ」

ポニテ「え?」

陸上部長「君が肉体強化を使ってないことは知っていた」

ポニテ「信じていたじゃなくて?……どういうことですか、部長?」

陸上部長「私はね、誰よりも速くなりたいんだ」

陸上部長「魔術とかも含めてね、 誰よりも速くなりたいんだ」

陸上部長「でも、私の一族が伝承しているのは召喚魔術と他人に対する肉体強化魔術でね……はは、簡単に言うとだな」

陸上部長「妬ましいんだよ! 君が! とても!!」

ポニテ「部長が私に肉体強化を!?」

陸上部長「この部に私より速い奴なんて!」シュイン

ポニテ(魔方陣!?)

ポニテ「魔術を使わなかったら、部長の方が速いじゃないですか?」

陸上部長「そんな、慰めの勝利はいらない!!」ボン

トロール「ガガガガガ!!」ブンッ

ポニテ「くっ!!」サッ

陸上部長「流石に速いね! トロール、肉体強化!!」

トロール「ガァアア!!」ブンッ

ポニテ(速い! 避けられない!!)

バシン!!

陸上部長「何!?」

トロール「ガァ!?」

オタク「……」

ポニテ(トロールの拳を受け止めた!?)

オタク「別に……部長殿が誰よりも速くなりたいって思う気持ちを否定する気はないでござる」

オタク「でも、その為に他人の好きを否定するなら……話は別だ」ボオォン

トロール「ガァ!……ガァァ!!……ァ」

陸上部長(トロールが焼き尽くされた!?)

陸上部長「くそ!だったら次の召喚獣を……」ギュッ

根暗「止めといた方が良いですよ……陸上部長」

陸上部長「触手……離せ! 離せ!!」

根暗「あんまり暴れると……触手の刑ですよ?」

陸上部長「ひっ! 嫌だ! 嫌だ!! 止めろ!!」

アァーーーー!!



45: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 00:05:10.25 ID:lC2IFhW3O

【理科室】
僕っ娘「自白薬でも調合しておこうか」



46: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 00:06:05.03 ID:lC2IFhW3O

【2-C】
キーンコーンカンコーン
教師「委員長、号令」

カピバラ「……」ムシャムシャ

僕っ娘「……やっと、今日の授業も終わったか」フゥ

ポニテ「……僕っ娘! 研究会に私も行って良い?」

僕っ娘「ポニテ……陸上部での誤解は解けたんだろ?」

ポニテ「そうなんだけど……私も、したいと思ったことをしたいから」ニコ

僕っ娘「そうか……ふふ、魔法薬研究会にようこそ」



56: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:38:42.93 ID:0HqpEt7DO

【魔術学園・会議室】
優等生【2-Aの委員長。 座学・実技ともに優秀な男】

委員長【2-Bの委員長。 凛々しい女性で女にモテる】

カピバラ【2-Cの委員長。 秀才であるが、教師に逆らいカピバラにされている】

おさげ【2-Dの委員長。 清楚な雰囲気で一部の男子にモテる女性。 隠れ巨乳】

優等生「全員、揃ったな……委員会を始める!」

委員長「いやいやいやいや!!」

優等生「どうした? 委員長、取り乱して」

委員長「参加者の4分の1がカピバラで進行できないだろ!?」

おさげ「へ? あ、本当ですね。 秀才君の席にカピバラが座ってますね」ホンワカ

委員長「今気がついたのか!?」

優等生「本日は来る運動会について……」

委員長「進めようとしないでくれ」

カピバラ「……」ムシャムシャ

優等生「秀才、体調不良の場合は代理を立てろと言っただろう?」

委員長「カピバラになったことを体調不良でまとめて良いのか?」

おさげ「カピバラの状態では代理を見付けるのも難しかったのではないかと……」

優等生「なるほど、一理ある」

委員長「先生に言って早急に解いてもらおう」

優等生「いや、それはいかんな」

優等生「魔術学園における刑罰によって呪いをかけられた場合、生徒間で解呪をしなければならない」

おさげ「解呪をするところまで刑罰に入っていると言うことですね」フムフム

委員長「……そういえば、おさげさんは回復魔法の一族だったな? 解呪の魔術は使えないのか?」

おさげ「使えますよ。 かけてみますね?」エイ




57: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:42:10.59 ID:0HqpEt7DO

カピバラ≪毛並みが整った≫

優等生「……」

委員長「……」

おさげ「私の解呪魔術では無理みたいですね」

委員長「今のはそもそも解呪魔術なのか?」

優等生「……なるほど、そういうことか」

委員長「ん? どうした優等生」

優等生「秀才には二重で呪いがかかっているみたいだ」

優等生「1つはカピバラにされる呪い。 もう1つは……シャッフル呪術だ」

おさげ「シャッフル呪術?」

優等生「正式名称は被肉体変動魔術の効果撹拌呪術だったかな」

委員長「正式名称より、どういう呪いなのか教えてくれ」

優等生「簡単に言えば、自分がかけられた魔術の効果を変化させるものだ」

優等生「肉体強化の魔術をかけたら、回復の魔術の効果が現れる……と例示すれば解りやすいか?」

おさげ「今回は解呪魔術をかけたら、トリートメントの効果が出たってことですね」

委員長「何と滅茶苦茶な……」ハッ

委員長「だったら、魔術をどんどんかけていけば、解呪の効果を見付けられるんじゃないか?」

優等生「その前に即死の効果が出る可能性もある」

おさげ「……魔術以外で解呪することは出来ないのでしょうか?」

優等生「魔法薬ならば可能かも知れないな。 作用機構が解呪魔術とは全く違うと聞いたことがある」

優等生「それに、秀才のクラスには確か魔法薬研究会の会長がいただろ?」

優等生「教師と言うものは、出来もしない課題を与えないものだ」

委員長「それでは早速魔法薬研究会に行こう!!」

キーンコーンカンコーン

優等生「おっと、今日はここまでのようだな」ガタッ
おさげ「委員長さん、後はお任せします」ノシ

カピバラ「……」

委員長「薄情者達め……」



58: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:43:00.46 ID:0HqpEt7DO

【理科室】
僕っ娘「それでだな、薬草と言っても調合前の処理の段階で効力が変わるんだ」ベタベタ

根暗(近いな……ボディータッチが多いな)ダラダラ

ポニテ「ねぇ、イチャイチャしてないで活動しようよ」

僕っ娘「イチャイチャなどしていないし、活動をしているではないか」

根暗「き、今日は文献……で、学習の日だよね?」

ポニテ「採取とか体動かす活動は無いの?」

僕っ娘「君と違って僕は体が弱いんだ。 毎日そんな活動は出来ないよ」

根暗(薬草を天日干しにするのと、蒸すので効力が違うのか)ペラペラ

ポニテ「はぁ、陸上部とのギャップが……」

僕っ娘「全く、オタク君がいないからって駄々をこねないでくれ」

ポニテ「はぁ!? オタクは関係無いでしょ!?」

僕っ娘「ところで根暗君、オタク君は何で今日休みなのかな?」

根暗「えっと……家の会合とか……その、なんとか」

僕っ娘「ふむ……彼も何かと謎が多いな」

ポニテ「肉体強化魔術も火炎魔術もかなりの腕前だもんね……キャラに似合わず」フフ

僕っ娘「随分、楽しそうに彼のことを話すじゃないか?」クスクス

ポニテ「だから、そんなんじゃないって!!」

根暗(ビリリ茸は水に浸けて、蓄電されている電気を抜いて用いるのか……)フムフム



59: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:44:12.30 ID:0HqpEt7DO

コンコン

僕っ娘「むっ、来客とは珍しい」ガチャ

委員長「やぁ、こんにちは。 君が魔法薬研究会会長の僕っ娘さんかな?」

僕っ娘「あぁ、そうだが……何か用かな?」

委員長「あぁ、少し力を借りたくてね。 ……ん? 根暗君じゃないか?」ヤァ

根暗「ど、ども」

ポニテ「知り合いなの?」

根暗「お、同じクラスの委員長さん」

ポニテ「なるほどね」

委員長「そうか、君は魔法薬研究会に入ったのか? オタク君しか、友達がいないのかと思って心配してたんだ」ポンポン

根暗「えと、あの……ども」

根暗(余計なお世話だよ!)

僕っ娘「それで、力を借りたいとは?」

委員長「彼の解呪に協力して欲しくてな」

カピバラ「……」ムシャムシャ

根暗「え? カピバラ?」

ポニテ「あっ、秀才君だ」

根暗「え? 秀才君?」

ポニテ「うん、私達のクラスの委員長」

根暗「……カピバラが委員長?」キョトン

委員長「呪いでカピバラの姿にされてしまったんだ」

僕っ娘「秀才君ならば自力で解けると思っていたが……」フム

僕っ娘「同じクラスのよしみだ、協力しよう」



60: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:45:20.25 ID:0HqpEt7DO

【図書館】
僕っ娘「理科室の文献にはカピバラ呪術とシャッフル呪術の解呪薬の作り方は無かったが……ここならあるだろう」

根暗(カピバラ呪術……?)

僕っ娘「……では、僕と」

委員長「私と根暗はシャッフル呪術を二人はカピバラ呪術について調調べよう」

僕っ娘「なっ!?」

根暗「う、うん、解った」

僕っ娘「なぁっ!?」

ポニテ「僕っ娘、うるさい」



61: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:46:05.04 ID:0HqpEt7DO

僕っ娘「根暗の浮気者……」ブツブツ

ポニテ「浮気者って付き合ってないんでしょ?」

僕っ娘「む~」

ポニテ「僕っ娘は何で根暗が好きなの?」

僕っ娘「それは……人の為に本気で怒れる人だからかな」クス

ポニテ「オタクも似たようなこと言ってたな」

僕っ娘「早くカピバラ呪術の解呪薬の作り方見付けて、合流しよう!」

ポニテ「はいはい」



62: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:46:32.58 ID:0HqpEt7DO

委員長「……なぁ、根暗君」

根暗「ひゃ、ひゃい」ビクッ

委員長「そんなに驚くなよ」

根暗「ご、ごめん」

カピバラ「……」ムシャムシャ

根暗「そ、それで……何?」

委員長「私は……君に謝りたくてね」

根暗「……へ?」



63: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:46:59.66 ID:0HqpEt7DO

【入学初日】
オタク「素晴らしい!」・

オタク「触手……それはエ口同人誌に欠かせないスパイス」・

オタク「触手……それは響きだけでもエ口い存在」・

オタク「同じクラスに触手使いがいるとは……これは捗りますぞ~!!」・

根暗「……えと、違くて……あの」・

クラスメイトs「……」ドンビキ・

根暗(僕の学園生活……終わった)

委員長「触手? エ口同人誌? 何だそれは?」

オタク「デュフフフ、こういうヤツでござる」つ同人誌

根暗(何で持ち歩いてるの!?)

委員長「ふむふむ……なっ!!」///

委員長「何というものを見せるのだ! 何という魔術を引き継いでいるんだ!! ……こ、この」

委員長「エ口触手ブラザーズ!!」



64: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:47:27.16 ID:0HqpEt7DO

【現在・図書室】
委員長「まさかここまで広まるとは思わなかったんだ……」

委員長「君がオタク君に振り回されてるのには気付いている」

委員長「本当に申し訳無かった」

根暗「ぼ、ぼ、僕が……魔法薬研究会に入った理由は」

委員長「?」

根暗「び、媚薬を作る為で……その、だから、オタク君に振り回されてるだけじゃなくて」

根暗「えっと、あの、つまり……僕も本当にエ口いから気にしなくて良いよ!」

根暗(僕は何言っているんだ)///

委員長「……」クス

委員長「君は……優しいな」クスクス

カピバラ「……」ムシャムシャ



65: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:48:01.95 ID:0HqpEt7DO

【理科室】
僕っ娘「とりあえず、それらしい文献は集まったが……」

委員長「作れそうか?」

僕っ娘「シャッフル呪術の材料はほとんどあるが……カピバラ呪術の方が難しいな」

根暗(カピバラ呪術の方がシャッフル呪術より高度なのか……)

委員長「シャッフル呪術さへ解ければ、解呪魔術が使えるから問題ない」

ポニテ「なるほど! で、シャッフル呪術の解呪薬には後何がいるの? 私取ってくるよ!」フンス

僕っ娘「オオムカデの甲殻だ」

ポニテ「」

委員長「」

僕っ娘「さぁ、ポニテ……取ってきておくれ」

ポニテ「ムムム、ムカデは無理! 絶対無理!! 委員長さん、取ってきてよ」

委員長「……虫全般が苦手なんだ」

僕っ娘「僕は平気だが……戦えないしな」

僕っ娘・ポニテ「……」ジッ

根暗「……へ?」

委員長「き、君達……流石に根暗君に頼むのはどうだろうか? というより、触手魔術に戦闘なんて……」

僕っ娘「ふふふ、君は根暗のことをまったく知らないんだね」フンス

ポニテ(凄い、得意気だな)

僕っ娘「触手魔術はね……」

僕っ娘「戦闘特化の魔術なのさ!!」ドヤ

委員長「なら、根暗君に任せるか」

根暗(あの、僕の意思は無視ですか……)



66: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:48:43.62 ID:0HqpEt7DO

【学外】
根暗「……はぁ、結局断れ無かった」

カピバラ「……」ムシャムシャ

根暗(何だかんだでちゃんと着いてきてくれてるな)

根暗「秀才君だっけ……」

カピバラ「……」ムシャムシャ

根暗「僕は……その、君が羨ましいよ」

根暗「運動も勉強も出来て……出来ないことの方が少ない天才だって、僕っ娘さんもポニテさんも言ってたし」

カピバラ「……」ズキン

僕っ娘『秀才君ならば自力で解けると思っていたが……』フム

カピバラ「……俺は君達が羨ましいよ」

根暗「……へ?」

根暗(シャベッターーーーー!!)ダラダラ

カピバラ「君の耳に翻訳呪文をかけた。……この姿でも魔術は使えるんだ」

根暗「あっ、えと……そ、そうなんだ」

根暗「そ、そそ、それで、僕達が羨ましいって」

カピバラ「……皆で助け合っているから、かな」



67: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:49:21.64 ID:0HqpEt7DO

『秀才君だったら、一人で出来るから大丈夫だよ』

『秀才が怪我してる』『秀才は回復魔術も使えるから大丈夫だ』

『秀才君が病欠?』『秀才だったら授業ぐらいすぐに追いつけるだろ』

『秀才! 次の課題、同じ班でやらないか?』

秀才『あ、あぁ!かまわないよ!!』パァ

『―じゃあ、後よろしくな~』
『俺ら部活あるから』
『秀才だったら一人で出来るだろ』
『『『ハハハハハハハハハハハハ』』』



68: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:49:56.42 ID:0HqpEt7DO

カピバラ「皆で協力して、問題を解決しようとする君達が羨ましかった」

カピバラ「そんな君達に……助けて貰えている状況を……俺は楽しんでいた」ギリ

カピバラ「自力で解決しようと思えば出来たのに……俺は……」

根暗「……そう、なんだ」

カピバラ「……この姿でもオオムカデと戦える。 解呪薬も調合書さへあれば自分で作れる」

カピバラ「だから、もう」

根暗「じゃあ」

『―じゃあ、後よろしくな~』

根暗「じゃあ、一緒に戦おう」

カピバラ「……へ?」

根暗「いや、その、秀才君の能力を疑ってるわけじゃなくて……あの」

カピバラ「……」ポロ

根暗「カピバラの姿だし……あ、僕みたいなのでも囮ぐらいにはなれるかも……だし、その」

カピバラ「……」ポロポロ

根暗「一人で出来ることでも……二人ならもっと上手く出来るかも知れないから……着いていって良いかな?」

カピバラ「あぁ……頼む、根暗。 ありがとう……すまなかった」ポロポロ

根暗(カピバラが泣いてるところ始めてみた)



69: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:50:27.98 ID:0HqpEt7DO

【沼地】
カピバラ「オオムカデは沼の中に身を潜めて、上を通った獲物を捕らえる習性がある」

根暗「な、なるほと、じゃあ、これでどうかな?」ニョロン

カピバラ(地面に手をついた……触手魔術の予備動作か)

ネズミ「チュー!!」ギュゥ

カピバラ「なるほど、ネズミを触手の先に付けてオオムカデを釣り上げるのか」

根暗「僕の触手なら、その、簡単に食い千切られないと……思う」

カピバラ「やってみよう! 釣り上げたところを俺が仕留めよう」

根暗「うん!」

根暗(何かこういう作戦みたいなの楽しいな)

カピバラ(作戦を立てて戦うか……楽しいな)

カピバラ「中々釣れないな」

根暗「釣りは根気が大事……だって」

カピバラ「釣り、好きなのか?」

根暗「いや、僕は……お爺ちゃんが好きで……その」

カピバラ「そうか。 俺は釣りをするのは初めてだ」

根暗「……初めての獲物がオオムカデ?」

カピバラ「竿の代わりに触手を使い」

根暗「しかも……はは、秀才君はカピバラの姿じゃないか」

カピバラ「こんな釣り、最初で最後だな」

根暗・カピバラ「「はははは」」



70: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:50:59.05 ID:0HqpEt7DO

グイッ!!
根暗「おっと! 凄い引きだ!!」

カピバラ「触手が引き摺り込まれてないか?」

根暗「一本じゃキツいみたい」ニョロン

カピバラ「おぉ、何本も生やせるんだな」

根暗「この地面だったら、後8本は生やせるよ……疲れるけどね」

触手「グググググ」

オオムカデ「ズズズズズ」

カピバラ「おぉ、頭が見えてきた」

根暗「本当に釣れたね」
カピバラ「本当に釣れたな」

根暗「秀才君」

カピバラ「ん?」

根暗「いや、早く、攻撃してよ」

カピバラ「あっ! すまない、見とれてた」

根暗「何やってるの!早く! 逃げられる!!」

カピバラ「そう簡単に千切られないって言ったじゃないか!」

根暗「思ったより、力が強いんだよ!」

カピバラ「オオムカデに一番有効な属性は」エート

根暗「いいから早く! 秀才!!」

カピバラ「氷柱魔術!!」

オオムカデ「ピギャーーーーー!!」

カピバラ「はぁはぁ」

根暗「はぁはぁ」

根暗「やったね!」

カピバラ「……あぁ」



71: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:51:30.68 ID:0HqpEt7DO

【校庭】
委員「……なんで、全部持って帰ってきた?」ヒクヒク

カピバラ「大物が釣れたから嬉しくてね」ドヤ

根暗「魚拓……ムカデ拓にしよう」ワクワク

僕っ娘「いつの間にか喋れるようになってるし、仲良くなってるし……」

ポニテ「でかい! キモい!!」

僕っ娘「とにかく、これで解呪薬は作れるね。 オオムカデは内蔵も魔法薬の材料に使えるから、僕としてはありがたい」

根暗「大きい紙もらってきた!」

カピバラ「墨も貰ってきたぞ!」

委員長「……聞いてないな」

ポニテ「あんな楽しそうな根暗君初めて見たかも」

僕っ娘「……」グスン



72: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:52:06.17 ID:0HqpEt7DO

【2-B】
キーンコーンカンコーン
根暗(やっと、昼休みか)

オタク「根暗殿! 昨日は一人ボッチの昼休みにしてすまなかったでござる! 今日は一緒に」

ガラガラ

秀才「根暗、昼飯を一緒に食べないか? 次の釣りの予定も立てたいしな」

根暗「ははは、本当にやるの? 良いよ、秀才」

オタク「え? 一緒に食べる? 次の釣り? 呼捨て……ね、根暗殿の浮気者!!」ダッ!!

根暗「う、浮気者!?」



73: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/20(金) 21:52:45.14 ID:0HqpEt7DO

委員長「全く彼らは」ヤレヤレ

委員長(しかし、これで委員会が出来るな)ヨシ

「優等生、食堂行こうぜ!」

委員長「優等生? ……丁度、良かった。 秀才の呪いが解けたから委員会を……」

アルパカ「……」ムシャムシャ

委員長「……」

委員長「何時になったら委員会が開けるんだ!!!!」



91: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:27:03.69 ID:zc/LKn2FO

【魔術学園・2-D】
教師「魔術の名家、四大元素家(しだいげんそけ)の最も大きな功績はとある魔術師の討伐だ」

教師「その魔術師はある魔術を用いて世界征服を目論んでいた……いや、実際に世界の3割りは征服された」

教師「四大元素家は協力しその魔術師の目論見を潰したわけだ」

教師「四大元素家は魔術社会に今でも大きな影響力を持っている」

教師「まっ、面倒だから普段は四大元素家であることを隠している場合が多いがな」

教師「……うちのクラスのお嬢は例外だ」

お嬢「オーホッホッホッ、自らを偽るとは弱者のあかし」

お嬢「四大元素家筆頭の名は伊達ではありませんわ!」オーホッホッホッホッ

教師「……水魔術が筆頭という記録は無いんだがな」ハァ



92: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:27:54.40 ID:zc/LKn2FO

キーンコーンカンコーン
教師「おっと、終わりか? 委員長、号令」

おさげ「起立、礼」

お嬢「オーホッホッホッホッホッ!」

召使い「お嬢様、何時まで笑っているおつもりで?」

メイド「大口開けてバカみたいっすよ」

召使い「メイド、正直な所は良いが言葉は選ぼうな」

お嬢「良いのよ、召使い。 お屋敷以外では同級生として接しなさいと言ったのは私ですもの」

召使い「ですが……」

お嬢「メイド、馬鹿みたいって教えてくれてありがとう」

メイド「お嬢と私の仲じゃないですか、気にしないで欲しいっすよ」

「お嬢さん、可愛いよな?」
「性格はあれだけどな……」

メイド「それにしても、相変わらずお嬢はモテますね」ニシシ

お嬢「私は平民には興味が無いと言うのに……」

召使い「お嬢様、クラスメイトを平民と呼ぶのは……」

メイド「感じ悪いっすよ」

召使い「だから、言葉を選べと」

お嬢「良いのよ、召使い。 メイド、感じ悪いって教えてくれてありがとう」

メイド「気にすんなよ、ズットモだろ?」

お嬢「どちらにしろ彼等には興味が無いわ。 私が恋い焦がれるのは……火の若様」ポッ

召使い(クソ……火の若め!!)グッ

メイド「私の口の聞き方より、召使いの恋心の方が問題あると思うぞ?」ポンッ

召使い「なっ!?」///



93: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:28:43.71 ID:zc/LKn2FO

お嬢「しかし、あのお方は私のことを見向きもしない……」

お嬢「こんなにも可憐で健気で美しい私に見向きもしないの」ガーン

メイド「自分で言ってたら世話ないっすね」

ガラガラ
秀才「おさげさん、次の委員会で使う資料を持ってきたぞ」

おさげ「あっ、お疲れ様です」

秀才「見てくれたまへ」

おさげ「……そう言えば、秀才君どうやって呪い解いたの?」

秀才「あぁ、魔法薬研究会の皆に助けてもらってな」

お嬢「……」ピクッ

お嬢「……魔法薬研究会?」フム

メイド「面倒なことを思い付いた顔してるっすね」



94: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:30:32.84 ID:zc/LKn2FO

【理科室】
僕っ娘「……ポニテ、生理食塩水取ってくれ」

ポニテ「うん」

僕っ娘「……ポニテ、そこの薬草取って」

ポニテ「うん」

僕っ娘「……」

ポニテ「……暇だね」

僕っ娘「あぁ……何だよ、土中生物釣り上げ隊って」

ポニテ「今日は巨大土竜を釣るって張り切ってたわね……あいつら」

僕っ娘「ついでに採取もしてきてくれるから良いが……」

ポニテ「ね、ねぇ、僕っ娘……それ、調合し終わったら差し入れもって見に行かない?」

僕っ娘「それは名案だ! 巨大土竜には興味があったからな」

ポニテ「あんたが興味あるのは根暗君でしょ?」

僕っ娘「当たり前だろ、それが一番だ」

ポニテ「もう少し、恋心は隠した方が良いわよ?」

僕っ娘「恋心……恋なのかな? 凄い好きだが、ふむ、男性として好きなのか、人として好きなのか……」

僕っ娘「僕も疎いからね……恋心って言い張る自信は無いな」フフ

ポニテ「……僕っ娘」

ポニテ「逆レ○プ紛いのことしといて何言ってるの?」

僕っ娘「」タラタラ

僕っ娘「根暗から聞いたのか!?」

ポニテ「いや、根暗君からは何も聞いてないよ」

僕っ娘「鎌をかけられたか」クッ



95: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:31:12.79 ID:zc/LKn2FO

コンコン
僕っ娘「……最近は来客が多いな」

オーホッホッホッホッ

ポニテ「開けないの?」

僕っ娘「何となくだが、面倒臭い人が来た気がして……」

コンコンコンコンコンコン

ポニテ「凄いノックされてるけど」

僕っ娘「狂気を感じる、窓から逃げようか」

ドン!!

お嬢「さっさと開けなさいよ!!」

召使い「お嬢様、ドアを蹴り開けるのは……」

メイド「しっつれいしやーす」

ポニテ「D組のお嬢さん?」

僕っ娘「お嬢さん?」

ポニテ「四大元素家水魔術一族の一人娘なんだって」

僕っ娘「四大元素家か……で、そんな大物が僕達に何か用かい?」

お嬢「貴方達に惚れ薬を作って欲しいの!」

僕っ娘・ポニテ「惚れ薬?」



96: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:32:02.84 ID:zc/LKn2FO

【学外】
根暗「……」ドキドキ
秀才「……」ワクワク
オタク「……」デュフフフ

触手「ググググ」

スポン!!

巨大土竜「モグモグモーグ!!」

根暗「釣れた!」

秀才「でかい! でかいぞ!!」

オタク「ヌホォ! これはテンション上がるでござる!!」

秀才「だろ?」

根暗「それより、二人とも……攻撃して……見とれて無いで……攻撃して」

巨大土竜「モグー!!」ブン

根暗「おっと」ニョロン

触手「ギュゥ」

秀才(よし、予定通り土竜の手足を捕らえたな)

秀才「オタク君、肉体強化だ!」

オタク「ウホォ、自前の肉体強化と秀才殿の肉体強化で滾るでござる」

オタク「二人に良いものを見せてもらったお礼に拙者も良いものを見せるでござるよ」

根暗「何でも良いから早く……こいつも力が強い」

オタク「我が一族に伝わる奥義が1つ……火爪!!」ジャキン

秀才「おぉ!巨大土竜を切り裂いた!!」

オタク「デュフフフ、鳥の爪をモチーフにした必殺技なのでござるよ」

根暗「……土竜拓……したかったのに」ショボーン

秀才・オタク「あっ」



97: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:32:38.69 ID:zc/LKn2FO

【理科室】
僕っ娘「惚れ薬って……誰に飲ませる気だ?」

お嬢「それは……我が愛しの火の若様に」ポッ

ポニテ「火の若様?」

召使い「四大元素家火魔術の跡取りにご執心でな」

ポニテ「おぉ、相手も大物だね」

お嬢「あぁ、火の若様。 キリッと鋭い目、真っ直ぐで整った鼻、優しげな口元……あぁ、愛おしいですわ」

僕っ娘「相当な男前なんだな」

メイド「まぁ、確かに男前っすね」

僕っ娘「しかし、お嬢さん……惚れ薬で相手の心を手に入れるっていうのどうなのだろうか?」

お嬢「何がいけないのかしら?」

僕っ娘「その……卑怯だろ」

お嬢「えぇ、正攻法ではないわね」

僕っ娘「だったら」

お嬢「貴女は本気で殿方に恋をしたことがある?」

僕っ娘「なっ、それは……」

お嬢「無いみたいね。 良いことを教えてさしあげる」

お嬢「恋というものは膨大なエネルギーなの。 愛し合っているという結果を得るための自分でも抑えられないぐらいのエネルギー」

お嬢「確かに惚れ薬で意中の相手を手に入れる何て正気の沙汰じゃないのかも知れない」

お嬢「それでも抑えられないからこそ……恋なのですわ!!」

メイド「言ってること意味ワカメ」

僕っ娘「……恋か」
ポニテ「何だろ……共感してる私がいる」

メイド「それでも推し通るところが、マジパナいっすわ」



98: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:33:21.51 ID:zc/LKn2FO

僕っ娘「……解った、惚れ薬を調合しよう」

お嬢「本当!?」

僕っ娘「あぁ、その代わり材料は自分達で集めてきておくれよ?」

お嬢「当たり前ですわ! 僕っ娘さん、ありがとう」

僕っ娘「では、まず……ヒドラの肝を持ってきてくれ」

お嬢「解ったわ。 行きますわよ、 召使い、メイド」

召使い「はっ!」
メイド「あいよ~」

ポニテ「……惚れ薬の材料にヒドラの肝があるの?」

僕っ娘「難題を出していたら、その内諦めるだろ」

僕っ娘「……惚れ薬自体は簡単に調合出来るが、惚れ薬は簡単に使ってはいけないものなんだよ」

ポニテ「何かあったの?」

僕っ娘「……惚れ薬の効力がきれて、2年前に両親が離婚したんだ」

ポニテ「な、なるほど……」



99: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:34:29.15 ID:zc/LKn2FO

【2-C】
お嬢「失礼しますわ!!」ガラガラ

お嬢「僕っ娘さん、ヒドラの肝を持ってきましたわよ」ドヤ

教師「おい、授業中だぞ?」

お嬢「ごめんあそばせ。 それで、次は何を取ってきたら良いのかしら」

僕っ娘「あぁ、次は……ファイヤーウルフの尻尾を20本持ってきてくれ」

教師「授業中だって言ってるだろ? カピバラにするぞ?」

秀才「!?」ブルブルブル

ポニテ「秀才君が震えてる」



100: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:35:06.65 ID:zc/LKn2FO

【昼休み・食堂】
お嬢「僕っ娘さん!!」ボロボロ

僕っ娘「わっ!? お嬢さんか……その、大丈夫かい?」

お嬢「大丈夫ですわ。 はい、ファイヤーウルフの尻尾」

ポニテ「ボロボロだけど、どうしたの?」

メイド「ファイヤーウルフの群れに飛び込んだっす」

ポニテ「そ、そう……3人で良く勝てたわね」

メイド「3人じゃないっす。 お嬢様が一人でやったっす」

ポニテ「へ? 何で?」

お嬢『貴方達は下がってなさい。 私の私欲で怪我させたくないもの』

メイド「ん~……馬鹿だからすっかね」

召使い「お嬢様が頼ってくれない、お嬢様が頼ってくれない」ブツブツ

ポニテ「あの人は何で落ち込んでるの?」

メイド「あれも馬鹿だからっす」

僕っ娘「次は……ヒポグリホォンの羽を持ってきてくれ」

お嬢「解りましたわ」



101: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:36:05.84 ID:zc/LKn2FO

【理科室】
僕っ娘「……すごい罪悪感だ」ズーン

オタク「なるほど、拙者達がいない間にそういうことがあったでござるか」

ポニテ「すぐ諦めると思ったら……凄いパワフルな人で」

オタク「僕っ娘殿、気にする必要は無いでござる」

オタク「それに、偽りの材料を集めさせるのは初めてで無いであろう?」デュフフフ

僕っ娘「……」ズズーン

根暗「……オタク君、空気……読もうか?」ズーン

オタク「」

ポニテ「さ、さてと、じゃあ私とオタクは採取に行ってくるわ」ノシ

オタク「行ってくるでござる!」スタコラサッサ

僕っ娘「……」

根暗「……」

僕っ娘「何かあったのかい?」

根暗「巨大土竜を……土竜拓にする前に……」

僕っ娘「なるほど、大体何があったか理解した」

根暗「惚れ薬……作ってあげないの?」

僕っ娘「いっそのこと持続時間が短い惚れ薬を渡してしまおうかとも考えたが……」

僕っ娘「お嬢さんを見ている間に考えが変わった。」

僕っ娘「彼女には……惚れ薬を渡してはいけない」

「やはり、騙されていたか」

召使い「話は聞かせてもらった」シュタ

根暗(天井から知らない人が落ちてきた)オドオド

召使い「お嬢様の純愛を利用し……素材集めに使うとは」シュイーン

僕っ娘(水のサーベル!?)

召使い「許さん!!」ダッ

根暗「僕っ娘さん、下がって」ニョロン

召使い「触手……なるほど、貴様か」

根暗「え、何?……何の話?」

召使い「まぁ、良い。 お嬢様を愚弄した者を庇うなら……切り捨てるまで」

根暗「良く解らないけど……彼女は傷付けさせない」ニョロンニョロン

僕っ娘(……これは恋なのだろうか)ドキドキ



102: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:37:09.05 ID:zc/LKn2FO

【学外】
ポニテ「心配だな……」

オタク「僕っ娘殿のことでござるか?」

ポニテ「うん、お嬢さんにバレたらどうなるんだろう……って考えるとね」

オタク「お嬢よりもその家来にバレた方が厄介でござる。 特に召使いは普段は冷静だが」

オタク「お嬢のこととなると見境が無くなるからな」

ポニテ「へ?」

オタク「と、いう噂を聞いたでござるよ」



104: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:37:57.61 ID:zc/LKn2FO

召使い「おら! おら! 触手使い! お前の力はそんなものか?」ザンッザンッ

根暗「くっ!」ニョロンニョロン

僕っ娘(召使いの斬撃を何とか触手で凌いでいるけど)

触手「バッサリ」

根暗(ただ、斬られるだけなら触手の弾力性で斬りにくいだろうけど……)

根暗(召使い君のサーベルは水流を利用して削り斬る……触手がすぐにダメになってしまうな)

召使い「四大元素家が危険視している力もこの程度か? 次で決めさせてもらおう」シュイーン

僕っ娘(サーベルが二本に増えた)

僕っ娘「根暗!?」

根暗(あまり、怪我させたくなかったんだけどな……仕方ないか)グッ

召使い「覚悟!!」ダッ



105: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:39:00.43 ID:zc/LKn2FO

「お止しなさい!!」

召使い「……」ピタッ

根暗「……へ?」ピタッ

お嬢「召使い、何をしているのかしら?」

召使い「この者が……お嬢様を騙しておりましたので」

お嬢「そんなこと気が付いてますわ」キッパリ

僕っ娘「なっ!?」

召使い「気が付いていたなら、何故材料集めを?」

お嬢「惚れ薬は人の心を操る薬。 そんな薬を出会ったばかりの私に渡して事件が起これば、調合した僕っ娘さんの責任になります」

お嬢「ですので、彼女には私を騙す権利と私を試す義務がありますわ!」

お嬢「僕っ娘さんは何一つとして間違った行いをしていません」

召使い「し、しかし……」

お嬢「貴方の忠心には感謝しますわ」

メイド「召使い、お嬢様の顔に泥を塗りたくなかったら手を引くっすよ」

メイド(それに、これ以上続けたら召使いが負けてたっすからね)

お嬢様「それで、僕っ娘さん。 結局、私に惚れ薬を作ってくださるのかしら?」

僕っ娘「すまない……今の言葉で答えが出た」

僕っ娘「やはり、僕は君だけには惚れ薬を渡せない」

僕っ娘「どんな精巧に作られた惚れ薬でも永遠に効果があるわけじゃない」

僕っ娘「何時かは効果がきれてしまうんだ」

僕っ娘「その時、傷付くのはお嬢さんだと思うから……僕は」

僕っ娘「僕は君みたいな素敵な女性に傷付いて欲しくない!!」

お嬢「ならば……諦めますわ」

メイド「ありゃりゃ、良いんっすから? あっさり諦めて」

お嬢「効果が何時かはきれてしまうのであれば、私が求めていたモノでは無いですもの」

僕っ娘「無駄なことをさせてしまって……悪かったね」

お嬢「無駄? 何を言ってらっしゃるの?」

お嬢「貴女みたいな素敵な友人が出来たんですもの……無駄などではございまさん」ニコ

僕っ娘(理解出来ないな……何故、彼女の想い人は彼女に振り向かないのだろうか?)

僕っ娘(こんなにも素敵な女性なのに)

根暗(さっきの危険視って何の話だろう……)フム



106: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/21(土) 09:42:15.08 ID:zc/LKn2FO

ガチャ
オタク「帰ってきたでござるよ!」

ポニテ「薬草大量に取ってきたわよ」

お嬢「……」

オタク「……」

お嬢「火、火、火……火の若様!!」

オタク「……」ダラダラ

僕っ娘「なっ、オタク君が」

『キリッと鋭い目』

ポニテ「四大元素家火魔術の跡取り」

『真っ直ぐで整った鼻』

根暗「火の若様?」

『優しげな口元……』

オタク「……水のお嬢、ばらさないでくれよ」ハァ

僕っ娘・ポニテ・根暗「「「えぇぇぇーー!!」」」



115: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:24:53.44 ID:5N2Z/+9LO

オタク(アタイ、オタク! 普段は普通の魔術学園の学生なんだけど、魔術の力で魔術少年ヒノワカに変身するの)キラッ

オタク(ヒノワカであることは秘密にしなきゃなんだけど、悪のミズノオジョウによって皆にバラされちゃったんだ! たっいへーん☆)キラキラッ

オタク「……脳内で魔法少女風にしても意味無いでござるな」フゥ

ポニテ・僕っ娘「待てーーー!!」

オタク「女子に追いかけられるとか……俺得!!」ダッ

ポニテ「素顔を見せろ!!」

オタク「嫌でござる! 嫌でござるよ!!」



116: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:25:35.51 ID:5N2Z/+9LO

【数刻前・理科室】
僕っ娘「本日の活動を始める前に、皆が気になっていると思う案件を片付けておこうと思う」

根暗「……」チラッ

ポニテ「……」ジー

オタク「……ん?何でござるか?」

僕っ娘「昨日、お嬢が言ってた件だが……」

オタク(やはり、四大元素家であることは気になるか……)ハァ

オタク「いや、隠していたわけじゃ……」

僕っ娘「オタク君の素顔が果たして本当にイケメンなのか」

オタク「そっちでござるか!?」

ポニテ「オタク、大人しく素顔を見せるのよ」ジリ

僕っ娘「大丈夫、大人しく見せたら痛くはしないさ」ジリ

オタク「根暗殿! 助けてくだされ!!」

根暗「土竜拓の怨み……」ジリ

オタク(一人関係無いことで狙ってきてる!!)ガビーン

オタク「す、素顔は……嫌でござる!!」ダッ

僕っ娘「あっ、逃げた!」

ポニテ「追え!!」



117: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:28:33.82 ID:5N2Z/+9LO

【現在・廊下】
オタク「うおぉぉぉお!! 命を燃やせ!!」

ポニテ「待てー!!」

オタク(僕っ娘は脱落したか? 流石にポニテは体力も速度もあるな)

ポニテ「ふふふ、元陸上部の足を嘗めないでよ?」

オタク(廊下だと何時か捕まる……外に逃げるか!)ヒョイ

ポニテ(窓から外に!?)

ポニテ(……本当に彼の言った通りになった)



118: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:29:26.94 ID:5N2Z/+9LO

【屋外】
オタク「やはり、ポニテは速いな……陸上止めたのが勿体無い」ボォ

オタク(肉体強化でも3階から飛び降りるのは危険だ。 俺は下に火炎魔術を放ちながら降りれるが……)

オタク「着地と……何処かに隠れるとするか」ヌチャ

オタク「ん? ……足元が!?」

「―どうだ? 俺の沼魔術のお味は?」

オタク「き、貴様は……秀才!」

秀才「Exactry! 俺だ!!」

オタク「ど、どうして拙者の降りてくるところが?」

秀才「この窓の近くには木が生えていなかったからさ」

秀才「オタクが火の魔術を使って落下速度を低下させながら降りてくることは予想できた」

秀才「火炎魔術の使い手ならば、引火の恐れがあるところで態々降りようとしないだろ?」

秀才「後は逃走ルートから予測すれば良いだけのこと」

オタク「くっ、やるでござるな! しかし!!」ボォゥ

秀才(沼の水分を熱で蒸発させたか!)

オタク「拙者が火魔術使いと解っているならば、沼魔術は間違った選択で……」ビリリ

秀才「間違った選択なんかじゃないさ。 沼の中にね、高温で揮発する麻痺薬を混ぜておいたからね」

オタク(麻痺薬……僕っ娘か!)

秀才「君は土中生物吊り上げ隊の禁忌を犯した」

秀才「さぁ、大人しく捕まりたまへ」



119: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:30:06.26 ID:5N2Z/+9LO

オタク(くっ……この手は使いたくなかったが)

オタク「僕っ娘殿! 拙者に解毒薬をくれたら……」

オタク「根暗殿プロマイド(居眠りver)を贈呈するでござるよ!!」

秀才「そんなもので買収されるわけないだろ?」

解毒薬「ポトリ」

オタク「親方! 空から解毒薬が!」

秀才「僕っ娘!!」

オタク「デュフフフ、そこは5秒で受け止めろと言うところでござるよ」ダッ

秀才「くそ、逃がすか……」ビリ

秀才(しまった、俺も麻痺薬を吸ってしまった)

秀才「僕っ娘、俺にも解毒薬を!」

シーン

秀才「僕っ娘の……裏切り者!!」ビリビリ



120: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:30:45.56 ID:5N2Z/+9LO

【2-A】
ガラガラ
ポニテ「ねぇ、オタク来てない!?」ハァハァ

優等生「オタク? 2-Bの生徒だったか? 来ていないぞ」

ポニテ「ありがとう!」ダッ

優等生「若、行きましたよ」

ロッカー「ガタガタ バン」

オタク「狭かった……」

優等生「いきなり飛び込んで来られたんで、驚きました」

オタク「いや、顔を見せろって言われてな」

優等生「良いじゃないですか……減るもんじゃ無いですし」

オタク「だって……恥ずかしいだろ」

優等生「涙ほくろが……ですか?」

オタク「……」コクン

優等生「その感性は理解できませんが……はぁ、学園ではお互い近付かないようにとあれほど……」

オタク「説教は後にしてくれ」

優等生「かしこまりました」

優等生「で、何処までバレたのですか?」

優等生「若の顔が整っていることだけでございますか?」

優等生「若が四大元素家火魔術の跡取りだというところまでですか?」

優等生「私の一族が代々若の一族に仕えているというところまでですか?」

優等生「……それとも」

「若が根暗に近付いた目的までですか?」



121: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:31:21.74 ID:5N2Z/+9LO

【理科室】
ポニテ「はぁはぁ……何処にもいない」

僕っ娘「ポニテ、お疲れ様」

ポニテ「僕っ娘、ちゃんと探してる?」

僕っ娘「……」フイッ

ポニテ「何で、買収された!」

僕っ娘「しかしな、ここまで嫌がるんだったら諦めた方が良いんじゃないか?」

ポニテ「いや! 私はちゃんとオタクの顔を見たい!!」

ポニテ「好きな人の顔もちゃんと見たこと無いなんて……嫌だよ!」

僕っ娘「好きな人……か?」ニヤニヤ

ポニテ「そうよ、悪い?」///



122: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:32:08.10 ID:5N2Z/+9LO

【2-A】
オタク「……」

優等生「忘れたわけじゃありませんよね?」

オタク「……あぁ、触手魔術の一族出身者を監視し、魔術社会において危険な存在と判断した場合……」

優等生「その者を処分する」

オタク「……」

優等生「根暗を孤立させ、見張り易くする作戦は中止されたんですか?」

オタク「……そこまで危険視する必要は無いと判断した」

優等生「その判断が……間違いで無ければ良いですが」

オタク「根暗は優しいやつだ。 人の為に行動し、人の為に戦い、人の為に怒れる……優しいやつなんだ」

優等生「若……優しいか否かと善か悪かは全く違うものでございます」

優等生「努々、忘れませんよう」



123: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:33:01.69 ID:5N2Z/+9LO

【屋外】
秀才「くそ……動けん」ビリビリ

根暗「秀才、大丈夫?」

秀才「根暗! すまない、捕まえられなかった」

根暗「良いよ、決着は僕が着ける……」

秀才(どれだけ、土竜拓のことを根に持ってるんだ?)



124: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:33:52.11 ID:5N2Z/+9LO

【2-A】
オタク「解っているさ……そんなこと」

優等生「いざという時、若が殺れないならば……俺が」

オタク「いや、決着は……俺が着ける」



125: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:34:25.76 ID:5N2Z/+9LO

【屋上】
根暗「……」

オタク「ラスボス気取りでござるか? 根暗殿」

根暗「自ら出向くとは、僕とやり合う覚悟が出来たんだね?」

オタク「今日は流暢でござるな」

根暗「君も普通に喋ったらどうだ? オタク」

オタク「……あぁ、そうだな」

根暗「これを機会に君に言っときたいことがある」

オタク「……」



126: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:35:19.34 ID:5N2Z/+9LO

根暗「入学初日、君のせいで僕は皆に避けられた」

根暗「その後もエ口触手ブラザーズとか呼ばれて、皆に気持ち悪がられて……君以外に友達が出来なくて」

オタク「……」

根暗「でも、最近変わった……一緒に魔法薬研究会に入って」

根暗「一緒に土中生物釣ったり、一緒に戦ったり、今日みたいに皆で追いかけっこしたり……」

根暗「毎日……楽しいんだ」

根暗「すぐに友達が出来なかったのは君のせいだと恨んでた……でも、今友達が出来たのは……君のお陰だと思ってる」

根暗「ありがとうね」

オタク「……土竜拓のこと、怒ったふりだったのか?」ハァ

根暗「でゅふふふ、騙してやったでござるよ」ニコ



127: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:35:58.49 ID:5N2Z/+9LO

オタク「さて、じゃあこれで仲直りだな」

根暗「仲直りの証しに……前髪あげようか?」

オタク「……」タラタラ

オタク「……それはもういいじゃないか?」

根暗「じゃあ……力ずくでいくね?」

オタク「……デュフフフ、楽しんでるでござるな? 根暗殿」ボォ

根暗「うん!!」ニョロン



128: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:37:15.16 ID:5N2Z/+9LO

【理科室】
ポニテ「きゃーーーー! かっこいい!! あんた、本当にオタク!?」

オタク「うぅ、見ないで欲しいでござるよ! 涙ほくろが恥ずかしいでござる!!」///

ポニテ「そこがチャームポイントでしょうが!?」

僕っ娘「顔を隠していた理由が涙ほくろとは……その感性は解らないな」

根暗「ひ、人によって、恥ずかしいことは、その……違うから」

ポニテ「あんた! 髪切りなさい! 前髪禁止令を発動します!!」

オタク「ちょっ、なんの権限で!?」

僕っ娘「……ところで、オタク君が顔を晒したってことは、決闘ゴッコは君が勝ったのかい?」

根暗「一時間やりあって、決着つかなくて……その、じゃんけんで……決めた」

僕っ娘(オタク君と一時間もやりあえたのって……凄くないか?)



129: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 00:37:55.27 ID:5N2Z/+9LO

【屋外】
秀才「……俺、忘れられてないか?」ビリビリ



140: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 21:56:45.61 ID:nNHV4o32O

【2-B】
ザワザワザワザワザワ

オタク「……」///

根暗「大丈夫? か、顔が赤いよ」

オタク「恥ずかしいでござるよ! 前髪が恋しいでござるよ!!」

「ござる口調!」「やっぱりあれオタクか?」「イケメンになる薬でも作ったのか!」

オタク「うぅ、皆に見られてるでござる。 男の癖に涙ほくろがあるプークスクスとか言われるでござる」

根暗「いや……エ口触手ブラザーズって呼ばれて平気だった君が気にすることじゃ無いと……」

オタク「はぁ……あんな勝負に乗らなかったよかったでござるよ」



141: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 21:57:23.79 ID:nNHV4o32O

【昨日・理科室】
ポニテ「あんた! 髪切りなさい! 前髪禁止令を発動します!!」・

オタク「ちょっ、なんの権限で!?」・

ポニテ「じゃあ、私とも勝負してよ」

オタク「デュフフフ、拙者は女子に手をあげる趣味は無いでござる」

ポニテ「いや、徒競走で」

オタク「そっちが有利すぎるでござるよ!!」

オタク「第一、此方に得がない勝負でござる」

ポニテ「……私の知り合いの美術部の奴に頼んで、あんたの好きなエ口同人誌描かせてやるよ」

オタク「マジでござるか!?」

根暗「その知り合いが、可哀想だね……」

僕っ娘「ポニテは何も犠牲にして無いからな」

オタク「デュフフフ、受けてたつでござる」

僕っ娘「じゃあ、ゴールは秀才君が倒れている位置、先にこの解毒薬を飲ませた方が勝ち」

僕っ娘「窓から飛び降りて、ショートカットとかは反則ということにしよう」

オタク「くっ、解ったでござる」

根暗(僕っ娘さん、自分で解毒薬を持っていくのが面倒臭いんだね)

僕っ娘「それでは、位置について! よーい、ドン!!」



142: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 21:57:50.83 ID:nNHV4o32O

【現在・2-B】
根暗「ポニテさん……速かったね」

オタク「あれは勝てないでござる」

オタク「……はぁ、今日は研究会休むって伝えておいて欲しいでござるよ」

根暗「え、そんなに、嫌だったの?」オロオロ

オタク「いや、ちゃんと美容室で整えて来るでござる」

根暗「ポニテさんにパッツンにされたもんね」

オタク「それより、涙ほくろが恥ずかしいでござる」

根暗(その感性は解らないな……)



143: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 21:59:22.90 ID:nNHV4o32O

【2-C】
秀才「僕っ娘さん、少しいいかな?」ゴホゴホ

僕っ娘「どうしたんだい? 秀才君」

秀才「体調不良でね。悪いんだが、俺の代わりに委員会に出席してくれないか?」

僕っ娘「……どうして、僕が?」

秀才「それはね、俺の風邪が僕っ娘さんの麻痺薬を吸った上に野晒しで放置されたのが原因だからだよ」ピキピキ

僕っ娘「オーケー、出るからそんなに怒らないでくれ」

僕っ娘「ということで、今日は研究会に行くのが遅くなりそうだ」

ポニテ「了解。 私は薬草採集してから行ったら良いんだっけ?」

僕っ娘「あぁ、頼むよ」

秀才「君達には俺に魔法薬を調合する優しさは無いのかい?」ゴホゴホ



144: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:00:23.74 ID:nNHV4o32O

【2-B】
キーンコーンカンコーン
教師「今日の授業はここまでだな。 気を付けて帰れよ?」

委員長「起立! 礼!!」

オタク「では、拙者はお先に失礼するでござる」

根暗「うん、気を付けてね」ノシ

オタク(根暗のどもり率が下がった気がするな)

【廊下】
根暗(ポニテさんは採集してから来るから、僕っ娘さんと二人っきりか)

僕っ娘『ねぇ、君 ……息が荒いよ?』ズイッ・

根暗(また、あんなことされたらどうしよう)ドキドキ

根暗(……秀才、体調悪そうだったし、風邪薬調合してみようかな)

根暗「ん?」

三編み「……」オロオロ

根暗(理科室の前に誰かいる)オロオロ

三編み「……」オロオロ

根暗「……」オロオロ

三編み「……あ、あの!!」

根暗「ひ、ひゃい!!」

三編み「魔法薬研究会の方ですか?」オドオド

根暗「そ、そうですよ」オドオド



145: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:06:07.59 ID:nNHV4o32O

【理科室】
根暗「ポ、ポニテさんの妹だったのですか」つお茶

三編み「は、はい、姉が何時もお世話になってます」

根暗「あ、いえ、此方こそです」

三編み(この先輩、何で敬語なんだろう?)

根暗(初対面の女の子と二人っきりはきついな……)アセアセ

三編み(な、何か私から話題振った方がいいのかな?)

根暗(何の話したら良いんだろう?)

三編み「あ、姉は……その、どうですか?」

根暗「へ、ポニテさんは……その、いい人です」

三編み「あ、じゃなくて……その、研究会の活動、楽しそうですか?」

三編み「陸上部、いきなり止めちゃったから心配で……」

根暗「あぁ、楽しそうにやってますよ。 肉体労働とか率先してやってくれるし……」

三編み「せ、先輩はあまり強そうじゃないですもんね」

根暗(強そうじゃない……)ズーン

三編み(テンパって失礼なことを言ってしまった)ズーン

根暗「に、肉体強化したポニテさんには敵わないよ」ハハハ

三編み「そうですね……姉は強いから」シュン

根暗「えっと、妹さんも肉体強化魔術……使えるんだよね?」

根暗(同じ一族なんだから当たり前だろ、何を聞いてるんだ僕は)アセアセ

三編み「……姉ほど上手くは使えません」

三編み「私は姉と違って内向的で……体動かすより、絵を描くのとかが好きで……」

根暗(エ口同人誌描かされそうになってたのこの子か……)

三編み「私は……姉みたいに強くなれないんです」ショボン

根暗(……強くなれないか)

根暗「ぼ、僕はさ、君より、この学園に長くいるわけで……その分、色んな人に出会ったわけでさ」

三編み「……?」

根暗「皆、すごい魔術使えて……僕みたいな陰気な魔術を使う人の方が……少なくて……」オドオド

根暗「皆が凄く羨ましかったんだ」

三編み(……私と一緒だ)

根暗「だけど、一人一人と……ふ、深く関わってみたら、皆色々な悩みを抱えてて、凄い魔術使えても……凄い才能があっても……弱い部分があってさ……」

根暗「きっと、皆、本当は弱いんだよ」

根暗「ただ、強く在りたいと思ってるんだよ」

根暗「だから、妹さんも強く在りたいと思うところから始めてみたらどうかな?」ニコ

三編み「は、はい! ありがとうございます!!」

根暗「なんて、先輩ぶったこと言ってごめんね。 偉そうだよね、初対面なのに……」ブツブツ

三編み(私と一緒で弱そうなのに……姉とは違った強さがあるような気がする……)

三編み(……不思議な人だな)



146: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:09:08.62 ID:nNHV4o32O

ガラガラ
ポニテ「やっほー、来たわよ……て、何で三編みがいるの?」

三編み「お姉ちゃんに教科書借りたまんまだったから……」

ポニテ「家に帰ってからで良かったのに」

三編み「……その、魔法薬研究会での様子が気になって」

ポニテ「心配してくれたの? 可愛いやつめ」ナデナデ

三編み「あ、あぅ……」

根暗(仲良いな……)

ポニテ「根暗君、三編みの話し相手になってくれてありがとう。 て言っても、あんた達じゃあまともな会話にならないか」ハハハ

三編み「そんなこと、無いよ」

三編み「根暗先輩の話、凄いためになりましたから……明日から少しずつでも頑張ってみます」

根暗「いや、僕の勝手な考え方だから、参考にしない方が……」

三編み「参考にします!」

ポニテ「あんた、私の妹に何を話したの?」

三編み「それでは、美術部があるので……」ペコ

根暗「うん、えーと、またね」

ポニテ「後でね~」

ポニテ「それよりも根暗君、オタクは?」

根暗「髪を、整えに行くから……その、休むって」

ポニテ「へ~、そうなんだ」

根暗「何か、用?」

ポニテ「うん、漫画借りててさ……返そうと思ったんだけど、明日にしよう」



147: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:09:54.74 ID:nNHV4o32O

【次の日・2-B】
オタク「ふぅ……やっと今日の授業終わったでござる」

根暗「オタク、早く行こう」フンス

オタク「根暗殿は土中生物釣り上げ隊の日はテンション高いでござるな」

ドドドドドドドドド ガチャ!!

ポニテ「根暗!!あんた、私の妹に何を話したの!?」ガシッ

根暗「!?!?」



148: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:11:15.33 ID:nNHV4o32O

【校舎裏】
不良「おら、さっさと財布出せよ?」

ヤンキー「昨日、お小遣い日だったんだろ?」

男子生徒「止めてよ、お小遣い日まで記録してカツアゲするのは止めてよ~」

DQN「痛い目に会う前に出した方が良いぜ?」

「待てーい!!」

不良・ヤンキー・DQN「だ、誰だ!!」

三編み仮面「ふふふ、我輩は正義の使者! 三編み仮面だ!!」

不良「良いから、さっさと金出せよ?」

ヤンキー「今月は3万もらったんだろ?」

男子生徒「金額まで確認してカツアゲするの止めてよ~」

三編み仮面「無視するな!!」

ヤンキー「だって触れたらいけないオーラがよ……なぁ?」

不良・男子生徒「おう」

三編み仮面「男子生徒君まで!?」

不良「面倒臭い……DQNてきとうに相手しとけ……」

DQN「」ボロボロ

不良・ヤンキー「なっ!」

三編み仮面「DQNとは、このぼろ雑巾のことかな?」ハーハッハッハッ

男子生徒「ヒッ……やり過ぎだろ」

ヤンキー「こいつ、ヤベェ……頭がイカれてやがる」

不良「おい、ヤンキー! テメェはDQNを保健室に連れていけ」

ヤンキー「お、お前は……」

不良「こいつを止める」

三編み仮面「我輩から仲間を逃がすつもりか?」

不良「あぁ、だったら何だy」ボゴォ

三編み仮面「残念ながら、それは不可能だ」シュゥ

男子生徒(……パンチが見えなかった)



149: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:12:57.34 ID:nNHV4o32O

【美術室】
根暗・オタク「羨みの仮面?」

美術部長「あぁ、そうなんだ。 それを三編みちゃんが被ってしまってね……」

根暗「そそそ、それを被るとどうなるのですか?」

美術部長「なりたい人格……自分が憧れる人格になってしまう」

ポニテ「その結果、三編みが正義の使者、三編み仮面になってしまったのよ」ハァ

ポニテ「昨日一体何を話したのよ?」

根暗「えと……強く在ろうとすることが……大事って……その」

オタク「それだけでござるか?」

根暗「う、うん」

美術部長「それだけで、あぁなったとは思えないな」

オタク「……あっ! ポニテ殿に貸してた漫画!!」

ポニテ「今はそれどころじゃないでしょ?」

オタク「そうではござらん! とりあえず、出すでござるよ!!」

ポニテ「……これだけど?」つ漫画

漫画≪イケイケ! 正義の使者☆ムテキ仮面≫

美術部長「これだね」

根暗「これ……ですね」



150: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:14:08.45 ID:nNHV4o32O

【校舎裏】
不良「」チダラケ

ヤンキー「」シニカケ

三編み仮面「……ふふ、私、いや、我輩は強い……ハーハッハッハッ」

コソコソ
オタク「凄い状況になってるでござるな」

ポニテ「あの子、あんなに強かったの?」

根暗「……」

「あれは、肉体強化魔術が暴走しているな」

オタク「き、貴様は……秀才!!」

秀才「Exactry! 俺だ!!」・

ポニテ(何、このノリ?)

根暗「肉体強化魔術の暴走って?」

秀才「オタク君、肉体強化魔術において最も重要視されることは?」

オタク「強化比率でござる」

秀才「その通り、自身の体を強化し過ぎれば体を壊してしまうことがあるからね」

秀才「今の彼女は自分の理想の人格を演じるために、肉体強化魔術を過剰に使ってしまっている」

ポニテ「そんな……三編みはどうなるの?」

秀才「本来発揮しえない力を強引に捻り出してるんだ……このままだと最悪の事態も」

ポニテ「そんな……」ガクッ

根暗「……」テクテク

秀才「根暗君、どうするつもりだ!」

根暗「剥がしてくる」

秀才「危険だ、武闘派で有名な不良トリオが負けたんだぞ?」

オタク(根暗……責任感じてんな)

根暗「……オタク、手を出すな」

オタク「デュフフフ、野暮なことはしないでござるよ」



151: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:16:03.66 ID:nNHV4o32O

根暗「……三編みさん」

三編み仮面「これは根暗先輩! 見てください! 先輩の言う通り、強く在ろうとして」

三編み仮面「私、おっと、我輩は強くなりましたよ!!」

根暗「君は弱い」

三編み仮面「……」

根暗「君は強くなったんじゃない……強いフリをしているだけだ」

三編み仮面「……」ダ!!

ゴリュ!!

秀才「根暗!!」

三編み仮面「……何で倒れないんですか?」

根暗「僕の親友曰く、倒れたく無い時は倒れたらいけないらしい」

オタク(足から触手を生やして、地面に自分を固定しているのか……)

三編み仮面「何だそれは! 我輩には解らん!!」バキ!

根暗「強いってさ、どういう意味か……あれから考えたんだ」

三編み仮面「我輩は強いんだ! 正義の使者なんだ!!」ドゴォ

根暗「くっ……それで、……さ、強いって言うのは自分に正直でいれることなのかも知れないって思った……」

三編み仮面「うるさい! 私は強くないといけないんだ!!」バン! ドン!

根暗「それは好きなことに……正直だったり……それは自分が嫌いなことに……自分の弱さに向き合えることだと思う……」

三編み「お姉ちゃんを守れるぐらい強くなるんだ!!」ドゴォン!

根暗「弱さを隠さない……それが強さだとしたら」サッ

根暗「……仮面でそれを隠している、君は弱い」カパ

三編み「……」ポロポロ



152: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:17:29.54 ID:nNHV4o32O

『陸上部? 暫く休むことにしたんだ』

『理由? 三編みには関係無いじゃん』

『しつこいな! あんたに話したって解決しないでしょ!!』

三編み『お姉ちゃん、陸上部……どうしたの?』

『ん? 止めたよ。 今度は魔法薬研究会に入ったんだ』アッサリ



153: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:18:14.15 ID:nNHV4o32O

三編み「……お姉ちゃんが、凄く苦しんでて、小さい時から守って貰ってたから、力になりたくて……」

三編み「それでも、私が弱いから……お姉ちゃんに頼ってもらえなくて……」

三編み「だから……私は今度はお姉ちゃんみたいに強くならないと……守れるぐらい……強くならないと」

「馬鹿!?」ギュッ

三編み「お姉ちゃん?」

ポニテ「馬鹿!」ポロポロ

ポニテ「私は強くなんか無い! あんたの前だから見栄張ってただけ!」

ポニテ「あんたの前だから強いフリしてただけ! あんたがいてくれたから……」

ポニテ「私は強くあろうと思い続けたの」

三編み「ごめん」

ポニテ「謝るな!……ごめんね……ごめんね……お姉ちゃんが意地張ったばっかりに……」



154: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:19:05.21 ID:nNHV4o32O

秀才「根暗! 無理をしすぎだぞ! お前のことを心配する奴がいることを忘れるな!!」

根暗「ごめん……今回の件は僕に非があったから」ヨロヨロ

秀才「ん?」

根暗『だから、妹さんも強く在りたいと思うところから始めてみたらどうかな?』

根暗「既に強く在りたいと思ってた彼女に……僕は酷いことを言ってしまった」バタン

秀才「……お前と言うやつは。 とりあえず、保健室に行くぞ? 怪我の手当てが終わったら説教してやる」クドクド

オタク(……触手魔術は確かに危険な魔術かも知れないが)

秀才「オタク! 運ぶの手伝え!!」

オタク「承知!!」

オタク(俺にはやはり、根暗が危険な存在だとは思えないな)フゥ



155: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/22(日) 22:20:07.26 ID:nNHV4o32O

【屋上】
「とか、考えてるんだろうね。 火の若様は」

眼帯「触れたところだけじゃなく、自分からも触手を生やせるとか……どう考えても危険でしょ?」

包帯「……我に意見無し、主に判断求めるべき」

隻腕「アァ……落としてしまったぁ。 どこだぁ……どこだぁ……腕が……アァ……」

眼帯「あんた達にコミュニケーションを求めた私が馬鹿だったよ」ハァ

眼帯「包帯は我等が主様に報告してきて」

包帯「御意」シュルルル

眼帯「隻腕は私と一緒に来な」

隻腕「何をするのかな? 私の……アァ、無くしモノを探してくれるのかい?」

眼帯「何をする? 決まってるだろ」

眼帯「四大元素家の一角土魔術の悲願、一級危険魔術家の撲滅の為に……」

「あの触手使いを殺すのさ」



161: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:18:59.91 ID:8NPPO1nPO

「一級危険魔術家は現在三つ存在致します」

「悪魔化術家、死霊術家……そして触手魔術家」

「どの家系も魔術社会を崩壊させかねない危険性を孕んでいるのです」

「四大元素家の役割は魔術社会の維持であるため、一級危険魔術家の管理も担っております」

「水魔術家が悪魔化術家を、風魔術家が死霊術家を、そして我等が火魔術家が触手魔術家を管理しているのです」

火の若「ジィ……じゃあ、土魔術家は一級危険魔術家を管理してないのか?」

ジィ「……土魔術家は担当していた一級危険魔術家を滅ぼしてしまったのです」

ジィ「危険な魔術を扱う家系なら無くしてしまおう……というのが土魔術家の考え方ですので」

火の若「何か……そういう考え方嫌だな」

ジィ「……」

火の若「それじゃあ……まるで、その家に生れただけで悪者みたいじゃないか」

ジィ「若様、今感じたことを忘れませぬよう。 そのお心を持っていれば、きっと立派な党首様になれるでしょう」



162: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:20:01.11 ID:8NPPO1nPO

【屋上】
ワカサマ……ワカサマ……
オタク「ジィ……もう少し……寝かせて……」

お嬢「若様ってば!!」

オタク「うぉ! お嬢か……びっくりした」

お嬢「びっくりしたではございませんわ。 教室にいらっしゃらなかったから探しましたのよ?」

オタク「今日は根暗が休みだから、教室にいても暇でな……」

お嬢「知ってますわ。 入院されたのでしょう?」

オタク「あぁ、正義の使者にボロボロにされて入院とは……触手使いらしい」

お嬢「ふふふ、そうですわね」

オタク「それで、何か用か?」

お嬢「えぇ……実は根暗さんが狙われているかも知れませんの」

オタク「……狙われてる? 土魔術家か?」

お嬢「いえ、そこまでは……しかし、うちの者が怪しい人物が学校に出入りしていたと」

お嬢「もしも、土魔術家からの刺客であれば……」

オタク「弱っている、根暗が危ない!!」ダッ

お嬢「待ってくださいまし!」ガシッ

オタク「離せ! 早退して根暗の所に行ってくる」

お嬢「根暗さんの所には此方から護衛を派遣しましたは……」

オタク「護衛?」



163: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:20:30.20 ID:8NPPO1nPO

【病室】
メイド「根暗。 ほれ、あーん」つリンゴ

根暗「う、うん……ありがとう」シャリ

メイド「気にすんなよ? 私は給金貰ってやってるだけだから」つリンゴ

根暗「ど、ども……」シャリ

根暗(何で、メイドさんがいるの!? 何で、看護されてるの!? 何でリンゴを剥かずにあーんしてくるの!?)

メイド「その顔、聞きたいことがあるっていう顔っすね」

根暗「え、えぇ、まぁ」

メイド「私はCカップすよ」

根暗「な、ななな、何の話!?」///

メイド「反応良いっすね」



164: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:21:06.07 ID:8NPPO1nPO

【屋上】
お嬢「不確かな情報で若様の手を煩わす訳にはいきませんわ」

オタク「……解った、不確かな情報に対して護衛を配属してくれたことに感謝しよう」

オタク「ありがとう、お嬢」

お嬢「は、はい」ドキーン

秀才「オタク、ここにいたのか?」

オタク「秀才!」

秀才「探したぞ。 放課後、皆で根暗のお見舞いに行こうという話になってな」

お嬢「皆……でございますか?」

秀才「あぁ、僕っ娘とポニテも一緒だ。 三編みちゃんは体中筋肉痛でお休みだから、行けないけどな」

お嬢「僕っ娘も行くのね。 私もご一緒してもよろしいかしら?」

秀才「あぁ、かまわないぞ。 放課後、門の前で集合な」

お嬢「はい、承知しましたわ」

オタク「あぁ、解ったでござる」

キーンコーンカーンコーン

秀才「……予鈴が鳴ったか。 早く教室に戻るぞ」

オタク「……秀才」

秀才「何だ?」

オタク「俺とお嬢が話していること……聞いたか?」

秀才「いや……何のことだ?」

オタク「……何でも無いでござるよ」

秀才(聞かなかったことにしたら良いんだろ?……オタク)

秀才(……土魔術家か。 どうして根暗を?)フム

秀才(若と呼ばれていたが……オタクは何者なんだ?)



165: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:21:52.21 ID:8NPPO1nPO

【病室】
根暗「め、メイドさんは……何で、その……ここに?」

メイド「お嬢の命令っすよ」

根暗「お嬢さんは何で、そんな命令を?」

メイド「オタク様に恩を売っときたいんでしょう?」

根暗「な、なるほど……」

メイド「……それに、私は根暗に興味があったっすからね」

根暗「きょ、興味?」

メイド「根暗は……学園に来るまでどんな日々を過ごしていたんっすか?」

根暗「お爺ちゃんと二人で……」

メイド「ご両親は?」

根暗「物心ついた時には……もう……」

メイド「近所に人は住んでたっすか?」

根暗「…………」

メイド「根暗の家は……人里離れた森の中……この学園に来るまでお爺ちゃん以外の人と会わずに過ごした……違うっすか?」

根暗「メイド……君は……何で?」



166: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:22:35.66 ID:8NPPO1nPO

【学外・ゲートの広場】
オタク「しかし、便利なものでござるな」

秀才「ゲートのことか?」

オタク「そうでござる。 くぐるだけで、遠く離れた街に転移できる何て凄いでござる」

僕っ娘「転移魔術の実体化……だったか?」

秀才「正確には転移魔術概念の実体化だな。 このゲードが出来たお陰で各地に分散している魔術師の家系が同じ学園を利用できるわけだ」

オタク「便利な世の中でござるよ」

ポニテ「何、オヤジ臭いこと言ってんのよ」

お嬢「根暗さんが入院されているのは医の街ですから……どのゲートでしたっけ?」

僕っ娘「このゲートだよ」

ポニテ「医の街なら、迷子になる心配は無いわね」

オタク「むむむ? どうしててござるか?」

僕っ娘「何たって僕が暮らしている街だからね」フンス



167: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:23:33.06 ID:8NPPO1nPO

【病室】
メイド「根暗は社会から隔離されて生きてきた……」

根暗「……そう、だったのかも知れないね」

メイド「辛くなかったんすか?」

根暗「お爺ちゃんがいたから……それに……」

根暗「それが当たり前だったから」

メイド「……そうっすか」

根暗「……でも、また同じ生活に戻ったら辛いかも」

根暗「この学園に来て、皆で一緒に何かするって……とても楽しいことだと解ったんだ」

根暗「人と関わるって楽しいことだと解ったんだ……」

根暗「だから、その……今、あの頃の生活に戻ったら……辛いと思う」

メイド「その言葉が聞けて良かったっす」ニコ

根暗「へ?」

メイド「根暗、私達がこうして当たり前のように過ごしているのは特別なことなんっすよ」

メイド「何時壊されてもおかしくないこの日常を守るために……私達は何時か、戦わないといけなくなるっす」

メイド「だから、今のうちに覚悟を決めておくっすよ」

根暗「……それって、どういう意味?」

ガチャ

看護士「根暗さ~ん、診察の時間ですよ」つナイフ

メイド「早速、日常が壊されたっすね?」

根暗「ひっ!」ガクブル



168: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:24:14.54 ID:8NPPO1nPO

【病内】
患者「一級危険魔術家を殺せ……」

医者「一級危険魔術家は危険d」バタン

召使い「はぁはぁ……どうなってるんだ」

執事「召使い君、大丈夫かい?」

召使い「執事さん! 来てらっしゃったんですね?」

執事「お嬢様に頼み込まれましてな」

召使い「かなり、広範囲に洗脳魔術を使われているみたいですね」

召使い「魔術に耐性を持たない人間は全員かかってしまっているようです」

執事「私は皆さんを気絶させながら、術者を探す。 召使い君は保護対象の二人と合流しておくれ」

召使い「はっ! かしこまりました!!」

執事「老体に鞭打って頑張るとするか……」フゥ

執事(しかし、これは洗脳魔術なのか? これはまるで……)



169: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:25:01.52 ID:8NPPO1nPO

【病院前】
オタク「どういうことでござるか?」

警備員「ですから、病院の営業時間はもう終わっています。 お帰りください。」

お嬢「何を言ってらっしゃるの? まだ4時でございますわよ」

警備員「えぇ、もう 4時です。 病院が閉まるのは当たり前でしょ?」

ポニテ「はぁ? あんた、何を言ってるの?」

警備員「何だ、その口の聞き方は……全く、最近の学生は」シッシッ

秀才「僕っ娘、ここは何時も4時に閉まるのかい?」

僕っ娘「いや、そんなはずは無い……面会時間は20時までだ」

秀才(……目を見たところ洗脳魔術では無いな)フム

お嬢「オタク様……この魔術はもしや」コソコソ

オタク「いや、そんなわけは……」コソコソ

秀才(あの二人は何か知ってるのか?)



170: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:25:48.64 ID:8NPPO1nPO

根暗「ひぃいいいい!!」ダダダ

メイド「入院患者の癖によく走れますね」

看護士「一級危険魔術家は殺す! 一級危険魔術家は殺す!」ブンブン

根暗「ナイフ振り回して追って来てる! 一級危険魔術家って何!?」

メイド「察するに私のことでしょうね?」

根暗「えぇ!?」

メイド「いや~、巻き込んで悪いっすね」

メイド(半分嘘だけど……)

根暗「……よし! じゃあ……僕が守るね」ブルブル

メイド「頼もしいっすね。 でも、触手は使っちゃ駄目っすよ?」

根暗「へ?」

メイド「相手は一般人っすからね、魔術を使っちゃ駄目っす」

根暗「エェェェ!!」



171: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:26:23.86 ID:8NPPO1nPO

【病院・屋上】
隻腕「あぁ、腕がない……探しておくれ、私の腕を……」

眼帯「あんたの腕が無いのは生まれつきだろ?」ハァ

眼帯「 ……たく、変換魔術さへなけりゃ関わらなくて済むのによ」

「変換魔術……昔、土魔術家が管理していた一級危険魔術家であり」コツコツ

「人の常識を変換させる人格汚染魔術……でしたかな?」コツコツ

「変換魔術家は滅ばされたと聞きましたが……」コツコツ

執事「詳しくお話を聞かせてくれませんか? 土の眼帯さん」

眼帯「ジジィとお喋りする趣味は無いよ」ジャキン

執事(投影魔術で銃を作ったか……)杖カマエ

眼帯「知られたからには生きて帰すわけにはいかないね。 死にな!!」ダダダダダダ

カンカンカンカンカン

執事「知ってしまったからには……逃がすわけには行きませんな」フゥ

眼帯(ジジィの癖に……)クッ



172: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:27:59.53 ID:8NPPO1nPO

看護士「一級危険魔術家は殺s」バタン

召使い「はぁはぁ、やっと合流できた」

メイド「やっほ~、メッシー遅かったじゃん」

根暗「召使いく~ん! 怖かったよ! 怖かったよ!!」ウルウル

召使い「しがみつくな鬱陶しい! 俺と戦った時のお前は何処にいったんだ!!」グイグイ

根暗「だって、触手は使っちゃ駄目って……」エグエグ

メイド(敵の狙いは根暗を殺すこと……)

メイド(失敗しても、根暗が一般人に手を出したらそれを口実に処分するつもりっすね)

召使い「執事さんが術者を探し出してくれている。 もうすぐ、皆、正気に戻るだろう」

根暗「う、うん!」

メイド「あいよ~」



173: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:28:53.99 ID:8NPPO1nPO

【屋上】
眼帯「……くそ」バタン

隻腕「私の腕がn」ゴン!

執事「術者を気絶しただけで解ければ良いが……この歳で戦闘するものじゃないな」

執事「さて、私も合流しようか」

ザクッ

執事「……何処から、現れた?」

?「優秀な転移魔術の使い手がいてね」

?「包帯、二人を連れて先に帰っておいてくれ」

包帯「御意」シュルルル

執事「土の跡取り……自ら出向かれるとは……ぐふ」

?「変換魔術がまだ存在していることを、他の四大元素家に知られるわけには行かないんだ」

ザシュ

?「死人に口無し……と」ノビ



174: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:30:43.94 ID:8NPPO1nPO

【病院内】
根暗「あだ、痛い……怪我してたの忘れてた」

オタク「根暗!」

根暗「オタク君!」

お嬢「メイド! 召使い! 無事ですの?」

召使い「お嬢様!」

メイド「ちょりっす、お嬢。 私は元気だぜい」

僕っ娘「しかし、病院で集団洗脳魔術事件何て……物騒だな」

ポニテ「犯人も捕まったみたいだし良かったね」

メイド(そういう方向で処理されるんっすね)

ポニテ「根暗、災難だったわね」

根暗「え、あの……そだね」

根暗(一級危険魔術家とかそういうのは言わない方が良いよね?)チラ

メイド(とか、考えてくれてるんだろうな)コクン

僕っ娘(むっ、メイドと根暗がアイコンタクトした!?)

お嬢「とりあえず、皆さんが無事で良かったですわ」ニコ

「屋上だ!」「担架持ってこい!」「もう手遅れだ……死んでる」

ザワザワザワザワ

執事「」

お嬢「……へ?」

召使い「執事さん!?」

メイド「…………」



175: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 19:31:32.41 ID:8NPPO1nPO

―誰も死なないと思っていた

何れだけ大きな出来事が起こっても、皆で一緒に解決して当たり前のように次の日笑い合えると思っていた

僕は誰かが死ぬほどのことは起こらないと……信じていたんだ

お嬢「いやぁ!!」ポロポロ

『私達がこうして当たり前のように過ごしているのは特別なことなんっすよ』

―メイドの言葉が深くのし掛かる。 僕の日常は既に……壊されかけているのかも知れない



181: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:38:26.56 ID:8NPPO1nPO

【秀才宅】
秀才「……」

秀才(先日の病院での出来事は魔術社会から外れた魔術士が洗脳魔術で起こしたと報じられた)

秀才(しかし、警備員の目は洗脳魔術をかけられた虚ろな目ではなかったし……)

秀才(オタクとお嬢は何かを知っていたようだった……)フム

秀才母「早く朝御飯食べちゃいなさい。 今日は何時もより早く出るんでしょ?」

秀才「あ、あぁ……」

秀才母「そんな、上の空で大丈夫なの? 今日は運動会でしょ」

秀才「大丈夫さ、頑張ってくるよ」



182: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:38:59.23 ID:8NPPO1nPO

【2-B】
オタク「根暗殿! 根暗殿! 本日は待ちに待った運動会でござるよ!!」

根暗「体育祭とかじゃなくて……運動会なんだね」

オタク「魔術を使っても良い競技もあるので体育とは言い難い……という理由らしでござる」

根暗「なるほど……というより、オタク、何でそんなに楽しみなの?」

オタク「デュフフフ! 迸る女子達の汗! その香り!! 揺れるお○ぱい!! 溜まりませんな!!!!」

根暗「また、そんなこと言ったら……」

「また、エ口触手ブラザーズが何か言ってるぞ?」「オタク君になら嗅がれでも良いかも」「イケメンに限るってやつネ」

根暗(評価が変わってきてる! しかも、オタクだけ!?)

委員長「やぁ! やる気は十分なようだね?」

根暗「いや、僕は……その……」

委員長「借り物競争頑張っておくれよ?」

根暗「へ?……借り物競争?」

委員長「……もしかして、聞いてないか? 君が入院している間に参加競技を決めるクラス会があってな」

根暗「……借り物競争か……うん、まだ頑張れそう……かな」

委員長「よし! 皆、他のクラスに負けないぞ!!」



183: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:39:39.20 ID:8NPPO1nPO

【校庭】
生徒会長「宣誓! 我々生徒一同は校則とスポーツマンシップに乗っ取り! 正々堂々と競い合うこと誓います!!」

生徒会長「生徒代表! 生徒会t……ゴホゲボ」トケツ

「生徒会長が吐血した!」「またか!」「相変わらず体弱いな!」

副会長「以上、選手宣誓でした。 競技を開始します」

「副会長、相変わらずクールだな」「冷たいな」「そこが良いでござる」

放送部長「生徒会の皆さん、開会式ありがとうございました!」

放送部長「ここからは当学園のアイドル! 放送部長がお送りします」

放送部長「最初の競技は大玉転がしです! 参加選手は校庭中央に集まってくださいね♪」



184: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:40:05.88 ID:8NPPO1nPO

「頑張れ!」「やれ!大玉で轢き殺せ!!」「……いや、そういう授業じゃないぞ?」

根暗「僕の出番は……午後からか」

オタク「出番まで一緒に女子を観察するでござる」デュフフフ

根暗「オタクは何の競技に出るの?」

オタク「拙者は短距離争とリレーでござる」

根暗「走る競技ばっかりだね」

オタク「デュフフフ、拙者の足が火を吹くでござるよ」

根暗(本当に火を吹けそうだな……)



185: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:41:41.83 ID:8NPPO1nPO

ポニテ「短距離争、100m競争、リレー! くぅ、燃えてきた!!」

僕っ娘「ポニテ……朝からテンション高いな」ハァ

ポニテ「そりゃ、運動会よ! 運動会!! これは燃えるしか無いでしょ!! 陸上部の奴等に全競技で勝ってやるんだから!!」フンス

僕っ娘「はぁ、君が元気で嬉しいよ」

秀才「僕っ娘は何の競技に出るんだい?」

僕っ娘「……障害物競争」

放送部長「次は障害物競争です! 選手の皆さんは集まってください!!」



186: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:43:33.20 ID:8NPPO1nPO

僕っ娘「……はぁ、嫌だな」

オタク「おや? 僕っ娘殿! 出番ですかな?」

根暗「障害物競争に出るんだ?」

僕っ娘「あぁ……一人1つの競技に出ないといけないからね」ハァ

根暗「そうだね、僕も借り物競争に出るんだ」

僕っ娘「そうか……それは、応援しないとな」

根暗「別のクラスを応援して良いの?」

僕っ娘「それもそうか……」クス

根暗「じゃあ、お返しに僕も僕っ娘さんを応援するね……頑張れ!」

僕っ娘「あ、あぁ! 頑張ってくるよ!!」



187: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:45:48.70 ID:8NPPO1nPO

審判「位置について、よーい……ドン!!」

僕っ娘「……!!」ダッ コケ

放送部長「おっと! 2-Cの僕っ娘さん、最初の障害物の前にこけてしまった! これは恥ずかしい! !」

クスクス

僕っ娘「……」///

ガンバレ

僕っ娘「……?」

根暗「頑張れ! 僕っ娘さん!」

クラスメイト「何、別のクラス応援してるんだよ!」

オタク「黙るでござる」デュクシデュクシ

クラスメイト「止めろ! 横腹をつつくなよ!」アッアン///

根暗「頑張れ! 僕っ娘!」

僕っ娘「あぁ……頑張るよ」ダッ



188: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:46:51.25 ID:8NPPO1nPO

僕っ娘「はぁ……結局ビリだったよ」

ポニテ「ナイスファイト! 擦りむいたりしてない?」

僕っ娘「あぁ、大丈夫だ」

秀才「さて、次は俺の出番だね」

ポニテ「男子の短距離争か」

秀才「皆、応援してくれたまへ」

ポニテ(あっ、オタクも出るんだ)



189: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:47:38.46 ID:8NPPO1nPO

審判「次の走者! 位置につけ!」

オタク「デュフフフ、拙者の一人勝ちでござるよ」

「それはどうかな?」

オタク「き、貴様は……秀才!!」

秀才「Exactry! 俺だ!!」・

オタク「くっ! 貴様も参加するのか!?」

秀才「あぁ、これで勝った方が土中生物釣り上げ隊の副隊長だ」キリ

オタク「その勝負……乗った!!」

2-A・2-D走者(仲良いな……こいつら)



190: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:48:24.58 ID:8NPPO1nPO

オタク「我が副隊長なり!」ドヤ
秀才「」ズーン

2-A走者(あのオタク、何で2着なのに喜んでるんだ?)←1着

放送部長「次は女子の短距離争です」

オタク「ほら、平隊員! 戻るでござるよ」

秀才「」ズーン

ポニテ「やっ、オタク」

オタク「……ポニテ殿、出るでござるか?」

陸上部A「陸上部B、頑張ってね」

陸上部B「行ってくるね」

ポニテ「……オタク、勝ってくるね」



191: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:49:27.35 ID:8NPPO1nPO

審判「次の走者! 位置につけ!」

陸上部B「……元陸上部のあんたが現役の私に勝てると思ってるの?」

ポニテ「……元陸上部? 嫌な肩書きね」

陸上部B「はぁ?」

ポニテ「私は……魔法薬研究会のポニテよ!」

「よーい!ドン!!」



192: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:50:13.68 ID:8NPPO1nPO

「疲れたね」「お昼一緒に食べよ!」「3年はA組、2年はC組、1年はB組が1位か」

ポニテ「ふふふ、気分良いわ」

僕っ娘「ポニテ……すごく早かったね」

ポニテ「素材集めで野山を駆けずり回ってるからね! 衰えてないのよ!!」フフン

秀才「さて、ご飯にしよう! 根暗達を誘いに行くが君達もどうだい?」

僕っ娘「む? 根暗達とは理科室で一緒に食べる約束をしているぞ?」

ポニテ「三編みが迷惑をかけたお詫びに全員分のお弁当を作ってきたのよ」

秀才「……えっ、俺呼ばれてない」

僕っ娘「だって君は魔法薬研究会じゃないだろ?」

秀才「」ズーン

僕っ娘「冗談だ、秀才も行こう」

秀才「う、うん……」ズーン

ポニテ(本気で凹んでる……)



193: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:51:25.16 ID:8NPPO1nPO

【理科室】
「うぉぉぉぉおおお!!」

秀才「これ、全部三編みさんが作ったのかい?」

オタク「すごいでござる! ご馳走でござる!!」

ポニテ「ふふふ、自慢の妹の手料理よ! 男子供、味わって食べなさい」フンス

僕っ娘(得意気だな……)

僕っ娘「……なぁ、根暗、さっきは……応援してくれて」

三編み「ね、根暗先輩には特にめ、迷惑をかけたので……こんなの作ってみました」

根暗「え……あの、その」

ポニテ「うちの妹の好意を無下になんてしないわよね?」ピキピキ

根暗「い、いただきます!」

三編み「しょ、触手丼です!」つ触手丼

オタク「おぉ、根暗殿の触手とそっくりでござる」

秀才「いや、見た目が気持ち悪過ぎd」

ポニテ「……」ピキピキ

秀才「ごめん、俺が悪かった。 肉体強化してアイアンクローするのは止めてくれ」

根暗「……」パク

根暗「うまぁ」ポワァ

オタク「……根暗殿の緩みきった顔初めて見たでござる」

僕っ娘(お礼を言うタイミングを逃してしまった)ズーン



194: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:52:14.21 ID:8NPPO1nPO

『運動会、お父様もお母様も来られないの?』

『旦那様も奥様もお忙しいのです』

『私のことなんて……誰も応援してくれないのね』

『そんなことございません、代わりにこの執事めが全力で応援いたします』

『本当?』

『えぇ、ですのでそんな哀しい顔をしないで下さい。 お嬢様の魔術が陰ってしまいます』

『魔術? 哀しい顔をしていたら水魔術が弱ってしまうの?』

『いいえ、違います。 お嬢様の笑顔には人を元気にする魔術があるのです』

『運動会も音楽祭も文化祭もこの執事めが毎年欠かさず応援にかけます。 ですので』

執事『どうか笑顔を絶やさないでくだされ、御嬢様』ニコ



195: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/23(月) 23:55:01.59 ID:8NPPO1nPO

お嬢様「……嘘つき」



200: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 03:58:25.03 ID:PvIc79HHO

―執事ならどんなお願いをしても良いと思ってた
『執事、あの男の子を拾いたいの』

『はっ、お嬢様。 召使いとして雇えるように手回ししましょう』

『執事、侵入者を排除して』

『かしこまりました。 5分ほどお時間を頂戴いたします』

『執事、地下に閉じ込められてる彼女を自由にしてあげて』

『ふむ、では監視するという名目でお嬢様の近くに置かれましては?』

『執事! あの暴漢達を倒して!』

『はっ! ただちに!!』



『執事……根暗さんの護衛をお願い』

『はい、命に代えましても』ニコ



201: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 03:59:21.39 ID:PvIc79HHO

【校庭】
放送部長「お昼休みが終わりまして、運動会もいよいよ大詰めです! 午後の部最初の競技は……」

放送部長「かり物競争だ!!」

「「「うぉぉぉぉおおお!!」」」

根暗「え、何この盛り上がり……」オロオロ

放送部長「今年も命知らずの馬鹿共がこの修羅場に名乗りを上げた!!」

根暗「命知らず? 修羅場?」タラタラタラ

放送部長「今年、馬鹿共に狩ってもらう獲物は此方! 」

アウルベア「ガルルルフウゥゥ!!」

根暗「」アングリ

放送部長「さぁ!最も速くこの化け物を狩れるのは誰だ!! 狩り物競争スタート!!」



202: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:00:23.82 ID:PvIc79HHO

「担架だ! 担架を持ってこい!」「1年生にはまだアウルベアは早かったな」「白目向いてるぞ?」

放送部長「おーっと、1-B組のボウズ君以外脱落だ!」

ボウズ「……」ペコ

放送部長「次は2年の選手入場だ!!」

放送部「荒事ならば、カツアゲで鍛えた雷撃魔術がものを言う! 全校生徒のお小遣い日を把握している男!!」

放送部「2-D! 不良!!」

不良「シャッア!!」

ヤンキー「やっちまえ!!」
DQN「へまするなよ!」

放送部長「堅物系委員長キャラは既に私が完成させた! 2-Aからは優等生の参戦だ」

優等生「……ふっ」

モブA「優等生! 負けんなよ!!」

放送部長「唯一の女性参加者! しかし、その実力は折り紙付! 現代に生きる暗殺者!! 2-C、無口!!」

無口「……」

秀才「志願したから出したが……心配だな」
ポニテ「すごい強いって噂だし大丈夫じゃない……多分」

放送部長「何故君が! 何故この戦場に!? 触手魔術に何が出来る? エ口触手ブラザーズの片割れ!! 2-B、根暗!!」

根暗「……借り物競争じゃないじゃん」ガクブル

オタク「デュフフフ、頑張るでござるよ」
委員長「……良いのか? 出して良かったのか、私」



203: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:01:40.91 ID:PvIc79HHO

放送部長「それでは、狩り物競争二年の部! 始め!!」

不良「俺の雷撃魔術で瞬殺してやるよ!」ビリビリ

アウルベアA「……」ポリポリ

アウルベアA「ガウル!」ブン

不良「あふん!」バタン

放送部長「おーっと、早くも一人脱落だ! このままでは他の生徒も……な、何だって!?」

アウルベアB「」プスプス

優等生「……ふん、下らん」

アウルベアC「」ザシュ
無口「……」

アウルベアD「」プラーン
根暗「こ、恐かった……」ニョロン

放送部長「 アウルベアを他の3人は瞬殺した!!」

審判「1位優等生、同率2位無口と根暗!」



204: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:03:04.83 ID:PvIc79HHO

根暗「も、戻ったよ」

「根暗!凄いじゃないか!!」「お前、闘えたんだな!!」「触手魔術……隙はあるが、強いな」

根暗「えっ、あの……その……ども」ペコ

オタク「デュフフフ、人気者でござるな。 根暗殿」

根暗「うぅ……あの、うぅ……」オロオロ

委員長(……この感情が萌えなのだろうか?)



205: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:03:35.67 ID:PvIc79HHO

「私達のD組がビリか……」「何か今日は調子出ないな」「最後のリレーでも負けたら最下位で終わりだな」

召使い「お嬢様! もうすぐ、出番でございます。 アンカー、頑張って下さいね」

お嬢「……えぇ」

召使い「お嬢様……」

メイド「お嬢、何時まで凹んでるつもりなんすか? 正直、うぜーっすよ?」

召使い「メイド!」

メイド「執事のじいさんのことでセンチメンタルになるのは理解出来るっすが……」

メイド「クラスの雰囲気悪くするの止めるっすよ」

お嬢「……うるさいわ」

お嬢「うるさいわよ! もう、私のことを心から応援してくれる人はいないの!」

召使い「そんなことは……私がおります」

お嬢「召使いからの応援なんていらない!!」

召使い「……」ダッ



206: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:04:12.64 ID:PvIc79HHO

メイド「……お嬢」

お嬢「何よ、メイド! 慰めなんて……ゴフッ」

メイド「うぜーってんだろ?」ドスドス

お嬢「メイド……腹パンは……止めて……」グヘ

おさげ「メイドさん、やり過ぎだよ……」

メイド「自分だけ辛いつもりっすか? 自分だけが執事のじいさんと思い出があると? ざけんなよ!?」グイ

メイド「私だって……召使いだって……辛いんだ。 それでも……それでも」

メイド「お嬢に笑ってほしいから、立ち直って欲しいから……平気な顔してんだよ!!」

『お嬢様の笑顔には人を元気にする魔術があるのです』

お嬢「………メイド、うぜーって教えてくれてありがとう」ニコッ

メイド「おう、ズットモだかんな」ニカ

「やっと、我らがお嬢様が笑ってくれたか」「ムードメイカー帰ってくるのが遅いんだよ」「最下位脱却だ!」



207: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:04:53.29 ID:PvIc79HHO

放送部長「さて、いよいよ運動会も大詰めです! 残すは男子リレーと女子リレーだけとなりました!!」

放送部長「さて、最後の競技の前に無事保健室から帰還した生徒会長から一言いただきましょう」

生徒会長「皆! 最後まで悔いの残らぬように精一杯……ゴホ」トケツ

放送部長「はい、お約束ありがとうございます! では、男子リレーに参加する選手は校庭の中央に集まってくださいね♪」

生徒会長「そ、その前に保健室に連れていってくれ……」

放送部長「どんだけ、体弱いんですか?」

副会長「会長を回収しに来ました」

放送部長「お疲れ様です!!」



208: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:05:55.43 ID:PvIc79HHO

オタク「デュフフフ、それではリレー行ってくるでござるよ」

根暗「男子リレーが先なんだね……、頑張って」

オタク「任せるでござるよ、拙者がクラスに勝利を導いてみせるでござる」

「果たして、出来るかな?」

オタク「き、貴様は……秀才!!」

秀才「Exactry! 俺だ!!」

オタク「……いや、何で来たでござる? 秀才はリレー出ないんでござろう?」

秀才「……別に寂しかったから、根暗と話に来た訳じゃ無いからな」

オタク「クラスに友達いないんでござるか?」

秀才「」ズーン

オタク「いや、本当に悪かった」

委員長「ははは、君達は面白いな。 根暗君に愉快な友達が出来て良かったよ」

オタク「エ口触手ブラザーズの名付け親としてでござるか?」

秀才「彼女が名付け親だったのか」ホゥ

委員長「その事はもういいだろ? なぁ、根暗君」

根暗「いくざくとりぃ、僕だ……何か違うな……いくざくとりぃ、僕だ!」

オタク「あ、根暗殿もこのノリに参、加したかったんでござるな」

委員長(何か可愛いな)キュンキュン



209: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:08:27.34 ID:PvIc79HHO

放送部長「それでは!男子リレーを開始します!」

審判「位置について! よーい、ドン!!」

「頑張れ!」「負けんな!!」「抜け抜け!!」

秀才「おっ!オタクの番だ!!」

委員長「頑張れ! オタク君!!」

根暗「頑張れ!……ん?」

秀才「どうした? 根暗」

根暗「ごめん……ちょっと行ってくる」



210: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:10:11.70 ID:PvIc79HHO

【校舎裏】
メイド(……お嬢につい腹パンしてしまったっす)ハァ

根暗「……メイド、さん」

メイド「おっと、これは根暗。 どうしたっすか?」

根暗「校舎裏に行くのが見えたから……何かあったのかと思って」

メイド「心配してくれたんっすね? 何でも無いっすよ」

根暗「そ、そうなんだ……えっと、それで……」

メイド「何か用っすか?」

根暗「…………ねぇ、この前の病院でのことだけど」

「本当に狙われてたのはメイドさんなの?」



211: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:17:18.56 ID:PvIc79HHO

オタク「デュフフフ! 我が組が1位でござる!!」

秀才「オタクは抜かれてたけどな」

オタク「か、勝てば良かろうなのだ!!」

オタク「むむむ、ところで根暗殿は?」

秀才「いや、何処かに行ったきり……あ、戻ってきた」

根暗「……」

オタク「酷いでござるよ……拙者の勇姿を見てくださら無いなんて」

根暗「……ごめん」

オタク「どうしたでござる、根暗殿?」

根暗「……何でも無いよ、オタク君」

秀才(ん? 君呼びに戻っている……)



212: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:17:58.43 ID:PvIc79HHO

メイド「ただいま戻ったっす」

お嬢「おかえりなさい、メイド。 何処に行ってたんですの?」

メイド「便所っす! 大の方っす!」

お嬢「……メイド、下品よ」

メイド「お嬢、下品って教えてくれてありがとうっす」

お嬢「ふふふ、それでは行って参りますわ」

お嬢「私がこのクラスを勝たせてみせますわ」オーホッホッホッ

お嬢(召使い……帰ってこないのね)



213: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:19:55.54 ID:PvIc79HHO

放送部長「本当に最後の種目になりました! 女子リレーです! 生徒会長も言われましたが……悔いの残らぬように精一杯走りましょう!!」

審判「位置について! よーい、ドン!!」

「頑張れ! 頑張れ!」「抜け抜け!!」「お○ぱいが揺れてるでござるよ!」「黙れ!!」

放送部長「2年生女子リレー、先頭は現在総合得点最下位のD組、ここに来てスイッチが入ったか?」

放送部長「その後を追うは男子リレーで1位を獲得したB組! C組、A組と続きます」

お嬢(……頑張るのですわ、私)

お嬢(クラスの皆さんが応援してくださっているのだもの)

お嬢(皆さんが応援……してくださっているもの)
―そこに執事はもういない

お嬢(……)
―私が根暗さんの護衛を命じたばかりに……

お嬢(………)
―執事は死んだ



214: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:20:50.85 ID:PvIc79HHO

女子生徒「お嬢さん! お嬢さん! バトン受け取ってよ!!」

お嬢「えっ、あの……はい」

放送部長「おぉーっと、1位だったD組! バトンの受け渡しでトラブルか? 一気にビリまで落ちてしまった」

「お嬢! 何やってんだよ!」「しっかり走れよ!」「ぼけーっとしてんじゃねぇ!!」

お嬢(もう……応援してくださらないのね)

お嬢(クラスの皆さんも……もう……)グス

お嬢(あんなに距離が開いて仕舞いましたわ……もう諦め……)

「お嬢様! 頑張れ!!」

召使い「お嬢様! 頑張れ!!」パタパタ

お嬢(召使い……私、酷いこと言ったのに……)

放送部長「おっと、私にも負けないぐらい大きな声! 何だ?あの旗は!?」

召使い「お嬢様! 頑張れ!!」パタパタ

旗≪頑張れ! 我らがお嬢様!!≫

お嬢(……あの、旗は)

『執事! 旗まで作って応援されたら恥ずかしいですわ!!』

『しかし、本気で応援すると言いましたし……』

『加減というものが……いえ、ありがとう』

『ふふふ、どういたしまして』

お嬢(執事の……旗だ……)

『ねぇ、執事……ずっと私の近くにいてくださる?』

『私の方が随分と歳が上ですからな……ずっと一緒は無理ですな』

『そう……』

『しかし、悲しむことはありませんぞ? ……私がいなくなってもお嬢様は一人ではありませんからな』

メイド「お嬢! 頑張れ!! 諦めんな!!」

『水魔術家の使用人たちは皆、お嬢様を敬愛しております』

召使い「フレー! フレー! お・嬢・様!!」パタパタ

『お嬢様が目をつぶらない限り、お嬢様が耳を塞がない限り一人になることはございません』

『ですが、欲を言いますと。 私としては使用人だけでなく、支え合える友を作って欲しく思います』

僕っ娘「……ばれ」

僕っ娘「ポニテもお嬢も頑張れ!!」

『お嬢様の笑顔で皆を元気に出来るよう、皆の笑顔でお嬢様が元気になれるよう』

根暗「お嬢さん、 頑張れ」

おさげ「お嬢さん、負けないで!」

オタク「お嬢! 最後まで走れ!!」

『そんな友人に……恵まれて欲しいですな』

メイド・召使い「「頑張れ!!」」

お嬢(―執事……ありがとう)

―さようなら



215: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 04:21:55.19 ID:PvIc79HHO

お嬢「皆さん、すみません。 結局ビリになってしまいましたわ……」

おさげ「お疲れ様、頑張ったね」

メイド「ナイスラン!」グッ

召使い「走る姿の美しさだけならばお嬢様が1位でした」

お嬢「オーホッホッホッ、美しさなら一番? 当たり前ですわ」

お嬢「……召使い、ありがとう」ボソッ

召使い「はい? 何か言われました?」

お嬢「何でも無いですわ」フフ

放送部長「これにて運動会を終わります……皆様、お疲れ様でした!」



221: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:01:22.27 ID:uIoLL9VXO

【運動会当日・校舎裏】
根暗「…………ねぇ、この前の病院でのことだけど」・

「本当に狙われてたのはメイドさんなの?」

メイド「……」

根暗「……」

メイド「……本当のことが知りたいんっすか?」

根暗「うん……何も知らないうちに、誰がを失うのは嫌だから」

メイド「……同族のよしみっす。 教えてあげるっすよ……私達、一級危険魔術家のことを」



222: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:01:56.74 ID:uIoLL9VXO

【2-B】
オタク「根暗殿、聞いてるでござるか?」

根暗「へ……あっ、はい」

オタク「もう、聞いてなかったでござるな?」

根暗「ご、ごめん……考えことしてて……何だっけ」

オタク「だから、夏休みの予定でござるよ!」

根暗「な、夏休みか……僕は特に予定が無いな」

オタク「ならば、遊びまくるでござる! 魔法薬研究会で合宿とか、少し遠出して珍しい土中生物釣り上げたりするでござる!!」

根暗「……うん」

委員長「楽しそうな話をしているね」

オタク「おっ! 委員長殿も一緒に遊びに行くでござるか?」

委員長「ははは、考えとくよ。 君達、夏休みの前に期末テストがあるのを忘れたらいけないよ?」

オタク「」

根暗「オタク君?」

オタク「思い出したく無かったでござる、思い出したく無かったでござる」ブツブツ



223: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:02:31.41 ID:uIoLL9VXO

【運動会当日・校舎裏】
根暗「つまり、僕達の一族は魔術社会を脅かす……可能性があるってこと?」

メイド「そうっす、それが一級危険魔術家っすよ」

根暗「それで、それを管理……監視するのが四大元素家の役割ってことか」

メイド「四大元素家の役割の1つってだけっすよ」

根暗「……つまり、オタクが僕に近付いたのは……監視するためだったということ?」

メイド「……」

根暗「……教えてくれて、ありがとう」



224: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:05:24.17 ID:uIoLL9VXO

【理科室】
僕っ娘「ということで、夏休みを補習で潰さないように皆でテスト勉強をしよう!」

ポニテ「嫌でござる! 嫌でござるよ!」ブルブル

僕っ娘「ポニテ、現実逃避しない」

オタク「デュフフフ、二次元の扉を探してくるでござる」

根暗「オタク君、戻ってきて」

「全く、君達はしょうがないな」

根暗「き、貴様は……秀才!」

秀才「Exactry! 俺だ!!」

秀才「君達に俺が勉強を教えてやろう!!」ドヤ

ポニテ「おぉ、秀才様!!」アリガタヤー

オタク「後光がさして見えるでござる」アリガタヤー

僕っ娘「……僕も成績良いからな? 座学は」

根暗(あの、ノリ出来た)ルンルン



225: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:14:27.32 ID:VhntC0quO

秀才「俺がオタクとポニテに勉強を教えよう。 僕っ娘と根暗は二人で勉強してくれ」

根暗「へ? 僕っ娘さんと二人で?」

秀才(これで良いんだな、 僕っ娘?)チラ

僕っ娘(うむ、上出来だ秀才!)グッ

僕っ娘『秀才、僕と根暗が二人でテスト勉強出来るように計らってくれたら、好きな薬を調合してやろう』

秀才『ほう、良いだろう』

ポニテ『何、買収されてるの? まぁ、私も協力するけどさ』



226: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:15:24.00 ID:VhntC0quO

【図書室】
オタク「なるほど、そういうことだったのでござるか」

ポニテ「夏休みまでに進展させたいって焦ってる見たい」

ポニテ(まぁ、私も焦ってるけどね)チラッ

オタク「根暗殿はそういうの疎そうでござるもんな」デュフフフ

ポニテ(あんたが言うな!!)

お嬢「あら! そこにいらっしゃるは若さm……オタク様ではありませんか?」

オタク「おっ、お嬢もテスト勉強でござるか?」

お嬢「私と言うか……彼ですわね」

召使い「」ドヨーン

ポニテ(召使い君、賢そうなのに……)

お嬢「私は学年5位圏内の天才ですからね」オーホッホッホッ

メイド「お嬢、自分で天才とか言ってるとバカみたいっすよ」

お嬢「メイド、バカみたいって教えてくれてありがとう」

メイド「気にすんなよ、ダチ公」



227: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:15:59.63 ID:VhntC0quO

【理科室】
僕っ娘「それでな、ここの公式に……」

根暗(すごい、太もも撫でられてる……)アセアセ

根暗「あっ、なるほど……解けた」

僕っ娘「…………なぁ、根暗」

僕っ娘「何かあったのかい?」

根暗「……」

僕っ娘「運動会から様子がおかしくないか?」

根暗「ど、何処がおかしいのかな?」オロオロ

僕っ娘「オタク君と何かあったのかい?」

根暗「!?」ドキーン



228: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:20:24.68 ID:VhntC0quO

【図書室】
召使い「」ドヨーン
オタク「」ドヨーン
ポニテ「」ドヨーン

秀才「ふう、これで赤点は免れるだろう」

お嬢「秀才さんは本当に賢いですわ。 私でも難しいところをあんなにも解りやすく教えるなんて」

秀才「俺も最初は解らなかったからな。」

秀才「 問題を解説するというより、自分が理解できた過程を伝えるって感じだ」

お嬢「なるほど、為になりますわ」

秀才「四大元素家のお嬢様にそこまで褒められると照れるな」

お嬢(秀才さんは若様の正体を知らないんですわね)



229: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:21:39.51 ID:VhntC0quO

【理科室】
根暗「……ねぇ、僕っ娘さん」

根暗「楽しい毎日が……嘘の上で成り立ってたとしたら……僕はどうしたら良いんだろうね」

根暗「幸せなのに……それが全部嘘で塗り固められた日常で……誰かの掌で過ごしてるに……過ぎなくて」

僕っ娘「……」

根暗「僕が親友だと思ってた人が……僕のことを」ピト

僕っ娘「それ以上は言わない方が良い」

根暗「……」ツー

僕っ娘「それに嘘をついたのは君も一緒だろ?」

「だって君は、本当は……全部嘘だなんて思ってないのだから」



230: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:22:12.46 ID:VhntC0quO

『同じクラスに触手使いがいるとは……これは捗りますぞ~!!』

『 放課後、僕っ娘殿に材料を渡して、次の材料を根暗殿と取りに行くのが……楽しいんでござる!』

『エ口触手ブラザーズではかっこつきませんな』・

『え? 一緒に食べる? 次の釣り? 呼捨て……ね、根暗殿の浮気者!!』

『……デュフフフ、楽しんでるでござるな? 根暗殿』

『デュフフフ、野暮なことはしないでござるよ』



231: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:22:57.86 ID:VhntC0quO

根暗「そうか……僕は信じれなかったのか」ツー

「オタクの行動が全て嘘だと……信じれないのか」

ガタッ

根暗「オタクのところに言ってくる」ダッ

僕っ娘「……はぁ、夏休みまでに進展させたかったんだけどな」ハァ

ガチャ

根暗「はぁはぁ」

僕っ娘「何だ? もう戻ってきたのか?」

根暗「何と言うか……僕っ娘さんと話して……その整理が出来て……」

根暗「ありがとう。 僕は……君のこと、好きだ」

僕っ娘「なっ!?」///

根暗「じ、じゃあ、 行ってくるね!」ダッ

僕っ娘「……全く、友達としてと付け加えてくれないと」ヤレヤレ

僕っ娘「期待してしまうじゃないか」フゥ



232: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:23:46.88 ID:VhntC0quO

【図書室】
秀才「さてと、じゃあ今日ここまでで解散しよう」

ポニテ「うがあぁぁ!! 頭パンパンだ!! 私、走ってくる!!」ドドドド

召使い「俺もご一緒させてもらう!!」ドドドド

お嬢「図書室で走ってはいけませんわ」

メイド「召使いはバカっすね……うん、ポニテもバカっすけど」フゥ

秀才「メイドさんは勉強しなくて良かったのかい?」

メイド「うす、私は何時でも平均点ピッタリを狙う女っすから」

秀才「いや、ちゃんと勉強しなよ」

オタク「疲れたので帰るでござる……おや?」

秀才「どうした?」

オタク「忘れ物したから教室に取りに行ってくるでござる」



233: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:25:04.40 ID:VhntC0quO

【2-B】
オタク「あった、あった」

同人誌≪触手攻め女騎士ちゃん≫

オタク(……最初は根暗を孤立させる為に買ったんだがな)ペラペラ

オタク「ははは、本当に好きになるとはな」

「最初は好きじゃ無かったんだ」

オタク「き、貴様は……根暗」

根暗「Exactry! 僕だ!!」

オタク「……どうしたでござるか?」

根暗「オタクに聞きたいことがたくさんあってさ」

オタク「そうでござるか……俺も、根暗にばらさないといけない嘘が……」

根暗「でも、やっぱり良いや」

オタク「へ?」キョトン

根暗「同人誌……今は好きなんでしょ?」

オタク「……あぁ」

根暗「最初は嘘でも……本当になることもあるって解ったから……もう良いんだ」ニコ

オタク「……そうか」

根暗「一緒に帰ろう、オタク」



234: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:26:30.26 ID:VhntC0quO

【理科室】
オタク・ポニテ「テスト終わった!!」

オタク「終わったでござるよ! これでやっと夏休みでござるよ!!」

ポニテ「秀才のお陰で赤点も回避だからね! ありがとう!!」

秀才「フッ、どうってこと無いさ」

僕っ娘「何で、魔法薬研究会じゃない君が当たり前のようにいるんだい?」

秀才「僕っ娘は何で俺に当たりが厳しいんだ?」

秀才「大体、彼らだっているじゃないか!?」

お嬢「オーホッホッホッ、私は僕っ娘の友人だから良いんですわ」

僕っ娘「夏休みの魔法薬研究会での活動を支援してもらうことになったんだ」

根暗「し、支援?」

僕っ娘「僕達、魔法薬研究会は夏季合宿を行う! 場所は水魔術家所有の離れ小島! 水魔島だ!!」


オタク・ポニテ・根暗「な、な、何だってーーーー!!」

秀才「……俺もついていって良いかな? 良いよな?」



235: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 19:30:20.11 ID:VhntC0quO

メイド「まぁ、どうせなら大勢で行くっすよ」

召使い「水魔島にはお嬢様の別荘があり、大人数でも夏休みの期間中ぐらいなら生活が出来る」

オタク「お嬢、どういうつもりだ?」コショコショ

お嬢「こうした方が夏休み中も根暗さんとメイドを守りやすいかと思いまして」コショコショ

オタク「デュフフフ! 拙者は賛成でござる! 初日から最終日まででもいるでござるよ!!」

お嬢(若様と夏休みを過ごせる)ルンルン

僕っ娘「では、夏休み初日から最終日まで楽しく凄そう!!」

僕っ娘(根暗と夏の思い出を作ってやる!)グッ

ポニテ(オタクと夏休み過ごせるのか)ドキドキ

秀才(本当に連れていってくれるよな?)ドキドキ

オタク(水魔島か……土魔術家も手を出し辛そうだな)フム

メイド(面白そうなことが起きそうっすね)

根暗(……あっ、何かすごい楽しみになってきた)

(……俺はこのままで良いのだろうか?)

お嬢「召使い! 色々と準備お願いね」

召使い「はっ! 畏まりました!」

召使い(俺は……執事さんの分まで、お嬢様を守っていけるのだろうか?)



245: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:04:16.10 ID:Dv+fxQIUO

【水魔島・海岸】
根暗「な、夏だ!」

秀才「海だ!」

オタク「水着だ!!」

秀才・オタク「ひゃっほーい!!」

根暗「うぅ、二人ともテンション高いな……」

ポニテ・メイド「ひゃっほーい!!」

僕っ娘「こっちもテンション高いな」

三編み「私も来ても良かったのでしょうか?」

お嬢「三編みさんでしたっけ? ポニテさんの妹ならば、大歓迎ですわ」

僕っ娘「ふむ、良いところだな。 これなら薬の材料がたくさん取れそうだ」

召使い「お嬢様、バーベキューの準備をしてきます」

お嬢「あら、召使いも遊んで良いのよ?」

召使い「いえ……私は……」



246: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:05:28.30 ID:Dv+fxQIUO

根暗「ぼ、僕も手伝う!」フンス

お嬢「根暗さん!?」

召使い「ん? いや、結構だ……客人にやらせるわけにはいかない」

根暗「召使い君、ずるいよ……僕知ってるんだ」

根暗「バーベキューは準備が一番楽しいって!」ドヤ

召使い「はぁ?」

根暗「いや、やったことは無いけど、お爺ちゃんが言ってて……その、やる機会があればやってみたいって」

お嬢「あらあら、客人にここまで言われてしまったら断れませんわね」

召使い「……解った、根暗も手伝ってくれ」

根暗「う、うん」



247: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:06:17.78 ID:Dv+fxQIUO

ポニテ「ビーチバレーしよう!」

メイド「良いっすね、ボール取ってくるっす」

秀才「おいおい、君達……俺とオタクのタッグに勝てると思ってるのか?」

オタク「そうでござる! 二人合わせて根暗親衛隊でござるよ!!」

メイド「オタク様ってやっぱりホモなんっすか?」

ポニテ・お嬢「なっ!?」ガーン

オタク「し、親衛隊と言ってもそういうのではなく……な、秀才」

秀才「……あぁ、オタク。 俺は友達止めない安心しろ」ドンビキ

オタク「秀才!!」

僕っ娘「オタク……僕の目の前で根暗親衛隊を名乗るとは良い度胸だ」ギロリ

オタク「い、今までにない気迫を感じるでござる!!」ダッ

僕っ娘「逃げたぞ! 追え!!」

ポニテ「女の良さを教えてやる!」
お嬢「ホモを治して差し上げますわ!」

オタク「そもそも、ホモじゃないでござる!!」



248: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:07:27.77 ID:Dv+fxQIUO

根暗「~♪」カチャカチャ

召使い「……そんなに楽しいか?」

根暗「う、うん……こういうの初めてだから」

召使い「初バーベキューか」

根暗「そ、それだけじゃ無くて」

根暗「海を見るのも……島に来るのも……皆で夏休みを過ごすのも……全部が初めてで……その……」

召使い(こいつは社会から隔離されていたんだったな)

根暗「……召使い君は楽しくないの?」

召使い「……どうして、そう思う」

根暗「何と言うか……思い詰めた顔してるから」

召使い「……お前には関係ない話だ」

根暗「そ、そうだよね」

召使い「昼に間に合わなくなる……手を動かせ」テキパキ

根暗「うん……」カチャカチャ チラッ

召使い「……」テキパキ

根暗「……」カチャカチャ チラッチラッ

召使い「……」テキパキ

根暗「……」チラッ カチャカチャ チラッチラッ

召使い「何故そうも気にする! 俺が困っていてもお前には関係無いだろ!?」

根暗「ひっ、あの、その……病院で助けて貰ったから……お礼を……」

召使い「……なるほど、そういう奴なんだな」ハァ

根暗「ごめんね、聞いたところで解決案も何も出せない癖に……鬱陶しくて……その」

召使い「……不安なんだ」

根暗「へ?」

召使い「俺が執事さんのようにお嬢様を守っていけるのか……不安なんだ」



249: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:08:07.03 ID:Dv+fxQIUO

メイド「お疲れ様っす」

お嬢「流石に捕まえれなかったですわ」

メイド「ポニテとオタク様はまだ追いかけっこしてるっすね」

メイド「……それより、どうして召使いのこと根暗に任したんっすか?」

お嬢「私じゃ、何で悩んでるか聞き出せないから」

お嬢「私は主で、貴女は同僚……他の皆様とはあまり面識がありませんわ」

メイド「オタク様には対抗心燃やしてるっすしね」

メイド「消去法で言ったら根暗が妥当ということっすね」

お嬢「完全な消去法ってわけでも無いのですわ」



250: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:08:58.50 ID:Dv+fxQIUO

【2-B教室前】
お嬢(若様を誘って下校デートしますわ♪)

お嬢(……ん?中から声が)

「でも、やっぱり良いや」・

「同人誌……今は好きなんでしょ?」・

「最初は嘘でも……本当になることもあるって解ったから……もう良いんだ」ニコ・

お嬢(……今日は一人で帰りますわ)クス

【水魔島・海岸】
お嬢「根暗さんは人の在り方を否定されない方だから……」クス



251: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:09:36.66 ID:Dv+fxQIUO

根暗「無理だと思うよ」キッパリ

召使い「なっ、何だと!?」

根暗「ひっ、だって……だって……」

召使い「……俺にはお嬢様を守れないってことか」

根暗「いや、そうじゃない」

根暗「執事さんのようには守れないって……ことで……」

召使い「どういうことだ?」

根暗「守るってことは、その相手のことを大事に思うってことで、どう大事に思ってるかで……変わると思うんだ」

根暗「た、例えば、僕はオタクのことも僕っ娘さんのことも大事に思ってるけど……同じ対応はしないし」オドオド

召使い「……どう大事に思うかで変わるか」フム

根暗「……召使い君はどうしてお嬢さんを守りたいの?」



252: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:10:26.51 ID:Dv+fxQIUO

【路地裏】
ポツポツポツポツ
「何だ、あの小汚い小僧は?」

「知らないの? 最近取り潰された魔術一家の一人息子よ」

「あぁ、魔術で一般人を殺した殺人鬼一家か……おっかないな」

「あんな子供でも魔術が使えるんだ。 関わらないにこしたことは無いよ」

―殺人鬼の子は殺人鬼さ

ザーザーザーザー

男の子(寒いな……このまま死ぬのか? 殺人鬼にはお似合いの最後か……)

お嬢「……」つ傘

男の子「……」

お嬢「風邪引きますわよ? 私のお屋敷にいらっしゃい」

男の子「殺人鬼なんて拾ってどうするんd……って止めろ!額を触るな!!」

お嬢「角が無いですわ? 何処が鬼なのかしら」ペタペタ

男の子「止めろ! 同情で助けられても迷惑だ! どうせ何時か俺を人殺しの息子だって追い出すんだろ!!」

お嬢「そうかも知れませんわね」

男の子「なっ!?」

お嬢「自分を殺人鬼と諦めているなら私は何時か追い出しますわ」

「だから、代わりなさい」

お嬢「追い出されないような男に! 私に必要とされるほどの男に!」

お嬢「この水魔術家のお嬢には過ぎ足るものと言われるほどの男になって魅せなさい!!」

お嬢「自分が何者か何て、周りに決められたく無いのでしょ?」ニコ



253: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:11:27.21 ID:Dv+fxQIUO

召使い「……俺はお嬢様に認めれたくて」

根暗「あの……召使い君? 大丈夫、かな?」

召使い「あぁ、大丈夫だ。 そっち持て、一緒に運ぶぞ」

根暗「う、うん♪」

召使い「……ありがとな」ボソッ

根暗「……ん?えっ、何?」

召使い「何でもない」

根暗「……どういたしまして」

召使い「なっ!?」

根暗「へ、へへへ」

召使い「お前……ははは」



254: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:12:22.31 ID:Dv+fxQIUO

オタク「いやー、美味しかったぜござるよ」

僕っ娘「お嬢……本当にお金は良いのか?」

お嬢「勿論ですわ」

僕っ娘「流石に申し訳ないんだが……」

お嬢「で、でしたら、次の私の誕生会に友人代表枠で来てほしいですわ」ドキドキ

僕っ娘「あ、あぁ、それぐらいならお安いご用だ」

根暗「オタク……ちょっと……」ツンツン

オタク「どうしたでござる?」

根暗「あそこの岩影まで一緒に来てくれないかな?」

オタク「……ほ、ホモには興味ないでござるよ」ビクビク

根暗「ほも?」



255: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:14:15.49 ID:Dv+fxQIUO

オタク「何の用でござるか?」

召使い「……」ドゲザ

オタク「いや、本当に何だよこれ!?」

召使い「若様! どうか、私に肉体強化魔術を教えてください!!」

オタク「召使い……急にどうしたんだよ?」

召使い「……お嬢様を守りきれる男になりたいんです! 執事さんの代わりとしてではなく……俺だから必要とされる男になりたいんです!!」

根暗「色々、話してたら……そのやっぱり接近戦を強化していくのが良いってことになって……」

オタク「で、召使いは肉体強化魔術をどれぐらい使えるんだ」

召使い「全く使えません!」

オタク・根暗「はぁ!?」

オタク(おいおい、肉体強化魔術使えないのに病院で戦いきったのか? 一般人相手だから怪我させる可能性がある水サーベルは使えないだろ?)

根暗(僕の触手を肉体強化魔術を使わずに斬ってたの?)

召使い「お恥ずかしい限りです」

オタク・根暗(こいつ、化け物か!?)



256: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:15:00.23 ID:Dv+fxQIUO

「話は聞かせてもらった!!」

オタク・根暗「き、貴様は……ポニテ」

ポニテ「そうよ! 私よ!!」

ポニテ「私も召使い君の特訓に協力させて貰うわ」

召使い「……お、おう、どうも」

秀才「…………スタンバってたのに」ズーン

オタク(Exactryが浮かばず、そうよで乗り切るとは……ポニテは男前だな)



257: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:15:48.70 ID:Dv+fxQIUO

【次の日・早朝】
ポニテ「ほら! ほら! ペースを落とさない!! 一定の強化具合と速度を意識する!!」

召使い「お、おう!」

ポニテ「返事はハイだ! 私のことは教官と呼べ!!」

召使い「ハイ! 教官!!」

根暗「な、何で……僕まで……」

オタク「肉体強化魔術は使えて損は無いでござるよ」

秀才「土中生物釣り上げ隊の活動でも役に立つかも知れないしな」


三編み「ほら! 皆さん! 喋ってないでしっかり走ってください!!」

オタク・根暗・秀才「はい! 副教官!!」



258: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/24(火) 23:17:00.52 ID:Dv+fxQIUO

僕っ娘「何をやっているんだ、彼らは?」パタパタ

メイド「熱血ポニテ教官と男ばかりの秘密の特訓……っすね」

お嬢「皆さん、頑張って! 若様! 特に若様!!」

メイド「お嬢、堂々と若様と呼んだら怒られるっすよ?」


召使い「……はぁはぁ」

根暗「召使い君、大丈夫?」

―今は必要とされてなくても、若様や執事さんのようになれなくても

俺は俺としてお嬢様に認められる男になる……だから

召使い「今はこれで良い!!」

ポニテ「ほら、二人とも喋る元気があるなら走れ!!」

召使い・根暗「ハイ! 教官!!」



270: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:43:16.82 ID:iEjOMgQiO

【水魔島】
三編み(……あの島には何があるんだろう)カキカキ

お嬢「……あら、三編みさん。 絵を描かれるのね」

三編み「はい、美術部に所属してまして……コンクールに出品する作品をと……」

お嬢「ここからの景色は綺麗ですものね」

三編み「はい……とても」

お嬢「お邪魔して悪かったですわ」

三編み「邪魔なんて……他の皆さんは?」

お嬢「メイドは別荘の掃除、僕っ娘とポニテさんは薬の材料を探しにいかれました。」

お嬢「退屈ですわ。 三編みさん、描き終わったら一緒にお茶でもしませんこと?」

三編み「良いですよ。……あれ?男性陣は?」

お嬢「………………馬鹿をやりにいかれました」ハァ



271: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:44:04.35 ID:iEjOMgQiO

【水魔島・内陸部】
根暗「番号! 1!!」

オタク「2!!」

秀才「3!!」

召使い「4!!」

根暗「これより、土中生物釣り上げ隊の活動を開始する!」

オタク(根暗があんなにもハキハキと)

根暗「今回の標的はツチノコだ!!」

オタク「ツチノコ……でござるか?」

召使い「あぁ、この島には多く分布しているんだ」

召使い(と、話した途端根暗が豹変したのには驚いたな)

秀才「ツチノコ……何時もの標的よりはかなり小さいな?」

根暗「故に今回は協力はしない! 各自、自分の持てる力の全てを使ってツチノコを釣り上げてくれ!!」

オタク「なるほど、つまりはツチノコ釣り対決ってことでござるな?」デュフフフ

秀才「俺が君達に負けるとは思えないが……」フッ

召使い「この島を知り尽くしている俺に挑むとは……ハンデは入らんのか?」

根暗「一番、大物を釣り上げた人は負けた人達に命令する権利を与えます!」

「「「勝つのは俺だ!!」」」



272: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:44:53.47 ID:iEjOMgQiO

【水魔島・別荘内】
お嬢「ねぇ、馬鹿でしょ?」

三編み「えぇ、馬鹿みたいですが……皆さん、楽しそうで」クス

お嬢「あら、今の笑顔……誰を思って浮かべたのかしら?」

三編み「……へ?」

お嬢「恋する乙女の笑みに見えましたので」クス

三編み「こい?……ここここ、恋なんて! 別に根暗先輩のことなんて何とも思っていません!! 」

お嬢「あらあら、ベタな返しですわ」

三編み「あぅ……」

お嬢「確かに根暗さんは魅力的ですものね」

三編み「……弱いのに、とても強い方だと思います」

メイド「根暗が弱いね~……お嬢様、お茶をお持ちいたしました」

三編み「メ、メイド先輩……聞かれてたんですか?」

メイド「盗み聞きは使用人の仕事なんっすよ?」

メイド(……使用人じゃないのに盗み聞きしてる人もいるっすけどね)

ポニテ(薬の材料を一旦別荘に置きに来たら……聞いてしまった)コソコソ

ポニテ(妹と親友……どっちを応援したら良いんだよ!!)ウガー



273: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:45:48.17 ID:iEjOMgQiO

【水魔島・内陸部】
秀才「……こんなものか?」

秀才(ツチノコはアルコールを好む習性がある。 流石に別荘にある高そうなワインを餌にすることは出来ないが……)

秀才「活性化魔術!」

果実「ドロドロ」

秀才(果実の糖に集まった酵母菌を活性化してアルコールを作らせれば誘き出せるだろう)

オタク「デュフフフ、イカ臭いでござる」ボオォ

オタク(ツチノコはスルメを焼く臭いが好きと聞いたことがある。 こうして、イカを焼いてればそのうち寄ってくるだろう)

召使い(と、言った感じに文献によるツチノコの知識を元に作戦を立てるだろう)

召使い(しかし、俺は知っている……ツチノコは実は……泳ぐのが好きなんだ)ドヤ

召使い(この時期なら、土の中より湖に浮いている可能性の方が高い)

ツチノコ「ツチー♪」プカーン

召使い「これは俺の一人勝ちだな」ニヤリ



274: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:47:15.11 ID:iEjOMgQiO

根暗「……む、かかったか?」

触手「ニュルニュルニュルニュル」

スポンッ

ツチノコ「ツチー!」

根暗「ふふふ、大漁♪ 大漁♪」

ツチノコs「ツチー!」「ツチー……」「ツッチ!」

根暗「……一番大きいのだけ連れて帰って、後は逃がそうか」



275: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:48:49.69 ID:iEjOMgQiO

僕っ娘「……何だあれは? 大量のツチノコが逆さ吊りにされている」

根暗「ん?……あっ、僕っ娘さん」ニコニコ

僕っ娘「やっぱり君か……こんなに大量に捕獲して」ヤレヤレ

根暗「後でちゃんと逃がすよ」

僕っ娘「ならば一匹僕にくれ……ツチノコの体液は魔法薬に使える」チョコン

根暗「い、良いよ」

根暗(……何で隣に座ったんだろ?)

僕っ娘(僕は何で隣に座っているんだろう?)ペタペタ

根暗(何で触れてくるんだろう)

僕っ娘(何で僕は彼に触れていたいんだろう……)

僕っ娘(僕は彼が好きなんだろう……でも、恐いんだ)

『惚れ薬の効果がきれてしまったのよ』

僕っ娘(この気持ちも……惚れ薬の効果のように何時か消えてしまうのでは無いかってね)ジッ

根暗「……どうしたの?」

僕っ娘(この気持ちは今だけのものかも知れない……なら、付き合ったって意味は無い……告白したって価値は無い)ジリッ

根暗「……僕っ娘さん、顔が近いよ?」

チュッ

(それなのに、僕はどうしてこんなことをしてしまったのだろうか?)



276: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:51:06.99 ID:iEjOMgQiO

オタク「さて、今回のツチノコ釣り対決! 勝者は…………秀才!!」

秀才「Exactry! 俺だ!」

召使い「俺が、負けた……だと」

秀才「これは俺の予想なんだが……召使いは湖に浮いているツチノコを狙ったんじゃないか?」

召使い「」ギクッ

オタク「ツチノコが湖にいるでござるか?」

秀才「あまり知られてないが、ツチノコは自ら出る体液を洗い流す為に水に浸かるんだ……そうしないと体液が邪魔して皮膚呼吸が出来なくなるからね」

秀才「ただし、それは成長途中の未熟なツチノコだけにある習性だ。 成長しきったツチノコは体内の気袋という器官に空気を溜めることが出来るから水には浸からない」

召使い「そうだったのか……」

秀才「実体験に頼ることは悪くない……しかし、それと知識を組み合わせないと宝の持ち腐れだ」キリ

召使い「……くっ、完敗だな」

オタク「……それにしてもまさか」チラッ

根暗「」ポケー

オタク「根暗が手ぶらで帰ってくるとは思わなかったでござる」

秀才「さて、何をしてもらおうかな?」ククク



277: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:52:27.10 ID:iEjOMgQiO

【水魔島・別荘】
僕っ娘「……」ズーン

ポニテ「……あんた、布団に潜り込んで何やってんの?」

僕っ娘「また……やってしまった。 根暗に……」ズーン

ポニテ「何やったの? 逆レイp」

僕っ娘「違うよ!!」ガバッ

ポニテ「うわっ! びっくりした」

僕っ娘「そんなことじゃなくて……き、キスしてしまった」

僕っ娘「根暗に媚薬を飲ませて襲ったのは知的好奇心だった。 男に媚薬を飲ませたらどうなるかって程度のね」

僕っ娘「でも、今回のは違う……僕は……僕は……」

ポニテ「僕っ娘……付き合っても無いのにいきなりキスするなんて卑怯だよ」

僕っ娘「……へ?」

ポニテ「あんたが恋愛下手なのは知ってる……でもね、物事には順序っていうのがあるんじゃない?」

僕っ娘「いきなり、どうしたんだ? 君は何時もはそんなこと言わないじゃないか」

ポニテ「何よ? 思ったこと言って悪い?」

ポニテ(根暗が妹の想い人だと思うと)

ポニテ「両親が離婚したからって言うのを理由に逃げてるだけでしょ!」

僕っ娘「!?」ダンッ

ポニテ「……」

僕っ娘「き、君だけには……そんな言われ方をされたくなかった」ポロポロ

ポニテ「……」

僕っ娘「……」ダッ

ポニテ(……私もこんなこと言いたくなかったのに)



278: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 00:54:52.00 ID:iEjOMgQiO

根暗「」ナデナデ

ツチノコ「ツチ~♪」

オタク「あれからずっとツチノコを撫で続けてるでござるな」

召使い「何かあったのだろうか?」

秀才「ふっ、どうやら……ここは俺の出番のようだな」

オタク「何か策があるのか、秀才?」

秀才「俺に策が無かった時があったか?」

召使い「これは頼りになる。 で、その策とは?」

秀才「……ツチノコ釣り対決の勝者として命じる」

オタク・召使い「……はぁ?」

秀才「二人でショートコントをして根暗を笑わして来い」

オタク・召使い「はぁ!?」



279: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:05:49.41 ID:iEjOMgQiO

根暗「」ナデナデ

オタク・召使い「ショートコント! ツチノコ釣り」

オタク「あぁ、全然ツチノコ釣れないな! 全然ツチノコ釣れないな!」

召使い「良いですか、若様? ツチノコ釣りのコツは足の裏に神経を集中して土が盛り上がってるところを探すんです」

オタク「それ、タケノコ狩りのコツやないかーい!」

お嬢「うわぁ……ですわ」

メイド「見てる方が罰ゲームっすね」


根暗「」ナデナデ
オタク「」ナデナデ
召使い「」ナデナデ

秀才「……くっ、こうなったら」

秀才「時が解決してくれるのを待とう!!」キリッ



280: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:07:30.70 ID:iEjOMgQiO

秀才(しかし、気になるのは召使いやお嬢さんがたまにオタクを若様と呼ぶことだな……)

秀才(様付けで呼ぶと言うことは、オタクにはある程度の地位があるということか?)

秀才(病院での事件の時も何か知っているようだったし……ふむ)

メイド「……秀才、世の中には関わらない方が良いことがあるっすよ?」

秀才「……悪いな、根暗とオタクが関与している時点で俺に無関係ではないんだ」

メイド「根暗とオタクが何者かも知らないくせによく言えるっすね」

秀才「何者か? ……それは知っている」

秀才「俺の友人だ……大切な友人なんだ」ニコ

僕っ娘「…………友人か」ボソッ



281: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:08:18.15 ID:iEjOMgQiO

『あんた、また本読んでるの?』

『あんたが調合してくれた痛み止の薬、すごい効いた!ありがとう!』

『こんな時間まで薬の研究? 家に帰りたくない? ……はぁ、じゃあどっか寄ってく?』

『僕っ娘! この前見つけたクレープ屋行こうよ! どうせ、今日も家に帰りたくないんでしょ?』

僕っ娘(両親が離婚して、家に帰りたくなくて、放課後毎日のように理科室に籠ってた)

僕っ娘(そんな僕を気遣って、何も聞かずに遊びに連れていってくれたのは……彼女だったな)



283: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:09:46.49 ID:iEjOMgQiO

ポニテ「……」

三編み「お姉ちゃん、何かあったの?」

ポニテ「何でもな……いや、僕っ娘と喧嘩した」

三編み「何だ……そんなことか」ホッ

ポニテ「そんなことって……」

三編み「だって、どうせ仲直りするんでしょ?」

三編み「お姉ちゃんと僕っ娘さんは親友なんだから」

ポニテ「……なら、早い方が良いわね」ダッ



284: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:11:47.39 ID:iEjOMgQiO

僕っ娘(冷静に考えれば、ポニテの言う通りだ……僕は両親の離婚を理由に逃げていただけだ)

僕っ娘(恋心から逃げてる癖に……根暗を求めるなんて確かに……卑怯だな)

僕っ娘ーーーー!!ダダダダダ

僕っ娘ーーーーーーー!!ダダダダダダ

僕っ娘ーーーーーーーーーー!!ダダダダダダ

ガチャ

ポニテ「はぁはぁ……」

僕っ娘「ポニテ……その、さっきは感情的になって……その……」

チュッ

僕っ娘「!?」

ポニテ「っぷは。 ……ね、いきなりキスされたら困るでしょ?」ニコ

僕っ娘「…………君ってやつは」



285: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 01:12:16.71 ID:iEjOMgQiO

根暗「」ナデナデ
オタク「」ナデナデ
召使い「」ナデナデ

秀才「君たちは何時までそうしているつもりなんだい?」



290: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:36:50.96 ID:d/gBDf3CO

【水魔島・別荘】
ポニテ「……眠い」

ポニテ(昨日はテンションが上がって、僕っ娘と徹夜で話してしまった)

僕っ娘『ちゃんと逃げずに向き合うよ、根暗と!』

ポニテ(と言っていたが……三編みに悪いことしちゃったな)ハァ

お嬢「あら、ポニテさん……今起きられたの?」

ポニテ「おはよう……皆は?」

お嬢「メイドと召使いは花火の買い出しに行きましたわ」

ポニテ「あぁ、今晩やるんだっけ?」

お嬢「えぇ、楽しみですわね」

ポニテ「三編みはどうせ絵を描きに行ってるとして……他の3人は?」

お嬢「根暗さんを追いかけてますわ」

ポニテ「はぁ?」

お嬢「追いかけてらっしゃるの」



291: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:39:31.47 ID:d/gBDf3CO

【先刻・別荘】
僕っ娘「おはよう」ファア

お嬢「あらあら、大きな欠伸ですこと」

僕っ娘「昨晩はポニテと夜通し語り合っていてね」

お嬢「……私も呼んでくだされば良かったのに」ズーン

僕っ娘「ご、ごめん……それより、根暗を知らないか?」

お嬢「最近、人の居場所ばかり聞かれてる気がしますわね」

お嬢「根暗さんなら、広間にいらっしゃいますわ」

僕っ娘「ありがとう」



292: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:40:02.09 ID:d/gBDf3CO

【別荘・広間】
オタク「~♪」ダンス
秀才「~♪」ダンス

根暗「……」ナデナデ

オタク「~♪」モットダンス
秀才「~♪」モットダンス

根暗「……」ナデナデ


オタク「~♪」スゴイダンス
秀才「~♪」スゴイダンス

根暗「……」ナデナデ

ツチノコ「ツチー♪」

オタク「……はぁはぁ、駄目でござるな」

秀才「万策尽きたな……根暗、本当に何があったんだ」

根暗「……」ポケー

お嬢「何をしてますの?」

オタク「あぁ、お嬢か? 根暗が中々正気に戻らないから色々試してたんだ」

秀才「クッ、俺の躍りにもっとキレがあれば……」

お嬢「秀才さんのことを賢いと思っていた私が愚かでしたわ」

オタク「こうなったら最終手段でござる! 僕っ娘殿!!」

僕っ娘「な、何だい?」

オタク「根暗に熱いキッスをするでござるよ!!」バーン

僕っ娘「なっ!?」
根暗「!?」///

秀才「なるほど、白雪姫の如く根暗も甦るかも知れないな」

お嬢「根暗さんは別に仮死状態ではありませんわよ?」

オタク「細かいことはこの際ナッシングでござる! 大抵の物語はキスしてりゃあ解決するでござるよ!」

僕っ娘「……根暗、話したい事があるんだが」

根暗「あの、えっと……ごめん!」ダッ

僕っ娘「」

オタク「根暗が逃げたでござる」

僕っ娘「……ごめんって何だよ」ボソッ

僕っ娘「ごめんって何だよ!! ふるにしたってもっとちゃんとふってくれ!!」

僕っ娘「オタク! 秀才! 捕まえるぞ!!」

オタク「いつぞやの逆でござるな」

秀才「はぁ、状況が変わっただけでも良しとしよう」ヤレヤレ



293: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:42:15.62 ID:d/gBDf3CO

【現在・水魔島・森】
オタク「はぁはぁ……厄介でござるな」

秀才「あぁ、まるで猿だ」

根暗「……」プラーン

オタク(尻尾のように触手を生やして、木に登り逃げ回るとは……)

オタク「秀才! 策は無いでござるか?」

秀才「正直、お手上げだ。 広い森の中を尻尾触手を駆使して立体的に逃げているからな」

秀才「根暗は予想以上に森に慣れている」

オタク「……森の中で暮らしていたからな」ボソッ

秀才「……?」

オタク「何でもないでござる」



294: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:43:09.80 ID:d/gBDf3CO

僕っ娘「……見失ってしまったか」フゥ

『……ごめん!』

僕っ娘「ははは、ふられたと言うのに僕は何故追いかけてるんだか……しつこい女は嫌われるだろうに」

僕っ娘「ははは……はは……」ポロポロ

ポニテ「何を勝手に諦めてんの?」

お嬢「ポニテさんに聞きましたわ……まだ、ちゃんと告白はしていないのでしょ?」

僕っ娘「……二人とも」

ポニテ「根暗は私達が捕まえる」

お嬢「だから、僕っ娘。 貴女は安心して言いたいことをまとめていたらいいんですわ」オーホッホッホッ



295: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:44:17.33 ID:d/gBDf3CO

オタク「見失なったでござるな」ハァハァ

秀才「あぁ、誘き出す手を考えるか」

オタク「……うーむ」

秀才「……なぁ、オタク」

オタク「何でござるか?」

秀才「根暗は僕っ娘のことどう思ってるのだろうか?」

オタク「……解らないでござる」

秀才「……はぁ、丸く収まれば良いんだが」



296: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:45:35.43 ID:d/gBDf3CO

三編み(……もう少しで描き終える。 ふふ、コンクールに出す前にお嬢先輩にお見せしよう)

ガサガサガサ

三編み「……ひっ」ビクッ

三編み(熊とかだったらどうしよう……)ビクビク

根暗「……あっ」ヒョコ

三編み「……根暗先輩!」///

根暗「ど、ども」ニョロニョロ

三編み「はい……どうも」

三編み(尻尾みたいなのが生えてる……)カワイイカモ



297: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:48:15.96 ID:d/gBDf3CO

女?「さ~て、誰を人質にしようかしら♪」

男?「……」ブスー

女?「ちょっと、あんたも真面目に考えなさいよ」プンプン

男?「だってよ……一級危険魔術家なんて言われて期待してたのによ」

男?「どっから見ても雑魚じゃねぇか。 楽しめそうにねぇ」ハァ

女?「この戦闘馬鹿め! とりあえず、確実に根暗君を誘い出せる人質を捕まえるわよ。 怒られたく無いでしょ?」

「風魔術家の後継ぎ様にね」クス



298: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:49:29.06 ID:d/gBDf3CO

三編み「私で良かったら、話を聞きますよ」

根暗「へ?」

三編み「先輩に相談にのってもらったお礼です。」

根暗「お礼なんて……僕は君に酷いことを……」

三編み「姉が私を頼ってくれるようになりました。 それだけで十分ですよ」ニコ

根暗「……実はね、好きな人がいるんだ」

三編み「そうなんですか」



299: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:50:13.41 ID:d/gBDf3CO

『オタク君には秘密にしてくれ。 何、気が付かない方が悪いんだ』

最初は凄くムカついた

『一族が代々引き継いできた秘伝薬を……守らないとね』

次に気高い人だと思った

『ねぇ、君 ……息が荒いよ?』

少し変態だと思った

『彼女には……惚れ薬を渡してはいけない』

それでも優しい人だと解ってるから

根暗『……彼女は傷付けさせない』

いつの間に僕は……彼女を守りたいと思っていたんだ

『だって君は、本当は……全部嘘だなんて思ってないのだから』

そんな彼女が僕のことをしっかり見ていてくれたのが嬉しくて

根暗『ありがとう。 僕は……君のこと、好きだ』

告白したんだけど……



300: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:51:32.36 ID:d/gBDf3CO

根暗「……返事が貰えなくて」

三編み「……」グッ

根暗「三編みさん、大丈夫?」

三編み「それは……もう、ふられたってことじゃないですか?」

根暗「そう思ってたんだけど……昨日、その……いきなりキスされて」

三編み「…………」ポロポロ

根暗「み、三編みさん!?」アセアセ

ガサガサガサ

ポニテ「根暗……あんた、人の妹泣かしてんじゃないわよ!」

根暗「ひぃっ!」

ポニテ「無傷で僕っ娘のところまで連れていくつもりだったけど……気が変わった」

ポニテ「二、三十発殴ってから連れていく」ゴゴゴゴゴ

ザッ

三編み「先輩! ここは任せてください!!」

根暗「三編みさん?」

三編み「根暗先輩はちゃんともう一回告白するべきです。 お姉ちゃんは私が食い止めるから……早く」

根暗「三編みさん……ありがとう!」ダッ

ポニテ「……あんた、馬鹿ね」

三編み「好きな人には笑ってて欲しいんだもん」ダー



301: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:52:20.72 ID:d/gBDf3CO

【水魔島・別荘】
根暗「……はぁはぁ」

お嬢「貴方は次に僕っ娘さんの場所を尋ねますわ」

根暗「僕っ娘はどこ……はっ!」

お嬢「オーホッホッホッ、どうせ私は誰が何処にいるか教える係りですわよ」フンッ

根暗「そんな、意地悪言わないで」

お嬢「だって、貴方は私の友人を傷付けたんですもの」プイッ

根暗「……彼女にちゃんと伝えたいことがあるんだ。」

お嬢「…………はぁ、僕っ娘は岬で待ってますわ」

根暗「ありがとう!」



302: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:55:17.45 ID:d/gBDf3CO

ガチャ

召使い「ただいま、戻りました」

メイド「疲れたっす……へぇ」

お嬢「あら、ちょうど良いところに」

お嬢「オーホッホッホッ、愛の告白を盛り上げますわよ!!」

メイド「……暑さでで頭がやられたっすか?」

召使い(お嬢様がオタク様にじゃないよな)オドオド



303: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 21:56:30.54 ID:d/gBDf3CO

【水魔島・岬】
僕っ娘「……僕から話して良いかな?」

根暗「……うん」

僕っ娘「……僕はね、君が好きらしい」

僕っ娘「何時から好きなのかは正直解らない」

僕っ娘「何時まで好きでいられるのかも解らない……惚れ薬のように何時かこの気持ちが無くなってしまうかも知れない」

僕っ娘「それでも君が好きだ!」

根暗「……」

僕っ娘「君が僕のことを好きって言ったのが、友達としてというのは解っていr」ギュウ

根暗「……勘違いしてる」

僕っ娘「なっ、君はいきなり……何を……」

根暗「僕が僕っ娘を好きと言ったのはね」

ヒューーーー ドン!!



304: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 22:01:13.03 ID:d/gBDf3CO

お嬢「フフフ、友達の告白を応援する為に打上花火を上げる……青春ですわ」オーホッホッホッ

メイド「お嬢、逆に邪魔じゃないっすか?」

召使い(お嬢様が告白する訳じゃなくて良かった)

ヒューーーー ドン!!

三編み「たまやーーーー!!」

ポニテ「急に大きな声だして……びっくりするじゃない」

三編み「ひぐっ……えっぐ……たまやーーーーーー!!」

ポニテ(この娘……こんなに強かったんだ)ナデナデ



305: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 22:03:06.45 ID:d/gBDf3CO

オタク「節介でござるな……先に花火始めたでござるよ」

オタク「一旦、別荘に戻ろうぞ。 秀才」

秀才「…………オタク、何か聞こえないか?」

オタク「……?」

秀才(激しい風の音が聞こえたような気が……)



306: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/26(木) 22:04:45.66 ID:d/gBDf3CO

「キャー、愛の告白を聞いちゃったわ! 流石の私でもこれは照れてしまう」

放送部長「そんなにこの娘のこと大切なんだ」

僕っ娘「」グッタリ

根暗「僕っ娘を返せ……」

放送部長「ごめんなさいね、ご主人様の命令なの☆」

根暗「僕っ娘を返せ!!」ニョロンニョロンニョロンニョロン

放送部長「なっ! こんなに大量の触手を出せるなんて聞いてないわよ!! 」アセ

放送部長「風乗魔術!!」ビューン

根暗(僕っ娘と放送部長が浮いた? ……でも)

根暗「逃がさない!!」ニョロンニョロンニョロンニョロン!!

ザンッ

根暗(触手が全部斬られた!)

「良いねぇ。 見た感じ雑魚かと思ったが……久し振りに疼いちまったよ」

風来坊「……よう、にいちゃん」

風来坊「ド派手に殺し合わないかい?」ニカッ

根暗(何だ、この大きな団扇を持った大男は……)

放送部長「風来坊……私達の命令は人質を連れて帰ることよ」

風来坊「良いじゃねぇか……少しぐらいよ」

根暗「……逃がさないって行ってるだろ?」ギロリ

風来坊(くぅ~、良い殺気だ)ウズウズ

放送部長「根暗君、可愛い彼女を救いたかったら、あの島まで来なさい」

放送部長「私達のご主人様が用があるのはあ・な・た! ……ちゃんと来たら彼女に被害は加えないわ」

風来坊「じゃあな! 根暗! 絶対来いよ!! 待ってるからな!!」ビューン

根暗「待て! 返せ!!」

根暗「僕っ娘!!!!」



311: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:16:31.87 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・屋敷寝室】
僕っ娘「……ここは何処だ?」ウトウト

僕っ娘「確か……昨日、僕は……」

『僕が僕っ娘を好きと言ったのはね』

僕っ娘「うにゃ~~~! そうだ! 両想いだったんだ!!」バタバタ

放送部長「それよりも、思い出さないといけないことがあるんじゃないの?」ハァ

僕っ娘「なっ!部屋に入るときはノックぐらい……貴女は3年の放送部長さん?」

放送部長「そう! 歌って踊れる学園アイドルこと放送部長よ☆」ウィンク

僕っ娘「……うわぁ」

放送部長「その反応は流石に傷付くわ」

僕っ娘「それで、その学園アイドルが何で僕を誘拐なんてしたんです?」ジトー

放送部長「誘拐された自覚があるなら、もう少し取り乱して欲しいわね」

僕っ娘「……根暗が助けに来てくれますからね。 取り乱すだけ無駄です」

放送部長「……朝御飯を用意したわ。 事情は食べながら説明して上げる」

【船の上】
根暗「……」

召使い「根暗……もうすぐ、島に上陸出来る」

根暗「うん……召使い君……ありがとう」



312: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:17:06.86 ID:CMGjtfZ0O

【昨晩・別荘前】
根暗「はぁはぁ……皆」

オタク「……根暗」

お嬢「事情は解っておりますわ」

根暗「え?」

お嬢「先程、これが届きましたの」つ手紙

手紙≪人質を返して欲しければ、根暗一人で我々がいる島に来い 風魔術家後継ぎより≫

秀才「風魔術家の後継ぎが根暗に一体何の用があるんだ」ギリ

オタク「……」

根暗「行ってくる……」

メイド「今から行くつもりっすか?」

根暗「……止めないで」

メイド「風魔術家の後継ぎ様は女性っす。 急がなくてもエ口い展開は無いっすよ」

根暗「メイドさん……今、ふざけてる場合じゃ」

メイド「こんな暗い中、海を渡って相手の島に乗り込むのは危険っす」

メイド「守りたいんでしょ?」ジッ

根暗「……解った」

召使い「船の準備をしておく、一緒に戦えないんだ……せめて送らせてくれ」

根暗「ありがとう……」

ポニテ(……僕っ娘)



313: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:17:35.65 ID:CMGjtfZ0O

【現代・とある島・屋敷食卓】
僕っ娘【2-Cの生徒。 魔法薬研究会会長。 魔法薬の研究をしている一族出身】モキュモキュ

放送部長【3-Dの生徒。 自称学園アイドルの放送部部長。 代々風魔術家の世話係りを務めてきた家系の出身】

丸眼鏡【1-Aの女子生徒。 占術を扱う一族の出身と名乗っているが、風魔術家の後継ぎ。】モキュモキュ

放送部長「ご主人様、風来坊は?」

丸眼鏡「何処かに行った」

放送部長「またですか? 困ったものですね」

丸眼鏡「問題ない。 有事には帰ってくる」

僕っ娘「……そろそろ、僕が拐われた理由を話してくれないか」

丸眼鏡「……その前に謝罪したい。 この度は巻き込んでしまい、すまない」

僕っ娘「……」

丸眼鏡「……標的にとって君が一番大切な存在と判断した」

放送部長「根暗君を誘い出すには貴女を拐うのが一番良いと思ったのよ」

僕っ娘「なっ……それは否定できないな、何せ僕達は両想いの仲だからな」///

丸眼鏡「話を続ける。 私達には触手魔術の危険性を測る必要性がある」

僕っ娘「何のために?」

丸眼鏡「次世代会議のため……」



314: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:18:36.10 ID:CMGjtfZ0O

【水魔島・別荘】
お嬢「若様、風魔術家の目的は……」

オタク「恐らく、次世代会議の準備だろう」

メイド「次世代会議……てなんっすか?」

お嬢「メイドには話していませんでしたね」

オタク「次世代会議……四大元素家の後継ぎが集り、魔術社会の次なる方針を決める会議だ」

お嬢「会議の議題は魔術関連機関の改善、魔術犯罪の防止について……他にも色々ございますが」

オタク「一級危険魔術家への対処も議題にあるんだよ」

メイド「それで、根暗の危険性を測るために僕っ娘を誘拐したってことっすね」フム

オタク(何故、根暗だけなんだ? この島にはもう一人一級危険魔術家の者がいるというのに)チラ

メイド「なんっすか?」

コソコソ
秀才(……根暗が一級危険魔術家?)



315: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:19:04.03 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・屋敷食卓】
僕っ娘「……なるほど、色々質問したいことはあるが納得しておこう」

丸眼鏡「理解してくれて感謝する」

丸眼鏡「……巻き込んだ詫びだ。 聞きたいことには出来る範囲で答えよう」

僕っ娘「ん? そうか。 じゃあ、何で根暗なんだ?」

僕っ娘「一級危険魔術家は根暗の触手魔術家だけじゃないんだろ?」

丸眼鏡「……私は風読み術という占術が使える」

僕っ娘「風読み術?」

放送部長「物事の成り行き、行き着く方向性を占う魔術よ」

僕っ娘「なるほど、それでその術がどうしたんだい?」

丸眼鏡「根暗の将来を占った結果……彼は一級危険魔術家で」

「魔術社会を崩壊させる可能性がもっとも高い事が解った」



316: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:19:34.44 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・岬】
風来坊「……来たか」ニタ

【とある島・屋敷食卓】
丸眼鏡「……来た」

僕っ娘「何故、解る? それも風読み魔術か?」

丸眼鏡「似たようなもの。 風が私に教えてくれた」

僕っ娘(……ただの中二病じゃないよな?)

僕っ娘「それで、根暗をどうするつもりだい? 危険性を測ると言っても身体測定する訳じゃないんだろ?」

丸眼鏡「全力で戦っているところをみて判断する」

僕っ娘「全力を出させるほどの相手がいるのかな?」フフン

丸眼鏡「いる」



317: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:23:54.90 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・海岸】
根暗「……」ザッザッザッ

根暗「……」ピタッ

風来坊「よぉ! 会いたかったぜ」

ニョロン! ニョロン! ニョロン!ニョロン!

風来坊「おいおい、挨拶も無しかよ? いきなり手足ふん縛られるとは」

根暗「……僕は君に用はない」ニョロン シャキン

風来坊(先が刺みたいになってる触手? 触手には種類があるのか)ホウ

風来坊「感心している場合じゃないわな……ふん!!」スポンスポンスポンスポン

根暗(触手を引き抜いた!?)

風来坊「オラァ! 」ザンッ

風来坊「……おぉ、刺の部分は結構固いんだな? 斬れないわけじゃねぇが」ニカッ

風来坊「自己紹介が遅れたな……俺は風来坊。 魔術学園3-Bの生徒で……風魔術家の用心棒みたいなもんだな」

風来坊「お前も名乗れよ、一級危険魔術家さんよ」

根暗「……2-B組の根暗。 別に一級危険魔術家として来たわけじゃない」

根暗「ただ、好きな人を助けに来ただけだ」ニュルン

風来坊「良い名乗りだ!!」

風来坊(今度は触手を鞭として使ってきやがったが……案外攻め手が多いな)

根暗(怪力と大団扇が厄介だな……触手を容易く斬るとは)クッ



318: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:24:50.85 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・屋敷食卓】
水晶≪ただ、好きな人を助けに来ただけだ≫

僕っ娘「なぁ! これ録音出来ないのか? 録画出来ないのか!?」

丸眼鏡「勿論、記録している」

僕っ娘「僕にも分けてくれ!!」

丸眼鏡「かまわんが……どうして?」

放送部長「乙女心ってやつですよ、ご主人様! いいなー、私も言われてみたい」キャー

僕っ娘「ふふふ、根暗は普段はオドオドしているが不意にあぁいうことを言ってくるからな」

丸眼鏡「……私には解らん」フム



319: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:25:48.97 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・海岸】
風来坊(2本の触手で素早く鞭打ちか……確かに厄介だが、目が馴れた斬れるな!)ザンザン

根暗「……くっ!」

風来坊「そして、お前は手を地面に着いたままと……終わらせて貰うぜ?」

ニュルン ギュッ

風来坊「……なっ!?」

根暗「上手くいったよ……秀才」



320: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:26:19.97 ID:CMGjtfZ0O

【船出前・水魔島】
秀才「根暗……これを受け取ってくれないか?」ウトウト

根暗「秀才……これは?」

秀才「俺が考えられる限りの触手魔術を用いた戦術だ。 役に立たないかも知れないが……」

根暗「ありがとう……目の下、凄いクマだよ?」クス

秀才「ついてはいけないが……お前は一人で闘ってるわけじゃない」

秀才「お前の戦いは俺の戦いだ」ニコ



321: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:26:54.26 ID:CMGjtfZ0O

【現在・とある島・海岸】
根暗(鞭打ち攻撃で相手の意識を前に向けさせ、後からこっそり生やした触手で首を締める)

根暗(これなら……いける)グッ

風来坊「今、勝った気になったろ?」ポイッ

根暗(大団扇を捨てた?)

風来坊「面白かったぜ、根暗よ。 だから、特別に本気出してやるよ」

風来坊「―獣化魔術」



322: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:27:37.24 ID:CMGjtfZ0O

根暗(頭がグルングルンと回る)

根暗(意識が定まらない……)

根暗(風来坊がいきなり熊のような姿に変わって、首に巻き付いた触手を引き抜いた……)

根暗(地面に手を着いた僕に突進して来て……その後、どうなったんだっけ?)

ドサン



323: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:28:20.13 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・屋敷食卓】
放送部長「……エグい。 熊化してる風来坊の突進顔面に食らったわね」

丸眼鏡「2メートルほど吹き飛ばされたか」

僕っ娘「根暗……根暗!!」

丸眼鏡「……この程度ならば危険視するほどでも無い」

僕っ娘「何だよそれ……君達の勝手な事情で戦わされて……死んだらどうするんだ」

丸眼鏡「……その場合は誠心誠意の謝罪と必要限の損害賠償を」

僕っ娘「ふざけるな! 人の命と魔術社会……どっちが大切なんだ!!」

丸眼鏡「魔術社会に決まっている」キッパリ

放送部長(……)



324: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:28:54.53 ID:CMGjtfZ0O

【とある島・海岸】
風来坊「生きてるか? 死んでるか?」

根暗「」

風来坊「……思ったよりは楽しめたぜ? 思ったよりはな」

風来坊「あばよ」

「待て」

根暗「返せ……僕っ娘を返せ……」

根暗「僕っ娘を返せ……」

風来坊「……これ以上やるなら、本当に殺しちまうぜ?」

根暗「返せ……返せ……返せ……返せ……」

風来坊「聞いちゃいねぇk ……」ゾクッ

根暗「僕っ娘を返せ」

風来坊「何だよ……その姿は……」



325: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:29:23.71 ID:CMGjtfZ0O

―昔、一人の触手魔術師によって世界は征服されそうになった

その魔術師は額より触手の刺を鬼の角のように生やし

背中から左右に4本ずつ腕のような触手を生やし

腰から尾のような触手を生やし、何千人という魔術師を相手に虐殺の限りを尽くした

その姿に恐れをなした人々は彼をこう呼んだ

―触手鬼



326: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/27(金) 21:30:12.80 ID:CMGjtfZ0O

風来坊「」

根暗「僕っ娘を返さないなら……死んじゃえ」

タッタッタッタッタッタッ

僕っ娘「止めろ!」ギュッ

根暗「僕っ娘……」

僕っ娘「やり過ぎだ……殺しちゃ駄目だ……」

根暗「僕っ娘……無事で良かった…………もう離さない」ギュッ

僕っ娘「」ゾクッ

根暗「……」スー スー

僕っ娘(気を失ったか)

僕っ娘「なぁ……君は僕が止めなかったら」

「本当に殺すつもりだったのかい?」



335: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:16:01.17 ID:HA/0qw/wO

根暗「僕っ娘……好きだよ」

―あぁ、僕も君が好きだ

根暗「だから、君をもう離さない」

―え?

根暗「離さない 離さない 離さない 離さない 離さない 離さない 離さない 離さない 離さない」

ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン ニョロン



336: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:16:41.16 ID:HA/0qw/wO

【水魔島・別荘】
僕っ娘「うわぁ!! ……夢か」ハァハァ

僕っ娘(あれから一週間経ったが……同じ夢ばかり見てしまう)

僕っ娘(根暗は……僕のことを懸命に助けようとしてくれたのに)

僕っ娘(……僕は彼を恐がっている)

僕っ娘「顔洗って来よう……」

僕っ娘「……」ピチャピチャ

僕っ娘(タオル、タオル……)ゴソゴソ

丸眼鏡「はい、タオル」つタオル

僕っ娘「あぁ、ありがとう」

僕っ娘「……」

丸眼鏡「……」

僕っ娘「何でいるんだい!?」



337: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:17:20.01 ID:HA/0qw/wO

【水魔島・森の中】
根暗「……はぁ」

根暗(あれから、僕っ娘と少しぎこちなくなってしまった)

根暗(僕っ娘を奪われたくないと思ったら……頭が熱くなって……)

根暗(というより、風来坊先輩、大丈夫かな? 良く覚えて無いんだけどこ、こここ、殺して無いよね)オドオド

風来坊「よぉ!」

根暗(イキテター!)ビクッ

根暗「ふ、ふふふ、風来坊先輩、その先日は、あの、頭に血が登ってですね」アタフタ

風来坊「呼び捨てで良いよ。 殺り合った仲だろ?」ニカ

風来坊「それよりも、根暗」

風来坊「もう一回」

風来坊「や ら な い か ?」

根暗「……」ガクブル



338: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:18:07.55 ID:HA/0qw/wO

【水魔島・別荘食卓】
お嬢・召使い・メイド「……」ポカーン

放送部長「何これ、美味しい! 朝からこんなに美味しいもの食べてるのあんた達? 三編みさん、おかわり!!」

三編み「は、はい……」

お嬢「……放送部長先輩?」

放送部長「はぁい! そうよ! 歌って踊って、勝手に朝御飯を食べちゃったりもするドジッ娘学園アイドル……放送部長よ☆」ウィンク

オタク「うぉぉおお! 放送部長タソ!! 放送部長タソ!!」キタコレ

お嬢「若様!?」

秀才「皆、おはよう……あれ?何この状況?」

ドダバタドダバタ

僕っ娘「敵襲ーーーー!!」

丸眼鏡「敵のつもりも襲うつもり無い」

ドダバタドダバタ

根暗「ほほほほ、掘られる!!」

風来坊「掘らねぇよ」

メイド「第2のホモが現れたっすね」

オタク「第1のホモは俺じゃないよな?」

ドンチャン カッテニタベルナ ギャーギャー ホラレルー ワーワー

ポニテ「皆、おはよう。……何この状況?」

秀才「悪い、俺にも解らない」



339: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:19:44.47 ID:HA/0qw/wO

【水魔島・別荘食卓】
お嬢「……お詫びをしに来た?」

丸眼鏡「あぁ、君達の貴重な夏休みを1日奪ってしまってすまなかった」

ポニテ「何で、そのお詫びが森で根暗を強○未遂して、朝飯を強奪するになるのよ」

風来坊「してねぇよ」

放送部長「肝試しの準備で忙しくて、ちゃんとご飯食べてなかったのよ」ゴメーンネ☆

オタク「肝試しでござるか?」

丸眼鏡「あぁ、楽しみを奪ったお詫びに準備させていただいた。 良ければ参加してほしい」

召使い「貴様らのことなど信用出来るわけが」

お嬢「良いですわよ」

召使い「なっ! お嬢様!?」

お嬢「ただし……僕っ娘がかまわないなら」

僕っ娘「……良いよ。 彼等は嘘をつくようなことはしないだろうからね」

丸眼鏡「ありがとう。 では、前回の島で今晩待っている」

僕っ娘「……ところで森を何してたんだい?」

根暗「あの、これ……次の薬の素材……足りないって言ってたから」つ花

僕っ娘「なっ!? 全く君は! そういうところだぞ!! そういうところだぞ!!」///

ポニテ(そういうところが好きなのね)クス

オタク(何時もの調子に戻ってきたな)



340: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:20:34.69 ID:HA/0qw/wO

【とある島・海岸】
放送部長「はっあーい☆ 司会進行を務める放送部長よ」ウィンク

放送部長「今回は二人一組に分かれて、島の中央にあるお屋敷に向かってもらうわ」キラッ

ポニテ(テンション高いわね)

僕っ娘(頑張って準備したんだろうな)

放送部長「屋敷に着くのが一番遅かった組には……罰ゲームが待ってます♪」

秀才「罰ゲームか……これは負けるわけにはいかないな、根暗!」

僕っ娘「君は勿論、僕と組むよな?」
根暗「うん」

秀才「負けるわけにはいかないな、オタク!」

お嬢「若様、組みませんこと?」
オタク「あぁ、話したいこともあるしな」

秀才「召使い!」

召使い「俺は今回は不参加で」ブルブル
メイド「何びびってんすか? さっさと行くっすよ」

ポニテ(オタクが取られた……)ズーン
三編み「お、お姉ちゃん、 商品目指して頑張ろう!」

秀才「ペアがいないんだが」

放送部長「ガンバッ!」

秀才「いや、ガンバッじゃなくてd」

放送部長「それでは肝試しスタートです♪」



341: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:21:09.65 ID:HA/0qw/wO

【とある島・メイド&召使いペア】
メイド「不気味っすね……幽霊とかいそうっすね」ニシシ

召使い「幽霊とか言うな! せめておばけと言え!」

メイド「相変わらずそう言うの苦手っすね。 おばけとか幽霊とかゾンビとか怨霊とか」

召使い「止めろ! 言うなってば」

メイド「化け物も……苦手っすか?」

召使い「……あぁ、苦手だ」

メイド「じゃあ、私も苦手ってことっすね~」ニシシ

召使い「お前は化け物じゃないだろ?」

メイド「一級危険魔術家なんて皆化け物みたいなもんっすよ」

召使い「……一級危険魔術家だとか知るか。 お前は俺の同僚だ」

召使い「一緒にお嬢様に仕えて、お嬢様をお守りする仲間だ」

召使い「怖がるわけがないだろ?」ニッ

メイド「そうっすか。 ……ところで召使い」

召使い「……何だ?」

メイド「足元に死体があるっすよ?」

召使い「~~!!」

死体「うぅ……」モゾモゾ

メイド「おぉ、死体が動いたっす」

召使い「」キゼツ



342: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:21:46.38 ID:HA/0qw/wO

【とある島・根暗&僕っ娘ペア】
僕っ娘「根暗、彼処の木の実も取れるか?」

根暗「う、うん、任せて」ニョロン

僕っ娘「水魔島も素材が多かったが、この島にも珍しい素材が多いな」

僕っ娘「むっ! 根暗、次はあの苔だ! あの苔を取ってくれ!!」キャッキャッ

根暗(……可愛いな)

死体「うぅ……」モゾモゾ

根暗「邪魔をするな」ニョロン ボキッ

死/体「」ドサドサ

僕っ娘「根暗、遅いぞ! 早く取ってくれ」

根暗「ごめん、今採取するね」



343: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:22:35.86 ID:HA/0qw/wO

【とある島・ポニテ&三編みペア】
ポニテ「ギャー! グロい! キモい! キモい! グロい! ギャーーーー!!」

三編み「お姉ちゃん、おいてかないで」ハァハァ

死体s「「「あぁ……うぁ……」」」ヨタヨタ

三編み(驚かしては来るけど、襲っては来ないな……ん?)

三編み「お、お姉ちゃん! あれ!!」

ポニテ「何よ!!!!」

死体漢「あぅあー」パンパン
死体男「アァー!!」

ポニテ「ギャーーーー! 死体がホモセッ●スしてる!!」

三編み「……」つスケッチブック

ポニテ「あ、あんた……何する気?」

三編み「お姉ちゃん……芸術って醜さの中にあるのかも知れない」ペン シャキーン

ポニテ「三編み! 帰ってきなさい!!」



344: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:24:39.23 ID:HA/0qw/wO

【とある島・オタク&お嬢ペア】
オタク「……これは死霊術か」

お嬢「根暗さんの情報を手にいれた分、風魔術家が管理している一級危険魔術家の情報を提示しているのでしょう」

オタク「律儀なもんだな。 しかし、死体を操る術か……他の一級危険魔術よりは危険性が低く感じるが」

お嬢「倫理的な視点から見れば、十分危険な魔術ですわ」

オタク「なるほど、単に戦闘力だけで一級危険魔術は決められているわけじゃないんだな」

お嬢「魔術社会の崩壊を招く魔術……ですからね」

オタク「そんなに危険な魔術か……ん?」

死体漢「あぅあー」パンパン
死体男「アァー!!」

オタク「危険だな……」
お嬢「危険、ですわね」



345: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:25:11.62 ID:HA/0qw/wO

【とある島・屋敷】
丸眼鏡「首尾はどうだ? 腐女子」

腐女子【1-Aの生徒。 風魔術家の管理下にある一級危険魔術家死霊術家の出身】

腐女子「丸眼鏡の言う通り、視覚的恐怖だけ与えてるよ」フヒヒヒ

丸眼鏡「そうか。 楽しんで貰えれば良いが……」

放送部長(死体のホモセッ●ス見て楽しめたら末期ね)

丸眼鏡「さて、そろそろ私も出よう」

放送部長「あら、ご主人様、どちらにお出掛けに?」

丸眼鏡「驚かせる役を腐女子にだけやらせるわけにもいかん。 私も驚かせてくる」ギュッ

放送部長(天冠を装着しただけ!?)

丸眼鏡「行ってくる」キリッ



346: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:26:12.54 ID:HA/0qw/wO

【とある島・秀才(ボッチ)】
秀才「何なんだ! 本当に何なんだ!!」

「フン!フン!フン!フン!」「アァーー!!」「ウホッ」「アァーー!!」「ヤラナイカ!!」

秀才(見渡す限りの死体同士のホモセッ●ス……)ウプッ

秀才「俺には……手を出して来ないよな?」ビクビク

ガサガサ

秀才「ひぃっ!!」

丸眼鏡「がぉーーー!!」

秀才「……」

丸眼鏡「がぉーーー!! 食べちゃうぞ!!」

秀才(…………そう言えば、オタクが言っていたな)



347: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:27:25.33 ID:HA/0qw/wO

【夏休み前・屋上】
オタク「秀才……この世で最も尊い感情とは何でござるかな?」

秀才「いきなりどうしたんだ? ベタだが愛情とか友情とかじゃないか?」

オタク「なるほど、秀才らしい模範解答でござるよ」

秀才「鼻につく言い方だな。 ……お前は何だと思うんだよ?」

オタク「拙者は……」

「―萌えだと思うでござる」



348: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:28:04.19 ID:HA/0qw/wO

【現在・とある島・秀才(ボッチ)】
秀才(これが……これこそが萌えなのか?)

丸眼鏡(……黙っているが、怖がっているのか?)

秀才(普段はクールな女の子が必死に声を出しながら怖がらせようとしてくる……も、萌えた!!)鼻血ツー

丸眼鏡(何で満面の笑みで鼻血を垂らしているんだ)ビクビク



349: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:29:21.40 ID:HA/0qw/wO

【とある島・屋敷】
秀才「はぁはぁ……やっと着いたか」

お嬢「遅かったですわね、秀才さん」

メイド「召使いを背負ってきた私より遅いとか」プークスクス

三編み「……」カキカキ

ポニテ「こら! そんな絵を描くのは止めなさい!!」

僕っ娘「結局、何も出なかったな」

根暗(死体は全部僕が処理したからね……)

秀才「罰ゲーツは俺か……」

放送部長「はーい☆ その通り! 秀才君にはペアと公開キッスをしてもらおうと思ったんだけど……一人だから」ニヤ

死体漢「うぁう……」

放送部長「彼としてもらいます☆」

秀才「いや、それは無理だろ? 流石にそれは駄目だろ……え、皆、止めて……助けて」

アァーー!!

三編み・腐女子「……」カキカキカキ

ポニテ「三編み、描くの止めなさいって……増えてる!?」



350: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/28(土) 15:30:07.86 ID:HA/0qw/wO

【夏休み最終日・船の上】
僕っ娘(色々なことがあった夏休みが終わろうとしている)

僕っ娘(肝試しの後も寝込んだ秀才君を元気付けたり、何かに目覚めた三編みちゃんを正気に戻そうとしたりと濃厚な日々を過ごしていった)

ポニテ「」ドヨーン
召使い「」ドヨーン
オタク「」ドヨーン

秀才「何で君達は宿題が終わってないんだ」

お嬢「さっさと手を動かすのですわ」

三編み「……」カキカキカキ

メイド「いや、三編みちゃんはもう手を動かすなっす」

根暗「……僕っ娘」

僕っ娘「何だい?」

根暗い「2学期もよろしくね」

僕っ娘「あぁ、此方こそ」



359: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:33:44.75 ID:ZUFvaWN0O

【魔術学園・屋上】
お嬢「2学期が始まりましたわね」

オタク「あぁ……」

丸眼鏡「……」

オタク「土の若は今回も欠席か?」

お嬢「始業式の放課後に行う定例会……結局、今回も全員出席とはなりませんでしたわね」

丸眼鏡「火の若、水のお嬢……貴方達は土の若と会ったことがあるのか?」

オタク「無いな……影武者とは会ったことがあるが」

お嬢「この学園に通っていることは確かなようですが……」

オタク「……では、今回はここまでだな」

丸眼鏡「待て、見せたいものがある」つ水晶



360: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:34:16.56 ID:ZUFvaWN0O

【理科室】
僕っ娘「ポニテは採取に行ってしまったな」

根暗「う、うん……というより、君が行かせたよね?」

僕っ娘「オタクは会合があるとか無いとか言っていたな」

根暗「う、うん、言ってたね」

僕っ娘「つまり……僕達は二人っきりということだ」ズイッ

根暗「……あの、その……そうなるね」

僕っ娘「なぁ……あのお茶を飲まないか?」クスッ

根暗「え、あ、あぅ……」///



361: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:34:43.84 ID:ZUFvaWN0O

コンコン
僕っ娘「…………はぁ、客人だ。 根暗、お預け」

根暗「……うん」シュン

ガチャ

腐女子「……邪魔してサーセン」フヒヒヒ

メイド「どうもっす。 根暗を借りに来たっすよ」

根暗「ぼ、僕?」アセアセ

僕っ娘「僕の根暗に何の用だい?」ムッ

メイド「束縛し合うカップルは長続きしないっすよ?」

腐女子「四大元素家に対抗して私達も開こうかと思いましてね」

「第一回一級危険魔術家集会をね」



362: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:35:11.17 ID:ZUFvaWN0O

【図書館】
秀才(……一級危険魔術家なんてどの本にも載ってない)ペラペラ

秀才(以前、先生に最強の魔術を聞いたことがあるが……)

『最強って言われたら迷うが……私が推すのは世界を征服仕掛けた男が用いた魔術かな?』

『それはね……触手魔術』

教師『……あっ、すまない。 今の話は聞かなかったことにしてくれ』

秀才(口止めをされたな……)

秀才(その後授業で一人の魔術師によって征服されそうになったと習ったが用いられた魔術には触れられなかった)

秀才(特殊な魔術だとは思っていたが……四大元素家に監視されるほどとは)

優等生「自習か……秀才?」

秀才「優等生…………なぁ、一級危険魔術家という言葉を聞いたことがあるか?」

優等生「一級危険魔術家……初耳だな」



363: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:35:44.89 ID:ZUFvaWN0O

【学園付近・喫茶店】
メイド「じゃあ、サクッと第一回一級危険魔術家集会を始めるっすよ」

腐女子「うぇーい、パフパフ」

根暗「き、喫茶店ではもう少し静かに……その……した方がいいと」

根暗「そ、そもそも、この会議は何なの?」

メイド「簡単に言うと魔術社会から処分されないように私達側も努力しようって会議っす」

根暗(割りと真面目な会議なんだな)ホッ

メイド「第一回の議題はこの会議の名前をちゃんと決めるっすよ」

根暗「えっ、ちょっと……えっ、待って」

腐女子「待ってほしいです、メイド先輩」

腐女子「根暗先輩とは初対面だからちゃんと自己紹介させてください」

メイド「それもそうっすね。 じゃあ、会議を始める前に自己紹介するっすよ」

根暗(……真面目な会議じゃないのかよ)



364: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:36:32.59 ID:ZUFvaWN0O

腐女子「それでは言い出しっぺの私から」

腐女子「私は1-Aの腐女子といいます! 四大元素家風魔術家に管理されている死霊術使いです」

根暗(この前の肝試しは彼女の魔術だったのか)

腐女子「好きなものは……フヒヒヒ、BLです」

根暗「BL?」

腐女子「そうです! B&Lです! 最近では学園内ベストカップリングを脳内で組み合わせるのにはまっていて、今日はその結果を書いてきました!」つメモ

メモ≪1位根暗×オタク 2位召使い×オタク 3位不良×ヤンキー&DQN≫

根暗(BL? ×? 何のランキングなんだろう……?)

メイド「はい、次は私が自己紹介するっすよ」パンパン

メイド「私は2-Dのメイドっす。 水のお嬢の下に仕えている一級危険魔術家悪魔化術家の出身っすね」

根暗「悪魔化術?」

腐女子「風来坊先輩の獣化魔術の悪魔版だと考えたら解りやすいですよ」

根暗「な、なるほど……」

メイド「好きなことは……お嬢のお世話をする事と召使いに嫌がらせすることっすね 」

メイド「次は根暗の番っすよ」

根暗「ひゃいっ!!」

根暗「ぼぼ、僕は2-Bの根暗で、その触手魔術家の出身で……四大元素家火魔術家に管理……されてるのかな?」

腐女子「疑問系なんですね」

根暗「……自覚が無いんだ。 それに、オタクは友達だから」

腐女子「……ホモダチですか」

メイド「勝手に代えんな」

腐女子「サーセン」フヒヒヒ



365: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:37:02.31 ID:ZUFvaWN0O

【図書館】
秀才(……結局、何も解らなかったな)

優等生「秀才、調べものは終ったのか?」

秀才「優等生、まだ帰ってなかったのか?」

優等生「俺にもしないといけないことがあってな」

優等生「……秀才の家は退魔の一族ではないよな?」

秀才「あぁ、俺の家は魔力循環機構を研究している探究家の家系だが……それがどうした?」

優等生「ならば、あまり危険なことに首を突っ込まない方がいい」

秀才「……それは無理な話だ」

優等生「確かにお前は回復魔術や多種多様な属性の魔術を使える」

優等生「本来、どの魔術に対しても適性を持たない家系の出身者とは思えないほど優秀だ」

優等生「しかし、魔術と共に戦い方を受け継ぐ退魔の家系と戦うほどの実力は無い」

優等生「これ以上深入りしたら……死ぬぞ?」ギロ



366: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:37:46.92 ID:ZUFvaWN0O

秀才「……一緒に戦おうと言ってくれた男がいるんだ」

優等生「……」

秀才「本当に最後まで一緒に戦ってくれたんだ」

秀才「死ぬのは怖いさ。 あぁ、怖いとも!」

秀才「それでもな、根暗が戦うなら俺は最後まで付き合わないといけないんだ」キリッ

優等生「……それは根暗が化け物だとしてもか?」

秀才「そんな比喩表現」

優等生「比喩表現なんかじゃない」

優等生「……彼は」



367: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:38:24.26 ID:ZUFvaWN0O

【理科室】
僕っ娘「……」ムスー

ポニテ「あんた……頬を膨らませてどうしたの?」

僕っ娘「根暗が寝取られた」

ポニテ「はぁ?」

僕っ娘「きっと今頃如何わしい場所に連れ込まれて、二人の手によって根暗の敏感なところを……」

ポニテ「大丈夫でしょ」

僕っ娘「3Pしてるんだ! 3P!!」バンバン

ポニテ「ていっ!!」パシン

ポニテ「正気に戻った?」

僕っ娘「ボクハショウキニモドッタ」

ポニテ「駄目そうね……」ハァ



368: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:38:53.75 ID:ZUFvaWN0O

【学外・喫茶店】
メイド「会議の名前は3P会議っで良いっすよね。 3P会議で」

根暗「いや、それは流石に……」

腐女子「触手でヤりたい男選抜会議が良いです」

根暗「それは却下で……」

メイド「じゃあ、3Pすね。 誘いやすいじゃないっすか? よ、根暗! 3Pしようぜ……みたい感じで」

根暗「誘いにくいよ! すごく誘いにくくなってるよ?」

腐女子「じゃあ、私の案でいきましょう! イかせましょう!」

根暗「……それなら、まだメイドさんの案の方がましだけど」

腐女子「なぁんと!?」

メイド「じゃあ、3P会議で決定っす」

根暗(……もうどうにでもなれ)

メイド「さて、次は会議を今後行っていく場所についてっすね」

根暗「……場所?」

腐女子「話す内容が内容なので……」

根暗「な、なるほど……」

根暗(やっと真面目な話になってきたな)

メイド「会議名にちなんでラブホでするっす」

腐女子「異議なーし」

根暗(……僕っ娘のいる理科室に帰りたい)



369: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:39:30.26 ID:ZUFvaWN0O

【学外・喫茶店前】
メイド「ふぅ、話したっす。 満足したっす」

腐女子「えぇ、私も満足です」

根暗(……お茶代、僕持ちか)ハァ

腐女子「……良いですね、同族がいるって」

根暗「へ?」

腐女子「社会から除け者にされて、監視されて生きてきましたから……その、お二人と出会えて嬉しかったです」

メイド「……私も嬉しかったんすよ? 根暗と出会えた時」

メイド「お嬢や召使いのお陰で一人ではなかったすけど……たまに強烈な孤独感が襲ってくるんっす」

メイド「また、地下室に閉じ込められて……2度と出れないんじゃ無いかと思うと」ブルブル

メイド「だから、嬉しかったんすよ。 同じ境遇の二人に会えて」ニコ

メイド「だから、根暗。 また、3Pしてほしいっす」

根暗「うん……3Pしよう」

ドサッ

僕っ娘「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

根暗「」タラリ

僕っ娘「君のことだから、襲われて無理矢理やられたんだとは思うが……」

僕っ娘「今の言葉はいただけないな?」つ媚薬

根暗「あの……僕っ娘……そのね」アセアセ

僕っ娘「僕の家に行こうか?」

僕っ娘「誰がご主人様(こいびと)か思い出させてあげるよ?」クククククク

腐女子「メイド先輩……この展開は狙い通りですか?」フヒヒヒ

メイド「狙い通りっすよ」フフフ



370: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:40:19.64 ID:ZUFvaWN0O

【図書館】
秀才「そんな……そんなことが許されるのか!?」

優等生「触手魔術は稀少な魔術でもある。 保持するためには仕方ないだろう?」

秀才「……四大元素家に倫理を語る資格が無いことが解った」

優等生「倫理……魔術社会の善悪を決めるのは今や四大元素家だ」

秀才「違う……善悪というものは一人一人が作るものだ」

優等生「……議論するだけ無駄だな」つ忘却薬

秀才(恐らく瓶の中身は忘却薬か? 図書館は一階……肉体強化して窓から出て、沼魔術で足止めすれば逃げられr)

ドンッ

秀才「後から……だと?」

秀才(しまった……もう一人いたのか)バタン



371: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:40:54.43 ID:ZUFvaWN0O

優等生「……ボウズ、ご苦労」

ボウズ「……」ペコ

ボウズ【1-Bの生徒。 古くから四大元素家火魔術家の武術指南役を務めてきた肉体強化魔術の家系の出身】

優等生「……後は忘却薬を飲ませるだけ……待てよ、これは」ガサガサ

ボウズ(秀才先輩のポケットからメモ?)

優等生「書記魔術……忘却薬を飲まされることを予期して話した内容をメモしていたのか」

ボウズ「この男は何者なんです? 土魔術家の間者の可能性は」

優等生「……無いな。 頭の良い一般人だ」

優等生「忘却薬を飲ませる。 ボウズ、作業が済んだら秀才を保健室に運んでおいてくれ」

ボウズ「……」コクン



372: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:41:43.49 ID:ZUFvaWN0O

【保健室】
秀才「……頭が痛いな」

養護教諭「起きたか……もう暗いから、さっさと帰りな」

秀才「もう少し、心配してくださいよ。 先生」

養護教諭「俺がここで働いているのは可愛い妹に変な虫がつかないか見張るためだ」

養護教諭「他の生徒には関心が無い」

秀才(……そう言えば、おさげさんと兄妹だったな)

秀才「それでは……失礼します」

秀才(……頭が痛いが)

(覚えているぞ!!)



373: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:42:25.14 ID:ZUFvaWN0O

【一学期・2-C】
僕っ娘「秀才、僕と根暗が二人でテスト勉強出来るように計らってくれたら、好きな薬を調合してやろう」

秀才「ほう、良いだろう」

ポニテ「何、買収されてるの? まぁ、私も協力するけどさ」

僕っ娘「とは言っても、どんな薬でも調合できるわけじゃないがな」

秀才「……忘却薬を無効化する薬とか、作れるか?」

僕っ娘「あぁ、作れるが……何でそんな薬を?」

秀才(この前の病院での事件を深く追求したら、忘却薬を使われるかも知れないからね)

秀才「ただの知的好奇心さ。 契約は成立だな」

【現在・秀才帰路】
秀才「……少し、真実に近付いたな」

秀才(根暗がどんな存在だとしても……俺が守る)キリ



374: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/29(日) 12:47:55.20 ID:ZUFvaWN0O

【屋上】
水晶≪僕っ娘を返さないなら……死んじゃえ≫

丸眼鏡「……これでも火の若は根暗は危険性が低いと?」

お嬢「……」

オタク「……触手魔術の危険性は理解した」

オタク「だが、それが根暗の危険性と言うわけではない」

丸眼鏡「……どう意味?」

オタク「火炎魔術を使えても、人に向かって放たなければ傷付けない」

オタク「肉体強化が使えても、人を殴ならければ怪我をさせない」

オタク「例え、触手魔術に魔術社会を崩壊させる力があっても……俺がこの火の若がそうは使わせない」

オタク「根暗の友としてな」



384: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:41:53.21 ID:6cpIP3GUO

【魔術学園・2-D】
お嬢(……根暗さんのあの姿)

『僕っ娘を返さないなら……死んじゃえ』

お嬢(若様には悪いですが……私には化け物に見えてしまいましたわ)ハァ

メイド「お嬢」

お嬢「何かしらメイド……きゃっ」ドン

おさげ「いたっ!」

メイド「おさげに当たりそうっすよ?」

お嬢「当たる前に教えてくださらない? 全く……おさげさん、申し訳ありません」

おさげ「いえ、私も考えことしてまして……すみません」

オサゲー

お嬢「考えこと?」

オサゲーー

おさげ「えぇ……兄のことを」

養護教諭「おさげ! 何があった無事か!?」

メイド「い、今の悲鳴を聞いて駆け付けて来たんっすか?」

養護教諭「お嬢さんよ、うちのおさげにぶつかるとは良い度胸じゃねぇか? あぁん?」

お嬢「ひっ!」

召使い「待ってください! ぶつかったのはお互い様でしょう?」

おさげ「そうだよ、お兄ちゃん」

養護教諭「おさげ! 怪我してないか? 足擦りむいたりしてないか? 頭痛くなったりしてないか?」

お嬢「……何ですのこの人は」

メイド「重度の……シスコンっすね」



385: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:43:51.73 ID:QvaT7vbuO

おさげ「お嬢さん、本当にうちの兄がごめんね」

お嬢「気にしてませんわ。 妹想いの良いお兄さんですね」

おさげ「うん、優しいお兄ちゃんなんだけど……はぁ」

メイド「どうしたんっすか?」

おさげ「さっきみたいに私が少し怪我しただけでも大騒ぎするの」

おさげ「私は回復魔術は得意なのに……」

メイド「なるほど、うちの召使いみたいなもんっすね」

召使い「なっ! 俺は彼処まで酷くないぞ?」

お嬢「同じようなものですわ」

召使い「お、お嬢様……」ガーン

おさげ「シスコンに効く薬でもあれば良いんだけどね」ハハハ

お嬢「良ければ僕っ娘に聞いてみましょうか?」

メイド「お嬢、おさげは冗談で言ってるんっすよ? そういうのを察しないから美人の割りに友達が少ないんっす」

召使い「メイド! 口が過ぎるぞ!!」

お嬢「良いんですわ。 メイド、美人の癖に友達が少ない理由を教えていただき感謝しますわ」

メイド「自分で美人とか言うところも要因っすね」

召使い「メイド! 追い討ちをかけるな!!」

おさげ「ははは……そうだよね。 そんな都合の良い薬無いよね」ハァ



386: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:45:22.81 ID:QvaT7vbuO

【理科室】
僕っ娘「あるぞ」

お嬢・おさげ「な、なんだってーーー!!」

僕っ娘「近親相姦を避ける機能として、似た遺伝的形質を持つ人間を避ける機能があるんだが、魔法薬でその機能を強化するモノがあってだな……」

おさげ「魔法薬ってすごい!!」

僕っ娘「そ、そうか? ふふふ、そう言われると気分が良いな」

召使い「本当に上手くいくのか?」

僕っ娘「疑われて一気に気分が悪くなった」

お嬢「召使い! 謝罪しながらスクワット100回ですわ!!」

メイド「召使い! ファイト!!」

召使い「」

僕っ娘「そこまで調合も難しく無いし、あの姉妹で試してみようか」



387: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:46:47.06 ID:QvaT7vbuO

【美術室】
三編み(さっきの僕っ娘先輩からの差し入れ美味しかったな♪)

腐女子「三編みちゃん、筆が止まってるけどどうしたの?」

三編み「何でもないよ……ここの色合いはもう少し現実味があるものにした方が良いかな?」

腐女子「生々しい方が個人的には好きだね。 このア●ルに入ってる触手とかリアルで良いと思う」フヒヒヒ

三編み「ありがとう。 そこは一番こだわったんだ」アハハ

美術部長(彼女達は何を描いているんだ)ウェッ

ガラガラ

ポニテ「三編み、いる? ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」

三編み「何? また、僕っ娘さんと喧嘩した……」ガタガタ

ポニテ「そうなのよ! 最近、私が根暗と話す距離が近いだけで怒るから……どうしたの?」

三編み「……さい」

ポニテ「はぁ?」

三編み「お姉ちゃん……臭い」シッシッ

ポニテ「」



388: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:50:32.65 ID:QvaT7vbuO

【美術室前】
僕っ娘「どうだ? 効果覿面だろ?」

お嬢「僕っ娘、喧嘩しているからって……」

僕っ娘「何のことだが」フン

メイド「何で腐女子がいるっすか?」

腐女子「三編みちゃんに誘われて、美術部に入ったんですよ」フヒヒヒ

メイド(美術部長先輩……可哀想)

おさげ「これなら、シスコンの兄を撃退出来るかも知れません」グッ

お嬢「そこまで嫌でしたのね」

僕っ娘「では早速、おさげの兄にも……」

「そうか……あんたの薬のせいか」ゴゴゴゴゴゴゴ

ポニテ「僕っ娘!!」

僕っ娘「なっ!? 僕の根暗に触れるのが悪いんだ!!」

ポニテ「糸屑取ってあげただけじゃない!!」

おさげ「この薬、美味しいです」ゴクン

僕っ娘「なっ! 何で君が飲んでいるんだ!?」

おさげ「へ?」

僕っ娘「飲んだ方が家族を臭がるんだ。 兄に飲ませないと意味無いだろ?」

おさげ「……あ」



389: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:51:04.99 ID:QvaT7vbuO

【理科室】
根暗「……?」

召使い「申し訳ありません、申し訳ありません」フンッフンッ

オタク「根暗、ドアの前に立ち止まって何してるでござるか?」

根暗「えっと……召使いが……その……」

召使い「申し訳ありません、申し訳ありません」フンッフンッ

オタク「……何でござるか? これ」

根暗「解らない……でも、すごい悲しい顔をしてる」フンッフンッ

オタク「いや、何で根暗もスクワットを!?」

根暗「だって、何か……その、一人でしてたら可哀想じゃん」フンッフンッ

召使い「申し訳ありません、ありがとう、申し訳ありません」フンッフンッ

根暗「申し訳ありません、申し訳ありません」フンッフンッ

オタク「……何の儀式だこれは」ハァ



390: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:51:52.86 ID:QvaT7vbuO

召使い「……と言うわけだ」

オタク「なるほど、それは災難だったな」

根暗「……はぁはぁ、疲れた」

召使い「もうすぐお嬢様とその他が帰ってくる」

召使い「恐らく、俺達は養護教諭捕獲作戦に駆り出されるぞ?」

根暗「なるほど」

オタク「なるほど」

養護教諭「なるほどな」

根暗・オタク・召使い「」

養護教諭「面白そうな話をしてんじゃねぇか?」



391: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:52:50.69 ID:QvaT7vbuO

【美術室】
僕っ娘「さて、どうやって飲ませるか? おさげさんならば警戒されずに飲ませれると思っていたが」

おさげ「ごめんなさい……」シュン

お嬢「解除薬は無いのですの?」

僕っ娘「1つ用意していたが、ポニテに取られてしまった」

ポニテ「もう臭くない? ねぇ、もう臭くない?」

三編み「……うん、大丈夫だよ」スンスン

腐女子「フヒヒヒ、GLもいけるんですよね! サーセン!!」ハァハァ

タッタッタッタッタッ

召使い「お嬢様!」ハァハァ

お嬢「召使い、どうしましたの?」

召使い「そ、それが薬のことが養護教諭先生にバレてしまいまして」

おさげ「そんな……」

召使い「今、オタクと根暗が捕まえようと追いかけています」

お嬢「召使い、貴方もすぐに追うのです! 捕まえられなかったら……謝罪スクワット500回!!」

メイド「それを校庭の真ん中でしてもらうっす」

召使い「……行って参ります」グスン



392: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:54:17.30 ID:QvaT7vbuO

【校舎裏】
オタク「……養護教諭先生、追い詰めたでござるよ?」

根暗「はぁはぁ、スクワットの後に……追いかけっこは……辛い……」

召使い「謝罪スクワットはもう嫌だ」グッ

養護教諭「追い詰められた? 人目に着くところで教師が生徒に手をあげるわけにはいかんだろ?」スッ

オタク「デュフフフ、拙者達に勝てるでござるかな?」

召使い「土中生物釣り上げ隊新入隊員、召使い!!」

オタク「土中生物釣り上げ隊副隊長、オタク!!」

根暗「ど、土中生物釣り上げ隊隊長、根暗!!」

オタク「我ら、土中生物釣り上げ隊四天王に……あふん」

養護教諭「……ガキ共、あんまり大人を舐めんなよ?」

根暗・召使い「副隊長ーーー!!」

養護教諭「ガキの割りには強い方かも知れないが……ガキはガキだな」

養護教諭「ここの教師になる資格知ってるか?」

養護教諭「生徒5人以上が暴動を起こしても、5分以内に鎮圧出来ることだ」ギロ

召使い「う、うぉぉおおお!!」シャキーン

養護教諭「水のサーベルか……危ないモノ振り回すなよ」ドンッ

召使い「うぉぉおお……あふん」バタッ

根暗「し、新入隊員ーーーー!」

養護教諭「残るはお前だけだな……隊長さんよ」

根暗「……先生、オタクの話をちゃんと聞いてなかったでしょ?」

養護教諭「何?」

根暗「……僕達は、土中生物釣り上げ隊四天王だ」キリ

養護教諭「……四天王?」

グチャ

養護教諭「クソッ……そういうことか? お前らはこの魔術が準備出来るまでの時間稼ぎだったわけだな」

養護教諭「沼魔術なんて渋い魔術を使うな……秀才」

秀才「Exactly!俺だ!!」

根暗「せ、先生の敗因は妹にばかり執着して他の生徒をちゃんと見ていなかったこと……だと、あの、思います」オドオド

養護教諭「はぁ、勝った奴がオドオド喋ってどうする」

養護教諭「だが……お前の言う通りだな」



393: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:55:04.94 ID:QvaT7vbuO

『養護教諭、今日から君はおさげの兄だ』

『養護教諭、私達は忙しい。 おさげの面倒を頼んだぞ?』

『兄として、おさげをしっかり守ってやってくれ』



394: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:55:34.93 ID:QvaT7vbuO

養護教諭「……両親ともに回復魔術を極めた医者でな、忙しくて殆ど家に居なかった」

養護教諭「俺は何時もおさげの面倒を任されていた

養護教諭「そのうち、俺が家族でいれる理由が……おさげの面倒を見れるからだと思うようになった」

根暗(……家族でいれる理由?)

養護教諭「おさげといれるように強くなり、おさげを守れるように強くなってきたつもりだったが……根暗、お前の言う通りだな」

養護教諭「生徒に言われちまうとは……俺が間違ってたよ」フゥ



395: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:56:11.21 ID:QvaT7vbuO

根暗「せ、先生はおさげさんを守る為だけにそんなに強くなったんですか……?」

養護教諭「……」

根暗「ぼ、僕は間違って無いと、その……思います」

根暗「先生は負けただけで……間違ってはない、と思います」

根暗「誰かの為に強くあろうとすることが間違ってる何て……その、哀しいから」

養護教諭「……ありがとう、根暗」

養護教諭(妹以外の生徒にも……もっとちゃんと目を向けるべきだな)ハァ



396: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:56:57.23 ID:QvaT7vbuO

「お兄ちゃん……」

養護教諭「おさげ……今まで悪かったな」

おさげ「お兄ちゃん……何で、お兄ちゃんを臭く感じないの?」ポロポロ

養護教諭「……」

おさげ「……お兄ちゃんは」

養護教諭「……俺はお前の本当の兄ではない」

養護教諭「俺は子供が出来なかったおさげの両親に養子として引き取られた」

養護教諭「跡継ぎとして回復魔術を叩き込まれたが、引き取られてすぐにおさげが産まれて……俺は用済みとなってしまったわけだ」

おさげ「……」

養護教諭「俺が家族でいるために……おさげを愛し、お前を守ろうと決めた」

養護教諭「結局、自分の為にやっていたに過ぎないな」



397: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 08:59:26.09 ID:QvaT7vbuO

おさげ「……それでも、お兄ちゃんが私を守ってくれたことには変わらないでしょ?」ギュ

秀才(沼の中で抱き合っている……)

おさげ「ありがとうね、お兄ちゃん」

養護教諭(……何だ、心配しなくても彼女はちゃんと俺を家族と思ってくれているじゃないか)フフフ

おさげ「ところで……本当の兄妹じゃないんだよね」ハァハァ

養護教諭「ん?あぁ……そうだが?」

おさげ「じゃあ、もう我慢しなくて良いよね?」ハァハァ

養護教諭「」

召使い「イタタタ……これはどういう状況だ?」

お嬢「召使い、ご苦労様」

お嬢「どうやら、おさげさんの悩みといいますのは」

僕っ娘「大好きな(異性として)お兄ちゃんがシスコンで、これ以上近付かれるのは辛い……と言うことだったらしい」

養護教諭「止めろ! おさげ!! 沼の中に手を突っ込んでそんなところを……アァ」///

根暗「オタク……この学園の女子には変態しかいないのかな?」トオイメ

オタク「……否定できない」トオイメ



398: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 09:00:06.01 ID:QvaT7vbuO

【翌日】
養護教諭「オタク、お前は火魔術を使える状況なら俺と対等以上に戦えるだろう」

養護教諭「だが、使えない状況の場合動きに無駄が多い。 火魔術が使えない場合に補う何かを身に付けろ」

オタク「解ったでござるよ!」

養護教諭「召使い、単純な武術だけならお前が一番この中で強い。 」

養護教諭「だが、感情的になりやすく動きが単純になる傾向がある……どんな時でもまず落ち着け」

召使い「はい! ありがとうございます」

養護教諭「根暗、お前はそもそも型と言うものが出来てない。 触手との組み合わせも考えて型を作ってみろ」

根暗「は、はい」

養護教諭「秀才は……えっと、うん、頑張れ」

秀才「扱い雑すぎません!?」

僕っ娘「……何だあれは」

お嬢「土中生物釣り上げ部……らしいですわ」

僕っ娘「……土中生物と関係無い特訓してないか?」

メイド「そもそも、部の申請には部員5人と顧問が必要っすよね」

ポニテ「顧問は養護教諭先生として……部員は根暗君、オタク、召使い君、秀才よね」

秀才「マネージャー……水!」

おさげ「はい」ニコ

土中生物釣り上げ部設立!!
≪部長・根暗、副部長・オタク、部員・秀才&召使い、マネージャー・おさげ、顧問・養護教諭≫



406: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:17:53.13 ID:B460DfoHO

三編み「遂に……出来たね」

腐女子「あぁ、私達の努力の結晶だね」フヒヒヒ

同人誌≪土中生物釣り上げ部合同同人誌≫

三編み「腐女子ちゃんが描いた召使い×オタクすごいよ」

腐女子「いやいや、三編みが描いた根暗総受けシリーズの方が読み応えがあって良いよ」フヒヒヒ

美術部員A「私としては秀才触手姦が良いなぁ」←♀

美術部員B「私はね~……」←♀

ワイワイ

美術部長(……もう嫌だ、この美術部)←♂



407: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:18:57.80 ID:B460DfoHO

【3-D】
美術部長「……はぁ、どうしたものか」

放送部長「ありゃりゃ、美術部長。 どうしたの?」

美術部長「放送部長……実は美術部が大変なことになっていてな」

放送部長「良かったら話聞くわよ? この歌って踊って、お悩み相談も出来る学園アイドル! 放送部長がね☆」ウィンク

美術部長「ははは、君は何時でも元気だな」

美術部長「……実は最近、新しい部員が入ってきてね。 その子の影響で美術部の方向性がおかしな方に」

放送部長「ありゃりゃ、まぁ、何処の部にもトラブルメーカーっていうのはいるものね」

美術部長「全くだ……はぁ、腐女子には困ったものだ」

放送部長「腐女子? その腐女子ってもしかしてBLが大好きで、実はGLもいけてフヒヒヒって笑うあの腐女子?」

美術部長「あぁ、そうだが……知り合いか?」



408: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:19:31.50 ID:B460DfoHO

【食堂】
放送部長「よろしいのですか?」

丸眼鏡「……」モキュモキュ

机の上≪大盛カツカレー、豚骨ラーメン、鶏の照焼、シーザーサラダ、他3点≫

丸眼鏡「……ゴクン。 大丈夫、私なら全部食べきれる」

放送部長「昼食の話ではありません! 腐女子の話です!!」

丸眼鏡「声が大きい。 腐女子が美術部に入りたいと申請してきたから許可を出しただけ」

放送部長「どうして……あまり、自由にすべきではないと思います」

丸眼鏡「……火の若曰く、危険な力を持っていてもそれを使わなければ良いらしい」

丸眼鏡「ならば、腐女子がそれを使えない状況を作れば良い」

放送部長「それが美術部への入部を許可したわけですか」

丸眼鏡「そう」

放送部長(……人との繋がりを持てば死霊術を使いにくくなるということか?)

丸眼鏡「私は風読み術の結果に従ったまで……食事に戻っていいか?」

放送部長(……あくまで占いの結果なのですね)ハァ



409: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:20:14.06 ID:B460DfoHO

【美術部】
ガラガラ
美術部長(……はぁ、部活に行くのがここまで憂鬱になるとは)

美術部長「なっ!?」

美術部員A「どんなもんよ!!」

腐女子「うわぁ!パネェです!! 」

三編み「彫刻でリアルにこんな[Pー!]が[Pー!]している養護教諭先生を作り上げるとは……流石です!!」

美術部長「……君達は何をしてるんだ?」

美術部員B「私だって負けてないわよ!!」

腐女子「す、すごい……墨だけで風来坊の暴れん棒が生徒会長の目安箱に投函されてるのを表現している」

美術部員A「や、やるわね……美術部員B」ゴクリ

美術部長「いや、本当に何をしているんだ! ちゃんと部活をだな!!」

三編み「そうですね。 では、今日はヌードデッサンをしましょう!」

美術部長「……ヌードデッサン」タラリ

女子部員A「ということで……」

女子部員B「美術部長……」

腐女子「脱いでください」フヒヒヒ

イヤァーーーーーーー!!



410: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:20:55.63 ID:B460DfoHO

【風魔術家のお屋敷】
丸眼鏡「……ふむ」

放送部長「ご主人様、何を見ているんですか?」

丸眼鏡「腐女子に美術部で行ったことを報告するようにと伝えたんだが……」

絵≪美術部長の痴態≫

丸眼鏡「…………自由を与えすぎたかも知れない」

放送部長「……美術部長、可哀想に」ナム



411: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:24:21.44 ID:B460DfoHO

【美術部長の家】
美術部長「……」ドヨーン

美術部長(このままでは本当に美術部が崩壊してしまう。 何とかしなければ……)

美術部長「……はぁ、気晴らしに絵でも描くか」

美術部長(何を描こうか……抽象画も良いな。 果物のスケッチも良いが……)

美術父「……また、絵を描いているのか?」

美術部長「父さん……」

美術父「魔術師に絵など不要だと何時も言っているだろ?」

美術部長「……父さんには関係無いだろ」

美術父「全く、絵の練習をするぐらいならしっかり魔術の鍛練をだな……」

美術部長「魔術師に必要なくても、僕には絵が必要なんだ!!」バンッ

美術父「……フンッ、もう知らん。 好きにしろ」



412: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:26:02.01 ID:B460DfoHO

【3-D】
美術部長(……はぁ、昨晩はあまり寝れなかった)

放送部長「大丈夫? 大分お疲れのようだけど……」

美術部長「あぁ、心配してくれてありがとう……少し絵を描きすぎてね」

クラスメイト「ねぇねぇ、美術部長君」

美術部長「何だい? クラスメイトさん」

クラスメイト「美術部長君も……こういう絵を描くの?」ドキドキ

同人誌≪土中生物釣り上げ部合同同人誌≫

美術部長「」アングリ

放送部長「うわぁ……うわぁ……」

美術部長「こ、ここ、これを何処で手に入れた!?」

クラスメイト「えっ?購買近くで美術部の人たちが販売してたよ」

美術部長「な、何しとんじゃ!!」ダッ

放送部長「……鬼の形相だったね」

クラスメイト「うん」ビクビク



413: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:26:31.49 ID:B460DfoHO

【2-D】
お嬢「……うわぁ、ですわ」

メイド「お嬢、なに読んでるんっすか?」

お嬢「若様が表紙に載っていたから買ってみたのですが……うわぁですわ」

メイド「……あぁ、腐女子達が描いてたヤツっすね」

お嬢「メイド……貴女は腐女子さんとは仲が良いの?」

メイド「まぁ、同族だとは思ってます」

お嬢「えっ! メイドもBLが好きn」

メイド「そういう意味じゃ無いっす」



414: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:27:26.48 ID:B460DfoHO

【第一回3P会議後】
僕っ娘「今晩は帰れないと……いや、眠れないと思ってもらおう」

根暗「は、はい……」ドキドキ

メイド「僕っ娘と根暗は仲良いっすね」

腐女子「……」

メイド「腐女子……どうしたっすか?」

腐女子「私は……丸眼鏡にあまり人と関わるなと命じられておりまして」

腐女子「この会議への参加も……頼み込んで何とか許可が貰えて……何と言うか」

腐女子「少し……羨ましいです」

メイド「そうっすか……」

【現在・2-D】
お嬢「……止めた方が良くなくて?」

メイド「良いんじゃないっすか? 本人が楽しいなら」

メイド(腐女子、良かったっすね)



415: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:33:01.81 ID:B460DfoHO

【購買前】
腐女子「まいどあり!」

三編み「ありがとうございます!!」

腐女子「もう少しで完売だね!」

三編み「うん♪」

三編み「……ねぇ、腐女子ちゃん」

腐女子「何? どうしたの?」

三編み「腐女子ちゃんは今楽しい?」

腐女子「……うん、楽しいよ。 三編み、美術部に誘ってくれてありがとうね」

コラァーーーーーーー!!

美術部長「……はぁはぁ、やっぱりお前らか」

三編み「ぶ、部長……一冊買われますか?」アセアセ

腐女子「どぞどぞ」つ同人誌

ビリビリ

三編み「」

腐女子「」

美術部長「この際だ、はっきり言っておこう……美術部はなBLモノの同人誌を描く場所じゃない!!」

三編み「ぶ、部長の言い分も解りますが……ここまでやることは」

美術部長「これ以上、美術部の邪魔をしないでくれ」

腐女子「じゃ、邪魔なんか……」

美術部長「いいか、腐女子……美術部にはな」

「お前の居場所なんて無いんだ!!」

腐女子「……」ダッ



416: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:34:03.38 ID:B460DfoHO

三編み「部長……言い過ぎです」

美術部長「……三編みちゃん、何で彼女を美術部に引き入れたんだ?」

三編み「彼女が……寂しそうだったから」

美術部長「寂しそうだった?」

三編み「夏休み、ひょんなことから知り合って、仲良くなったんです」

三編み「二学期に入ってもう一度語り合いたいと思って彼女の教室に言ったんですが……」



417: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:35:21.15 ID:B460DfoHO

【先日昼休み・1-A】
三編み(……腐女子ちゃん、いるかな?)キョロキョロ

腐女子「……」ボー

三編み(一人で空を眺めてる……?)

三編み「腐女子ちゃん、何してるの?」

腐女子「み、三編み……だっけ?」

三編み「覚えててくれたんだ。 それで、何してたの?」

腐女子「空を見ていたの……私は誰とも関わったらいけないから」

三編み「……どういう意味?」

腐女子「……詳しくは話せない。 でも、私は居場所を求めたらいけないの」

三編み「……そんなこと無いよ」

腐女子「事情も知らないくせに勝手なこと言わないで」

三編み「むっ」チョコン

腐女子「……何で前に座るの?」

三編み「私の大好きな先輩が言っていたんだ、自分が嫌なことに正直になることが強さだって」

三編み「私は腐女子ちゃんを放っておくのが嫌になった」

三編み「腐女子ちゃんが嫌がっても、誰かが邪魔してきても、私は腐女子ちゃんを一人にしない」

三編み「無理矢理でも居場所を作ってみせる」

丸眼鏡「……」

腐女子「何で、そこまで……」

三編み「私は強く在りたいの! だから、腐女子ちゃんも一緒に強くなろ」ニコ

腐女子(……自分の嫌に正直に、か)

腐女子「……私、本当は……居場所が欲しい」

三編み「任せて! う~ん、やっぱり部活とか始めるのが良いかな?」

三編み「……あっ!美術部に来ない?」



418: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:36:47.77 ID:B460DfoHO

【現在・購買前】
美術部長「……彼女に事情があるのは解ったが、それでも美術部としての活動を邪魔してることには変わらない」

「誰が邪魔してるって?」

美術部員A「腐女子ちゃんが入部してから毎日楽しんだけど?」

美術部員B「あの子、想像力豊かだから話しててインスピレーション湧くのよね」

美術部長「……」

三編み「部長を悪者扱いする気はありません。 仰ってることももっともだと思います」

三編み「確かに、美術部には腐女子ちゃんは要らないのかも知れません」

三編み「それでも、腐女子ちゃんには美術部が……居場所が必要なんです!!」

『魔術師に必要なくても、僕には絵が必要なんだ!!』

三編み「お願いします……彼女から居場所を奪わないでください」

美術部長「……」

三編み「迎えに行ってきて……良いですか?」

美術部長「……駄目だ」

三編み「部長!!」

美術部長「僕が……行ってくる」



419: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:38:49.62 ID:B460DfoHO

『死霊術使いだって』

『気持ち悪いよな?』

『死体愛好家だったりするんじゃねぇ?』

『気持ち悪いヤツ』

『シッシッ、向こう行け! 死臭が移る』

『この世にお前の居場所なんて無いんだ』



420: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:39:24.54 ID:B460DfoHO

【屋上】
腐女子(どうせ……私には居場所なんて無いんだ)

腐女子「……私なんて」

美術部長「腐女子、ここにいたのか?」

腐女子「部長……美術部の邪魔をしてすみませんでした」

美術部長「全くだ。 先程も言ったが美術部は同人誌を描く場所ではない」

腐女子「はい、本当に……すみません……もう、ほうっといて下さい……私には居場所なんて……最初から無いんですから」

美術部長「だからさ」

「風景画を描いてみないか?」

腐女子「……へ?」

美術部長「自分が気に入った風景を順番に描いていくんだ。 描けば描いた分だけ自分の世界が広がっていく」

腐女子「でも、私、そんなの描いたことないです」オロオロ

美術部長「じゃあ、僕が教える。 君の好きな風景を、君の隣で僕も一緒に描こう!」

美術部長「君が好きだと思った景色は間違いなく君の居場所なのだから」ニコ

腐女子「私も……居て良いんですか?」

腐女子「私も……皆さんと居て良いんですか?」ポロポロ

美術部長「酷いことを言って悪かった」

「一緒に描こう……君の居場所をね」



421: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/30(月) 22:42:02.80 ID:B460DfoHO

【風魔術家のお屋敷】
丸眼鏡「……ふむ」

放送部長「ご主人様、また腐女子の絵を見てるんですか? 目が腐りますよ?」

丸眼鏡「いや、今回は男の絵ではない」

放送部長「え? これは……教室ですかね? あぁ、美術室ですね」

放送部長「あの子……何でこんな絵を描いたんでしょう?」

丸眼鏡「解らない」

丸眼鏡(だが、この絵を持ってきた時の腐女子の顔が……)

腐女子『丸眼鏡、描いた絵を持ってきたよ』

丸眼鏡(どうしても、私の頭から離れない)

丸眼鏡「……私は間違っているのだろうか」ボソッ



426: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:53:06.66 ID:XU1xGDs4O

【森の小屋】
チュンチュン
根暗「……むぅ、朝か」ファア


根暗「おはよう、お爺ちゃん」

触手爺「ん」

根暗「今日も部活の朝練だから、早く出るね」

触手爺「ん」

根暗「僕は部長だからね! 遅れるわけにはいかないんだ」エッヘン

触手爺「ん」ナデナデ

根暗「こ、子供扱いしないでよ……」

触手爺「フッ」

根暗「お爺ちゃん…………今日はよく喋るね」

触手爺「あぁ」

根暗「……あっ、今日は収穫の日か」

触手爺「ん」

根暗「だから機嫌が良いんだ。 今日は研究会休んで早めに帰ってくるよ」

触手爺「いや」

根暗「一緒に……収穫したいな」シュン

触手爺「ん」ナデナデ

根暗「ははは、じゃあ早く帰ってくるね」

触手爺「……根暗、気を付けてな」

根暗「うん! いってきます」

根暗(本当に今日はよく喋るな)



427: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:53:41.96 ID:XU1xGDs4O

【魔術学園食堂・昼休み】
僕っ娘「何! 今日は研究会を休むだって!?」

根暗「え、あの……駄目、かな?」

僕っ娘「駄目ではないが……午後からの授業、僕は何を心の支えに耐えれば良いんだ」

オタク「デュフフフ、僕っ娘殿は大袈裟でござるな」

ポニテ「嫌、多分ガチで言ってるわよ」ハァ

僕っ娘「理由を言え! また、3Pをしに行くのか!!」

オタク・ポニテ(3P?)

根暗「今回はさ、3Pじゃないよ」

オタク「その3Pとは一体……」

ポニテ「あんた、僕っ娘というものがいながら何してんの?」ギロリ

根暗「いや、あの……その」ビクビク

僕っ娘「3Pじゃないなら、何だ?」

根暗「家の手伝いを……しないと行けなくて」

僕っ娘「家の手伝い?」



428: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:54:14.20 ID:XU1xGDs4O

【根暗の通学路】
秀才「つまり、住んでいる小屋の裏にある畑の収穫を手伝うために早く帰らないといけないってことか」

根暗「そういうこと」

僕っ娘「……僕達も手伝うことにしたわけだが、秀才が何でいるんだい?」

秀才「何で僕っ娘は僕達に俺をいれてくれないんだい?」

秀才「そもそも、昼食も呼んでくれたら良かったのに」

根暗「魔法薬研究会の文化祭についての打ち合わせが目的だったから……その、呼んでもつまらないかなと」

オタク「秀才がいてもつまらないとは……根暗も言うようになったでござるな」デュフフフ

秀才「」

根暗「そういう意味じゃないよ」オロオロ

ポニテ「秀才君がいようがいまいがどっちでも良いから、それより根暗が通ってるゲートはまだなの?」

秀才「」グスン

根暗「もうちょっと……あ、ここ入ったところ」

秀才(ここって路地裏じゃないか)

僕っ娘「……こんなところにゲートがあったとは、知らなかったな」

根暗「ゲートを越えたら、その、すぐだから」



429: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:54:43.60 ID:XU1xGDs4O

【森の小屋】
ポニテ「……何だかすごいボロい小屋ね。 あぁ、農具置き場?」

根暗「ぼ……僕の家」シュン

秀才(本当に隔離されて暮らしているんだな)

僕っ娘「ポニテ、僕の髪乱れてないか? 服、汚れてないか?」ドキドキ

ポニテ「大丈夫だけど……どうしたの?」

僕っ娘「義祖父様に会うのに失礼があったらいけないだろう?」

ポニテ「はいはい、そうね」

ギィ

触手爺「……」ギロリ

オタク(……この人が)タラリ

ポニテ(何だか凄い睨まれてる)

僕っ娘(根暗とそっくりだな)

秀才(……ふむ)

根暗「魔法薬研究会の皆と僕の友達の秀才も収穫を手伝ってくれるって」

触手爺「ん」

根暗「ありがとう。 小屋にある道具好きに使って良いってさ」

ポニテ(今ので何が伝わったの?)



430: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:55:09.94 ID:XU1xGDs4O

【農場(小屋の裏)】
ポニテ「農場広い! これ、一人で耕したんですか?」

触手爺「ん」ニョロン

秀才「なるほど、触手魔術を使って耕したんですね」

触手爺「ん」ニョロン ニョロン

ポニテ「……触手を使ってどんどん人参を抜いてる」

根暗「ふふふ、僕のお爺ちゃんは凄いでしょ」フンス

ポニテ(根暗はお爺ちゃんっ子なのね)

秀才「ほぼ、自給自足の生活を送っているんだな……肉とかはどうするんだ?」

根暗「この森は動物が多いから、人参とかを放っておくとね」ポイッ

ダダダダダダダダダ

大猪「ブォオオオオオ!!」ダダダダ

根暗「向こうから来てくれるんだ」ニョロン

大猪「」ギュウ

根暗「お爺ちゃん、猪捕まえたよ」

触手爺「ん」

根暗「解った、血抜きをしてくるね」

ポニテ(だから、どうして伝わるの?)



431: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:55:38.86 ID:XU1xGDs4O

グイグイ
根暗「ひゃっ! ……僕っ娘か。 どうしたの?」

僕っ娘「血、血抜きに行く前にちゃんと僕を紹介してくれないか?」ドキドキ

根暗「そ、そうだね……」

根暗「お爺ちゃん……彼女が前に話した僕の恋人の……」

僕っ娘「僕っ娘と言います! 御孫さんを僕にください!!」

根暗(何言ってるの!?)///
僕っ娘(何を言ってるんだ、僕は)///

触手爺「……」スタスタスタ

ガチャン

僕っ娘(小屋の中に戻ってしまった)ズーン

ガチャン

触手爺「ん」つ袋

僕っ娘「あの……義祖父様、これは?」

袋の中≪魔法薬の素材≫パンパン

僕っ娘「なっ! 凄い! 貴重な素材もある!! なっ! このキノコは前から欲しかった……良いんですか?」キラキラ

触手爺「ん」

僕っ娘「義祖父様……」キラキラ

ポニテ「僕っ娘、良かったね」

根暗「……血抜きに行ってくるね」ムス

オタク(……自分の祖父にも嫉妬するか)



432: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:56:12.76 ID:XU1xGDs4O

【森の湖】
根暗「……」ドスドス

大猪「」

オタク(逆さに吊らした大猪を刺触手で刺してるな)

オタク「根暗……最近おかしいぞ?」

根暗「何が?」

オタク「……風来坊と戦った記録を見させて貰った」

根暗「……向こうから仕掛けてきた」

オタク「あぁ、悪いのは風魔術家だ」

オタク「だが、俺が知っている根暗はあんな戦い方をする奴でも、出来る奴でも無かった」

根暗「正直……あんまり、覚えてないんだ」

オタク「……」

根暗「僕っ娘が奪われて、頭の中に血が昇って……何だか……」

「触手に支配された気分になった」



433: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:56:39.50 ID:XU1xGDs4O

【農場】
僕っ娘「義祖父様の為に頑張るぞ!」スポンスポン

ポニテ「あんまり無理しちゃ駄目よ? あんた、体力無いんだから」

僕っ娘「うぉぉおおお!」

ポニテ「聞いてないし」ハァ

秀才(僕っ娘とポニテは収穫に夢中になってるな。 オタクは血抜きについていったか)チラ

触手爺「……」ニョロン ニョロン

秀才(聞くなら今しかないか)

秀才「お爺さん……少しお話し良いですか?」



434: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:57:35.53 ID:XU1xGDs4O

オタク「触手魔術は強力な魔術だ」

根暗「……うん」

オタク「だが、四大元素家が一級危険魔術に定めた理由は単に強いからというわけでは無い」

根暗「……?」

オタク「触手魔術は……世界を征服仕掛けたことがある」

『その魔術師はある魔術を用いて世界征服を目論んでいた……いや、実際に世界の3割りは征服された』

根暗「世界の3割りを支配した魔術……」

オタク「あぁ、それが触手魔術だ」

オタク「その触手魔術師は愛する者の病気を治すために世界手に入れようとした」

根暗「病気を治すため……どういうこと?」

オタク「不治の病だったんだが、誰かが治療方法を隠しているという被害妄想に取り憑かれていたらしい」

根暗「そんな……おかしな話が」

オタク「自分の祖父に嫉妬しているお前も十分おかしいよ」

オタク「世界を征服しようとしたイカれた男もお前と同じことを言ったんだ」

オタク「触手に支配された気分になった、とな」

オタク「火魔術家はその言葉を受けて触手魔術を研究したが、魔術が行使されるまでの機構が全く解らなかった」

根暗「どういうこと?」

オタク「根暗が操っている触手が何処から来たのか解らないってことだ」

オタク「他所から召喚したわけでもなく、小さな触手を急成長させたわけでもない」

オタク「……そんなわけの解らない存在(触手)に支配されて暴走されたら危険と見なすしか無いだろ?」

根暗「お、オタクは……その、僕のことを……」

オタク「俺はお前を守りたい」

根暗「……」

オタク「だから、根暗……頼むから、触手に負けないでくれ」



435: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:58:21.47 ID:XU1xGDs4O

【農場】
秀才「触手魔術が世界を征服しかけたという話は……本当ですか?」

触手爺「……」

秀才(教えてくれないか……)

触手爺「何処まで知っている?」

秀才「!?」

秀才「触手魔術が世界の3割りを支配したこと、それが原因で一級危険魔術に指定されたこと……そして」

「根暗が世界を征服しかけた男の細胞から作られたホムンクルスだということ」

触手爺「……ん」

秀才(小屋の中で話そうと言うことか?)



436: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:59:05.91 ID:XU1xGDs4O

【森の小屋】
秀才「……」

触手爺「……どう思った?」

秀才「四大元素家には正直憤りを感じました。 根暗に対しては……だから何だ、と思いました」

触手爺「?」

秀才「彼がどのような存在でも、俺は彼の一言に救われた……その事実は変わりませんから」

触手爺「……」

『お爺ちゃん、新しい友達が出来たんだ』

『秀才って言って色々な事が出来るヤツで……いや、きっと出来るようになったヤツなんだろうけど』

『とっても良いヤツなんだよ!』

触手爺「……そんなに古い話じゃない」

秀才「……?」

触手爺「私の事だからね」

秀才「私のこと? ……世界を征服しかけた魔術師は貴方なんですか?」

触手爺「……ん」



437: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 08:59:50.20 ID:XU1xGDs4O

『きっとこの街なら彼女の治療法が見つかる』

『何で見つからないんだ?』

『何で、何で見つからない』

―誰かが隠しているのか?

『誰が隠している?』

―解らない、でも誰かが隠している

『それなら……どんな手を使ってでも探して、聞き出すしか……ないよね?』ニョロン



438: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 09:00:19.06 ID:XU1xGDs4O

秀才「触手に支配された……ですか?」

触手爺「ん」

触手爺「四大元素家に敗れ、この森に監禁されている」

秀才「……貴方はもう支配されてないんですか?」

触手爺「……愛を失った」

触手爺「あの子と畑が全てだ」

秀才「……そうですか」



439: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 09:00:56.04 ID:XU1xGDs4O

【農場】
僕っ娘「……はぁはぁ」

ポニテ「張り切りすぎよ……あんた」つ水

僕っ娘「ありがとう……やっと帰ってきたか」

根暗「う、うん、遅くなってごめんね」

オタク「少し根暗と語り合ってきたでござる」

根暗「……秀才とお爺ちゃんは?」

僕っ娘「ん? 小屋の中にいるぞ」

ガチャ

触手爺「……」

秀才「根暗……血抜きは終わったのか?」

根暗「う、うん……秀才は何してたの?」

秀才「お爺さんに野菜を育てるコツを教わってたんだ。 家でやってみたくてね」

触手爺「ん」

僕っ娘「それより、根暗」

根暗「……何?」

僕っ娘「が、頑張って収穫したんだが……褒めてくれないのか?」ウワメ

根暗「えっと、ありがとう」ナデナデ

オタク「見せ付けてくれるでござるな」

ポニテ(私も頑張らないとな)チラ

オタク「どうしたでござるか?」

ポニテ「な、何でもない!」プイッ



440: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 09:01:28.68 ID:XU1xGDs4O

オタク「さて、それじゃあそろそろ帰るでござるよ」

根暗「僕っ娘、家まで送るね」

僕っ娘「送り狼にでもなるつもりかい?」

根暗「あ、あぅ」///

僕っ娘「冗談さ」クスクス

ポニテ「……私も誰か送ってくれないかな~」チラチラ

オタク「秀才、一緒に帰るでござる」

秀才「ん? あぁ、かまわないぞ」

ポニテ「」

触手爺「……君達」

オタク・僕っ娘・秀才・ポニテ「!?」

触手爺「これからも根暗と仲良くしてやってくれ」ペコ



441: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 09:06:13.92 ID:XU1xGDs4O

【帰路】
秀才「根暗のお爺さん良い人だったな」

オタク「そうでござるな~」

秀才「……あの人が」

オタク「どうしたでござる?」

秀才「いや、何でもない」

オタク「あの人が世界を征服しかけたなんて、信じられないか?」

秀才「!?」ピタ

オタク「あまり嗅ぎ回るな……次は忘却薬ではすまんぞ?」ギロリ

秀才「……なぁ、オタク。 火魔術家は何がしたいんだ? 」

秀才「何で四大元素家は根暗を作ったんだ?」



451: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:12:56.38 ID:VFkBaPLqO

【生徒会室】
生徒会長【3-Bの生徒。 魔術学園の生徒会長。 体が弱く、すぐ吐血する】

生徒会長「皆、もうすぐ文化祭だ。 今年はクラスだけではなく部や非公式だが、研究会の催し物の申請が来ている」

生徒会長「去年より、店舗数が多くなり運営する生徒会の責任は重大だろう……」

副会長【2-Aの女子生徒。 クールな生徒会副会長。 吐血した生徒会長の回収係り】

書記【3-Cの男子生徒。 字が綺麗という理由で生徒会長にスカウトされた】

会計【1-Cの男子生徒。 数学が得意という理由で生徒会長にスカウトされた】

生徒会長「だが、僕達なら乗り越えられると信じてい……ゲボォ」トケツ

書記「惜しかったな、もう少しで言い切れたのに」

会計「惜しかったですね」

副会長「私は会長を連れて保健室に行ってから、文化祭に参加する部活関連の催し物の内容を聞いてきます」

副会長「書記先輩と会計君は各クラスの催し物の確認をお願いします」

書記・会計「へいへい」



452: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:13:22.84 ID:VFkBaPLqO

【保健室】
養護教諭「……また、吐いたのか?」

生徒会長「先生……すみません」

養護教諭「謝ることじゃ無いけどよ……発散はちゃんとしているか?」

生徒会長「はい。 たまに風来坊に付き添って貰って行ってます……」

養護教諭「もう一回検査を受けた方が良いかも知れないな。 うちの父に紹介文頼んでやるよ」

生徒会長「ありがとうございます」

養護教諭「……今日はもう帰るのか?」

生徒会長「いえ、今から副会長と合流して生徒会の仕事を……」

養護教諭「そうか……本当は帰さないといけないところだが、好きにすれば良い」



453: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:13:54.69 ID:VFkBaPLqO

【美術部】
副会長「……」

腐女子「えっと……こうですか?」

美術部長「いや、筆はこう持った方が色合いを調整しやすいよ」ギュッ

腐女子(ぶ、部長の手が私の手を掴んでる)アワワワ

副会長「……イチャついているところ失礼」

腐女子「ひっ!?」

美術部長「ん? あぁ、副会長さんか。 文化祭についてかな?」

副会長「えぇ、今年も展覧会をされるのか確認に来ました」

美術部長「勿論、そのつもりだよ。 今年は各自大好きなモノというテーマで描いて展示しようと思っているんだ」

副会長「なるほど。 では、展示する作品が揃ったら教えてください」

副会長「美術部には前科がありますから」ジロ

腐女子「!?」ビクッ

美術部長「安心してくれ、僕の目が黒いうちは如何わしい絵を展示なんてさせないさ」

ガラガラ
生徒会長「失礼します。 あぁ、副会長、やはりここにいたか」

副会長「会長、体の具合はもうよろしいので?」

生徒会長「あぁ、大丈夫だ。 美術部での用事は終わってしまったのかな?」

副会長「えぇ、この通り」つメモ

生徒会長「大好きなモノか……楽しみにしてるよ、美術部長」

美術部長「あぁ、最高の作品を仕上げて見せる」



454: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:14:40.87 ID:VFkBaPLqO

【理科室】
コンコン
僕っ娘「副会長か。 文化祭の話かな?」

副会長「僕っ娘の一人ぼっち研究会が申請してくるとは思わなかった」

僕っ娘「今は4人だ。 後一人入会させれれば正式な研究会として申請できるんだがな」ハァ

副会長「顧問の先生もいないとね」

会長「ん? 副会長は僕っ娘さんと仲が良いのかい?」

副会長「えぇ、たまに話す程度ですが」

僕っ娘「本人の前で言うか?」

副会長「では、魔法薬研究会の催し物の確認は任せよう。 僕は……いたいた、根暗君、少し良いかな?」

根暗「ひゃ、ひゃい!!」

生徒会長「土中生物釣り上げ部の催し物について話をしたいんだが」

根暗「えっ、あの……文化祭のですか?」

根暗(秀才はクラスの催し物の準備、オタクは家の会合、召使いはお嬢さんに呼ばれたし……ぼ、僕一人で説明するしかない)オロオロ

生徒会長「焦らなくて良い。 ゆっくり、君達のやりたいことを聞かせておくれ」ニコ

根暗「あの、……えっと、ですね」



455: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:15:15.18 ID:VFkBaPLqO

副会長「作成した魔法薬の販売か……検査などにかけても良いかな?」

僕っ娘「あぁ、かまわない。 サンプルを前もって渡そう」

副会長「それより先に販売リストを提出して欲しい」

僕っ娘「あぁ、明日の昼休みにでも渡しに行くよ」

副会長「……向こうはもう少しかかりそうだな」チラ

根暗「それで、その、釣り上げた生物を……あの、魚拓……じゃないや、墨でその記録して……」

生徒会長「なるほど、魚拓みたいな感じで記録しているんだね」ニコニコ

僕っ娘「すごい優しい顔で話を聞いてくれるんだな。 ただの病弱生徒会長では無いということか」

副会長「……」ギロ

僕っ娘「……口が過ぎた。 すまない」

根暗「それを展示出来たら……良いなと」

生徒会長「何処で展示したいとかあるのかな?」

根暗「あの、出来れば、理科室で……魔法薬研究会と兼任してる人が……その、多いから……その」

生徒会長「それなら、同じ教室が良いね。 壁に記録したモノを展示して机で魔法薬の販売って感じかな?」

根暗「そ、そそ、そうです」



456: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:15:47.72 ID:VFkBaPLqO

根暗「生徒会長先輩……良い人だった。 すごいちゃんと話を聞いてくれた」

僕っ娘「そうか……良かったな」

根暗「ぼ、僕っ娘……その、ポニテさんは?」

僕っ娘「クラスの方の準備をしている」

根暗「C組は何するの?」

僕っ娘「メイド喫茶だ」

根暗「なっ!」

僕っ娘「フフ、今僕が着ているのを想像しただろ?」

根暗「えっと、あの……うん」///

僕っ娘「可愛い奴め。 で、B組は何するんだい?」

根暗「あの、その……し、執事喫茶」

根暗「な、何か被っているね……ハハ」

僕っ娘「……根暗が執事?」

『ご、ご主人様、申し訳ありません。 その、大事なお皿を割ってしまって……』

『またかい? 君は仕方ないな』サワサワ

『や、止めてください。 他の使用人たちに見られてしまいます』オロオロ

『止めるわけ無いだろ? これはお仕置きなんだからね』

『あっ……あぅう』

僕っ娘「良い!!」グッ

根暗「!?!?」

僕っ娘「……なんなら今からそういうプレイを」ハァハァ

根暗「さ、ささ、採取に行ってくるね」オロオロ



457: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:18:36.26 ID:VFkBaPLqO

【2-C】
ポニテ「おかえりなさいませ、ご主人様」

無口「……」

ポニテ「おかえりなさいませ、ご主人様」

無口「……」

ポニテ「ちゃんと続いて言いなさいよ!?」

秀才「無口さん、折角メイド服似合うんだから頑張ってくれないかな?」

無口「……セクハラ」

秀才「えっ、今のセクハラ!?」

ポニテ「セクハラ店長のことはほっといて良いからちゃんと声出す!」

秀才「セクハラ店長じゃないよ!」

無口「お黙りくださいませ、セクハラ店長」

ポニテ「その調子よ!」

秀才「泣くぞ? そろそろ泣くぞ?」



459: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:20:29.97 ID:VFkBaPLqO

【2-D】
会計「すみません……もう一回言ってもらえますか?」

おさげ「ですから、私達のクラスは……」

召使い「お嬢様ブロマイドの販売だ!!」

メイド「販売っすね」

お嬢「販売しますわ」オーホッホッホッ

会計「2-Dは今年は不参加……と」

召使い「コラァ! 舐めてんのか1年坊主!!」クワッ

会計「ひっ!」

お嬢「召使い、ガラが悪いですわよ?」

召使い「し、失礼しました」

「召使いってたまに口悪くなるよな」「水魔術家の使用人なのにな」「捨て子で拾われたって噂聞いたわよ」

メイド「言いたいことがあるならはっきりと言うっすよ」ギロ

お嬢「と・り・あ・え・ず! D組は私のブロマイドを販売しますわ!!」オーホッホッホッ

会計「はいはい、報告しておきますね」ハァ



460: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:23:12.71 ID:VFkBaPLqO

【屋上】
三編み「……大好きなモノを描くか」

三編み(根暗先輩……)

三編み「描くなんて……出来ないよね。 でも、大好きなんだ……根暗先輩」ハァ

丸眼鏡「……根暗が好きなのか」

三編み「えっ、あっ……丸眼鏡さん」

三編み「今の、その、聞いてた?」

丸眼鏡「聞いた」

三編み「……えっと、あの」アタフタ

丸眼鏡「貴女に聞きたいことがある」

丸眼鏡「腐女子について」

三編み「……そう、貴女なのね」ジッ

丸眼鏡「……腐女子は何でこんな絵を描いた」つ絵

絵≪美術室の風景画≫

三編み「そこが彼女の居場所だから」

丸眼鏡「居場所? 部活の活動場所と言う意味?」

三編み「……貴女には、説明しても解らないかも知れない」



461: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:23:55.63 ID:VFkBaPLqO

【魔術学園付近・森の中】
根暗(ポニテさんはメイド喫茶で忙しいから、僕が採取に来たわけだけど……)

メモ≪アウルベアの耳毛、オークの睾丸、サラマンダーの鱗≫

根暗「……ポニテさんの採取より難易度高い」

根暗「これは……期待されてる」グッ

根暗「……オークって何処にいるんだろう」キョロキョロ

ドガァァアアン

根暗「ば、爆発音!?」オロオロ



462: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:25:16.96 ID:VFkBaPLqO

【学園付近・洞窟】
オークA「」プスプス

風来坊「ハハハハ! ド派手だな、生徒会長!!」

生徒会長「爆破魔術!」

オークB「ギャン!!」バァン

オークC「ウガァ!!」ブンッ

生徒会長「おっと、爆破魔術」スッ

オークC「ギャアッ!!」バァン

ガサガサ
根暗「……えっ、何この惨状」ビクビク

風来坊「おっ! 根暗じゃねぇか!」

根暗「ふ、風来坊先輩……何してるんですか?」

風来坊「生徒会長の発散に付き添っててな」

根暗「はっ、発散ですか……えと、それはどういう……」

生徒会長「魔力過剰症という病気でね」フウ



463: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:27:07.29 ID:VFkBaPLqO

根暗「魔力過剰症……ですか」

生徒会長「あぁ、生まれつき魔力を作成する量が異常なんだ」

生徒会長「歳を重ねることに作成量が増えていっているんだ」

根暗「吐血もそれが原因なんですか?」

生徒会長「……あぁ、体内の魔力量が許容範囲を越えるとね」

風来坊「だから、たまに俺が付き添って魔力の発散をしてんだよ」

根暗「……風魔術家からの仕事ですか?」

風来坊「あん? ちげぇよ。 ただ、友人として付き添ってるだけだ」

生徒会長「彼とは1年生の時からの付き合いでね」ハハハ

根暗「な、なるほど」

生徒会長「根暗君は何をしているんだい? 土中生物釣り上げ部の活動かな?」

根暗「いえ、魔法薬研究会として薬の材料を……」

生徒会長「おぉ、そうだったな。 君の活動は両方とも興味深い」ニコリ

根暗「あの、その……ども」テレテレ



464: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:29:17.27 ID:VFkBaPLqO

風来坊「発散ついでに付き合ってやろうぜ?」

生徒会長「そうだ、良かったら同行させて貰おう」

根暗「あの、その……もう結構手伝って貰えたと言いますか」アセアセ

風来坊「ん? オークの睾丸は十分あるな」ヒョイ

根暗「あの、メモ返して……欲しいです」オロオロ

生徒会長「風来坊、弱い者虐めは止めろ」ハァ

風来坊「こいつは弱くねぇよ。 俺より強いからな」バンバン

根暗「イタッ! 背中、叩かないで、ください」

生徒会長(風来坊が認めるとは……)ホウ

風来坊「おっ! アウルベア狩るのか? 面白そうだな」ハハハ



465: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:31:50.07 ID:VFkBaPLqO

アウルベア「ウガァアア!!」グググッ

風来坊「良いね! 力比べが捗るじゃねぇか!!」グググッ


根暗「……肉体強化してるんですよね?」

生徒会長「いや、自前の怪力だろうね」

根暗「す、すごい」ビクビク

生徒会長「そんな彼に自分より強いと言わせた君も十分すごいと思うけどね」クス

根暗「……えっと、あの先輩は何で、そのあの……そんな病気なのに生徒会長をしているんですか?」

生徒会長「……」

「僕はね、もう長くないんだ」



466: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:32:19.80 ID:VFkBaPLqO

【四大元素家火魔術家本拠地・武家屋敷跡】
オタク「厄介なことになったな……」

優等生「……まさか、魔術刑務所から死刑囚が4人も脱獄するとは」

ボウズ「……」

オタク「魔術刑務所から脱獄など出来るのか?」

優等生「外部からの協力があれば可能かと……」

優等生「お館様曰く、魔壊連合が手引きしたのではないかと」

ボウズ「魔壊連合ですか?」

オタク「魔術を用いた犯罪組織だったか」

優等生「……えぇ、文化祭に参加してる場合では無くなりましたね。 私達も捜索に加わらなければ」

オタク「はぁ、根暗に申し訳無いな」



467: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/02(木) 22:32:49.50 ID:VFkBaPLqO

【学園近郊】
「あれがターゲットです」

「あの子の心臓を持ってきたら報酬を払うと?」

「えぇ、協力していただいただけでも、皆さんは自由を手に入れれるというわけです。 悪い話じゃないでしょ?」

「凶悪犯の皆様にとっては」

殺人鬼「……」

黒マント「えぇ、そうですね」

人食家「心臓以外は……食べて良いのかな?」

串刺し「早い者勝ちか~ よ~し、負けないぞ♪」

「文化祭の日に作戦を決行します」



473: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:30:59.04 ID:Rt12qu9MO

【2-C】
秀才「ついに来たぞ!」

僕っ娘「文!」メイド

ポニテ「化!」メイド

無口「…………祭」メイド

クラス一同「文 化 祭 だーーーー!!」

「うぉお! 女子のメイド可愛いな」「萌えか? これが萌えなのか?」「無口さん、こっち向いて!」

キャーキャー ガヤガヤ ドンドンパフパフ

僕っ娘「……さて、僕はB組に行ってくるよ」

ポニテ「根暗に見せに行くのね」

僕っ娘「それもあるが……B組は執事喫茶なんだよ」

ポニテ「……執事喫茶」ゴクリ

ポニテ「私もついていこうかな~、オタクが最近休みがちだから心配だし」

僕っ娘(根暗の執事服)ハァハァ
ポニテ(オタクの執事服)ドキドキ



474: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:31:32.07 ID:Rt12qu9MO

【2-B】
委員長「……ふぅ、これで準備万端だな」シツジ

根暗「う、うん……へへ、楽しみだね」シツジ

委員長「しかし、残念だったな……オタク君が」

ガラガラ

僕っ娘「根暗! 見てくれ! 似合うか……良い!!」グッ

根暗「えっ、あの、ありがとう。 僕っ娘も良い感じだよ」

ポニテ「あれ? オタクは?」

委員長「彼なら今日も休みだそうだ」

ポニテ(……一緒に回ろうと思ってたのに)ズーン

根暗「い、委員長さん……あの、理科室にいってきて良いかな?」

委員長「ん? あぁ、部と研究会の準備もあるんだったな。 シフトの時間には戻ってきておくれよ」

根暗「う、うん。 行こう、僕っ娘」

僕っ娘「あぁ、早く二人っきりになろう! 早く二人っきりになろう!!」ハァハァ

ポニテ「根暗に何する気よ」ハァ



476: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:32:53.33 ID:Rt12qu9MO

【生徒会室】
生徒会長「今年も無事始まったな」

副会長「会長……体調はどうですか?」

生徒会長「心配してくれてありがとう。 大丈夫だよ」

生徒会長「ところで、書記君と会計君は?」

副会長「お二人は……」

書記『折角の文化祭だ! 大好きな会長とデートしてこいよ』

会計『一緒に見回りに行きましょうとでも言えばホイホイついてきますよ』

副会長「いらない気を使われて何処かに行きました」ハァ

生徒会長「そうか。 出来れば、皆で回りたかったんだが……」

副会長「み、見回りなら……私がついていきます」///



477: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:33:20.04 ID:Rt12qu9MO

【理科室】
僕っ娘「……根暗がクラスに帰ってしまった」ハァ

召使い「シフトの時間になったんだ、しょうがないだろ?」

僕っ娘「何で召使い君が理科室にいるんだい?」

召使い「土中生物釣り上げ部の活動を説明するために、一人は理科室にいることになったんだ」

僕っ娘「なるほどね」

召使い「根暗から魔法薬研究会の催し物も手伝える範囲で手伝えと言われている。 何かあれば気軽に言ってくれ」

僕っ娘「ククク、刃を向けられた君にそんなことを言われるとは」

召使い「友人の彼女でお嬢様の御友人ならば手出しはしないさ」

召使い「おさげが交代しに来るまではここにいさせてもらう」

僕っ娘「はいはい、お茶ぐらいは出してやるよ」

僕っ娘(ポニテ、早く交代に来ないかな。 根暗と早く回りたい)



478: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:34:49.76 ID:Rt12qu9MO

【美術室】
ポニテ(……はぁ、オタクと回りたかったな)

三編み「あっ、お姉ちゃん見に来てくれたんだ」

ポニテ「まぁね、あんたの大好きなモノって何? 私かな?」ニヤニヤ

三編み「うん、お姉ちゃんは大好きだよ……皆さん、大好きだから」

三編み作≪水魔島で過ごした夏≫

ポニテ(……一緒に過ごした全員が描いてる)

ポニテ「……根暗だけ描くわけにはいかないものね」ボソッ

三編み「何か言った?」

ポニテ「何でもないわよ。 ……それより、あれはどうしたの?」

丸眼鏡「……」ジー

腐女子作≪美術部の部員≫

丸眼鏡「……」ジー

腐女子「……あ、あの」オロオロ

三編み「始まってすぐに来て、ずっと腐女子さんの絵を見つめてるの」コショコショ

ポニテ「へ、へぇ」

丸眼鏡「なるほど、私は嫉妬しているのか」

腐女子「……へ?」

丸眼鏡「納得した。 クラスの催し物に戻る」サッ

丸眼鏡(……彼女の居場所となろうともしなかったくせに)

丸眼鏡(彼女の大好きな人達に嫉妬しているのか)

腐女子「ま、丸眼鏡」

丸眼鏡「?」

腐女子「……見に来てくれて、ありがとう」

丸眼鏡「貴女を監視するのは私の仕事。 感謝されることではない」



480: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:35:25.65 ID:Rt12qu9MO

【廊下】
根暗『ごめん、僕っ娘と回る約束を……』

召使い『ん? 悪いがお嬢様とメイドと回る約束をしてしまってな』

おさげ『兄と回るので』ポッ

ポニテ『はぁ? 何であんたと回らないといけないの?』

丸眼鏡『誰?』

秀才「全員に断れた……せめて、根暗のクラスに遊びに行かせて貰おう」

【2-B】
委員長「お帰りなさいませ、ご主人様」

根暗「お帰りなさいませ……あっ、秀才。 来てくれたんだ」

秀才「あぁ、特にやることも無かったからな」

委員長「それは有り難い。 席に案内させていただこう」

秀才(委員長、執事服似合うな)

委員長「二名で良いんだね?」

秀才「ん? いや、一人だが?」

根暗「へ? でも、あの……後ろに」

秀才「後ろ?」

無口「……」チョコン

秀才「……いや、別々で」

無口「……」v

委員長「二名様、ご案内です」

秀才(ええぇぇぇぇ!!)



482: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:36:04.92 ID:Rt12qu9MO

【職員室】
校長「それでは、見回りの確認は以上としよう」

校長「生徒と共に楽しむのも教師の勤めであるが、生徒を守るのが優先である。 不審者を見付けたらすぐに報告し、対処するように」

教師s「はい!!」

校長「それでは、解散!」

教頭「……ん?」ガチャガチャ

陸上顧問「何してるんですか~、教頭先生?」

教頭「……ドアが開かん」

教師A「そんな馬鹿なことが……本当だ」ガチャガチャ

校長「……体育教師」

体育教師「はっ! 皆さん、退いてください」ムキムキムキムキ

体育教師「フンヌッ!!」バコーン

ドア「……」ピキーン

教師B「た、体育教師先生のマッスルインパクトでも傷1つ付かない」

校長「結界魔術……それもかなり高度なモノが張られておるな」

教頭「教員が全員職員室に閉じ込められた……生徒たちが危ない!」ギリ



483: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:36:41.16 ID:Rt12qu9MO

【屋上】
?「職員達は私の結界で職員室に閉じ込めました。 学園自体にも結界を張ったので出入りは出来ないでしょう。」

串刺し「破られたりは~?」

?「時間が経てば自動的に解けますが、破られることはまずないでしょう 」

?「内部から破るのはまず不可能。 外部からなら解けなくも無いですが余程の天才で無ければ、学生が結界を解くのは不可能です」

黒マント「大した魔術です。 そろそろ、貴方が何者か教えてくださっても良いのでは?」

?「知る必要は無いでしょう? 皆さんは自由を、私は核となる心臓を得る……それだけの関係です」

黒マント(核となる?)

殺人鬼「違いない。 必要以上に関与したくねぇのはお互い様だ」

人食家「……もう始めて良い? お腹空いたよ」

?「目的の心臓まで食べないでくださいね?」

人食家「それ以外の心臓なら食べて良い?」

?「ご自由に……何人の生徒が殺されようと私には興味の無いことです」

放送部長「……」コソコソ

放送部長(怪しい奴がいると思ってつけてみたら……これは洒落にならないわね)

メイド「そうっすね」

放送部長「!?」

メイド「火魔術家の連中はいないし、水魔術家と風魔術家で協力して対処したいっすね」

放送部長「……有り難い申し出ね。 なるべく、被害を出さずに奴らを排除するわよ」

放送部長「私が生徒達を体育館に誘導するわ。 貴女はご主人様達に報告してきて」

メイド「全校生徒を誘導なんて出来るんっすか?」

放送部長「学園アイドルがライブをするって言ったら、皆が体育館に集まるわよ☆」ウィンク

メイド「ふざけてる場合じゃあ……いや、任せたっす」



484: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:37:19.51 ID:Rt12qu9MO

【廊下】
秀才「……」ドヨーン

無口「……」モキュモキュ

秀才(この子は何で着いてくるんだ!?)

秀才(当たり前のように奢らされるし、当たり前のように買えと要求してくるし)

無口「…………報酬は十分受け取った」

秀才「ほ、報酬? 無口さんは何を言っているんだ?」

無口「火魔術家の目的」

秀才「!?」

無口「知りたいんでしょ?」クス

秀才「……君は一体、何者なんだ」

アナウンス≪はっあーい☆ 皆の学園アイドル、放送部長よ!! 今から体育館でライブをするから生徒の皆集まって♪ 良い席は早い者勝ちよ!≫

秀才「話はライブの後にしよう」

無口「……」

秀才「……何で俺は当たり前のようにライブに行こうとしてるんだ?」ハッ

無口「……」クスクス

秀才(……今のアナウンスを聞いた瞬間、ライブに行くことが当たり前のように感じた……洗脳魔術? 違うな、これは)

秀才「魅了魔術……か」



485: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:38:01.14 ID:Rt12qu9MO

【理科室】
お嬢「あら、ライブとは素敵ですわ。 召使い行きますわよ」

召使い「はっ! お嬢様、真の学園アイドルが誰なのか教えに向かいましょう」

僕っ娘「根暗、ライブを見てから他を回ろうか」

根暗「う、うん……ライブ楽しみだね」

メイド「やっぱり魅了魔術使だったっすか」

お嬢「メイド、何処に行ってらしたの? 早くライブに行きますわよ」

メイド「お嬢、そんなモノ見ている場合じゃないっす」

丸眼鏡「水のお嬢、ここにいたか」

お嬢「あら、丸眼鏡さん……何かご用でして?」

メイド「私が説明するっす」



486: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:40:50.96 ID:Rt12qu9MO

【職員室前】
秀才「……これは魔方陣? 結界魔術か」

秀才(何があったが聞きに職員室に来たが……職員達が閉じ込められているとしたらヤバいな)

無口「……解ける?」

秀才「いや、無理だ。 解き方自体は解るが僕には技術が無い……結界魔術に詳しく手先が器用な人間がいないと……」

「どうやら、僕の出番のようだね」

秀才「美術部長先輩!?」

美術部長「顧問の先生が顔を出さないから気になって来たんだが……緊急事態のようだね」

美術部長「僕の家系は結界魔術を研究している。 後、手先の器用さには自信がある……任せてくれ」ニコ

秀才「解りました……一緒にこの結界を解きましょう!」



487: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:42:03.88 ID:Rt12qu9MO

【理科室】
丸眼鏡「私が風読み術で敵の位置を占う……各自、向かってほしい」

召使い・風来坊「おう!」

メイド「了解っす」

僕っ娘「僕達はどうしたら良いんだい?」

丸眼鏡「今回の件には風魔術家と水魔術家で対処する」

お嬢「僕っ娘と根暗さんは私と一緒に体育館に避難しましょう。 体育館の防衛は私がしますわ」

僕っ娘「解った」

根暗「……待って」

丸眼鏡「何か?」

根暗「僕も……戦う」

風来坊「……ほう」ニヤ

召使い「根暗……」

丸眼鏡「……敵の狙いは君かも知れない」

根暗「それでも……僕には戦う意味があるんだ」ガクガク

根暗「怖いけど……守りたいモノがあるんだ」キリ

メイド「結界を張った男は話が終わると何処かに消えてしまったすから敵は四人……」

メイド「お嬢が体育館の防衛、丸眼鏡が指揮をするなら、根暗を入れて此方も丁度4人っす」

丸眼鏡「……守りたいモノか」

丸眼鏡「それは魔術社会より大切なのか?」

根暗「うん、比べものにならないくらい」

丸眼鏡「……解った。 君にも戦ってもらおう」



488: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:42:31.74 ID:Rt12qu9MO

【保健室】
黒マント「居ませんね」

黒マント(保健室によく居ると聞いたのですが……)

メイド「何してるんっすか?」

黒マント「いえ、少し怪我をしてしまいましてね」

メイド「嫌いなタイプっすね」

メイド「平然と嘘を言う男は嫌いっす」

黒マント「おやおや、これは手厳しい」クスクス

メイド(養護教諭は土中生物釣り上げ部の顧問だったっすね。 ……狙いは根暗っすか?)

【生徒会室】
人食家「ここにも居ないな」

書記「……誰だ、あいつ?」←机の下

会計「解らないです。 ……でも、明らかに危険人物ですね」←机の下

人食家「居ないな、さっさと心臓抉りだして他は美味しく……ヒヒヒ」

書記・会計(見付かったらヤバい!!)ビクビク

書記「会計、お前は探求系の一族だったよな?」ガクガク

会計「書記先輩もそうですよね?」ブルブル

書記・会計(何とかやり過ごさないと……)

人食家「さっさと、見付けないとな。」

「―生徒会長っていう子を」

会計「……」ピタ

書記「……」ピタ



489: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:43:51.79 ID:Rt12qu9MO

『君は字が上手いな?』

『魔術には関係無い才能だって? 東洋の陰陽師は札に文字を書いて魔術を行使するらしい』

『君にだって似たような魔術が出来るかも知れないじゃないか』

『君は計算が早いね』

『魔術には関係無い才能だって? 数字を使った魔術はこの世にはたくさんある。 その魔術理論を組み立てるのに役に立つかも知れないだろ?』

生徒会長『かも知れないだけだろって? 十分じゃないか』

生徒会長『君達の未来には無限の可能性があるんだ、君達の才能が活かせる未来が訪れることを僕は信じてるよ』



490: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:45:04.48 ID:Rt12qu9MO

「「待てよ」」

人食家「ん?」

書記「会長の所には……行かせない」ガクガク

会計「あぁ、俺達死にましたね。 先輩」ブルブル

人食家「大丈夫、君達はオイラのお腹の中で生き続けるよ」グゥ

書記・会計「ヒーーーーーー!!」ガクブル

「待ちな」

風来坊「俺の方が……美味そうじゃないか?」ニヤ

書記「風来坊!」
会計「風来坊先輩!!」

人食家「え~、君は固そうだな」



491: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:46:53.69 ID:Rt12qu9MO

【先日学園付近・森の中】
生徒会長「僕はね、もう長くないんだ」

根暗「……へ?」

生徒会長「恐らく、後半年ほど経てば僕の体は魔力量に耐えられず破裂してしまうだろう」

根暗「……」

生徒会長「それを知った時……僕が生きられない未来に生きる皆の少しでも役に立ちたいと思ったんだ」ニコ

根暗「へ? それが、生徒会長をされてる理由ですか?」

生徒会長「……吐血して何時も迷惑をかけてるけどね」クス

根暗「そ、そんなことありません」

生徒会長「ふふ、ありがとう」

「―良い文化祭にしようね、土中生物釣り上げ部の部長さん」

根暗「は、はい!」



492: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:49:03.33 ID:Rt12qu9MO

【現在・廊下】
生徒会長「げほっ……ごほっ……こんな時に、くるとは」トケツ

生徒会長「……副会長さん、僕を置いて逃げてくれ」

副会長「嫌です! 死んでも離れません!!」ハァハァ

「君の無尽蔵に魔力を作る心臓がいるらしいんだ」

串刺し「まぁ、俺は良く解ってないんだけどね」

串刺し「でも、報酬くれるらしいんだよね。 だから、さっさと渡してくれない? てか、死ねよ。 うん、よし、死ね!」トン

会長(持ち手の長いトンカチで空間を叩いた?)

シュン

副会長(叩いた所から黒い釘? 会長を守らなきゃ)ギュ

副会長(私……死ぬのかな?)

「死なせない」ニョロン

串刺し(俺の黒釘が止められた?)

根暗「この人は死なせない」

串刺し「どうせもうすぐ死ぬんだろそいつ? 良いじゃんか少しぐらい早まるぐr」ニョロン ギュッ ドスン

副会長(触手で床に叩き付けた!)グッ

根暗「もう、何も喋らないでくれないかな?」

串刺し「娑婆は久しぶりなんでね、少しぐらいはしゃがしてくれよ~」



493: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/03(金) 23:49:35.90 ID:Rt12qu9MO

【2-D】
殺人鬼「……よぉ」

召使い「……」

殺人鬼「久し振りだな、召使い」

召使い「……何でお前がここに居るんだよ」

「―親父」



498: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:05:48.46 ID:5DTZp73YO

【生徒会室】
人食家「……ゲホ、ウグ……ゲボ」ハァハァ

風来坊「何だ? あんたの実力はそんもんか?」

風来坊(試しに腹部に蹴りを入れたら踞るとは……こいつ、大したことねぇのか?)

人食家「お、オロロロロロロロ」

風来坊「きたねぇな、吐いてんじゃねぇよ ……テメェ、何吐いてんだ?」タラリ

人食家「何って見て解らないかい?」

肉ゴーレム「ァ……ア……ァ……」

人食家「今までオイラが食べて来た人達だよ」

風来坊(……約10人分の肉塊で作られたゴーレムか)

風来坊「悪趣味な魔術を使うじゃねぇか?」

人食家「悪趣味なんて酷いな。 君も仲間入りするのにさ」

肉ゴーレム「ア……ァ……アァ!!」ブンッ

風来坊「おっと……おせぇよ」ブンッ

肉ゴーレム「」

風来坊「大口叩く割には大したことねぇな」

「オロロロロロロロロロロ」

肉ゴーレムA「ア……ァ……アァ」
肉ゴーレムB「ア……ァ……ァア」
肉ゴーレムC「ァ……アァ……ァ」

風来坊「一体、何人の人を食べやがった?」

人食家「君は人生で何回食事をしたか覚えているのかい?」

風来坊「獣化魔術」ガルルル



499: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:06:52.31 ID:5DTZp73YO

【職員室前】
美術部長「……ここを書き換えれば良いんだね?」

秀才「はい、そしたら奥の術式を弄れるようになります」

美術部長「あぁ、本当だ。 なるほど、順番に解錠していかないとこの魔方陣は解けないのか」

秀才「えぇ、かなり複雑な魔方陣ですので慎重にお願いします」

美術部長「……誰にもバレずにこんなものを職員室のドアに書くなんて」

秀才「恐らく、転移魔術の応用で魔方陣をドアに転写したのかと」

美術部長「そんなこと可能なのか?」

秀才「……出来なくは無いかと。 前準備が必要ですが」

美術部長(……職員の中に敵がいる可能性まで考えてるのか? まだ、2年生だというのに大した男だ)



500: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:07:20.99 ID:5DTZp73YO

【2-D】
キンッ

殺人鬼「斬りかかること無いだろう?」フウ

召使い「斬りかからないわけがないだろ」ギロ

召使い「病気の母さんを放ったらかしにして、武器作成魔術に酔いしれ」

召使い「挙げ句の果てに一般人で試し斬りだ? 許せるわけないだろが!!」水サーベル

殺人鬼「……あいつは死んだか?」

召使い「あぁ、死んだよ! あんたが捕まって……すぐにな!!」ブンッ

キンッ

殺人鬼「そうか」水刀

召使い「そうか、じゃねぇ!!」

キンッ キンッ キンッ



501: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:07:49.35 ID:5DTZp73YO

【数年前とある家・庭】
キンッ キンッ キンッ

息子(召使い)「……はぁはぁ」

父(殺人鬼)「今日はこのぐらいにするか?」

息子「まだまだ!」水サーベル

父「……息子、それじゃあ駄目だ」

息子「おら!!」ブンッ

パキン

息子「折れちゃった……」シュン

父「息子よ、お前は家系の血筋を継ぎ、武器作成魔術の適性を持っている」

息子「じゃあ、何で親父みたいに折れない武器が作れないんだよ」

父「それは心構えが出来てないからだ」

息子「心構え?」

父「武器は人を傷付けるモノだ。 危険なモノなんだ」

息子「そんなことぐらい知ってる」

父「じゃあ、それを扱う人間にはどんな心構えが必要だと思う?」

息子「……た、戦う勇気?」

父「ハハハ、それも必要かも知れないな」ナデナデ

息子「笑うなよ! 撫でるなよ!」

父「それを扱う人間に必要なのはぶれ無い心だ」

父「人を殺せるモノを扱うんだ。 無闇に振り回して周りを傷付けては武器作成魔術師失格だ」

父「何より、雑多な気持ちで作れば雑多な武器しか作れんぞ」

息子「……」

父「大切なモノを決して見失わない心が必要なんだ」



502: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:08:20.25 ID:5DTZp73YO

【現在・2-D】
パキン

召使い「……はぁはぁ」水サー/ベル

殺人鬼「何本目だ?」

召使い「うるさい」

殺人鬼「相変わらず、心構えが出来て無いようだな」

召使い「うるさい!」

殺人鬼「雑多な気持ちで作れば雑多な武器しか作れんぞ?」

召使い「うるせぇ! お前が言うな!!」水サーベル

殺人鬼「あぁ、確かに俺にはもう言う権利は無いな」フッ



503: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:09:01.09 ID:5DTZp73YO

【数年前とある家】
母「二人とも……また、こんな泥んこになるまで」ウフフ

父「洗濯を頼む」

母「はいはい……どうしたの膨れて?」

息子「また、俺の武器だけ折れた」ブス

母「うふふ、まだお父さんは越えられないのね」

父「……すぐ越えれるさ」

息子「ふんっ! 本人が言うな」

母「うふふふ……ごほ、ごほ」

父「大丈夫か?」

母「大丈夫よ……気にし……」バタン

息子「母さん? 母さん!?」



504: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:09:27.68 ID:5DTZp73YO

【現在・2-D】
召使い「……はぁはぁ」

殺人鬼「今ので丁度20本目か?」水刀

召使い「……何で刀は折れない、今のあんたに大切なモノなんてあるのか?」

殺人鬼「さぁ……どうだろうな」

殺人鬼「召使い、21本目は作らないのか?」

召使い「…………」

殺人鬼「もう一度言う」

殺人鬼「雑多な気持ちで作れば雑多な武器しか作れない」

殺人鬼「大切なモノを決して見失わない心を持て」

召使い「……何がしたいんだよ」



505: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:10:00.64 ID:5DTZp73YO

【数年前とある家・庭】
父「どうした? 構えないのか?」

息子「母さんがあんな状態なのに稽古するのかよ」

父「当たり前だ。 この世の全てのモノを断てる武器を魔術で作り出すこと……それが我が家の悲願だからな」

父「休んでる暇なんか無い」

息子「……親父の大切なモノって、母さんのことだと思ってた」

父「……」

息子「母さんより、一族の悲願の方が大切なんだな」ダッ

父「……」



506: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:10:47.71 ID:5DTZp73YO

【数年前・病院】
母「あら、来てくれたの?」

息子「……うん」

母「父さんと喧嘩した?」ウフフ

息子「……何で母さんは笑えるんだ! 親父はこんな時でも稽古して」

母「私がね、お願いしたの」ナデナデ

息子「……何を?」

母「貴方の代で悲願を果たしてみせてって」

息子「……」

母「そんな我儘の為に一生懸命になるなんて、可愛い人だと思わない?」

息子「……母さんの病気は治らないの?」

母「魔術の力では無理ね。 現代医学の力では治るらしいけど……一般医者は魔術師を治療したがらないわ」

息子「何で?」

母「回復魔術が彼らの仕事を奪ったからよ」

息子「そんなの逆恨みじゃないか」グッ

母「私の可愛い息子。 そんな怖い顔をしちゃ駄目。 何かを恨むんじゃなくて、誰かを愛して行動出来る人になってほしいな」ナデナデ

タッタッタッタッタッ

ナース「はぁはぁ……母さん」

母「あら、ナースさん。 どうかされました?」

ナース「貴女の旦那様が……一般人を斬り逮捕されました」

息子「えっ!?」

母「……そう」



507: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:11:45.43 ID:5DTZp73YO

【現在・2-D】
召使い「……何故、斬りかかってこない?」

殺人鬼「親の情けだ。 21本目が出来るまで待ってやる」

召使い「……大切なモノ」ボソッ

殺人鬼「……少しは成長したかと思ったが相変わらず感情に流されているな」

召使い「……俺の大切なモノ」

殺人鬼「結局、俺とお前は変わらないということだ」

召使い「……」

殺人鬼「殺人鬼の子は所詮殺人鬼か」

『自分が何者か何て、周りに決められたく無いのでしょ?』

召使い「……違う」



508: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:12:24.69 ID:5DTZp73YO

育ての親が褒めてくれた
執事『少々、気が荒いが真っ直ぐな芯を持っているよ……召使いは』ナデナデ

同僚が慰めてくれた
メイド『召使いが殺人鬼なら私は化け物っすよ』

友人が相談に乗ってくれた
根暗『……召使い君はどうしてお嬢さんを守りたいの?』

産みの親が願ってくれた
『 何かを恨むんじゃなくて、誰かを愛して行動出来る人になってほしいな』

大好きな人が命じてくれた
お嬢『この水魔術家のお嬢には過ぎ足るものと言われるほどの男になって魅せなさい!!』



509: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:13:54.74 ID:5DTZp73YO

召使い「俺は母の息子で」水
「魔術学園の生徒で」水か
「土中生物釣り上げ部の部員で」水かた
「お嬢様の使用人が一人」水刀

召使い「召使いだ!!」チャキン

殺人鬼「そうか……」

召使い「……親父、最後に教えてくれ。 何故、一般人に手を出した?」

殺人鬼「……ただの試し切りだ」

召使い「そうか……ならば、俺はあんたを斬らないといけない」

召使い「あんたの……息子として」ザッ

殺人鬼「おう、この殺人鬼を斬ってみせろ!!」ザッ



510: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:14:26.13 ID:5DTZp73YO

『何を土下座なんてしてるんですか?』

『そんなことしたって魔術師なんて治療しませんよ』

『お得意の魔術で解決したら良いでしょ?』

『魔術では治せない病気? 知りませんよ、都合の悪い時だけ頼ってきて』

『我々を軽視している回復魔術師には良い薬になるんじゃないですか?』

『貴方の奥さんが死んだらね』

『ハハハハハハハハハハハハ』

父『…………』水刀

『な、何をする気だ! 一般人に手を出したらあんたは』

父『大切な人を見失ってまで……魔術師を続ける気は無い』チャキン

ザンッ



511: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:15:01.02 ID:5DTZp73YO

ザンッ
召使い「……」水刀

殺人鬼「……」水/刀

召使い「……何で、そんな良い顔で斬られてんだよ。 クソ親父」

殺人鬼「何で、だろうな」ヨロ

殺人鬼(殺人鬼には……過ぎた願いだろうか?)

殺人鬼(息子には……誰も憎まずに……生きて欲しいなんてよ)

殺人鬼「じゃあな……クソ息子」バタン

召使い「あばよ……クソ親父」



512: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:15:41.59 ID:5DTZp73YO

【体育館】
放送部長「今日は私のライブに来てくれて……ありがとう!」

ワーワー キャーキャー ガンバッテー ウォォォオ!

放送部長「次の歌は今この会場に来れない仲間の為に歌います!」

放送部長「その仲間達は大切なモノを守るために一生懸命です! その仲間達はより良い未来を掴む為に一生懸命です!!」

放送部長「そんな大切な仲間にこの歌を届けたいから……一緒に盛り上がってくれますか?」

ウオオオオォォォォオオオオオ!!

放送部長「ありがとう! じゃあ、最後まで一緒に盛り上がろう!!」

放送部長(御主人様、風来坊……頑張って)グッ



513: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/04(土) 21:18:00.60 ID:5DTZp73YO

【生徒会室】
風来坊「……はぁはぁ、まだ吐けるか?」ニヤ

人食家「うわぁ……オイラが食べて来た人間全員分のゴーレムを倒すとは恐れ入った」パチパチ

風来坊「その割には余裕じゃねぇか?」

人食家「……オイラはグルメでね、人間以外も食べるのさ……オロロロロロロロ」

肉ゴーレムE≪オーク グリフォン 大蜘蛛≫

人食家「人外肉ゴーレムステージ! スタート!!」

風来坊「……クソが」ガルルル

風来坊(本体を叩ければ良いが……肉ゴーレムどもに守られてやがるな)



528: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:12:50.10 ID:92ovig/LO

―悪魔のような男と呼ばれた男がいた

その男は複数の獣化魔術を同時に使い、まさしく悪魔のような姿になることが出来た

何故、そのようなことをしたのか?

黒マント「―私はね、悪魔になりたいんですよ」

メイド「……」

黒マント「恐ろしくて声も出ませんか? 羊の角に蝙蝠の翼、獅子の脚に蛇の鱗を纏いし腕……ははは、恐れを成してもしょうがないですね」

メイド「なんつうか……ゆるキャラみたいな見た目っすね」ポリポリ

黒マント「なっ!?」

黒マント「この私の姿が……ゆるキャラだと?」

メイド「ええ、結構愛らしい姿っすよ。 うんうん」

黒マント「悪魔のような男とまで呼ばれたこの黒マントをこけにしたんです……楽に死ねると思わないでくださいね?」ギロ

メイド「―悪魔ね」

メイド「どれだけ、獣化魔術を組み合わせても出来るわけがないっすよ」

メイド「お馬鹿なゆるキャラさん」クス

黒マント「貴様!!」ブンッ

メイド「―悪魔化術」



529: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:13:28.59 ID:92ovig/LO

【魔術学園・廊下】
生徒会長「……はぁはぁ、ようやくおさまったか」

副会長「早く逃げましょう」

生徒会長「……君は体育館に非難してくれ」

副会長「会長も一緒に……」

生徒会長「僕が体育館に行ってしまったら、たくさんの生徒を巻き込んでしまう」

副会長「でも」

生徒会長「それにね、僕には行かないといけないところがあるんだ」

副会長「……私もお供します」

生徒会長「会長命令だ……頼む、非難してくれ」

副会長「……生きて、帰ってきてくれますか?」

生徒会長「あぁ、約束する」

生徒会長(生徒会室に書記君と会計君が待機していたな……)



530: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:14:07.63 ID:92ovig/LO

【体育館前】
お嬢(……皆さん、大丈夫かしら)

ガサガサ

お嬢「誰!?」

「あ、あの……」

お嬢「あら、貴女でしたか? どちらに行かれるおつもりで?」

「……お花を詰みにいこうかと」

お嬢「体育館の中にお手洗いはありますわよ?」

「……ごめんなさい。 胸騒ぎがして……その、私」

お嬢「何となく察しがついてるみたいね。 今、校舎の中は危険な状況ですわ。 体育館の中で大人しk」

「そんな、危険な校舎の中に根暗先輩はいるんですよね?」

お嬢「……」

「忠告……感謝します」サッ

お嬢「行ってはいけませんわ! 待ちなさい!!」



531: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:14:49.23 ID:92ovig/LO

【生徒会室】
風来坊「はぁはぁ……ここまで生徒会室を汚しちまったら、生徒会長に怒られるな」

人食家「おや、君も生徒会長と知り合いなの? 居場所を教えてくれたら見逃してあげるよ?」

風来坊「居場所なんざ知らねぇよ。 知っていても教えねぇけどな」

人食家「じゃあ、さっさと君を食して探すとするか」

人食家(とは言ったものの中々倒れてくれないんだよな? 何かを待っているようにも見えるな……)

人食家「オロロロロロロロ!!」

風来坊「……何だよ、こいつは」

人食家「勿論、オイラが食べたものだよ」

人食家「名付けて! 最強生物カレーゴーレム!!」

カレーゴーレム「ウダァアァァア!!」

風来坊「ふざけた名前つけやがって……何を煮込んだらそんな醜悪な姿になるんだよ」

人食家「ふざけた名前なんて酷いな。 オイラ、真面目に名付けたのに」

人食家「それにさ、こいつを吐き出したのは君に敬意を払ったからだよ」

風来坊「敬意だ?」

人食家「恐らく君はこの学園で一番強い学生なのだろう」

人食家「そんな君に対する敬意さ」



532: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:15:29.18 ID:92ovig/LO

風来坊「くくく……ははははははははは」

人食家「何が可笑しいんだい?」

風来坊「俺がこの学園で一番強い? ちげぇよ、全然ちげぇ」

風来坊「この学園には素性を隠してる奴等がわんさかいやがるからな」

風来坊「本気でやりあえば俺より強いヤツなんて何人もいるだろうよ」

風来坊「……それに、少なくとも俺より強いヤツを二人知っている」

人食家「そのうちのどちらかが駆け付けてくれるのを待ってるのかな?」

風来坊「まぁな……たく、本当は駆け付けないで逃げて欲しいんだが、そういうヤツだからしょうがない」

人食家「よく解らないけど……なんだか厄介そうだな」

カレーゴーレム「ウダァアァァア!!」

「―爆破魔術」

カレーゴーレム「アァァ……」バァン



533: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:16:10.57 ID:92ovig/LO

人食家「なっ!? カレーゴーレムが爆発した?」

風来坊「……おいおい、本当に来たのかよ。 狙われてるのはお前なんだから逃げた方が良いんじゃねぇか?」

生徒会長「僕は生徒会長だぞ。 学園で好き放題する輩を放置して逃げれると思うか?」

人食家「なるほど、君が生徒会長か? そちらから来てくれるとはありがたい」オロロロロロロ

カレーゴーレムA~F「ウダァアァァア!!」

人食家「オイラはもう腹ペコさぁ、さっさと終わらそう!!」

カレーゴーレムA~F「」バァン

人食家「何!?」

生徒会長「あぁ、さっさと終わらせよう」

風来坊「そうだな」ブンッ



534: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:16:51.13 ID:92ovig/LO

生徒会長「書記君と会計君が心配で来たんだが……まさか、君が追い詰められていたとはね」

風来坊「うるせぇ。 会計と書記はちゃんと非難させたから安心しな」

生徒会長「それはありがとう。 しかし、僕のせいでこんな事態になるとは……」

風来坊「お前のせいじゃねぇ。 お前を狙ってる奴等が悪いに決まってんだろ」



535: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:18:15.56 ID:92ovig/LO

【廊下】
串刺し「ん~ 君、強いね♪」ニヤニヤ

根暗「……はぁはぁ」

串刺し(幾ら黒釘を打ち込んでも触手で受け止められるんだよね~)

串刺し「いや~、これは打つ手なしかな?」

根暗(……打つ手が無いのは僕の方だ)

根暗(こいつが使う魔術は金槌で叩く予備動作がいる分、普通の攻撃魔術より隙がある……でも)

串刺し「ほい! ほいっ! ほい、ほい!!」トンットンッ……トンッ、トンッ

根暗「……くっ!」ニョロン ギュッ

串刺し「ありゃま、また掴まれたか」

根暗(大きな予備動作を利用してフェイントを仕掛けてくる……)

串刺し「ねぇねぇ、君は攻めてこないの? 俺ばっかり攻めて申し訳無いな~」トンッ……トンットンッ……トンッ

根暗(挑発……無理に攻め手に転じたら串刺しにされる)ゾクッ

串刺し(……察しがいい子だね。 でも、何時までも受け続けれるかな?)ニヤニヤ

根暗(今まで闘ってきた人達は自分の長所を活かした闘い方をしてきたけど……こいつは短所を上手く使っている)

根暗(……どうやったら勝てるんだ?)

―解っているだろ?

根暗(どうやったら……)

―身を任せれば良い

根暗(……)

―触手の赴くままにヤツを殺せば良い



536: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:18:52.23 ID:92ovig/LO

ザクッ

根暗「くっ!?」

串刺し「ありゃりゃ、足に刺さっちゃったね? 次でお仕舞いかな?」クスクス

根暗「……貴方は何者? なんで、生徒会長を狙うんだ?」ハァハァ

串刺し「理由か? 脱獄して自由を得るためかな」

根暗「……脱獄した後はどうする?」

串刺し「そうだね……手当たり次第く・し・ざ・しにしていくかな♪」

根暗「な、何のために!?」

串刺し「この世が憎いからさ」



537: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:29:17.12 ID:Bq5LMvO70

根暗「……この世が憎い?」

串刺し「あぁ……俺の妻は病気だった」

串刺し「魔術の力では治せない……医学の技術じゃないと治せない病気だったんだ」

根暗「……」

串刺し「しかし、医者達は妻を治すのを拒んだ……何故だか解るかい?」

根暗「解らない……」

串刺し「妻が魔術師だったからだ! 回復魔術のせいで仕事と立場が脅かされた医者達は妻を治さなかった!!」

串刺し「だから! 俺は! この世が憎い!!」



538: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:29:48.30 ID:Bq5LMvO70

根暗「……僕にも好きな人がいる」

根暗「だから、貴方に共感できる部分がある……それでも、死んだ奥さんはそんなこと……」

串刺し「ん? ちょっと待ってくれ! これは俺が人を殺す理由じゃないな」

根暗「へ?」

串刺し「あっ!? これ、別の男が犯罪を犯した理由だ。 間違えちゃった」テヘペロ

串刺し「さて、真面目に君の問い掛けに答えよう」

串刺し「なぜ、人を殺すのか?」

串刺し「ある男は答えた。 妻を治さなかったからだ」

串刺し「感情論だらけのくだらない理由だね」

串刺し「ある男は答えた。 それは、食べるためだ」

串刺し「なるほど、食べるために生を奪うのは生物として正しいだろう」

串刺し「ある男は答えた。 悪魔に近付きたかったからだ」

串刺し「夢を追いかける姿勢は実に素晴らしい」

串刺し「そしてある男が今答える」

―単なる趣味さ



539: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:30:28.16 ID:Bq5LMvO70

根暗「趣味……?」

串刺し「お年寄りが釣りしたり、盆栽したり、囲碁うったりするのと一緒だよ」

串刺し「俺が人を殺すのは、俺が君を殺す理由はね」トンッ

根暗(足が痛い……上手く触手を操れない……)

根暗(僕は……死ぬのか?)

バキンッ
「ハーハッハッハッハッ」

根暗「へ?」

串刺し「何者だ?」

三編み仮面「我輩は愛の使者! 三編み仮面だ!!」シャキーン

根暗「……三編みさん?」

串刺し「おー、ヒーローのご登場か? 男として胸アツ展開だね♪」トンッ……トンットンッ

三編み仮面「……根暗先輩、私が時間を稼ぐんで這ってでも逃げてください」バキン バキン

根暗「な、何を言ってるの? 僕は良いから、逃げて。 君には闘う理由なんて……」

三編み仮面「あります!」

三編み仮面「……好きなんです」

三編み仮面「好きなんです。 先輩のことが」

根暗「へ、あの……僕には……」

三編み仮面「解ってます。 僕っ娘先輩とのこと……それでも、好きなんです」

三編み仮面「だから、先輩は私が死んでも守r」グサッ

串刺し「よく言った! じゃあ、本当に死んじゃおうか♪」



540: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:31:26.36 ID:Bq5LMvO70

―頭の中が整理できない

何か絵を見ているかのように視界にはリアリティーが感じられない

それでもはっきりと三編みさんの胸を黒い釘が貫いたのが見えた

バタリと倒れる三編みさん

「最初から……してれば良かった」



541: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:33:07.53 ID:Bq5LMvO70

串刺し「何か言ったかい? え~っと、根暗君だっけ?」

根暗「僕が……」ボソボソ

串刺し「ありゃま、まだ現実が捉えられないか?」

根暗「……してれば良かったんだ」ボソボソ

串刺し「良いことを教えてあげよう。 恐らく君は勘違いしていたんだ」

串刺し「今の日常が青春学園コメディーのようなものだって」

「あるいは青春群衆劇のようだと思っていたかな?」

「まさかジュブナイルだなんて気取っては無かったよね?」

串刺し「良いことを教えてあげよう。 人生というものは残酷で滑稽な喜劇に過ぎないんだよ♪」クスクス



542: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/10(金) 23:33:37.45 ID:Bq5LMvO70

根暗「うるさいなぁ」ニョロンニョロンニョロンニョロンニョロンニョロン

―僕が最初からこいつを殺すつもりで闘ってたら良かったんだ



547: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/16(木) 08:54:47.52 ID:bdUSfEYyO

【魔術学園・屋上】
秀才(文化祭から一週間が経った)

秀才(美術部長先輩と結界を解いた時には既に全てが終わった後だった)

秀才「……はぁ、無力なものだな」

秀才(俺がもっと早く結界を解けていれば……三編みさんは死ななかったのだろうか)グッ

オタク「昼休み、屋上で一人たそがれているとは……ナルシスト臭いでござるな」

秀才「……根暗は?」

オタク「今日も休みでござる。 ポニテでさへちゃんと登校しているというのに……困ったヤツでござるな」ヤレヤレ

秀才「最後に会ったのは三編みさんの葬式か?」

オタク「……あれからずっと閉じ籠もってるみたいでござる」

秀才「監視は続けてるんだな」

オタク「それが火魔術家の役割だからな」

秀才「……」

オタク「気に入らないか?」

秀才「あぁ、気に入らないよ」



548: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/16(木) 09:19:15.67 ID:bdUSfEYyO

【食堂】
風来坊「おい! 丸眼鏡!!」

丸眼鏡「……何?」モキュモキュ

風来坊「生徒会長が何処にいるか知らねぇか?」

丸眼鏡「……詳しくは知らない」モキュモキュ

風来坊「詳しくは?」

風来坊「今後も狙われるかも知れねぇから、四大元素家が管理する施設に入れられたと聞いたが?」

丸眼鏡「それは正しい情報。 しかし、私は生徒会長が何処の施設にいるのかは知らない」

丸眼鏡「生徒会長は火魔術家が管理している施設に入った」

風来坊「じゃあ、オタクに聞いてくる」

丸眼鏡「聞いたが答えてくれなかった」

風来坊「お前が?……何か気になったことがあったのか?」

丸眼鏡「風来坊が知りたがると思ったから」

風来坊「らしくねぇな? 悪いもんで食べたか?」

丸眼鏡「……生徒会長は風来坊にとって魔術社会より大切な存在だと仮定した」

丸眼鏡「私には魔術社会より大切なモノが無い……だからこそ、貴方の大切なモノを尊重すべきと感じた」

丸眼鏡「おかしい?」

風来坊「……おかしくねぇよ」

風来坊(今回の件で何か思うところがあったのか?)フム



550: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:33:12.46 ID:gM+OgWZ30

【2-C】
ポニテ「……さぁ、今日の授業もお仕舞いね。 僕っ娘、研究会に行こう!」

僕っ娘「あぁ……」

僕っ娘(痩せ我慢して……どう接したら良いんだろう)ハァ

ポニテ「どうしたの? 最近根暗が休んでるからってテンション低くない?」

僕っ娘「いや、それもあるが」

ポニテ「早く来たら良いね……私も聞きたいことあるし」

僕っ娘「聞きたいこと?」

「ポニテさんはいらっしゃるかしら?」

ポニテ「はいはーい、いるよ」

お嬢「……」ドゲザ

ポニテ「なっ!?」

召使い「お嬢様、いきなり何を!?」

メイド「……」

お嬢「ごめんなさい。 私が三編みさんをちゃんと止めておけばこんなことにはなりませんでしたわ」

ポニテ「止めて!!」

お嬢「……ですが」

ポニテ「ポニテの為に泣いてくれる人
の土下座なんて見たくないよ」クス

お嬢「……ポニテさん」ポロポロ

お嬢「私……彼女の絵が……好きで、絵を一生懸命描いてる姿が……頭から離れなくて」ポロポロ

ポニテ「ありがとう。 あの子の為に泣いて、ありがとう」ギュ



551: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:33:52.37 ID:gM+OgWZ30

【理科室】
ポニテ「というわけで、根暗君に会いに行ってくる!!」

オタク「いや、どういうわけでござるか?」

ポニテ「お嬢を見て思ったの、言いたいことが……聞きたいことがあるならやっぱり自分から行くのが一番良いって」

僕っ娘「あぁ、君の好きにしたら良い」

ポニテ「あら、根暗の家に一人で行くなんてって嫉妬しないの?」ニヤニヤ

僕っ娘「今日だけは見逃してやる。 君こそオタクと二人っきりで研究会なんて、と嫉妬しないでおくれよ?」ニヤニヤ

ポニテ「オ、オタクのことなんて何とも思って無いんだからね!」

オタク「ツンデレ乙」デュフフフ

ポニテ「うるさい!」キック

オタク「あふん」

ポニテ「……ごめんね、付き合わせて


僕っ娘「僕は君を親友だと思っている。 空元気ぐらい、幾らでも付き合ってやるさ」

ポニテ「ありがとう。 いってきます」

僕っ娘・オタク「いってらっしゃい」



552: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:34:37.13 ID:gM+OgWZ30

【秀才・帰路】
秀才(……根暗の家に寄ってみようか)フム

無口「……」

秀才(流石に一週間だからな。 行ったところで何と声をかけて良いか解らないが……)ハァ

無口「……」ツンツン

秀才「ひゃいっ!?」

秀才「無口さん、何時から!?」

無口「……ひゃい」クスクス

秀才「笑わないでくらたまえ!」///

無口「ひゃーい」

秀才「返事として使わないでくれたまえ!!」///

無口「……お茶」ユビサシ

秀才「……へ? お茶?」

喫茶店≪店名・死なばもろとも≫

秀才「……また、俺にたかりに来たのか?」

無口「用があるのは貴方」

秀才「確かに聞きたいことはあるが……はぁ、解った」



553: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:35:19.46 ID:gM+OgWZ30

【死なばもろとも店内】
机≪コーヒー×2、イチゴパフェ≫

無口「……」モキュモキュ

秀才「火魔術家の目的について教えてくれるんだったかな?」

無口「……」コクン

秀才「……四大元素家の目的は魔術社会の維持だと聞いたが、火魔術家は違うのかい?」

無口「……方向性の違い」

秀才「……なるほど、どう維持するかの違いってことか」

無口「……」コクン

秀才「しかし、解らないな……火魔術家だけ他の三家と違う方向で維持しようとしてるのか?」

無口「……風魔術家は退魔の家系でありながら、占術の家系でもある」

秀才「……水魔術家は退魔の一族であると共に資産家として有名だったか」

無口「……もう辿り着いた?」

秀才「土魔術家は解らないが……火魔術家だけ退魔のみで今の地位にいると言いたいのか?」

無口「……」コクン

秀才「つまり、退魔系統の魔術家の立場を保ちつつ魔術社会を維持するのが火魔術家の目的ということか」

無口「……」コクン

秀才「……待て、火魔術家は錬金術が出来るんじゃないか?」

無口「あのホムンクルスのこと?」

秀才「……あぁ、根暗の話だ」ムス

無口「ホムンクルスを作るのは違法」

秀才「あぁ、知っている。 人工的に人間を作るなんて……」

無口「昔、その禁忌を犯した魔術師を火魔術家が捕らえた」

秀才「……話としては面白い」



554: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:35:48.99 ID:gM+OgWZ30

無口「今回の件も火魔術家が黒幕」

秀才「学園祭の話か?」

無口「……」コクン

秀才「魔術学園を襲って何の特がある」

無口「生徒会長の確保」

秀才「生徒会長の確保? ……待て、それじゃあまるで」

無口「学園を囚人達に襲わせ、それを理由に狙われていた生徒会長を自分達の施設に入れることが目的」

秀才「そんな……」

無口「オタクと優等生が文化祭を休んだ理由は?」

秀才「……もしも、俺が火魔術家ならばオタクと優等生は休ませずに生徒会長確保に協力させる」

無口「……若達はまだ火魔術家の本当の目的を知らないとすれば?」

秀才「それを言い出したら何でも有りだろう?」

無口「解ってる癖に」クスクス

秀才「君は何がしたいんだ? どうしてそんな話を俺にする?」



555: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:36:15.31 ID:gM+OgWZ30

「君に探して欲しいんだよ」

秀才「……何者だ?」

優男「土の若……と言えばどういう立場か解るかな?」

秀才「……探して欲しいって何を?」

優男「火魔術家の悪巧みの証拠……と言えば良いかな」

秀才「悪巧みね……退魔系統の魔術家の立場維持は悪巧みなのか?」

優男「その為に世界を征服する存在を作っているとしたら?」

秀才「それが根暗だって言いたいのか!?」ガタン

優男「かも知れないね」

秀才「そんなことが……」

優男「今度は火魔術家だけで倒せるように兵器も作っているようだし」

秀才「……兵器?」

優男「ある男の心臓を核とした兵器だ。 どんな形式のモノかは解らないけどね」

秀才(……生徒会長先輩)

優男「勿論、強制はしない」

秀才「……仲間を、オタクを裏切るようなことは出来ない」

優男「ならば、この話は無かったことにしよう」

「―そうやって何時までも蚊帳の外で指を咥えていれば良い」



556: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:37:19.52 ID:gM+OgWZ30

無口「……始末しないの?」

優男「あの男は暫く泳がせる。 放っておいても勝手に調べ出すだろうからね」

無口「……」ムス

優男「そんなに殺したかったのかい?」

無口「彼は優しい」

優男「それが殺したい理由か……相変わらず歪んでいるな」

無口「……」プイッ

優男(好意を持った相手を殺したくなるか……理解でき無いね)ヤレヤレ

優男「君は秀才君の監視をお願いする。 今回の件を火の若に伝えようとしたら始末してくれ」

無口「……」コクン

優男「僕は若様に今回の件を報告してくるよ。 本当の土の若様にね」



557: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:37:47.24 ID:gM+OgWZ30

【森の小屋】
コンコン

ポニテ「根暗君、いませんか?」

ガチャ

触手爺「……」

ポニテ「あっ、お爺さん」

触手爺「……」ブンブン

ポニテ「いないんですか…… 何処にいるか知ってます?」

触手爺「……」ユビサシ

ポニテ「森の中?」

触手爺「……籠っている」

ポニテ「森の中に……ですか?」

触手爺「……」コクン

ポニテ「ありがとうございます。 探してきますね!」

触手爺「……ん」つ笛

ポニテ「何ですか、これ?」

触手爺「……助けに行く」

ポニテ「あぁ、危なくなったら吹きますね」

触手爺「……」コクン

ポニテ「それでは、いってきます」

触手爺「……」ノシ



558: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:38:33.14 ID:gM+OgWZ30

【森の中】
ポニテ「根暗くーん! 根暗くーん!」

ポニテ「……何処にも居ないな。 ん?これは……血の臭い」

魔物の死骸山「」プーン

根暗「……呼んだ?」ウツロ

ポニテ「あんた……何してるの?」

根暗「探してるんだ」

ポニテ「へ?」

根暗「本気の僕を殺してくれる存在をね」ニタ

ポニテ「……何で?」

根暗「僕のせいで三編みさんは死んだ……その責任を取るには僕も死ぬしか無いだろう?」

根暗「ただ、自ら命を断つなんてことは僕っ娘やお爺ちゃんの手前出来ない」

根暗「だから、本気の僕を殺せる存在を探してるんだ」

ポニテ「……それが三編みへの罪滅ぼしになると本気で思ってるの?」

根暗「……」



559: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:39:02.52 ID:gM+OgWZ30

ポニテ「……まぁ、良いわ。 私はあんたに聞きたいことがあってきたの」

根暗「聞きたいこと?」

ポニテ「三編みはさぁ……あんたにおもいを伝えて死ねたの?」

根暗「……あぁ、三編みさんの想いはしっかり伝わった」

ポニテ「そう……なら、良かった」

ポニテ「三編みが死んだのは確かにあんたのせいなのかも知れない」

根暗「……」グッ

ポニテ「それでも……あの子言ってたんだ」

『大好きな人には笑っていて欲しいんだもん』

ポニテ「……あんたが思うように罪滅ぼししたら良いよ」

根暗「……ポニテさん」

ポニテ「何?」

根暗「ありがとう……僕はもう迷わない」ポロポロニカッ

ポニテ「泣くか笑うかどっちかにしなよ」クス



560: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:39:28.57 ID:gM+OgWZ30

【魔術学園・2-B】
オタク「……やっと来たでござるか」

根暗「うん……心配かけてごめん」

オタク「もう、大丈夫でござるか?」

根暗「うん……大丈夫」

根暗「僕はもう迷わない」ニッコリ



561: ◆Q6fo44/dLk 2016/06/17(金) 22:40:23.82 ID:gM+OgWZ30

(僕の大切なモノを奪うものがいるならば)

(命を奪うのを躊躇しない)

「僕はもう迷わない」


根暗「触手魔術なんて……」【後半】



元スレ
根暗「触手魔術なんて……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463589605/
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